JPH0433877B2 - - Google Patents
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- JPH0433877B2 JPH0433877B2 JP62334057A JP33405787A JPH0433877B2 JP H0433877 B2 JPH0433877 B2 JP H0433877B2 JP 62334057 A JP62334057 A JP 62334057A JP 33405787 A JP33405787 A JP 33405787A JP H0433877 B2 JPH0433877 B2 JP H0433877B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- corrosion
- plating layer
- steel sheet
- compound
- layer
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- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Chemical Treatment Of Metals (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、Zn−Fe系めつき層中に無機物又は
有機物の薄膜で被覆処理(この処理をマイクロカ
プセル化と呼ぶことにする)された腐食阻止微粒
子等を含有する高耐食性電気複合めつき鋼板に関
するものである。 (従来技術) 近年、北米、欧州をはじめとする冬期寒冷地に
おいては、道路凍結防止のため、岩塩や塩化カル
シウムなどが散布され、自動車が使用される環境
は増々厳しいものになつている。このような環境
において、一定期間赤錆発生なし、孔あきなしを
満足する高耐食性自動車用めつき鋼板の開発が急
務である。これに対して、2つの開発の動きがあ
る。すなわち、米国、カナダのような電力コスト
の安価な国での厚目付電気めつき鋼板の開発と日
本のように電力コストが高く溶接性、めつき加工
密着性等に対するユーザーの要求が厳しい国での
薄目付で高耐食性な電気めつき鋼板の開発があ
る。本発明は、後者に関するもので、薄目付電気
めつき鋼板は、現在までに、Zn−Fe、Zn−Ni、
Zn−Mn等亜鉛合金めつき鋼板およびZn又はZn
−Ni合金めつき層上にクロメート+有機樹脂塗
装を施こした有機複層電気めつき鋼板が開発され
ている。しかし、上記合金めつきおよび有機複層
電気めつき鋼板は20〜30g/m2程度の薄目付であ
り、現在国内外自動車メーカーの目標の“耐外面
錆5年(自動車外面部に赤錆が5年間発生しない
こと)”−“耐孔あき10年(自動車外面および内面
からの孔あきが10年間生じないこと)”特に“耐
孔あき10年”を満足するまでに至つていないと言
われている。そこで、最近では、さらに高耐食性
を有するめつき鋼板として、めつき層中に腐食防
止の性質を持つた微粒子を分散共析させためつき
鋼板いわゆる高耐食性複合めつき鋼板の製造が検
討されている。 (発明の解決しようとする問題点) 複合めつき鋼板は分散共析する微粒子によつて
めつき層に種々の性質を与えることが可能で、新
しい機能をもつめつき鋼板として多く使用される
傾向にある。例えば、最近高耐食性を発揮する複
合めつき鋼板が特開昭60−96786号公報、特開昭
60−211094〜211096号公報等多くの特許公報によ
つて紹介されている。 特開昭60−96786号公報は、ZnやZn−Ni合金
めつき層中に、防錆顔料(例えばPbCrO4、
SrCrO4、ZnCrO4、BaCrO4、Zn3(PO4)2等)を
分散共析させた複合めつき鋼板とその製造法が記
されている。この複合めつき鋼板は、前記合金め
つきや有機複層電気めつきに比べて耐外面錆や耐
孔あきに対してすぐれた耐食性を有するものと評
価することができる。しかしながら、特開昭60−
96786号公報のように難溶性クロム酸塩の防錆顔
料(水溶液中で、ほとんど溶解しない)のみを含
有しためつき鋼板は、本発明者らが目標とする耐
食性レベルに至つていない。本発明者らの腐食促
進試験結果を第1図に示す。ここで溶融亜鉛めつ
き(90g/m2)は耐孔あき10年レベルにあり、比
較材として使用した。Znめつき中にBaCrO4粒子
のみを分散させた複合めつき鋼板は、溶融亜鉛
めつき鋼板(90g/m2)に比べ耐孔あき性が劣
つている。また、難溶性クロム酸塩等の防錆顔料
が充分に分散析出しためつき層を得ることは困難
である。この理由は本発明者らの推測によると難
溶性クロム酸塩等の防錆顔料は、亜鉛めつき浴中
において表面電位がほぼゼロであるため、鋼板を
陰極にして電解処理しても浴中Zn2+イオンが優
先析出し、防錆顔料のめつき層への析出が起こり
難く、その結果、安定した耐食性を有する複合め
つき鋼板が得られない。また、特開昭60−211095
号公報には、Zn−Ni合金めつき層中に、クロム、
アルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)等を分散共
析させた複合めつき鋼板が示されている。この公
報では、めつき浴中のクロム供給源として塩化ク
ロム(CrCl3)を使用しているが、塩化クロムが
めつき浴中で溶解し、Cr3+イオンを放出する。こ
の浴中で鋼板を陰極にして電解処理すると、金属
クロムおよび塩化クロム(Cr2O3・nH3O)が析
出し、めつき層はZn−Ni−Cr(+Cr2O3・nH3O)
となり、さらに、アルミナやシリカを共析した複
合めつき鋼板を製造する。この複合めつき鋼板
は、Zn−Ni合金めつきやZn−Ni−Cr(+
Cr2O3・nH3O)めつき層に比べ、耐食性向上幅
が小さく第1図にZn−Ni−Cr−Al2O3系複合め
つき鋼板の腐食促進試験結果を示すように、耐
孔あき10年を満足するまでには至つていない。す
なわち、Zn−Ni−Cr−Al2O3系複合めつき鋼板
も溶融亜鉛めつき鋼板(90g/m2)の耐孔あき性
に及ばない。 第1図は本発明複合めつき鋼板および比較材の
無塗装材の複合腐食試験30サイクル実施後の腐食
深さ結果を示す。 (注)複合腐食試験サイクル内容は
有機物の薄膜で被覆処理(この処理をマイクロカ
プセル化と呼ぶことにする)された腐食阻止微粒
子等を含有する高耐食性電気複合めつき鋼板に関
するものである。 (従来技術) 近年、北米、欧州をはじめとする冬期寒冷地に
おいては、道路凍結防止のため、岩塩や塩化カル
シウムなどが散布され、自動車が使用される環境
は増々厳しいものになつている。このような環境
において、一定期間赤錆発生なし、孔あきなしを
満足する高耐食性自動車用めつき鋼板の開発が急
務である。これに対して、2つの開発の動きがあ
る。すなわち、米国、カナダのような電力コスト
の安価な国での厚目付電気めつき鋼板の開発と日
本のように電力コストが高く溶接性、めつき加工
密着性等に対するユーザーの要求が厳しい国での
薄目付で高耐食性な電気めつき鋼板の開発があ
る。本発明は、後者に関するもので、薄目付電気
めつき鋼板は、現在までに、Zn−Fe、Zn−Ni、
Zn−Mn等亜鉛合金めつき鋼板およびZn又はZn
−Ni合金めつき層上にクロメート+有機樹脂塗
装を施こした有機複層電気めつき鋼板が開発され
ている。しかし、上記合金めつきおよび有機複層
電気めつき鋼板は20〜30g/m2程度の薄目付であ
り、現在国内外自動車メーカーの目標の“耐外面
錆5年(自動車外面部に赤錆が5年間発生しない
こと)”−“耐孔あき10年(自動車外面および内面
からの孔あきが10年間生じないこと)”特に“耐
孔あき10年”を満足するまでに至つていないと言
われている。そこで、最近では、さらに高耐食性
を有するめつき鋼板として、めつき層中に腐食防
止の性質を持つた微粒子を分散共析させためつき
鋼板いわゆる高耐食性複合めつき鋼板の製造が検
討されている。 (発明の解決しようとする問題点) 複合めつき鋼板は分散共析する微粒子によつて
めつき層に種々の性質を与えることが可能で、新
しい機能をもつめつき鋼板として多く使用される
傾向にある。例えば、最近高耐食性を発揮する複
合めつき鋼板が特開昭60−96786号公報、特開昭
60−211094〜211096号公報等多くの特許公報によ
つて紹介されている。 特開昭60−96786号公報は、ZnやZn−Ni合金
めつき層中に、防錆顔料(例えばPbCrO4、
SrCrO4、ZnCrO4、BaCrO4、Zn3(PO4)2等)を
分散共析させた複合めつき鋼板とその製造法が記
されている。この複合めつき鋼板は、前記合金め
つきや有機複層電気めつきに比べて耐外面錆や耐
孔あきに対してすぐれた耐食性を有するものと評
価することができる。しかしながら、特開昭60−
96786号公報のように難溶性クロム酸塩の防錆顔
料(水溶液中で、ほとんど溶解しない)のみを含
有しためつき鋼板は、本発明者らが目標とする耐
食性レベルに至つていない。本発明者らの腐食促
進試験結果を第1図に示す。ここで溶融亜鉛めつ
き(90g/m2)は耐孔あき10年レベルにあり、比
較材として使用した。Znめつき中にBaCrO4粒子
のみを分散させた複合めつき鋼板は、溶融亜鉛
めつき鋼板(90g/m2)に比べ耐孔あき性が劣
つている。また、難溶性クロム酸塩等の防錆顔料
が充分に分散析出しためつき層を得ることは困難
である。この理由は本発明者らの推測によると難
溶性クロム酸塩等の防錆顔料は、亜鉛めつき浴中
において表面電位がほぼゼロであるため、鋼板を
陰極にして電解処理しても浴中Zn2+イオンが優
先析出し、防錆顔料のめつき層への析出が起こり
難く、その結果、安定した耐食性を有する複合め
つき鋼板が得られない。また、特開昭60−211095
号公報には、Zn−Ni合金めつき層中に、クロム、
アルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)等を分散共
析させた複合めつき鋼板が示されている。この公
報では、めつき浴中のクロム供給源として塩化ク
ロム(CrCl3)を使用しているが、塩化クロムが
めつき浴中で溶解し、Cr3+イオンを放出する。こ
の浴中で鋼板を陰極にして電解処理すると、金属
クロムおよび塩化クロム(Cr2O3・nH3O)が析
出し、めつき層はZn−Ni−Cr(+Cr2O3・nH3O)
となり、さらに、アルミナやシリカを共析した複
合めつき鋼板を製造する。この複合めつき鋼板
は、Zn−Ni合金めつきやZn−Ni−Cr(+
Cr2O3・nH3O)めつき層に比べ、耐食性向上幅
が小さく第1図にZn−Ni−Cr−Al2O3系複合め
つき鋼板の腐食促進試験結果を示すように、耐
孔あき10年を満足するまでには至つていない。す
なわち、Zn−Ni−Cr−Al2O3系複合めつき鋼板
も溶融亜鉛めつき鋼板(90g/m2)の耐孔あき性
に及ばない。 第1図は本発明複合めつき鋼板および比較材の
無塗装材の複合腐食試験30サイクル実施後の腐食
深さ結果を示す。 (注)複合腐食試験サイクル内容は
【表】
注 評価サンプル
1:Zn−0.3%BaCrO4複合めつき鋼板(特開昭
60−96786号公報条件にてめつき) 2:Zn−1%Ni−1%Cr−1%Al2O3複合めつ
き鋼板(特開昭60−211095号公報条件にてめつ
き) 3:Zn−10%Fe−3%BaCrO4(SiO2薄膜コー
ト)(本発明による複合めつき) 4:溶融亜鉛厚めつき(90g/m2) (問題点を解決するための手段) そこで、本発明者らは、より高耐食性を有する
複合めつき鋼板開発の必要性を痛感し、鋭意検討
した結果、第1図に示すように、極薄膜で表面被
覆することによりマイクロカプセル化された微粒
子を分散共析させためつき層を施しためつき鋼板
は、自動車用防錆鋼板としてすぐれた特性を有
し、特に耐錆性、耐孔あき性にすぐれていること
を見い出した。 すなわち本発明の要旨は、 (1) めつき層中で防食作用を有するイオンを放出
することにより腐食生成物を形成する化合物ま
たはそれ自体腐食抑制能を有する化合物あるい
はその両者からなる腐食阻止微粒子をSiO2、
Al2O3、ZrO2、TiO2のいずれか1種又はそれ
以上からなる極薄皮膜で被覆したカプセル、ま
たは皮膜形成能を有する有機高分子からなる極
薄皮膜で被覆したカプセルを含有する、Zn−
Fe合金層又はMn、Cr、Sn、Sb、Pb、Moの
1種又は2種以上を含有するZn−Fe系合金め
つき層を鋼板の片面又は両面に有してなること
を特徴とする高耐食性電気複合めつき鋼板。 (2) めつき層中で防食作用を有するイオンを放出
することにより腐食生成物を形成する化合物ま
たはそれ自体腐食抑制能を有する化合物あるい
はその両者からなる腐食阻止微粒子をSiO2、
Al2O3、ZrO2、TiO2のいずれか1種又はそれ
以上からなる極薄皮膜で被覆したカプセル、ま
たは皮膜形成能を有する有機高分子からなる極
薄皮膜で被覆したカプセルを含有する、Zn−
Fe合金層又はMn、Cr、Sn、Sb、Pb、Moの
1種又は2種以上を含有するZn−Fe系合金の
めつき層と、その上に夫々Zn、Fe、Co、Ni、
Mn、Crの1種又は2種以上からなる電気めつ
き層の複層を鋼板の片面又は両面に有してなる
ことを特徴とする高耐食性電気複合めつき鋼
板。 (3) めつき層中で防食作用を有するイオンを放出
することにより腐食生成物を形成する化合物ま
たはそれ自体腐食抑制能を有する化合物あるい
はその両者からなる腐食阻止微粒子をSiO2、
Al2O3、ZrO2、TiO2のいずれか1種又はそれ
以上からなる極薄皮膜で被覆したカプセル、ま
たは皮膜形成能を有する有機高分子からなる極
薄皮膜で被覆したカプセルを含有する、Zn−
Fe合金又はMn、Cr、Sn、Sb、Pb、Moの1
種又は2種以上を含有するZn−Fe系合金のめ
つき層と、その上に夫々樹脂塗装、クロメート
処理後に樹脂塗装、クロムイオンを含有する樹
脂塗装の何れかの層を有する積層を鋼板の片面
又は両面に有してなることを特徴とする高耐食
性電気複合めつき鋼板。 (4) めつき層中で防食作用を有するイオンを放出
することにより腐食生成物を形成する化合物ま
たはそれ自体腐食抑制能を有する化合物あるい
はその両者からなる腐食阻止微粒子をSiO2、
Al2O3、ZrO2、TiO2のいずれか1種又はそれ
以上からなる極薄皮膜で被覆したカプセル、ま
たは皮膜形成能を有する有機高分子からなる極
薄皮膜で被覆したカプセルを含有する、Zn−
Fe合金層又はMn、Cr、Sn、Sb、Pb、Moの
1種又は2種以上を含有するZn−Fe系合金と
のめつき層と、その上に夫々Zn、Fe、Co、
Ni、Mn、Crの1種又は2種以上からなる電気
めき層と、更にその上に樹脂塗装、クロメート
処理後に樹脂塗装、クロムイオンを含有する樹
脂塗装の何れかを積層したものを鋼板の片面又
は両面に有してなることを特徴とする高耐食性
電気複合めつき鋼板である。 (作用) 以下本発明の複合めつき鋼板について詳細に説
明する。第2図a,b,c,dは本発明の複合め
つき鋼板モデルの断面図を示したものである。第
2図aにおいて、 1は鋼板で、通常の表面処理用鋼板製造工程を
経て表面清浄された薄鋼板である。 2は、Zn−Fe合金めつきあるいはZn−Feに
Mn、Cr、Sn、Sb、Pb、Moの1種又は2種以上
を混合して含有するめつき層で、鋼板1の片面又
は両面に付着される。 3は、マイクロカプセル化された各種微粒子で
ある。マイクロカプセル化された腐食阻止微粒子
は、難溶性クロム酸塩微粒子(PbCrO4、
BaCrO4、SrCrO4、ZnCrO4等)、易溶性クロム酸
塩(CrO3、Na2CrO4、K2CrO4、K2O・4ZnO・
4CrO3等)、アルミ化合物(Zn、Al合金粉末、
Al2O3・2SiO2・2H2O等)、リン酸塩(Zn3
(PO4)2・2H2O等)、モリブデン化合物(ZnO・
ZnMoO4、CaMoO4・ZnMoO4、PbCrO4・
PbMoO4・PbSO4等)、チタン化合物(TiO2・
NiO・Sb2O3等)をはじめとする無機物粒子また
は弗素樹脂、ポリプロピレン樹脂等の有機物粒子
のいずれでもよい。 上記のような微粒子をマイクロカプセル化する
極薄膜は、SiO2、TiO2、AL2O3、ZrO2等の1種
又は2種以上の無機物やエチルセルロース、アミ
ノ樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン、ポ
リスチレン等の有機物質から成る。その膜厚は、
10Å〜1μ(望ましくは10Å〜500Å)がよい。膜
厚が1μを超えると薄膜材質の性質が顕著に現れ
(例えばSiO2では粒子の凝集が起こりやすい)る
ため、めつき性がやや劣化し、また逆に10Åより
薄くなると、被覆性が劣化するため、粒子の溶解
を抑制する効果が低下する傾向にある。微粒子を
マイクロカプセル化することにより、次の作用が
発生する。上記微粒子自体は、めつき浴中で表面
電位がゼロあるいはわずかに帯電しているにすぎ
ないため電気泳動作用を利用する電気めつき法に
おいては、めつき層への充分な分散共析を確保で
きない。しかし、SiO2、TiO2、Al2O3、ZrO2等
の極薄膜は、それ自体電位を持つており、この性
質は、微粒子表面に被覆処理された場合でも変化
することがないため、微粒子に電位を持たせるこ
とが可能である。このため、微粒子のめつき層へ
の分散共析量を向上させることができる。 マイクロカプセル化の2つ目の利点は、めつき
浴中で微粒子の溶解を抑制することである。例え
ば、難溶性クロム酸塩微粒子は、微量であるがめ
つき浴に溶解し、Cr6+イオンを放出する。この
Cr6+イオンが一定濃度以上になると、微粒子の放
出量が低下したり、めつき外観が黒く粉体状を呈
し、めつき密着性も劣化する。そこでマイクロカ
プセル化によつて、微粒子の溶解を抑制し、長時
間安定しためつき鋼板を得ることが可能になる。 マイクロカプセル化の3つ目の利点は、微粒子
のみの分散共析よりも耐食性を向上する。その理
由は、微粒子の持つ腐食阻止性質がそのままマイ
クロカプセル化後も有効に働いているためと思わ
れる。 分散微粒子およびマイクロカプセル化微粒子の
腐食阻止作用について詳細に述べる。 微粒子をめつき層に分散共析させることによ
り、めつき層の耐食性が向上する理由は、次のよ
うに考えられる。難溶性クロム酸塩微粒子を分散
共析させた場合は、腐食環境において、めつき層
の腐食進行に伴い、分解し、Cr6+イオンを放出す
る。このCr6+イオンがめつき層金属と反応して耐
食性にすぐれたクロム化合物やクロム酸化物又は
水酸化物を形成する。これにより高耐食性が向上
する。さらに、このクロム化合物層が破壊されて
もめつき層全体に微粒子が均一分散していること
から、再び上記形成反応が繰り返えされ、耐食性
が維持される。 次に、マイクロカプセル化微粒子を使用した場
合耐食性が一層向上する。マイクロカプセル化に
よるSiO2等の皮膜は完全密閉型でなく、多孔質
となつているため、Cr6+イオンが少量ずつ溶出し
て、クロム化合物による防錆皮膜を形成して耐食
性を向上させることはカプセル化しない微粒子の
作用と同じである。つまりこれらは防食作用を有
するイオンを放出する。またアルミ化合物、チタ
ン化合物および弗素樹脂等の有機物粒子は、それ
自体に防食作用があり、腐食因子に対してバリア
ー効果を発揮する腐食抑制層として作用する効果
がある。しかしながら、マイクロカプセル化した
難溶性クロム酸塩微粒子の場合、カプセル化しな
い難溶性クロム酸塩微粒子に比べ、Cr6+イオンの
溶出速度が抑えられることにより(発明者らの実
験によると1/3〜1/10の速度となる)、防錆皮膜形
成寿命がそれだけ延長する大きな特徴がある。自
動車向の防錆鋼板の耐孔あき寿命は前述の如く10
年という長期を目標としたものであり、実験で実
施する腐食促進試験も1〜3ケ月の長期にわたる
ものである。 従つて、めつき層中の分散粒子が一時的にCr6+
イオンを放出してクロム化合物による厚い防錆皮
膜を形成するよりも、徐々にCr6+イオンを放出し
て薄い防錆皮膜を繰り返して生成する方が、長期
の防食性を発揮する。 なお、代表例として難溶性クロム酸塩微粒子か
ら溶出するCr6+イオンの防食作用について述べた
が、リン酸塩化合物から溶出するPO4 3-イオン、
モリブデン化合物から溶出するMoO4 2-イオンに
ついても作用は同じである。マイクロカプセル化
された微粒子の含有量は、発明者らの実験による
と、めつき付着量の0.1〜30wt%がよい(望まし
くは0.5〜20wt%がよい)。0.1%より低ければ、
耐食性向上に効果が小さく、また30%を超えると
めつき加工密着性が劣化する傾向にある。 こうして得られた複合めつき層は、前述したよ
うに耐錆性、耐孔あき性については充分な性能を
示すが、塗装前処理として実施する化成処理の皮
膜結晶を阻害する場合がある。例えば、マイクロ
カプセル化された難溶性クロム酸塩微粒子を含有
した複合めつき層は、カプセル化されても、皮膜
は完全な密閉型でなく多孔質のため微粒子の性質
を保持している。化成処理として行なわれるリン
酸塩処理はクロム上では反応しないため皮膜結晶
が粗大化したり、スケ(結晶が形成されない)を
発生し、塗装後の塗料密着性や塗装後の耐孔あき
にバラツキを生ずる要因となる。そのため、自動
車外板等の塗装を施こすような場合には、第2図
bで示すように複合めつき層上に1〜5g/m2の
電気薄めつき層を施こすことが有効である。1
g/m2より少ない場合は複合めつき層を完全にカ
バーすることが難しくなり、また5g/m2を越え
ると、めつき加工密着性がやや劣化傾向にあるた
め、上記範囲でコントロールする方がよい。この
電気めつき層は、Zn、Fe、Co、Mn、Crの1
種又は2種以上から成るめつき層多層処理しても
よい。但しその場合の全付着量は、1〜5g/m2
でコントロールするのは前記理由と同じである。 また化成処理を行なわない場合は、第2図cお
よびdで示すように有機樹脂やクロメート処理後
に有機樹脂皮膜、クロムイオンを含有した有機樹
脂皮膜のいずれかの皮膜を複合めつき層あるい
は電気薄めつき層の上に施こすことにより、塗
装後の塗料密着性や耐孔あき性を確保することが
できる。この作用は、腐食阻止微粒を包みこんで
いるカプセルの材質がSiO2、TiO2等の無機物や
有機物であるため、それらを含有した複合めつき
層上に処理される樹脂との結合性(−O…H等の
化学結合が発生すると考えられる)が強くなる。
樹脂皮膜と塗料の密着性は良好であり、樹脂塗装
を施された複合めつき鋼板の塗料密着性も良好で
ある。 さらに耐食性を向上させるために、複合めつき
層上にクロムメート処理を行なうこともよい。し
かし、クロメート処理のみでは自動車生産工程で
の脱脂、化成処理工程においてクロメート皮膜中
のクロム(特にCr6+イオン)の溶出が懸念され
る。クロムの溶出は、公害衛生的に大きな社会問
題となるため、溶出はほぼゼロに抑えなければな
らない。クロメートの手法によつてクロムの溶出
に差が生ずることが知られている(溶出大←塗布
型クロメート>反応型クロメート>電解クロメー
ト→溶出小)が耐食性能は溶出性の逆の順にな
る。このため要求されるため耐食性性能等に応じ
て使い分けが必要となる。しかし、いずれのクロ
メート処理においてもクロムの溶出が起こるた
め、クロメート処理後には樹脂塗装によつて被覆
することが必要となる。またクロムを樹脂塗料の
中に含有させておいてその塗料を鋼板上に塗装し
焼き付けることでクロムを樹脂中に固定化するこ
とで溶出防止を行なうこともできる。 ここで言う有機樹脂とは、エポキシ系、エポキ
シフエノール系、水溶性アクリルエマルジヨン系
樹脂等であり、その塗装処理法は、ロールコート
法、静電霧化法、カーテンフロー法等のいずれで
もよい。その時の樹脂液組成は樹脂分が5〜50重
量%であり、またクロムを含有する場合はその樹
脂分の1〜20重量%のクロムイオンを含有するも
のが使用される。しかし、その皮膜厚が0.1μより
少ないとクロメート中のクロムの溶出防止能が著
しく低下し、また2μを越えると溶接が難しくな
るため、0.1〜2μの範囲でコントロールすること
が望ましい。 次に本発明を実施例に基づいて説明する。 冷延鋼板をアルカリ脱脂し、10%硫酸で酸洗し
た後、水洗し、以下の条件により電気複合めつき
を実施した。 めつき卓上ポンプで液循環を行ないながら、各
種微粒子のめつき浴中添加量を変化させて、浴中
PH=2の硫酸酸性Zn−Fe系合金めつき浴中にて、
鋼板を陰極として電解処理することにより行なつ
た。例えば Zn−Co−BaCrO4(SiO2薄膜コート粒子)複合
めつきの場合には、 ZnSO4・7H2O 180g/ FeSO4・7H2O 10〜450g/ BaCrO4 5〜60g (SiO2薄膜にてマイクロカプセル化された
粒子) PH=2.0、浴温度=50℃ 電流密度 40A/dm2 電解時間 22sec 全付着量(目標) 22g/m2 (ここで、微粒子の被覆材質(例えばSiO2)の
膜厚は10Å〜1μのものを適宜用いた) 次に、複合めつきの上に行なう薄電気めつきに
ついては、硫酸亜鉛めつき浴中にFe、Co、Ni、
Mn、Crの硫酸塩を適当量添加(Znめつきの場合
は、添加なし)しためつき浴を用いて、全付着量
が1〜5g/m2の範囲で実施した。 また、樹脂塗装およびクロムを含有した樹脂塗
装については、樹脂として水溶性アクリルエマル
ジヨン系を用い、ロールコート法により実施し
た。また、クロメート処理樹脂塗装については、
ロールコート法にて樹脂塗装を行ない、クロメー
トについては塗布、反応および電解のいずれのタ
イプでも行なつた。 このようにして製造した種々の本発明複合めつ
き鋼板については、以下の性能評価試験を行なつ
た。 (1) 耐食性 処理:無塗装および塗装材(Full−dip型
化成処理→カチオン電着塗装→スクラツチ
傷) 評価:複合腐食試験(CCT)30サイクル
後の赤錆発生率と腐食深さ測定 (注)CCT:塩水噴霧(35℃×6Hr)、乾燥
(70℃、60%×4Hr)、湿潤(49℃、>95%
×4Hr)、冷凍(−20℃×4Hr)の順に行
い、これを1サイクルとし複合腐食試験 (2) 塗料密着性 処理:Full−dip型化成処理→3コート塗
装→温水浸漬(40℃×10日間) 評価:試験後2mmのゴバン目×100マスを
入れ、テーピングにより塗膜剥離率を測定 (3) 赤錆発生率の評価は、次のように行なつた。 ◎…赤錆発生率 0% ○…赤錆発生率 5%以下 △…赤錆発生率 5〜20% ×…赤錆発生率 20〜50% ××…赤錆発生率 50%以上 (4) 腐食深さの評価は次のようである。 ◎…腐食深さ 0mm ○…腐食深さ 0.1mm以下 △…腐食深さ 0.1〜0.3mm ×…腐食深さ 0.3〜0.5mm ××…腐食深さ 0.5mm以上 (5) 塗料密着性の評価は次のようである。 ◎…塗膜剥離率 0% ○…塗膜剥離率 5%以下 △…塗膜剥離率 5〜20% ×…塗膜剥離率 20〜50% ××…塗膜剥離率 50%以上 第1表に評価結果を示す。これから明らかなよ
うに、本発明の複合めつき鋼板は比較材に比べて
諸性能にすぐれた高耐食性複合めつき鋼板である
ことがよくわかる。
60−96786号公報条件にてめつき) 2:Zn−1%Ni−1%Cr−1%Al2O3複合めつ
き鋼板(特開昭60−211095号公報条件にてめつ
き) 3:Zn−10%Fe−3%BaCrO4(SiO2薄膜コー
ト)(本発明による複合めつき) 4:溶融亜鉛厚めつき(90g/m2) (問題点を解決するための手段) そこで、本発明者らは、より高耐食性を有する
複合めつき鋼板開発の必要性を痛感し、鋭意検討
した結果、第1図に示すように、極薄膜で表面被
覆することによりマイクロカプセル化された微粒
子を分散共析させためつき層を施しためつき鋼板
は、自動車用防錆鋼板としてすぐれた特性を有
し、特に耐錆性、耐孔あき性にすぐれていること
を見い出した。 すなわち本発明の要旨は、 (1) めつき層中で防食作用を有するイオンを放出
することにより腐食生成物を形成する化合物ま
たはそれ自体腐食抑制能を有する化合物あるい
はその両者からなる腐食阻止微粒子をSiO2、
Al2O3、ZrO2、TiO2のいずれか1種又はそれ
以上からなる極薄皮膜で被覆したカプセル、ま
たは皮膜形成能を有する有機高分子からなる極
薄皮膜で被覆したカプセルを含有する、Zn−
Fe合金層又はMn、Cr、Sn、Sb、Pb、Moの
1種又は2種以上を含有するZn−Fe系合金め
つき層を鋼板の片面又は両面に有してなること
を特徴とする高耐食性電気複合めつき鋼板。 (2) めつき層中で防食作用を有するイオンを放出
することにより腐食生成物を形成する化合物ま
たはそれ自体腐食抑制能を有する化合物あるい
はその両者からなる腐食阻止微粒子をSiO2、
Al2O3、ZrO2、TiO2のいずれか1種又はそれ
以上からなる極薄皮膜で被覆したカプセル、ま
たは皮膜形成能を有する有機高分子からなる極
薄皮膜で被覆したカプセルを含有する、Zn−
Fe合金層又はMn、Cr、Sn、Sb、Pb、Moの
1種又は2種以上を含有するZn−Fe系合金の
めつき層と、その上に夫々Zn、Fe、Co、Ni、
Mn、Crの1種又は2種以上からなる電気めつ
き層の複層を鋼板の片面又は両面に有してなる
ことを特徴とする高耐食性電気複合めつき鋼
板。 (3) めつき層中で防食作用を有するイオンを放出
することにより腐食生成物を形成する化合物ま
たはそれ自体腐食抑制能を有する化合物あるい
はその両者からなる腐食阻止微粒子をSiO2、
Al2O3、ZrO2、TiO2のいずれか1種又はそれ
以上からなる極薄皮膜で被覆したカプセル、ま
たは皮膜形成能を有する有機高分子からなる極
薄皮膜で被覆したカプセルを含有する、Zn−
Fe合金又はMn、Cr、Sn、Sb、Pb、Moの1
種又は2種以上を含有するZn−Fe系合金のめ
つき層と、その上に夫々樹脂塗装、クロメート
処理後に樹脂塗装、クロムイオンを含有する樹
脂塗装の何れかの層を有する積層を鋼板の片面
又は両面に有してなることを特徴とする高耐食
性電気複合めつき鋼板。 (4) めつき層中で防食作用を有するイオンを放出
することにより腐食生成物を形成する化合物ま
たはそれ自体腐食抑制能を有する化合物あるい
はその両者からなる腐食阻止微粒子をSiO2、
Al2O3、ZrO2、TiO2のいずれか1種又はそれ
以上からなる極薄皮膜で被覆したカプセル、ま
たは皮膜形成能を有する有機高分子からなる極
薄皮膜で被覆したカプセルを含有する、Zn−
Fe合金層又はMn、Cr、Sn、Sb、Pb、Moの
1種又は2種以上を含有するZn−Fe系合金と
のめつき層と、その上に夫々Zn、Fe、Co、
Ni、Mn、Crの1種又は2種以上からなる電気
めき層と、更にその上に樹脂塗装、クロメート
処理後に樹脂塗装、クロムイオンを含有する樹
脂塗装の何れかを積層したものを鋼板の片面又
は両面に有してなることを特徴とする高耐食性
電気複合めつき鋼板である。 (作用) 以下本発明の複合めつき鋼板について詳細に説
明する。第2図a,b,c,dは本発明の複合め
つき鋼板モデルの断面図を示したものである。第
2図aにおいて、 1は鋼板で、通常の表面処理用鋼板製造工程を
経て表面清浄された薄鋼板である。 2は、Zn−Fe合金めつきあるいはZn−Feに
Mn、Cr、Sn、Sb、Pb、Moの1種又は2種以上
を混合して含有するめつき層で、鋼板1の片面又
は両面に付着される。 3は、マイクロカプセル化された各種微粒子で
ある。マイクロカプセル化された腐食阻止微粒子
は、難溶性クロム酸塩微粒子(PbCrO4、
BaCrO4、SrCrO4、ZnCrO4等)、易溶性クロム酸
塩(CrO3、Na2CrO4、K2CrO4、K2O・4ZnO・
4CrO3等)、アルミ化合物(Zn、Al合金粉末、
Al2O3・2SiO2・2H2O等)、リン酸塩(Zn3
(PO4)2・2H2O等)、モリブデン化合物(ZnO・
ZnMoO4、CaMoO4・ZnMoO4、PbCrO4・
PbMoO4・PbSO4等)、チタン化合物(TiO2・
NiO・Sb2O3等)をはじめとする無機物粒子また
は弗素樹脂、ポリプロピレン樹脂等の有機物粒子
のいずれでもよい。 上記のような微粒子をマイクロカプセル化する
極薄膜は、SiO2、TiO2、AL2O3、ZrO2等の1種
又は2種以上の無機物やエチルセルロース、アミ
ノ樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン、ポ
リスチレン等の有機物質から成る。その膜厚は、
10Å〜1μ(望ましくは10Å〜500Å)がよい。膜
厚が1μを超えると薄膜材質の性質が顕著に現れ
(例えばSiO2では粒子の凝集が起こりやすい)る
ため、めつき性がやや劣化し、また逆に10Åより
薄くなると、被覆性が劣化するため、粒子の溶解
を抑制する効果が低下する傾向にある。微粒子を
マイクロカプセル化することにより、次の作用が
発生する。上記微粒子自体は、めつき浴中で表面
電位がゼロあるいはわずかに帯電しているにすぎ
ないため電気泳動作用を利用する電気めつき法に
おいては、めつき層への充分な分散共析を確保で
きない。しかし、SiO2、TiO2、Al2O3、ZrO2等
の極薄膜は、それ自体電位を持つており、この性
質は、微粒子表面に被覆処理された場合でも変化
することがないため、微粒子に電位を持たせるこ
とが可能である。このため、微粒子のめつき層へ
の分散共析量を向上させることができる。 マイクロカプセル化の2つ目の利点は、めつき
浴中で微粒子の溶解を抑制することである。例え
ば、難溶性クロム酸塩微粒子は、微量であるがめ
つき浴に溶解し、Cr6+イオンを放出する。この
Cr6+イオンが一定濃度以上になると、微粒子の放
出量が低下したり、めつき外観が黒く粉体状を呈
し、めつき密着性も劣化する。そこでマイクロカ
プセル化によつて、微粒子の溶解を抑制し、長時
間安定しためつき鋼板を得ることが可能になる。 マイクロカプセル化の3つ目の利点は、微粒子
のみの分散共析よりも耐食性を向上する。その理
由は、微粒子の持つ腐食阻止性質がそのままマイ
クロカプセル化後も有効に働いているためと思わ
れる。 分散微粒子およびマイクロカプセル化微粒子の
腐食阻止作用について詳細に述べる。 微粒子をめつき層に分散共析させることによ
り、めつき層の耐食性が向上する理由は、次のよ
うに考えられる。難溶性クロム酸塩微粒子を分散
共析させた場合は、腐食環境において、めつき層
の腐食進行に伴い、分解し、Cr6+イオンを放出す
る。このCr6+イオンがめつき層金属と反応して耐
食性にすぐれたクロム化合物やクロム酸化物又は
水酸化物を形成する。これにより高耐食性が向上
する。さらに、このクロム化合物層が破壊されて
もめつき層全体に微粒子が均一分散していること
から、再び上記形成反応が繰り返えされ、耐食性
が維持される。 次に、マイクロカプセル化微粒子を使用した場
合耐食性が一層向上する。マイクロカプセル化に
よるSiO2等の皮膜は完全密閉型でなく、多孔質
となつているため、Cr6+イオンが少量ずつ溶出し
て、クロム化合物による防錆皮膜を形成して耐食
性を向上させることはカプセル化しない微粒子の
作用と同じである。つまりこれらは防食作用を有
するイオンを放出する。またアルミ化合物、チタ
ン化合物および弗素樹脂等の有機物粒子は、それ
自体に防食作用があり、腐食因子に対してバリア
ー効果を発揮する腐食抑制層として作用する効果
がある。しかしながら、マイクロカプセル化した
難溶性クロム酸塩微粒子の場合、カプセル化しな
い難溶性クロム酸塩微粒子に比べ、Cr6+イオンの
溶出速度が抑えられることにより(発明者らの実
験によると1/3〜1/10の速度となる)、防錆皮膜形
成寿命がそれだけ延長する大きな特徴がある。自
動車向の防錆鋼板の耐孔あき寿命は前述の如く10
年という長期を目標としたものであり、実験で実
施する腐食促進試験も1〜3ケ月の長期にわたる
ものである。 従つて、めつき層中の分散粒子が一時的にCr6+
イオンを放出してクロム化合物による厚い防錆皮
膜を形成するよりも、徐々にCr6+イオンを放出し
て薄い防錆皮膜を繰り返して生成する方が、長期
の防食性を発揮する。 なお、代表例として難溶性クロム酸塩微粒子か
ら溶出するCr6+イオンの防食作用について述べた
が、リン酸塩化合物から溶出するPO4 3-イオン、
モリブデン化合物から溶出するMoO4 2-イオンに
ついても作用は同じである。マイクロカプセル化
された微粒子の含有量は、発明者らの実験による
と、めつき付着量の0.1〜30wt%がよい(望まし
くは0.5〜20wt%がよい)。0.1%より低ければ、
耐食性向上に効果が小さく、また30%を超えると
めつき加工密着性が劣化する傾向にある。 こうして得られた複合めつき層は、前述したよ
うに耐錆性、耐孔あき性については充分な性能を
示すが、塗装前処理として実施する化成処理の皮
膜結晶を阻害する場合がある。例えば、マイクロ
カプセル化された難溶性クロム酸塩微粒子を含有
した複合めつき層は、カプセル化されても、皮膜
は完全な密閉型でなく多孔質のため微粒子の性質
を保持している。化成処理として行なわれるリン
酸塩処理はクロム上では反応しないため皮膜結晶
が粗大化したり、スケ(結晶が形成されない)を
発生し、塗装後の塗料密着性や塗装後の耐孔あき
にバラツキを生ずる要因となる。そのため、自動
車外板等の塗装を施こすような場合には、第2図
bで示すように複合めつき層上に1〜5g/m2の
電気薄めつき層を施こすことが有効である。1
g/m2より少ない場合は複合めつき層を完全にカ
バーすることが難しくなり、また5g/m2を越え
ると、めつき加工密着性がやや劣化傾向にあるた
め、上記範囲でコントロールする方がよい。この
電気めつき層は、Zn、Fe、Co、Mn、Crの1
種又は2種以上から成るめつき層多層処理しても
よい。但しその場合の全付着量は、1〜5g/m2
でコントロールするのは前記理由と同じである。 また化成処理を行なわない場合は、第2図cお
よびdで示すように有機樹脂やクロメート処理後
に有機樹脂皮膜、クロムイオンを含有した有機樹
脂皮膜のいずれかの皮膜を複合めつき層あるい
は電気薄めつき層の上に施こすことにより、塗
装後の塗料密着性や耐孔あき性を確保することが
できる。この作用は、腐食阻止微粒を包みこんで
いるカプセルの材質がSiO2、TiO2等の無機物や
有機物であるため、それらを含有した複合めつき
層上に処理される樹脂との結合性(−O…H等の
化学結合が発生すると考えられる)が強くなる。
樹脂皮膜と塗料の密着性は良好であり、樹脂塗装
を施された複合めつき鋼板の塗料密着性も良好で
ある。 さらに耐食性を向上させるために、複合めつき
層上にクロムメート処理を行なうこともよい。し
かし、クロメート処理のみでは自動車生産工程で
の脱脂、化成処理工程においてクロメート皮膜中
のクロム(特にCr6+イオン)の溶出が懸念され
る。クロムの溶出は、公害衛生的に大きな社会問
題となるため、溶出はほぼゼロに抑えなければな
らない。クロメートの手法によつてクロムの溶出
に差が生ずることが知られている(溶出大←塗布
型クロメート>反応型クロメート>電解クロメー
ト→溶出小)が耐食性能は溶出性の逆の順にな
る。このため要求されるため耐食性性能等に応じ
て使い分けが必要となる。しかし、いずれのクロ
メート処理においてもクロムの溶出が起こるた
め、クロメート処理後には樹脂塗装によつて被覆
することが必要となる。またクロムを樹脂塗料の
中に含有させておいてその塗料を鋼板上に塗装し
焼き付けることでクロムを樹脂中に固定化するこ
とで溶出防止を行なうこともできる。 ここで言う有機樹脂とは、エポキシ系、エポキ
シフエノール系、水溶性アクリルエマルジヨン系
樹脂等であり、その塗装処理法は、ロールコート
法、静電霧化法、カーテンフロー法等のいずれで
もよい。その時の樹脂液組成は樹脂分が5〜50重
量%であり、またクロムを含有する場合はその樹
脂分の1〜20重量%のクロムイオンを含有するも
のが使用される。しかし、その皮膜厚が0.1μより
少ないとクロメート中のクロムの溶出防止能が著
しく低下し、また2μを越えると溶接が難しくな
るため、0.1〜2μの範囲でコントロールすること
が望ましい。 次に本発明を実施例に基づいて説明する。 冷延鋼板をアルカリ脱脂し、10%硫酸で酸洗し
た後、水洗し、以下の条件により電気複合めつき
を実施した。 めつき卓上ポンプで液循環を行ないながら、各
種微粒子のめつき浴中添加量を変化させて、浴中
PH=2の硫酸酸性Zn−Fe系合金めつき浴中にて、
鋼板を陰極として電解処理することにより行なつ
た。例えば Zn−Co−BaCrO4(SiO2薄膜コート粒子)複合
めつきの場合には、 ZnSO4・7H2O 180g/ FeSO4・7H2O 10〜450g/ BaCrO4 5〜60g (SiO2薄膜にてマイクロカプセル化された
粒子) PH=2.0、浴温度=50℃ 電流密度 40A/dm2 電解時間 22sec 全付着量(目標) 22g/m2 (ここで、微粒子の被覆材質(例えばSiO2)の
膜厚は10Å〜1μのものを適宜用いた) 次に、複合めつきの上に行なう薄電気めつきに
ついては、硫酸亜鉛めつき浴中にFe、Co、Ni、
Mn、Crの硫酸塩を適当量添加(Znめつきの場合
は、添加なし)しためつき浴を用いて、全付着量
が1〜5g/m2の範囲で実施した。 また、樹脂塗装およびクロムを含有した樹脂塗
装については、樹脂として水溶性アクリルエマル
ジヨン系を用い、ロールコート法により実施し
た。また、クロメート処理樹脂塗装については、
ロールコート法にて樹脂塗装を行ない、クロメー
トについては塗布、反応および電解のいずれのタ
イプでも行なつた。 このようにして製造した種々の本発明複合めつ
き鋼板については、以下の性能評価試験を行なつ
た。 (1) 耐食性 処理:無塗装および塗装材(Full−dip型
化成処理→カチオン電着塗装→スクラツチ
傷) 評価:複合腐食試験(CCT)30サイクル
後の赤錆発生率と腐食深さ測定 (注)CCT:塩水噴霧(35℃×6Hr)、乾燥
(70℃、60%×4Hr)、湿潤(49℃、>95%
×4Hr)、冷凍(−20℃×4Hr)の順に行
い、これを1サイクルとし複合腐食試験 (2) 塗料密着性 処理:Full−dip型化成処理→3コート塗
装→温水浸漬(40℃×10日間) 評価:試験後2mmのゴバン目×100マスを
入れ、テーピングにより塗膜剥離率を測定 (3) 赤錆発生率の評価は、次のように行なつた。 ◎…赤錆発生率 0% ○…赤錆発生率 5%以下 △…赤錆発生率 5〜20% ×…赤錆発生率 20〜50% ××…赤錆発生率 50%以上 (4) 腐食深さの評価は次のようである。 ◎…腐食深さ 0mm ○…腐食深さ 0.1mm以下 △…腐食深さ 0.1〜0.3mm ×…腐食深さ 0.3〜0.5mm ××…腐食深さ 0.5mm以上 (5) 塗料密着性の評価は次のようである。 ◎…塗膜剥離率 0% ○…塗膜剥離率 5%以下 △…塗膜剥離率 5〜20% ×…塗膜剥離率 20〜50% ××…塗膜剥離率 50%以上 第1表に評価結果を示す。これから明らかなよ
うに、本発明の複合めつき鋼板は比較材に比べて
諸性能にすぐれた高耐食性複合めつき鋼板である
ことがよくわかる。
【表】
【表】
【表】
構成要素4の〓〓〓は多層構造を意味する。
(発明の効果) SiO2等の薄膜で表面被覆された腐食阻止微粒
子を使用することにより、微粒子の溶解が抑制さ
れ、また微粒子の腐食阻止能も長期継続させるこ
とができ、非被覆粒子分散に比べて諸性能に優れ
ている。さらに、易溶性化合物を表面被覆するこ
とでめつき層中への分散析出が可能となる。本発
明は、上記性質をもつた微粒子を含有したZn−
Fe系合金電気複合めつき鋼板が得られる。
(発明の効果) SiO2等の薄膜で表面被覆された腐食阻止微粒
子を使用することにより、微粒子の溶解が抑制さ
れ、また微粒子の腐食阻止能も長期継続させるこ
とができ、非被覆粒子分散に比べて諸性能に優れ
ている。さらに、易溶性化合物を表面被覆するこ
とでめつき層中への分散析出が可能となる。本発
明は、上記性質をもつた微粒子を含有したZn−
Fe系合金電気複合めつき鋼板が得られる。
第1図は本発明複合めつき鋼板および比較材の
腐食深さ結果を、第2図は本発明の複合めつき鋼
板モデルの断面図を示す。
腐食深さ結果を、第2図は本発明の複合めつき鋼
板モデルの断面図を示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 めつき層中で防食作用を有するイオンを放出
することにより腐食生成物を形成する化合物また
はそれ自体腐食抑制能を有する化合物あるいはそ
の両者からなる腐食阻止微粒子をSiO2、Al2O3、
ZrO2、TiO2のいずれか1種又はそれ以上からな
る極薄皮膜で被覆したカプセル、または皮膜形成
能を有する有機高分子からなる極薄皮膜で被覆し
たカプセルを含有する、Zn−Fe合金層又はMn、
Cr、Sn、Sb、Pb、Moの1種又は2種以上を含
有するZn−Fe系合金のめつき層を鋼板の片面又
は両面に有してなることを特徴とする高耐食性電
気複合めつき鋼板。 2 めつき層中で防食作用を有するイオンを放出
することにより腐食生成物を形成する化合物また
はそれ自体腐食抑制能を有する化合物あるいはそ
の両者からなる腐食阻止微粒子をSiO2、Al2O3、
ZrO2、TiO2のいずれか1種又はそれ以上からな
る極薄皮膜で被覆したカプセル、または皮膜形成
能を有する有機高分子からなる極薄皮膜で被覆し
たカプセルを含有する、Zn−Fe合金層又はMn、
Cr、Sn、Sb、Pb、Moの1種又は2種以上を含
有するZn−Fe系合金めつき層と、その上に夫々
Zn、Fe、Co、Ni、Mn、Crの1種又は2種以上
からなる電気めつき層の複層を鋼板の片面又は両
面に有してなることを特徴とする高耐食性電気複
合めつき鋼板。 3 めつき層中で防食作用を有するイオンを放出
することにより腐食生成物を形成する化合物また
はそれ自体腐食抑制能を有する化合物あるいはそ
の両者からなる腐食阻止微粒子をSiO2、Al2O3、
ZrO2、TiO2のいずれか1種又はそれ以上からな
る極薄皮膜で被覆したカプセル、または皮膜形成
能を有する有機高分子からなる極薄皮膜で被覆し
たカプセルを含有する、Zn−Fe合金又はMn、
Cr、Sn、Sb、Pb、Moの1種又は2種以上を含
有するZn−Fe系合金のめつき層と、その上に
夫々樹脂塗装、クロメート処理後に樹脂塗装、ク
ロムイオンを含有する樹脂塗装の何れかの層を有
する積層を鋼板の片面又は両面に有してなること
を特徴とする高耐食性電気複合めつき鋼板。 4 めつき層中で防食作用を有するイオンを放出
することにより腐食生成物を形成する化合物また
はそれ自体腐食抑制能を有する化合物あるいはそ
の両者からなる腐食阻止微粒子をSiO2、Al2O3、
ZrO2、TiO2のいずれか1種又はそれ以上からな
る極薄皮膜で被覆したカプセル、または皮膜形成
能を有する有機高分子からなる極薄皮膜で被覆し
たカプセルを含有する、Zn−Fe合金層又はMn、
Cr、Sn、Sb、Pb、Moの1種又は2種以上を含
有するZn−Fe系合金とのめつき層と、その上に
夫々Zn、Fe、Co、Ni、Mn、Crの1種又は2種
以上からなる電気めき層と、更にその上に樹脂塗
装、クロメート処理後に樹脂塗装、クロムイオン
を含有する樹脂塗装の何れかを積層したものを鋼
板の片面又は両面に有してなることを特徴とする
高耐食性電気複合めつき鋼板。
Priority Applications (8)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33405787A JPH01176096A (ja) | 1987-12-29 | 1987-12-29 | 高耐食性電気複合めっき鋼板 |
| US07/284,120 US4910095A (en) | 1987-12-29 | 1988-12-14 | High corrosion resistant plated composite steel strip |
| AU27516/88A AU601094B2 (en) | 1987-12-29 | 1988-12-22 | High corrosion resistant plated composite steel strip and method of producing same |
| CA000586933A CA1334018C (en) | 1987-12-29 | 1988-12-22 | High corrosion resistant plated composite steel strip and method of producing same |
| EP88312413A EP0323756B1 (en) | 1987-12-29 | 1988-12-29 | Corrosion-resistant plated composite steel strip and method of producing same |
| DE3851425T DE3851425T2 (de) | 1987-12-29 | 1988-12-29 | Mit korrosionsbeständigem Verbundmaterial plattiertes Stahlblech und Verfahren zu seiner Herstellung. |
| KR1019880017830A KR910007162B1 (ko) | 1987-12-29 | 1988-12-29 | 고내식성 전기복합도금강판 및 그 제조방법 |
| US07/437,439 US5082536A (en) | 1987-12-29 | 1989-11-16 | Method of producing a high corrosion resistant plated composite steel strip |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33405787A JPH01176096A (ja) | 1987-12-29 | 1987-12-29 | 高耐食性電気複合めっき鋼板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01176096A JPH01176096A (ja) | 1989-07-12 |
| JPH0433877B2 true JPH0433877B2 (ja) | 1992-06-04 |
Family
ID=18273025
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33405787A Granted JPH01176096A (ja) | 1987-12-29 | 1987-12-29 | 高耐食性電気複合めっき鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH01176096A (ja) |
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|---|---|---|---|---|
| EP1832629B1 (en) | 2006-03-10 | 2016-03-02 | Max-Planck-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. | Corrosion inhibiting pigment comprising nanoreservoirs of corrosion inhibitor |
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|---|---|---|---|---|
| JPS6038480B2 (ja) * | 1978-06-08 | 1985-08-31 | 新日本製鐵株式会社 | 耐食性電気亜鉛複合めつき鋼材の製造方法 |
| JPS60141898A (ja) * | 1983-12-29 | 1985-07-26 | Nippon Steel Corp | 複合電気めつき鋼板及びその製造方法 |
| JPS61127900A (ja) * | 1984-11-22 | 1986-06-16 | Kawasaki Steel Corp | 複合めつき方法 |
-
1987
- 1987-12-29 JP JP33405787A patent/JPH01176096A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01176096A (ja) | 1989-07-12 |
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