JPH046717B2 - - Google Patents
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- JPH046717B2 JPH046717B2 JP59116315A JP11631584A JPH046717B2 JP H046717 B2 JPH046717 B2 JP H046717B2 JP 59116315 A JP59116315 A JP 59116315A JP 11631584 A JP11631584 A JP 11631584A JP H046717 B2 JPH046717 B2 JP H046717B2
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Saccharide Compounds (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Description
本発明は新抗生物質446−S3−1(カプラマイ
シン)およびその製造法に関するものである。 本発明者らは、自然界微生物の生産する抗生物
質探索の過程で、土壌より分離した一放線菌446
−S3株が新抗生物質を生産することを見いだし、
本菌株の菌学的性質を調べ、又その抗生物質を単
離して、その理化学的性質および生物学的性質を
調べることによつて、本発明を完成した。 本発明によつて得られる抗生物質カプラマイシ
ンは次に示すような理化学的性質を有する。 (1) 元素分析値: C 48.50%、H 5.49%、 O 33.71%、N 12.30% (2) 分子量: 二次イオンマススペクトル(SI−MS)分析
において、質量数570に(M+H)+、592に(M
+Na)+、608に(M+K)+が観測されることよ
り、分子量は569と結論される。 (3) 融 点: 173−176℃ (4) 紫外線吸収スペクトル: メタノール中での吸収極大(2MeOH naxnm(s))
は214(16200)、257(肩9800)を示す。第1図の
とおりである。また、水溶液、0.1規定塩酸、
および0.1規定水酸化ナトリウム水溶液中での
紫外部吸収スペクトルは、特徴的な吸収極大を
示さず、未端吸収を示すのみである。 (5) 赤外部吸収スペクトル: KBrで測定した赤外部吸収スペクトルは第
2図に示す通りである。吸収極大を示す波長は
つぎの通りである。単位はcm-1。3400、2930、
1680、1515、1270、1100。 (6) 溶剤に対する溶解性: 水およびメタノールにきわめてよく溶け、エ
タノール、アセトンに溶け、クロホルムにやや
溶け、酢酸エチル、ベンゼン、n−ヘキサンに
不溶である。 (7) 呈色反応: (陽性)過マンガン酸カリウム反応、モーリツシ
ユ反応 (陰性)アンスロン反応、アニリン水素フタル酸
塩反応、塩化第二鉄反応、ニンヒドリン反
応 (8) 塩基性、中性、酸性の区分: 弱酸性 (9) 物質の色: 白色 (10) Rf 値: シリカゲル薄層クロマトグラフイー(メルク
社製TLCプレート、シリカゲル60F254、厚さ
0.25mm)を通常の方法で行つた時のRf値は、次
のとおりである。 (イ) クロロホルム:メタノール(2:1) Rf値 0.43 (ロ) ベンゼン:メタノール(2:1) Rf値 0.21 (ハ) n−ブタノール:酢酸:水(3:1:1) Rf値 0.43 11) 1H NMR(400MHz、D2O)δ(ppm): 1.37(1H)、1.64(1H)、1.78(1H)、1.84(1H)、
1.93(1H)、2.00(1H)、3.3(1H)、3.32(3H、
S)、3.77(1H、t)、4.23(1H)、4.4(1H、t)、
4.50(1H、t)、4.53(1H)、4.65(1H)、4.80
(1H)、5.4(1H、d)、5.78(1H、d)、5.88
(1H、d)、6.04(1H)、7.78(1H、d) 13) 13C NMR(100MHz、D2O)δ(ppm): 28.38(t)、28.61(t)、31.33(t)、42.33(t)
、
53.10(d)、58.70(q)、62.72(d)、65.72(d)
、
72.80(d)、76.42(d)、78.97(d)、82.39(d)
、
90.71(d)、100.00(d)、102.48(d)、109.92
(d)、141.45(d)、142.06(s)、151.62(s)、
161.74(s)、166.30(s)、173.20(s)、176.47
(s) 14) 以上の理化学的性質から、カプラマイシン
の化学構造式は次の通りである。 抗生物質カプラマイシンの生物学的性質は次の
如くである。 (1) 抗菌性 日本化学療法学会制定の方法〔最小発育阻止
濃度(MIC)測定法再改訂について(ケモセ
ラピー、29、76−79、1981)〕に準じて、寒天
希釈法によつて測定したバクテリアに対する最
小発育阻止濃度(MIC)は第1表のとおりで
ある。
シン)およびその製造法に関するものである。 本発明者らは、自然界微生物の生産する抗生物
質探索の過程で、土壌より分離した一放線菌446
−S3株が新抗生物質を生産することを見いだし、
本菌株の菌学的性質を調べ、又その抗生物質を単
離して、その理化学的性質および生物学的性質を
調べることによつて、本発明を完成した。 本発明によつて得られる抗生物質カプラマイシ
ンは次に示すような理化学的性質を有する。 (1) 元素分析値: C 48.50%、H 5.49%、 O 33.71%、N 12.30% (2) 分子量: 二次イオンマススペクトル(SI−MS)分析
において、質量数570に(M+H)+、592に(M
+Na)+、608に(M+K)+が観測されることよ
り、分子量は569と結論される。 (3) 融 点: 173−176℃ (4) 紫外線吸収スペクトル: メタノール中での吸収極大(2MeOH naxnm(s))
は214(16200)、257(肩9800)を示す。第1図の
とおりである。また、水溶液、0.1規定塩酸、
および0.1規定水酸化ナトリウム水溶液中での
紫外部吸収スペクトルは、特徴的な吸収極大を
示さず、未端吸収を示すのみである。 (5) 赤外部吸収スペクトル: KBrで測定した赤外部吸収スペクトルは第
2図に示す通りである。吸収極大を示す波長は
つぎの通りである。単位はcm-1。3400、2930、
1680、1515、1270、1100。 (6) 溶剤に対する溶解性: 水およびメタノールにきわめてよく溶け、エ
タノール、アセトンに溶け、クロホルムにやや
溶け、酢酸エチル、ベンゼン、n−ヘキサンに
不溶である。 (7) 呈色反応: (陽性)過マンガン酸カリウム反応、モーリツシ
ユ反応 (陰性)アンスロン反応、アニリン水素フタル酸
塩反応、塩化第二鉄反応、ニンヒドリン反
応 (8) 塩基性、中性、酸性の区分: 弱酸性 (9) 物質の色: 白色 (10) Rf 値: シリカゲル薄層クロマトグラフイー(メルク
社製TLCプレート、シリカゲル60F254、厚さ
0.25mm)を通常の方法で行つた時のRf値は、次
のとおりである。 (イ) クロロホルム:メタノール(2:1) Rf値 0.43 (ロ) ベンゼン:メタノール(2:1) Rf値 0.21 (ハ) n−ブタノール:酢酸:水(3:1:1) Rf値 0.43 11) 1H NMR(400MHz、D2O)δ(ppm): 1.37(1H)、1.64(1H)、1.78(1H)、1.84(1H)、
1.93(1H)、2.00(1H)、3.3(1H)、3.32(3H、
S)、3.77(1H、t)、4.23(1H)、4.4(1H、t)、
4.50(1H、t)、4.53(1H)、4.65(1H)、4.80
(1H)、5.4(1H、d)、5.78(1H、d)、5.88
(1H、d)、6.04(1H)、7.78(1H、d) 13) 13C NMR(100MHz、D2O)δ(ppm): 28.38(t)、28.61(t)、31.33(t)、42.33(t)
、
53.10(d)、58.70(q)、62.72(d)、65.72(d)
、
72.80(d)、76.42(d)、78.97(d)、82.39(d)
、
90.71(d)、100.00(d)、102.48(d)、109.92
(d)、141.45(d)、142.06(s)、151.62(s)、
161.74(s)、166.30(s)、173.20(s)、176.47
(s) 14) 以上の理化学的性質から、カプラマイシン
の化学構造式は次の通りである。 抗生物質カプラマイシンの生物学的性質は次の
如くである。 (1) 抗菌性 日本化学療法学会制定の方法〔最小発育阻止
濃度(MIC)測定法再改訂について(ケモセ
ラピー、29、76−79、1981)〕に準じて、寒天
希釈法によつて測定したバクテリアに対する最
小発育阻止濃度(MIC)は第1表のとおりで
ある。
【表】
【表】
なお、アスペルジラス・オリゼ
(Aspergillus oryzae)IFO5239、ペニシリウ
ム・クリソゲナム(Penicillium
chrysogenum)ATCC10002、カンジダ・アル
ビカンス(Candida albicans)3147及びサツ
カロミセス・セレビシエ(Saccharomyces
cerevisiae)IFO0205などの真菌に対する最小
発育阻止濃度はいずれも100mcg/ml以上であ
る。 (2) 毒 性 マウスの静脈内に生理食塩水溶液を投与した
場合、1000mg/Kgで全く毒性を示さなかつた。 以上の如く抗生物質カプラマイシンは主とし
て連鎖状球菌および抗酸性菌に有効であり、毒
性は極めて少ないので、ヒト、動物などの感染
症の治療薬その他の用途が期待される。 上記の理化学的性質および生物学的性質を既
知抗生物質のそれらと比較した結果、該当する
物質が見当たらないので、抗生物質446−S3−
1を新抗生物質と判定した。 更に、1H−NMR、13C−NMRおよび酸加水分
解物のアミノ酸分析により、抗生物質446−S3
−1はウラシル基を含み、又リジン単位の残基
を含有する、いわゆるヌクレオシド抗生物質で
あることが確認された。一方、既知のヌクレオ
シド抗生物質の中には、リジンを含む物質は存
在しないことから446−S3−1は新規な抗生物
質と判定し得る。 本発明の抗生物質カプラマイシンの生産菌の一
例としては、昭和57年8月、山形県山形市大字山
寺の土壌から、通常の方法で、新たに分離された
放線菌で、ストレプトミセス・グリセウス・446
−S3(Streptomyces griseus 446−S3)と同定さ
れた菌株が上げられる。この446−S3株の菌学的
性質は次の如くである。 尚、以下の実験に用いた培地の組成は、特記し
ない限り、特許庁編産業別審査基準の応用微生物
工業(改訂2版、昭和57年8月)、第28〜33頁に
放線菌の同定に使用する培地として例示されてい
る組成に従つた。 446−S3株の菌学的性状 1) 形 態 446−S3株のスターチ・無機塩寒天培地およ
びイースト・麦芽寒天培地を用いて27℃で2週
間培養したものは、淡い緑黄色の気菌糸を豊富
に着生し、顕微鏡下で観察すると気菌糸は単純
分枝をなし、ゆるく屈曲し、又部分的には直線
状であり、又房状分枝を示す。車軸状分枝や、
らせん状の胞子着生菌糸は認められない。電子
顕微鏡で観察すると、気菌糸の先端は10個以上
の円筒状の胞子の連鎖をなし、胞子の大きさは
直径0.5〜1.0μm、長さ、0.9〜1.8μm位で、胞子
の表面は平滑である。鞭毛や胞子嚢および菌核
は認められない。 2)各種培地における生育状態 実験および観察は、イー・ビー・シヤーリン
グ及びデイー・ゴツトリーブ(Int.J.Syst.
Bacteriol.第16巻、313頁、1966年)の方法に
準じて行つた。色の記載に当つては、日本色研
事業株式会社の日本色研色名帖第3版(1974
年)に準拠し、( )内にJIS記号を示した。
尚、以下は特記しない限り、27℃培養、2週間
目の観察結果である。 (1) シユークロース・硝酸塩寒天培地 生育は良好で、拡散して発育する。気菌糸
の着生は不良で粉状を呈し、白色(N9.0)
ないし、ごくうすい緑黄色(10Y 9/1.5)
を呈する。基生菌糸裏面の色はうすい黄色
(5.5Y 9/6)で、あかるい緑黄色(10Y
8.5/9)の溶解性色素を生成する。 (2) グルコース・アスパラギン寒天培地 生育はやや不良で平坦である。気菌糸の着
生も貧弱で、ごくうすい緑黄色(10Y 9/
1.5)の粉状を呈し、気菌糸上には小水滴が
観察されることもある。基生菌糸裏面の色は
ごくうすい緑黄色(10Y 9/1.5)であり、
ごくうすい緑黄色(10Y 9/1.5)の溶解性
色素を生成する。 (3) グリセリン・アスパラギン寒天培地 (ISP−5培地) 盛り上がつて良好な発育をする。気菌糸の
着生は中程度で、ごくうすい赤味がかかつた
黄色(2.5Y 9/2)のベルベツト状の中
に、ごくうすい黄色(5.5Y 9/1.5)の粉状
の部分が点在する。基生菌糸裏面の色は灰黄
色(5.5Y 8/3)でうすい緑黄色(10Y
9/5)の溶解性色素を生成する。 (4) スターチ・無機塩寒天培地(ISP−4培
地) 生育は良好で、拡散して発育する。気菌糸
の着生はきわめて良好で、集落中央部は粉
状、周縁部は凹凸のある粉状で、ごくうすい
黄緑色(5GY 8.5/1.5)を呈する。基生菌
糸裏面はにぶい黄色(5.5Y 7/5)で、う
すい緑黄色(10Y 9/5)の溶解性色素を
生成する。 (5) チロシン寒天培地 きわめて良好な生育を示し、盛り上がる。
気菌糸もよく着生し、灰白色(5G 9/0.5)
のベルベツト状の部分と、ごくうすい黄緑色
(5GY 8.5/1.5)の、凹凸のある粉状の部分
とが混在する。基生菌糸裏面の色は黄褐色
(9YR 4/4)で、ところどころ暗い黄褐
色(9YR 3/3)を呈し、ごくうすい黄色
(5.5Y 9/3)の溶解性色素を生成する。 (6) 栄養寒天培地 生育は不良で、白色(N9.0)の気菌糸を
僅かに着生する。基生菌糸裏面の色はごくう
すい黄色(5.5Y 9/3)で、溶解性色素の
生成はみられない。 (7) イースト・麦芽寒天培地(ISP−2培地) きわめて良好な生育を示し、少し盛り上が
り凹凸がある。気菌糸は粉状にきわめて良く
着生し、その色はごくうすい緑黄色(10Y
9/1.5)である。基生菌糸裏面の色はにぶ
い黄色(5.5Y 7/5)で、あざやかな黄色
(5.5Y 8.5/9)の溶解性色素を生成する。 (8) オートミール寒天培地(ISP−3培地) 生育はやや不良で平坦である。気菌糸の着
生も不良で、ごくうすい緑黄色(10Y 9/
1.5)の粉状に点在する。基生菌糸裏面の色
はごくうすい黄色(5.5Y 9/3)から灰黄
色(5.5Y 8/3)、さらに集落周縁部の裏
面はふかい黄色(2.5Y 7/10)を呈する。
ごくうすい黄色(5.5Y 9/3)の溶解性色
素を生成する。 3 生理的性質 (1) 生育温度範囲 スターチ・無機塩寒天培地及びイースト・
麦芽寒天培地を用い、15℃、20℃、27℃、37
℃、40℃、及び45℃の各温度で試験した結
果、15℃〜37℃の各温度では生育するが、40
℃及び45℃では生育しない。生育の最適温度
は27℃付近である。 (2) ゼラチンの液化(グルコース・ペプトン・
ゼラチン培地を用い、20℃で穿刺培養した。) 陽性である。即ち培養7日目では液化はみ
られず、14日目頃から液化が始まり、ごく
徐々に進行する。 (3) スターチの加水分解(スターチ・無機塩寒
天培地上で、27℃で培養し、常法に従つて判
定した。) スターチの加水分解力は比較的強い。 (4) 脱脂牛乳の凝固、ペプトン化(脱脂牛乳培
地で27℃、及び37℃で培養した。) 脱脂牛乳の凝固は27℃、37℃のいずれでも
認められない。ペプトン化は、27℃で4日目
から、37℃では10日目頃から始まり、徐々に
進んで約3週間目にはいずれの温度において
もほぼ完了する。 (5) メラニン様色素の生成(チロシン寒天培
地、ペプトン・イースト鉄寒天培地及びトリ
プトン・イースト・ブロス:いずれも27℃で
培養した。) 上記いずれの培地においてもメラニン様色
素の生成は認められない。 4 炭素源の利用性 ブリドハム・ゴツトリーブ寒天培地(ISP−
9培地)を使用して、27℃で培養して試験した
結果、D−キシロース、D−グルコース、D−
フラクトース、D−マンニツト、D−ガラクト
ースおよびサリシンを利用し、シユークロース
およびイノシトールの利用性は疑わしく、L−
アラビノース、L−ラムノース、ラフイノース
及びセルロースは利用しない。 5 細胞壁のジアミノピメリン酸の分析 細胞壁の構成アミノ酸の一つであるジアミノ
ピメリン酸をテイ・ハセガワら:ジヤナール・
オブ・ザ・ジエネラル・エンド・アプライド・
マイクロバイオロジー(T.Hasegawa,et al.,
J.Gen.Appl.Microbiol.)29,319−322(1983)
の方法に準じて分析した結果は、LL−型であ
つた。 以上の結果を要約すると、446−S3の気菌糸は
単純分枝をなし、大部分がゆるく屈曲し、分生胞
子の着生部分は房状分枝を示し、輪生枝及びラセ
ン形成は認められず、胞子の表面は平滑である。
鞭毛や胞子嚢および菌核は認められない。種々の
培地上で、ごくうすい黄色ないし、ごくうすい緑
黄色から黄褐色、暗い黄褐色ないし灰黄色の基生
菌糸を形成し、気菌糸はごくうすい緑黄色、ごく
うすい黄緑色、ごくうすい黄色ないし、ごくうす
い赤味がかつた黄色を呈する。なお、ごくうすい
緑黄色、ごくうすい黄色、うすい緑黄色ないし、
にぶい黄色の溶解性色素を生ずる。15℃から45℃
で試験した結果、15℃から37℃の間において生育
し、40℃以上では生育しない。ゼラチンを液化
し、スキムミルクを凝固せず、ペプトン化する。
スターチをよく水解し、メラニン様色素を生成し
ない。D−キシロース、D−グルコース、D−フ
ラクトース、D−マンニツト、D−ガラクトース
及びサリシンを利用し、シユークロース及びイノ
シトールの利用は疑わしく、L−アラビノース、
L−ラムノース、ラフイノース及びセルロースは
利用しない。細胞壁のジアミノピメリン酸はLL
−型である。 これらの結果から本菌株はストレプトミセス属
に属し、プリドハムとトレスナーの分類における
イエローシリーズに属することは明らかである。
そこでバージーズ・マニユアル・オブ・デターミ
ネイテイブ・バクテリオロジー第8版及びインタ
ーナシヨナル・ジヤーナル・オブ・システマテイ
ツク・バクテリオロジー、18巻332頁によつて比
較した所、第2表に示した如く、ストレプトミセ
ス・グリセウスの記載とよく一致する。しかしな
がら、新抗生物質カプラマイシンを生産する点に
おいて、明らかな相違が認められるので、446−
S3株はストレプトミセス・グリセウスに属する
新菌株とすることが妥当と結論し、ストレプトミ
セス・グリセウス(Streptomyces griseus)446
−S3と命名した。
(Aspergillus oryzae)IFO5239、ペニシリウ
ム・クリソゲナム(Penicillium
chrysogenum)ATCC10002、カンジダ・アル
ビカンス(Candida albicans)3147及びサツ
カロミセス・セレビシエ(Saccharomyces
cerevisiae)IFO0205などの真菌に対する最小
発育阻止濃度はいずれも100mcg/ml以上であ
る。 (2) 毒 性 マウスの静脈内に生理食塩水溶液を投与した
場合、1000mg/Kgで全く毒性を示さなかつた。 以上の如く抗生物質カプラマイシンは主とし
て連鎖状球菌および抗酸性菌に有効であり、毒
性は極めて少ないので、ヒト、動物などの感染
症の治療薬その他の用途が期待される。 上記の理化学的性質および生物学的性質を既
知抗生物質のそれらと比較した結果、該当する
物質が見当たらないので、抗生物質446−S3−
1を新抗生物質と判定した。 更に、1H−NMR、13C−NMRおよび酸加水分
解物のアミノ酸分析により、抗生物質446−S3
−1はウラシル基を含み、又リジン単位の残基
を含有する、いわゆるヌクレオシド抗生物質で
あることが確認された。一方、既知のヌクレオ
シド抗生物質の中には、リジンを含む物質は存
在しないことから446−S3−1は新規な抗生物
質と判定し得る。 本発明の抗生物質カプラマイシンの生産菌の一
例としては、昭和57年8月、山形県山形市大字山
寺の土壌から、通常の方法で、新たに分離された
放線菌で、ストレプトミセス・グリセウス・446
−S3(Streptomyces griseus 446−S3)と同定さ
れた菌株が上げられる。この446−S3株の菌学的
性質は次の如くである。 尚、以下の実験に用いた培地の組成は、特記し
ない限り、特許庁編産業別審査基準の応用微生物
工業(改訂2版、昭和57年8月)、第28〜33頁に
放線菌の同定に使用する培地として例示されてい
る組成に従つた。 446−S3株の菌学的性状 1) 形 態 446−S3株のスターチ・無機塩寒天培地およ
びイースト・麦芽寒天培地を用いて27℃で2週
間培養したものは、淡い緑黄色の気菌糸を豊富
に着生し、顕微鏡下で観察すると気菌糸は単純
分枝をなし、ゆるく屈曲し、又部分的には直線
状であり、又房状分枝を示す。車軸状分枝や、
らせん状の胞子着生菌糸は認められない。電子
顕微鏡で観察すると、気菌糸の先端は10個以上
の円筒状の胞子の連鎖をなし、胞子の大きさは
直径0.5〜1.0μm、長さ、0.9〜1.8μm位で、胞子
の表面は平滑である。鞭毛や胞子嚢および菌核
は認められない。 2)各種培地における生育状態 実験および観察は、イー・ビー・シヤーリン
グ及びデイー・ゴツトリーブ(Int.J.Syst.
Bacteriol.第16巻、313頁、1966年)の方法に
準じて行つた。色の記載に当つては、日本色研
事業株式会社の日本色研色名帖第3版(1974
年)に準拠し、( )内にJIS記号を示した。
尚、以下は特記しない限り、27℃培養、2週間
目の観察結果である。 (1) シユークロース・硝酸塩寒天培地 生育は良好で、拡散して発育する。気菌糸
の着生は不良で粉状を呈し、白色(N9.0)
ないし、ごくうすい緑黄色(10Y 9/1.5)
を呈する。基生菌糸裏面の色はうすい黄色
(5.5Y 9/6)で、あかるい緑黄色(10Y
8.5/9)の溶解性色素を生成する。 (2) グルコース・アスパラギン寒天培地 生育はやや不良で平坦である。気菌糸の着
生も貧弱で、ごくうすい緑黄色(10Y 9/
1.5)の粉状を呈し、気菌糸上には小水滴が
観察されることもある。基生菌糸裏面の色は
ごくうすい緑黄色(10Y 9/1.5)であり、
ごくうすい緑黄色(10Y 9/1.5)の溶解性
色素を生成する。 (3) グリセリン・アスパラギン寒天培地 (ISP−5培地) 盛り上がつて良好な発育をする。気菌糸の
着生は中程度で、ごくうすい赤味がかかつた
黄色(2.5Y 9/2)のベルベツト状の中
に、ごくうすい黄色(5.5Y 9/1.5)の粉状
の部分が点在する。基生菌糸裏面の色は灰黄
色(5.5Y 8/3)でうすい緑黄色(10Y
9/5)の溶解性色素を生成する。 (4) スターチ・無機塩寒天培地(ISP−4培
地) 生育は良好で、拡散して発育する。気菌糸
の着生はきわめて良好で、集落中央部は粉
状、周縁部は凹凸のある粉状で、ごくうすい
黄緑色(5GY 8.5/1.5)を呈する。基生菌
糸裏面はにぶい黄色(5.5Y 7/5)で、う
すい緑黄色(10Y 9/5)の溶解性色素を
生成する。 (5) チロシン寒天培地 きわめて良好な生育を示し、盛り上がる。
気菌糸もよく着生し、灰白色(5G 9/0.5)
のベルベツト状の部分と、ごくうすい黄緑色
(5GY 8.5/1.5)の、凹凸のある粉状の部分
とが混在する。基生菌糸裏面の色は黄褐色
(9YR 4/4)で、ところどころ暗い黄褐
色(9YR 3/3)を呈し、ごくうすい黄色
(5.5Y 9/3)の溶解性色素を生成する。 (6) 栄養寒天培地 生育は不良で、白色(N9.0)の気菌糸を
僅かに着生する。基生菌糸裏面の色はごくう
すい黄色(5.5Y 9/3)で、溶解性色素の
生成はみられない。 (7) イースト・麦芽寒天培地(ISP−2培地) きわめて良好な生育を示し、少し盛り上が
り凹凸がある。気菌糸は粉状にきわめて良く
着生し、その色はごくうすい緑黄色(10Y
9/1.5)である。基生菌糸裏面の色はにぶ
い黄色(5.5Y 7/5)で、あざやかな黄色
(5.5Y 8.5/9)の溶解性色素を生成する。 (8) オートミール寒天培地(ISP−3培地) 生育はやや不良で平坦である。気菌糸の着
生も不良で、ごくうすい緑黄色(10Y 9/
1.5)の粉状に点在する。基生菌糸裏面の色
はごくうすい黄色(5.5Y 9/3)から灰黄
色(5.5Y 8/3)、さらに集落周縁部の裏
面はふかい黄色(2.5Y 7/10)を呈する。
ごくうすい黄色(5.5Y 9/3)の溶解性色
素を生成する。 3 生理的性質 (1) 生育温度範囲 スターチ・無機塩寒天培地及びイースト・
麦芽寒天培地を用い、15℃、20℃、27℃、37
℃、40℃、及び45℃の各温度で試験した結
果、15℃〜37℃の各温度では生育するが、40
℃及び45℃では生育しない。生育の最適温度
は27℃付近である。 (2) ゼラチンの液化(グルコース・ペプトン・
ゼラチン培地を用い、20℃で穿刺培養した。) 陽性である。即ち培養7日目では液化はみ
られず、14日目頃から液化が始まり、ごく
徐々に進行する。 (3) スターチの加水分解(スターチ・無機塩寒
天培地上で、27℃で培養し、常法に従つて判
定した。) スターチの加水分解力は比較的強い。 (4) 脱脂牛乳の凝固、ペプトン化(脱脂牛乳培
地で27℃、及び37℃で培養した。) 脱脂牛乳の凝固は27℃、37℃のいずれでも
認められない。ペプトン化は、27℃で4日目
から、37℃では10日目頃から始まり、徐々に
進んで約3週間目にはいずれの温度において
もほぼ完了する。 (5) メラニン様色素の生成(チロシン寒天培
地、ペプトン・イースト鉄寒天培地及びトリ
プトン・イースト・ブロス:いずれも27℃で
培養した。) 上記いずれの培地においてもメラニン様色
素の生成は認められない。 4 炭素源の利用性 ブリドハム・ゴツトリーブ寒天培地(ISP−
9培地)を使用して、27℃で培養して試験した
結果、D−キシロース、D−グルコース、D−
フラクトース、D−マンニツト、D−ガラクト
ースおよびサリシンを利用し、シユークロース
およびイノシトールの利用性は疑わしく、L−
アラビノース、L−ラムノース、ラフイノース
及びセルロースは利用しない。 5 細胞壁のジアミノピメリン酸の分析 細胞壁の構成アミノ酸の一つであるジアミノ
ピメリン酸をテイ・ハセガワら:ジヤナール・
オブ・ザ・ジエネラル・エンド・アプライド・
マイクロバイオロジー(T.Hasegawa,et al.,
J.Gen.Appl.Microbiol.)29,319−322(1983)
の方法に準じて分析した結果は、LL−型であ
つた。 以上の結果を要約すると、446−S3の気菌糸は
単純分枝をなし、大部分がゆるく屈曲し、分生胞
子の着生部分は房状分枝を示し、輪生枝及びラセ
ン形成は認められず、胞子の表面は平滑である。
鞭毛や胞子嚢および菌核は認められない。種々の
培地上で、ごくうすい黄色ないし、ごくうすい緑
黄色から黄褐色、暗い黄褐色ないし灰黄色の基生
菌糸を形成し、気菌糸はごくうすい緑黄色、ごく
うすい黄緑色、ごくうすい黄色ないし、ごくうす
い赤味がかつた黄色を呈する。なお、ごくうすい
緑黄色、ごくうすい黄色、うすい緑黄色ないし、
にぶい黄色の溶解性色素を生ずる。15℃から45℃
で試験した結果、15℃から37℃の間において生育
し、40℃以上では生育しない。ゼラチンを液化
し、スキムミルクを凝固せず、ペプトン化する。
スターチをよく水解し、メラニン様色素を生成し
ない。D−キシロース、D−グルコース、D−フ
ラクトース、D−マンニツト、D−ガラクトース
及びサリシンを利用し、シユークロース及びイノ
シトールの利用は疑わしく、L−アラビノース、
L−ラムノース、ラフイノース及びセルロースは
利用しない。細胞壁のジアミノピメリン酸はLL
−型である。 これらの結果から本菌株はストレプトミセス属
に属し、プリドハムとトレスナーの分類における
イエローシリーズに属することは明らかである。
そこでバージーズ・マニユアル・オブ・デターミ
ネイテイブ・バクテリオロジー第8版及びインタ
ーナシヨナル・ジヤーナル・オブ・システマテイ
ツク・バクテリオロジー、18巻332頁によつて比
較した所、第2表に示した如く、ストレプトミセ
ス・グリセウスの記載とよく一致する。しかしな
がら、新抗生物質カプラマイシンを生産する点に
おいて、明らかな相違が認められるので、446−
S3株はストレプトミセス・グリセウスに属する
新菌株とすることが妥当と結論し、ストレプトミ
セス・グリセウス(Streptomyces griseus)446
−S3と命名した。
【表】
なお、本菌株はストレプトミセス・エスピー・
446−S3(Streptomyces sp.446−S3)として工業
技術院微生物工業技術研究所に寄託され、受託番
号は微工研菌寄第7416号(FERM P−7416)で
ある。 本発明の抗生物質カプラマイシンの製造法の実
施に当つては、ストレプトミセス属に属し、抗生
物質カプラマイシンを生産する能力を有する菌
株、例えばストレプトミセス・エスピー・446−
S3(微工研菌寄第7416号)を栄養源含有培地に接
種して好気的に発育させることによつて、抗生物
質カプラマイシンを含有する培養物が得られる。
栄養物としては放線菌の栄養源として公知のもの
を使用できる。例えば市販されている澱粉、デキ
ストリン、マルトース、蔗糖、グルコース、グリ
セリン、糖蜜などの炭水化物、あるいは有機酸、
油脂などの炭素源および脱脂大豆粉、大豆粉、綿
実粉、NZ−アミン、コーンスチープリカー、カ
ゼイン水解物、デイステイラーズ・ソリユブル、
魚粉、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、硫酸ア
ンモニヤ、硝酸ソーダ、硝酸アンモニヤ、アンモ
ニヤなどの窒素源と、燐酸塩、マグネシウム塩、
亜鉛塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム
塩などの無機塩その他必要に応じて微量の金属塩
を加えることもできる。これらの物は生産菌が利
用し、抗生物質カプラマイシンの生産に役立つ物
であればよく、放線菌の公知の培養材料はすべて
用いることができる。抗生物質カプラマイシンの
能率的な生産には液体培養が好ましく、培養温度
は生産菌が発育し抗生物質カプラマイシンを生産
する範囲内であればよい。培養は普通の場合、抗
生物質カプラマイシンが充分蓄積するまで続けら
れる。例えはグリセリン1.8%、ポリペプトン0.6
%、肉エキス0.5%、食塩0.3%からなる液体培地
(PH7.0)に寒天斜面培地で培養した446−S3株を
接種し、28±1℃で好気的に回転振盪培養を行う
と、培養2日目から目的とする抗生物質の蓄積が
みられ、4日目ないし6日目に最高に達する。抗
生物質カプラマイシンの定量には、試験菌として
ミコバクテリウム・スメグマチス
(Mycobacterium smegmatis)ATCC607を使用
する通常の円筒平板法又はペーパーデイスク平板
法を行なえばよい。 この様にして得られる培養物において、抗生物
質カプラマイシンの大部分は培養濾液又は遠心上
澄液中に存在する。それらの溶液から抗生物質カ
プラマイシンを採取するには種々の方法が用いら
れる。即ち種々を吸着剤を用いて吸脱着をおこな
う方法、あるいは種々なイオン交換樹脂を用いて
精製する方法などを実施することができる。例え
ば、吸着剤として、多孔性非イオン性吸着樹脂で
あるダイヤイオンHP20(三菱化成工業社製、商
品名)を使用すると、抗生物質カプラマイシンは
HP20に吸着され、アセトン水、メタノール水等
によつて溶出される。又弱酸性陽イオン交換樹脂
であるアンバーライトIRC−50(米国、ローム・
アンド・ハース社製、商品名)水素型に吸着さ
れ、希薄な酸、例えば0.05N塩酸で溶出される。
このような方法で得られた抗生物質カプラマイシ
ンの粗粉末は例えばクロロホルム、メタノール、
ベンゼン、酢酸エチル、アセトン等の溶媒の、適
当な組み合わせよりなる混合溶媒系を用いたシリ
カゲル・カラムクロマトグラフ法によつて精製す
ることができる。そのほかに、クロマトグラフ用
の弱酸性陽イオン交換樹脂、例えばアンバーライ
トCG−50(米国、ローム・アンド・ハース社製、
商品名)水素型や、ゲル濾過クロマトグラフ用樹
脂、例えばトヨパールHW−40(東洋曹達工業社
製、商品名)を用いて精製することもできる。ま
た、含水アルコールやアルコールと酢酸エチル等
の混合溶媒を用いて再結晶を繰返して高純度の抗
生物質446−S3−1を得ることも出来る。 次に本発明の実施例を示すが、これらは単なる
一例であつて、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。 実施例 1 ストレプトミセス・エスピー・446−S3株
(Streptomyces sp.446−S3)(微工研菌寄第7416
号)の斜面培養を種菌とし、培地としてグリセロ
ール1.8%、ポリペプトン0.6%、牛肉エキス0.5
%、塩化ナトリウム0.3%の組成のものをPH6.9に
調整した後、121℃で15分間滅菌したものを用い
た。種菌一白金耳を500ml容エルレンマイヤーフ
ラスコに入れた上記の培地100mlに接種し、28℃
で2日間振盪培養した。この種培養液を100mlの
前記培地を含む500ml容エルレンマイヤーフラス
コ25本に各3%の割合で接種し、28℃で6日間回
転振盪培養機(180回転毎分)で培養した。 500ml容エルレンマイヤーフラスコ25本分の培
養物を合して得た培養物2.5を、2N−塩酸でPH
7に調整後、遠心分離した。得られた上澄液をダ
イヤイオンHP20樹脂のカラム(200ml)に通し、
目的物質を吸着させ、水洗後100mlの50%含水ア
セトンで溶出した。溶出して得られた活性区分
200mlを減圧下で濃縮し、さらに凍結乾燥して褐
色粉末1.80gを得た。この褐色粉末をメタノール
を用いて充填したトヨパールHW−40Fゲルのカ
ラム(東洋曹達工業社製、450ml)にのせ、メタ
ノールで展開溶出し、活性分画(分画番号12番〜
14番、20ml/分画)を得た。 この活性分画60mlを減圧下で蒸発乾固し、褐色
固形物0.50gを得た。得られた褐色固形物0.50g
を少量のメタノールに溶かし、クロロホルムで充
填したシリカゲルのカラム(和光純薬工業社製ワ
コーゲルC−200、400ml)にのせ、クロロホルム
で展開し、次にクロロホルム:メタノール(3:
1)の混合溶媒で展開溶出して、活性分画(分画
番号25番〜36番、10ml/分画)を得た。この活性
分画1120mlを減圧下で蒸発乾固し、淡黄色粉末
200mgを得た。これをさらにクロロホルムで充填
したシリカゲルのカラム(150ml)にのせ、クロ
ロホルムで展開し、次にクロロホルム:メタノー
ル(5:1)、クロロホルム:メタノール(3:
1)の混合溶媒を用いて順次展開溶出した。この
活性区分30mlを減圧下で濃縮し、酢酸エチルを加
えることによつて得られた沈澱を濾別し、乾燥し
て抗生物質カプラマイシンの白色粉末180mgを得
た。このものの理化学的性質は、前記の理化学的
性質と一致した。 実施例 2 種菌として、実施例1の培地で培養した種培養
液の2mlを予め滅菌した40%シユークロース水溶
液2mlの入つたスクリユープラグ付試験管に加え
て混合し、−80℃に凍結保存したものを用いた。
この種培養液を室温に戻し、実施例1の培地100
mlが入つた500ml容エルレンマイヤーフラスコに
接種し、28℃で1日間、振盪培養した。この種培
養液を100mlの培地が入つた500ml容エルレンマイ
ヤーフラスコ50本に各3%の割合で接種し、28℃
で6日間振盪培養を行つた。この場合、培地とし
ては、グリセロール2.0%、グルコース0.5%、ポ
リペプトン0.6%、牛肉エキス0.5%、塩化ナトリ
ウム0.3%の組成のものをPH6.9に調整した後、
121℃で15分間滅菌して用いた。 得られた培養物5.0を遠心分離し、培養上清
を得た。これをダイヤイオンHP20樹脂のカラム
(500ml)に通して目的物質を吸着させ、水洗後、
1.5の50%含水アセトンで溶出して得られた活
性区分550mlを減圧下で蒸留してアセトンを留去
し、その後、凍結乾燥して褐色粉末3.5gを得た。
これをメタノールに溶かしてクロロホルムで充填
したシリカゲルのカラム(700ml)にのせ、クロ
ロホルムで展開し、次にクロロホルム:メタノー
ル(5:1)、クロロホルム:メタノール(3:
1)の混合溶媒を用いて順に展開溶出し、活性分
画(分画番号210番〜240番、20ml/分画)を得
た。この活性分画を減圧下で濃縮し、酢酸エチル
を加えることによつて得られた白色沈澱を濾別
し、減圧下で乾燥することにより淡黄色粉末0.90
gを得た。これを水に溶かしてPH7.5に調整した
後、弱酸性陽イオン交換樹脂アンバーライトCG
−50(水素型250ml)に通して目的物質を吸着させ
た。 次に、水で洗浄し、さらに0.05N−塩酸で溶出
し、活性区分330mlを得た。得られた活性区分を
減圧下で20mlまで濃縮し、これを水で充填したト
ヨパールHW−40Fのカラム(340ml)にのせ、
水で展開溶出し、活性区分50mlを得た。これを凍
結乾燥し、抗生物質446−S3−1の白色粉末390
mgを得た。このものの理化学的性質は前記の理化
学的性質と一致した。
446−S3(Streptomyces sp.446−S3)として工業
技術院微生物工業技術研究所に寄託され、受託番
号は微工研菌寄第7416号(FERM P−7416)で
ある。 本発明の抗生物質カプラマイシンの製造法の実
施に当つては、ストレプトミセス属に属し、抗生
物質カプラマイシンを生産する能力を有する菌
株、例えばストレプトミセス・エスピー・446−
S3(微工研菌寄第7416号)を栄養源含有培地に接
種して好気的に発育させることによつて、抗生物
質カプラマイシンを含有する培養物が得られる。
栄養物としては放線菌の栄養源として公知のもの
を使用できる。例えば市販されている澱粉、デキ
ストリン、マルトース、蔗糖、グルコース、グリ
セリン、糖蜜などの炭水化物、あるいは有機酸、
油脂などの炭素源および脱脂大豆粉、大豆粉、綿
実粉、NZ−アミン、コーンスチープリカー、カ
ゼイン水解物、デイステイラーズ・ソリユブル、
魚粉、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、硫酸ア
ンモニヤ、硝酸ソーダ、硝酸アンモニヤ、アンモ
ニヤなどの窒素源と、燐酸塩、マグネシウム塩、
亜鉛塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム
塩などの無機塩その他必要に応じて微量の金属塩
を加えることもできる。これらの物は生産菌が利
用し、抗生物質カプラマイシンの生産に役立つ物
であればよく、放線菌の公知の培養材料はすべて
用いることができる。抗生物質カプラマイシンの
能率的な生産には液体培養が好ましく、培養温度
は生産菌が発育し抗生物質カプラマイシンを生産
する範囲内であればよい。培養は普通の場合、抗
生物質カプラマイシンが充分蓄積するまで続けら
れる。例えはグリセリン1.8%、ポリペプトン0.6
%、肉エキス0.5%、食塩0.3%からなる液体培地
(PH7.0)に寒天斜面培地で培養した446−S3株を
接種し、28±1℃で好気的に回転振盪培養を行う
と、培養2日目から目的とする抗生物質の蓄積が
みられ、4日目ないし6日目に最高に達する。抗
生物質カプラマイシンの定量には、試験菌として
ミコバクテリウム・スメグマチス
(Mycobacterium smegmatis)ATCC607を使用
する通常の円筒平板法又はペーパーデイスク平板
法を行なえばよい。 この様にして得られる培養物において、抗生物
質カプラマイシンの大部分は培養濾液又は遠心上
澄液中に存在する。それらの溶液から抗生物質カ
プラマイシンを採取するには種々の方法が用いら
れる。即ち種々を吸着剤を用いて吸脱着をおこな
う方法、あるいは種々なイオン交換樹脂を用いて
精製する方法などを実施することができる。例え
ば、吸着剤として、多孔性非イオン性吸着樹脂で
あるダイヤイオンHP20(三菱化成工業社製、商
品名)を使用すると、抗生物質カプラマイシンは
HP20に吸着され、アセトン水、メタノール水等
によつて溶出される。又弱酸性陽イオン交換樹脂
であるアンバーライトIRC−50(米国、ローム・
アンド・ハース社製、商品名)水素型に吸着さ
れ、希薄な酸、例えば0.05N塩酸で溶出される。
このような方法で得られた抗生物質カプラマイシ
ンの粗粉末は例えばクロロホルム、メタノール、
ベンゼン、酢酸エチル、アセトン等の溶媒の、適
当な組み合わせよりなる混合溶媒系を用いたシリ
カゲル・カラムクロマトグラフ法によつて精製す
ることができる。そのほかに、クロマトグラフ用
の弱酸性陽イオン交換樹脂、例えばアンバーライ
トCG−50(米国、ローム・アンド・ハース社製、
商品名)水素型や、ゲル濾過クロマトグラフ用樹
脂、例えばトヨパールHW−40(東洋曹達工業社
製、商品名)を用いて精製することもできる。ま
た、含水アルコールやアルコールと酢酸エチル等
の混合溶媒を用いて再結晶を繰返して高純度の抗
生物質446−S3−1を得ることも出来る。 次に本発明の実施例を示すが、これらは単なる
一例であつて、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。 実施例 1 ストレプトミセス・エスピー・446−S3株
(Streptomyces sp.446−S3)(微工研菌寄第7416
号)の斜面培養を種菌とし、培地としてグリセロ
ール1.8%、ポリペプトン0.6%、牛肉エキス0.5
%、塩化ナトリウム0.3%の組成のものをPH6.9に
調整した後、121℃で15分間滅菌したものを用い
た。種菌一白金耳を500ml容エルレンマイヤーフ
ラスコに入れた上記の培地100mlに接種し、28℃
で2日間振盪培養した。この種培養液を100mlの
前記培地を含む500ml容エルレンマイヤーフラス
コ25本に各3%の割合で接種し、28℃で6日間回
転振盪培養機(180回転毎分)で培養した。 500ml容エルレンマイヤーフラスコ25本分の培
養物を合して得た培養物2.5を、2N−塩酸でPH
7に調整後、遠心分離した。得られた上澄液をダ
イヤイオンHP20樹脂のカラム(200ml)に通し、
目的物質を吸着させ、水洗後100mlの50%含水ア
セトンで溶出した。溶出して得られた活性区分
200mlを減圧下で濃縮し、さらに凍結乾燥して褐
色粉末1.80gを得た。この褐色粉末をメタノール
を用いて充填したトヨパールHW−40Fゲルのカ
ラム(東洋曹達工業社製、450ml)にのせ、メタ
ノールで展開溶出し、活性分画(分画番号12番〜
14番、20ml/分画)を得た。 この活性分画60mlを減圧下で蒸発乾固し、褐色
固形物0.50gを得た。得られた褐色固形物0.50g
を少量のメタノールに溶かし、クロロホルムで充
填したシリカゲルのカラム(和光純薬工業社製ワ
コーゲルC−200、400ml)にのせ、クロロホルム
で展開し、次にクロロホルム:メタノール(3:
1)の混合溶媒で展開溶出して、活性分画(分画
番号25番〜36番、10ml/分画)を得た。この活性
分画1120mlを減圧下で蒸発乾固し、淡黄色粉末
200mgを得た。これをさらにクロロホルムで充填
したシリカゲルのカラム(150ml)にのせ、クロ
ロホルムで展開し、次にクロロホルム:メタノー
ル(5:1)、クロロホルム:メタノール(3:
1)の混合溶媒を用いて順次展開溶出した。この
活性区分30mlを減圧下で濃縮し、酢酸エチルを加
えることによつて得られた沈澱を濾別し、乾燥し
て抗生物質カプラマイシンの白色粉末180mgを得
た。このものの理化学的性質は、前記の理化学的
性質と一致した。 実施例 2 種菌として、実施例1の培地で培養した種培養
液の2mlを予め滅菌した40%シユークロース水溶
液2mlの入つたスクリユープラグ付試験管に加え
て混合し、−80℃に凍結保存したものを用いた。
この種培養液を室温に戻し、実施例1の培地100
mlが入つた500ml容エルレンマイヤーフラスコに
接種し、28℃で1日間、振盪培養した。この種培
養液を100mlの培地が入つた500ml容エルレンマイ
ヤーフラスコ50本に各3%の割合で接種し、28℃
で6日間振盪培養を行つた。この場合、培地とし
ては、グリセロール2.0%、グルコース0.5%、ポ
リペプトン0.6%、牛肉エキス0.5%、塩化ナトリ
ウム0.3%の組成のものをPH6.9に調整した後、
121℃で15分間滅菌して用いた。 得られた培養物5.0を遠心分離し、培養上清
を得た。これをダイヤイオンHP20樹脂のカラム
(500ml)に通して目的物質を吸着させ、水洗後、
1.5の50%含水アセトンで溶出して得られた活
性区分550mlを減圧下で蒸留してアセトンを留去
し、その後、凍結乾燥して褐色粉末3.5gを得た。
これをメタノールに溶かしてクロロホルムで充填
したシリカゲルのカラム(700ml)にのせ、クロ
ロホルムで展開し、次にクロロホルム:メタノー
ル(5:1)、クロロホルム:メタノール(3:
1)の混合溶媒を用いて順に展開溶出し、活性分
画(分画番号210番〜240番、20ml/分画)を得
た。この活性分画を減圧下で濃縮し、酢酸エチル
を加えることによつて得られた白色沈澱を濾別
し、減圧下で乾燥することにより淡黄色粉末0.90
gを得た。これを水に溶かしてPH7.5に調整した
後、弱酸性陽イオン交換樹脂アンバーライトCG
−50(水素型250ml)に通して目的物質を吸着させ
た。 次に、水で洗浄し、さらに0.05N−塩酸で溶出
し、活性区分330mlを得た。得られた活性区分を
減圧下で20mlまで濃縮し、これを水で充填したト
ヨパールHW−40Fのカラム(340ml)にのせ、
水で展開溶出し、活性区分50mlを得た。これを凍
結乾燥し、抗生物質446−S3−1の白色粉末390
mgを得た。このものの理化学的性質は前記の理化
学的性質と一致した。
第1図は、抗生物質カプラマイシンの紫外線吸
収スペクトル(メタノール中で測定)を、第2図
は、赤外線吸収スペクトル(KBr法)を示す。
収スペクトル(メタノール中で測定)を、第2図
は、赤外線吸収スペクトル(KBr法)を示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 下記の化学構造式で示される抗生物質 2 ストレプトミセス属に属する抗生物質カプラ
マイシンの生産菌を培養し、その培養物から下記
の化学構造式で示される抗生物質 を採取することを特徴とするカプラマイシンの製
造法。 3 生産菌がストレプトミセス・グリセウス・
446−S3である特許請求の範囲第2項記載の製造
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59116315A JPS60259190A (ja) | 1984-06-06 | 1984-06-06 | 新抗生物質カプラマイシン及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59116315A JPS60259190A (ja) | 1984-06-06 | 1984-06-06 | 新抗生物質カプラマイシン及びその製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60259190A JPS60259190A (ja) | 1985-12-21 |
| JPH046717B2 true JPH046717B2 (ja) | 1992-02-06 |
Family
ID=14683950
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59116315A Granted JPS60259190A (ja) | 1984-06-06 | 1984-06-06 | 新抗生物質カプラマイシン及びその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60259190A (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1095947B1 (en) | 1998-07-09 | 2007-03-14 | Sankyo Company Limited | Novel antibacterial compounds |
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-
1984
- 1984-06-06 JP JP59116315A patent/JPS60259190A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60259190A (ja) | 1985-12-21 |
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