JPH0468902B2 - - Google Patents
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- JPH0468902B2 JPH0468902B2 JP61193576A JP19357686A JPH0468902B2 JP H0468902 B2 JPH0468902 B2 JP H0468902B2 JP 61193576 A JP61193576 A JP 61193576A JP 19357686 A JP19357686 A JP 19357686A JP H0468902 B2 JPH0468902 B2 JP H0468902B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fatty acids
- butter
- flavor
- lipase
- coconut oil
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- Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
- Seasonings (AREA)
- Edible Oils And Fats (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明は、バター脂とヤシ油とから強い芳香を
有するバターフレーバーを製造する方法に関す
る。 従来技術とその問題点 従来、バターフレーバーやチーズフレーバーの
製造方法は、主に、天然油脂に各種の微生物由来
の脂肪分解酵素(リパーゼ)や幼動物由来のリパ
ーゼを作用させて得られる遊離脂肪酸を含有する
分解生成物をフレーバー成分として採取すること
から成るものであつて(例えば、特公昭57−
38226号、特開昭59−66856号、「日本食品工業学
会誌」第29巻、第12号(1982)、第693頁〜第699
頁)、それらの多くは、原料油脂とほぼ同様な遊
離脂肪酸組成を有する分解生成物が得られるよう
に、もしくはフレーバー成分として好ましい揮発
性脂肪酸(一般にC4〜C10の脂肪酸)の遊離生成
量が多くなるように、上記リパーゼの作用条件を
考慮している。 しかし、これらの従来法では、原料油脂中に含
まれる揮発性脂肪酸の量は限られているため、所
望のバランスのとれた遊離脂肪酸組成のものを得
るにはリパーゼによる分解率に自ずから限界があ
り、また、使用するリパーゼの特性によつても分
解により得られる遊離脂肪酸のプロフイルも限定
されるので、フレーバー強度の強いフレーバーを
得ることはできない。 例えば、バター脂を原料として用い、その分解
率を高めると酪酸臭の強いものが得られ、バター
フレーバーよりもむしろ官能的にイタリアンチー
ズ様なフレーバーとなる。また、原料として用い
る天然油脂によつては、リパーゼによる分解で高
級脂肪酸の生成量が多くなつて、稍々石けん様の
香気が感じられるようになり、食品用フレーバー
としては利用し得なくなる。 発明が解決しようとする課題 本発明は、従来のバターフレーバー製造上の上
述したごとき問題点に鑑みなされたものであつ
て、バター脂の脂肪加水分解物からC4〜C10の揮
発性脂肪酸を採取し、天然油脂のヤシの脂肪加水
分解物からC4〜C10の揮発性脂肪酸を採取し、こ
れらの両成分を特定の割合に混合することによ
り、強い芳香を有するナチユラルバターフレーバ
ーを製造するための方法を提供することを目的と
する。 以下本発明を詳しく説明する。 発明の構成 本発明の構成上の特徴は、天然バター脂及びヤ
シ油を、脂肪分解酵素(リパーゼ)を用いてそれ
ぞれ加水分解し、得られた各加水分解物からバタ
ーフレーバー成分であるC4〜C10の揮発性脂肪酸
をそれぞれ回収し、次いで回収して得られたバタ
ー脂由来の揮発性脂肪酸とヤシ油由来の揮発性脂
肪酸を混合してバターフレーバーを得ることにあ
る。 課題を解決するための手段 本発明は、叙上のごとく、天然バター脂とヤシ
油を原料油脂として用い、それらのリパーゼによ
る加水分解物中のC4〜C10の遊離揮発性脂肪酸を
バターフレーバー成分として利用するものであ
り、ここでヤシ油と天然バター脂と共に原料とし
て用いるのは下記理由に困る。 すなわち、天然の動、植物油脂中バターフレー
バーの主要成分であるC10以下の揮発性脂肪酸を
主として含むものは植物油脂であるパーム核油と
ヤシ油のみであり、しかもC4の脂肪酸を実質上
含まずC6〜C10の揮発性脂肪酸を主として含む油
脂はヤシ油のみであつて、このようなヤシ油から
採取した揮発性脂肪酸をバター脂から採取される
フレーバー成分と混合することにより遊離脂肪酸
の組成上所望のバランスのとれたフレーバー成分
が得られるからである。次に、参考としてバター
脂及びヤシ油とパーム核油とのC4〜C10の揮発性
脂肪酸組成を示すと表1のとおりである。
有するバターフレーバーを製造する方法に関す
る。 従来技術とその問題点 従来、バターフレーバーやチーズフレーバーの
製造方法は、主に、天然油脂に各種の微生物由来
の脂肪分解酵素(リパーゼ)や幼動物由来のリパ
ーゼを作用させて得られる遊離脂肪酸を含有する
分解生成物をフレーバー成分として採取すること
から成るものであつて(例えば、特公昭57−
38226号、特開昭59−66856号、「日本食品工業学
会誌」第29巻、第12号(1982)、第693頁〜第699
頁)、それらの多くは、原料油脂とほぼ同様な遊
離脂肪酸組成を有する分解生成物が得られるよう
に、もしくはフレーバー成分として好ましい揮発
性脂肪酸(一般にC4〜C10の脂肪酸)の遊離生成
量が多くなるように、上記リパーゼの作用条件を
考慮している。 しかし、これらの従来法では、原料油脂中に含
まれる揮発性脂肪酸の量は限られているため、所
望のバランスのとれた遊離脂肪酸組成のものを得
るにはリパーゼによる分解率に自ずから限界があ
り、また、使用するリパーゼの特性によつても分
解により得られる遊離脂肪酸のプロフイルも限定
されるので、フレーバー強度の強いフレーバーを
得ることはできない。 例えば、バター脂を原料として用い、その分解
率を高めると酪酸臭の強いものが得られ、バター
フレーバーよりもむしろ官能的にイタリアンチー
ズ様なフレーバーとなる。また、原料として用い
る天然油脂によつては、リパーゼによる分解で高
級脂肪酸の生成量が多くなつて、稍々石けん様の
香気が感じられるようになり、食品用フレーバー
としては利用し得なくなる。 発明が解決しようとする課題 本発明は、従来のバターフレーバー製造上の上
述したごとき問題点に鑑みなされたものであつ
て、バター脂の脂肪加水分解物からC4〜C10の揮
発性脂肪酸を採取し、天然油脂のヤシの脂肪加水
分解物からC4〜C10の揮発性脂肪酸を採取し、こ
れらの両成分を特定の割合に混合することによ
り、強い芳香を有するナチユラルバターフレーバ
ーを製造するための方法を提供することを目的と
する。 以下本発明を詳しく説明する。 発明の構成 本発明の構成上の特徴は、天然バター脂及びヤ
シ油を、脂肪分解酵素(リパーゼ)を用いてそれ
ぞれ加水分解し、得られた各加水分解物からバタ
ーフレーバー成分であるC4〜C10の揮発性脂肪酸
をそれぞれ回収し、次いで回収して得られたバタ
ー脂由来の揮発性脂肪酸とヤシ油由来の揮発性脂
肪酸を混合してバターフレーバーを得ることにあ
る。 課題を解決するための手段 本発明は、叙上のごとく、天然バター脂とヤシ
油を原料油脂として用い、それらのリパーゼによ
る加水分解物中のC4〜C10の遊離揮発性脂肪酸を
バターフレーバー成分として利用するものであ
り、ここでヤシ油と天然バター脂と共に原料とし
て用いるのは下記理由に困る。 すなわち、天然の動、植物油脂中バターフレー
バーの主要成分であるC10以下の揮発性脂肪酸を
主として含むものは植物油脂であるパーム核油と
ヤシ油のみであり、しかもC4の脂肪酸を実質上
含まずC6〜C10の揮発性脂肪酸を主として含む油
脂はヤシ油のみであつて、このようなヤシ油から
採取した揮発性脂肪酸をバター脂から採取される
フレーバー成分と混合することにより遊離脂肪酸
の組成上所望のバランスのとれたフレーバー成分
が得られるからである。次に、参考としてバター
脂及びヤシ油とパーム核油とのC4〜C10の揮発性
脂肪酸組成を示すと表1のとおりである。
【表】
本発明では、バター脂(バターオイル)とヤシ
油をリパーゼによりそれぞれ加水分解するが、こ
こで用いるリパーゼは、動物起源及び微生物起源
のもの等多くの種類があり、その基質に対する作
用性も種類により異なるので、市販のリパーゼ製
剤について活性が強く、かつ原料油脂から可及的
に多量のフレーバー成分(主としてC4〜C10の揮
発性脂肪酸)を生成し得るものを選択して用いる
とよい。 主な市販リパーゼ製剤としてはパンクレアチツ
クリパーゼ250(活性6.5U/mg、マイルス・ラボ
ラトリーズ社)、オリパーゼ2S(活性0.7U/mg)、
オリパーゼ4S(活性1.5U/mg)、サイケン50(活性
2.75U/mg)、サイケン100(活性5.5U/mg)、リパ
ーゼMY(活性4.25U/mg)、アマノ〔A〕6(活性
0.575U/mg)、アマノ〔P〕30(活性9.05U/mg)、
アマノ〔M〕10(活性5.7U/mg)等を例示し得
る。 ここに示した各リパーゼ製剤の活性値は、下記
により測定したものである。 酵素活性の測定: 基質 Umemotoらの方法〔「ジヤーナル オブ ア
グリカルチユアル エンド バイオロジカル ケ
ミストリイ」(J.Agri.Biol.Chem.)32(11)1311
−1317(1968)〕に準じて重合度2000のポリビニル
アルコールを80℃に加温しながら溶解して4%水
溶液を調製し、これに25%(V/V)となるよう
トリブチリンを添加し、40〜50℃に保持しながら
ポリトロン(キネマチカ社製)で10分間均質化し
た。 酵素液 所定量の酵素を蒸留水に溶解し、これに等量の
所定pH(pH7.0)調整したマツキルベイン
(McIlvaine)緩衝液を加えて酸素液とした。 反応 酵素液4mlと基質1mlを30℃で振震盪(100
回/分)しながら所定時間(60分間)反応させた
後、アセトンとエタノール(1:1)混合液5ml
を加えて反応停止した。 なお、盲検として、100℃で10分間加熱失活処
理を行つた酵素液を用い、同様の反応を行つた。 リパーゼ活性の測定 フエノールフタレンを指示薬として、0.05N−
NaOHで遊離脂肪酸を滴定し、盲検値との差を
活性とした。 力価は、0.05N−NaOHの1mlに相当する脂肪
酸を遊離する酵素量を1単位とした。 因に、これらの市販リパーゼ製剤のうち、アマ
ノ〔P〕30(天野製薬K.K.)はバター脂及びヤシ
油からC4〜C10の揮発性脂肪酸から成るフレーバ
ー成分を多量に生成することから、特に好まし
い。なお、このリパーゼ製剤はシユドモナス・フ
ロレンス(Pseudomonas fluorescens)起源のリ
パーゼであつて、基質特異性(位置特異性及び脂
肪酸鎖長特異性)を有しない。 これらのリパーゼを用いてバター脂及びヤシ油
の加水分解を行うに当つては、分解により脂肪酸
が生成するに伴い、反応基質のpHが低下して酵
素活性が低減するので、反応系にpHを中和する
ためのペンタカルシウム(骨粉)のような天然の
中和剤を添加しておくことが好ましい。なお、ナ
チユラルフレーバーを製造するには天然物以外の
物質の使用は避ける必要がある。 次に、ヤシ油を上記リパーゼ製剤、アマノ
〔P〕30で加水分解したときの脂肪酸生成量とpH
の経時的変化との関係を示すと添付の第1図のと
おりである。 なお、第1図は、ヤシ油60wt%、水39.74wt%
及びリパーゼ0.26wt%を反応させた場合について
示した。 また、バター脂及びヤシ油にpH中和剤として
ペンタカルシウムを添加して上記と同様のリパー
ゼを用いてそれぞれ加水分解を行つた場合の脂肪
酸の経時的生成量の状態を調べた結果を第2図並
びに第3図に示す。なお、原料の反応液並びに反
応条件は下記のとおりである。 原料反応液: バター脂 60(wt%) ペンタカルシウム 2 水 37.74 リパーゼ 0.26 ヤシ油 60(wt%) ペンタカルシウム 2 水 37.74 リパーゼ 0.26 反応条件: 反応温度 50℃ 反応時間 48時間 また、上記反応により生成した遊離脂肪酸の測
定は中和滴定法で行い、揮発性脂肪酸の測定は試
料1〜3gを1時間水蒸気蒸留し、留出した脂肪
酸を一定量の0.05N−NaOHで受けフエノールフ
タレンを指示薬として0.05N−H2SO4で滴定し、
下記式により算出した。 揮発性脂肪酸量(μmole/g)=0.05N−N
aOH量−0.05N−H2SO4量/試料重量×50 本発明ではバター脂及びヤシ油のリパーゼによ
る分解率は基質の量を低減させ、一方酵素量を増
加させると、ほぼ100%までにすることが可能で
あるが、実際の製造上の処理負荷及び酵素費用を
考慮すると、バター脂で60%程度、ヤシ油で70%
程度が好ましい。 上述のごとくしてバター脂及びヤシ油をそれぞ
れ酵素分解した後、得られた各分解液から主とし
てC4〜C10から成る揮発性脂肪酸画分を回収する。
この回収には、水蒸気蒸留、溶剤抽出、吸着分
離、真空蒸留等の手段を用いて行い得るが、上記
脂肪酸を遊離形態で直接高濃度で回収するには真
空蒸留法の使用が有利である。 因に、真空蒸留法は脂肪酸の蒸留に一般に使用
されており、特に脂肪酸やそのエステルを効率的
に蒸留(1〜5mmHg減圧下、180〜230℃)し得
ることから、本発明におけるC4〜C10の揮発性脂
肪酸画分を容易に蒸留て回収することができる。 次に、さきに示したバター脂60wt%並びにヤ
シ油60wt%を含む原料反応液を上記反応条件で
酵素分解して得た各反応液中の遊離脂肪酸量及び
該反応液をそれぞれ真空蒸留して得られる各留出
液中の遊離脂肪酸量を調べた結果を表2に示す。
油をリパーゼによりそれぞれ加水分解するが、こ
こで用いるリパーゼは、動物起源及び微生物起源
のもの等多くの種類があり、その基質に対する作
用性も種類により異なるので、市販のリパーゼ製
剤について活性が強く、かつ原料油脂から可及的
に多量のフレーバー成分(主としてC4〜C10の揮
発性脂肪酸)を生成し得るものを選択して用いる
とよい。 主な市販リパーゼ製剤としてはパンクレアチツ
クリパーゼ250(活性6.5U/mg、マイルス・ラボ
ラトリーズ社)、オリパーゼ2S(活性0.7U/mg)、
オリパーゼ4S(活性1.5U/mg)、サイケン50(活性
2.75U/mg)、サイケン100(活性5.5U/mg)、リパ
ーゼMY(活性4.25U/mg)、アマノ〔A〕6(活性
0.575U/mg)、アマノ〔P〕30(活性9.05U/mg)、
アマノ〔M〕10(活性5.7U/mg)等を例示し得
る。 ここに示した各リパーゼ製剤の活性値は、下記
により測定したものである。 酵素活性の測定: 基質 Umemotoらの方法〔「ジヤーナル オブ ア
グリカルチユアル エンド バイオロジカル ケ
ミストリイ」(J.Agri.Biol.Chem.)32(11)1311
−1317(1968)〕に準じて重合度2000のポリビニル
アルコールを80℃に加温しながら溶解して4%水
溶液を調製し、これに25%(V/V)となるよう
トリブチリンを添加し、40〜50℃に保持しながら
ポリトロン(キネマチカ社製)で10分間均質化し
た。 酵素液 所定量の酵素を蒸留水に溶解し、これに等量の
所定pH(pH7.0)調整したマツキルベイン
(McIlvaine)緩衝液を加えて酸素液とした。 反応 酵素液4mlと基質1mlを30℃で振震盪(100
回/分)しながら所定時間(60分間)反応させた
後、アセトンとエタノール(1:1)混合液5ml
を加えて反応停止した。 なお、盲検として、100℃で10分間加熱失活処
理を行つた酵素液を用い、同様の反応を行つた。 リパーゼ活性の測定 フエノールフタレンを指示薬として、0.05N−
NaOHで遊離脂肪酸を滴定し、盲検値との差を
活性とした。 力価は、0.05N−NaOHの1mlに相当する脂肪
酸を遊離する酵素量を1単位とした。 因に、これらの市販リパーゼ製剤のうち、アマ
ノ〔P〕30(天野製薬K.K.)はバター脂及びヤシ
油からC4〜C10の揮発性脂肪酸から成るフレーバ
ー成分を多量に生成することから、特に好まし
い。なお、このリパーゼ製剤はシユドモナス・フ
ロレンス(Pseudomonas fluorescens)起源のリ
パーゼであつて、基質特異性(位置特異性及び脂
肪酸鎖長特異性)を有しない。 これらのリパーゼを用いてバター脂及びヤシ油
の加水分解を行うに当つては、分解により脂肪酸
が生成するに伴い、反応基質のpHが低下して酵
素活性が低減するので、反応系にpHを中和する
ためのペンタカルシウム(骨粉)のような天然の
中和剤を添加しておくことが好ましい。なお、ナ
チユラルフレーバーを製造するには天然物以外の
物質の使用は避ける必要がある。 次に、ヤシ油を上記リパーゼ製剤、アマノ
〔P〕30で加水分解したときの脂肪酸生成量とpH
の経時的変化との関係を示すと添付の第1図のと
おりである。 なお、第1図は、ヤシ油60wt%、水39.74wt%
及びリパーゼ0.26wt%を反応させた場合について
示した。 また、バター脂及びヤシ油にpH中和剤として
ペンタカルシウムを添加して上記と同様のリパー
ゼを用いてそれぞれ加水分解を行つた場合の脂肪
酸の経時的生成量の状態を調べた結果を第2図並
びに第3図に示す。なお、原料の反応液並びに反
応条件は下記のとおりである。 原料反応液: バター脂 60(wt%) ペンタカルシウム 2 水 37.74 リパーゼ 0.26 ヤシ油 60(wt%) ペンタカルシウム 2 水 37.74 リパーゼ 0.26 反応条件: 反応温度 50℃ 反応時間 48時間 また、上記反応により生成した遊離脂肪酸の測
定は中和滴定法で行い、揮発性脂肪酸の測定は試
料1〜3gを1時間水蒸気蒸留し、留出した脂肪
酸を一定量の0.05N−NaOHで受けフエノールフ
タレンを指示薬として0.05N−H2SO4で滴定し、
下記式により算出した。 揮発性脂肪酸量(μmole/g)=0.05N−N
aOH量−0.05N−H2SO4量/試料重量×50 本発明ではバター脂及びヤシ油のリパーゼによ
る分解率は基質の量を低減させ、一方酵素量を増
加させると、ほぼ100%までにすることが可能で
あるが、実際の製造上の処理負荷及び酵素費用を
考慮すると、バター脂で60%程度、ヤシ油で70%
程度が好ましい。 上述のごとくしてバター脂及びヤシ油をそれぞ
れ酵素分解した後、得られた各分解液から主とし
てC4〜C10から成る揮発性脂肪酸画分を回収する。
この回収には、水蒸気蒸留、溶剤抽出、吸着分
離、真空蒸留等の手段を用いて行い得るが、上記
脂肪酸を遊離形態で直接高濃度で回収するには真
空蒸留法の使用が有利である。 因に、真空蒸留法は脂肪酸の蒸留に一般に使用
されており、特に脂肪酸やそのエステルを効率的
に蒸留(1〜5mmHg減圧下、180〜230℃)し得
ることから、本発明におけるC4〜C10の揮発性脂
肪酸画分を容易に蒸留て回収することができる。 次に、さきに示したバター脂60wt%並びにヤ
シ油60wt%を含む原料反応液を上記反応条件で
酵素分解して得た各反応液中の遊離脂肪酸量及び
該反応液をそれぞれ真空蒸留して得られる各留出
液中の遊離脂肪酸量を調べた結果を表2に示す。
【表】
本発明は、上述のごとくして各酵素分解を真空
蒸留して得られる主としてC4〜C10からなる揮発
性脂肪酸画分の各々を混合して目的のバターフレ
ーバーを得るが、その際の混合割合は官能評価に
よると、バター脂由来の揮発性脂肪酸とヤシ油由
来の揮発性脂肪酸を重量比で5:5〜8:2、特
に6:4にすることが好ましい。 この混合により、バター脂のみから回収した脂
肪酸から成るフレーバーにみられる強い酪酸臭の
ない、芳香の強いバターフレーバーが得られる。 このようにして得られるバターフレーバーは、
天然バターの1000倍以上のフレーバー強度を有
し、バターオイルから得られる従来のバターフレ
ーバーの10倍以上のフレーバー強度を示すので、
少量の添加量で良好なバターの芳香が得られる。 以下に実施例に示して本発明を具体的に説明す
る。 実施例 原料油脂の酸素分解 バター脂の加水分解: バター脂(バターオイル)800g、ペンタカル
シウム26.7g及び水503gから成る基質に、市販の
リパーゼ製剤(商品名アマノ〔P〕30、天野製薬
社)を3.5g添加し、50℃の温度で48時間攪拌下
(500rpm)に反応を行つて加水分解液(遊離脂肪
酸約1700μmole/g)を得た。 ヤシ油の加水分解: ヤシ油800g、ペンタカルシウム26.7g及び水
503gから成る基質に上記リパーゼ製剤3.5gを添加
し、50℃の温度で48時間攪拌下(500rpm)に反
応を行つて加水分解液(遊離脂肪酸約
1900μmole/g含有)を得た。 酸素分解液からフレーバー成分(C4〜C10)
の脂肪酸)の回収 上述のごとくして得られた各加水分解液を下記
条件下で真空蒸留を行つて主としてC4〜C10から
なる揮発性脂肪酸画分を分離、回収した。 真空蒸留条件: 2容蒸留フラスコに試料約400gを仕込み、
これに1N硫酸50mlを加えpHを2以下に調整し、
真空度40mmHg、オイルバス温度70℃、攪拌数
300rpm及び分留頭の冷却管冷却水70℃の条件下
で水を揮散させ、蒸留フラスコ内の温度が約38℃
に上昇した時点で水の除去を完了した。 次いで、真空度5mmHg、オイルバス温度150
℃、攪拌数300rpm、分留頭の冷却管冷却水20℃
でC10以下の揮発性脂肪酸を蒸発させ、上記分留
頭の冷却管で凝縮して回収した。 バターフレーバーの調製 上述のごとくして、バター脂とヤシ油の各酵素
分解液から回収した脂肪酸画分(留出液)を重量
比で6:4の割合で混合してバターフレーバーと
した。得られたバターフレーバー中の揮発性脂肪
酸量は5000〜5500μmole/gであつて、酪酸臭の
ない、強い芳香を示した。 次に、このバターフレーバーを用いて下記手順
によりクツキーを作り、そのフレーバー評価を行
つた。 下記配合割合のツクキー原料に、本発明による
バターフレーバーと従来のバターオイルから製造
した市販のバターフレーバー(L.M.B.)をそれ
ぞれ添加して常法に従つてクツキーを調製した。 原料の配合: 薄力粉 300(g) シヨートニング 120 砂糖 90 卵 60 ベーキングパウダー 2 市販のフレーバー(L.M.B.) 9 本発明によるフレーバー 0.3〜0.6 上述のようにして得られたツクキーについて下
記により官能検査によりフレーバーの評価を行つ
た結果、本発明によるフレーバーは薄力粉に対し
て0.1〜0.2%の僅かの量の添加でも、市販のフレ
ーバーを薄力粉に対し2〜3%添加した場合に匹
敵するフレーバー強度を示した。 官能検査: 試験方法 薄力粉に対し上記L.M.B.を3wt%添加したクツ
キーのフレーバー強度と、本発明により得られた
バターフレーバーを0.01wt%、0.1wt%及び0.3wt
%をそれぞれ添加したクツキーのフレーバー強度
を7名からなるパネル方式で評価した。 評価基準 評価はL.M.B.を3wt%添加したクツキーのフレ
ーバー強度を0とし、下記条件に従つて行つた。 0:同程度 −1:やや弱い 1:やや強い −2:弱い 2:強い −3:非常に弱い 3:非常に強い 結果は、パネルの7名中4名は本発明により得
られたバターフレーバーを0.01wt%を添加したク
ツキーでは−1、0.1%を添加したクツキーでは
0及び0.3wt%添加したクツキーでは3と評価し、
他はまちまちの評価をした。すなわち、パネルの
大半は、本発明によるバターフレーバーは市販の
L.M.B.の約1/30の量で同等の強度であり、約
1/10の量で非常に強い強度を示すと評価したこ
とになる。
蒸留して得られる主としてC4〜C10からなる揮発
性脂肪酸画分の各々を混合して目的のバターフレ
ーバーを得るが、その際の混合割合は官能評価に
よると、バター脂由来の揮発性脂肪酸とヤシ油由
来の揮発性脂肪酸を重量比で5:5〜8:2、特
に6:4にすることが好ましい。 この混合により、バター脂のみから回収した脂
肪酸から成るフレーバーにみられる強い酪酸臭の
ない、芳香の強いバターフレーバーが得られる。 このようにして得られるバターフレーバーは、
天然バターの1000倍以上のフレーバー強度を有
し、バターオイルから得られる従来のバターフレ
ーバーの10倍以上のフレーバー強度を示すので、
少量の添加量で良好なバターの芳香が得られる。 以下に実施例に示して本発明を具体的に説明す
る。 実施例 原料油脂の酸素分解 バター脂の加水分解: バター脂(バターオイル)800g、ペンタカル
シウム26.7g及び水503gから成る基質に、市販の
リパーゼ製剤(商品名アマノ〔P〕30、天野製薬
社)を3.5g添加し、50℃の温度で48時間攪拌下
(500rpm)に反応を行つて加水分解液(遊離脂肪
酸約1700μmole/g)を得た。 ヤシ油の加水分解: ヤシ油800g、ペンタカルシウム26.7g及び水
503gから成る基質に上記リパーゼ製剤3.5gを添加
し、50℃の温度で48時間攪拌下(500rpm)に反
応を行つて加水分解液(遊離脂肪酸約
1900μmole/g含有)を得た。 酸素分解液からフレーバー成分(C4〜C10)
の脂肪酸)の回収 上述のごとくして得られた各加水分解液を下記
条件下で真空蒸留を行つて主としてC4〜C10から
なる揮発性脂肪酸画分を分離、回収した。 真空蒸留条件: 2容蒸留フラスコに試料約400gを仕込み、
これに1N硫酸50mlを加えpHを2以下に調整し、
真空度40mmHg、オイルバス温度70℃、攪拌数
300rpm及び分留頭の冷却管冷却水70℃の条件下
で水を揮散させ、蒸留フラスコ内の温度が約38℃
に上昇した時点で水の除去を完了した。 次いで、真空度5mmHg、オイルバス温度150
℃、攪拌数300rpm、分留頭の冷却管冷却水20℃
でC10以下の揮発性脂肪酸を蒸発させ、上記分留
頭の冷却管で凝縮して回収した。 バターフレーバーの調製 上述のごとくして、バター脂とヤシ油の各酵素
分解液から回収した脂肪酸画分(留出液)を重量
比で6:4の割合で混合してバターフレーバーと
した。得られたバターフレーバー中の揮発性脂肪
酸量は5000〜5500μmole/gであつて、酪酸臭の
ない、強い芳香を示した。 次に、このバターフレーバーを用いて下記手順
によりクツキーを作り、そのフレーバー評価を行
つた。 下記配合割合のツクキー原料に、本発明による
バターフレーバーと従来のバターオイルから製造
した市販のバターフレーバー(L.M.B.)をそれ
ぞれ添加して常法に従つてクツキーを調製した。 原料の配合: 薄力粉 300(g) シヨートニング 120 砂糖 90 卵 60 ベーキングパウダー 2 市販のフレーバー(L.M.B.) 9 本発明によるフレーバー 0.3〜0.6 上述のようにして得られたツクキーについて下
記により官能検査によりフレーバーの評価を行つ
た結果、本発明によるフレーバーは薄力粉に対し
て0.1〜0.2%の僅かの量の添加でも、市販のフレ
ーバーを薄力粉に対し2〜3%添加した場合に匹
敵するフレーバー強度を示した。 官能検査: 試験方法 薄力粉に対し上記L.M.B.を3wt%添加したクツ
キーのフレーバー強度と、本発明により得られた
バターフレーバーを0.01wt%、0.1wt%及び0.3wt
%をそれぞれ添加したクツキーのフレーバー強度
を7名からなるパネル方式で評価した。 評価基準 評価はL.M.B.を3wt%添加したクツキーのフレ
ーバー強度を0とし、下記条件に従つて行つた。 0:同程度 −1:やや弱い 1:やや強い −2:弱い 2:強い −3:非常に弱い 3:非常に強い 結果は、パネルの7名中4名は本発明により得
られたバターフレーバーを0.01wt%を添加したク
ツキーでは−1、0.1%を添加したクツキーでは
0及び0.3wt%添加したクツキーでは3と評価し、
他はまちまちの評価をした。すなわち、パネルの
大半は、本発明によるバターフレーバーは市販の
L.M.B.の約1/30の量で同等の強度であり、約
1/10の量で非常に強い強度を示すと評価したこ
とになる。
第1図はヤシ油をリパーゼで加水分解たときの
脂肪酸生成量とpHの経時的変化を示したもので
あり、第2図と第3図は、バター脂とヤシ油に
pH中和剤を添加してリパーゼでそれぞれ加水分
解したときの脂肪酸の経時的生成量の状態をそれ
ぞれ示したものである。
脂肪酸生成量とpHの経時的変化を示したもので
あり、第2図と第3図は、バター脂とヤシ油に
pH中和剤を添加してリパーゼでそれぞれ加水分
解したときの脂肪酸の経時的生成量の状態をそれ
ぞれ示したものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 天然バター脂及びヤシ油を、脂肪分解酸素を
用いてそれぞれ加水分解し、得られた各加水分解
物からC4〜C10の揮発性脂肪酸をそれぞれ回収し、
次いで回収して得られるバター脂由来の揮発性脂
肪酸とヤシ油由来の揮発性脂肪酸とを5:5〜
8:2(重量比)の割合で混合することを特徴と
する強い芳香を有するバターフレーバーの製造方
法。 2 脂肪分解酵素がシユドモナス・フロレンス
(Pseudomonas Fluorescens)起源のリパーゼで
ある特許請求の範囲第1項記載のバターフレーバ
ーの製造方法。 3 バターフレーバー成分であるC4〜C10の各揮
発性脂肪酸を真空蒸留により回収する特許請求の
範囲第1項記載のバターフレーバーの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61193576A JPS63240755A (ja) | 1986-08-19 | 1986-08-19 | 強い芳香を有するバタ−フレ−バ−の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61193576A JPS63240755A (ja) | 1986-08-19 | 1986-08-19 | 強い芳香を有するバタ−フレ−バ−の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63240755A JPS63240755A (ja) | 1988-10-06 |
| JPH0468902B2 true JPH0468902B2 (ja) | 1992-11-04 |
Family
ID=16310300
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61193576A Granted JPS63240755A (ja) | 1986-08-19 | 1986-08-19 | 強い芳香を有するバタ−フレ−バ−の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS63240755A (ja) |
Families Citing this family (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0738772B2 (ja) * | 1990-06-21 | 1995-05-01 | 不二製油株式会社 | 風味油の製造法 |
| US7312062B2 (en) | 1998-11-27 | 2007-12-25 | Novozymes A/S | Lipolytic enzyme variants |
| CA2715086A1 (en) * | 1998-11-27 | 2000-06-08 | Novozymes A/S | Lipolytic enzyme variants |
| CN104256483B (zh) * | 2014-09-15 | 2017-01-25 | 伽力森主食企业(无锡)股份有限公司 | 一种酶解黄油的制备方法及应用 |
| MY192787A (en) * | 2016-04-27 | 2022-09-08 | Adeka Corp | Flavor improving material |
| CN107373595B (zh) * | 2017-08-16 | 2021-02-02 | 仲恺农业工程学院 | 一种低成本烤香味奶香基料的制备方法 |
| CN107485006B (zh) * | 2017-08-16 | 2021-05-28 | 仲恺农业工程学院 | 一种低成本奶糖味奶香基料的制备方法 |
| KR20210105393A (ko) * | 2018-12-19 | 2021-08-26 | 크래프트 패키징, 엘엘씨 | 미셀의 연장된 방출 나노구조 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS58175468A (ja) * | 1982-04-02 | 1983-10-14 | T Hasegawa Co Ltd | 乳製品様香気香味賦与乃至変調剤 |
-
1986
- 1986-08-19 JP JP61193576A patent/JPS63240755A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63240755A (ja) | 1988-10-06 |
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