JPH0451487B2 - - Google Patents
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- JPH0451487B2 JPH0451487B2 JP60146593A JP14659385A JPH0451487B2 JP H0451487 B2 JPH0451487 B2 JP H0451487B2 JP 60146593 A JP60146593 A JP 60146593A JP 14659385 A JP14659385 A JP 14659385A JP H0451487 B2 JPH0451487 B2 JP H0451487B2
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Description
(産業上の利用分野)
本発明は塩化カリウムの処理方法に係り、殊に
岩塩から分離精製された食品用塩化カリウムを水
にて処理して塩化カリウムが有している苦味等の
不快な呈味を大幅に緩和乃至消失させる、塩化カ
リウムの処理方法に係る。 (従来の技術) 鹹味剤は甘味剤、酸味剤、旨味剤等と同様に食
品加工乃至調味に際しての重要な呈味料であり、
その代表例としては塩化ナトリウム(食塩)があ
る。塩化ナトリウムは単に鹹味をもたらすためだ
けではなく防腐、防黴用の保存料としても重要で
あり魚類の塩蔵や各種食品例えば珍味類、佃煮
類、漬物類、味噌、醤油等の製造に汎用されてお
り、食生活と密接な関係を有していることは周知
の事実である。しかしながら、近年に至り所謂成
人病である高血圧症や心臓病等の循環器系疾患と
塩化ナトリウムの過剰摂取との因果関係が指摘さ
れ、上記循環器系疾患や、腎臓病、肝硬変等の治
療や予防のために塩化ナトリウムの摂取量低減が
推奨されており、従つて健康人でも塩化ナトリウ
ムを含有しない又はその含有量が少ない食品であ
る所謂無塩乃至減塩食品を選択する傾向が高まつ
ている。しかしながら塩化ナトリウム等の鹹味剤
は甘味剤等と共存させる場合に甘味等を引立てる
補助剤としての機能をも有しており、従つて塩化
ナトリウムを含まない食品は所謂大味となり呈味
が劣るものとなる。更に、各種加工食品において
塩化ナトリウムの使用を排除すれば、当然のこと
ながらその保存性に低下が生じる。 従つて、塩化ナトリウムに代る鹹味剤に関する
研究が従来からも種々行われ、各種物質が提案さ
れて来た。就中、本発明が対象としている塩化カ
リウムはその代表的代替物質である。この塩化カ
リウムは比較的低価格であり、食品衛生法上の問
題を有さず、分子量、結晶構造、溶解度等が塩化
ナトリウムに類似しており、更に防腐、防黴効果
も塩化ナトリウムの有している効果に近似してい
るために、塩化ナトリウムの1部を塩化カリウム
に代替した鹹味剤が既に市場にも現われた。しか
しながら塩化カリウムの混合比率を高めると塩化
ナトリウムとは別異の味覚であり、所謂「苦味」
や不快な後味を生じ、従つて食品工業や日常生活
において汎用されるに至つていない。 この目的で、即ち、塩化カリウムが呈味に及ぼ
す上記欠陥を解消するために、従来においても
種々の試みがなされて来たが、これらは塩化カリ
ウムの有している苦味の隠蔽(マスキング)を主
体とするものであり、例えば特開昭57−138359公
報には塩化カリウムにグリシン、L−アラニン、
5′−イノシン酸ナトリウム、L−グルタミン酸ナ
トリウム、グリチルリチン及びグリチルリチン酸
ナトリウムの少くとも1種を添加することが開示
されており、特開昭58−81758公報には塩化カリ
ウムにグリチルリチン、甘草エキス、ステビオサ
イド、モノグリコシルステビオサイド、ステビア
エキス及び可食性人工甘味料の少なくとも1種の
甘味成分等を配合することが開示されている。 一方、特公昭47−13698公報には相対割合で約
20〜80重量%の塩化ナトリウムと約80〜20重量%
の塩化カリウムとを均一な混合物が得られるまで
混合して料理用調味塩組成物を得る方法が開示さ
れている。又、特開昭58−209956公報には塩化ナ
トリウム80−30重量%と塩化カリウム20−70重量
%の混合物100重量部に対して、塩化カルシウム
及び/又は塩化マグネシウム0.2−1重量部を添
加混合し、必要に応じ更にグルタミン酸ソーダ、
イノシン酸ソーダ等の呈味成分を添加混合した辛
味組成物が開示されている。しかしながら、この
公報には具体的な実施例が記載されておらず、効
果の例証もなされていない。 上記従来技術方法による組成物はすべて粉末原
料同志を混合したものであるために、流通過程や
使用時に分級が生じる可能性があるのみならず、
その混合方法や混合比率に種々の課題を有してい
る。即ち、塩化カリウムに添加する呈味改良剤等
の添加量が少ない場合にはその均一混合が甚だ困
難であり、その添加量が過大な場合には呈味改良
剤等の味が発現し、この味が食品自体の味と調和
せず全体として不快な味覚をもたらす虞れがあ
る。例えば塩化カリウムとグルタミン酸ナトリウ
ムとの組成物の場合に、スープ類への添加は良好
な結果をもたらすが野菜サラダへの添加には不向
きである。 更に、特開昭59−198953公報には塩化ナトリウ
ムと塩化カリウムの重量比が1:9〜1:1の範
囲である混合物及び全量に対して1〜20重量%の
粉末固形苦汁からなる低ナトリウム塩味調味料が
開示されている。この従来技術は塩化カリウムの
呈する苦味を苦味源の1つである粉末苦汁の配合
により打消そうとする点に特異性を有している
が、塩化カリウムに対し少なくとも10重量%の塩
化ナトリウムを使用せねばならない点に問題があ
り、又苦汁を使用すれば、これが粉末固形状態で
あろうとも塩化カリウムの吸湿及びこれに伴なう
固結現象を加速させるので好ましくない。 尚、特開昭59−187761公報には塩化カリウム
100重量部、有機酸カルシウム塩1.5−30重量部、
グルタミン酸塩1−30重量部又は/及び核酸系呈
味物質0.01−5重量部の割合で含有している調味
料用組成物が開示されている。この公報において
実験例では粉末原料素材の配合により組成物が調
製されているように見受けられるが、実施例にお
いては、塩化カリウム以外の原料を水に溶解し、
この水溶液を流動しつつある塩化カリウム粒子に
噴霧乃至散布しながら乾燥させることにより上記
の組成物が調製されている。従つて、この公報に
記載の発明による組成物は有機酸、アミノ酸及び
核酸系呈味物質との混合物によるコーテイングの
施された塩化カリウム粒子と云うことができる。
この組成物を試作し、本発明により処理された塩
化カリウムとの嗜好比較試験を専門家パネルによ
り実施したが、本発明方法により処理された塩化
カリウムが有意に優れていた(後記の試験例5参
照)。 (発明が解決しようとする問題点) 従来技術に関する叙上の課題に鑑みて、本発明
は塩化カリウムが有している不快な呈味即ち苦味
や不快な後味を単に隠蔽しようとするのではなく
これら不快味を積極的に解消せしめんとするもの
であり、この際に塩化カリウムが有している種々
の有効特性についてはこれらを犠牲にしないよう
にするものである。 (問題点を解決するための手段及び作用) 本発明によれば、上記の問題点は、電気伝導度
が約140μS/cm又はそれ以上の水に塩化カリウム
を溶解させ、次いでこの溶液の水分を蒸散させる
ことを特徴とする、塩化カリウムの処理方法によ
り解決される。 即ち、作用機序は解明されるに至つていない
が、上記のように塩化カリウムを処理すると、塩
化カリウムが有している不快な呈味が顕著に緩和
乃至消失してしまい、塩化ナトリウムに極めて近
似したものとなるのである。 本明細書で言及する「電気伝導度」とは断面積
が1cm2、距離1cm容の溶液における対面間の電気
抵抗の逆数であり、本明細書に記載されている電
気伝導値は機器として東亜電波株式会社製の
“Conduct Meter CM−73”を使用し、25℃の温
度条件で測定した値であり、この値は水又は水溶
液中に存在する陽イオン及び陰イオンの合計量が
関与する。例えば、水中にNa+,Ca++又はCl-が
水1リツトルに対して1mg溶存している場合に、
これらのイオンが電気伝導度値に及ぼす影響は25
℃において下記の通りである。 Na+:2.13(μS/cm) Ca++:2.60 Cl-:2.14 本発明において「電気伝導度が約140μS/cm又
はそれ以上の水」と規定されているが、電気伝導
度が極めて低い蒸留水や脱イオン水の使用を排除
するものではない。但し、このような水質の水を
使用する場合にはミネラル、酸及びその塩の内の
少なくとも1種類の物質を添加して電気伝導度を
上記のように約140μS/cm又はそれ以上の値に予
め調整する必要性がある。即ち、本明細書におい
て言及する「水」とは水道水、飲料用井戸水、ミ
ネラルウオーター、飲料用湧水等の飲料水、蒸留
水、脱イオン水を指称し、その電気伝導度値が低
い場合には上記の添加物を加えて約140μS/cm又
はそれ以上の値に調整されるのである。尚、上記
の飲料水を利用する場合に、その水中にはNa,
K,Ca,Mgイオン等のミネラルイオン、Cl,
SO4イオン等の陰イオン、塩類、遊離炭酸、鉱
酸、有機酸等を溶存している場合があり、この飲
料水に塩化カリウムを溶解させ、水分を蒸散させ
る場合に残留する物質も存在するが、これらの物
質は存在しても差し支えない。 本明細書において「塩化カリウム」とは絶対的
ではないが、岩塩から分離・精製されたものであ
つて、105℃程度で2時間乾燥させた後に定量す
る場合に塩化カリウムとして99%含有している食
品用塩化カリウムを指称している。 水の電気伝導度の調整に主として使用される添
加物の内でミネラルや塩は、その目的の上から水
溶性であることが好ましいが、水に難溶性のもの
であつても可溶化させることにより、例えば酸を
併用して水中のPHを下げることにより使用可能で
ある。添加物の内の酸は主として有機酸及びアミ
ノ酸であり、有機酸としてはクエン酸、リンゴ
酸、フマール酸を例示することができ、又アミノ
酸としてはグリシン、アラニン、グルタミン酸を
例示することができる。これらの添加物の内で自
体呈味を有する場合には、その過剰使用は差し控
えるべきである。例えば、塩化カリウムに対して
有機酸又はその塩の場合には1重量%程度を、又
アミノ酸又はその塩の場合には2重量%程度を越
えて添加するのは好ましくない。 塩化カリウムは飲料水に直接溶解され、若しく
は飲料水、蒸留水又は脱イオン水に上記添加物を
溶解させた水溶液に溶解せしめられる。塩化カリ
ウムの溶解度は水100g中に20℃で34.4g、60℃
で45.9gであるが、その添加量は溶解温度を考慮
して適宜設定することができる。 本明細書において「ミネラルイオン」とは当然
のことながら水中で解離している1価又は2価の
ミネラルイオンを称するものであり、水不溶性の
ミネラルは塩化カリウムの呈味改善に影響を及ぼ
すものではない。例えば蒸留水にCaCO3等の非
水溶性塩を添加し、この水中に塩化カリウムを溶
解させ、次いで水分を蒸散させて得た塩化カリウ
ムは苦味の軽減や鹹味の増強のような効果を発現
しない。しかしながらリンゴ酸の如き有機酸を上
記水に添加して上記非水溶性塩であるCaCO3を
可溶化してカルシウムをイオン化させれば、水分
の蒸散により得られる塩化カリウムに呈味改善が
もたらされる。この事実は水中の解離イオンが処
理塩化カリウムの呈味改善に大きな影響を及ぼす
ことを示している。但し、所定水質の水に塩化カ
リウムを溶解してその濃厚溶液を調製した後に、
溶解度差を利用して再結晶させた後に濾別、遠心
脱水機等で脱水した残渣を所定水分以下となるよ
うに乾燥させた塩化カリウムは呈味的改善を示せ
ず、未処理塩化カリウムと同様であり、このこと
は水分の蒸散処理が本発明の要件であることを示
している。この水分の蒸散は自体公知の方法に
て、例えば蒸発乾固法、スプレードライ法、真空
乾燥法、熱風乾燥法等にて又はこれらを適宜組合
せることにより実施することができる。 (実施例及び試験例) 実施例 1 電気伝導度180μS/cmの水道水100mlに食品用
塩化カリウム30へを添加し、沸騰するまで加熱し
て塩化カリウムを溶解させた後に、この溶液を60
℃迄冷却させロータリーエバポレータにて減圧濃
縮して水分を18重量%をなす。この濃縮品を磁製
皿に採取し、80℃の熱風乾燥機で処理して水分
0.3重量%の乾燥品とし、次に20メツシユ篩によ
り整粒処理して水道水処理塩化カリウムを得た。 一方、電気伝導度0.11μS/cmの脱イオン水100
ml中に食品用塩化カリウム30gを添加して上記と
同様に溶解、乾燥、整粒処理して脱イオン水処理
塩化カリウムを得た。 上記両塩化カリウム試料に関して専門家パネル
20人により官能検査を行なつた。 判定は無処理の食品用塩化カリウムを対照品と
し、苦味と鹹味について行ないクレーマーの検定
法を用い危険率5%で行われた。 結果は下表に示される通りであり、水道水処理
品は呈味に明らかな改善が見受けられ、一方脱イ
オン水処理品は呈味改善効果が低いことが判る。
岩塩から分離精製された食品用塩化カリウムを水
にて処理して塩化カリウムが有している苦味等の
不快な呈味を大幅に緩和乃至消失させる、塩化カ
リウムの処理方法に係る。 (従来の技術) 鹹味剤は甘味剤、酸味剤、旨味剤等と同様に食
品加工乃至調味に際しての重要な呈味料であり、
その代表例としては塩化ナトリウム(食塩)があ
る。塩化ナトリウムは単に鹹味をもたらすためだ
けではなく防腐、防黴用の保存料としても重要で
あり魚類の塩蔵や各種食品例えば珍味類、佃煮
類、漬物類、味噌、醤油等の製造に汎用されてお
り、食生活と密接な関係を有していることは周知
の事実である。しかしながら、近年に至り所謂成
人病である高血圧症や心臓病等の循環器系疾患と
塩化ナトリウムの過剰摂取との因果関係が指摘さ
れ、上記循環器系疾患や、腎臓病、肝硬変等の治
療や予防のために塩化ナトリウムの摂取量低減が
推奨されており、従つて健康人でも塩化ナトリウ
ムを含有しない又はその含有量が少ない食品であ
る所謂無塩乃至減塩食品を選択する傾向が高まつ
ている。しかしながら塩化ナトリウム等の鹹味剤
は甘味剤等と共存させる場合に甘味等を引立てる
補助剤としての機能をも有しており、従つて塩化
ナトリウムを含まない食品は所謂大味となり呈味
が劣るものとなる。更に、各種加工食品において
塩化ナトリウムの使用を排除すれば、当然のこと
ながらその保存性に低下が生じる。 従つて、塩化ナトリウムに代る鹹味剤に関する
研究が従来からも種々行われ、各種物質が提案さ
れて来た。就中、本発明が対象としている塩化カ
リウムはその代表的代替物質である。この塩化カ
リウムは比較的低価格であり、食品衛生法上の問
題を有さず、分子量、結晶構造、溶解度等が塩化
ナトリウムに類似しており、更に防腐、防黴効果
も塩化ナトリウムの有している効果に近似してい
るために、塩化ナトリウムの1部を塩化カリウム
に代替した鹹味剤が既に市場にも現われた。しか
しながら塩化カリウムの混合比率を高めると塩化
ナトリウムとは別異の味覚であり、所謂「苦味」
や不快な後味を生じ、従つて食品工業や日常生活
において汎用されるに至つていない。 この目的で、即ち、塩化カリウムが呈味に及ぼ
す上記欠陥を解消するために、従来においても
種々の試みがなされて来たが、これらは塩化カリ
ウムの有している苦味の隠蔽(マスキング)を主
体とするものであり、例えば特開昭57−138359公
報には塩化カリウムにグリシン、L−アラニン、
5′−イノシン酸ナトリウム、L−グルタミン酸ナ
トリウム、グリチルリチン及びグリチルリチン酸
ナトリウムの少くとも1種を添加することが開示
されており、特開昭58−81758公報には塩化カリ
ウムにグリチルリチン、甘草エキス、ステビオサ
イド、モノグリコシルステビオサイド、ステビア
エキス及び可食性人工甘味料の少なくとも1種の
甘味成分等を配合することが開示されている。 一方、特公昭47−13698公報には相対割合で約
20〜80重量%の塩化ナトリウムと約80〜20重量%
の塩化カリウムとを均一な混合物が得られるまで
混合して料理用調味塩組成物を得る方法が開示さ
れている。又、特開昭58−209956公報には塩化ナ
トリウム80−30重量%と塩化カリウム20−70重量
%の混合物100重量部に対して、塩化カルシウム
及び/又は塩化マグネシウム0.2−1重量部を添
加混合し、必要に応じ更にグルタミン酸ソーダ、
イノシン酸ソーダ等の呈味成分を添加混合した辛
味組成物が開示されている。しかしながら、この
公報には具体的な実施例が記載されておらず、効
果の例証もなされていない。 上記従来技術方法による組成物はすべて粉末原
料同志を混合したものであるために、流通過程や
使用時に分級が生じる可能性があるのみならず、
その混合方法や混合比率に種々の課題を有してい
る。即ち、塩化カリウムに添加する呈味改良剤等
の添加量が少ない場合にはその均一混合が甚だ困
難であり、その添加量が過大な場合には呈味改良
剤等の味が発現し、この味が食品自体の味と調和
せず全体として不快な味覚をもたらす虞れがあ
る。例えば塩化カリウムとグルタミン酸ナトリウ
ムとの組成物の場合に、スープ類への添加は良好
な結果をもたらすが野菜サラダへの添加には不向
きである。 更に、特開昭59−198953公報には塩化ナトリウ
ムと塩化カリウムの重量比が1:9〜1:1の範
囲である混合物及び全量に対して1〜20重量%の
粉末固形苦汁からなる低ナトリウム塩味調味料が
開示されている。この従来技術は塩化カリウムの
呈する苦味を苦味源の1つである粉末苦汁の配合
により打消そうとする点に特異性を有している
が、塩化カリウムに対し少なくとも10重量%の塩
化ナトリウムを使用せねばならない点に問題があ
り、又苦汁を使用すれば、これが粉末固形状態で
あろうとも塩化カリウムの吸湿及びこれに伴なう
固結現象を加速させるので好ましくない。 尚、特開昭59−187761公報には塩化カリウム
100重量部、有機酸カルシウム塩1.5−30重量部、
グルタミン酸塩1−30重量部又は/及び核酸系呈
味物質0.01−5重量部の割合で含有している調味
料用組成物が開示されている。この公報において
実験例では粉末原料素材の配合により組成物が調
製されているように見受けられるが、実施例にお
いては、塩化カリウム以外の原料を水に溶解し、
この水溶液を流動しつつある塩化カリウム粒子に
噴霧乃至散布しながら乾燥させることにより上記
の組成物が調製されている。従つて、この公報に
記載の発明による組成物は有機酸、アミノ酸及び
核酸系呈味物質との混合物によるコーテイングの
施された塩化カリウム粒子と云うことができる。
この組成物を試作し、本発明により処理された塩
化カリウムとの嗜好比較試験を専門家パネルによ
り実施したが、本発明方法により処理された塩化
カリウムが有意に優れていた(後記の試験例5参
照)。 (発明が解決しようとする問題点) 従来技術に関する叙上の課題に鑑みて、本発明
は塩化カリウムが有している不快な呈味即ち苦味
や不快な後味を単に隠蔽しようとするのではなく
これら不快味を積極的に解消せしめんとするもの
であり、この際に塩化カリウムが有している種々
の有効特性についてはこれらを犠牲にしないよう
にするものである。 (問題点を解決するための手段及び作用) 本発明によれば、上記の問題点は、電気伝導度
が約140μS/cm又はそれ以上の水に塩化カリウム
を溶解させ、次いでこの溶液の水分を蒸散させる
ことを特徴とする、塩化カリウムの処理方法によ
り解決される。 即ち、作用機序は解明されるに至つていない
が、上記のように塩化カリウムを処理すると、塩
化カリウムが有している不快な呈味が顕著に緩和
乃至消失してしまい、塩化ナトリウムに極めて近
似したものとなるのである。 本明細書で言及する「電気伝導度」とは断面積
が1cm2、距離1cm容の溶液における対面間の電気
抵抗の逆数であり、本明細書に記載されている電
気伝導値は機器として東亜電波株式会社製の
“Conduct Meter CM−73”を使用し、25℃の温
度条件で測定した値であり、この値は水又は水溶
液中に存在する陽イオン及び陰イオンの合計量が
関与する。例えば、水中にNa+,Ca++又はCl-が
水1リツトルに対して1mg溶存している場合に、
これらのイオンが電気伝導度値に及ぼす影響は25
℃において下記の通りである。 Na+:2.13(μS/cm) Ca++:2.60 Cl-:2.14 本発明において「電気伝導度が約140μS/cm又
はそれ以上の水」と規定されているが、電気伝導
度が極めて低い蒸留水や脱イオン水の使用を排除
するものではない。但し、このような水質の水を
使用する場合にはミネラル、酸及びその塩の内の
少なくとも1種類の物質を添加して電気伝導度を
上記のように約140μS/cm又はそれ以上の値に予
め調整する必要性がある。即ち、本明細書におい
て言及する「水」とは水道水、飲料用井戸水、ミ
ネラルウオーター、飲料用湧水等の飲料水、蒸留
水、脱イオン水を指称し、その電気伝導度値が低
い場合には上記の添加物を加えて約140μS/cm又
はそれ以上の値に調整されるのである。尚、上記
の飲料水を利用する場合に、その水中にはNa,
K,Ca,Mgイオン等のミネラルイオン、Cl,
SO4イオン等の陰イオン、塩類、遊離炭酸、鉱
酸、有機酸等を溶存している場合があり、この飲
料水に塩化カリウムを溶解させ、水分を蒸散させ
る場合に残留する物質も存在するが、これらの物
質は存在しても差し支えない。 本明細書において「塩化カリウム」とは絶対的
ではないが、岩塩から分離・精製されたものであ
つて、105℃程度で2時間乾燥させた後に定量す
る場合に塩化カリウムとして99%含有している食
品用塩化カリウムを指称している。 水の電気伝導度の調整に主として使用される添
加物の内でミネラルや塩は、その目的の上から水
溶性であることが好ましいが、水に難溶性のもの
であつても可溶化させることにより、例えば酸を
併用して水中のPHを下げることにより使用可能で
ある。添加物の内の酸は主として有機酸及びアミ
ノ酸であり、有機酸としてはクエン酸、リンゴ
酸、フマール酸を例示することができ、又アミノ
酸としてはグリシン、アラニン、グルタミン酸を
例示することができる。これらの添加物の内で自
体呈味を有する場合には、その過剰使用は差し控
えるべきである。例えば、塩化カリウムに対して
有機酸又はその塩の場合には1重量%程度を、又
アミノ酸又はその塩の場合には2重量%程度を越
えて添加するのは好ましくない。 塩化カリウムは飲料水に直接溶解され、若しく
は飲料水、蒸留水又は脱イオン水に上記添加物を
溶解させた水溶液に溶解せしめられる。塩化カリ
ウムの溶解度は水100g中に20℃で34.4g、60℃
で45.9gであるが、その添加量は溶解温度を考慮
して適宜設定することができる。 本明細書において「ミネラルイオン」とは当然
のことながら水中で解離している1価又は2価の
ミネラルイオンを称するものであり、水不溶性の
ミネラルは塩化カリウムの呈味改善に影響を及ぼ
すものではない。例えば蒸留水にCaCO3等の非
水溶性塩を添加し、この水中に塩化カリウムを溶
解させ、次いで水分を蒸散させて得た塩化カリウ
ムは苦味の軽減や鹹味の増強のような効果を発現
しない。しかしながらリンゴ酸の如き有機酸を上
記水に添加して上記非水溶性塩であるCaCO3を
可溶化してカルシウムをイオン化させれば、水分
の蒸散により得られる塩化カリウムに呈味改善が
もたらされる。この事実は水中の解離イオンが処
理塩化カリウムの呈味改善に大きな影響を及ぼす
ことを示している。但し、所定水質の水に塩化カ
リウムを溶解してその濃厚溶液を調製した後に、
溶解度差を利用して再結晶させた後に濾別、遠心
脱水機等で脱水した残渣を所定水分以下となるよ
うに乾燥させた塩化カリウムは呈味的改善を示せ
ず、未処理塩化カリウムと同様であり、このこと
は水分の蒸散処理が本発明の要件であることを示
している。この水分の蒸散は自体公知の方法に
て、例えば蒸発乾固法、スプレードライ法、真空
乾燥法、熱風乾燥法等にて又はこれらを適宜組合
せることにより実施することができる。 (実施例及び試験例) 実施例 1 電気伝導度180μS/cmの水道水100mlに食品用
塩化カリウム30へを添加し、沸騰するまで加熱し
て塩化カリウムを溶解させた後に、この溶液を60
℃迄冷却させロータリーエバポレータにて減圧濃
縮して水分を18重量%をなす。この濃縮品を磁製
皿に採取し、80℃の熱風乾燥機で処理して水分
0.3重量%の乾燥品とし、次に20メツシユ篩によ
り整粒処理して水道水処理塩化カリウムを得た。 一方、電気伝導度0.11μS/cmの脱イオン水100
ml中に食品用塩化カリウム30gを添加して上記と
同様に溶解、乾燥、整粒処理して脱イオン水処理
塩化カリウムを得た。 上記両塩化カリウム試料に関して専門家パネル
20人により官能検査を行なつた。 判定は無処理の食品用塩化カリウムを対照品と
し、苦味と鹹味について行ないクレーマーの検定
法を用い危険率5%で行われた。 結果は下表に示される通りであり、水道水処理
品は呈味に明らかな改善が見受けられ、一方脱イ
オン水処理品は呈味改善効果が低いことが判る。
【表】
評価〓〓〓有意差なし
【表】
評価〓〓〓有意差あり
実施例 2 電気伝導度が310μS/cmであり、Ca,Mg,K,
Na等のミネラル分を総量で110ppm含有するミネ
ラルウオータを溶解用水として、実施例1に記載
の態様で、塩化カリウムを溶解、乾燥、整粒処理
して水分0.3重量%のミネラルウオータ処理塩化
カリウムを得た。 この塩化カリウム試料につき無処理塩化カリウ
ムを対照品とし、実施例1の記載と同様にしてパ
ネルテストを行なつた。 結果は下表に示される通りであり、苦味及び鹹
味の何れにおいても両者間に有意差のあることが
判明した。
実施例 2 電気伝導度が310μS/cmであり、Ca,Mg,K,
Na等のミネラル分を総量で110ppm含有するミネ
ラルウオータを溶解用水として、実施例1に記載
の態様で、塩化カリウムを溶解、乾燥、整粒処理
して水分0.3重量%のミネラルウオータ処理塩化
カリウムを得た。 この塩化カリウム試料につき無処理塩化カリウ
ムを対照品とし、実施例1の記載と同様にしてパ
ネルテストを行なつた。 結果は下表に示される通りであり、苦味及び鹹
味の何れにおいても両者間に有意差のあることが
判明した。
【表】
【表】
実施例 3
電気伝導度0.11μS/cmの脱イオン水120ml中に
塩化ナトリウム15gを溶解させて電気伝導度を
140mS/cmとなした。この水溶液に食品用塩化カ
リウム15gを溶解させた。この塩化ナトリウム−
塩化カリウム等量混合溶液を湯煎上で水分含量13
重量%まで濃縮し、次に75℃の熱風乾燥機で処理
して0.3重量%となるまで水分を蒸発させた。得
られた乾燥物を20〜32メツシユの範囲内に整粒し
た。 一方、対照品として水分0.3重量%であり粒度
20〜30メツシユの範囲内の塩化ナトリウムと食品
用塩化カリウムとを等量づつ採取し、充分に混合
した混合物を調製した(この混合物は特公昭47−
13698号公報に記載のものに相当する)。 次いで、この対照品と上記の本発明方法による
製品とを2点嗜好試験法によりパネルテストし
た。結果は下表に示される通りであり危険率5%
で本発明方法による処理品を好むことが判明し
た。
塩化ナトリウム15gを溶解させて電気伝導度を
140mS/cmとなした。この水溶液に食品用塩化カ
リウム15gを溶解させた。この塩化ナトリウム−
塩化カリウム等量混合溶液を湯煎上で水分含量13
重量%まで濃縮し、次に75℃の熱風乾燥機で処理
して0.3重量%となるまで水分を蒸発させた。得
られた乾燥物を20〜32メツシユの範囲内に整粒し
た。 一方、対照品として水分0.3重量%であり粒度
20〜30メツシユの範囲内の塩化ナトリウムと食品
用塩化カリウムとを等量づつ採取し、充分に混合
した混合物を調製した(この混合物は特公昭47−
13698号公報に記載のものに相当する)。 次いで、この対照品と上記の本発明方法による
製品とを2点嗜好試験法によりパネルテストし
た。結果は下表に示される通りであり危険率5%
で本発明方法による処理品を好むことが判明し
た。
【表】
実施例 4
電気伝導度0.11μS/cmの脱イオン水800gに無
水クエン酸0.88g、グリシン1.4g及び塩化ナト
リウム2.9gを添加し溶解させて溶液の電気伝導
度を69mS/cmに調整した後に、食品用塩化カリ
ウム300gを溶解させ、次いでこの溶液を、デイ
スク式アトマイザを有するスプレードライヤによ
り送風温度165℃、排風温度67℃の条件下で噴霧
して水分0.8重量%であつて呈味良好な処理済塩
化カリウムを得た。 実施例 5 電気伝導度178μS/cmの水道水100mlに塩化マ
グネシウム0.003g及びグルタミン酸ナトリウム
0.06gを添加溶解させて溶液の電気伝導度を
447μS/cmに調整した後、食品用塩化カリウム30
gを溶解させ、次いで実施例1と同様に処理して
水分0.3重量%の処理済塩化カリウムを得た。 この塩化カリウムの呈味改善効果を確認するた
めに、無処理塩化カリウムを対照品としてパネル
テストを行なつた処、パネラー全員が、本例によ
る処理済塩化カリウム試料を好ましいものと判定
した。 実施例 6 実施例1と同様に、処理して得た塩化カリウム
を20〜50メツシユ(日本工業規格)に整粒した。 一方、実施例4におけると同様にして塩化カリ
ウム含有溶液を別途に調製し、この塩化カリウム
含有溶液を、熱風にて乾燥させながら、整粒済の
上記塩化カリウム粒に噴霧してこの塩化カリウム
粒の径を逐次増加させて直径約3mm程度の粒状品
を得た。 尚、本例において塩化カリウム含有溶液の噴霧
処理を滴下処理に代えても同様な粒状品を得るこ
とができた。 試験例 1 (食品への適用) 実施例4で得た処理済塩化カリウム0.85gと市
販の精製食塩(塩化ナトリウム)0.85gとを鹹味
源として95mlの水に溶解させ、95gの市販の冷凍
コーンを詰めたレトルトパウチ内に注加し、この
レトルトパウチを常法によりヒートシールし、レ
トルト内において118℃で30分間加熱殺菌処理し
て、レトルトパウチ入りスイートコーン試料を得
た。 一方、対照品として、無処理の食品用塩化カリ
ウム0.836g、クエン酸0.002g、グリシン0.004
g、塩化ナトリウム0.008g並びに市販の精製食
塩(塩化ナトリウム)0.85gを鹹味源とする以外
は上記と同様にしてレトルトパウチ入り対照スイ
ートコーン試料を得た。 両レトルトパウチを開封し、パネルテストを行
なつた処、パネラー全員が、本発明方法により処
理された塩化カリウムを含有するスイートコーン
試料を呈味良好なものと判定した。 試験例 2 (食品への適用) 実施例3に記載の塩化カリウムと塩化ナトリウ
ムとの処理済混合物(本発明方法品)及び塩化カ
リウムと塩化ナトリウムとの単純混合物(特公昭
47−13698号公報記載の方法に準じた対照品)と
をそれぞれ用いて、水洗し輪切りしたカブに対し
1.2重量%宛添加して塗し、次いでそれぞれガラ
ス壜にカブを入れ、上部に重しを施こし、8℃の
冷蔵庫内で48時間放置した。 得られた試験区と対照区のカブをパネルテスト
に供した処、パネラー全員が、試験区のカブを呈
味良好なものと判定した。 試験例 3 (溶解用水の電気伝導度と処理済塩化カリウム
の苦味及び鹹味との関係) 電気伝導度0.9μS/cmの脱イオン水にクエン酸
を添加し溶解させて電気伝導度が430、200、140、
120及び100μS/cmの溶液(各100ml)をそれぞれ
調製した。 これらの各溶液中に食品用塩化カリウム20gを
添加し、60℃に加温して溶解させた後に、エバポ
レータにより水分18重量%迄減圧濃縮した。次い
で、この濃縮品を磁製皿上に薄く配し、熱風乾燥
機により75℃で処理して水分0.3重量%の処理済
塩化カリウムを得、その後に20メツシユ篩で整粒
した。 このようにして得られた処理済の各塩化カリウ
ム試料につき、無処理の食品用塩化カリウム試料
(塩化カリウム含有量99重量%以上)を対照とし
てパネルテスト(パネラー20人)を行なつた。 結果は下記表に示される通りであり、これから
溶解用水の電気伝導度が140μS/cm程度又はそれ
以上の場合に呈味改善効果(苦みの軽減と鹹味の
増強)の発現することが判る。
水クエン酸0.88g、グリシン1.4g及び塩化ナト
リウム2.9gを添加し溶解させて溶液の電気伝導
度を69mS/cmに調整した後に、食品用塩化カリ
ウム300gを溶解させ、次いでこの溶液を、デイ
スク式アトマイザを有するスプレードライヤによ
り送風温度165℃、排風温度67℃の条件下で噴霧
して水分0.8重量%であつて呈味良好な処理済塩
化カリウムを得た。 実施例 5 電気伝導度178μS/cmの水道水100mlに塩化マ
グネシウム0.003g及びグルタミン酸ナトリウム
0.06gを添加溶解させて溶液の電気伝導度を
447μS/cmに調整した後、食品用塩化カリウム30
gを溶解させ、次いで実施例1と同様に処理して
水分0.3重量%の処理済塩化カリウムを得た。 この塩化カリウムの呈味改善効果を確認するた
めに、無処理塩化カリウムを対照品としてパネル
テストを行なつた処、パネラー全員が、本例によ
る処理済塩化カリウム試料を好ましいものと判定
した。 実施例 6 実施例1と同様に、処理して得た塩化カリウム
を20〜50メツシユ(日本工業規格)に整粒した。 一方、実施例4におけると同様にして塩化カリ
ウム含有溶液を別途に調製し、この塩化カリウム
含有溶液を、熱風にて乾燥させながら、整粒済の
上記塩化カリウム粒に噴霧してこの塩化カリウム
粒の径を逐次増加させて直径約3mm程度の粒状品
を得た。 尚、本例において塩化カリウム含有溶液の噴霧
処理を滴下処理に代えても同様な粒状品を得るこ
とができた。 試験例 1 (食品への適用) 実施例4で得た処理済塩化カリウム0.85gと市
販の精製食塩(塩化ナトリウム)0.85gとを鹹味
源として95mlの水に溶解させ、95gの市販の冷凍
コーンを詰めたレトルトパウチ内に注加し、この
レトルトパウチを常法によりヒートシールし、レ
トルト内において118℃で30分間加熱殺菌処理し
て、レトルトパウチ入りスイートコーン試料を得
た。 一方、対照品として、無処理の食品用塩化カリ
ウム0.836g、クエン酸0.002g、グリシン0.004
g、塩化ナトリウム0.008g並びに市販の精製食
塩(塩化ナトリウム)0.85gを鹹味源とする以外
は上記と同様にしてレトルトパウチ入り対照スイ
ートコーン試料を得た。 両レトルトパウチを開封し、パネルテストを行
なつた処、パネラー全員が、本発明方法により処
理された塩化カリウムを含有するスイートコーン
試料を呈味良好なものと判定した。 試験例 2 (食品への適用) 実施例3に記載の塩化カリウムと塩化ナトリウ
ムとの処理済混合物(本発明方法品)及び塩化カ
リウムと塩化ナトリウムとの単純混合物(特公昭
47−13698号公報記載の方法に準じた対照品)と
をそれぞれ用いて、水洗し輪切りしたカブに対し
1.2重量%宛添加して塗し、次いでそれぞれガラ
ス壜にカブを入れ、上部に重しを施こし、8℃の
冷蔵庫内で48時間放置した。 得られた試験区と対照区のカブをパネルテスト
に供した処、パネラー全員が、試験区のカブを呈
味良好なものと判定した。 試験例 3 (溶解用水の電気伝導度と処理済塩化カリウム
の苦味及び鹹味との関係) 電気伝導度0.9μS/cmの脱イオン水にクエン酸
を添加し溶解させて電気伝導度が430、200、140、
120及び100μS/cmの溶液(各100ml)をそれぞれ
調製した。 これらの各溶液中に食品用塩化カリウム20gを
添加し、60℃に加温して溶解させた後に、エバポ
レータにより水分18重量%迄減圧濃縮した。次い
で、この濃縮品を磁製皿上に薄く配し、熱風乾燥
機により75℃で処理して水分0.3重量%の処理済
塩化カリウムを得、その後に20メツシユ篩で整粒
した。 このようにして得られた処理済の各塩化カリウ
ム試料につき、無処理の食品用塩化カリウム試料
(塩化カリウム含有量99重量%以上)を対照とし
てパネルテスト(パネラー20人)を行なつた。 結果は下記表に示される通りであり、これから
溶解用水の電気伝導度が140μS/cm程度又はそれ
以上の場合に呈味改善効果(苦みの軽減と鹹味の
増強)の発現することが判る。
【表】
試験例 4
(溶解用水中のミネラル量が呈味に及ぼす影
響) Ca、Mg、K、Na等のミネラル総量が原子吸
光光度法で測定して143ppmであり且つ電気伝導
度が400μS/cmのミネラルウオータに蒸留水を加
えてミネラル総量がそれぞれそれぞれ100,65及
び40ppmに調整された溶液に、又該ミネラルウオ
ーターに蒸留水及び微量のミネラルを添加してミ
ネラル総量が160ppmに調整された溶液を調製し、
次いでこの各溶液にクエン酸を添加溶解させて電
気伝導度を400μS/cmに再調整し、この溶液各
100mlを採取して溶解用水とした。 各溶解用水に、試験例3と同様にして食品用塩
化カリウム20gを溶解させ、乾燥後整粒して水分
0.3重量%の処理済塩化カリウム試料を得た。 次に、これらの各処理済塩化カリウム試料につ
き、蒸留水にクエン酸を添加して電気伝導度を
400μS/cmに調整した溶解水を用い、試験例3と
同様に処理した食品用塩化カリウム試料を対照品
としてパネルテスト(パネラー20人)を行なつ
た。 結果は下記表に示された通りであつて、溶解用
水におけるミネラル量の増加に伴ない鹹味の増強
することが判明した。
響) Ca、Mg、K、Na等のミネラル総量が原子吸
光光度法で測定して143ppmであり且つ電気伝導
度が400μS/cmのミネラルウオータに蒸留水を加
えてミネラル総量がそれぞれそれぞれ100,65及
び40ppmに調整された溶液に、又該ミネラルウオ
ーターに蒸留水及び微量のミネラルを添加してミ
ネラル総量が160ppmに調整された溶液を調製し、
次いでこの各溶液にクエン酸を添加溶解させて電
気伝導度を400μS/cmに再調整し、この溶液各
100mlを採取して溶解用水とした。 各溶解用水に、試験例3と同様にして食品用塩
化カリウム20gを溶解させ、乾燥後整粒して水分
0.3重量%の処理済塩化カリウム試料を得た。 次に、これらの各処理済塩化カリウム試料につ
き、蒸留水にクエン酸を添加して電気伝導度を
400μS/cmに調整した溶解水を用い、試験例3と
同様に処理した食品用塩化カリウム試料を対照品
としてパネルテスト(パネラー20人)を行なつ
た。 結果は下記表に示された通りであつて、溶解用
水におけるミネラル量の増加に伴ない鹹味の増強
することが判明した。
【表】
試験例 5
[従来技術方法(コーテイング法)との比較]
被験品:実施例1で得た水道水処理塩化カリウ
ム。 対照品:特開昭59−187761公報の実施例1におけ
る教示に従い、下記の要領で調製。 乳酸カルシウム3.0重量%、グルタミン酸ナト
リウム8.5重量%及び5′−リボヌクレオタイド・
ナトリウム0.5重量%を含有する0.5Kgの水溶液を
調製した。 一方、粉砕した塩化カリウムを篩にかけ、35メ
ツシユ下であつて50メツシユ上のもの(粒径:
297−500μm)0.5Kgを流動層造粒コーテイング装
置(フロイド社製の「フローコーター“Model
FL−01”」に仕込み、上記の水溶液を噴霧しつ
つ、流動乾燥させることにより粒状の調味料用組
成物(対照品)を得た。 この対照品と上記の被験品とにつき、専門家パ
ネル20人により鹹味に関する官能検査を実施し
た。 判定はクレーマーの検定法を用い、危険率は5
%とした。 結果は、下記の表に示される通りであり、本発
明方法により処理された塩化カリウムの方が有意
に優れていた。これは本発明方法により処理され
た塩化カリウムは全体が呈味改善されているのに
対して、対照品は表面のみが呈味物質によりコー
テイングされているのに過ぎず、内部は不快味を
呈する通常の塩化カリウムの侭であるためと考え
られる。
ム。 対照品:特開昭59−187761公報の実施例1におけ
る教示に従い、下記の要領で調製。 乳酸カルシウム3.0重量%、グルタミン酸ナト
リウム8.5重量%及び5′−リボヌクレオタイド・
ナトリウム0.5重量%を含有する0.5Kgの水溶液を
調製した。 一方、粉砕した塩化カリウムを篩にかけ、35メ
ツシユ下であつて50メツシユ上のもの(粒径:
297−500μm)0.5Kgを流動層造粒コーテイング装
置(フロイド社製の「フローコーター“Model
FL−01”」に仕込み、上記の水溶液を噴霧しつ
つ、流動乾燥させることにより粒状の調味料用組
成物(対照品)を得た。 この対照品と上記の被験品とにつき、専門家パ
ネル20人により鹹味に関する官能検査を実施し
た。 判定はクレーマーの検定法を用い、危険率は5
%とした。 結果は、下記の表に示される通りであり、本発
明方法により処理された塩化カリウムの方が有意
に優れていた。これは本発明方法により処理され
た塩化カリウムは全体が呈味改善されているのに
対して、対照品は表面のみが呈味物質によりコー
テイングされているのに過ぎず、内部は不快味を
呈する通常の塩化カリウムの侭であるためと考え
られる。
【表】
試験例 6
(再結晶処理品との比較)
被験品:実施例1で得た水道水処理塩化カリウ
ム。 対照品:下記の要領で調製された再結晶処理塩化
カリウム。 電気伝導度180μS/cmの水道水100mlに食品用
塩化カリウム40gを添加し、加熱して塩化カリウ
ムを完全に溶解させた。次いで、この溶液を0℃
迄冷却し、晶出した塩化カリウムをカラスフイル
タにて濾取し、過剰の水分を濾紙に吸収させ、熱
風乾燥させることにより水分0.3重量%の再結晶
処理塩化カリウムを得た。 この対照品と上記の被験品とにつき、専門家パ
ネル20人により鹹味に関する官能検査を実施し
た。 判定はクレーマーの検定法を用い、危険率は5
%とした。 結果は、下記の表に示される通りであり、本発
明方法により処理された塩化カリウムの方が有意
に優れていた。これは塩化カリウムの呈味改善効
果が再結晶処理では得られず、水分の蒸散処理に
より初めてもたらされることを示している。
ム。 対照品:下記の要領で調製された再結晶処理塩化
カリウム。 電気伝導度180μS/cmの水道水100mlに食品用
塩化カリウム40gを添加し、加熱して塩化カリウ
ムを完全に溶解させた。次いで、この溶液を0℃
迄冷却し、晶出した塩化カリウムをカラスフイル
タにて濾取し、過剰の水分を濾紙に吸収させ、熱
風乾燥させることにより水分0.3重量%の再結晶
処理塩化カリウムを得た。 この対照品と上記の被験品とにつき、専門家パ
ネル20人により鹹味に関する官能検査を実施し
た。 判定はクレーマーの検定法を用い、危険率は5
%とした。 結果は、下記の表に示される通りであり、本発
明方法により処理された塩化カリウムの方が有意
に優れていた。これは塩化カリウムの呈味改善効
果が再結晶処理では得られず、水分の蒸散処理に
より初めてもたらされることを示している。
【表】
(発明の効果)
本発明方法により処理された塩化カリウムは苦
味が緩和乃至除去されるのみならず鹹味が増強す
る。これら両効果は処理に使用される水の電気伝
導度の影響を受け、処理水の電気伝導度が約
140μS/cm又はそれ以上の場合に効果の発現が顕
著となる。鹹味増強効果は処理に使用される水の
ミネラル含量の影響をも受け、処理水のミネラル
含量が約65ppm又はそれ以上の場合に効果の発現
が顕著となる。 本発明方法による処理は、原料塩化カリウムが
有している不快な呈味(苦み及び後味の悪さ)の
単なる隠蔽(マスキング)ではなく、これらの不
快味を積極的に著しく低減乃至解消させるもので
あり、従つて本発明方法により処理された塩化カ
リウムは従来の塩化ナトウムの1部又は完全代替
品として利用することができ、これによつてナト
リウム摂取率の低下、延いては循環器系疾患の治
療や予防を無味に近い所謂「減塩食」によらずに
実施し得ると謂う効果がもたらされる。 尚、本発明方法により処理された塩化カリウム
は、食卓塩、ゴマ塩、ガーリツクソルトの様な粉
末商品として利用できる他に、スナツク菓子、ス
ナツク食品、味噌、醤油等の一般加工食品の製造
や食品の調理等用として汎用性を有しており、又
その利用に際して塩化ナトリウムと併用すること
もできる。 更に、本発明方法による処理は原料の水中への
溶解工程と、得られた溶液の水分蒸散工程とから
構成されているに過ぎないので、本発明はコスト
的にも有利であると謂う利点を有している。
味が緩和乃至除去されるのみならず鹹味が増強す
る。これら両効果は処理に使用される水の電気伝
導度の影響を受け、処理水の電気伝導度が約
140μS/cm又はそれ以上の場合に効果の発現が顕
著となる。鹹味増強効果は処理に使用される水の
ミネラル含量の影響をも受け、処理水のミネラル
含量が約65ppm又はそれ以上の場合に効果の発現
が顕著となる。 本発明方法による処理は、原料塩化カリウムが
有している不快な呈味(苦み及び後味の悪さ)の
単なる隠蔽(マスキング)ではなく、これらの不
快味を積極的に著しく低減乃至解消させるもので
あり、従つて本発明方法により処理された塩化カ
リウムは従来の塩化ナトウムの1部又は完全代替
品として利用することができ、これによつてナト
リウム摂取率の低下、延いては循環器系疾患の治
療や予防を無味に近い所謂「減塩食」によらずに
実施し得ると謂う効果がもたらされる。 尚、本発明方法により処理された塩化カリウム
は、食卓塩、ゴマ塩、ガーリツクソルトの様な粉
末商品として利用できる他に、スナツク菓子、ス
ナツク食品、味噌、醤油等の一般加工食品の製造
や食品の調理等用として汎用性を有しており、又
その利用に際して塩化ナトリウムと併用すること
もできる。 更に、本発明方法による処理は原料の水中への
溶解工程と、得られた溶液の水分蒸散工程とから
構成されているに過ぎないので、本発明はコスト
的にも有利であると謂う利点を有している。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 電気伝導度が約140μS/cm又はそれ以上の水
に塩化カリウムを溶解させ、次いでこの溶液の水
分を蒸散させることを特徴とする、塩化カリウム
の処理方法。 2 水の電気伝導度が低い場合にミネラル、酸及
びその塩の内の少なくとも1種類の物質を添加し
て電気伝導度を約140μS/cm又はそれ以上の値に
調整することを特徴とする、特許請求の範囲第1
項に記載の塩化カリウムの処理方法。 3 水が約65ppm又はそれ以上のミネラル含量を
有していることを特徴とする、特許請求の範囲第
1項又は第2項に記載の塩化カリウムの処理方
法。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60146593A JPS627624A (ja) | 1985-07-05 | 1985-07-05 | 塩化カリウムの処理方法 |
| US06/876,583 US4775546A (en) | 1985-07-05 | 1986-06-20 | Process for treating potassium chloride |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60146593A JPS627624A (ja) | 1985-07-05 | 1985-07-05 | 塩化カリウムの処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS627624A JPS627624A (ja) | 1987-01-14 |
| JPH0451487B2 true JPH0451487B2 (ja) | 1992-08-19 |
Family
ID=15411225
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60146593A Granted JPS627624A (ja) | 1985-07-05 | 1985-07-05 | 塩化カリウムの処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS627624A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0711882Y2 (ja) * | 1987-01-14 | 1995-03-22 | アミテック株式会社 | ベルトサンダ−機の踏圧パツド装置 |
| JP2001206715A (ja) * | 2000-01-21 | 2001-07-31 | Kunimine Industries Co Ltd | 塩の製造方法、及びその製造方法により製造される塩 |
| JP4742063B2 (ja) * | 2007-03-23 | 2011-08-10 | 赤穂化成株式会社 | 低ナトリウム加工塩及びそれを用いた食品 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6015299B2 (ja) * | 1982-05-31 | 1985-04-18 | 株式会社市川化学研究所 | 辛味組成物 |
| JPS59187761A (ja) * | 1983-04-08 | 1984-10-24 | Takeda Chem Ind Ltd | 調味料用組成物 |
-
1985
- 1985-07-05 JP JP60146593A patent/JPS627624A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS627624A (ja) | 1987-01-14 |
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| US8501253B2 (en) | Carnallite-like food salts and products thereof | |
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