JPH0469999B2 - - Google Patents
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- JPH0469999B2 JPH0469999B2 JP31930689A JP31930689A JPH0469999B2 JP H0469999 B2 JPH0469999 B2 JP H0469999B2 JP 31930689 A JP31930689 A JP 31930689A JP 31930689 A JP31930689 A JP 31930689A JP H0469999 B2 JPH0469999 B2 JP H0469999B2
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- JP
- Japan
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- dch
- epichlorohydrin
- dichloro
- propanol
- substance
- Prior art date
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明はラセミ体2,3−ジクロロ−1−プロ
パノール(以下、本化合物をβ−DCHと略称す
る。)を微生物処理して得られる光学活性β−
DCHを原料とする光学活性エピクロルヒドリン
の製法に関する。 (従来の技術) 光学活性エピクロルヒドリンは種々の医薬等の
合成に関し重要な原料である。しかしながら、こ
の光学活性エピクロルヒドリンを製造する方法は
Baldwin、ジヤーナル.オブ.オーガニツク.ケ
ミストリー(J.Org.Chem)第43巻、1978年、第
4876頁あるいはEllis、ジヤーナル.ケミカル.
ソサイエテイ.、ケミカルコミニユケーシヨン.、
(J.CHEM.SC.,CHEM.COMMUN.、)1984年、
第1600頁に記載されているが、いずれも高度な合
成技術を要するものであり、簡便な製造方法は知
られていない。 (発明が解決しようとする課題) 本発明者は既にラセミ体β−DCHとR−(+)
−β−DCH資化性菌とを接触させて高純度な光
学活性S−(−)−β−DCHを得る方法(特開昭
61−132196号公報)および、このものをアルカリ
剤と反応させてR−(−)−エピクロルヒドリンを
得る方法(特開昭62−6697号公報)を開発した
が、これらとは逆の光学異性体、すなわちS−
(+)−エピクロルヒドリンの簡便な製造方法は知
られていない。この課題を解決したのが本発明で
ある。 (課題を解決するための手段) 本発明者は微生物処理により上記光学活性エピ
クロルヒドリンを簡便に、また高純度に製造し得
ることを見出し本発明を完成させた。 すなわち本発明は、S−(−)−β−DCH資化
能を有するアルカリゲネス属に属する細菌又はそ
の培養菌体を培地中でラセミ体β−DCHと作用
させて得られるR−(+)−β−DCHにアルカリ
剤を反応させてS−(+)−エピクロルヒドリンを
得ることを特徴とする光学活性なエピクロルヒド
リンの製法である。 本発明者が土壌中より分離採取して本発明にお
いて用いた微生物の菌学的性質は表1に示すとお
りである。
パノール(以下、本化合物をβ−DCHと略称す
る。)を微生物処理して得られる光学活性β−
DCHを原料とする光学活性エピクロルヒドリン
の製法に関する。 (従来の技術) 光学活性エピクロルヒドリンは種々の医薬等の
合成に関し重要な原料である。しかしながら、こ
の光学活性エピクロルヒドリンを製造する方法は
Baldwin、ジヤーナル.オブ.オーガニツク.ケ
ミストリー(J.Org.Chem)第43巻、1978年、第
4876頁あるいはEllis、ジヤーナル.ケミカル.
ソサイエテイ.、ケミカルコミニユケーシヨン.、
(J.CHEM.SC.,CHEM.COMMUN.、)1984年、
第1600頁に記載されているが、いずれも高度な合
成技術を要するものであり、簡便な製造方法は知
られていない。 (発明が解決しようとする課題) 本発明者は既にラセミ体β−DCHとR−(+)
−β−DCH資化性菌とを接触させて高純度な光
学活性S−(−)−β−DCHを得る方法(特開昭
61−132196号公報)および、このものをアルカリ
剤と反応させてR−(−)−エピクロルヒドリンを
得る方法(特開昭62−6697号公報)を開発した
が、これらとは逆の光学異性体、すなわちS−
(+)−エピクロルヒドリンの簡便な製造方法は知
られていない。この課題を解決したのが本発明で
ある。 (課題を解決するための手段) 本発明者は微生物処理により上記光学活性エピ
クロルヒドリンを簡便に、また高純度に製造し得
ることを見出し本発明を完成させた。 すなわち本発明は、S−(−)−β−DCH資化
能を有するアルカリゲネス属に属する細菌又はそ
の培養菌体を培地中でラセミ体β−DCHと作用
させて得られるR−(+)−β−DCHにアルカリ
剤を反応させてS−(+)−エピクロルヒドリンを
得ることを特徴とする光学活性なエピクロルヒド
リンの製法である。 本発明者が土壌中より分離採取して本発明にお
いて用いた微生物の菌学的性質は表1に示すとお
りである。
【表】
【表】
以上の結果をもとにバージエイズ・マニユア
ル・オブ・システマテイツク・バクテリオロジイ
(Bergey′s Manual of Systematic
Bacteriology)第1巻の記載に基づき帰属同定
を行うと本菌はアルカリゲネス属の特徴を有す
る。本発明者は本菌をアルカリゲネス
(Alcaligenes)Sp.DS−K−S38と命名した(以
下、本菌をDS−K−S38株という)。なお本菌は
工業技術院微生物工業技術研究所に微工研菌第
11114号(FERM P−11114)として寄託されて
いる。 本発明においては、上記DS−K−S38株、その
変種、変異株ばかりでなく、アルカリゲネス属に
属しS−(−)−2,3−ジクロロ−1−プロパノ
ール資化能を有する細菌であればすべて使用する
ことができる。 本発明は上記細菌によつて上記ラセミ体β−
DCHの光学活性化を行いさらに常法によりアル
カリ剤を反応させて光学活性なエピクロルヒドリ
ンを得る事を骨子とする。本発明においては上記
細菌又はその培養菌体を用いてもよいし、或いは
これらを固定化させても実施できるが上記細菌の
培養方法ならびに固定化方法は通常よく用いられ
る方法でよい。すなわち培養方法は、上記細菌を
ブイヨン培地、あるいは加糖ブイヨン培地等、炭
素源、窒素源、有機栄養源、無機栄養源を含む栄
養培地中で培養せしめ、よく生育させておき、こ
れから得られる培養物あるいは培養菌体を用いれ
ばよい。炭素源としてはグリセリン等の炭水化
物、あるいはクエン酸、マレイン酸、リンゴ酸等
の有機酸及びその塩類を、窒素源としては硫酸ア
ンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウ
ム、リン酸アンモニウム等の無機態窒素、及びペ
プトン、カゼイン、酵母エキス、肉エキス等の有
機態窒素を用いることができる。その他の無機塩
類としてはリン酸塩、マグネシウム塩、カリ塩、
鉄塩、亜鉛塩、銅塩等が用いられる。その培養条
件は通常、温度約20〜45℃、好ましくは25〜37
℃、PH約5〜9、好ましくはPH6.0〜7.5で振盪あ
るいは通気攪拌等の手段で好気的に行われる。 また、固定化方法は例えばアクリルアミド、k
−カラギ−ナン、寒天、ゼラチン、アルギン酸ナ
トリウム等を用いて生菌体を括する方法でよく、
固定化後、適当な大きさ、形状に破砕して用いれ
ばよい。 上記細菌とラセミ体β−DCHとの反応はラセ
ミ体β−DCHを有する培地、例えば合成培地中
で上記細菌又はその培養菌体、或いはこれらの固
定化物を攪拌しよく接触させればよく、その接触
時間は通常半日〜10日でありβ−DCHの濃度は
培地中約0.1〜0.6容量%程度であればよい。 反応終了後、反応液をとり出して濾過し、培養
菌体と上清液、或いは固定化物と上清液とを分離
し、上清液中に残存するR−(+)−β−DCHを
活性炭カラム処理、エーテル抽出、減圧蒸留等の
操作によつて分取する。この分取物にアルカリ
剤、好ましくは苛性ソーダ、苛性カリ等の苛性ア
ルカリを作用させてエピクロルヒドリンとする。 また本発明方法において固定化させた菌体を使
用すれば遠心分離等の操作が容易になり、さらに
固定化物はくり返し使用できる。 (実施例) 以下実施例により具体的に説明する。例中%は
特記を除いて重量基準である。 実施例 1 酵母エキス1.0%、グリセリン2.0%、ポリペプ
トン1.0%、PH7.0の培地20を30ジヤーフアー
メンターに入れ、常法どおり加熱減菌後、DS−
K−S38株を接種し、次の条件下で24時間培養し
た。 温 度 30℃ PH 初発PH7.0 通気量 20/min 攪拌回転数 300r.p.m 培養終了後、微生物菌体と培養濾液とを遠心分
離機を用いて分離し生菌体600gを得た。続いて、
生菌体は、以下に示す合成培地にけんだくさせ10
容とした後、常法どおりアクリルアミドで固定
化した。固定化物は、ミキサーで0.5〜1mm角の
大きさに破砕し合成培地でよく洗浄した。 合成培地の成分 硫酸アンモニウム 0.05重量% 硝酸アンモニウム 0.05 〃 リン酸水素第2カリウム 0.1 〃 リン酸第1ナトリウム 0.2 〃 リン酸第2ナトリウム 0.1 〃 硫酸マグネシウム 0.05 〃 硫酸鉄、硫酸銅、硫酸マンガン 微量 PH 初発PH6.8 次に、このようにして調製した固定化物100
容ジヤーフアーメンターの中に入れ合成培地とと
もに80とする。そしてさらに、ラセミ体β−
DCHを320ml、炭酸カルシウム160gを加え、以下
の条件下で撹拌した。 温 度 30℃ 通気量 40/min 回転数 300r.p.m 反応開始後72時間後に上清液と固定化物とを濾
別し、この液から残存するβ−DCHを活性炭カ
ラム、エーテル抽出、減圧蒸留によつて分取し
152gを採取した。本物質の同定は次の方法で行
つた。 1) ガスクロマトグラフイーによる同定 カラム担体PEG−20MP、5%、60〜80メツ
シユを用いて市販β−DCHと比較した結果、
その保持時間は全く同じであつた。純度98.2%
以上。 2) IR(赤外吸収スペクトル)による同定 第1図に示したチヤートのように、その吸収
パターンは市販β−DCHと全く同一であつた。 以上から本物質は明らかにβ−DCHである事
が判明した。又本物質がR−(+)−β−DCHで
ある事の確認は以下の方法によつた。 1) 旋光度の測定 市販β−DCH及び本物質の比旋光度は次の
如くである。 市販β−DCH 〔α〕20 D=0.0゜ C=1、ジクロロメタン 本物質 〔α〕20 D=+10.4゜ C=1、ジクロロメタン 2) R−(+)−α−メトキシ−α−トリフルオ
ロメチルフエニルアセテートエステルの調製な
らびに高速液体クロマトグラフイーによる分析 R−(+)−α−メトキシ−α−トリフルオロ
メチルフエニルアセテートクロライドを市販β
−DCHならびに本物質に反応せしめ、そのエ
ステル誘導体を調製した後、液体クロマトグラ
フイーでの分析結果は次のようであつた。 分析条件 カラム担体 ZORBAXODS 4.6mm×25cm(Du Pont 社製) 溶出液 メタノール:水=65:35(V/V) 溶出量 1ml/min 検出法 260nmにおける吸光度 分析結果 市販β−DCH 保持時間50.5及び52.0分に同一
面積をもつ2つのピークを与え
た。 本物質 保持時間52.0分にのみピークを与え
50.5分にはピークを与えなかつ
た。 3) ジクロロプロピル−N−フエニルカルバメ
ートの調製及びその旋光度度 市販β−DCH、及び本物質1gとフエニルイ
ソシアネート0.9gを乾燥アセトン30ml、トリエ
チルアミン0.3mlに加え、約3時間加熱還流し、
そのジクロロプロピル−N−フエニルカルバメ
ートを調製した後、その比旋光度を測定した。 市販β−DCH 〔α〕25 D=0.0゜ C=1、メタノール 本物質 〔α〕25 D=+16.4゜ C=1、メタノール 以上の結果から本物質は、R−(+)−β−
DCHであり、その光学純度は99%以上であるこ
とが判つた。 次にこのR−(+)−β−DCH100gを1.4N苛性
ソーダ水溶液650mlと共に1000mlフラスコ内に混
和させ室温で80分激しく撹拌し、更にエーテルを
200ml加え攪拌の後エーテル層を分離した。続い
てエーテル層は硫酸マグネシウムで乾燥した後、
エーテルを留去し、さらにエピクロルヒドリンを
蒸留して、60.3gを得た。このエピクロルヒドリ
ンの純度は、ガスクロマトグラフイーで測定した
結果99.4%以上であつた。また比旋光度は以下の
ようであつた。 〔α〕22 D=+34.3゜(C=3.4、メタノール) すなわち、得られたエピクロルヒドリンはS−
(+)−エピクロルヒドリンであり、その光学純度
は99%以上であつた。 実施例 2 実施例1と同様に酵母エキス1.0%、ポリペプ
トン1.0%、グリセリン2.0%、PH7.0の培地2を
5容ジヤーフアーメンターに入れ常法どおり、
加熱減菌後、DS−K−S38株を接種し、実施例1
と同じ条件下で24時間培養した。 次に100容ジヤーフアーメンターに実施例1
に示した合成培地80及び炭酸カルシウム160g、
ラセミ体β−DCH320ml、ポリペプトン40gを入
れ、加熱減菌のあと、常法どおり上記培養物を接
種し温度30℃、通気量40/min、回転数
300rpmの条件下で培養しながら反応させた。 反応開始後48時間後に反応液は、遠心処理機に
て、上清液と菌体、沈澱物とに分離し、上清液か
ら残存するβ−DCHを、実施例1と同様に分取
し、R−(+)−β−DCH148gを得た。 得られたR−(+)−β−DCHの比旋光度は
〔α〕20 D=+10.4゜(C=1.0、ジクロロメタン)であ
り、実施例1と同様に分析した結果、光学純度は
99%以上であつた。又、R−(+)−β−DCHか
らS−(+)−エピクロルヒドリンへの変換は、や
はり実施例1と同じようにし、比旋光度〔α〕22 D
=+34.3゜(C=3.4、メタノール)光学純度99%以
上のS−(+)−エピクロルヒドリンを得た。 (発明の効果) 本発明によれば壌中より分離したアルカリゲネ
ス属に属する細菌を利用して2,3−ジクロロ−
1−プロパノールより簡便に且つ高純度に光学活
性なR−(+)−2,3−ジクロロ−1−プロパノ
ールを経て光学活性なS−(+)−エピクロルヒド
リンを得ることができる。
ル・オブ・システマテイツク・バクテリオロジイ
(Bergey′s Manual of Systematic
Bacteriology)第1巻の記載に基づき帰属同定
を行うと本菌はアルカリゲネス属の特徴を有す
る。本発明者は本菌をアルカリゲネス
(Alcaligenes)Sp.DS−K−S38と命名した(以
下、本菌をDS−K−S38株という)。なお本菌は
工業技術院微生物工業技術研究所に微工研菌第
11114号(FERM P−11114)として寄託されて
いる。 本発明においては、上記DS−K−S38株、その
変種、変異株ばかりでなく、アルカリゲネス属に
属しS−(−)−2,3−ジクロロ−1−プロパノ
ール資化能を有する細菌であればすべて使用する
ことができる。 本発明は上記細菌によつて上記ラセミ体β−
DCHの光学活性化を行いさらに常法によりアル
カリ剤を反応させて光学活性なエピクロルヒドリ
ンを得る事を骨子とする。本発明においては上記
細菌又はその培養菌体を用いてもよいし、或いは
これらを固定化させても実施できるが上記細菌の
培養方法ならびに固定化方法は通常よく用いられ
る方法でよい。すなわち培養方法は、上記細菌を
ブイヨン培地、あるいは加糖ブイヨン培地等、炭
素源、窒素源、有機栄養源、無機栄養源を含む栄
養培地中で培養せしめ、よく生育させておき、こ
れから得られる培養物あるいは培養菌体を用いれ
ばよい。炭素源としてはグリセリン等の炭水化
物、あるいはクエン酸、マレイン酸、リンゴ酸等
の有機酸及びその塩類を、窒素源としては硫酸ア
ンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウ
ム、リン酸アンモニウム等の無機態窒素、及びペ
プトン、カゼイン、酵母エキス、肉エキス等の有
機態窒素を用いることができる。その他の無機塩
類としてはリン酸塩、マグネシウム塩、カリ塩、
鉄塩、亜鉛塩、銅塩等が用いられる。その培養条
件は通常、温度約20〜45℃、好ましくは25〜37
℃、PH約5〜9、好ましくはPH6.0〜7.5で振盪あ
るいは通気攪拌等の手段で好気的に行われる。 また、固定化方法は例えばアクリルアミド、k
−カラギ−ナン、寒天、ゼラチン、アルギン酸ナ
トリウム等を用いて生菌体を括する方法でよく、
固定化後、適当な大きさ、形状に破砕して用いれ
ばよい。 上記細菌とラセミ体β−DCHとの反応はラセ
ミ体β−DCHを有する培地、例えば合成培地中
で上記細菌又はその培養菌体、或いはこれらの固
定化物を攪拌しよく接触させればよく、その接触
時間は通常半日〜10日でありβ−DCHの濃度は
培地中約0.1〜0.6容量%程度であればよい。 反応終了後、反応液をとり出して濾過し、培養
菌体と上清液、或いは固定化物と上清液とを分離
し、上清液中に残存するR−(+)−β−DCHを
活性炭カラム処理、エーテル抽出、減圧蒸留等の
操作によつて分取する。この分取物にアルカリ
剤、好ましくは苛性ソーダ、苛性カリ等の苛性ア
ルカリを作用させてエピクロルヒドリンとする。 また本発明方法において固定化させた菌体を使
用すれば遠心分離等の操作が容易になり、さらに
固定化物はくり返し使用できる。 (実施例) 以下実施例により具体的に説明する。例中%は
特記を除いて重量基準である。 実施例 1 酵母エキス1.0%、グリセリン2.0%、ポリペプ
トン1.0%、PH7.0の培地20を30ジヤーフアー
メンターに入れ、常法どおり加熱減菌後、DS−
K−S38株を接種し、次の条件下で24時間培養し
た。 温 度 30℃ PH 初発PH7.0 通気量 20/min 攪拌回転数 300r.p.m 培養終了後、微生物菌体と培養濾液とを遠心分
離機を用いて分離し生菌体600gを得た。続いて、
生菌体は、以下に示す合成培地にけんだくさせ10
容とした後、常法どおりアクリルアミドで固定
化した。固定化物は、ミキサーで0.5〜1mm角の
大きさに破砕し合成培地でよく洗浄した。 合成培地の成分 硫酸アンモニウム 0.05重量% 硝酸アンモニウム 0.05 〃 リン酸水素第2カリウム 0.1 〃 リン酸第1ナトリウム 0.2 〃 リン酸第2ナトリウム 0.1 〃 硫酸マグネシウム 0.05 〃 硫酸鉄、硫酸銅、硫酸マンガン 微量 PH 初発PH6.8 次に、このようにして調製した固定化物100
容ジヤーフアーメンターの中に入れ合成培地とと
もに80とする。そしてさらに、ラセミ体β−
DCHを320ml、炭酸カルシウム160gを加え、以下
の条件下で撹拌した。 温 度 30℃ 通気量 40/min 回転数 300r.p.m 反応開始後72時間後に上清液と固定化物とを濾
別し、この液から残存するβ−DCHを活性炭カ
ラム、エーテル抽出、減圧蒸留によつて分取し
152gを採取した。本物質の同定は次の方法で行
つた。 1) ガスクロマトグラフイーによる同定 カラム担体PEG−20MP、5%、60〜80メツ
シユを用いて市販β−DCHと比較した結果、
その保持時間は全く同じであつた。純度98.2%
以上。 2) IR(赤外吸収スペクトル)による同定 第1図に示したチヤートのように、その吸収
パターンは市販β−DCHと全く同一であつた。 以上から本物質は明らかにβ−DCHである事
が判明した。又本物質がR−(+)−β−DCHで
ある事の確認は以下の方法によつた。 1) 旋光度の測定 市販β−DCH及び本物質の比旋光度は次の
如くである。 市販β−DCH 〔α〕20 D=0.0゜ C=1、ジクロロメタン 本物質 〔α〕20 D=+10.4゜ C=1、ジクロロメタン 2) R−(+)−α−メトキシ−α−トリフルオ
ロメチルフエニルアセテートエステルの調製な
らびに高速液体クロマトグラフイーによる分析 R−(+)−α−メトキシ−α−トリフルオロ
メチルフエニルアセテートクロライドを市販β
−DCHならびに本物質に反応せしめ、そのエ
ステル誘導体を調製した後、液体クロマトグラ
フイーでの分析結果は次のようであつた。 分析条件 カラム担体 ZORBAXODS 4.6mm×25cm(Du Pont 社製) 溶出液 メタノール:水=65:35(V/V) 溶出量 1ml/min 検出法 260nmにおける吸光度 分析結果 市販β−DCH 保持時間50.5及び52.0分に同一
面積をもつ2つのピークを与え
た。 本物質 保持時間52.0分にのみピークを与え
50.5分にはピークを与えなかつ
た。 3) ジクロロプロピル−N−フエニルカルバメ
ートの調製及びその旋光度度 市販β−DCH、及び本物質1gとフエニルイ
ソシアネート0.9gを乾燥アセトン30ml、トリエ
チルアミン0.3mlに加え、約3時間加熱還流し、
そのジクロロプロピル−N−フエニルカルバメ
ートを調製した後、その比旋光度を測定した。 市販β−DCH 〔α〕25 D=0.0゜ C=1、メタノール 本物質 〔α〕25 D=+16.4゜ C=1、メタノール 以上の結果から本物質は、R−(+)−β−
DCHであり、その光学純度は99%以上であるこ
とが判つた。 次にこのR−(+)−β−DCH100gを1.4N苛性
ソーダ水溶液650mlと共に1000mlフラスコ内に混
和させ室温で80分激しく撹拌し、更にエーテルを
200ml加え攪拌の後エーテル層を分離した。続い
てエーテル層は硫酸マグネシウムで乾燥した後、
エーテルを留去し、さらにエピクロルヒドリンを
蒸留して、60.3gを得た。このエピクロルヒドリ
ンの純度は、ガスクロマトグラフイーで測定した
結果99.4%以上であつた。また比旋光度は以下の
ようであつた。 〔α〕22 D=+34.3゜(C=3.4、メタノール) すなわち、得られたエピクロルヒドリンはS−
(+)−エピクロルヒドリンであり、その光学純度
は99%以上であつた。 実施例 2 実施例1と同様に酵母エキス1.0%、ポリペプ
トン1.0%、グリセリン2.0%、PH7.0の培地2を
5容ジヤーフアーメンターに入れ常法どおり、
加熱減菌後、DS−K−S38株を接種し、実施例1
と同じ条件下で24時間培養した。 次に100容ジヤーフアーメンターに実施例1
に示した合成培地80及び炭酸カルシウム160g、
ラセミ体β−DCH320ml、ポリペプトン40gを入
れ、加熱減菌のあと、常法どおり上記培養物を接
種し温度30℃、通気量40/min、回転数
300rpmの条件下で培養しながら反応させた。 反応開始後48時間後に反応液は、遠心処理機に
て、上清液と菌体、沈澱物とに分離し、上清液か
ら残存するβ−DCHを、実施例1と同様に分取
し、R−(+)−β−DCH148gを得た。 得られたR−(+)−β−DCHの比旋光度は
〔α〕20 D=+10.4゜(C=1.0、ジクロロメタン)であ
り、実施例1と同様に分析した結果、光学純度は
99%以上であつた。又、R−(+)−β−DCHか
らS−(+)−エピクロルヒドリンへの変換は、や
はり実施例1と同じようにし、比旋光度〔α〕22 D
=+34.3゜(C=3.4、メタノール)光学純度99%以
上のS−(+)−エピクロルヒドリンを得た。 (発明の効果) 本発明によれば壌中より分離したアルカリゲネ
ス属に属する細菌を利用して2,3−ジクロロ−
1−プロパノールより簡便に且つ高純度に光学活
性なR−(+)−2,3−ジクロロ−1−プロパノ
ールを経て光学活性なS−(+)−エピクロルヒド
リンを得ることができる。
第1図は実施例1により得られた本発明の原料
であるR−(+)−2,3−ジクロロ−1−プロパ
ノールおよび市販品の同物質の赤外線吸収スペク
トルである。−は市販β−DCHを、−−−はR−
(+)−β−DCHを示す。
であるR−(+)−2,3−ジクロロ−1−プロパ
ノールおよび市販品の同物質の赤外線吸収スペク
トルである。−は市販β−DCHを、−−−はR−
(+)−β−DCHを示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 S−(−)−2,3−ジクロロ−1−プロパノ
ール資化能を有するアルカリゲネス属に属する細
菌、又はその培養菌体を、培地中でラセミ体2,
3−ジクロロ−1−プロパノールと作用させて得
られるR−(+)−2,3−ジクロロ−1−プロパ
ノールにアルカリ剤を反応させてS−(+)−エピ
クロルヒドリンを得ることを特徴とする光学活性
エピクロルヒドリンの製法。 2 S−(−)−2,3−ジクロロ−1−プロパノ
ール資化能を有するアルカリゲネス属に属する細
菌、又はその培養菌体を固定化して使用する特許
請求の範囲第1項記載の製法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31930689A JPH03180196A (ja) | 1989-12-08 | 1989-12-08 | 光学活性エピクロルヒドリンの製法 |
| DE69022187T DE69022187T2 (de) | 1989-12-08 | 1990-12-07 | Verfahren zur Herstellung von optisch aktivem R-(+)-2,3-Dichloro-1-propanol unter Verwendung von Mikroorganismen. |
| US07/623,555 US5177007A (en) | 1989-12-08 | 1990-12-07 | Process for producing optically active r-(+)-2,3-dichloro-1-propanol using microorganism |
| EP90313340A EP0431970B1 (en) | 1989-12-08 | 1990-12-07 | Process for producing optically active R-(+)-2, 3,-dichloro-1-propanol using microorganism |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31930689A JPH03180196A (ja) | 1989-12-08 | 1989-12-08 | 光学活性エピクロルヒドリンの製法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH03180196A JPH03180196A (ja) | 1991-08-06 |
| JPH0469999B2 true JPH0469999B2 (ja) | 1992-11-09 |
Family
ID=18108724
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31930689A Granted JPH03180196A (ja) | 1989-12-08 | 1989-12-08 | 光学活性エピクロルヒドリンの製法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH03180196A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4793131B2 (ja) * | 2006-06-28 | 2011-10-12 | ダイソー株式会社 | 光学活性2,3−ジクロロ−2−メチル−1−プロパノールおよび光学活性2−メチルエピクロルヒドリンの製造方法 |
-
1989
- 1989-12-08 JP JP31930689A patent/JPH03180196A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH03180196A (ja) | 1991-08-06 |
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