JPH0420898B2 - - Google Patents
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- JPH0420898B2 JPH0420898B2 JP56008418A JP841881A JPH0420898B2 JP H0420898 B2 JPH0420898 B2 JP H0420898B2 JP 56008418 A JP56008418 A JP 56008418A JP 841881 A JP841881 A JP 841881A JP H0420898 B2 JPH0420898 B2 JP H0420898B2
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Description
本発明はホルモースの製造方法に関する。さら
に詳しくは、本発明は、2,4−ジ−C−ヒドロ
キシメチルペンチトール(2,4−ビス(ヒドロ
キシメチル)−1,2,3,4,5−ペンタンペ
ントール)、(以下2,4−DHPと呼ぶ)、3−C
−ヒドロキシメチルペンチトール(以下3−HP
とよぶ)及び2−C−ヒドロキシメチルグリセロ
ール(以下2−HGとよぶ)をホルモース反応に
より選択的に製造する方法に関するものである。 上記化合物の構造式は以下に示されるとおりで
ある。 2,4−DHP:
に詳しくは、本発明は、2,4−ジ−C−ヒドロ
キシメチルペンチトール(2,4−ビス(ヒドロ
キシメチル)−1,2,3,4,5−ペンタンペ
ントール)、(以下2,4−DHPと呼ぶ)、3−C
−ヒドロキシメチルペンチトール(以下3−HP
とよぶ)及び2−C−ヒドロキシメチルグリセロ
ール(以下2−HGとよぶ)をホルモース反応に
より選択的に製造する方法に関するものである。 上記化合物の構造式は以下に示されるとおりで
ある。 2,4−DHP:
【式】
3−HP:
【式】
2−HG:
【式】
従来、ホルモース反応を制御し、生成物に関し
て選択性を与える触媒について、種々の提案がな
されているが、いずれも選択性が著しく乏しいも
のである。 本発明者等は、ホルモース反応により、選択的
に2,4−DHPを製造する方法として、さきに、
水性媒質中で、水酸化カルシウムの存在下に、ホ
ルムアルデヒドを反応させ、ホルムアルデヒドの
急速な消費が始まる時点付近において、反応系中
のカルシウムイオンと難溶性の塩又は安定な錯体
を形成するカルシウムイオン捕捉剤を添加し、次
いでアルカリ性金属化合物を加えて、PHを10乃至
13とする方法を発明し特許出願した(特願昭52−
119809(特開昭54−55514))。 本発明者は、さらに研究を進め、上記ホルムア
ルデヒドの急速な消費が始る時点付近において、
さらにホルムアルデヒドを添加し、反応系のPHを
特定の範囲に維持することにより、選択率の高い
ホルモース反応を継続することができることを発
見し、本発明を完成した。 すなわち、本発明は、水性媒質中で、カルシウ
ムイオン存在下アルカリ性で、ホルムアルデヒド
を反応させてホルモースを製造する方法におい
て、ホルムアルデヒドの急激な消費が始る時点付
近において、さらにホルムアルデヒドを添加し、
かつ、反応後のPHを10以上に維持することを特徴
とするホルモースの製造方法をその要旨とするも
のである。 以下に、本発明の方法をさらに詳しく説明す
る。 本発明方法は、最初、水酸化カルシウム/ホル
ムアルデヒドのモル比が0.05〜0.5、好ましくは
0.1〜0.2の範囲にある水性媒質で反応が開始され
る。そして、初期ホルムアルデヒド濃度は水性媒
質1中1.0〜5.0モルの濃度、好ましくは1.0〜
2.0モルの濃度である。 水性媒質としては、水が好ましいが、メタノー
ル、エタノール、プロパノール等の低級脂肪族ア
ルコールやピリジン等のように水と混和し得る有
機溶剤との混合溶剤を用いることが出来る。 本発明方法におけるホルムアルデヒドの急速な
消費が始まる時点は、例えば、反応系の酸化還元
電位(以下、ORPという)を経時的に測定する
ことによつて知ることが出来る。すなわち、第1
図により説明すると次のとおりである。第1図
は、ホルムアルデヒド(1.4モル/)を水酸化
カルシウム(0.13モル/)の存在下に窒素気流
中、60℃で溶液状態にて反応させた場合につい
て、ORPの経時変化(曲線A)と共に、生成ホ
ルモースの全収率(曲線B)、ホルムアルデヒド
の消費率(曲線C)及びギ酸の生成率(曲線D)
の各経時変化を併せ示したものであり、T1は
ORPの極小値、T2は極大値である。 第1図により明らかなように、水酸化カルシウ
ムを触媒として用いる反応は、反応したホルムア
ルデヒドの殆どが、カニツアロ反応によりギ酸と
メタノールに変化するほか、少量の糖類が生成す
る第1段階(誘導期)と、殆どのホルムアルデヒ
ドがホルモースになる第2段階(ホルモース生成
段階)と、生成したホルモースが比較的急速に分
解する第3段階(分解段階)とを含むことが知ら
れているが、反応系のORPの経時変化はこの各
段階によく対応している。即ち、第1段階では
ORPは漸減し、第1段階の終期に極小点(T1)
に達する。次いで第2段階に入るとホルムアルデ
ヒドは急速に消費され、ORPは徐々に増大して
極大点(T2)に達し、このときにホルモースの
収率は最大となる。T2より後が第3段階に相当
し、ORPは殆ど変化しないが、ホルモースは比
較的速やかに分解する。従つて、ホルムアルデヒ
ドが急速に消費され始める時点は、ORPが極小
になる時点である。 本発明のホルモースの製造方法は、上記第1図
におけるORP値が極小となるT1の時点付近にお
いて、さらにホルムアルデヒドを添加し、反応系
のPHHを10以上、好ましくは11乃至13に維持する
ことを特徴とするものであるが、ホルムアルデヒ
ドの添加時点としては、反応系のORP値を測定
記録し、ORPの急速な降下部分、すなわちORP
値の極小点T1を認める付近において、ホルムア
ルデヒドの添加及びPHの調整を行えばよい。また
上記極小点T1を予め知る方法としては、前もつ
て同様の反応を行い、極小点T1を測定しておく
方法を採用することもできる。 添加するホルムアルデヒド形態としては、固体
状(パラホルムアルデヒド)、あるいは液体状
(ホルマリン)のいずれであつてもよいが、処理
液の量が液体状を使用すると膨大となるため固体
状の方が好ましい。 ホルムアルデヒドの添加方法としては、小量づ
つ小分けして添加する方法、あるいは連続して添
加する方法等いずれの方法をも採用することがで
きるが、あまり多量を一度に添加することは反応
の遅延を生ずるので好ましくない。たとえば、水
200ml中に0.2モルのホルムアルデヒドを含有する
反応溶液から出発する場合では5g程度のパラホ
ルムアルデヒドを、断続的に添加すればよい。 添加するホルムアルデヒドの間隔としては、
ORPを測定し、最初のT1点でホルムアルデヒド
を添加すると、ORP曲線が上昇し、極大値を経
た後、再び降下し、次いで第2の極小点(A点)
を示す。そこで、さらにホルムアルデヒドの第2
回目の添加を行なう。そうするとORP曲線は上
昇し、次いで降下してくるので、前回と同様にホ
ルムアルデヒドの第3回目の添加を行なう。以降
は第2回目及び第3回目のホルムアルデヒド添加
と同様に行なえばよい。 このようにホルムアルデヒドを添加して行くと
ホルムアルデヒド添加を行つてもORP曲線がゆ
るやかに上昇するだけで降下しない状態となるの
でその時点で反応を終了すればよい。 ホルムアルデヒドの添加量としては、最初に水
200ml中に0.2〜1.0モルのホルムアルデヒドを含
有する反応液から出発する場合では約50〜300g
すなわち原料ホルムアルデヒドの約10〜25倍モル
のパラホルムアルデヒドを追加添加することがで
きる。 ホルムアルデヒドの追加添加の際におこなわれ
るPHの調整法としては、ホルムアルデヒドを添加
したのちPHを10乃至13に調整する方法、PH調整
を、たとえば自動滴定装置等により、10以上の特
定値に制御しておき、ホルムアルデヒドを随時添
加する方法等いずれの方法をも採用することがで
きる。 本発明方法における上記PH調整に必要なPH調整
剤としては、反応系が常に酸性側に移行する傾向
があるため反応系をアルカリ側へ移行させるよう
な薬剤を使用すればよい。たとえば、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等の水溶液は好ましいPH
調整剤として挙げることができる。 本発明方法は、水酸化カルシウムを触媒として
使用するが、反応系における出発の際の触媒量と
しては、ホルマリン1モル/に対し、約0.05〜
0.5モル/、好ましくは0.1〜0.2モル/の水酸
化カルシウムが存在すればよい。 反応生成物の取出しは、回分操作によつてもよ
く、また連続操作によつてもよい。回分操作又は
連続操作によつて取出された反応液は、塩酸、硫
酸等の鉱酸を添加して反応系を微酸性にする方
法、又は充分に冷却する方法、或いは液を酸性の
カチオン交換樹脂と接触させる方法等により反応
を中止させることができる。反応を中止させた溶
液は、イオン交換樹脂処理、電気透析、結晶化等
の処理方法によつて、本発明の目的物である2,
4−DHP、3−HP及び2−HGと他の不純物と
を分離することができる。 次に本発明を実施例によりさらに説明するが、
本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。 実施例 1 1.0モル/のホルマリン水溶液200mlに水酸化
カルシウム1.5gを加え、経時的に反応系のORP
及びPHを測定しつつ撹拌下に60℃に加熱し反応を
行つた。以下第2図(部分的に切断している)と
ともに説明する。 第2図において横軸は反応時間を、縦軸左は
ORP(mV)を、そして縦軸右はPHを示し、曲線
イはORP曲線を、そして曲線ロはPH曲線をそれ
ぞれ示す。 さて、反応を開始してから約20分後、ORPが
極小値(T1)を示したので、固体状のパラホル
ムアルデヒド5gを添加したところ、反応液のPH
が10.7(p1)に低下したので13規定の水酸化カリ
ウム溶液を添加してPHを11±0.1に調節し、以後
PHを遂次11±0.1に調節した。 一方ORP曲線が、極小点(T1)を示す毎に、
反応系にパラホルムアルデヒドを添加(A、B、
C……点)し、44分を経過したときにORP曲線
が緩かな上昇を続け、再び降下する傾向を示さな
かつたので、パラホルムアルデヒドの添加を終了
し、62分を経過したときに、反応系を氷浴に漬け
て冷却し、反応を停止させた。 次いで反応液を強酸性カチオン交換樹脂ダイヤ
イオンSK/B(ダイヤイオンは三菱化成工業株式
会社の登録商標である)H型の1600mlを充填した
直径80mmのガラスカラムに約50分間で通液し、次
いでカラムを3000mlの水で洗浄し、得られた反応
液及び洗浄液を合せて、減圧下45〜50℃の沸とう
状態で濃縮し、濃縮液約300mlを得た。この液の
PHは10であつた。 この濃縮液を、弱塩基性アニオン交換樹脂ダイ
ヤイオンWA30のOH型270mlを充填した直径40mm
のガラスカラムと強酸性カチオン交換樹脂ダイヤ
イオンSK/BのH型270mlを充填した直径40mmの
ガラスカラムに2回通液し、脱塩したところ、脱
塩液のPHは6.2となつた。 脱塩液の一部を採り、常法によりシリル化処理
を行い、ガスクロマトグラフ分析により、各成分
のピーク面積から求めた収率は、次のとおりであ
つた。 2,4−DHP:35% 3−HP:15% 2−HG:14% 計 64% 上記脱塩液を45〜50℃において減圧濃縮し、約
67gの淡黄色シラツプを得た。この淡黄色シラツ
プを強塩基性アニオン交換樹脂ダイヤイオンSA
−20AのOH型を1800ml充填した直径42mmのガラ
スカラム上に注意深くのせ、次いで、水30、
0.01Nの水酸化カリウム水溶液1、及び0.05N
の水酸化カリウム水溶液を展開液として順次使用
し、次のように展開及び分画し、本発明のホルモ
ースを分離精製した。 すなわち、最初上記展開液を300ml/時の速度
で流液し、200ml/本の割合で分画し、分画を常
法によりガスクロマトグラフにより分析した。カ
ラムの空隙量(ボイド)を除き、第4番目乃至第
6番目に2−HGが、そして、15番目及び16番目
に3−HPが流出した。35番目の分画が流出した
ところで、各分画を500ml/本とし、次いで40番
目の分画から1000ml/本の分画とした。37番目〜
50番目の分画に2,4−DHPが流出した。その
他の分画は同様の操作を3回繰返し行ない、同一
物質部分の各分画を集めて45〜50℃の温度で減圧
濃縮し、次の結果を得た。 2,4−DHP:25g 3−HP:10g 2−HG:7g 実施例 2 次の各条件を除き実施例1と同様に反応を行つ
た。パラホルムアルデヒドの代わりにホルマリン
水溶液(ホルムアルデヒドとして39%含有)を使
用し、該ホルマリン水溶液を定量ポンプを使用し
て連続的に10ml/分の速度で30分間加え、反応液
のPHを、13規定の水酸化カリウム水溶液を用いて
連続的にPHを11±0.5に調節した。 また、ホルマリン水溶液を300ml供給したのち、
さらに20分間60℃で反応を継続した。各成分の収
率は以下であつた。 2,4−DHP:30% 3−HP:16% 2−HG:14% 計 60% 実施例 3 実施例1において、固体状のパラホルムアルデ
ヒドを3gづつ小分けして、合計180gを80分間
に加えたこと以外は同様に反応を行つた。 ガスクロマトグラフイーにより分析したところ
各成分の収率は以下であつた。 2,4−DHP:50% 3−HP:8% 2−HG:20% 計 78% 比較例 1 実施例1との対比に於て、実施例1と同様に
1.0モル/のホルマリン水溶液200mlに水酸化カ
ルシウム1.5gを加え、経時的に反応系のORP及
びPHを測定しつつ撹拌下に60℃に加熱し反応を行
つた。約20分後、ORPが極小値を示した時点で、
水酸化カリウム水溶液を加えPHを11±0.1に調節
し、さらに撹拌下60℃に加熱して反応を継続し
た。約10分後、ORPの極大値T2点を認めたので、
実施例1と同様に反応の停止を行つた。 反応後のガスクロマトグラフイー分析の結果、
各成分の収率は、以下に示す通りであつた。 2,4−DHP:1.6% 3−HP:10.1% 2−HG:3.3% 計 15.0% 比較例 2 実施例1と同様にして反応を行ない、反応系の
ORPが極小値を示す前、即ち、反応開始後8分
経過した時点で固体状のパラホルムアルデヒド5
gを添加し反応を続行した。反応系のORPは僅
かに上昇傾向を示すのみであつたので反応開始後
1時間経過したところで反応液中のホルムアルデ
ヒドを定量したところホルムアルデヒドの消費率
は30%であつた。また、生成物の糖収率(グルコ
ース換算)を求めたところ消費ホルムアルデヒド
に対し40%未満であつた。なお、ホルムアルデヒ
ドの定量はクロモトロープ酸法により、糖の定量
(グルコース換算)はフエノール硫酸法により行
なつた。 比較例 3 実施例1と同様にして反応を行ない、反応系の
ORPが極小値を示してもホルムアルデヒドを添
加せず、ORPが極小値を示した後に、即ち、反
応開始後25分経過した時点でパラホルムアルデヒ
ド5gを添加した。パラホルムアルデヒドを添加
後、約10分でホルムアルデヒドの消費率が90%以
上に達したので反応を終了し、反応生成物を実施
例1と同様にしてガスクロマトグラフ分析により
分析した。各成分のピーク面積から求めた収率は
次のとおりであつた。 2,4−DHP:3% 3−HP:21% 2−HG:5%
て選択性を与える触媒について、種々の提案がな
されているが、いずれも選択性が著しく乏しいも
のである。 本発明者等は、ホルモース反応により、選択的
に2,4−DHPを製造する方法として、さきに、
水性媒質中で、水酸化カルシウムの存在下に、ホ
ルムアルデヒドを反応させ、ホルムアルデヒドの
急速な消費が始まる時点付近において、反応系中
のカルシウムイオンと難溶性の塩又は安定な錯体
を形成するカルシウムイオン捕捉剤を添加し、次
いでアルカリ性金属化合物を加えて、PHを10乃至
13とする方法を発明し特許出願した(特願昭52−
119809(特開昭54−55514))。 本発明者は、さらに研究を進め、上記ホルムア
ルデヒドの急速な消費が始る時点付近において、
さらにホルムアルデヒドを添加し、反応系のPHを
特定の範囲に維持することにより、選択率の高い
ホルモース反応を継続することができることを発
見し、本発明を完成した。 すなわち、本発明は、水性媒質中で、カルシウ
ムイオン存在下アルカリ性で、ホルムアルデヒド
を反応させてホルモースを製造する方法におい
て、ホルムアルデヒドの急激な消費が始る時点付
近において、さらにホルムアルデヒドを添加し、
かつ、反応後のPHを10以上に維持することを特徴
とするホルモースの製造方法をその要旨とするも
のである。 以下に、本発明の方法をさらに詳しく説明す
る。 本発明方法は、最初、水酸化カルシウム/ホル
ムアルデヒドのモル比が0.05〜0.5、好ましくは
0.1〜0.2の範囲にある水性媒質で反応が開始され
る。そして、初期ホルムアルデヒド濃度は水性媒
質1中1.0〜5.0モルの濃度、好ましくは1.0〜
2.0モルの濃度である。 水性媒質としては、水が好ましいが、メタノー
ル、エタノール、プロパノール等の低級脂肪族ア
ルコールやピリジン等のように水と混和し得る有
機溶剤との混合溶剤を用いることが出来る。 本発明方法におけるホルムアルデヒドの急速な
消費が始まる時点は、例えば、反応系の酸化還元
電位(以下、ORPという)を経時的に測定する
ことによつて知ることが出来る。すなわち、第1
図により説明すると次のとおりである。第1図
は、ホルムアルデヒド(1.4モル/)を水酸化
カルシウム(0.13モル/)の存在下に窒素気流
中、60℃で溶液状態にて反応させた場合につい
て、ORPの経時変化(曲線A)と共に、生成ホ
ルモースの全収率(曲線B)、ホルムアルデヒド
の消費率(曲線C)及びギ酸の生成率(曲線D)
の各経時変化を併せ示したものであり、T1は
ORPの極小値、T2は極大値である。 第1図により明らかなように、水酸化カルシウ
ムを触媒として用いる反応は、反応したホルムア
ルデヒドの殆どが、カニツアロ反応によりギ酸と
メタノールに変化するほか、少量の糖類が生成す
る第1段階(誘導期)と、殆どのホルムアルデヒ
ドがホルモースになる第2段階(ホルモース生成
段階)と、生成したホルモースが比較的急速に分
解する第3段階(分解段階)とを含むことが知ら
れているが、反応系のORPの経時変化はこの各
段階によく対応している。即ち、第1段階では
ORPは漸減し、第1段階の終期に極小点(T1)
に達する。次いで第2段階に入るとホルムアルデ
ヒドは急速に消費され、ORPは徐々に増大して
極大点(T2)に達し、このときにホルモースの
収率は最大となる。T2より後が第3段階に相当
し、ORPは殆ど変化しないが、ホルモースは比
較的速やかに分解する。従つて、ホルムアルデヒ
ドが急速に消費され始める時点は、ORPが極小
になる時点である。 本発明のホルモースの製造方法は、上記第1図
におけるORP値が極小となるT1の時点付近にお
いて、さらにホルムアルデヒドを添加し、反応系
のPHHを10以上、好ましくは11乃至13に維持する
ことを特徴とするものであるが、ホルムアルデヒ
ドの添加時点としては、反応系のORP値を測定
記録し、ORPの急速な降下部分、すなわちORP
値の極小点T1を認める付近において、ホルムア
ルデヒドの添加及びPHの調整を行えばよい。また
上記極小点T1を予め知る方法としては、前もつ
て同様の反応を行い、極小点T1を測定しておく
方法を採用することもできる。 添加するホルムアルデヒド形態としては、固体
状(パラホルムアルデヒド)、あるいは液体状
(ホルマリン)のいずれであつてもよいが、処理
液の量が液体状を使用すると膨大となるため固体
状の方が好ましい。 ホルムアルデヒドの添加方法としては、小量づ
つ小分けして添加する方法、あるいは連続して添
加する方法等いずれの方法をも採用することがで
きるが、あまり多量を一度に添加することは反応
の遅延を生ずるので好ましくない。たとえば、水
200ml中に0.2モルのホルムアルデヒドを含有する
反応溶液から出発する場合では5g程度のパラホ
ルムアルデヒドを、断続的に添加すればよい。 添加するホルムアルデヒドの間隔としては、
ORPを測定し、最初のT1点でホルムアルデヒド
を添加すると、ORP曲線が上昇し、極大値を経
た後、再び降下し、次いで第2の極小点(A点)
を示す。そこで、さらにホルムアルデヒドの第2
回目の添加を行なう。そうするとORP曲線は上
昇し、次いで降下してくるので、前回と同様にホ
ルムアルデヒドの第3回目の添加を行なう。以降
は第2回目及び第3回目のホルムアルデヒド添加
と同様に行なえばよい。 このようにホルムアルデヒドを添加して行くと
ホルムアルデヒド添加を行つてもORP曲線がゆ
るやかに上昇するだけで降下しない状態となるの
でその時点で反応を終了すればよい。 ホルムアルデヒドの添加量としては、最初に水
200ml中に0.2〜1.0モルのホルムアルデヒドを含
有する反応液から出発する場合では約50〜300g
すなわち原料ホルムアルデヒドの約10〜25倍モル
のパラホルムアルデヒドを追加添加することがで
きる。 ホルムアルデヒドの追加添加の際におこなわれ
るPHの調整法としては、ホルムアルデヒドを添加
したのちPHを10乃至13に調整する方法、PH調整
を、たとえば自動滴定装置等により、10以上の特
定値に制御しておき、ホルムアルデヒドを随時添
加する方法等いずれの方法をも採用することがで
きる。 本発明方法における上記PH調整に必要なPH調整
剤としては、反応系が常に酸性側に移行する傾向
があるため反応系をアルカリ側へ移行させるよう
な薬剤を使用すればよい。たとえば、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等の水溶液は好ましいPH
調整剤として挙げることができる。 本発明方法は、水酸化カルシウムを触媒として
使用するが、反応系における出発の際の触媒量と
しては、ホルマリン1モル/に対し、約0.05〜
0.5モル/、好ましくは0.1〜0.2モル/の水酸
化カルシウムが存在すればよい。 反応生成物の取出しは、回分操作によつてもよ
く、また連続操作によつてもよい。回分操作又は
連続操作によつて取出された反応液は、塩酸、硫
酸等の鉱酸を添加して反応系を微酸性にする方
法、又は充分に冷却する方法、或いは液を酸性の
カチオン交換樹脂と接触させる方法等により反応
を中止させることができる。反応を中止させた溶
液は、イオン交換樹脂処理、電気透析、結晶化等
の処理方法によつて、本発明の目的物である2,
4−DHP、3−HP及び2−HGと他の不純物と
を分離することができる。 次に本発明を実施例によりさらに説明するが、
本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。 実施例 1 1.0モル/のホルマリン水溶液200mlに水酸化
カルシウム1.5gを加え、経時的に反応系のORP
及びPHを測定しつつ撹拌下に60℃に加熱し反応を
行つた。以下第2図(部分的に切断している)と
ともに説明する。 第2図において横軸は反応時間を、縦軸左は
ORP(mV)を、そして縦軸右はPHを示し、曲線
イはORP曲線を、そして曲線ロはPH曲線をそれ
ぞれ示す。 さて、反応を開始してから約20分後、ORPが
極小値(T1)を示したので、固体状のパラホル
ムアルデヒド5gを添加したところ、反応液のPH
が10.7(p1)に低下したので13規定の水酸化カリ
ウム溶液を添加してPHを11±0.1に調節し、以後
PHを遂次11±0.1に調節した。 一方ORP曲線が、極小点(T1)を示す毎に、
反応系にパラホルムアルデヒドを添加(A、B、
C……点)し、44分を経過したときにORP曲線
が緩かな上昇を続け、再び降下する傾向を示さな
かつたので、パラホルムアルデヒドの添加を終了
し、62分を経過したときに、反応系を氷浴に漬け
て冷却し、反応を停止させた。 次いで反応液を強酸性カチオン交換樹脂ダイヤ
イオンSK/B(ダイヤイオンは三菱化成工業株式
会社の登録商標である)H型の1600mlを充填した
直径80mmのガラスカラムに約50分間で通液し、次
いでカラムを3000mlの水で洗浄し、得られた反応
液及び洗浄液を合せて、減圧下45〜50℃の沸とう
状態で濃縮し、濃縮液約300mlを得た。この液の
PHは10であつた。 この濃縮液を、弱塩基性アニオン交換樹脂ダイ
ヤイオンWA30のOH型270mlを充填した直径40mm
のガラスカラムと強酸性カチオン交換樹脂ダイヤ
イオンSK/BのH型270mlを充填した直径40mmの
ガラスカラムに2回通液し、脱塩したところ、脱
塩液のPHは6.2となつた。 脱塩液の一部を採り、常法によりシリル化処理
を行い、ガスクロマトグラフ分析により、各成分
のピーク面積から求めた収率は、次のとおりであ
つた。 2,4−DHP:35% 3−HP:15% 2−HG:14% 計 64% 上記脱塩液を45〜50℃において減圧濃縮し、約
67gの淡黄色シラツプを得た。この淡黄色シラツ
プを強塩基性アニオン交換樹脂ダイヤイオンSA
−20AのOH型を1800ml充填した直径42mmのガラ
スカラム上に注意深くのせ、次いで、水30、
0.01Nの水酸化カリウム水溶液1、及び0.05N
の水酸化カリウム水溶液を展開液として順次使用
し、次のように展開及び分画し、本発明のホルモ
ースを分離精製した。 すなわち、最初上記展開液を300ml/時の速度
で流液し、200ml/本の割合で分画し、分画を常
法によりガスクロマトグラフにより分析した。カ
ラムの空隙量(ボイド)を除き、第4番目乃至第
6番目に2−HGが、そして、15番目及び16番目
に3−HPが流出した。35番目の分画が流出した
ところで、各分画を500ml/本とし、次いで40番
目の分画から1000ml/本の分画とした。37番目〜
50番目の分画に2,4−DHPが流出した。その
他の分画は同様の操作を3回繰返し行ない、同一
物質部分の各分画を集めて45〜50℃の温度で減圧
濃縮し、次の結果を得た。 2,4−DHP:25g 3−HP:10g 2−HG:7g 実施例 2 次の各条件を除き実施例1と同様に反応を行つ
た。パラホルムアルデヒドの代わりにホルマリン
水溶液(ホルムアルデヒドとして39%含有)を使
用し、該ホルマリン水溶液を定量ポンプを使用し
て連続的に10ml/分の速度で30分間加え、反応液
のPHを、13規定の水酸化カリウム水溶液を用いて
連続的にPHを11±0.5に調節した。 また、ホルマリン水溶液を300ml供給したのち、
さらに20分間60℃で反応を継続した。各成分の収
率は以下であつた。 2,4−DHP:30% 3−HP:16% 2−HG:14% 計 60% 実施例 3 実施例1において、固体状のパラホルムアルデ
ヒドを3gづつ小分けして、合計180gを80分間
に加えたこと以外は同様に反応を行つた。 ガスクロマトグラフイーにより分析したところ
各成分の収率は以下であつた。 2,4−DHP:50% 3−HP:8% 2−HG:20% 計 78% 比較例 1 実施例1との対比に於て、実施例1と同様に
1.0モル/のホルマリン水溶液200mlに水酸化カ
ルシウム1.5gを加え、経時的に反応系のORP及
びPHを測定しつつ撹拌下に60℃に加熱し反応を行
つた。約20分後、ORPが極小値を示した時点で、
水酸化カリウム水溶液を加えPHを11±0.1に調節
し、さらに撹拌下60℃に加熱して反応を継続し
た。約10分後、ORPの極大値T2点を認めたので、
実施例1と同様に反応の停止を行つた。 反応後のガスクロマトグラフイー分析の結果、
各成分の収率は、以下に示す通りであつた。 2,4−DHP:1.6% 3−HP:10.1% 2−HG:3.3% 計 15.0% 比較例 2 実施例1と同様にして反応を行ない、反応系の
ORPが極小値を示す前、即ち、反応開始後8分
経過した時点で固体状のパラホルムアルデヒド5
gを添加し反応を続行した。反応系のORPは僅
かに上昇傾向を示すのみであつたので反応開始後
1時間経過したところで反応液中のホルムアルデ
ヒドを定量したところホルムアルデヒドの消費率
は30%であつた。また、生成物の糖収率(グルコ
ース換算)を求めたところ消費ホルムアルデヒド
に対し40%未満であつた。なお、ホルムアルデヒ
ドの定量はクロモトロープ酸法により、糖の定量
(グルコース換算)はフエノール硫酸法により行
なつた。 比較例 3 実施例1と同様にして反応を行ない、反応系の
ORPが極小値を示してもホルムアルデヒドを添
加せず、ORPが極小値を示した後に、即ち、反
応開始後25分経過した時点でパラホルムアルデヒ
ド5gを添加した。パラホルムアルデヒドを添加
後、約10分でホルムアルデヒドの消費率が90%以
上に達したので反応を終了し、反応生成物を実施
例1と同様にしてガスクロマトグラフ分析により
分析した。各成分のピーク面積から求めた収率は
次のとおりであつた。 2,4−DHP:3% 3−HP:21% 2−HG:5%
第1図は、カルシウムイオン存在下にホルムア
ルデヒドを反応させた際のORP曲線A、ホルモ
ースの収率曲線B、ホルムアルデヒドの消費率曲
線C、及び、ギ酸の生成率曲線Dである。第1図
において横軸は、反応時間(分)を示し、左縦軸
は収率又は消費率(%)を、そして右縦軸は酸化
還元電位ORP(mV)を示す。第2図は、実施例
1における酸化還元電位曲線イ及びPH曲線ロを示
す部分切断図面であり、横軸は時間(分)を、左
縦軸は酸化還元電位ORP(mV)を、そして右縦
軸はPHを、それぞれ示す。
ルデヒドを反応させた際のORP曲線A、ホルモ
ースの収率曲線B、ホルムアルデヒドの消費率曲
線C、及び、ギ酸の生成率曲線Dである。第1図
において横軸は、反応時間(分)を示し、左縦軸
は収率又は消費率(%)を、そして右縦軸は酸化
還元電位ORP(mV)を示す。第2図は、実施例
1における酸化還元電位曲線イ及びPH曲線ロを示
す部分切断図面であり、横軸は時間(分)を、左
縦軸は酸化還元電位ORP(mV)を、そして右縦
軸はPHを、それぞれ示す。
Claims (1)
- 1 ホルムアルデヒドを、水性媒質中で、カルシ
ウムイオンの存在下アルカリ性で反応させ、ホル
ムアルデヒドの急激な消費が始る時点付近におい
て、さらにホルムアルデヒドを反応系に添加し、
かつ、反応系のPHを10以上に調整することを特徴
とするホルモースの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP841881A JPS57122029A (en) | 1981-01-22 | 1981-01-22 | Preparation of formose |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP841881A JPS57122029A (en) | 1981-01-22 | 1981-01-22 | Preparation of formose |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS57122029A JPS57122029A (en) | 1982-07-29 |
| JPH0420898B2 true JPH0420898B2 (ja) | 1992-04-07 |
Family
ID=11692575
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP841881A Granted JPS57122029A (en) | 1981-01-22 | 1981-01-22 | Preparation of formose |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS57122029A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS59154677A (ja) * | 1983-02-22 | 1984-09-03 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | トラツキング制御装置 |
| JP6120692B2 (ja) * | 2013-06-19 | 2017-04-26 | 花王株式会社 | 単糖類の製造方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5455514A (en) * | 1977-10-04 | 1979-05-02 | Michiyoshi Nakashima | 2*44bis *hydroxymethyl**1*2*3*4*55pentanepenthol |
-
1981
- 1981-01-22 JP JP841881A patent/JPS57122029A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS57122029A (en) | 1982-07-29 |
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