JPH043446B2 - - Google Patents
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- JPH043446B2 JPH043446B2 JP61176566A JP17656686A JPH043446B2 JP H043446 B2 JPH043446 B2 JP H043446B2 JP 61176566 A JP61176566 A JP 61176566A JP 17656686 A JP17656686 A JP 17656686A JP H043446 B2 JPH043446 B2 JP H043446B2
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- fiber
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、防汚性ポリエステル繊維、更に詳細
には、特に洗濯時における再汚染性が改良された
汚染性ポリエスエル繊維に関するものである。 〔従来技術〕 従来より、ポリエステル繊維は寸法安定性が良
く、強く、また皺になり難い等多くの優れた特性
を有しているがゆえに多くの分野に利用されてい
るしかしながら、かかる優秀な特性をもつポリエ
ステル繊維も、ポリエステルのもつ疎水性のため
に綿等の親水性繊維に比較して油性汚れが付着し
易く、除去し難く、また洗濯中に汚れが再付着し
易い等の問題がある。 この再汚染性はポリエステル繊維が実用化され
て以来、常に提起された問題であり、この問題を
解消するために多くの方法が提案されている。 例えば、ポリオキシエチレングリコールとポリ
エステル樹脂の共重合物の溶液若しくは分散液中
でポリエステル成形物を浸漬処理する方法(特公
昭47−2512号公報参照)、ポリオキシエチレング
リコールのジメタクリレート等の親水性ビニル化
合物をパツド若しくはスプレー後蒸熱処理する方
法(特公昭51−2559号公報参照)又は酸素を含む
気体の低温プラズマ処理による方法(‘
Polymer'1978年8月号904〜912頁)等が知られ
ている。しかしながら、これらの方法はいずれも
ポリエステル繊維製品の仕上げ加工として提案さ
れたものであつて、操作が煩雑であるとか、特殊
な設備が要るとか、又は加工の再現性に乏しい等
加工面での問題があり、更に肌着、白衣等の洗濯
頻度の多い衣類等は洗濯回数を重ねるに従つて初
期の効果が徐々になくなるという問題があり、従
来より、洗濯を繰り返しても防汚性を保持する
(洗濯による黒ずみのない)ポリエステル繊維の
出現が強く望まれていた。 一方、ポリエステル繊維の易染化のためにポリ
オキシエチレングリコールを共重合することが知
られている。そこで、ポリエステル繊維中にポリ
オキシエチレングリコールを共重合してポリマー
自体を親水化し、油による汚れを防止せんと試み
たところ、充分なレベルの防汚性を得るには、共
重合量を10%を超える量、好ましくは20重量%以
上にする必要があることを知つた。しかしなが
ら、このように多量のポリオキシエチレングリコ
ールを共重合すると、得られる繊維の力学的特性
が損なわれ、収縮率が高くなり、耐光堅牢性も悪
化し、実用に供し得ず、特にリネンサプライ用の
綿混には到底使用できなかつた。また、耐光堅牢
性を保持するために、ポリオキシエチレングリコ
ールの共重合量を10%以下、特に5重量%以下に
したのでは充分な防汚性が得られなかつた。 〔発明の目的〕 本発明者は、特に洗濯による黒ずみが改良さ
れ、耐久性のある防汚性に優れたポリエステル繊
維を提供せんとするものである。 〔発明の構成〕 本発明者らは、上記の目的を達成せんとして、
鋭意検討し、特に親水性の基の繊維内分布をコン
トロールすることによつて、優れた防汚性を発揮
することを見出した。即ち、親水性ポリマーであ
るポリオキシエチレングリコールの共重合方法に
ついて鋭意検討を重ねた結果、片末端封鎖ポリオ
キシエチレングリコールを主鎖の末端に共重合し
た改質ポリエステルよりなり、特に選ばれた構造
を有するポリエステル繊維は、主鎖末端に共重合
したポリオキシエチレングリコールが特異的に作
用するためか、両末端封鎖のポリオキシエチレン
グリコールをポリエステル主鎖中に共重合したポ
リエステルや、末端封鎖したポリオキシエチレン
グリコールやポリエステルに不溶性のポリオキシ
エチレングリコールをポリエステル中に混合した
ポリエステルよりなる繊維に比較して、格段に改
善された防汚性およびその洗濯耐久性を呈するこ
とを知つた。本発明は、かかる知見に基づいて更
に検討を重ねた結果完成したものである。 即ち、本発明はエチレンテレフタレートを主た
る構成単位とするポリエステルの末端の少なくと
も一部に、下記一般式(1) R1O(R2O)−n ……(1) (式中、R1は活性水素を有しない一価の有機基、
R2はアルキレン基、nは20〜140の整数である)
で表されるポリオキシアルキレングリコール成分
を0.5〜10重量%共重合した改質ポリエステルよ
りなる繊維であつて、(100)面での結晶サイズが
50〜100Å、(010)面での結晶サイズが65〜170A
であり3複屈折率が0.15以上、伸度が40%以下で
且つ強度が4g/de以上である防汚性ポリエス
テル繊維に係るものである。 本発明でいうポリエステルは、テレフタル酸を
主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たる
グリコール成分とするポリエステルを対象とす
る。かかるポリエステルは、その酸成分であるテ
レフタル酸の一部を他の二官能性カルボン酸で置
き換えてもよい。このような他のカルボン酸とし
ては例えばイソフタル酸、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフエ
ニルジカルボン酸、ジフエノキシエタンジカルボ
ン酸、β−オキシエトキシ安息香酸、p−オキシ
安息香酸の如き二官能性芳香族カルボン酸、セバ
シン酸、アジピン酸、蓚酸の如き二官能性脂肪族
カルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸の如き二官能性脂環族カルボン酸等をあげるこ
とができる。また、エチレングリコール成分の一
部を他のグリコール成分で置き換えてもよく、か
かるグリコール成分としては、例えばトリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、ペン
タメチレングリコール、ヘキサメチレングリコー
ル等、および他のジオール化合物例えばシクロヘ
キサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグ
リコール、ビスフエノールA、ビスフエノールS
の如き脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合
物、両末端が未封鎖のポリオキシアルキレングリ
コール等があげられる。 かかるポリエステルは任意の方法によつて製造
することができる。例えば、ポリエチレンテレフ
タレートについて説明すれば、テレフタル酸とエ
チレングリコールとを直接エステル化反応させる
か、テレフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸の
低級アルキルエステルとエチレングリコールとを
エステル交換反応させるか、又はテレフタル酸と
エチレンオキサイドとを反応させるかして、テレ
フタル酸のグリコールエステル及び/又はその低
重合体を生成させる第1段の反応、次いでかかる
生成物を減圧下加熱して所望の重合度になるまで
重縮合反応させる第2段の反応とによつて容易に
製造される。 本発明においては上記ポリエステルのポリマー
鎖の少なくとも一部の末端に、下記一般式(1) R1O(R2O)−n ……(1) で表される片末端を封鎖したポリオキシアルキレ
ングリコールが共重合されていることが必要であ
る。 この式中、R1は活性水素を有しない一価の有
機基であり、特に炭化水素基が好ましく、なかで
もアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又
はアルキルアリール基が好ましい。R2はアルキ
レン基であり、通常炭素数2〜4のアルキレン基
が好ましい。具体的にはエチレン基、ブロピレン
基、テトラメチレン基が例示される。また、2種
以上の混合、例えばエチレン基とプロピレン基と
を持つた共重合体であつてもよい。また、nは平
均重合度を示し、20〜140の範囲である。nが20
未満のポリオキシアルキレングリコールを共重合
させようとするとき、充分な防汚性を得るには、
高い共重合率が必要になり、このような場合ポリ
エステルの末端が封鎖されるためにポリエステル
自体の重合度を充分に上げることが出来ず、ひい
ては得られる繊維の力学特性を確保出来ない。一
方、nが140より大きい場合には、ポリオキシア
ルキレングリコールとポリエステルとの反応が充
分に進まず、結局はポリオキシアルキレングリコ
ールがポリエステルに混合したと同一の結果とな
り、高い防汚性は得られない。特に、好ましい平
均重合度は30〜80の極く限られた領域に存在す
る。 かかる片末端封鎖ポリオキシアルキレングリコ
ールの好ましい具体例としては、ポリオキシエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ポリオキシ
エチレングリコールモノフエニルエーテル、ポリ
オキシエチレングリコールモノオクチルフエニル
エーテル、ポリオキシエチレングリコールモノノ
ニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレングリ
コールモノセチルエーテル、ポリオキシプロピレ
ングリコールモノフエニルエーテル、ポリオキシ
プロピレングリコールモノノニルフエニルエーテ
ル、ポリオキシテトラメチレングリコールモノメ
チルエーテル、ポリオキシエチレングリコール/
ポリオキシプロピレングリコール共重合体のモノ
メチルエーテル等及びこれらのエステル形成性誘
導体を上げることができる。 上記の片末端封鎖ポリオキシアルキレングリコ
ールをポリエステル鎖の末端に共重合するには、
前述したポリエステルの合成が完成する以前の任
意の段階、例えば第1段の反応開始前、反応中、
反応終了後、第2段の反応中などの任意の段階で
添加し、添加後に製造反応を完結すればよい。 この際の使用量は、あまり少ないと最終的に得
られるポリエステル樹脂の防汚性能及びその洗濯
耐久性が不充分になり、逆にあまり多いと重縮合
反応の過程においてポリエステルの重合度があま
り低いレベルで頭打ちになるため、最終的に得ら
れるポリエステル繊維の強度等の糸物性が悪化す
るようになる。また、ポリオキシアルキレングリ
コールを多量に含むようになると、得られる繊維
の耐光性が悪化するので、共重合量は可及的に少
量にすることが好ましい。本発明によつては、ポ
リオキシアルキレングリコールの共重合量は、ポ
リエステルに対し0.5〜10重量%の範囲にすべき
であり、なかでも2〜5重量%の範囲が好まし
い。このように、本発明ではポリオキシアルキレ
ングリコールの共重合量を少量に抑制できるた
め、得られる繊維は充分な耐光性をも保持するこ
とができる。 なお、必要に応じて安定剤、艶消剤、酸化防止
剤、難燃剤、帯電防止剤、螢光増白剤、触媒、着
色防止剤、耐熱剤、着色剤、無機粒子等を併用し
てもよい。特に、ポリオキシアルキレングリコー
ルは溶融紡糸条件下のような高温に放置される
と、容易に酸化されて重合度低下や着色といつた
問題を発生し易いため、酸化防止剤や螢光増白剤
等の併用は好ましい場合が多い。更に、本発明に
おける改質ポリエステルにイオン性帯電防止剤を
併用すれば、制電性に優れた繊維を得ることもで
き、その利用分野はさらに拡大する。 このようにして得られた改質ポリエステルの重
合度は、充分な繊維特性を発揮するため、極限粘
度で0.58以上が好ましく、0.6以上が特に好まし
い。かかる改質ポリエステルは溶融紡糸法によつ
て繊維化される。ここで、紡出する繊維は中空部
のない中実繊維であつても、中空部を有する中空
繊維であつてもよい。また、紡出する繊維の横断
面における外形や中空部の形状は、円形であつて
も異形であつてもよい。 紡出された繊維は、充分な繊維性能を発揮する
ため伸度が40%以下、強度が4g/de以上にな
るように延伸され、必要に応じて熱処理される。
特に延伸によつて、その複屈折率を0.15以上にす
べきである。複屈折率が0.15に達しないときは、
後述する(010)面における結晶サイズが好まし
い値に到達し難く、充分な防汚性やその耐久性が
得られ難い。その上限は特に制限する必要はない
が、あまりに高くすると、製糸性が悪化するの
で、0.18以下が好ましい。 本発明の繊維は、上記特性を有すると同時に特
別な繊維構造、即ち、(100)面での結晶サイズが
50〜100Åの範囲内になければならない。これら
の範囲を1つでもはずれると、充分な防汚性及び
その耐久性を発揮し得ない。かかる繊維構造を得
る方法として下記の方法が有効である。即ち、前
記改質ポリエステルから通常の紡糸方法で得た糸
を強く熱処理することによつて得られる。ポリエ
ステルにおいて通常その紡糸速度は1000m/分程
度であり、更に延伸工程を加えてその力学特性を
確保することが一般になされている。しかるに、
この方法を前記改質ポリエステルに採用すると
き、そのままでは上記繊維構造には達し得ず、更
に充分な熱処理が必要である。例えばポリエチレ
ンテレフタレートの場合その結晶化が160℃を超
える温度で始まり、175℃を超えると顕著になる。
従つて175℃を超える温度、好ましくは180℃以
上、更に好ましくは190℃を超える温度で糸又は
布帛を熱処理する方法が採用される。また、熱処
理温度が、あまりに高くなると、繊維特性が悪化
するようになるので、240℃以下が好ましく、特
に220℃以下が好ましい。布帛に対する熱処理は
アイロンによる皺のばしのための加熱と同時に行
なうことも出来る。糸の場合には延伸ローラや熱
プレートの上で175℃を超える温度、更に好まし
くは190℃を超える温度で充分に時間をかけて熱
処理することによつて上記の好ましい繊維構造を
得ることが出来る。更に熱処理を定長又は弛緩の
状態の熱処理と組合せた場合より好ましい繊維構
造を得ることが出来る。 熱処理時間は、処理温度によつて異なり、処理
温度をT(℃)とし、処理時間をt(秒)とすると
下記式 1000/(T−175)2<t<30000/(T−175)2。 を満足する範囲にするのが好ましい。1000/(T
−175)2未満の時間では前記繊維構造になり難く、
30000/(T−175)2より長時間になると繊維特性
が悪化するようになる。特に好ましいのは、
3000/(T−175)2以下の時間である。 本発明にあつては、このようにして得られるポ
リエステル繊維の表面に親水性樹脂皮膜を固着せ
しめることが容易であり、こうすることによつて
防汚性能を更に高めることができる。ここで使用
する親水性樹脂としては、親水性を呈する皮膜が
形成できるものであれば特に限定する必要はない
が、前記改質ポリエステル繊維と組み合わせた場
合、防汚性能とその洗濯耐久性を特異的に大きく
する効能を有する点から、ポリエーテル系樹脂か
らなる皮膜が特に好ましい。 〔作用〕 このようにして得られた改質ポリエステル繊維
の防汚性が従来の素材に比較して優れた水準にあ
る理由は、その全容が解明されていないが、次の
ようなメカニズムに因ると推定される。 ポリエステルは親油性であることはよく知られ
ている(疎水性)。そのために油性の汚れに対し
ては親和力を発揮し、繊維内に吸着し易く、洗濯
(即ち水により汚れを落とす)しても油性成分は
繊維外に押出されず、汚れ更には黒ずみとなつて
繊維内に残留することとなる。ところで油性汚れ
は繊維に対して均一に吸着されるのではない。例
えばポリエステルの結晶部分は、その分子間距離
が短く、コンパクトであるがために数Åの結晶格
子の間に油性成分が浸入することはありえない。
一方非晶部分や結晶ミセル間のすき間部分では、
ポリエステルの分子の密度は低く、ポリエステル
の親油性とあいまつて容易に油性成分は繊維間に
浸入することが出来る。従つて、油性成分の繊維
内への浸入を防止するには、これら非晶部分や結
晶ミセルのすき間をいかに効率よく親水化するこ
とにあると考えるにいたつた。 そこで親水性成分であるポリオキシアルキレン
グリコールのポリエステルへの存在状態について
検討を重ねた。まず、その両末端を活性水素を有
しない基で封鎖したポリオキシアルキレングリコ
ールをポリエステルに混合してその防汚効果を確
認したところ防汚性を示した。ところが着用、洗
濯を繰り返すうちにその性能は急激に悪化してし
まい、耐久性の上で問題があることが判明した。
そのメカニズムを明らかにするために、洗浄水、
更には高圧沸騰水中へのポリオキシエチレングリ
コールの分析を行つたところ、容易にポリオキシ
アルキレングリコールが水によつて抽出されてし
まうことが判明した。一方両末端に活性水素を有
する基を持つポリオキシエチレングリコールをポ
リエステルの中に配合したところ容易に共重合が
おこり、前述した製糸方法を採用しても好ましい
繊維構造にすることが困難であり、防汚性にも劣
つていた。防汚性に劣る理由は、ポリオキシアル
キレングリコールがポリエステル中に完全にラン
ダムに共重合されたため、ポリオキシアルキレン
グリコールを効果的に非晶部に集めることが出来
ないためと推定される。 最近、ブロツクコポリマーやグラフトコポリマ
ーの如くその構成成分を2極にブロツク化したポ
リマーの利用が検討されている。例えば「表面」
第22巻6号297頁(1984)や「工業材料」第33巻
12号46頁に述べられているようにこれらのポリマ
ーを高分子活性剤や、高分子表面改善に応用しよ
うとする研究が盛んに行われるようになつてき
た。親水性のポリオキシアルキレングリコールと
親油性のポリエスエテルをブロツクで共重合する
こと、即ち片末端が活性水素を有する基であり、
他方の末端が活性水素を有しない基で封鎖されて
いるポリオキシアルキレングリコール(PAG)
とポリエステル(PE)とを共重合した場合、
PAG−PE−PAG又はPAG−PEの分子が大量の
PEの中に存在する形となる。PAG分子はPAGで
集合しやすくなるためポリマーにおいてポリオキ
シアルキレングリコールの多い領域とポリエステ
ルの多い2つの領域に局在化し易いことを示す
(高分子活性剤ミセル構造)。これは次の表に示す
ポリマー特性によつても知ることが出来る。
には、特に洗濯時における再汚染性が改良された
汚染性ポリエスエル繊維に関するものである。 〔従来技術〕 従来より、ポリエステル繊維は寸法安定性が良
く、強く、また皺になり難い等多くの優れた特性
を有しているがゆえに多くの分野に利用されてい
るしかしながら、かかる優秀な特性をもつポリエ
ステル繊維も、ポリエステルのもつ疎水性のため
に綿等の親水性繊維に比較して油性汚れが付着し
易く、除去し難く、また洗濯中に汚れが再付着し
易い等の問題がある。 この再汚染性はポリエステル繊維が実用化され
て以来、常に提起された問題であり、この問題を
解消するために多くの方法が提案されている。 例えば、ポリオキシエチレングリコールとポリ
エステル樹脂の共重合物の溶液若しくは分散液中
でポリエステル成形物を浸漬処理する方法(特公
昭47−2512号公報参照)、ポリオキシエチレング
リコールのジメタクリレート等の親水性ビニル化
合物をパツド若しくはスプレー後蒸熱処理する方
法(特公昭51−2559号公報参照)又は酸素を含む
気体の低温プラズマ処理による方法(‘
Polymer'1978年8月号904〜912頁)等が知られ
ている。しかしながら、これらの方法はいずれも
ポリエステル繊維製品の仕上げ加工として提案さ
れたものであつて、操作が煩雑であるとか、特殊
な設備が要るとか、又は加工の再現性に乏しい等
加工面での問題があり、更に肌着、白衣等の洗濯
頻度の多い衣類等は洗濯回数を重ねるに従つて初
期の効果が徐々になくなるという問題があり、従
来より、洗濯を繰り返しても防汚性を保持する
(洗濯による黒ずみのない)ポリエステル繊維の
出現が強く望まれていた。 一方、ポリエステル繊維の易染化のためにポリ
オキシエチレングリコールを共重合することが知
られている。そこで、ポリエステル繊維中にポリ
オキシエチレングリコールを共重合してポリマー
自体を親水化し、油による汚れを防止せんと試み
たところ、充分なレベルの防汚性を得るには、共
重合量を10%を超える量、好ましくは20重量%以
上にする必要があることを知つた。しかしなが
ら、このように多量のポリオキシエチレングリコ
ールを共重合すると、得られる繊維の力学的特性
が損なわれ、収縮率が高くなり、耐光堅牢性も悪
化し、実用に供し得ず、特にリネンサプライ用の
綿混には到底使用できなかつた。また、耐光堅牢
性を保持するために、ポリオキシエチレングリコ
ールの共重合量を10%以下、特に5重量%以下に
したのでは充分な防汚性が得られなかつた。 〔発明の目的〕 本発明者は、特に洗濯による黒ずみが改良さ
れ、耐久性のある防汚性に優れたポリエステル繊
維を提供せんとするものである。 〔発明の構成〕 本発明者らは、上記の目的を達成せんとして、
鋭意検討し、特に親水性の基の繊維内分布をコン
トロールすることによつて、優れた防汚性を発揮
することを見出した。即ち、親水性ポリマーであ
るポリオキシエチレングリコールの共重合方法に
ついて鋭意検討を重ねた結果、片末端封鎖ポリオ
キシエチレングリコールを主鎖の末端に共重合し
た改質ポリエステルよりなり、特に選ばれた構造
を有するポリエステル繊維は、主鎖末端に共重合
したポリオキシエチレングリコールが特異的に作
用するためか、両末端封鎖のポリオキシエチレン
グリコールをポリエステル主鎖中に共重合したポ
リエステルや、末端封鎖したポリオキシエチレン
グリコールやポリエステルに不溶性のポリオキシ
エチレングリコールをポリエステル中に混合した
ポリエステルよりなる繊維に比較して、格段に改
善された防汚性およびその洗濯耐久性を呈するこ
とを知つた。本発明は、かかる知見に基づいて更
に検討を重ねた結果完成したものである。 即ち、本発明はエチレンテレフタレートを主た
る構成単位とするポリエステルの末端の少なくと
も一部に、下記一般式(1) R1O(R2O)−n ……(1) (式中、R1は活性水素を有しない一価の有機基、
R2はアルキレン基、nは20〜140の整数である)
で表されるポリオキシアルキレングリコール成分
を0.5〜10重量%共重合した改質ポリエステルよ
りなる繊維であつて、(100)面での結晶サイズが
50〜100Å、(010)面での結晶サイズが65〜170A
であり3複屈折率が0.15以上、伸度が40%以下で
且つ強度が4g/de以上である防汚性ポリエス
テル繊維に係るものである。 本発明でいうポリエステルは、テレフタル酸を
主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たる
グリコール成分とするポリエステルを対象とす
る。かかるポリエステルは、その酸成分であるテ
レフタル酸の一部を他の二官能性カルボン酸で置
き換えてもよい。このような他のカルボン酸とし
ては例えばイソフタル酸、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフエ
ニルジカルボン酸、ジフエノキシエタンジカルボ
ン酸、β−オキシエトキシ安息香酸、p−オキシ
安息香酸の如き二官能性芳香族カルボン酸、セバ
シン酸、アジピン酸、蓚酸の如き二官能性脂肪族
カルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸の如き二官能性脂環族カルボン酸等をあげるこ
とができる。また、エチレングリコール成分の一
部を他のグリコール成分で置き換えてもよく、か
かるグリコール成分としては、例えばトリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、ペン
タメチレングリコール、ヘキサメチレングリコー
ル等、および他のジオール化合物例えばシクロヘ
キサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグ
リコール、ビスフエノールA、ビスフエノールS
の如き脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合
物、両末端が未封鎖のポリオキシアルキレングリ
コール等があげられる。 かかるポリエステルは任意の方法によつて製造
することができる。例えば、ポリエチレンテレフ
タレートについて説明すれば、テレフタル酸とエ
チレングリコールとを直接エステル化反応させる
か、テレフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸の
低級アルキルエステルとエチレングリコールとを
エステル交換反応させるか、又はテレフタル酸と
エチレンオキサイドとを反応させるかして、テレ
フタル酸のグリコールエステル及び/又はその低
重合体を生成させる第1段の反応、次いでかかる
生成物を減圧下加熱して所望の重合度になるまで
重縮合反応させる第2段の反応とによつて容易に
製造される。 本発明においては上記ポリエステルのポリマー
鎖の少なくとも一部の末端に、下記一般式(1) R1O(R2O)−n ……(1) で表される片末端を封鎖したポリオキシアルキレ
ングリコールが共重合されていることが必要であ
る。 この式中、R1は活性水素を有しない一価の有
機基であり、特に炭化水素基が好ましく、なかで
もアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又
はアルキルアリール基が好ましい。R2はアルキ
レン基であり、通常炭素数2〜4のアルキレン基
が好ましい。具体的にはエチレン基、ブロピレン
基、テトラメチレン基が例示される。また、2種
以上の混合、例えばエチレン基とプロピレン基と
を持つた共重合体であつてもよい。また、nは平
均重合度を示し、20〜140の範囲である。nが20
未満のポリオキシアルキレングリコールを共重合
させようとするとき、充分な防汚性を得るには、
高い共重合率が必要になり、このような場合ポリ
エステルの末端が封鎖されるためにポリエステル
自体の重合度を充分に上げることが出来ず、ひい
ては得られる繊維の力学特性を確保出来ない。一
方、nが140より大きい場合には、ポリオキシア
ルキレングリコールとポリエステルとの反応が充
分に進まず、結局はポリオキシアルキレングリコ
ールがポリエステルに混合したと同一の結果とな
り、高い防汚性は得られない。特に、好ましい平
均重合度は30〜80の極く限られた領域に存在す
る。 かかる片末端封鎖ポリオキシアルキレングリコ
ールの好ましい具体例としては、ポリオキシエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ポリオキシ
エチレングリコールモノフエニルエーテル、ポリ
オキシエチレングリコールモノオクチルフエニル
エーテル、ポリオキシエチレングリコールモノノ
ニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレングリ
コールモノセチルエーテル、ポリオキシプロピレ
ングリコールモノフエニルエーテル、ポリオキシ
プロピレングリコールモノノニルフエニルエーテ
ル、ポリオキシテトラメチレングリコールモノメ
チルエーテル、ポリオキシエチレングリコール/
ポリオキシプロピレングリコール共重合体のモノ
メチルエーテル等及びこれらのエステル形成性誘
導体を上げることができる。 上記の片末端封鎖ポリオキシアルキレングリコ
ールをポリエステル鎖の末端に共重合するには、
前述したポリエステルの合成が完成する以前の任
意の段階、例えば第1段の反応開始前、反応中、
反応終了後、第2段の反応中などの任意の段階で
添加し、添加後に製造反応を完結すればよい。 この際の使用量は、あまり少ないと最終的に得
られるポリエステル樹脂の防汚性能及びその洗濯
耐久性が不充分になり、逆にあまり多いと重縮合
反応の過程においてポリエステルの重合度があま
り低いレベルで頭打ちになるため、最終的に得ら
れるポリエステル繊維の強度等の糸物性が悪化す
るようになる。また、ポリオキシアルキレングリ
コールを多量に含むようになると、得られる繊維
の耐光性が悪化するので、共重合量は可及的に少
量にすることが好ましい。本発明によつては、ポ
リオキシアルキレングリコールの共重合量は、ポ
リエステルに対し0.5〜10重量%の範囲にすべき
であり、なかでも2〜5重量%の範囲が好まし
い。このように、本発明ではポリオキシアルキレ
ングリコールの共重合量を少量に抑制できるた
め、得られる繊維は充分な耐光性をも保持するこ
とができる。 なお、必要に応じて安定剤、艶消剤、酸化防止
剤、難燃剤、帯電防止剤、螢光増白剤、触媒、着
色防止剤、耐熱剤、着色剤、無機粒子等を併用し
てもよい。特に、ポリオキシアルキレングリコー
ルは溶融紡糸条件下のような高温に放置される
と、容易に酸化されて重合度低下や着色といつた
問題を発生し易いため、酸化防止剤や螢光増白剤
等の併用は好ましい場合が多い。更に、本発明に
おける改質ポリエステルにイオン性帯電防止剤を
併用すれば、制電性に優れた繊維を得ることもで
き、その利用分野はさらに拡大する。 このようにして得られた改質ポリエステルの重
合度は、充分な繊維特性を発揮するため、極限粘
度で0.58以上が好ましく、0.6以上が特に好まし
い。かかる改質ポリエステルは溶融紡糸法によつ
て繊維化される。ここで、紡出する繊維は中空部
のない中実繊維であつても、中空部を有する中空
繊維であつてもよい。また、紡出する繊維の横断
面における外形や中空部の形状は、円形であつて
も異形であつてもよい。 紡出された繊維は、充分な繊維性能を発揮する
ため伸度が40%以下、強度が4g/de以上にな
るように延伸され、必要に応じて熱処理される。
特に延伸によつて、その複屈折率を0.15以上にす
べきである。複屈折率が0.15に達しないときは、
後述する(010)面における結晶サイズが好まし
い値に到達し難く、充分な防汚性やその耐久性が
得られ難い。その上限は特に制限する必要はない
が、あまりに高くすると、製糸性が悪化するの
で、0.18以下が好ましい。 本発明の繊維は、上記特性を有すると同時に特
別な繊維構造、即ち、(100)面での結晶サイズが
50〜100Åの範囲内になければならない。これら
の範囲を1つでもはずれると、充分な防汚性及び
その耐久性を発揮し得ない。かかる繊維構造を得
る方法として下記の方法が有効である。即ち、前
記改質ポリエステルから通常の紡糸方法で得た糸
を強く熱処理することによつて得られる。ポリエ
ステルにおいて通常その紡糸速度は1000m/分程
度であり、更に延伸工程を加えてその力学特性を
確保することが一般になされている。しかるに、
この方法を前記改質ポリエステルに採用すると
き、そのままでは上記繊維構造には達し得ず、更
に充分な熱処理が必要である。例えばポリエチレ
ンテレフタレートの場合その結晶化が160℃を超
える温度で始まり、175℃を超えると顕著になる。
従つて175℃を超える温度、好ましくは180℃以
上、更に好ましくは190℃を超える温度で糸又は
布帛を熱処理する方法が採用される。また、熱処
理温度が、あまりに高くなると、繊維特性が悪化
するようになるので、240℃以下が好ましく、特
に220℃以下が好ましい。布帛に対する熱処理は
アイロンによる皺のばしのための加熱と同時に行
なうことも出来る。糸の場合には延伸ローラや熱
プレートの上で175℃を超える温度、更に好まし
くは190℃を超える温度で充分に時間をかけて熱
処理することによつて上記の好ましい繊維構造を
得ることが出来る。更に熱処理を定長又は弛緩の
状態の熱処理と組合せた場合より好ましい繊維構
造を得ることが出来る。 熱処理時間は、処理温度によつて異なり、処理
温度をT(℃)とし、処理時間をt(秒)とすると
下記式 1000/(T−175)2<t<30000/(T−175)2。 を満足する範囲にするのが好ましい。1000/(T
−175)2未満の時間では前記繊維構造になり難く、
30000/(T−175)2より長時間になると繊維特性
が悪化するようになる。特に好ましいのは、
3000/(T−175)2以下の時間である。 本発明にあつては、このようにして得られるポ
リエステル繊維の表面に親水性樹脂皮膜を固着せ
しめることが容易であり、こうすることによつて
防汚性能を更に高めることができる。ここで使用
する親水性樹脂としては、親水性を呈する皮膜が
形成できるものであれば特に限定する必要はない
が、前記改質ポリエステル繊維と組み合わせた場
合、防汚性能とその洗濯耐久性を特異的に大きく
する効能を有する点から、ポリエーテル系樹脂か
らなる皮膜が特に好ましい。 〔作用〕 このようにして得られた改質ポリエステル繊維
の防汚性が従来の素材に比較して優れた水準にあ
る理由は、その全容が解明されていないが、次の
ようなメカニズムに因ると推定される。 ポリエステルは親油性であることはよく知られ
ている(疎水性)。そのために油性の汚れに対し
ては親和力を発揮し、繊維内に吸着し易く、洗濯
(即ち水により汚れを落とす)しても油性成分は
繊維外に押出されず、汚れ更には黒ずみとなつて
繊維内に残留することとなる。ところで油性汚れ
は繊維に対して均一に吸着されるのではない。例
えばポリエステルの結晶部分は、その分子間距離
が短く、コンパクトであるがために数Åの結晶格
子の間に油性成分が浸入することはありえない。
一方非晶部分や結晶ミセル間のすき間部分では、
ポリエステルの分子の密度は低く、ポリエステル
の親油性とあいまつて容易に油性成分は繊維間に
浸入することが出来る。従つて、油性成分の繊維
内への浸入を防止するには、これら非晶部分や結
晶ミセルのすき間をいかに効率よく親水化するこ
とにあると考えるにいたつた。 そこで親水性成分であるポリオキシアルキレン
グリコールのポリエステルへの存在状態について
検討を重ねた。まず、その両末端を活性水素を有
しない基で封鎖したポリオキシアルキレングリコ
ールをポリエステルに混合してその防汚効果を確
認したところ防汚性を示した。ところが着用、洗
濯を繰り返すうちにその性能は急激に悪化してし
まい、耐久性の上で問題があることが判明した。
そのメカニズムを明らかにするために、洗浄水、
更には高圧沸騰水中へのポリオキシエチレングリ
コールの分析を行つたところ、容易にポリオキシ
アルキレングリコールが水によつて抽出されてし
まうことが判明した。一方両末端に活性水素を有
する基を持つポリオキシエチレングリコールをポ
リエステルの中に配合したところ容易に共重合が
おこり、前述した製糸方法を採用しても好ましい
繊維構造にすることが困難であり、防汚性にも劣
つていた。防汚性に劣る理由は、ポリオキシアル
キレングリコールがポリエステル中に完全にラン
ダムに共重合されたため、ポリオキシアルキレン
グリコールを効果的に非晶部に集めることが出来
ないためと推定される。 最近、ブロツクコポリマーやグラフトコポリマ
ーの如くその構成成分を2極にブロツク化したポ
リマーの利用が検討されている。例えば「表面」
第22巻6号297頁(1984)や「工業材料」第33巻
12号46頁に述べられているようにこれらのポリマ
ーを高分子活性剤や、高分子表面改善に応用しよ
うとする研究が盛んに行われるようになつてき
た。親水性のポリオキシアルキレングリコールと
親油性のポリエスエテルをブロツクで共重合する
こと、即ち片末端が活性水素を有する基であり、
他方の末端が活性水素を有しない基で封鎖されて
いるポリオキシアルキレングリコール(PAG)
とポリエステル(PE)とを共重合した場合、
PAG−PE−PAG又はPAG−PEの分子が大量の
PEの中に存在する形となる。PAG分子はPAGで
集合しやすくなるためポリマーにおいてポリオキ
シアルキレングリコールの多い領域とポリエステ
ルの多い2つの領域に局在化し易いことを示す
(高分子活性剤ミセル構造)。これは次の表に示す
ポリマー特性によつても知ることが出来る。
本発明の改質ポリエステル繊維は、例えば肌
着、白衣等の洗濯頻度の高い衣類となした場合
に、特にその特徴が発揮され、何度洗濯を繰り返
しても防汚性が保持されて、洗濯による黒ずみが
起こらない。このため、本発明の防汚性の改質ポ
リエステル繊維は、リネンサプライ分野において
特に有用である。 更に、本発明の改質ポリエステル繊維は必要に
応じて、綿、羊毛等の天然繊維、レーヨン、アセ
テート等の再生繊維及び本発明のポリエステル繊
維以外の合繊との混紡、交編、交織等に使用され
る。 〔実施例〕 以下に実施例をあげて本発明を更に説明する。 実施例中の部及び%はそれぞれ重量部及び重量
%を示す。ポリマーの極限粘度〔η〕は35℃のオ
ルソクロルフエノール溶液で測定した値から求
め、軟化点(SP)はペネレーシヨン法で測定し
た。 実施例のうちの繊維構造及び汚染処理、汚染率
の求め方は下記の方法を採用する。 (1) 結晶サイズ 理学電機製X線回折装置RAD−A型を用
い、サンプルを繊維試料台に固定し、ゴニオメ
ーターのマウント上に垂直方向にセツトする。
回折角2θ=10゜から40゜の回折を測定する。 子午線方向の回折の最低点を直線で結び、こ
れをベースに(100)面及び(010)面の回折ピ
ークの半価巾Bを求める。(100)面及び(010)
面の結晶サイズを次の式によつて求める。 結晶サイズD=Aλ/(√−)×cosθ Aは補正係数、bは補正角 λはX線の波長で1.5481Aを使用 B:半価巾 (丸善株式会社発行「X線結晶学」仁田勇監修
を参照) (2) 汚染処理 下記組成の洗濯液300c.c.をカラーペツト染色
試験機(日本染色機械製)のポツトに入れ、こ
の中にホルダーにはさんだ10cm×13cmの織物を
浸漬させ、50℃で100分間撹拌処理した。 人工汚れ液 1% ●モーターオイル(Dia Queen Motor Oil M
−2三菱自動車工業製) 99.335重量% ●B重油 0.634重量% ●カーボンブラツク 0.031重量% を混合したものを使用する。 アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ 0.02% 硫酸ソーダ 0.03% トリポリリン酸ソーダ 0.02% 軽く水洗した後、試料を濾紙の間にはさんで
余分の汚染液を除いた。次に汚染した試料を家
庭洗濯機の弱条件でマルセル石けんを2g/
含む40℃の温湯中で10分間洗濯した。その後、
風乾した。これらの汚染及び洗濯処理を1サイ
クルとし、このサイクルを8回繰り返した。次
いで下記方法により織物の汚染度を求めた。 (3) 汚染度の求め方 マクベスMS−2020(Instrumental Colour
Systems Limited製)を用い、常法によりCIE
表色計のL*を求め、汚染度を下記により計算
した。 汚染度(ΔL*)=汚染前のL*−処理後のL
* 実施例1〜4及び比較例1〜6 テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコ
ール60部、酢酸カルシウム1水塩0.06部(テレフ
タル酸ジメチルに対して0.066モル%)及び整色
剤として酢酸コバルト4水塩0.009部(テレフタ
ル酸ジメチルに対して0.007モル%)をエステル
交換缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下4時間かけて
140℃から220℃まで昇温して生成するメタノール
を系外に留去しながらエステル交換反応させた。
エステル交換反応終了後、安定剤としてリン酸ト
リメチル0.058部(テレフタル酸ジメチルに対し
て0.080モル%)加えた。次いで10分後に三酸化
アンチモン0.04部(テレフタル酸ジメチルに対し
て0.027モル%)を添加し、同時に過剰のエチレ
ングリコールを追出しながら240℃まで昇温した
後重合缶に移した。重合缶に第2表記載のポリオ
キシエチレングリコールを表記載の量添加した
後、1時間かけて760mmHgから1mmHgまで減圧
し、同時に1時間30分かけて240℃から280℃で昇
温した。1mmHG以下の減圧下重合温度280℃ま
で更に2時間重合した時点で酸化防止剤としてイ
ルガノツクス1010(チバガイギー社製)0.4部を真
空下添加し、その後更に30分間重合した。得られ
たポリマーを常法に従つてチツプ化した。 このチツプを常法により乾燥し、孔径0.3mmの
円形紡糸孔を24個穿設した紡糸口金を使用して
285℃で溶融紡糸し、次いで最終的に得られる延
伸糸の伸度が30%になる延伸倍率で84℃の加熱ロ
ーラーと180℃のスリツトヒーターを使つて延伸
熱処理して50デニール/24フイラメントの延伸糸
を得た。 得られたポリエステルフイラメント糸50デニー
ル/24フイラメントを用いて丸織物に製編した。
常法により精練・170℃による精練皺の解消のた
めの熱処理した後、螢光染料としてMikawhite
ATN(三菱化成社製)を2%owf含む処理浴中で
130℃で30分間染色して螢光染色品を得た。次い
で表に示す温度と時間でアイロンによる熱処理を
行つた。この繊維特性を第2表に示した。得られ
た試料を汚染処理し、汚染度ΔL*を求めた。汚
染度の合格は30以下、好ましくは20以下である。
着、白衣等の洗濯頻度の高い衣類となした場合
に、特にその特徴が発揮され、何度洗濯を繰り返
しても防汚性が保持されて、洗濯による黒ずみが
起こらない。このため、本発明の防汚性の改質ポ
リエステル繊維は、リネンサプライ分野において
特に有用である。 更に、本発明の改質ポリエステル繊維は必要に
応じて、綿、羊毛等の天然繊維、レーヨン、アセ
テート等の再生繊維及び本発明のポリエステル繊
維以外の合繊との混紡、交編、交織等に使用され
る。 〔実施例〕 以下に実施例をあげて本発明を更に説明する。 実施例中の部及び%はそれぞれ重量部及び重量
%を示す。ポリマーの極限粘度〔η〕は35℃のオ
ルソクロルフエノール溶液で測定した値から求
め、軟化点(SP)はペネレーシヨン法で測定し
た。 実施例のうちの繊維構造及び汚染処理、汚染率
の求め方は下記の方法を採用する。 (1) 結晶サイズ 理学電機製X線回折装置RAD−A型を用
い、サンプルを繊維試料台に固定し、ゴニオメ
ーターのマウント上に垂直方向にセツトする。
回折角2θ=10゜から40゜の回折を測定する。 子午線方向の回折の最低点を直線で結び、こ
れをベースに(100)面及び(010)面の回折ピ
ークの半価巾Bを求める。(100)面及び(010)
面の結晶サイズを次の式によつて求める。 結晶サイズD=Aλ/(√−)×cosθ Aは補正係数、bは補正角 λはX線の波長で1.5481Aを使用 B:半価巾 (丸善株式会社発行「X線結晶学」仁田勇監修
を参照) (2) 汚染処理 下記組成の洗濯液300c.c.をカラーペツト染色
試験機(日本染色機械製)のポツトに入れ、こ
の中にホルダーにはさんだ10cm×13cmの織物を
浸漬させ、50℃で100分間撹拌処理した。 人工汚れ液 1% ●モーターオイル(Dia Queen Motor Oil M
−2三菱自動車工業製) 99.335重量% ●B重油 0.634重量% ●カーボンブラツク 0.031重量% を混合したものを使用する。 アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ 0.02% 硫酸ソーダ 0.03% トリポリリン酸ソーダ 0.02% 軽く水洗した後、試料を濾紙の間にはさんで
余分の汚染液を除いた。次に汚染した試料を家
庭洗濯機の弱条件でマルセル石けんを2g/
含む40℃の温湯中で10分間洗濯した。その後、
風乾した。これらの汚染及び洗濯処理を1サイ
クルとし、このサイクルを8回繰り返した。次
いで下記方法により織物の汚染度を求めた。 (3) 汚染度の求め方 マクベスMS−2020(Instrumental Colour
Systems Limited製)を用い、常法によりCIE
表色計のL*を求め、汚染度を下記により計算
した。 汚染度(ΔL*)=汚染前のL*−処理後のL
* 実施例1〜4及び比較例1〜6 テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコ
ール60部、酢酸カルシウム1水塩0.06部(テレフ
タル酸ジメチルに対して0.066モル%)及び整色
剤として酢酸コバルト4水塩0.009部(テレフタ
ル酸ジメチルに対して0.007モル%)をエステル
交換缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下4時間かけて
140℃から220℃まで昇温して生成するメタノール
を系外に留去しながらエステル交換反応させた。
エステル交換反応終了後、安定剤としてリン酸ト
リメチル0.058部(テレフタル酸ジメチルに対し
て0.080モル%)加えた。次いで10分後に三酸化
アンチモン0.04部(テレフタル酸ジメチルに対し
て0.027モル%)を添加し、同時に過剰のエチレ
ングリコールを追出しながら240℃まで昇温した
後重合缶に移した。重合缶に第2表記載のポリオ
キシエチレングリコールを表記載の量添加した
後、1時間かけて760mmHgから1mmHgまで減圧
し、同時に1時間30分かけて240℃から280℃で昇
温した。1mmHG以下の減圧下重合温度280℃ま
で更に2時間重合した時点で酸化防止剤としてイ
ルガノツクス1010(チバガイギー社製)0.4部を真
空下添加し、その後更に30分間重合した。得られ
たポリマーを常法に従つてチツプ化した。 このチツプを常法により乾燥し、孔径0.3mmの
円形紡糸孔を24個穿設した紡糸口金を使用して
285℃で溶融紡糸し、次いで最終的に得られる延
伸糸の伸度が30%になる延伸倍率で84℃の加熱ロ
ーラーと180℃のスリツトヒーターを使つて延伸
熱処理して50デニール/24フイラメントの延伸糸
を得た。 得られたポリエステルフイラメント糸50デニー
ル/24フイラメントを用いて丸織物に製編した。
常法により精練・170℃による精練皺の解消のた
めの熱処理した後、螢光染料としてMikawhite
ATN(三菱化成社製)を2%owf含む処理浴中で
130℃で30分間染色して螢光染色品を得た。次い
で表に示す温度と時間でアイロンによる熱処理を
行つた。この繊維特性を第2表に示した。得られ
た試料を汚染処理し、汚染度ΔL*を求めた。汚
染度の合格は30以下、好ましくは20以下である。
【表】
【表】
実施例5及び比較例7、8
実施例2、比較例2、3のポリマーを孔径0.28
mmの円形紡糸孔を1008個穿設した紡糸口金を使用
して290℃で530g/分の量を吐出し、油剤を付与
しながら1000m/分で巻き取つた。この紡糸した
未延伸糸165本を同時に延伸機に供給し、70℃と
90℃の温水中で3.74倍及び1.15倍の延伸倍率で延
伸し、次いで225℃のセツトローラーで熱処理し、
更に紡績用油剤を付与した(速度100m/分)。次
いで30mm巾の押し込みクリンパーにて捲縮を与
え、連続乾燥処理において90℃で乾燥熱処理し、
カツターに供給し38mmの長さに切断してステープ
ルフアイバーを得た。その繊維特性を第3表に示
した。 このステープルフアイバー65%と木綿35%を混
ぜ、通常の紡績機により英式綿番手33番の紡績糸
を得た。このときの撚数は17.8個/inchであつ
た。これを用いて平織物を製織し、常法により糊
抜、精練、熱処理した後螢光染料Mikawhite
ATN(三菱化成社製)を2%owf含む処理浴中で
130℃で30分間染色して螢光染色色品を得た。こ
れに汚染処理をほどこして汚染度を求めた。合格
ラインは10%以下である。
mmの円形紡糸孔を1008個穿設した紡糸口金を使用
して290℃で530g/分の量を吐出し、油剤を付与
しながら1000m/分で巻き取つた。この紡糸した
未延伸糸165本を同時に延伸機に供給し、70℃と
90℃の温水中で3.74倍及び1.15倍の延伸倍率で延
伸し、次いで225℃のセツトローラーで熱処理し、
更に紡績用油剤を付与した(速度100m/分)。次
いで30mm巾の押し込みクリンパーにて捲縮を与
え、連続乾燥処理において90℃で乾燥熱処理し、
カツターに供給し38mmの長さに切断してステープ
ルフアイバーを得た。その繊維特性を第3表に示
した。 このステープルフアイバー65%と木綿35%を混
ぜ、通常の紡績機により英式綿番手33番の紡績糸
を得た。このときの撚数は17.8個/inchであつ
た。これを用いて平織物を製織し、常法により糊
抜、精練、熱処理した後螢光染料Mikawhite
ATN(三菱化成社製)を2%owf含む処理浴中で
130℃で30分間染色して螢光染色色品を得た。こ
れに汚染処理をほどこして汚染度を求めた。合格
ラインは10%以下である。
【表】
比較例7はPEGをポリエチレンテレフタル主
鎖内に共重合した例であり、結晶の成長が少な
く、配向度Δnが高いにも拘わらず比重が低く、
これらより緊張した非晶部をもち、2成分の相分
離構造が出来ていないことを示し、汚染度も18.3
と高かつた。比較例8においては、両末端を不活
性水素で封鎖されているPEG成分が水中に抽出
されたためか汚染率は高い値となつた。一方実施
例5は片末端のみ活性水素を有するPEGをポリ
エチレンテレフタレート末端に共重合しており、
熱処理も充分で結晶サイズも大きく成長しており
2成分の相分離も充分で汚染率も低く保つことが
出来た。
鎖内に共重合した例であり、結晶の成長が少な
く、配向度Δnが高いにも拘わらず比重が低く、
これらより緊張した非晶部をもち、2成分の相分
離構造が出来ていないことを示し、汚染度も18.3
と高かつた。比較例8においては、両末端を不活
性水素で封鎖されているPEG成分が水中に抽出
されたためか汚染率は高い値となつた。一方実施
例5は片末端のみ活性水素を有するPEGをポリ
エチレンテレフタレート末端に共重合しており、
熱処理も充分で結晶サイズも大きく成長しており
2成分の相分離も充分で汚染率も低く保つことが
出来た。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 エチレンテレフタレートを主たる構成単位と
するポリエステルの末端の少なくとも一部に、下
記一般式(1) R1O(R2O)−n ……(1) (式中、R1は活性水素を有しない一価の有機基、
R2はアルキレン基、nは20〜140の整数である)
で表されるポリオキシアルキレングリコール成分
を0.5〜10重量%共重合して改質ポリエステルよ
りなる繊維であつて、(100)面での結晶サイズが
50〜100Å、(010)面での結晶サイズが65〜170Å
であり、複屈折率が0.15以上、伸度が40%以下で
且つ強度が4g/de以上である防汚性ポリエス
テル繊維。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61176566A JPS6335824A (ja) | 1986-07-29 | 1986-07-29 | 防汚性ポリエステル繊維 |
| US06/918,008 US4745142A (en) | 1985-10-14 | 1986-10-10 | Stainproof polyester fiber |
| DE8686114057T DE3676427D1 (de) | 1985-10-14 | 1986-10-10 | Fleckenbestaendige polyesterfaser. |
| EP86114057A EP0220576B1 (en) | 1985-10-14 | 1986-10-10 | Stainproof polyester fiber |
| KR1019860008593A KR910007559B1 (ko) | 1985-10-14 | 1986-10-14 | 방오염성 폴리에스테르 섬유 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61176566A JPS6335824A (ja) | 1986-07-29 | 1986-07-29 | 防汚性ポリエステル繊維 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6335824A JPS6335824A (ja) | 1988-02-16 |
| JPH043446B2 true JPH043446B2 (ja) | 1992-01-23 |
Family
ID=16015807
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61176566A Granted JPS6335824A (ja) | 1985-10-14 | 1986-07-29 | 防汚性ポリエステル繊維 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6335824A (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH076090B2 (ja) * | 1988-09-26 | 1995-01-25 | 帝人株式会社 | 改質ポリエステル繊維 |
| DE69218901T2 (de) * | 1991-12-10 | 1997-07-17 | Tdk Corp | Ultraschallzerstäuber |
| WO2015186653A1 (ja) * | 2014-06-04 | 2015-12-10 | 東レ株式会社 | 末端変性ポリエチレンテレフタレート樹脂、その製造方法および成形品 |
| WO2017073506A1 (ja) | 2015-10-30 | 2017-05-04 | 東レ株式会社 | 末端変性ポリブチレンテレフタレート樹脂、それを含む熱可塑性樹脂組成物、および成形品 |
| CN112135857B (zh) * | 2018-06-28 | 2023-03-14 | 东丽株式会社 | 共聚聚酯组合物 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5643321A (en) * | 1979-09-18 | 1981-04-22 | Toyobo Co Ltd | Improved production process of modified polyester |
-
1986
- 1986-07-29 JP JP61176566A patent/JPS6335824A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6335824A (ja) | 1988-02-16 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
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| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |