JPH0422980B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0422980B2 JPH0422980B2 JP58098895A JP9889583A JPH0422980B2 JP H0422980 B2 JPH0422980 B2 JP H0422980B2 JP 58098895 A JP58098895 A JP 58098895A JP 9889583 A JP9889583 A JP 9889583A JP H0422980 B2 JPH0422980 B2 JP H0422980B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- zinc
- pigment
- aluminum alloy
- aluminum
- alloy powder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
Description
本発明は、高度の耐熱性を有し、鉄に対して高
度の犠牲防食効果を有するアルミニウム合金粉末
防食顔料に関する。 工期短縮、省力化の目的で新造船,大型の橋
梁,タンク等はブロツク建造方式という方法が採
用されている。この建造方式は鋼板をシヨツトブ
ラストしてミルスケール,赤錆を除去した後、シ
ヨツププライマーと称する一時防錆塗料が塗装さ
れる。この後、電子罫書によつて設計図を原寸に
拡大して鋼板に焼き付け、溶断,曲げ,溶接等の
工程を経てブロツクが組み立てられる。この後ブ
ロツクは更にブロツク塗装と称する塗装がなされ
るが、シヨツププライマーの目的は、このブロツ
ク塗装されるまでの1〜3ケ月間、鋼板の発錆を
防止することである。シヨツププライマーの性能
として防食性にすぐれることはもちろんである
が、溶断,溶接,ひずみ取り等による塗膜性能の
熱劣化が小さいことが重要である。シヨツププラ
イマーとしてはウオツシユプライマー,ジンクリ
ツチプライマー,ノンジンクプライマーが市販さ
れているが、防食性,耐熱性等に優れる無機ジン
クリツチプライマーの需要が急増しシヨツププラ
イマーの主流となつている。 無機ジンクリツチプライマーは、アルカリシリ
ケート又はアルキルシリケートをバインダーとし
て亜鉛粉末を高濃度に含有させた塗料である。亜
鉛粉末の犠牲陽極作用により高度の防食性を有
し、バインダーの耐熱性により優れた特性を示す
ものである。しかしながら現行の無機ジンクリツ
チプライマーでも溶断,溶接,ひずみ取り等によ
る塗膜性能の熱劣化が解決されたわけではなく、
溶断,溶接部の塗膜焼損,ひずみ取り部の熱劣
化,塗膜はがれ等の問題が依然として存在し、こ
れらの部分では著しい発錆をみる。 亜鉛は鉄に対する高度の犠牲陽極作用により鉄
の発錆を防止するが、融点が低く、揮発しやすい
ため溶断,溶接,ひずみ取り等の工程で高熱を受
けた場合、安易に蒸気(ヒユーム)となつて揮散
する。また急激は加熱による塗膜の割れ、はがれ
が生じることが多い。このようにして亜鉛粉末が
消失した部分はもはや防食効果が消失するととも
に、発生する亜鉛ヒユームは有毒であるため作業
上特別の注意を払わなければならない。 これらの問題を解決する方法として次に示すよ
うな技術が開示されているが、それぞれ一長一短
があり高度の防食性と耐熱性を有する防食顔料の
開発が待ち望まれていた。 特公昭47−27765には5%以下のZnを含有する
アルミニウム合金粉末を使用する技術が開示され
ているが、このアルミニウム合金粉末は犠牲陽極
作用が乏しく実用化されていない。 特公昭47−51090には1〜50%のAlを含有する
Zn合金粉末を使用する技術が開示されている。
この合金粉末は犠牲陽極効果は十分有している
が、耐熱性の改善が十分ではなく実用化に至つて
いない。 また、特公昭55−14873にはフレーク状亜鉛粉
末とフレーク状耐熱顔料(フレーク状アルミニウ
ム顔料,フレーク状黒鉛顔料,フレーク状雲母顔
料)を使用する技術が開示されている。この技術
は一部実用化されているが、フレーク状耐熱顔料
の含有量が多くなると防食性が低下するとともに
塗膜物性が低下し、一方フレーク状耐熱顔料の含
有量が少なくなると、耐熱性が不十分であるとい
う相反する性質を持ち、高度の耐熱性が要求され
るシヨツププライマー用としては満足な性能を有
するまでには至つていない。 本発明は、亜鉛5以上25重量%以下及びケイ素
10以上25重量%以下を含有し、残部がアルミニウ
ムと不可避不純物とからなるアルミニウム合金粉
末であり、亜鉛粉末と同等の防食性を有し、か
つ、高耐熱性を有する防食顔料を提供するもので
ある。 本発明の防食顔料は、上記組成のアルミニウム
合金熔湯を調製し、該合金熔湯のアトマイズ法に
よつて容易に製造し得る。アトマイズ媒体として
は空気,不活性ガス等が一般的に使用されるが、
空気アトマイズ法によつて所望のアルミニウム合
金粉末が安易に製造し得る。 薄くて均一な塗膜を得るため、使用するアルミ
ニウム合金粉末の粒度は44μ以下が望ましい。こ
の目的でアトマイズ合金粉末を機械的に粉砕した
合金粉末も使用できる。機械的粉砕は、不活性ガ
ス雰囲気中ボールミルで乾式粉砕するか又はミネ
ラルスピリツト等の溶剤の共存下、ボールミル,
アトライターミル等で粉砕して得られたものが使
用し得る。 本発明のアルミニウム合金顔料用のバインダー
としては、従来一般的に使用されている種々のバ
インダーが使用し得るが、本顔料の特性を最大に
引き出すバインダーとしては耐熱性に優れたアル
カリシリケート系バインダー,アルキルシリケー
ト系バインダー及びアルキルチタネート系バイン
ダーが望ましい。 塗料中の顔料濃度は、顔料容積濃度で35〜90%
程度で使用でき、アトマイズ法によつて得られた
アルミニウム合金粉の場合、顔料容積濃度65〜90
%程度か望ましく、また機械的に粉砕された合金
粉末の場合、吸油量が増加するため金属分として
35〜70%顔料容積濃度で使用するのが望ましい。 塗装はエアースプレー,エアレススプレー,刷
毛塗り等のいずれでも使用可能であり、目的に応
じて使い分けし得る。 次に本発明の原理について言及する。 防食顔料が犠牲陽極効果を有するためには、顔
料と鋼板の電気的接触がなされていること及び顔
料が鉄に対して十分卑な電極電位を有することが
必須条件である。 因みに、亜鉛と軟鋼の電極電位は0.1N甘汞電
極に対して亜鉛は−1.10V、軟鋼は−0.58Vであ
る。一方、アルミニウムは−0.85Vである。電極
電位だけからはアルミニウムでも鉄に対して十分
犠牲陽極効果が期待し得るが、現実的にはアルミ
ニウムは鉄に対する犠牲陽極効果は全く認められ
ない。この理由はアルミニウム新生面にはすぐに
不導電性の不動態被膜が形成されるためである。 アルミニウムに亜鉛を50%以上添加すると鉄に
対する犠牲陽極効果が認められるようになるが、
これはアルミニウムの不動態被膜の形成を抑制す
るか、又は酸化被膜が導電性を有するようになる
ためと推定される。 亜鉛を50%以上含有するアルミニウム合金は鉄
に対する犠牲陽極効果は認められるが、高温に加
熱された場合、亜鉛の揮散が激しいため、加熱さ
れた部分の防食性が著しく低下する。また、溶
断,溶接,ひずみ取り等の工程では、急激な加熱
を受けるため塗膜の割れ,はがれが多数発生す
る。 本発明者らは、従来の防食顔料のこのような問
題点を解決すべく鋭意研究の結果、亜鉛−アルミ
ニウム合金に適当量のケイ素を添加することによ
つて、高度の防食性と耐熱性を有するアルミニウ
ム合金粉末顔料が得られることを知見したもので
ある。 ケイ素の電極電位は0.1N甘汞電極に対して−
0.26Vであり、鉄より貴な金属であり、これ自体
全く犠牲陽極効果は期待できないが、亜鉛−アル
ミニウム合金に添加された場合、著しい犠牲陽極
効果の向上が認められることを知見し本発明に至
つたものである。この犠牲陽極効果の向上の機構
は定かではないが、酸化被膜が高度の導電性を持
つたためか又はアルミニウム不動態被膜形成の抑
制によるものと推定される。 ケイ素を10〜25重量%好ましくは12〜20重量%
添加することによつて、アルミニウム合金中の亜
鉛含有量が5〜25重量%好ましくは10〜20重量%
で高度の犠牲陽極効果が得られ、且つ該アルミニ
ウム合金は高温に加熱されても亜鉛の揮散は殆ん
ど認められなかつた。 また、本発明のアルミニウム合金粉顔料を含有
するアルカリシリケート,アルキルシリケート塗
料塗膜は、従来の亜鉛粉末,亜鉛−アルミニウム
合金粉末を使用した塗料塗膜と比較して急激な加
熱による耐はくり性が著しく優れていることが明
らかとなつた。この理由は、本発明のアルミニウ
ム合金粉末顔料がケイ素を含有しているためバイ
ンダーとの密着性に優れ強固な塗料塗膜を形成す
るためと推定される。 以下に本発明の実施例を示す。 表1の実施例、比較例に示す合金組成の金属粉
末を空気アトマイズ法によつて製造した。これら
の金属粉を350meshのスクリーンで篩い、
350meshスクリーンを通過した金属粉を使用して
塗料を作製した。比較例1は、亜鉛末3号(三井
金属鉱業株式会社製)を用いた。また、実施例
13,14は空気アトマイズ法によつて金属粉を製造
した後、100meshスクリーンを通過した金属粉を
ミネラルスピリツトの共存下ボールミルによつて
粉砕したのち350meshスクリーンを通過した金属
粉を使用した。 塗料用ワニスは下記のような組成で調整した。 エチルシリケート40(商品名)* 50(重量%) 5%塩酸水 1 イソプロピルアルコール 43.2 純 水 5.8 計 100 * 多摩化学工業株式会社製 塗料の顔料容積濃度は実施例13,14を除いて全
て45.8%になるように調整した。亜鉛の比重が
7.13であるのに対して、本発明のアルミニウム合
金の比重は約2.8〜3.8程度であるため合金組成か
ら比重を計算し容積顔料容積濃度が一定になるよ
うに重量添加量を調整した。実施例13,14は顔料
の吸油量が大きいため容積顔料容積濃度を38.5%
になるように調整した。 試験片は、サイズ75mm×150mm,厚さ0.5mmの冷
間圧延鋼板(JIS G3141のSPCC−B)をJIS
K5400の方法により脱脂洗浄した後、試料塗料を
刷毛塗りしたものを用いた。塗膜は室温乾燥し、
塗装後4日経時した後、試験に供した。なお、乾
燥後の塗膜厚さは約30μmであつた。 塩水噴霧試験は、JIS K5400に記載の方法によ
り実施し、スクラツチ部の発錆状態および塗膜全
面の発錆状態を目視判定した。この塩水噴霧試験
を下記耐熱テストの前後に行なつた。 塗膜の耐熱テストは試験片を垂直面から15°傾
斜させて2cm間隔に保持具に保持し、電気炉中で
加熱する方法で行なつた。室温から800℃までの
昇温時間が約1時間の急速加熱の場合、比較例の
数例は著しい塗膜のはがれが認められた。室温か
ら800℃までの昇温時間を約4時間にし、800℃で
1時間保持後、室温まで徐冷した試験片は殆んど
塗膜のハガレは認められなかつたため、この試験
片を加熱後の塩水噴霧試験に供した。 実施例、比較例から明らかなように、亜鉛を5
%以上含有されるアルミニウム合金にケイ素が10
%以上含有されるようになると耐食性が著しく向
上することがわかる。ケイ素の含有量が25%より
も多くなるとかえつて耐食性が低下してくるが、
この理由は電極電位が鉄に対して貴なケイ素量が
増すことにより合金自体の電極電位が鉄の電極電
位に近づき犠牲陽極効果が失われるものと推定さ
れる。 また、予期に反して亜鉛量も25%より多くなる
と耐食性が低下することが発見された。この理由
は不明であるが酸化被膜の導電性に何らかの変化
が生じるものと推定される。 更に、本発明の防食顔料の他の有用性はその比
重が従来の亜鉛粉末顔料と比較して格段に小さい
ことである。従来の亜鉛粉末顔料は比重が大きい
ため塗料中ですぐに沈降するため、塗装時常に強
力な攪拌を必要とする。このため非常に取り扱い
が不便であつたが、本発明のアルミニウム合金粉
末は塗料中で沈降しにくく、強力な攪拌をする必
要がないので塗装作業が大幅に改善できることが
わかつた。
度の犠牲防食効果を有するアルミニウム合金粉末
防食顔料に関する。 工期短縮、省力化の目的で新造船,大型の橋
梁,タンク等はブロツク建造方式という方法が採
用されている。この建造方式は鋼板をシヨツトブ
ラストしてミルスケール,赤錆を除去した後、シ
ヨツププライマーと称する一時防錆塗料が塗装さ
れる。この後、電子罫書によつて設計図を原寸に
拡大して鋼板に焼き付け、溶断,曲げ,溶接等の
工程を経てブロツクが組み立てられる。この後ブ
ロツクは更にブロツク塗装と称する塗装がなされ
るが、シヨツププライマーの目的は、このブロツ
ク塗装されるまでの1〜3ケ月間、鋼板の発錆を
防止することである。シヨツププライマーの性能
として防食性にすぐれることはもちろんである
が、溶断,溶接,ひずみ取り等による塗膜性能の
熱劣化が小さいことが重要である。シヨツププラ
イマーとしてはウオツシユプライマー,ジンクリ
ツチプライマー,ノンジンクプライマーが市販さ
れているが、防食性,耐熱性等に優れる無機ジン
クリツチプライマーの需要が急増しシヨツププラ
イマーの主流となつている。 無機ジンクリツチプライマーは、アルカリシリ
ケート又はアルキルシリケートをバインダーとし
て亜鉛粉末を高濃度に含有させた塗料である。亜
鉛粉末の犠牲陽極作用により高度の防食性を有
し、バインダーの耐熱性により優れた特性を示す
ものである。しかしながら現行の無機ジンクリツ
チプライマーでも溶断,溶接,ひずみ取り等によ
る塗膜性能の熱劣化が解決されたわけではなく、
溶断,溶接部の塗膜焼損,ひずみ取り部の熱劣
化,塗膜はがれ等の問題が依然として存在し、こ
れらの部分では著しい発錆をみる。 亜鉛は鉄に対する高度の犠牲陽極作用により鉄
の発錆を防止するが、融点が低く、揮発しやすい
ため溶断,溶接,ひずみ取り等の工程で高熱を受
けた場合、安易に蒸気(ヒユーム)となつて揮散
する。また急激は加熱による塗膜の割れ、はがれ
が生じることが多い。このようにして亜鉛粉末が
消失した部分はもはや防食効果が消失するととも
に、発生する亜鉛ヒユームは有毒であるため作業
上特別の注意を払わなければならない。 これらの問題を解決する方法として次に示すよ
うな技術が開示されているが、それぞれ一長一短
があり高度の防食性と耐熱性を有する防食顔料の
開発が待ち望まれていた。 特公昭47−27765には5%以下のZnを含有する
アルミニウム合金粉末を使用する技術が開示され
ているが、このアルミニウム合金粉末は犠牲陽極
作用が乏しく実用化されていない。 特公昭47−51090には1〜50%のAlを含有する
Zn合金粉末を使用する技術が開示されている。
この合金粉末は犠牲陽極効果は十分有している
が、耐熱性の改善が十分ではなく実用化に至つて
いない。 また、特公昭55−14873にはフレーク状亜鉛粉
末とフレーク状耐熱顔料(フレーク状アルミニウ
ム顔料,フレーク状黒鉛顔料,フレーク状雲母顔
料)を使用する技術が開示されている。この技術
は一部実用化されているが、フレーク状耐熱顔料
の含有量が多くなると防食性が低下するとともに
塗膜物性が低下し、一方フレーク状耐熱顔料の含
有量が少なくなると、耐熱性が不十分であるとい
う相反する性質を持ち、高度の耐熱性が要求され
るシヨツププライマー用としては満足な性能を有
するまでには至つていない。 本発明は、亜鉛5以上25重量%以下及びケイ素
10以上25重量%以下を含有し、残部がアルミニウ
ムと不可避不純物とからなるアルミニウム合金粉
末であり、亜鉛粉末と同等の防食性を有し、か
つ、高耐熱性を有する防食顔料を提供するもので
ある。 本発明の防食顔料は、上記組成のアルミニウム
合金熔湯を調製し、該合金熔湯のアトマイズ法に
よつて容易に製造し得る。アトマイズ媒体として
は空気,不活性ガス等が一般的に使用されるが、
空気アトマイズ法によつて所望のアルミニウム合
金粉末が安易に製造し得る。 薄くて均一な塗膜を得るため、使用するアルミ
ニウム合金粉末の粒度は44μ以下が望ましい。こ
の目的でアトマイズ合金粉末を機械的に粉砕した
合金粉末も使用できる。機械的粉砕は、不活性ガ
ス雰囲気中ボールミルで乾式粉砕するか又はミネ
ラルスピリツト等の溶剤の共存下、ボールミル,
アトライターミル等で粉砕して得られたものが使
用し得る。 本発明のアルミニウム合金顔料用のバインダー
としては、従来一般的に使用されている種々のバ
インダーが使用し得るが、本顔料の特性を最大に
引き出すバインダーとしては耐熱性に優れたアル
カリシリケート系バインダー,アルキルシリケー
ト系バインダー及びアルキルチタネート系バイン
ダーが望ましい。 塗料中の顔料濃度は、顔料容積濃度で35〜90%
程度で使用でき、アトマイズ法によつて得られた
アルミニウム合金粉の場合、顔料容積濃度65〜90
%程度か望ましく、また機械的に粉砕された合金
粉末の場合、吸油量が増加するため金属分として
35〜70%顔料容積濃度で使用するのが望ましい。 塗装はエアースプレー,エアレススプレー,刷
毛塗り等のいずれでも使用可能であり、目的に応
じて使い分けし得る。 次に本発明の原理について言及する。 防食顔料が犠牲陽極効果を有するためには、顔
料と鋼板の電気的接触がなされていること及び顔
料が鉄に対して十分卑な電極電位を有することが
必須条件である。 因みに、亜鉛と軟鋼の電極電位は0.1N甘汞電
極に対して亜鉛は−1.10V、軟鋼は−0.58Vであ
る。一方、アルミニウムは−0.85Vである。電極
電位だけからはアルミニウムでも鉄に対して十分
犠牲陽極効果が期待し得るが、現実的にはアルミ
ニウムは鉄に対する犠牲陽極効果は全く認められ
ない。この理由はアルミニウム新生面にはすぐに
不導電性の不動態被膜が形成されるためである。 アルミニウムに亜鉛を50%以上添加すると鉄に
対する犠牲陽極効果が認められるようになるが、
これはアルミニウムの不動態被膜の形成を抑制す
るか、又は酸化被膜が導電性を有するようになる
ためと推定される。 亜鉛を50%以上含有するアルミニウム合金は鉄
に対する犠牲陽極効果は認められるが、高温に加
熱された場合、亜鉛の揮散が激しいため、加熱さ
れた部分の防食性が著しく低下する。また、溶
断,溶接,ひずみ取り等の工程では、急激な加熱
を受けるため塗膜の割れ,はがれが多数発生す
る。 本発明者らは、従来の防食顔料のこのような問
題点を解決すべく鋭意研究の結果、亜鉛−アルミ
ニウム合金に適当量のケイ素を添加することによ
つて、高度の防食性と耐熱性を有するアルミニウ
ム合金粉末顔料が得られることを知見したもので
ある。 ケイ素の電極電位は0.1N甘汞電極に対して−
0.26Vであり、鉄より貴な金属であり、これ自体
全く犠牲陽極効果は期待できないが、亜鉛−アル
ミニウム合金に添加された場合、著しい犠牲陽極
効果の向上が認められることを知見し本発明に至
つたものである。この犠牲陽極効果の向上の機構
は定かではないが、酸化被膜が高度の導電性を持
つたためか又はアルミニウム不動態被膜形成の抑
制によるものと推定される。 ケイ素を10〜25重量%好ましくは12〜20重量%
添加することによつて、アルミニウム合金中の亜
鉛含有量が5〜25重量%好ましくは10〜20重量%
で高度の犠牲陽極効果が得られ、且つ該アルミニ
ウム合金は高温に加熱されても亜鉛の揮散は殆ん
ど認められなかつた。 また、本発明のアルミニウム合金粉顔料を含有
するアルカリシリケート,アルキルシリケート塗
料塗膜は、従来の亜鉛粉末,亜鉛−アルミニウム
合金粉末を使用した塗料塗膜と比較して急激な加
熱による耐はくり性が著しく優れていることが明
らかとなつた。この理由は、本発明のアルミニウ
ム合金粉末顔料がケイ素を含有しているためバイ
ンダーとの密着性に優れ強固な塗料塗膜を形成す
るためと推定される。 以下に本発明の実施例を示す。 表1の実施例、比較例に示す合金組成の金属粉
末を空気アトマイズ法によつて製造した。これら
の金属粉を350meshのスクリーンで篩い、
350meshスクリーンを通過した金属粉を使用して
塗料を作製した。比較例1は、亜鉛末3号(三井
金属鉱業株式会社製)を用いた。また、実施例
13,14は空気アトマイズ法によつて金属粉を製造
した後、100meshスクリーンを通過した金属粉を
ミネラルスピリツトの共存下ボールミルによつて
粉砕したのち350meshスクリーンを通過した金属
粉を使用した。 塗料用ワニスは下記のような組成で調整した。 エチルシリケート40(商品名)* 50(重量%) 5%塩酸水 1 イソプロピルアルコール 43.2 純 水 5.8 計 100 * 多摩化学工業株式会社製 塗料の顔料容積濃度は実施例13,14を除いて全
て45.8%になるように調整した。亜鉛の比重が
7.13であるのに対して、本発明のアルミニウム合
金の比重は約2.8〜3.8程度であるため合金組成か
ら比重を計算し容積顔料容積濃度が一定になるよ
うに重量添加量を調整した。実施例13,14は顔料
の吸油量が大きいため容積顔料容積濃度を38.5%
になるように調整した。 試験片は、サイズ75mm×150mm,厚さ0.5mmの冷
間圧延鋼板(JIS G3141のSPCC−B)をJIS
K5400の方法により脱脂洗浄した後、試料塗料を
刷毛塗りしたものを用いた。塗膜は室温乾燥し、
塗装後4日経時した後、試験に供した。なお、乾
燥後の塗膜厚さは約30μmであつた。 塩水噴霧試験は、JIS K5400に記載の方法によ
り実施し、スクラツチ部の発錆状態および塗膜全
面の発錆状態を目視判定した。この塩水噴霧試験
を下記耐熱テストの前後に行なつた。 塗膜の耐熱テストは試験片を垂直面から15°傾
斜させて2cm間隔に保持具に保持し、電気炉中で
加熱する方法で行なつた。室温から800℃までの
昇温時間が約1時間の急速加熱の場合、比較例の
数例は著しい塗膜のはがれが認められた。室温か
ら800℃までの昇温時間を約4時間にし、800℃で
1時間保持後、室温まで徐冷した試験片は殆んど
塗膜のハガレは認められなかつたため、この試験
片を加熱後の塩水噴霧試験に供した。 実施例、比較例から明らかなように、亜鉛を5
%以上含有されるアルミニウム合金にケイ素が10
%以上含有されるようになると耐食性が著しく向
上することがわかる。ケイ素の含有量が25%より
も多くなるとかえつて耐食性が低下してくるが、
この理由は電極電位が鉄に対して貴なケイ素量が
増すことにより合金自体の電極電位が鉄の電極電
位に近づき犠牲陽極効果が失われるものと推定さ
れる。 また、予期に反して亜鉛量も25%より多くなる
と耐食性が低下することが発見された。この理由
は不明であるが酸化被膜の導電性に何らかの変化
が生じるものと推定される。 更に、本発明の防食顔料の他の有用性はその比
重が従来の亜鉛粉末顔料と比較して格段に小さい
ことである。従来の亜鉛粉末顔料は比重が大きい
ため塗料中ですぐに沈降するため、塗装時常に強
力な攪拌を必要とする。このため非常に取り扱い
が不便であつたが、本発明のアルミニウム合金粉
末は塗料中で沈降しにくく、強力な攪拌をする必
要がないので塗装作業が大幅に改善できることが
わかつた。
【表】
面にうすく発錆したものを△、全面に著しく発
錆したものを×とした。
錆したものを×とした。
Claims (1)
- 1 亜鉛、ケイ素、アルミニウム及び他の不可避
的不純物よりなり、亜鉛の含有量が5〜25重量%
であり、ケイ素の含有量が10〜25重量%であるシ
ヨツププライマー用高耐熱性アルミニウム合金粉
末防食顔料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9889583A JPS59226146A (ja) | 1983-06-03 | 1983-06-03 | 高耐熱性アルミ合金粉末防食顔料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9889583A JPS59226146A (ja) | 1983-06-03 | 1983-06-03 | 高耐熱性アルミ合金粉末防食顔料 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS59226146A JPS59226146A (ja) | 1984-12-19 |
| JPH0422980B2 true JPH0422980B2 (ja) | 1992-04-21 |
Family
ID=14231862
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9889583A Granted JPS59226146A (ja) | 1983-06-03 | 1983-06-03 | 高耐熱性アルミ合金粉末防食顔料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS59226146A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS61101565A (ja) * | 1984-10-25 | 1986-05-20 | Chugoku Toryo Kk | 無機質塗料 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5811771A (ja) * | 1981-07-16 | 1983-01-22 | Nisshin Steel Co Ltd | 亜鉛−アルミニウム−ケイ素合金被覆鋼 |
-
1983
- 1983-06-03 JP JP9889583A patent/JPS59226146A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS59226146A (ja) | 1984-12-19 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US6719836B2 (en) | Water-based two component protective coating compositions | |
| JP6087650B2 (ja) | 塗料、塗装物品、及び塗料の製造方法 | |
| CN105542579A (zh) | 钛材表面用耐高温涂料及其应用以及钛材的生产方法 | |
| JPS6050228B2 (ja) | 防食被覆組成物 | |
| KR20120013387A (ko) | 도전성 금속도료 및 도전성 금속도료에 의한 방식방법 및 방식보수방법 | |
| JP4481603B2 (ja) | 水性金属防錆塗料 | |
| JPH0551672B2 (ja) | ||
| JPH0133507B2 (ja) | ||
| JPH0370750B2 (ja) | ||
| JPH11116856A (ja) | 防錆塗料組成物 | |
| JPS6348365A (ja) | 導電性防食被覆組成物 | |
| JPH0422980B2 (ja) | ||
| JP6087649B2 (ja) | 塗料、及び塗装物品 | |
| CN206553617U (zh) | 电弧喷涂复合防腐涂层结构 | |
| JP2009279824A (ja) | 溶接性に優れた防錆鋼材 | |
| KR900001316B1 (ko) | 알루미늄합금 안료 | |
| JPS60235868A (ja) | 高耐熱性アルミニウム合金防食顔料 | |
| JPS62275173A (ja) | 一次防錆塗料組成物 | |
| JPH0641472A (ja) | 金属防食剤 | |
| JPS61213270A (ja) | 耐熱性防食被覆組成物 | |
| CA1079509A (en) | Composition for corrosion protection | |
| JP2637549B2 (ja) | 一次防錆塗料組成物 | |
| JPH045070B2 (ja) | ||
| CN206553616U (zh) | 电弧喷涂锌铜钛的复合防腐结构 | |
| JPS581704B2 (ja) | 防食用塗料の組成物 |