JPH0430437B2 - - Google Patents
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- JPH0430437B2 JPH0430437B2 JP59097184A JP9718484A JPH0430437B2 JP H0430437 B2 JPH0430437 B2 JP H0430437B2 JP 59097184 A JP59097184 A JP 59097184A JP 9718484 A JP9718484 A JP 9718484A JP H0430437 B2 JPH0430437 B2 JP H0430437B2
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Description
【発明の詳細な説明】
発明の分野
本発明は、石油留分の熱分解でエチレンを製造
する際に副生する重質油(エチレンヘビーエン
ド)の処理方法に関するものである。 本発明の方法によれば、得られた処理エチレン
ヘビーエンドは、500℃までの軽沸留分を除いた
ものの芳香族水素の含有率が60〜80%である改質
ピツチを与える。この改質ピツチは炭素繊維など
の原料として用いることができる。 発明の背景 石油留分の熱分解でエチレンを製造する際に副
生する重質油(エチレンヘビーエンド、以下
「EHE」と略記することがある)を蒸留して得ら
れるピツチ(以下「EHE未処理ピツチ」と略記
することがある)は、石炭乾留タールや石油留分
の接触分解の塔底油を蒸留して得られるピツチ類
と比較すると、 硫黄、酸素、窒素の化合物の含量が実質的に
零である、 バナジウム、ニツケル等の重金属元素の化合
物が含まれていない、 などの特徴をもち、各種炭素材料の出発原料に適
した性状を有する。 また、EHE未処理ピツチを熱処理することで
得られるメンフエーズ小球体は、容易に合体して
流れ構造を形成する。従つて溶融メンフエーズピ
ツチが所定の紡糸特性をもてば、ピツチ系の高強
度高弾性率炭素繊維の優れた出発原料になると推
測される。 しかし、EHE未処理ピツチでは、メンフエー
ズ化反応と同時に構成成分の重縮合反応による高
分子量化反応が速かに進むために、生成メソフエ
ーズピツチの大部分がキノリン不溶性といういわ
ゆる固いメソフエーズピツチが形成され、高いメ
ソフエーズ含量のピツチでは軟化点が高くなり過
ぎて紡糸が実質上不可能となる。メソフエーズ含
有量を下げると、メソフエーズ部分と等方性部分
との相溶性が著しく低いために、相分離を生じ、
糸切れが頻発するなど紡糸性が顕著に不良とな
る。又、極端な場合には、等方性ピツチ中に球晶
が珠数玉のように連なつた形でノズルから押し出
されるため、紡糸が不可能となる。 先行技術 EHE未処理ピツチの上記欠点を改良する目的
で種々の改善手法が提案されてきた。 具体的には特開昭58−18421、同58−196292、
同57−168987、同58−142976、同58−167679およ
び同58−169515各号公報をあげることができる。
これらのEHE処理に関する先行技術は、 テトラヒドロキノリンのような高価な薬品を
多量に消費し、かつプロセスが複雑である、 光学的異方性部分の含量が比較的低い領域に
限定される、 メソフエーズピツチを硫黄でさらに追加処理
する必要がある、 など種々の改良すべき問題点を抱えている。 本発明者らは特開昭58−154792号公報におい
て、EHEを出発原料とする芳香族水素含有率が
50〜90%、好ましくは60〜80%のピツチを400〜
520℃で短時間熱処理して得られるメソフエーズ
ピツチは、好ましくは70〜100%、少くとも40%
以上のメソフエーズ含量の領域で良好な紡糸特性
を発現し、このピツチを原料として1000℃で炭素
化して得た炭素繊維は、引張強度248Kg/mm2、弾
性率14t/mm2を与えることを示した。そしてピツ
チの芳香族水素含有率を上記好適範囲に調製する
為に、EHEを水素加圧下400〜520℃の温度範囲
で無触媒反応に供する方法を開示した。 しかしながら、上記方法では、条件によつて
は、工業プロセスとして許容される範囲内で反応
圧力および水素供給量を増加しても、反応終了後
の反応器器壁や撹拌装置にコークス状物質が固着
する現象が見出された。 また、特開昭58−41914号公報には、ピツチ類
を炭化水素系溶剤中、水素化触媒として鉄、コバ
ルト、モリブデン、銅、タングステン、ニツケ
ル、白金、ロジウム、該金属の酸化物、硫化物か
ら選ばれた少くとも1種を原料ピツチ類に対して
1〜20重量%添加し、水素化温度400〜500℃、水
素圧力50〜300Kg/cm2Gの条件で水素化ピツチ類
を得る方法が開示されている。これにより水素化
ピツチ類の水素含有量が原料ピツチ類の水素含有
量に対し10%以上高くなることが開示されてい
る。 本発明者らは該先行技術に開示された鉄触媒を
用いて、EHEの改質を試みた。すなわち、仕込
みEHEに対して1重量%の水酸化鉄分を添加し
た加圧水素共存の回分反応系で、芳香族水素含有
率が60〜80%の改質EHEピツチを得るべく種々
反応条件を試みたが、該芳香族水素含有率を達成
する反応条件下では仕込みEHEに対して10重量
%にも達する炭素質物質が反応器々壁に析出する
ことを回避できなかつた。 また加圧水素の流通下での改質反応も試みたと
ころ、炭素質物質の析出は完全に抑止することが
できたが、大量のメタンガスの生成をともなう軽
質化反応が促進されて、改質EHEピツチの収率
が仕込みEHEに対して10重量%前後まで低下し
た。また得られた改質EHEピツチの芳香族水素
含有率は40〜60%と低く、熱処理によつて得たメ
ソフエーズ含有量が10〜100%のメソフエーズピ
ツチの紡糸は困難であつた。 工業化装置でのコークス析出現象は反応器伝熱
量の軽時的変化、撹拌装置の回転不良、生成物へ
の混入および流路の閉塞などを並発する為に装置
の保守、運転コストおよび製品々質に対して極め
て重大な障害となることが知られている。 本発明者らは、上記問題点を改良すべくエチレ
ンヘビーエンドの処理方法について研究を行つた
ところ、特定の触媒及び反応条件下にEHEを処
理すると、炭素繊維原料として好ましい特性を備
えたピツチを得るのに必要な反応条件下でも反応
器壁へのコークスの析出が実質的に零になること
を見い出し本発明に到つた。 発明の要旨 本発明は、石油留分の熱分解でエチレンを製造
する際に副生するエチレンヘビーエンドを処理す
る方法において、該エチレンヘビーエンドを鉄修
飾シリカ・アルミナ及び加圧水素の存在下、400
〜500℃の温度範囲で処理することを特徴とする
エチレンヘビーエンドの処理方法を提供するもの
である。 発明の具体的説明 本発明に使用する固体酸触媒はシルカ・アルミ
ナが好ましい。鉄修飾固体酸触媒は、例えば接触
改質用シリカ・アルミナを使用する場合は、触媒
粉体を分級して100〜300メツシユの粒度に整えた
上で硝酸鉄、塩化鉄、硫酸鉄などの含浸水溶液に
含浸することで鉄元素を担持した鉄修飾固体酸触
媒とすることができる。含浸液としては硝酸鉄水
溶液がより好ましい。 含浸液量はシリカ・アルミナの吸水量以上に保
つ必要があるが、吸水量と含浸液量を等しくする
必要はない。含浸後5分〜10時間静置して、鉄イ
オン特有の色が消失する量以下の鉄化合物を担持
することが好ましい。含浸が静置によつて完了す
る量以上の鉄化合物を、例えば蒸発乾固等で強制
的に担持した触媒は、鉄触媒としての機能のみが
表面化するので本発明の目的に合致しない。 硝酸鉄を含浸担持した固体酸触媒は、適当な方
法で水を除いた後に各質反応に供することができ
るが、400〜600℃で硝酸鉄を加熱分解した後に改
質反応に供することがより好ましい。塩化鉄や硫
酸鉄を出発原料とする場合には塩素や硫酸根を除
く処理を施した上で改質反応に供することが望ま
しい。 具体的な鉄担持量としては、固体酸触媒100重
量部に対して0.001〜3重量部好ましくは0.05〜
2重量部をあげることができる。 本発明の実施の良否を支配する因子は、固体酸
触媒上の鉄の担持状態および触媒の形状である。
即ち、本発明に用いる鉄修飾固体酸触媒は、加圧
水素の存在下で固体酸触媒の触媒能と鉄の触媒能
とが同時に機能する必要がある。作用時におい
て、固体酸触媒の活性点が鉄成分で完全に被覆さ
れた鉄修飾固体酸触媒や触媒表面に嵩高く鉄粒子
が推積しているような鉄修飾固体酸触媒において
は、鉄触媒としての触媒能のみが表面化する。 また、固体酸触媒の活性点と鉄に由来する活性
点が協奏的に機能し得るように調製された触媒に
おいても、酸点の強度および量によつて、また改
質反応の条件によつても、固体酸触媒および鉄触
媒としての活性度は大きく異なるので、例えば強
酸性固体酸触媒と弱酸性固体酸触媒とでは、鉄の
最適担持量範囲は異なつてくる。従つて、本発明
が目的とする改質EHEピツチを得るためには、
固体酸触媒への鉄の担持にあたつて、固体酸触媒
のBET表面積、細孔分布、酸強度および酸量な
どの諸因子を考慮の上で鉄の担持量を決定する必
要がある。また鉄の分散状態に可能な限り均一性
をもたせる為に、成型触媒への担持よりは、でき
るだけ粒子サイズを揃えた粉体もしくは微小球状
体への荘持がより好ましい。 担持方法としては、当業者には公知の方法であ
る含浸法や同時沈殿形成法をあげることができ
る。混練法や固体酸触媒への液相からの沈殿析出
法などは、本発明の目的とする鉄修固体酸触媒を
製造するには適当とはいえない。 触媒として粉体もしくは微小球体が好ましいこ
とにり、反応形式としては加圧水素存在下での固
定床流通反応方式よりは回分反応方式や連続槽反
応方式の方が望ましい。回分反応方式においては
加圧水素を初期に装入して反応に供する方法も可
能であるが、加圧水素を反応容器内に連続的に供
給する方法が、反応中水素分圧を一定水準以上に
保持できるのでより好ましい。 触媒の使用量として、沸点170℃以上の
EHE100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましく
は0.5〜5重量部をあげることができる。反応条
件として、400〜500℃、好ましくは430〜480℃の
温度範囲、1分〜5時間、好ましくは5分〜2時
間の反応時間、40〜200Kg/cm2G、好ましくは60
〜150Kg/cm2Gの圧力範囲を夫々あげることがで
きる。 加圧水素流通法での加圧水素の供給量として2
〜50mole−H2/Kg−EHE/時間、好ましくは4
〜30mole−H2/Kg−EHE/時間をあげることが
できる。回分式反応での初期水素装入量として1
〜50mole/H2/Kg−EHE、好ましくは2〜
30mole/H2/Kg−EHEをあげることができる。
加圧水素EHEおよび触媒よりなる気・液・固の
接触を良好に保持するために、撹拌混合を実施す
ることが好ましく、特に加圧水素流通法では、水
素吹込み口をEHE液中に設置することでバブリ
ングによる撹拌効果をも付与することが望まし
い。 発明の効果 本発明の方法を実施することで、コークス生成
を実質的に零に抑止しながら、EHEを処理して
改質EHEピツチを製造できる。すなわち、得ら
れた生成液から減圧蒸留で常圧換算沸点500℃以
下の留分を除いた改質EHEピツチ中の芳香族水
素の含有率を任意に、例えば60〜80%、好ましく
は60〜75%の範囲に設定できるようになつた。 このため、低温易炭素化性に富む高性能炭素繊
維原料として、EHEのもつ特性を発揮できるよ
うにならしめた。具体的にいえば、本発明の方法
で得られた改質EHEピツチを、例えば特開昭58
−154792、同58−154793各号明細書に記載した熱
処理条件(減圧下又は不活性ガスを吹込みなが
ら、430〜550℃の温度範囲で少なくとも40%のメ
ソフエーズが生成するまで加熱する)で熱処理す
ると、メソフエーズ含有率が40%以上、好ましく
は70%以上、より好ましくは80%以上、殊に好ま
しくは85〜100%であるメソフエーズピツチから
安定して糸径10μm以下のピツチ繊維を溶融紡糸
することが可能となる。また、空気中250〜300℃
の温度範囲へ0.1〜5℃/分の昇温速度で昇温し
た後、0.1〜10時間好ましくは0.5〜5時間保持し
て得た不融化繊維を、不活性ガス雰囲気中、800
〜1000℃、好ましくは900〜1000℃の温度範囲で、
1〜10℃/分の昇温速度で昇温後、0〜4時間、
好ましくは5分〜2時間保持して得た炭素繊維の
引張強度が250〜310Kg/mm2にも達する。 なお芳香族水素含有量の測定は、日本電子製
「超電導核磁気共鳴吸収装置モデルFX−270型」
(共鳴周波数270メガヘルツ)を用い、二硫化炭素
溶媒、試料濃度5重量%で行つた。ケミカルシフ
トの帰属は、Fuel、60、(1981)第221〜231頁の
第2表(同、第224頁)に従い、テトラメチルシ
ラン基準のケミカルシフト領域9.30〜6.30PPMを
芳香族水素とし、全水素に対するシフト率を芳香
族水素含有率と定義した。 又、本発明の方法では、1回の反応で固体酸触
媒上に析出する、空気中500〜600℃で燃焼する重
質物の析出量を、本発明で用いる鉄修飾触媒では
触媒量の20重量%以下に抑制し得る。従つて、鉄
修飾固体酸触媒は、反応毎に加圧反応容器から取
り出さずに繰返しEHE改質反応に用いることが
できる。 更に、本発明の方法によつて得られた沸点500
℃以上の留分からなる改質EHEピツチのクロロ
ホルム不溶分量が4重量%未満に抑制することが
可能となつた。 なお、ここでいうところのクロロホルム不溶分
量は共栓付エルレンマイマーフラスコ中にてクロ
ロホルム10mlと、不活性ガス雰囲気で微粉砕した
改質EHEピツチ1.0gを混合し、超音波洗浄器を
用いて水浴温度において10分間振盪溶解せしめた
後、ワツトマン社製ガラス繊維紙GF/Fを用
いて吸引過し、クロロホルムおよびアセトンで
洗浄風乾後デシケーターに一昼夜放置した後に秤
量して不溶分量を算出する方法でもとめた。 実験例 実施例 1 触媒化成(株)製接触改質用シリカ・アルミナ触媒
(Al2O3=13重量%)をマツフル炉中500℃、2時
間〓焼した後振盪ふるいを用いて100−300メツシ
ユを分級して固体酸触媒を得た。硝酸第二鉄・九
水塩2.17gを1のビーカーに採取し600mlの蒸
留水に溶かした。固体酸触媒300gを該ビーカー
に投入して室温で1分間激しく撹拌した後に30分
静置した。鉄イオンの色は消失し、無色の上澄み
液が得られた。ブフナー漏斗を用いて上澄液を水
流ポンプで吸引過した後、蒸留水5を用いて
5回にわけて触媒成分を洗浄後、80℃の空気浴乾
燥機で20時間乾燥し、マツフル炉中500℃で3時
間〓焼して硝酸塩分解をおこなつて、固体酸100
重量部に対して0.1重量部の鉄を担持した鉄修飾
固体酸触媒を得た。 該鉄修飾固体酸触媒30gとEHE626gを、反応
釜底部に吹出し口を有する加圧水素導入管、4枚
羽根の撹拌装置及び反応排ガスの定流量放出装置
を備えたSVS−316製オートクレーブ(内容積1
)に装入し、反応圧力120Kg/cm2G、水素流量
100STP−l/時間、撹拌数1000R.P.Mの条件下
にに3℃/分の昇温速度で460℃に昇温し、この
温度に80分間保持した。フランジ部分も均等に加
温することで、オートクレーブ外壁温度と反応温
度の差を10℃未満に制御した。室温まで冷却、脱
ガス後反応液及び重量分の付着した触媒を取り出
した。反応液は加圧過器にワツトマン社製ガラ
ス繊維紙(GF/B)を用いて過し、改質
EHE液488gを得た。減圧蒸留で常圧換算沸点
500℃までの軽沸点留分を除いて改質ピツチ164g
を得た。これは仕込みEHE量の26重量%に相当
する。二硫化炭素中濃度5重量%のEHE改質ピ
ツチの270MHZ−H−NMRを測定した結果、芳
香族水素含有率70%が得られた。ピリジン溶媒を
用いて測定した数平均分子量は492であつた。不
活性ガス雰囲気中で改質EHEピツチを粉砕し、
100〜200メツシユの粒径分布をもつ粉体を分取し
てその1gを精秤して共栓付30mlエルレンマイヤ
ーフラスコに移し、10mlの特級クロロホルムを注
加した後密栓し、超音波洗浄機を用いて水浴中常
温で10分間振盪溶解せしめた後に、シリカゲルを
充填したデシケーターにて恒量としたガラス繊維
紙(ワツトマン社製GF/F)を用いて吸引
過し、紙及び残渣を先ずクロロホルム10mlで、
次いで特級アセトン10mlで洗浄後風乾し、シリカ
ゲルを充填したデシケーターにて一昼夜放置後秤
量して、クロロホルム不溶分を算出したところ
3.1重量%を得た。 回収した触媒を室温でトルエンおよびアセトン
を用いて洗浄後乾燥して触媒からトルエン可溶分
を除去後、DTGを用いて空気流通下で加熱した
ところ、500〜600℃で発熱とそれに伴なう重量減
少パターンが得られた。減量曲線から、30gの鉄
修飾固体酸触媒上に6gのトルエン不溶な重質物
が付着していることが算出された。 オートクレーブ器壁および撹拌羽根への炭素質
物質の析出は認められなかつた。 実施例 2 EHE仕込み量を630gとした他は実施例1と同
じ条件でEHEの改質反応を用い反応時間経過後
直ちにオートクルーブを400℃まで急冷し、撹拌
および水素の流通を停止し、300℃まで室温で自
然放冷した。300℃で容器内のガスを静かに放出
して印加圧を5Kg/cm2Gにまで下げた後、オート
クレーブ器壁から1cmの位置に開口部をもつ液抜
出し管のバルブを静かに開放して反応生成液を氷
水で冷却したトラツプに移送し、液抜出し管より
ガスが出始める時点で抜き出しを停止して改質
EHE液を得た。改質EHEおよび改質EHEピツチ
の収量及び各種物性値を表1にまとめた。 実施例 3 実施例2でオートクレーブ中に残留する鉄修飾
固体酸触媒および改質EHEの混合スラリーに対
し、加圧注入容器より窒素背圧7Kg/cm2で
EHE650gを圧入し、系を加圧水素ガスで置換後
実施例2と同じ反応条件で改質反応を行い、同じ
方法で改質EHE液を得た。改質EHEおよび改質
EHEピツチの収量及び各種物性他を表1にまと
めた。 実施例 4および5 実施例3の操作をさらに2度繰返した。結果を
表1にまとめた。 実施例5で改質EHE液抜き出し後に、オート
クレーブを開いて残存した鉄修飾触媒および改質
EHE液を回収した。反応容器器壁および撹拌装
置への炭素質物質の析出は認められなかつた。実
施例1と同じ方法で鉄修飾触媒上への重質物析出
量を算出したところ、30gの仕込み触媒量に対し
て11gのトルエン不溶分の析出が認められた。 参考例 1 本参考例の目的は本発明の方法で得られる改質
EHEピツチの高強度炭素繊維の出発原料として
の適性を開示することにある。 実施例1で得られた改質EHEピツチ9.1gを内
容積30mlのパイレツクスチユーブ(内筒)に入
れ、これをさらに内容積40mlの反応器に入れ、ア
ルゴン気流下、予め480℃に保つた溶融塩浴に浸
した。ピツチ温度250℃の段階で内筒底部から3
mmの位置に内筒底部に向けて吹出し口を有する外
径6mm、内径4mmのSVS−32製ガス吹込み管を
内筒に入れ、吹込み管より溶融ピツチ中に
24STP−lアルゴン/時間の供給速度でアルゴ
ンを塩浴で予熱した後に吹き込みながら昇温を続
け、6分後にピツチ温度478℃を得た。更に13分
間加熱を続けた。13分後のピツチ温度は484℃で
あつた。反応管を塩浴から取り出し、アルゴン流
通下室温まで冷却し熱処理ピツチ4.8gを得た。
これは仕込みEHE基準で14重量%の収率に相当
する。 得られたピツチをエポキシ樹脂に埋め込んで研
磨後偏光顕微鏡で観察したところ視野全域にメソ
フエーズピツチの生成が認められた。JIS−K−
2425遠心法によるキノリン不溶分は43.4重量%で
あつた。得られたメソフエーズピツチ2gを孔直
径0.5mmの紡糸口金をもつ黄銅製紡糸筒に装入し
た。ピツチ温度397℃、アルゴン印加圧80cmaq、
紡糸速度420m/分の条件で10分以上糸切れなく
紡糸することができた。 熱風循環式オーブンを用いて、得られたピツチ
繊維を空気雰囲気中にて7時間で270℃まで昇温
しその温度に1.5時間保つて不融化繊維とした。
更にアルゴン気流下、不融化繊維を5℃/分の昇
温速度で1000℃まで加熱し、この温度に30分保持
した後急冷して炭素繊維とした。 得られた炭素繊維24本の平均値として、直径
8.4μm、引張強度240Kg/mm2、引張弾性率
14.4Ton/mm2、伸び率1.5%が得られた。 比較例 1 本比較例の目的は鉄触媒単独での改質反応で得
られた改質EHEピツチの、高強度炭素繊維の出
発原料としての不適切性を開示することにある。 試薬特級水酸化鉄から振盪ふるいを用いて分級
した200−300メツシユの触媒粉体6.3gと、
EHE564gを実施例1のオートクレーブに装入
し、実施例1と同じ反応条件で改質EHEピツチ
46gを得た。これは仕込みEHE基準で8.2重量%
に相当する。得られた改質EHEピツチの各種デ
ータを表1にまとめた。 参考例1に開示した反応方法における反応時間
13分を16分に変更した以外は同じ反応条件を適用
して改質EHEピツチ10gから熱処理ピツチ4.1g
を得た。これはEHE基準で3.4重量%収率に相当
する。 得られたピツチの一部をエポキシ樹脂に埋め込
んで研磨後偏光顕微鏡で観察したところ、メソフ
エーズ含量は90%であつた。JIS−K−2425遠心
法によるキノリン不溶分量は36.5%であつた。得
られたメソフエーズピツチ2gを参考例1の方法
で紡糸を試み、紡糸速度250m/分で最長2分間
連続紡糸できた。参考例1の条件で不融化、炭素
化して得た炭素繊維8本の平均値として、糸径
17.6μm、引張り強度42Kg/mm2、引張り弾性率
7.1Ton/mm2、伸び率0.5%が得られた。 比較例 2 本比較例の目的は、固体酸触媒に鉄成分を必要
量以上担持して得た鉄修飾固体酸触媒が、鉄触媒
としての機能のみを優先して発揮し、得られた改
質EHEピツチをさらに熱処理して得られるメソ
フエーズ含有ピツチは、本発明の目的とする紡糸
特性を付与することが不可能なことを開示するこ
とを目的とする。 硝酸第二鉄九水塩:109gを共ズリ付1のナ
ス型フラスコに採取し、600mlの蒸留水に混合溶
解せしめた。実施例1の方法で得た固体酸触媒
300gを該フラスコ内の溶液と混合し、これを水
流ポンプで吸引したエバポレーターに設置し、50
℃の湯浴上で蒸発乾固操作を行つた後マツフル炉
で500℃、3時間〓焼して硝酸塩を分解し、固体
酸触媒100重量部に付して5重量部の鉄を担持し
た鉄修飾固体酸触媒を得た。 該固体酸触媒30gとEHE622gを用いた他は実
施例1の反応条件、反応方法を用いて改質EHE
ピツチを得た。得られたピツチ99gの各種性状を
表1にまとめた。 参考例1に開示した反応方法における反応時間
13分を10分に変更した以外は同じ反応条件を適用
して改質EHEピツチ8.3gから熱処理ピツチ2.2g
を得た。これはEHE基準で4.2重量%の収率に相
当する。又キノリン不溶分は30.4重量%であり、
メソフエーズ含量は70%であつた。得られたメソ
フエーズピツチ2gを用い参考例1の方法で紡糸
を試みたが、等方性部分と異方性部分の相溶性が
悪く、紡糸は事実上不可能であつた。 【表】
する際に副生する重質油(エチレンヘビーエン
ド)の処理方法に関するものである。 本発明の方法によれば、得られた処理エチレン
ヘビーエンドは、500℃までの軽沸留分を除いた
ものの芳香族水素の含有率が60〜80%である改質
ピツチを与える。この改質ピツチは炭素繊維など
の原料として用いることができる。 発明の背景 石油留分の熱分解でエチレンを製造する際に副
生する重質油(エチレンヘビーエンド、以下
「EHE」と略記することがある)を蒸留して得ら
れるピツチ(以下「EHE未処理ピツチ」と略記
することがある)は、石炭乾留タールや石油留分
の接触分解の塔底油を蒸留して得られるピツチ類
と比較すると、 硫黄、酸素、窒素の化合物の含量が実質的に
零である、 バナジウム、ニツケル等の重金属元素の化合
物が含まれていない、 などの特徴をもち、各種炭素材料の出発原料に適
した性状を有する。 また、EHE未処理ピツチを熱処理することで
得られるメンフエーズ小球体は、容易に合体して
流れ構造を形成する。従つて溶融メンフエーズピ
ツチが所定の紡糸特性をもてば、ピツチ系の高強
度高弾性率炭素繊維の優れた出発原料になると推
測される。 しかし、EHE未処理ピツチでは、メンフエー
ズ化反応と同時に構成成分の重縮合反応による高
分子量化反応が速かに進むために、生成メソフエ
ーズピツチの大部分がキノリン不溶性といういわ
ゆる固いメソフエーズピツチが形成され、高いメ
ソフエーズ含量のピツチでは軟化点が高くなり過
ぎて紡糸が実質上不可能となる。メソフエーズ含
有量を下げると、メソフエーズ部分と等方性部分
との相溶性が著しく低いために、相分離を生じ、
糸切れが頻発するなど紡糸性が顕著に不良とな
る。又、極端な場合には、等方性ピツチ中に球晶
が珠数玉のように連なつた形でノズルから押し出
されるため、紡糸が不可能となる。 先行技術 EHE未処理ピツチの上記欠点を改良する目的
で種々の改善手法が提案されてきた。 具体的には特開昭58−18421、同58−196292、
同57−168987、同58−142976、同58−167679およ
び同58−169515各号公報をあげることができる。
これらのEHE処理に関する先行技術は、 テトラヒドロキノリンのような高価な薬品を
多量に消費し、かつプロセスが複雑である、 光学的異方性部分の含量が比較的低い領域に
限定される、 メソフエーズピツチを硫黄でさらに追加処理
する必要がある、 など種々の改良すべき問題点を抱えている。 本発明者らは特開昭58−154792号公報におい
て、EHEを出発原料とする芳香族水素含有率が
50〜90%、好ましくは60〜80%のピツチを400〜
520℃で短時間熱処理して得られるメソフエーズ
ピツチは、好ましくは70〜100%、少くとも40%
以上のメソフエーズ含量の領域で良好な紡糸特性
を発現し、このピツチを原料として1000℃で炭素
化して得た炭素繊維は、引張強度248Kg/mm2、弾
性率14t/mm2を与えることを示した。そしてピツ
チの芳香族水素含有率を上記好適範囲に調製する
為に、EHEを水素加圧下400〜520℃の温度範囲
で無触媒反応に供する方法を開示した。 しかしながら、上記方法では、条件によつて
は、工業プロセスとして許容される範囲内で反応
圧力および水素供給量を増加しても、反応終了後
の反応器器壁や撹拌装置にコークス状物質が固着
する現象が見出された。 また、特開昭58−41914号公報には、ピツチ類
を炭化水素系溶剤中、水素化触媒として鉄、コバ
ルト、モリブデン、銅、タングステン、ニツケ
ル、白金、ロジウム、該金属の酸化物、硫化物か
ら選ばれた少くとも1種を原料ピツチ類に対して
1〜20重量%添加し、水素化温度400〜500℃、水
素圧力50〜300Kg/cm2Gの条件で水素化ピツチ類
を得る方法が開示されている。これにより水素化
ピツチ類の水素含有量が原料ピツチ類の水素含有
量に対し10%以上高くなることが開示されてい
る。 本発明者らは該先行技術に開示された鉄触媒を
用いて、EHEの改質を試みた。すなわち、仕込
みEHEに対して1重量%の水酸化鉄分を添加し
た加圧水素共存の回分反応系で、芳香族水素含有
率が60〜80%の改質EHEピツチを得るべく種々
反応条件を試みたが、該芳香族水素含有率を達成
する反応条件下では仕込みEHEに対して10重量
%にも達する炭素質物質が反応器々壁に析出する
ことを回避できなかつた。 また加圧水素の流通下での改質反応も試みたと
ころ、炭素質物質の析出は完全に抑止することが
できたが、大量のメタンガスの生成をともなう軽
質化反応が促進されて、改質EHEピツチの収率
が仕込みEHEに対して10重量%前後まで低下し
た。また得られた改質EHEピツチの芳香族水素
含有率は40〜60%と低く、熱処理によつて得たメ
ソフエーズ含有量が10〜100%のメソフエーズピ
ツチの紡糸は困難であつた。 工業化装置でのコークス析出現象は反応器伝熱
量の軽時的変化、撹拌装置の回転不良、生成物へ
の混入および流路の閉塞などを並発する為に装置
の保守、運転コストおよび製品々質に対して極め
て重大な障害となることが知られている。 本発明者らは、上記問題点を改良すべくエチレ
ンヘビーエンドの処理方法について研究を行つた
ところ、特定の触媒及び反応条件下にEHEを処
理すると、炭素繊維原料として好ましい特性を備
えたピツチを得るのに必要な反応条件下でも反応
器壁へのコークスの析出が実質的に零になること
を見い出し本発明に到つた。 発明の要旨 本発明は、石油留分の熱分解でエチレンを製造
する際に副生するエチレンヘビーエンドを処理す
る方法において、該エチレンヘビーエンドを鉄修
飾シリカ・アルミナ及び加圧水素の存在下、400
〜500℃の温度範囲で処理することを特徴とする
エチレンヘビーエンドの処理方法を提供するもの
である。 発明の具体的説明 本発明に使用する固体酸触媒はシルカ・アルミ
ナが好ましい。鉄修飾固体酸触媒は、例えば接触
改質用シリカ・アルミナを使用する場合は、触媒
粉体を分級して100〜300メツシユの粒度に整えた
上で硝酸鉄、塩化鉄、硫酸鉄などの含浸水溶液に
含浸することで鉄元素を担持した鉄修飾固体酸触
媒とすることができる。含浸液としては硝酸鉄水
溶液がより好ましい。 含浸液量はシリカ・アルミナの吸水量以上に保
つ必要があるが、吸水量と含浸液量を等しくする
必要はない。含浸後5分〜10時間静置して、鉄イ
オン特有の色が消失する量以下の鉄化合物を担持
することが好ましい。含浸が静置によつて完了す
る量以上の鉄化合物を、例えば蒸発乾固等で強制
的に担持した触媒は、鉄触媒としての機能のみが
表面化するので本発明の目的に合致しない。 硝酸鉄を含浸担持した固体酸触媒は、適当な方
法で水を除いた後に各質反応に供することができ
るが、400〜600℃で硝酸鉄を加熱分解した後に改
質反応に供することがより好ましい。塩化鉄や硫
酸鉄を出発原料とする場合には塩素や硫酸根を除
く処理を施した上で改質反応に供することが望ま
しい。 具体的な鉄担持量としては、固体酸触媒100重
量部に対して0.001〜3重量部好ましくは0.05〜
2重量部をあげることができる。 本発明の実施の良否を支配する因子は、固体酸
触媒上の鉄の担持状態および触媒の形状である。
即ち、本発明に用いる鉄修飾固体酸触媒は、加圧
水素の存在下で固体酸触媒の触媒能と鉄の触媒能
とが同時に機能する必要がある。作用時におい
て、固体酸触媒の活性点が鉄成分で完全に被覆さ
れた鉄修飾固体酸触媒や触媒表面に嵩高く鉄粒子
が推積しているような鉄修飾固体酸触媒において
は、鉄触媒としての触媒能のみが表面化する。 また、固体酸触媒の活性点と鉄に由来する活性
点が協奏的に機能し得るように調製された触媒に
おいても、酸点の強度および量によつて、また改
質反応の条件によつても、固体酸触媒および鉄触
媒としての活性度は大きく異なるので、例えば強
酸性固体酸触媒と弱酸性固体酸触媒とでは、鉄の
最適担持量範囲は異なつてくる。従つて、本発明
が目的とする改質EHEピツチを得るためには、
固体酸触媒への鉄の担持にあたつて、固体酸触媒
のBET表面積、細孔分布、酸強度および酸量な
どの諸因子を考慮の上で鉄の担持量を決定する必
要がある。また鉄の分散状態に可能な限り均一性
をもたせる為に、成型触媒への担持よりは、でき
るだけ粒子サイズを揃えた粉体もしくは微小球状
体への荘持がより好ましい。 担持方法としては、当業者には公知の方法であ
る含浸法や同時沈殿形成法をあげることができ
る。混練法や固体酸触媒への液相からの沈殿析出
法などは、本発明の目的とする鉄修固体酸触媒を
製造するには適当とはいえない。 触媒として粉体もしくは微小球体が好ましいこ
とにり、反応形式としては加圧水素存在下での固
定床流通反応方式よりは回分反応方式や連続槽反
応方式の方が望ましい。回分反応方式においては
加圧水素を初期に装入して反応に供する方法も可
能であるが、加圧水素を反応容器内に連続的に供
給する方法が、反応中水素分圧を一定水準以上に
保持できるのでより好ましい。 触媒の使用量として、沸点170℃以上の
EHE100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましく
は0.5〜5重量部をあげることができる。反応条
件として、400〜500℃、好ましくは430〜480℃の
温度範囲、1分〜5時間、好ましくは5分〜2時
間の反応時間、40〜200Kg/cm2G、好ましくは60
〜150Kg/cm2Gの圧力範囲を夫々あげることがで
きる。 加圧水素流通法での加圧水素の供給量として2
〜50mole−H2/Kg−EHE/時間、好ましくは4
〜30mole−H2/Kg−EHE/時間をあげることが
できる。回分式反応での初期水素装入量として1
〜50mole/H2/Kg−EHE、好ましくは2〜
30mole/H2/Kg−EHEをあげることができる。
加圧水素EHEおよび触媒よりなる気・液・固の
接触を良好に保持するために、撹拌混合を実施す
ることが好ましく、特に加圧水素流通法では、水
素吹込み口をEHE液中に設置することでバブリ
ングによる撹拌効果をも付与することが望まし
い。 発明の効果 本発明の方法を実施することで、コークス生成
を実質的に零に抑止しながら、EHEを処理して
改質EHEピツチを製造できる。すなわち、得ら
れた生成液から減圧蒸留で常圧換算沸点500℃以
下の留分を除いた改質EHEピツチ中の芳香族水
素の含有率を任意に、例えば60〜80%、好ましく
は60〜75%の範囲に設定できるようになつた。 このため、低温易炭素化性に富む高性能炭素繊
維原料として、EHEのもつ特性を発揮できるよ
うにならしめた。具体的にいえば、本発明の方法
で得られた改質EHEピツチを、例えば特開昭58
−154792、同58−154793各号明細書に記載した熱
処理条件(減圧下又は不活性ガスを吹込みなが
ら、430〜550℃の温度範囲で少なくとも40%のメ
ソフエーズが生成するまで加熱する)で熱処理す
ると、メソフエーズ含有率が40%以上、好ましく
は70%以上、より好ましくは80%以上、殊に好ま
しくは85〜100%であるメソフエーズピツチから
安定して糸径10μm以下のピツチ繊維を溶融紡糸
することが可能となる。また、空気中250〜300℃
の温度範囲へ0.1〜5℃/分の昇温速度で昇温し
た後、0.1〜10時間好ましくは0.5〜5時間保持し
て得た不融化繊維を、不活性ガス雰囲気中、800
〜1000℃、好ましくは900〜1000℃の温度範囲で、
1〜10℃/分の昇温速度で昇温後、0〜4時間、
好ましくは5分〜2時間保持して得た炭素繊維の
引張強度が250〜310Kg/mm2にも達する。 なお芳香族水素含有量の測定は、日本電子製
「超電導核磁気共鳴吸収装置モデルFX−270型」
(共鳴周波数270メガヘルツ)を用い、二硫化炭素
溶媒、試料濃度5重量%で行つた。ケミカルシフ
トの帰属は、Fuel、60、(1981)第221〜231頁の
第2表(同、第224頁)に従い、テトラメチルシ
ラン基準のケミカルシフト領域9.30〜6.30PPMを
芳香族水素とし、全水素に対するシフト率を芳香
族水素含有率と定義した。 又、本発明の方法では、1回の反応で固体酸触
媒上に析出する、空気中500〜600℃で燃焼する重
質物の析出量を、本発明で用いる鉄修飾触媒では
触媒量の20重量%以下に抑制し得る。従つて、鉄
修飾固体酸触媒は、反応毎に加圧反応容器から取
り出さずに繰返しEHE改質反応に用いることが
できる。 更に、本発明の方法によつて得られた沸点500
℃以上の留分からなる改質EHEピツチのクロロ
ホルム不溶分量が4重量%未満に抑制することが
可能となつた。 なお、ここでいうところのクロロホルム不溶分
量は共栓付エルレンマイマーフラスコ中にてクロ
ロホルム10mlと、不活性ガス雰囲気で微粉砕した
改質EHEピツチ1.0gを混合し、超音波洗浄器を
用いて水浴温度において10分間振盪溶解せしめた
後、ワツトマン社製ガラス繊維紙GF/Fを用
いて吸引過し、クロロホルムおよびアセトンで
洗浄風乾後デシケーターに一昼夜放置した後に秤
量して不溶分量を算出する方法でもとめた。 実験例 実施例 1 触媒化成(株)製接触改質用シリカ・アルミナ触媒
(Al2O3=13重量%)をマツフル炉中500℃、2時
間〓焼した後振盪ふるいを用いて100−300メツシ
ユを分級して固体酸触媒を得た。硝酸第二鉄・九
水塩2.17gを1のビーカーに採取し600mlの蒸
留水に溶かした。固体酸触媒300gを該ビーカー
に投入して室温で1分間激しく撹拌した後に30分
静置した。鉄イオンの色は消失し、無色の上澄み
液が得られた。ブフナー漏斗を用いて上澄液を水
流ポンプで吸引過した後、蒸留水5を用いて
5回にわけて触媒成分を洗浄後、80℃の空気浴乾
燥機で20時間乾燥し、マツフル炉中500℃で3時
間〓焼して硝酸塩分解をおこなつて、固体酸100
重量部に対して0.1重量部の鉄を担持した鉄修飾
固体酸触媒を得た。 該鉄修飾固体酸触媒30gとEHE626gを、反応
釜底部に吹出し口を有する加圧水素導入管、4枚
羽根の撹拌装置及び反応排ガスの定流量放出装置
を備えたSVS−316製オートクレーブ(内容積1
)に装入し、反応圧力120Kg/cm2G、水素流量
100STP−l/時間、撹拌数1000R.P.Mの条件下
にに3℃/分の昇温速度で460℃に昇温し、この
温度に80分間保持した。フランジ部分も均等に加
温することで、オートクレーブ外壁温度と反応温
度の差を10℃未満に制御した。室温まで冷却、脱
ガス後反応液及び重量分の付着した触媒を取り出
した。反応液は加圧過器にワツトマン社製ガラ
ス繊維紙(GF/B)を用いて過し、改質
EHE液488gを得た。減圧蒸留で常圧換算沸点
500℃までの軽沸点留分を除いて改質ピツチ164g
を得た。これは仕込みEHE量の26重量%に相当
する。二硫化炭素中濃度5重量%のEHE改質ピ
ツチの270MHZ−H−NMRを測定した結果、芳
香族水素含有率70%が得られた。ピリジン溶媒を
用いて測定した数平均分子量は492であつた。不
活性ガス雰囲気中で改質EHEピツチを粉砕し、
100〜200メツシユの粒径分布をもつ粉体を分取し
てその1gを精秤して共栓付30mlエルレンマイヤ
ーフラスコに移し、10mlの特級クロロホルムを注
加した後密栓し、超音波洗浄機を用いて水浴中常
温で10分間振盪溶解せしめた後に、シリカゲルを
充填したデシケーターにて恒量としたガラス繊維
紙(ワツトマン社製GF/F)を用いて吸引
過し、紙及び残渣を先ずクロロホルム10mlで、
次いで特級アセトン10mlで洗浄後風乾し、シリカ
ゲルを充填したデシケーターにて一昼夜放置後秤
量して、クロロホルム不溶分を算出したところ
3.1重量%を得た。 回収した触媒を室温でトルエンおよびアセトン
を用いて洗浄後乾燥して触媒からトルエン可溶分
を除去後、DTGを用いて空気流通下で加熱した
ところ、500〜600℃で発熱とそれに伴なう重量減
少パターンが得られた。減量曲線から、30gの鉄
修飾固体酸触媒上に6gのトルエン不溶な重質物
が付着していることが算出された。 オートクレーブ器壁および撹拌羽根への炭素質
物質の析出は認められなかつた。 実施例 2 EHE仕込み量を630gとした他は実施例1と同
じ条件でEHEの改質反応を用い反応時間経過後
直ちにオートクルーブを400℃まで急冷し、撹拌
および水素の流通を停止し、300℃まで室温で自
然放冷した。300℃で容器内のガスを静かに放出
して印加圧を5Kg/cm2Gにまで下げた後、オート
クレーブ器壁から1cmの位置に開口部をもつ液抜
出し管のバルブを静かに開放して反応生成液を氷
水で冷却したトラツプに移送し、液抜出し管より
ガスが出始める時点で抜き出しを停止して改質
EHE液を得た。改質EHEおよび改質EHEピツチ
の収量及び各種物性値を表1にまとめた。 実施例 3 実施例2でオートクレーブ中に残留する鉄修飾
固体酸触媒および改質EHEの混合スラリーに対
し、加圧注入容器より窒素背圧7Kg/cm2で
EHE650gを圧入し、系を加圧水素ガスで置換後
実施例2と同じ反応条件で改質反応を行い、同じ
方法で改質EHE液を得た。改質EHEおよび改質
EHEピツチの収量及び各種物性他を表1にまと
めた。 実施例 4および5 実施例3の操作をさらに2度繰返した。結果を
表1にまとめた。 実施例5で改質EHE液抜き出し後に、オート
クレーブを開いて残存した鉄修飾触媒および改質
EHE液を回収した。反応容器器壁および撹拌装
置への炭素質物質の析出は認められなかつた。実
施例1と同じ方法で鉄修飾触媒上への重質物析出
量を算出したところ、30gの仕込み触媒量に対し
て11gのトルエン不溶分の析出が認められた。 参考例 1 本参考例の目的は本発明の方法で得られる改質
EHEピツチの高強度炭素繊維の出発原料として
の適性を開示することにある。 実施例1で得られた改質EHEピツチ9.1gを内
容積30mlのパイレツクスチユーブ(内筒)に入
れ、これをさらに内容積40mlの反応器に入れ、ア
ルゴン気流下、予め480℃に保つた溶融塩浴に浸
した。ピツチ温度250℃の段階で内筒底部から3
mmの位置に内筒底部に向けて吹出し口を有する外
径6mm、内径4mmのSVS−32製ガス吹込み管を
内筒に入れ、吹込み管より溶融ピツチ中に
24STP−lアルゴン/時間の供給速度でアルゴ
ンを塩浴で予熱した後に吹き込みながら昇温を続
け、6分後にピツチ温度478℃を得た。更に13分
間加熱を続けた。13分後のピツチ温度は484℃で
あつた。反応管を塩浴から取り出し、アルゴン流
通下室温まで冷却し熱処理ピツチ4.8gを得た。
これは仕込みEHE基準で14重量%の収率に相当
する。 得られたピツチをエポキシ樹脂に埋め込んで研
磨後偏光顕微鏡で観察したところ視野全域にメソ
フエーズピツチの生成が認められた。JIS−K−
2425遠心法によるキノリン不溶分は43.4重量%で
あつた。得られたメソフエーズピツチ2gを孔直
径0.5mmの紡糸口金をもつ黄銅製紡糸筒に装入し
た。ピツチ温度397℃、アルゴン印加圧80cmaq、
紡糸速度420m/分の条件で10分以上糸切れなく
紡糸することができた。 熱風循環式オーブンを用いて、得られたピツチ
繊維を空気雰囲気中にて7時間で270℃まで昇温
しその温度に1.5時間保つて不融化繊維とした。
更にアルゴン気流下、不融化繊維を5℃/分の昇
温速度で1000℃まで加熱し、この温度に30分保持
した後急冷して炭素繊維とした。 得られた炭素繊維24本の平均値として、直径
8.4μm、引張強度240Kg/mm2、引張弾性率
14.4Ton/mm2、伸び率1.5%が得られた。 比較例 1 本比較例の目的は鉄触媒単独での改質反応で得
られた改質EHEピツチの、高強度炭素繊維の出
発原料としての不適切性を開示することにある。 試薬特級水酸化鉄から振盪ふるいを用いて分級
した200−300メツシユの触媒粉体6.3gと、
EHE564gを実施例1のオートクレーブに装入
し、実施例1と同じ反応条件で改質EHEピツチ
46gを得た。これは仕込みEHE基準で8.2重量%
に相当する。得られた改質EHEピツチの各種デ
ータを表1にまとめた。 参考例1に開示した反応方法における反応時間
13分を16分に変更した以外は同じ反応条件を適用
して改質EHEピツチ10gから熱処理ピツチ4.1g
を得た。これはEHE基準で3.4重量%収率に相当
する。 得られたピツチの一部をエポキシ樹脂に埋め込
んで研磨後偏光顕微鏡で観察したところ、メソフ
エーズ含量は90%であつた。JIS−K−2425遠心
法によるキノリン不溶分量は36.5%であつた。得
られたメソフエーズピツチ2gを参考例1の方法
で紡糸を試み、紡糸速度250m/分で最長2分間
連続紡糸できた。参考例1の条件で不融化、炭素
化して得た炭素繊維8本の平均値として、糸径
17.6μm、引張り強度42Kg/mm2、引張り弾性率
7.1Ton/mm2、伸び率0.5%が得られた。 比較例 2 本比較例の目的は、固体酸触媒に鉄成分を必要
量以上担持して得た鉄修飾固体酸触媒が、鉄触媒
としての機能のみを優先して発揮し、得られた改
質EHEピツチをさらに熱処理して得られるメソ
フエーズ含有ピツチは、本発明の目的とする紡糸
特性を付与することが不可能なことを開示するこ
とを目的とする。 硝酸第二鉄九水塩:109gを共ズリ付1のナ
ス型フラスコに採取し、600mlの蒸留水に混合溶
解せしめた。実施例1の方法で得た固体酸触媒
300gを該フラスコ内の溶液と混合し、これを水
流ポンプで吸引したエバポレーターに設置し、50
℃の湯浴上で蒸発乾固操作を行つた後マツフル炉
で500℃、3時間〓焼して硝酸塩を分解し、固体
酸触媒100重量部に付して5重量部の鉄を担持し
た鉄修飾固体酸触媒を得た。 該固体酸触媒30gとEHE622gを用いた他は実
施例1の反応条件、反応方法を用いて改質EHE
ピツチを得た。得られたピツチ99gの各種性状を
表1にまとめた。 参考例1に開示した反応方法における反応時間
13分を10分に変更した以外は同じ反応条件を適用
して改質EHEピツチ8.3gから熱処理ピツチ2.2g
を得た。これはEHE基準で4.2重量%の収率に相
当する。又キノリン不溶分は30.4重量%であり、
メソフエーズ含量は70%であつた。得られたメソ
フエーズピツチ2gを用い参考例1の方法で紡糸
を試みたが、等方性部分と異方性部分の相溶性が
悪く、紡糸は事実上不可能であつた。 【表】
Claims (1)
- 1 石油留分の熱分解でエチレンを製造する際に
副生するエチレンヘビーエンドを処理する方法に
おいて、該エチレンヘビーエンドを鉄修飾シリ
カ・アルミナ及び加圧水素の存在下、400〜500℃
の温度範囲で処理することを特徴とするエチレン
ヘビーエンドの処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9718484A JPS60240791A (ja) | 1984-05-15 | 1984-05-15 | エチレンヘビ−エンドの処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9718484A JPS60240791A (ja) | 1984-05-15 | 1984-05-15 | エチレンヘビ−エンドの処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60240791A JPS60240791A (ja) | 1985-11-29 |
| JPH0430437B2 true JPH0430437B2 (ja) | 1992-05-21 |
Family
ID=14185492
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9718484A Granted JPS60240791A (ja) | 1984-05-15 | 1984-05-15 | エチレンヘビ−エンドの処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60240791A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US9446997B2 (en) | 2010-09-14 | 2016-09-20 | Jx Nippon Oil & Energy Corporation | Method for producing aromatic hydrocarbons |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP5334903B2 (ja) * | 2010-03-30 | 2013-11-06 | Jx日鉱日石エネルギー株式会社 | A重油組成物 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5997183A (ja) * | 1982-11-26 | 1984-06-04 | 富士通株式会社 | 画面表示の制御方式 |
| JPS60106882A (ja) * | 1983-11-15 | 1985-06-12 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 重質瀝青物の精製方法 |
-
1984
- 1984-05-15 JP JP9718484A patent/JPS60240791A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US9446997B2 (en) | 2010-09-14 | 2016-09-20 | Jx Nippon Oil & Energy Corporation | Method for producing aromatic hydrocarbons |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60240791A (ja) | 1985-11-29 |
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