JPH04211231A - 可変焦点式レンズ - Google Patents

可変焦点式レンズ

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Publication number
JPH04211231A
JPH04211231A JP3025199A JP2519991A JPH04211231A JP H04211231 A JPH04211231 A JP H04211231A JP 3025199 A JP3025199 A JP 3025199A JP 2519991 A JP2519991 A JP 2519991A JP H04211231 A JPH04211231 A JP H04211231A
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JP
Japan
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focusing
focal length
motor
group frame
lens group
Prior art date
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Application number
JP3025199A
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English (en)
Inventor
Tokio Ishino
石野 勅雄
Saburo Sasaki
三郎 佐々木
Hiroshi Terui
博志 照井
Akira Ueno
彰 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH04211231A publication Critical patent/JPH04211231A/ja
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    • G—PHYSICS
    • G02—OPTICS
    • G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00—Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/02—Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses
    • G02B7/04—Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses with mechanism for focusing or varying magnification
    • G02B7/10—Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses with mechanism for focusing or varying magnification by relative axial movement of several lenses, e.g. of varifocal objective lens

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Lens Barrels (AREA)
  • Structure And Mechanism Of Cameras (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばカメラ等に使用
される可変焦点式レンズの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カメラの分野では、遠距離に位置する被
写体や近距離に位置する被写体を、所望の大きさおよび
構図で撮影し得るようにするため種々の可変焦点式レン
ズが用いられる。
【0003】その中には、2群以上の可動レンズ群を有
し、その一方のレンズ群を撮影光路に対して挿脱するこ
とにより、第1の焦点距離(例えば、標準撮影または広
角撮影を行う短焦点距離)と、第2の焦点距離(例えば
、望遠撮影を行う長焦点距離)とを実現し得るように構
成された、いわゆる2焦点レンズと呼称される可変焦点
式レンズがある。
【0004】例えば、撮影光学系を主レンズ系と副レン
ズ系とから構成し、その主レンズ系を撮影光軸に沿って
変位するように設けると共に、副レンズ系を撮影光軸上
の所定位置に挿入可能に且つこの撮影光軸上の所定位置
から撮影光軸外の退避位置に離脱可能に設けて、例えば
短焦点距離での撮影のときには、主レンズ系のみを撮影
光軸上に位置させて第1の焦点距離を実現し、長焦点距
離での撮影の際には、主レンズ系を撮影光軸に沿って変
位させつつ、副レンズ系を撮影光軸上の所定位置に挿入
することによって第2の焦点距離を実現するように構成
された段階式可変焦点式レンズがある。
【0005】このような形式の可変焦点式レンズでは、
それぞれの焦点距離を実現するため、または、一方の焦
点距離から他方の焦点距離に変更(切換え)するために
、可動レンズ群をそれぞれの焦点距離を実現し得るスタ
ート位置に設定(変位)させる必要があり、その一方で
、それぞれの焦点距離での焦点合せのために可動レンズ
群を変位させる必要がある。
【0006】この場合、これらの動作を1つのリードね
じ式駆動手段を利用して行う技術が、既に、特開昭60
−80812号公報および実開昭62−60910号公
報等で提案されている。
【0007】例えば特開昭60−80812号公報に示
された技術では、図17に示ような構成となっている。
【0008】すなわち、この可変焦点式レンズは、図1
7に示すように、主レンズ101、この主レンズ101
を保持する鏡筒地板103、この鏡筒地板103を撮影
光路に沿って摺動し得るように支持する支持バー102
、副レンズ104、この副レンズ104を主レンズ10
1後方の撮影光路に向って旋回可能に保持しているホル
ダー105、このホルダー105を支持するバー106
、カム突起部107、後地板108、駆動バー109、
前地板110、モータ111、減速用ギア列112〜1
14、パルス板115、ばね116、取出し接片117
a,117b,118a,118b、ピニオン119、
摺動接片群120〜122、パターン基板123、ビス
124、押え板125から構成されている。
【0009】この場合、駆動バー109は、鏡筒地板1
03に螺合するリードねじとして構成され、モータ11
1の正逆方向の回転により鏡筒地板103(主レンズ1
01)を撮影光軸に沿って前後方向に移動させ得るよう
に構成されている。
【0010】そして、短い焦点距離での撮影のときには
、鏡筒地板103をフィルム面に近い位置に移動させる
ことにより、主レンズ101のみを撮影光軸上に位置さ
せて短い焦点距離を実現し、長い焦点距離の場合には、
鏡筒地板103をフィルム面から遠い位置に繰出しなが
ら、副レンズ104を主レンズ101の後方撮影光軸上
の所定位置に挿入して、両レンズ101,104の協同
作用により長焦点距離を実現するように構成されている
。
【0011】一方、焦点合せのときには、それぞれの焦
点距離の状態においてモータ111を正逆方向に回転さ
せて、鏡筒地板103を所要の焦点合せ量だけ移動させ
るように構成されている。
【0012】また、この従来技術では、各焦点距離にお
ける主レンズ101のスタート位置(焦点距離を切換え
たときの主レンズ101の位置)を予め設定し、各焦点
距離での焦点合せに際して、主レンズ101(必要に応
じて副レンズ104を含む)の焦点合せ量(レンズ繰出
し量)をこのスタート位置から計数するように構成され
ている。
【0013】すなわち、図18に示すように、この従来
技術では、スイッチパターンA〜Eを有するパターン基
板123を設け、このパターン基板123と前述の摺動
接片群120〜122とで可動レンズ群位置検出手段を
構成し、長い焦点距離の場合を例にとると、このパター
ン基板123に対する摺動接片群120〜122の位置
によって、長焦点距離時の無限遠位置(∞位置)と、こ
の焦点距離での主レンズ101の焦点合せ量とを規定す
るように構成されている。
【0014】この場合、各焦点距離におけるスタート位
置は、スイッチパターンB、Cの途切れた領域内に設定
されており、所定の焦点合せ動作の終了後に、摺動接片
群120〜122がそれぞれのスタート位置に復帰する
ように構成されている。
【0015】ところで、この種の可変焦点式レンズでは
、焦点距離の変更(切換え)動作と各焦点距離における
焦点合せ動作とを、モータ駆動方式によって行っている
が、ビデオカメラを含むカメラの技術分野では、従来か
ら種々のモータ駆動方式が利用されている。
【0016】例えば、実開昭57−63334号公報に
は、ズーム機構を電気的に作動せしめるように構成した
ビデオカメラにおいて、操作の方向によってズームアッ
プとズームダウンとを切換え、さらに、操作のストロー
クによってズーミング速度を切り換えるズームスイッチ
をカメラのグリップ近傍に配したことを特徴とするズー
ミング速度切換機構の技術が開示されている。
【0017】また、実開昭58−77306号公報には
、回動中心の両側に段階的に切換え自在な複数の開閉接
点を有するシーソースイッチを設け、このシーソースイ
ッチを選択的に回動操作することにより第1の開閉接点
を作動させて、変倍レンズ群のズーミングの方向および
速度を決定し、シーソースイッチの次段への回動操作に
より第2の開閉接点を作動させて、ズーミングの速度を
変えるように構成したことを特徴とするズーミング装置
の技術が開示されている。
【0018】さらにまた、実開昭55−91518号公
報には、所定の電源によりズームモータおよびフォーカ
スモータを駆動して、ズームレンズ群のズーム比および
フォーカスレンズ群のフォーカス距離をそれぞれ可変的
に設定するものにおいて、ズーム比に応じてインピーダ
ンスが変化する可変インピーダンス回路を配置し、前述
の所定電源からこの可変インピーダンス回路を介してフ
ォーカスモータに動作電圧を供給することにより、TE
LE側設定時のフォーカスモータの回転速度をWIDE
側設定時のそれよりも小となすことを特徴とする電動レ
ンズ駆動回路の技術が開示されている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】このように、可変焦点
式レンズに関係する直接的並びに周辺的な技術としては
種々のものが知られているが、焦点距離変更時(変倍時
)や焦点合せ時のレンズ系の変位精度をより高く保持し
、さらに、より優れた操作性や操作時間の短縮化を図り
、しかも、構造的にもコンパクト化を追及しようとする
と、従来の技術には、次に述べるような数々の問題点が
存在することになる。
【0020】第1の問題は、上記の公知技術では、焦点
合せに際して人間工学的な不合理さが生じるという点に
ある。
【0021】すなわち、特開昭60−80812号公報
に開示された技術では、短焦点距離のスタート位置と長
焦点距離のスタート位置とを、それぞれの焦点距離にお
ける無限遠撮影位置(∞撮影位置)に設定しているため
、一般には近距離に位置する被写体を写すことを目的と
する短焦点距離での撮影(WIDE撮影)の場合でも、
その焦点合せに際しては、主レンズ系を∞撮影位置から
スタートさせなければならないという人間工学上の不合
理さが生じて来る。
【0022】これは、可変焦点式レンズにおける焦点距
離の変更(切換え)に関する従来の技術が、その切換え
駆動手段にカム駆動機構を利用していたということ、ま
た、従来の技術が、構造上とシステムの簡単化とを意図
して両方の焦点距離時における焦点合せのスタート位置
を∞撮影位置に設定していたということを、そのままリ
ードねじ駆動方式の場合に踏襲したためと考えられる。
【0023】しかしながら、近距離に位置する被写体を
写す頻度が高い短焦点距離での撮影では、予め、主レン
ズ系のセット位置を至近距離側の位置に設けて置き、撮
影に際して最初から近距離の基写体に対して焦点合せが
行えるように設計しておく方が人間工学的に自然である
。
【0024】従って、従来技術のように構成するのは、
ユーザーの自然な感覚に合わないことになり、人間工学
上の不合理さを生じさせる結果となる。
【0025】第2の問題は、短焦点距離のスタート位置
と長焦点距離のスタート位置とをそれぞれの∞撮影位置
(最至近距離の位置でも同じ)に設定した場合には、構
造上の理由から焦点距離の変更(切換え)に要する動作
時間が長くなって、結果的にユーザーに不便な思いをさ
せるという点にある。
【0026】すなわち、短焦点距離での∞撮影位置と長
焦点距離での∞撮影位置との間には、いずれかの焦点合
せの際のレンズ系変位領域が存在することになるから、
焦点距離の変更に関する動作時間は、レンズ系がこのレ
ンズ系変位領域を通過する動作分だけ長くなる(合計で
、約1秒を要する)ことになる。
【0027】このように焦点距離の変更に要する時間が
長くなることは、例えばシャッタチャンスを逃がすこと
にもなるから、ユーザーに著しく不便な思いをさせると
いう結果を招くことになる。
【0028】第3の問題は、主レンズ101等の変位を
制御するのに、特開昭60−80812号公報に記載さ
れたような可動レンズ群位置検出手段を使用すると、主
レンズ101等の移動精度を著しく劣化させるという点
にある。
【0029】すなわち、可動レンズ群位置検出手段がこ
のように構成されている場合には、 (A)  目的とする焦点合せ量を実現するための摺動
接片群120〜122の移動量をデジタル信号の数量値
として設定する際に、デジタル信号の計数開始を前述し
た各焦点距離でのスタート位置から行わせるようにする
と、デジタル信号の計数開始の位置が前回撮影時におけ
る摺動接片群120〜122の復帰位置の如何に影響さ
れることになり、結果として、新規撮影における摺動接
片群120〜122の停止位置にバラツキを生じさせる
ことになる。
【0030】(B)  焦点合せの際に、摺動接片群1
20〜122を前述のスタート位置からそのままスター
トさせると、主レンズ101等を駆動するモータ駆動手
段の噛合ガタやバックラッシュ等がそのままモータ駆動
手段の「機械的な送りガタ」として出て来る。
【0031】という大きな問題が発生し、これらが主レ
ンズ101等の移動精度を著しく劣化させる原因のひと
つになるということである。
【0032】しかも、この第3の問題は、主レンズ10
1等の駆動制御に可動レンズ群位置検出手段を使用する
際の重要な問題であり、また、1群の可動レンズ群を有
する可変焦点式レンズの場合にも、ズーム形式を採る可
変焦点式レンズの場合にも共通して発生する問題でもあ
るため、後述する「実施例の説明」の項における第2実
施例の説明の中で詳細に説明する。
【0033】第4の問題は、モータによる駆動方式の場
合に生じる動作速度と移動精度維持との関係についてで
ある。
【0034】この種の可変焦点式レンズでその構成をで
きるだけ簡単にするには、1つのモータと1系統の可動
レンズ群駆動手段(例えば、リードねじ式の駆動手段)
とを使用して、焦点距離の切換え動作と各焦点距離での
焦点合せ動作を行わせるように構成するのが、構成部品
の数の上からも、設置スペースの面からも有利な方法と
される。
【0035】しかしながら、モータによる駆動方式の場
合には、モータと可動レンズ群駆動手段との間に、減速
ギア列のようなギア列手段を介在させる必要があり、し
かも、そのギア比が使用するモータの最終的なストップ
精度から制約を受けるという問題があるため、焦点距離
の切換えに多大な時間を要するという欠点がある。
【0036】すなわち、前述したギア比は、他の条件を
無視して考えれば、減速比が大きければ大きいほどその
精度が高まってその分だけ主レンズ101等の繰出し精
度を向上させることができる。
【0037】しかしその反面、主レンズ101等の繰出
し時間が減速比の大きさに比例して長くなって行くとい
う性格を本来的に有している。
【0038】この繰出し時間の長さについては、焦点合
せ動作のように少ない繰出し量のときにはそれほど問題
にならないが、焦点距離の切換え動作のように主レンズ
101等を長い距離に亘って移動させるような場合には
問題となる。
【0039】というのは、この種の可変焦点式レンズで
は、シャッタチャンスを逸しないためにも、焦点距離の
切換え時間が短かければ短い程よいとされているからで
ある。
【0040】この問題を解決するには、非常に高い回転
数を備えたモータを使用することであるが、このような
高回転型モータの開発には多くの時間と費用とを要する
という問題がある。
【0041】一方、前述の実開昭55−91518号公
報のように、基本的に2つのモータを準備し、その1つ
を焦点距離の切換えに利用すると共に、他の1つを各焦
点距離での焦点合せに利用するように構成する考えもあ
るが、このような解決策では、2つのモータとそれぞれ
のモータに付属する駆動回路、機構等とを設置する必要
が生じるため、構成的にもスペース的にも得策とは云え
ない。
【0042】また、前述の実開昭57−63334号公
報、実開昭58−77306号公報および実開昭55−
91518号公報のように、単に速度変更のみを考える
のであれば、モータへの給電回路を電気的に制御するよ
うに構成することも一応は可能であるが、このようにす
る場合には、制御用演算回路のような複雑な専用回路を
必要とするのが普通であるから、矢張り構成的に不利に
なるという欠点がある。
【0043】これらのことは、1群の可動レンズ群を有
する可変焦点式レンズの場合にも、また、ズーム形式の
可変焦点式レンズの場合にも共通する問題であるため、
その解決が望まれることになる。
【0044】このように、従来の技術には、より高い品
質の可変焦点式レンズを得る上で種々の問題点が存在す
るため、これらの問題点を包括的に解決することのでき
る改善策の出現が強く望まれていた。
【0045】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、その第1の目的は、前述した第1および第2
の問題点を解決して、焦点距離の切換え時間を短縮する
ことが可能であり、さらに、焦点合せの際の人間工学的
な不合理さを取り除くことの可能な可変焦点式レンズを
提供することにある。
【0046】また、本発明の第2の目的は、前述の第3
の問題点を解決して、新たな撮影のための初期設定動作
や焦点距離の変更動作の際に発生し勝ちなモータ駆動手
段の機械的な送りガタの影響を除去し、さらに、焦点合
せ動作の際のデジタル信号の計数開始点を正確に設定す
ることにより、可動レンズ群の移動精度を向上せしめ得
る可変焦点式レンズを提供することにある。
【0047】さらに、本発明の第3の目的は、前述の第
4の問題点を解決して、新たな撮影のための初期設定動
作と焦点距離の切換え動作と各焦点距離での焦点合せ動
作の3つの動作を、これらの動作に共通して利用する1
個の駆動モータと1個のリードねじ駆動手段によって行
う際に、駆動モータと1個のリードねじ駆動手段との間
に設置する伝達ギア手段のギア比を目的に応じて切換え
ることにより、初期設定動作および焦点距離の切換え動
作はスピード優先の高速制御で行い、各焦点距離での焦
点合せ動作は精度優先の低速制御で行い得る可変焦点式
レンズを提供することにある。
【0048】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、1群以上の可動レンズ群
を変位させることにより、少なくとも第1の焦点距離と
第2の焦点距離とを実現することのできる撮影光学系を
具えた可変焦点式レンズにおいて、前記撮影光学系が前
記第1の焦点距離を実現したときの、無限遠から最至近
までの撮影距離範囲に対応する焦点合せ領域を第1焦点
合せ領域として設定すると共に、前記第1の焦点距離を
実現したときの可動レンズ群の合焦駆動開始位置を第1
合焦駆動開始位置として設定し、前記撮影光学系が前記
第2の焦点距離を実現したときの、無限遠から最至近ま
での撮影距離範囲に対応する焦点合せ領域を第2焦点合
せ領域として設定すると共に、前記第2の焦点距離を実
現したときの可動レンズ群の合焦駆動開始位置を第2合
焦駆動開始位置として設定し、前記第1焦点合せ領域と
前記第2焦点合せ領域とを撮影光軸上の異なる領域に直
列的に配設すると共に、前記第1合焦駆動開始位置と前
記第2合焦駆動開始位置とを前記第1焦点合せ領域と第
2焦点合せ領域との間の撮影光軸上に間隔を隔てて設定
し、前記可変焦点式レンズが撮影可動状態にセットされ
たときの可動レンズ群の初期設定位置を、前記2つの合
焦駆動開始位置のいずれかに設定するように構成すると
共に、焦点距離を一方から他方へ切換えたときには、そ
の切換操作信号に基いて、前記可動レンズ群が一方の合
焦駆動開始位置から他方の合焦駆動開始位置へ変位し得
るように構成し、一方の合焦駆動開始位置から他方の合
焦駆動開始位置への前記可動レンズ群の変位動作と、各
々の焦点合せ領域におけるそれぞれの焦点合せ動作とを
、同一のレンズ群駆動手段によって行い得るように構成
したことを特徴としている。
【0049】また、請求項2に記載の発明は、前記第1
の焦点距離を短焦点距離とし、前記第2の焦点距離を長
焦点距離としてそれぞれ設定すると共に、前記第1の焦
点距離における最至近撮影距離に対応する焦点合せ位置
を前記第1合焦駆動開始位置に近接して設定し、前記第
2の焦点距離における無限遠撮影距離に対応する焦点合
せ位置を前記第2合焦駆動開始位置に近接して設定する
ように構成したことを特徴としている。
【0050】また、請求項3に記載の発明は、前記撮影
光学系を、撮影光軸に沿って変位するように設けられた
主レンズ系と、撮影光軸上の作用位置に挿入可能に且つ
該作用位置から撮影光軸外の退避位置に離脱可能に設け
られた副レンズ系とから構成し、前記主レンズ系のみを
撮影光軸上に位置させて前記第1の焦点距離を実現し、
前記主レンズ系を撮影光軸に沿って変位させつつ前記副
レンズ系を撮影光軸上の所定位置に挿入することによっ
て第2の焦点距離を実現し得るように構成したことを特
徴としている。
【0051】また、請求項4に記載の発明は、前記レン
ズ群駆動手段を、モータ駆動で回転される1本のリード
ねじを含むモータ駆動手段として構成したことを特徴と
している。
【0052】また、請求項5に記載の発明は、前記第1
合焦駆動開始位置に最も近接した第1焦点合せ領域内の
位置に、前記第1焦点合せ領域における焦点合せ量の計
数基準位置である第1計数基準位置を設定し、前記第2
合焦駆動開始位置に最も近接した第2焦点合せ領域内の
位置に、前記第2焦点合せ領域における焦点合せ量の計
数基準位置である第2計数基準位置を設定して、前記可
動レンズ群が各々の合焦駆動開始位置から各々の焦点合
せ量の計数基準位置に変位する間の運動によって前記レ
ンズ群駆動手段の機械的な送りガタを吸収し得るように
構成し、さらに、各々の焦点距離における前記可動レン
ズ群の焦点合せ量を決定するデジタル信号を発生させる
デジタル信号発生手段と、このデジタル信号発生手段で
発生したデジタル信号をカウントするためのデジタル信
号計数手段とを設けて、各々の焦点合せ領域における焦
点合せの際に、前記可動レンズ群がそれぞれの焦点距離
における前記計数基準位置に至った信号を基いて、前記
デジタル信号計数手段の計数開始を実行し得るように構
成したことを特徴としている。
【0053】また、請求項6に記載の発明は、焦点距離
を一方から他方へ切換えたときに、前記可動レンズ群が
目的とする前記計数基準位置を一度通過した後に前記モ
ータ駆動手段を逆方向に駆動するように、また、前記可
動レンズ群が前記計数基準位置を逆方向から再度通過し
てからモータ駆動手段を所定量だけ駆動させた後に、モ
ータ駆動手段を停止させるように制御することを特徴と
している。
【0054】また、請求項7に記載の発明は、前記第1
の焦点距離に係る合焦駆動開始位置と前記計数基準位置
とを同一の位置に設定し、前記第2の焦点距離に係る合
焦駆動開始位置と計数基準位置とを同一の位置に設定す
るように構成したことを特徴としている。
【0055】また、請求項8に記載の発明は、前記レン
ズ群駆動手段を、前記2つの合焦駆動開始位置の間の可
動レンズ群の変位動作と各焦点合せ領域におけるそれぞ
れの焦点合せ動作とを、ギア比可変式の伝達ギア手段を
介して行い得る構造のレンズ群駆動手段として構成し、
前記ギア比可変式の伝達ギア手段に、レンズ群駆動手段
を低速のギア比で作動させ得る低速ギア列と、高速のギ
ア比で作動させ得る高速ギア列と、この2つのギア列を
切換え得るギア比変更手段とを設け、各焦点距離の焦点
合せ領域における前記可動レンズ群の変位動作は、前記
伝達ギア手段の低速ギア列を使用して行い、前記可動レ
ンズ群を各焦点合せ領域における焦点合せ位置からそれ
ぞれの前記合焦駆動開始位置へ変位させるときの可動レ
ンズ群の変位動作、および、前記2つの合焦駆動開始位
置の間を変位させるときの前記可動レンズ群の変位動作
は、それぞれ、前記伝達ギア手段の状態を低速ギア列を
使用する状態から前記高速ギア列を使用する状態に変更
した後に行うように構成したことを特徴としている。
【0056】また、請求項9に記載の発明は、前記低速
ギア列と前記高速ギア列とを変更するための操作を、前
記可変焦点式レンズを装備したカメラのシャッタ駆動用
モータにおける往復回転動作の余剰回転動作を利用して
行い得るように構成したことを特徴としている。
【0057】また、請求項10に記載の発明は、前記低
速ギア列と高速ギア列とを変更するための操作を、電磁
作動式プランジャ手段の往復変位動作を利用して行い得
るように構成したことを特徴としている。
【0058】
【作用】このように構成された請求項1に係る発明は、
1群以上の可動レンズ群を変位させることにより、少な
くとも第1の焦点距離と第2の焦点距離とを実現するこ
とができる撮影光学系を具えた可変焦点式レンズにおい
て、第1の焦点距離における焦点合せ領域をこの焦点距
離での合焦駆動開始位置(以下「スタート位置」という
)の後方光軸に沿った近傍領域に、また、第2の焦点距
離における焦点合せ領域をこの焦点距離での合焦駆動開
始位置(以下「スタート位置」という)の前方光軸に沿
った近傍領域にそれぞれ直列的に設定し、可動レンズ群
の初期設定動作およびそれぞれの焦点距離への切換え動
作とそれぞれの焦点合せ領域における焦点合せ動作とを
、同一の駆動手段で行っている。
【0059】また、請求項2に係る発明は、第1の焦点
距離を短焦点距離とし第2の焦点距離を長焦点距離とし
て設定することにより、短焦点距離での撮影時には最至
近撮影位置から焦点合せ動作を開始し、長焦点距離での
撮影時には無限遠撮影位置から焦点合せ動作を開始し得
るようにして、それぞれの焦点距離の性格に応じた撮影
を人間工学に沿った動作で行い得るようになし、さらに
、短焦点距離でのスタート位置と長焦点距離でのスター
ト位置との光軸上の間隔を可能な限り短く設定すること
によって、焦点距離の切換え動作に要する時間を大幅に
短縮するようにしている。
【0060】また、請求項3に係る発明は、撮影光学系
を主レンズ系と副レンズ系とから構成し、第1の焦点距
離を主レンズ系のみによって実現し、第2の焦点距離を
、主レンズ系を撮影光軸に沿って変位させつつ副レンズ
系を撮影光軸外の退避位置から撮影光軸上の作用位置に
挿入することによって実現している。
【0061】また、請求項4に係る発明は、前述の撮影
光学系をモータ駆動で回転される1本のリードねじを含
むモータ駆動手段によって駆動するようにしている。
【0062】また、請求項5に係る発明は、それぞれの
焦点距離における焦点合せ量の計数開始点を、各焦点距
離毎にそれぞれのスタート位置から離れた位置に設定し
、可動レンズ群がそれぞれのスタート位置から計数開始
点まで変位する間に、可動レンズ群に対するモータ駆動
手段の機械的な送りガタを除去することにより、それぞ
れの焦点距離における可動レンズ群の焦点合せ量(変位
量)を精密に設定するようにしている。
【0063】また、請求項6に係る発明は、それぞれの
焦点距離の計数開始点に向う可動レンズ群の機械的な送
りガタを、可動レンズ群の変位方向に特徴を付与して除
去するようにしている。
【0064】また、請求項7に係る発明は、それぞれの
焦点距離に係るスタート位置と計数開始点とをそれぞれ
同一の位置に設定(スタート位置と計数開始点との間隔
を零にする)して、構成の複雑化を避けると共に焦点距
離の切換え時における可動レンズ群の移動距離を短縮す
るようにしている。
【0065】また、請求項8に係る発明は、可動レンズ
群の精密な変位動作を必要とするそれぞれの焦点距離で
の焦点合せの際には伝達ギア手段の低速ギア列を使用し
て可動レンズ群の精密な変位動作を実現し、それぞれの
焦点合せ領域における焦点合せ位置から各焦点距離のス
タート位置へ復帰させるときの可動レンズ群の移動およ
び焦点距離の切換え時の可動レンズ群の移動の際には、
伝達ギア手段のギア列を高速ギア列に変更して、可動レ
ンズ群の動作時間を短縮し得るようにしている。
【0066】また、請求項9に係る発明は、伝達ギア手
段の低速ギア列と高速ギア列との変更操作を、カメラの
シャッタ駆動用モータの往復回転動作の余剰回転動作を
利用して行うようにしている。
【0067】また、請求項10に係る発明は、伝達ギア
手段の低速ギア列と高速ギア列との変更操作を、設置位
置的に設計自由度が高く且つ制御が比較的に容易な電磁
作動式プランジャ手段の往復変位動作を利用して行うよ
うにしている。
【0068】
【実施例】以下、第1ないし第3実施例に基いて本発明
の可変焦点式レンズを詳細に説明する。
【0069】図1は、本発明の可変焦点式レンズに係る
第1実施例の構成を示す分解斜視図で、TELE撮影時
の状態にあるときを示す。
【0070】図2は、同実施例における概略構成を示す
概略側断面図、図3は、図1および図2の状態にある可
変焦点式レンズを上方から見た場合の平面図である。
【0071】
【第1実施例】図1に示すように、本発明の可変焦点式
レンズに使用される撮影光学系は、第1ないし第3実施
例を通じて、例えば主レンズ群Lmと副レンズ群Lsと
から成る2群構成の光学系として構成されている。
【0072】この場合、主レンズ群Lmは、常に撮影光
軸O上に在るように設けられ、この主レンズ群Lmの前
後方向への軸上変位のみによって、例えばWIDE撮影
時または標準撮影時の焦点距離のような短焦点距離(以
下の説明では、WIDE時の焦点距離をもって代表させ
る)を実現し得るように構成されている。
【0073】一方、副レンズ群Lsは、撮影光軸O上の
作用位置(挿入位置)と撮影光軸Oから外れた退避姿勢
位置(退避位置)との間を往復し得るように、撮影光軸
Oに対して挿脱可能に設けられ、主レンズ群LmがWI
DE時の焦点距離を実現しているときには退避位置に位
置するように構成されている。
【0074】そして、主レンズ群Lmを撮影光軸Oに沿
って前方(被写体側)に変位させながら、副レンズ群L
sを主レンズ群Lmの後方光軸(光開口側の光軸)上の
挿入位置に挿入することによって、長焦点距離(以下、
「TELE時の焦点距離」という)を実現し得るように
構成されている。
【0075】1はこの撮影光学系Lm、Lsを内蔵した
可変焦点式レンズの鏡胴であり、2はこの鏡胴1の鏡胴
本体で、その撮影光軸O上の位置に露光開口2aが形成
されている。
【0076】3は鏡胴本体2の内側部分に適宜手段で取
付けられたレンズ鏡枠で、その両端部分に、いずれも上
方に突出する壁部3aおよび3bを有する。
【0077】そして、この2つの壁部3a,3bの間に
は、いずれも露光開口2aの周囲部分において撮影光軸
Oに平行して被写体側に延びる共通ポール4、回転阻止
用ポール5および駆動リードねじ6とが、露光開口2a
を囲むような状態で設けられている。
【0078】この場合、共通ポール4は、後述の前群枠
10を摺動可能に支持し、さらに、後群枠20を摺動且
つ回転可能に支持する一種の案内部材として設けられ、
回転阻止用ポール5は、撮影光軸O上における前群枠1
0および撮影光軸O上に挿入後の後群枠20の無用な回
転を阻止するための部材として設けられている。
【0079】さらに、駆動リードねじ6は、前群枠10
および後群枠20に所定の軸上変位運動を付与するため
の部材として設けられ、例えば、2条ねじを有するリー
ドねじ部材として構成されている。
【0080】そして、少なくともこの駆動リードねじ6
と共通ポール4とは、例えば金属材料のような熱膨張係
数の低い適宜の材料、好ましくは、後述するポジション
台40の材料と同等かまたは近似する熱膨張係数の材料
で作られるのが望ましい。
【0081】なお、レンズ鏡枠3と鏡胴本体2とは、必
要に応じて一体的に形成することも可能である。
【0082】7は共通ポール4の軸方向に対して傾斜し
た押下げ作用面7aと平行な保持作用面7bとを有する
カム板部材で、共通ポール4の右端部近傍のレンズ鏡枠
3の右側の壁部3aにおいて、共通ポール4と平行的に
突設されている。
【0083】そして、前述の主レンズ群Lmは、前群枠
10に、副レンズ群Lsは、後群枠20にそれぞれ保持
されるように構成されている。
【0084】この場合、前群枠10は、図3にも示すよ
うに、枠本体11と補助枠部12とこの両者を上下の位
置で互いに連結するダブルステー13a,13bとから
構成され、さらに枠本体11の下部と補助枠部12には
、前述の共通ポール4と摺動的に精密嵌合する2個のT
−Wナット14が接着固定されるように構成されている
。
【0085】さらに、枠本体11の上方隅部には、前述
の回転阻止用ポール5と精密に係合する切欠き部11a
  が形成されていて、前群枠10が共通ポール4を中
心として回転するのを阻止している。従って、枠本体1
1の姿勢は、共通ポール4と回転阻止用ポール5とで固
定化されることになる。
【0086】15は一方のT−Wナット14と並んで前
群枠10の枠本体11の下部に取付けられた駆動リード
ナットで、前群枠10と駆動リードねじ6との間に位置
的干渉を生じさせないようにするため、枠本体11に対
してその平面方向に調節可能に取付けられている。
【0087】この場合、前群枠10の構成材料は、コス
ト上から合成樹脂材であることが好ましく、また、T−
Wナット14と駆動リードナット15とは、精度と耐久
性とが得られるならば、いずれも前群枠10と一体的に
構成してもよい。
【0088】なお、駆動リードねじ6と駆動リードナッ
ト15との間には、噛合ガタやバックラッシュ等の機械
的な送りガタが生じ易いから、両者間の噛合精度を良好
に維持するようにするものとする。
【0089】16は摺動脚部が二股に分岐している電気
的な摺動ブラシで、前群枠10の枠本体11に適宜の絶
縁材を介して取付られている。
【0090】この二股状の摺動ブラシ16は、その一方
の摺動脚部が、後述するポジションスイッチ基板41の
WIDEパターン42とTELEパターン43とに間欠
的に圧接しながら摺動し、他方の摺動脚部がグランドパ
ターン44と常時圧接しながら摺動するように構成され
ている。
【0091】ところで、後群枠20は、図3にも示すよ
うに、副レンズ群Lsを保持する先端部21と、二股に
分岐された状態に形成された基部22と、両者を連結す
るステー23とから構成され、基部22が前群枠10の
枠本体11と補助枠部12との間に位置するように、共
通ポール4に対して設けられている。
【0092】そして、先端部21の一部には、前述の回
転阻止用ポール5の外周面に係接し得る位置決め突起2
1aが形成されており、この位置決め突起21aが回転
阻止用ポール5と係接したときに、TELE時における
後群枠20の姿勢を正確に設定し得るように構成されて
いる。すなわち、TELE撮影時には、副レンズ群Ls
が撮影光軸O上の作用位置に正確に設定されるように構
成されている。
【0093】また、後群枠20の基部22には、T−W
ナット22a,22cが固定的に設けられ、このT−W
ナット22a,22cを介して、後群枠20が共通ポー
ル4に旋回可能に且つ摺動可能に嵌合している。
【0094】24および26は、TELE撮影モードか
らWIDE撮影モードへの切換えに際して後群枠20を
退避位置へ変位させるための挿脱ピンおよび被動突起で
、いずれもこの後群枠20の基部22に植設されている
。
【0095】すなわち、後者の被動突起26は、TEL
E撮影モードからWIDE撮影モードへの切換えに際し
て前群枠10が露光開口2a側へ変位するときに、前群
枠10がこの被動突起26を介して後群枠20を露光開
口2aの方向へ押動するための一種の連動部材として構
成されたものである。
【0096】前者の挿脱ピン24は、後群枠20が前群
枠10に押されて露光開口2aの方向へ変位する際に前
述のカム板部材7と係接して、後群枠20を作用時の姿
勢から退避時の姿勢に転換させるための部材として構成
されものである。
【0097】この場合、挿脱ピン24とカム板部材7と
の相対関係運動は次のように設定されている。
【0098】すなわち、後群枠20が前群枠10に押さ
れて露光開口2a側に変位したときに、カム板部材7の
押下げ作用面7aが、この挿脱ピン24を押下げて後群
枠20を時計方向へ旋回させ、その後は、カム板部材7
の保持作用面7bの働きによって、後群枠20をその退
避姿勢のままに保持し得るように設定されている。
【0099】従って、TELE撮影モードからWIDE
撮影モードへと切換えると、図1に示すTELE時の位
置(挿入位置)にある副レンズ群Lsは、挿脱ピン24
がカム板部材7の押下げ作用面7aで押下げられた時点
から撮影光軸O外への退避を開始し、挿脱ピン24が保
持作用面7bに当接した後は、退避位置にあってそのま
まの姿勢を保持することになる。
【0100】なお、被動突起26を省略し、後述するT
−Wナット22aをもって代用させることも可能である
が、この場合には、被写体側に位置する一方のT−Wナ
ット22aを例えば図4に示すように長く突出させるよ
うに構成する。
【0101】また、後群枠20の構成材料は、合成樹脂
材であることが好ましく、また、T−Wナット22a,
22cは、精度と耐久性とが得られるならば後群枠20
と一体的に構成してもよい。
【0102】25は自身の旋回付勢力を利用して後群枠
20に反時計方向への旋回力を付与し得るように共通ポ
ール4に巻回された捻ればねで、その一端が前群枠10
のダブルステーの下側ステー13bに、また、その他端
が後群枠20の被動突起26に係止されるように構成さ
れている。
【0103】27は引張り作用を有する付勢部材で、例
えばコイル状をした連結スプリングとして構成され、前
群枠10の突起11bと後群枠20の突起22bとの間
に撮影光軸Oに沿うような状態で張架されている。そし
て、前群枠10が被写体側に変位するときに、この連結
スプリング27の働きで後群枠20を同方向に一体的に
変位させ得るように構成されている。
【0104】28はTELE時における後群枠20の光
軸方向への位置を決定する調整ねじで、次のように設け
られている。
【0105】図示例のように構成された可変焦点式レン
ズでは、TELE撮影モードにおける主レンズ群Lmと
副レンズ群Lsとの関係位置は、予め光学的な見地から
決定されるものであるから、挿入時における後群枠20
の光軸方向の位置を機械的なストッパーによって設定し
なければならない。
【0106】この機械的なストッパーとして設けられた
ものが調整ねじ28である。
【0107】すなわち、この調整ねじ28は、例えば後
述のポジション台40に起立的に形成された支持端部4
5に螺合状態で設けられ、しかも、その螺合回転量によ
って自身の先端部(図上の右端部)の位置を調節し得る
ように構成され、後群枠20が連結スプリング27の働
きにより前群枠10とともに被写体側へ変位したときに
、自身の先端部を後群枠20に当接させることによって
、後群枠20をこの当接位置(以下、「規制位置」とい
う)に強制的に停止させ得るように構成されている。
【0108】そのため、たとえ前群枠10が大きく被写
体側へ変位した場合でも、後群枠20だけは規制位置に
留められることになって光学設計上の位置を正確に実現
し得ることになる。しかも、停止状態にある後群枠20
には連結スプリング27の付勢力が作用し続けることに
なるから、後群枠20の停止姿勢も安定化することにな
る。
【0109】なお、前述レンズ鏡枠3がポジション台4
0と実質的に同等の熱膨張係数を有する材料で形成され
ている場合には、前述した支持端部45をレンズ鏡枠3
の適宜個所に形成することも可能である。
【0110】29は、前群枠10をWIDE時の位置に
安定保持するための圧縮ばねで、前群枠10の補助枠部
12とレンズ鏡枠3との間の共通ポール4に巻回的に設
けられている。
【0111】ところで、主レンズ群Lmと副レンズ群L
sとが、それぞれ片持ち式に支持された前群枠10と後
群枠20とにより独立的に保持され、しかも、前群枠1
0と後群枠20とが、1本または複数本の付勢部材(図
示例では、連結スプリング27)の働きによってともに
光軸方向に相対的に移動し得るように構成された可変焦
点式レンズの場合には、主レンズ群Lmに対する副レン
ズ群Lsの偏心の問題を考える必要がある。
【0112】すなわち、各レンズ群Lm、Lsを保持す
るそれぞれのレンズ枠(図示例では、前群枠10および
後群枠20)と、これらのレンズ枠を変位可能に支持す
る支持軸部材(図示例では、共通ポール4)との間には
僅かではあるが嵌合隙間(一般に「ガタ」とも云う)が
存在する。
【0113】そのため、前述した付勢部材の展張方向の
如何によっては、各レンズ枠がこの嵌合隙間の分だけ偏
心することになる。
【0114】この偏心は、光軸に対する各々のレンズ枠
の倒れ(傾き)か、または、レンズ枠の平行シフトとい
う現象として表れ、それに伴って、光軸に対する主レン
ズ群Lmおよび副レンズ群Lsの倒れ現象や平行シフト
の現象が発生する。
【0115】例えば、倒れ現象の場合には、両レンズ群
Lm、Lsが、図5に示すように互いに逆の方向に倒れ
るケースと、図6に示すようにともに同一方向に倒れる
ケースとに分れて生じ、平行シフトの現象の場合には、
レンズ群Lm、Lsの一方が光軸に対して平行シフトし
たときや2つの各レンズ群Lm、Lsの平行シフト量が
異なるときに、それぞれのレンズ群Lm、Lsが、結果
的に同一方向へ倒れる現象として表れる。
【0116】この場合、偏心による撮影光学系全体の結
像性能の劣化の度合は、2つのレンズ群Lm、Lsが互
いに逆方向に倒れるケースと同一方向に倒れるケースと
で異なることになる。
【0117】例えば、2つのレンズ群Lm、Lsが互い
に逆方向に倒れるケースでは、そのフィルム面F上での
像影響量δ2は、図5に示すように、 δ2=d1・tanθ1+d2・tanθ2となり、ま
た2つのレンズ群Lm、Lsがともに同一方向に倒れる
ケースでは、そのフィルム面F上での像影響量δ1は、
図6に示すように、 δ1=|d1・tanθ1−d2・tanθ2|となっ
て、同一方向に倒れるケースの方が結像性能の劣化度が
小さくなる。
【0118】従って、付勢手段を使用して各レンズ群L
m、Lsの倒れ現象を防止ないし抑止しようとする場合
には、2つのレンズ群Lm、Lsをともに同一方向に倒
すように付勢する方が有利となるが、同一方向に倒すよ
うに付勢するには、一般的に云って、付勢手段に用いる
スプリングの設置数が最低2本必要となる。
【0119】しかし、このような複数本のスプリングを
必要とする付勢手段を設けることは、スペース的に余裕
の少ない可変焦点式レンズの場合には、構造的な複雑さ
を招く原因ともなり、また、コスト的にも著しく不利と
なる。
【0120】そのため、本実施例では、この付勢手段を
1本の連結スプリング27から構成し、共通ポール4と
後述の調整ねじ28に対する連結スプリング27の関係
係止位置を工夫して、嵌合隙間に起因する各々のレンズ
群Lm、Lsの倒れが、ともに同一方向になるように構
成した。
【0121】すなわち、本実施例では、前群枠10の枠
本体11に形成された突起11bと後群枠20の基部2
2に形成された突起22bとの間に展張する1本の連結
スプリング27を、図3に示すように、その前群枠10
側の係止端部が共通ポール4から見てその外側水平面個
所に位置するようにし、また、後群枠20側の係止端部
が、共通ポール4と調整ねじ28とのほぼ中間の水平面
個所に位置するようにそれぞれ設定した。
【0122】さて、連結スプリング27の両方の係止端
部をこのような関係位置に設定すると、前群枠10の被
写体側への変位によって生じる連結スプリング27の引
張り的な付勢力は、片持ち式に支持された前群枠10お
よび後群枠20に対して次のように作用することになる
。
【0123】すなわち、連結スプリング27の付勢力は
、前群枠10を共通ポール4を支点として図3上で反時
計方向(矢印方向)へ回転させるように作用し、同時に
、後群枠20を、調整ねじ28の先端部を支点として同
様に反時計方向(矢印方向)へ回転させるように作用す
る。
【0124】その結果、共通ポール4と前群枠10およ
び後群枠20との間に嵌合隙間が存在する場合には、両
方の枠10、20はともに反時計方向に回転することに
なって、主レンズ群Lmおよび副レンズ群Lsがともに
同一方向に倒れることになる。
【0125】従って、この倒れ現象によるフィルム面F
上での像影響量δ1は、前述のように、δ1=|d1・
tanθ1−d2・tanθ2|となり、撮影光学系の
結像性能が良好に維持されることになる。
【0126】なお、先に設定した水平面個所は、あくま
で一例であるから、同じ効果が得られるならば、連結ス
プリング27の両係止端部位置を他の面内に設定するこ
とも可能である。
【0127】さて、31は前述した駆動リードねじ6の
左端部に固定的に固付けられた従動ギアで、適宜構成の
減速ギア機構(図示せず)を介して後述するDCモータ
33の駆動ギア34と連結するように設けられている。
【0128】32は駆動ギア34と同様にDCモータ3
3の出力軸に固定的に取付けられたロータリー・エンコ
ーダ(以下、「エンコーダ」とも略称する)で、鏡胴本
体2の固定部に設けられたフォトインタラプタ35と組
合わされてデジタル信号発生手段36を構成するように
設けられている。
【0129】33は例えばコアを有するモータとして構
成されたDCモータ33で、後述するモータ給電回路6
0からの駆動電流によって正逆方向に回転され得るよう
に構成されている。
【0130】そして、自身の出力軸に固定的に取付けた
駆動ギア34および前述の従動ギア31(適宜の減速ギ
ア機構を含む)を介して駆動リードねじ6に正逆方向の
回転駆動力を伝達し、この回転駆動力によって前群枠1
0を撮影光軸Oに沿って前後方向に変位させ得るように
構成されている。
【0131】さて、エンコーダ32とフォトインタラプ
タ35とから成るデジタル信号発生手段36は、DCモ
ータ33の回転数ないし回転角(以下、「回転数」と総
称する)をデジタル信号(パルス信号)として検出する
ための手段で、このデジタル信号発生手段36で検出す
るデジタル信号計数値に基いて駆動リードねじ6の回転
数を規制するように構成されている。
【0132】なお、このデジタル信号発生手段36で発
生するパルス信号を受けてデジタル信号計数手段として
のマイコン55が計数するデジタル信号計数値は、各撮
影モードでの初期設定、焦点距離の切換えおよびそれぞ
れの焦点距離での焦点合せの際に、後述するマイコン5
5内に設定されるそれぞれの設定値ないし比較基準値と
比較されることになる。
【0133】40は例えば金属材料のような熱膨張係数
の低い適宜の材料で作られたポジション台で、その右端
部は、露光開口2aに近接したレンズ鏡枠3の壁部3a
に固定され、左端部45は、前述の調整ねじ28の支持
端部となるように自由端部として構成されている。
【0134】なお、レンズ鏡枠3の壁部3aの厚みをも
含めて、ポジション台40の右端部と露光開口2a(ま
たは、フィルム面F)との距離ができるだけ小さくなる
ように構成するのが好ましい。
【0135】そして、ポジション台40の内側面は、撮
影光軸O(または、共通ポール4)と平行するように設
けられ、しかも、その面上には、例えば合成樹脂などの
適宜の絶縁材から構成されたポジションスイッチ基板4
1が固定されている。
【0136】このポジションスイッチ基板41には、W
IDE時およびTELE時における主レンズ群Lm(前
群枠10でもある)の位置を所定通りの位置に設定する
ための電気的部材として、WIDEパターン42、TE
LEパターン43、グランドパターン44から成る3本
の導電性パターンが、図7および図8に示すような配置
状態で形成されている。
【0137】この場合、WIDEパターン42とTEL
Eパターン43とは、いずれも光軸Oに沿ってグランド
パターン44と平行するように同一線上に配設されてい
る。
【0138】そして、光軸Oに沿う両パターン42、4
3の間には絶縁領域である間欠部(絶縁間隔)が形成さ
れるように設けられている。
【0139】そして、前述の摺動ブラシ16は、その一
方の摺動脚部がこのWIDEパターン42およびTEL
Eパターン43と選択的に接触し、同時に、他方の摺動
脚部がグランドパターン44と常時接触するように構成
されている。
【0140】その結果、WIDEパターン42とグラン
ドパターン44とは、摺動ブラシ16の両方の摺動脚部
を介して短絡されることになり、この3つの電気的部材
16、42、44によってWIDEポジションスイッチ
(図9のSWw)を構成することになる。
【0141】また、TELEパターン43およびグラン
ドパターン44も、摺動ブラシ16の両方の摺動脚部を
介して短絡されることになり、この3つの電気的部材1
6、43、44によってTELEポジションスイッチ(
図9のSWt)を構成することになる。
【0142】すなわち、摺動ブラシ16と3本の導電性
パターン42〜44とで構成された2つのポジションス
イッチSWw、SWtは、摺動ブラシ16の一方の摺動
脚部がWIDEパターン42上およびTELEパターン
43上に位置するときにオン(Low)信号を出力し、
また、摺動ブラシ16の一方の摺動脚部がWIDEパタ
ーン42の左側エッジ部WoおよびTELEパターン4
3の右側エッジ部Toから外れたときに、それぞれの電
気的短絡を解除してオフ(Hi)信号を出力するように
構成されている。
【0143】従って、摺動ブラシ16の一方の摺動脚部
の前述の絶縁領域に位置しているときには、2つのポジ
ションスイッチSWw、SWtがオフ信号を出力するこ
とになる。
【0144】図9に示すのは、第1実施例の可変焦点式
レンズに使用される制御部の一例に係るブロック図であ
る。
【0145】この制御部50は、T−W切換え操作釦5
1、シャッタレリーズ釦52、AF(自動焦点調節装置
)用IC53、モータ駆動IC54、マイクロコンピュ
ータ(マイコン)55、測光スイッチ56およびモータ
給電回路60等の各機能手段と、前述の2つのポジショ
ンスイッチSWw、SWtを含むスイッチ手段とから構
成されている。
【0146】この場合、T−W切換え操作釦51は、例
えば適宜のマニュアル操作式の部材として構成され、シ
ャッタレリーズ釦52は、その操作ストロークが第1段
レリーズと第2段レリーズとに分けられた形式の部材と
して構成され、例えばマニュアル操作で操作されるよう
に構成されている。
【0147】また、AF用IC53は、例えば赤外線投
光式の光電測距手段のような適宜の光電測距手段(図示
せず)により、各焦点距離におけるそのときの撮影距離
を検出し、その検出値をAF距離情報としてマイコン5
5に対し出力するように構成されている。
【0148】モータ駆動IC54は、マイコン55から
の指令に基いてDCモータ33を正または逆方向に回転
駆動し得るように構成され、且つ、その内部に適宜の遅
延回路を有する構成となっている。
【0149】但し、この遅延回路は、各焦点距離での焦
点合せ制御のときには使用せず、焦点距離の変更(切換
え)制御の場合にのみマイコン55からの指令に基いて
使用されるように構成されている。
【0150】さらに、測光スイッチ56は、例えばシャ
ッタレリーズ釦52の第1段レリーズに連動してオンさ
れるように構成されている。
【0151】ところで、マイコン55は、適宜の記憶回
路、演算回路および比較回路(ともに図示せず)を含む
CPUとして構成され、通常の撮影シーケンス制御の外
に、各機能手段51〜56からの信号および2つのポジ
ションスイッチSWw、SWtのオン、オフ信号に基い
て、DCモータ33をいずれかの方向に回転させ且つ停
止させる制御を実行し得るように構成されている。
【0152】すなわち、その第1は、新たな撮影を行う
ときに前群枠10(後群枠20を含む)を作動可能の状
態にセットするときの初期設定の制御であり、その第2
は、焦点距離をWIDEからTELEにまたはTELE
からWIDEに変更するときの切換え制御であり、その
第3は、それぞれの焦点距離における焦点合せの制御で
ある。
【0153】なお、マイコン55の記憶回路には、前回
撮影時の撮影モード情報、すなわち、前回の撮影がWI
DE撮影モードで行われたのか、またはTELE撮影モ
ードで行われたのかという情報が記憶されるように予め
構成されている。
【0154】さて、最初に第1実施例における初期設定
の制御方法の一例について説明する。
【0155】図示実施例では、各焦点距離での焦点合せ
を行うときに、前群枠10を、先ずそれぞれの撮影モー
ド(焦点距離)の合焦駆動開始位置であるスタート位置
Ws、Tsに選択的に設定し、それから目的とする焦点
合せ位置に変位させるように構成されている。
【0156】すなわち、前群枠10は、WIDE撮影モ
ードのときには、前群枠10をWIDE時の第1の合焦
駆動開始位置であるスタート位置Wsから変位(移動)
を開始し、TELE撮影モードの際にはTELE時の第
2の合焦駆動開始位置であるスタート位置Tsから変位
を開始するように構成されている。
【0157】そして、図示例では、図7に示すように、
それぞれのスタート位置Ws、Tsを、WIDE時のス
タート位置Wsの場合は、前述の絶縁領域内の露光開口
2aに近い個所に位置するように、またTELE時のス
タート位置Tsの場合は、絶縁領域内の被写界に近い個
所に位置するように予め設定してある。
【0158】一方、各焦点距離での焦点合せ領域Wおよ
びTは、それぞれのスタート位置Ws、Tsとの関係に
おいて次のように設定されている。
【0159】すなわち、WIDE時の焦点合せ領域Wは
、その最至近距離対応位置W1と無限遠距離対応位置W
2とがWIDE時のスタート位置Wsから露光開口2a
に向って順次に位置するような状態で、WIDEパター
ン42上に設定されている。
【0160】また、TELE時の焦点合せ領域Tは、W
IDE時の関係配置とは逆に、その無限遠距離対応位置
T2と最至近距離対応位置T1とがTELE時のスター
ト位置Tsから被写体側に向って順次に位置するような
状態で、TELEパターン43上に設定されている。
【0161】そのため、図示例では、WIDE時の最至
近距離対応位置W1とTELE時の無限遠距離対応位置
T2とが、それぞれのスタート位置Ws、Tsを挟んで
互いに近接した位置に設定され、WIDE時の最至近距
離対応位置W1とTELE時の無限遠距離対応位置T2
との間が、従来のものよりも著しく短い間隔に設定され
ることになる。
【0162】そして、図示例では、新たな撮影を行うた
めに可変焦点式レンズを作動可能の状態にセットすると
、前群枠10(主レンズ群Lm)がいずれかのスタート
位置WsまたはTsに初期設定されるように構成されて
いる。
【0163】さて、前述したように、マイコン55には
、前回撮影のときの撮影モード情報が記憶されているか
ら、何の手段も講じていなければ、前群枠10は、前回
撮影時の焦点合せ終了位置に留っていることになる。 従って、新たな撮影を始めるときには、前群枠10をい
ずれかのスタート位置Ws、Tsに復帰させなければな
らない。
【0164】この場合、前群枠10を各焦点距離のそれ
ぞれのスタート位置Ws、Tsに位置させるときの制御
方法としては、マニュアル操作で行うケースと自動制御
で行うケースとの2通りが考えられ、また、自動制御で
行う場合には、さらに、可変焦点式レンズまたはカメラ
側の電源スイッチ(以下、「カメラ側の電源スイッチ」
ともいう)のオン信号を初期設定操作信号として利用す
るケースと、カメラ側のフィルムの巻上げ動作(シャッ
タチャージ動作)の終了時に発する巻上げ終了信号を自
動復帰信号として利用するケース(このケースが最も一
般的である)とが考えられる。
【0165】しかし、いずれのケースであっても、前群
枠10をそれぞれのスタート位置Ws、Tsに位置させ
るときの制御は、前回撮影を終了したときの摺動ブラシ
16の位置に応じて行われるように構成されている。
【0166】以下、前回の撮影がWIDE撮影モードで
行われている場合であって、カメラ側の電源スイッチの
オン信号を利用して前群枠10をWIDE時のスタート
位置Wsに初期設定するケースを想定して、その基本的
な制御方法を説明する。
【0167】(a)  摺動ブラシ16がWIDE時の
スタート位置Wsに対応した位置に在るときには、マイ
コン55は、カメラ側の電源スイッチのオン信号が入力
された場合であっても、DCモータ33を回転駆動しな
いように制御する。
【0168】(b)  摺動ブラシ16が左側エッジ部
W0を含むWIDEパターン42上の焦点合せ終了時の
位置に在るときには、マイコン55は、カメラ側の電源
スイッチのオン信号に基いて、DCモータ33をTEL
E方向(被写体方向)に回転駆動するように制御する。
【0169】DCモータ33のTELE方向の回転によ
って前群枠10が被写体方向に移動して、摺動ブラシ1
6がWIDEパターン42の左側エッジ部W0から離れ
ると、その時点でWIDEポジションスイッチSWwが
オフ信号を出力し且つそれをマイコン55に伝達するこ
とになるから、マイコン55は、このオフ信号に基いて
DCモータ33への給電を断つように制御する。
【0170】この結果、前群枠10は、WIDE時のス
タート位置Wsに復帰することになる(図8の上から3
段目下側の移動線図を参照のこと)。
【0171】一方、前回の撮影がTELE撮影モードで
行われている場合であって、カメラ側の電源スイッチの
オン信号を利用して前群枠10をTELE時のスタート
位置Tsに初期設定するケースでは、マイコン55は、
前述した(a)項および(b)項の初期設定の制御方法
に準じた制御方法をもってDCモータ33を制御する(
図8示の最上段下側の移動線図を参照のこと)。
【0172】すなわち、(a)項および(b)項の制御
における「WIDE時のスタート位置Ws」を「TEL
E時のスタート位置Ts」に、「WIDEパターン42
」を「TELEパターン43」に、「左側エッジ部W0
」を「右側エッジ部T0」に、「TELE方向(被写体
方向)」を「WIDE方向(露光開口2a側)」に、「
WIDEポジションスイッチSWw」を「TELEポジ
ションスイッチSWt」に、それぞれ読み換えた初期設
定制御を行うように構成する。
【0173】なお、前群枠10を前回の撮影終了位置か
らいずれかのスタート位置Ws、Tsに位置させるとき
に、カメラ側のフィルムの巻上げ動作が終了した時に発
する巻上げ終了信号を利用して自動的にそれぞれのスタ
ート位置Ws、Tsに自動復帰させるケースでは、前述
のカメラ側の電源スイッチのオン信号の代りにこの巻上
げ終了信号を利用して行う。
【0174】すなわち、前群枠10をWIDE時のスタ
ート位置Wsに自動復帰させる際には前述の(a)項お
よび(b)項の制御を実行し、また、前群枠10をTE
LE時のスタート位置Tsに自動復帰させる際には、(
a)項および(b)項に準じた制御を実行するように構
成する。
【0175】なお、以下の説明では、記述の煩雑さを避
けるために、特に区別する必要がないと判断されるとき
には「自動復帰」の概念を「初期設定」の概念中に含ま
せて説明することにする。
【0176】また、前群枠10を前回の撮影終了位置か
らいずれかのスタート位置Ws、Tsに位置させる際に
、これをマニュアル操作で行うケースでは、予め例えば
適宜の手動復帰スイッチ(図示せず)を設けて置き、こ
の手動復帰スイッチからの手動復帰信号を利用して、前
述の(a)項および(b)項の制御並びに(a)項およ
び(b)項に準じた制御を実行し得るように構成するも
のとする。
【0177】次に、第1実施例における焦点距離の切換
え制御の一例について説明する。
【0178】焦点距離を一方から他方へ切換えるときに
は、T−W操作釦51を用いて撮影モードを一方から他
方に切換えるように操作して、前群枠10を一方の焦点
距離のスタート位置から他方の焦点距離のスタート位置
に移動させなければならない。
【0179】図示実施例では、この切換え制御を次の要
領に基いて実行するように構成されている。
【0180】例えば、WIDE撮影モードからTELE
撮影モードへ切換える場合を想定してその基本的な制御
方法を説明すると、(c)  T−W操作釦51がWI
DE撮影モードの状態からTELE撮影モードの状態に
切換え操作された場合、マイコン55は、この操作信号
に基いてDCモータ33をTELE方向(被写体方向)
に回転駆動させるように制御する。
【0181】DCモータ33のTELE方向の回転によ
り前群枠10がWIDE時のスタート位置Wsから被写
体方向に移動して、摺動ブラシ16がTELE時のスタ
ート位置Tsを越えてからTELEパターン43の右側
エッジ部T0に接触すると、その時点でTELEポジシ
ョンスイッチSWtがオン信号を出力し且つそれをマイ
コン55に伝達することになるから、マイコン55は、
このオン信号に基いてDCモータ33をWIDE方向に
逆回転させるように制御する。
【0182】そして、DCモータ33の逆回転によって
前群枠10と共に露光開口2a側に反転的に移動した摺
動ブラシ16が、TELEパターン43の右側エッジ部
T0から離れると、その時点でTELEポジションスイ
ッチSWtがオフ信号を出力するから、マイコン55は
、このオフ信号に基いてDCモータ33への給電を断つ
ように制御する。
【0183】この結果、前群枠10は、TELEパター
ン43の方向からTELE時のスタート位置Tsに移動
して停止することになる。(図8の最下段の移動線図を
参照のこと)一方、TELE撮影モードからWIDE撮
影モードへ切換える場合には、マイコン55は、前述の
(c)項の制御方法に準じた制御方法をもってDCモー
タ33を制御する(図8の2段目の移動線図を参照のこ
と)。
【0184】すなわち、前述した初期設定制御の場合と
同様に、(c)項の制御方法における「WIDE時のス
タート位置Ws」を「TELE時のスタート位置Ts」
に「WIDEパターン42」を「TELEパターン43
」に、「左側エッジ部W0」を「右側エッジ部T0」に
、「TELE方向(被写体方向)」を「WIDE方向(
露光開口2a側)」に、「WIDEポジションスイッチ
SWw」を「TELEポジションスイッチSWt」に、
それぞれ読み換えた制御を行うように構成する。
【0185】最後に、第1実施例における各焦点距離で
の焦点合せの制御について説明する。
【0186】先ず、予めマイコン55の演算回路に、各
焦点距離での焦点合せを行うための演算機能を付与して
置く。
【0187】この演算機能は、そのときの撮影に必要な
主レンズ群Lmの焦点合せ量(前群枠10および摺動ブ
ラシ16の変位量)をDCモータ33の回転数に換算す
るためのもので、図示例では、この換算される焦点合せ
量をAF用IC53からのAF距離情報に基いて演算的
に求め得るように構成されている。
【0188】このDCモータ33の回転数として換算さ
れる焦点合せ量は、焦点合せの際のデジタル的な比較基
準値となるもので、例えば前群枠10がWIDE時のス
タート位置Wsから若干WIDE撮影領域の方向に移動
した時点(位置)、図示例では、摺動ブラシ16がWI
DEパターン42の左側エッジ部W0に接触して、WI
DEポジションスイッチSWwがオン信号を出力した時
点(位置)からのDCモータの回転数として設定するよ
うに構成されている。
【0189】なお、このWIDEパターン42の左側エ
ッジ部W0および後述のTELEパターン43の右側エ
ッジ部T0は、焦点合せ制御時の計数基準位置または計
数開始点としての性格を有する。
【0190】しかも、この比較基準値は、撮影のたび毎
に、例えばマイコン55の比較回路内に一時的に記憶さ
れ得るようにも構成されている。
【0191】焦点合せの制御は、前群枠10がいずれか
のスタート位置Ws、Tsに位置している状態において
行われる。
【0192】(d)先ず、焦点合せに際してシャッタレ
リーズ釦52が押圧操作されると、その第1段レリーズ
によって測光スイッチ56がオンし、AF用IC53が
そのときの撮影距離を測定してAF距離情報をマイコン
55に出力する。
【0193】従って、AF用IC53からのAF距離情
報を受けたマイコン55は、このときの撮影距離に適合
した主レンズ群Lmの焦点合せ量をDCモータ33の回
転数に換算する演算を行い、これを比較基準値として比
較回路内に一時的に記憶する。
【0194】この記憶動作が終了すると、前群枠10は
、いずれかのスタート位置Ws、Tsから目的の方向に
変位を開始する。例えば、前群枠10がWIDE時のス
タート位置Wsに在るときには、この位置Wsから露光
開口2aの方向に変位する。
【0195】前群枠10の変位に伴って摺動ブラシ16
がWIDEパターン42の左側エッジ部W0と接触して
、WIDEポジションスイッチSWwからのオン信号が
マイコン55に入力されると、その時点でデジタル信号
発生手段36からのパルス信号をマイコン55がDCモ
ータ33の回転数として検出(カウント)し始める。
【0196】そして、デジタル信号発生手段36で生成
されマイコン55で計数されたデジタル信号計数値が前
述の比較基準値と一致した時点(位置)で、DCモータ
33への給電を断つように制御する。
【0197】すなわち、WIDEポジションスイッチS
Wwがオン信号を出力した位置からの前群枠10の変位
量を、マイコン55内の比較基準値によって決定するよ
うに制御する。なお、事情が許す場合には、前述の比較
基準値をWIDE時のスタート位置WsからのDCモー
タ33の回転数として設定することも可能である。
【0198】一方、前群枠10がTELE時のスタート
位置Tsに位置しているときには、撮影距離に適合した
主レンズ群Lmの焦点合せ量を、TELEパターン43
の右側エッジ部T0からのDCモータ33の回転数に換
算して演算的に求め、これをTELE時の比較基準値と
して記憶設定し、その後、前述したWIDE時の焦点合
せ制御に準じて制御するようにする。
【0199】ところで、高速回転しているモータを停止
させる場合には、モータへの給電を断ってモータが自然
に停止するのを待つ方式(自由回転方式)と、積極的に
モータにブレーキを加える方式との2通りの方法が考え
られる。
【0200】しかし、いずれの場合であっても、制御手
段から停止信号が発せられてからもモータが実際に停止
するまでの間には、精度の高いDCモータを使用した場
合であっても、数回転分の残留回転(自走回転)が行わ
れることになる。
【0201】このときの自走回転の回転数は、たとえコ
ギング(コアを有するDCモータに特有の周期的なトル
ク変動)がない場合でも大きくバラつき、このバラつき
がモータの最終的な停止位置の確率に大きな影響を与え
る。
【0202】すなわち、図10に示すように、コギング
による自走回転トルクの変化のうち、1周期内に同期す
るポイントがない状態(ランダム状態)で発生するパル
スの場合には、モータに対して任意のパルス数で停止信
号を出すと自走回転トルクの大小と負荷との関係から最
終のモータ停止位置がバラつく。
【0203】そして、この停止位置のバラつきは、モー
タの本来的な性能に悪影響を与えてモータ駆動制御の精
度を著しく低下させることになるから、モータの回転数
を利用して、初期設定時の制御や焦点距離の変更制御お
よび焦点合せ制御を行わせるケースでは、それらの制御
精度を著しく低下させることになる。
【0204】従って、これらの制御にモータの回転数を
利用する場合には、モータの停止位置のバラつき現像に
起因する悪影響を防止する必要が生じる。
【0205】そのため、図示実施例では、DCモータ3
3のコギング周期Tmと、デジタル信号発生手段36の
パルス信号発生周期Tpとを、 (1/2)・Tp=n・Tm(但し、nは自然数)なる
関係式で同期させるように構成している。
【0206】例えば、DCモータ33のコギングが、1
回転につき6回あるとすれば、エンコーダ32のスリッ
トは、DCモータ33の1回転につきパルス信号が6の
倍数回(12回)だけ発生し得るように設計する。
【0207】このように構成すると、給電を断たれたD
Cモータ33は、前述の関係式を満足する時点で、図1
0の符号(c)および(d)に示す自走回転トルク位置
に停止することになるから、如何なる停止位置であって
も、コギングに起因するモータの停止位置のバラつきを
なくして、モータを最終的なストップ位置に確実に停止
させることが可能となり前述の必要性を満たすことがで
きることになる。
【0208】これは、パルス半周期(Tp/2)をコギ
ング周期Tmに同調させると、DCモータ33の実質的
な停止信号を常に同じ自走回転トルク位置で発せられる
からである。なお、DCモータ33の自走回転トルク位
置については、コギングトルクのピーク位置である必要
はない。
【0209】ところで、DCモータ33のコギング周期
Tmとデジタル信号発生手段36のパルス信号発生周期
Tpとを、前述の関係式で同期させるように構成した場
合であっても、DCモータ33への給電停止信号が発せ
られてから実際にDCモータ33が停止するまでには若
干の時間差が発生し、その間、DCモータ33は若干の
回転(以下、オーバーラン量という)を行う。
【0210】そのため、前述した初期設定の制御および
焦点距離の切換え制御においては、マイコン55が所定
のタイミングでDCモータ33に対して停止信号を発し
ても、摺動ブラシ16(前群枠10)が予定されたそれ
ぞれのスタート位置Ws、Tsに正確に停止するとは限
らなくなる。
【0211】すなわち、DCモータ33の停止信号が発
せられれるWIDEパターン42の左側エッジ部W0お
よびTELEパターン43の右側エッジ部T0と、WI
DE時のスタート位置WsおよびTELE時のスタート
位置Tsとの間には、それぞれオーバーラン量に見合っ
た若干の間隔が生じることになる。
【0212】この若干の間隔の存在が精度上許容し得な
い場合には、次のように構成するものとする。
【0213】前述したように、WIDE時の初期設定の
制御の場合、およびTELE撮影モードからWIDE撮
影モードへの焦点距離の切換え制御の場合、摺動ブラシ
16が実際に停止する位置は、WIDEパターン42の
左側エッジ部W0からオーバーラン量だけ離れた位置と
なり、また、TELE時の初期設定の制御の場合および
WIDE撮影モードからTELE撮影モードへの焦点距
離の切換え制御の場合には、TELEパターン43の右
側エッジ部T0からオーバーラン量だけ離れた位置とな
る。
【0214】従って、WIDE時のスタート位置Wsお
よびTELE時のスタート位置Tsを、予めそれぞれの
エッジ部W0、T0からオーバーラン量だけ離れた位置
に設定して置けば、初期設定の制御の場合にも焦点距離
の切換え制御の場合にも摺動ブラシ16を目的とするス
タート位置Ws、Tsに高い精度で停止させることが可
能となる。
【0215】そのため、図示実施例では、WIDE時の
スタート位置WsとWIDEパターン42の左側のエッ
ジ部W0との相対位置およびTELE時のスタート位置
TsとTELEパターン43の右側エッジ部T0との相
対位置を、このような関係位置に設定するように構成さ
れている。
【0216】次に、このように構成された第1実施例の
可変焦点式レンズの作動ないし作用について、図11の
動作フロー図を使用して説明する。
【0217】前述したように、前回の撮影が終了したと
きには、前群枠10(摺動ブラシ16)は、いずれかの
スタート位置Ws、Ts、またはいずれかのパターン4
2,43上に位置している。
【0218】この状態において可変焦点式レンズ等の電
源スイッチをオンすると、マイコン55は、そのときの
撮影モードに応じて前述の(a)項〜(b)項の初期設
定制御、または、(a)項および(b)項の制御方法に
準じた初期設定制御を行って、前群枠10をいずれかの
スタート位置Ws、Tsに復帰させることになる。
【0219】以下、前群枠10をWIDE時のスタート
位置Wsに初期設定する場合を例にしてその作動ないし
作用を説明する。
【0220】先ず、前群枠10(摺動ブラシ16)がW
IDE時のスタート位置Wsに在るときであるが、この
場合には、可変焦点式レンズ等の電源スイッチをオンす
ると、マイコン55が前述の(a)項の初期設定制御を
実行して前群枠10をそのときの位置に保つように制御
する。
【0221】また、摺動ブラシ16が左側エッジ部W0
を含むWIDEパターン42上に在る場合には、マイコ
ン55が前述の(b)項の初期設定制御実行して前群枠
10をWIDE時のスタート位置Wsに復帰させる。
【0222】すなわち、マイコン55が(b)項の制御
を実行すると、DCモータ33がTELE方向に回転し
て、その回転駆動力を駆動リードネジ6および駆動リー
ドナット15を介して前群枠10に伝達し、前群枠10
をTELE方向(被写体方向)に移動させることになる
。
【0223】そして、前群枠10がTELE方向に移動
して摺動ブラシ16がWIDEパターン42の左側エッ
ジ部W0から外れる位置まで来ると、WIDEポジショ
ンスイッチSWwがオフ信号をマイコン55に出力し、
マイコン55がこの時点でDCモータ33への給電を断
つように指令する。
【0224】この結果、モータ給電回路60からの給電
が断たれることになるが、給電を断たれたDCモータ3
3はそのまま自走回転を続けて、DCモータ33のコギ
ング周期Tmとデジタル信号発生手段36のパルス信号
発生周期Tpとの同期関係が、 (1/2)・Tp=n・Tm(但し、nは自然数)の関
係式を満足する時点で、図10中の符号(c)および(
d)に示すような自走回転トルク位置に停止することに
なる(図8の3段目下側の移動線図を参照のこと).こ
の場合、DCモータ33の停止位置は、常に一定した位
置とはなるが、WIDEパターン42の左側エッジ部W
0から前述のオーバーラン量だけ外れた位置となる。
【0225】従って、前述したように、WIDE時のス
タート位置Wsを予めDCモータ33の自走回転トルク
位置に設定して置けば、前回撮影終了時における前群枠
10のWIDEパターン42上の位置がいずれの位置で
あっても、前群枠10を必ずDCモータ33の自走回転
トルク位置に停止させることができるようになる。
【0226】ところで、WIDE時のスタート位置Ws
が、TELE時のスタート位置Tsよりも露光開口2a
に近い側に設定されていることは前述した通りである。
【0227】そのため、前群枠10がWIDE時のスタ
ート位置Wsに設定されているときには、前群枠10は
、図2の位置よりも露光開口2aに近い側の撮影光軸O
上に置かれ、また、後群枠20は、圧縮ばね29の付勢
力に抗して前群枠10後方の撮影光軸O外の退避位置に
置かれることになる。
【0228】すなわち、この状態では、後群枠20が被
動突起26またはT−Wナット22aを介して前群枠1
0によって露光開口2a側へ押されることになり、後群
枠20の基部22に植設された挿脱ピン24がカム板部
材7の押下げ作用面7aにより押下げられることになる
から、後群枠20は、捻ればね25の旋回付勢力に抗し
て時計方向に旋回し、さらに、カム板部材7の保持作用
面7bによって旋回姿勢の状態に保持されることになる
。
【0229】この結果、前群枠10のみが露光開口2a
に近い撮影光軸O上に位置し、後群枠20が撮影光軸O
から退避した位置に置かれるという光学的な位置関係に
設定されることになり、このときの前群枠10の光軸方
向の位置は、圧縮ばね29の付勢力によって安定化され
ることになる。
【0230】すなわち、主レンズ系Lmと副レンズ系L
sとは、この位置関係でWIDE時の焦点距離を実現す
ることになる。
【0231】一方、前群枠10をTELE時のスタート
位置Tsに初期設定する場合には、次のような制御が行
われる。
【0232】前群枠10(摺動ブラシ16)がTELE
時のスタート位置Tsに在るときには、可変焦点式レン
ズ等の電源スイッチをオンすると、マイコン55が前述
の(a)項の制御方法に準じた制御を実行する。すなわ
ち、前群枠10をそのときの位置に保つように制御する
。
【0233】また、摺動ブラシ16が右側エッジ部T0
を含むTELEパターン43上に在る場合には、マイコ
ン55が(b)項の初期設定制御に準じた制御を実行し
て、前群枠10をTELE時のスタート位置Tsに移動
させる。
【0234】すなわち、DCモータ33をWIDE方向
に回転駆動し、駆動リードネジ6および駆動リードナッ
ト15を介して前群枠10をWIDE方向に変位させ、
摺動ブラシ16がTELEパターン43の右側エッジ部
T0から外れた時点でDCモータ33への給電を断って
、前群枠10をTELE時のスタート位置Tsの位置に
復帰させるように制御する。
【0235】この場合、DCモータ33が自身の自走回
転トルク位置に停止することも、また、停止した位置と
TELEパターン43の右側エッジ部T0との間に前述
のオーバーラン量に見合った間隔が生じることも、また
、TELE時のスタート位置Tsを予めDCモータ33
の自走回転トルク位置に設定し、前群枠10を必らずこ
の自走回転トルク位置に停止させるようにすることも、
全てWIDE時のスタート位置Wsへの初期設定制御の
場合と同様に行われる(図8の最上段下側の移動線図を
参照のこと)。
【0236】しかし、このときの前群枠10と後群枠2
0との光学的な位置関係は、前述のWIDE時のスター
ト位置Wsに初期設定した場合とは異なり、図2に示す
位置関係にそれぞれ設定されることになる。
【0237】すなわち、前群枠10がTELE時のスタ
ート位置Tsに初期設定されたときには、主レンズ系L
mは、被写体寄りの撮影光軸O上の所定位置に、また、
副レンズ系Lsはその後方の撮影光軸O上の所定位置に
セットされ、この位置関係でTELE時の焦点距離を実
現することになる。
【0238】このようにして、前群枠10の電気的な初
期設定動作および前群枠10と後群枠20との光学的な
初期設定動作が終了する。すなわち、図11の動作フロ
ー図に示すS1のステップが終了することになる。
【0239】次に、それぞれの撮影モード(焦点距離)
における焦点合せ動作について、可変焦点式レンズがW
IDE撮影モードに設定されている場合を例にして説明
する。
【0240】前述した通り、WIDE撮影モードのとき
には前群枠10が、WIDE時のスタート位置Wsに設
定され、後群枠20が退避姿勢の位置に置かれている(
図11のS1の状態)。
【0241】この状態でシャッタレリーズ釦52を押圧
して第1段レリーズに連動した測光スイッチ56をオン
すると、図示しない測光装置が被写界輝度を測光すると
共に、そのときの撮影距離がAF距離情報として測距装
置のAF用IC53からマイコン55に出力される。
【0242】従って、マイコン55は、このAF距離情
報に基いた主レンズ系Lmの焦点合せ量(前群枠10の
変位量)を演算し、且つ、これを比較基準値として記憶
回路内に一時的に記憶する。
【0243】この場合の比較基準値は、前述したように
、WIDEポジションスイッチSWwがオン信号を出力
した位置、すなわち、摺動ブラシ16がWIDEパター
ン42の左側エッジ部W0に接触した位置を基準として
設定されたDCモータ33の回転数となる(図11のS
2の状態)。
【0244】この状態でシャッタレリーズ釦52の第2
段レリーズを行うと、マイコン55は、モータ駆動IC
54を介してDCモータ33をWIDE方向に回転させ
、駆動リードネジ6および駆動リードナット15を介し
て、前群枠10をWIDE時のスタート位置Wsから露
光開口2aの方向に変位させる。
【0245】このとき、デジタル信号発生手段36のロ
ータリー・エンコーダ32もDCモータ33の回転に伴
って回転するが、この段階では未だマイコン55からの
計数開始の指令が発せられないので、デジタル信号発生
手段36からの検出ノルマのカウント開始(回転数の検
出)は行われない。
【0246】さて、摺動ブラシ16がWIDEパターン
42の左側エッジ部W0と接触する位置に達すると、W
IDEポジションスイッチSWwがオン信号をマイコン
55に出力するから、マイコン55は、その時点でデジ
タル信号発生手段36からのパルスをDCモータ33の
回転数としてカウントを開始する。
【0247】従って、マイコン55は、この計数値デシ
タル信号計数値と前述の比較基準値との比較を実行し、
両値が一致したときに、DCモータ33に対するモータ
給電回路60からの給電を断つように指令する。
【0248】その結果、図8の3段目上側の移動線図に
示すようにDCモータ33は、前述した通り、自身の自
走回転トルク位置に精度良く停止し、摺動ブラシ16(
前群枠10)を、WIDEパターン42上に形成された
WIDE時の焦点合せ領域W内の目的とする焦点合せ位
置に停止させることになる(図11のS3の状態)。
【0249】一方、後群枠20は、この前群枠10の変
位動作に伴って露光開口2aの方向に変位させられるが
、この際、挿脱ピン24がカム板部材7の保持作用面7
bに圧接した退避姿勢を保ちつつ保持作用面7bに沿っ
て変位するだけとなるため、後群枠20はそのまま退避
姿勢を維持し続けることになる。
【0250】その結果、後群枠20(副レンズ系Ls)
が撮影光軸O上から退避した状態において前群枠10(
主レンズ群Lm)が撮影光軸O上のAF距離情報に対応
した関係位置に停止することになる。
【0251】なおこの際、ポジション台40が熱膨張係
数の低い適宜の材料で作られ、しかも、その右側部とフ
ィルム面Fとの間の距離が小さく設定されているため、
たとえ雰囲気温度が変化した場合でも、WIDEパター
ン42と摺動ブラシ16との関係位置はより精密に維持
され、焦点合せ精度の向上に寄与することとになる。
【0252】しかも、前群枠10のみが撮影光軸O上に
位置している関係で、前群枠10が連結スプリング27
の付勢力により反時計方向に傾くことがあったとしても
、撮影光学系の実用上の結像性能に悪影響を与えること
もない。
【0253】さて、所定の焦点合せ動作が終了した後は
、マイコン55の撮影シーケンス制御に基いて通常通り
のシャッタレリーズが実行される。
【0254】そして、所定の露光が終了すると、公知の
手段によりシャッタおよびフィルムの巻上げが行われ、
これらの巻上げが終了すると、巻上げ終了信号が発せら
れて一連の撮影シーケンスが終了することになる(図1
1のS4の状態)。
【0255】このとき、シャッタおよびフィルムの巻上
げ終了信号が発せられた際に前述の(a)項および(b
)項の初期設定制御が自動的に実行されるように構成さ
れている場合には、この巻上げ終了信号がマイコン55
に出力された時点でマイコン55がDCモータ33を逆
回転して、WIDEパターン42上の焦点合せ位置に停
止している前群枠10を自動的にWIDE時のスタート
位置Wsに復帰させ、この状態で撮影シーケンスを終了
することになる(図11のS5の状態)。
【0256】なお、前群枠10をマニュアル操作でスタ
ート位置Ws(または、Ts)に復帰させるように構成
された可変焦点式レンズの場合には、手動復帰スイッチ
からの手動復帰信号を受けた時点で、マイコン55が前
群枠10をWIDEスタート位置Wsに復帰させるよう
に制御することになる。
【0257】さて、これら一連の撮影シーケンスが終了
した後は、そのまま撮影を中止することもできるが、再
びWIDE撮影モードで撮影したい場合には、このまま
の状態で再びシャッタレリーズ釦52を操作することに
なる。
【0258】この場合には、前述の手順が繰り返されて
再度のWIDE撮影が実行されることになる(図11の
S6の状態)。
【0259】しかし、WIDE撮影モードからTELE
撮影モードに変えて撮影したい場合には、前群枠10が
WIDE時のスタート位置Wsに在る状態において、T
−W切換え操作釦51をTELE撮影モードの状態に切
換え操作をしてその目的を達するようにする。
【0260】この場合、T−W切換え操作釦51をTE
LE撮影モードに切換えると、前群枠10および後群枠
20は、次のような動作を行ってTELE撮影モードを
実現することになる。
【0261】すなわち、T−W切換え操作釦51をTE
LE撮影時のモードに切換えると、マイコン55が、モ
ータ駆動IC54を介してDCモータ33をTELE方
向に回転するように制御する。
【0262】そのため、WIDE時のスタート位置Ws
に在った前群枠10は、駆動リードネジ6および駆動リ
ードナット15の働きで被写体方向に移動を開始し、摺
動ブラシ16がTELE時のスタート位置Tsを越えて
、TELEパターン43の右側エッジ部T0に接触する
まで移動を続ける。
【0263】そして、摺動ブラシ16がTELEパター
ン43の右側エッジ部T0に接触すると、この時点でT
ELEポジションスイッチSWtがオン信号をマイコン
55に出力するから、マイコン55は、DCモータ33
をWIDE方向に逆回転させるように制御して前群枠1
0を露光開口2aの方向に反転移動させる。
【0264】さて、摺動ブラシ16が、TELEパター
ン43の右側エッジ部T0から外れる位置まで前群枠1
0が移動すると、その時点でTELEポジションスイッ
チSWtがオフ信号をマイコン55に出力するから、マ
イコン55はこの時点でDCモータ33への給電を断つ
ように指令を発する。
【0265】従って、モータ給電回路60からの給電を
断たれたDCモータ33は、図8の最下段の移動線図に
示すように、TELEパターン43の右側エッジ部T0
から前述のオーバーラン量だけ離れたDCモータ33の
自走回転トルク位置で停止するようになる。
【0266】なお、図示実施例では、前述したようにT
ELE時のスタート位置Tsを予めこの自走回転トルク
位置に設定してあるため、T−W切換え操作釦51をT
ELE撮影時のモードに切換えたときにも、前群枠10
は、必ずTELE時のスタート位置Tsに停止すること
になる。
【0267】ところで、前群枠10が、露光開口2aに
近いWIDE時のスタート位置WsからTELE時のス
タート位置Ts(図2の位置)に移動すると、その移動
の過程において、退避姿勢の位置に保持されていた後群
枠20が連結スプリング27に引張られて被写体方向に
変位しながら、捻ればね25の旋回付勢力によって反時
計方向にも回転することになる。
【0268】そのため、後群枠20は、挿脱ピン24が
カム板部材7の押下げ作用面7aから外れた時点で、自
身の先端部21に形成された位置決め突起21aが回転
阻止用ポール5の外周面に当接するまで反時計方向に旋
回して、前群枠10の後方光軸O上に位置する姿勢とな
る。
【0269】しかしながら、前群枠10と後群枠20と
の被写体方向への移動は、後群枠20の姿勢の変化に関
係なくその後も続けられるが、この移動の過程で後群枠
20の基部22が調整ネジ28の先端部に当接すると、
後群枠20だけがその当接位置で停止することになる。
【0270】しかし、前群枠10は、その後も被写体方
向に移動を続け、前述したように、TELEパターン4
3の右側エッジ部T0の位置で反転した後TELE時の
スタート位置Tsで停止する。
【0271】この結果、前群枠10がTELE時のスタ
ート位置Tsに自動的に移動されると共に後群枠20が
その後方光軸O上に挿入されることになって、主レンズ
系Lmと副レンズ系Ls)とが、TELE時の焦点距離
を実現する光学的な関係位置を保つ状態にセットされる
ことになる(図11のS7の状態)。
【0272】なお、この状態においては、前群枠10と
後群枠20との間に所定の間隔が生じるから、後群枠2
0には連結スプリング27の付勢力が自然に付与され、
この付勢力が後群枠20を調整ネジ28との当接位置に
確実に留め置く作用を果たす。
【0273】さて、この状態でシャッタレリーズ釦52
の第1段レリーズを行うと、測光スイッチ56がオンさ
れ、TELE時におけるそのときの撮影距離がAF距離
情報としてAF用IC53からマイコン55に対して出
力され、WIDE時の場合と同様に、このAF距離情報
に基いた主レンズ系Lmの焦点合せ量が、マイコン55
によって演算され且つ一時的に記憶されることになる。
【0274】この場合、比較基準値は、WIDE時の場
合と同様に、TELEポジションスイッチSWtがオン
信号を出力した位置を基準とするDCモータ33の回転
数として設定される(図11のS8の状態)。
【0275】この状態でシャッタレリーズ釦52の第2
段レリーズを行うと、マイコン55が、駆動リードネジ
6および駆動リードナット15を介して前群枠10をT
ELE時のスタート位置Tsから被写体方向に変位させ
るように制御し、摺動ブラシ16がTELEパターン4
3の右側エッジ部T0と接触する位置まで前群枠10が
移動すると、その時点でTELEポジションスイッチS
Wtがオン信号をマイコン55に出力して、デジタル信
号発生手段36によるDCモータ33の回転数のカウン
ト開始(回転数の検出開始)を実行させることになる。
【0276】これらの動作手順および制御は、前群枠1
0の移動方向がWIDE時とは逆の方向になり、摺動ブ
ラシ16がTELEパターン43上をその無限遠距離対
応位置T2から最至近距離対応位置T1に向って変位す
ることを除けば、WIDE時における焦点合せ動作およ
び制御と全く同様の動作手順および制御となり、また、
DCモータ33の停止の仕方についても、WIDE時の
場合と同様にモータの自走回転トルク位置で精度良く停
止することになる。
【0277】従って、TELE撮影モードでは、図8の
最上段上側の移動線図に示すように、前群枠10(摺動
ブラシ16)がTELE時の焦点合せ領域T内に位置す
る焦点合せ位置に確実に停止することになり、主レンズ
系Lmと副レンズ系Lsとが、そのときのAF距離情報
に対応した撮影光軸O上の関係位置にセットされること
になる(図11のS9の状態)。
【0278】これ以後のシャッタ露光動作、シャッタ巻
上げ動作およびTELE時のスタート位置Tsへの自動
復帰動作等の制御、並びに、前群枠10をマニュアルで
スタート位置Tsに復帰させるように構成した場合の制
御については、これらもWIDE時の場合と同様となる
からそれらの詳細な説明については省略することにする
(図11のS10の状態)。
【0279】なお、WIDE時およびTELE時の焦点
合せに際しては、前群枠10がそれぞれのスタート位置
Ws、Tsと各パターン42,43のエッジ部W0、T
0との間を助走することになるが、この間の助走では駆
動系の「機械的な送りガタ」が取り切れない場合には、
各スタート位置Ws、Tsと各パターン42,43のエ
ッジ部W0、T0との間隔を、予め「機械的な送りガタ
」を除去するのに必要な助走距離が得られる間隔に設定
するのが好ましい。
【0280】一方、TELE撮影モードからWIDE撮
影モードに切換える場合には、前群枠10がTELE時
のスタート位置Tsに在る状態において、T−W切換え
操作釦51をWIDE撮影を実現する状態に切換えるこ
とにより行うが、このような切換え操作を行うと、前述
したWIDE撮影モードからTELE撮影モードへの切
換え動作および制御と逆の動作および制御が行われるこ
とになる。
【0281】すなわち、T−W切換え操作釦51をWI
DE撮影モードに切換えると、マイコン55がDCモー
タ33をWIDE方向に回転駆動して、前群枠10をT
ELE時のスタート位置Tsから露光開口2aの方向に
移動させる。
【0282】そして、摺動ブラシ16が、WIDE時の
スタート位置Wsを越えて、WIDEパターン42の左
側エッジ部W0に接触するまで移動すると、この時点で
WIDEポジションスイッチSWwがオン信号をマイコ
ン55に出力するから、マイコン55は、DCモータ3
3をTELE方向に逆回転させるように制御して前群枠
10を被写体方向に反転移動させる。
【0283】さて、摺動ブラシ16がWIDEパターン
42の左側エッジ部W0から外れる位置まで前群枠10
が移動すると、その時点でWIDEポジションスイッチ
SWwがオフ信号をマイコン55に出力するから、マイ
コン55はこの時点でDCモータ33への給電を断つよ
うに指令を発する。
【0284】従って、モータ給電回路60からの給電を
断たれたDCモータ33は、図8の2段目の移動線図に
示すように、WIDEパターン42の左側エッジ部W0
から前述したオーバーラン量だけ離れたDCモータ33
の自走回転トルク位置で停止するようになる。
【0285】なお、図示実施例では、前述したようにW
IDE時のスタート位置Wsを予めこの自走回転トルク
位置に設定してあるため、T−W切換え操作釦51をW
IDE撮影時のモードに切換えたときにも、前群枠10
は、必ずWIDE時のスタート位置Wsに停止すること
になる。
【0286】このように、図示実施例では、T−W切換
え操作釦51を一方の撮影モードから他方の撮影モード
に選択的に切換えることによって、2つの撮影モードを
任意に使い分けることが可能となる。
【0287】以上説明したように、第1実施例の可変焦
点式レンズでは、主レンズ系Lmのみから成る第1の焦
点距離(図示例では、WIDE時の焦点距離)の焦点合
せ領域Wと、主レンズ系Lmおよび副レンズ系Lsの両
方から成る第2の焦点距離(図示例では、TELE時の
焦点距離)の焦点合せ領域Tとを、WIDE時、TEL
E時のスタート位置Ws、Tsを挟んで光軸O方向に直
列的に設定している。
【0288】そのため、第1の焦点距離と第2の焦点距
離との切換え動作と、副レンズ系Lsの撮影光軸Oに対
する挿脱動作と、それぞれの焦点距離での焦点合せ動作
との3つの動作を、同一の駆動手段(例えば、リードね
じ駆動方式)で行うことが可能となった。
【0289】また、第1実施例では、WIDE時の最至
近距離対応位置W1とTELE時の無限遠距離対応位置
T2とを、2つのスタート位置Ws、Tsを挟んで対向
的に設定し、しかも、両者W1、T2の間隔を機械的な
送りガタを除去するのに差支えない範囲内で可能な限り
短く設定しているため、WIDE撮影モードとTELE
撮影モードとの切換えに要する動作時間を、0.6秒以
下という極めて短い時間に短縮することが可能となった
。
【0290】なお、この効果については、前述のケース
とは逆に、WIDE時の無限遠距離対応位置W2と、T
ELE時の最至近距離対応位置T1とを2つのスタート
位置Ws、Tsを挟んで対向的に設定し、且つ、両位置
W2、T1の間隔を短く設定した場合にも同じになる。
【0291】さらに、第1実施例では、WIDE撮影モ
ードのときには、その最至近距離対応位置W1から焦点
合せ動作を開始し、TELE撮影モードのときには、そ
の無限遠距離対応位置T2から焦点合せ動作を開始する
ように構成しているため、それぞれの焦点距離の性格に
応じた撮影を人間工学に沿った動作で行い得るようにな
った。
【0292】しかも、第1実施例の可変焦点式レンズで
は、モータのコギングによる影響を常に安定化させるこ
とにより、如何なる位置においても、最終的なDCモー
タのストップ位置をバラつきなく設定し得るように構成
してある。
【0293】そのため、本発明をこのような態様で実施
した場合には、初期設定動作、焦点距離の切換え動作お
よび焦点合せ動作に際して、DCモータの回転停止精度
をいずれも良好且つ安定的に設定することが可能になっ
た。
【0294】また、第1実施例の可変焦点式レンズでは
、2つの可動レンズ群(図示例では、前群枠10と後群
枠20)の間に連結スプリング27の付勢力を作用させ
、この付勢力によりモータ駆動手段に存在する嵌合また
は螺合ガタを吸収し得るようにも構成しているため、こ
のような手段を講じた実施態様では、各焦点距離での焦
点合せ量をより精密に実現することが可能となり、しか
も、この連結スプリング27の付勢力の作用によって、
焦点距離変更用の可動レンズ群をその規制位置(図示例
では、調整ネジ28の先端部)に確実に留め置くことも
可能となる。
【0295】さらに、第1実施例では、この連結スプリ
ング27の両端係止位置、すなわち、共通ポール4およ
び調整ねじ28に対する連結スプリング27の係止端部
の位置に特徴を持たせ、2つの可動レンズ群(前群枠1
0および後群枠20)と共通ポール4との間に嵌合ガタ
があったときに、この特徴の奏する連結スプリング27
の相互引張り作用を利用して、2つの可動レンズ群が共
に同一方向に倒れるように構成しているため、このよう
な手段を講じた実施態様では、たとえ共通ポール4と2
つの可動レンズ群との間に嵌合隙間が存在している場合
でも、撮影光学系の結像性能を良好な状態に維持するこ
とが可能になる。
【0296】また、第1実施例では、可動レンズ群の変
位位置を決定する焦点距離検出、焦点合せ位置検出パタ
ーン(図示例では、WIDEパターン42、TELEパ
ターン43と摺動ブラシ16)を支持するポジション台
40を、熱膨張係数の低い適宜の材料で構成し且つその
右端部とフィルム面Fとの間の距離を小さく設定してい
るため、このような手段を講じた実施態様では、たとえ
雰囲気温度が変化した場合でも、焦点距離検出、焦点合
せ位置検出パターンおよび各焦点距離における計数基準
位置と可動レンズ群との関係位置、および、ポジション
台40の支持端部45による焦点距離変更用可動レンズ
群の規制位置を、より精密に維持・設定することが可能
となる。
【0297】この効果は、少なくとも共通ポール4およ
び駆動リードネジ6とを、ポジション台40の構成材料
と同等かまたは近似する熱膨張係数の低い適宜の材料で
構成した場合に特に顕著に表れる。
【0298】そのため、前群枠10のスタート位置が常
に一定することになり焦点合せの際の移動精度を向上さ
せることになる。
【0299】ところで、前述の第1実施例においては、
前群枠10を駆動する手段として駆動リードねじ6と駆
動リードナット15から成る運動伝達手段を用いている
。
【0300】このような形式の運動伝達手段では、互い
に螺合する駆動リードねじ6と駆動リードナット15と
の間に噛合ガタが存在し、また、駆動ギア34と従動ギ
ア31との間を連結するギア列にバックラッシュが存在
するのが普通である。
【0301】そのため、このような機械的な送りガタを
伴う運動伝達手段を用いて前群枠10の駆動制御を行う
場合、その駆動制御方法に何等の手段も講じないとする
と、これらの噛合ガタおよびバックラッシュに起因する
機械的な送りガタが発生して、前群枠10の変位量がバ
ラつくことになって、前群枠10の停止位置精度を著し
く劣化させることになる。
【0302】すなわち、前群枠10を目的とする位置に
停止させる際に単純な停止タイミングでDCモータ33
を停止させるような方法で駆動制御すると、前群枠10
が目的とする位置に達した時点でDCモータ33への給
電が断たれることになり、DCモータ33は、前述した
ように給電が断たれた時点から若干時間の経過後に停止
することになる。
【0303】この場合、被駆動部材(図示例では、前群
枠10)の運動抵抗が軽い場合には、被駆動部材が自身
に働く運動慣性のためのDCモータ33の停止後も前進
を続け、前述のガタおよびバックラッシュの分だけ直進
することになる。
【0304】その結果、駆動リードねじ6の「雄ネジの
山面」と駆動リードナット5の「雌ネジの谷面」との間
に噛合ガタに起因する機械的な送りガタが発生し、また
、連結ギア列を構成する各ギアのそれぞれの接触歯面と
の間に、バックラッシュに起因する機械的な送りガタが
発生する。
【0305】この停止時の機械的な送りガタは、中の場
合と異なり前進する被駆動部材の前方部分に送りガタ(
以下、前方部分の送りガタ)が発生する。
【0306】そして、この前方部分の送りガタが、焦点
距離の切換えのために例えばWIDE時のスタート位置
WsからTELE時のスタート位置Tsに移動した前群
枠10に生じたとすると、TELE時の焦点合せ動作の
ためにDCモータ33がTEEL方向へ回転した際に、
その回転駆動量が、先ず、駆動リードねじ6と駆動リー
ドナットと5との間に存在する噛合ガタや連結ギア列に
存在するバックラッシュを埋めるのに利用され、駆動リ
ードねじ6と駆動リードナット15とが正常な噛合状態
になった後に、初めてDCモータ33回転駆動力が前群
枠10(駆動リードナット15)に伝達されることにな
る。
【0307】いい換えると、WIDE時のスタート位置
WsからTELE時のスタート位置Tsに移動するのに
要するDCモータ33の回転数は、この背後部分の送り
ガタを埋めるために浪費されることになり、しかも、こ
の種の送りガタが関係部材の製作精度に大きく左右され
るため、浪費されるDCモータ33の回転数が予測でき
ない程度にバラつくことになる。
【0308】従って、若し、WIDE時のスタート位置
WsからTELE時のスタート位置Tsに移動するのに
要する前群枠10の移動量を、WIDE時のスタート位
置WsからのDCモータ33回転数で決定するように設
定された可変焦点距離式レンズの場合には、この移動量
を実現するのに必要なDCモータ33の回転数が、前述
の前方部分だけ減少することになり、その分だけ、前群
枠10の実際の変位量を正規の移動量よりも少なくさせ
るという結果を招くことになる。
【0309】すなわち、焦点合せ時における前群枠10
の変位精度を著しく劣化させる原因となる。
【0310】そのため、第1実施例では、前群枠10を
一方のスタート位置から他方のスタート位置に移動させ
る際および移動後の焦点合せを行う際に、前述の(c)
項および(b)項の駆動制御方法並びに(c)項および
(b)項の駆動制御方法に準じた制御方法を用いるよう
に構成して、焦点合せ時の前群枠10の変位精度の劣化
を防止している。
【0311】しかしながら、被駆動部材の運動抵抗が大
きい場合には、機械的な送りガタが被駆動部材の背後方
向に発生することになるため、これに対応する変位精度
の劣化防止対策が必要になる。
【0312】前述したように、給電が断たれた後のDC
モータ33は、自身の慣性だけで回転するだけであるか
ら、被駆動部材の運動抵抗が大きい場合には、DCモー
タ33への給電が断たれたときに被駆動部材の制動力が
DCモータ33の慣性回転を抑制することになる。
【0313】そのため、被駆動部材とDCモータ33と
の間には、前述の噛合ガタやバックラッシュに起因する
機械的な送りガタが被駆動部材の背後方向に生じること
になる。
【0314】そして、この背後方向の送りガタが、例え
ばWIDE時のスタート位置Wsに初期設定された前群
枠10に生じたとすると、次回のWIDE撮影に際して
DCモータ33がWIDE方向へ回転した際に、前述の
焦点距離の切換え時の場合と同様に、その回転駆動量が
、先ず駆動リードねじ6と駆動リードナットと5との間
に存在する噛合ガタや連結ギア列に存在するバックラッ
シュを埋めるのに利用され、駆動リードねじ6と駆動リ
ードナット15とが正常な噛合状態になった後に、初め
DCモータ33の回転駆動力が前群枠10に伝達される
ことになる。
【0315】いい換えると、前述のケースと同様に、D
Cモータ33の正規の回転数がこの背後方向の送りガタ
を埋めるために浪費されることになり、また、浪費され
るDCモータ33の回転数が予測できない程度にバラつ
くことになる。
【0316】加えて、この種の送りガタは、先の前進部
分の送りガタの場合をも含めて、DCモータ33の停止
精度を高くしようとすると反って顕著に表れるという皮
肉な性格を有する。
【0317】従って、前群枠10の焦点合せ量をWID
E時のスタート位置WsからのDCモータ33の回転数
で決定するように設定された可変焦点距離式レンズの場
合には、この焦点合せ量を実現するのに必要なDCモー
タ33の回転数が、前述の背後方向の送りガタを埋める
ために浪費された回転数分だけ減少することになり、そ
の分だけ、前群枠10の実際の変位量を正規の焦点合せ
量よりも少なくさせるという結果を招くことになる。
【0318】すなわち、焦点合せ時における前群枠10
の変位精度を著しく劣化させる原因となる。
【0319】
【第2実施例】本発明の第2実施例は、このために考え
られたもので、その特徴は、前群枠10をそれぞれのパ
ターン42,43上の焦点合せ位置から目的とするスタ
ート位置WsまたはTsに停止させる際に、また、焦点
距離の切換えに際して前群枠10をいずれかのスタート
位置Ws、Tsに移動させるときに、機械的な送りガタ
を除去することのできる停止タイミングを停止させ得る
ように構成したことにある。
【0320】前述したように、焦点合せ動作および焦点
距離の切換え動作に際して前群枠10が変位ないし移動
を開始するのはいずれかのスタート位置Ws、Tsであ
るから、機械的な送りガタを除去するためには、先ず前
群枠10が焦点合せ終了時の位置から目的のスタート位
置Ws、Tsに復帰するまでの間に除去する必要がある
。
【0321】そのため、第2実施例では、マイコン55
による前群枠10の各スタート位置Ws、Tsへの初期
設定動作の駆動制御および焦点距離の切換え動作の駆動
制御を、次の(e)項〜(g)項に示す制御方法で実行
し得るように構成されている。
【0322】先ず、WIDEパターン42からWIDE
時のスタート位置Wsに初期設定する場合の駆動制御方
法を例にして説明する。
【0323】(e)  摺動ブラシ16がWIDE時の
スタート位置Wsに在るときには、前述した(a)項の
制御方法と同じ方法で制御する。
【0324】すなわち、カメラ側の電源スイッチのオン
信号が入力された場合であっても、DCモータ33を回
転駆動しないように制御する。
【0325】(f)  摺動ブラシ16が、図12にお
ける左側エッジ部Woを含むWIDEパターン42上の
焦点合せ終了時の位置に在ときには、マイコン55は、
カメラ側の電源スイッチのオン信号に基いてDCモータ
33をTELE方向に回転駆動して、摺動ブラシ16を
その位置からWIDE時のスタート位置Wsの方向に変
位させる。
【0326】そして、摺動ブラシ16がスタート位置W
sを通過した後にDCモータ33をWIDE方向に逆転
駆動するように制御し、さらに、DCモータ33が逆回
転を開始したときから所定数の回転が行われた時点でD
Cモータ33への給電を断つように制御する。
【0327】この場合、DCモータ33の最終的な停止
位置(前述のオーバーラン量を含む位置)とWIDE時
のスタート位置Wsとが一致するように、予めDCモー
タ33の逆転駆動タイミングと所定の回転数とを設定し
て置くものとする。
【0328】なお、逆転駆動タイミングは、摺動ブラシ
16がWIDEパターン42の左側エッジ部Woから外
れて、WIDEポジションスイッチSWwがオフ信号を
発した時点からのDCモータ33の回転数をもって決定
するものとし、また、所定の回転数とは、DCモータ3
3の逆回転により生じる駆動リードねじ6と駆動リード
ナット15との間の逆方向の送りガタを吸収し得る回転
数をいう(図12の上から3段目下側の移動線図を参照
のこと)。
【0329】一方、前回の撮影がTELE撮影モードで
行われている場合であって、カメラ側の電源スイッチの
オン信号を利用して前群枠10をTELE時のスタート
位置Tsに初期設定するケースでは、マイコン55は、
前述した(e)項および(f)項の初期設定の制御方法
に準じた制御方法をもってDCモータ33を制御する(
図12の最上段下側の移動線図を参照のこと)。
【0330】すなわち、(e)項および(f)項の制御
における「WIDE時のスタート位置Ws」を「TEL
E時のスタート位置Ts」に、「WIDEパターン42
」を「TELEパターン43」に、「左側エッジ部W0
」を右側エッジ部T0」に、「TELE方向」を「WI
DE方向」に、「WIDEポジションスイッチSWw」
を「TELEポジションスイッチSWt」に、それぞれ
読み換えた初期設定制御を行うように構成する。
【0331】なお、カメラ側のフィルムの巻上げ動作が
終了した時に発する巻上げ終了信号を利用し、前群枠1
0を前回の撮影終了位置からいずれかのスタート位置W
s、Tsに初期設定する場合、また、マニュアル操作で
前群枠10を前回の撮影終了位置からいずれかのスター
ト位置Ws、Tsに初期設定する場合には、第1実施例
と直様に考え方に基いて制御する。
【0332】次に、第2実施例における焦点距離の切換
え制御の一例について、例えばWIDE撮影モードから
TELE撮影モードへ切換える場合を想定してその基本
的な制御方法を説明する。
【0333】(g)  WIDE撮影モードの状態から
TELE撮影モードの状態に切換え操作されたときの操
作信号に基いて、DCモータ33をTELE方向に回転
駆動させるように制御する。
【0334】そして、前群枠10のWIDE時のスター
ト位置Wsから被写体方向への移動に伴って、摺動ブラ
シ16がTELE時のスタート位置Tsを一度越えてか
らTELEパターン43の右側エッジ部T0に至り、T
ELEポジジョンスイッチSWtがオン信号を出力した
時点で、DCモータ33をWIDE方向に逆回転させる
ように制御する。
【0335】さらに、摺動ブラシ16が被写体側からT
ELE時のスタート位置Tsを通過した時点で、再びD
Cモータ33をTELE方向に逆回転(2度目)させ、
さらに、DCモータ33が2度目の逆回転を開始したと
きからの所定数の回転が行われた時点でDCモータ33
への給電を断つように制御する。
【0336】この場合、DCモータ33の最終的な停止
位置(前述のオーバーラン量を含む位置)とTELE時
のスタート位置Tsとが一致するように、予めDCモー
タ33の逆転駆動タイミングと所定の回転数とを設定す
る。
【0337】なお、逆転駆動タイミングは、摺動ブラシ
16がTELEパターン43の右側エッジ部T0から外
れて、TELEポジションスイッチSWtがオフ信号を
発した時点からのDCモータ33の回転数をもって決定
するものとし、また、所定の回転数とは、DCモータ3
3の逆回転により生じる駆動リードねじ6と駆動リード
ナット15との間の逆方向の送りガタを吸収し得る回転
数をいう(図12の最下段の移動線図を参照のこと)。
【0338】一方、TELE撮影モードからWIDE撮
影モード切換える場合には、前述の(g)項の制御方法
とは逆の制御方法をもってDCモータ33を制御する(
図12の2段目の移動線図を参照のこと)。
【0339】すなわち、初期設定制御のときの制御方法
のケースと同様に、(g)項の制御方法における「WI
DE時のスタート位置Ws」を「TELE時のスタート
位置Ts」に、「WIDEパターン42」を「TELE
パターン43」に、「左側エッジ部W0」を「右側エッ
ジ部T0」に、「TELE方向」を「WIDE方向」に
「被写体方向」を「露光開口2a側」に、「WIDEポ
ジションスイッチSWw」を「TELEポジションスイ
ッチSWt」に、それぞれ読み換えた制御を行うように
構成されることになる。
【0340】最後に、第2実施例における各焦点距離で
の焦点合せの駆動制御について簡単に説明する。
【0341】第2実施例では、各スタート位置Ws、T
sにおいて既に前群枠10の焦点合せ方向の機械的に送
りガタが除去されることになるため、各スタート位置W
s、Tsを、各ポジションスイッチSWw、SWtの計
数基準位置T0と一致させてもよいことになる。
【0342】従って、それぞれの焦点距離における焦点
合せ量を、それぞれのスタート位置Ws、TsからのD
Cモータ33の回転数として設定することが可能となり
、これが第2実施例のひとつの特徴ともなっている。
【0343】なお、第2実施例の制御方法で制御したと
きの前群枠10の移動線図は、図12の移動線図のよう
になる。
【0344】以下、このように構成された第2実施例の
作動ないし作用を説明する。なお、この場合の動作フロ
ーは、図11に示す第1実施例の動作フローと同じであ
る。
【0345】先ず、初期設定動作について、前群枠10
をWIDE時のスタート位置Ws(=W0以下同じ)に
初期設定する場合を例にして説明する。
【0346】前回の撮影が終了した状態において、可変
焦点式レンズ等の電源スイッチをオンすると、マイコン
55が前述の(e)項〜(f)項で述べた初期設定の制
御方法に基いてDCモータ33の駆動制御を実行する。
【0347】すなわち、前群枠10(摺動ブラシ16)
がWIDE時のスタート位置Wsに在る場合には、DC
モータ33を回転駆動しないように、また、摺動ブラシ
16がWIDEパターン42上に在る場合には、先ず前
群枠10を被写体方向に移動させるようにDCモータ3
3を回転駆動するように制御する。
【0348】そのため、摺動ブラシ16がWIDEパタ
ーン42上に在る場合には前群枠10が被写体方向に移
動を開始するが、前群枠10がWIDE時のスタート位
置Wsを通過してから所定量進んだ位置まで移動すると
、その時点でマイコン55がDCモータ33をWIDE
方向に逆転駆動させるように制御するから、前群枠10
は被写体側から再びWIDE時のスタート位置Wsに向
って移動する。
【0349】そして、DCモータ33が逆回転を開始し
たときから所定数の回転を行った時点で、マイコン55
がDCモータ33への給電を断つように制御するから、
前群枠10は、図12の3段目下側の移動線図に示すよ
うな移動動作を行って、WIDE時のスタート位置Ws
に停止する。
【0350】この場合、駆動リードねじ6と駆動リード
ナット15との接触は密接なものとなり、前述した機械
的な送りガタが、前群枠10の運動方向の背後方向(T
ELEパターン43の方向)に生じることになる。
【0351】なお、このときのDCモータ33の逆転駆
動タイミングおよび所定の回転数は予め(f)項の制御
方法で設定されており、また、前群枠10のWIDE時
のスタート位置Wsへの復帰動作と同時に行われる後群
枠20の動作についても、第1実施例の場合と同様であ
るから、煩雑さを避ける意味でいずれもその説明を省略
する。
【0352】一方、前群枠10をTELE時のスタート
位置Tsに初期設定する場合には、マイコン55が前述
の(e)項〜(f)項の制御方法に準じた制御方法に基
いてDCモータ33を制御する。
【0353】すなわち、摺動ブラシ16がTELEパタ
ーン43上に在るときには、WIDE時のスタート位置
Wsに初期設定する場合と同様の考え方および動作で、
前群枠10をTELE時のスタート位置Tsに復帰させ
ることになる(図12の最上段下側の移動線図を参照の
こと)。
【0354】この場合にも、駆動リードねじ6と駆動リ
ードナット15との間の機械的な送りガタは、前群枠1
0の運動方向の背後方向(WIDEパターン43の方向
)に生じる。
【0355】このように第2の実施例においては、摺動
ブラシ16がどのような前回撮影終了時の位置にあって
も、駆動リードねじ6と駆動リードナット15との間に
機械的な送りのガタのない状態で、前群枠10がそれぞ
れのスタート位置Ws,Tsに初期設定されることにな
る。
【0356】すなわち、第1実施例の場合と同様に図1
1に示すS1のステップが終了する。
【0357】なお、カメラ側のフィルムの巻上げ動作が
終了した時に発する巻上げ終了信号やマニュアル操作を
利用して、前群枠10を前回の撮影終了位置からいずれ
かのスタート位置Ws,Tsに初期設定する場合も、そ
の初期設定動作は、このような経過をたどって行われる
。
【0358】さて、WIDE撮影モードでの焦点合せ動
作は、この状態下で行われることになる。
【0359】第2実施例では、WIDE時の場合でもT
ELE時の場合でも、駆動リードねじ6と駆動リードナ
ット15との間の機械的な送りガタが除去された状態に
なっている。
【0360】そのため、DCモータ33がそれぞれの焦
点合せ方向に回転されると、その回転駆動力が瞬時に駆
動リードナット15に伝達されることになり、前群枠1
0が予め設定されたDCモータ33の回転数通りにTE
LEパターン43上を移動することになる。
【0361】これは、各焦点距離における焦点合せ量が
、第1実施例のときと同様に、各ポジションスイッチS
Ww,SWtのオン信号を利用したDCモータ33の回
転数として設定された場合でも、また、それぞれのスタ
ート位置Ws、TsからのDCモータ33の回転数とし
て設定された場合でも同じである。
【0362】従って、たとえ焦点合せ量をWIDE時の
スタート位置WsからのDCモータ33の回転数として
設定した場合であっても、デジタル信号発生手段36で
読取られるデジタル信号計数値はより正確な値となり、
その結果、前群枠10がそのときの焦点合せ量に対応し
た位置に変位し且つ停止することになる。
【0363】すなわち、摺動ブラシ16(前群枠10)
は、図12の3段目上側の移動線図に示すような移動動
作を行って、WIDE時の焦点合せ領域W内に在る目的
の焦点合せ位置に高い精度で停止することになる(図1
1のS2〜S3参照)。
【0364】このようにして焦点合せ動作が終了した後
は、引続いてシャッタのレリーズが行われるが、この場
合の作用ないし作動についても第1実施例の場合と同様
であるのでその説明を省略する。
【0365】ところで、TELE撮影モードで撮影を行
うときには、第1実施例の場合と同様に、T−W切換え
操作釦51をWIDE撮影モードからTELE撮影モー
ドに切換え操作して目的を達する。
【0366】すなわち、この切換え操作が行われると、
マイコン55が前述した(g)項の駆動制御方法を実行
して、WIDE時のスタート位置Wsに在る前群枠10
をTELE時のスタート位置Tsに移動させることにな
る。
【0367】前群枠10がWIDE時のスタート位置W
sから被写体方向へ移動すると、摺動ブラシ16がTE
LE時のスタート位置Tsを一度越えてからTELEパ
ターン43の右側エッジ部T0に至り、TELEポジシ
ョンスイッチSWtがオン信号をマイコン55に出力す
る。従って、マイコン55は、この時点でDCモータ3
3をWIDE方向に逆回転させるように制御する。
【0368】そのため、摺動ブラシ16は、TELEパ
ターン43の右側エッジ部T0を少し越えた位置から露
光開口2aの方向に反転的に移動して、TELE時のス
タート位置Tsを再び通過する。
【0369】そして、前群枠10がこのスタート位置T
sを通過した時点で、マイコン55が所定の逆転駆動タ
イミングでDCモータ33を再度TELE方向に回転駆
動(2度目)するように制御して、前群枠10をTEL
E時のスタート位置Tsに向わせ、さらに、DCモータ
33が2度目の逆回転を開始したときからのDCモータ
33の所定数の回転が行われた時点で、DCモータ33
への給電を断つように制御する。
【0370】その結果、前群枠10は、図12の最下段
の移動線図に示すような移動動作を行ってTELEスタ
ート位置Tsに停止することになる(図11のS7を参
照)。
【0371】さて、このようにTELE撮影モードに切
換えられた後は、TELE時での焦点合せ動作が行われ
ることになるが、前述したように第2実施例における焦
点合せ動作は、WIDE時でもTELE時でも基本的に
は第1実施例での焦点合せ動作の場合と同じになるので
、TELE撮影モードの焦点合せでは、図12の最上段
上側の移動線図に示すような移動動作を行って、TEL
E時の焦点合ら領域T内に在る目的の焦点合せ位置に高
い精度で停止することになる(図11のS8〜S9を参
照)。
【0372】なお、撮影モードをTELE撮影モードか
らWIDE撮影モードに切換える場合には、前述した(
g)項の制御方法とは逆の制御方法で行われることにな
る。
【0373】以上説明したように、この第2実施例の可
変焦点式レンズでは、主レンズ系Lmのみから成る第1
の焦点距離の焦点合せ領域Wと、主レンズ系Lmおよび
制レンズ系Lsの2つのレンズ系から成る第2の焦点距
離の焦点合せ領域Tとを、WIDE時およびTELE時
の合焦駆動開始位置WsおよびTsを挟んで光軸O方向
に直列的に設定し、第1の焦点距離と第2の焦点距離と
の切換え動作と撮影光軸Oに対する副レンズ系Lsの挿
脱動作と各焦点距離での焦点合せ動作との3つの動作を
、共通のリードネジ駆動方式のモータ駆動手段によって
行う形式の可変焦点式レンズにおいて、主レンズ系Lm
(具体的には、前群枠10)をそのときの焦点合せ方向
への駆動モータの回転動作によって各焦点距離のスター
ト位置Ws、Tsに移動させ且つその位置に停止させる
ことによって、駆動リードねじ6と駆動リードナット1
5との間に生じる機械的な送りガタを、それぞれのスタ
ート位置Ws、Tsにおいて確実に除去し得たので、主
レンズ系Lmの光軸方向への変位量を正確に設定するこ
とが可能になった。
【0374】すなわち、それぞれの焦点距離での焦点合
せ量を精密に実現することが可能となった。
【0375】また、第2実施例では、第1実施例の場合
と同様に、WIDE至近距離対応位置W1とTELE無
限遠距離対応位置T2との間隔を短く設定してもいるの
で、WIDE撮影モードとTELE撮影モードとの切換
えに要する動作時間をより短縮することが可能になった
。
【0376】その外、第2実施例では、先に掲げた第1
実施例の諸効果をも奏することになる。
【0377】ところで、撮影開始時における初期設定動
作、焦点距離の切換え動作および各焦点距離での焦点合
せ動作の3つの動作を、1個の駆動モータと1個のリー
ドねじ駆動手段とで行う場合、初期設定時および焦点距
離の切換え時には、前群枠10の移動を高速駆動で行う
のが撮影操作速度を速める上で有利であり、また、各焦
点距離での焦点合せの際には、前群枠10の移動を低速
駆動で行うのが前群枠10の停止精度を高める上で極め
て有利となる。
【0378】そのため、本発明では、このような目的に
合致する可変焦点式レンズを提供するために第3実施例
を発明した。
【0379】
【第3実施例】図13〜図16に示すのは、本発明の可
変焦点式レンズに係る第3実施例で、駆動モータとリー
ドねじ駆動手段との間に設置する伝達ギア手段(具体的
には、減速ギア手段70)のギア比を目的に応じて切換
えることにより、初期設定時および焦点距離の切換え時
には前群枠10の移動をスピード優先の高速制御で行い
、それぞれの焦点距離での焦点合せ時には、前群枠10
の移動を精度優先の低速制御で行い得るように構成した
ことを特徴とする。
【0380】この第3実施例では、主レンズ群Lmおよ
び副レンズ群Lsの光学的構成部材を始め、大部分の機
械的および電気的構成部材1〜60、SWw、SWtが
、前述した第1実施例の構成部材と共通となっているの
で、第3実施例に専門的に用いられる構成部材ないし構
造について説明する。
【0381】図13および図14において、70はDC
モータ33の駆動ギア34と駆動リードねじ6の左端部
に取付けられた従動ギア31との間に設けられた減速ギ
ア手段である。
【0382】この減速ギア手段70は、アイドルギア7
1、太陽ギア72および遊星ギア73から成る前半のギ
ア列と、遊星ギア73の往復揺動運動によって前半のギ
ア列と切換え的に連結噛合する連結ギア74を含む後半
のギア列とから構成されている。
【0383】この場合、アイドルギア71は、軸75に
より回転可能に支持され、DCモータ33の駆動ギア3
4と常時噛合するように配設されている。
【0384】太陽ギア72は、大、小2段のギアG1、
G2から成り、軸76により回転可能に支持されると共
にその大歯車G1がアイドルギア71と常時噛合するよ
うに配設されている。
【0385】この太陽ギア72の軸76には、遊星ギア
73を太陽ギア72の周りに公転させるための遊星作用
レバー72aが回転可能に支持されている。
【0386】遊星ギア73は、大、小2段のギアG3,
G4から成り、太陽ギア72の遊星作用レバー72aの
先端部に植設された軸72bによって回転可能に支持さ
れている。
【0387】この場合、遊星ギア73の大歯車G3は、
太陽ギア72の小歯車G2と常時噛合し、太陽ギア72
が正・逆方向に回転した際に太陽ギア72の小歯車G2
  の周りを公転し、この大歯車G3の公転時に、小歯
車G4が従動ギア31と連結ギア74との間を揺動して
、いずれかのギア31,74と選択的に噛合し得るよう
に配設されている。
【0388】なお、従動ギア31と連結ギア74とに選
択的に噛合する位置は、揺動レバー72aの揺動角を規
制する2つのストッパ(図示せず)により、それぞれ決
定するように構成して置く。
【0389】連結ギア74は、軸77によって回転可能
に支持された小・大2段の歯車G5,G6から構成され
、その小歯車G5が遊星ギア73の小歯車G4と選択的
に噛合するように構成されている。
【0390】78は軸79により後半のギア列内に回転
可能に設けられた中間ギアで、小・大2段の歯車G7、
G8を有し、その小歯車G7が連結ギア74の大歯車G
6と、大歯車G8が従動ギア31と、それぞれ常時噛合
するように構成されている。
【0391】そして、この減速ギア手段70では、初期
設定時および焦点距離の切換え時には、遊星ギア73の
小歯車G4を連結ギア74の小歯車G4側に選択的に噛
合させることによって、駆動リードねじ6を高速作動さ
せ得る減速比(例えば1/5.5の減速比)を実現し、
また各焦点距離での焦点合せの際には、遊星ギア73の
小歯車G4を従動ギア31に直接噛合させて、駆動リー
ドねじ6を低速作動させ得る減速比(例えば1/20の
減速比)を実現し得るように、構成されている。
【0392】80は前述の遊星ギア73の切換え操作を
行う減速比変更手段で、シャッタ駆動用のステップモー
タ81、シャッタ駆動用モータギア82、仲介ギア83
、切換えギア84、係止・解除レバー85および適宜の
ストップモータ給電回路(図示せず)から構成されてい
る。
【0393】この場合、遊星ギア73の切換え操作にシ
ャッタ駆動用のステップモータ81を利用するのは、図
示実施例の可変焦点式レンズ1の装着を予定しているカ
メラが、シャッタ羽根の開閉動作をステップモータ81
の往復回転で行なわせる形式のシャッタ装置(図示せず
)を備えていることを前提としているからである。
【0394】この場合のシャッタ装置は、切換えギア8
4の約200度の回転角の範囲内でシャッタ羽根の開閉
動作を行い、残りの約160度の回転角の範囲内で遊星
ギア73の切換え操作を行うように構成されている。
【0395】さて、シャッタ駆動用モータギア82は、
ステップモータ81の出力軸に固定され正・逆方向に回
転し、仲介ギア83は、軸86により回転可能に支持さ
れた大・小2段の歯車G11、G12から成り、その大
歯車G11がシャッタ駆動用モータギア82と常時噛合
する。
【0396】切換えギア84は、軸87により回転可能
に支持され、仲介ギア83の小歯車G12と常時噛合す
るように設けられ、しかも、その上面には、所定の操作
角を挟んで2本の操作ピン84a,84bが植設されて
いる。
【0397】係止・解除レバー85は、軸88により回
転可能に支持され、捻ればね89により時計方向への回
転をするように付勢されている。
【0398】この係止・解除レバー85には、2本の腕
部85a  ,85bが設けられ、一方の腕部85aの
先端部は、前述の2本の操作ピン84a,84bの間に
挿入され、他方の腕部85bの先端部は、内側係止面8
5dおよび外側係止面85eを持つ屈曲部85cとして
形成されている。
【0399】そして、切換えギア84が往復回転した際
に、2本の操作ピン84a,84bの働きにより一方の
腕部85aを介して係止・解除レバー85を揺動し、こ
の揺動終期において、屈曲部85cの内側係止面85d
および外側係止面85eが、遊星ギア73の遊星支持軸
72bの外周面に選択的に圧接して、前述の遊星作用レ
バー72aを、遊星ギア73と連結ギア74との噛合位
置および遊星ギア73と従動ギア31との噛合位置に、
それぞれ係止し得るように構成されている。
【0400】図15に示すのは、この係止・解除レバー
85の往復回転操作を電磁作動式プランジャ手段90の
往復変位動作で行う場合の変形的な実施例である。
【0401】この場合、係止・解除レバー85の一方の
腕部85aの先端には係合溝85fが形成され、この溝
85f  内に、電磁作動式プランジャ手段90のアー
マチュアロッド91に形成された作動ピン91が嵌入的
に係合する構成となっている。
【0402】そして、電磁作動式プランジャ手段90へ
の給電・非給電の際に生じるアーマチュアロッド92の
突出・没入運動により、作動ピン91および係合溝85
fを介して係止・解除レバー85を揺動するように構成
されている。
【0403】さて、このように構成された減速ギア手段
70の減速比変更制御は、次のように行われる。
【0404】先ず、低速制御時の状態から高速制御時の
状態への減速比変更制御について説明する。
【0405】この減速比変更制御は、マイコン55から
の指令、例えばT−W切り換え操作釦51を用いて前群
枠10を一方のスタート位置から他方のスタート位置に
移動させる指令や、前群枠10をいずれかのスタート位
置Ws,Tsに初期設定する際の指令(自動復帰のため
の巻き上げ終了信号を含む)を利用して行われる。
【0406】そして、この場合の制御は、係止・解除レ
バー85を揺動させる機械的な切換え制御と、この機械
的な切換え制御が行われている間、DCモータ33への
給電を接・断する電気的な切え換制御との協同作用で行
われ、しかも、DCモータ33に対する前群枠10を移
動させるための給電が行われる前にに実行されるように
構成されている。
【0407】さて、減速比変更の制御に際して、減速ギ
ア手段70のギア比を低速駆動時の減速比から高速制御
時の減速比に変更すべき指令がマイコン55から発せら
れると、先ず、ステップモータ給電回路が作動してシャ
ッタ駆動用ステップモータ81を時計方向に回転する。
【0408】この回転力は、シャッタ駆動用モータギア
82および仲介ギア83を経て切換えギア84に伝達さ
れ、この切換えギア84を時計方向へ回転させる。
【0409】そのため、切換えギア84に設けられた一
方の操作ピン84aが、係止・解除レバー85の一方の
腕部85aを、図で下方向へ押圧して、このレバー85
を捻ればね89の付勢力に抗して反時計方向へ回動させ
る。
【0410】さて、係止・解除レバー85が反時計方向
へ回動すると、他方の腕部85bに形成された屈曲部8
5cの外側係止面85eが、遊星ギア73の遊星支持軸
72bの外周面から離れる方向に移動して、外側係止面
85eによる遊星支持軸72bへの係止を解除すること
になる。
【0411】この状態で、シャッタ駆動用のステップモ
ータ81の回転を一時的に停止させると共に、DCモー
タ33を高速制御実現方向(図で反時計方向)へ回転さ
せると、DCモータ33の回転力は、駆動ギア34→ア
イドルギア71を経て太陽ギア72に伝達され、このギ
ア72を反時計方向へ回転させる。
【0412】そのため、遊星ギア73の大歯車G3は、
太陽ギア72の小歯車G2と噛合したままの状態(自転
しない状態)で、太陽ギア72の小歯車G2の周りを円
弧軌跡を描いて反時計方向へ移動し、遊星作用レバー7
2a  を、太陽ギア72の軸76を回転中心として反
時計方向へ公転させる。
【0413】その結果、遊星作用レバー72a上の遊星
支持軸72bに支持された遊星ギア73の小歯車G4と
、連結ギア74の小歯車G5とが互いに噛合することに
なる。
【0414】その後、この状態でモータ給電回路60か
らDCモータ33への給電を断つと共に、シャッタ駆動
用ステップモータ81を前とは逆の方向(反時計方向)
へ回転駆動させることにより、係止・解除レバー85を
追従的に時計方向に回転させて、係止・解除レバー85
に形成した屈曲部85cの内側係止面85dで遊星支持
軸72bの外周面を押圧し、この押圧作用によって、遊
星作用レバー72aを遊星ギア73と連結ギア74との
噛合位置に確実に係止させるようにする。
【0415】すなわち、ステップモータ81を反時計方
向へ回転すると、この回転力は、シャッタ駆動用モータ
ギア82および仲介ギア83を経て切換えギア84に伝
達されてこの切換えギア84を反時計方向へ回転させる
から、切換えギア84の一方の操作ピン84a  が、
係止・解除レバー85の一方の腕部85aから離れる方
向に移動する。
【0416】従って、係止・解除レバー85自身は、捻
ればね89の付勢力によりこれに追従して時計方向に回
転し、また、係止・解除レバー85の他方の腕部85b
  に形成した屈曲部85cが、係止・解除レバー85
の回転動作につれて遊星支持軸72bの円弧運動軌跡内
に入り込み、屈曲部85cの内側係止面85dをもって
遊星支持軸72bの外周面を押圧する。
【0417】そのため、遊星作用レバー72aは、遊星
ギア73と連結ギア74とが噛合する関係位置に確実に
係止されることになる。
【0418】すなわち、減速ギア手段70の連結状態は
、遊星ギア73が従動ギア31に直接噛合する前述の連
結状態から、前半のギア列34→71→72→73と後
半のギア列74→78→31とが連結する連結状態、す
なわち、従動ギア31を高速回転するのに適した減速比
(1/5.5)を実現する連結状態へと切換わる。
【0419】この場合、他方の操作ピン84bは、係止
・解除レバー85の一方の腕部85aの下側面に接し、
遊星ギア73と連結ギア74との噛合回転時に生じる、
遊星ギア73の噛合離脱作用に起因した係止・解除レバ
ー85の反時計方向への回動を阻止する。
【0420】従って、この状態でステップモータ81の
回転を停止させると共に、DCモータ33を目的とする
方向へ回転させると、前群枠10は、1/5.5の減速
比でいずれかのスタート位置Ws,Tsに向って高速で
変位することになり、初期設定動作および焦点距離の切
換え動作をスピード優先の高速制御で実施することが可
能となる。
【0421】次に、高速制御時の状態から低速制御時の
状態への減速比変更制御について説明する。
【0422】先の第1実施例の説明の項で述べたように
、図示実施例の可変焦点式レンズでは、前群枠10がい
ずれかのスタート位置Ws・Tsに初期設定されたとき
には、新たな撮影のための焦点合せが可能であるように
構成されている。
【0423】従って、この状態では、焦点合せ時の前群
枠10の停止位置精度を高めるために、減速ギア手段7
0の連結状態を低速制御時の減速比(例えば、1/20
)が得られる連結状態に設定しておく必要がある。
【0424】すなわち、図14の実線で示すように、減
速ギア手段70は、減速比変更手段80の係止・解除レ
バー85に形成された屈曲部85cが、遊星ギア73の
遊星支持軸72bの円弧移動軌跡内に入り込み、屈曲部
85cの外側係止面85eにより遊星ギア73の遊星支
持軸72bの外周面を係止して、遊星ギア73と従動ギ
ア31とが噛合する状態を維持し、前半のギア列34→
71→72→73だけで従動ギア31を回転させ得る低
速制御時の減速比、例えば1/20の減速比を実現する
状態に設定する必要がある。
【0425】そのため、第3実施例では、前群枠10が
いずれかのスタート位置Ws,Tsに初期設定された際
には、減速ギア手段70の連結状態を、自動的に高速駆
動時の状態から低速制御時の状態に変更し得るように構
成されている。
【0426】この減速比変更制御は、例えば前群枠10
の各スタート位置Ws,Tsへの初期設定動作が終了し
たとの信号に基いて行われるが、この場合の制御も、前
述した機械的な切換え制御と電気的な切換制御との協同
作用で行われ、しかも、DCモータ33に対する前群枠
10を移動させるための給電が行われる前に実行される
ように構成されている。
【0427】さて、減速比変更の制御に際して、マイコ
ン55から1/5.5の減速比から1/20の減速比へ
の減速比変更制指令が発せられると、先ず、シャッタ駆
動用ステップモータ81が時計方向に回転し、一方の操
作ピン84aを介して係止・解除レバー85を捻ればね
89の付勢力に抗して反時計方向へ回動させる。
【0428】その結果、係止・解除レバー85は、前述
したような作動順序に従って、その外側係止面85eに
よる遊星支持軸72bへの係止を解除する。
【0429】従って、この状態でステップモータ81の
回転を一時的に停止させるとともに、DCモータ33を
低速制御実現方向(図で時計方向)へ回転させると、D
Cモータ33の回転力は、駆動ギア34→アイドルギア
71を経て太陽ギア72に伝達され、このギア72を時
計方向へ回転させる。
【0430】そのため、遊星ギア73の大歯車G3は、
太陽ギア72の小歯車G2と噛合したままの状態(自転
しない状態)で、太陽ギア72の小歯車G2の周りを円
弧軌跡を描いて時計方向へ移動し、遊星作用レバー72
aを、太陽ギア72の軸76を回転中心として時計方向
へ公転させる。
【0431】この公転の結果、遊星作用レバー72a上
の遊星支持軸72bに支持された遊星ギア73の小歯車
G4  と従動ギア31とは、互いに噛合することにな
る。
【0432】従って、この状態でモータ給電回路60か
らDCモータ33への給電を断つと共に、シャッタ駆動
用ステップモータ81を前とは逆の方向(反時計方向)
へ回転駆動させると、係止・解除レバー85に形成した
屈曲部85cの外側係止面85eが遊星支持軸72bを
押圧して、遊星作用レバー72aを遊星ギア73と従動
ギア31との噛合位置に確実に係止する。
【0433】なお、この場合の作動順序は、遊星支持軸
72bへの押圧面が内側係止面85dから外側係止面8
5eに変るほかは、前述した高速制御時への減速比変更
制御の場合の作動順序と同じである。
【0434】この結果、減速ギア手段70の連結状態は
、前述の高速制御時の連結状態から、遊星ギア73が従
動ギア31に直接に噛合する連結状態、すなわち、前半
のギア列34→71→72→73と従動ギア31とが連
結する低速制御時(1/20の減速比の状態)の連結状
態へと切換わる。
【0435】この場合、捻ればね89の付勢力が、遊星
ギア73と従動ギア31との噛合回転時に生じる、遊星
ギア73の噛合離脱作用に起因した係止・解除レバー8
5の反時計方向への回動を阻止する。
【0436】そのため、この状態でステップモータ81
の回転を停止させると共に、DCモータ33をいずれか
の方向へ回転させると、前群枠10は、停止位置精度の
高い1/20の減速比で、目的とする方向に向って低速
変位することになる。
【0437】すなわち、減速ギア手段70の連結状態は
、焦点合せ時に必要な停止位置精度優先の連結状態に切
換ることになる。
【0438】なお、マイコン55によるステップモータ
給電回路からステップモータ81への給電タイミングや
、モータ給電回路60からDCモータ33への給電タイ
ミングは、前述の機械的な切換え制御と電気的な切換え
制御とを実現させ得るように予め構成して置くものとす
る。
【0439】以下、このように構成された第3実施例の
作用ないし作動について、図13〜図16を参照しなが
ら説明する。
【0440】第3実施例における初期設定制御、焦点距
離の切換え制御および各焦点距離での焦点合せ制御では
、第1実施例の制御方法および第2実施例の制御方法を
そのまま利用するすることができるので、煩雑さを避け
るため、以下の説明では第1実施例の制御方法を利用し
た場合を例として説明する。
【0441】この場合、図16がTELE撮影モードか
らWIDE撮影モードに切換えて撮影を行う場合の動作
フロー図であるので、前群枠10がTELE時のスター
ト位置Tsに置かれている状態を前提にして説明する。
【0442】前述したように、マイコン55には、前回
撮影時の撮影モードが記憶されているから、電源スイッ
チがオンされたときには、前群枠10は、TELEパタ
ーン43上の焦点合せ終了位置からTELE時のスター
ト位置Tsに初期設定されることになる。
【0443】この状態では、図13に示すように、前群
枠10がTELE時のスタート位置Tsに位置すると共
に後群枠20が前群枠10の後方光路内に挿入され、ま
た、減速ギア手段70は、前述したように1/20の低
速制御時の減速比を実現する連結状態に設定されること
になる。
【0444】従って、WIDE撮影モードでの撮影を望
む場合には、T−W切換え操作釦51を操作してTEL
E撮影モードをWIDE撮影モードに切換える必要があ
る。
【0445】さて、T−W切換え操作釦51がWIDE
撮影のモードに切換えられると、この切換え信号に基き
、マイコン55が減速比変更手段80に対して減速ギア
手段70の減速比を低速制御時の減速比(1/20)か
ら高速制御時の減速比(1/5.5)に変更すべき指令
を発する。
【0446】そのため、マイコン55による高速駆動時
の状態から低速制御時の状態への減速比変更制御が実行
されて、遊星作用レバー72aが遊星ギア73と連結ギ
ア74とを噛合する関係位置へと揺動し、減速ギア手段
70の連結状態を高速制御時の減速比(1/5.5)を
実現する連結状態へと切換えることになる。
【0447】すなわち、減速ギア手段70は、前半のギ
ア列34→71→72→73と後半のギア列74→78
→31とが連結する高速制御時の連結状態へと切換わる
(図16のS1を参照)。
【0448】一方、減速ギア手段70に対する減速比変
更制御が終了すると、マイコン55は、制御部50に対
して前群枠10をWIDEスタート位置Wsに移動させ
る指令を発するから、前群枠10は、高速制御時の減速
時の減速比(1/5.5)をもって高速に駆動され、第
1実施例の項で説明した制御方法に従ってWIDE時の
スタート位置Wsに移動する(図16のS2を参照)。
【0449】そして、後群枠20は、この前群枠10の
移動に伴って退避位置に移行して、主レンズ群Lmのみ
が撮影光軸O上に位置するWIDE時の光学系配置を実
現することになる。
【0450】このような前群枠10および後群枠20の
移動動作が終了すると、マイコン55は、減速比変更手
段80に対して減速ギア手段70の減速比を低速制御時
(焦点合せ時)の減速比(1/20)に変更すべき指令
を発する。
【0451】そのため、前述した高速制御時から低速制
御時への減速比変更の制御が実行されて、遊星作用レバ
ー72aが、遊星ギア73と従動ギア31とを噛合する
関係位置に揺動し、減速ギア手段70の連結状態を、低
速制御時の減速比(1/20)を実現する連結状態へと
切換える。
【0452】すなわち、減速ギア手段70は、前半のギ
ア列34→72→73と従動ギア31とが連結する低速
制御時の連結状態へと切換わる(図16のS3を参照)
。
【0453】この状態において、シャッタレリーズ釦5
2を押し下げると、その第1段レリーズで測光スイッチ
56が「オン」されて、WIDE時の焦点距離における
このときのAF距離情報が出力され、このAF距離情報
に対応した主レンズ群Lmの焦点合せ量が演算されて、
DCモータ33の回転数に換算された比較基準値が設定
される(図16のS4を参照)。
【0454】引続いてシャッタレリーズ釦52を押し下
げると、その第2段レリーズでモータ給電回路60から
DCモータ33への給電が開始されて同モータ33がW
IDE方向に回転し、低速制御時の減速比(1/20)
をもって駆動リードねじ6を回転させる。
【0455】そのため、前群枠10は、WIDEパター
ン42上をWIDE時のスタート位置Wsから露光開口
3の方向へ低速度で変位し、デジタル信号発生手段36
の働きによりそのときの焦点合せ量に対応した焦点合せ
位置に停止することになる。
【0456】この場合、前群枠10が低速度で変位して
いるため前群枠10の停止精度は極めて高くなる(図1
6のS5を参照)。
【0457】なお、前群枠10が焦点合せのための変位
を行っている間中、後群枠20は、退避姿勢を保ちつつ
カム板部材7の保持作用面7bに沿って変位することに
なる。
【0458】このような焦点合せ動作が終了すると、撮
影シーケンスに従ってシャッタのレリーズが行われて露
光が終了する(図16のS6を参照)。
【0459】そして、露光の終了に伴ってシャッタやフ
ィルムの巻き上げ動作が行われ、巻上げ動作が終了する
と、第1実施例の項で説明したように、マイコン55が
この巻上げ終了信号を受けて前群枠10をWIDE時の
スタート位置Wsに自動復帰させる(図16のS7を参
照)。
【0460】ところで、目的とする撮影が終了した後は
、この状態で撮影を中止することもできるが、再びWI
DE撮影モードで撮影したい場合には、このままの状態
でシャッタレリーズ釦52を操作して、新しいAF距離
情報に基く次のWIDE撮影を実行する。
【0461】一方、TELE撮影モードでの撮影を希望
する場合には、この状態からT−W切換え操作釦51を
操作して、可変焦点式レンズの状態をTELE撮影モー
ドに切換えて撮影する。
【0462】この場合、T−W切換え操作釦51がWI
DE撮影モードからTELE撮影モードに切換えられる
と、TELE撮影モードからWIDE撮影モードへの切
換えの場合と同様に、マイコン55が、このT−W切換
え操作釦51の切換え信号に基いて減速比変更手段80
に指令を発し、減速ギア手段70の減速比を、低速制御
時(焦点合せ時)の減速比(1/20)から高速制御時
の減速比(1/5.5)に変更することになる。
【0463】この場合、マイコン55により、高速制御
時の状態から低速制御時の状態への減速比変更制御が実
行されて、遊星作用レバー72aが遊星ギア73と連結
ギア74とを噛合する関係位置へと揺動して、減速ギア
手段70の連結状態を高速制御時の減速比(1/5.5
)を実現する連結状態へと切り換える(図16のS8を
参照)。
【0464】そして、この減速比変更動作が終了すると
、マイコン55から前群枠10をTELE時のスタート
位置Tsに移動させる指令が発せられ、第1実施例の項
で説明した制御方法が実行されて、前群枠10が、高速
制御時の減速比(1/5.5)をもってTELE時のス
タート位置Tsに高速移動することになる。
【0465】なお、前群枠10がTELE時のスタート
位置Tsへ移動する過程で、退避位置にあった後群枠2
0が連結スプリング27の直進的な付勢力および捻れば
ね25の旋回付勢力に引張られ、前群枠10の移動過程
で被写体方向に変位しつつ反時計方向に回転し、第1実
施例の項で説明したような動作を経て撮影光軸O上の所
定位置に正確にセットされる。
【0466】すなわち、主レンズ群Lmと副レンズ群L
sとがTELE撮影時の焦点距離を実現する関係位置に
設定される。
【0467】このような前群枠10および後群枠20の
移動動作が終了すると、マイコン55が再び減速比変更
手段80に対して高速制御時の減速比から焦点合せ時の
減速比に変更すべき指令を発して、減速ギア手段70の
減速比を焦点合せ時(低速制御時)の減速比を設定させ
る。
【0468】この場合の減速比変更制御も、前述したT
ELE撮影のモードからWIDE撮影モードへの切換え
時の減速比変更制御と同様の制御方法で実施されること
になる。
【0469】この状態において、シャッタレリーズ釦5
2を押し下げると、前述したように、その第1段レリー
ズでTELE時の焦点距離におけるAF距離情報が出力
され、そのときの焦点合せ量と比較基準値とが設置され
、引続くシャッタレリーズ釦52の第2段レリーズによ
り前群枠10が、低速度で被写体方向に変位し、そのと
きの焦点合せ量を実現する焦点合せ位置で精度良く停止
することになる。
【0470】この焦点合せ動作が終了すると、WIDE
撮影モードでの場合と同様に、シャッタのレリーズが行
われ、シャッタやフィルムの巻上げ動作の終了と共に、
マイコン55が、巻上げ信号終了に基いて減速ギア手段
70の減速比を焦点合せ時の減速比から高速制御時の減
速比に変更する。
【0471】従って、前群枠10は高速制御時の減速比
をもってTELE時のスタート位置Tsに高速度で自動
復帰する(図16のS9を参照)。
【0472】ところで、前群枠10を前回撮影終了時の
位置から各焦点距離のスタート位置Ws,Tsに位置さ
せる場合の制御方法、並びに、焦点距離を一方から他方
に切換える場合の制御方法については、第1および第2
実施例で記述されたもの以外に次のような制御方法も考
えられる。
【0473】なお、これらの制御方法においては、前群
枠10がいずれも高速制御時の減速比(1/5.5)を
もって移動することになる。
【0474】先ず、前群枠10をWIDE時のスタート
位置Wsに初期設定する場合を例にして、前群枠10を
いずれかのスタート位置Ws,Tsに位置させる場合の
制御方法を説明する。
【0475】(h)  前群枠10がWIDE時のスタ
ート位置Wsに在るときには、シャッタ駆動用ステップ
モータ81もDCモータ33も駆動しないように構成す
る。
【0476】(i)  前群枠10が左側エッジ部Wo
を含むWIDEパターン42上に在るときには、モータ
給電回路60からの電流をDCモータ33に付与して、
同モータ33をTELE方向に回転させ、摺動ブラシ1
6をWIDEパターン42上の位置から被写体方向に変
位させる。
【0477】そして、摺動ブラシ16がWIDE時のス
タート位置Wsに対応した位置に達した時点でDCモー
タ33への給電を断って、前群枠10をその位置に停止
させるように構成する。
【0478】この場合の前群枠10の変位量は、摺動ブ
ラシ16がWIDEパターン42上のどの位置にある場
合でも、摺動ブラシ16がWIDEパターン42の左側
エッジ部W0から外れた時点、すなわち、WIDEポジ
ションスイッチSWwがオフ信号を発した時点からのD
Cモータ33の回転数をもって決定する。
【0479】(j)  前群枠10がTELE時のスタ
ート位置Tsに在るときには、モータ給電回路60から
の駆動電流をDCモータ33に付与してこのモータ33
をWIDE方向に回転させる。
【0480】そして、前群枠10がWIDE時のスター
ト位置Wsに達した時点で、DCモータ33への給電を
断って前群枠10をその位置に停止させるように構成す
る。
【0481】この場合の前群枠10の変位量は、TEL
E時のスタート位置TsとWIDE時のスタート位置W
sとの間の距離を、予めDCモータ33の回転数に換算
して決定する。
【0482】(k)  前群枠10が右側エッジ部T0
を含むTELEパターン43上に在るときには、モータ
給電回路60からの電流をDCモータ33に付与して同
モータ33をWIDE方向に回転させ、摺動ブラシ16
がTELEパターン43上の位置から露光開口2aの方
向へ向うように前群枠10を変位させる。
【0483】そして、前群枠10がTELE時のスター
ト位置Tsを越えてWIDE時のスタート位置Wsに達
した時点で、DCモータ33への給電を断って前群枠1
0をその位置に停止させるように構成する。
【0484】この場合の前群枠10の変位量は、摺動ブ
ラシ16がTELEパターン43上のどの位置にある場
合でも摺動ブラシ16がTELEパターン43の右側エ
ッジ部T0から外れた時点、すなわち、TELEポジシ
ョンスイッチSWtがオフ信号を発した時点からのDC
モータ33の回転数をもって決定する。
【0485】また、前群枠10をTELE時のスタート
位置Tsに初期設定する場合の制御方法についてその概
略を説明する。
【0486】この制御方法は、前述したWIDE時のス
タート位置Wsへの初期設定制御の考え方と同様の考え
方に基いて行うように構成されてある。
【0487】すなわち、前述した(h)項〜(k)項の
制御方法に準じて、前回撮影終了時の摺動ブラシ16の
位置別に制御するように構成されているが、前群枠10
をWIDE時のスタート位置Wsに初期設定する場合と
の違う点、すなわち、初期設定すべき位置の違い・前回
撮影終了時における摺動ブラシ16の位置の違い・初期
設定する際の前群枠10の移動方向の違い等を考慮して
、(h)〜項(k)項の内容を読み換えて制御する。
【0488】次に、焦点距離を一方から他方に切換える
時の制御方法を概説する。
【0489】前述したように、焦点距離の切換え制御で
は、T−W切換え操作釦51のマニュアル的な切換え操
作によって、前群枠10を一方の焦点距離のスタート位
置から他方の焦点距離のスタート位置へ移動する必要が
ある。
【0490】この場合の制御方法は、TELE時の焦点
距離からWIDE時の焦点距離に切換えるときには前述
した(j)項の制御方法を用い、逆に、WIDE時の焦
点距離からTELE時の焦点距離に切換える時には、(
j)項の制御方法に準じた制御方法を用いるようにする
。
【0491】以上説明したようにこの第3実施例では、
1群以上の可動レンズ群(図示例では、前群枠10およ
び後群枠20)を変位させて、少なくとも2種類の焦点
距離(図示例では、WIDE撮影時とTELE撮影時と
の焦点距離)を実現し、初期設定動作と焦点距離の切換
え動作と各焦点距離での焦点合せ動作とを、共通的に利
用する1個の駆動モータと1個のリードねじ駆動手段と
で行う可変焦点式レンズにおいて、駆動モータとリード
ねじ駆動手段との間に設置した1組の伝達ギア手段のギ
ア比を、少なくとも高速制御時のギア比と低速制御時の
ギア比とに切換え可能に構成し、このギア比を目的に応
じて切換えることによって、初期設定時および焦点距離
の切換え時には可動レンズ群の変位動作をスピード優先
の高速制御で行い、焦点合せ時には可動レンズ枠の変位
動作を精度優先の低速制御で行い得るようにしたので、
リードねじ駆動方式の有利さを活かしつつ、迅速な焦点
距離の切換え動作と焦点合せ時における精度向上とを実
現することが可能となり、また、全体の構成を簡易化し
て低コスト化をも図ることが可能となった。
【0492】なお、第3実施例において、前述のギア伝
達手段のギア比を変更するための操作を、可変焦点式レ
ンズを装備したカメラのシャッタ駆動用モータの往復回
転動作を利用して機械的に行うように構成したときには
、既成の機構を利用し得る分だけ構成的に有利になると
いう効果を奏する。
【0493】また、第3実施例において、前述の操作を
電磁作動式プランジャ手段の往復変位動作を利用して行
うように構成したときには、駆動モータとリードねじ駆
動手段との設置位置の設計自由度が増すという効果を奏
する。
【0494】また、その外、第3実施例では前述の第1
および第2実施例での諸効果をも奏する。
【0495】また、第3実施例では、伝達ギア手段のギ
ア比を変更する場合に、図示例の遊星ギア機構や電磁作
動式プランジャ手段の外の方法で実施することも可能で
ある。
【0496】以上、3つの実施例について説明したが、
本発明は、これに限定されるものでなく、その要旨を変
更しない範囲内で種々に変形実施することが可能である
。
【0497】例えば、図示実施例では、撮影光学系が主
レンズ群と副レンズ群の2群から成る場合のみを示して
いるが、本発明は、これに限らず3群以上のレンズ群か
ら成る撮影光学系を有する可変焦点式レンズにも適用す
ることができることを付記する。
【0498】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明によれば、前述
した従来の第1および第2の問題点を解決して、焦点距
離の切換え時間を短縮することが可能となり、さらに、
焦点合せの際の人間工学的な不合理さを取り除くことの
可能な可変焦点式レンズを提供することができる。
【0499】また、前述した従来の第3の問題点を解決
して、新たな撮影のための初期設定動作や焦点距離の切
換え動作の際に発生しがちなモータ駆動手段の機械的な
送りガタの影響を除去し、さらに、焦点合せ動作の際の
デジタル信号の計数開始点を正確に設定することにより
、可動レンズ群の移動精度を向上せしめ得る可変焦点式
レンズを提供することができる。
【0500】さらに、前述した従来の第4の問題点を解
決して、新たな撮影のための初期設定動作(自動復帰動
作を含む)と焦点距離の切換え動作と各焦点距離での焦
点合わせ動作のと3つの動作を、これらの動作に共通し
て作用する1個の駆動モータと1個のリードねじ駆動手
段によって行う際に、駆動モータと1個のリードねじ駆
動手段との間に設置する伝達ギア手段のギア比を目的に
応じて切換えることにより、初期設定動作および焦点距
離の切換え動作はスピード優先の高速制御で行い、各焦
点距離での焦点合せ動作は精度優先の低速制御で行い得
る可変焦点式レンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可変焦点式レンズに係る実施例の分解
斜視図で、TELE撮影時の状態に在るときを示すもの
である.
【図2】図1の実施例の要部構成を示す概略側断面図を
示す。
【図3】図1および図2の状態にある可変焦点式レンズ
を上方から見た場合の上方視構成図である。
【図4】図1の可変焦点式レンズにおける後群枠の基部
付近の一変形例を示す部分断面図である。
【図5】撮影光軸に対する主レンズ群と副レンズ群との
倒れ状態の一例を説明するための説明図である。
【図6】撮影光軸に対する主レンズ群と副レンズ群との
倒れ状態の他の例を説明するための説明図である。
【図7】WIDEポジションスイッチおよびTELEポ
ジションスイッチを構成するWIDEパターン・TEL
Eパターン、グランドパターンの関係配置を示す関係配
置図である。
【図8】可変焦点式レンズにおけるWIDE−TELE
切換え制御の一制御例を示す説明図である。
【図9】図1に示す可変焦点式レンズの制御部を示すブ
ロック図である。
【図10】モータの回転状態を説明するための特性図で
あり、このうち符号(a)は、コギングによるモータの
自走回転トルクの変化を示しており、符号(b)は、自
走回転トルクの変化に伴うモータの最終停止位置を示し
ており、符号(c)および符号(d)は、自走回転トル
クの変化に伴う本発明のDCモータの最終停止位置を示
している。
【図11】WIDE撮影モードでの撮影からTELE撮
影モードに切換えて撮影を行う場合の動作フロー図であ
る。
【図12】可変焦点式レンズにおけるWIDE−TEL
E切換え制御の他の制御例を示す説明図である。
【図13】DCモータと駆動リードねじ手段との間に減
速ギア手段を有する可変焦点式レンズの実施例に係る分
解斜視図で、TELE撮影時の状態に在るときを示す。
【図14】駆動リードねじ手段とDCモータとの間に介
在設置された減速ギア手段とその減速比変更手段を示す
部分的な概略平面図である。
【図15】この減速比変更手段の他の変形例を示す部分
的な概略平面図である。
【図16】DCモータと駆動リードねじ手段との間の減
速ギア手段を有する可変焦点式レンズの実施例を使用し
、TELE撮影モードの状態からWIDE撮影モードに
切換えて撮影を行う場合の動作フロー図である。
【図17】副レンズ群を撮影光路に対して挿脱すること
により焦点距離を変更し、それぞれの焦点距離毎の各レ
ンズ群の移動位置を焦点距離検出部材で規定する形式の
従来型の可変焦点式レンズの構造を説明するための斜視
図である。
【図18】図17に示す従来型の可変焦点式レンズに使
用されているパターン基板のスイッチパターンの配置図
である。
【符号の説明】
1  可変焦点式レンズの鏡胴 Lm  主レンズ群 Ls  副レンズ群 O  撮影光軸 2  鏡胴本体 2a  露光開口 3  レンズ鏡枠 4  共通ポール 5  回転阻止用ポール 6  駆動リードねじ 7  カム板部材 7a  押下げ作用面 7b  保持作用面 10  前群枠 11  枠本体 11b  突起 12  補助枠部 13a,13b  ダブルステー 14  T−Wナット 15  駆動リードナット 16  摺動ブラシ 20  後群枠 21  先端部 21a  位置決め突起 22  基部 22a,22c  T−Wナット 23  ステー 24  係脱ピン 25  捻ればね 26  被動突起 27  連結スプリング 28  調整ねじ 29  圧縮ばね 31  従動ギア 32  ロータリー・エンコーダ 33  DCモータ 34  駆動ギア 35  フォトインタラプタ 36  デジタル信号発生手段 40  ポジション台 41  ポジションスイッチ基板 42  WIDEパターン 43  TELEパターン SWw  WIDEポジションスイッチSWt  TE
LEポジションスイッチ44  グランドパターン 45  支持端部 50  制御部 51  T−W切換え操作釦 52  シャッタレリーズ釦 53  AF用IC 54  モータ駆動IC 55  マイコン 56  測光スイッチ 60  モータ給電回路 70  減速ギア手段 71  アイドルギア 72  太陽ギア 72a  遊星作用レバー 72b  遊星支持軸 73  遊星ギア 74  連結ギア 78  中間ギア 80  減速比変更手段 81  シャッタ駆動用ステップモータ82  シャッ
タ駆動用モータギア 84  切換えギア 85  係止・解除レバー 89  捻ればね G1〜G8  各歯車 90  電磁作動式プランジャ手段 91  アーマチュアロッド 92  作動ピン W  WIDE時の焦点合せ領域 Ws  WIDE時のスタート位置 W0  WIDEパターンの左側エッジ部W1  TE
LE時の最至近撮影位置 W2  WIDE時の無限遠撮影位置 T  TELE時の焦点合せ領域 Ts  TELE時のスタート位置 T0  TELEパターンの右側エッジ部T1  TE
LE時の至近撮影位置 T2  TELE時の無限遠撮影位置

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  1群以上の可動レンズ群を変位させる
    ことにより、少なくとも第1の焦点距離と第2の焦点距
    離とを実現することのできる撮影光学系を具えた可変焦
    点式レンズにおいて、前記撮影光学系が前記第1の焦点
    距離を実現したときの、無限遠から最至近までの撮影距
    離範囲に対応する焦点合せ領域を第1焦点合せ領域とし
    て設定すると共に、前記第1の焦点距離を実現したとき
    の可動レンズ群の合焦駆動開始位置を第1合焦駆動開始
    位置として設定し、前記撮影光学系が前記第2の焦点距
    離を実現したときの、無限遠から最至近までの撮影距離
    範囲に対応する焦点合せ領域を第2焦点合せ領域として
    設定すると共に、前記第2の焦点距離を実現したときの
    可動レンズ群の合焦駆動開始位置を第2合焦駆動開始位
    置として設定し、前記第1焦点合せ領域と前記第2焦点
    合せ領域とを撮影光軸上の異なる領域に直列的に配設す
    ると共に、前記第1合焦駆動開始位置と前記第2合焦駆
    動開始位置とを前記第1焦点合せ領域と第2焦点合せ領
    域との間の撮影光軸上に間隔を隔てて設定し、前記可変
    焦点式レンズが撮影可動状態にセットされたときの可動
    レンズ群の初期設定位置を、前記2つの合焦駆動開始位
    置のいずれかに設定するように構成すると共に、焦点距
    離を一方から他方へ切換えたときには、その切換操作信
    号に基いて、前記可動レンズ群が一方の合焦駆動開始位
    置から他方の合焦駆動開始位置へ変位し得るように構成
    し、一方の合焦駆動開始位置から他方の合焦駆動開始位
    置への前記可動レンズ群の変位動作と、各々の焦点合せ
    領域におけるそれぞれの焦点合せ動作とを、同一のレン
    ズ群駆動手段によって行い得るように構成したことを特
    徴とする可変焦点式レンズ。
  2. 【請求項2】  前記第1の焦点距離を短焦点距離とし
    、前記第2の焦点距離を長焦点距離としてそれぞれ設定
    すると共に、前記第1の焦点距離における最至近撮影距
    離に対応する焦点合せ位置を前記第1合焦駆動開始位置
    に近接して設定し、前記第2の焦点距離における無限遠
    撮影距離に対応する焦点合せ位置を前記第2合焦駆動開
    始位置に近接して設定するように構成したことを特徴と
    する請求項1に記載の可変焦点式レンズ。
  3. 【請求項3】  前記撮影光学系を、撮影光軸に沿って
    変位するように設けられた主レンズ系と、撮影光軸上の
    作用位置に挿入可能に且つ該作用位置から撮影光軸外の
    退避位置に離脱可能に設けられた副レンズ系とから構成
    し、前記主レンズ系のみを撮影光軸上に位置させて前記
    第1の焦点距離を実現し、前記主レンズ系を撮影光軸に
    沿って変位させつつ前記副レンズ系を撮影光軸上の所定
    位置に挿入することによって第2の焦点距離を実現し得
    るように構成したことを特徴とする請求項1または2に
    記載の可変焦点式レンズ。
  4. 【請求項4】  前記レンズ群駆動手段を、モータ駆動
    で回転される1本のリードねじを含むモータ駆動手段と
    して構成したことを特徴とする請求項1ないし3のいず
    れかに記載の可変焦点式レンズ。
  5. 【請求項5】  前記第1合焦駆動開始位置に最も近接
    した第1焦点合せ領域内の位置に、前記第1焦点合せ領
    域における焦点合せ量の計数基準位置である第1計数基
    準位置を設定し、前記第2合焦駆動開始位置に最も近接
    した第2焦点合せ領域内の位置に、前記第2焦点合せ領
    域における焦点合せ量の計数基準位置である第2計数基
    準位置を設定して、前記可動レンズ群が各々の合焦駆動
    開始位置から各々の焦点合せ量の計数基準位置に変位す
    る間の運動によって前記レンズ群駆動手段の機械的な送
    りガタを吸収し得るように構成し、さらに、各々の焦点
    距離における前記可動レンズ群の焦点合せ量を決定する
    デジタル信号を発生させるデジタル信号発生手段と、こ
    のデジタル信号発生手段で発生したデジタル信号をカウ
    ントするためのデジタル信号計数手段とを設けて、各々
    の焦点合せ領域における焦点合せの際に、前記可動レン
    ズ群がそれぞれの焦点距離における前記計数基準位置に
    至った信号に基いて、前記デジタル信号計数手段の計数
    開始を実行し得るように構成したことを特徴とする請求
    項4に記載の可変焦点式レンズ。
  6. 【請求項6】  焦点距離を一方から他方へ切換えたと
    きに、前記可動レンズ群が目的とする前記計数基準位置
    を一度通過した後に前記モータ駆動手段を逆方向に駆動
    するように、また、前記可動レンズ群が前記計数基準位
    置を逆方向から再度通過してからモータ駆動手段を所定
    量だけ駆動させた後に、モータ駆動手段を停止させるよ
    うに制御することを特徴とする請求項5に記載の可変焦
    点式レンズ。
  7. 【請求項7】  前記第1の焦点距離に係る合焦駆動開
    始位置と前記計数基準位置とを同一の位置に設定し、前
    記第2の焦点距離に係る合焦駆動開始位置と計数基準位
    置とを同一の位置に設定するように構成したことを特徴
    とする請求項5または6に記載の可変焦点式レンズ。
  8. 【請求項8】  前記レンズ群駆動手段を、前記2つの
    合焦駆動開始位置の間の可動レンズ群の変位動作と各焦
    点合せ領域におけるそれぞれの焦点合せ動作とを、ギア
    比可変式の伝達ギア手段を介して行い得る構造のレンズ
    群駆動手段として構成し、  前記ギア比可変式の伝達
    ギア手段に、レンズ群駆動手段を低速のギア比で作動さ
    せ得る低速ギア列と、高速のギア比で作動させ得る高速
    ギア列と、この2つのギア列を切換え得るギア比変更手
    段とを設け、各焦点距離の焦点合せ領域における前記可
    動レンズ群の変位動作は、前記伝達ギア手段の低速ギア
    列を使用して行い、前記可動レンズ群を各焦点合せ領域
    における焦点合せ位置からそれぞれの前記合焦駆動開始
    位置へ変位させるときの可動レンズ群の変位動作、およ
    び、前記2つの合焦駆動開始位置の間を変位させるとき
    の前記可動レンズ群の変位動作は、それぞれ、前記伝達
    ギア手段の状態を低速ギア列を使用する状態から前記高
    速ギア列を使用する状態に変更した後に行うように構成
    したことを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記
    載の可変焦点式レンズ。
  9. 【請求項9】  前記低速ギア列と前記高速ギア列とを
    変更するための操作を、前記可変焦点式レンズを装備し
    たカメラのシャッタ駆動用モータにおける往復回転動作
    の余剰回転動作を利用して行い得るように構成したこと
    を特徴とする請求項8に記載の可変焦点式レンズ。
  10. 【請求項10】  前記低速ギア列と高速ギア列とを変
    更するための操作を、電磁作動式プランジャ手段の往復
    変位動作を利用して行い得るように構成したことを特徴
    とする請求項8に記載の可変焦点式レンズ。
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