JPH0445506B2 - - Google Patents
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- JPH0445506B2 JPH0445506B2 JP11426483A JP11426483A JPH0445506B2 JP H0445506 B2 JPH0445506 B2 JP H0445506B2 JP 11426483 A JP11426483 A JP 11426483A JP 11426483 A JP11426483 A JP 11426483A JP H0445506 B2 JPH0445506 B2 JP H0445506B2
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- compound
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- atom
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明は、新規な有機化合物に関するものであ
る。さらに詳しくいえば本発明は、下記の構造式
()で示される1−ヒドロキシ−2−ヒドロキ
シジアゼニウムオキシジルプロパン及びその塩に
関するものである。 ただし上式中のRは、水素原子、ナトリウム原
子、カリウム原子あるいはアンモニウム基を意味
する。 本発明にかかる()式の化合物は、微生物を
利用して製造することができるほか、公知の化合
物から出発して全合成もできるものであつて、リ
ンゴの腐らん病を防除するために利用することが
できるものである。 技術的背景 リンゴの腐らん病は、糸状菌ヴアルサ セラト
スペルマ(Valasa ceratosperma)の感染によ
つてリンゴの樹皮および木質部が腐敗するために
リンゴ樹が枯死するにいたるものであつて、防除
することが困難な植物病のひとつとして知られて
いる。 従来技術 リンゴ腐らん病菌に対して有効な抗生物質とし
ては、シクロヘキシミド、シクロスポリンなどが
知られているが、それらの効果はまだまだ十分で
はない。 発明の目的 本発明者らは、リンゴ腐らん病の防除に有効な
新規な農薬を開発することを目的として研究を重
ね、その結果として本発明を完成した。 発明の構成 本発明にかかるリンゴ腐らん病の防除に有効な
物質は、下記の構造式()で示される1−ヒド
ロキシ−2−ヒドロキシジアゼニウムオキシジル
プロパン及びその塩である。 ただし上式中のRは、水素原子、ナトリウム原
子、カリウム原子あるいはアンモニウム基を意味
する。 本発明にかかる構造式()の化合物につい
て、以下に詳しく説明する。 <微生物の培養による製造方法> 構造式()の化合物は、初めには本発明者ら
が発見した新菌株ミクロモノスポラ・チヤルシイ
671−AV2(Micromonospora chalcea 671−
AV2)(本書では便宜上この菌株をK−76菌株と
略記する。)の菌体から分離された。 K−76菌株は、北海道帯広市の郊外の野菜畑で
採取した土壌資料から分離された放線菌である。
発明者らはISPとワツクスマン氏の方法に準して
27℃で2〜4週間にわたつて本菌株を培養して、
その特徴を調査した。 K−76菌株は空中菌糸を形成せず、分枝しなが
ら長く伸びる栄養菌糸に胞子を着生する。胞子は
種々の長さの胞子柄の先端に一個ずつ形成され、
球形または卵球形で、径0.7〜1.0μm、平滑また
はわずかに凹凸のある表面を示す。菌系の分断お
よび特別のふくらみ球形体または連鎖胞子、胞子
のう、運動性胞子などは観察されない。 本菌株の培養性状は、後記の第1表に示すよう
に、集落の色は初期には淡黄橙色から橙色である
が、胞子の形成にともなつて淡茶色から黄茶色を
経つ暗茶味灰色または黒色になる。メラノイド色
素は形成されないが、他の可溶性色素は生成され
ないか、またはわずかに黄味色素を生成する。 本菌株の生理生化学的性状は、後記の第2表に
示す。本菌株は中温性で、メラノイド色素を生成
せず、アミラーゼとプロテアーゼの活性および硝
酸塩の還元能が陽性である。本菌株は、α−ガラ
クトシダーゼとβ−キシロシダーゼの活性が陽性
で、α−マンノシダーゼ活性が陰性である。本菌
株の炭素源の利用能はα−メリビオース、ラフイ
オースが陽性、L−ラムノース、マンニトールが
陰性である。本菌株の細胞壁成分であるジアミノ
ピメリン酸はメゾ型が主要で、エル型がわずかに
含まれ、3−ハイドロキシ型を含まない。
る。さらに詳しくいえば本発明は、下記の構造式
()で示される1−ヒドロキシ−2−ヒドロキ
シジアゼニウムオキシジルプロパン及びその塩に
関するものである。 ただし上式中のRは、水素原子、ナトリウム原
子、カリウム原子あるいはアンモニウム基を意味
する。 本発明にかかる()式の化合物は、微生物を
利用して製造することができるほか、公知の化合
物から出発して全合成もできるものであつて、リ
ンゴの腐らん病を防除するために利用することが
できるものである。 技術的背景 リンゴの腐らん病は、糸状菌ヴアルサ セラト
スペルマ(Valasa ceratosperma)の感染によ
つてリンゴの樹皮および木質部が腐敗するために
リンゴ樹が枯死するにいたるものであつて、防除
することが困難な植物病のひとつとして知られて
いる。 従来技術 リンゴ腐らん病菌に対して有効な抗生物質とし
ては、シクロヘキシミド、シクロスポリンなどが
知られているが、それらの効果はまだまだ十分で
はない。 発明の目的 本発明者らは、リンゴ腐らん病の防除に有効な
新規な農薬を開発することを目的として研究を重
ね、その結果として本発明を完成した。 発明の構成 本発明にかかるリンゴ腐らん病の防除に有効な
物質は、下記の構造式()で示される1−ヒド
ロキシ−2−ヒドロキシジアゼニウムオキシジル
プロパン及びその塩である。 ただし上式中のRは、水素原子、ナトリウム原
子、カリウム原子あるいはアンモニウム基を意味
する。 本発明にかかる構造式()の化合物につい
て、以下に詳しく説明する。 <微生物の培養による製造方法> 構造式()の化合物は、初めには本発明者ら
が発見した新菌株ミクロモノスポラ・チヤルシイ
671−AV2(Micromonospora chalcea 671−
AV2)(本書では便宜上この菌株をK−76菌株と
略記する。)の菌体から分離された。 K−76菌株は、北海道帯広市の郊外の野菜畑で
採取した土壌資料から分離された放線菌である。
発明者らはISPとワツクスマン氏の方法に準して
27℃で2〜4週間にわたつて本菌株を培養して、
その特徴を調査した。 K−76菌株は空中菌糸を形成せず、分枝しなが
ら長く伸びる栄養菌糸に胞子を着生する。胞子は
種々の長さの胞子柄の先端に一個ずつ形成され、
球形または卵球形で、径0.7〜1.0μm、平滑また
はわずかに凹凸のある表面を示す。菌系の分断お
よび特別のふくらみ球形体または連鎖胞子、胞子
のう、運動性胞子などは観察されない。 本菌株の培養性状は、後記の第1表に示すよう
に、集落の色は初期には淡黄橙色から橙色である
が、胞子の形成にともなつて淡茶色から黄茶色を
経つ暗茶味灰色または黒色になる。メラノイド色
素は形成されないが、他の可溶性色素は生成され
ないか、またはわずかに黄味色素を生成する。 本菌株の生理生化学的性状は、後記の第2表に
示す。本菌株は中温性で、メラノイド色素を生成
せず、アミラーゼとプロテアーゼの活性および硝
酸塩の還元能が陽性である。本菌株は、α−ガラ
クトシダーゼとβ−キシロシダーゼの活性が陽性
で、α−マンノシダーゼ活性が陰性である。本菌
株の炭素源の利用能はα−メリビオース、ラフイ
オースが陽性、L−ラムノース、マンニトールが
陰性である。本菌株の細胞壁成分であるジアミノ
ピメリン酸はメゾ型が主要で、エル型がわずかに
含まれ、3−ハイドロキシ型を含まない。
【表】
【表】
【表】
上述の性状を基準にしてバージー氏細胞同定便
覧の検索表によつて検索すると、K−76菌株はミ
クロモノスポラ属に所属し、ミクロモノスポラ・
チヤルシイ(Micromonospora chalcea)とミク
ロモノスポラ・ハロフイテイカ
(Micromonospora halophytica)の二種に近縁
である。M・チヤルシイとM・ハロフイテイカは
胞子の大きさにわずかな差異が認められるが、他
の諸性状はよく似ており、区別が困難である。化
学分類学的研究によれば、分類に重要なジアミノ
ピメリン酸の異性体の組成は、両種ともに主要成
分としてメゾ型を含む点で類似するが、僅少成分
として前者はエル型を含み、後者は3−ハイドロ
キシ型を含む点で異なる。本菌株は僅少成分とし
てエル型を含み、3−ハイドロキシ型を含まない
こと、また胞子の大きさが1.0μm以下であること
からM・ハロフイテイカと種を異にする。M・チ
ヤルシイはシユークロース・硝酸塩寒天培地での
生育が乏しい点と炭酸カルシウム無添加のポテト
切片上の生育が良好である点で本菌株と異なる
が、これは種を異にするほどの差異ではないと判
断される。よつて本菌株はM・チヤルシイに所属
させ、ミクロモノスポラ・チヤルシイ
(Micromonospora chalcea)671−AV2株と呼称
する。そしてこの菌株は、通商産業省工業技術院
微生物工業技術研究所に昭和58年6月15日に微工
研菌寄第7118号をもつて寄託され、FERM P−
7118という登録番号が与えられた。 K−76菌株の培養に適する培地の一例は、大豆
粉1.5%、乾燥酵母0.2%、デキストリン2.5%を含
有し、PHが7.0である。そして好適な培養方法は、
27℃における振とう培養である。この条件におい
てK−76菌株を培養した時の培養経過を第1図に
示す。第1図において横軸は培養時間を示し、左
側の縦軸はPHを示し、右側の縦軸は培養液中の構
造式(1)の化合物の濃度を示す。第1図中の曲線1
はPHを示し、曲線2は活性物質の濃度を示す。 このようにして培養液から構造式()の化合
物を単離および精製する方法の一例を下記に述べ
る。 (第1工程) 菌体の分離除去 培養液をケイソウ土濾過および遠心分離操作に
かけて菌体を分離除去する。 (第2工程) 陰イオン交換樹脂処理 前工程によつて得た溶液10を陰イオン交換樹
脂たとえば米国のローム・アンド・ハース会社製
のアムバーライド(Amberlite)IRA−410と接
触させ、次にじゆうぶんに水洗し、さらに0.5N
と塩酸を使用して溶出し、その溶出液を水酸化ナ
トリウムの水溶液で中和する。 (第3工程) 脱塩処理 前工程で得た中性液を多孔性非イオン性吸着剤
たとえば三菱化成工業(株)のダイヤイオン
(Diaion)HP−20のカラムに通し、次に水で処
理して脱塩する。 (第4工程) クロマトグラフイー 前工程で脱塩処理された水溶液を減圧濃縮して
水を除去した後に少量のクロロホルム・メタノー
ル・アンモニア水の混合液(容量比2:3:1)
に溶解し、その溶液をシリカゲルのカラム上に載
置し、次いでクロロホルム・メタノール・アンモ
ニア水の混合液(容量比2:3:1)で展開す
る。各フラクシヨンについてリンゴ腐らん病菌に
対する活性を試験して活性フラクシヨンを選択す
る。 (第5工程) ゲル濾過 前工程で得た活性フラクシヨンを集め、それを
減圧濃縮して溶媒を除去した後に水に溶解してゲ
ル濾過剤たとえばスエーデンのフアルマシア・フ
アイン・ケミカルズ会社製のセフアデツクス
(Sephadex)G−10を使用して、ゲル濾過する。 このようにして得た活性フラクシヨンをさらに
ゲル濾過するのであるが、第2回目のゲル濾過に
使用する濾過剤は、東洋曹達(株)製のトヨパール
(Toyopearl)HW−40Fが適当である。第2回目
のゲル濾過メタノールを使用して行ない、そのメ
タノール溶液中に構造式()の化合物が含まれ
ている。 (第6工程) 結晶化 前工程において得られた活性フラクシヨンを集
めて減圧濃縮した後に少量の水に溶解する。次に
この水溶液を振りまぜながらアセトンを静かに添
加していくと少し白濁を生ずる。この状態で静置
させておいたところ、無色針状の結晶すなわち構
造式()の化合物45mgを得た。ただし、この場
合は構造式()中のRはナトリウム原子であ
る。 <物理化学的性状> 上記によつて得られた構造式()の化合物の
物理化学的性状を第3表に示す。
覧の検索表によつて検索すると、K−76菌株はミ
クロモノスポラ属に所属し、ミクロモノスポラ・
チヤルシイ(Micromonospora chalcea)とミク
ロモノスポラ・ハロフイテイカ
(Micromonospora halophytica)の二種に近縁
である。M・チヤルシイとM・ハロフイテイカは
胞子の大きさにわずかな差異が認められるが、他
の諸性状はよく似ており、区別が困難である。化
学分類学的研究によれば、分類に重要なジアミノ
ピメリン酸の異性体の組成は、両種ともに主要成
分としてメゾ型を含む点で類似するが、僅少成分
として前者はエル型を含み、後者は3−ハイドロ
キシ型を含む点で異なる。本菌株は僅少成分とし
てエル型を含み、3−ハイドロキシ型を含まない
こと、また胞子の大きさが1.0μm以下であること
からM・ハロフイテイカと種を異にする。M・チ
ヤルシイはシユークロース・硝酸塩寒天培地での
生育が乏しい点と炭酸カルシウム無添加のポテト
切片上の生育が良好である点で本菌株と異なる
が、これは種を異にするほどの差異ではないと判
断される。よつて本菌株はM・チヤルシイに所属
させ、ミクロモノスポラ・チヤルシイ
(Micromonospora chalcea)671−AV2株と呼称
する。そしてこの菌株は、通商産業省工業技術院
微生物工業技術研究所に昭和58年6月15日に微工
研菌寄第7118号をもつて寄託され、FERM P−
7118という登録番号が与えられた。 K−76菌株の培養に適する培地の一例は、大豆
粉1.5%、乾燥酵母0.2%、デキストリン2.5%を含
有し、PHが7.0である。そして好適な培養方法は、
27℃における振とう培養である。この条件におい
てK−76菌株を培養した時の培養経過を第1図に
示す。第1図において横軸は培養時間を示し、左
側の縦軸はPHを示し、右側の縦軸は培養液中の構
造式(1)の化合物の濃度を示す。第1図中の曲線1
はPHを示し、曲線2は活性物質の濃度を示す。 このようにして培養液から構造式()の化合
物を単離および精製する方法の一例を下記に述べ
る。 (第1工程) 菌体の分離除去 培養液をケイソウ土濾過および遠心分離操作に
かけて菌体を分離除去する。 (第2工程) 陰イオン交換樹脂処理 前工程によつて得た溶液10を陰イオン交換樹
脂たとえば米国のローム・アンド・ハース会社製
のアムバーライド(Amberlite)IRA−410と接
触させ、次にじゆうぶんに水洗し、さらに0.5N
と塩酸を使用して溶出し、その溶出液を水酸化ナ
トリウムの水溶液で中和する。 (第3工程) 脱塩処理 前工程で得た中性液を多孔性非イオン性吸着剤
たとえば三菱化成工業(株)のダイヤイオン
(Diaion)HP−20のカラムに通し、次に水で処
理して脱塩する。 (第4工程) クロマトグラフイー 前工程で脱塩処理された水溶液を減圧濃縮して
水を除去した後に少量のクロロホルム・メタノー
ル・アンモニア水の混合液(容量比2:3:1)
に溶解し、その溶液をシリカゲルのカラム上に載
置し、次いでクロロホルム・メタノール・アンモ
ニア水の混合液(容量比2:3:1)で展開す
る。各フラクシヨンについてリンゴ腐らん病菌に
対する活性を試験して活性フラクシヨンを選択す
る。 (第5工程) ゲル濾過 前工程で得た活性フラクシヨンを集め、それを
減圧濃縮して溶媒を除去した後に水に溶解してゲ
ル濾過剤たとえばスエーデンのフアルマシア・フ
アイン・ケミカルズ会社製のセフアデツクス
(Sephadex)G−10を使用して、ゲル濾過する。 このようにして得た活性フラクシヨンをさらに
ゲル濾過するのであるが、第2回目のゲル濾過に
使用する濾過剤は、東洋曹達(株)製のトヨパール
(Toyopearl)HW−40Fが適当である。第2回目
のゲル濾過メタノールを使用して行ない、そのメ
タノール溶液中に構造式()の化合物が含まれ
ている。 (第6工程) 結晶化 前工程において得られた活性フラクシヨンを集
めて減圧濃縮した後に少量の水に溶解する。次に
この水溶液を振りまぜながらアセトンを静かに添
加していくと少し白濁を生ずる。この状態で静置
させておいたところ、無色針状の結晶すなわち構
造式()の化合物45mgを得た。ただし、この場
合は構造式()中のRはナトリウム原子であ
る。 <物理化学的性状> 上記によつて得られた構造式()の化合物の
物理化学的性状を第3表に示す。
【表】
第3表に示した化合物の核磁気共鳴のデータを
第4表に示す。
第4表に示す。
【表】
デカツプリング実験によつて、ヒドロキシル基
はメチレン基に結合し、メチン基はメチル基およ
びメチレン基と結合していることが明らかになつ
た。 上記の核磁気共鳴、赤外線吸収スペクトル、紫
外線吸収スペクトルおよび元素分析の結果からK
−76菌株の培養によつて得られた化合物の構造を
構造式()のとおりと推定した。すなわちK−
76菌株の培養によつて得られた化合物は、遊離の
状態においてはヒドロキシジアゼニウムオキサイ
ド構造を有する化合物であると推定した。そこで
発明者らは、上記の構造が真正であることを立証
するために合成実験を実施した。 <合成方法> ヒドロキシアセトンオキシム(別名をアセトー
ルオキシムともいう。その構造は下記の()式
のとおりである。)2.4gをメタノール30ミリリツ
トルに溶解し、これをかきまぜながら水素化シア
ノホウ酸ナトリウム1.2gを少しづつ加えた。 次にこの混合物に2N塩酸−メタノール溶液を
加えてPHを4以下にしてかきまぜながら3時間に
わたつて反応させた。3時間を経過した後に減圧
濃縮してメタノールを除去した。得られた残留物
を約100mlの水に溶解して、米国のダウ・ケミカ
ル会社製のイオン交換樹脂ダウエツクス50Wx4
(H+)のカラム(直径3cm、高さ11cm)に通し
た。前記の水溶液の全量が通過した後に樹脂カラ
ムを十分に水洗してから濃度1%のアンモニア水
で溶出した。その溶出液を減圧濃縮してアンモニ
ア臭が消滅するまで濃縮した。このようにして下
記の構造式()の化合物が得られた。 つぎに化合物()の約1gを2N−塩酸の10
mlに溶解して氷浴中でかきまぜた。別に調製した
亜硝酸ナトリウムの水溶液(濃度1g/10ml)を
前記の塩酸溶液に徐々に加えてニトロソ化反応を
行なつた。ヨード・ヨー化カリウム・デンプン紙
が青く着色した時に亜硝酸ナトリウム液の添加を
終了した。次にこの液を1N−水酸化ナトリウム
水溶液で中和し、濃縮した。その濃縮液を三菱化
成工業(株)製の多孔製非イオン性吸着剤ダイヤイオ
ンHP−20で処理して脱塩し、さらにクロロホル
ム・メタノール・アンモニア水の混合液(混合比
は容量で2:3:1)を使用してシリカゲルクロ
マトグラフイーを実施して精製を行なつて純粋な
化合物を得た。 こうして得られた合成品の核磁気共鳴、紫外線
吸収スペクトルおよびその他のスペクトルデータ
と、K−76菌株の培養によつて得られた化合物の
データとを比較したところ、両者は完全に一致
し、また合成品がヴアルサ セラトスペルマ)
Valsa ceratosperma)に対して培養品と同様の
胞子発芽阻害活性を有することなどによつて、合
成品と培養品が完全に同一の構造式を有すること
を認めた。 構造式()を有する化合物のようにヒドロキ
シジアゼニウムオキサイド構造を有する天然の化
合物としては、アラノシン(Alanosine)、フラ
ジン(Fragin)、ドパスチン(Dopastin)などが
知られているだけであつて、構造式()を有す
る化合物は、まつたく新規な化合物である。 上記のようにして得られた構造式()を有す
る化合物(ただし、この場合はRがナトリウム原
子である。)は、酸で処理することによつて構造
式()中のRが水素原子に変換することができ
る。構造式()中のRが水素原子である化合物
(これを構造式()遊離化合物という。)に対し
て水酸化カリウムあるいはアンモニア水を作用さ
せれば、構造式()中のRをカリウム原子ある
いはアンモニウム基に変換することができる。こ
のようにして得られた構造式()の遊離化合
物、カリウム塩およびアンモニウム塩は、すべて
リンゴ腐らん病の防除のために使用することがで
きる。 発明の効果(抗菌性) 構造式()を有する化合物(ただしRはナト
リウム原子である。)の各種微生物に対する生育
最小阻止濃度(MIC)の値を第5表に示す。第
5表から分るように構造式()を有する化合物
は、多くの細菌、酵母、カビなどに対してほとん
ど活性をもたないが、ヴアルサ セラトスペルマ
に対して選択的に有効な化合物である。
はメチレン基に結合し、メチン基はメチル基およ
びメチレン基と結合していることが明らかになつ
た。 上記の核磁気共鳴、赤外線吸収スペクトル、紫
外線吸収スペクトルおよび元素分析の結果からK
−76菌株の培養によつて得られた化合物の構造を
構造式()のとおりと推定した。すなわちK−
76菌株の培養によつて得られた化合物は、遊離の
状態においてはヒドロキシジアゼニウムオキサイ
ド構造を有する化合物であると推定した。そこで
発明者らは、上記の構造が真正であることを立証
するために合成実験を実施した。 <合成方法> ヒドロキシアセトンオキシム(別名をアセトー
ルオキシムともいう。その構造は下記の()式
のとおりである。)2.4gをメタノール30ミリリツ
トルに溶解し、これをかきまぜながら水素化シア
ノホウ酸ナトリウム1.2gを少しづつ加えた。 次にこの混合物に2N塩酸−メタノール溶液を
加えてPHを4以下にしてかきまぜながら3時間に
わたつて反応させた。3時間を経過した後に減圧
濃縮してメタノールを除去した。得られた残留物
を約100mlの水に溶解して、米国のダウ・ケミカ
ル会社製のイオン交換樹脂ダウエツクス50Wx4
(H+)のカラム(直径3cm、高さ11cm)に通し
た。前記の水溶液の全量が通過した後に樹脂カラ
ムを十分に水洗してから濃度1%のアンモニア水
で溶出した。その溶出液を減圧濃縮してアンモニ
ア臭が消滅するまで濃縮した。このようにして下
記の構造式()の化合物が得られた。 つぎに化合物()の約1gを2N−塩酸の10
mlに溶解して氷浴中でかきまぜた。別に調製した
亜硝酸ナトリウムの水溶液(濃度1g/10ml)を
前記の塩酸溶液に徐々に加えてニトロソ化反応を
行なつた。ヨード・ヨー化カリウム・デンプン紙
が青く着色した時に亜硝酸ナトリウム液の添加を
終了した。次にこの液を1N−水酸化ナトリウム
水溶液で中和し、濃縮した。その濃縮液を三菱化
成工業(株)製の多孔製非イオン性吸着剤ダイヤイオ
ンHP−20で処理して脱塩し、さらにクロロホル
ム・メタノール・アンモニア水の混合液(混合比
は容量で2:3:1)を使用してシリカゲルクロ
マトグラフイーを実施して精製を行なつて純粋な
化合物を得た。 こうして得られた合成品の核磁気共鳴、紫外線
吸収スペクトルおよびその他のスペクトルデータ
と、K−76菌株の培養によつて得られた化合物の
データとを比較したところ、両者は完全に一致
し、また合成品がヴアルサ セラトスペルマ)
Valsa ceratosperma)に対して培養品と同様の
胞子発芽阻害活性を有することなどによつて、合
成品と培養品が完全に同一の構造式を有すること
を認めた。 構造式()を有する化合物のようにヒドロキ
シジアゼニウムオキサイド構造を有する天然の化
合物としては、アラノシン(Alanosine)、フラ
ジン(Fragin)、ドパスチン(Dopastin)などが
知られているだけであつて、構造式()を有す
る化合物は、まつたく新規な化合物である。 上記のようにして得られた構造式()を有す
る化合物(ただし、この場合はRがナトリウム原
子である。)は、酸で処理することによつて構造
式()中のRが水素原子に変換することができ
る。構造式()中のRが水素原子である化合物
(これを構造式()遊離化合物という。)に対し
て水酸化カリウムあるいはアンモニア水を作用さ
せれば、構造式()中のRをカリウム原子ある
いはアンモニウム基に変換することができる。こ
のようにして得られた構造式()の遊離化合
物、カリウム塩およびアンモニウム塩は、すべて
リンゴ腐らん病の防除のために使用することがで
きる。 発明の効果(抗菌性) 構造式()を有する化合物(ただしRはナト
リウム原子である。)の各種微生物に対する生育
最小阻止濃度(MIC)の値を第5表に示す。第
5表から分るように構造式()を有する化合物
は、多くの細菌、酵母、カビなどに対してほとん
ど活性をもたないが、ヴアルサ セラトスペルマ
に対して選択的に有効な化合物である。
【表】
【表】
すでに発表されているシクロヘキシミドおよび
シクロスポリンのリンゴ腐らん病菌に対する
MICは、それぞれ5μg/mlおよび1μg/mlであ
るから、構造式()を有する化合物はリンゴ腐
らん病菌に対する活性においてシクロヘキシミド
より強く、またシクロスポリンと同等の強い効果
を有するものである。そして構造式()を有す
る化合物は、リンゴ腐らん病菌に対して選択特異
的に活性を示すので、シクロヘキシミドやシクロ
スポリンと異なり、他の生物に対する悪影響を考
慮する必要がないから、極めて有用なリンゴ腐ら
ん病防除剤である。 <農薬としての使用方法> 構造式()で表される化合物は、1.0μg/ml
という低濃度においてもリンゴ腐らん病菌の胞子
発芽、菌糸の生育などを強く阻害するから、リン
ゴ腐らん病の農薬、特に予防薬としてすぐれた効
果を奏するものである。この化合物を農薬として
使用する時には、この化合物を1μg/mlの濃度
になるように水に溶解してリンゴ樹に噴霧すると
いう簡単な方法によつて、リンゴ樹が正常な場合
には予防効果が得られ、またリンゴ樹がリンゴ腐
らん病に若干感染している場合には、その感染の
程度を最小限に抑止することができる。
シクロスポリンのリンゴ腐らん病菌に対する
MICは、それぞれ5μg/mlおよび1μg/mlであ
るから、構造式()を有する化合物はリンゴ腐
らん病菌に対する活性においてシクロヘキシミド
より強く、またシクロスポリンと同等の強い効果
を有するものである。そして構造式()を有す
る化合物は、リンゴ腐らん病菌に対して選択特異
的に活性を示すので、シクロヘキシミドやシクロ
スポリンと異なり、他の生物に対する悪影響を考
慮する必要がないから、極めて有用なリンゴ腐ら
ん病防除剤である。 <農薬としての使用方法> 構造式()で表される化合物は、1.0μg/ml
という低濃度においてもリンゴ腐らん病菌の胞子
発芽、菌糸の生育などを強く阻害するから、リン
ゴ腐らん病の農薬、特に予防薬としてすぐれた効
果を奏するものである。この化合物を農薬として
使用する時には、この化合物を1μg/mlの濃度
になるように水に溶解してリンゴ樹に噴霧すると
いう簡単な方法によつて、リンゴ樹が正常な場合
には予防効果が得られ、またリンゴ樹がリンゴ腐
らん病に若干感染している場合には、その感染の
程度を最小限に抑止することができる。
第1図は、本発明によつてK−76菌株を培養し
た経過を示すグラフである。
た経過を示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 下記の構造式()で示される1−ヒドロキ
シ−2−ヒドロキシジアゼニウムオキシジルプロ
パン及びその塩。 ただし上式中のRは、水素原子、ナトリウム原
子、カリウム原子あるいはアンモニウム基を意味
する。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11426483A JPS606651A (ja) | 1983-06-27 | 1983-06-27 | 1−ヒドロキシ−2−ヒドロキシジアゼニウムオキシジルプロパン及びその塩 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11426483A JPS606651A (ja) | 1983-06-27 | 1983-06-27 | 1−ヒドロキシ−2−ヒドロキシジアゼニウムオキシジルプロパン及びその塩 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS606651A JPS606651A (ja) | 1985-01-14 |
| JPH0445506B2 true JPH0445506B2 (ja) | 1992-07-27 |
Family
ID=14633439
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11426483A Granted JPS606651A (ja) | 1983-06-27 | 1983-06-27 | 1−ヒドロキシ−2−ヒドロキシジアゼニウムオキシジルプロパン及びその塩 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS606651A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1000023B1 (en) * | 1997-07-03 | 2011-02-23 | THE GOVERNMENT OF THE UNITED STATES OF AMERICA, represented by THE DEPARTMENT OF HEALTH & HUMAN SERVICES | Novel nitric oxide-releasing amidine- and enamine-derived diazeniumdiolates, compositions and uses thereof and method of making same |
-
1983
- 1983-06-27 JP JP11426483A patent/JPS606651A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS606651A (ja) | 1985-01-14 |
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