JPH0477681B2 - - Google Patents
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Description
(1) 技術分野
本発明は窒素を選択的に吸着する吸着剤を用い
た圧力変動吸着法(PSA法)によつて空気から
濃縮された酸素あるいは窒素含有量の少い酸素と
アルゴンの混合ガスを発生させる方法に関する。 (2) 従来の技術 窒素に対して吸着選択性を有するゼオライト系
の吸着剤を用いて、圧力変動吸着法により空気か
ら酸素を濃縮する方法については、従来数多くの
方法が提案されている。 その代表的な例としては、特公昭53−46800、
特公昭57−50722、特開昭58−135106等に示され
ているように2Kg/cm2G以上の吸着圧力と、
200Torr以下の真空排気を行い、製品ガスによる
加圧の後にその筒の原料端部と吸着工程を終了し
た筒の製品端部とを均圧させることによつて酸素
成分の高い回収率、及び単位吸着剤当りの大きな
発生量が得られる特徴がある反面、電力消費量が
高い欠点があつた。 また特公昭42−26164、特公昭51−40549および
特公昭51−40550には、吸着工程で吸着剤に不純
物のない吸着区域を下流側に充分残して、原料ガ
スの送給を停止し並流減圧工程を行いながら吸着
筒上部の不純物が吸着されない部分へ不純物吸着
破過前線を移動させ、製品ガスを取出すと共に製
品ガスの一部を再生の終了した筒の製品ガス端部
より導入させることによつて、加圧したりパージ
に併用したりする方法が提案されている。 本特許に関連する出願は非常に多く見られる
が、大気圧以上(3Kg/cm2G)での吸着と大気圧
でのパージによるものであつて回収率、発生量と
もに低く、しかも製品ガス均圧量やパージ量を微
調整しなければならない欠点があつた。 最近出願されている一群の特許、即ち特開昭60
−161308、特開昭60−161309、特開昭61−
133114、特開昭61−133115は、真空排気を併用す
ることによつて、吸着圧を低下させ電力原単位や
回収率を改善させてはいるが、基本的には上記の
もつ欠点の全てを改善したものとは言えない。言
いかえれば、これ等の特許は基本的に類似のプロ
セスであつて、吸着工程において不純物のない吸
着区域を下流側に充分に残して原料ガスの送給を
停止する結果、必然的に単位吸着剤当りの発生量
が少くなると同時にその後の均圧やパージのため
の圧力の低減に充分に長い時間をかけて、複雑な
調整を必要とする欠点が残されている。 特開昭60−180903に於ては、吸着、真空排気、
製品ガスによる加圧と言うプロセスについて説明
されているけれども、製品ガスによるパージを併
用しない場合には、発生量が低下し電力消費量も
高くなることが示されている。 更に近年圧力変動吸着法(PSA法)により製
造された濃縮酸素ガスの利用は、多くの分野で需
要が増えつつある。しかし、従来技術で安定して
製造できる酸素濃度は93vol%であり、不純ガス
としての窒素濃度は約2〜3vol%である。 そこで、この濃縮酸素ガス中の窒素濃度がより
少ないものであればPSA法による濃縮酸素の用
途はより広まることが予想される。 このような低窒素含有富化酸素の製造法につい
ては特開昭48−83078に述べられているが、この
方法では3筒式では得られず、4筒式でN2含有
量が0.27%から160ppmまで低下した例が示され
ている。しかしながらこの方法による単位吸着剤
当りの発生量は極めて低く経済的に実用し得るも
のとは言えない。従つて窒素含有量が低く、電力
原単位、発生量、回収率ともに優れた酸素濃縮技
術は存在していない。 問題点を解決するための手段: 本発明は窒素を選択的に吸着する吸着剤を用い
た圧力変動吸着法(PSA法)によつて空気から
濃縮された酸素あるいは窒素含有量の少い酸素と
アルゴンの混合ガスを単位吸着剤当りの発生量が
充分に大きく、電力原単位が低く、かつ簡便な操
作によつて安定して発生せしめる方法を提供する
ことを目的とする。 本発明は、少なくともO2、N2およびArを含む
混合ガス中の酸素を濃縮する方法において窒素に
対して選択吸着性を有する吸着剤を充填した3個
の吸着筒に、原料ガスとして上記の混合ガスを流
通させることにより、製品ガスとして、濃縮酸素
ガスを得る方法において上記吸着筒のうち第1の
吸着筒について順次に (i) 原料ガスを原料端部から導入し、吸着筒内を
昇圧して、窒素を選択的に吸着させ、製品端部
から製品ガスを取り出す工程、 (ii) 第1の吸着筒に原料ガスの導入を継続し、そ
の場合得られた製品酸素ガスの1部分は、工程
(vi)が終了した第2の吸着筒に導入しても良い、 (iii) 工程(ii)が終了した第1の吸着筒の原料端部と
工程(vii)が終了した第2の吸着筒の原料端部とを
連絡させ、両筒の圧力を均圧又はほぼ均圧にさ
せ、 又は工程(ii)が終了した第1の吸着筒の原料端
部と工程(vii)が終了した第2の吸着筒との原料端
部とを連絡させ、前者から後者にガスを供給
し、その期間の全部又は1部の期間、第1の吸
着筒の製品端部と第2の吸着筒の製品端部とを
連絡させ、その端部間では前者から後者にガス
を供給し、両筒間の圧力を均圧又はほぼ均圧と
なし、 (iv) 工程(iii)が終了した第1の吸着筒の製品端部よ
り後記(v)の工程を終了した第3の吸着筒の製品
端部へ、流量調整のもとでガスを供給して、筒
内圧力を低減させる工程、 (v) 工程(iv)が終了した第1の吸着筒を適当な真空
度に達するまで真空排気する工程、 (vi) 真空排気を行ないながら、工程(v)の全部又は
1部の期間にわたつて製品端部を開き、工程(iii)
が終了した第2の吸着筒の製品端部より流量調
整されたガスを導入し、筒体をパージする工
程、 (vii) 工程(v)又は工程(vi)が終つた第1の吸着筒の製
品端部に製品ガスを導入し、第1の吸着筒内を
加圧する工程、 (viii) 原料ガスを導入しながら工程(vii)が終了した
第
1の吸着筒の原料端部と工程(ii)が終了した第3
の吸着筒の原料端部とを連絡し、後者から前者
にガスを供給し、両筒を均圧又はほぼ均圧と
し、 又は原料ガスを導入しながら工程(vii)が終了し
た第1の吸着筒の原料端部と工程(ii)が終了した
第3の吸着筒の原料端部とを連結し後者から前
者にガスを供給し、その全部の期間又は1部の
期間にわたつて第1の吸着筒の製品端部と第3
の吸着筒の製品端部とを連絡し、その端部間で
も後者から前者にガスを供給し、両筒を均圧又
はほぼ均圧にする工程、 以上、上記(i)〜(viii)の工程を第2、第3の吸着筒
についても位相を変えて行うことを特徴とする酸
素濃縮方法に関する。 本発明は、圧力変動吸着法(PSA法)を利用
して空気の如き、酸素と窒素とアルゴンを含む混
合ガスから窒素を吸着分離し、濃縮酸素ガスを得
るものである。 即ち、合成ゼオライト、天然ゼオライト等の窒
素に対して選択吸着性を有する吸着剤を充填した
3個の吸着筒に対し、以下に説明する各工程を順
次繰り返しながら吸着剤に窒素を吸着させ酸素お
よびアルゴンを濃縮して製品ガスとして取り出す
方法である。 以下、本発明の方法を、第1図A,B、および
Cに示すフローシートに従つて具体的に説明する
が、以下に示す操作は一例であつて、この操作の
みに限定されるものではない。 なお、添付図面第1図A,BおよびCは空気か
ら連続的に濃縮酸素ガスを発生させるフローシー
トであり、3個の吸着筒A,B,Cには、窒素を
選択的に吸着する吸着剤が収納されている。 この場合、本発明の各工程は、下記の如くな
る。また、各工程の操作時間はタイマーにより任
意にコントロールされ得る。 工程1 弁1A,2Aが開かれブロアー9により加圧さ
れた空気がA筒の下部即ち原料端部より供給さ
れ、A筒に於て窒素を吸着分離された製品酸素ガ
スがA筒の上部即ち製品端部より管12を介して
製品貯留タンク11に流出する。この間、A筒内
の圧力は通常大気圧以上〜0.5Kg/cm2G、好まし
くは0.1〜0.35Kg/cm2Gの範囲に昇圧されている。 一方弁3B,5Bが開かれC筒の製品端部より
濃縮酸素ガスがB筒の製品端部に供給され、B筒
内を向流方向にパージしながら真空ポンプ10に
よつて系外に排出される。C筒はB筒に濃縮酸素
ガスを供給しつつ、更に減圧される。C筒からの
濃縮酸素ガスの供給速度は流量調整弁6Bにより
コントロールされる。 工程2 弁3B,5Bが閉じられると同時に弁4B,3
Cが開かれ、パージ工程を終了したB筒の製品端
部に製品貯留タンク11より管13を介して製品
ガスが供給され、B筒は加圧される。この間A筒
は引き続き工程1を継続しながら製品端部より製
品ガスを流出させている。一方、C筒は真空ポン
プ10によつて真空排気される。B筒への製品ガ
スの加圧は、上記の製品貯留タンク11より、必
ずしも行う必要はなく、第1図bには、その実施
例の1つが示されており、この実施例によれば、
A筒から発生した製品ガスの1部が弁7により流
量を調整されて管13を介して4Bを通つてB筒
に供給される。又第1図cの実施例では、開かれ
た5Aを通り、6Aで流量が調整されて、A筒か
ら発生した製品ガスの1部がB筒に供給される方
法が示されている。この場合には管13や、4
A,4B,4Cの弁は必要はない。 工程3 弁2A,4Bが閉じられると同時に弁1Bが開
かれA筒の原料端部からB筒の原料端部にA筒内
のガスが原料空気とともに供給されA筒は向流方
向に減圧される。 あるいはこの操作の際その期間の全部又は1部
の期間弁2Aを開いたままで、弁2Bを開きA筒
の製品端部からB筒の製品端部にA筒内からの濃
縮酸素ガスを供給しても良い。 この時減圧速度を調整する必要はなく、この操
作は通常1〜7秒、好ましくはA筒の原料端部か
らB筒の原料端部へのガスの供給だけによる減圧
の場合には3〜5秒であり同時にA筒の製品端部
からB筒の製品端部にガスを供給する場合には1
〜2秒の短時間で実施される。 一方、C筒は引き続き真空排気されている。 工程4 弁1Aが閉じられると同時に弁5Cが開かれA
筒の製品端部より濃縮酸素ガスがC筒の製品端部
に供給され、C筒内を向流方向にパージしながら
真空ポンプ10によつて系外に排出される。 A筒はC筒に濃縮酸素ガスを供給しつつ更に減
圧される。この時A筒からC筒へのパージガスの
供給速度は流量調整弁6Cによりコントロールさ
れる。パージは低窒素濃度の製品濃縮酸素ガスを
安定して得るために欠かすことのできない操作で
あるけれども、最適パージガス量の絶対量を知る
必要はなく、パージガスを供給して圧力を減少さ
せる筒の最終圧力で決めれば良い。 この工程の場合A筒の減圧最終圧力は通常−6
cmHg〜0.1Kg/cm2G、好ましくは大気圧付近であ
る。 一方、弁2Bは開かれており、B筒の製品端部
より製品ガスが流出している。 工程5−1 弁5Cが閉じられると同時に弁3Aが開かれA
筒は真空ポンプ10によつて原料端部から真空排
気される。窒素を吸着した吸着剤から真空圧に吸
引することによつて窒素を脱着させて、吸着剤を
再生する操作である。窒素を脱着させて吸着剤に
より大きな吸着容量を持たせるためには、真空圧
力を出来るだけ低く、例えば100Torr以下、ある
いは50Torr以下付近まで真空排気する必要があ
る。 しかし、本発明による本工程の真空排気圧力は
通常250Torr〜350Torr好ましくは300Torr±
30Torrで実施される。 一方、弁3Cが閉じられると同時に弁4Cが開
かれパージ工程を終了したC筒の製品端部に製品
貯留タンク11より製品ガスが供給され、C筒は
加圧される。この間B筒は引き続き工程4を継続
しながら製品端部より製品ガスを流出させてい
る。この場合B筒から排出される製品O2ガスの
1部分をC筒に導入してもよい。 工程5−2 弁2B,4Cが閉じられると同時に弁1Cが開
かれB筒の原料端部からC筒の原料端部にB筒内
のガスが原料空気とともに供給されB筒は減圧さ
れる。あるいはこの操作の際同時に弁2Bを開い
たままで弁2Cを開きB筒の製品端部からC筒の
製品端部にB筒内からの濃縮酸素ガスを供給して
も良い。 一方、A筒は引き続き真空排気されている。 工程6 弁1Bが閉じられると同時に弁5Aが開かれB
筒の製品端部より濃縮酸素ガスがA筒の製品端部
に供給され、A筒内を向流方向にパージしながら
真空ポンプ10によつて系外に排出される。この
工程6は工程5が終了後行なつてもよいが、工程
5の真空排気を行ない工程6のパージを行ない、
さらに真空排気を行なつてもよい。さらに工程6
のパージを行なつた後、真空排気を行なつてもよ
い。 A筒は原料端部側から真空ポンプ10により真
空排気されながら、窒素が脱着されている間に流
量調整弁6AによりコントロールされたB筒から
の濃縮酸素ガスを製品端部より向流方向に導入し
て塔内をパージする。パージは窒素の真空脱着の
間に濃縮酸素ガスを製品端部から導入して塔内を
通過させることにより、塔内の気相の窒素分圧を
下げてより脱着効果を増加させるとともに、パー
ジの期間中、A筒内の圧力を前工程5−2の最終
到達真空圧力よりも通常10〜50Torr高い圧力に
保持して行うため、真空ポンプの動力コストを低
減する効果がある。 一方、弁1C,2Cともに開かれておりC筒は
製品端部から製品ガスを流出させている。 工程7 弁3A,5Aが閉じられると同時に弁4Aが開
かれパージ工程を終了したA筒の製品端部へ製品
貯留タンク11より製品ガスが供給され、A筒内
は製品ガスにより加圧される。製品ガスの導入量
は流量調整弁7によりコントロールされる。製品
加圧は、パージ工程が終了してまだ真空圧力下に
ある吸着筒に製品酸素ガスを製品端部より向流方
向に導入することによつて吸着筒の製品端部側か
ら順次酸素分圧をより高め、パージ終了後も吸着
筒製品端部側に吸着して残存している窒素ガスを
脱着させて原料端部側に押しさげるとともに、一
旦吸着筒製品端部より流出した製品ガスを再度吸
着筒に戻して微量の窒素までも吸着剤に吸着させ
ると考えられ、従つて低窒素濃度(例えば
1000ppm程度)の製品ガスを安定して得るために
は欠く事の出来ない操作である。但し過大な製品
ガス加圧は、吸着工程での分離能力の低下並びに
収率の低下をもたらし、性能を低下せしめるので
好ましくない。 この工程の場合A筒の加圧最終圧力は前工程6
のパージ工程終了圧力よりも250Torr〜450Torr
高い圧力が好ましい。一方、弁3Bが開かれB筒
は真空ポンプ10により真空排気される。この間
C筒は引き続き工程6を継続しながら製品端部よ
り製品ガスを流出させている。 工程8 弁2C,4Aが閉じられると同時に弁1Aが開
かれC筒の原料端部からA筒の原料端部にC筒内
のガスが原料空気とともに導入されA筒は加圧さ
れる。前記工程7でC筒は原料端部より空気を供
給されながら、原料空気中の窒素を吸着分離し
て、製品端部より製品濃縮酸素ガスを流出させ窒
素吸着破過前線が丁度製品端部に到達した時点で
工程7(吸着工程)を終了している。C筒の製品
端部側気相部分には製品ガス中の酸素濃度よりも
低いが、なおかなり高濃度の濃縮酸素ガスが多く
残されており、C筒を向流方向に減圧する事によ
り、C筒の吸着剤の空隙部分に加圧されているガ
スは、減圧されて、原料端部から、A筒の原料端
部へ供給され、C筒の圧力が低下し、A筒の圧力
が上昇して、ほぼ同圧となるまで続けられる。そ
の間、ブロアー9からも、同時に、原料端部に原
料ガスが供給されるが、その原料ガスを低減せし
めうることによつて、酸素回収率を向上させる操
作である。この工程において、C筒の減圧速度や
原料ガス供給速度、および、A筒の昇圧速度を調
整する必要はなく、時間は1〜7秒、好ましくは
3〜5秒の短時間で実施される。 又はこの操作の際その全部の期間あるいは1部
の期間にわたつて弁2Cを開いたままで弁2Aを
開きC筒の製品端部からA筒の製品端部にC筒内
からの濃縮酸素ガスを導入しA筒を加圧してもよ
い。 これは吸着工程を終えてC筒の製品端部側気相
部分に残存している製品ガス濃度に近い濃縮酸素
だけをA筒の製品端部側に回収するものである。
但しこの操作中、C筒の圧力は低下しC筒の吸着
剤層に吸着している窒素が出来るだけ脱着しない
方が好ましく、C筒の製品端部側の窒素が脱着し
ない内に短時間で実施する必要がある。C筒の原
料端部からA筒の原料端部へ、かつ同時にC筒の
製品端部からA筒の製品端部へC筒からのガスを
導入してA筒の圧力を上昇する場合、C筒内の圧
力の低下は前記の方法、すなわち原料端部のみの
場合よりも約2倍早くなり、好ましくは1〜2秒
のさらに短時間で実施し得るので吸着剤から気相
への窒素の脱着はほとんど生じない。 一方、B筒は引き続き真空排気されている。 上記の各工程は筒と筒との関係において1筒づ
つ位相を変えて、繰り返し行うものである。ま
た、製品ガスは製品貯留タンク11より弁8を介
して、全工程サイクルの間、絶えることなく連続
的に取り出される。 以上説明した通り本発明は吸着剤に窒素を吸着
させ酸素を濃縮して製品ガスとして効率よく取り
出すものであるが、吸着工程で窒素吸着破過前線
を吸着筒の製品端部すなわち吸着筒の下流側ま
で、充分に移行させることにより、単位吸着剤当
りの製品ガス発生量を増大する事が出来た。また
吸着工程終了後筒内に残存するガスを他の筒に回
収する方法を工夫することにより所要原料ガス量
を少なくする事ができた。さらにパージ、製品ガ
スによる加圧を組み合わせることによつて吸着圧
力が低く真空圧力を高くする事が出来た結果、動
力コストが低く単位吸着剤当り大きな製品ガス発
生量を持ち、窒素含有量の少いかつ簡便な酸素濃
縮方法に到達したものである。 一般に、PSA(Pressure Swing Adsorption)
法では、加圧、減圧をくり返しそのガス成分の吸
着脱着の差を用いてガス分離を行うものである
が、そのPSA法を実施する圧力の範囲は大気圧
以上への圧縮と、大気圧以下への真空、即ちプラ
ス圧力からマイナス圧力までの方法、大気圧以上
への圧縮、即ちプラス圧力のみによる方法、なら
びに殆んど真空排気のみのマイナス圧力のみによ
る方法の3つの方法に大別される。しかしPSA
法の動力は、大気圧以上への圧縮比、或は真空排
気に於けるマイナス圧力から大気への圧縮比によ
り理論的に求められるので、その圧縮比は小さい
程消費動力は小さくなることから、プラス圧力か
らマイナス圧力までの方法により、圧縮比を小さ
くする方法が最も電力原単位を小さくすることが
出来る。本発明に於て工程2のほぼ一定の圧力
は、通常大気圧以上0.5Kg/cm2G、好ましくは0.1
〜0.35Kg/cm2Gの範囲であり、また工程5−1、
5−2の真空排気到達圧力は通常250〜350Torr、
好ましくは300Torr±30Torrの範囲である。工
程6では真空排気を行ないながらパージガスが導
入されるので工程5−2の真空到達圧力より通常
10〜50Torr上昇し真空ポンプの消費動力はさら
に小さくすることができる。また通常200Torr以
下150Torr付近まで真空排気する事は、製品ガス
発生量を増加することは出来るが、真空ポンプの
消費動力が著しく増加し、電力原単位が増大して
経済的観点から好ましくない。 次に空気からPSA法により濃縮酸素を得る場
合、発生量を或る程度まで減少させる事により、
酸素濃縮を95.5%まで高める事が出来る。しかし
それ以上に発生量を減少させても酸素濃縮は逆に
低下する。 これは4A,5A、10Xや13Xタイプの合成ゼ
オライト、あるいは天然ゼオライト吸着剤の場
合、空気の成分であるアルゴンに比較して酸素の
方が選択吸着性が高いためである。しかし空気か
らの酸素濃縮に於て窒素の濃度について見れば、
窒素は酸素、アルゴンに比較して明らかに大きい
選択吸着性を持つているので発生量を減少させる
程、製品ガス中の窒素濃度は低下する。本発明者
等は種々のプロセスについて究明した結果、製品
ガス発生量を出来るだけ減少させることなく製品
ガス中の窒素の含有量を低減させる事に成功し
た。 その大きな発明の第一は吸着工程終了後の各筒
間における筒内ガスの回収の方法、すなわち吸着
(工程2)の終了した筒から製品加圧(工程7)
による再生を終了した筒へのガスの移動、均圧の
操作である。 この均圧によるガスの移動の方法として(a)製品
端部から原料端部へ(b)製品端部から製品端部へ(c)
原料端部から原料端部への3つの方法がある。何
れの方法においても移動するガス中の平均酸素濃
度が原料中の酸素濃度と同じか或は高ければ原料
を加圧し圧縮する量を少くすることが出来、回収
率は向上するし電力原単位も低く出来る。 前記(a)の方法は従来から行われていた方法であ
るが、製品端部の吸着剤を原料ガス中の窒素で汚
染するので低窒素濃度の製品ガスを得るには、適
した方法でない。第7図および第8図でも示され
る如く製品ガス中の窒素濃度の低下とともに製品
ガス発生量は直線的に減少し、電力原単位は増加
する。またこの(a)の方法では製品ガス加圧量を増
加すると製品ガス発生量が増加する。すなわち一
旦窒素ガスを破過させて製品端部を汚した場合に
は相当量の製品加圧を行う必要があることがわか
る。 前記(b)の方法では製品端部間のガスの移動であ
るため、再生の終了した筒の製品端部に窒素が移
動する恐れがある。従つて(b)の方法では特公昭42
−26164にも述べられている様に吸着工程に於て、
窒素の吸着しない吸着区域を下流側に充分残して
原料ガスの送給を停止する事が必要となり、吸着
剤を製品端部まで充分に吸着に使用できなくなる
結果単位吸着剤当りの製品ガス発生量が特に低窒
素濃度領域に於て増加出来ない事が判明した。 本発明の第1のケースは原料端部間による均
圧、即ち前記(c)の方法である。この第1のケース
では吸着工程終了後減圧される筒は向流方向にガ
スが吸着筒内を移動するので窒素ガスで製品端部
を汚染する事がなく、従つて吸着工程に於ても窒
素吸着破過前線を吸着筒の製品端部まで充分に移
行させる事が出来る結果、低窒素濃度の製品ガス
を単位吸着剤当り高いレベルで発生する事ができ
る。 本発明者らは更に検討を加え第1のケース即ち
原料端部から原料端部へガスを移動させるのと同
時に製品端部から製品端部へもガスを移動させる
第2のケースを発明した。ガスを2筒間で移動さ
せる均圧(工程3および工程8)は、原料ガスを
導入しながら2筒間の圧力差がほぼ同一になる時
間で行われる。そしてこのガスの移動は吸着筒の
空隙部に存在する気相部分のガスを回収するのが
目的であり、特に固相内に吸着されている選択吸
着性の高い窒素が脱着しないうちに実施するのが
好ましい。即ち吸着筒内の空隙部に存在するガス
及び吸着剤から脱着し易いアルゴンや酸素だけを
回収するのが目的であるから、出来るだけ短時間
で行うのが好ましい。発明者等の研究では、第1
のケースに於て1〜7秒、好ましくは3〜5秒で
2筒間の圧力差を0.01Kg/cm2に出来、第2のケー
スでは1〜3秒好ましくは1〜2秒で2筒間を
0.01Kg/cm2の差でほぼ同一の圧力にする事が出来
た。このことは吸着工程(工程1および工程2)
で吸着剤に吸着された窒素を殆んど脱着させずに
次に吸着工程の始まる筒にガスを回収できるので
原料供給量を少くして動力の消費を低減でき、し
かも本発明の第2のケースでは吸着終了後減圧さ
れる筒内のガスは筒の上半分では並流に、筒の下
半分は向流方向に移動する結果、加圧される筒の
製品端部に可成り酸素濃度の高いガスを回収でき
しかも製品端部の吸着剤を窒素で汚染することな
く回収出来るので、発生量、回収率、電力原単位
の何れの点からも極めて優れた方法である事を見
だした。第7図に窒素濃度に対する製品ガス発生
量の関係を示しているが、本発明の方法に於ては
窒素濃度0.05%(500ppm)程度までは製品ガス
発生量の減少はわずかであり、それ以下の窒素濃
度にするためには、急激な減少を伴う曲線が示さ
れている。このことは電力原単位について示した
第8図においても同様な傾向があり、窒素濃度
0.05%(500ppm)まではわずかながら電力原単
位は上昇し、それ以下の窒素濃度にするためには
電力原単位が急激に上昇する変曲点が見られる。
この事から本発明の方法は窒素濃度500ppm〜1.0
%程度の濃縮酸素ガスを得るのに実用的なプロセ
スと言える。 またパージ(工程4、工程6)の方法について
も種々の方法が検討された。従来技術に於て行わ
れて来た方法は製品ガスによるパージであるが、
発明者等の実験に於て明らかになつたことは、製
品ガスをパージに用いることはパージによつて系
外に排出される製品ガス量以上の効果がないと言
うことであり、この事は極めて重要なことであ
る。本発明の工程4のパージガスは、均圧により
吸着工程終了後のガスが回収された後のガスであ
つて製品ガス純度より低い酸素濃度が70〜90%程
度のガスでありパージに用いて吸着剤からの窒素
の脱着に充分効果がある事が明らかになつた。操
作としてはパージガスを供給する筒の大気圧程度
までの減圧によつて、時間的にはパートサイクル
タイムが60秒の場合で12〜20秒の間に実施され
る。 さらに製品加圧(工程7)すなわち製品の一部
を加圧に使用することは、高濃度の酸素の濃縮、
特に窒素濃度の低い製品ガスを発生させるには不
可欠なものであり、製品加圧量の増加とともに、
低窒素濃度の製品ガス発生量は増加する。発明者
等は種々の実験を行い、真空排気到達圧力よりも
250〜450Torr高い範囲の圧力まで製品加圧する
事が好ましいことをつきとめた。例えば真空排気
を300Torrで行う場合250〜450Torr加圧するこ
とによつて即ち550〜750Torr迄製品加圧する事
で低窒素濃度製品ガスの発生量、電力原単位とも
良好であるとの結果を得た。一般的に製品加圧量
を増加させすぎると製品ガス発生量は増加する
が、吸着工程(工程2)での原料ガスの筒内流速
が増加して吸着分離効率を低下させるので回収率
が低下しその結果電力原単位が増加する。また製
品加圧量を減少させすぎると製品ガス発生量が急
激に減少して電力原単位を増加させる事になるの
で製品加圧を極端に少くしたり省略することは好
ましくない。 以上述べた如く、本発明の方法は製品ガスとし
て従来からの85%以上、90%以上あるいは93%以
上と言う濃縮酸素ガスを効率よく発生することは
もちろんの事、従来の技術では追求されていなか
つた1.0%あるいは0.5%、さらには0.1%以下の窒
素含有量の低い製品ガスを安定して発生せしめう
る簡便で、かつ経済的に実用し得る方法である。 圧力変動吸着による濃縮酸素ガス製造プロセス
の効率を評価する因子は酸素濃度と電力原単位で
あつたが、本発明のごとく窒素濃度を評価する因
子に加えたことは、酸素、アルゴン混合ガスの用
途から考えて、きわめて、画期的な発明と言え
る。 もし、0.5%〜500ppmN2のような低窒素含有
製品ガス中のアルゴンガスの効果が、撹拌や反応
ガスの分圧の低下等に充分に効果があるプロセス
に使用されるならば、アルゴンと酸素を合算した
製品ガスとして、電力原単位も評価されるべきで
あるし、一般にアルゴンガスは高価であるため、
その価格を考慮に入れた評価は、より一層高くな
るであろう。 さらにつけ加えるならば、他にもう1つの因子
として、単位時間における単位吸着剤当りの発生
量(SPECIFIC PRODUCT Nm3/H/m3)が
あげられる。すなわち上記の単位より明らかなよ
うに、このs.p.が大きい値を示すプロセスは、性
能はもとより、装置が小型化できることを意味し
ており、その点でも本発明は優れている。 実施例 以下、実施例により、本発明を更に詳しく説明
する。 実施例 1 1筒が内径130mm、高さ2355mmの容積を有する
吸着筒に、吸着剤として、直径2.5mm、ビーズ状
の5Aタイプ合成ゼオライトを、21.8Kg使用した。 前記第1のケース、すなわち、吸着工程終了後
の筒内ガスの回収を、原料端部間のみで行う場合
について運転条件として、最高吸着圧力0.35Kg/
cm2G、真空到達圧300Torr、製品ガス加圧終了圧
力550Torr、パージ(減圧側)終了圧700Torr、
パートサイクルタイム60secとし、前述の工程に
従つて実験したところ、第1表に示す結果が得ら
れた。 表中に示す窒素濃度は、PIDガスクロマトグラ
フイーによつて測定したものである。また、s.p.
(SPECIFIC PRODUCT)は、単位吸着剤(m3)
当り単位時間当りの製品ガス発生量(Nm3)を表
わし、s.p.c.(SPECIFIC POWER
CONSUMPTION)は、純酸素1Nm3c.o.発生す
るために必要な電力(KWH)すなわち、電力原
単位を表す。
た圧力変動吸着法(PSA法)によつて空気から
濃縮された酸素あるいは窒素含有量の少い酸素と
アルゴンの混合ガスを発生させる方法に関する。 (2) 従来の技術 窒素に対して吸着選択性を有するゼオライト系
の吸着剤を用いて、圧力変動吸着法により空気か
ら酸素を濃縮する方法については、従来数多くの
方法が提案されている。 その代表的な例としては、特公昭53−46800、
特公昭57−50722、特開昭58−135106等に示され
ているように2Kg/cm2G以上の吸着圧力と、
200Torr以下の真空排気を行い、製品ガスによる
加圧の後にその筒の原料端部と吸着工程を終了し
た筒の製品端部とを均圧させることによつて酸素
成分の高い回収率、及び単位吸着剤当りの大きな
発生量が得られる特徴がある反面、電力消費量が
高い欠点があつた。 また特公昭42−26164、特公昭51−40549および
特公昭51−40550には、吸着工程で吸着剤に不純
物のない吸着区域を下流側に充分残して、原料ガ
スの送給を停止し並流減圧工程を行いながら吸着
筒上部の不純物が吸着されない部分へ不純物吸着
破過前線を移動させ、製品ガスを取出すと共に製
品ガスの一部を再生の終了した筒の製品ガス端部
より導入させることによつて、加圧したりパージ
に併用したりする方法が提案されている。 本特許に関連する出願は非常に多く見られる
が、大気圧以上(3Kg/cm2G)での吸着と大気圧
でのパージによるものであつて回収率、発生量と
もに低く、しかも製品ガス均圧量やパージ量を微
調整しなければならない欠点があつた。 最近出願されている一群の特許、即ち特開昭60
−161308、特開昭60−161309、特開昭61−
133114、特開昭61−133115は、真空排気を併用す
ることによつて、吸着圧を低下させ電力原単位や
回収率を改善させてはいるが、基本的には上記の
もつ欠点の全てを改善したものとは言えない。言
いかえれば、これ等の特許は基本的に類似のプロ
セスであつて、吸着工程において不純物のない吸
着区域を下流側に充分に残して原料ガスの送給を
停止する結果、必然的に単位吸着剤当りの発生量
が少くなると同時にその後の均圧やパージのため
の圧力の低減に充分に長い時間をかけて、複雑な
調整を必要とする欠点が残されている。 特開昭60−180903に於ては、吸着、真空排気、
製品ガスによる加圧と言うプロセスについて説明
されているけれども、製品ガスによるパージを併
用しない場合には、発生量が低下し電力消費量も
高くなることが示されている。 更に近年圧力変動吸着法(PSA法)により製
造された濃縮酸素ガスの利用は、多くの分野で需
要が増えつつある。しかし、従来技術で安定して
製造できる酸素濃度は93vol%であり、不純ガス
としての窒素濃度は約2〜3vol%である。 そこで、この濃縮酸素ガス中の窒素濃度がより
少ないものであればPSA法による濃縮酸素の用
途はより広まることが予想される。 このような低窒素含有富化酸素の製造法につい
ては特開昭48−83078に述べられているが、この
方法では3筒式では得られず、4筒式でN2含有
量が0.27%から160ppmまで低下した例が示され
ている。しかしながらこの方法による単位吸着剤
当りの発生量は極めて低く経済的に実用し得るも
のとは言えない。従つて窒素含有量が低く、電力
原単位、発生量、回収率ともに優れた酸素濃縮技
術は存在していない。 問題点を解決するための手段: 本発明は窒素を選択的に吸着する吸着剤を用い
た圧力変動吸着法(PSA法)によつて空気から
濃縮された酸素あるいは窒素含有量の少い酸素と
アルゴンの混合ガスを単位吸着剤当りの発生量が
充分に大きく、電力原単位が低く、かつ簡便な操
作によつて安定して発生せしめる方法を提供する
ことを目的とする。 本発明は、少なくともO2、N2およびArを含む
混合ガス中の酸素を濃縮する方法において窒素に
対して選択吸着性を有する吸着剤を充填した3個
の吸着筒に、原料ガスとして上記の混合ガスを流
通させることにより、製品ガスとして、濃縮酸素
ガスを得る方法において上記吸着筒のうち第1の
吸着筒について順次に (i) 原料ガスを原料端部から導入し、吸着筒内を
昇圧して、窒素を選択的に吸着させ、製品端部
から製品ガスを取り出す工程、 (ii) 第1の吸着筒に原料ガスの導入を継続し、そ
の場合得られた製品酸素ガスの1部分は、工程
(vi)が終了した第2の吸着筒に導入しても良い、 (iii) 工程(ii)が終了した第1の吸着筒の原料端部と
工程(vii)が終了した第2の吸着筒の原料端部とを
連絡させ、両筒の圧力を均圧又はほぼ均圧にさ
せ、 又は工程(ii)が終了した第1の吸着筒の原料端
部と工程(vii)が終了した第2の吸着筒との原料端
部とを連絡させ、前者から後者にガスを供給
し、その期間の全部又は1部の期間、第1の吸
着筒の製品端部と第2の吸着筒の製品端部とを
連絡させ、その端部間では前者から後者にガス
を供給し、両筒間の圧力を均圧又はほぼ均圧と
なし、 (iv) 工程(iii)が終了した第1の吸着筒の製品端部よ
り後記(v)の工程を終了した第3の吸着筒の製品
端部へ、流量調整のもとでガスを供給して、筒
内圧力を低減させる工程、 (v) 工程(iv)が終了した第1の吸着筒を適当な真空
度に達するまで真空排気する工程、 (vi) 真空排気を行ないながら、工程(v)の全部又は
1部の期間にわたつて製品端部を開き、工程(iii)
が終了した第2の吸着筒の製品端部より流量調
整されたガスを導入し、筒体をパージする工
程、 (vii) 工程(v)又は工程(vi)が終つた第1の吸着筒の製
品端部に製品ガスを導入し、第1の吸着筒内を
加圧する工程、 (viii) 原料ガスを導入しながら工程(vii)が終了した
第
1の吸着筒の原料端部と工程(ii)が終了した第3
の吸着筒の原料端部とを連絡し、後者から前者
にガスを供給し、両筒を均圧又はほぼ均圧と
し、 又は原料ガスを導入しながら工程(vii)が終了し
た第1の吸着筒の原料端部と工程(ii)が終了した
第3の吸着筒の原料端部とを連結し後者から前
者にガスを供給し、その全部の期間又は1部の
期間にわたつて第1の吸着筒の製品端部と第3
の吸着筒の製品端部とを連絡し、その端部間で
も後者から前者にガスを供給し、両筒を均圧又
はほぼ均圧にする工程、 以上、上記(i)〜(viii)の工程を第2、第3の吸着筒
についても位相を変えて行うことを特徴とする酸
素濃縮方法に関する。 本発明は、圧力変動吸着法(PSA法)を利用
して空気の如き、酸素と窒素とアルゴンを含む混
合ガスから窒素を吸着分離し、濃縮酸素ガスを得
るものである。 即ち、合成ゼオライト、天然ゼオライト等の窒
素に対して選択吸着性を有する吸着剤を充填した
3個の吸着筒に対し、以下に説明する各工程を順
次繰り返しながら吸着剤に窒素を吸着させ酸素お
よびアルゴンを濃縮して製品ガスとして取り出す
方法である。 以下、本発明の方法を、第1図A,B、および
Cに示すフローシートに従つて具体的に説明する
が、以下に示す操作は一例であつて、この操作の
みに限定されるものではない。 なお、添付図面第1図A,BおよびCは空気か
ら連続的に濃縮酸素ガスを発生させるフローシー
トであり、3個の吸着筒A,B,Cには、窒素を
選択的に吸着する吸着剤が収納されている。 この場合、本発明の各工程は、下記の如くな
る。また、各工程の操作時間はタイマーにより任
意にコントロールされ得る。 工程1 弁1A,2Aが開かれブロアー9により加圧さ
れた空気がA筒の下部即ち原料端部より供給さ
れ、A筒に於て窒素を吸着分離された製品酸素ガ
スがA筒の上部即ち製品端部より管12を介して
製品貯留タンク11に流出する。この間、A筒内
の圧力は通常大気圧以上〜0.5Kg/cm2G、好まし
くは0.1〜0.35Kg/cm2Gの範囲に昇圧されている。 一方弁3B,5Bが開かれC筒の製品端部より
濃縮酸素ガスがB筒の製品端部に供給され、B筒
内を向流方向にパージしながら真空ポンプ10に
よつて系外に排出される。C筒はB筒に濃縮酸素
ガスを供給しつつ、更に減圧される。C筒からの
濃縮酸素ガスの供給速度は流量調整弁6Bにより
コントロールされる。 工程2 弁3B,5Bが閉じられると同時に弁4B,3
Cが開かれ、パージ工程を終了したB筒の製品端
部に製品貯留タンク11より管13を介して製品
ガスが供給され、B筒は加圧される。この間A筒
は引き続き工程1を継続しながら製品端部より製
品ガスを流出させている。一方、C筒は真空ポン
プ10によつて真空排気される。B筒への製品ガ
スの加圧は、上記の製品貯留タンク11より、必
ずしも行う必要はなく、第1図bには、その実施
例の1つが示されており、この実施例によれば、
A筒から発生した製品ガスの1部が弁7により流
量を調整されて管13を介して4Bを通つてB筒
に供給される。又第1図cの実施例では、開かれ
た5Aを通り、6Aで流量が調整されて、A筒か
ら発生した製品ガスの1部がB筒に供給される方
法が示されている。この場合には管13や、4
A,4B,4Cの弁は必要はない。 工程3 弁2A,4Bが閉じられると同時に弁1Bが開
かれA筒の原料端部からB筒の原料端部にA筒内
のガスが原料空気とともに供給されA筒は向流方
向に減圧される。 あるいはこの操作の際その期間の全部又は1部
の期間弁2Aを開いたままで、弁2Bを開きA筒
の製品端部からB筒の製品端部にA筒内からの濃
縮酸素ガスを供給しても良い。 この時減圧速度を調整する必要はなく、この操
作は通常1〜7秒、好ましくはA筒の原料端部か
らB筒の原料端部へのガスの供給だけによる減圧
の場合には3〜5秒であり同時にA筒の製品端部
からB筒の製品端部にガスを供給する場合には1
〜2秒の短時間で実施される。 一方、C筒は引き続き真空排気されている。 工程4 弁1Aが閉じられると同時に弁5Cが開かれA
筒の製品端部より濃縮酸素ガスがC筒の製品端部
に供給され、C筒内を向流方向にパージしながら
真空ポンプ10によつて系外に排出される。 A筒はC筒に濃縮酸素ガスを供給しつつ更に減
圧される。この時A筒からC筒へのパージガスの
供給速度は流量調整弁6Cによりコントロールさ
れる。パージは低窒素濃度の製品濃縮酸素ガスを
安定して得るために欠かすことのできない操作で
あるけれども、最適パージガス量の絶対量を知る
必要はなく、パージガスを供給して圧力を減少さ
せる筒の最終圧力で決めれば良い。 この工程の場合A筒の減圧最終圧力は通常−6
cmHg〜0.1Kg/cm2G、好ましくは大気圧付近であ
る。 一方、弁2Bは開かれており、B筒の製品端部
より製品ガスが流出している。 工程5−1 弁5Cが閉じられると同時に弁3Aが開かれA
筒は真空ポンプ10によつて原料端部から真空排
気される。窒素を吸着した吸着剤から真空圧に吸
引することによつて窒素を脱着させて、吸着剤を
再生する操作である。窒素を脱着させて吸着剤に
より大きな吸着容量を持たせるためには、真空圧
力を出来るだけ低く、例えば100Torr以下、ある
いは50Torr以下付近まで真空排気する必要があ
る。 しかし、本発明による本工程の真空排気圧力は
通常250Torr〜350Torr好ましくは300Torr±
30Torrで実施される。 一方、弁3Cが閉じられると同時に弁4Cが開
かれパージ工程を終了したC筒の製品端部に製品
貯留タンク11より製品ガスが供給され、C筒は
加圧される。この間B筒は引き続き工程4を継続
しながら製品端部より製品ガスを流出させてい
る。この場合B筒から排出される製品O2ガスの
1部分をC筒に導入してもよい。 工程5−2 弁2B,4Cが閉じられると同時に弁1Cが開
かれB筒の原料端部からC筒の原料端部にB筒内
のガスが原料空気とともに供給されB筒は減圧さ
れる。あるいはこの操作の際同時に弁2Bを開い
たままで弁2Cを開きB筒の製品端部からC筒の
製品端部にB筒内からの濃縮酸素ガスを供給して
も良い。 一方、A筒は引き続き真空排気されている。 工程6 弁1Bが閉じられると同時に弁5Aが開かれB
筒の製品端部より濃縮酸素ガスがA筒の製品端部
に供給され、A筒内を向流方向にパージしながら
真空ポンプ10によつて系外に排出される。この
工程6は工程5が終了後行なつてもよいが、工程
5の真空排気を行ない工程6のパージを行ない、
さらに真空排気を行なつてもよい。さらに工程6
のパージを行なつた後、真空排気を行なつてもよ
い。 A筒は原料端部側から真空ポンプ10により真
空排気されながら、窒素が脱着されている間に流
量調整弁6AによりコントロールされたB筒から
の濃縮酸素ガスを製品端部より向流方向に導入し
て塔内をパージする。パージは窒素の真空脱着の
間に濃縮酸素ガスを製品端部から導入して塔内を
通過させることにより、塔内の気相の窒素分圧を
下げてより脱着効果を増加させるとともに、パー
ジの期間中、A筒内の圧力を前工程5−2の最終
到達真空圧力よりも通常10〜50Torr高い圧力に
保持して行うため、真空ポンプの動力コストを低
減する効果がある。 一方、弁1C,2Cともに開かれておりC筒は
製品端部から製品ガスを流出させている。 工程7 弁3A,5Aが閉じられると同時に弁4Aが開
かれパージ工程を終了したA筒の製品端部へ製品
貯留タンク11より製品ガスが供給され、A筒内
は製品ガスにより加圧される。製品ガスの導入量
は流量調整弁7によりコントロールされる。製品
加圧は、パージ工程が終了してまだ真空圧力下に
ある吸着筒に製品酸素ガスを製品端部より向流方
向に導入することによつて吸着筒の製品端部側か
ら順次酸素分圧をより高め、パージ終了後も吸着
筒製品端部側に吸着して残存している窒素ガスを
脱着させて原料端部側に押しさげるとともに、一
旦吸着筒製品端部より流出した製品ガスを再度吸
着筒に戻して微量の窒素までも吸着剤に吸着させ
ると考えられ、従つて低窒素濃度(例えば
1000ppm程度)の製品ガスを安定して得るために
は欠く事の出来ない操作である。但し過大な製品
ガス加圧は、吸着工程での分離能力の低下並びに
収率の低下をもたらし、性能を低下せしめるので
好ましくない。 この工程の場合A筒の加圧最終圧力は前工程6
のパージ工程終了圧力よりも250Torr〜450Torr
高い圧力が好ましい。一方、弁3Bが開かれB筒
は真空ポンプ10により真空排気される。この間
C筒は引き続き工程6を継続しながら製品端部よ
り製品ガスを流出させている。 工程8 弁2C,4Aが閉じられると同時に弁1Aが開
かれC筒の原料端部からA筒の原料端部にC筒内
のガスが原料空気とともに導入されA筒は加圧さ
れる。前記工程7でC筒は原料端部より空気を供
給されながら、原料空気中の窒素を吸着分離し
て、製品端部より製品濃縮酸素ガスを流出させ窒
素吸着破過前線が丁度製品端部に到達した時点で
工程7(吸着工程)を終了している。C筒の製品
端部側気相部分には製品ガス中の酸素濃度よりも
低いが、なおかなり高濃度の濃縮酸素ガスが多く
残されており、C筒を向流方向に減圧する事によ
り、C筒の吸着剤の空隙部分に加圧されているガ
スは、減圧されて、原料端部から、A筒の原料端
部へ供給され、C筒の圧力が低下し、A筒の圧力
が上昇して、ほぼ同圧となるまで続けられる。そ
の間、ブロアー9からも、同時に、原料端部に原
料ガスが供給されるが、その原料ガスを低減せし
めうることによつて、酸素回収率を向上させる操
作である。この工程において、C筒の減圧速度や
原料ガス供給速度、および、A筒の昇圧速度を調
整する必要はなく、時間は1〜7秒、好ましくは
3〜5秒の短時間で実施される。 又はこの操作の際その全部の期間あるいは1部
の期間にわたつて弁2Cを開いたままで弁2Aを
開きC筒の製品端部からA筒の製品端部にC筒内
からの濃縮酸素ガスを導入しA筒を加圧してもよ
い。 これは吸着工程を終えてC筒の製品端部側気相
部分に残存している製品ガス濃度に近い濃縮酸素
だけをA筒の製品端部側に回収するものである。
但しこの操作中、C筒の圧力は低下しC筒の吸着
剤層に吸着している窒素が出来るだけ脱着しない
方が好ましく、C筒の製品端部側の窒素が脱着し
ない内に短時間で実施する必要がある。C筒の原
料端部からA筒の原料端部へ、かつ同時にC筒の
製品端部からA筒の製品端部へC筒からのガスを
導入してA筒の圧力を上昇する場合、C筒内の圧
力の低下は前記の方法、すなわち原料端部のみの
場合よりも約2倍早くなり、好ましくは1〜2秒
のさらに短時間で実施し得るので吸着剤から気相
への窒素の脱着はほとんど生じない。 一方、B筒は引き続き真空排気されている。 上記の各工程は筒と筒との関係において1筒づ
つ位相を変えて、繰り返し行うものである。ま
た、製品ガスは製品貯留タンク11より弁8を介
して、全工程サイクルの間、絶えることなく連続
的に取り出される。 以上説明した通り本発明は吸着剤に窒素を吸着
させ酸素を濃縮して製品ガスとして効率よく取り
出すものであるが、吸着工程で窒素吸着破過前線
を吸着筒の製品端部すなわち吸着筒の下流側ま
で、充分に移行させることにより、単位吸着剤当
りの製品ガス発生量を増大する事が出来た。また
吸着工程終了後筒内に残存するガスを他の筒に回
収する方法を工夫することにより所要原料ガス量
を少なくする事ができた。さらにパージ、製品ガ
スによる加圧を組み合わせることによつて吸着圧
力が低く真空圧力を高くする事が出来た結果、動
力コストが低く単位吸着剤当り大きな製品ガス発
生量を持ち、窒素含有量の少いかつ簡便な酸素濃
縮方法に到達したものである。 一般に、PSA(Pressure Swing Adsorption)
法では、加圧、減圧をくり返しそのガス成分の吸
着脱着の差を用いてガス分離を行うものである
が、そのPSA法を実施する圧力の範囲は大気圧
以上への圧縮と、大気圧以下への真空、即ちプラ
ス圧力からマイナス圧力までの方法、大気圧以上
への圧縮、即ちプラス圧力のみによる方法、なら
びに殆んど真空排気のみのマイナス圧力のみによ
る方法の3つの方法に大別される。しかしPSA
法の動力は、大気圧以上への圧縮比、或は真空排
気に於けるマイナス圧力から大気への圧縮比によ
り理論的に求められるので、その圧縮比は小さい
程消費動力は小さくなることから、プラス圧力か
らマイナス圧力までの方法により、圧縮比を小さ
くする方法が最も電力原単位を小さくすることが
出来る。本発明に於て工程2のほぼ一定の圧力
は、通常大気圧以上0.5Kg/cm2G、好ましくは0.1
〜0.35Kg/cm2Gの範囲であり、また工程5−1、
5−2の真空排気到達圧力は通常250〜350Torr、
好ましくは300Torr±30Torrの範囲である。工
程6では真空排気を行ないながらパージガスが導
入されるので工程5−2の真空到達圧力より通常
10〜50Torr上昇し真空ポンプの消費動力はさら
に小さくすることができる。また通常200Torr以
下150Torr付近まで真空排気する事は、製品ガス
発生量を増加することは出来るが、真空ポンプの
消費動力が著しく増加し、電力原単位が増大して
経済的観点から好ましくない。 次に空気からPSA法により濃縮酸素を得る場
合、発生量を或る程度まで減少させる事により、
酸素濃縮を95.5%まで高める事が出来る。しかし
それ以上に発生量を減少させても酸素濃縮は逆に
低下する。 これは4A,5A、10Xや13Xタイプの合成ゼ
オライト、あるいは天然ゼオライト吸着剤の場
合、空気の成分であるアルゴンに比較して酸素の
方が選択吸着性が高いためである。しかし空気か
らの酸素濃縮に於て窒素の濃度について見れば、
窒素は酸素、アルゴンに比較して明らかに大きい
選択吸着性を持つているので発生量を減少させる
程、製品ガス中の窒素濃度は低下する。本発明者
等は種々のプロセスについて究明した結果、製品
ガス発生量を出来るだけ減少させることなく製品
ガス中の窒素の含有量を低減させる事に成功し
た。 その大きな発明の第一は吸着工程終了後の各筒
間における筒内ガスの回収の方法、すなわち吸着
(工程2)の終了した筒から製品加圧(工程7)
による再生を終了した筒へのガスの移動、均圧の
操作である。 この均圧によるガスの移動の方法として(a)製品
端部から原料端部へ(b)製品端部から製品端部へ(c)
原料端部から原料端部への3つの方法がある。何
れの方法においても移動するガス中の平均酸素濃
度が原料中の酸素濃度と同じか或は高ければ原料
を加圧し圧縮する量を少くすることが出来、回収
率は向上するし電力原単位も低く出来る。 前記(a)の方法は従来から行われていた方法であ
るが、製品端部の吸着剤を原料ガス中の窒素で汚
染するので低窒素濃度の製品ガスを得るには、適
した方法でない。第7図および第8図でも示され
る如く製品ガス中の窒素濃度の低下とともに製品
ガス発生量は直線的に減少し、電力原単位は増加
する。またこの(a)の方法では製品ガス加圧量を増
加すると製品ガス発生量が増加する。すなわち一
旦窒素ガスを破過させて製品端部を汚した場合に
は相当量の製品加圧を行う必要があることがわか
る。 前記(b)の方法では製品端部間のガスの移動であ
るため、再生の終了した筒の製品端部に窒素が移
動する恐れがある。従つて(b)の方法では特公昭42
−26164にも述べられている様に吸着工程に於て、
窒素の吸着しない吸着区域を下流側に充分残して
原料ガスの送給を停止する事が必要となり、吸着
剤を製品端部まで充分に吸着に使用できなくなる
結果単位吸着剤当りの製品ガス発生量が特に低窒
素濃度領域に於て増加出来ない事が判明した。 本発明の第1のケースは原料端部間による均
圧、即ち前記(c)の方法である。この第1のケース
では吸着工程終了後減圧される筒は向流方向にガ
スが吸着筒内を移動するので窒素ガスで製品端部
を汚染する事がなく、従つて吸着工程に於ても窒
素吸着破過前線を吸着筒の製品端部まで充分に移
行させる事が出来る結果、低窒素濃度の製品ガス
を単位吸着剤当り高いレベルで発生する事ができ
る。 本発明者らは更に検討を加え第1のケース即ち
原料端部から原料端部へガスを移動させるのと同
時に製品端部から製品端部へもガスを移動させる
第2のケースを発明した。ガスを2筒間で移動さ
せる均圧(工程3および工程8)は、原料ガスを
導入しながら2筒間の圧力差がほぼ同一になる時
間で行われる。そしてこのガスの移動は吸着筒の
空隙部に存在する気相部分のガスを回収するのが
目的であり、特に固相内に吸着されている選択吸
着性の高い窒素が脱着しないうちに実施するのが
好ましい。即ち吸着筒内の空隙部に存在するガス
及び吸着剤から脱着し易いアルゴンや酸素だけを
回収するのが目的であるから、出来るだけ短時間
で行うのが好ましい。発明者等の研究では、第1
のケースに於て1〜7秒、好ましくは3〜5秒で
2筒間の圧力差を0.01Kg/cm2に出来、第2のケー
スでは1〜3秒好ましくは1〜2秒で2筒間を
0.01Kg/cm2の差でほぼ同一の圧力にする事が出来
た。このことは吸着工程(工程1および工程2)
で吸着剤に吸着された窒素を殆んど脱着させずに
次に吸着工程の始まる筒にガスを回収できるので
原料供給量を少くして動力の消費を低減でき、し
かも本発明の第2のケースでは吸着終了後減圧さ
れる筒内のガスは筒の上半分では並流に、筒の下
半分は向流方向に移動する結果、加圧される筒の
製品端部に可成り酸素濃度の高いガスを回収でき
しかも製品端部の吸着剤を窒素で汚染することな
く回収出来るので、発生量、回収率、電力原単位
の何れの点からも極めて優れた方法である事を見
だした。第7図に窒素濃度に対する製品ガス発生
量の関係を示しているが、本発明の方法に於ては
窒素濃度0.05%(500ppm)程度までは製品ガス
発生量の減少はわずかであり、それ以下の窒素濃
度にするためには、急激な減少を伴う曲線が示さ
れている。このことは電力原単位について示した
第8図においても同様な傾向があり、窒素濃度
0.05%(500ppm)まではわずかながら電力原単
位は上昇し、それ以下の窒素濃度にするためには
電力原単位が急激に上昇する変曲点が見られる。
この事から本発明の方法は窒素濃度500ppm〜1.0
%程度の濃縮酸素ガスを得るのに実用的なプロセ
スと言える。 またパージ(工程4、工程6)の方法について
も種々の方法が検討された。従来技術に於て行わ
れて来た方法は製品ガスによるパージであるが、
発明者等の実験に於て明らかになつたことは、製
品ガスをパージに用いることはパージによつて系
外に排出される製品ガス量以上の効果がないと言
うことであり、この事は極めて重要なことであ
る。本発明の工程4のパージガスは、均圧により
吸着工程終了後のガスが回収された後のガスであ
つて製品ガス純度より低い酸素濃度が70〜90%程
度のガスでありパージに用いて吸着剤からの窒素
の脱着に充分効果がある事が明らかになつた。操
作としてはパージガスを供給する筒の大気圧程度
までの減圧によつて、時間的にはパートサイクル
タイムが60秒の場合で12〜20秒の間に実施され
る。 さらに製品加圧(工程7)すなわち製品の一部
を加圧に使用することは、高濃度の酸素の濃縮、
特に窒素濃度の低い製品ガスを発生させるには不
可欠なものであり、製品加圧量の増加とともに、
低窒素濃度の製品ガス発生量は増加する。発明者
等は種々の実験を行い、真空排気到達圧力よりも
250〜450Torr高い範囲の圧力まで製品加圧する
事が好ましいことをつきとめた。例えば真空排気
を300Torrで行う場合250〜450Torr加圧するこ
とによつて即ち550〜750Torr迄製品加圧する事
で低窒素濃度製品ガスの発生量、電力原単位とも
良好であるとの結果を得た。一般的に製品加圧量
を増加させすぎると製品ガス発生量は増加する
が、吸着工程(工程2)での原料ガスの筒内流速
が増加して吸着分離効率を低下させるので回収率
が低下しその結果電力原単位が増加する。また製
品加圧量を減少させすぎると製品ガス発生量が急
激に減少して電力原単位を増加させる事になるの
で製品加圧を極端に少くしたり省略することは好
ましくない。 以上述べた如く、本発明の方法は製品ガスとし
て従来からの85%以上、90%以上あるいは93%以
上と言う濃縮酸素ガスを効率よく発生することは
もちろんの事、従来の技術では追求されていなか
つた1.0%あるいは0.5%、さらには0.1%以下の窒
素含有量の低い製品ガスを安定して発生せしめう
る簡便で、かつ経済的に実用し得る方法である。 圧力変動吸着による濃縮酸素ガス製造プロセス
の効率を評価する因子は酸素濃度と電力原単位で
あつたが、本発明のごとく窒素濃度を評価する因
子に加えたことは、酸素、アルゴン混合ガスの用
途から考えて、きわめて、画期的な発明と言え
る。 もし、0.5%〜500ppmN2のような低窒素含有
製品ガス中のアルゴンガスの効果が、撹拌や反応
ガスの分圧の低下等に充分に効果があるプロセス
に使用されるならば、アルゴンと酸素を合算した
製品ガスとして、電力原単位も評価されるべきで
あるし、一般にアルゴンガスは高価であるため、
その価格を考慮に入れた評価は、より一層高くな
るであろう。 さらにつけ加えるならば、他にもう1つの因子
として、単位時間における単位吸着剤当りの発生
量(SPECIFIC PRODUCT Nm3/H/m3)が
あげられる。すなわち上記の単位より明らかなよ
うに、このs.p.が大きい値を示すプロセスは、性
能はもとより、装置が小型化できることを意味し
ており、その点でも本発明は優れている。 実施例 以下、実施例により、本発明を更に詳しく説明
する。 実施例 1 1筒が内径130mm、高さ2355mmの容積を有する
吸着筒に、吸着剤として、直径2.5mm、ビーズ状
の5Aタイプ合成ゼオライトを、21.8Kg使用した。 前記第1のケース、すなわち、吸着工程終了後
の筒内ガスの回収を、原料端部間のみで行う場合
について運転条件として、最高吸着圧力0.35Kg/
cm2G、真空到達圧300Torr、製品ガス加圧終了圧
力550Torr、パージ(減圧側)終了圧700Torr、
パートサイクルタイム60secとし、前述の工程に
従つて実験したところ、第1表に示す結果が得ら
れた。 表中に示す窒素濃度は、PIDガスクロマトグラ
フイーによつて測定したものである。また、s.p.
(SPECIFIC PRODUCT)は、単位吸着剤(m3)
当り単位時間当りの製品ガス発生量(Nm3)を表
わし、s.p.c.(SPECIFIC POWER
CONSUMPTION)は、純酸素1Nm3c.o.発生す
るために必要な電力(KWH)すなわち、電力原
単位を表す。
【表】
【表】
実施例 2
実施例1と同じ3筒式吸着筒を用いて、前記第
2のケース、すなわち、吸着工程終了後の筒内ガ
スの回収を原料端部間、および、製品端部間にお
いて、同時に行つた場合について、実施例1と同
じ運転条件で、前述の工程に従つて実験したとこ
ろ、第2表に示す結果が得られた。
2のケース、すなわち、吸着工程終了後の筒内ガ
スの回収を原料端部間、および、製品端部間にお
いて、同時に行つた場合について、実施例1と同
じ運転条件で、前述の工程に従つて実験したとこ
ろ、第2表に示す結果が得られた。
【表】
比較例 1
実施例1と同じ3筒の吸着筒を用いて、第4図
に示した装置によつて、吸着工程終了後の筒内ガ
スを製品端部から原料端部へ回収すること以外は
実施例1と同じ運転条件で、実験を行つたとこ
ろ、第3表に示す結果が得られた。
に示した装置によつて、吸着工程終了後の筒内ガ
スを製品端部から原料端部へ回収すること以外は
実施例1と同じ運転条件で、実験を行つたとこ
ろ、第3表に示す結果が得られた。
【表】
実施例1、実施例2、比較例1の実験結果よ
り、第7図に窒素濃度対s.p.、第8図に窒素濃度
対s.p.c.の関係を示した。 実施例 3 実施例1と同じ3つの吸着筒を用いて、第1の
ケース、および、第2のケースについて、運転条
件として、実施例1の、製品ガス加圧終了圧力を
550Torrから750Torrに変更して、実施例1、実
施例2と同様な実験を行つた。それらの実験から
求められた性能のうち、s.p.とs.p.c.の値は第4表
に示した。 比較例 2 実施例1と同じ3つの吸着筒を用い、第4図に
示した装置によつて、比較例1と同様な実験を行
つた。但し、運転条件として、製品ガス加圧終了
圧を550Torrから750Torrに変更して実施した。
この実験から求められた性能のうち、s.p.とs.p.c.
の値は第4表に示した。 実施例 4 実施例1と同じ3つの吸着筒を用いて、第1の
ケース、および、第2のケースについて、運転条
件として、実施例1の真空到達圧を300Torrから
150Torrに変更して、実施例1、実施例2と同様
な実験を行つた。この実験から求められた性能の
うち、s.p.とs.p.c.の値は第4表に示した。 比較例 3 実施例1と同じ3つの吸着筒を用い、第4図に
示した装置によつて、比較例1と同様な実験を行
つた。但し、運転条件として、真空到達圧を
300Torrから150Torrに変更して実施した。この
実験から求められた性能のうち、s.p.とs.p.c.の値
は第4表に示した。 上記実施例1〜4、比較例1〜3の実験結果に
基づいて、それぞれ、93%O2、0.5%N2、0.1%
N2での濃度の製品ガスを得るためのs.p.およびs.
p.c.の値をまとめて比較した結果を第4表に示し
てある。
り、第7図に窒素濃度対s.p.、第8図に窒素濃度
対s.p.c.の関係を示した。 実施例 3 実施例1と同じ3つの吸着筒を用いて、第1の
ケース、および、第2のケースについて、運転条
件として、実施例1の、製品ガス加圧終了圧力を
550Torrから750Torrに変更して、実施例1、実
施例2と同様な実験を行つた。それらの実験から
求められた性能のうち、s.p.とs.p.c.の値は第4表
に示した。 比較例 2 実施例1と同じ3つの吸着筒を用い、第4図に
示した装置によつて、比較例1と同様な実験を行
つた。但し、運転条件として、製品ガス加圧終了
圧を550Torrから750Torrに変更して実施した。
この実験から求められた性能のうち、s.p.とs.p.c.
の値は第4表に示した。 実施例 4 実施例1と同じ3つの吸着筒を用いて、第1の
ケース、および、第2のケースについて、運転条
件として、実施例1の真空到達圧を300Torrから
150Torrに変更して、実施例1、実施例2と同様
な実験を行つた。この実験から求められた性能の
うち、s.p.とs.p.c.の値は第4表に示した。 比較例 3 実施例1と同じ3つの吸着筒を用い、第4図に
示した装置によつて、比較例1と同様な実験を行
つた。但し、運転条件として、真空到達圧を
300Torrから150Torrに変更して実施した。この
実験から求められた性能のうち、s.p.とs.p.c.の値
は第4表に示した。 上記実施例1〜4、比較例1〜3の実験結果に
基づいて、それぞれ、93%O2、0.5%N2、0.1%
N2での濃度の製品ガスを得るためのs.p.およびs.
p.c.の値をまとめて比較した結果を第4表に示し
てある。
第1図A,BおよびCは本発明方法を説明する
ための系統図であり、第2図、第3図は本発明方
法の工程順序を示す模式図である。また、第4図
は比較例として行つた方法の実施態様を示す系統
図であり、第5図、第6図は比較例の工程順序を
示す模式図である。 第1図、および、第4図中において、A,B,
C……吸着筒、1A〜1C,2A〜2C,3A〜
3C,4A〜4C,5A〜5C,15A〜15C
……弁、6A〜6C,7,8……流量調整弁、9
……ブロアー、10……真空ポンプ、11……製
品貯留タンク、12,13……管、14……逆止
弁 第5図、第6図は比較例の工程順序を示す模式
図である。第7図は窒素濃度対単位時間当り単位
吸着剤当りの製品ガス発生量と窒素濃度のグラフ
であり、第8図は、窒素濃度対純酸素1m3発生す
るのに必要な電力原単位のグラフである。
ための系統図であり、第2図、第3図は本発明方
法の工程順序を示す模式図である。また、第4図
は比較例として行つた方法の実施態様を示す系統
図であり、第5図、第6図は比較例の工程順序を
示す模式図である。 第1図、および、第4図中において、A,B,
C……吸着筒、1A〜1C,2A〜2C,3A〜
3C,4A〜4C,5A〜5C,15A〜15C
……弁、6A〜6C,7,8……流量調整弁、9
……ブロアー、10……真空ポンプ、11……製
品貯留タンク、12,13……管、14……逆止
弁 第5図、第6図は比較例の工程順序を示す模式
図である。第7図は窒素濃度対単位時間当り単位
吸着剤当りの製品ガス発生量と窒素濃度のグラフ
であり、第8図は、窒素濃度対純酸素1m3発生す
るのに必要な電力原単位のグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 少なくともO2、N2およびArを含む混合ガス
中の酸素を濃縮する方法において窒素に対して選
択吸着性を有する吸着剤を充填した3個の吸着筒
に、原料ガスとして上記の混合ガスを流通させる
ことにより、製品ガスとして、濃縮酸素ガスを得
る方法において上記吸着筒のうち第1の吸着筒に
ついて順次に (i) 原料ガスを原料端部から導入し、吸着筒内を
昇圧して、窒素を選択的に吸着させ、製品端部
から製品ガスを取り出す工程、 (ii) 第1の吸着筒に原料ガスの導入を継続し、そ
の場合得られた製品酸素ガスの1部分は、工程
(vi)が終了した第2の吸着筒に導入しても良い、 (iii) 工程(ii)が終了した第1の吸着筒の原料端部と
工程(vii)が終了した第2の吸着筒の原料端部とを
連絡させ、両筒の圧力を均圧又はほぼ均圧にさ
せ、 又は工程(ii)が終了した第1の吸着筒の原料端
部と工程(vii)が終了した第2の吸着筒との原料端
部とを連絡させ、前者から後者にガスを供給
し、その期間の全部又は1部の期間、第1の吸
着筒の製品端部と第2の吸着筒の製品端部とを
連絡させ、その端部間では前者から後者にガス
を供給し、両筒間の圧力を均圧又はほぼ均圧と
なし、 (iv) 工程(iii)が終了した第1の吸着筒の製品端部よ
り後記(v)の工程を終了した第3の吸着筒の製品
端部へ、必要量だけガスを供給して、筒内圧力
を低減させる工程、 (v) 工程(iv)が終了した第1の吸着筒を適当な真空
度に達するまで真空排気する工程、 (vi) 真空排気を行ないながら、工程(v)の全部又は
1部の期間にわたつて製品端部を開き、工程(iii)
が終了した第2の吸着筒の製品端部よりガスを
導入し、筒体をパージする工程、 (vii) 工程(v)又は工程(vi)が終つた第1の吸着筒の製
品端部に製品ガスを導入し、第1の吸着筒内を
加圧する工程、 (viii) 原料ガスを導入しながら工程(vii)が終了した
第
1の吸着筒の原料端部と工程(ii)が終了した第3
の吸着筒の原料端部とを連絡し、後者から前者
にガスを供給し、両筒を均圧又はほぼ均圧と
し、 又は原料ガスを導入しながら工程(vii)が終了し
た第1の吸着筒の原料端部と工程(ii)が終了した
第3の吸着筒の原料端部とを連結し後者から前
者にガスを供給し、その全部の期間又は1部の
期間にわたつて第1の吸着筒の製品端部と第3
の吸着筒の製品端部とを連絡し、その端部間で
も後者から前者にガスを供給し、両筒を均圧又
はほぼ均圧にする工程、 以上、上記(i)〜(viii)の工程を第2、第3の吸着筒
についても位相を変えて行うことを特徴とする酸
素濃縮方法。 2 工程(i)及び(ii)に於て吸着筒内を大気圧〜0.5
Kg/cm2Gの範囲に昇圧する特許請求の範囲第1項
記載の方法。 3 工程(iii)および工程(viii)を1〜7秒の範囲で行
う
特許請求の範囲第1項記載の方法。 4 工程(v)で、吸着筒内を大気圧付近の圧力から
250Torr〜350Torrの範囲に真空排気する特許請
求の範囲第1項記載の方法。 5 工程(vii)で、工程(vi)の終了圧力よりもさらに
250Torr〜450Torrの範囲で吸着筒内を加圧する
特許請求の範囲第1項記載の方法。 6 製品ガスとして酸素濃度85%〜95.5%の濃縮
酸素ガスを得る特許請求の範囲第1項記載の方
法。 7 製品ガスとして窒素濃度500ppm〜1.0%の濃
縮酸素ガスを得る特許請求の範囲第1項記載の方
法。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61313151A JPS63166702A (ja) | 1986-12-26 | 1986-12-26 | 酸素ガス濃縮法 |
| US07/132,288 US4781735A (en) | 1986-12-26 | 1987-12-15 | Enrichment in oxygen gas |
| EP87311411A EP0273723A3 (en) | 1986-12-26 | 1987-12-23 | Separating a gas enriched in oxygen |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61313151A JPS63166702A (ja) | 1986-12-26 | 1986-12-26 | 酸素ガス濃縮法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63166702A JPS63166702A (ja) | 1988-07-09 |
| JPH0477681B2 true JPH0477681B2 (ja) | 1992-12-09 |
Family
ID=18037721
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61313151A Granted JPS63166702A (ja) | 1986-12-26 | 1986-12-26 | 酸素ガス濃縮法 |
Country Status (3)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US4781735A (ja) |
| EP (1) | EP0273723A3 (ja) |
| JP (1) | JPS63166702A (ja) |
Families Citing this family (74)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2562326B2 (ja) * | 1987-08-07 | 1996-12-11 | 住友精化株式会社 | 空気から高濃度酸素を取得する方法 |
| JP2683806B2 (ja) * | 1988-03-17 | 1997-12-03 | 住友精化株式会社 | 濃縮酸素回収方法 |
| FR2633847B1 (fr) * | 1988-07-08 | 1991-04-19 | Air Liquide | Procede de traitement d'un melange gazeux par adsorption |
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