JPH0364540B2 - - Google Patents
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- JPH0364540B2 JPH0364540B2 JP24796685A JP24796685A JPH0364540B2 JP H0364540 B2 JPH0364540 B2 JP H0364540B2 JP 24796685 A JP24796685 A JP 24796685A JP 24796685 A JP24796685 A JP 24796685A JP H0364540 B2 JPH0364540 B2 JP H0364540B2
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- Laminated Bodies (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明は平坦・易滑性ポリエステル及びその製
造方法に関し、更に詳しくは多数の微小突起を有
するコーテイング層をフイルム面上に持つ平坦・
易滑性ポリエステルフイルム及びその製造方法に
関する。 従来技術 ポリエステルフイルム、特にポリエチレンテレ
フタレートの二軸延伸フイルムは、優れた機械的
性質,耐熱性あるいは耐薬品性等を有するため、
磁気テープ,写真フイルム,包装用フイルム,コ
ンデンサー用メタライジングフイルム,電気絶縁
フイルムあるいは書写フイルム等の素材として、
その需要の伸びは最近特に著しい。 しかしながら、ポリエステルフイルムの生産お
よび上記の如き用途への適用を円滑に行うために
は、ポリエステルフイルムの滑り性を改善するこ
とが必至である。 例えば、特に薄いポリエステルフイルムの場合
にフイルムの滑り性が不足すると、例えば捲取
り,捲返し,塗布あるいはスリツト等の作業に重
大な支障を及ぼし、例えば捲き皺の発生あるいは
発生した静電気による塵埃吸着などの好ましから
ざる現象をもたらす。 また、ポリエチレンテレフタレートの未延伸あ
るいは一軸延伸のフイルムを加圧成形あるいは真
空成形に付して製造した種々の成形物を重ね合せ
た場合、表面滑性が不足しているときには成形物
を相互にかつ円滑に抜き取ることができず、従つ
て加工工程における流れ作業性が著しく低下す
る。 従来、ポリエステルフイルムの滑り性を改善す
る手段として、例えば酸化珪素,カオリン,タル
ク,炭酸カルシウムあるいはアルミナ等の種々の
フイラーの微粒子を添加したポリエステルを用い
て製膜し、次いで二軸延伸工程でフイルム厚みが
減る際にフイラーがフイルム面に微小突起として
突出する現象を利用することが実用化されてい
る。同様に微小突起を利用する滑り性の改善技術
としては、ポリエステルの重合時に用いる触媒を
重合体に不溶性の微粒子に変換させる方法も知ら
れている。 これらの技術は、フイルムの滑り性を改善する
点では事実ある程度の成功をおさめているが、フ
イルム組成内に微粒子が存在するため当然のこと
ながらフイルムの透明度を低下させたりあるいは
フイルム組成内にボイドを生成するなどの改善さ
れるべき問題を残している。特に、ジアゾフイル
ム,メタライジングフイルム,写真フイルムある
いは磁気テープフイルムにとつて、フイルムの透
明度の低下およびボイドの生成は重大な障害とな
る。 例えば、最近とみに需要の伸びが著しいビデオ
用磁気フイルムは、ドロツプアウト(記録損失)
あるいはカラーノイズの如き望ましくない現象の
発生を防止するため、特に優れた電磁特性を持つ
ことを要求されている。このようなビデオ用磁気
テープのための素材としてのポリエステルフイル
ムに、それ故、フイラーに基づく微小突起がフイ
ルムの両面にほぼ等しく発生する上記の如きフイ
ルムを用いることはビデオ用磁気テープの滑り性
を改善することにはなつてもボイドが生成してド
ロツプアウトやカラーノイズを発生することが少
なくなく、望ましくない。 すなわち、両表面に等しく微小突起を有するフ
イルムを素材とした磁気テープは、磁気塗料を塗
布した面では微小突起の上に磁気塗料層を形成さ
せるためにこの微小突起の影響が該磁気塗料層の
外表面にまで及ぶことは少なく比較的平坦な磁気
塗料層表面を形成するが、磁気塗料層を持たない
他方の面には該微小突起が存在する。そのため、
巻取られた磁気テープにおいて、上記他方の面の
微小突起が比較的平坦な磁気塗料層に押し付けら
れるため、この微小突起が磁気塗料層に転写され
るのを完全に防止することは不可能となる。微小
突起を形成しせめる方法により得られたフイルム
は、加えて、往々にして、比較的粗大な粒子に基
づく比較的粗大な突起を有していることが多く、
このような粗大な突起は上記の如き転写をもたら
すことになる。磁気塗料層に凹凸が転写された磁
気テープはビデオハードのヘツドとの接触に際
し、スペースロスを発生し、ドロツプアウト,カ
ラーノイズをもたらす。また金属薄膜型磁気テー
プではかかる凹凸転写が更にシビアとなり、超フ
ラツト性が要求される。 微小突起によるこのような欠点を改善するた
め、微粒子の粒径を一層小さくする工夫もなされ
ているが、結局転写と滑り性との妥協が必要とさ
れる。 一方、微粒子をポリエステルに添加してフイル
ム面に微小突起を形成せしめる上記方法とは異な
り、そのような微粒子を含有しないポリエステル
から製造したフイルムの両面に特定の塗布液を塗
布する方法によつて、フイルムの両面にミミズ状
皮膜構造を形成せしめてフイルムに易滑性を付与
する方法が提案されている。 この方法は、シリコーンあるいはスチレン−ブ
タジエンゴムの少なくとも1つと水溶性高分子化
合物を含む特定の塗布液を用いるものではある
が、フイルムに後処理によつて易滑性を付与する
点で、ポリエステルに微粒子を添加してフイルム
に易滑性を付与する方法とは相違する。 しかしながら、上記方法はフイルムの両面に塗
布液を塗布しフイルムの両面にミミズ状皮膜構造
を形成しなければ十分な易滑性を得られないのが
難点である。フイルムの片面のみにミミズ状皮膜
構造を形成せしめた場合には、ミミズ状皮膜構造
を有する面と有さない面との摩擦係数が依然とし
て大きく、十分な易滑性が得られない。 発明の目的 本発明の目的は、フイルムの少なくともいずれ
か一方の表面上に、多数の微小突起を有する特定
の組成から成るコーテイング層を持つ、新規な平
坦・易滑性ポリエステルフイルムを提供すること
にある。 本発明の他の目的は、本発明の好ましい平坦・
易滑性ポリエステルフイルムとして、フイルムの
片面上にのみ多数の微小突起を有するコーテイン
グ層を持ち、フイルムの他方の面上にはそのよう
なコーテイング層を持たず、この他方の面は実質
的に平坦であるデユアル構造の平坦・易滑性ポリ
エステルフイルムを提供することにある。 本発明の更に他の目的は、種々の用途、例えば
磁気テープ用等の用途に対して、障害となる程度
の転写を起さないか、または実質的に起さない平
坦・易滑性ポリエステルフイルムを提供すること
にある。 本発明の別な目的は、熔融ポリエステルをスリ
ツトから押出して未延伸薄膜を形成し、更に逐次
二軸延伸する連続工程のうちに、フイルムの連続
生産を維持しながら、フイルム表面に多数の微小
突起を有するコーテイング層を形成せしめる手順
を組入れて、工業的に極めて有利に平坦・易滑性
ポリエステルフイルムを製造する方法を提供する
ことにある。 なお本発明では水を溶媒とした組成物を用いる
ため、工程的,経済的及び安全上の点からもすぐ
れた利点を有する。一方従来技術にあつては、ポ
リエステルフイルム表面の易滑性表面への変性方
法は、多くの場合、有機溶剤に溶解せしめた組成
物をフイルム表層部に塗設することによつて達成
されてきた。しかし、かかる方法をフイルム製膜
中に施す場合、逸散有機溶剤による周囲環境の汚
染,安全および衛生上好ましからざる悪影響を及
ぼすため、有機溶媒の使用は極力最少限にとどめ
るべきである。 発明の構成 本発明の上述の目的は、本発明によれば、 ポリエステルフイルムの少なくとも片面に、ポ
リウレタン(A),アクリル系樹脂(B),低分子量ポリ
オレフインワツクス(C)及び平均粒径0.15μm以下
の粗面化物質(D)を主成分とする組成物よりなる塗
膜が形成され、該塗膜の表面の中心線平均粗さ
(Ra)が0.002〜0.01μmである平坦・易滑性ポリ
エステルフイルム,並びに 結晶配向が完了する前のポリエステルフイルム
の少なくとも片面に、ポリウレタン(A),アクリル
系樹脂(B),低分子量ポリオレフインワツクス(C)及
び平均粒径0.15μm以下の粗面化物質(D)を主成分
とする組成物の水性液を塗布し、次いで乾燥,延
伸,熱処理を施して結晶配向を完了させ、かつフ
イルムの表面に中心線平均粗さ(Ra)が0.002〜
0.01μmの塗膜を形成せしめることを特徴とする
平坦・易滑性ポリエステルフイルムの製造方法 によつて達成される。 本発明においてポリエステルとは、芳香族二塩
基酸またはそのエステル形成性誘導体とジオール
またはそのエステル形成性誘導体とから合成され
る線状飽和ポリエステルである。かかるポリエス
テルの具体例として、ポリエチレンテレフタレー
ト,ポリエチレンイソフタレート,ポリブチレン
テレフタレート,ポリ(1,4−シクロヘキシレ
ンジメチレンテレフタレート),ポリエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレート等が例示
でき、これらの共重合体またはこれらと小割合の
他樹脂とのブレンド物なども含まれる。 かかる線状飽和ポリエステル樹脂を熔融押出
し、常法でフイルム状となし、配向結晶化及び熱
処理結晶化せしめたものが本発明のポリエステル
フイルムである。このポリエステルフイルムとし
ては、結晶融解熱として走査型熱量計によつて窒
素気流中[10℃/分の昇温速度において]で測定
した値が通常4cal/g以上を呈する程度に結晶配
向したものが好ましい。 本発明において、結晶配向が完了する前のポリ
エステルフイルムとは、該ポリマーを熱熔融して
そのままフイルム状となした未延伸フイルム;未
延伸フイルムをタテ方向またはヨコ方向の何れか
一方に配向せしめた一軸延伸フイルム;さらには
タテ方向およびヨコ方向の二方向に低倍率延伸配
向せしめたもの(最終的にタテ方向またはヨコ方
向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前
の二軸延伸フイルム)等を含むものである。 本発明の好適なフイルムは、結晶配向が完了す
る前の未延伸或は少くとも一軸方向に延伸された
状態のフイルムに特定の組成物を適用し、そのま
まタテ延伸及び/またはヨコ延伸と熱固定とを施
す、所謂インラインコーテイング方式で製造す
る。 本発明においてフイルム表面上で塗膜を形成す
る成分のポリウレタン(A)は水性ポリウレタンが好
ましく、これはカルボン酸塩基,スルホン酸塩基
または硫酸半エステル塩基によつて水への親和性
が高められたポリウレタンであり、通常かかる水
親和性付与基はポリウレタン合成時ないし合成後
に導入される。 例えば、カルボン酸塩基の導入は、ポリウレタ
ン合成時、原料ポリヒドロキシ化合物の1つとし
てカルボン酸基含有ポリヒドロキシ化合物を用い
るか、未反応イソシアネート基を有するポリウレ
タンの該イソシアネート基に水酸基含有カルボン
酸やアミノ基含有カルボン酸を反応させ、次いで
反応生成物を高速撹拌下でアルカリ水溶液中に添
加し、中和する等によつて行なうことができる。 また、スルホン酸塩基または硫酸半エステル塩
基の導入は、通常ポリヒドロキシ化合物,ポリイ
ソシアネート及び鎖延長剤からプレポリマーを生
成させ、これに末端イソシアネート基と反応しう
るアミノ基または水酸基とスルホン酸塩基または
硫酸半エステル塩基とを分子内に有する化合物を
添加,反応させ、最終的に分子内にスルホン酸塩
基または硫酸半エステル塩基を有する水性ポリウ
レタンを得ることで行なうことができる。その際
生成反応は有機溶剤中で行ない、次いで水を加え
てから該溶剤を除去することが好ましい。また、
他の方法としてはスルホン酸基を有する化合物を
原料の一つとして使用してスルホン酸基を有する
ポリウレタンを合成し、次いで該ポリウレタンを
高速撹拌下でアルカリ水溶液中に添加し、中和す
る方法,ポリウレタンの主鎖又は側鎖の1級又は
2級アミノ基にアルカリの存在下で下記サルトン
化合物を付加してスルホン酸アルカリ塩(例えば
−SO3Na等)を導入する方法等があげられる。
アルカリ水溶液としては水酸化ナトリウム,水酸
化カリウム,アンモニア,アルキルアミン等の水
溶液を用いることが好ましいが、該アルカリが被
覆膜(下塗り膜)中に残留しないアンモニア,乾
固条件で揮発するアミンが特に好ましい。 カルボン酸塩基,スルホン酸塩基,硫酸半エス
テル塩基等の塩基の量は0.5〜15重量%が好まし
い。塩基の割合が少なすぎるとポリウレタンの水
親和性が不足して塗布液の調製が難しくなり,ま
た多すぎるとポリウレタン本来の特性が損われる
ので、好ましくない。かかる水性ポリウレタン
は、所望により分散助剤を用いて、安定な水分散
液を形成するものないし水溶液を形成するもので
ある。 ポリウレタンの合成に用いるポリヒドロキシ化
合物としては、例えばポリエチレングリコール,
ポリプロピレングリコール,ポリエチレン・プロ
ピレングリコール,ポリテトラメチレングリコー
ル,ヘキサメチレングリコール,テトラメチレン
グリコール,1,5−ペンタンジオール,ジエチ
レングリコール,トリエチレングリコール,ポリ
カプロラクトン,ポリヘキサメチレンアジペー
ト,ポリヘキサメチレンセバケート,ポリテトラ
メチレンアジペート,ポリテトラメチレンセバケ
ート,トリメチロールプロパン,トリメチロール
エタン,ペンタエリストール,グリセリン等を挙
げることができる。ポリイソシアネート化合物と
しては、例えばヘキサメチレンジイソシアネー
ト,ジフエニルメタンジイソシアネート,トリレ
ンジイソシアネート,イソホロンジイソシアネー
ト,トリレンジイソシアネートとトリメチロール
プロパンの付加物,ヘキサメチレンジイソシアネ
ートとトリメチロールエタンの付加物等を挙げる
ことができる。カルボン酸含有ポリオールとして
は、例えばジメチロールプロピオン酸,ジメチロ
ール酪酸,ジメチロール吉草酸,トリメリツト酸
ビス(エチレングリコール)エステル等を挙げる
ことができる。アミノ基含有カルボン酸として
は、例えばβ−アミノプロピオン酸,γ−アミノ
酪酸,P−アミノ安息香酸等を挙げることができ
る。水酸基含有カルボン酸としては、例えば3−
ヒドロキシプロピオン酸,γ−ヒドロキシ酪酸,
P−(2−ヒドロキシエチル)安息香酸,リンゴ
酸等を挙げることができる。アミノ基または水酸
基とスルホン基を有する化合物としては、例えば
アミノメタンスルホン酸,2−アミノエタンスル
ホン酸,2−アミノ−5−メチルベンゼン−2−
スルホン酸,β−ヒドロキシエタンスルホン酸ナ
トリウム,脂肪族ジ第1級アミン化合物のプロパ
ンサルトン,ブタンサルトン付加生成物等が挙げ
られ、好ましくは脂肪族ジ第1級アミン化合物の
プロパンサルトン付加物があげられる。更に、ア
ミノ基または水酸基と硫酸半エステル基を含有す
る化合物としては、例えばアミノエタノール硫
酸,エチレンジアミンエタノール硫酸,アミノブ
タノール硫酸,ヒドロキシエタノール硫酸,γ−
ヒドロキシプロパノール硫酸,α−ヒドロキシブ
タノール硫酸等があげられる。 これら化合物を用いてポリウレタンの合成は、
従来から良く知られている方法で合成することが
できる。 本発明における塗膜形成成分のアクリル系樹脂
(B)としては、メチルメタクリレート成分が40〜80
モル%であり、これと共重合可能な他のビニルモ
ノマー成分を20〜60%有する水性アクリル系樹脂
であることが好ましい。アクリル系樹脂中のメチ
ルメタクリレート成分が40モル%未満では、塗膜
の強度低下,軟質化傾向を示し、耐ブロツキング
の悪化によるハンドリング性の低下等が生じ、好
ましくない。一方、メチルメタクリレート成分が
80モル%を越えると、塗膜の硬質化傾向を示し、
塗膜が脆くなり、基材との密着性が低下したり、
造膜性が劣る等を生じ、好ましくない。 上記メチルメタクリレートと共重合可能な他の
ビニルモノマーとしては、例えば、アルキルアク
リレート(アルキル基としてはメチル基,エチル
基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチ
ル基,イソブチル基,t−ブチル基,2−エチル
ヘキシル基,シクロヘキシル基,フエニル基,ベ
ンジル基,フエニルエチル基等);アルキルメタ
クリレート(アルキル基としては上記アルキルア
クリレートのメチル基を除くアルキル基等);2
−ヒドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート,2−ヒドロキシプロピ
ルアクリレート,2−ヒドロキシプロピルメタク
リレート等のヒドロキシ含有モノマー;アクリル
アミド,メタクリルアミド,N−メチルメタクリ
ルアミド,N−メチルアクリルアミド,N−メチ
ロールアクリルアミド,N−メチロールメタクリ
ルアミド,N,N−ジメチロールアクリルアミ
ド,N−メトキシメチルアクリルアミド,N−メ
トキシメチルメタクリルアミド,N−フエニルア
クリルアミド等のアミド基含有モノマー;N,N
−ジエチルアミノエチルアクリレート,N,N−
ジエチルアミノエチルアクリレート等のアミノ基
含有モノマー;グリシジルアクリレート,グリシ
ジルメタクリレート,アリルグリシジルエーテル
等のエポキシ基含有モノマー;スチレンスルホン
酸,ビニルスルホン酸およびそれらの塩(ナトリ
ウム塩,カリウム塩,アンモニウム塩等)等のス
ルホン酸基またはその塩を含有するモノマー;ク
ロトン酸,イタコン酸,アクリル酸,マレイン
酸,フマール酸及びそれらの塩(ナトリウム塩,
カリウム塩,アンモニウム塩等)等のカルボキシ
ル基またはその塩を含有するモノマー;無水マレ
イン酸,無水イタコン酸等の酸無水物を含有する
モノマー;その他、ビニルイソシアネートアリル
イソシアネート,スチレン,ビニルメチルエーテ
ル,ビニルエチルエーテル,ビニルトリスアルコ
キシシラン,アルキルマレイン酸モノエステル,
アルキルフマール酸モノエステル,アクリロニト
リル,メタクリロニトリル,アルキルイタコン酸
モノエステル,塩化ビニリデン,酢酸ビニル,塩
化ビニル等が挙げられる。 メチルメタクリレートと共重合される上述のモ
ノマーは1種若しくは2種以上の組合せで自由に
選択されるが、アクリル系樹脂への親水性付与,
水性液の分散安定性,ポリエステルフイルムとの
密着性等の点から、水酸基,アミド基やカルボキ
シル基またはその塩(ナトリウム塩,カリウム
塩,アンモニウム塩等)等の官能基を有するもの
が好ましい。また、塗膜の耐熱性,強度,耐水性
等の改善には、熱硬化タイプが好適であり、例え
ば、エポキシ基含有モノマーとアミノ基,酸無水
物基,カルボキシル基,ヒドロキシル基またはN
−メチロール基を含有するモノマーとの組合せ;
N−メチロールまたはN−メチロールエーテル基
を含有するモノマーとカルボキシル基またはアミ
ノ基を含有するモノマーとの組合せ等、また、カ
ルボン酸塩基,メチロールのように単独でも熱硬
化性を有するモノマーを例示できる。これらの反
応性基の1種または2種以上の組合せは1種のア
クリル系樹脂または2種以上のアクリル系樹脂に
任意に導入することができ、要すれば、加熱時互
に反応し得る基を有するアクリル系樹脂の組合せ
にすれば良い。また、低分子量物質(例えば、ア
ルキロール化メラミン等)でアクリル系樹脂中の
反応性基と加熱時互に反応し得る基を有するもの
を1種以上添加することもできる。 アクリル系樹脂の水性液の製造法は公知の任意
の方法で実施できる。例えば、水分散系での乳化
重合法を例示すると、イオン交換水に乳化分散剤
(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの如き
界面活性剤),水溶性重合開始剤(過硫酸アンモ
ニウムの如き過酸化物),重合促進剤(酸性亜硫
酸ナトリウムの如き還元剤)を適当量添加し、所
定の温度(例えば、50〜90℃)で、所定の撹拌速
度で撹拌しながら、モノマー所定量のおよそ10〜
50重量%となるように添加し、重合が開始された
ら、短時間添加を中断後、残りのモノマーを一定
速度で添加し、同一条件で数時間乳化重合するこ
とによつて、アクリル系樹脂の水性分散液を製造
することができる。その際、反応に用いられる界
面活性剤の添加量は共重合成分モノマーに対して
5重量%以下、更には1〜2重量%が良好であ
る。かくして平均粒子径約0.2μm以下の微細な粒
径のものが得られる。尚、必要に応じて、分子量
調整剤(メルカプタン類)や分散補助剤(ポリビ
ニルアルコール,ヒドロキシメチルセルロース等
の高分子保護コロイド類)等を添加しても良い。 その他、上記の低分子量界面活性剤に代る高分
子量界面活性剤の応用,反応性界面活性剤の応
用,界面活性剤を含有しない、所謂ソープフリー
重合による製造法も採用し得る。 本発明にあける塗膜形成成分の低分子量ポリオ
レフインワツクス(C)とは、高分子量ポリオレフイ
ン樹脂に類似の物理化学的性質を有しながら、溶
融粘度が極端に低く、且つワツクス類例えばパラ
フインワツクス,ミクロクリスタリンワツクス,
カルナバワツクス,モンタンワツクス等に比べて
融点が高い特徴を有するものである。特に低分子
量ポリプロピレンは150℃という高い融点を持つ
ている。 これらポリオレフインワツクスの水性化は、例
えば溶融ポリオレフインと乳化剤(界面活性剤
等)入り熱水とを混合してO/W型エマルジヨン
等公知の製造方法によつて可能であり、また、酸
化して分子中にカルボキシル基を含有させたポリ
オレフインでは水での乳化が更に容易となる。こ
れら低分子量ポリオレフインのなかでもポリエチ
レンワツクスが好ましく、就中平均分子量1000〜
10000、密度0.91〜0.97(g/ml),ブルツクフイ
ールド粘度計での溶融粘度(140℃,cps)が約20
〜約700の範囲にあるポリエチレンワツクスが好
ましい。更には、分子量2000〜4000の範囲のもの
が水性化し易く、ポリエチレンワツクスとしての
滑性等の特性を満足し、好ましい。尚、高分子量
ポリエチレン(分子量20000)では約8000万cpsと
溶融粘度が極端に高くなるため、水性化が極めて
困難となる。 本発明において、上記ポリウレタン(A)及びアク
リル系樹脂(B)及び低分子量ポリオレフインワツク
ス(C)の水性液(水溶液または分散液若しくは乳化
剤)と混合させる粗面化物質(D)としては、ポリス
チレン,ポリメチルメタクリレート,メチルメタ
クリレート共重合体,ポリテトラフルオロエチレ
ン,ポリビニリデンフルオライド若しくはポリア
クリロニトリル,ベンゾグアナミン樹脂等の如き
有機質微粉末、またはシリカ,アルミナ,二酸化
チタン,カオリン,タルク,グラフアイト,炭酸
カルシウム,長石,二硫化モリブデン,カーボン
ブラツクもしくは硫酸バリウム等の如き無機質微
粉末等が挙げられ、これらは乳化剤等を用いて水
性分散液としたものであつてもよく、また、微粉
末状でポリウレタン水性液,アクリル系樹脂水性
液,低分子量ポリオレフインワツクス水性液に添
加できるものであつてもよい。この粗面化物質は
平均粒径0.15μm以下の微粒子であり、好ましく
は0.01〜0.1μmである。また、これらの水不溶性
の固体物質は水分散液中で沈降するのを避けるた
め、比重が3を超えない超微粒子であることが好
ましい。 本発明における粗面化物質(D)はポリウレタン
(A),アクリル系樹脂(B)塗膜自体の微小突起の均一
形成を促進する効果と微粉末自体による塗膜の補
強効果とを奏し、更にはアクリル系樹脂(B),低分
子量ポリオレフインワツクス(C)の塗膜への耐ブロ
ツキング性,摩擦力の低減性等の寄与効果並びに
両者の相乗効果による塗膜への耐スクラツチ性寄
与効果とあいまつて、ポリエステルフイルムに優
れた易滑性効果を賦与する。 塗膜の主成分たるポリウレタン(A),アクリル系
樹脂(B),低分子量ポリオレフインワツクス(C)及び
粗面化物質(D)の混合割合は、通常、[(A)+(B)+
(C)]/(D)=98/2〜40/60,[(A)+(B)]/(C)=
98/2〜40/60,且つ(A)/(B)=90/10〜10/90
(固型分換算:重量%)の範囲であることが好ま
しく、更には、[(A)+(B)+(C)]/(D)=95/5〜
60/40,[(A)+(B)]/(C)=95/5〜60/40,(A)/
(B)=80/20〜20/80(重量比)の範囲にあるのが
好ましい。アクリル系樹脂(B),低分子量ポリオレ
フインワツクス(C)の混合割合が少なすぎると、摩
擦力が上昇して、ハンドリング性を悪化させ、一
方多すぎると、塗膜とポリエステルフイルムとの
密着性を低下させたり、塗膜の脆化を招いたりし
て、フイルムの易滑性が低減してくる。また、粗
面化物質(D)の混合割合が少なすぎると、添加され
る粗面化物質の、塗膜中での微細突起形成物質と
しての突起均一形成効果の減少、微粉末自体とし
ての塗膜への補強効果の減少により、フイルムの
易滑性が低減し、一方この割合が多すぎると、粗
面化物質の比率が高くなり、塗膜とポリエステル
フイルムとの密着性が低下したり、塗膜が脆くな
るなどにより、微小突起が使用時にフイルムに負
荷される程度の摩擦力で破壊され、塗膜が摩滅す
ることから、易滑化効果の持続性が損われる。 ポリウレタン(A),アクリル系樹脂(B)及び低分子
量ポリオレフインワツクス(C)と粗面化物質(D)との
混合は、水分散液の状態として混合を行なつても
よく、(A),(B)若しくは(C)、または(A),(B),(C)全体
の水分散液の中に粉末状粗面化物質を、要すれば
乳化剤を添加し、撹拌分散してもよい。 本発明の方法において、配向結晶化の過程が完
了する前のポリエステルフイルムの表面に塗膜を
円滑に塗設できるようにするために、予備処理と
してフイルム表面にコロナ放電処理を施すか、ま
たは被覆組成物とともにこれと化学的に不活性な
界面活性剤を併用することが好ましい。 界面活性剤は組成物水性液の表面張力を
40dyne/cm以下に降下できるようなポリエステ
ルフイルムへの濡れを促進するものであり、例え
ば、ポリオキシエチレンアルキルフエニルエーテ
ル,ポリオキシエチレン−脂肪酸エステル,ソル
ビタン脂肪酸エステル,グリセリン脂肪酸エステ
ル,脂肪酸金属石鹸,アルキル硫酸塩,アルキル
スルホン酸塩,アルキルスルホコハク酸塩等のア
ニオン型,ノニオン型界面活性剤等を挙げること
ができる。更に、本発明の効果を消失させない範
囲において、例えば帯電防止剤,紫外線吸収剤,
潤滑剤等の他の添加剤を混合することができる。 本発明において、かくして調整された水性液は
結晶配向が完了する前のポリエステルフイルムの
少なくとも片面に塗布される。その際水性液の固
形分濃度は、通常30重量%以下であり、15重量%
以下が好ましい。粘度は100cps以下、好ましくは
20cps以下が適当である。塗布量は走行している
フイルム1m2当り約0.5〜20g、更には1〜10g
が好ましい。換言すれば、最終的に得られる二軸
延伸フイルムにおいて、フイルムの一表面に1m2
当り約0.001〜1g、更には約0.01〜0.3gの固形
分が好ましい。 塗布方法としては、公知の任意の塗工法が適用
できる。例えばロールコート法,グラビアコート
法,ロールブラツシユ法,スプレーコート,エア
ーナイフコート,含浸法およびカーテンコート法
などを単独または組み合せて適用するとよい。 上記水性液は、好ましくは縦一軸延伸が施され
た直後のフイルムに塗布され、次いでフイルムは
横延伸および熱固定のためのテンターに導びかれ
る。 塗布物は未固化の塗膜の状態でフイルムの延伸
に伴つてその面積が拡大されかつ加熱されて水を
揮散し、二軸延伸されたフイルム表面上で5μm以
下の間隔の多数の微小突起を有する薄い固体塗膜
層に変換され、二軸延伸されたフイルム表面に強
固に固着される。 本発明の方法によれば、上記水性液は基材の延
伸工程および熱処理工程によつて、上述の如く、
多数の微小突起を有する固体塗膜に変換される。
この加熱は、好ましくは約100〜約240℃の温度で
約1〜約20秒間行われる。 ポリエステルフイルムの配向結晶化条件、例え
ば延伸,熱固定等の条件は、従来から当業界に蓄
積された条件で行うことができる。 本発明においては、上述の水性液はポリエステ
ルフイルムの片面または両面に適用され得るが、
例えば、片面のみに塗布されて得られた平坦・易
滑性二軸延伸フイルムは、一方の面が多数の微小
突起を有し、他方の面が平坦であるデユアルサー
フエス構造を有し、磁気テープ用素材として特に
好適に使用できる。 発明の効果 本発明の平坦・易滑性二軸延伸ポリエステルフ
イルムは、後に実施例において具体的なデータを
用いて説明するとおり、極めて平坦で、かつ優れ
た滑り性を有しており、優れた平坦性が要求され
る種々の分野に、特に磁気テープの素材として好
適に用いられる。 本明細書における種々の値は下記のとおりにし
て測定され、かつ定義される。 1 表面粗さRa(Center Line Average:中心線
平均粗さ) JIS B0601に準じ、(株)小坂研究所製の高精度表
面粗さ計SE−3FATを使用して、針の半径2μm,
荷重30mgで拡大倍率20万部,カツトオフ0.08mmの
条件下にチヤートをかかせ、フイルム表面粗さ曲
線からその中心線の方向に測定長さLの部分を抜
き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸,縦倍
率の方向をY軸として、粗さ曲線をY=f(x)
で表わした時、次の式で与えられた値をμm単位
で表わす。 RCLA=(1/L)∫0 L|f(x)|dx この測定は基準長を1.25mmとして4個測定し、
平均値で表わす。 2 フイルム摩擦係数(フイルムスリツパリー) ASTM D1894−63に準じ、東洋テスター社製
のスリツパリー測定器を使用し、塗設面とポリエ
チレン−テレフタレートフイルム(非塗設面)と
の静摩擦係数(μs)を測定する。但し、スレツド
板はガラス板とし、荷重は1Kgとする。 フイルムスリツパリーは次の基準で判定する。 〇:良好なもの(μs 0.6未満) △:やや不良なもの(μs 0.6〜0.8) ×:不良なもの(μs 0.8以上) 3 ハンドリング性(易滑面の耐久性) (1) 削れ性 添附図はフイルム走行性を評価するための動
摩擦係数μKを測定する模式図である(使用装
置,日本自動制御K.K.NJS 101型)。図面にお
いて、1は繰出しリール、2はテンシヨンコン
トローラー、3,5,6,8,9,11はフリ
ーロール、4はテンシヨン検出機(入口)、7
はクロムメツキ固定ピン(5mmφ)、10はテ
ンシヨン検出機(出口)、12はガイドローラ、
13は捲取りリールを夫々示す。 図に示す如く、20℃60%RH雰囲気下で、易
滑化をはかつた処理面を外径5mmの固定ピンに
角度θ=(152/108)πラジアン(152゜)で接
触させ、毎秒3.3cmの速さで移動,摩擦させる。
入口テンシヨン(T1)が30gとなるようテン
シヨンコントローラー2を調整してフイルムを
10m走行させて巻きもどし、再び走行を繰り返
す。この往復を1回とする。30回繰り返し走行
させた時の固定ピン上に堆積する物質がある
か、ないかを観察し、下記水準で評価する。 〇:堆積物が殆んど認められないもの △:若干付着の形跡のあるもの ×:多いもの (2) 耐スクラツチ性 上記と同様に30回繰り返し走行させた時のフ
イルム表面の摩耗状態(スクラツチの発生度
合)を観察し、下記水準で評価する。 〇:スクラツチが殆んど認められないもの ×:可成り発生しているもの 実施例 以下、実施例をあげて本発明を更に説明する。
尚、例中の「部」は「重量部」を意味する。 比較例 1 25℃のオルソクロロフエノール中で測定した固
有粘度0.65の無機質フイラーを全く含まないポリ
エチレンテレフタレートを、エクストルーダーで
口金から押出し、これを40℃に冷却したドラム上
で静電印加を行いながら急冷して厚さ152μmの押
し出しフイルムとし、続いてこれを93℃に加熱し
た金属ロール上で長手方向に3.6倍に延伸した。
次いで、テンター内に導き98℃の予熱ゾーンを通
過せしめ、105℃で横方向に3.9倍に延伸し、更に
225℃で6.3秒間熱固定を行い、結晶配向を完結さ
せたあとエツジをスリツトしながら捲取テンシヨ
ン9.8Kgの条件において500mm幅で捲取りを行つ
た。最終的にフイルムは平均12.1μmの厚さを有
していた。 フイルム間相互の滑りが悪いためフイルムロー
ルに皺が発生した。一度この皺が発生すると、そ
れが次々と表層部へ伝播集中して、ロール端部の
一方側は固く、中央部が柔かくなると言つた到底
商品形態をなさない捲姿となつた。 別に巻取テンシヨンを極度におとし4.66Kgで捲
取つたが、端部が不揃いとなる以外に捲皺もみら
れ、完全なものが得られなかつた。このフイルム
を1/2インチ巾にマイクロスリツトしようと試み
たが、不可能であつた。 得られた結果を第1表に示す。 実施例 1 カルボン酸アミン塩基を有するポリウレタン水
分散液[東洋ポリマー(株)製:商品名メルシー585]
28部(非揮発成分として),アクリル系樹脂エマ
ルジヨン[メタクリル酸メチル/アクリル酸エチ
ル/アクリルアミド=49/43/8(モル%)]28
部,ポリエチレンワツクスエマルジヨン(融点約
105℃)7部,コロイダルシリカ水分散液(平均
粒径40〜50mμ)27部及びポリオキシエチレンノ
ニルフエニルエーテル[日本油脂(株)製:商品名
NS−208.5]10部をイオン交換水で希釈溶解し、
固形分濃度2重量%の塗布液を調製した。 次いで、比較例1と同じ二軸延伸フイルムの製
法において、縦延伸が終了した一軸延伸フイルム
がテンターに入る直前の位置で、このフイルムの
片面上に、上記の塗布液をキスコート法にて均一
に塗布した。このときの平均塗布量は上記一軸延
伸フイルム1m2当り約4gウエツト量であつた
(この量は、下記の二軸延伸フイルムでは1m2当
り約0.02gに相当する)。次いで片面塗布を施し
た一軸延伸フイルムをテンター内に導き98℃の予
熱ゾーンを通過せしめ、105℃で横方向に3.9倍に
延伸し、更に225℃で6.3秒間熱固定した(塗布液
を塗布されたフイルムが加熱を受けた時間は合計
で11秒間に相当する)。 かくして二軸延伸されたフイルムは、9.8Kgの
テンシヨンでしわの発生もなく捲取ることができ
た。このフイルムを半インチ巾にマイクロスリツ
トし、500m巻きのテープ52本を製造した。この
間、フイルムのスリツト化は何んらのトラブルも
なく良好に行われた。 上記フイルムの表面特性,ハンドリンク性等を
第1表に示す。 比較例1で得られたフイルム(塗布液を塗布さ
れていない)と比較すれば明らかな通り、実施例
のフイルムは特に磁気テープ用のベースフイルム
として極めて優れた基本特性を有する。 なお、処理面をアルミニウム蒸着し、微分干渉
顕微鏡で400倍に拡大して観察したところ、多数
の微小突起が形成されている事が確認できた。 比較例 2 実施例1の塗布液組成からアクリル系樹脂とポ
リエチレンワツクスを除いて塗布液を調製した。
即ち、実施例1の水性ポリウレタン樹脂63部,コ
ロイダルシリカ27部及びポリオキシエチレンノラ
ルフエニルエーテル10部のみを用い、実施例1と
全く同様にして塗布液を調製した。 この塗布液を用いる以外、一軸延伸フイルムで
の塗布量も含め、実施例1と全く同様にして、二
軸延伸フイルムを製造した。 比較例1と同様な現象がみられ、フイルム間相
互の滑りが悪く、皺が発生した。更に、シリカの
量を40部(固形分として)に増加させてみたとこ
ろ、捲取り性はやや改善されるものの、捲皺の発
生を回避することができず、1/2インチ幅のテー
プの走行性テストも滑りが悪かつた。 得られた結果を第1表に示す。 実施例 2 カルボキシル基含有ポリウレタン水分散液[東
洋ポリマー(株)製:商品名メルシー545]32部(非
揮発成分として),アクリル系樹脂エマルジヨン
[メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル/アク
リル酸アンモニウム=49/43/8(モル%)]32
部、ポリエチレンワツクスエマルジヨン(融点約
120℃)8部、コロイダルシリカ水分散液(平均
粒径70〜90mμ)18部及びポリオキシエチレンノ
ニルフエニルエーテル[日本油脂(株)製:商品名
NS−208.5]10部をイオン交換水で希釈溶解し、
固形分濃度4重量%の塗布液を調製した。 この塗布液を用いる以外は、一軸延伸フイルム
での塗布量も含め、実施例1と全く同様にして、
二軸延伸フイルムを製造したところ良好に捲取る
ことができ、スリツト化にも何のトラブルも発生
しなかつた。 この実施例のフイルムの表面特性及びハンドリ
ング性等を第1表に示す。 なお、処理面をアルミニウム蒸着し、微分干渉
顕微境で400倍に拡大して観察したところ、多数
の微小突起が形成されている事が確認できた。
造方法に関し、更に詳しくは多数の微小突起を有
するコーテイング層をフイルム面上に持つ平坦・
易滑性ポリエステルフイルム及びその製造方法に
関する。 従来技術 ポリエステルフイルム、特にポリエチレンテレ
フタレートの二軸延伸フイルムは、優れた機械的
性質,耐熱性あるいは耐薬品性等を有するため、
磁気テープ,写真フイルム,包装用フイルム,コ
ンデンサー用メタライジングフイルム,電気絶縁
フイルムあるいは書写フイルム等の素材として、
その需要の伸びは最近特に著しい。 しかしながら、ポリエステルフイルムの生産お
よび上記の如き用途への適用を円滑に行うために
は、ポリエステルフイルムの滑り性を改善するこ
とが必至である。 例えば、特に薄いポリエステルフイルムの場合
にフイルムの滑り性が不足すると、例えば捲取
り,捲返し,塗布あるいはスリツト等の作業に重
大な支障を及ぼし、例えば捲き皺の発生あるいは
発生した静電気による塵埃吸着などの好ましから
ざる現象をもたらす。 また、ポリエチレンテレフタレートの未延伸あ
るいは一軸延伸のフイルムを加圧成形あるいは真
空成形に付して製造した種々の成形物を重ね合せ
た場合、表面滑性が不足しているときには成形物
を相互にかつ円滑に抜き取ることができず、従つ
て加工工程における流れ作業性が著しく低下す
る。 従来、ポリエステルフイルムの滑り性を改善す
る手段として、例えば酸化珪素,カオリン,タル
ク,炭酸カルシウムあるいはアルミナ等の種々の
フイラーの微粒子を添加したポリエステルを用い
て製膜し、次いで二軸延伸工程でフイルム厚みが
減る際にフイラーがフイルム面に微小突起として
突出する現象を利用することが実用化されてい
る。同様に微小突起を利用する滑り性の改善技術
としては、ポリエステルの重合時に用いる触媒を
重合体に不溶性の微粒子に変換させる方法も知ら
れている。 これらの技術は、フイルムの滑り性を改善する
点では事実ある程度の成功をおさめているが、フ
イルム組成内に微粒子が存在するため当然のこと
ながらフイルムの透明度を低下させたりあるいは
フイルム組成内にボイドを生成するなどの改善さ
れるべき問題を残している。特に、ジアゾフイル
ム,メタライジングフイルム,写真フイルムある
いは磁気テープフイルムにとつて、フイルムの透
明度の低下およびボイドの生成は重大な障害とな
る。 例えば、最近とみに需要の伸びが著しいビデオ
用磁気フイルムは、ドロツプアウト(記録損失)
あるいはカラーノイズの如き望ましくない現象の
発生を防止するため、特に優れた電磁特性を持つ
ことを要求されている。このようなビデオ用磁気
テープのための素材としてのポリエステルフイル
ムに、それ故、フイラーに基づく微小突起がフイ
ルムの両面にほぼ等しく発生する上記の如きフイ
ルムを用いることはビデオ用磁気テープの滑り性
を改善することにはなつてもボイドが生成してド
ロツプアウトやカラーノイズを発生することが少
なくなく、望ましくない。 すなわち、両表面に等しく微小突起を有するフ
イルムを素材とした磁気テープは、磁気塗料を塗
布した面では微小突起の上に磁気塗料層を形成さ
せるためにこの微小突起の影響が該磁気塗料層の
外表面にまで及ぶことは少なく比較的平坦な磁気
塗料層表面を形成するが、磁気塗料層を持たない
他方の面には該微小突起が存在する。そのため、
巻取られた磁気テープにおいて、上記他方の面の
微小突起が比較的平坦な磁気塗料層に押し付けら
れるため、この微小突起が磁気塗料層に転写され
るのを完全に防止することは不可能となる。微小
突起を形成しせめる方法により得られたフイルム
は、加えて、往々にして、比較的粗大な粒子に基
づく比較的粗大な突起を有していることが多く、
このような粗大な突起は上記の如き転写をもたら
すことになる。磁気塗料層に凹凸が転写された磁
気テープはビデオハードのヘツドとの接触に際
し、スペースロスを発生し、ドロツプアウト,カ
ラーノイズをもたらす。また金属薄膜型磁気テー
プではかかる凹凸転写が更にシビアとなり、超フ
ラツト性が要求される。 微小突起によるこのような欠点を改善するた
め、微粒子の粒径を一層小さくする工夫もなされ
ているが、結局転写と滑り性との妥協が必要とさ
れる。 一方、微粒子をポリエステルに添加してフイル
ム面に微小突起を形成せしめる上記方法とは異な
り、そのような微粒子を含有しないポリエステル
から製造したフイルムの両面に特定の塗布液を塗
布する方法によつて、フイルムの両面にミミズ状
皮膜構造を形成せしめてフイルムに易滑性を付与
する方法が提案されている。 この方法は、シリコーンあるいはスチレン−ブ
タジエンゴムの少なくとも1つと水溶性高分子化
合物を含む特定の塗布液を用いるものではある
が、フイルムに後処理によつて易滑性を付与する
点で、ポリエステルに微粒子を添加してフイルム
に易滑性を付与する方法とは相違する。 しかしながら、上記方法はフイルムの両面に塗
布液を塗布しフイルムの両面にミミズ状皮膜構造
を形成しなければ十分な易滑性を得られないのが
難点である。フイルムの片面のみにミミズ状皮膜
構造を形成せしめた場合には、ミミズ状皮膜構造
を有する面と有さない面との摩擦係数が依然とし
て大きく、十分な易滑性が得られない。 発明の目的 本発明の目的は、フイルムの少なくともいずれ
か一方の表面上に、多数の微小突起を有する特定
の組成から成るコーテイング層を持つ、新規な平
坦・易滑性ポリエステルフイルムを提供すること
にある。 本発明の他の目的は、本発明の好ましい平坦・
易滑性ポリエステルフイルムとして、フイルムの
片面上にのみ多数の微小突起を有するコーテイン
グ層を持ち、フイルムの他方の面上にはそのよう
なコーテイング層を持たず、この他方の面は実質
的に平坦であるデユアル構造の平坦・易滑性ポリ
エステルフイルムを提供することにある。 本発明の更に他の目的は、種々の用途、例えば
磁気テープ用等の用途に対して、障害となる程度
の転写を起さないか、または実質的に起さない平
坦・易滑性ポリエステルフイルムを提供すること
にある。 本発明の別な目的は、熔融ポリエステルをスリ
ツトから押出して未延伸薄膜を形成し、更に逐次
二軸延伸する連続工程のうちに、フイルムの連続
生産を維持しながら、フイルム表面に多数の微小
突起を有するコーテイング層を形成せしめる手順
を組入れて、工業的に極めて有利に平坦・易滑性
ポリエステルフイルムを製造する方法を提供する
ことにある。 なお本発明では水を溶媒とした組成物を用いる
ため、工程的,経済的及び安全上の点からもすぐ
れた利点を有する。一方従来技術にあつては、ポ
リエステルフイルム表面の易滑性表面への変性方
法は、多くの場合、有機溶剤に溶解せしめた組成
物をフイルム表層部に塗設することによつて達成
されてきた。しかし、かかる方法をフイルム製膜
中に施す場合、逸散有機溶剤による周囲環境の汚
染,安全および衛生上好ましからざる悪影響を及
ぼすため、有機溶媒の使用は極力最少限にとどめ
るべきである。 発明の構成 本発明の上述の目的は、本発明によれば、 ポリエステルフイルムの少なくとも片面に、ポ
リウレタン(A),アクリル系樹脂(B),低分子量ポリ
オレフインワツクス(C)及び平均粒径0.15μm以下
の粗面化物質(D)を主成分とする組成物よりなる塗
膜が形成され、該塗膜の表面の中心線平均粗さ
(Ra)が0.002〜0.01μmである平坦・易滑性ポリ
エステルフイルム,並びに 結晶配向が完了する前のポリエステルフイルム
の少なくとも片面に、ポリウレタン(A),アクリル
系樹脂(B),低分子量ポリオレフインワツクス(C)及
び平均粒径0.15μm以下の粗面化物質(D)を主成分
とする組成物の水性液を塗布し、次いで乾燥,延
伸,熱処理を施して結晶配向を完了させ、かつフ
イルムの表面に中心線平均粗さ(Ra)が0.002〜
0.01μmの塗膜を形成せしめることを特徴とする
平坦・易滑性ポリエステルフイルムの製造方法 によつて達成される。 本発明においてポリエステルとは、芳香族二塩
基酸またはそのエステル形成性誘導体とジオール
またはそのエステル形成性誘導体とから合成され
る線状飽和ポリエステルである。かかるポリエス
テルの具体例として、ポリエチレンテレフタレー
ト,ポリエチレンイソフタレート,ポリブチレン
テレフタレート,ポリ(1,4−シクロヘキシレ
ンジメチレンテレフタレート),ポリエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレート等が例示
でき、これらの共重合体またはこれらと小割合の
他樹脂とのブレンド物なども含まれる。 かかる線状飽和ポリエステル樹脂を熔融押出
し、常法でフイルム状となし、配向結晶化及び熱
処理結晶化せしめたものが本発明のポリエステル
フイルムである。このポリエステルフイルムとし
ては、結晶融解熱として走査型熱量計によつて窒
素気流中[10℃/分の昇温速度において]で測定
した値が通常4cal/g以上を呈する程度に結晶配
向したものが好ましい。 本発明において、結晶配向が完了する前のポリ
エステルフイルムとは、該ポリマーを熱熔融して
そのままフイルム状となした未延伸フイルム;未
延伸フイルムをタテ方向またはヨコ方向の何れか
一方に配向せしめた一軸延伸フイルム;さらには
タテ方向およびヨコ方向の二方向に低倍率延伸配
向せしめたもの(最終的にタテ方向またはヨコ方
向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前
の二軸延伸フイルム)等を含むものである。 本発明の好適なフイルムは、結晶配向が完了す
る前の未延伸或は少くとも一軸方向に延伸された
状態のフイルムに特定の組成物を適用し、そのま
まタテ延伸及び/またはヨコ延伸と熱固定とを施
す、所謂インラインコーテイング方式で製造す
る。 本発明においてフイルム表面上で塗膜を形成す
る成分のポリウレタン(A)は水性ポリウレタンが好
ましく、これはカルボン酸塩基,スルホン酸塩基
または硫酸半エステル塩基によつて水への親和性
が高められたポリウレタンであり、通常かかる水
親和性付与基はポリウレタン合成時ないし合成後
に導入される。 例えば、カルボン酸塩基の導入は、ポリウレタ
ン合成時、原料ポリヒドロキシ化合物の1つとし
てカルボン酸基含有ポリヒドロキシ化合物を用い
るか、未反応イソシアネート基を有するポリウレ
タンの該イソシアネート基に水酸基含有カルボン
酸やアミノ基含有カルボン酸を反応させ、次いで
反応生成物を高速撹拌下でアルカリ水溶液中に添
加し、中和する等によつて行なうことができる。 また、スルホン酸塩基または硫酸半エステル塩
基の導入は、通常ポリヒドロキシ化合物,ポリイ
ソシアネート及び鎖延長剤からプレポリマーを生
成させ、これに末端イソシアネート基と反応しう
るアミノ基または水酸基とスルホン酸塩基または
硫酸半エステル塩基とを分子内に有する化合物を
添加,反応させ、最終的に分子内にスルホン酸塩
基または硫酸半エステル塩基を有する水性ポリウ
レタンを得ることで行なうことができる。その際
生成反応は有機溶剤中で行ない、次いで水を加え
てから該溶剤を除去することが好ましい。また、
他の方法としてはスルホン酸基を有する化合物を
原料の一つとして使用してスルホン酸基を有する
ポリウレタンを合成し、次いで該ポリウレタンを
高速撹拌下でアルカリ水溶液中に添加し、中和す
る方法,ポリウレタンの主鎖又は側鎖の1級又は
2級アミノ基にアルカリの存在下で下記サルトン
化合物を付加してスルホン酸アルカリ塩(例えば
−SO3Na等)を導入する方法等があげられる。
アルカリ水溶液としては水酸化ナトリウム,水酸
化カリウム,アンモニア,アルキルアミン等の水
溶液を用いることが好ましいが、該アルカリが被
覆膜(下塗り膜)中に残留しないアンモニア,乾
固条件で揮発するアミンが特に好ましい。 カルボン酸塩基,スルホン酸塩基,硫酸半エス
テル塩基等の塩基の量は0.5〜15重量%が好まし
い。塩基の割合が少なすぎるとポリウレタンの水
親和性が不足して塗布液の調製が難しくなり,ま
た多すぎるとポリウレタン本来の特性が損われる
ので、好ましくない。かかる水性ポリウレタン
は、所望により分散助剤を用いて、安定な水分散
液を形成するものないし水溶液を形成するもので
ある。 ポリウレタンの合成に用いるポリヒドロキシ化
合物としては、例えばポリエチレングリコール,
ポリプロピレングリコール,ポリエチレン・プロ
ピレングリコール,ポリテトラメチレングリコー
ル,ヘキサメチレングリコール,テトラメチレン
グリコール,1,5−ペンタンジオール,ジエチ
レングリコール,トリエチレングリコール,ポリ
カプロラクトン,ポリヘキサメチレンアジペー
ト,ポリヘキサメチレンセバケート,ポリテトラ
メチレンアジペート,ポリテトラメチレンセバケ
ート,トリメチロールプロパン,トリメチロール
エタン,ペンタエリストール,グリセリン等を挙
げることができる。ポリイソシアネート化合物と
しては、例えばヘキサメチレンジイソシアネー
ト,ジフエニルメタンジイソシアネート,トリレ
ンジイソシアネート,イソホロンジイソシアネー
ト,トリレンジイソシアネートとトリメチロール
プロパンの付加物,ヘキサメチレンジイソシアネ
ートとトリメチロールエタンの付加物等を挙げる
ことができる。カルボン酸含有ポリオールとして
は、例えばジメチロールプロピオン酸,ジメチロ
ール酪酸,ジメチロール吉草酸,トリメリツト酸
ビス(エチレングリコール)エステル等を挙げる
ことができる。アミノ基含有カルボン酸として
は、例えばβ−アミノプロピオン酸,γ−アミノ
酪酸,P−アミノ安息香酸等を挙げることができ
る。水酸基含有カルボン酸としては、例えば3−
ヒドロキシプロピオン酸,γ−ヒドロキシ酪酸,
P−(2−ヒドロキシエチル)安息香酸,リンゴ
酸等を挙げることができる。アミノ基または水酸
基とスルホン基を有する化合物としては、例えば
アミノメタンスルホン酸,2−アミノエタンスル
ホン酸,2−アミノ−5−メチルベンゼン−2−
スルホン酸,β−ヒドロキシエタンスルホン酸ナ
トリウム,脂肪族ジ第1級アミン化合物のプロパ
ンサルトン,ブタンサルトン付加生成物等が挙げ
られ、好ましくは脂肪族ジ第1級アミン化合物の
プロパンサルトン付加物があげられる。更に、ア
ミノ基または水酸基と硫酸半エステル基を含有す
る化合物としては、例えばアミノエタノール硫
酸,エチレンジアミンエタノール硫酸,アミノブ
タノール硫酸,ヒドロキシエタノール硫酸,γ−
ヒドロキシプロパノール硫酸,α−ヒドロキシブ
タノール硫酸等があげられる。 これら化合物を用いてポリウレタンの合成は、
従来から良く知られている方法で合成することが
できる。 本発明における塗膜形成成分のアクリル系樹脂
(B)としては、メチルメタクリレート成分が40〜80
モル%であり、これと共重合可能な他のビニルモ
ノマー成分を20〜60%有する水性アクリル系樹脂
であることが好ましい。アクリル系樹脂中のメチ
ルメタクリレート成分が40モル%未満では、塗膜
の強度低下,軟質化傾向を示し、耐ブロツキング
の悪化によるハンドリング性の低下等が生じ、好
ましくない。一方、メチルメタクリレート成分が
80モル%を越えると、塗膜の硬質化傾向を示し、
塗膜が脆くなり、基材との密着性が低下したり、
造膜性が劣る等を生じ、好ましくない。 上記メチルメタクリレートと共重合可能な他の
ビニルモノマーとしては、例えば、アルキルアク
リレート(アルキル基としてはメチル基,エチル
基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチ
ル基,イソブチル基,t−ブチル基,2−エチル
ヘキシル基,シクロヘキシル基,フエニル基,ベ
ンジル基,フエニルエチル基等);アルキルメタ
クリレート(アルキル基としては上記アルキルア
クリレートのメチル基を除くアルキル基等);2
−ヒドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート,2−ヒドロキシプロピ
ルアクリレート,2−ヒドロキシプロピルメタク
リレート等のヒドロキシ含有モノマー;アクリル
アミド,メタクリルアミド,N−メチルメタクリ
ルアミド,N−メチルアクリルアミド,N−メチ
ロールアクリルアミド,N−メチロールメタクリ
ルアミド,N,N−ジメチロールアクリルアミ
ド,N−メトキシメチルアクリルアミド,N−メ
トキシメチルメタクリルアミド,N−フエニルア
クリルアミド等のアミド基含有モノマー;N,N
−ジエチルアミノエチルアクリレート,N,N−
ジエチルアミノエチルアクリレート等のアミノ基
含有モノマー;グリシジルアクリレート,グリシ
ジルメタクリレート,アリルグリシジルエーテル
等のエポキシ基含有モノマー;スチレンスルホン
酸,ビニルスルホン酸およびそれらの塩(ナトリ
ウム塩,カリウム塩,アンモニウム塩等)等のス
ルホン酸基またはその塩を含有するモノマー;ク
ロトン酸,イタコン酸,アクリル酸,マレイン
酸,フマール酸及びそれらの塩(ナトリウム塩,
カリウム塩,アンモニウム塩等)等のカルボキシ
ル基またはその塩を含有するモノマー;無水マレ
イン酸,無水イタコン酸等の酸無水物を含有する
モノマー;その他、ビニルイソシアネートアリル
イソシアネート,スチレン,ビニルメチルエーテ
ル,ビニルエチルエーテル,ビニルトリスアルコ
キシシラン,アルキルマレイン酸モノエステル,
アルキルフマール酸モノエステル,アクリロニト
リル,メタクリロニトリル,アルキルイタコン酸
モノエステル,塩化ビニリデン,酢酸ビニル,塩
化ビニル等が挙げられる。 メチルメタクリレートと共重合される上述のモ
ノマーは1種若しくは2種以上の組合せで自由に
選択されるが、アクリル系樹脂への親水性付与,
水性液の分散安定性,ポリエステルフイルムとの
密着性等の点から、水酸基,アミド基やカルボキ
シル基またはその塩(ナトリウム塩,カリウム
塩,アンモニウム塩等)等の官能基を有するもの
が好ましい。また、塗膜の耐熱性,強度,耐水性
等の改善には、熱硬化タイプが好適であり、例え
ば、エポキシ基含有モノマーとアミノ基,酸無水
物基,カルボキシル基,ヒドロキシル基またはN
−メチロール基を含有するモノマーとの組合せ;
N−メチロールまたはN−メチロールエーテル基
を含有するモノマーとカルボキシル基またはアミ
ノ基を含有するモノマーとの組合せ等、また、カ
ルボン酸塩基,メチロールのように単独でも熱硬
化性を有するモノマーを例示できる。これらの反
応性基の1種または2種以上の組合せは1種のア
クリル系樹脂または2種以上のアクリル系樹脂に
任意に導入することができ、要すれば、加熱時互
に反応し得る基を有するアクリル系樹脂の組合せ
にすれば良い。また、低分子量物質(例えば、ア
ルキロール化メラミン等)でアクリル系樹脂中の
反応性基と加熱時互に反応し得る基を有するもの
を1種以上添加することもできる。 アクリル系樹脂の水性液の製造法は公知の任意
の方法で実施できる。例えば、水分散系での乳化
重合法を例示すると、イオン交換水に乳化分散剤
(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの如き
界面活性剤),水溶性重合開始剤(過硫酸アンモ
ニウムの如き過酸化物),重合促進剤(酸性亜硫
酸ナトリウムの如き還元剤)を適当量添加し、所
定の温度(例えば、50〜90℃)で、所定の撹拌速
度で撹拌しながら、モノマー所定量のおよそ10〜
50重量%となるように添加し、重合が開始された
ら、短時間添加を中断後、残りのモノマーを一定
速度で添加し、同一条件で数時間乳化重合するこ
とによつて、アクリル系樹脂の水性分散液を製造
することができる。その際、反応に用いられる界
面活性剤の添加量は共重合成分モノマーに対して
5重量%以下、更には1〜2重量%が良好であ
る。かくして平均粒子径約0.2μm以下の微細な粒
径のものが得られる。尚、必要に応じて、分子量
調整剤(メルカプタン類)や分散補助剤(ポリビ
ニルアルコール,ヒドロキシメチルセルロース等
の高分子保護コロイド類)等を添加しても良い。 その他、上記の低分子量界面活性剤に代る高分
子量界面活性剤の応用,反応性界面活性剤の応
用,界面活性剤を含有しない、所謂ソープフリー
重合による製造法も採用し得る。 本発明にあける塗膜形成成分の低分子量ポリオ
レフインワツクス(C)とは、高分子量ポリオレフイ
ン樹脂に類似の物理化学的性質を有しながら、溶
融粘度が極端に低く、且つワツクス類例えばパラ
フインワツクス,ミクロクリスタリンワツクス,
カルナバワツクス,モンタンワツクス等に比べて
融点が高い特徴を有するものである。特に低分子
量ポリプロピレンは150℃という高い融点を持つ
ている。 これらポリオレフインワツクスの水性化は、例
えば溶融ポリオレフインと乳化剤(界面活性剤
等)入り熱水とを混合してO/W型エマルジヨン
等公知の製造方法によつて可能であり、また、酸
化して分子中にカルボキシル基を含有させたポリ
オレフインでは水での乳化が更に容易となる。こ
れら低分子量ポリオレフインのなかでもポリエチ
レンワツクスが好ましく、就中平均分子量1000〜
10000、密度0.91〜0.97(g/ml),ブルツクフイ
ールド粘度計での溶融粘度(140℃,cps)が約20
〜約700の範囲にあるポリエチレンワツクスが好
ましい。更には、分子量2000〜4000の範囲のもの
が水性化し易く、ポリエチレンワツクスとしての
滑性等の特性を満足し、好ましい。尚、高分子量
ポリエチレン(分子量20000)では約8000万cpsと
溶融粘度が極端に高くなるため、水性化が極めて
困難となる。 本発明において、上記ポリウレタン(A)及びアク
リル系樹脂(B)及び低分子量ポリオレフインワツク
ス(C)の水性液(水溶液または分散液若しくは乳化
剤)と混合させる粗面化物質(D)としては、ポリス
チレン,ポリメチルメタクリレート,メチルメタ
クリレート共重合体,ポリテトラフルオロエチレ
ン,ポリビニリデンフルオライド若しくはポリア
クリロニトリル,ベンゾグアナミン樹脂等の如き
有機質微粉末、またはシリカ,アルミナ,二酸化
チタン,カオリン,タルク,グラフアイト,炭酸
カルシウム,長石,二硫化モリブデン,カーボン
ブラツクもしくは硫酸バリウム等の如き無機質微
粉末等が挙げられ、これらは乳化剤等を用いて水
性分散液としたものであつてもよく、また、微粉
末状でポリウレタン水性液,アクリル系樹脂水性
液,低分子量ポリオレフインワツクス水性液に添
加できるものであつてもよい。この粗面化物質は
平均粒径0.15μm以下の微粒子であり、好ましく
は0.01〜0.1μmである。また、これらの水不溶性
の固体物質は水分散液中で沈降するのを避けるた
め、比重が3を超えない超微粒子であることが好
ましい。 本発明における粗面化物質(D)はポリウレタン
(A),アクリル系樹脂(B)塗膜自体の微小突起の均一
形成を促進する効果と微粉末自体による塗膜の補
強効果とを奏し、更にはアクリル系樹脂(B),低分
子量ポリオレフインワツクス(C)の塗膜への耐ブロ
ツキング性,摩擦力の低減性等の寄与効果並びに
両者の相乗効果による塗膜への耐スクラツチ性寄
与効果とあいまつて、ポリエステルフイルムに優
れた易滑性効果を賦与する。 塗膜の主成分たるポリウレタン(A),アクリル系
樹脂(B),低分子量ポリオレフインワツクス(C)及び
粗面化物質(D)の混合割合は、通常、[(A)+(B)+
(C)]/(D)=98/2〜40/60,[(A)+(B)]/(C)=
98/2〜40/60,且つ(A)/(B)=90/10〜10/90
(固型分換算:重量%)の範囲であることが好ま
しく、更には、[(A)+(B)+(C)]/(D)=95/5〜
60/40,[(A)+(B)]/(C)=95/5〜60/40,(A)/
(B)=80/20〜20/80(重量比)の範囲にあるのが
好ましい。アクリル系樹脂(B),低分子量ポリオレ
フインワツクス(C)の混合割合が少なすぎると、摩
擦力が上昇して、ハンドリング性を悪化させ、一
方多すぎると、塗膜とポリエステルフイルムとの
密着性を低下させたり、塗膜の脆化を招いたりし
て、フイルムの易滑性が低減してくる。また、粗
面化物質(D)の混合割合が少なすぎると、添加され
る粗面化物質の、塗膜中での微細突起形成物質と
しての突起均一形成効果の減少、微粉末自体とし
ての塗膜への補強効果の減少により、フイルムの
易滑性が低減し、一方この割合が多すぎると、粗
面化物質の比率が高くなり、塗膜とポリエステル
フイルムとの密着性が低下したり、塗膜が脆くな
るなどにより、微小突起が使用時にフイルムに負
荷される程度の摩擦力で破壊され、塗膜が摩滅す
ることから、易滑化効果の持続性が損われる。 ポリウレタン(A),アクリル系樹脂(B)及び低分子
量ポリオレフインワツクス(C)と粗面化物質(D)との
混合は、水分散液の状態として混合を行なつても
よく、(A),(B)若しくは(C)、または(A),(B),(C)全体
の水分散液の中に粉末状粗面化物質を、要すれば
乳化剤を添加し、撹拌分散してもよい。 本発明の方法において、配向結晶化の過程が完
了する前のポリエステルフイルムの表面に塗膜を
円滑に塗設できるようにするために、予備処理と
してフイルム表面にコロナ放電処理を施すか、ま
たは被覆組成物とともにこれと化学的に不活性な
界面活性剤を併用することが好ましい。 界面活性剤は組成物水性液の表面張力を
40dyne/cm以下に降下できるようなポリエステ
ルフイルムへの濡れを促進するものであり、例え
ば、ポリオキシエチレンアルキルフエニルエーテ
ル,ポリオキシエチレン−脂肪酸エステル,ソル
ビタン脂肪酸エステル,グリセリン脂肪酸エステ
ル,脂肪酸金属石鹸,アルキル硫酸塩,アルキル
スルホン酸塩,アルキルスルホコハク酸塩等のア
ニオン型,ノニオン型界面活性剤等を挙げること
ができる。更に、本発明の効果を消失させない範
囲において、例えば帯電防止剤,紫外線吸収剤,
潤滑剤等の他の添加剤を混合することができる。 本発明において、かくして調整された水性液は
結晶配向が完了する前のポリエステルフイルムの
少なくとも片面に塗布される。その際水性液の固
形分濃度は、通常30重量%以下であり、15重量%
以下が好ましい。粘度は100cps以下、好ましくは
20cps以下が適当である。塗布量は走行している
フイルム1m2当り約0.5〜20g、更には1〜10g
が好ましい。換言すれば、最終的に得られる二軸
延伸フイルムにおいて、フイルムの一表面に1m2
当り約0.001〜1g、更には約0.01〜0.3gの固形
分が好ましい。 塗布方法としては、公知の任意の塗工法が適用
できる。例えばロールコート法,グラビアコート
法,ロールブラツシユ法,スプレーコート,エア
ーナイフコート,含浸法およびカーテンコート法
などを単独または組み合せて適用するとよい。 上記水性液は、好ましくは縦一軸延伸が施され
た直後のフイルムに塗布され、次いでフイルムは
横延伸および熱固定のためのテンターに導びかれ
る。 塗布物は未固化の塗膜の状態でフイルムの延伸
に伴つてその面積が拡大されかつ加熱されて水を
揮散し、二軸延伸されたフイルム表面上で5μm以
下の間隔の多数の微小突起を有する薄い固体塗膜
層に変換され、二軸延伸されたフイルム表面に強
固に固着される。 本発明の方法によれば、上記水性液は基材の延
伸工程および熱処理工程によつて、上述の如く、
多数の微小突起を有する固体塗膜に変換される。
この加熱は、好ましくは約100〜約240℃の温度で
約1〜約20秒間行われる。 ポリエステルフイルムの配向結晶化条件、例え
ば延伸,熱固定等の条件は、従来から当業界に蓄
積された条件で行うことができる。 本発明においては、上述の水性液はポリエステ
ルフイルムの片面または両面に適用され得るが、
例えば、片面のみに塗布されて得られた平坦・易
滑性二軸延伸フイルムは、一方の面が多数の微小
突起を有し、他方の面が平坦であるデユアルサー
フエス構造を有し、磁気テープ用素材として特に
好適に使用できる。 発明の効果 本発明の平坦・易滑性二軸延伸ポリエステルフ
イルムは、後に実施例において具体的なデータを
用いて説明するとおり、極めて平坦で、かつ優れ
た滑り性を有しており、優れた平坦性が要求され
る種々の分野に、特に磁気テープの素材として好
適に用いられる。 本明細書における種々の値は下記のとおりにし
て測定され、かつ定義される。 1 表面粗さRa(Center Line Average:中心線
平均粗さ) JIS B0601に準じ、(株)小坂研究所製の高精度表
面粗さ計SE−3FATを使用して、針の半径2μm,
荷重30mgで拡大倍率20万部,カツトオフ0.08mmの
条件下にチヤートをかかせ、フイルム表面粗さ曲
線からその中心線の方向に測定長さLの部分を抜
き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸,縦倍
率の方向をY軸として、粗さ曲線をY=f(x)
で表わした時、次の式で与えられた値をμm単位
で表わす。 RCLA=(1/L)∫0 L|f(x)|dx この測定は基準長を1.25mmとして4個測定し、
平均値で表わす。 2 フイルム摩擦係数(フイルムスリツパリー) ASTM D1894−63に準じ、東洋テスター社製
のスリツパリー測定器を使用し、塗設面とポリエ
チレン−テレフタレートフイルム(非塗設面)と
の静摩擦係数(μs)を測定する。但し、スレツド
板はガラス板とし、荷重は1Kgとする。 フイルムスリツパリーは次の基準で判定する。 〇:良好なもの(μs 0.6未満) △:やや不良なもの(μs 0.6〜0.8) ×:不良なもの(μs 0.8以上) 3 ハンドリング性(易滑面の耐久性) (1) 削れ性 添附図はフイルム走行性を評価するための動
摩擦係数μKを測定する模式図である(使用装
置,日本自動制御K.K.NJS 101型)。図面にお
いて、1は繰出しリール、2はテンシヨンコン
トローラー、3,5,6,8,9,11はフリ
ーロール、4はテンシヨン検出機(入口)、7
はクロムメツキ固定ピン(5mmφ)、10はテ
ンシヨン検出機(出口)、12はガイドローラ、
13は捲取りリールを夫々示す。 図に示す如く、20℃60%RH雰囲気下で、易
滑化をはかつた処理面を外径5mmの固定ピンに
角度θ=(152/108)πラジアン(152゜)で接
触させ、毎秒3.3cmの速さで移動,摩擦させる。
入口テンシヨン(T1)が30gとなるようテン
シヨンコントローラー2を調整してフイルムを
10m走行させて巻きもどし、再び走行を繰り返
す。この往復を1回とする。30回繰り返し走行
させた時の固定ピン上に堆積する物質がある
か、ないかを観察し、下記水準で評価する。 〇:堆積物が殆んど認められないもの △:若干付着の形跡のあるもの ×:多いもの (2) 耐スクラツチ性 上記と同様に30回繰り返し走行させた時のフ
イルム表面の摩耗状態(スクラツチの発生度
合)を観察し、下記水準で評価する。 〇:スクラツチが殆んど認められないもの ×:可成り発生しているもの 実施例 以下、実施例をあげて本発明を更に説明する。
尚、例中の「部」は「重量部」を意味する。 比較例 1 25℃のオルソクロロフエノール中で測定した固
有粘度0.65の無機質フイラーを全く含まないポリ
エチレンテレフタレートを、エクストルーダーで
口金から押出し、これを40℃に冷却したドラム上
で静電印加を行いながら急冷して厚さ152μmの押
し出しフイルムとし、続いてこれを93℃に加熱し
た金属ロール上で長手方向に3.6倍に延伸した。
次いで、テンター内に導き98℃の予熱ゾーンを通
過せしめ、105℃で横方向に3.9倍に延伸し、更に
225℃で6.3秒間熱固定を行い、結晶配向を完結さ
せたあとエツジをスリツトしながら捲取テンシヨ
ン9.8Kgの条件において500mm幅で捲取りを行つ
た。最終的にフイルムは平均12.1μmの厚さを有
していた。 フイルム間相互の滑りが悪いためフイルムロー
ルに皺が発生した。一度この皺が発生すると、そ
れが次々と表層部へ伝播集中して、ロール端部の
一方側は固く、中央部が柔かくなると言つた到底
商品形態をなさない捲姿となつた。 別に巻取テンシヨンを極度におとし4.66Kgで捲
取つたが、端部が不揃いとなる以外に捲皺もみら
れ、完全なものが得られなかつた。このフイルム
を1/2インチ巾にマイクロスリツトしようと試み
たが、不可能であつた。 得られた結果を第1表に示す。 実施例 1 カルボン酸アミン塩基を有するポリウレタン水
分散液[東洋ポリマー(株)製:商品名メルシー585]
28部(非揮発成分として),アクリル系樹脂エマ
ルジヨン[メタクリル酸メチル/アクリル酸エチ
ル/アクリルアミド=49/43/8(モル%)]28
部,ポリエチレンワツクスエマルジヨン(融点約
105℃)7部,コロイダルシリカ水分散液(平均
粒径40〜50mμ)27部及びポリオキシエチレンノ
ニルフエニルエーテル[日本油脂(株)製:商品名
NS−208.5]10部をイオン交換水で希釈溶解し、
固形分濃度2重量%の塗布液を調製した。 次いで、比較例1と同じ二軸延伸フイルムの製
法において、縦延伸が終了した一軸延伸フイルム
がテンターに入る直前の位置で、このフイルムの
片面上に、上記の塗布液をキスコート法にて均一
に塗布した。このときの平均塗布量は上記一軸延
伸フイルム1m2当り約4gウエツト量であつた
(この量は、下記の二軸延伸フイルムでは1m2当
り約0.02gに相当する)。次いで片面塗布を施し
た一軸延伸フイルムをテンター内に導き98℃の予
熱ゾーンを通過せしめ、105℃で横方向に3.9倍に
延伸し、更に225℃で6.3秒間熱固定した(塗布液
を塗布されたフイルムが加熱を受けた時間は合計
で11秒間に相当する)。 かくして二軸延伸されたフイルムは、9.8Kgの
テンシヨンでしわの発生もなく捲取ることができ
た。このフイルムを半インチ巾にマイクロスリツ
トし、500m巻きのテープ52本を製造した。この
間、フイルムのスリツト化は何んらのトラブルも
なく良好に行われた。 上記フイルムの表面特性,ハンドリンク性等を
第1表に示す。 比較例1で得られたフイルム(塗布液を塗布さ
れていない)と比較すれば明らかな通り、実施例
のフイルムは特に磁気テープ用のベースフイルム
として極めて優れた基本特性を有する。 なお、処理面をアルミニウム蒸着し、微分干渉
顕微鏡で400倍に拡大して観察したところ、多数
の微小突起が形成されている事が確認できた。 比較例 2 実施例1の塗布液組成からアクリル系樹脂とポ
リエチレンワツクスを除いて塗布液を調製した。
即ち、実施例1の水性ポリウレタン樹脂63部,コ
ロイダルシリカ27部及びポリオキシエチレンノラ
ルフエニルエーテル10部のみを用い、実施例1と
全く同様にして塗布液を調製した。 この塗布液を用いる以外、一軸延伸フイルムで
の塗布量も含め、実施例1と全く同様にして、二
軸延伸フイルムを製造した。 比較例1と同様な現象がみられ、フイルム間相
互の滑りが悪く、皺が発生した。更に、シリカの
量を40部(固形分として)に増加させてみたとこ
ろ、捲取り性はやや改善されるものの、捲皺の発
生を回避することができず、1/2インチ幅のテー
プの走行性テストも滑りが悪かつた。 得られた結果を第1表に示す。 実施例 2 カルボキシル基含有ポリウレタン水分散液[東
洋ポリマー(株)製:商品名メルシー545]32部(非
揮発成分として),アクリル系樹脂エマルジヨン
[メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル/アク
リル酸アンモニウム=49/43/8(モル%)]32
部、ポリエチレンワツクスエマルジヨン(融点約
120℃)8部、コロイダルシリカ水分散液(平均
粒径70〜90mμ)18部及びポリオキシエチレンノ
ニルフエニルエーテル[日本油脂(株)製:商品名
NS−208.5]10部をイオン交換水で希釈溶解し、
固形分濃度4重量%の塗布液を調製した。 この塗布液を用いる以外は、一軸延伸フイルム
での塗布量も含め、実施例1と全く同様にして、
二軸延伸フイルムを製造したところ良好に捲取る
ことができ、スリツト化にも何のトラブルも発生
しなかつた。 この実施例のフイルムの表面特性及びハンドリ
ング性等を第1表に示す。 なお、処理面をアルミニウム蒸着し、微分干渉
顕微境で400倍に拡大して観察したところ、多数
の微小突起が形成されている事が確認できた。
【表】
実施例 3
実施例1で得られた平坦・易滑化二軸配向ポリ
エステルフイルムの非処理面側に、下記に示す磁
性塗料をグラビアロールにより塗布し、ドクター
ナイフにより磁性塗料層をスムージングし、磁性
塗料の未だ乾かぬ間に常法により磁気配向させ、
しかる後オーブンに導いて乾燥キユアリングし
た。更にカレンダー加工して塗布表面を均一に
し、約4μmの磁性層を形成した1/2インチ幅のテ
ープを作成した。尚、上記各加工・工程中何んら
トラブルもなく且つ易滑化処理面の耐久性(削れ
性,耐スクラツチ性)も良好であつた。 磁性塗料の組成 針状Fe粒子 100部 (平均長径0.4μ;比表面積約40m2/g) エスレツクA 10〃 (積水化学製;塩化ビニル/酢酸ビニル共重合
体) ニツポラン2304 10部 (日本ポリウレタン製;ポリウレタンエラスト
マー) コロネートL 5〃 (日本ポリウレタン製;ポリイソシアネート) レシチン 2〃 添加剤(潤滑剤,シリコン樹脂) 1〃 MEK(メチルエチルケトン) 75〃 MIBK(メチルイソブチルケトン) 75〃 トルエン 75〃 実施例 4 ポリエチレンテレフタレートの押出し量を増
し、二軸配向ポリエステルフイルム厚みを75μm
と変更した以外は実施例2と同様にして二軸延伸
フイルムを製造したところ、良好に捲取ることが
でき、スリツト化にも何のトラブルも発生しなか
つた。このフイルムのスリツパリーμsも良好であ
つた。また、JIS K6714に準じて、日本精密光学
社製積分球式HTRメーターにより、該フイルム
の曇り度を測定した所、0.3%〜0.5%と非コート
のポリエステルフイルムと殆んど同じ値であつ
た。本実施例のフイルムが高透明易滑性の分野に
も使用可能であることがわかる。 上述の例から、本発明のポリエステルフイルム
は優れた平坦性と易滑性を有していることが明ら
かである。
エステルフイルムの非処理面側に、下記に示す磁
性塗料をグラビアロールにより塗布し、ドクター
ナイフにより磁性塗料層をスムージングし、磁性
塗料の未だ乾かぬ間に常法により磁気配向させ、
しかる後オーブンに導いて乾燥キユアリングし
た。更にカレンダー加工して塗布表面を均一に
し、約4μmの磁性層を形成した1/2インチ幅のテ
ープを作成した。尚、上記各加工・工程中何んら
トラブルもなく且つ易滑化処理面の耐久性(削れ
性,耐スクラツチ性)も良好であつた。 磁性塗料の組成 針状Fe粒子 100部 (平均長径0.4μ;比表面積約40m2/g) エスレツクA 10〃 (積水化学製;塩化ビニル/酢酸ビニル共重合
体) ニツポラン2304 10部 (日本ポリウレタン製;ポリウレタンエラスト
マー) コロネートL 5〃 (日本ポリウレタン製;ポリイソシアネート) レシチン 2〃 添加剤(潤滑剤,シリコン樹脂) 1〃 MEK(メチルエチルケトン) 75〃 MIBK(メチルイソブチルケトン) 75〃 トルエン 75〃 実施例 4 ポリエチレンテレフタレートの押出し量を増
し、二軸配向ポリエステルフイルム厚みを75μm
と変更した以外は実施例2と同様にして二軸延伸
フイルムを製造したところ、良好に捲取ることが
でき、スリツト化にも何のトラブルも発生しなか
つた。このフイルムのスリツパリーμsも良好であ
つた。また、JIS K6714に準じて、日本精密光学
社製積分球式HTRメーターにより、該フイルム
の曇り度を測定した所、0.3%〜0.5%と非コート
のポリエステルフイルムと殆んど同じ値であつ
た。本実施例のフイルムが高透明易滑性の分野に
も使用可能であることがわかる。 上述の例から、本発明のポリエステルフイルム
は優れた平坦性と易滑性を有していることが明ら
かである。
図はフイルム走行性を評価するための動摩擦係
数(μk)を測定する模式図である。 1:繰出しリール、2:テンシヨンコントロー
ラー、3,5,6,8,9,11:フリーロー
ル、4:テンシヨン検出機(入口)、7:固定ピ
ン、10:テンシヨン検出機(出口)、12:ガ
イドローラ、13:捲取りリール。
数(μk)を測定する模式図である。 1:繰出しリール、2:テンシヨンコントロー
ラー、3,5,6,8,9,11:フリーロー
ル、4:テンシヨン検出機(入口)、7:固定ピ
ン、10:テンシヨン検出機(出口)、12:ガ
イドローラ、13:捲取りリール。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ポリエステルフイルムの少なくとも片面に、
ポリウレタン(A),アクリル系樹脂(B),低分子量ポ
リオレフインワツクス(C)及び平均粒径0.15μm以
下の粗面化物質(D)を主成分とする組成物よりなる
塗膜が形成され、該塗膜の表面の中心線平均粗さ
(Ra)が0.002〜0.01μmである平坦・易滑性ポリ
エステルフイルム。 2 ポリウレタン(A)がカルボン酸塩基,スルホン
酸塩基及び硫酸半エステル塩基の少なくとも1種
を有する水性ポリウレタンであることを特徴とす
る特許請求の範囲第1項記載の平坦・易滑性ポリ
エステルフイルム。 3 ポリウレタン(A)の塩がアンモニウム塩または
アミン塩であることを特徴とする特許請求の範囲
第2項記載の平坦・易滑性ポリエステルフイル
ム。 4 ポリウレタン(A)のアンモニウム塩またはアミ
ン塩がカルボン酸アンモニウム塩またはアミン塩
であることを特徴とする特許請求の範囲第3項記
載の平坦・易滑性ポリエステルフイルム。 5 アクリル系樹脂(B)がメチルメタクリレート成
分40〜80モル%で、これと共重合可能な他のビニ
ルモノマー成分を20〜60モル%有するアクリル系
樹脂であることを特徴とする特許請求の範囲第1
項記載の平坦・易滑性ポリエステルフイルム。 6 低分子量ポリオレフインワツクス(C)が平均分
子量1000〜10000のポリエチレンワツクスである
ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の平
坦・易滑性ポリエステルフイルム。 7 結晶配向が完了する前のポリエステルフイル
ムの少なくとも片面に、ポリウレタン(A),アクリ
ル系樹脂(B),低分子量ポリオレフインワツクス(C)
及び平均粒径0.15μm以下の粗面化物質(D)を主成
分とする組成物の水性液を塗布し、次いで乾燥,
延伸,熱処理を施して結晶配向を完了させ、かつ
フイルム表面に中心線平均粗さ(Ra)が0.002〜
0.01μmの塗膜を形成せしめることを特徴とする
平坦・易滑性ポリエステルフイルムの製造方法。 8 ポリウレタン(A)がカルボン酸塩基,スルホン
酸塩基及び硫酸半エステル塩基の少なくとも1種
を有する水性ポリウレタンであることを特徴とす
る特許請求の範囲第7項記載の平坦・易滑性ポリ
エステルフイルムの製造方法。 9 ポリウレタン(A)の塩がアンモニウム塩または
アミン塩であることを特徴とする特許請求の範囲
第8項記載の平坦・易滑性ポリエステルフイルム
の製造方法。 10 ポリウレタン(A)のアンモニウム塩またはア
ミン塩がカルボン酸アンモニウム塩またはアミン
塩であることを特徴とする特許請求の範囲第9項
記載の平坦・易滑性ポリエステルフイルムの製造
方法。 11 アクリル系樹脂(B)がメチルメタクリレート
成分40〜80モル%で、これらと共重合可能な他の
ビニルモノマー成分を20〜60モル%有するアクリ
ル系樹脂であることを特徴とする特許請求の範囲
第7項記載の平坦・易滑性ポリエステルフイルム
の製造方法。 12 低分子量ポリオレフインワツクス(C)が平均
分子量1000〜10000のポリエチレンワツクスであ
ることを特徴とする特許請求の範囲第7項記載の
平坦・易滑性ポリエステルフイルムの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24796685A JPS62109832A (ja) | 1985-11-07 | 1985-11-07 | 平坦・易滑性ポリエステルフイルム及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24796685A JPS62109832A (ja) | 1985-11-07 | 1985-11-07 | 平坦・易滑性ポリエステルフイルム及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62109832A JPS62109832A (ja) | 1987-05-21 |
| JPH0364540B2 true JPH0364540B2 (ja) | 1991-10-07 |
Family
ID=17171202
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24796685A Granted JPS62109832A (ja) | 1985-11-07 | 1985-11-07 | 平坦・易滑性ポリエステルフイルム及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62109832A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2673887B2 (ja) * | 1987-08-24 | 1997-11-05 | 日清製油株式会社 | 化粧料 |
| EP0744302B1 (en) * | 1995-05-26 | 2001-12-05 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Surface-treated plastic film and ink jet recording material |
-
1985
- 1985-11-07 JP JP24796685A patent/JPS62109832A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62109832A (ja) | 1987-05-21 |
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