JPH0441659B2 - - Google Patents
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- JPH0441659B2 JPH0441659B2 JP59236804A JP23680484A JPH0441659B2 JP H0441659 B2 JPH0441659 B2 JP H0441659B2 JP 59236804 A JP59236804 A JP 59236804A JP 23680484 A JP23680484 A JP 23680484A JP H0441659 B2 JPH0441659 B2 JP H0441659B2
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- B41M5/00—Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
- B41M5/50—Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
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- B41M5/5218—Macromolecular coatings characterised by inorganic additives, e.g. pigments, clays
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- Inorganic Chemistry (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明はインクジエツト記録用の記録要素に関
するものであり、特にインクの吸収性及び解像力
に優れた記録要素に関するものである。 [従来の技術] インクジエツト記録は、騒音が少なく、高速記
録が可能で、しかも多色化が容易である等の利点
があり、各種プリンター、フアクシミリ等への応
用が行われている。この用途に用いる記録紙とし
ては、通常の上質紙やコート紙では性能の点で使
用困難であり、紙面に付着したインク滴が速やか
に紙内に吸収されること、紙面上でのインク滴の
拡がりや滲みが抑制されること、濃度のある鮮明
な画像が形成されること、及びこの画像が諸堅ロ
ウ性に優れていること等の特性が要求される。 これらの特性を紙基質の表面に与えるために、
種々の無機固体物質を、必要により結着剤と共に
紙表面に塗布し或いは内填することが提案されて
おり、例えば合成シリカル及び/又はその塩を用
いること(特開昭57−157786号公報)、二価金属、
例えばマグネシウム或いは亜鉛等の弱酸塩や酸化
物を被覆層として施こすこと(特開昭58−94491
号公報)、天然ゼオライト、合成ゼオライト、ケ
イソウ土、合成雲母等を被覆層中に含有させるこ
と(特開昭59−68292号公報)、インク吸収層を形
成する白色顔料としてクレー、タルク、炭酸カル
シウム、カオリン、酸性白土、活性白土等を使用
すること(特開昭58−89391号公報及び特開昭59
−95188号公報)等が既に知られている。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながら、インクジエツト記録要素に従来
使用されている無機質填剤は、インクの吸収性乃
至解像力と形成される染料画像の堅牢性との組合
わせに関して未だ十分満足し得るものでなかつ
た。 合成シリカ或いはその塩等のうち、表面積の大
きなものはインク吸収性に優れているが、形成さ
れる染料画像が経時的に褪色し画像の保存性や鮮
明さにおいて、未だ不十分のものである。 一方、そのほかの無機質充填剤は、インクの吸
収性、保持性等に欠けるため、にじみの大きい、
解像力の低い染料像しか得られないという欠点が
ある。 従つて、本発明の目的は、インクの迅速な吸収
性を有し、高濃度、高解像力でしかも耐光性、耐
水性に優れた染料画像形成能を有する新規填料を
表面或いは内部に有するインクジエツト用記録要
素を提供するにある。 本発明の他の目的は、フライポンタイト型合成
鉱物を填剤としたインクジエツト用記録要素を提
供するにある。 [問題点を解決するための手段] 本発明者等は、二層構造を有するフライポンタ
イト型微結晶フイロケイ酸塩は、それ自体優れた
白色性を示すと共に、著しく高い吸液性を有し、
インクを迅速に吸収する性能に優れていること、
及びこの微結晶フイロケイ酸塩はインクジエツト
記録用の直接染料或いは酸性染料等に対して優れ
た吸着性を示し、高濃度、高解像力で、耐水性、
耐光性に優れた画像形成能を有することを見出し
た。 本発明によれば、下記表 A表 面間隔(Å) 相対強度(/
p) 8.4〜6.4 40〜70 3.9〜3.5 40〜70 2.7〜2.6 100 2.5〜2.4 50〜80 1.6〜1.5 50〜80 に示すX線回折像を有するフライポンタント型の
二層構造微結晶合成フイロケイ酸塩を、填剤とし
て表面又は内部に含有することを特徴とするイン
クジエツト用記録要素が提供される。 前記合成フイロケイ酸塩は、式 (M3-xAlx)(Si2-xAlx)O5(OH)4 式中、MはZn及びMgから成る群より選ばれた
少なくとも1種の金属であり、xは0乃至1.75の
数である、 で表わされる組成のものを主体とするフイロケイ
酸塩であることが好適である。 [作用] 本発明は、種々の粘土鉱物のうちでもフライポ
ンタイト型の微結晶フイロケイ酸塩を選択し、こ
れをインクジエツト用記録要素の填剤として用い
たことが顕著なる特徴である。 フライポンタイト(fraipontito)は、式
8ZnO・2Al2O3・5SiO2・11H2Oで表わされる化
学組成を有し、繊維状結晶から成る皮殻、黄白
色、絹子光沢、石綿に似た鉱物として知られてお
り、ベルギーVieille−Montageの鉱山から産出
したらしいが、産出地不詳と言われている鉱物で
ある。 この天然産のフライポンタイトのX−線回折像
は、1979年のASTMカードによれば下記B表の
通りである。 B表 面間隔dx(Å) 相対強度(/p) 7.00100 3.5270 2.6330 2.4820 2.3620 2.2510 2.1210 1.9910 1.7610 1.6510 1.5320 上記B表とA表を対比すると、本発明で用いる
フライポンタイト型の合成フイロケイ酸塩は、公
知のフライポンタイトに比して著しく微結晶であ
るという事実が判る。 フライポンタイトに限らず、層状鉱物である粘
土鉱物一般に言えることであるが、層状フイロケ
イ酸塩の結晶の発達の程度は、基本層構造のC軸
方向への積み重ねの規則正しさと積み重ねの程度
に依存する。この積み重ねが規則正しければ正し
い程また積み重ねの程度(枚数)が高ければ高い
程面指数[001]の回折ピークが強く現われる。 フライポンタイト型の面指数[001]の回折ピ
ークは、面間隔d=8.4〜6.4Åに現われ、規則正
しい検証ではこのピークは面間隔d=7.0Åに非
常にシヤープな高いピークとなつて現われる。一
方、微結晶の合成フライポンタイトでは、面間隔
8.4〜6.4Åにブロードで低いピークと、なつて現
われる。 フライポンタイトのX線回折ピークのうち、上
述した面間隔7.0Å附近及び面間隔3.5Å附近以外
のピークは基本層構造(二層構造)に由来するも
のと認められるが、本発明で用いる微結晶合成フ
ライポンタイトでは面間隔2.7乃至2.6Å(面指数
[130]及び面指数[201]に最強ピークがあり、
基本二層構造は発達しているが、C軸方向の積み
重ね、即ち結晶化の程度が著しく微細であること
を示している。 事実面間隔2.7乃至2.6Åの強度当りの面間隔8.4
乃至6.4Åの強度の比をとると、天然のものでは、
この強度比が約330%であるのに対して本発明で
用いるものは、この強度比が40乃至70%であつ
て、結晶の発達の程度が天然のものよりも1/4以
下となつていることが了解される。 本発明で用いる合成フライポンタイトは、その
微結晶であるという特徴及び二層構造を有すると
いう特徴に由来してインクジエツト記録紙用填剤
として用いたとき種々の利点をもたらす。 先ずこのものは、結晶構造が微細で且つルーズ
であることに関連して、二層構造のフイロケイ酸
塩としては例外的に高い比表面積を有しており、
BET比表面積は、100〜300m2/gの範囲、特に
150m2/g以上にも達する大きな値となつている。 填剤が迅速にインキを吸収する性質は、この填
剤を液体と混合した時、填剤が液体を吸収保持し
得る量、即ち吸液量(ml/100g)として評価で
きる。この吸液量はJIS K 5101の吸油量測定法
において、アマニ油の代りに、水とエチレン−グ
リコールの1:1(容量)混合液を用いる以外は、
上記方法と同様にして測定できる。 また、染料吸着性は、市販のインクジエツト記
録用のインクである大日本インキ化学工業(株)製イ
ンクのうち、イエロー系インクCTNKK
1017HCO2、マゼンタ系インクCTNKK
1018HCO2及びシアン系インクCTNKK
1019HCO2のそれぞれを水で1000倍に希釈して得
られる各色染料溶液それぞれ10mlに填剤0.1gを加
えて充分振り混ぜ、静置したときの上澄液と填剤
粒子の着色度合を観察することにより次のような
評価基準で段階的に評価できる。 評価記号 評価の目安 ◎ 粒子が強く着色し、上澄液は無色透明
である。染料完全吸着) ○ 粒子はかなり着色しているが、上澄液
も着色している。 △ 粒子もわずかに着色しているが、上澄
液はほとんど元の色に着色してい
る。 × 粒子はほとんど着色していず、上澄液
は元の色と同程度に着色している。 下記C表は、各種フイロケイ酸塩について、
BET比表面積、吸液量及び染料吸着性を測定し
た結果を示す。この結果によると、二層構造でし
かも微結晶のフイロケイ酸塩は、従来公知のフイ
ロケイ酸塩からは全く予想外に優れた吸液性及び
染料吸着性を示すことがわかる。 【表】 【表】 従来層状構造のフイロケイ酸塩としては、三層
構造のフイロケイ酸塩と二層構造のフイロケイ酸
塩とに大別される。前者の三層構造のものは、
SiO4の四面体層の2個がMO6(Mは金属)の八面
体層を間に挟んで層状に結合した三層構造を骨格
とするものであり、その代表例は酸性白土等のス
メクタイト族粘土鉱物である。後者の二層構造の
ものは、SiO4の四面体層と、MO6(Mは金属)の
八面体層とが層状に結合した二層構造を基本骨格
とするもので、その代表例はカオリナイト族粘土
鉱物である。これらの三層構造或いは二層構造の
鉱物では、SiO4の四面体のSiの一部がAlで置換
され、このバレンスに対応して、MO6の八面体
のMの一部がMよりバレンスの大きい金属で置換
されたり、或いは層間にこれを補う金属イオンが
結合したりする。 先ず、三層構造のフイロケイ酸塩は、基本構造
の表面がSiO4四面体層から成ることにも関連し
て固体酸としての特性が大であり、直接染料や酸
性染料に対する吸着性は殆ど示さない。また、二
層構造のフイロケイ酸塩であつてもカオリン、ハ
ロイサイト、デイツカイトの如き天然鉱物では、
C軸方向への基本構造の積み重ね、即ち結晶構造
が顕著に発達しており、これらの天然鉱物は吸液
性も小さく、且つ直接染料や酸性染料に対する吸
着性も極めて小さい。 これに対して、本発明の微結晶合成フライポン
タイトでは、直接染料や酸性染料の吸着サイトに
なるMO6は八面体層と塩基性染料の吸着サイト
となるSiO4四面体層との二層構造を有し、しか
もこの基本二層構造の積み重ねの少ないことか
ら、インクジエツト記録に用いる各種染料に対し
て優れた吸着性を示すものと認められる。 [発明の好適態様] 合成フイロケイ酸塩 本発明で用いるフライポンタイト型の微結晶合
成フイロケイ酸塩は、前記式(1)で表わせる組成を
有するが、酸化物として表わした3成分組成比が
SiO25〜40モル%、MO35〜65モル%、及びAl2
O30〜60モル%の範囲にあれば、フライポンタ
イト型の微結晶構造を有するフイロケイ酸塩鉱物
となる。 また、このフライポンタイト型鉱物は、合成品
であり、着色の原因となる不純物を含有しないこ
と、及び微細結晶性であることに関連して、白色
度に優れており、ハンター白色度が80%以上、特
に90%以上である。 本発明に用いる合成フライポンタイトは、微細
板状結晶を有すると思われるが、粒子形状は不規
則形状である。添付図面第2図は、このものの粒
子構造を示す走査型電子顕微鏡写真である。 この合成フライポンタイトの粒子径は、かなり
広範囲に変化し、一般的に言つて遠心沈降法で測
定したメジアン径が0.1乃至100μm、特に0.5乃至
20μmの範囲内にある。 填剤の製造方法 この微結晶性フライポンタイトは、酸化物とし
て表わした3成分組成比が、SiO25〜40モル%、
ZnO又はMgO35〜60モル%及びAl2O30〜60%に
相当する量の水溶性ケイ酸塩、水溶性亜鉛塩、水
溶性マグネシウム塩及び水溶性アルミニウム塩及
び/又は水溶性アルミン酸塩を水の存在下に反応
させ、必要により得られる沈殿を、水分の存在下
に加熱することにより得られる。 この反応は、所謂複分解法により容易に行われ
る。即ち、シリカ成分としてケイ酸ソーダの如き
ケイ酸アルカリを用い、ZnO成分として、塩化亜
鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛等の水溶性亜鉛塩を用
い、MgO成分として、塩化マグネシウム、硝酸
マグネシウム、硫酸マグネシウム等の水溶性マグ
ネシウム塩を用い、アルミナ分を用いる場合に
は、これをアルミン酸ソーダ及び/又は塩化アル
ミニウム、硫酸アルミニウム等の水溶性アルミニ
ウム塩を用い、これらを水分の存在下に混合し
て、複分解により反応を行わせる。 この複分解反応を均質に行わせるために、水中
にケイ酸塩、亜鉛塩、マグネシウム塩或いは更に
アルミニウム塩及び/又はアルミン酸塩を同時に
注化しつつ反応を行わせる方法が採用される。 複分解による反応は室温で十分であるが、95℃
程度迄の加熱下における反応はもちろん可能であ
る。同時注加反応時における反応系のPHは5乃至
10、特に6乃至9の範囲に維持するのがよい。こ
のため、必要あれば、酸或いはアルカリを反応系
に加えて液のPHを上記範囲内に維持する。 同時注加によつて、前述した組成にほぼ反応す
る組成を有する化合物の沈殿が生成するが、この
沈殿は、既にフライポンタイト型のX−線回折像
を示すことが認められる。 フライポンタイト型の結晶構造をより発達させ
るため、この沈殿を含む母線を加熱処理すること
が一般に好ましい。この加熱処理は、一般に50乃
至110℃、特に70乃至95℃の温度で、0.5乃至5時
間行うのがよい。ここで注意すべきことは、この
処理を上記範囲を越える高温で行うと、生成した
沈殿がウイレマイト型、ヘミモリフアイト型ケイ
酸塩等に変化し、副生する傾向がある。 加熱処理を終えた沈殿を濾過分離し、水洗し、
乾燥、粉砕、篩分け等の後処理を行つて、記録紙
用填剤とする。 二層構造を有する微結晶フイロケイ酸塩の製造
方法としては上記フライポンタイトの製法の外
に、つぎのような水熱固−固反応も用いられる。 すなわち、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム
等の単独又は複合水酸化物、酸化物及び/又は炭
酸塩と水和ケイ酸、無水ケイ酸及び/又は粘土鉱
物等を処理して得られる層状のケイ酸(活性ケイ
酸)を二層構造のフイロケイ酸塩を示す下記式 (M3-xAlx)(Si2-xAlx)O5(OH)4 式中MはZn及びMgから成る群より選ばれた少
なくとも1種の金属であり、xは0乃至1.75の数
である、 で表わされる組成に相当するように混合し、水又
は水蒸気とともに均一に分散し、100℃乃至300℃
特に120℃乃至180℃の温度及び1気圧乃至80気圧
特に2気圧乃至10気圧の圧力で水熱反応させるこ
とにより、上記式で表わされる二層構造のフイロ
ケイ酸塩が得られる。 水熱処理を終えたスラリーを濾過し、得られる
ケーキを乾燥し、粉砕、篩分け等の後処理を行つ
て、記録紙用填剤とする。 用 途 本発明によれば、上述した二層構造の微結晶フ
イロケイ酸塩を、紙等の基体の表面に設けるか、
或いは紙中に内填してインクジエツト用記録要素
とする。紙等の基体表面にこの填剤のコート層を
設けるには、前記填剤を5乃至40重量%、特に10
乃至25重量%、及び必要により結着剤を1乃至15
重量%、特に2乃至10重量%含む水性スラリーを
製造し、填剤が3乃至20g/m2、特に5乃至
15g/m2となるような塗工量で塗布し、乾燥す
る。 結着剤として、水性系結着剤が有利であり、例
えばカルボキシメチルセルローズ、エチルセルロ
ーズ、ヒドロキシエチルセルローズ、澱粉、カル
ボキシメチル澱粉、シアノエチル化澱粉、カゼイ
ン、アラビアゴム、トラガントゴム、テキストリ
ン、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル/マ
レイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、水溶
性アクリル樹脂等の水溶性結着剤;自己乳化型ア
クリル樹脂等の自己乳化型結着剤;スチレン−ブ
タジエン共重合体ラテツクス等の水性ラテツクス
系結着剤等が使用される。 また、前記填剤を紙中に内填するには、抄紙用
スラリーに前記填剤を配合して、紙繊維中に繊維
重量当り1乃至20重量%、特に2乃至10重量%の
填剤が抄き込まれるようにすればよい。 本発明において、二層構造の微結晶フイロケイ
酸塩は単独でインクジエツト記録用填剤として使
用し得る他に、それ自体公知の他の填剤、例えば
カオリン、シリカ、炭酸カルシウム等と組合せて
使用することもできる。 本発明の一つの態様では、二層構造を有する微
結晶フイロケイ酸塩と、三層構造の微細結晶のフ
イロケイ酸塩マグネシウム及び/又は微結晶のソ
ーコナイト型のフイロケイ酸亜鉛との組合せを、
インクジエツト記録用填剤として使用する。 既に指摘した通り、二層構造フイロケイ酸塩
は、酸性染料、直接染料等に大きな吸着性能を示
し、またSiO4四面体層の存在により、固体酸と
して特性をも有し、染料中の塩基性基に対しても
或る程度の親和性を示す。しかしながら、塩基性
染料等に対する吸着性能は、三層構造の微結晶フ
イロケイ酸塩マグネシウム及び/又は微結晶のソ
ーコナイト型のフイロケイ酸亜鉛を組合せること
により著しく増大されることがわかつた。 三層構造のフイロケイ酸マグネシウム或いはフ
イロケイ酸亜鉛としては、BET比表面積が80乃
至600m2/g、吸液量が80乃至180ml/100gで、
しかも塩基性染料に対して吸着性を示すものが有
利に使用される。 二層構造フイロケイ酸塩と三層構造フイロケイ
酸塩とは90:10乃至20:80、特に80:20乃至40:
60の重量比で用いるのがよい。 本発明を次の実施例により説明する。 [実施例] 実施例 1 3号ケイ酸ソーダ(SiO2:22.0%,Na2O:7.0
%)109gと水酸化ナトリウム94g(NaOH分2.35モ
ル)を水に溶かして全量を1とし、これをA液
(SiO2分:0.4モル)とする。一方、塩化亜鉛(無
水塩)95gと塩化アルミニウム(6水塩)97gを
水に溶かして全量を1とし、これをB液(ZnO
分:0.7モル、Al2O3分:0.2モル)とする。5
のビーカーに水1を入れ、攪拌下、A液とB液
をそれぞれ約25c.c./分の速度で同時に注加した。
注加終了後この反応液のPHは6.9であつた。さら
に攪拌を続け、30分間熟成した後、水浴上85〜90
℃で2時間加熱した。反応液を吸引濾過し、水洗
し、110℃で乾燥した。得られたケーキを小型衝
撃粉砕機(サンプルミル)により粉砕した後、風
簸により粗粒を除き白色微粉末とした。かくして
二層構造を有するフライポンタイト型の含アルミ
ニウムフイロケイ酸亜鉛から成る填剤を得た。
(第1工程) 得られた填剤40g(110℃乾燥基準)に結着剤と
してポリビニルアルコール((株)クラレ製
PVA217)の10%水溶性(防腐剤として武田製薬
工業(株)製デルトツプ33を0.1%含有)100gを加
え、さらに水を加えて全量を250gとなし、攪拌
機で十分に攪拌分散し塗液を調製した。この塗液
を米坪50g/m2の原紙に塗布量が約8g/m2になる
ように塗布して記録用紙を得た。(第2工程) かくして得られた記録用紙について、下記の試
験方法によりインク吸収性及びドツト耐水性を調
べた。 結果を第1表に示す。 [試験方法] 1 インク吸収性 市販のインクジエツト記録用インク[大日本イ
ンキ化学工業(株)製インク、CTNKK 1017HC02
(イエロー)、CTNKK 1018HC02(マゼンタ)及
びCTNKK 1019HC02(シアン)の3種類]0.5μ
ずつを、マイクロシリンジを用いて、約1cmの
高さから試験紙面に滴下し、ドツトを形成させ
る。このとき、各インクの吸収の早さ、得られた
各ドツトの紙面横方向へのにじみ(又は流れ)及
び裏抜けの程度を肉眼観察することにより、次の
ような評価基準で総合的に評価する。 評価記号 評価の目安 ◎ インクの吸収が早く、ドツトのにじみ
も極めて少なく、裏抜けも内い。 ○ インクの吸収が早く、ドツトのにじみ
も少ないが、やや裏抜けがある。 △ インク流れが遅く、ドツトのにじみと
流れを生ずるが、裏抜けは少ない。 × インクの吸収が極めて遅く、ドツトの
にじみと流れを生じ、最終的に裏抜
けもしている。 2 ドツト耐水性 前記のごとく得られたドツト形成試験紙を10〜
20℃の水に1時間浸漬したのち、風乾する。この
とき、各ドツトににじみ具合(インクの流れ出
し)及び残存色濃度を肉眼観察することにより、
次のような評価基準で総合的に評価する。 評価記号 ◎ インクの流れ出しが少なく、にじみ
も少なく、ドツトの色も濃く鮮明に
残つている。 ○ インクの流れ出しがあり、にじみは
少ないが、ドツトはやや淡色化して
いる。 △ インクの流れ出しが多く、にじみも
多くドツトはかなり淡色化してい
る。 × インクがほとんど流れ出し、ドツト
を認めるのが困難である。 実施例 2 3号ケイ酸ソーダ(SiO2:20.1%,Na2O:6.8
%)120gと水酸化ナトリウム53gを水に溶かして
全量を500mlとし、これをA液(SiO2分:0.4モ
ル)とする。一方、塩化マグネシウム(6水塩)
142gと塩化アルミニウム(6水塩)48gを水に溶
かして全量を500mlとし、これをB液(MgO分:
0.7モル、Al2O3分:0.1モル)とする。さらに、
アルミン酸ソーダ液(Al2O3:22.7%、Na2O:
18.0%)45gと水酸化ナトリウム6gを水に溶かし
て全量を500mlとし、これをC液(Al2O3分:0.1
モル)とする。3のビーカーに水1入れ、攪
拌下、A液、B液およびC液をそれぞれ約20c.c./
分の速度で同時に注加した。注加終了後この反応
液のPHは9.9であつた。さらに攪拌を続け、30分
間熟成した後、水浴上85〜90℃で2時間加熱し
た。反応液を吸収濾過し、水洗し、110℃で乾燥
した。得られたケーキをサンプルミルにより粉砕
した後、風簸により粗粒を除き白色微結粉末とし
た。かくして二層構造を有するフライポンタイト
型の含アルミニウムフイロケイ酸マグネシウムか
ら成る填剤を得た。(第1工程) 得られた填剤40gを用い、実施例1の第2工程
と全く同様の方法により記録用紙を得た。(第2
工程) かくして得られた記録用紙のインク吸収性及び
ドツト耐水性の試験結果を第1表に示す。 実施例 3 微粉シリカ(水沢化学工業(株)製、ミズカシルP
−526N)15g(110℃乾燥基準)、酸化亜鉛33gおよ
び水酸化アルミニウム(昭和軽金属(株)製、ハイジ
ライトH−42)16gを1のオートグレーブ容器
により、更に水600mlを加えて、300回転/分の攪
拌条件下で160℃で30時間水熱合成反応を行なつ
た。冷却後反応物をとりだし、濾過により水を分
離したのち、110℃で乾燥した。乾燥ケーキをサ
ンプルミルで粉砕した後、風簸により粗粒を除き
白色微粉末とした。かくして二層構造を有する微
結晶フイロケイ酸塩から成る填剤を得た。 得られた填剤40gを用い、実施例1の第2工程
と全く同様の方法により記録用紙を得た。 かくして得られた記録用紙のインク吸収性及び
ドツト耐水性の試験結果を第1表に示す。 実施例 4 新潟県中条町産の酸性白土を粗砕したのち線状
に成型(直径:3mm)したもの250gに、該粘土
に含有されているアルミニウム、マグネシウム、
カルシウム、鉄、ナトリウム、カリウム、チタニ
ウム、等の塩基性金属成分の全グラム当量数
(1.14グラム当量/100g乾燥物)の3.5倍グラム当
量に相当する硫酸、すなわち34%硫酸700mlを加
え、85℃の水浴で15時間加熱し、酸処理を行なつ
た。濾過により水洗し、ケーキを得た。該ケーキ
の少量を110℃で乾燥し、粉砕し、定量分析する
とSiO2分は92.7%(110℃乾燥物基準)であつた。
得られたケーキをポツトミルに入れ、水を加えて
朝鮮ボールとともに湿式粉砕し、SiO2分を15%
含むスラリーを得た。 つぎに得られたスラリー200g(SiO2分:30gと
酸化亜鉛(試薬一級)30gを1のオートクレー
ブ容器にとり、更に水370gを加えて、500回転/
分の攪拌条件下で160℃で5時間水熱合成反応を
行なつた。冷却後反応物をとりだし、濾過により
水を分離したのち、110℃で乾燥した。乾燥ケー
キをサンプルミルにて粉砕した後、風簸により粗
粒を除き白色微粉末とした。かくして三層構造を
有する微結晶ソーコナイト型フイロケイ酸亜鉛か
ら成る填剤を得た。 得られた填剤20g(110℃乾燥基準)と実施例1
の第1工程において得られた二層構造を有するフ
ライポンタイト型の含アルミニウムフイロケイ酸
亜鉛から成る填剤20g(110℃乾燥物)の均一混合
物(40g)を用い、実施例1の第2工程と全く同
様の方法により記録用紙を得た。 かくして得られた記録用紙のインク吸収性及び
ドツト耐水性の試験結果を第1表に示す。 実施例 5 新潟県新発田市小戸産・酸性白土を粗砕したも
の(水分32.4%)740gに25%硫酸3Kgを加え、95
℃で10時間加熱し、一度濾過することにより処理
液を除去したのち、再び25%硫酸3Kgを加え、95
℃で10時間加熱し、酸処理を行なつた。濾過によ
り水洗し、ケーキを得た。該ケーキの少量を110
℃で乾燥し、粉砕し、定量分析するとSiO2分は
91.5%(乾燥物基準)であつた。得られたケーキ
をポツトミルに入れ、水を加えて朝鮮ボールとと
もに湿式粉砕し、SiO2分を15%含むスラリーを
得た。 つぎに得られたスラリー200g(SiO2分:30g)
と水酸化マグネシウム(試薬一級)22gを1の
オートクレーブ容器にとり、更に水370gを加え
て、500回転/分の攪拌条件下で160℃で5時間水
熱合成反応を行なつた。冷却後反応物をとりだ
し、濾過により水を分離したのち、110℃で乾燥
した。乾燥ケーキをサンプルミルで粉砕した後、
風簸にとり粗粒を除き白色微粉末とした。かくし
て三層構造を有する微結晶フイロケイ酸マグネシ
ウムから成る填剤を得た。 得られた填剤10g(110℃乾燥基準)と実施例2
の第1工程において得られた二層構造を有するフ
ライポンタイト型の含アルミニウムフイロケイ酸
マグネシウムから成る填剤30g(110℃乾燥基準)
の均一混合物(40g)を用い、実施例1の第2工
程と全く同様の方法により記録用紙を得た。 かくして得られた記録用紙のインク吸収性及び
ドツト耐水性の試験結果を第1表に示す。 さらに、実施例1〜5の各記録用紙に形成され
たドツトの形状、色及び耐水性について調べたこ
とろ、いずれも、真円に近い良好なドツト形状が
得られ、ドツトの色も濃く鮮明で、ウエザー・メ
ーターにかけて人工光線(カーボン・アーク)を
3時間照射後もほとんど退色せず、耐水性の高い
ものであつた。 比較例 1 填剤として、実施例1の第1工程で得られた填
剤と同組成の混合組成物すなわち酸化亜鉛20g
(110℃乾燥基準)、水酸化アルミニウム11g(110
℃乾燥基準)および微粉シリカ9g(110℃乾燥基
準)の均一混合物(40g)を用い、実施例1の第
2工程と全く同様の方法により比較試験用記録用
紙を得た。 比較例 2 填剤として、実施例2の第1工程で得られた填
剤と同組成の混合組成物すなわち水酸化マグネシ
ウム17g(110℃乾燥基準)、水酸化アルミニウム
13g(110℃乾燥基準)および微粉シリカ10g(110
℃乾燥基準)の均一混合物(40g)を用い、実施
例1の第2工程と全く同様の方法により比較試験
用記録用紙を得た。 比較例 3〜6 填剤として、微粉シリカ(水沢化学工業(株)製ミ
ズカルP−802)(比較例3)、カオリナイト粉末
(比較例4)タルク粉末(比較例5)、又はバイロ
フイライト(ロウ石)粉末(比較例6)をそれぞ
れ40g(110℃乾燥基準)を用い、実施例1の第2
工程と全く同様の方法により比較試験用記録用紙
を得た。 比較例1〜6において得られた比較試験用紙の
インク吸収性及びドツト耐水性の試験結果を実施
例1〜6の試験結果と一緒に第1表に示す。 【表】 【表】 [発明の効果] 本発明に用いる填剤は、二層構造微結晶フイロ
ケイ酸塩から成ることに関連して吸液性が著しく
大であり、しかもインクジエツト記録に使用され
る酸性染料や直接染料に顕著に吸着するという特
性を示している。このため、本発明の記録紙は、
インクの液滴を速やかに吸収すると共にドツトの
拡大を抑制して、高濃度でしかも解像力に優れた
記録画像を形成し得るという顕著な利点を有す
る。特に本発明では、填剤粒子の表面に染料が確
実にしかも強固に吸着されるため、画像の濃度が
顔料効果によつて顕著に向上し、且つ像自体も著
しく鮮明なものとなる。しかも、形成された画像
は、この記録紙を長時間水に浸漬した場合にも、
染料の流出や染料像の滲みが殆ど生ぜず、これは
従来の填剤からは全く予想外の効果である。 また、形成される染料像は、耐水性に優れてお
り、長時間使用後にも退色しないという利点があ
る。
するものであり、特にインクの吸収性及び解像力
に優れた記録要素に関するものである。 [従来の技術] インクジエツト記録は、騒音が少なく、高速記
録が可能で、しかも多色化が容易である等の利点
があり、各種プリンター、フアクシミリ等への応
用が行われている。この用途に用いる記録紙とし
ては、通常の上質紙やコート紙では性能の点で使
用困難であり、紙面に付着したインク滴が速やか
に紙内に吸収されること、紙面上でのインク滴の
拡がりや滲みが抑制されること、濃度のある鮮明
な画像が形成されること、及びこの画像が諸堅ロ
ウ性に優れていること等の特性が要求される。 これらの特性を紙基質の表面に与えるために、
種々の無機固体物質を、必要により結着剤と共に
紙表面に塗布し或いは内填することが提案されて
おり、例えば合成シリカル及び/又はその塩を用
いること(特開昭57−157786号公報)、二価金属、
例えばマグネシウム或いは亜鉛等の弱酸塩や酸化
物を被覆層として施こすこと(特開昭58−94491
号公報)、天然ゼオライト、合成ゼオライト、ケ
イソウ土、合成雲母等を被覆層中に含有させるこ
と(特開昭59−68292号公報)、インク吸収層を形
成する白色顔料としてクレー、タルク、炭酸カル
シウム、カオリン、酸性白土、活性白土等を使用
すること(特開昭58−89391号公報及び特開昭59
−95188号公報)等が既に知られている。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながら、インクジエツト記録要素に従来
使用されている無機質填剤は、インクの吸収性乃
至解像力と形成される染料画像の堅牢性との組合
わせに関して未だ十分満足し得るものでなかつ
た。 合成シリカ或いはその塩等のうち、表面積の大
きなものはインク吸収性に優れているが、形成さ
れる染料画像が経時的に褪色し画像の保存性や鮮
明さにおいて、未だ不十分のものである。 一方、そのほかの無機質充填剤は、インクの吸
収性、保持性等に欠けるため、にじみの大きい、
解像力の低い染料像しか得られないという欠点が
ある。 従つて、本発明の目的は、インクの迅速な吸収
性を有し、高濃度、高解像力でしかも耐光性、耐
水性に優れた染料画像形成能を有する新規填料を
表面或いは内部に有するインクジエツト用記録要
素を提供するにある。 本発明の他の目的は、フライポンタイト型合成
鉱物を填剤としたインクジエツト用記録要素を提
供するにある。 [問題点を解決するための手段] 本発明者等は、二層構造を有するフライポンタ
イト型微結晶フイロケイ酸塩は、それ自体優れた
白色性を示すと共に、著しく高い吸液性を有し、
インクを迅速に吸収する性能に優れていること、
及びこの微結晶フイロケイ酸塩はインクジエツト
記録用の直接染料或いは酸性染料等に対して優れ
た吸着性を示し、高濃度、高解像力で、耐水性、
耐光性に優れた画像形成能を有することを見出し
た。 本発明によれば、下記表 A表 面間隔(Å) 相対強度(/
p) 8.4〜6.4 40〜70 3.9〜3.5 40〜70 2.7〜2.6 100 2.5〜2.4 50〜80 1.6〜1.5 50〜80 に示すX線回折像を有するフライポンタント型の
二層構造微結晶合成フイロケイ酸塩を、填剤とし
て表面又は内部に含有することを特徴とするイン
クジエツト用記録要素が提供される。 前記合成フイロケイ酸塩は、式 (M3-xAlx)(Si2-xAlx)O5(OH)4 式中、MはZn及びMgから成る群より選ばれた
少なくとも1種の金属であり、xは0乃至1.75の
数である、 で表わされる組成のものを主体とするフイロケイ
酸塩であることが好適である。 [作用] 本発明は、種々の粘土鉱物のうちでもフライポ
ンタイト型の微結晶フイロケイ酸塩を選択し、こ
れをインクジエツト用記録要素の填剤として用い
たことが顕著なる特徴である。 フライポンタイト(fraipontito)は、式
8ZnO・2Al2O3・5SiO2・11H2Oで表わされる化
学組成を有し、繊維状結晶から成る皮殻、黄白
色、絹子光沢、石綿に似た鉱物として知られてお
り、ベルギーVieille−Montageの鉱山から産出
したらしいが、産出地不詳と言われている鉱物で
ある。 この天然産のフライポンタイトのX−線回折像
は、1979年のASTMカードによれば下記B表の
通りである。 B表 面間隔dx(Å) 相対強度(/p) 7.00100 3.5270 2.6330 2.4820 2.3620 2.2510 2.1210 1.9910 1.7610 1.6510 1.5320 上記B表とA表を対比すると、本発明で用いる
フライポンタイト型の合成フイロケイ酸塩は、公
知のフライポンタイトに比して著しく微結晶であ
るという事実が判る。 フライポンタイトに限らず、層状鉱物である粘
土鉱物一般に言えることであるが、層状フイロケ
イ酸塩の結晶の発達の程度は、基本層構造のC軸
方向への積み重ねの規則正しさと積み重ねの程度
に依存する。この積み重ねが規則正しければ正し
い程また積み重ねの程度(枚数)が高ければ高い
程面指数[001]の回折ピークが強く現われる。 フライポンタイト型の面指数[001]の回折ピ
ークは、面間隔d=8.4〜6.4Åに現われ、規則正
しい検証ではこのピークは面間隔d=7.0Åに非
常にシヤープな高いピークとなつて現われる。一
方、微結晶の合成フライポンタイトでは、面間隔
8.4〜6.4Åにブロードで低いピークと、なつて現
われる。 フライポンタイトのX線回折ピークのうち、上
述した面間隔7.0Å附近及び面間隔3.5Å附近以外
のピークは基本層構造(二層構造)に由来するも
のと認められるが、本発明で用いる微結晶合成フ
ライポンタイトでは面間隔2.7乃至2.6Å(面指数
[130]及び面指数[201]に最強ピークがあり、
基本二層構造は発達しているが、C軸方向の積み
重ね、即ち結晶化の程度が著しく微細であること
を示している。 事実面間隔2.7乃至2.6Åの強度当りの面間隔8.4
乃至6.4Åの強度の比をとると、天然のものでは、
この強度比が約330%であるのに対して本発明で
用いるものは、この強度比が40乃至70%であつ
て、結晶の発達の程度が天然のものよりも1/4以
下となつていることが了解される。 本発明で用いる合成フライポンタイトは、その
微結晶であるという特徴及び二層構造を有すると
いう特徴に由来してインクジエツト記録紙用填剤
として用いたとき種々の利点をもたらす。 先ずこのものは、結晶構造が微細で且つルーズ
であることに関連して、二層構造のフイロケイ酸
塩としては例外的に高い比表面積を有しており、
BET比表面積は、100〜300m2/gの範囲、特に
150m2/g以上にも達する大きな値となつている。 填剤が迅速にインキを吸収する性質は、この填
剤を液体と混合した時、填剤が液体を吸収保持し
得る量、即ち吸液量(ml/100g)として評価で
きる。この吸液量はJIS K 5101の吸油量測定法
において、アマニ油の代りに、水とエチレン−グ
リコールの1:1(容量)混合液を用いる以外は、
上記方法と同様にして測定できる。 また、染料吸着性は、市販のインクジエツト記
録用のインクである大日本インキ化学工業(株)製イ
ンクのうち、イエロー系インクCTNKK
1017HCO2、マゼンタ系インクCTNKK
1018HCO2及びシアン系インクCTNKK
1019HCO2のそれぞれを水で1000倍に希釈して得
られる各色染料溶液それぞれ10mlに填剤0.1gを加
えて充分振り混ぜ、静置したときの上澄液と填剤
粒子の着色度合を観察することにより次のような
評価基準で段階的に評価できる。 評価記号 評価の目安 ◎ 粒子が強く着色し、上澄液は無色透明
である。染料完全吸着) ○ 粒子はかなり着色しているが、上澄液
も着色している。 △ 粒子もわずかに着色しているが、上澄
液はほとんど元の色に着色してい
る。 × 粒子はほとんど着色していず、上澄液
は元の色と同程度に着色している。 下記C表は、各種フイロケイ酸塩について、
BET比表面積、吸液量及び染料吸着性を測定し
た結果を示す。この結果によると、二層構造でし
かも微結晶のフイロケイ酸塩は、従来公知のフイ
ロケイ酸塩からは全く予想外に優れた吸液性及び
染料吸着性を示すことがわかる。 【表】 【表】 従来層状構造のフイロケイ酸塩としては、三層
構造のフイロケイ酸塩と二層構造のフイロケイ酸
塩とに大別される。前者の三層構造のものは、
SiO4の四面体層の2個がMO6(Mは金属)の八面
体層を間に挟んで層状に結合した三層構造を骨格
とするものであり、その代表例は酸性白土等のス
メクタイト族粘土鉱物である。後者の二層構造の
ものは、SiO4の四面体層と、MO6(Mは金属)の
八面体層とが層状に結合した二層構造を基本骨格
とするもので、その代表例はカオリナイト族粘土
鉱物である。これらの三層構造或いは二層構造の
鉱物では、SiO4の四面体のSiの一部がAlで置換
され、このバレンスに対応して、MO6の八面体
のMの一部がMよりバレンスの大きい金属で置換
されたり、或いは層間にこれを補う金属イオンが
結合したりする。 先ず、三層構造のフイロケイ酸塩は、基本構造
の表面がSiO4四面体層から成ることにも関連し
て固体酸としての特性が大であり、直接染料や酸
性染料に対する吸着性は殆ど示さない。また、二
層構造のフイロケイ酸塩であつてもカオリン、ハ
ロイサイト、デイツカイトの如き天然鉱物では、
C軸方向への基本構造の積み重ね、即ち結晶構造
が顕著に発達しており、これらの天然鉱物は吸液
性も小さく、且つ直接染料や酸性染料に対する吸
着性も極めて小さい。 これに対して、本発明の微結晶合成フライポン
タイトでは、直接染料や酸性染料の吸着サイトに
なるMO6は八面体層と塩基性染料の吸着サイト
となるSiO4四面体層との二層構造を有し、しか
もこの基本二層構造の積み重ねの少ないことか
ら、インクジエツト記録に用いる各種染料に対し
て優れた吸着性を示すものと認められる。 [発明の好適態様] 合成フイロケイ酸塩 本発明で用いるフライポンタイト型の微結晶合
成フイロケイ酸塩は、前記式(1)で表わせる組成を
有するが、酸化物として表わした3成分組成比が
SiO25〜40モル%、MO35〜65モル%、及びAl2
O30〜60モル%の範囲にあれば、フライポンタ
イト型の微結晶構造を有するフイロケイ酸塩鉱物
となる。 また、このフライポンタイト型鉱物は、合成品
であり、着色の原因となる不純物を含有しないこ
と、及び微細結晶性であることに関連して、白色
度に優れており、ハンター白色度が80%以上、特
に90%以上である。 本発明に用いる合成フライポンタイトは、微細
板状結晶を有すると思われるが、粒子形状は不規
則形状である。添付図面第2図は、このものの粒
子構造を示す走査型電子顕微鏡写真である。 この合成フライポンタイトの粒子径は、かなり
広範囲に変化し、一般的に言つて遠心沈降法で測
定したメジアン径が0.1乃至100μm、特に0.5乃至
20μmの範囲内にある。 填剤の製造方法 この微結晶性フライポンタイトは、酸化物とし
て表わした3成分組成比が、SiO25〜40モル%、
ZnO又はMgO35〜60モル%及びAl2O30〜60%に
相当する量の水溶性ケイ酸塩、水溶性亜鉛塩、水
溶性マグネシウム塩及び水溶性アルミニウム塩及
び/又は水溶性アルミン酸塩を水の存在下に反応
させ、必要により得られる沈殿を、水分の存在下
に加熱することにより得られる。 この反応は、所謂複分解法により容易に行われ
る。即ち、シリカ成分としてケイ酸ソーダの如き
ケイ酸アルカリを用い、ZnO成分として、塩化亜
鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛等の水溶性亜鉛塩を用
い、MgO成分として、塩化マグネシウム、硝酸
マグネシウム、硫酸マグネシウム等の水溶性マグ
ネシウム塩を用い、アルミナ分を用いる場合に
は、これをアルミン酸ソーダ及び/又は塩化アル
ミニウム、硫酸アルミニウム等の水溶性アルミニ
ウム塩を用い、これらを水分の存在下に混合し
て、複分解により反応を行わせる。 この複分解反応を均質に行わせるために、水中
にケイ酸塩、亜鉛塩、マグネシウム塩或いは更に
アルミニウム塩及び/又はアルミン酸塩を同時に
注化しつつ反応を行わせる方法が採用される。 複分解による反応は室温で十分であるが、95℃
程度迄の加熱下における反応はもちろん可能であ
る。同時注加反応時における反応系のPHは5乃至
10、特に6乃至9の範囲に維持するのがよい。こ
のため、必要あれば、酸或いはアルカリを反応系
に加えて液のPHを上記範囲内に維持する。 同時注加によつて、前述した組成にほぼ反応す
る組成を有する化合物の沈殿が生成するが、この
沈殿は、既にフライポンタイト型のX−線回折像
を示すことが認められる。 フライポンタイト型の結晶構造をより発達させ
るため、この沈殿を含む母線を加熱処理すること
が一般に好ましい。この加熱処理は、一般に50乃
至110℃、特に70乃至95℃の温度で、0.5乃至5時
間行うのがよい。ここで注意すべきことは、この
処理を上記範囲を越える高温で行うと、生成した
沈殿がウイレマイト型、ヘミモリフアイト型ケイ
酸塩等に変化し、副生する傾向がある。 加熱処理を終えた沈殿を濾過分離し、水洗し、
乾燥、粉砕、篩分け等の後処理を行つて、記録紙
用填剤とする。 二層構造を有する微結晶フイロケイ酸塩の製造
方法としては上記フライポンタイトの製法の外
に、つぎのような水熱固−固反応も用いられる。 すなわち、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム
等の単独又は複合水酸化物、酸化物及び/又は炭
酸塩と水和ケイ酸、無水ケイ酸及び/又は粘土鉱
物等を処理して得られる層状のケイ酸(活性ケイ
酸)を二層構造のフイロケイ酸塩を示す下記式 (M3-xAlx)(Si2-xAlx)O5(OH)4 式中MはZn及びMgから成る群より選ばれた少
なくとも1種の金属であり、xは0乃至1.75の数
である、 で表わされる組成に相当するように混合し、水又
は水蒸気とともに均一に分散し、100℃乃至300℃
特に120℃乃至180℃の温度及び1気圧乃至80気圧
特に2気圧乃至10気圧の圧力で水熱反応させるこ
とにより、上記式で表わされる二層構造のフイロ
ケイ酸塩が得られる。 水熱処理を終えたスラリーを濾過し、得られる
ケーキを乾燥し、粉砕、篩分け等の後処理を行つ
て、記録紙用填剤とする。 用 途 本発明によれば、上述した二層構造の微結晶フ
イロケイ酸塩を、紙等の基体の表面に設けるか、
或いは紙中に内填してインクジエツト用記録要素
とする。紙等の基体表面にこの填剤のコート層を
設けるには、前記填剤を5乃至40重量%、特に10
乃至25重量%、及び必要により結着剤を1乃至15
重量%、特に2乃至10重量%含む水性スラリーを
製造し、填剤が3乃至20g/m2、特に5乃至
15g/m2となるような塗工量で塗布し、乾燥す
る。 結着剤として、水性系結着剤が有利であり、例
えばカルボキシメチルセルローズ、エチルセルロ
ーズ、ヒドロキシエチルセルローズ、澱粉、カル
ボキシメチル澱粉、シアノエチル化澱粉、カゼイ
ン、アラビアゴム、トラガントゴム、テキストリ
ン、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル/マ
レイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、水溶
性アクリル樹脂等の水溶性結着剤;自己乳化型ア
クリル樹脂等の自己乳化型結着剤;スチレン−ブ
タジエン共重合体ラテツクス等の水性ラテツクス
系結着剤等が使用される。 また、前記填剤を紙中に内填するには、抄紙用
スラリーに前記填剤を配合して、紙繊維中に繊維
重量当り1乃至20重量%、特に2乃至10重量%の
填剤が抄き込まれるようにすればよい。 本発明において、二層構造の微結晶フイロケイ
酸塩は単独でインクジエツト記録用填剤として使
用し得る他に、それ自体公知の他の填剤、例えば
カオリン、シリカ、炭酸カルシウム等と組合せて
使用することもできる。 本発明の一つの態様では、二層構造を有する微
結晶フイロケイ酸塩と、三層構造の微細結晶のフ
イロケイ酸塩マグネシウム及び/又は微結晶のソ
ーコナイト型のフイロケイ酸亜鉛との組合せを、
インクジエツト記録用填剤として使用する。 既に指摘した通り、二層構造フイロケイ酸塩
は、酸性染料、直接染料等に大きな吸着性能を示
し、またSiO4四面体層の存在により、固体酸と
して特性をも有し、染料中の塩基性基に対しても
或る程度の親和性を示す。しかしながら、塩基性
染料等に対する吸着性能は、三層構造の微結晶フ
イロケイ酸塩マグネシウム及び/又は微結晶のソ
ーコナイト型のフイロケイ酸亜鉛を組合せること
により著しく増大されることがわかつた。 三層構造のフイロケイ酸マグネシウム或いはフ
イロケイ酸亜鉛としては、BET比表面積が80乃
至600m2/g、吸液量が80乃至180ml/100gで、
しかも塩基性染料に対して吸着性を示すものが有
利に使用される。 二層構造フイロケイ酸塩と三層構造フイロケイ
酸塩とは90:10乃至20:80、特に80:20乃至40:
60の重量比で用いるのがよい。 本発明を次の実施例により説明する。 [実施例] 実施例 1 3号ケイ酸ソーダ(SiO2:22.0%,Na2O:7.0
%)109gと水酸化ナトリウム94g(NaOH分2.35モ
ル)を水に溶かして全量を1とし、これをA液
(SiO2分:0.4モル)とする。一方、塩化亜鉛(無
水塩)95gと塩化アルミニウム(6水塩)97gを
水に溶かして全量を1とし、これをB液(ZnO
分:0.7モル、Al2O3分:0.2モル)とする。5
のビーカーに水1を入れ、攪拌下、A液とB液
をそれぞれ約25c.c./分の速度で同時に注加した。
注加終了後この反応液のPHは6.9であつた。さら
に攪拌を続け、30分間熟成した後、水浴上85〜90
℃で2時間加熱した。反応液を吸引濾過し、水洗
し、110℃で乾燥した。得られたケーキを小型衝
撃粉砕機(サンプルミル)により粉砕した後、風
簸により粗粒を除き白色微粉末とした。かくして
二層構造を有するフライポンタイト型の含アルミ
ニウムフイロケイ酸亜鉛から成る填剤を得た。
(第1工程) 得られた填剤40g(110℃乾燥基準)に結着剤と
してポリビニルアルコール((株)クラレ製
PVA217)の10%水溶性(防腐剤として武田製薬
工業(株)製デルトツプ33を0.1%含有)100gを加
え、さらに水を加えて全量を250gとなし、攪拌
機で十分に攪拌分散し塗液を調製した。この塗液
を米坪50g/m2の原紙に塗布量が約8g/m2になる
ように塗布して記録用紙を得た。(第2工程) かくして得られた記録用紙について、下記の試
験方法によりインク吸収性及びドツト耐水性を調
べた。 結果を第1表に示す。 [試験方法] 1 インク吸収性 市販のインクジエツト記録用インク[大日本イ
ンキ化学工業(株)製インク、CTNKK 1017HC02
(イエロー)、CTNKK 1018HC02(マゼンタ)及
びCTNKK 1019HC02(シアン)の3種類]0.5μ
ずつを、マイクロシリンジを用いて、約1cmの
高さから試験紙面に滴下し、ドツトを形成させ
る。このとき、各インクの吸収の早さ、得られた
各ドツトの紙面横方向へのにじみ(又は流れ)及
び裏抜けの程度を肉眼観察することにより、次の
ような評価基準で総合的に評価する。 評価記号 評価の目安 ◎ インクの吸収が早く、ドツトのにじみ
も極めて少なく、裏抜けも内い。 ○ インクの吸収が早く、ドツトのにじみ
も少ないが、やや裏抜けがある。 △ インク流れが遅く、ドツトのにじみと
流れを生ずるが、裏抜けは少ない。 × インクの吸収が極めて遅く、ドツトの
にじみと流れを生じ、最終的に裏抜
けもしている。 2 ドツト耐水性 前記のごとく得られたドツト形成試験紙を10〜
20℃の水に1時間浸漬したのち、風乾する。この
とき、各ドツトににじみ具合(インクの流れ出
し)及び残存色濃度を肉眼観察することにより、
次のような評価基準で総合的に評価する。 評価記号 ◎ インクの流れ出しが少なく、にじみ
も少なく、ドツトの色も濃く鮮明に
残つている。 ○ インクの流れ出しがあり、にじみは
少ないが、ドツトはやや淡色化して
いる。 △ インクの流れ出しが多く、にじみも
多くドツトはかなり淡色化してい
る。 × インクがほとんど流れ出し、ドツト
を認めるのが困難である。 実施例 2 3号ケイ酸ソーダ(SiO2:20.1%,Na2O:6.8
%)120gと水酸化ナトリウム53gを水に溶かして
全量を500mlとし、これをA液(SiO2分:0.4モ
ル)とする。一方、塩化マグネシウム(6水塩)
142gと塩化アルミニウム(6水塩)48gを水に溶
かして全量を500mlとし、これをB液(MgO分:
0.7モル、Al2O3分:0.1モル)とする。さらに、
アルミン酸ソーダ液(Al2O3:22.7%、Na2O:
18.0%)45gと水酸化ナトリウム6gを水に溶かし
て全量を500mlとし、これをC液(Al2O3分:0.1
モル)とする。3のビーカーに水1入れ、攪
拌下、A液、B液およびC液をそれぞれ約20c.c./
分の速度で同時に注加した。注加終了後この反応
液のPHは9.9であつた。さらに攪拌を続け、30分
間熟成した後、水浴上85〜90℃で2時間加熱し
た。反応液を吸収濾過し、水洗し、110℃で乾燥
した。得られたケーキをサンプルミルにより粉砕
した後、風簸により粗粒を除き白色微結粉末とし
た。かくして二層構造を有するフライポンタイト
型の含アルミニウムフイロケイ酸マグネシウムか
ら成る填剤を得た。(第1工程) 得られた填剤40gを用い、実施例1の第2工程
と全く同様の方法により記録用紙を得た。(第2
工程) かくして得られた記録用紙のインク吸収性及び
ドツト耐水性の試験結果を第1表に示す。 実施例 3 微粉シリカ(水沢化学工業(株)製、ミズカシルP
−526N)15g(110℃乾燥基準)、酸化亜鉛33gおよ
び水酸化アルミニウム(昭和軽金属(株)製、ハイジ
ライトH−42)16gを1のオートグレーブ容器
により、更に水600mlを加えて、300回転/分の攪
拌条件下で160℃で30時間水熱合成反応を行なつ
た。冷却後反応物をとりだし、濾過により水を分
離したのち、110℃で乾燥した。乾燥ケーキをサ
ンプルミルで粉砕した後、風簸により粗粒を除き
白色微粉末とした。かくして二層構造を有する微
結晶フイロケイ酸塩から成る填剤を得た。 得られた填剤40gを用い、実施例1の第2工程
と全く同様の方法により記録用紙を得た。 かくして得られた記録用紙のインク吸収性及び
ドツト耐水性の試験結果を第1表に示す。 実施例 4 新潟県中条町産の酸性白土を粗砕したのち線状
に成型(直径:3mm)したもの250gに、該粘土
に含有されているアルミニウム、マグネシウム、
カルシウム、鉄、ナトリウム、カリウム、チタニ
ウム、等の塩基性金属成分の全グラム当量数
(1.14グラム当量/100g乾燥物)の3.5倍グラム当
量に相当する硫酸、すなわち34%硫酸700mlを加
え、85℃の水浴で15時間加熱し、酸処理を行なつ
た。濾過により水洗し、ケーキを得た。該ケーキ
の少量を110℃で乾燥し、粉砕し、定量分析する
とSiO2分は92.7%(110℃乾燥物基準)であつた。
得られたケーキをポツトミルに入れ、水を加えて
朝鮮ボールとともに湿式粉砕し、SiO2分を15%
含むスラリーを得た。 つぎに得られたスラリー200g(SiO2分:30gと
酸化亜鉛(試薬一級)30gを1のオートクレー
ブ容器にとり、更に水370gを加えて、500回転/
分の攪拌条件下で160℃で5時間水熱合成反応を
行なつた。冷却後反応物をとりだし、濾過により
水を分離したのち、110℃で乾燥した。乾燥ケー
キをサンプルミルにて粉砕した後、風簸により粗
粒を除き白色微粉末とした。かくして三層構造を
有する微結晶ソーコナイト型フイロケイ酸亜鉛か
ら成る填剤を得た。 得られた填剤20g(110℃乾燥基準)と実施例1
の第1工程において得られた二層構造を有するフ
ライポンタイト型の含アルミニウムフイロケイ酸
亜鉛から成る填剤20g(110℃乾燥物)の均一混合
物(40g)を用い、実施例1の第2工程と全く同
様の方法により記録用紙を得た。 かくして得られた記録用紙のインク吸収性及び
ドツト耐水性の試験結果を第1表に示す。 実施例 5 新潟県新発田市小戸産・酸性白土を粗砕したも
の(水分32.4%)740gに25%硫酸3Kgを加え、95
℃で10時間加熱し、一度濾過することにより処理
液を除去したのち、再び25%硫酸3Kgを加え、95
℃で10時間加熱し、酸処理を行なつた。濾過によ
り水洗し、ケーキを得た。該ケーキの少量を110
℃で乾燥し、粉砕し、定量分析するとSiO2分は
91.5%(乾燥物基準)であつた。得られたケーキ
をポツトミルに入れ、水を加えて朝鮮ボールとと
もに湿式粉砕し、SiO2分を15%含むスラリーを
得た。 つぎに得られたスラリー200g(SiO2分:30g)
と水酸化マグネシウム(試薬一級)22gを1の
オートクレーブ容器にとり、更に水370gを加え
て、500回転/分の攪拌条件下で160℃で5時間水
熱合成反応を行なつた。冷却後反応物をとりだ
し、濾過により水を分離したのち、110℃で乾燥
した。乾燥ケーキをサンプルミルで粉砕した後、
風簸にとり粗粒を除き白色微粉末とした。かくし
て三層構造を有する微結晶フイロケイ酸マグネシ
ウムから成る填剤を得た。 得られた填剤10g(110℃乾燥基準)と実施例2
の第1工程において得られた二層構造を有するフ
ライポンタイト型の含アルミニウムフイロケイ酸
マグネシウムから成る填剤30g(110℃乾燥基準)
の均一混合物(40g)を用い、実施例1の第2工
程と全く同様の方法により記録用紙を得た。 かくして得られた記録用紙のインク吸収性及び
ドツト耐水性の試験結果を第1表に示す。 さらに、実施例1〜5の各記録用紙に形成され
たドツトの形状、色及び耐水性について調べたこ
とろ、いずれも、真円に近い良好なドツト形状が
得られ、ドツトの色も濃く鮮明で、ウエザー・メ
ーターにかけて人工光線(カーボン・アーク)を
3時間照射後もほとんど退色せず、耐水性の高い
ものであつた。 比較例 1 填剤として、実施例1の第1工程で得られた填
剤と同組成の混合組成物すなわち酸化亜鉛20g
(110℃乾燥基準)、水酸化アルミニウム11g(110
℃乾燥基準)および微粉シリカ9g(110℃乾燥基
準)の均一混合物(40g)を用い、実施例1の第
2工程と全く同様の方法により比較試験用記録用
紙を得た。 比較例 2 填剤として、実施例2の第1工程で得られた填
剤と同組成の混合組成物すなわち水酸化マグネシ
ウム17g(110℃乾燥基準)、水酸化アルミニウム
13g(110℃乾燥基準)および微粉シリカ10g(110
℃乾燥基準)の均一混合物(40g)を用い、実施
例1の第2工程と全く同様の方法により比較試験
用記録用紙を得た。 比較例 3〜6 填剤として、微粉シリカ(水沢化学工業(株)製ミ
ズカルP−802)(比較例3)、カオリナイト粉末
(比較例4)タルク粉末(比較例5)、又はバイロ
フイライト(ロウ石)粉末(比較例6)をそれぞ
れ40g(110℃乾燥基準)を用い、実施例1の第2
工程と全く同様の方法により比較試験用記録用紙
を得た。 比較例1〜6において得られた比較試験用紙の
インク吸収性及びドツト耐水性の試験結果を実施
例1〜6の試験結果と一緒に第1表に示す。 【表】 【表】 [発明の効果] 本発明に用いる填剤は、二層構造微結晶フイロ
ケイ酸塩から成ることに関連して吸液性が著しく
大であり、しかもインクジエツト記録に使用され
る酸性染料や直接染料に顕著に吸着するという特
性を示している。このため、本発明の記録紙は、
インクの液滴を速やかに吸収すると共にドツトの
拡大を抑制して、高濃度でしかも解像力に優れた
記録画像を形成し得るという顕著な利点を有す
る。特に本発明では、填剤粒子の表面に染料が確
実にしかも強固に吸着されるため、画像の濃度が
顔料効果によつて顕著に向上し、且つ像自体も著
しく鮮明なものとなる。しかも、形成された画像
は、この記録紙を長時間水に浸漬した場合にも、
染料の流出や染料像の滲みが殆ど生ぜず、これは
従来の填剤からは全く予想外の効果である。 また、形成される染料像は、耐水性に優れてお
り、長時間使用後にも退色しないという利点があ
る。
第1図は本発明の実施例1(第1工程)による
二層構造を有するフライポンタイト型の含アルミ
ニウムフイロケイ酸亜鉛のCu−Kα線によるX−
線回折スペクトルである。第2図は、本発明に用
いる二層構造を有する合成フライポンタイト型フ
イロケイ酸塩の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡
写真である。
二層構造を有するフライポンタイト型の含アルミ
ニウムフイロケイ酸亜鉛のCu−Kα線によるX−
線回折スペクトルである。第2図は、本発明に用
いる二層構造を有する合成フライポンタイト型フ
イロケイ酸塩の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡
写真である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 下記表 面間隔(Å) 相対強度
(/p) 8.4〜6.4 40〜70 3.9〜3.5 40〜70 2.7〜2.6 100 2.5〜2.4 50〜80 1.6〜1.5 50〜80 に示すX線回折像を有するフライポンタント型の
二層構造微結晶合成フイロケイ酸塩を、填剤とし
て表面又は内部に含有することを特徴とするイン
クジエツト用記録要素。 2 合成フイロケイ酸塩が式 (M3-xAlx)(Si2-xAlx)O5(OH)4 式中、MはZn及びMgから成る群より選ばれた
少なくとも1種の金属であり、xは0乃至1.75の
数である。 で表わされる組成のものを主体とするフイロケイ
酸塩であることを特徴とする特許請求の範囲第1
項記載の記録要素。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59236804A JPS61116579A (ja) | 1984-11-12 | 1984-11-12 | インクジエツト用記録要素 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59236804A JPS61116579A (ja) | 1984-11-12 | 1984-11-12 | インクジエツト用記録要素 |
Related Child Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19057986A Division JPS62182111A (ja) | 1986-08-15 | 1986-08-15 | 二層構造の微結晶フイロケイ酸塩の製法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61116579A JPS61116579A (ja) | 1986-06-04 |
| JPH0441659B2 true JPH0441659B2 (ja) | 1992-07-09 |
Family
ID=17006029
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59236804A Granted JPS61116579A (ja) | 1984-11-12 | 1984-11-12 | インクジエツト用記録要素 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61116579A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US10150889B2 (en) | 2013-09-16 | 2018-12-11 | Honeywell International Inc. | Poly fluorine-containing siloxane coatings |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6232078A (ja) * | 1985-08-02 | 1987-02-12 | Honshu Paper Co Ltd | インクジエツト記録用紙 |
| JP2683013B2 (ja) * | 1988-03-02 | 1997-11-26 | キヤノン株式会社 | 被記録材及びこれを用いた記録方法 |
| EP2671723B1 (en) | 2012-06-06 | 2015-03-04 | Canon Kabushiki Kaisha | Recording medium |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5715996A (en) * | 1980-07-03 | 1982-01-27 | Mizusawa Ind Chem Ltd | Novel clay mineral based color former for heat-sensitive copying paper and production thereof |
-
1984
- 1984-11-12 JP JP59236804A patent/JPS61116579A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US10150889B2 (en) | 2013-09-16 | 2018-12-11 | Honeywell International Inc. | Poly fluorine-containing siloxane coatings |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61116579A (ja) | 1986-06-04 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |