JPH04323312A - 溶銑脱燐方法 - Google Patents

溶銑脱燐方法

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JPH04323312A
JPH04323312A JP11930291A JP11930291A JPH04323312A JP H04323312 A JPH04323312 A JP H04323312A JP 11930291 A JP11930291 A JP 11930291A JP 11930291 A JP11930291 A JP 11930291A JP H04323312 A JPH04323312 A JP H04323312A
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JP
Japan
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dephosphorization
slag
hot metal
blowing
furnace
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JP11930291A
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Makoto Fukagawa
深川 信
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、溶銑の脱燐と同時に
溶銑中[Cr]濃度をも上昇させて高[Cr]濃度鋼の
製造を有利化するための溶銑脱燐方法に関するものであ
る。
【0002】
【背景技術】近年、多品種の高品質鋼材を低価格で製造
しようとの研究が盛んに行われており、このような試み
の一環として、例えば「脱燐溶銑を転炉内(前記脱炭炉
に相当)で造滓剤を使用することなく吹錬を行い、 こ
の吹錬中にクロム鉱石を溶鋼中に添加して溶鉄の精錬終
点[Cr]を上昇させる方法(特開昭56−91913
号公報)」等のような“溶鉄中[Cr]上昇法”が提案
されている。
【0003】ただ、この場合、脱炭炉でのクロム鉱石の
添加可能量は“脱燐銑の温度と溶銑[C]値”及び“脱
炭炉終点温度と溶鋼[C]値”によって決定されるもの
であって、実際にはその添加量は精々溶鉄トン当り約2
0kg程度に過ぎず、脱炭炉終点[Cr]濃度も 0.
4〜 0.5重量%程度にしかならないものであった(
なお、 この値は次式で定義されるCr歩留りを約80
%とした場合のものである)。       (但し、 終点[Cr]は重量%,クロム
鉱石添加量は溶銑トン当りのkg数,クロム鉱石中のC
r割合は重量%とする)。
【0004】これに対して、要求される製品の[Cr]
値は、例えばCr−Mo鋼のように 0.8〜1.2 
重量%と高いものが多く、そのため不足[Cr]分は高
価なフェロクロム等の添加で補う必要があった。従って
、精錬後のフェロクロム添加量を減らし高Cr鋼の製造
コストを更に下げるためには、脱炭炉終点[Cr]値を
更に上げなければならなかったが、そのための有効な手
立ては見当たらなかった。
【0005】なお、クロム鉱石添加と同時に熱源として
コ−クスをも添加し溶鉄[Cr]値を上昇させる方法が
考えられるが、コ−クスからの[S]上昇、吹錬時間延
長による生産性の低下,コ−クスより混入する脈石成分
を中和するための生石灰添加によるコストアップ,更に
その結果スラグ量増加によるCr歩留低下等の問題点が
多く、実用的な手段とは言えなかった。
【0006】一方、最近、これとは別に低燐鋼をより一
層低いコストで安定溶製する手段の開発を目指した様々
な研究もなされており、製鋼ト−タルコストのミニマム
化や低燐鋼の安定溶製に関し次のような溶銑の予備脱燐
法が提案され、一部実用化がなされている。 (a) ト−ピ−ド内の溶銑に生石灰系のフラックス又
はソ−ダ灰をインジェクションすることで予備脱燐を行
う方法。 (b) 取鍋内の溶銑に生石灰系のフラックスをインジ
ェクションしたりブラスティング(吹き付け)すること
で予備脱燐を行う方法。 (c) 高炉鋳床樋中の溶銑に生石灰系のフラックスを
ブラスティングして予備脱燐を行う方法。
【0007】しかし、前記(a) 及び(b) の方法
では脱燐を“脱燐剤の浮上過程で進行する反応(トラン
ジトリ−・リアクタ−・リアクション)”に頼るため脱
燐フラックスの利用効率が必ずしも良くなく、また処理
時間が長くかかる分だけ処理時の抜熱が大きくなって溶
銑温度が低下すると言う問題があり、一方、前記(c)
 の方法では脱燐処理が高炉から出銑された直後の溶銑
に施されることから脱燐処理温度が約1400℃と高く
、従って到達P含有量が十分に満足できるレベルになり
難いとの指摘がなされていた。その上、溶銑脱燐フラッ
クスとして生石灰等を用いる場合には、その後の転炉吹
錬で使用される生石灰等の量をも合わせて考えると、前
記何れの方法も、“予備脱燐工程を省いて転炉のみでの
脱燐を行う方法”に比べて必要造滓剤量(生石灰等の量
)の低減効果はそれほど顕著であるとは言えなかった。
【0008】そこで、上記状況を踏まえた本発明者等は
、先に、図4で略示したような「上下両吹き機能を有し
た2基の転炉形式の炉を使用し、 その一方を脱燐炉1
、 他方を脱炭炉2として、 前記脱燐炉1内へ注入し
た溶銑3に前記脱炭炉2で発生した転炉滓4を主成分と
する精錬剤の添加すると共に、 底吹羽口5により底吹
きガス撹拌を行いつつランス6より酸素ガスを上吹きす
ることで脱燐炉1の溶銑3の温度を1200〜1400
℃に保ちながら溶銑脱燐を行い、 次に得られた脱燐溶
銑を脱炭炉2にて脱炭並びに仕上脱燐するという“脱燐
スラグ− メタルの向流的2段階接触精錬”にて、 極
めて少ない量の造滓剤でもって通常燐レベルの鋼或いは
低燐鋼を作業性良く低コストで製造し得るようにした製
鋼方法」を確立し、特公平2−14404号として提案
した。
【0009】なお、本発明者等が先に提案した上記発明
は、「全製鋼工程を通じての造滓剤の必要量はスラグと
メタルとを向流的に接触させる“スラグ− メタル向流
精錬”によるときが最も少なくて良いが、実際上は該向
流精錬の完全な実現は殆ど不可能であり、現状において
最も労少なく造滓剤の使用量を抑え得る可能性を秘めた
製鋼手段として挙げ得るものは、脱燐工程を2段階に分
割し、その下工程で発生するスラグを上工程の脱燐剤と
して使用する方法以外に見当たらない」との認識の下に
、該“転炉滓再利用による製鋼法”に関し、作業安定性
,脱燐効率或いは設備コスト等の面での問題点解消を目
指した研究による次の知見事項(A) 〜(F)を基に
完成されたものである。
【0010】(A) 溶銑の脱燐処理においては脱燐効
率からみて処理温度を出来るだけ低くする方が良いが、
該温度が余りに低くなり過ぎると次工程での不都合を引
き起こす上、処理後スラグへの粒鉄ロスが多くなると言
う問題が生じるので、該温度は1200〜1400℃、
好ましくは1300〜1350℃程度が最も良好である
。しかし、実際作業では脱燐剤の添加そのものが処理温
度を低下する大きな要因となるので上記温度を保持する
のは極めて困難であるが、脱燐処理時に少量の酸素ガス
を吹き込むことによって前記処理温度が安定かつ容易に
維持される。 (B) フラックスの脱燐能を十分に発揮せしめて脱燐
能率を上げるには、上述のような処理温度の調整もさる
ことながら、脱燐平衡状態を達成するための十分な撹拌
を欠くことができないが、高温の溶銑を高能率脱燐する
に十分満足できる効率の良い撹拌を短時間に実現するた
めには、処理容器底部から吹き込まれるガスによるガス
撹拌が最も好ましい。 (C) 加えて、効率の良い脱燐処理を行うためには処
理容器にスラグフォ−ミングのための十分なフリ−ボ−
ド(湯面から容器上端までの距離)が必要である,(D
) スラグによる処理容器耐火物の溶損を軽減して脱燐
作業能率を上げるためには、塩基性ライニングの使用が
好ましい。 (E) 2段階脱燐工程を含む製鋼法において脱燐作業
能率を上げるためには処理容器からの排滓能率を無視す
ることができず、排滓が容易な処理容器の使用を欠かせ
ない。 (F) 高品質鋼を作業性良く量産するためには十分な
排ガス処理設備(集塵機)が必要である。 (G) これらの条件を考慮すると、溶銑脱燐処理容器
としては転炉形式の炉、それも炉底から撹拌ガスを導入
できる上下両吹き機能を有した複合吹錬転炉が理想的で
あり、これを使用して前述した“2段階脱燐工程を含む
製鋼法”を実施すると、全製鋼工程を通じての造滓剤の
使用量が極く少なくても十分に効率の良い脱燐がなされ
、高品質鋼を作業能率良く量産できる。
【0011】そして、この本発明者等が先に提案した方
法は、使用造滓剤量を極力抑えた低コスト操業でもって
低燐鋼を安定して製造することができ、高品質鋼を安価
に提供する上で極めて有利であった。
【0012】ところが、その後も本発明者等により様々
な観点から続けられた前記「先に提案した方法(特公平
2−14404号)」に関しての検討によって、「該方
法におけるように溶銑の脱燐を“上下両吹き機能を有す
る転炉形式の炉”で実施する場合には、 この脱燐処理
時に脱燐剤と共にクロム酸化物含有物質をも添加すると
脱燐と同時に溶銑中[Cr]濃度の上昇が他の所要条件
に悪影響を及ぼすことなく効果的に進むことがある」と
の感触が得られたのである。しかし、実際には上記好結
果の安定した再現は非常に難しく、そのためには更に解
決しなければならない問題があることを強く認識するこ
ととなった。
【0013】このようなことから、本発明が目的とした
のは、“上下両吹き機能を有する転炉形式の炉”で溶銑
の脱燐処理を行う際に溶銑中[Cr]濃度をも上昇させ
得る安定した手法を確立し、続く脱炭処理原料として低
燐でかつ[Cr]濃度の高い溶銑を供給するすることに
より高[Cr]濃度鋼の製造を一段と有利化することで
あった。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は上記
目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、次のような新
たな知見を得ることができた。
【0015】(a) “上下両吹き機能を有する転炉形
式の炉”で溶銑の脱燐処理を行う場合には、被処理溶銑
に脱燐剤と共に特定のクロム含有物質、即ちクロム鉱石
粉に石灰石,硅砂,鉄鉱石等の粉状造滓剤とコ−クス粉
とを添加して混合した後に焼成した“クロム焼結鉱”を
も添加して脱燐処理を実施すると、このクロム焼結鉱中
のクロム酸化物も脱燐の酸化剤として十分に作用し脱燐
に資する上、該脱燐炉で処理された脱燐溶銑中[Cr]
濃度を大幅に安定して高めることが可能となる。
【0016】(b) そして、この高[Cr]濃度の脱
燐銑に更にクロム鉱石のクロム酸化物を含む造滓剤を投
入して脱炭炉で精錬すると、低燐でかつこれまでにない
[Cr]濃度の高い鋼をコスト安く高能率で安定溶製す
ることができる。ここで、造滓剤を構成するクロム酸化
物含有物質(クロム鉱石等)以外の成分としては脱炭炉
で使用する通常のもので十分であり、例えば生石灰(C
aO),蛍石(CaF2 ),ドロマイト(CaCO3
 ・ MgCO3 ),鉄鉱石(Fe2O3 又は F
e3O4 ),マンガン鉱石又は鉄マンガン鉱石,石灰
石等である。
【0017】(c) このように、脱燐処理時に上記手
立てを施すことによって脱炭炉精錬での終点[Cr]を
顕著に高くすることが可能となるため(脱炭炉のみでク
ロム鉱石添加吹錬を行う場合の限界値よりも遥かに高い
終点[Cr]濃度が得られる)、クロム合金鉄の著しい
節減が叶う。
【0018】(d) しかも、脱燐処理時に添加する脱
燐剤の構成成分として、“この脱燐処理によって得られ
た脱燐銑を処理する次工程の脱炭炉吹錬”の際に発生し
た転炉滓を用いるようにすれば、先に提案した方法(特
公平2−14404号)のような“脱燐スラグ− メタ
ルの向流的2段階接触精錬”が実現されることとなって
、使用造滓剤量も極力少なくなり、低燐・高[Cr]濃
度製品の低コスト溶製が可能となる。
【0019】本発明は、上記知見事項等に基づいてなさ
れたものであり、「図1に示すように、 上下両吹き機
能を有する転炉形式の炉1内に注銑した溶銑3に脱燐剤
を添加し、 底吹羽口5よりガスを吹き込んで攪拌を行
いつつランス6より酸素ガス7を上吹きして溶銑脱燐処
理を実施するに当り、 被処理溶銑へ前記脱燐剤と共に
“粉状クロム鉱石に粉状造滓剤とコ−クス粉を添加・混
合して焼成したクロム焼結鉱”をも添加して処理を行う
ことによって、 溶銑脱燐とクロム酸化物溶融還元によ
る溶銑中[Cr]濃度の上昇とを同時に行なわしめる点
」に大きな特徴を有し、更には「上記方法を実施する際
、 脱燐剤成分として“上記脱燐処理を施して得られた
脱燐銑を脱炭炉(転炉)で吹錬する際に発生した転炉滓
”を用いることにより、溶銑脱燐とクロム酸化物溶融還
元による溶銑中[Cr]濃度の上昇とを、 使用造滓剤
量少なく高効率で行えるようにした点」をも特徴とする
ものである。
【0020】なお、クロム焼結鉱の原料である前記「粉
状造滓剤」としては、溶銑脱燐のための造滓剤として既
知の粉状石灰石,硅砂,鉄鉱石等を混合したものが使用
される。
【0021】ここで、溶銑脱燐処理に際して脱燐剤と共
に前記のような「クロム焼結鉱」を添加する理由は次の
通りである。即ち、クロム鉱石は、クロム酸化物及び鉄
酸化物を主成分とすると共に、脈石として主にMgOと
 Al2O3 を含有しているが、その融点は2000
℃以上と高い。従って、クロム鉱石を還元するためには
スラグ中に溶解させることが必要である。しかし、脱燐
処理のような低い温度条件(1400℃以下が脱燐には
好適)ではクロム鉱石の溶解が遅くて溶融還元による[
Cr]濃度上昇の進行が遅滞する上、スラグ中( Cr
2O3 )濃度が増してスラグ融点が急上昇するのでス
ラグの流動性が悪化し、脱燐にも悪影響を及ぼす。しか
るに、クロム鉱石粉に石灰石,硅砂,鉄鉱石等の粉状造
滓剤及びコ−クス粉を添加し混合した後に焼成した“ク
ロム焼結鉱”を添加すれば、この焼結鉱は溶解が迅速に
進行するのでクロム酸化物の還元反応も速やかに進行し
、高歩留で溶銑中[Cr]濃度を上昇させることが可能
になる上、スラグの流動性も良好に保たれて脱燐能も悪
化しない。
【0022】即ち、前記“クロム焼結鉱”は、クロム鉱
石粉に石灰石,硅砂,鉄鉱石等の粉状造滓剤を加え、更
にコ−クス粉を添加して混合した後、ドワイトロイド式
又はグリナワルト式焼結機によりコ−クスの燃焼熱にて
1200〜1400℃で焼成されたものであるため、焼
成の際、クロム鉱石粉は反応しないが、添加した造滓剤
は同化してCaO,SiO2, Fe2O3 を主成分
とする低融点(1200〜1400℃)スラグを生成し
焼結する。つまり、前記“クロム焼結鉱”は低融点スラ
グ中に微細なクロム鉱石粒子が分散した組織を成してい
るため、溶銑脱燐処理に好ましい1400℃以下の低温
条件であっても速やかに滓化し、溶融スラグ中に分散さ
れる。そして、“上下両吹き機能を有する転炉形式の炉
”の底吹羽口からの底吹ガス攪拌によりスラグ− メタ
ル間反応が迅速に進行する結果、高歩留でクロム酸化物
を還元し[Cr]濃度上昇が可能となる訳である。しか
も、スラグの流動性が良好に保たれ、脱燐反応も円滑に
進行する。
【0023】このように、“上下両吹き機能を有する転
炉形式の炉”を使った溶銑脱燐処理の際、脱燐造滓剤と
共に前記“クロム焼結鉱”を添加した場合には脱燐能を
維持しつつ著しい溶銑中[Cr]濃度上昇を高歩留で達
成できるが、前記“クロム焼結鉱”製造時における造滓
剤の配合量は、焼結鉱中の「(%CaO)/(%SiO
2)」が 0.3〜 2.0となるように調整するのが
良い。なぜなら、後述の実施例で示すように、「(%C
aO)/(%SiO2)」の比率が 0.3〜 2.0
であれば1400℃以下の脱燐処理温度で“クロム焼結
鉱”の滓化は速やかに進むが、この範囲外では滓化・還
元が遅れ、この結果Cr歩留りが悪化するからである。
【0024】また、“クロム焼結鉱”の粒度は脱燐炉で
の滓化性向上のためには小さいほど良好であるが、クロ
ム焼結鉱は本来滓化性に富んでいることもあって粒径1
00mm程度でも特に不都合を来たすことがないし、こ
れより大きくても使用可能である。
【0025】“クロム焼結鉱”の溶融還元(自身は酸化
剤として作用する)量はその添加量によっても異なるが
、例えば投入量10kg/tで[Cr]増加量は 0.
2〜0.25%程度である。
【0026】この場合、“クロム焼結鉱”の添加歩留を
高めるためにはスラグ塩基度を 2.5以上にした方が
有利である。その理由を図2を用いて説明する。図2は
 ”脱燐炉のスラグ中(Cr)〔実際は Cr2O3 
の形態であるCr分を重量%で表わしたもの〕と溶銑[
Cr]との比(Cr分配比)”と“スラグ塩基度”との
関係を示したものであるが、この図2からも明らかなよ
うに、塩基度が高くなるほど (Cr)/[Cr]は小
さくなることが分かる。つまり、スラグ塩基度が高いほ
ど酸化クロムは還元されやすくなり、スラグ塩基度が 
2.5以上の領域ではこの傾向が最も強くなって一定化
することを確認できる(なお、 スラグ塩基度が高くな
るほど脱硫も進行しやすくなり、 CaO/SiO2 
が3の場合には脱硫率が60%程度になることも確認済
みである)。
【0027】脱燐処理時に添加する脱燐剤(精錬剤)と
しては、生石灰,蛍石,脱炭炉で発生した転炉滓等を主
成分とするものが使用されるが、出来れば生石灰:0〜
80重量%, 蛍石:0〜50重量%, 転炉滓:0〜80重量% の配合組成のものが推奨される。もちろん、この脱燐剤
は上記組成に限定されるものではなく、例えば付加的に
CaCl2, Na2O・SiO2, Na2CO3 
等を加えても良い。そして、転炉滓以外のこれら脱燐剤
原料は滓化性の面から小さい粒径ほど好ましいが、一般
に使われている程度のものであれば何ら差し支えない。
【0028】なお、脱燐炉で使用される脱燐剤の一部と
して必要により使用される転炉滓としては、次工程の脱
炭炉で発生した溶融状態のものが熱経済的にも脱燐フラ
ックスの滓化性の面からも好ましいが(このように溶融
状態のものを用いる場合には耐火物を内張りした鍋を介
して脱燐炉に注滓される)、取り扱いの容易さ等を考慮
して脱炭炉で得られたものを一旦冷却凝固させ、粒状又
は塊状に破砕してから用いても良い(この時も熱的な面
からスラグの温度は高い程良い)。ただ、この場合、脱
燐炉での滓化性向上のために粒径は小さいほど良好であ
るが、転炉滓は本来滓化性に富んでいることもあって粒
径が100mmを下回る程度でも格別な不都合を来たす
ことがないし、これより大きくても使用可能である。
【0029】脱燐炉で使用される脱燐剤の量は溶製する
鋼の[P]レベルにより決定されるが、通常は30〜6
0kg/t程度で良い。
【0030】ところで、先にも触れたように脱燐処理時
の溶銑温度は1400℃以下に調整するのが望ましい。 これは、溶銑処理温度がこれよりも高くなると脱炭ばか
りが進行してスラグ中の酸化剤量が低くなると共に、熱
力学的にも1400℃以上では脱燐が悪化するためであ
る。しかし、余りに低温になるとスラグへの粒鉄ロスが
増加するほか、その後に脱炭炉で溶鋼中の[Cr]濃度
を高める上でも問題があるので注意を要する。
【0031】即ち、クロム酸化物の溶融還元はCr2O
3 +3[C]→2[Cr]+3COなる吸熱反応で進
行する(なお、 クロム酸化物の冷却能はスクラップの
約3倍もある)。従って、“クロム焼結鉱”の添加可能
量(溶融還元可能量)は、溶銑の温度及び[C]濃度が
高いほど多くなる。そのため、脱燐処理は溶銑の温度及
び[C]濃度が高い状態で完了することが、脱炭炉にお
ける“クロム焼結鉱”添加可能量を上昇させ、脱炭炉で
の終点[Cr]濃度を高める上で好ましい。ここで、温
度と[C]濃度が高い状態で脱燐処理を完了しやすいよ
うに、脱燐炉に注湯する溶銑温度及び溶銑[C]濃度を
できるだけ高くすることが先ず考えられるが、高炉の出
銑温度や高炉銑の[C]濃度を大きく変えることは技術
的にもコスト的にも問題がある。従って、脱燐処理時に
溶銑の温度と[C]濃度(即ち溶銑の顕熱と潜熱の合計
)をできるだけ下げないことが重要である。このような
ことから、脱燐炉での処理温度は1400℃以下の領域
の中で可能な限り高めに維持するのが良い。
【0032】このような処理温度の維持は、上吹きラン
スからの酸素ガス吹き込み或いは炉底羽口からの酸素ガ
ス吹き込みの併用によって行われる。つまり、上記脱燐
炉での酸素ガス吹き込みは、脱燐処理温度を補償するた
めに行われるのである。従って、ここでの上吹き酸素ラ
ンスは通常の転炉ランスでも良いが、脱燐用に新作した
小流量ランスであっても良い。そして、使用酸素ガス量
は処理前の溶銑温度や珪素含有量、転炉滓の温度、脱燐
炉の温もり具合、目的とする処理溶銑温度等によって決
定されるが、概ね20Nm3/t 以下で良く、通常は
5〜10Nm3/t が効果的である。因に、このとき
の脱炭量は 0.5%程度である。
【0033】炉底から吹き込む撹拌ガスとしてはAr,
CO2 ,CO, N2 ,O2 ,空気等の何れであ
っても良い。そして、脱燐炉の炉底ガス撹拌の程度は通
常の上下両吹き複合吹錬におけると同程度(0.03〜
0.2 Nm3/t )で良いが、脱燐速度の向上を狙
ってこれよりも更に多くして良いことは勿論である。
【0034】前記「上下両吹き機能を有した転炉形式の
炉」としては現在使われている“上下吹き複合吹錬転炉
”が最も好ましいが、特に脱燐炉については、精錬条件
が脱炭炉よりもマイルドであるため炉自体を更に小さく
しても良いので、脱燐専用に新設してもコスト的にそれ
ほどの影響はない。
【0035】なお、この発明に係わる溶銑脱燐を実施す
る場合には、出来れば適用される溶銑の事前脱硫処理を
行うのが良い。その主な理由として該脱燐処理では脱硫
の進行が極めて鈍いことが挙げられるが、他方で事前脱
硫していない溶銑を用いた場合には転炉スラグ中のS含
有量が上昇し、次のチャ−ジにおける溶鉄S含有量を高
めることも懸念されるからである。なお、前記事前脱硫
は通常行われている溶銑脱硫方法の何れによっても良い
【0036】更に、この方法に適用される原料溶銑のS
i含有量も低いほど好ましい。なぜなら、溶銑中のSi
含有量が多くなるほど脱燐炉でのスラグ塩基度が低下し
て脱燐能が落ち、全体での生石灰等の使用量が増加する
ためである。それ故、溶銑のSi含有量は出来れば 0
.3%以下、好ましくは 0.2%以下に調整しておく
のが良策である。なお、次工程の脱炭炉吹錬における条
件から処理後の溶銑温度を少しでも高くしたいような場
合には溶銑のSi含有量は 0.2%程度の方が有利な
こともあり、工場のロ−カル条件によって決定すべきで
ある。
【0037】次に、この発明を比較例と対比した実施例
により更に具体的に説明する。
【実施例】比較例  1 ト−ピ−ド内で脱硫,脱珪処理した表1に示される成分
組成の溶銑250トンを脱燐炉として使用する上下両吹
き複合吹錬転炉に注銑し、これに脱燐造滓剤と脱燐酸化
剤としての鉄鉱石12kg/tを混合状態で炉上部より
添加して約12分間の脱燐処理を行った。なお、脱燐造
滓剤として、「ケ−ス1」では生石灰8kg/tと蛍石
4kg/tとを、「ケ−ス2」では転炉滓を冷却して3
0mm以下の粒径に破砕したもの25kg/tと蛍石8
kg/tとをそれぞれ添加した。また、使用した脱燐炉
(上下両吹き複合吹錬転炉)の操業条件は表2に示す通
りであった。
【0038】
【0039】
【0040】このようにして得られた脱燐銑の成分組成
を表3に示すが、「ケ−ス1」の場合には達成された[
P]濃度が 0.025重量%、「ケ−ス2」の場合に
は達成された[P]濃度が 0.015重量%という結
果が得られた。
【0041】比較例  2 ト−ピ−ド内で脱硫,脱珪処理した表4に示される成分
組成の溶銑250トンを脱燐炉として使用する上下両吹
き複合吹錬転炉に注銑し、これに脱燐造滓剤と脱燐酸化
剤としてのクロム鉱石(粒径5〜20mm,%T.Cr
=35)12kg/tを混合状態で炉上部より添加して
脱燐処理を行った。なお、脱燐造滓剤として、「ケ−ス
3」では前記比較例1の「ケ−ス1」の場合と、また「
ケ−ス4」では前記比較例1の「ケ−ス2」の場合とそ
れぞれ同じ配合のものを使用した。そして、上記以外の
試験条件は、何れも比較例1の場合と同様とした。
【0042】
【0043】このようにして得られた脱燐銑の成分組成
を表5に示すが、「ケ−ス3」の場合には達成された[
P]濃度が 0.040重量%と比較例1の場合よりも
悪化し、溶鉄中[Cr]濃度も0.25重量%でCr歩
留の低いことが分かる。また、「ケ−ス4」の場合も達
成された[P]濃度が0.020重量%と比較例1の場
合よりも若干脱燐が悪化し、溶鉄中[Cr]濃度も0.
30重量%であり、Cr歩留は「ケ−ス3」の場合と比
べて良好であるものの十分に高い率を達成できないこと
が分かる。
【0044】更に、脱燐処理後のスラグ清浄を調査した
ところ、「ケ−ス3」及び「ケ−ス4」ともスラグが完
全に溶融していないことが確認された(特に「ケ−ス3
」の場合は滓化性が悪かった)。この滓化性の悪化が脱
燐並びにCr歩留低下の原因と考えられる。なお、「ケ
−ス4」が「ケ−ス3」に比べて多少良好な理由は、「
ケ−ス4」の場合には転炉滓を使用しており、他の脱燐
造滓剤(生石灰,蛍石等)に比べて滓化性が良好なため
である。
【0045】
【0046】実施例  1 ト−ピ−ド内で脱硫,脱珪処理した表6に示される成分
組成の溶銑250トンを脱燐炉として使用する上下両吹
き複合吹錬転炉に注銑し、これに脱燐造滓剤と表7に示
す成分組成のクロム焼結鉱(粒径30mm以下)15.
5kg/tを混合状態で炉上部より添加して脱燐処理を
行った。
【0047】ここで、脱燐造滓剤の配合条件は、「ケ−
ス5」では前記比較例2の「ケ−ス3」の場合と、また
「ケ−ス6」では前記比較例2の「ケ−ス4」の場合と
それぞれ同じとした。
【0048】なお、使用したクロム焼結鉱は次の方法に
よって製造した。即ち、“比較例2において用いたもの
と同じクロム鉱石”を粒度3mm以下に粉砕した“クロ
ム鉱石粉”に、粒度3mm以下の石灰石粉,硅砂,鉄鉱
石粉を加え、更にコ−クス粉をも添加して混合した後、
ドワイトロイド式焼結機にて焼成したものである。なお
、石灰石粉,硅砂,鉄鉱石粉及びコ−クス粉の配合量は
、各々クロム鉱石トン当り80kg,60kg,20k
g及び100kgであった。
【0049】
【0050】
【0051】このようにして得られた脱燐銑の成分組成
を表8に示すが、「ケ−ス5」の場合には[P]濃度 
0.026重量%,溶鉄中[Cr]濃度0.31重量%
が、また「ケ−ス6」の場合には[P]濃度 0.01
4重量%,溶鉄中[Cr]濃度0.36重量%がそれぞ
れ達成されており、脱燐率,Cr歩留とも「ケ−ス3」
,「ケ−ス4」に比べ著しく向上し、脱燐率については
「ケ−ス1」,「ケ−ス2」と比較しても遜色のない結
果となっている。
【0052】この結果からも、本発明に係わる方法によ
ると、脱燐率を悪化することなくクロム鉱石を高歩留で
溶融還元することが可能で、[Cr]濃度の著しい上昇
を図り得ることを確認できる。
【0053】
【0054】実施例  2 造滓剤(石灰石,硅砂等)の配合を種々変えてクロム焼
結鉱を製造し、これを用いて実施例1の「ケ−ス5」に
於けると同様の操業条件で脱燐処理試験を実施した。な
お、各試験とも、“クロム焼結鉱中の造滓剤”と“脱燐
造滓剤”を総合した全造滓剤の配合量及び配合比は一定
とした。
【0055】この試験によって調査したクロム焼結鉱中
における「CaO/SiO2 」比と脱燐率,Cr歩留
との関係を図3に示すが、この図3からも、「クロム焼
結鉱中における「CaO/SiO2 」比を 0.3〜
 2.0に調整することが脱燐率及びCr歩留を良好に
する上で好ましい」と判断することができる。即ち、図
4に示される結果は、処理温度1400℃以下といった
低温域でのクロム焼結鉱の滓化の良否により脱燐率,C
r歩留が大きく影響されることを示しており、「CaO
/SiO2 」比が 0.3〜 2.0の範囲を外れる
とクロム焼結鉱の滓化が遅れてしまい、その結果Cr歩
留が悪化すると同時にスラグの流動性も悪化し、結局は
脱燐も悪くなるものと考えられる。
【0056】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれば
、溶銑の脱燐処理時に溶銑中[Cr]濃度を効果的に高
めることができ、従ってこのように処理された脱燐溶銑
を次工程である脱炭吹錬に供すれば鋼中[Cr]濃度の
著しい上昇が可能となって、高品位高クロム鋼製造時に
おけるフェロクロム添加量を大幅に節減できるなど、産
業上極めて有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる溶銑脱燐方法の概要説明図であ
る。
【図2】脱燐炉でのCr分配比とスラグ塩基度との関係
を示したグラフである。
【図3】クロム焼結鉱中における「CaO/SiO2 
」比と脱燐率,Cr歩留との関係を示したグラフである
【図4】先に提案した製鋼法に係わるプロセスの概念図
である。
【符号の説明】
1  脱燐炉 2  脱炭炉 3  溶銑 4  転炉滓 4′転炉滓を主成分とする脱燐スラグ 5  底吹羽口 6  ランス 7  酸素ガス

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  上下両吹き機能を有する転炉形式の炉
    に注銑した溶銑に脱燐剤を添加し、底吹きガス攪拌を行
    いつつ酸素ガスを上吹きして溶銑脱燐処理を実施するに
    当り、被処理溶銑へ前記脱燐剤と共に“粉状クロム鉱石
    に粉状造滓剤とコ−クス粉を添加・混合して焼成したク
    ロム焼結鉱”をも添加して処理を行うことを特徴とする
    、脱燐と溶銑中[Cr]濃度の上昇とを同時に行う溶銑
    脱燐方法。
  2. 【請求項2】  脱燐剤成分として、“請求項1所載の
    方法で得られた脱燐銑を脱炭炉で吹錬する際に発生した
    転炉滓”を用いることを特徴とする、請求項1に記載の
    脱燐と溶銑中[Cr]濃度の上昇とを同時に行う溶銑脱
    燐方法。
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