JPH04212819A - プラスチックレンズの製造方法 - Google Patents

プラスチックレンズの製造方法

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JPH04212819A
JPH04212819A JP3962991A JP3962991A JPH04212819A JP H04212819 A JPH04212819 A JP H04212819A JP 3962991 A JP3962991 A JP 3962991A JP 3962991 A JP3962991 A JP 3962991A JP H04212819 A JPH04212819 A JP H04212819A
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plastic molded
molding material
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mold
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Shuji Ito
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチックレンズ等
に代表されるプラスチック成形品の製造方法に関し、特
に、注型用型材からのプラスチック成形品の離型技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】注型用型材の内部にモノマーまたはプレ
ポリマーを成形材料(成形原料)として注入して、重合
転換させ、所要形状のプラスチック成形品を製造する方
法は、例えばプラスチックレンズの製造方法に応用され
ている。このような注型法によるプラスチックレンズの
製造方法を説明する。
【0003】まず、内面に所要の曲率を有する一対のガ
ラスセル(母型)を、その外周縁側に配置された合成樹
脂からなる環状ガスケットを介して対向させることによ
って、プラスチックレンズの注型用型材を形成する。次
に、その内部に成形材料を注入する。成形材料としては
、例えば重合触媒や紫外線吸収材が溶解、混合されたジ
エチレングリコールビスアリルカーボネートを主成分と
した液状モノマーが使用される。または、重合時の体積
収縮によって発生する内部応力を緩和するために、予め
モノマーを予備重合した液状プリポリマーが使用される
。この注入工程の後に、注型用型材を加熱炉内に収容し
、注入された液状の成形材料を重合転換させて硬化させ
る重合工程を行う。これにより、液状の成形材料は固形
化されて、プラスチックレンズを形成する。この重合工
程の後に、注型用型材から環状ガスケットを取外し、さ
らにガラスセルとプラスチックレンズとを離型する離型
工程を行って、プラスチックレンズを製造する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の製造
方法においては、成形されたプラスチックレンズとガラ
スセルとの密着性が高いので、離型工程において、プラ
スチックレンズからガラスセルを取り外すために大きな
力を加える必要がある。特に、屈折力の大きな凸レンズ
を成形する場合には、大きな力を必要とする。例えば、
球面屈折力Sが+3.00D(Dはディオプトリーを示
す。)以上であるプラスチック球面レンズ、または円柱
屈折力Cが+0.25D以上で、かつ球面屈折力Sとの
和(S+C)が+3.00以上であるプラスチックレン
ズの場合に、大きな力を必要とする。しかしながら、過
大な力を加えてレンズの取外し操作を行うと、プラスチ
ックレンズにクラックが発生する、またはガラスセルが
破損してしまう等の弊害を招く。このために、ある程度
以上の力を加えることは不可能である。
【0005】離型が容易となるようにするために、予め
離型剤を注型用型材の内部に塗布しておき、プラスチッ
クレンズと注型用型材との密着性を低くする方法が提案
されている。しかし、この方法では、離型剤を塗布する
ための工程が必要となり、また塗布条件の管理が極めて
困難である。
【0006】以上の問題点に鑑み、本発明の課題は、プ
ラスチック成形品と注型用型材との密着力を適正な値に
まで低下させて、効率よく離型工程を行うことが可能な
プラスチック成形品の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の方法は、液状の
成形材料を注型用型材内部に注入する注入工程と、次に
液状の成形材料を重合して硬化させる重合工程と、その
後に硬化させた成形品を注型用型材内部から取り外す離
型工程とを有し、上記の液状の成形材料には、成形材料
を硬化させるための重合温度よりも高い沸点を有し、重
合反応に関与しない不活性液体が予め添加されているこ
とを特徴としている。
【0008】また、本発明の製造方法における離型工程
において、注型用型材を加温する加温操作を行うことが
望ましい。さらには、加温操作と冷却操作によって、注
型用型材に熱衝撃を与えることが望ましい。
【0009】ここで、不活性液体は、80℃以上の沸点
を有する飽和有機化合物であることが望ましく、例えば
プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノー
ル、ヘプタノールからなるアルコール類、ヘプタン、オ
クタン、ノナン、デカンからなる炭化水素類、ジプロピ
ルエーテル、ジブチルエーテルからなるエーテル類、及
びフッ素系不活性液体からなる群のうちの少なくとも1
種類の液体からなることが好ましく、この場合における
飽和有機化合物の添加量は、注型材料に対して300p
pm以上かつ10000ppm以下であることが効果的
である。
【0010】また、不活性液体は水であってもよく、こ
の場合における水の添加量は、注型材料に対して300
ppm以上かつ5000ppm以下であることが効果的
である。不活性液体が水からなる場合には、2450M
Hzを中心とした周波数帯のマイクロ波を注型用型材に
照射する操作を有していてもよい。
【0011】本発明の方法は、特にプラスチックレンズ
の製造に適用することが好ましい。
【0012】この場合には、注型用型材として、一対の
母型がその外周縁側に配置された環状のガスケットを介
して対向し、その内部に、成形するプラスチックレンズ
形状の空間が形成されている構造のものを用いることが
できる。
【0013】
【作用】本発明に係るプラスチック成形品の製造方法に
おいて、液状の成形材料には、この成形材料を硬化させ
るための重合温度よりも高い沸点を有し、この重合反応
に関与しない不活性液体を予め添加してある。この不活
性液体は、重合工程において、重合反応により硬化して
いく成形材料から押し出されて、重合反応が終了したと
きには、プラスチック成形品と注型用型材内面壁との間
に層を形成する。
【0014】この層によって、プラスチック成形品と注
型用型材内面壁との密着性が低下する。従って、離型工
程においては、過大な力を要することなく、プラスチッ
ク成形品を注型用型材から外すことができる。ここに、
不活性液体は重合温度よりも高い沸点を有しているので
、注型用型材の内部で気化して発泡することがない。 このため、プラスチック成形品の表面の平滑度が低下す
ることがない。
【0015】また、離型工程において、注型用型材を加
温すると、不活性液体がプラスチック成形品と注型用型
材内面壁との間で気化して、体積膨張する。この体積膨
張による力は、プラスチック成形品と注型用型材とを引
き剥がす力として作用するので、この力のみによって、
あるいは小さな外力を加えることによって、容易にプラ
スチック成形品から注型用型材を取り外すことができる
【0016】さらに、注型用型材に加温操作と冷却操作
を行って、熱衝撃を与えた場合には、プラスチック成形
品と注型用型材内面壁との間で、不活性液体の気化によ
る体積膨張及び凝縮による体積収縮を生じる。この応力
によって、プラスチック成形品と注型用型材とを、より
離型しやすくなる。
【0017】本発明で使用する不活性液体が、80℃以
上の沸点を有する飽和有機化合物、例えばプロパノール
、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノ
ールからなるアルコール類、ヘプタン、オクタン、ノナ
ン、デカンからなる炭化水素類、ジプロピルエーテル、
ジブチルエーテルからなるエーテル類及びフッ素系不活
性液体からなる群のうちの少なくとも1種類の液体から
なる場合、または水である場合には、重合工程において
、重合温度を80℃付近の高温にまで設定することがで
きるので、重合温度を低く設定する必要がなく、使用す
る成形材料の選択の範囲が広がる。
【0018】また、不活性液体が水であり、離型工程に
おいて、2450MHzを中心とした周波数帯のマイク
ロ波を注型用型材に照射する操作を有する場合には、プ
ラスチック成形品と注型用型材の間で層を形成している
水を選択的に誘電加熱でき、加熱によって成形品を変形
させることなく、加温操作を行うことができる。
【0019】
【実施例】実施例1〜5 次に、本発明の実施例1〜5に係る製造方法について説
明する。
【0020】まず、モノマーとしてジエチレングリクー
ルビスアリルカーボネート100重量部と、重合触媒と
してジイソプロピルパーオキシカーボネート1重量部と
を配合した基本組成に、さらに不活性液体として、水、
イソプロピルアルコール、またはn−ヘプタンを加え、
低温で均一になるように攪拌した後に、減圧脱泡し、液
状の成形材料を調製した。ここで、ジエチレングリクー
ルビスアリルカーボネートとしては、PPG社製のCR
−39を使用した。これらの成形材料とプラスチックレ
ンズの度数を組み合わせて、実施例1〜5に係る製造方
法の条件を設定した。
【0021】一方、基本組成は同一であって、上記の不
活性液体を添加しない成形材料と、プラスチックレンズ
の度数を組み合わせて、比較例1〜5に係る製造方法の
条件を設定した。ここで、プラスチックレンズの度数は
、その製造に使用したガラスセル(母型)の内面壁の曲
率半径によって設定されるものであり、球面屈折力Sと
円柱屈折力Cとで示される。これらの設定条件を表1に
示す。
【0022】
【表1】
【0023】次に、表1に示す各条件について、図1に
示すプラスチックレンズの注型用型材を使用してプラス
チックレンズを製作した。
【0024】図1は、成形材料を注入した状態のプラス
チックレンズの注型用型材の構造を示す断面図である。
【0025】同図において、1は注型用型材であり、一
対のガラスセル2,2′と、これらのガラスセル2,2
′の間に一定の空間を保持するように配置され、この空
間に注入された注型材料を密封するための環状ガスケッ
ト3とから構成されている。
【0026】ここで、ガラスセル2,2′の内面は、成
形すべきプラスチックレンズ形状に対応する空間を形成
できるように、一定の曲率半径をもって加工されており
、その表面は、高い精度をもつ平滑面に研磨されている
。一方、環状ガスケット3は柔軟性を備えるエチレン−
酢酸ビニル共重合体からなるものである。そして、ガラ
スセル2,2′は、この状態を保持するように、厚さ3
5μmの型締め用テープによって固定されている。
【0027】この状態で、まず注入工程において、注型
用型材1の環状ガスケット3に設けられている注入孔3
′から、液状の成形材料4を気泡が混入しないように注
入する。
【0028】次に、重合工程において、加熱重合炉に注
型用型材1を入れて、35℃から80℃まで20時間を
かけて徐々に昇温し、成形材料4を重合転換させて、硬
化させ、成形材料4を固形化する。この固形化した成形
材料4がプラスチックレンズ4′となる。
【0029】その後に、離型工程において、まず型締め
用テープが除去され、次に環状ガスケット3が取り外さ
れる。次に、注型用型材1を40℃にまで加温して、ガ
ラスセル2,2′を互いに反対方向に引き離し、プラス
チックレンズ4′をガラスセル2,2′から離型する。
【0030】このとき、引き離しに要した力を離型力と
して測定すると共に、プラスチックレンズの割れ及びガ
ラスセルの割れの発生個数を調査した。
【0031】その結果を、表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】表2に示すとおり、実施例1〜5に係るい
ずれの製造方法においても、ガラスセルの離型力は低下
している。また、プラスチックレンズの割れ及びガラス
セルの割れは発生していない。一方、比較例1〜5にお
いては、ガラスセルの離型力は高いレベルであり、プラ
スチックレンズ、またはガラスセルの割れが発生してい
る。このように、本実施例の製造方法において、高い歩
留りが得られた。
【0034】次に、実施例1〜5に係る製造方法におけ
る離型工程において、環状ガスケット3を取外した後に
、ガラスセル2,2′の外周縁の隙間に楔を打ち込んで
、隙間を押し広げる操作によって、プラスチックレンズ
4′とガラスセル2,2′とを離型した。その結果、そ
のような操作によっても、プラスチックレンズの不良及
びガラスセルの破損が発生することなく離型できた。
【0035】また、このような操作を、加温した状態で
行うと、より小さな力で離型することができ、プラスチ
ックレンズの不良及びガラスセルの破損の発生をより確
実に防止できた。
【0036】さらに、注型用型材1に、加熱操作、冷却
操作を行って、熱衝撃を与えた場合には、不活性液体の
気化による体積膨張が離型力として作用し、プラスチッ
クレンズからガラスセルが、外力を加えることなく離型
できた。
【0037】このように、実施例1〜5に係る製造方法
においては、成形材料に不活性液体が配合されているの
で、重合工程において、不活性液体は、重合により硬化
して、固形化していく成形材料4の内部から押し出され
ていく。その結果、プラスチックレンズ4′とガラスセ
ル2,2′との界面に不活性液体が層を形成するため、
これらの密着性は低下する。それ故、離型するために、
過大な力を要しないので、離型時にプラスチックレンズ
及びガラスセルが破損することがない。
【0038】しかも、加温操作、楔を使用しての隙間を
押し広げる操作、及び熱衝撃を与えるために加熱操作、
冷却操作を利用した場合には、より容易に離型できる。
【0039】ここで、実施例1に係る製造方法において
、添加した水(不活性液体)の添加量を、基本組成の成
形材料に対して0〜10000ppmの範囲で変えて、
水分濃度とプラスチックレンズの不良発生率の関係を調
査した。不良発生率は、離型工程におけるプラスチック
レンズの割れ(クラック)の発生数、及びプラスチック
レンズの形状精度が低下した試料数から算出した。
【0040】その結果を、図2に示す。
【0041】図2は、添加した水分濃度とプラスチック
レンズの不良発生率の関係を示すグラフであり、同図に
示すとおり、水分濃度が成形材料に対し300ppm以
上かつ5000ppm以下において、不良発生率が0%
であった。ここで、水分濃度が300ppm未満におい
ては、従来の製造方法に比して改善効果は確認されたが
、添加量不足による割れが一部の試料に発生した。一方
、水分濃度が5000ppmを越える濃度においては、
水分過多によって重合初期から水の層が形成されるため
、プラスチックレンズの形状の精度が低下した不良品が
一部に発生した。従って、添加する水の量としては、3
00ppm以上かつ5000ppm以下が特に効果的で
ある。
【0042】一方、イソプロピルアルコール、n−ヘプ
タンの添加量と不良発生率の関係においては、300p
pm以上かつ10000ppm以下において、特に改善
効果が確認された。
【0043】実施例6〜10 次に、実施例1〜5に対して、成形材料、添加する不活
性液体及びプラスチックレンズの度数を変えた実施例6
〜10に係る製造方法について説明する。
【0044】本例におけるモノマーとしては、2,2−
ビス(4−アリルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)
プロパン50重量部と、ジアリルテレフタレート30重
量部と、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート
20重量部からなる混合系を使用し、これに重合触媒と
して、ジイソプロピルパーオキシカーボネート2重量部
を配合したものを基本組成とした。さらに、不活性液体
として、水、1−ペンタノール、1−ヘプタノール、ま
たはジプロピルエーテルを添加し、低温で均一に攪拌し
て成形材料を調製した。この成形材料とプラスチックレ
ンズの度数とを組み合わせて、表3に示す実施例6〜1
0に係る製造方法の条件を設定し、一方、不活性液体を
添加しない成形材料を、比較例6〜10に使用した。
【0045】
【表3】
【0046】以上の設定条件に基づいて、実施例1〜5
に係る製造方法と同様の工程を行い、ガラスセルの離型
力を測定すると共に、プラスチックレンズの割れ及びガ
ラスセルの割れを調査した。ここで、重合工程における
重合条件は、35℃から22時間をかけて80℃まで昇
温する条件で行った。
【0047】その結果を、表4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】表4に示すとおり、実施例6〜10のいず
れの製造方法においても、ガラスセルの離型力は、比較
例6〜10に比して、適度に低下している。その結果、
プラスチックレンズの割れ及びガラスセルの割れは発生
していない。
【0050】このように、実施例6〜10に係る製造方
法においても、前述の実施例1〜5に係る製造方法と同
様に、不活性液体の添加効果によって、プラスチックレ
ンズとガラスセルとの密着性が低下しているため、過大
な力がかからないので、プラスチックレンズ及びガラス
セルを損傷することなく離型できた。
【0051】さらに、上記の不活性液体に代えて、フッ
素系不活性液体として、住友スリーエム社製のフロリナ
ートFC−84(沸点80℃),FC−74(沸点97
℃),FC−75(沸点102℃)を使用しても、同様
の効果が確認された。
【0052】実施例11〜15 本例における成形材料の基本組成としては、実施例1〜
5に係る製造方法と同一組成であるジエチレングリクー
ルビスアリルカーボネート100重量部−ジイソプロピ
ルパーオキシカーボネート1重量部を使用した。また、
不活性液体としては、0.1重量部の水を配合した液状
の成形材料を使用して、表5に示すとおり、プラスチッ
クレンズの度数を変え、実施例11〜15に係る製造方
法を評価した。さらに、水を添加しない成形材料を使用
して、比較例11〜15の製造方法に使用した。
【0053】
【表5】
【0054】以上の設定条件に基づいて、実施例1〜5
に係る製造方法と同様に、注入工程及び重合工程を行っ
た。その後の離型工程においては、重合工程を終了した
注型用型材から型締め用テープ及び環状ガスケットを除
去した後に、ガラスセルに2450MHzを中心とした
周波数帯のマイクロ波を照射して、ガラスセルとプラス
チックレンズとの間の水の層を選択的に加熱した。その
結果、実施例11〜15に係る製造方法においては、外
力を加えることなく、離型することができた。
【0055】しかしながら、比較例11〜15において
は、マイクロ波の照射によっては、離型することができ
なかった。そこで、比較例11〜15については、ガラ
スセル間の隙間に楔を打ち込んで離型した。その離型工
程後の、プラスチックレンズの不良発生個数を表6に示
す。
【0056】
【表6】
【0057】表6に示すとおり、実施例11〜15に係
るいずれの製造方法においても、プラスチックレンズの
割れ、及びプラスチックレンズの変形、及びガラスセル
の割れは発生していない。これらに比して、比較例11
〜15においては、マイクロ波の照射では、離型を行う
ことができず、しかもプラスチックレンズ及びガラスセ
ルの損傷が発生している。
【0058】このように、実施例11〜15に係る製造
方法においては、重合工程において形成されたプラスチ
ックレンズと注型用型材との間の水の層を、マイクロ波
の照射によって、選択的に誘電加熱するので、水の気化
による体積膨張を利用して離型することができる。従っ
て、離型工程において、複数の製品に対して一括に離型
することができ、離型工程の効率改善を実現できる。
【0059】実施例16〜20 次に、実施例11〜15に対して、成形材料、及びプラ
スチックレンズの度数を変えた第16〜20実施例に係
る製造方法について説明する。
【0060】本例における成形材料においては、実施例
6〜10に係る製造方法と同一基本組成の2,2−ビス
(4−アリルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロ
パン50重量部−ジアリルテレフタレート30重量部−
ジエチレングリコールビスアリルカーボネート20重量
部系を使用し、これに、2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン0.2重量部と、ジイソプロピルパーオ
キシカーボネート1重量部と、不活性液体として0.0
5重量部の水を添加したものを使用した。この成形材料
と、プラスチックレンズの度数を組み合わせて、実施例
16〜20に係る製造方法の条件を設定した。さらに、
水を添加しない成形材料を、比較例16〜20に使用し
た。設定条件を表7に示す。
【0061】
【表7】
【0062】以上の設定条件に基づいて、実施例11〜
15に係る製造方法と同様の工程を行い、プラスチック
レンズの割れ、変形、及びガラスセルの割れを調査した
。なお、重合工程における重合条件は、35℃から22
時間をかけて80℃まで昇温する条件で行った。ここで
も、実施例16〜20に係る製造方法においては、マイ
クロ波の照射による離型操作を利用できたが、比較例1
6〜20においては、マイクロ波の照射では離型できず
、楔の打ち込みによって離型した。
【0063】表8に、離型工程後の、プラスチックレン
ズの割れ、変形、及びガラスセルの割れの調査結果を示
す。
【0064】
【表8】
【0065】表8に示すとおり、実施例16〜10に係
るいずれの製造方法においても、プラスチックレンズの
割れ、変形、及びガラスセルの割れは発生していない。
【0066】このように、実施例16〜20に係る製造
方法においては、前述の実施例11〜15に係る製造方
法と同様に、マイクロ波の照射する操作によって、プラ
スチックレンズ及びガラスセルを破損することなく離型
でき、極めて効率がよい。
【0067】このようなプラスチックレンズの製造方法
に使用する液状の成形材料として、エチレングリコール
ビスアリルカーボネート、ジエチレングリコールビスア
リルカーボネート、トリエチレングリコールビスアリル
カーボネート、テトラエチレングリコールビスアリルカ
ーボネート、ペンタエチレングリコールビスアリルカー
ボネート、ポリプロピレングリコールビスアリルカーボ
ネート、トリメチレンエチレングリコールビスアリルカ
ーボネート、3−ヒドロキシプロポキシプロパノールビ
スアリルカーボネート、グリセロールビスアリルカーボ
ネート、トリグリセロールビスアリルカーボネート、ジ
アリリデンペンタエリトリトール、ビスフェノールAジ
アリルエーテル、ビスフェノールSジアリルエーテル等
のモノマー、または予備重合されたプリモノマーのうち
の1つまたは2つ以上からなるものを成形材料として使
用しても、エチレングリコールジメタクリレート、ジエ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジ
メタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジ
オールジメタクリレート、1−メタクリロイル−2−ヒ
ドロキシ−3−メタクリロイルプロパン、ペンタエリト
リトールテトラメタクリレート、トリメチルプロパント
リメタクリレート、N,N,N′,N′,N″,N″−
ヘキサメチロールメラミンヘキサメタクリレート、N,
N′,N″−トリス(2−メタクリロイルキシエチル)
イソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジメタクリ
レート等のモノマー、または予備重合されたプリモノマ
ーのうちの1つまたは2つ以上からなるものを成形材料
として使用しても、同様の効果が得られた。
【0068】さらに、これらを主構成要素とする共重合
体であってよい。
【0069】また、これらの重合反応の開始剤としては
、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパー
オキサイド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド等のジア
ルキルパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイド等
のジアシルパーオキサイド類、ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、t
−ブチルパーオキシピバレート等のパーオキシエステル
類、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール等のパ
ーオキサイド類、さらにはアゾビスイソブチリロニトリ
ル等のアゾ化合物のうちから選択して使用しても上述の
効果が得られ、その他、使用する成形材料の重合開始剤
として機能するものであれば制限のないものである。 また、それらの配合比も成形材料、重合条件等に対応し
て設定すればよいものであり、制限のないものである。 あるいは、紫外線またはγ線等の光エネルギーや放射線
を利用して重合の開始をおこなってもよい。
【0070】ここで、注型用型材に注入される成形材料
は、液状モノマーのままであってもよく、注型用型材内
部での体積収縮または発熱を抑制するために、注入工程
の前工程において、所定の屈折率まで予備重合された液
状のプリモノマー(シロップ)であってもよい。また、
添加される不活性液体としては、成形材料の重合反応に
関与しない液体であって、沸点が重合温度よりも高いも
のであればよい。
【0071】また、離型工程のあとには、プラスチック
レンズ表面から不活性液体を除去する工程及び仕上げを
目的とした研磨等の加工工程を行ってもよい。
【0072】そして、プラスチックレンズに種々の特性
を付与するために、または工程を安定化させるために、
成形材料に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、
染料、フォトクロミック物質、各種の安定化剤等の添加
物を配合してもよい。
【0073】なお、上記のプラスチックレンズの製造方
法に代えて、所要の注型用型材及び成形材料を選択すれ
ば、プラスチックレンズに限らず、他のプラスチック成
形品を製造でき、これらに対しても、同様に高効率の製
造方法を実現できる。
【0074】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係るプラスチッ
ク成形品の製造方法は、成形材料を注型用型材内部に注
入する注入工程と、重合により硬化させる重合工程と、
硬化させた成形品を注型用型材内部から取り外す離型工
程とを基本工程として有しており、その成形材料には、
成形材料を硬化させるための重合温度に比して高い沸点
を有し、この重合反応に関与しない不活性液体が添加さ
れている。従って、本発明によれば、重合工程において
、不活性液体は、成形品から押し出されて、プラスチッ
ク成形品と注型用型材内面壁との界面に層を形成する。 この層によって、プラスチック成形品と注型用型材内面
壁との密着性が低下するので、離型工程において、過大
な力を要することなく、プラスチック成形品と注型用型
材とを離型することができる。それ故、プラスチック成
形品の不良発生の防止と、作業効率の改善を実現できる
【0075】本発明の製造方法における離型工程が、注
型用型材の加温操作を有する場合には、不活性液体の体
積膨張を離型力として利用できる。さらに、冷却操作を
加えて、注型用型材に熱衝撃を与える場合には、不活性
液体の気化による体積膨張及び凝縮による体積収縮によ
って、応力が発生し、この応力を離型力として利用でき
る。従って、外力を加えることなく、あるいは小さな外
力を加えることによって離型することができる。
【0076】本発明に使用する不活性液体が、80℃以
上の沸点を有する飽和有機化合物、または水である場合
には、重合工程において、重合温度を80℃付近の高温
にまで設定できるので、使用する成形材料の選択範囲を
広くできる。
【0077】また、不活性液体が水であって、離型工程
において、2450MHzを中心とした周波数帯のマイ
クロ波を注型用型材に照射する操作を有している場合に
は、水を選択的に誘電加熱でき、成形品の熱変形をおこ
すことなく、加温操作と同様な効果を得ることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1〜20に係るプラスチックレ
ンズの製造方法に使用した注型用型材の断面図である。
【図2】本発明の実施例1に係るプラスチックレンズの
製造方法において、成形材料に添加した水分の濃度とプ
ラスチックレンズの不良発生率の関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1・・・注型用型材 2,2′・・・ガラスセル(母型) 3・・・環状ガスケット 4・・・成形材料 4′・・・プラスチックレンズ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  所要の型形状をもった注型用型材内部
    に、モノマーまたはプリポリマーを主成分とする液状の
    成形材料を注入する注入工程と、次に前記の液状の成形
    材料を重合して硬化させる重合工程と、その後に前記の
    硬化させた成形品を前記注型用型材内部から取り外す離
    型工程とを有するプラスチック成形品の製造方法におい
    て、前記の液状の成形材料に、この成形材料を硬化させ
    るための重合温度に比して高い沸点を有し、この重合反
    応に関与しない不活性液体を添加しておくことを特徴と
    するプラスチック成形品の製造方法
  2. 【請求項2】  請求項1において、前記離型工程は、
    前記注型用型材を加温する加温操作を有することを特徴
    とするプラスチック成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】  請求項2において、前記離型工程は、
    さらに前記注型用型材を冷却する冷却操作を有しており
    、これらの操作によって前記注型用型材に熱衝撃を与え
    ることを特徴とするプラスチック成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】  請求項1乃至請求項3のいずれか1項
    において、前記不活性液体は、80℃以上の沸点を有す
    る飽和有機化合物であることを特徴とするプラスチック
    成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】  請求項4において、前記飽和有機化合
    物は、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキ
    サノール、ヘプタノールからなるアルコール類、ヘプタ
    ン、オクタン、ノナン、デカンからなる炭化水素類、ジ
    プロピルエーテル、ジブチルエーテルからなるエーテル
    類、及びフッ素系不活性液体からなる群のうちの少なく
    とも1種類の液体からなることを特徴とするプラスチッ
    ク成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】  請求項5において、前記成形材料に添
    加された飽和有機化合物の量は、前記成形材料に対し3
    00ppm以上かつ10000ppm以下であることを
    特徴とするプラスチック成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】  請求項1乃至請求項3のいずれか1項
    において、前記不活性液体は、水であることを特徴とす
    るプラスチック成形品の製造方法。
  8. 【請求項8】  請求項7において、前記成形材料に添
    加された水の量は、前記成形材料に対し300ppm以
    上かつ5000ppm以下であることを特徴とするプラ
    スチック成形品の製造方法。
  9. 【請求項9】  請求項7または請求項8において、前
    記離型工程は、2450MHzを中心とした周波数帯の
    マイクロ波を前記注型用型材に照射する操作を有するこ
    とを特徴とするプラスチック成形品の製造方法。
  10. 【請求項10】  請求項1乃至請求項9のいずれか1
    項において、前記プラスチック成形品はプラスチックレ
    ンズであることを特徴とするプラスチック成形品の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995011789A1 (en) * 1993-10-28 1995-05-04 Bausch & Lomb Incorporated Method of releasing contact lenses from the mold

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