JPH0380835B2 - - Google Patents
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- JPH0380835B2 JPH0380835B2 JP60053765A JP5376585A JPH0380835B2 JP H0380835 B2 JPH0380835 B2 JP H0380835B2 JP 60053765 A JP60053765 A JP 60053765A JP 5376585 A JP5376585 A JP 5376585A JP H0380835 B2 JPH0380835 B2 JP H0380835B2
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Description
〔発明の利用分野〕
本発明は塑性加工用潤滑剤とその使用方法に関
する。 〔発明の背景〕 金属の塑性加工用の潤滑剤は、加工の際の変形
熱及び摩擦熱等による温度上昇、新生面の増大な
どに対して、十分な潤滑性能を有するものでなけ
ればならない。これらの潤滑剤としては、鉱油及
び合成油又は、これらの混合油を主成分とする水
溶性、非水溶性の液体潤滑剤に金属石鹸、牛脂な
どの半固体状潤滑剤、硫黄系、塩素系、燐系など
の極圧剤、黒鉛、二硫化モリブデンなどの固体潤
滑剤等を配合したものが使用されている。加工度
の低い塑性加工においては、上記の潤滑剤が使用
できるが、高温、高面圧の加工度の高い場合や複
雑な形状を有する部品の成形では、潤滑剤の耐荷
重性、耐熱性等が不十分なため焼付が起り十分満
足するものがなかつた。塑性変形が大きい場合や
複雑な形状のものを整形する場合の潤滑剤として
は、素材表面に銅などの軟質金属をメツキする方
法や、合成樹脂系の皮膜をコーテイングする方法
がある。また、良く知られている方法としては、
素材の脱脂−水洗−酸洗−りん酸塩処理−水洗−
中和処理−金属石鹸潤滑処理−加熱乾燥の一連の
工程から成る処理方法がある。 これらの潤滑被膜形成方法はいずれも十分な前
処理が必要であると共に、被膜形成工程が複雑で
あるため多大な労力と経費が必要である。また、
処理廃液の公害といつた問題もある。近年、燐酸
及びその塩、硼酸及びその塩、アルカリ金属の炭
酸塩、硝酸塩、硫酸塩及びその水酸化物、または
層状珪酸塩等を含有する潤滑剤が提案されている
(特開昭57−73089号公報)。これらの潤滑剤は、
P2O5,B2O2,M2O(Mはアルカリ金属)を含有
する水溶性ガラス粉末と層状珪酸塩または、上記
混合物と水とから成るため、冷間加工の如き低温
下(約300℃以下)で潤滑性が発揮できないため
に冷間加工用としては使用できない。また、多価
金属カチオン、オルト燐酸塩及び炭素原子数10〜
36のアルキルアルコールまたはアルキルアリール
を反応させた含有水分が20Wt%以下の潤滑剤
(特開昭47−15569号公報)や、更に上記潤滑剤
に、鉱油、カルボン酸及びアルキルアミンを混合
したものを加えた液状またはペースト状のものが
ある。 また、鉱油、オレイン酸、オレイルアミンの如
く潤滑剤30〜94Wt%、多価金属カオチン塩、ポ
リ燐酸、炭素数が10〜36のアルコール(金属カオ
チン:P2O2:アルコール=1:3〜60:14〜
150Wt比)との反応成分5〜60wT%、水分0.5〜
10Wt%から成る冷間加工用潤滑剤が提案されて
いる(米国特許第3932287号明細書)。 しかし、これらの潤滑剤はいずれもパイプ等の
引抜き加工には良好な結果を示すが、断面減小率
の高い中実鋼材の加工には適さない。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、高温、高面圧となる高加工度
において、潤滑被膜の潤滑性を大幅に改善し、か
つ冷間加工において、秀れた加工性能を与える実
質的に水分を含まない塑性加工用の液状潤滑剤を
提供することにある。 本願発明で言う実質的に水分を含まない塑性加
工用液状潤滑剤とは、配合する潤滑油及び添加剤
成分中に存在する微量水分によつて含有するもの
をさすものでなく、添加物として水分を加えない
液状潤滑剤を意味する。 本発明の他の目的は、高温、高面圧となる高加
工度において、潤滑被膜の潤滑性を大幅に改善
し、かつ冷間加工において秀れた加工性能を与え
る実質的に水分を含まない液状潤滑剤を用いる潤
滑被膜の形成処理が簡便な塑性加工用潤滑剤の使
用方法を提供することにある。 〔発明の概要〕 本発明の塑性加工用潤滑剤の特徴は潤滑油(A)と
縮合燐酸及びその酸性塩の1種以上(B)の混合物
に、下記(C),(D)及び(E)の少なくとも1種を含み、
実質的に水分を含まないことを特徴とする塑性加
工用潤滑剤。 (C) 有機燐系化合物、有機硫黄系化合物、有機塩
素系化合物の中から選ばれる極圧剤 (D) 脂肪酸、長鎖の二塩基酸と長鎖分岐第1級ア
ルコールを反応させて得られる少なくとも1個
の水酸基を分子内に有する部分エステル、長鎖
の一塩基酸とグリコールを反応させて得られる
少なくとも1個の水酸基を分子内に有する部分
エステル、ネオペンチル型骨格を有するポリオ
ールと炭素数5個以上の脂肪酸とを反応させて
得られる少なくとも1個の水酸基を有する部分
エステルの中から選ばれる油性剤 (E) 脂肪酸アミド、金属石鹸の中から選ばれる有
機粉末からなる塑性加工用液状潤滑剤を金属表
面又は金型内に供給するのみで、塑性加工時の
変形熱や摩擦熱を利用して金属表面に耐熱性と
潤滑性がより優れた潤滑被膜を形成し、複雑な
形状や加工度が極めて高い成形品に対しても焼
き付き防止を大幅に向上させたものである。 本発明における潤滑油(A)としては、通常の市販
の潤滑油を用いることができる。例えば、鉱油、
αオレフイン油、ジエステル油、ポリオールエス
テル油、ポリエーテル油、シリコーン油、フツ素
油、ポリブテン油、ポリグリコール油等の合成
油、またはこれらの混合油が例示される。これら
の潤滑油は、加工品の加工条件や作業条件等に応
じて適宜決めることができる。概ね40℃における
動粘度が30mm2/S以上が好ましい。 本発明における縮合燐酸及びその酸性塩(B)とし
ては、ポリ燐酸、ピロ燐酸、メタ燐酸、酸性ポリ
燐酸塩、酸性ピロ燐酸塩及び酸性メタ燐酸塩が掲
げられる。酸性ピロ燐酸塩としては、酸性ピロ燐
酸ナトリウム、酸性ピロ燐酸カルシウム、酸性ポ
リ燐酸塩としては、酸性ポリ燐酸ナトリウム、酸
性ポリ燐酸カルシウム、酸性メタ燐酸塩として
は、酸性メタ燐酸ナトリウムが有効である。 本発明における極圧剤(C)成分の一つである有機
燐系化合物としては、亜燐酸エステルおよび燐酸
エステルがある。亜燐酸エステルとしては、トリ
フエニルホスフアイト、トリス(ノニルフエニ
ル)ホスフアイト、トリイソオクチルホスフアイ
ト、ジフエニルイソデシルホスフアイト、フエニ
ルジイソデシルホスフアイト、トリステアリルホ
スフアイト、トリオレイルホスフアイト、トリラ
ウリルトリチオホスフアイト等の第3級ホスフア
イト類、ジ−2−エチルヘキシルハイドロジエン
ホスフアイト、ジラウリルハイドロジエンホスフ
アイト、ジオレイルハイドロジエンホスフアイト
等の第2級のホスフアイト類等が例示される。燐
酸エステルとしては、トリメチルホスフエート、
トリブチルホスフエート、トリラウリルホスフエ
ート、トリフエニルホスフエート、トリクレジル
ホスフエート、オクチルジフエニルホスフエー
ト、トリステアリルホスフエート、トリオレイル
ホスフエート、モノブチルホスフエート、ジブチ
ルホスフエート、モノイソデシルホスフエート、
トリクロロエチルホスフエート、メチルアシドホ
スフエート、イソプロピルアシドホスフエート、
ブチルアシドホスフエート、2−エチルヘキシル
アシドホスフエート、ラウリルアシドホスフエー
ト、ステアリルアシドホスフエート、オレイルア
シドホスフエート等が例示される。また、(C)成分
の一つである有機硫黄系化合物としては、硫化油
脂、硫化ジベンジルジサルフアイド、ポリサルフ
アイド、ジ−ter−ブチサルフアイド、ジ−n−
ブチルジサルフアイド、ポリオキシエチレンポリ
サルフアイド等が挙げられる。 また、(C)成分のもう一つである有機塩素系化合
物としては、塩素系パラフイン、塩素化油脂、塩
素化脂肪酸エステル、五塩化脂肪酸エステル等が
例示される。 本発明における油性剤(D)成分である炭素数5個
以上の脂肪酸の部分エステル及び脂肪酸として
は、長鎖の二塩基酸、例えばアジピン酸、アゼラ
イン酸、セバチン酸と長鎖分岐第一級アルコー
ル、例えば2−エチルヘキサノール、C8〜C10の
オキソアルコール類、又は長鎖一塩基酸とグリコ
ールによつて得られる部分エステル、また、ネオ
ペンチル型骨格を有するポリオールとしては例え
ば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリト
ール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグ
リコール等が挙げられ、又、脂肪酸としては炭素
数5〜22の脂肪酸、例えば牛脂、豚脂、羊脂、ナ
タネ油、ヤシ油、ヒマシ油、パーマ油等の動、植
物油の脂肪酸、ガブリル酸、ペラルゴン酸、カプ
リン酸、ラウリル酸、トリデシル酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、プタン酸、ヘ
キサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、
デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカ
ン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサ
デカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸など
の直鎖脂肪酸及び2,4−ヘキサジエン酸、
trans−2,cis−4デカジエン酸、6,10,14−
ヘキサデカトリエン酸、cis−9,cis−12オクタ
デカジエン酸、cis−9,cis−12,cis−15オクタ
デカトリエン酸、オレイン酸などの不飽和脂肪
酸、または不飽和脂肪酸を加熱し、または触媒を
用いて二量化したダイマー酸及びパラフインの酸
化によつて得られる合成脂肪酸、分岐型合成脂肪
酸が挙げられるが、特に炭素数7〜14の脂肪酸が
好ましい。 本発明における有機粉末(E)成分である脂肪酸ア
ミド及び金属石鹸としては、例えばヘキサンアミ
ド、オクタンアミド、ノナンアミド、デカンアミ
ド、ウンデカンアミド、ドデカンアミド、トリデ
カンアミド、ミリスチルアミド、パルミチルアミ
ド、ステアリルアミド、オレインアミド、リノー
ルアミド等が例示される。また、金属石鹸として
は、例えば炭素数22以下の脂肪酸とアルカリ金属
との反応によつて得られる金属石鹸である。 使用される潤滑油(A)の種類によつては、上記
(B),(C),(D)成分が溶解しない場合には乳化剤によ
つて均一に懸濁分散させて用いる。特に(B)成分で
ある縮合燐酸は懸濁分散させて用いる。この場合
の乳化剤としては、潤滑油の種類によつて任意に
選定すべきであるが、一例としてポリメリツクコ
ハク酸のエステルとポリメタアクリレート又はエ
チレン・オレフイン共重合体、スチレン・イソブ
チレン共重合体、ポリイソブチレン等が有効であ
る。その場合乳化剤の配合量は0.1〜5重量%が
好ましい。 潤滑油(A)に配合される上記(B),(C),(D)及び(E)成
分の配合割合は、鋼材の種類、加工率、加工形
状、加工温度等に応じて適宜選択すればよいが、
通常(B)成分2〜20重量%、(C)成分2〜30重量%、
(D)成分3〜30重量%、そして潤滑油20〜93重量%
の範囲が望ましい。 本発明の液体潤滑剤に配合される(B),(C),(D)及
び(E)成分の配合量が極端に少ない場合は潤滑被膜
が十分に形成されないため焼付きを起こすように
なる。また、多過ぎてもそれ以上の効果が認めら
れないので、上記した配合割合が好ましい。 本発明の塑性加工用液体潤滑剤は、(A)成分の潤
滑油と(B)成分の縮合燐酸及びその酸性塩の混合物
に、(C)成分の極圧剤、(D)成分の油性剤及び(E)成分
の有機粉末の中の少なくとも1種以上を含有させ
水分を添加しない液状潤滑剤を鋼材表面、金型加
工面またはこれらの面に供給するのみで、加工時
の変形熱や摩擦熱を利用して、鋼材表面に耐熱性
と潤滑性に優れた潤滑皮膜を形成し、複雑な形状
や加工度が極めて高い成形品に対しても焼き付き
防止を大幅に向上させたものである。 本発明の塑性加工用液体潤滑剤の使用方法とし
ては、塑性加工しようとする鋼材などの素材に例
えば、ハケ塗り法、スプレー法、浸漬法、滴下法
等の方法で供給塗布した後、加工すればよい。ま
た、本発明の塑性加工用液体潤滑剤または加工し
ようとする鋼材などの素材のいずれか一方を加熱
し、素材を液体潤滑剤中に浸漬して、素材表面に
潤滑皮膜処理を施した後、加工することもできる
ので従来の潤滑皮膜処理のような複雑な工程が不
要となり極めて簡便である。 本発明の塑性加工用液体潤滑剤は、上記した様
に複雑な形状や加工度が極めて高い成形品にも対
応できるが、更に加工性能向上のための潤滑付与
剤として、グラフアイト、二硫化モリブデン、窒
化ボロン、フツ化カーボン等の固体潤滑剤を用い
ることができる。また、本発明の液体潤滑剤の劣
化防止剤のための酸化防止剤、金属素材の腐食防
止をするための防錆剤を添加することができるが
この場合は、本発明の目的である潤滑皮膜の形成
を阻害しない範囲であれば特に制限するものでは
ない。 [発明の実施例] 以下、発明の実施例について示す。 実施例1〜20、比較例1、2 幅20mm、長さ40mm、厚さ2mmのクロム・モリブ
デン鋼板(SCM415)を窒素雰囲気中で100℃及
び300℃に加熱し、第1表に示す組成の塑性加工
用潤滑剤中に投入する。約10秒浸漬後、これを取
り出しトリクロロトリフルオロエタン(ダイフロ
ンS−3)で脱脂洗浄し乾燥後、鋼材表面に反応
した被膜生成量(mg/cm2)を次式より求めた。 脱脂乾燥後の重量−処理前の鋼板重量/鋼板の表面積 また、振子式油性試験機により摩擦係数を評価
し、結果を第2表に示した。試験条件は面圧ma
×150Kgf/mm2 温度100℃である。 従つて、被膜生成量が多い程、添加剤の反応量
が大きく、厚い被膜が形成され耐焼付性向上に大
きく寄与する。 第1表中に示したC成分は、次の部分エステル
である。 (A) セバチン酸と2−エチルヘキサノールのモノ
およびジエステル混合物(ガスクロピーク面積
比でモノ:25.8%、ジ:74.2%) (B) ペンタエリスリトールと炭素数7〜9の飽和
脂肪酸から成るモノ、ジ、トリ、テトラエステ
ルの混合物(ガスクロピーク面積比でモノ:
25.6%、ジ:43.9%、トリ:27.5%、テトラ:
3.0%) (C) ペンタエリスリトールと炭素数7〜9の不飽
和脂肪酸から成るモノ、ジ、トリ、テトラエス
テルの混合物(ガスクロピーク面積比でモノ:
10.0%、ジ:40.7%、トリ:44.2%、テトラ:
5.1%) なお、本発明ものと比較対照したものは、次の
通りである。 <比較例1の組成> ポリリン酸(P2O5として84%) :5重量% 30%の燐酸鉄 :1重量% オレイルアルコール :2重量% オレイン酸 :20重量% オレイルアミン :5重量% 鉱 油(40℃の粘度150mm2/S) :65重量% 水 :2重量% <比較例2の組成> ピロリン酸(P2O5として80%) :5重量% 亜リン酸ジオレイル :10重量% エチレン・オレフイン共重合体 :2重量% 鉱 油(40℃の粘度147mm2/S) :83重量%
する。 〔発明の背景〕 金属の塑性加工用の潤滑剤は、加工の際の変形
熱及び摩擦熱等による温度上昇、新生面の増大な
どに対して、十分な潤滑性能を有するものでなけ
ればならない。これらの潤滑剤としては、鉱油及
び合成油又は、これらの混合油を主成分とする水
溶性、非水溶性の液体潤滑剤に金属石鹸、牛脂な
どの半固体状潤滑剤、硫黄系、塩素系、燐系など
の極圧剤、黒鉛、二硫化モリブデンなどの固体潤
滑剤等を配合したものが使用されている。加工度
の低い塑性加工においては、上記の潤滑剤が使用
できるが、高温、高面圧の加工度の高い場合や複
雑な形状を有する部品の成形では、潤滑剤の耐荷
重性、耐熱性等が不十分なため焼付が起り十分満
足するものがなかつた。塑性変形が大きい場合や
複雑な形状のものを整形する場合の潤滑剤として
は、素材表面に銅などの軟質金属をメツキする方
法や、合成樹脂系の皮膜をコーテイングする方法
がある。また、良く知られている方法としては、
素材の脱脂−水洗−酸洗−りん酸塩処理−水洗−
中和処理−金属石鹸潤滑処理−加熱乾燥の一連の
工程から成る処理方法がある。 これらの潤滑被膜形成方法はいずれも十分な前
処理が必要であると共に、被膜形成工程が複雑で
あるため多大な労力と経費が必要である。また、
処理廃液の公害といつた問題もある。近年、燐酸
及びその塩、硼酸及びその塩、アルカリ金属の炭
酸塩、硝酸塩、硫酸塩及びその水酸化物、または
層状珪酸塩等を含有する潤滑剤が提案されている
(特開昭57−73089号公報)。これらの潤滑剤は、
P2O5,B2O2,M2O(Mはアルカリ金属)を含有
する水溶性ガラス粉末と層状珪酸塩または、上記
混合物と水とから成るため、冷間加工の如き低温
下(約300℃以下)で潤滑性が発揮できないため
に冷間加工用としては使用できない。また、多価
金属カチオン、オルト燐酸塩及び炭素原子数10〜
36のアルキルアルコールまたはアルキルアリール
を反応させた含有水分が20Wt%以下の潤滑剤
(特開昭47−15569号公報)や、更に上記潤滑剤
に、鉱油、カルボン酸及びアルキルアミンを混合
したものを加えた液状またはペースト状のものが
ある。 また、鉱油、オレイン酸、オレイルアミンの如
く潤滑剤30〜94Wt%、多価金属カオチン塩、ポ
リ燐酸、炭素数が10〜36のアルコール(金属カオ
チン:P2O2:アルコール=1:3〜60:14〜
150Wt比)との反応成分5〜60wT%、水分0.5〜
10Wt%から成る冷間加工用潤滑剤が提案されて
いる(米国特許第3932287号明細書)。 しかし、これらの潤滑剤はいずれもパイプ等の
引抜き加工には良好な結果を示すが、断面減小率
の高い中実鋼材の加工には適さない。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、高温、高面圧となる高加工度
において、潤滑被膜の潤滑性を大幅に改善し、か
つ冷間加工において、秀れた加工性能を与える実
質的に水分を含まない塑性加工用の液状潤滑剤を
提供することにある。 本願発明で言う実質的に水分を含まない塑性加
工用液状潤滑剤とは、配合する潤滑油及び添加剤
成分中に存在する微量水分によつて含有するもの
をさすものでなく、添加物として水分を加えない
液状潤滑剤を意味する。 本発明の他の目的は、高温、高面圧となる高加
工度において、潤滑被膜の潤滑性を大幅に改善
し、かつ冷間加工において秀れた加工性能を与え
る実質的に水分を含まない液状潤滑剤を用いる潤
滑被膜の形成処理が簡便な塑性加工用潤滑剤の使
用方法を提供することにある。 〔発明の概要〕 本発明の塑性加工用潤滑剤の特徴は潤滑油(A)と
縮合燐酸及びその酸性塩の1種以上(B)の混合物
に、下記(C),(D)及び(E)の少なくとも1種を含み、
実質的に水分を含まないことを特徴とする塑性加
工用潤滑剤。 (C) 有機燐系化合物、有機硫黄系化合物、有機塩
素系化合物の中から選ばれる極圧剤 (D) 脂肪酸、長鎖の二塩基酸と長鎖分岐第1級ア
ルコールを反応させて得られる少なくとも1個
の水酸基を分子内に有する部分エステル、長鎖
の一塩基酸とグリコールを反応させて得られる
少なくとも1個の水酸基を分子内に有する部分
エステル、ネオペンチル型骨格を有するポリオ
ールと炭素数5個以上の脂肪酸とを反応させて
得られる少なくとも1個の水酸基を有する部分
エステルの中から選ばれる油性剤 (E) 脂肪酸アミド、金属石鹸の中から選ばれる有
機粉末からなる塑性加工用液状潤滑剤を金属表
面又は金型内に供給するのみで、塑性加工時の
変形熱や摩擦熱を利用して金属表面に耐熱性と
潤滑性がより優れた潤滑被膜を形成し、複雑な
形状や加工度が極めて高い成形品に対しても焼
き付き防止を大幅に向上させたものである。 本発明における潤滑油(A)としては、通常の市販
の潤滑油を用いることができる。例えば、鉱油、
αオレフイン油、ジエステル油、ポリオールエス
テル油、ポリエーテル油、シリコーン油、フツ素
油、ポリブテン油、ポリグリコール油等の合成
油、またはこれらの混合油が例示される。これら
の潤滑油は、加工品の加工条件や作業条件等に応
じて適宜決めることができる。概ね40℃における
動粘度が30mm2/S以上が好ましい。 本発明における縮合燐酸及びその酸性塩(B)とし
ては、ポリ燐酸、ピロ燐酸、メタ燐酸、酸性ポリ
燐酸塩、酸性ピロ燐酸塩及び酸性メタ燐酸塩が掲
げられる。酸性ピロ燐酸塩としては、酸性ピロ燐
酸ナトリウム、酸性ピロ燐酸カルシウム、酸性ポ
リ燐酸塩としては、酸性ポリ燐酸ナトリウム、酸
性ポリ燐酸カルシウム、酸性メタ燐酸塩として
は、酸性メタ燐酸ナトリウムが有効である。 本発明における極圧剤(C)成分の一つである有機
燐系化合物としては、亜燐酸エステルおよび燐酸
エステルがある。亜燐酸エステルとしては、トリ
フエニルホスフアイト、トリス(ノニルフエニ
ル)ホスフアイト、トリイソオクチルホスフアイ
ト、ジフエニルイソデシルホスフアイト、フエニ
ルジイソデシルホスフアイト、トリステアリルホ
スフアイト、トリオレイルホスフアイト、トリラ
ウリルトリチオホスフアイト等の第3級ホスフア
イト類、ジ−2−エチルヘキシルハイドロジエン
ホスフアイト、ジラウリルハイドロジエンホスフ
アイト、ジオレイルハイドロジエンホスフアイト
等の第2級のホスフアイト類等が例示される。燐
酸エステルとしては、トリメチルホスフエート、
トリブチルホスフエート、トリラウリルホスフエ
ート、トリフエニルホスフエート、トリクレジル
ホスフエート、オクチルジフエニルホスフエー
ト、トリステアリルホスフエート、トリオレイル
ホスフエート、モノブチルホスフエート、ジブチ
ルホスフエート、モノイソデシルホスフエート、
トリクロロエチルホスフエート、メチルアシドホ
スフエート、イソプロピルアシドホスフエート、
ブチルアシドホスフエート、2−エチルヘキシル
アシドホスフエート、ラウリルアシドホスフエー
ト、ステアリルアシドホスフエート、オレイルア
シドホスフエート等が例示される。また、(C)成分
の一つである有機硫黄系化合物としては、硫化油
脂、硫化ジベンジルジサルフアイド、ポリサルフ
アイド、ジ−ter−ブチサルフアイド、ジ−n−
ブチルジサルフアイド、ポリオキシエチレンポリ
サルフアイド等が挙げられる。 また、(C)成分のもう一つである有機塩素系化合
物としては、塩素系パラフイン、塩素化油脂、塩
素化脂肪酸エステル、五塩化脂肪酸エステル等が
例示される。 本発明における油性剤(D)成分である炭素数5個
以上の脂肪酸の部分エステル及び脂肪酸として
は、長鎖の二塩基酸、例えばアジピン酸、アゼラ
イン酸、セバチン酸と長鎖分岐第一級アルコー
ル、例えば2−エチルヘキサノール、C8〜C10の
オキソアルコール類、又は長鎖一塩基酸とグリコ
ールによつて得られる部分エステル、また、ネオ
ペンチル型骨格を有するポリオールとしては例え
ば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリト
ール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグ
リコール等が挙げられ、又、脂肪酸としては炭素
数5〜22の脂肪酸、例えば牛脂、豚脂、羊脂、ナ
タネ油、ヤシ油、ヒマシ油、パーマ油等の動、植
物油の脂肪酸、ガブリル酸、ペラルゴン酸、カプ
リン酸、ラウリル酸、トリデシル酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、プタン酸、ヘ
キサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、
デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカ
ン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサ
デカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸など
の直鎖脂肪酸及び2,4−ヘキサジエン酸、
trans−2,cis−4デカジエン酸、6,10,14−
ヘキサデカトリエン酸、cis−9,cis−12オクタ
デカジエン酸、cis−9,cis−12,cis−15オクタ
デカトリエン酸、オレイン酸などの不飽和脂肪
酸、または不飽和脂肪酸を加熱し、または触媒を
用いて二量化したダイマー酸及びパラフインの酸
化によつて得られる合成脂肪酸、分岐型合成脂肪
酸が挙げられるが、特に炭素数7〜14の脂肪酸が
好ましい。 本発明における有機粉末(E)成分である脂肪酸ア
ミド及び金属石鹸としては、例えばヘキサンアミ
ド、オクタンアミド、ノナンアミド、デカンアミ
ド、ウンデカンアミド、ドデカンアミド、トリデ
カンアミド、ミリスチルアミド、パルミチルアミ
ド、ステアリルアミド、オレインアミド、リノー
ルアミド等が例示される。また、金属石鹸として
は、例えば炭素数22以下の脂肪酸とアルカリ金属
との反応によつて得られる金属石鹸である。 使用される潤滑油(A)の種類によつては、上記
(B),(C),(D)成分が溶解しない場合には乳化剤によ
つて均一に懸濁分散させて用いる。特に(B)成分で
ある縮合燐酸は懸濁分散させて用いる。この場合
の乳化剤としては、潤滑油の種類によつて任意に
選定すべきであるが、一例としてポリメリツクコ
ハク酸のエステルとポリメタアクリレート又はエ
チレン・オレフイン共重合体、スチレン・イソブ
チレン共重合体、ポリイソブチレン等が有効であ
る。その場合乳化剤の配合量は0.1〜5重量%が
好ましい。 潤滑油(A)に配合される上記(B),(C),(D)及び(E)成
分の配合割合は、鋼材の種類、加工率、加工形
状、加工温度等に応じて適宜選択すればよいが、
通常(B)成分2〜20重量%、(C)成分2〜30重量%、
(D)成分3〜30重量%、そして潤滑油20〜93重量%
の範囲が望ましい。 本発明の液体潤滑剤に配合される(B),(C),(D)及
び(E)成分の配合量が極端に少ない場合は潤滑被膜
が十分に形成されないため焼付きを起こすように
なる。また、多過ぎてもそれ以上の効果が認めら
れないので、上記した配合割合が好ましい。 本発明の塑性加工用液体潤滑剤は、(A)成分の潤
滑油と(B)成分の縮合燐酸及びその酸性塩の混合物
に、(C)成分の極圧剤、(D)成分の油性剤及び(E)成分
の有機粉末の中の少なくとも1種以上を含有させ
水分を添加しない液状潤滑剤を鋼材表面、金型加
工面またはこれらの面に供給するのみで、加工時
の変形熱や摩擦熱を利用して、鋼材表面に耐熱性
と潤滑性に優れた潤滑皮膜を形成し、複雑な形状
や加工度が極めて高い成形品に対しても焼き付き
防止を大幅に向上させたものである。 本発明の塑性加工用液体潤滑剤の使用方法とし
ては、塑性加工しようとする鋼材などの素材に例
えば、ハケ塗り法、スプレー法、浸漬法、滴下法
等の方法で供給塗布した後、加工すればよい。ま
た、本発明の塑性加工用液体潤滑剤または加工し
ようとする鋼材などの素材のいずれか一方を加熱
し、素材を液体潤滑剤中に浸漬して、素材表面に
潤滑皮膜処理を施した後、加工することもできる
ので従来の潤滑皮膜処理のような複雑な工程が不
要となり極めて簡便である。 本発明の塑性加工用液体潤滑剤は、上記した様
に複雑な形状や加工度が極めて高い成形品にも対
応できるが、更に加工性能向上のための潤滑付与
剤として、グラフアイト、二硫化モリブデン、窒
化ボロン、フツ化カーボン等の固体潤滑剤を用い
ることができる。また、本発明の液体潤滑剤の劣
化防止剤のための酸化防止剤、金属素材の腐食防
止をするための防錆剤を添加することができるが
この場合は、本発明の目的である潤滑皮膜の形成
を阻害しない範囲であれば特に制限するものでは
ない。 [発明の実施例] 以下、発明の実施例について示す。 実施例1〜20、比較例1、2 幅20mm、長さ40mm、厚さ2mmのクロム・モリブ
デン鋼板(SCM415)を窒素雰囲気中で100℃及
び300℃に加熱し、第1表に示す組成の塑性加工
用潤滑剤中に投入する。約10秒浸漬後、これを取
り出しトリクロロトリフルオロエタン(ダイフロ
ンS−3)で脱脂洗浄し乾燥後、鋼材表面に反応
した被膜生成量(mg/cm2)を次式より求めた。 脱脂乾燥後の重量−処理前の鋼板重量/鋼板の表面積 また、振子式油性試験機により摩擦係数を評価
し、結果を第2表に示した。試験条件は面圧ma
×150Kgf/mm2 温度100℃である。 従つて、被膜生成量が多い程、添加剤の反応量
が大きく、厚い被膜が形成され耐焼付性向上に大
きく寄与する。 第1表中に示したC成分は、次の部分エステル
である。 (A) セバチン酸と2−エチルヘキサノールのモノ
およびジエステル混合物(ガスクロピーク面積
比でモノ:25.8%、ジ:74.2%) (B) ペンタエリスリトールと炭素数7〜9の飽和
脂肪酸から成るモノ、ジ、トリ、テトラエステ
ルの混合物(ガスクロピーク面積比でモノ:
25.6%、ジ:43.9%、トリ:27.5%、テトラ:
3.0%) (C) ペンタエリスリトールと炭素数7〜9の不飽
和脂肪酸から成るモノ、ジ、トリ、テトラエス
テルの混合物(ガスクロピーク面積比でモノ:
10.0%、ジ:40.7%、トリ:44.2%、テトラ:
5.1%) なお、本発明ものと比較対照したものは、次の
通りである。 <比較例1の組成> ポリリン酸(P2O5として84%) :5重量% 30%の燐酸鉄 :1重量% オレイルアルコール :2重量% オレイン酸 :20重量% オレイルアミン :5重量% 鉱 油(40℃の粘度150mm2/S) :65重量% 水 :2重量% <比較例2の組成> ピロリン酸(P2O5として80%) :5重量% 亜リン酸ジオレイル :10重量% エチレン・オレフイン共重合体 :2重量% 鉱 油(40℃の粘度147mm2/S) :83重量%
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
第2表から明らかなように、本発明の塑性加工
用潤滑剤は、比較例に比し鋼材との反応性に優れ
反応被膜生成量が多い。また、振動式油性試験機
による摩擦係数も低いことから潤滑性にも優れて
いることがわかる。 第1表に示す塑性加工潤滑剤を塗布した後、図
2に示すように押出角120度、絞り径5mm(加工
率75%)の金型(超硬V5製)2とポンチ3によ
り前方押出し素材1を加工し、加工性能を評価し
た。結果を第3表に示した。
用潤滑剤は、比較例に比し鋼材との反応性に優れ
反応被膜生成量が多い。また、振動式油性試験機
による摩擦係数も低いことから潤滑性にも優れて
いることがわかる。 第1表に示す塑性加工潤滑剤を塗布した後、図
2に示すように押出角120度、絞り径5mm(加工
率75%)の金型(超硬V5製)2とポンチ3によ
り前方押出し素材1を加工し、加工性能を評価し
た。結果を第3表に示した。
【表】
【表】
なお、加工性能の評価法は、金型2にバンドヒ
ータ4を取付け、金型温度を室温から5〜10℃ず
つ段階的に上げ、冷間加工用潤滑剤を塗布した素
材1を10本ずつ加工し、加工後の素材表面に焼付
きが生じない最高の金型温度を測定した。この温
度が高い程、耐熱性及び潤滑性能に優れている。
すなわち、潤滑油の加工性能が優れている。ま
た、本発明のものと比較対照したものは、実施例
1に示したもの及び鋼材の冷間加工に多用してい
る燐酸塩被膜に金属石けん被膜処理(比較例3)
したものである。 第3表から明らかなように、本発明の塑性加工
用潤滑剤は加工性が著しく向上することが判る。
また、第1表に示したNo.5,6,9,15及び19の
潤滑剤を用い、素材1を100℃に加熱し、上記潤
滑剤に浸漬し、潤滑被膜処理を施したものについ
て同様な加工性能を評価した結果、第3表と同
様、良好な加工性能を示した。 以上の説明から明らかなように、潤滑油に縮合
リン酸、硫黄、塩素系化合物から選択される1種
以上と二塩基酸と長鎖分技第1級アルコールまた
はネオペンチル型骨格を有するポリオールと脂肪
酸との部分エステルの1種以上を含有し水分を添
加しない冷間加工用潤滑剤は、鋼材等の金属表面
に塗布するのみで、加工時の熱により高い反応性
を示し、耐熱性に優れた潤滑被膜を形成すること
ができる。 実施例 21〜36 第1図に示すように直径〓9.9、長さ30mm、先
端角90度のノーズ付円柱状のクロム・モリブデン
鋼材SCM415の素材1の表面に鉱油と縮合リン酸
又はその塩、脂肪酸からなる第4表に示す本願発
明の塑性加工用潤滑剤を塗布した。 次いで第2図に示すように押出角120度、絞り
径φ6(加工率64%)の金型(超硬製)2とポンチ
3により前方押出し法で素材1の加工を行ない、
加工性能を評価した。評価結果を第4表に示し
た。なお、加工性能の評価法は、金型2にバンド
ヒータ4を取付け、金型温度を室温から5〜10℃
ずつ段階的に上げ潤滑油を塗布した素材1を20本
ずつ加工し、加工後の素材表面に焼付現象が生じ
ない最高の金型温度を測定した。この温度が高い
程、潤滑剤の加工性能が優れている。また、本発
明のものと比較対照したものは、次のとおりであ
る。 比較例 4 (市販加工油) ベース油:鉱油 残量 脂肪油分 43重量% 添加剤 塩素分 12重量% 硫黄分 6重量% 比較例 5 リン酸(酸化物換算P2O5) 41.2モル% 炭酸ナトリウム(酸化物換算Na2O) 39.3モル% 第1リン酸ナトリウム(酸化物換算K2O)
12.5モル% 硼酸(酸化物換算B2O3) 7モル% を混合し、これを900℃で30分間加熱溶融しガラ
ス化した。次いでこのガラス化した試料を水に20
重量%溶解した。 比較例4及び5についても実施例21〜36と同様
にして加工性能を評価した。これらの結果を第4
表に示す。第4表から明らかなように本発明の塑
性加工用潤滑剤組成は、比較例4及び5のものに
比し、加工性能が優れていることが分かる。
ータ4を取付け、金型温度を室温から5〜10℃ず
つ段階的に上げ、冷間加工用潤滑剤を塗布した素
材1を10本ずつ加工し、加工後の素材表面に焼付
きが生じない最高の金型温度を測定した。この温
度が高い程、耐熱性及び潤滑性能に優れている。
すなわち、潤滑油の加工性能が優れている。ま
た、本発明のものと比較対照したものは、実施例
1に示したもの及び鋼材の冷間加工に多用してい
る燐酸塩被膜に金属石けん被膜処理(比較例3)
したものである。 第3表から明らかなように、本発明の塑性加工
用潤滑剤は加工性が著しく向上することが判る。
また、第1表に示したNo.5,6,9,15及び19の
潤滑剤を用い、素材1を100℃に加熱し、上記潤
滑剤に浸漬し、潤滑被膜処理を施したものについ
て同様な加工性能を評価した結果、第3表と同
様、良好な加工性能を示した。 以上の説明から明らかなように、潤滑油に縮合
リン酸、硫黄、塩素系化合物から選択される1種
以上と二塩基酸と長鎖分技第1級アルコールまた
はネオペンチル型骨格を有するポリオールと脂肪
酸との部分エステルの1種以上を含有し水分を添
加しない冷間加工用潤滑剤は、鋼材等の金属表面
に塗布するのみで、加工時の熱により高い反応性
を示し、耐熱性に優れた潤滑被膜を形成すること
ができる。 実施例 21〜36 第1図に示すように直径〓9.9、長さ30mm、先
端角90度のノーズ付円柱状のクロム・モリブデン
鋼材SCM415の素材1の表面に鉱油と縮合リン酸
又はその塩、脂肪酸からなる第4表に示す本願発
明の塑性加工用潤滑剤を塗布した。 次いで第2図に示すように押出角120度、絞り
径φ6(加工率64%)の金型(超硬製)2とポンチ
3により前方押出し法で素材1の加工を行ない、
加工性能を評価した。評価結果を第4表に示し
た。なお、加工性能の評価法は、金型2にバンド
ヒータ4を取付け、金型温度を室温から5〜10℃
ずつ段階的に上げ潤滑油を塗布した素材1を20本
ずつ加工し、加工後の素材表面に焼付現象が生じ
ない最高の金型温度を測定した。この温度が高い
程、潤滑剤の加工性能が優れている。また、本発
明のものと比較対照したものは、次のとおりであ
る。 比較例 4 (市販加工油) ベース油:鉱油 残量 脂肪油分 43重量% 添加剤 塩素分 12重量% 硫黄分 6重量% 比較例 5 リン酸(酸化物換算P2O5) 41.2モル% 炭酸ナトリウム(酸化物換算Na2O) 39.3モル% 第1リン酸ナトリウム(酸化物換算K2O)
12.5モル% 硼酸(酸化物換算B2O3) 7モル% を混合し、これを900℃で30分間加熱溶融しガラ
ス化した。次いでこのガラス化した試料を水に20
重量%溶解した。 比較例4及び5についても実施例21〜36と同様
にして加工性能を評価した。これらの結果を第4
表に示す。第4表から明らかなように本発明の塑
性加工用潤滑剤組成は、比較例4及び5のものに
比し、加工性能が優れていることが分かる。
【表】
【表】
↑
室温で焼付発生
( ) ダイマー/トリマーの比
実施例 37〜53 ポリアルキレングリコール油(40℃の粘度82
mm2/S)と縮合リン酸又はその塩、脂肪酸からな
る第5表に示した本発明の塑性加工用潤滑剤を用
い、実施例10と同じ加工条件で加工性能を評価し
た。評価結果を第5表に示した。第5表の結果か
ら明らかなように本発明塑性加工用潤滑剤は良好
な結果を得た。 実施例 54〜69 40℃における粘度が150mm2/Sの鉱油にポリリ
ン酸、ポリリン酸ナトリウム及びオクタン酸を第
6表に示す配合量で添加して本発明の塑性加工用
潤滑剤を得た。これを実施例20〜36と同じ加工条
件で潤滑剤の加工性能を評価した。これらの評価
結果を第6表に示した。第6表から明らかなよう
に良好な加工性能が得られた。
↑
室温で焼付発生
( ) ダイマー/トリマーの比
実施例 37〜53 ポリアルキレングリコール油(40℃の粘度82
mm2/S)と縮合リン酸又はその塩、脂肪酸からな
る第5表に示した本発明の塑性加工用潤滑剤を用
い、実施例10と同じ加工条件で加工性能を評価し
た。評価結果を第5表に示した。第5表の結果か
ら明らかなように本発明塑性加工用潤滑剤は良好
な結果を得た。 実施例 54〜69 40℃における粘度が150mm2/Sの鉱油にポリリ
ン酸、ポリリン酸ナトリウム及びオクタン酸を第
6表に示す配合量で添加して本発明の塑性加工用
潤滑剤を得た。これを実施例20〜36と同じ加工条
件で潤滑剤の加工性能を評価した。これらの評価
結果を第6表に示した。第6表から明らかなよう
に良好な加工性能が得られた。
【表】
【表】
【表】
以上説明した通り本発明によれば、高温・高面
圧となる高加工度において潤滑被膜の潤滑性が大
幅に改善されるという効果がある。
圧となる高加工度において潤滑被膜の潤滑性が大
幅に改善されるという効果がある。
第1図は、潤滑油の性能評価に使用した素材の
側面図、第2図は、潤滑油の性能評価に使用した
押出し用金型の縦断面図、第3図は、実施例及び
比較例の加工率又は絞り径と加工限界温度(℃)
との関係を示す特性図である。 1……ポンチ、2……素材、3……金型加工
面、4……金型加熱用バンドヒーター、5……超
硬部分。
側面図、第2図は、潤滑油の性能評価に使用した
押出し用金型の縦断面図、第3図は、実施例及び
比較例の加工率又は絞り径と加工限界温度(℃)
との関係を示す特性図である。 1……ポンチ、2……素材、3……金型加工
面、4……金型加熱用バンドヒーター、5……超
硬部分。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 潤滑油(A)と縮合燐酸及びその酸性塩の1種以
上(B)の混合物に、下記(C),(D)及び(E)の少なくとも
1種以上を含み、実質的に水分を含まないことを
特徴とする塑性加工用潤滑剤。 (C) 有機燐系化合物、有機硫黄系化合物、有機塩
素系化合物の中から選ばれる極圧剤 (D) 脂肪酸、長鎖の二塩基酸と長鎖分岐第1級ア
ルコールを反応させて得られる少なくとも1個
の水酸基を分子内に有する部分エステル、長鎖
の一塩基酸とグリコールを反応させて得られる
少なくとも1個の水酸基を分子内に有する部分
エステル、ネオペンチル型骨格を有するポリオ
ールと炭素数5個以上の脂肪酸とを反応させて
得られる少なくとも1個の水酸基を有する部分
エステルの中から選ばれる油性剤 (E) 脂肪酸アミド、金属石鹸の中から選ばれる有
機粉末。 2 潤滑油(A)と縮合燐酸及びその酸性塩の1種以
上(B)の混合物に、下記(C),(D)及び(E)の少なくとも
1種以上を含み、実質的に水分を含まない潤滑剤
を被加工材の表面に塗布し、潤滑剤と被加工材と
の反応によつて形成される皮膜の存在下で被加工
材の塑性加工を行なうことを特徴とする塑性加工
用潤滑剤の使用方法。 (C) 有機燐系化合物、有機硫黄系化合物、有機塩
素系化合物の中から選ばれる極圧剤 (D) 脂肪酸、長鎖の二塩基酸と長鎖分岐第1級ア
ルコールを反応させて得られる少なくとも1個
の水酸基を分子内に有する部分エステル、長鎖
の一塩基酸とグリコールを反応させて得られる
少なくとも1個の水酸基を分子内に有する部分
エステル、ネオペンチル型骨格を有するポリオ
ールと炭素数5個以上の脂肪酸とを反応させて
得られる少なくとも1個の水酸基を有する部分
エステルの中から選ばれる油性剤 (E) 脂肪酸アミド、金属石鹸の中から選ばれる有
機粉末。 3 特許請求の範囲第2項において、予め塑性加
工前に前記潤滑剤を塗布しておくことを特徴とす
る塑性加工用潤滑剤の使用方法。 4 特許請求の範囲第2項において、前記潤滑剤
及び/又は金属素材を加熱し、この金属素材を潤
滑剤中に浸漬して金属素材の表面に潤滑皮膜を形
成させてから塑性加工を行うことを特徴とする塑
性加工用潤滑剤の使用方法。 5 潤滑剤及び/又は金属素材を加熱し、この金
属素材を潤滑剤中に浸漬して金属素材の表面に潤
滑皮膜を形成させる金属表面処理であり、前記潤
滑剤として、潤滑油(A)と縮合燐酸及びその酸性塩
の1種以上(B)の混合物に、下記(C),(D)及び(E)の少
なくとも1種を含み、実質的に水分を含まないこ
とを特徴とする塑性加工用潤滑剤の使用方法。 (C) 有機燐系化合物、有機硫黄系化合物、有機塩
素系化合物の中から選ばれる極圧剤 (D) 脂肪酸、長鎖の二塩基酸と長鎖分岐第1級ア
ルコールを反応させて得られる少なくとも1個
の水酸基を分子内に有する部分エステル、長鎖
の一塩基酸とグリコールを反応させて得られる
少なくとも1個の水酸基を分子内に有する部分
エステル、ネオペンチル型骨格を有するポリオ
ールと炭素数5個以上の脂肪酸とを反応させて
得られる少なくとも1個の水酸基を有する部分
エステルの中から選ばれる油性剤 (E) 脂肪酸アミド、金属石鹸の中から選ばれる有
機粉末。 6 塑性加工時に金属材料及び/又は金型加工面
に潤滑剤を塗布し、該潤滑剤として、潤滑油(A)と
縮合燐酸及びその酸性塩の1種以上(B)の混合物
に、下記(C),(D)及び(E)の少なくとも1種を含み、
実質的に水分を含まないものを用いることを特徴
とする塑性加工用潤滑剤の使用方法。 (C) 有機燐系化合物、有機硫黄系化合物、有機塩
素系化合物の中から選ばれる極圧剤 (D) 脂肪酸、長鎖の二塩基酸と長鎖分岐第1級ア
ルコールを反応させて得られる少なくとも1個
の水酸基を分子内に有する部分エステル、長鎖
の一塩基酸とグリコールを反応させて得られる
少なくとも1個の水酸基を分子内に有する部分
エステル、ネオペンチル型骨格を有するポリオ
ールと炭素数5個以上の脂肪酸とを反応させて
得られる少なくとも1個の水酸基を有する部分
エステルの中から選ばれる油性剤 (E) 脂肪酸アミド、金属石鹸の中から選ばれる有
機粉末。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5376585A JPS61211398A (ja) | 1985-03-18 | 1985-03-18 | 塑性加工用潤滑剤とその使用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5376585A JPS61211398A (ja) | 1985-03-18 | 1985-03-18 | 塑性加工用潤滑剤とその使用方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61211398A JPS61211398A (ja) | 1986-09-19 |
| JPH0380835B2 true JPH0380835B2 (ja) | 1991-12-26 |
Family
ID=12951909
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5376585A Granted JPS61211398A (ja) | 1985-03-18 | 1985-03-18 | 塑性加工用潤滑剤とその使用方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61211398A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0742470B2 (ja) * | 1989-11-20 | 1995-05-10 | 日本パーカライジング株式会社 | 亜鉛めっき鋼板用防錆兼用プレス加工油 |
| JPH0742471B2 (ja) * | 1990-01-17 | 1995-05-10 | 新日本製鐵株式会社 | 亜鉛メッキ鋼板の防錆兼用プレス加工油 |
| US20070087944A1 (en) * | 2003-04-28 | 2007-04-19 | Phillips William D | Lubricant compositions |
| JP5570683B2 (ja) * | 2007-02-09 | 2014-08-13 | トヨタ紡織株式会社 | 金属材料プレス加工用の潤滑油とそれを用いた金属材料のプレス加工方法 |
Family Cites Families (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS581796A (ja) * | 1981-06-25 | 1983-01-07 | Kobe Steel Ltd | 熱間圧延用潤滑剤 |
| JPS58152096A (ja) * | 1982-03-05 | 1983-09-09 | Hitachi Ltd | 金属加工用潤滑油組成物及びその使用方法 |
| JPS5949295A (ja) * | 1982-09-16 | 1984-03-21 | Yushiro Do Brazil Ind Chem Ltd | 鋼板用冷間圧延油 |
| JPS5958312A (ja) * | 1982-09-28 | 1984-04-04 | Nissan Motor Co Ltd | 自動車の走行距離測定装置 |
| JPS5980496A (ja) * | 1982-10-29 | 1984-05-09 | Kobe Steel Ltd | 温間鍛造における潤滑方法 |
| JPS58179752A (ja) * | 1983-03-30 | 1983-10-21 | Hitachi Ltd | セパレ−ト形空気調和機 |
| JPS59180574A (ja) * | 1983-03-31 | 1984-10-13 | Ricoh Co Ltd | 記録体クリ−ニング装置 |
-
1985
- 1985-03-18 JP JP5376585A patent/JPS61211398A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61211398A (ja) | 1986-09-19 |
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