JPH0448432B2 - - Google Patents
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- JPH0448432B2 JPH0448432B2 JP63129629A JP12962988A JPH0448432B2 JP H0448432 B2 JPH0448432 B2 JP H0448432B2 JP 63129629 A JP63129629 A JP 63129629A JP 12962988 A JP12962988 A JP 12962988A JP H0448432 B2 JPH0448432 B2 JP H0448432B2
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- human
- kallikrein
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Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、ヒトカリクレイン様蛋白質、即ちヒ
トカリクレイン又はそれと同等と生理活性を有す
るヒトカリクレイン様物質の産生方法に関する。 (従来の技術および発明が解決しようとする問題
点) カリクレインの研究は、1926年にFreyが、ヒ
ト尿中にイヌへの静脈内投与で継続的に血圧を下
げる非透析性の物質を見い出したことに始まる
〔E.K.Frey.、Arch.Klin.Chir.、142、663−668、
1926〕。その後、1930年にKrautらが膵臓の中に
も同様の物質が存在すること明らかにして、カリ
クレインと命名した〔H.Kraut、E.K.Frey and
E.Werle:Z.Physiol.Chem.、189、97−106、
1930〕。 カリクレインは、大別すると血漿カリクレイン
と腺性カリクレインに分けられ、現在はもつぱら
哺乳動物の膵臓から調製された腺性カリクレイン
が医薬として使用されている。血漿カリクレイン
および腺性カリクレインとも、血中のα2−グロブ
リン画分にあるキニノ−ゲンを基質として作用
し、キニンを生成させる。これらの生成されたキ
ニンは、いずれも平滑筋の収縮、血管拡張、血管
透過性亢進などの作用を示す。従つて、臨床的に
はこれらの作用を基盤として、(1)初老期の循環障
害(脳動脈硬化症、高血圧症)、(2)血行障害に基
づく組織の栄養障害、(3)難治性創傷および潰瘍な
どの改善等に使用されている。 現在、臨床的に使用されているカリクレイン
は、主にブタの膵臓から調製したものであり、量
的に大量に得ることは難しい。また、カリクレイ
ンのアミノ酸配列には、生物種による差異が存在
し、ヒトのカリクレインとブタのカリクレインと
では、アミノ酸配列に若干の相違がある。このこ
とから、人間にブタのカリクレインを投与するこ
とは、免疫学上の問題からあまり好ましいことで
はない。しかしながら、ヒトのカリクレインは尿
中等に存在するものの、その量が微量であるため
に、製剤として使用することは不可能であつた。 そこで本発明者は、ヒトカリクレインを遺伝子
工学的手法によつて大量生産すべく、先にヒトカ
リクレインをコードするDNA部分を含むプレプ
ロカリクレイン遺伝子を取得した(特開昭62−
126980号公報)が、未だ大腸菌等の宿主内でヒト
カリクレインを効率よく発現させ得る発現ベクタ
ーを構築するには至つておらず、医薬品として供
し得るヒトカリクレインを安価にしかも大量に得
ることはできなかつた。 (問題点を解決するための手段) 本発明者は、ヒトカリクレイン様蛋白質を宿主
内で効率よく発現され得る発現ベクターを得るべ
く更に検討を重ねた結果、ヒトカリクレイン様蛋
白質をコードするDNAのみを直接ベクターに組
み込んだ場合や、ヒトカリクレイン由来のシグナ
ルペプチドをコードするDNAを含むプレプロカ
リクレイン遺伝子をベクターに組み込んだ場合は
必ずしも十分な発現効率は得られないが、ヒトプ
ロカリクレイン様蛋白質をコードするDNAを
OmpF等の大腸菌の外膜蛋白質のシグナルペプチ
ドをコードするDNAと連結し、更には特定のプ
ロモーターと組み合せることによつて効率よく発
現し得る発現ベクターを構築することができ、初
めて遺伝子工学的手法によりヒトカリクレイン様
蛋白質を産生することに成功し、本発明を完成す
るに至つた。 即ち、本発明の要旨は、ヒトカリクレイン又は
それと同等と生理活性を有するヒトカリクレイン
様物質をコードするDNA断片の上流に大腸菌の
外膜蛋白質のシグナルペプチドをコードする
DNA断片を連結したDNA断片を含有する発現ベ
クターで形質転換された宿主微生物を培養し、該
宿主微生物の菌体内に不溶性蛋白として産生する
ヒトカリクレイン又は該ヒトカリクレイン様物質
を取得することを特徴とするヒトカリクレイン様
蛋白質の産生方法に存する。 以下本発明を説明するに、本発明の目的蛋白質
であるヒトカリクレイン様蛋白質をコードする
DNA断片は、特開昭62−126980号公報に記載の
方法に従い、ヒト膵臓からmRNAを調製し、岡
山・バーグの方法〔Molecular and Cellular
Biology、2、161−170、1982〕によつてcDNA
ライブラリーを得、これから例えばラツトカリク
レインcDNAをプローブとしてヒトカリクレイン
様蛋白質のcDNAをスクリーニングし、それを増
幅することによつて得られる。 上記の様にして得られるヒトカリクレイン様蛋
白質のcDNAには、通常17個のアミノ酸から成る
シグナルペプチドおよび7個のアミノ酸から成る
プロセグメントをコードするDNA部分を有する
が、本発明においては、かかるヒトカリクレイン
様蛋白質由来のシグナルペプチド部分を含んだ
DNA断片を使用して発現ベクターを構築した場
合、或いは該シグナルペプチドおよびプロセグメ
ントをコードするDNA部分を除去したヒトカリ
クレイン様蛋白質のDNA断片のみを使用して発
現ベクターを構築した場合、大腸菌内において良
好な発現効率は期待できない。 本発明においては、ヒトプロカリクレイン様蛋
白質あるいはヒトカリクレイン様蛋白質のDNA
の断片の上流にOmpF、OmpC、OmpA等の大腸
菌の外膜蛋白質のシグナルペプチドをコードする
DNA断片を連結したDNA断片を使用するのが重
要である。 かかるDNA断片を導入する発現ベクターは、
これら遺伝子を転写制御できる位置にプロモータ
ーを有する。 この様なプロモーターとしては、宿主微生物に
おいて機能するものであれば、公知のいずれのも
のも使用し得るが、tacプロモーター〔Proc.
Natl.Acad.Sci.USA、81、21、1983〕、λPLPRプ
ロモーター、Pacプロモーター(特願昭61−
268362号)等のハイブリツドプロモーター、特
に、tacプロモーターが好適である。これらのプ
ロモーターを2つ以上連結すると発現効率が向上
するので好ましい。 また、本発明において、発現ベクターはプロモ
ーターの制御因子であるリプレツサー遺伝子
(lacI)、翻訳開始の為のリボソーム結合配列お
よび転写を終結させる為の転写ターミネータ配列
(lpp3′領域)を適宜組合せ、目的遺伝の発現効率
を高める様工夫したものが使用される。また、発
現ベクターにより形質転換された菌の選択を容易
に行う為に、薬剤(アンピシリン)耐性遺伝子を
発現ベクターに組み込んでもよい。 かくして得られる発現ベクターによ宿主微生物
を形質転換する。 宿主微生物としては、大腸菌JM109、HB101、
YK537、YA21等の大腸菌、枯草菌MI112、
NP58等の枯草菌が挙げられる。 形質転換は、常法、例えば、モレキユラー・ク
ローニング(Molecular cloning)、Cold Spring
Harbor、第250頁、1982年に記載の方法に準じて
行えばよい。 この様にして得られた本発明の発現プラスミド
保持菌をL培養液(L broth)またはM9培地
(M9Medium)の様な培地にて培養し、プロモー
ター、例えばtacプロモーターの誘導物質である
イソプロピル−β−D−ガラクトピラノシドを培
地に添加することにより目的物質であるヒトカリ
クレイン様蛋白質発現を誘導するなどして、ヒト
カリクレイン様蛋白質を産生させ、常法に従い分
離精製することによつてヒトカリクレイン様蛋白
質を取得することができる。 本発明においては、ヒトプロカリクレイン様蛋
白質として発現させた方が発現効率上好ましい
が、その場合は、産生されたヒトプロカリクレイ
ン様蛋白質をトリプシンで処理することにより目
的のヒトカリクレイン様蛋白質を得ることができ
る。 (発明の効果) 本発明によれば、ヒトカリクレイン様蛋白質を
効率よく発現させることができる。例えば、大腸
菌内で約10mg/程度のヒトカリクレイン様蛋白
質を発現させることができ、従来ヒトの尿から調
製していた方法に比べ、約1000倍以上の高率でヒ
トカリクレイン様蛋白質を取得することが可能と
なつた。 (実施例) 以下、実施例により本発明を更に具体的に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下
の実施例により限定されるものではない。 実施例 1 A 発現プラスミドの構築 (a) ヒトカリクレインcDNAの部位特異的改変
法による改変 (1) N末端側の差異 特開昭62−126980号公報に記載された
方法に従つて得たphKK25(第1−a図)
5μgを10mMトリス−塩酸(PH7.5)、
100mM塩化ナトリウムおよび6mM塩
化マグネシウムから成る緩衝液(以下、
「緩衝液H」と称する)100μ中でPst
I10uと37℃で2時間反応させ、消化して
75℃、15分間加熱し酵素を失活させた
後、水に対して透析を行ない乾燥させ
た。このものに33mMトリス−酢酸(PH
7.9)、66mM酢酸カリウム、10mM酢酸
マグネシウムおよび0.5mMジチオスレ
イトールから成る緩衝液、そして2mM
の濃度となるように4種類のデオキシヌ
クレオチドトリリン酸(dNTP)を加え
全量を40μの系とし、T4DNAポリメ
ラーゼ4uによる3′突出末端を平滑化
し、70℃で10分間加熱し酵素を失活させ
た後、水に対して透析し、乾燥させた後
50μの水溶液として保存した。…フラ
グメント 一方、phKK25 20μgを前述の緩衝液
H100μ中で、EcoR及びApa各
20uと37℃で2時間反応され消化した。
このものを5%アクリルアミドゲル電気
泳動(89mMトリス、89mMホウ酸、2
mMEDTA緩衝液;10v/cm、1.5時間泳
動)にてDNAを分離し、ゲルを0.05%
エチジウムブロマイド水溶液で染色後
340nmの紫外線の下で分子量の大きい
方のフラグメントを切り出し、ゲルをガ
ラス棒にて破砕した後DNA抽出緩衝液
(0.5M酢酸アンモニウム、10mM酢酸マ
グネシウム、1mM EDTAおよび0.1
%ラウリル硫酸ナトリウム)4ml中に懸
濁し、37℃で1晩放置してゲルより
DNAを抽出した。大きなゲル片を
10000r.p.m.15分間の遠心分離操作で除
いた後、グラスフイルターによりさらに
小さなゲル片を除き、エタノール沈殿を
3回行つてDNAを精製し、200μの水
溶液として保存した。…フラグメント 下記塩基配列から成る49baseのDNA
断片(プライマー)をDNA合成機(日
科機社;Applied Biosystem MODEL
380A)にて合成した。 この合成DNA断片150pmolをキナー
ゼ緩衝液(50mMトリスー塩酸(PH
8.0)、10mM塩化マグネシウムおよび5
mMジチオスレイトール)10μの系で
20uのT4ポリヌクレオチドキナーゼによ
り5′リン酸化した。 フラグメント0.05pmol、フラグメ
ント0.05pmol及び5′リン酸化プライマ
ー45pmolに5倍濃度のポリメラーゼ、
リガーゼ緩衝液(0.5M塩化ナトリウム、
32.5mMトリスー塩酸(PH7.5)、40mM
塩化マグネシウムおよび5mMβ−メル
カポトエタノール)を12μ加え計34.8μ
の系とし、100℃で3分間煮沸した後
直ちに30℃の恒温槽に入れ30分間放置
し、氷上に10分間放置してヘテロデユー
プレツクスを形成させた。 このヘテロデユープレツクス11.6μ
に2.5mM4種類のデオキシヌクレオチド
トリリン酸(dNTP)を4μ、10m
MATPを2μ、Klenow酵素を2u及び
T4DNAリガーゼを0.5uを加えた合計
20μの系にて16℃一晩反応させ、環状
化させた。 この環状物2μを用い、常法に従い
大腸菌HB101株を形質転換して増殖さ
せた。続いて形質転換体のプラスミドを
常法に従い、Pstにより2個のDNA断
片に切断される変異プラスミドを得た。 かくして得られる変異プラスミドには
もとのプラスミド(野生型)が混入して
いるため、再度形質転換を行い変異プラ
スミドを純化した。この様にして、第1
−6図に示すプラスミドphKK−spを得
た。 (2) C末端の改変 phKK−sp5μgを緩衝液H100μで
Pst10uと37℃で2時間反応させて消
化し、引き続いて75℃で15分間加熱して
酵素を失活させた後、水に対して透析し
乾燥させた。このものに33mMトリスー
酢酸(PH7.9)、66mM酢酸カリウム、10
mM酢酸マグネシウムおよび0.5mMジ
チオスレイトールより成る緩衝液、そし
て2mMの濃度となるように4種類のデ
オキシヌクレオチドトリリン酸
(dNTP)を加え、40μの系とした。次
にT4DNAポリメラーゼ4uにより3′突
出末端を平滑化し70℃にて10分間加熱し
酵素を失活させ、水に対して透析を行な
い乾燥させた後、50μの水溶液として
保存した。…フラグメント′ 一方、phKK−sp20μgを緩衝液
H100μ中でPvu5uと37℃で2時間反
応させ消化した。このものを5%アクリ
ルアミドゲル電気泳動(89mMトリス、
89mMホウ酸、2mM EDTA緩衝
液;10v/cm、1.5時間泳動)にてDNA
を分離し、ゲルを0.05%エチジウムブロ
マイド水溶液で染色後、340nmの紫外
線の下で分子量の大きい方のフラグメン
トを切り出した。このゲルをガラス棒に
て破砕した後前述のDNA抽出緩衝液4
ml中に懸濁し、37℃で一晩放置してゲル
よりDNAを抽出した。大きなゲル片を
10000r.p.m.15分間の遠心分離操作で除
いた後、グラスフイルターによりさらに
小さなゲル片を除きエタノール沈殿を3
回行つてDNAを精製し、200μの水溶
液として保存した。…フラグメント′ 下記塩基配列から成る40baseのDNA
断片を前述のDNA合成機にて合成した。 この合成DNA断片150pmolを前述の
キナーゼ緩衝液10μの系で20uのT4ポ
リヌクレオチドキナーゼにより5′リン酸
化した。 フラグメント′、フラグメント′お
よび5′リン酸化プライマーを使用する外
は、上記(1)のと同様にして第1−c図
に示すプラスミドphKK−spBを得た。 B ヒトプロカリクレイン分泌発現プラスミドの
構築 ヒトプロカリクレインをコードするDNA
の断片の調製 phKK−spB10μgを緩衝液H100μの系
にてPst20uを用い2時間反応させ切断し
た。このものを75℃で10分間加熱して酵素を
失活させた後水に対して透析を行い、脱塩し
た後乾燥させた。 続いて前述のT4DNAポリメラーゼ緩衝液
50uを加え、T4DNAポリメラーゼ10uを用
いて37℃で30分間反応させ、突出した3′末端
を削り落とした後、70℃で10分間加熱して酵
素を失活させた。次に5.5μの10倍濃度緩衝
液H(0.1Mトリス−塩酸、1M塩化ナトリウ
ムおよび60mM塩化マグネシウム)を加え
Bgl10uにて切断し、前述と同様の方法で
5%アクリルアミドゲル電気泳動にて約
739bpのヒトプロカリクレインをコードする
DNA断片(フラグメントpKK)を分離精製
した。 発現ベクターの作製 後述の参考例で得たpOFA2μgを緩衝液
(10mMトリス−塩酸(PH7.5)および6mM
塩化マグネシウム)20μの系にてKpn5u
を用いて37℃で2時間反応して消化した。こ
のものに10倍濃度のT4DNAポリメラーゼ緩
衝液を2μ加え、4種類のデオキシヌクレ
オチド三リン酸(dNTP)を1mMの濃度に
なる様に加え、T4DNAポリメラーゼ4uによ
り37℃で30分間反応させ、突出した3′末端を
削りおとした後、70℃にて10分間加熱して酵
素を失活させた。 このものに上記10倍濃度緩衝液Hを2.5μ
加え、Bgl4uにて37℃で2時間反応させ
DNAを切断した後、25μの水飽和フエノ
ールにて蛋白を抽出し、上清(水層)を分離
してエーテルにてフエノールを除いた後、水
にて透析し脱塩を行い、乾燥させて10μの
水に溶かした。 ヒトプロカリクレイン分泌発現プラスミド
の作製 フラグメントpKK1μg、前記B−の分
泌発現ベクター0.5μgおよび0.1MATP1μ
を緩衝液(10mMトリス−塩酸、6mM塩化
マグネシウムおよび1mMジチオスレイトー
ル)10μ中にてT4DNAリガーゼ10uを加
え、4℃で16時間反応させて各々フラグメン
トを連結してpOFhKK(第2図)を作製し
た。 C ヒトプロカリクレインの分泌 pOFhKKで大腸菌YK537を形質転換し、得
られた形質転換体をLブロス(10g/バクト
トリプトン、5g/バクトイーストエキスト
ラクト、10g/塩化ナトリウムおよび20mg/
アンピシリン)にて、30℃1晩培養した。こ
の培養物を1/50希釈となるように新しいLブロ
スに移し、30℃にて5時間培養した。次いで、
プラスミド上のtacプロモーターの誘導物質で
あるイソプロピル−β−D−ガラクトピラノシ
ドを2mMの濃度になるように添加し、ヒトプ
ロカリクレインの発現を誘導し、更に3時間培
養した。 培養後、6000r.p.m.で10分間遠心してヒトプ
ロカリクレイン生産菌を集菌した。 得られた菌体を電顕にて観察したところ、ヒ
トプロカリクレインは菌体のペリプラズムに分
泌され、顆粒を形成していることが分つた。 このヒトプロカリクレイン生産菌を1mg/ml
リゾチーム、10mMトリス−塩酸、PH8.025m
M EDTA溶液100mlにて溶菌させ、さらに超
高波により完全に破壊した。その後、不溶性蛋
白を遠心分離(65000r.p.m.10分間)により沈
殿として得た。この沈殿を5Mグアニジン塩酸、
50mMトリス−塩酸溶液に懸濁し、4℃で1晩
撹拌し溶解した。不溶物を遠心分離により取り
除いた後、蛋白濃度が、A280<1になる様、
また最終濃度1Mグアニジン塩酸、50mMトリ
ス−塩酸、0.005%Tween80、2mM酸化型グ
ルタチオン、0.02mM還元型グルタチオンPH
8.0になる様にうすめた。このものを4℃で2
晩半放置した後、50mM塩化ナトリウム、50m
Mトリスー塩酸、0.005%Tween80PH8.0に対し
て透析してグアニジンおよびグルタチオンを除
いた後、遠心分離により不溶物を取り除き上清
を得た。この上清にヒトプロカリクレインが可
溶化していることをSDS−ポリアクリルアミド
電気泳動およびウエスタンブロツト法により確
認した。 これをトリプシンで処理してプロペプチドを
除去し、ヒトカリクレイン(活性型)とした
後、トリプシンインヒビターを加えトリプシン
活性を抑えた上で、MoritaらJ.Biochem、82
(1977)1495−149に記載された方法に従い、カ
リクレイン活性を測定した。即ち、Pro−Phe
−Arg−MCA(シグマ社製)をその基質として
使用したヒトカリクレインを作用させ、遊離し
たMCAを、380nmの光で励起し、440nmの光
の発光により、測定した。 その結果を表1に示した。 【表】 参考例 (pOFAの作製) 特願昭61−220835号の記載に従つて得たプラ
スミドphMAVD・lacI10μgを、緩衝液H100μ
中にて、BamHおよびAvaそれぞれ10μ
の使用し、37℃で2時間反応させて消化した
後、5%アクリルアミドゲル電気泳動により
DNAフラグメントを分離し、0.05%エチジウ
ムブロマイドにより染色し、大きいDNAフラ
グメントを切り出し、常法に従い抽出した。…
フラグメント phMAVD・lac1μgを、緩衝液H10μ中
にて、PstI1μにより消化した後、70℃、10分
間加熱して酵素を失活させた。次に水に対して
透析し、蒸発乾固した。 このものを緩衝液P(10mM酢酸カリウム、
33mMトリス−酢酸、10mM酢酸マグネシウム
および0.5mMジチオスレイトール)20μにて
T4DNAポリメラーゼを用い、37℃で15分反応
させ、その後70℃で10分間加熱して、酵素を失
活させた後水に対して透析し、蒸発乾固を行
い、さらに水10μに溶かした。…フラグメン
ト 変異プライマーの5′リン酸化 下記の36塩基の変異プライマー150pmolを緩
衝液K(1mMEDTA、50mMトリス−塩酸
(PH7.5)、6mM塩化マグネシウムおよび5m
Mジチオスレイトール10μ中にて、T4ポリヌ
クレオチドキナーゼ1μを用い、37℃で1時
間反応させて5′リン酸化した。 ヘテロデユープレツクスの形成 フラグメント0.05pmol、フラグメント
0.05pmolおよび5′−リン酸化プライマー
45pmolに5倍濃度のポリメラーゼ・リガーゼ
緩衝液(0.5M塩化ナトリウム、32.5mMトリ
スー塩酸(PH7.5)、40mM塩化マグネシウムお
よび5mMβ−メルカプトエタノール)を12μ
加え、計34.8μの系とし、100℃で3分間煮
沸し、直ちに30℃の恒温槽に入れて30分間放置
した。次に、4℃にて30分間放置し、更に氷上
に10分間放置してヘテロデユープレツクスを形
成させた。 このヘテロデユープレツクスを含む水溶液
11.6μに2.5mM4−デオキシヌクレオチドト
リリン酸を2μ、10mMATPを2μ加え、更
に2uのKlenow酵素および0.5uのT4DNAリガ
ーゼを加え、計20μの系にて12.5℃で16時間
反応させ、DNAを環状化させた。 この環状DNAを含む水溶液2μを用い、常
法に従い大腸菌JM109を形質転換し、形質転換
体を得た。この形質転換体からプラスミドを常
法に従い分離・精製し、制限酵素Kpnにより
切断し、0.8%アガロースゲル電気泳動により
確認を行い、消化されたプラスミドを変異プラ
スミドとして得た。この場合得られる変異プラ
スミドには、往々にしてもとのプラスミド(野
生型)が混入しているので、この変異プラスミ
ドを用いて再度大腸菌JM109を形質転換し、変
異プラスミドを純化した。この様にしてプラス
ミドpOmpKpnを得た。 特願昭61−268362号の記載に従つて得た
pMTI2 1μgを緩衝液L(10mMトリス−塩酸
および6mM塩化マグネシウム10μにて、
KpnI1μを用いて、37℃で2時間反応させて
消化した。更に70℃で10分間加熱して酵素を失
活させた後、水に対して透析し、蒸発乾固し
た。次に、緩衝液H10μにてPst1μを用い
て37℃で2時間反応させ消化した後、70℃で10
分間加熱して酵素を失活させ、水に対して透析
し蒸発乾固した。 一方、pOmpKpnを同様の手順でKpnお
よびPstで消化し、蒸発乾固した。 消化処理した上記2つのDAN断片を緩衝液
L10μに溶解し、T4DNAリガーゼ1μを用
いて4℃で16時間反応させた。 この反応物3μを用いて、大腸菌JM109コ
ンピテントセルを形質転換し、得られた形質転
換体よりプラスミドを分離・精製し、Hind
およびSmaの制限酵素により切断し、
pOmpKpnのlac−OmpFを含むフラグメ
ントとpMTI2の複製開始点、lpp転写終結配列
およびマルチクローニング配列を含むプラスミ
ドpOFAを得た。(第3図)。
トカリクレイン又はそれと同等と生理活性を有す
るヒトカリクレイン様物質の産生方法に関する。 (従来の技術および発明が解決しようとする問題
点) カリクレインの研究は、1926年にFreyが、ヒ
ト尿中にイヌへの静脈内投与で継続的に血圧を下
げる非透析性の物質を見い出したことに始まる
〔E.K.Frey.、Arch.Klin.Chir.、142、663−668、
1926〕。その後、1930年にKrautらが膵臓の中に
も同様の物質が存在すること明らかにして、カリ
クレインと命名した〔H.Kraut、E.K.Frey and
E.Werle:Z.Physiol.Chem.、189、97−106、
1930〕。 カリクレインは、大別すると血漿カリクレイン
と腺性カリクレインに分けられ、現在はもつぱら
哺乳動物の膵臓から調製された腺性カリクレイン
が医薬として使用されている。血漿カリクレイン
および腺性カリクレインとも、血中のα2−グロブ
リン画分にあるキニノ−ゲンを基質として作用
し、キニンを生成させる。これらの生成されたキ
ニンは、いずれも平滑筋の収縮、血管拡張、血管
透過性亢進などの作用を示す。従つて、臨床的に
はこれらの作用を基盤として、(1)初老期の循環障
害(脳動脈硬化症、高血圧症)、(2)血行障害に基
づく組織の栄養障害、(3)難治性創傷および潰瘍な
どの改善等に使用されている。 現在、臨床的に使用されているカリクレイン
は、主にブタの膵臓から調製したものであり、量
的に大量に得ることは難しい。また、カリクレイ
ンのアミノ酸配列には、生物種による差異が存在
し、ヒトのカリクレインとブタのカリクレインと
では、アミノ酸配列に若干の相違がある。このこ
とから、人間にブタのカリクレインを投与するこ
とは、免疫学上の問題からあまり好ましいことで
はない。しかしながら、ヒトのカリクレインは尿
中等に存在するものの、その量が微量であるため
に、製剤として使用することは不可能であつた。 そこで本発明者は、ヒトカリクレインを遺伝子
工学的手法によつて大量生産すべく、先にヒトカ
リクレインをコードするDNA部分を含むプレプ
ロカリクレイン遺伝子を取得した(特開昭62−
126980号公報)が、未だ大腸菌等の宿主内でヒト
カリクレインを効率よく発現させ得る発現ベクタ
ーを構築するには至つておらず、医薬品として供
し得るヒトカリクレインを安価にしかも大量に得
ることはできなかつた。 (問題点を解決するための手段) 本発明者は、ヒトカリクレイン様蛋白質を宿主
内で効率よく発現され得る発現ベクターを得るべ
く更に検討を重ねた結果、ヒトカリクレイン様蛋
白質をコードするDNAのみを直接ベクターに組
み込んだ場合や、ヒトカリクレイン由来のシグナ
ルペプチドをコードするDNAを含むプレプロカ
リクレイン遺伝子をベクターに組み込んだ場合は
必ずしも十分な発現効率は得られないが、ヒトプ
ロカリクレイン様蛋白質をコードするDNAを
OmpF等の大腸菌の外膜蛋白質のシグナルペプチ
ドをコードするDNAと連結し、更には特定のプ
ロモーターと組み合せることによつて効率よく発
現し得る発現ベクターを構築することができ、初
めて遺伝子工学的手法によりヒトカリクレイン様
蛋白質を産生することに成功し、本発明を完成す
るに至つた。 即ち、本発明の要旨は、ヒトカリクレイン又は
それと同等と生理活性を有するヒトカリクレイン
様物質をコードするDNA断片の上流に大腸菌の
外膜蛋白質のシグナルペプチドをコードする
DNA断片を連結したDNA断片を含有する発現ベ
クターで形質転換された宿主微生物を培養し、該
宿主微生物の菌体内に不溶性蛋白として産生する
ヒトカリクレイン又は該ヒトカリクレイン様物質
を取得することを特徴とするヒトカリクレイン様
蛋白質の産生方法に存する。 以下本発明を説明するに、本発明の目的蛋白質
であるヒトカリクレイン様蛋白質をコードする
DNA断片は、特開昭62−126980号公報に記載の
方法に従い、ヒト膵臓からmRNAを調製し、岡
山・バーグの方法〔Molecular and Cellular
Biology、2、161−170、1982〕によつてcDNA
ライブラリーを得、これから例えばラツトカリク
レインcDNAをプローブとしてヒトカリクレイン
様蛋白質のcDNAをスクリーニングし、それを増
幅することによつて得られる。 上記の様にして得られるヒトカリクレイン様蛋
白質のcDNAには、通常17個のアミノ酸から成る
シグナルペプチドおよび7個のアミノ酸から成る
プロセグメントをコードするDNA部分を有する
が、本発明においては、かかるヒトカリクレイン
様蛋白質由来のシグナルペプチド部分を含んだ
DNA断片を使用して発現ベクターを構築した場
合、或いは該シグナルペプチドおよびプロセグメ
ントをコードするDNA部分を除去したヒトカリ
クレイン様蛋白質のDNA断片のみを使用して発
現ベクターを構築した場合、大腸菌内において良
好な発現効率は期待できない。 本発明においては、ヒトプロカリクレイン様蛋
白質あるいはヒトカリクレイン様蛋白質のDNA
の断片の上流にOmpF、OmpC、OmpA等の大腸
菌の外膜蛋白質のシグナルペプチドをコードする
DNA断片を連結したDNA断片を使用するのが重
要である。 かかるDNA断片を導入する発現ベクターは、
これら遺伝子を転写制御できる位置にプロモータ
ーを有する。 この様なプロモーターとしては、宿主微生物に
おいて機能するものであれば、公知のいずれのも
のも使用し得るが、tacプロモーター〔Proc.
Natl.Acad.Sci.USA、81、21、1983〕、λPLPRプ
ロモーター、Pacプロモーター(特願昭61−
268362号)等のハイブリツドプロモーター、特
に、tacプロモーターが好適である。これらのプ
ロモーターを2つ以上連結すると発現効率が向上
するので好ましい。 また、本発明において、発現ベクターはプロモ
ーターの制御因子であるリプレツサー遺伝子
(lacI)、翻訳開始の為のリボソーム結合配列お
よび転写を終結させる為の転写ターミネータ配列
(lpp3′領域)を適宜組合せ、目的遺伝の発現効率
を高める様工夫したものが使用される。また、発
現ベクターにより形質転換された菌の選択を容易
に行う為に、薬剤(アンピシリン)耐性遺伝子を
発現ベクターに組み込んでもよい。 かくして得られる発現ベクターによ宿主微生物
を形質転換する。 宿主微生物としては、大腸菌JM109、HB101、
YK537、YA21等の大腸菌、枯草菌MI112、
NP58等の枯草菌が挙げられる。 形質転換は、常法、例えば、モレキユラー・ク
ローニング(Molecular cloning)、Cold Spring
Harbor、第250頁、1982年に記載の方法に準じて
行えばよい。 この様にして得られた本発明の発現プラスミド
保持菌をL培養液(L broth)またはM9培地
(M9Medium)の様な培地にて培養し、プロモー
ター、例えばtacプロモーターの誘導物質である
イソプロピル−β−D−ガラクトピラノシドを培
地に添加することにより目的物質であるヒトカリ
クレイン様蛋白質発現を誘導するなどして、ヒト
カリクレイン様蛋白質を産生させ、常法に従い分
離精製することによつてヒトカリクレイン様蛋白
質を取得することができる。 本発明においては、ヒトプロカリクレイン様蛋
白質として発現させた方が発現効率上好ましい
が、その場合は、産生されたヒトプロカリクレイ
ン様蛋白質をトリプシンで処理することにより目
的のヒトカリクレイン様蛋白質を得ることができ
る。 (発明の効果) 本発明によれば、ヒトカリクレイン様蛋白質を
効率よく発現させることができる。例えば、大腸
菌内で約10mg/程度のヒトカリクレイン様蛋白
質を発現させることができ、従来ヒトの尿から調
製していた方法に比べ、約1000倍以上の高率でヒ
トカリクレイン様蛋白質を取得することが可能と
なつた。 (実施例) 以下、実施例により本発明を更に具体的に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下
の実施例により限定されるものではない。 実施例 1 A 発現プラスミドの構築 (a) ヒトカリクレインcDNAの部位特異的改変
法による改変 (1) N末端側の差異 特開昭62−126980号公報に記載された
方法に従つて得たphKK25(第1−a図)
5μgを10mMトリス−塩酸(PH7.5)、
100mM塩化ナトリウムおよび6mM塩
化マグネシウムから成る緩衝液(以下、
「緩衝液H」と称する)100μ中でPst
I10uと37℃で2時間反応させ、消化して
75℃、15分間加熱し酵素を失活させた
後、水に対して透析を行ない乾燥させ
た。このものに33mMトリス−酢酸(PH
7.9)、66mM酢酸カリウム、10mM酢酸
マグネシウムおよび0.5mMジチオスレ
イトールから成る緩衝液、そして2mM
の濃度となるように4種類のデオキシヌ
クレオチドトリリン酸(dNTP)を加え
全量を40μの系とし、T4DNAポリメ
ラーゼ4uによる3′突出末端を平滑化
し、70℃で10分間加熱し酵素を失活させ
た後、水に対して透析し、乾燥させた後
50μの水溶液として保存した。…フラ
グメント 一方、phKK25 20μgを前述の緩衝液
H100μ中で、EcoR及びApa各
20uと37℃で2時間反応され消化した。
このものを5%アクリルアミドゲル電気
泳動(89mMトリス、89mMホウ酸、2
mMEDTA緩衝液;10v/cm、1.5時間泳
動)にてDNAを分離し、ゲルを0.05%
エチジウムブロマイド水溶液で染色後
340nmの紫外線の下で分子量の大きい
方のフラグメントを切り出し、ゲルをガ
ラス棒にて破砕した後DNA抽出緩衝液
(0.5M酢酸アンモニウム、10mM酢酸マ
グネシウム、1mM EDTAおよび0.1
%ラウリル硫酸ナトリウム)4ml中に懸
濁し、37℃で1晩放置してゲルより
DNAを抽出した。大きなゲル片を
10000r.p.m.15分間の遠心分離操作で除
いた後、グラスフイルターによりさらに
小さなゲル片を除き、エタノール沈殿を
3回行つてDNAを精製し、200μの水
溶液として保存した。…フラグメント 下記塩基配列から成る49baseのDNA
断片(プライマー)をDNA合成機(日
科機社;Applied Biosystem MODEL
380A)にて合成した。 この合成DNA断片150pmolをキナー
ゼ緩衝液(50mMトリスー塩酸(PH
8.0)、10mM塩化マグネシウムおよび5
mMジチオスレイトール)10μの系で
20uのT4ポリヌクレオチドキナーゼによ
り5′リン酸化した。 フラグメント0.05pmol、フラグメ
ント0.05pmol及び5′リン酸化プライマ
ー45pmolに5倍濃度のポリメラーゼ、
リガーゼ緩衝液(0.5M塩化ナトリウム、
32.5mMトリスー塩酸(PH7.5)、40mM
塩化マグネシウムおよび5mMβ−メル
カポトエタノール)を12μ加え計34.8μ
の系とし、100℃で3分間煮沸した後
直ちに30℃の恒温槽に入れ30分間放置
し、氷上に10分間放置してヘテロデユー
プレツクスを形成させた。 このヘテロデユープレツクス11.6μ
に2.5mM4種類のデオキシヌクレオチド
トリリン酸(dNTP)を4μ、10m
MATPを2μ、Klenow酵素を2u及び
T4DNAリガーゼを0.5uを加えた合計
20μの系にて16℃一晩反応させ、環状
化させた。 この環状物2μを用い、常法に従い
大腸菌HB101株を形質転換して増殖さ
せた。続いて形質転換体のプラスミドを
常法に従い、Pstにより2個のDNA断
片に切断される変異プラスミドを得た。 かくして得られる変異プラスミドには
もとのプラスミド(野生型)が混入して
いるため、再度形質転換を行い変異プラ
スミドを純化した。この様にして、第1
−6図に示すプラスミドphKK−spを得
た。 (2) C末端の改変 phKK−sp5μgを緩衝液H100μで
Pst10uと37℃で2時間反応させて消
化し、引き続いて75℃で15分間加熱して
酵素を失活させた後、水に対して透析し
乾燥させた。このものに33mMトリスー
酢酸(PH7.9)、66mM酢酸カリウム、10
mM酢酸マグネシウムおよび0.5mMジ
チオスレイトールより成る緩衝液、そし
て2mMの濃度となるように4種類のデ
オキシヌクレオチドトリリン酸
(dNTP)を加え、40μの系とした。次
にT4DNAポリメラーゼ4uにより3′突
出末端を平滑化し70℃にて10分間加熱し
酵素を失活させ、水に対して透析を行な
い乾燥させた後、50μの水溶液として
保存した。…フラグメント′ 一方、phKK−sp20μgを緩衝液
H100μ中でPvu5uと37℃で2時間反
応させ消化した。このものを5%アクリ
ルアミドゲル電気泳動(89mMトリス、
89mMホウ酸、2mM EDTA緩衝
液;10v/cm、1.5時間泳動)にてDNA
を分離し、ゲルを0.05%エチジウムブロ
マイド水溶液で染色後、340nmの紫外
線の下で分子量の大きい方のフラグメン
トを切り出した。このゲルをガラス棒に
て破砕した後前述のDNA抽出緩衝液4
ml中に懸濁し、37℃で一晩放置してゲル
よりDNAを抽出した。大きなゲル片を
10000r.p.m.15分間の遠心分離操作で除
いた後、グラスフイルターによりさらに
小さなゲル片を除きエタノール沈殿を3
回行つてDNAを精製し、200μの水溶
液として保存した。…フラグメント′ 下記塩基配列から成る40baseのDNA
断片を前述のDNA合成機にて合成した。 この合成DNA断片150pmolを前述の
キナーゼ緩衝液10μの系で20uのT4ポ
リヌクレオチドキナーゼにより5′リン酸
化した。 フラグメント′、フラグメント′お
よび5′リン酸化プライマーを使用する外
は、上記(1)のと同様にして第1−c図
に示すプラスミドphKK−spBを得た。 B ヒトプロカリクレイン分泌発現プラスミドの
構築 ヒトプロカリクレインをコードするDNA
の断片の調製 phKK−spB10μgを緩衝液H100μの系
にてPst20uを用い2時間反応させ切断し
た。このものを75℃で10分間加熱して酵素を
失活させた後水に対して透析を行い、脱塩し
た後乾燥させた。 続いて前述のT4DNAポリメラーゼ緩衝液
50uを加え、T4DNAポリメラーゼ10uを用
いて37℃で30分間反応させ、突出した3′末端
を削り落とした後、70℃で10分間加熱して酵
素を失活させた。次に5.5μの10倍濃度緩衝
液H(0.1Mトリス−塩酸、1M塩化ナトリウ
ムおよび60mM塩化マグネシウム)を加え
Bgl10uにて切断し、前述と同様の方法で
5%アクリルアミドゲル電気泳動にて約
739bpのヒトプロカリクレインをコードする
DNA断片(フラグメントpKK)を分離精製
した。 発現ベクターの作製 後述の参考例で得たpOFA2μgを緩衝液
(10mMトリス−塩酸(PH7.5)および6mM
塩化マグネシウム)20μの系にてKpn5u
を用いて37℃で2時間反応して消化した。こ
のものに10倍濃度のT4DNAポリメラーゼ緩
衝液を2μ加え、4種類のデオキシヌクレ
オチド三リン酸(dNTP)を1mMの濃度に
なる様に加え、T4DNAポリメラーゼ4uによ
り37℃で30分間反応させ、突出した3′末端を
削りおとした後、70℃にて10分間加熱して酵
素を失活させた。 このものに上記10倍濃度緩衝液Hを2.5μ
加え、Bgl4uにて37℃で2時間反応させ
DNAを切断した後、25μの水飽和フエノ
ールにて蛋白を抽出し、上清(水層)を分離
してエーテルにてフエノールを除いた後、水
にて透析し脱塩を行い、乾燥させて10μの
水に溶かした。 ヒトプロカリクレイン分泌発現プラスミド
の作製 フラグメントpKK1μg、前記B−の分
泌発現ベクター0.5μgおよび0.1MATP1μ
を緩衝液(10mMトリス−塩酸、6mM塩化
マグネシウムおよび1mMジチオスレイトー
ル)10μ中にてT4DNAリガーゼ10uを加
え、4℃で16時間反応させて各々フラグメン
トを連結してpOFhKK(第2図)を作製し
た。 C ヒトプロカリクレインの分泌 pOFhKKで大腸菌YK537を形質転換し、得
られた形質転換体をLブロス(10g/バクト
トリプトン、5g/バクトイーストエキスト
ラクト、10g/塩化ナトリウムおよび20mg/
アンピシリン)にて、30℃1晩培養した。こ
の培養物を1/50希釈となるように新しいLブロ
スに移し、30℃にて5時間培養した。次いで、
プラスミド上のtacプロモーターの誘導物質で
あるイソプロピル−β−D−ガラクトピラノシ
ドを2mMの濃度になるように添加し、ヒトプ
ロカリクレインの発現を誘導し、更に3時間培
養した。 培養後、6000r.p.m.で10分間遠心してヒトプ
ロカリクレイン生産菌を集菌した。 得られた菌体を電顕にて観察したところ、ヒ
トプロカリクレインは菌体のペリプラズムに分
泌され、顆粒を形成していることが分つた。 このヒトプロカリクレイン生産菌を1mg/ml
リゾチーム、10mMトリス−塩酸、PH8.025m
M EDTA溶液100mlにて溶菌させ、さらに超
高波により完全に破壊した。その後、不溶性蛋
白を遠心分離(65000r.p.m.10分間)により沈
殿として得た。この沈殿を5Mグアニジン塩酸、
50mMトリス−塩酸溶液に懸濁し、4℃で1晩
撹拌し溶解した。不溶物を遠心分離により取り
除いた後、蛋白濃度が、A280<1になる様、
また最終濃度1Mグアニジン塩酸、50mMトリ
ス−塩酸、0.005%Tween80、2mM酸化型グ
ルタチオン、0.02mM還元型グルタチオンPH
8.0になる様にうすめた。このものを4℃で2
晩半放置した後、50mM塩化ナトリウム、50m
Mトリスー塩酸、0.005%Tween80PH8.0に対し
て透析してグアニジンおよびグルタチオンを除
いた後、遠心分離により不溶物を取り除き上清
を得た。この上清にヒトプロカリクレインが可
溶化していることをSDS−ポリアクリルアミド
電気泳動およびウエスタンブロツト法により確
認した。 これをトリプシンで処理してプロペプチドを
除去し、ヒトカリクレイン(活性型)とした
後、トリプシンインヒビターを加えトリプシン
活性を抑えた上で、MoritaらJ.Biochem、82
(1977)1495−149に記載された方法に従い、カ
リクレイン活性を測定した。即ち、Pro−Phe
−Arg−MCA(シグマ社製)をその基質として
使用したヒトカリクレインを作用させ、遊離し
たMCAを、380nmの光で励起し、440nmの光
の発光により、測定した。 その結果を表1に示した。 【表】 参考例 (pOFAの作製) 特願昭61−220835号の記載に従つて得たプラ
スミドphMAVD・lacI10μgを、緩衝液H100μ
中にて、BamHおよびAvaそれぞれ10μ
の使用し、37℃で2時間反応させて消化した
後、5%アクリルアミドゲル電気泳動により
DNAフラグメントを分離し、0.05%エチジウ
ムブロマイドにより染色し、大きいDNAフラ
グメントを切り出し、常法に従い抽出した。…
フラグメント phMAVD・lac1μgを、緩衝液H10μ中
にて、PstI1μにより消化した後、70℃、10分
間加熱して酵素を失活させた。次に水に対して
透析し、蒸発乾固した。 このものを緩衝液P(10mM酢酸カリウム、
33mMトリス−酢酸、10mM酢酸マグネシウム
および0.5mMジチオスレイトール)20μにて
T4DNAポリメラーゼを用い、37℃で15分反応
させ、その後70℃で10分間加熱して、酵素を失
活させた後水に対して透析し、蒸発乾固を行
い、さらに水10μに溶かした。…フラグメン
ト 変異プライマーの5′リン酸化 下記の36塩基の変異プライマー150pmolを緩
衝液K(1mMEDTA、50mMトリス−塩酸
(PH7.5)、6mM塩化マグネシウムおよび5m
Mジチオスレイトール10μ中にて、T4ポリヌ
クレオチドキナーゼ1μを用い、37℃で1時
間反応させて5′リン酸化した。 ヘテロデユープレツクスの形成 フラグメント0.05pmol、フラグメント
0.05pmolおよび5′−リン酸化プライマー
45pmolに5倍濃度のポリメラーゼ・リガーゼ
緩衝液(0.5M塩化ナトリウム、32.5mMトリ
スー塩酸(PH7.5)、40mM塩化マグネシウムお
よび5mMβ−メルカプトエタノール)を12μ
加え、計34.8μの系とし、100℃で3分間煮
沸し、直ちに30℃の恒温槽に入れて30分間放置
した。次に、4℃にて30分間放置し、更に氷上
に10分間放置してヘテロデユープレツクスを形
成させた。 このヘテロデユープレツクスを含む水溶液
11.6μに2.5mM4−デオキシヌクレオチドト
リリン酸を2μ、10mMATPを2μ加え、更
に2uのKlenow酵素および0.5uのT4DNAリガ
ーゼを加え、計20μの系にて12.5℃で16時間
反応させ、DNAを環状化させた。 この環状DNAを含む水溶液2μを用い、常
法に従い大腸菌JM109を形質転換し、形質転換
体を得た。この形質転換体からプラスミドを常
法に従い分離・精製し、制限酵素Kpnにより
切断し、0.8%アガロースゲル電気泳動により
確認を行い、消化されたプラスミドを変異プラ
スミドとして得た。この場合得られる変異プラ
スミドには、往々にしてもとのプラスミド(野
生型)が混入しているので、この変異プラスミ
ドを用いて再度大腸菌JM109を形質転換し、変
異プラスミドを純化した。この様にしてプラス
ミドpOmpKpnを得た。 特願昭61−268362号の記載に従つて得た
pMTI2 1μgを緩衝液L(10mMトリス−塩酸
および6mM塩化マグネシウム10μにて、
KpnI1μを用いて、37℃で2時間反応させて
消化した。更に70℃で10分間加熱して酵素を失
活させた後、水に対して透析し、蒸発乾固し
た。次に、緩衝液H10μにてPst1μを用い
て37℃で2時間反応させ消化した後、70℃で10
分間加熱して酵素を失活させ、水に対して透析
し蒸発乾固した。 一方、pOmpKpnを同様の手順でKpnお
よびPstで消化し、蒸発乾固した。 消化処理した上記2つのDAN断片を緩衝液
L10μに溶解し、T4DNAリガーゼ1μを用
いて4℃で16時間反応させた。 この反応物3μを用いて、大腸菌JM109コ
ンピテントセルを形質転換し、得られた形質転
換体よりプラスミドを分離・精製し、Hind
およびSmaの制限酵素により切断し、
pOmpKpnのlac−OmpFを含むフラグメ
ントとpMTI2の複製開始点、lpp転写終結配列
およびマルチクローニング配列を含むプラスミ
ドpOFAを得た。(第3図)。
第1図は、実施例1で作製したプラスミドの概
略を表わす図である。図中、aはプラスミド
phKK25、bはプラスミドphKK−spおよびcは
プラスミドphKK−spBを表わす。第2図および
第3図は、参考例で作製したプラスミドの概略を
表わす図である。それぞれプラスミドpOFhKK
およびプラスミドpOFAを表わす。
略を表わす図である。図中、aはプラスミド
phKK25、bはプラスミドphKK−spおよびcは
プラスミドphKK−spBを表わす。第2図および
第3図は、参考例で作製したプラスミドの概略を
表わす図である。それぞれプラスミドpOFhKK
およびプラスミドpOFAを表わす。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ヒトカリクレイン又はそれと同等の生理活性
を有するヒトカリクレイン様物質をコードする
DNA断片の上流に大腸菌の外膜蛋白質のシグナ
ルペプチドをコードするDNA断片を連結した
DNA断片を含有する発現ベクターで形質転換さ
れた宿主微生物を培養し、該宿主微生物の菌体内
に不溶性蛋白として産生するヒトカリクレイン又
は該ヒトカリクレイン様物質を取得することを特
徴とするヒトカリクレイン様蛋白質の産生方法。 2 形質転換される宿主微生物が大腸菌であるこ
とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の産生
方法。 3 大腸菌の外膜蛋白質のシグナルペプチドをコ
ードするDNA断片がOmpF、OmpC又はOmpA
であることを特徴とする特許請求の範囲第2項記
載の産生方法。 4 大腸菌の外膜蛋白質のシグナルペプチドをコ
ードするDNA断片がOmpFであることを特徴と
する特許請求の範囲第3項記載の産生方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12962988A JPH01300893A (ja) | 1988-05-27 | 1988-05-27 | ヒトカリクレイン様蛋白質の産生方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12962988A JPH01300893A (ja) | 1988-05-27 | 1988-05-27 | ヒトカリクレイン様蛋白質の産生方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01300893A JPH01300893A (ja) | 1989-12-05 |
| JPH0448432B2 true JPH0448432B2 (ja) | 1992-08-06 |
Family
ID=15014219
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12962988A Granted JPH01300893A (ja) | 1988-05-27 | 1988-05-27 | ヒトカリクレイン様蛋白質の産生方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH01300893A (ja) |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS61265092A (ja) * | 1985-05-18 | 1986-11-22 | Mitsubishi Chem Ind Ltd | 発現用ベクタ−、これを用いる蛋白の産生方法及び該ベクタ−で形質転換された宿主 |
| JPS62126980A (ja) * | 1985-11-26 | 1987-06-09 | Shigetada Nakanishi | Dna断片 |
-
1988
- 1988-05-27 JP JP12962988A patent/JPH01300893A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01300893A (ja) | 1989-12-05 |
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