JPH04261440A - 有機複合物及びその作製方法 - Google Patents

有機複合物及びその作製方法

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JPH04261440A
JPH04261440A JP3042807A JP4280791A JPH04261440A JP H04261440 A JPH04261440 A JP H04261440A JP 3042807 A JP3042807 A JP 3042807A JP 4280791 A JP4280791 A JP 4280791A JP H04261440 A JPH04261440 A JP H04261440A
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organic
organic composite
producing
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Shunpei Yamazaki
舜平 山崎
Shigenori Hayashi
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】本発明はプラスチック、塗料を塗布
した鉄板等有機物の表面を有する部材上にプラズマCV
D法を用いて無機保護膜を形成する場合に無機保護膜と
部材表面の有機物との接着性を向上させる技術に関する
ものである。本発明を応用する無機保護膜は主に可視域
で透明であり、該無機保護膜を応用した透明なプラスチ
ック部材は自動車、電車等の車両及びビルや家屋等の窓
に用いることができ、また、塗料の塗布された自動車用
ボディー等の耐擦傷膜として利用することができる。
【0002】
【従来の技術】自動車、電車等の車両用窓は省エネルギ
ーのための軽量化、形状設計の容易さ等の要求から、ア
クリル、ポリカーボネート等のプラスチック材料を用い
ることが検討されているが、太陽光や風雨に曝される厳
しい環境と砂塵による細かな傷の発生による透光性の低
下が問題であり、自動車のフロントウインドウの場合に
はワイパーによる擦傷が問題となっていた。また、自動
車用ボディーも同様に厳しい環境下で使用されるため塗
装面の傷の発生による美観の低下が発生していた。そこ
で、本発明人らはそれら機械的強度の劣ったプラスチッ
クの表面及びボディー塗装面に高い硬度を有した透明炭
素膜を製膜する事により、機械的強度を増して耐擦傷性
を向上させる実験を行い、その効果を確認した(「炭素
膜で覆われた部材及びその作成方法」特許願昭和63−
233166及び「炭素膜で覆われたシャーシまたは部
品」特許願昭和63−230787)。
【0003】ところが、これら耐擦傷膜を施したプラス
チック、塗装膜等の部材を長期に渡って高温度高湿度下
の環境試験を行ったところ被膜の接着性に問題があるこ
とが判明した。これはプラスチック及び塗装膜が有機物
であるが故に水分を含浸し、膨張することによって被膜
の応力が増加して剥離が発生したもの、もしくは基板で
ある有機物と被膜の接着が充分でないために微小な隙間
に水が浸入し、ファンデルワールス引力を低下させるこ
とにより剥離が発生したものであると考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この様に、風雨に曝さ
れうる自動車及び電車等の車両用窓、自動車用ボディー
等に前記のような被膜を応用して擦傷性を向上させよう
とすれば更なる接着性の向上が臨まれていた。
【0005】
【問題を解決するための手段】そこで本発明は、プラス
チックもしくは塗料等有機物の表面を有する基板上にプ
ラズマCVD法を用いて被膜を形成した有機複合物にお
いて、前記有機物表面と前記被膜の接合部において接合
領域を有し、該接合領域では前記有機物と前記被膜が各
々混在していることを特徴とする有機複合物を提供する
ものであり、その作成方法は、電力もしくはバイアス電
圧を被膜形成の初期において強く印加し、これにより基
板表面の有機物を部分的に融解(パーシャルメルト)せ
しめることを特徴としたものである。
【0006】一般にプラズマCVD法で被膜を製膜する
前に前処理としてアルゴン等の不活性ガスでプラズマを
生成し、該不活性ガスのイオンで基板をスパッタして基
板表面をクリーニングすることにより接着性を向上させ
る手法が知られている。これは基板表面に付着している
蒸気圧の低い物質や水分子等減圧状態にしても容易に基
板から脱離しないものを物理的に弾き飛ばそうとするも
のであり、あくまでも接着を阻害する物質の除去を目的
としているものである。また、水素等のプラズマで酸化
された表面を還元し、表面を活性化して接着性を向上さ
せようとする手法も知られている。これらは何れも基板
表面の付着物もしくは基板表面数分子層への作用であり
、基板と被膜の界面には明確な境界が形成されている。 一方、基板表面は0.1μm程度もしくはそれ以下の凹
凸が存在し、突部に選択的に被膜が成膜する結果、この
境界部での基板と被膜の接触は点接触となり、接触部以
外には数十Åから数百Åの隙間が存在しており、被膜の
接着力は接触部のファンデルワールス引力もしくは共有
結合力等の化学結合力と突部での接触面積の総面積数で
決まることが知られている。よって、被膜の接着力を増
すためには基板と被膜間の化学結合力と接触面積を増加
させることが有効となる。
【0007】本発明は上記のことを考慮し、成膜初期に
おいて基板表面をプラズマにより短期間加熱し、表面部
のみ溶融させ(パーシャルメルト)させ、基板と被膜間
の化学結合力と接触面積を増加させたものである。これ
は融点(場合によっては軟化点、ガラス転移点)の低い
熱硬化性でない有機物の基板もしくは有機物表面を有す
る基板を用いたことにより有効となったものである。図
1に本発明の有機複合体の概念図を示す。基板である有
機物(101)とプラズマCVDで形成される被膜(1
02)の間にパーシャルメルト領域(103)が形成さ
れる。
【0008】上記のようなパーシャルメルト領域を被膜
形成の初期に作ることによって基板の凹凸はなくなり、
よって突部への電界集中等による選択的な被膜の成長は
なくなり、その結果、被膜と基板の接触面積は増大する
。更に気相中である程度の大きさに成長した被膜物質(
核)はプラズマ内のエネルギーに応じた速度でメルト領
域に侵入し、その核を中心に被膜の成長が行われる。 よって、パーシャルメルト領域には基板である有機物と
被膜を構成する物質が混在し、実質的に非接触な部分は
殆どなくなり、接着力は増大する。また、基板を構成す
る材料は溶融することにより活性化されており、その結
果、被膜を構成する物質との化学的な反応が促進され、
共有結合力等の化学結合力が強くなり、接着力を増大さ
せることとなる。
【0009】パーシャルメルト領域の形成はプラズマに
よる加熱で行うことができるが、該プラズマ加熱は原料
ガスのプラズマで成膜反応と同時に行うこともでき、ま
た、成膜開始即ち、原料ガスの導入の前にアルゴン、キ
セノン、クリプトン等の不活性ガスでプラズマを発生さ
せ、該不活性ガスプラズマで基板表面にパーシャルメル
ト領域を形成させた後に原料ガスを導入して成膜を開始
する方法もある。該方法の場合、不活性ガスプラズマに
よりパーシャルメルト部が形成されたのちに原料ガスを
導入するため、気相中である程度の大きさに成長した被
膜物質(核)がパーシャルメルト部に十分深く侵入し、
より接着性の高い被膜が得られる。
【0010】プラズマによる基板表面の加熱はプラズマ
に投入する電力を増すことにより実現できる。被膜形成
の初期において印加する電力は0.1W/cm2 以上
、好ましくは1W/cm2 以上がよく、また、被膜形
成の初期において印加する電力の印加持続時間は1ms
ec以上10min以下、好ましくは100msec以
上1min以下が適当である。これは印加電力が少なす
ぎれば基板表面がメルトせず、印加電力が大きすぎれば
空間中での反応速度が大きくなりすぎて膜になる前に膜
物質が大きくなりすぎ、粉になってしまうことによる制
約があり、また、印加持続時間が1msec以上、好ま
しくは100msec以上必要なのはプラズマ発生から
充分なガス温度にまでプラズマガス温度が上昇するまで
の時間、即ち、プラズマが安定するまでの時間とプラズ
マガスから与えられたエネルギーが基板表面より熱エネ
ルギーとなって伝導し、基板表面をメルトするまでの時
間として必要であり、上限は物理的な意味あいはさして
ないが、タクトタイムの要請からこれ以上必要としない
ものである。
【0011】不活性ガスプラズマで基板表面にパーシャ
ルメルト領域を形成させた後に原料ガスを導入して成膜
を開始する場合には、原料ガスを導入するに先立ち、不
活性ガスのプラズマを1msec以上10min以下、
好ましくは100msec以上1min以下の時間、0
.1W/cm2 以上、好ましくは1W/cm2 以上
の電力を印加するのが良い。こうして、基板表面にパー
シャルメルト領域を形成した後、不活性ガスのプラズマ
を停止することなく原料ガスを導入して被膜を形成する
が、この被膜形成の初期においても0.1W/cm2 
以上、好ましくは1W/cm2 以上の高い電力を印加
すると、プラズマのエネルギーは電力に応じた高いエネ
ルギー状態を維持し、よって、プラズマ内に発生する粒
子の速度は高くなり、該粒子はパーシャルメルト領域内
に深く侵入することとなる。パーシャルメルト領域内に
侵入した粒子を核として被膜が成長し、該被膜が数原子
から数十原子層成膜されたところで通常の電力に減少し
、所定の膜厚まで被膜を成長させる。該被膜の接着強度
はパーシャルメルト領域内に深く侵入した被膜の核の部
分がアンカーリング様の作用を及ぼし非常に強いものと
なる。言うまでもなく、被膜形成の初期において高い電
力を印加しなくてもパーシャルメルト領域内に侵入する
核は存在するため、被膜形成の初期の高電力印加の有無
が本発明を制限するものではないが、被膜形成初期の高
電力印加が有る方が接着性には有利である。
【0012】加熱によりメルトされる領域は、表面から
の深さが0.01μm〜1mm、好ましくは0.1μm
〜100μmが適当である。下限は充分な強度を得るた
めの要請から、上限は1mm以上のメルト領域を設けれ
ば基板であるプラスチックの結晶化が起こり、白濁等が
発生する問題による。メルト領域が1mm以下であって
もプラスチックの結晶化は発生するが、結晶粒がさほど
大きくならないため問題とはならない。
【0013】形成される被膜は水素もしくはフッ素のご
ときハロゲン元素を含んだSiXC1−X(0≦X≦1
)が望ましい。該被膜は透過率が可視域から赤外域にか
けて透明であり、また硬度が1500kg/mm2以上
と大きなものであるため透明部材の保護膜としては都合
がよい。また、紫外域の光は吸収されるため基板の有機
物を紫外線による劣化から保護することもできる。
【0014】また、形成される被膜にはP、B、N等の
不純物が10ppmから10%(原子%)の割合で添加
されてもよい。これら不純物が添加された被膜はその不
純物添加量に応じて電子もしくはホールのキャリアを発
生し、1×1013〜1×105 Ωcmの抵抗率を示
すようになる。これらある程度の導電率を有した被膜は
電子写真用感光体の保護膜に用いることができる。また
、プラスチック等の絶縁体には必ず発生する静電気を防
止することができるため、ほこりや塵の付着を防止する
ことができ、よって、自動車用フロントウィンドウに用
いた場合のワイパーによる擦り傷の発生が低減できる。 また、自動車用ボディに用いた場合には塵を寄せつけず
汚れにくいものを作製することができる。以下実施例に
従って詳しく説明する。
【0015】
【実施例】『実施例1』 本実施例では基板バイアス型陽光柱プラズマCVD法を
用いてパーシャルメルト領域を形成した自動車のフロン
トウインド等の例を述べる。第3図は、自動車のフロン
トウインド等の基体または部材上に薄膜形成方法を実施
するためのプラズマCVD装置の概要を示す。
【0016】図面において、プラズマCVD装置の反応
容器(7) はゲ−ト弁(9) で外部と仕切られてい
る。ガス系(30)において、不活性ガスであるアルゴ
ンを(31)より、反応性気体である炭化水素気体(例
えばメタン、エチレン等の飽和炭化水素もしくは不飽和
炭化水素)、及びシラン、ジシラン等のシリコン系気体
を(32)より、添加物気体(添加物が窒素の場合はN
F3 、NH3 等、添加物がPの場合はPH3 等、
添加物がBの場合はB2H6 、B(CH3)3 等を
(33)より、反応容器のエッチング用気体であるCF
4 、SF6 、NF3 等を(34)より、バルブ(
28)、流量計(29)をへて反応系(50)中にノズ
ル(25)より導入する。シリコン系気体の流量を炭素
系気体に対して低くすると膜中Si含有量は低くなり、
炭素が主成分となる被膜が形成される。通常炭素が主成
分でありかつSP3 結合を多数有する被膜はダイヤモ
ンド状炭素膜と呼ばれているが、本発明の被膜は該ダイ
ヤモンド状炭素膜に類するものであるが、更にSiが添
加された為にSP3 結合がSP2 結合に比して多く
存在するようになり、よって、より硬く、透光性高く、
不純物も活性化された状態で添加されたものである。こ
れは炭素はSP2 結合とSP3 結合のどちらの状態
もとり得るが、シリコンはSP3 結合しかとり得ない
ためSP3 結合を助長し、また、添加物に対しては添
加助長材として機能する為である。
【0017】この反応容器(7) の上下に第1の一対
の電極を同一形状を有せしめて第1および第2の電極(
3−1),(3−2) をアルミニウムの金属メッシュ
で構成せしめる。 反応性気体はノズル(25)より下方向に放出される。 さらに第3の電極(13−1),(13−2),・・・
(13−n) (集合させて第3の電極という)を基体
または部材の裏面に接触させて配置する。基体または部
材(1−),(1−2)・・(1−n)は絶縁材料であ
る。ここに第2の交番電圧を加え、交流的には実質的に
導体化してバイアスを印加する。
【0018】第2の交番電圧源と基体または部材間には
ブロッキングコンデンサ(61)を挿入した。基体また
は部材(1) 上の有機物の被形成面(1’)には、プ
ラズマ雰囲気またはポジティブシ−スができ、負の自己
バイアスが印加される。この負の自己バイアスが積極的
に発生するよう、第2の交番電圧の周波数を10kHz
〜100KHzと電子が電界に追随するがイオンは電界
の変化に追随できない周波数とする。基体または部材(
1) は有機物の被形成面(1’)を有し、第1の高周
波の交番電圧によりグロ−放電のプラズマ化した反応性
気体は、反応空間(8) で均一に分散し、反応空間で
のプラズマ電位を均質にする。
【0019】さらにプラズマ反応空間での電位分布をよ
り等しくさせるため、電源系(40)には独立した二種
類の周波数の交番電圧が印加できるようになっている。 第1の交番電圧は1〜100MHz例えば13.56M
Hzの高周波であり、一対をなす2つの電源(15−1
), (15−2)即ち(15)よりLCR 回路でで
きたマッチングボックス(16−1),(16−2) 
に至る。このマッチングボックスでの互いの位相は位相
調整器(26)により調整し、互いに180 °または
0 °ずれて供給できるようにしている。そして対称型
または同相型の出力を有し、電源(15−1),(15
−2) のそれぞれの一端(4−1),(4−2) は
一対の第1および第2の電極(3−1),(3−2) 
にそれぞれ連結されている。また、それぞれの電源(1
5−1),(15−2) の他端は接地(5−1),(
5−2) されている。第2の10kHz〜100KH
z例えば50kHzの交番電圧が電源(17)より第3
の電極(13−1), ・・・(13−n)に連結され
ており、印加されている
【0020】排気系(25)は、圧力調整バルブ(21
), タ−ボ分子ポンプ(22), ロ−タリ−ポンプ
(23)を経て不要気体を排気する。これらの反応性気
体は、反応空間(60)で0.001 〜1.0tor
r 例えば0.05torrとした。
【0021】本発明においてはかかる空間にプラズマを
生成せしめ、該プラズマのエネルギーで有機物基板の表
面をメルトせしめることを特徴としている。本実施例で
は成膜開始前にまずアルゴンプラズマで基板表面をメル
トせしめ、その後原料ガスを導入して被膜を形成する場
合について述べる。図2(A)には■アルゴン及び■原
料ガスの流量のタイムチャートを、図2(B)には投入
電力(パワー)のタイムチャートを各々示す。時間t0
 においてアルゴンを流し始め、時間t1 において電
源(15−1),(15−2) より一対の第1および
第2の電極(3−1),(3−2) に高周波の電界が
印加され、このときのパワーは10kWである( 単位
面積あたり6W/cm2 )。この電力は通常の電力密
度が0.5W/cm2程度であることと比べると大変多
きいものである。よって、この時、有機物表面はアルゴ
ンプラズマによりメルトさせられる。t1 からt2 
までの時間は有機物表面がメルトするだけの時間があれ
ば充分で、ここでは3秒とした。時間t2 において原
料ガスを導入し、この時点より成膜が開始される。
【0022】同時に第2の交番電圧による交流バイアス
の印加を開始し、自己バイアス電界によるスパッタを発
生せしめ、硬度の高い緻密な被膜を形成させる。時間t
3 においてアルゴンの流れを停止し、これより後は原
料ガスのみのプラズマとする。これにより高い成膜速度
を実現できる。時間t4 において投入電力を例えば1
.2kWまで減ずるまでの間、プラズマの温度は高く保
たれ、プラズマ中に存在する前駆体もしくは核となる粒
子は高い速度でパーシャルメルト領域に深く侵入し、よ
って、良好な密着性を実現することが出来る。t2 か
らt4 までの時間はパーシャルメルト領域内での核の
発生と数十Åの被膜が形成されればよく、本実施例では
60秒とした。t2 からt3 までの時間はアルゴン
プラズマから原料ガスプラズマまでの遷移期間であり、
0秒でも構わないのであるが本実施例では10秒とした
。時間t4 以降は通常の成膜工程となる。即ち、13
.56MHzの周波数の0.5 〜5KW(単位面積あ
たり0.03〜3W/cm2) 例えば1.2KW (
 単位面積あたり0.7W/cm2の高エネルギ) の
第1の高周波電圧を加え、さらに第2の交番電圧による
交流バイアスの印加により、被形成面上には−200〜
−600V(例えばその出力は1KW)の負の自己バイ
アス電圧が印加され、この負の自己バイアス電圧により
加速された反応性気体を基体または部材表面上にスパッ
タしつつ成膜し、かつ緻密な膜とする。
【0023】原料ガスは例えばエチレンとシランと水素
の混合気体とした。その割合は代表的には1/1/1 
である。また、C2F6等によりフッ素を添加してもよ
い。基体または部材(1) の温度は〜150 ℃、代
表的には外部加熱をすることなく室温に保持させる。か
くして被形成面上の比抵抗は1×106 Ωcmを有し
、可視光に対し、透光性のアモルファス構造または結晶
構造を有する水素と窒素とシリコンが添加された炭素ま
たは炭素を主成分とする被膜を0.1 〜8μm例えば
0.5μm(平面部),1〜3μm(凸部)に有機樹脂
上に大変良好な密着性で成膜させ得た。成膜速度は10
0 〜1000Å/分を有していた。
【0024】かくして部材であるフロントウインド、そ
の他の部材に炭素を主成分とする被膜、特に炭素中に水
素を30原子%以下含有するとともに、0.1 〜10
原子% の窒素と10原子% 以下のシリコンが混入し
た炭素を形成させることができた。有機物上に100 
〜2000Åの厚さにエチレンのみによる第1の炭素を
設け、さらにその上に弗素と水素とが添加された炭素を
主成分とする被膜をも多層に形成させることができた。 これら透光性有機物の部材要部上に作製した炭素を主成
分とする膜を第4図に示す。
【0025】第4図(A) において、自動車のフロン
トウインド(1)の縦断面図を示す。その横断面部を第
4図(B) に示す。第4図(A),(B) において
、この透光性プラスチックス(1) は軽量であり、例
えばアクリル樹脂で設けられている。その被形成面を有
する基体または部材(1) 上に炭素または炭素を主成
分とする耐摩耗性の保護膜(45)を0.1 〜8μm
の厚さに設けた。
【0026】なお、本実施例では成膜開始前にアルゴン
を導入してパーシャルメルト領域を形成したが、アルゴ
ンを導入せず、原料ガスのみのプラズマでパーシャルメ
ルト領域を形成してもよく、また、強く印加する電力を
電源(15−1),(15−2) より一対の第1およ
び第2の電極(3−1),(3−2) に加えたが、電
源(17)より第3の電極(13−1), ・・・(1
3−n)に電力を強く印加して、パーシャルメルト領域
を形成してもよい。また、アルゴンの他にキセノン、ク
リプトン等の不活性ガスを用いてもよいことは言うまで
もない。
【0027】『実施例2』 本実施例では大気圧放電による被膜形成法においてパー
シャルメルト領域を設ける方法について述べる。図5に
装置断面図およびガス系、電気系の系統図を同時に示す
。中心導体(201) 、円筒絶縁体(202) 、パ
ージガスノズル(203) は同軸に配置され、中心導
体(201) は絶縁支持体(204) に支持されて
いる。中心導体(201) 、パージガスノズル(20
3) はステンレス、円筒絶縁体(202) は石英ガ
ラス、絶縁支持体(204) はテフロンで構成されて
いる。パージガスノズル(203) は同軸円筒2重構
造になっており、2重構造の間にパージガスを約1気圧
で導入し、吹き出し口(206) よりパージガスを噴
出させる。吹き出し口(206) は外周方向に吹き出
すように外向きになっている。中心導体(201) と
円筒絶縁体(202) の間で放電が発生し、ラジカル
を生成する。発生したラジカルは基板(271) の方
向にガス流によって運ばれるが、本発明では更にソレノ
イド(261) 及び永久磁石(262) を各々装置
外周及び基板ホルダー(270) 裏側に配し、ラジカ
ルを磁束に沿って基板(271) の方向に引き出して
いる。中心導体(201) の外径は1mm、円筒絶縁
体(202) の内径及び外径は各々1.7mm、2.
5mmである。また、放電空間の長さは20mmとした
。
【0028】基板(271) はポリカーボネートを用
い、常磁性体であるステンレス製の基板ホルダー(27
0) の上に設置した。基板(271) は積極的に加
熱していない。放電空間端から基板表面までの距離は1
mmとした。
【0029】放電空間内に導入されるガスは原料ガスボ
ンベ(211) より調圧器(221) により調圧さ
れ、ストップバルブ(231) を介して流量制御器(
241) により流量を制御された原料ガスと、同様に
ヘリウムガスボンベ(212) より調圧器(222)
 により調圧され、ストップバルブ(232) を介し
て流量性制御器(242) により流量を制御されたヘ
リウムガスが混合され、放電空間内に導入される。 原料ガスボンベ(211) には水素ガスでバランスさ
れた10%メタンガスが充填されている。ヘリウムと原
料ガスの混合比は99対1とした(原料ガス1%)。ヘ
リウムと原料ガスの総流量は100sccmである。
【0030】中心導体(201) に供給される電力は
ブロッキングコンデンサ(253) を介して高周波電
源(251) より供給される。電源周波数は13.5
6MHz、実効投入電力は20Wとした。また、本発明
の特徴であるバイアス電圧をバイアス電源(252) 
より高周波阻止コイル1(255) 、高周波阻止コイ
ル2(256) を介して印加した。バイパスコンデン
サ(254) は高周波阻止コイル1(255) を通
過した高周波電力を逃がし、バイアス電源(252) 
を保護する役割を持っている。
【0031】本実施例では初期に印加するバイアスを直
流電圧で基板ホルダーに対して−1000Vとした。時
間は2秒とし、その後は印加バイアス電圧を−100V
に減少した。成膜初期の高バイアス印加時間中に基板表
面をパーシャルメルトし、これにより接着性を向上させ
た。
【0032】パージガスはボンベ(213) より調圧
器(223) により調圧され、ストップバルブ(23
3) を介して流量制御器(243) により流量を制
御されてパージガスノズルに供給される。本実施例では
パージガスは窒素を用いた。流量は1000sccmで
ある。
【0033】前述のような装置と方法によりポリカーボ
ネート基板上に硬質炭素膜が成膜された。被膜の成膜速
度は放電領域開口部の直下で0.2μm/minと大変
高い値でありながら、粉の発生は殆ど無く、ピンホール
の少ない良質な膜であった。尚、微小押し込み硬度計に
よる硬度測定値は約3000kgf/mm2 であり、
分光透過率測定における可視域での透過率は90%以上
とほぼ透明に近いものであった。また、FT−IR、ラ
マン分光測定等によれば、sp3結合とsp2結合の比
は1.6対1とダイヤモンドに近い構造を有しているこ
とが分かった。
【0034】尚、本実施例では被膜形成装置を移動させ
ることはしなかったが、平面上を等速度で走査させれば
、大面積の基板にも均一に被膜を形成できることは言う
までもない。
【0035】本実施例においては述べなかったが円筒状
基体に硬質炭素膜を形成することもできる。この場合ド
ーナツ状皮膜形成装置の放電開口部は内周に向かってお
り、上下機構によって成膜速度に応じた速度で等速度に
上下に運動させ中央部に設置した円筒状基体の表面に被
膜を形成することも出来る。
【0036】実施例1及び実施例2で作製した被膜と従
来方法(パーシャルメルト領域を設けない)で作製した
被膜の接着強度を以下の試験方法で比較した。
【0037】『接着性試験方法』 表面に被膜が形成されたポリカーボネートを50℃の温
水に10日間浸した後室温にて1日放置し、セロハンテ
ープを貼り付けて剥がすことにより被膜の剥離が発生す
るか否を調べる。 『接着性試験結果』 上記実験の結果を以下表1としてまとめる。
【0038】
【表1】
【0039】以上のようにパーシャルメルト領域を設け
た被膜はその接着性が大変良いものであり、該被膜を応
用した透明な有機複合体は風雨に曝されうる厳しい環境
下でも十分な信頼性を有したものであることが確認され
た。
【0040】
【発明の効果】本発明の構成である有機物を用いパーシ
ャルメルト領域を設けることによって得られた有機複合
体は、実用性,信頼性が高く工業上有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機複合物の概念を示す。
【図2】成膜開始初期の流量とパワーのタイムチャート
を示す。
【図3】】本発明のプラズマCVD装置の概要を示す。
【図4】本発明のフロントウインド等の部材上への炭素
膜または炭素を主成分とした保護膜をコ−トした例およ
びその要部を示す。
【図5】同軸円筒状被膜形成装置の断面図とガス及び電
気系の系統図を示す。
【符号の説明】
101  有機物基体 102  プラズマCVD被膜 103  パーシャルメルト領域
【整理番号】  P001830−01
【表1】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】  プラスチックもしくは塗料等有機物の
    表面を有する基板上にプラズマCVD法を用いて被膜を
    形成した有機複合物において、前記有機物表面と前記被
    膜の接合部において接合領域を有し、該接合領域では前
    記有機物と前記被膜が各々混在していることを特徴とす
    る有機複合物 【請求項2】  請求項1において、前記接合領域は前
    記基板表面の有機物を表面のみ部分的に融解することに
    より形成されたことを特徴とする有機複合物【請求項3
    】  請求項1において、前記接合領域の基板に対する
    法線方向の幅は0.01μm〜1mm、好ましくは0.
    1μm〜100μmであることを特徴とする有機複合物 【請求項4】  請求項1において、前記被膜は水素を
    含むSiXC1−X(0≦X≦1)であることを特徴と
    する有機複合物 【請求項5】  請求項1において、前記被膜は水素お
    よびフッ素のごときハロゲン元素を含むSiXC1−X
    (0≦X≦1)であることを特徴とする有機複合物【請
    求項6】  減圧にできる容器と不要気体を排気する排
    気装置と原料ガス及びキャリアガスを供給する装置と該
    ガスの流量と圧力を制御できる手段と少なくとも1対の
    電極と該電極に直流もしくは交流の電力を印加できる電
    源を有した減圧気相反応装置を用いて、前記電極の上も
    しくは電極間の反応空間に有機物表面を有する基板を配
    置し、前記電極間に前記電源より電力を印加して空間中
    のガスをプラズマ化せしめ、前記基板上に被膜を形成す
    るプラズマCVD法を用いた被膜形成方法において、前
    記電力を被膜形成の初期において強く印加し、これによ
    り前記基板表面の有機物を部分的に融解せしめることに
    より、前記被膜と前記有機物表面を有した基板との接着
    性を向上せしめたことを特徴とする有機複合物の作成方
    法 【請求項7】  請求項6において、前記被膜形成の初
    期において強く印加する電力は0.1W/cm2 以上
    、好ましくは1W/cm2 以上であることを特徴とす
    る有機複合物の作成方法 【請求項8】  請求項6において、前記被膜形成の初
    期において強く印加する電力の印加持続時間は1mse
    c以上10min以下、好ましくは100msec以上
    1min以下であることを特徴とする有機複合物の作成
    方法 【請求項9】  請求項6において、前記被膜形成の初
    期においてアルゴン等の不活性ガスを導入し電力を強く
    印加した後、電力を維持したまま原料となるガスを導入
    する成膜初期工程を有することを特徴とする有機複合物
    の作成方法 【請求項10】  請求項6において、前記被膜は水素
    を含むSiXC1−X(0≦X≦1)であることを特徴
    とする有機複合物の作成方法 【請求項11】  請求項6において、前記被膜は水素
    およびフッ素のごときハロゲン元素を含むSiXC1−
    X(0≦X≦1)であることを特徴とする有機複合物の
    作成方法 【請求項12】  減圧にできる容器と不要気体を排気
    する排気装置と原料ガス及びキャリアガスを供給する装
    置と該ガスの流量と圧力を制御できる手段と少なくとも
    1対の放電電極である第1及び第2の電極、及びバイア
    スを印加するための第3の電極と前記第1及び第2の電
    極に直流もしくは交流の電力を印加できる電源と第3の
    電極に直流もしくは交流のバイアスを印加できるバイア
    ス電源を有した減圧反応装置を用いて、前記第3の電極
    に接して有機物表面を有する基板を配置し、前記第1及
    び第2の電極間に前記電源より電力を印加して空間中の
    ガスをプラズマ化せしめ、且つ、前記第3の電極にバイ
    アスを印加して前記基板上に被膜を形成するバイアスを
    印加したプラズマCVD法を用いた被膜形成方法におい
    て、前記第1及び第2の電極に印加する電力、もしくは
    前記第3の電極に印加する電力、もしくは前記第1及び
    第2及び第3の電極に印加する電力を被膜形成の初期に
    おいて強く印加し、これにより前記基板表面の有機物を
    部分的に融解せしめることにより、前記被膜と前記有機
    物表面を有した基板との接着性を向上せしめたことを特
    徴とする有機複合物の作成方法 【請求項13】  請求項12において、前記被膜形成
    の初期において強く印加する電力は0.1W/cm2 
    以上、好ましくは1W/cm2以上であることを特徴と
    する有機複合物の作製方法 【請求項14】  請求項12において、前記被膜形成
    の初期において強く印加する電力の印加持続時間は1m
    sec以上10min以下、好ましくは100msec
    以上1min以下であることを特徴とする有機複合物の
    作成方法 【請求項15】  請求項12おいて、前記被膜形成の
    初期においてアルゴン等の不活性ガスを導入し電力を強
    く印加した後、電力を維持したまま原料となるガスを導
    入する成膜初期工程を有することを特徴とする有機複合
    物の作成方法 【請求項16】  請求項12において、前記被膜は水
    素を含むSiXC1−X(0≦X≦1)であることを特
    徴とする有機複合物の作成方法 【請求項17】  請求項12において、前記被膜は水
    素およびフッ素のごときハロゲン元素を含むSiXC1
    −X(0≦X≦1)であることを特徴とする有機複合物
    の作成方法 【請求項18】  大気圧においてグロー放電もしくは
    アーク放電させ得る放電装置を用いて、該放電装置の放
    電空間内に被膜の原料となる原料ガスと必要に応じてヘ
    リウム、アルゴン等の不活性ガスを導入し、該原料ガス
    を放電のエネルギーで分解し、大気圧中に保持された有
    機物表面を有する基板上に被膜を形成する被膜形成方法
    において、前記放電空間と基板間にバイアスを印加し、
    該バイアスを被膜形成の初期において強く印加すること
    により前記基板表面の有機物を部分的に融解せしめ、前
    記被膜と前記有機物表面を有した基板との接着性を向上
    せしめたことを特徴とする有機複合物の作成方法【請求
    項19】  請求項18において、前記被膜形成の初期
    において強く印加するバイアスの電圧は−50V以上、
    好ましくは−200V以上であることを特徴とする有機
    複合物の作成方法 【請求項20】  請求項18において、前記被膜形成
    の初期において強く印加するバイアス電力の印加持続時
    間は1msec以上10min以下、好ましくは10m
    sec以上1min以下であることを特徴とする有機複
    合物の作成方法 【請求項21】  請求項18おいて、前記被膜形成の
    初期においてアルゴン等の不活性ガスを導入し電力を強
    く印加した後、電力を維持したまま原料となるガスを導
    入する成膜初期工程を有することを特徴とする有機複合
    物の作成方法 【請求項22】  請求項18において、前記被膜は水
    素を含むSiXC1−X(0≦X≦1)であることを特
    徴とする有機複合物の作成方法 【請求項23】  請求項18において、前記被膜は水
    素およびフッ素のごときハロゲン元素を含むSiXC1
    −X(0≦X≦1)であることを特徴とする有機複合物
    の作成方法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5485274A (en) * 1977-12-20 1979-07-06 Seiko Epson Corp Surface-hardened resin
JPS59128281A (ja) * 1982-12-29 1984-07-24 信越化学工業株式会社 炭化けい素被覆物の製造方法
JPS6054911A (ja) * 1983-09-07 1985-03-29 Shin Etsu Chem Co Ltd 紫外線カツト膜

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