JPH0373652B2 - - Google Patents
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- JPH0373652B2 JPH0373652B2 JP61068751A JP6875186A JPH0373652B2 JP H0373652 B2 JPH0373652 B2 JP H0373652B2 JP 61068751 A JP61068751 A JP 61068751A JP 6875186 A JP6875186 A JP 6875186A JP H0373652 B2 JPH0373652 B2 JP H0373652B2
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Description
(イ) 産業上の利用分野
本発明はポリ(アリールエーテルケトン)繊維
の製造法に関するものである。さらに詳しくは耐
熱性、耐薬品性等に優れた高性能のポリ(アリー
ルエーテルケトン)からなる繊維を延伸、熱処理
して、産業用繊維として充分な力学的ポテンシヤ
ル(特に高いシルクフアクター)をもつ繊維を安
定した延伸性にて製造する方法に関するものであ
る。 (ロ) 従来技術 ポリ(アリールエーテルケトン)は結晶性の超
耐熱性熱可塑性樹脂であり、優れた耐熱性、耐加
水分解性、耐(化学)薬品性、電気特性、耐放射
線性等を有することが知られており、これらの有
用な特性が活かされる分野において、エンジニア
リング・プラスチツク、フイルム等として開発さ
れつつある。 1980年代に下記(1)式のポリ(アリールエーテル
ケトン)について、ICI社がポリエーテルエーテ
ルケトン(以下PEEKと略称)の名称で市販を開
始し、その製法や特性もよく知られている。(例
えば特公昭60−32642号公報、米国特許第4320224
号) このPEEKポリマーはガラス転移点(Tg)143
℃、融点(Tm)334℃を有する。 また、下記(2)式のポリ(アリールエーテルケト
ン)は、文献例えば特開昭52−38000号公報、米
国特許第3953400号等により公知であり、Tg154
℃、Tm365℃を有するポリマーである。(以下、
PEKと略称) 更に、下記(3)式のポリ(アリールエーテルケト
ン)は、文献例えば特開昭60−240726号公報、米
国特許第4398020号等により公知のポリマーであ
る。(以下、PEKKと称す) 更に、下記(4)式のポリ(アリールエーテルケト
ン)も、文献例えば米国特許第3956240号により
公知のポリマーである。(以下、PEEKKと略称) これらのポリ(アリールエーテルケトン)は、
前述のように熱可塑性樹脂としては最高レベルに
ある各種特性をバランス良く兼ね備えており、繊
維化することは産業上極めて大きな意義をもつも
のである。 これらのポリ(アリールエーテルケトン)の繊
維化については各所で検討されているが、歴史的
に日も浅く文献もなく、製造技術が充分確立して
いるとは云い難い。 その中でも、PEEKの繊維化研究はかなり進ん
でいて、文献も多いが(例えば()特開昭57−
191322号公報;()Res.Disclosure,April,
PP104(1982);()繊維学会誌、Vol,41,No.
1,59(1985)等参照)、実際に現在市販されてい
るPEEK繊維はモノフイラメントだけで、そのモ
ノフイラメントの力学的特性も未だ充分とは云い
難い。 PEK(前述の式(2)で表われるポリマー)の繊維
化は若干の文献(例えば特公昭56−33419号公報)
に見られるだけである。 上述の公知文献において開示されているポリ
(アリールエーテル)ケトンの繊維化方法、特に
溶融紡出糸の延伸方法の基体はポリマーあるいは
紡出糸のTgより高い延伸温度で延伸することに
あり、このこと自体、従来公知の熱可塑性繊維形
成性ポリマーの延伸方法の一般的原理と解される
ものである。即ち、これら文献によれば延伸は
Tgより高くTmより低い温度の加熱媒体中で行
うか又は上記温度の加熱体と接触して行う方法が
とられている。 (ハ) 発明の目的 本発明者らはPEEKを始めとする各種ポリ(ア
リールエーテルケトン)の極立つた特性に着目
し、その繊維化を試み種々検討した結果、溶融紡
出糸を従来公知の如くTgより高い延伸温度で延
伸した場合、確かに延伸糸の引張強度は延伸温度
を上げるに伴なつて向上するが、その反面、引張
伸度は延伸温度が上がるに伴ない急激に低下して
シルクフアクターが低下し、同時に延伸中に毛
羽、ラツプが多発して安定した延伸性が得難く、
工業的製法としては問題があることがわかつた。 従つて、本発明の目的は、従来公知の延伸方法
の欠点をなくし、産業用繊維としてバランスのと
れた満足しうる品質を有するポリ(アリールエー
テルケトン)繊維を工業的に安定して製造しうる
方法を提供することにある。 (ニ) 本発明の構成 即ち、本発明は、 下記()〜()式の少なくとも1種の繰り
返し単位から実質的になるポリ(アリールエーテ
ルケトン)を溶融紡糸して得られた紡出糸を、該
紡出糸のTg以下、(Tg−50℃)以上のの温度で
延伸し、必要に応じて該延伸に引続き該紡出糸の
Tcより高くTmより低い温度で熱処理すること
を特徴とする、ポリ(アリールエーテルケトン)
繊維の製造法である。 上記式中、Arは独立的にフエニレン、ビフエ
ニレンまたはナフタレンから選択された2価の芳
香族基であり、Xは独立的にO, または直接結合であり、nは0〜3の整数、b,
c,dおよびeは0または1,aは1〜4の整数
であり、そして好ましくはdはbが1のときには
0である。 好ましいポリ(アリールエーテルケトン)とし
ては下記式のくり返し単位を有するものが挙げら
れる。 これらのポリ(アリールケトン)は当業界で周
知の方法によつて製造される。1つのこのような
方法は少なくとも1種のビスフエノールと少なく
とも1種のジハロベンゾイド化合物またはカナダ
特許第847963号に記載の如き少なくとも1種のハ
ロフエノール化合物との実質的に等モルの混合物
を加熱することよりなる。このような方法におけ
る好ましいビスフエノールとしては、 ヒドロキノン 4,4−ジヒドロキシベンゾフエノン 4,4−ジヒドロキシフエニル、および 4,4−ジヒドロキシジフエニルエーテル が挙げられる。 好ましいジハロおよびジハロベンゾイド化合物
としては、 4−(4−クロロベンゾイル)フエノール、 4,4−ジフルオロベンゾフエノン、 4,4−ジクロベンゾフエノン、 4−クロロ−4′−フルオロベンゾフエノン、 および が挙げられる。 これらのポリ(アリールケトン)は例えば米国
特許第4176222号に記載の如き方法によつて製造
し得る。この方法は、100℃〜400℃の温度範囲
で、(1)少なくとも1種のビスフエノールと、少な
くとも1種のジハロベンゾイド化合物との実質的
に等モルの混合物、あるいは(2)少なくとも1種の
ハロフエノール(ジハロベンゾイド化合物または
ハロフエノールにおいて、ハロゲン原子はこれら
の原子に対してオルトまたはパラ位にある−CO
−基によつて活性化されている)を、炭酸または
重炭酸ナトリウムと炭酸または重炭酸第2アルカ
リ金属塩との混合物(上記炭酸または重炭酸第2
アルカリ金属塩のアルカリ金属はナトリウムより
も高い原子番号を有し、上記炭酸または重炭酸第
2アルカリ金属塩の量はナトリウムのグラム原子
あたり0.001〜0.2グラム原子のより高い原子番号
のアルカリ金属が存在する程度であり、炭酸また
は重炭酸アルカリ金属の全量は存述する各フエノ
ール基ごとに少なくとも1個のアルカリ金属が存
在する程度である)とともに加熱し、その後、ア
ルカリ金属ハライドからポリマーを分離すること
よりなる。 また、式: の繰り返し単位を有するものなどのポリ(アリー
ルケトン)は例えば米国特許第3953400号に記載
のようにフツ化水素−三フツ化ホウ素触媒を利用
してフリーデル・クラフト反応によつて製造し得
る。 さらに、下記式: のポリ(アリールケトン)は例えば米国特許第
3441538号;第3442857号及び第3516966号に記載
のようにフツ化ホウ素−フツ化水素触媒を使用し
てフリーデル・クラフト反応によつて製造し得
る。 これらのポリケトンは米国防衛公報第T103703
号および米国特許第4396755号に記載の方法によ
つても製造し得る。この方法では、(a)芳香族モノ
カルボン酸、(b)少なくとも1種の芳香族ジカルボ
ン酸混合物、および(a)と(b)との組合せなどの反応
物をフルオロアルカンスルホン酸、特にトリフル
オロメタンスルホン酸の存在下で反応させる。 さらに、下記式: または のポリ(アリールケトン)は例えば米国特許第
4398020号に記載の如き方法によつても製造し得
る。このような方法では、 (a) (1)式 YOC−Ar−COY (上記式中、−Ar−は二価の芳香族基であり、
Yはハロゲンであり、そしてCOYは芳香族核
と結合したアシルハライド基である。 の少なくとも1種の芳香族ジアシルハライド
(これは下記()の少なくとも1種の芳香族
化合物と重合可能である)と、 ()式 H−Ar′−H (上記式中、−Ar′−は二価の芳香族基であり、
そしてHは芳香核と結合した水素原子である。) の少なくとも1種の芳香族化合物と、の実質的
に等モル量の混合物。 (b) 式 H−Ar″−COW (上記式中、−Ar″−は二価の芳香族基であり、
そしてHは芳香核と結合した水素原子であり、
Wはハロゲンであり、そしてCOWは芳香核と
結合したアシルハライド基である。) の少なくとも1種のモノアシルハライド(これ
は自己重合可能である)、および(c)(a)と(b)の組
合せ などの反応物をフルオロアルカンスルホン酸の存
在下で反応させる。 ここで使用する「ポリ(アリールエーテルケト
ン)」なる語は、ホモポリマー、コポリマー、タ
ーポリマー、グラフトポリマー等を総称する。例
えばコポリマー等を形成するために繰り返し単位
()〜()のいずれか2種またはそれ以上を
組み合せることもできる。 繊維用途に適したポリマーはある程度の重合度
が必要とされ固有粘度(..)が0.7以上のポ
リマーが好ましい。ここで..は濃硫酸100
c.c.当たり、ポリマーを0.1g溶かし、25℃で測定
し、演算された固有粘度である。 尚、上記ポリマーにはその安定性、色調、物
性、接着性等を改善するために各種の添加剤を含
んでもよいことは勿論である。 次に、ポリ(アリールエーテルケトン)繊維の
製造法について詳述する。ポリ(アリールエーテ
ルケトン)ポリマーを溶融紡糸するに際しては、
約500℃迄昇温可能な溶融押出装置にポリマーを
供給し、最終的にはその融点(Tm)より30〜70
℃高い温度、即ち(Tm+30℃)〜(Tm+70℃)
で完全に溶融させたのち、溶融紡糸口金として通
常用いられる口金か、又は本発明者らが先に提案
した特開昭60−259619号公報記載の吐出孔内に針
状物を有する特殊な紡糸口金等を装置した紡糸パ
ツクを介して紡出する。 紡出糸は従来公知の冷却・引取方法で巻取られ
る。即ち、紡出糸(未延伸糸)の単糸デニールが
約1000de以上の太デニールの糸を紡糸する場合、
口金直下に設けられた液温40〜95℃の温水浴、あ
るいはエチレングリコール浴、シリコーン油浴等
で紡出糸を冷却固化した後、トルクワインダー等
で巻取る。 一方、紡出糸(未延伸糸)の単糸デニールが約
1000de以下の細デニールの糸を紡糸する場合、
紡出後空気中にて冷却固化した後給油し巻取る。 本発明におけるポリ(アリールエーテルケト
ン)は、高融点、高粘性ポリマーであり、特に細
デニールでは紡出後、冷却固化が迅やかに進行す
るので、通常高粘度ポリマーの溶融紡糸で使用さ
れている如き、口金直下に紡出糸を徐冷する加熱
筒(フード)を設けることによつてより高速での
曳糸性を付与することが可能である。更に紡糸引
取直前で空気交絡処理を施せば後の延伸性等の取
扱い性がよくなる。 ポリ(アリールエーテルケトン)は高融点、高
粘性ポリマーであるが、ポリマーの重合過程、紡
糸時の高温融解過程で発生、混入するゲル状物質
の量が、通常の低融点ポリマーに比較して多く、
特に細デニールのフイラメントの紡糸においては
ゲル状物質の影響が無視できないレベルにある
が、これはポリマー溶融直後のフイルターや、紡
糸パツク内のフイルターの強化でゲル状物質を細
分化するかもしくは、フイルター強化と前述の特
開昭60−259619号公報記載の口金との組合せによ
つてゲル状物質の悪影響を改善しうる。 かくして得られた紡出糸(未延伸糸)は、次い
で延伸に供せられるが、延伸装置は従来公知の装
置で可能である。即ち、加熱水蒸気、熱媒電熱ヒ
ーター等による非接触式ないしは接触式ヒーター
で1段以上の加熱多段延伸を行ない、必要に応じ
て緊張下又は無緊張下で熱処理を施す。 さて、ポリ(アリールエーテルケトン)繊維、
例えばPEEK未延伸糸の延伸については、前述し
た如く、一般の熱可塑性繊維形成性ポリマーから
成る繊維と同様にTgより高い延伸温度での延伸
が従来採用されている。本発明者らも当初、この
従来の基本常識に従いポリ(アリールエーテルケ
トン)繊維の延伸を検討したが、前述したよう
に、次のような問題点があることを知見した。即
ち、 a 延伸温度がTg以上で高温になるに伴ない、
延伸糸の引張伸度が低下し、シルクフアクター
が低下する。 b その結果、延伸中、毛羽・ラツプが多発し、
安定した延伸ができない。 本発明者らは上記問題点を解決すべく、延伸温
度の最適条件の探索を実施した結果、従来の常識
や理論とは逆に「Tg以下の温度での延伸」が有
効であることを見い出したのであり、この結果は
従来の合成繊維の延伸理論、即ち「Tgより高い
温度での延伸」という考え方が必ずしも普遍的で
ないということを意味している。 なぜ、ポリ(アリールエーテルケトン)繊維の
場合、Tgより高い温度での延伸が好ましくない
か、定かな理由は充分解明しえてないが、ポリ
(アリールエーテルケトン)の熱特性にその答え
が潜んでいると思われる。 ポリ(アリールエーテルケトン)急冷ポリマー
やポリ(アリールエーテルケトン)未延伸糸のよ
うに非晶部分がそのほとんどを占めるサンプルの
示差熱分析(DTA^;昇温速度10℃/分)の結果
を第1図に示す。第1図にはPEEKのDTA曲線
を示すが、該曲線には低温側から145〜150℃付近
にガラス転移を示す小さい吸熱ピーク(Tg)、こ
れにきわめて隣接して160〜170℃付近に結晶化を
示す大きな発熱ピーク(Tc)、そして340〜345℃
付近に融解を示す吸熱ピーク(Tm)がある。他
の一般的ポリマーと異なり、PEEKの場合、Tg
とTcが極めて近接しているのが第1図からわか
る。従つてPEEK未延伸糸をTg以上の温度で延
伸する場合、特にTgより相当高い温度で延伸す
る場合、結晶化を並行しながら配向延伸すること
になり、その結果、低伸度化、毛羽・ラツプの発
生に結びついたものと推察される。 PEEKをはじめとするポリ(アリールエテルケ
トン)の熱特性は程度の差こそあれ、PEEKと同
様の傾向、即ち、TgとTcが近接する傾向を有し
ており、(例えばPEKはTg約154℃、Tc約169℃
である)、高シルクフアクターで延伸性の良い繊
維の製造法としては、本発明に従つてTg〜(Tg
−50℃)、好ましくは(Tg−10℃)〜(Tg−50
℃)の低い温度で結晶化を抑制して、例えば1.5
〜2.5倍程度の延伸比にて、充分配向延伸し、そ
の後必要に応じて(例えば高強度、低熱収縮率糸
を得る場合など)Tc〜Tm、好ましくはTc〜
(Tm−30℃)の温度で張力下又は弛緩状態で熱
処理して結晶化を図るのが適当である。 なお、本発明で云う延伸温度及び熱処理温度と
は、ともに延伸あるいは熱処理における糸条の温
度を指し、延伸及び熱処理ヒーター直後の糸条温
度を米国トランスメツト社製の糸用温度計で測定
したものであつて、加熱媒体の温度を指すもので
はない。 本発明の方法はマルチフイラメント及びモノフ
イラメントに好ましく適用できる。なお、マルチ
フイラメント、モノフイラメントとも1錘以上多
錘採りが可能であり、又、紡糸に直結して延伸す
るスピンドロー方式を採用してもよい。 本発明の方法により得られた延伸糸あるいは延
伸・熱処理糸は、織編等の後加工における取扱い
性をよくする為、あるいは用途に応じて仕上げオ
イル等の処理剤を付与することができ、又必要に
応じて空気交絡処理を施こすこともできる。 (ホ) 発明の効果 本発明の方法によれば、単糸デニールが数デニ
ールのマルチフイラメントから直径約1mm程度の
モノフイラメント迄の広い範囲に亘つて、産業用
繊維として十分満足しうる高タフネス繊維を安定
して製造することが可能であり、ポリ(アリール
エーテルケトン)本来の優れた特性(耐熱性、耐
薬品性、耐放射線性、耐加水分解性等)を最大限
に発揮しうる産業用繊維を提供できる、工業的に
極めて有用な方法である。 本発明の方法により得られるPEEKを始めとす
るポリ(アリールエーテルケトン)繊維は、産業
用繊維として広く用いることができ、例えばモノ
フイラメントとしては、耐熱、耐摩耗性ブラシ、
ドライヤーキヤンバス等の耐熱、耐熱水重布の継
手芯材、耐摩耗・高弾性ガツト等に、マルチフイ
ラメントとしては耐熱・耐薬フイルター及びパツ
キン、耐放射線フイルター及びパツキン、更には
ガラス繊維、炭素繊維、セラミツク繊維、金属繊
維等の無機繊維や芳香族ポリアミド繊維、複素環
ポリマー繊維等の高強度、高弾性有機繊維との複
合材料用の樹脂マトリツクス等に有用である。 (ヘ) 実施例 本発明を実施例をもつて更に詳述するが、下記
の諸実施例は本発明の具体的な例示をするもので
あつて、本発明の範囲を何ら限定しようとするも
のではない。 実施例 1 固有粘度(..)が0.96のPEEK樹脂(ICI
社製VICTREX )を400℃で溶融後、直径0.45
mm、長さ1.35mm、孔数60ケの通常の紡糸口金を用
いて、紡糸口金温度380℃で紡出し、口金直下に
設けた表面温度280℃で長さ30cmの加熱筒を経て、
空冷した後、給油して速度150m/分で巻き取り、
800de/60filsのPEEK紡出糸(未延伸糸)を得
た。この紡出糸(未延伸糸)の示差熱分析
(DTA:昇温速度10℃/分)の結果は、Tg=149
℃、Tc=159℃、Tm=340であつた。 この紡出糸を用いて延伸及び熱処理条件の検討
を行つた。 即ち、該紡出糸(未延伸糸)を加熱供給ローラ
ーに供給し、次の室温延伸ローラー間で延伸倍率
2.0ないし2.25、延伸速度200m/分で延伸し、次
いで熱板ヒーターで熱処理して引取ローラーを介
して巻き取つた。 上述の延伸設備を用いて延伸温度と熱処理温度
を種々変更して延伸糸または延伸熱処理糸の特性
と延伸性をみた結果を表−1に記す。 ここで表−1に用いる語句・記号について簡単
に述べる。 (a) シルクフアクター:(引張強度(g/de))×
√(引張伸度(%)で表わす。 この値は繊維の力学特性の目安となる。 (b) 乾熱収縮率:180℃で30分間、無荷重下で測
定した収縮率(%) (c) 示差熱特性:DTAの結果、TgあるいはTc
のピークが相当残つているものを×、微少残つ
ているものを△、完全にピークのないものを○
とし、延伸糸の熱セツト性の目安としたもの。 (d) 延伸性:30分間の延伸時間中、毛羽・ラツプ
の出ないもの○、若干発生するもの△、多発し
て延伸が困難なものを×とする。
の製造法に関するものである。さらに詳しくは耐
熱性、耐薬品性等に優れた高性能のポリ(アリー
ルエーテルケトン)からなる繊維を延伸、熱処理
して、産業用繊維として充分な力学的ポテンシヤ
ル(特に高いシルクフアクター)をもつ繊維を安
定した延伸性にて製造する方法に関するものであ
る。 (ロ) 従来技術 ポリ(アリールエーテルケトン)は結晶性の超
耐熱性熱可塑性樹脂であり、優れた耐熱性、耐加
水分解性、耐(化学)薬品性、電気特性、耐放射
線性等を有することが知られており、これらの有
用な特性が活かされる分野において、エンジニア
リング・プラスチツク、フイルム等として開発さ
れつつある。 1980年代に下記(1)式のポリ(アリールエーテル
ケトン)について、ICI社がポリエーテルエーテ
ルケトン(以下PEEKと略称)の名称で市販を開
始し、その製法や特性もよく知られている。(例
えば特公昭60−32642号公報、米国特許第4320224
号) このPEEKポリマーはガラス転移点(Tg)143
℃、融点(Tm)334℃を有する。 また、下記(2)式のポリ(アリールエーテルケト
ン)は、文献例えば特開昭52−38000号公報、米
国特許第3953400号等により公知であり、Tg154
℃、Tm365℃を有するポリマーである。(以下、
PEKと略称) 更に、下記(3)式のポリ(アリールエーテルケト
ン)は、文献例えば特開昭60−240726号公報、米
国特許第4398020号等により公知のポリマーであ
る。(以下、PEKKと称す) 更に、下記(4)式のポリ(アリールエーテルケト
ン)も、文献例えば米国特許第3956240号により
公知のポリマーである。(以下、PEEKKと略称) これらのポリ(アリールエーテルケトン)は、
前述のように熱可塑性樹脂としては最高レベルに
ある各種特性をバランス良く兼ね備えており、繊
維化することは産業上極めて大きな意義をもつも
のである。 これらのポリ(アリールエーテルケトン)の繊
維化については各所で検討されているが、歴史的
に日も浅く文献もなく、製造技術が充分確立して
いるとは云い難い。 その中でも、PEEKの繊維化研究はかなり進ん
でいて、文献も多いが(例えば()特開昭57−
191322号公報;()Res.Disclosure,April,
PP104(1982);()繊維学会誌、Vol,41,No.
1,59(1985)等参照)、実際に現在市販されてい
るPEEK繊維はモノフイラメントだけで、そのモ
ノフイラメントの力学的特性も未だ充分とは云い
難い。 PEK(前述の式(2)で表われるポリマー)の繊維
化は若干の文献(例えば特公昭56−33419号公報)
に見られるだけである。 上述の公知文献において開示されているポリ
(アリールエーテル)ケトンの繊維化方法、特に
溶融紡出糸の延伸方法の基体はポリマーあるいは
紡出糸のTgより高い延伸温度で延伸することに
あり、このこと自体、従来公知の熱可塑性繊維形
成性ポリマーの延伸方法の一般的原理と解される
ものである。即ち、これら文献によれば延伸は
Tgより高くTmより低い温度の加熱媒体中で行
うか又は上記温度の加熱体と接触して行う方法が
とられている。 (ハ) 発明の目的 本発明者らはPEEKを始めとする各種ポリ(ア
リールエーテルケトン)の極立つた特性に着目
し、その繊維化を試み種々検討した結果、溶融紡
出糸を従来公知の如くTgより高い延伸温度で延
伸した場合、確かに延伸糸の引張強度は延伸温度
を上げるに伴なつて向上するが、その反面、引張
伸度は延伸温度が上がるに伴ない急激に低下して
シルクフアクターが低下し、同時に延伸中に毛
羽、ラツプが多発して安定した延伸性が得難く、
工業的製法としては問題があることがわかつた。 従つて、本発明の目的は、従来公知の延伸方法
の欠点をなくし、産業用繊維としてバランスのと
れた満足しうる品質を有するポリ(アリールエー
テルケトン)繊維を工業的に安定して製造しうる
方法を提供することにある。 (ニ) 本発明の構成 即ち、本発明は、 下記()〜()式の少なくとも1種の繰り
返し単位から実質的になるポリ(アリールエーテ
ルケトン)を溶融紡糸して得られた紡出糸を、該
紡出糸のTg以下、(Tg−50℃)以上のの温度で
延伸し、必要に応じて該延伸に引続き該紡出糸の
Tcより高くTmより低い温度で熱処理すること
を特徴とする、ポリ(アリールエーテルケトン)
繊維の製造法である。 上記式中、Arは独立的にフエニレン、ビフエ
ニレンまたはナフタレンから選択された2価の芳
香族基であり、Xは独立的にO, または直接結合であり、nは0〜3の整数、b,
c,dおよびeは0または1,aは1〜4の整数
であり、そして好ましくはdはbが1のときには
0である。 好ましいポリ(アリールエーテルケトン)とし
ては下記式のくり返し単位を有するものが挙げら
れる。 これらのポリ(アリールケトン)は当業界で周
知の方法によつて製造される。1つのこのような
方法は少なくとも1種のビスフエノールと少なく
とも1種のジハロベンゾイド化合物またはカナダ
特許第847963号に記載の如き少なくとも1種のハ
ロフエノール化合物との実質的に等モルの混合物
を加熱することよりなる。このような方法におけ
る好ましいビスフエノールとしては、 ヒドロキノン 4,4−ジヒドロキシベンゾフエノン 4,4−ジヒドロキシフエニル、および 4,4−ジヒドロキシジフエニルエーテル が挙げられる。 好ましいジハロおよびジハロベンゾイド化合物
としては、 4−(4−クロロベンゾイル)フエノール、 4,4−ジフルオロベンゾフエノン、 4,4−ジクロベンゾフエノン、 4−クロロ−4′−フルオロベンゾフエノン、 および が挙げられる。 これらのポリ(アリールケトン)は例えば米国
特許第4176222号に記載の如き方法によつて製造
し得る。この方法は、100℃〜400℃の温度範囲
で、(1)少なくとも1種のビスフエノールと、少な
くとも1種のジハロベンゾイド化合物との実質的
に等モルの混合物、あるいは(2)少なくとも1種の
ハロフエノール(ジハロベンゾイド化合物または
ハロフエノールにおいて、ハロゲン原子はこれら
の原子に対してオルトまたはパラ位にある−CO
−基によつて活性化されている)を、炭酸または
重炭酸ナトリウムと炭酸または重炭酸第2アルカ
リ金属塩との混合物(上記炭酸または重炭酸第2
アルカリ金属塩のアルカリ金属はナトリウムより
も高い原子番号を有し、上記炭酸または重炭酸第
2アルカリ金属塩の量はナトリウムのグラム原子
あたり0.001〜0.2グラム原子のより高い原子番号
のアルカリ金属が存在する程度であり、炭酸また
は重炭酸アルカリ金属の全量は存述する各フエノ
ール基ごとに少なくとも1個のアルカリ金属が存
在する程度である)とともに加熱し、その後、ア
ルカリ金属ハライドからポリマーを分離すること
よりなる。 また、式: の繰り返し単位を有するものなどのポリ(アリー
ルケトン)は例えば米国特許第3953400号に記載
のようにフツ化水素−三フツ化ホウ素触媒を利用
してフリーデル・クラフト反応によつて製造し得
る。 さらに、下記式: のポリ(アリールケトン)は例えば米国特許第
3441538号;第3442857号及び第3516966号に記載
のようにフツ化ホウ素−フツ化水素触媒を使用し
てフリーデル・クラフト反応によつて製造し得
る。 これらのポリケトンは米国防衛公報第T103703
号および米国特許第4396755号に記載の方法によ
つても製造し得る。この方法では、(a)芳香族モノ
カルボン酸、(b)少なくとも1種の芳香族ジカルボ
ン酸混合物、および(a)と(b)との組合せなどの反応
物をフルオロアルカンスルホン酸、特にトリフル
オロメタンスルホン酸の存在下で反応させる。 さらに、下記式: または のポリ(アリールケトン)は例えば米国特許第
4398020号に記載の如き方法によつても製造し得
る。このような方法では、 (a) (1)式 YOC−Ar−COY (上記式中、−Ar−は二価の芳香族基であり、
Yはハロゲンであり、そしてCOYは芳香族核
と結合したアシルハライド基である。 の少なくとも1種の芳香族ジアシルハライド
(これは下記()の少なくとも1種の芳香族
化合物と重合可能である)と、 ()式 H−Ar′−H (上記式中、−Ar′−は二価の芳香族基であり、
そしてHは芳香核と結合した水素原子である。) の少なくとも1種の芳香族化合物と、の実質的
に等モル量の混合物。 (b) 式 H−Ar″−COW (上記式中、−Ar″−は二価の芳香族基であり、
そしてHは芳香核と結合した水素原子であり、
Wはハロゲンであり、そしてCOWは芳香核と
結合したアシルハライド基である。) の少なくとも1種のモノアシルハライド(これ
は自己重合可能である)、および(c)(a)と(b)の組
合せ などの反応物をフルオロアルカンスルホン酸の存
在下で反応させる。 ここで使用する「ポリ(アリールエーテルケト
ン)」なる語は、ホモポリマー、コポリマー、タ
ーポリマー、グラフトポリマー等を総称する。例
えばコポリマー等を形成するために繰り返し単位
()〜()のいずれか2種またはそれ以上を
組み合せることもできる。 繊維用途に適したポリマーはある程度の重合度
が必要とされ固有粘度(..)が0.7以上のポ
リマーが好ましい。ここで..は濃硫酸100
c.c.当たり、ポリマーを0.1g溶かし、25℃で測定
し、演算された固有粘度である。 尚、上記ポリマーにはその安定性、色調、物
性、接着性等を改善するために各種の添加剤を含
んでもよいことは勿論である。 次に、ポリ(アリールエーテルケトン)繊維の
製造法について詳述する。ポリ(アリールエーテ
ルケトン)ポリマーを溶融紡糸するに際しては、
約500℃迄昇温可能な溶融押出装置にポリマーを
供給し、最終的にはその融点(Tm)より30〜70
℃高い温度、即ち(Tm+30℃)〜(Tm+70℃)
で完全に溶融させたのち、溶融紡糸口金として通
常用いられる口金か、又は本発明者らが先に提案
した特開昭60−259619号公報記載の吐出孔内に針
状物を有する特殊な紡糸口金等を装置した紡糸パ
ツクを介して紡出する。 紡出糸は従来公知の冷却・引取方法で巻取られ
る。即ち、紡出糸(未延伸糸)の単糸デニールが
約1000de以上の太デニールの糸を紡糸する場合、
口金直下に設けられた液温40〜95℃の温水浴、あ
るいはエチレングリコール浴、シリコーン油浴等
で紡出糸を冷却固化した後、トルクワインダー等
で巻取る。 一方、紡出糸(未延伸糸)の単糸デニールが約
1000de以下の細デニールの糸を紡糸する場合、
紡出後空気中にて冷却固化した後給油し巻取る。 本発明におけるポリ(アリールエーテルケト
ン)は、高融点、高粘性ポリマーであり、特に細
デニールでは紡出後、冷却固化が迅やかに進行す
るので、通常高粘度ポリマーの溶融紡糸で使用さ
れている如き、口金直下に紡出糸を徐冷する加熱
筒(フード)を設けることによつてより高速での
曳糸性を付与することが可能である。更に紡糸引
取直前で空気交絡処理を施せば後の延伸性等の取
扱い性がよくなる。 ポリ(アリールエーテルケトン)は高融点、高
粘性ポリマーであるが、ポリマーの重合過程、紡
糸時の高温融解過程で発生、混入するゲル状物質
の量が、通常の低融点ポリマーに比較して多く、
特に細デニールのフイラメントの紡糸においては
ゲル状物質の影響が無視できないレベルにある
が、これはポリマー溶融直後のフイルターや、紡
糸パツク内のフイルターの強化でゲル状物質を細
分化するかもしくは、フイルター強化と前述の特
開昭60−259619号公報記載の口金との組合せによ
つてゲル状物質の悪影響を改善しうる。 かくして得られた紡出糸(未延伸糸)は、次い
で延伸に供せられるが、延伸装置は従来公知の装
置で可能である。即ち、加熱水蒸気、熱媒電熱ヒ
ーター等による非接触式ないしは接触式ヒーター
で1段以上の加熱多段延伸を行ない、必要に応じ
て緊張下又は無緊張下で熱処理を施す。 さて、ポリ(アリールエーテルケトン)繊維、
例えばPEEK未延伸糸の延伸については、前述し
た如く、一般の熱可塑性繊維形成性ポリマーから
成る繊維と同様にTgより高い延伸温度での延伸
が従来採用されている。本発明者らも当初、この
従来の基本常識に従いポリ(アリールエーテルケ
トン)繊維の延伸を検討したが、前述したよう
に、次のような問題点があることを知見した。即
ち、 a 延伸温度がTg以上で高温になるに伴ない、
延伸糸の引張伸度が低下し、シルクフアクター
が低下する。 b その結果、延伸中、毛羽・ラツプが多発し、
安定した延伸ができない。 本発明者らは上記問題点を解決すべく、延伸温
度の最適条件の探索を実施した結果、従来の常識
や理論とは逆に「Tg以下の温度での延伸」が有
効であることを見い出したのであり、この結果は
従来の合成繊維の延伸理論、即ち「Tgより高い
温度での延伸」という考え方が必ずしも普遍的で
ないということを意味している。 なぜ、ポリ(アリールエーテルケトン)繊維の
場合、Tgより高い温度での延伸が好ましくない
か、定かな理由は充分解明しえてないが、ポリ
(アリールエーテルケトン)の熱特性にその答え
が潜んでいると思われる。 ポリ(アリールエーテルケトン)急冷ポリマー
やポリ(アリールエーテルケトン)未延伸糸のよ
うに非晶部分がそのほとんどを占めるサンプルの
示差熱分析(DTA^;昇温速度10℃/分)の結果
を第1図に示す。第1図にはPEEKのDTA曲線
を示すが、該曲線には低温側から145〜150℃付近
にガラス転移を示す小さい吸熱ピーク(Tg)、こ
れにきわめて隣接して160〜170℃付近に結晶化を
示す大きな発熱ピーク(Tc)、そして340〜345℃
付近に融解を示す吸熱ピーク(Tm)がある。他
の一般的ポリマーと異なり、PEEKの場合、Tg
とTcが極めて近接しているのが第1図からわか
る。従つてPEEK未延伸糸をTg以上の温度で延
伸する場合、特にTgより相当高い温度で延伸す
る場合、結晶化を並行しながら配向延伸すること
になり、その結果、低伸度化、毛羽・ラツプの発
生に結びついたものと推察される。 PEEKをはじめとするポリ(アリールエテルケ
トン)の熱特性は程度の差こそあれ、PEEKと同
様の傾向、即ち、TgとTcが近接する傾向を有し
ており、(例えばPEKはTg約154℃、Tc約169℃
である)、高シルクフアクターで延伸性の良い繊
維の製造法としては、本発明に従つてTg〜(Tg
−50℃)、好ましくは(Tg−10℃)〜(Tg−50
℃)の低い温度で結晶化を抑制して、例えば1.5
〜2.5倍程度の延伸比にて、充分配向延伸し、そ
の後必要に応じて(例えば高強度、低熱収縮率糸
を得る場合など)Tc〜Tm、好ましくはTc〜
(Tm−30℃)の温度で張力下又は弛緩状態で熱
処理して結晶化を図るのが適当である。 なお、本発明で云う延伸温度及び熱処理温度と
は、ともに延伸あるいは熱処理における糸条の温
度を指し、延伸及び熱処理ヒーター直後の糸条温
度を米国トランスメツト社製の糸用温度計で測定
したものであつて、加熱媒体の温度を指すもので
はない。 本発明の方法はマルチフイラメント及びモノフ
イラメントに好ましく適用できる。なお、マルチ
フイラメント、モノフイラメントとも1錘以上多
錘採りが可能であり、又、紡糸に直結して延伸す
るスピンドロー方式を採用してもよい。 本発明の方法により得られた延伸糸あるいは延
伸・熱処理糸は、織編等の後加工における取扱い
性をよくする為、あるいは用途に応じて仕上げオ
イル等の処理剤を付与することができ、又必要に
応じて空気交絡処理を施こすこともできる。 (ホ) 発明の効果 本発明の方法によれば、単糸デニールが数デニ
ールのマルチフイラメントから直径約1mm程度の
モノフイラメント迄の広い範囲に亘つて、産業用
繊維として十分満足しうる高タフネス繊維を安定
して製造することが可能であり、ポリ(アリール
エーテルケトン)本来の優れた特性(耐熱性、耐
薬品性、耐放射線性、耐加水分解性等)を最大限
に発揮しうる産業用繊維を提供できる、工業的に
極めて有用な方法である。 本発明の方法により得られるPEEKを始めとす
るポリ(アリールエーテルケトン)繊維は、産業
用繊維として広く用いることができ、例えばモノ
フイラメントとしては、耐熱、耐摩耗性ブラシ、
ドライヤーキヤンバス等の耐熱、耐熱水重布の継
手芯材、耐摩耗・高弾性ガツト等に、マルチフイ
ラメントとしては耐熱・耐薬フイルター及びパツ
キン、耐放射線フイルター及びパツキン、更には
ガラス繊維、炭素繊維、セラミツク繊維、金属繊
維等の無機繊維や芳香族ポリアミド繊維、複素環
ポリマー繊維等の高強度、高弾性有機繊維との複
合材料用の樹脂マトリツクス等に有用である。 (ヘ) 実施例 本発明を実施例をもつて更に詳述するが、下記
の諸実施例は本発明の具体的な例示をするもので
あつて、本発明の範囲を何ら限定しようとするも
のではない。 実施例 1 固有粘度(..)が0.96のPEEK樹脂(ICI
社製VICTREX )を400℃で溶融後、直径0.45
mm、長さ1.35mm、孔数60ケの通常の紡糸口金を用
いて、紡糸口金温度380℃で紡出し、口金直下に
設けた表面温度280℃で長さ30cmの加熱筒を経て、
空冷した後、給油して速度150m/分で巻き取り、
800de/60filsのPEEK紡出糸(未延伸糸)を得
た。この紡出糸(未延伸糸)の示差熱分析
(DTA:昇温速度10℃/分)の結果は、Tg=149
℃、Tc=159℃、Tm=340であつた。 この紡出糸を用いて延伸及び熱処理条件の検討
を行つた。 即ち、該紡出糸(未延伸糸)を加熱供給ローラ
ーに供給し、次の室温延伸ローラー間で延伸倍率
2.0ないし2.25、延伸速度200m/分で延伸し、次
いで熱板ヒーターで熱処理して引取ローラーを介
して巻き取つた。 上述の延伸設備を用いて延伸温度と熱処理温度
を種々変更して延伸糸または延伸熱処理糸の特性
と延伸性をみた結果を表−1に記す。 ここで表−1に用いる語句・記号について簡単
に述べる。 (a) シルクフアクター:(引張強度(g/de))×
√(引張伸度(%)で表わす。 この値は繊維の力学特性の目安となる。 (b) 乾熱収縮率:180℃で30分間、無荷重下で測
定した収縮率(%) (c) 示差熱特性:DTAの結果、TgあるいはTc
のピークが相当残つているものを×、微少残つ
ているものを△、完全にピークのないものを○
とし、延伸糸の熱セツト性の目安としたもの。 (d) 延伸性:30分間の延伸時間中、毛羽・ラツプ
の出ないもの○、若干発生するもの△、多発し
て延伸が困難なものを×とする。
【表】
【表】
(注) *付実験No.は比較例を示す。
表−1において、実験No.1〜21は延伸倍率2.0、
No.22〜26は延伸倍率2.25で延伸性及び熱セツト性
をみたものである。 表−1からわかるように、Tgより高い温度
(本実施例においては160℃以上)で延伸すると、
延伸温度が上がるに伴ない、一般に引張強度は少
しずつ向上するが、反面、引張強度が減少し、シ
ルクフアクターは低下する傾向にあり、低伸度化
の為、毛羽・ラツプが発生して延伸性は悪化す
る。特に延伸速度が190℃にもなると加熱供給ロ
ーラー上での糸のたるみ(自己伸張による)も加
わり、極めて延伸性の悪いものとなつた(実験No.
5、10、15、21、26)。 延伸温度がTg以下の場合はいづれも延伸性は
良好でシルクフアクターは好ましいレベル以上に
ある。但し、熱処理温度がTc以下(本実施例で
は150℃以下)のもの(実験No.1〜3、No.6〜8)
は熱セツトが不充分で乾熱収縮率も高いレベルに
あるので、一般的産業用繊維としては、やはり、
Tc以上の温度で熱処理を充分施こし、引張強度
シルクフアクターが高く、かつ乾熱収縮率が低く
なるようにすることが好ましい。 実施例 2 実施例1と同じPEEK樹脂を400℃で溶融後、
直径4mm、長さ8mm、孔数1ケの通常のモノフイ
ラメント用紡糸口金を用いて、紡糸口金温度375
℃で紡出し、次いで50℃の温水浴で冷却して速度
20m/分で巻取り、15300deの未延伸モノフイラ
メントを得た。 この未延伸モノフイラメントの示差熱分析の結
果はTg=146℃、Tc=167℃、Tm=342℃であつ
た。 この未延伸モノフイラメントを供給ローラー
(室温)と延伸ローラー(室温)間に設けた非接
触式加熱ヒーター(延伸用)及び延伸ローラーと
引取ローラー(室温)間に設けた別の非接触式加
熱ヒーター(熱処理用)を用いて延伸倍率3.4、
延伸速度20m/分で延伸及び熱処理を実施した。
この装置では延伸温度が140℃熱処理温度が250℃
になるように各ヒーターの雰囲気温度をコントロ
ールした。 得られたPEEKモノフイラメントは糸直径0.7
mm、引張強度5.8g/de、引張伸度18%、乾熱収
縮率6.1%の良好な繊維特性を有していた。 比較例として、延伸温度を180℃とする以外は
上述と同様にして得られたモノフイラメントは引
張強度は5.7g/deであるが、引張伸度が8%と
低く、シルクフアクリーの低いものであつた。 実施例 3 特公昭56−33419号公報に従つて重合して得ら
固有粘度(..)0.86のPEK(繰り返し単位 を425℃で溶融し、直径0.6mm、長さ1.8mm、孔数
36ケの通常の紡糸口金を用いて紡糸口金温度410
℃で紡出し、口金直下に設けた表面温度305℃で
長さ30cmの加熱筒を経て空冷した後、給油して速
度150m/分で巻き取り、760de/36filsのPEK未
延伸糸(紡出糸)を得た。この未延伸糸はTg=
161℃、Tc=178℃、Tm=370℃の熱特性を有し
ていた。 この未延伸糸を実施例1と同じ延伸設備で延伸
倍率1.9、延伸速度100m/分、延伸温度150℃、
熱処理温度250℃で延伸熱処理して得られた繊維
は402de/36fils、引張強度5.5g/de、引張伸度
22%、乾熱収縮率5.6と良好な物性を有しており、
かつ、延伸性は特に問題はなかつた。
表−1において、実験No.1〜21は延伸倍率2.0、
No.22〜26は延伸倍率2.25で延伸性及び熱セツト性
をみたものである。 表−1からわかるように、Tgより高い温度
(本実施例においては160℃以上)で延伸すると、
延伸温度が上がるに伴ない、一般に引張強度は少
しずつ向上するが、反面、引張強度が減少し、シ
ルクフアクターは低下する傾向にあり、低伸度化
の為、毛羽・ラツプが発生して延伸性は悪化す
る。特に延伸速度が190℃にもなると加熱供給ロ
ーラー上での糸のたるみ(自己伸張による)も加
わり、極めて延伸性の悪いものとなつた(実験No.
5、10、15、21、26)。 延伸温度がTg以下の場合はいづれも延伸性は
良好でシルクフアクターは好ましいレベル以上に
ある。但し、熱処理温度がTc以下(本実施例で
は150℃以下)のもの(実験No.1〜3、No.6〜8)
は熱セツトが不充分で乾熱収縮率も高いレベルに
あるので、一般的産業用繊維としては、やはり、
Tc以上の温度で熱処理を充分施こし、引張強度
シルクフアクターが高く、かつ乾熱収縮率が低く
なるようにすることが好ましい。 実施例 2 実施例1と同じPEEK樹脂を400℃で溶融後、
直径4mm、長さ8mm、孔数1ケの通常のモノフイ
ラメント用紡糸口金を用いて、紡糸口金温度375
℃で紡出し、次いで50℃の温水浴で冷却して速度
20m/分で巻取り、15300deの未延伸モノフイラ
メントを得た。 この未延伸モノフイラメントの示差熱分析の結
果はTg=146℃、Tc=167℃、Tm=342℃であつ
た。 この未延伸モノフイラメントを供給ローラー
(室温)と延伸ローラー(室温)間に設けた非接
触式加熱ヒーター(延伸用)及び延伸ローラーと
引取ローラー(室温)間に設けた別の非接触式加
熱ヒーター(熱処理用)を用いて延伸倍率3.4、
延伸速度20m/分で延伸及び熱処理を実施した。
この装置では延伸温度が140℃熱処理温度が250℃
になるように各ヒーターの雰囲気温度をコントロ
ールした。 得られたPEEKモノフイラメントは糸直径0.7
mm、引張強度5.8g/de、引張伸度18%、乾熱収
縮率6.1%の良好な繊維特性を有していた。 比較例として、延伸温度を180℃とする以外は
上述と同様にして得られたモノフイラメントは引
張強度は5.7g/deであるが、引張伸度が8%と
低く、シルクフアクリーの低いものであつた。 実施例 3 特公昭56−33419号公報に従つて重合して得ら
固有粘度(..)0.86のPEK(繰り返し単位 を425℃で溶融し、直径0.6mm、長さ1.8mm、孔数
36ケの通常の紡糸口金を用いて紡糸口金温度410
℃で紡出し、口金直下に設けた表面温度305℃で
長さ30cmの加熱筒を経て空冷した後、給油して速
度150m/分で巻き取り、760de/36filsのPEK未
延伸糸(紡出糸)を得た。この未延伸糸はTg=
161℃、Tc=178℃、Tm=370℃の熱特性を有し
ていた。 この未延伸糸を実施例1と同じ延伸設備で延伸
倍率1.9、延伸速度100m/分、延伸温度150℃、
熱処理温度250℃で延伸熱処理して得られた繊維
は402de/36fils、引張強度5.5g/de、引張伸度
22%、乾熱収縮率5.6と良好な物性を有しており、
かつ、延伸性は特に問題はなかつた。
第1図はPEEK未延伸糸の示差熱分折(DTA)
の結果を示す一模式図である。 Tg:ガラス転移ピーク、Tc:結晶化ピーク、
Tm:融解ピーク。
の結果を示す一模式図である。 Tg:ガラス転移ピーク、Tc:結晶化ピーク、
Tm:融解ピーク。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 下記()〜()式の少なくとも1種の繰
り返し単位から実質的になるポリ(アリールエー
テルケトン)を溶融紡糸して得られた紡出糸を、
該紡出糸のガラス転移点(Tg)以下、(Tg−50
℃)以上の温度で延伸し、必要に応じて該延伸に
引続き該紡出糸の結晶化温度(Tc)より高く融
点(Tm)より低い温度で熱処理すること、を特
徴とするポリ(アリールエーテルケトン)繊維の
製造法。 (但し、ガラス転移点(Tg)、結晶化温度
(Tc)、融点(Tm)は各々、示差分析における
ガラス転移、結晶化、融解のピーク温度を示す。) [上記式中、Arは独立的にフエニレン、ビフエ
ニレンまたはナフタレンから選択された二価の芳
香族基であり、Xは独立的にO, または直接結合であり、nは0〜3の整数であ
り、b,c,dおよびeは0または1であり、a
は1〜4の整数である。] 2 ポリ(アリールエーテルケトン)が次式: の繰り返し単位を有するものである特許請求の範
囲第1項記載の製造法。 3 ポリ(アリールエーテルケトン)が次式: の繰り返し単位を有するものである特許請求の範
囲第1項記載の製造法。 4 ポリ(アリールエーテルケトン)が次式: の繰り返し単位を有するものである特許請求の範
囲第1項記載の製造法。 5 ポリ(アリールエーテルケトン)が次式: の繰り返し単位を有するものである特許請求の範
囲第1項記載の製造法。 6 延伸温度が(Tg−10℃)〜(Tg−50℃)の
範囲内の温度である特許請求の範囲第1項又は第
2項記載の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6875186A JPS62231016A (ja) | 1986-03-28 | 1986-03-28 | ポリ(アリ−ルエ−テルケトン)繊維の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6875186A JPS62231016A (ja) | 1986-03-28 | 1986-03-28 | ポリ(アリ−ルエ−テルケトン)繊維の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62231016A JPS62231016A (ja) | 1987-10-09 |
| JPH0373652B2 true JPH0373652B2 (ja) | 1991-11-22 |
Family
ID=13382783
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6875186A Granted JPS62231016A (ja) | 1986-03-28 | 1986-03-28 | ポリ(アリ−ルエ−テルケトン)繊維の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62231016A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH01292133A (ja) * | 1988-05-19 | 1989-11-24 | Teijin Ltd | ミシン糸及びその製造法 |
| DE69033282T2 (de) * | 1989-05-23 | 1999-12-30 | Teijin Ltd., Osaka | Poly(arylen-äther-keton), verfahren zur herstellung desselben und dessen verwendung |
| GB9018987D0 (en) * | 1990-08-31 | 1990-10-17 | Albany Research Uk | Peek hot press felts and fabrics |
| JP4900234B2 (ja) * | 2007-03-01 | 2012-03-21 | 東レ株式会社 | ポリエーテルエーテルケトンモノフィラメントおよびその製造法、およびポリエーテルエーテルケトンモノフィラメントからなるフィルター |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS57191322A (en) * | 1981-05-11 | 1982-11-25 | Toray Ind Inc | Aromatic polyether ketone fiber and its preparation |
| GB8406219D0 (en) * | 1984-03-09 | 1984-04-11 | Ici Plc | Sports racket strings |
| US4747988A (en) * | 1985-05-10 | 1988-05-31 | Hoechst Celanese Corporation | Process of making an aromatic polyetherketone fiber product |
-
1986
- 1986-03-28 JP JP6875186A patent/JPS62231016A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62231016A (ja) | 1987-10-09 |
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