JPH0478710B2 - - Google Patents

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JPH0478710B2
JPH0478710B2 JP62163899A JP16389987A JPH0478710B2 JP H0478710 B2 JPH0478710 B2 JP H0478710B2 JP 62163899 A JP62163899 A JP 62163899A JP 16389987 A JP16389987 A JP 16389987A JP H0478710 B2 JPH0478710 B2 JP H0478710B2
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JP
Japan
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less
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strength
temperature range
weldability
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JP62163899A
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JPS6411936A (en
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Mamoru Matsuo
Toshio Komatsubara
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Sky Aluminium Co Ltd
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Sky Aluminium Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 この発明は、耐食性及び溶接性の良好な成形加
工用アルミニウム合金圧延板及びその製造方法に
関し、特に強度が要求されしかも焼付塗装を施こ
して使用される用途、例えば自動車用車体等に適
した成形加工用アルミニウム合金圧延板及びその
製造方法に関する。 〔従来の技術〕 自動車車体のボデイシートには、従来は主とし
て冷延鋼板が用いられることが多かつたが、最近
では車体軽量化の要求から、アルミニウム合金圧
延板を使用する検討がなされている。自動車車体
のボデイシートは、プレス成形を施して使用され
ることから成形加工性が優れていること、特に伸
び、張出し性が優れておりかつ成形加工時におけ
るリユーダースマークの発生がないことが要求さ
れ、しかも高強度を有することも必須であつて、
特に焼付塗装を施すところから、焼付塗装後の強
度が高いことが要求される。 ところで強度が要求される成形加工品の用途に
使用されるアルミニウム合金板としては従来から
種々のものがあるが、その主要なものは合金成分
系によつて次のように分けられる。 (イ) 非熱処理型Al−Mg系合金である5052合金
(Mg2.2〜2.8%、Cr0.15〜0.35%、残部Alおよ
び不可避的不純物)のO材あるいは同じく5182
合金(Mn0.20〜0.50%、Mg1.0〜5.0%、残部
Alおよび不可避的不純物)のO材。 (ロ) 熱処理型Al−Cu系合金である2036合金
(Cu2.2〜3.0%、Mn0.1〜0.4%、Mg0.3〜0.6%、
残部Alおよび不可避的不純物)のT4処理材。 (ハ) 熱処理型Al−Mg−Zn−Cu系合金のT4処理
材。この系のアルミニウム合金としては、例え
ば特開昭52−141409号の合金、特開昭53−
103914号の合金、あるいは特開昭57−98648号
の合金などがある。 また、日経ニユーマテリアル、1986,4−
7,No.8、第63−72頁、特に第64頁で紹介され
ているAl−4.5Mg−0.38Cu−1.46Zn−0.18Fe−
0.09Siもある。 (ニ) 熱処理型Al−Mg−Si系合金である6009合金
(Mg0.4〜0.8%、Si0.6〜1.0%、Cu0.15〜0.6%、
Mn0.2〜0.8%、残部Alおよび不可避的不純物)
のT4処理材や同じく6010合金(Mg0.6〜1.0%、
Si0.8〜1.2%、Cu0.15〜0.6%、Mn0.2〜0.8%、
残部Alおよび不可避的不純物)のT4処理材。
これら合金を提案する特公昭59−39499号によ
れば、0.4〜1.2%Si,0.4〜1.1%Mg,0.05〜
0.35%Fe,0.1〜0.6%Cu、に加えて、0.2〜0.8
%Mn,0.1〜0.3%Cr、および0.05〜0.15%Zrの
少なくとも1種を含有する組成のT4またはT6
処理材が開示される。 さらに、特公昭61−15148号に提案される(A)1
%Si,0.6%Mg、(B)1.8%Si,0.6%Mg、(C)1.8%
Si,0.2%Mg、(D)1.2%Si,0.6%Mgの4点で囲ま
れるSi,Mg組成を有し、さらに0.3%以下のCr,
Mn,Zr、または/及びTiを含有するAC120規格
材。 しかしながらこれらの従来のアルミニウム合金
では、自動車車体のボデイシートに要求される前
述の特性を全て充分に満足させることは困難であ
つた。 すなわち(イ)の合金では、強度が不充分であり、
しかも成形加工時にリユーダースマークが発生し
易い問題があり、さらには塗装焼付工程によつて
強度が低下する問題があつた。また(ロ)の合金で
は、成形性が劣り、かつまた塗装焼付工程によつ
て強度が低下する問題もあつた。さらに(ハ)の合金
では、成形性、特に曲げ性が充分と言えず、また
塗装焼付工程で強度が低下する問題もあつた。 (ニ)の合金は、リユーダースマークが発生し難
く、焼付硬化性により冷延鋼板と同等の強度を有
するなどの特長を有するが、成形性の一尺度とな
る伸びが冷延鋼板より著しく低いことが知られて
いる。以上のように、従来よりアルミニウム合金
では、自動車車体のボデイシートに要求される特
性、すなわち優れた成形加工性を有すること、特
に伸び、張出し成形性が優れかつリユーダースマ
ークの発生がないこと、また強度、特に塗装焼付
後の強度が高いこと、さらに耐食性及び溶接性等
が優れていることの諸要求のすべてを満足させる
べく研究開発が行なわれて来た。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明が属する合金系のAl−Si−Mg系では上
記諸要求をかなりの程度満足する合金が公知にな
つているものの、自動車車体用ボデイシートに普
通使用されている鋼板よりは価格の面で不利なア
ルミニウム合金圧延板の性能に対する要求は厳し
くならざるを得ず、これに十分に応えるアルミニ
ウム合金圧延板は未だ提供されておらない。 具体的に述べると、先ず、成形性の一指標であ
る伸びが低く、このため成形性が未だ不十分であ
る。 また、自動車車体のボデイシートに用いるアル
ミニウム合金の耐食性については、従来、塗装上
の欠陥がなければ、アルミニウム合金そのものの
耐食性が鋼板よりすぐれているため、問題となら
ないとの見解(前掲日経ニユーマテリアル)や、
クロムめつき皮膜のふくれ欠陥に対する耐食性を
CASS試験で調査した実験(前掲特公昭59−
39499号)などがある。ところが最近では、成形
加工用アルミニウム合金圧延板の耐食性の要求は
より明確になりかつ従来は検討されていなかつた
特定の性質の具備が要求されている。すなわち
Al合金自体の性質に関連する未塗装板耐食性、
耐ピツト性の他に、焼付塗装後に塗膜はがれ(ブ
リスター)、糸状腐食等が発生しないことが要求
される。しかしかかる耐食性がすぐれており、し
かも、強度と成形性を兼ねそなえた成形加工用ア
ルミニウム合金圧延板は知られていない。 自動車車体のボデイシートの溶接は、スポツト
溶接により行なわれることが、殆んどであるが、
部位によつては、MIGもしくはTIG溶接による
いわゆるアーク溶接が行なわれる部位がある。板
厚が2.0mm以下の比較的薄い板がアーク溶接され
ることが一般的であるため、一般に溶接は困難で
あるので、溶接性の良好な圧延板が求められてい
る。 この発明は以上の事情を背景としてなされたも
ので、成形加工性、特に伸び、張出し性が優れか
つ成形加工時におけるリユーダースマークの発生
がなく、しかも高強度を有し、特に成形加工後の
塗装焼付工程での強度低下がなく、むしろ成形加
工後の塗装焼付工程によつて強度が上昇すること
により高い強度を有する成形品が得られるように
するとともに、耐食性および溶接性を改良したア
ルミニウム合金圧延板、およびその製造方法を提
供することを目的とするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の第一は、Si1.8%を越え2.5%以下、
Mg0.25〜1.1%、及びFe0.05%〜0.5%を含有しさ
らに必要により、Mn0.6%以下、Cr0.3%以下、
Zr0.3%以下の三成分からなる群のうち1種又は
2種以上を含有し、残部が実質的に不可避不純物
とAlから成る組成を有し、成形加工性、耐食性
及び溶接性のすぐれたAl−Si−Mg系成形加工用
アルミニウム合金圧延板にある。 本発明の第二は、上記組成を有する合金溶湯を
半連続鋳造もしくは、連続鋳造により鋳造し、得
られた鋳塊を圧延して得た圧延板を450−590℃の
温度範囲で溶体化処理し、5℃/sec以上の冷却
速度で焼入れすることを特徴とする成形加工性、
耐食性及び溶接性のすぐれたAl−Si−Mg系成形
加工用アルミニウム合金圧延板の製造方法にあ
る。 先ず、この発明の組成限定理由について説明す
る。 Si:Siは、一部が金属Si粒子としてAl合金中に
存在し、成形加工性特に伸び特性を向上させる。
又、他の一部のSiはMgと共存してMg2Siを生成
し、析出硬化により強度向上に寄与する。とく
に、Mg2Siを生成するMg2Si化学量論組成よりSi
が充分に過剰であり、さらに金属Si粒子を生成す
ることが強度向上に重要である。 また、Siは、メカニズムは不明であるが、
MIG及びTIG等のアーク溶接の溶接性も改善す
る。Si含有量が1.8%未満では、これらの強度、
成形加工性、溶接性改善の効果が不十分であり、
その含有量が2.5%を越えても、溶接性の劣化は
起こらないが、金属Si粒子が多くなりすぎて、成
形性とくに曲げ性が低下するので好ましくない。 なお、従来成形用Al−Si−Mg系合金圧延板に
おいてはSiを本発明のように多量を用いると成形
加工性が低下すると認識されていた。確かに、Si
量を増大させることに伴つてMg2Si量が多くなる
と成形加工性は劣化する一般的傾向はあるが、Si
量増大とともに過剰Siの相対量を多くすることに
よつて、Si金属粒子/Mg2Si粒子比率を多くする
と、エリクセン値、限界絞り比(LDR)等はほ
ぼ同等に保ちながら、伸び、曲げ半径等を向上す
ることができ、総合的成形加工性は改善されるこ
とが分かつた。ここで過剰Si量(ΔSi)は次式: ΔSi=Si(wt%)−0.58Mg(wt%)で表わされ
る。このΔSiは=1.2〜2.4%、特に1.2〜1.8%にす
ると良好な成形加工性が得られる。 Mg:Mgは既に述べたようにSiとの共存によ
りMg2Siを生成して強度を付与する。Mgが0.25
%未満では強度が不充分であり、一方1.1%を越
えると伸びが低下するから、Mg含有量の範囲は
0.1〜1.1%とした。 Fe:Feは結晶粒の微細化を通じて強度向上に
寄与するが、0.05%未満では結晶粒が粗大化し、
一方0.4%を越えれば成形性が低下するから、Fe
含有量は0.05%〜0.5%の範囲内とした。 Mn,Cr,Zr:これらの元素はいずれも再結晶
粒を微細化させ、組織を安定化させるとともに、
成形性を向上させる。Mnが0.05%未満、Crが
0.05%未満、Zrが0.05%未満では上記の効果が充
分得られないため、これらの元素の効果を積極的
に利用するには0.05%以上を添加することが必要
である。 一方Mnが0.6%をこえれば成形性が低下し、Cr
が0.3%、Zrが0.3%を越えれば巨大金属間化合物
が生成されて伸びが低下するから、Mnは0.05〜
0.6%以下、Crは0.3%以下、Zrは0.3%以下の範囲
内とした。 このMn,Cr,Zrは、結晶粒微細化に有効な元
素であるが、溶体化処理時の加熱速度が5℃/
sec以上であれば、必らずしも、これらの元素を
添加しなくとも微細結晶粒を形成することができ
る。 以上の各成分の残部はAlおよび不可避的不純
物とすれば良い。不純物中Cuは、材料の耐食性
を著しく劣化させ、また溶接性も阻害するので
Cuは、0.1%未満に制限する。 なお通常のアルミニウム合金においては鋳塊結
晶粒微細化のためにTi、あるいはTiおよびBを
微量添加することがあり、この発明のアルミニウ
ム合金板圧延板においてもAl、合金成分及び不
純物の残部として微量のTi、あるいはTiおよび
Bを含有していても良い。但しTiを添加する場
合0.01%未満ではその効果が得られず、0.15%以
上では初晶TiAl3が晶出して成形性を害するか
ら、Tiは0.01〜0.15%の範囲内とすることが好ま
しい。またTiとともにBを添加する場合、1ppm
未満ではその効果がなく、500ppmを越えれば、
TiB2の粗大粒子が混入して成形性を害するから、
Bは1〜500ppmの範囲内とすることが好ましい。 次に、本発明のアルミニウム合金圧延板の製造
方法について説明する。本発明の上記合金組成の
特性を十分に発揮させるためには、アルミニウム
合金圧延板を450℃〜590℃で溶体化処理し、5
℃/sec以上の冷却速度で冷却することが必要で
ある。この溶体化処理により、所定の強度及び成
形性を得るに必要な量の固溶Mg,Siを得る。温
度が450℃未満では、溶体化が不充分であり、冷
却後及びベーキング後の強度が充分に得られな
い。一方温度が590℃を越えると共晶溶融の恐れ
がある。 また、焼入れ速度(冷却速度)が5℃/secよ
り遅いと、強度が不充分であるばかりでなく、粒
界腐食等の耐食性も劣化する。よつて、5℃/
sec以上の焼入速度が必要である。 さらに、上記合金組成の特性の一層の向上を図
るためには次の方法、条件等に従う製造方法が望
ましい。 上記合金組成からなる溶湯を、矩形の断面を有
する鋳塊に半連続鋳造する際の鋳造速度は、矩形
の鋳塊が鋳造できれば特に定めないが、通常25
mm/minから250mm/minの範囲で鋳造される。
この鋳塊は、鋳塊の不均一さを解消し、成形性を
向上させることを目的として、熱間圧延に先立
ち、450−590℃で1時間−48時間加熱される。 加熱温度が450℃未満又は加熱時間が1時間未
満であると均質化が不充分であり、加熱温度が
590℃を越えると局部融解が起こり、加熱時間が
48時間を越えると経済性が低下しかつ均質化の効
果が飽和する。 なお、大型の半連続鋳造塊の代りに、2つのロ
ール間に連続的に溶湯を供給して得る連続鋳造板
を用いてもよい。この場合は鋳造速度の制限が特
になく、また通常熱間圧延をせず冷間圧延を行な
うが、圧延に先立ち、均質化を促進し、成形加工
性を向上せしむるべく、300℃〜590℃×1〜48時
間予備加熱すれば一層効果的である。 以上の如く熱間圧延したアルミニウム合金板
は、引き続いて冷間圧延を行ない、板厚0.5〜3.0
mmとする。冷間圧延と冷間圧延の途中もしくは、
熱間圧延と冷間圧延の間に中間焼鈍を入れると、
再結晶の効果によりアルミニウム合金板の特性と
くに強度と成形性の向上に一層の効果がある。 すなわち、熱間圧延時に、粗大な結晶粒が発生
した場合、熱延板を中間焼鈍なしに冷間圧延し、
溶体化処理をすると、圧延方向に、粗大な結晶粒
に対応したバンドが生じ、成形加工時に、リジン
グ又はフローラインと呼するうねりが発生し、成
形品外観を劣化させる。ここで、中間焼鈍により
一度再結晶を生じせしめると、熱間圧延時の粗大
粒の影響が解消せしむこと可能となる。 ここで、中間焼鈍の温度が280℃未満であると
再結晶が起こらず、又温度が450℃を越えると結
晶粒粗大化が起こり易くなる。また、保持時間が
48時間を越える中間焼鈍は経済的でない。 上記溶体化処理は、量産性等を考慮すると、コ
イルを連続的に溶体化焼入処理をすることが好ま
しい。保持時間0秒(所定温度に到達と同時に冷
却)以上5分以下とする。コイルを連続的に溶体
化焼入する場合、経済的観点から、保持時間は5
分が上限である。この連続溶体化焼入を用いる場
合、通常5℃/sec以上の加熱速度が得られるた
め、結晶粒が微細化され、成形性が向上する。 次に、本発明の製造方法の各条件中、Mg含有
量が0.6%を越える場合にのみ該当する不完全溶
体化処理条件を説明する。 溶体化処理は、元来は、Mg,Si等の強化に寄
与する合金元素を充分に再固溶させることを目的
としたものである。そこで必要な強度を得るため
には、その強度を得るに必要な量の強化に寄与す
る合金元素を再固溶させればよく、その為には添
加したMg,Siを充分に固溶させる、いわゆる完
全溶体化処理が行なわれる。しかし特に自動車用
の成形用途では車体の部位によつては、強度より
成形性を重視せざるを得ない場合もある。この場
合は、Mg含有量を0.6%以上と多くし、溶体化処
理時に強化に必要な量だけのMg,Siを再固溶さ
せるいわば不完全溶体化処理によつてもよい。具
体的には、溶体化処理時の時間を短かめ、もしく
は温度を低目にすればよい。 とくに、連続溶体化焼入装置を用いる場合、保
持時間を短かくとることが可能となり、これによ
り、連続溶体化処理時のラインスピードを上げる
ことができ、経済的な利点が得られる。不完全溶
体化処理を行なう場合、溶体化処理前のMg及び
Siの存在状態が変動すると、それに伴ない再固溶
されるMg及びSiの量が異なり、機械的性質が変
動する。したがつて、溶体化処理前のMg及びSi
の存在状態を一定にしておくことが要点となる。
この溶体化処理前のMg,Siの存在状態をコント
ロールするためには、熱間圧延前の加熱条件、熱
間圧延条件を厳密に管理する必要があるが、中間
焼鈍を製造工程に入れると一層好ましい。 前記の通りの温度の中間焼鈍を受けると、中間
焼鈍以前の熱履歴により決定されたMg及びSiの
存在状態が安定化かつ一定化され、その結果、不
完全溶体化処理によるMg,Siの再固溶量は安定
し、機械的性能の安定化が一層容易となる。 なお、溶体化処理したアルミニウム合金圧延板
は歪んでいることが多いので歪矯正する。その
後、表面清浄化、化成処理、成形加工、溶接、塗
装、焼付硬化等を行なう。 〔作用〕 溶体化処理後人工時効(T4)状態における本
発明のアルミニウム合金圧延板の典型的特性は次
のとおりである。 機械的性質:耐力(σ0.2)−13Kg/mm2以上、引張
強さ(σB)−約26Kg/mm2以上、及び伸
び約30%以上。 成形加工性:エリクセン値−6009及び6010合金
と同等以上、最小曲げ(180)−5182及
び6009合金と同等以上、限界絞り比
(LDR)−従来の成形加工用アルミニ
ウム合金板と同等、リユーダースマー
ク−なし。 焼付硬化性:成形加工を想定した冷間加工度10
%以下、でかつ塗装焼付を想定した
175℃×1時間の熱処理を施こすと耐
力の増加1Kg/mm2以上、最大約2Kg/
mm2。6009合金同等以上。 耐食性:電着下塗り、中塗、上塗りよりなる通
常の自動車車体用3コート塗装後の塗
装板の耐食性が6009,6010合金より優
れ、5182合金と同等。 溶接性:溶接性が従来TIG,MIG溶接されて
いた例えば6009合金の薄板と比較して
良好となる。 上記の如き特性を有する本発明の成形加工用ア
ルミニウム合金圧延板は従来の圧延板より自動車
車体用ボデイシート材として性質のバランスが良
好であり適性が著しく増大している。 以下、実施例によりさらに詳しく本発明を説明
する。 〔実施例〕 実施例 1 表1の組成を有するアルミニウム合金溶湯を
500×1000mmの断面のスラブに鋳造速度60mm/
min.で半連続鋳造した。
【表】 続いて、表2の均質化処理を行なつた後、板厚
4mmに熱間圧延し、板厚1mmに冷間圧延し、最後
に表2に示す最終熱処理を行なつた。
【表】
【表】 であつた。
表2に示す最終熱処理後、7日間室温放置後の
機械的性質と、成形加工特性を表3に示す。又、
表4には、成形加工を想定し、5%及び10%の冷
間加工をストレツチにより加えた後の強度と、さ
らに塗装焼付後の強度を想定し、175℃×1Hr加
熱後の強度を示した。 なお、耐力、引張強さはKg/mm2、伸びは%、エ
リクセン値および最小曲げはmm、で表示されてい
る。
【表】
【表】
【表】 またフイツシユボーン割れ試験片をTIG溶接
し、割れ率を調べた。 なお、TIG溶接条件は:TIG自動溶接(肉盛り
なし);電流60A;進行速度25cm/min;電極タ
ングステン2.4mmφ;Ar気流;アーク長3mmであ
つた。 フイツシユボーン試験片の寸法を第1図に示
す。
【表】 ここで割れ率は次式で表わしたものである。 割れ率=割れの入つたビード長さ/全溶接ビード長×
100 発明合金は、溶接性にすぐれていることがわか
る。 以上の結果をまとめると次の事が分かる。 低Si、高Mgの組成を有する比較例7,9は強
度はあるが、成形性が劣り、溶接性もやヽ悪い。
Cu含有組成を有する比較例の合金8は耐食性、
溶接性が悪い。 比較例7,9よりさらにSiが低い比較例10で
は、成形性が劣り、又、焼付後の強度upもやや
劣る。又、その他の特性もすぐれない。比較例
7,9よりMgを多くした比較例11では強度特性
はすぐれるもののその他の特性とくに成形性が不
良である。 従来例の13〜16は代表的成形加工用材料であ
る。 本発明の材料は総合特性においてこれらよりす
ぐれている。すなわち、本発明の材料は2036(No.
13)に対しては、加工性、伸び、焼付硬化性、溶
接性の点で、6009(No.14)に対しては、強度、溶
接性の点で、No.15に対しては、焼付硬化性、溶接
性の点で、6010(No.16)に対しては、伸び、溶接
性の点で、すぐれている。 実施例 2 表1合金中合金1,4,5,6において、実施
例1と同様の方法(但し、溶体化処理については
後述)で板厚4mmの熱間圧延板を得た。さらに板
厚3mmまで冷間圧延し、この板厚で350℃×2Hr
中間焼鈍を行ない、平均30℃/Hrで冷却し、引
きつづいて板厚1mmまで冷間圧延してコイルに巻
取つた。 なお、合金1,6については比較のために中間
焼鈍を省略した他は同一方法により冷延コイルを
製造した。これらのコイルを、連続溶体化焼入炉
を用いて加熱し、昇温速度30℃/sec,560℃で表
7に示す時間保持し焼入速度30℃/secで焼入れ
た。室温で2週間の時効を行ない(T4状態)、そ
の後実施例1と同様の試験を行なつた。また、
100φ・球頭張出し試験を行ない、外観を観察し、
次の判定基準により成形加工性を判定した。 ○:フローライン全くない △:フローラインが認められる(外観のきびし
い用途には使えない) ×:フローラインが強い 結果を表6に示す。
【表】 T4状態の合金板に、塗料の焼付に相当する175
℃×1Hrの時効処理(ストレツチなし)を施こ
し、強度を測定した結果を表7に示す。
【表】 本実施例の合金1,6の上記結果より、生産性
の高い連続焼鈍炉を用いた製造においても、すぐ
れた性能を有し、しかも、中間焼鈍を製造プロセ
ス中に入れることにより、フローラインが改良さ
れ、自動車等の外観の要求の厳しい用途に一層好
適であることが明らかとなつた。 合金4,5に適用された15sec以下の溶体化保
持プロセスは、比較的短時間の溶体化処理によ
り、強化に必要な量のMg及びSiを再固溶せしめ
たが、残余のMg及びSiは析出物として残存させ
た例であり、生産性が極めて高いプロセスであ
る。この合金では、実施例1に示す完全溶体化処
理の場合とくらべると、強度はやや劣るが、自動
車用鋼板に代替するのに必要な強度とくに12Kg/
mm2以上の耐力のレベルを十分に越える耐力は得ら
れている。しかも本発明の材料は焼付硬化性があ
るから、一層の強化が可能である。しかも成形性
(フローライン)がすぐれている。 このように、不完全溶体化処理を有効に利用す
ることにより、強度を成形性、さらに、溶接性、
耐食性にすぐれた材料を得ることが可能となる。 実施例 3 実施例1における本発明合金1,2,3,4,
5,6、比較例合金7,8,9,10,11及び、従
来例合金12,13,14,15,16の圧延板(厚さ1
mm)を、70mm×150mmに切断した。 実験1:未塗装板耐食性試験 圧延板の表面を、10%NaOH水溶液(50℃)
で1分間脱脂後、蒸留水で洗滌し、さらに15%
HNO3水溶液を用いてスマツトを除去し、そして
洗滌した。このように処理した圧延板について
JISZ2371による塩水噴霧試験を行なつた。噴霧時
間は1000時間である。耐食性の評価は下記基準に
よる目視観察によつた。 ◎ 全くピツト発生なし ○ ピツト数個 △ かなりのピツト × 全面にピツト
【表】 実験2:塗装後のブリスター、糸状腐食性、上
記切断圧延板を、アルカリ脱脂し、水洗後リン酸
亜鉛処理した。水洗後乾燥し、下塗りとしてエポ
キシ塗料のカチオン電着を厚さ20μmに行ない、
その後160℃で30分間焼付を行なつた。この電着
塗料に中塗として、メラミンアルキド塗料を膜厚
30μm被覆し、140℃で25分間焼付し次に、上塗
りとしてメラミンアルキド塗料を膜厚35μm被覆
し、そして145℃で25分間焼付した。ついで、各
試験片について、表面にクロスカツトを入れ、塩
水噴霧試験をJIS 2371に準枚にして48時間行なつ
た。次に温度45℃湿度95%で湿潤試験を30日間行
ない、表面のブリスター、糸状腐食(又は糸サ
ビ)を下記基準で評価した結果を示す。(表10)
【表】
〔発明の効果〕
以上の実施例からも明らかなようにこの発明の
成形加工用アルミニウム合金圧延板は、張り出し
性や曲げ性が優れかつリユーダースマークの発生
がない等、成形加工性が優れており、しかも強度
も充分であつて、特に成形加工後に焼付塗装を行
なう場合に塗装焼付工程で強度が上昇して最終的
に著しく高強度の焼付塗装成形品を得ることがで
き、さらに、塗装後の耐食性及びTIG,MIG溶
接性がすぐれているから、したがつて特に自動車
車体ボデイシートの如く、溶接及び焼付塗装が施
されて使用される高強度成形品の用途に最適なも
のである。この発明のアルミニウム合金圧延板
は、主要元素としては通常の圧延板、押出材、鋳
物等に最も広く用いられているSiを含んでいるだ
けであるため、他の合金のスクラツプの使用が容
易であり、また逆にこの発明の圧延板のスクラツ
プを他の合金、他の用途に使用することも容易で
あつて、スクラツプ処理性が良好であり、経済的
にも有利である。 なおこの発明のアルミニウム合金圧延板は、前
述のように自動車車体のボデイシートに最適なも
のであるが、強度が要求される成形加工品のその
他の用途、例えばホイールやオイルタンク、エア
クリーナー等の自動車部品、あるいは各種キヤツ
プやブラインド、アルミ缶、家庭用器物、計器カ
バー、電気機器のシヤーシー等に用いても優れた
性能を発揮し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図はフイツシユボーン試験片の図面(数字
の単位はmm)である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 Si1.8%を越え2.5%以下、Mg0.25%〜1.1%、
    及びFe0.05%〜0.5 %を含有し、残部が実質的
    に不可避不純物(但し、Cuは0.1%未満)とAlか
    ら成る組成を有し、成形加工性、耐食性及び溶接
    性のすぐれたAl−Si−Mg系成形加工用アルミニ
    ウム合金圧延板。 2 Si1.8%を越え2.5%以下、Mg0.25%〜1.1%、
    Fe0.05%〜0.5%、及びMn0.6%以下、Cr0.3%以
    下、Zr0.3%以下の三成分からなる群のうち1種
    又は2種以上を含有し、残部が実質的に不可避不
    純物(但し、Cuは0.1%未満)とAlから成る組成
    を有し、成形加工性、耐食性及び溶接性のすぐれ
    たAl−Si−Mg系成形加工用アルミニウム合金圧
    延板。 3 Si1.8%を越え2.5%以下、Mg0.25%〜1.1%、
    及びFe0.05%〜0.5%を含有し、必要に応じ
    Mn0.6%以下、Cr0.3%以下、及びZr0.3%以下の
    三成分からなる群のうち1種又は2種をさらに含
    有し、残部が実質的に不可避不純物(但し、Cu
    は0.1%未満)とAlから成る組成を有する合金溶
    湯を半連続鋳造もしくは連続鋳造により鋳造し、
    得られた鋳塊を圧延して得た圧延板を450℃〜590
    ℃の温度範囲で溶体化処理し、5℃/sec以上の
    冷却速度で焼入れすることを特徴とする成形加工
    性、耐食性及び溶接性のすぐれたAl−Si−Mg系
    成形加工用アルミニウム合金圧延板の製造方法。 4 半連続鋳造鋳塊を450℃〜590℃の温度範囲内
    にて1〜48時間加熱して、圧延加熱を兼ねる均質
    化処理を行い、その後熱間圧延を行うことを特徴
    とする特許請求の範囲第3項記載の方法。 5 連続鋳造により前記合金のコイル状鋳塊を
    得、これを300℃〜590℃の温度範囲内にて1〜48
    時間加熱して均質化し、次に熱間圧延を行うこと
    を特徴とする特許請求の範囲第3項記載の方法。 6 熱間圧延直後又は冷間圧延の中間において、
    保持温度範囲260℃〜450℃で保持時間48時間以下
    の中間焼鈍を行い、その後の冷間圧延後に前記溶
    体化処理を行うことを特徴とする特許請求の範囲
    第3項から第5項までの何れか1項に記載の方
    法。 7 前記溶体化処理を、コイルによる連続溶体化
    焼入れ装置内にて、前記溶体化処理温度範囲にコ
    イルの温度が到達したら直ちに冷却するかあるい
    はコイルを前記溶体化処理温度範囲内にて5分以
    下保持して行うことを行うことを特徴とする特許
    請求の範囲第3項から第6項までの何れか1項に
    記載の方法。
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JPH0717981B2 (ja) * 1986-02-21 1995-03-01 スカイアルミニウム株式会社 成形加工用熱処理型アルミニウム合金圧延板およびその製造方法

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