JPH048036B1 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH048036B1 JPH048036B1 JP2584285A JP2584285A JPH048036B1 JP H048036 B1 JPH048036 B1 JP H048036B1 JP 2584285 A JP2584285 A JP 2584285A JP 2584285 A JP2584285 A JP 2584285A JP H048036 B1 JPH048036 B1 JP H048036B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- substrate
- microorganisms
- manufacturing
- microorganism
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、微生物を利用した、2種の異なる官
能基を有し、医薬、農薬などの有用な合成中間体
であるL(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸の製造法に
関し、更に詳しくはキヤンデイダ属あるいはデバ
リオマイセス属に属し、酪酸をL(+)−β−ヒド
ロキシ酪酸に変換する能力を有する微生物から誘
導された、L(+)−β−ヒドロキシ酪酸を単一炭
素源とする栄養培地に生育しないか、もしくは生
育の弱い変異株を、炭素数4、5の飽和脂肪酸、
あるいはα,β−不飽和脂肪酸またはアルコール
に作用させ、生成する炭素数4あるいは5のL
(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸を採取することを特
徴とするL(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸の製造法
に関する。 (従来の技術と問題点) 炭素数4個のL(+)−β−ヒドロキシ酪酸の製
造法に関しては、アセト酢酸エチルをパン酵母に
よる不斉還元によりL(+)−β−ヒドロキシ酪酸
エチルとして得る方法等が知られているが(森
ら;日本化学会誌第9号、1315頁、1983年)、多
量の酵母を必要とし経済的な方法とは考え難い。
一方、炭素数5個のL(+)−β−ヒドロキシ吉草
酸の製法に関してはβ−ケト吉草酸エチルをパン
酵母還元によりD(−)−β−ヒドロキシ吉草酸エ
チルとして得る方法が知られているが〔フレータ
ーら、ヘルベテイカ キミカ アクタ(G,
Frater,Helvetica Chimica Acta)62巻、2829
頁、1973年〕、立体配置が逆である。 本発明者らは、先にキヤンデイダ・ルゴーザ
(Candida rugosa)IFO 1542により吉草酸から
L(+)−β−ヒドロキシ吉草酸を生産しうること
を見い出しているが(特公昭59−53838)、通常の
微生物は直鎖状のL(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸
を極めて容易に代謝するために収率が極めて低
く、大量生産にはむかない。 そこで本発明者らは、安価で、かつ効率的なL
(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸の製造法を開発すべ
く研究の結果、サツカロマイコピシス属、エンド
マイセス属、あるいはピキヤ属に属し、酪酸をL
(+)−β−ヒドロキシ酪酸に変換する能力を有す
る微生物を変異改良し、L(+)−β−ヒドロキシ
酪酸を単一炭素源とする栄養培地に生育しない変
異株に誘導することにより、酪酸、クロトン酸あ
るいはn−ブチルアルコールからL(+)−β−ヒ
ドロキシ酪酸を、吉草酸、2−ペンテン酸あるい
はn−アミルアルコールからL(+)−β−ヒドロ
キシ吉草酸を高収率に生産しうることを見い出し
て、既に特許出願(特願昭59−44753)している
が、更に検討を重ねた結果、このような能力を有
する変異株として、キヤンデイダ属、あるいはデ
バリオミセス属に属する微生物の変異株を見出
し、本発明を完成した。 (問題点を解決するための手段) 本発明を実施するに当り、変異株取得のために
用いられる親株として、キヤンデイダ・パラルゴ
ーザ(Candida pararugosa)IFO 0966、デバリ
オマイセス・ハンセンニ(Debaryomyces
hansenii)IFO 0032等があるが、酪酸をL(+)
−β−ヒドロキシ酪酸に、吉草酸をL(+)−β−
ヒドロキシ吉草酸に変換する能力を有する微生物
であればいずれも用いることができる。 微生物と基質とを作用させL(+)−β−ヒドロ
キシ脂肪酸に変換させる方法としては、微生物を
栄養培地で培養し、得られた培養液に、あるいは
培養液から微生物を分離して菌体懸濁液を調製
し、それに基質を反応させる方法、あるいは基質
を添加した培地で微生物を培養することにより微
生物と基質を反応させる方法等がある。また分離
菌体は水不溶性ポリマー等で固定化した状態でも
使用しうる。 微生物と基質との接触反応時に該微生物が利用
しうるエネルギー源を補給することによりL(+)
−β−ヒドロキシ脂肪酸の生産性は向上する。こ
の際に好ましいエネルギー源としてはグルコー
ス、グリセロール等がある。 通常の微生物はL(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸
の代謝速度が早いため、L(+)−β−ヒドロキシ
脂肪酸の蓄積量は極めて少なく、経済的に生産す
ることは困難である。そこで効率的に多量蓄積さ
せるには、L(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸の代謝
速度が遅いか、もしくは代謝しない変異株、換言
すればL(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸を単一炭素
源とする栄養培地に生育しないか、もしくは生育
の弱い変異株を使用することが有利である。 この様な変異株を得るには人工変異あるいは自
然変異を利用するが、効率的に行なうには通常人
工変異が用いられる。人工変異方法としては、X
線照射、紫外線照射、γ線処理、およびN−メチ
ル−N−ニトロ−N′−ニトロソグアニジン
(NTG)などの変異誘起剤による処理が用いられ
る。具体的な例として本発明者らがL(+)−β−
ヒドロキシ脂肪酸を代謝しない変異株を得るため
に行つたNTGによる変異方法の1例について示
すと、次のとおりである。ただし、目的とする変
異株が得られれば良いのであつて、この方法に限
定されるものではない。 保存用スラント(キヤンデイダ・パルゴーザ
IFO 0966)から1白金耳をグルコース40g、
(NH4)2HPO413g、KH2PO47g、MgSO4・
7H2O0.8g、ZnSO4・7H2O60mg、FeSO4・
7H2O90mg、CuSO4・5H2O5mg、MnSO4・
4H2O10mg、NaCl0.1g、ビオチン1mg、チアミン
−HCl2mg、水1、PH7.2の組成から成るS培地
30mlを500ml容フラスコに入れ接種し、30℃、20
時間振とう培養した。その培養液1.5mlを0.5Mリ
ン酸緩衝液(PH7.0)で洗浄後、0.5mg/mlNTG溶
液3mlに懸濁し、4℃、60分間放置した。その
後、同じ緩衝液で3回洗浄し、次の組成からなる
固形平板培地C培地(グルコース20g、イースト
エキス5g、肉エキス10g、ベプトン10g、寒天
20g、水1、PH7.0)に塗布し、コロニーを出現
させた。このコロニーをS培地のグルコースの代
りに酪酸10g、寒天20gを加えたPH7.0のB培地に
レプリカし、30℃で2日間培養した。このB培地
上で生育不良の菌(酪酸非資化性株)を選んだ。
この様にして得た酪酸非資化性株をS培地に植
え、30℃、48時間培養し、L(+)−β−ヒドロキ
シ酪酸の生産をガスクロマトグラフイー法〔長谷
川ら;ジヤーナル・オブ・フアーメンテイシヨ
ン・テクノロジー(J.Ferm.Tech.)誌59巻、257
頁、1981年〕で分析し、L(+)−β−ヒドロキシ
酪酸生産株を選んだ。この様にして選んだ変異株
はL(+)−β−ヒドロキシ酪酸を単一炭素源とす
る栄養培地(例えばS培地のグルコースの代りに
L(+)−β−ヒドロキシ酪酸を添加した培地)で
の生育が著しく低下しており、本発明に使用でき
る。他の属の微生物の変異も同様な手法を用いて
行なう事ができ、本発明を実施するために上記方
法で得た変異株の例として、キヤンデイダ・パラ
ルゴーザ(Candida pararugosa)KT 84015、
デバリオマイセス・ハンセンニ(Debaryomyces
hansenii)KT 84016等がある。この変異株の性
質としては親株と殆んど差が認められないが、表
−1に示すとおりL(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸
の資化性において著しい差が認められた。
能基を有し、医薬、農薬などの有用な合成中間体
であるL(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸の製造法に
関し、更に詳しくはキヤンデイダ属あるいはデバ
リオマイセス属に属し、酪酸をL(+)−β−ヒド
ロキシ酪酸に変換する能力を有する微生物から誘
導された、L(+)−β−ヒドロキシ酪酸を単一炭
素源とする栄養培地に生育しないか、もしくは生
育の弱い変異株を、炭素数4、5の飽和脂肪酸、
あるいはα,β−不飽和脂肪酸またはアルコール
に作用させ、生成する炭素数4あるいは5のL
(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸を採取することを特
徴とするL(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸の製造法
に関する。 (従来の技術と問題点) 炭素数4個のL(+)−β−ヒドロキシ酪酸の製
造法に関しては、アセト酢酸エチルをパン酵母に
よる不斉還元によりL(+)−β−ヒドロキシ酪酸
エチルとして得る方法等が知られているが(森
ら;日本化学会誌第9号、1315頁、1983年)、多
量の酵母を必要とし経済的な方法とは考え難い。
一方、炭素数5個のL(+)−β−ヒドロキシ吉草
酸の製法に関してはβ−ケト吉草酸エチルをパン
酵母還元によりD(−)−β−ヒドロキシ吉草酸エ
チルとして得る方法が知られているが〔フレータ
ーら、ヘルベテイカ キミカ アクタ(G,
Frater,Helvetica Chimica Acta)62巻、2829
頁、1973年〕、立体配置が逆である。 本発明者らは、先にキヤンデイダ・ルゴーザ
(Candida rugosa)IFO 1542により吉草酸から
L(+)−β−ヒドロキシ吉草酸を生産しうること
を見い出しているが(特公昭59−53838)、通常の
微生物は直鎖状のL(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸
を極めて容易に代謝するために収率が極めて低
く、大量生産にはむかない。 そこで本発明者らは、安価で、かつ効率的なL
(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸の製造法を開発すべ
く研究の結果、サツカロマイコピシス属、エンド
マイセス属、あるいはピキヤ属に属し、酪酸をL
(+)−β−ヒドロキシ酪酸に変換する能力を有す
る微生物を変異改良し、L(+)−β−ヒドロキシ
酪酸を単一炭素源とする栄養培地に生育しない変
異株に誘導することにより、酪酸、クロトン酸あ
るいはn−ブチルアルコールからL(+)−β−ヒ
ドロキシ酪酸を、吉草酸、2−ペンテン酸あるい
はn−アミルアルコールからL(+)−β−ヒドロ
キシ吉草酸を高収率に生産しうることを見い出し
て、既に特許出願(特願昭59−44753)している
が、更に検討を重ねた結果、このような能力を有
する変異株として、キヤンデイダ属、あるいはデ
バリオミセス属に属する微生物の変異株を見出
し、本発明を完成した。 (問題点を解決するための手段) 本発明を実施するに当り、変異株取得のために
用いられる親株として、キヤンデイダ・パラルゴ
ーザ(Candida pararugosa)IFO 0966、デバリ
オマイセス・ハンセンニ(Debaryomyces
hansenii)IFO 0032等があるが、酪酸をL(+)
−β−ヒドロキシ酪酸に、吉草酸をL(+)−β−
ヒドロキシ吉草酸に変換する能力を有する微生物
であればいずれも用いることができる。 微生物と基質とを作用させL(+)−β−ヒドロ
キシ脂肪酸に変換させる方法としては、微生物を
栄養培地で培養し、得られた培養液に、あるいは
培養液から微生物を分離して菌体懸濁液を調製
し、それに基質を反応させる方法、あるいは基質
を添加した培地で微生物を培養することにより微
生物と基質を反応させる方法等がある。また分離
菌体は水不溶性ポリマー等で固定化した状態でも
使用しうる。 微生物と基質との接触反応時に該微生物が利用
しうるエネルギー源を補給することによりL(+)
−β−ヒドロキシ脂肪酸の生産性は向上する。こ
の際に好ましいエネルギー源としてはグルコー
ス、グリセロール等がある。 通常の微生物はL(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸
の代謝速度が早いため、L(+)−β−ヒドロキシ
脂肪酸の蓄積量は極めて少なく、経済的に生産す
ることは困難である。そこで効率的に多量蓄積さ
せるには、L(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸の代謝
速度が遅いか、もしくは代謝しない変異株、換言
すればL(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸を単一炭素
源とする栄養培地に生育しないか、もしくは生育
の弱い変異株を使用することが有利である。 この様な変異株を得るには人工変異あるいは自
然変異を利用するが、効率的に行なうには通常人
工変異が用いられる。人工変異方法としては、X
線照射、紫外線照射、γ線処理、およびN−メチ
ル−N−ニトロ−N′−ニトロソグアニジン
(NTG)などの変異誘起剤による処理が用いられ
る。具体的な例として本発明者らがL(+)−β−
ヒドロキシ脂肪酸を代謝しない変異株を得るため
に行つたNTGによる変異方法の1例について示
すと、次のとおりである。ただし、目的とする変
異株が得られれば良いのであつて、この方法に限
定されるものではない。 保存用スラント(キヤンデイダ・パルゴーザ
IFO 0966)から1白金耳をグルコース40g、
(NH4)2HPO413g、KH2PO47g、MgSO4・
7H2O0.8g、ZnSO4・7H2O60mg、FeSO4・
7H2O90mg、CuSO4・5H2O5mg、MnSO4・
4H2O10mg、NaCl0.1g、ビオチン1mg、チアミン
−HCl2mg、水1、PH7.2の組成から成るS培地
30mlを500ml容フラスコに入れ接種し、30℃、20
時間振とう培養した。その培養液1.5mlを0.5Mリ
ン酸緩衝液(PH7.0)で洗浄後、0.5mg/mlNTG溶
液3mlに懸濁し、4℃、60分間放置した。その
後、同じ緩衝液で3回洗浄し、次の組成からなる
固形平板培地C培地(グルコース20g、イースト
エキス5g、肉エキス10g、ベプトン10g、寒天
20g、水1、PH7.0)に塗布し、コロニーを出現
させた。このコロニーをS培地のグルコースの代
りに酪酸10g、寒天20gを加えたPH7.0のB培地に
レプリカし、30℃で2日間培養した。このB培地
上で生育不良の菌(酪酸非資化性株)を選んだ。
この様にして得た酪酸非資化性株をS培地に植
え、30℃、48時間培養し、L(+)−β−ヒドロキ
シ酪酸の生産をガスクロマトグラフイー法〔長谷
川ら;ジヤーナル・オブ・フアーメンテイシヨ
ン・テクノロジー(J.Ferm.Tech.)誌59巻、257
頁、1981年〕で分析し、L(+)−β−ヒドロキシ
酪酸生産株を選んだ。この様にして選んだ変異株
はL(+)−β−ヒドロキシ酪酸を単一炭素源とす
る栄養培地(例えばS培地のグルコースの代りに
L(+)−β−ヒドロキシ酪酸を添加した培地)で
の生育が著しく低下しており、本発明に使用でき
る。他の属の微生物の変異も同様な手法を用いて
行なう事ができ、本発明を実施するために上記方
法で得た変異株の例として、キヤンデイダ・パラ
ルゴーザ(Candida pararugosa)KT 84015、
デバリオマイセス・ハンセンニ(Debaryomyces
hansenii)KT 84016等がある。この変異株の性
質としては親株と殆んど差が認められないが、表
−1に示すとおりL(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸
の資化性において著しい差が認められた。
【表】
++++:生育良好、−:生育不良
なお、これらの変異株は、表−2に示すとお
り、工業技術院微生物工業研究所に下記の番号で
寄託してある。
なお、これらの変異株は、表−2に示すとお
り、工業技術院微生物工業研究所に下記の番号で
寄託してある。
【表】
【表】
本発明に使用する微生物培養用培地は、グルコ
ース、グリセロール等の炭素源、アンモニア、硫
安、ペプトン、カザミノ酸等の無機・有機の含窒
素化合物の窒素源、リン酸カリウム、硫酸マグネ
シウム等生育に必要な無機塩類、更にビオチン等
のビタミン類、その他必要に応じて通常の微生物
培養に用いられる種々の栄養源を適宜配合して用
いることができる。培養には殺菌した培地に菌を
接種し、20〜45℃の温度でPH6〜9に保ちつつ1
〜10日間通気撹拌、振とう培養等好気的に行な
う。培養初期に菌体生産があり、その後L(+)−
β−ヒドロキシ脂肪酸の生産が行なわれる。また
L(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸の生産時にエネル
ギー源としてグルコースまたはグリセロール等を
補給することにより、より効率的にL(+)−β−
ヒドロキシ脂肪酸の生産が行なわれる。基質は培
養初期から培地に加えても、菌体生育後に添加し
ても、いずれでも良い。 培養液あるいは菌体反応液から生成したL(+)
−β−ヒドロキシ脂肪酸を回収するには、通常の
β−ヒドロキシ脂肪酸の回収に用いる手段によつ
て行なうことができる。例えば菌体除去後、L
(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸含有液を濃縮後、硫
酸等でPH2.5以下にし、これよりエーテル、酢酸
エチル等で抽出し、溶剤を除去後、減圧蒸留する
ことによりL(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸をうる
ことができる。L(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸は
余り安定な物質でないので、前記の溶剤抽出等で
得たL(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸をメタノール
やエタノール等のアルコールに溶解し、硫酸等の
触媒存在下で加熱すれば容易にアルキルエステル
に変換しうる。このものを蒸留すれば高収率に高
純度のL(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸エステルを
得ることができ、このエステル体は比較的安定で
ある。 (発明の効果) 本発明により光学活性L(+)−β−ヒドロキシ
酪酸およびL(+)−β−ヒドロキシ吉草酸を工業
的に有利に生産でき、医薬品等の有用な合成中間
体を供給できるようになつた。 (実施例) 以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。 実施例 1 グルコース40g、イーストエキス5g、
(NH4)2HPO413g、KH2PO47g、MgSO4・
7H2O0.8g、ZnSO4・7H2O60mg、FeSO4・
7H2O90mg、CuSO4・5H2O5mg、MnSO4・
4H2O10mg、NaCl0.1g、酪酸10mlまたは吉草酸10
ml(1当り)の組成からなる培地をNaOHで
PH7.2となし、この3を5容ミニジヤーフア
ーメンターに入れ殺菌後、キヤンデイダ・パラル
ゴーザ(Candida pararugosa)IFO 0966あるい
はその変異株KT 84015、またはデバリオマイセ
ス・ハンセンニ(Debaryomyces hansenii)IFO
0032あるいはその変異株KT 84016を植え、通気
1vvm、撹拌500rpm、30℃で4日間培養した。培
養中PHは7.0に保ち、かつ毎日グルコースを60gず
つ添加した。培養終了後、生成したL(+)−β−
ヒドロキシ酪酸あるいはL(+)−β−ヒドロキシ
吉草酸を測定した結果、表−3の如くの蓄積が認
められた。
ース、グリセロール等の炭素源、アンモニア、硫
安、ペプトン、カザミノ酸等の無機・有機の含窒
素化合物の窒素源、リン酸カリウム、硫酸マグネ
シウム等生育に必要な無機塩類、更にビオチン等
のビタミン類、その他必要に応じて通常の微生物
培養に用いられる種々の栄養源を適宜配合して用
いることができる。培養には殺菌した培地に菌を
接種し、20〜45℃の温度でPH6〜9に保ちつつ1
〜10日間通気撹拌、振とう培養等好気的に行な
う。培養初期に菌体生産があり、その後L(+)−
β−ヒドロキシ脂肪酸の生産が行なわれる。また
L(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸の生産時にエネル
ギー源としてグルコースまたはグリセロール等を
補給することにより、より効率的にL(+)−β−
ヒドロキシ脂肪酸の生産が行なわれる。基質は培
養初期から培地に加えても、菌体生育後に添加し
ても、いずれでも良い。 培養液あるいは菌体反応液から生成したL(+)
−β−ヒドロキシ脂肪酸を回収するには、通常の
β−ヒドロキシ脂肪酸の回収に用いる手段によつ
て行なうことができる。例えば菌体除去後、L
(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸含有液を濃縮後、硫
酸等でPH2.5以下にし、これよりエーテル、酢酸
エチル等で抽出し、溶剤を除去後、減圧蒸留する
ことによりL(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸をうる
ことができる。L(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸は
余り安定な物質でないので、前記の溶剤抽出等で
得たL(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸をメタノール
やエタノール等のアルコールに溶解し、硫酸等の
触媒存在下で加熱すれば容易にアルキルエステル
に変換しうる。このものを蒸留すれば高収率に高
純度のL(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸エステルを
得ることができ、このエステル体は比較的安定で
ある。 (発明の効果) 本発明により光学活性L(+)−β−ヒドロキシ
酪酸およびL(+)−β−ヒドロキシ吉草酸を工業
的に有利に生産でき、医薬品等の有用な合成中間
体を供給できるようになつた。 (実施例) 以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。 実施例 1 グルコース40g、イーストエキス5g、
(NH4)2HPO413g、KH2PO47g、MgSO4・
7H2O0.8g、ZnSO4・7H2O60mg、FeSO4・
7H2O90mg、CuSO4・5H2O5mg、MnSO4・
4H2O10mg、NaCl0.1g、酪酸10mlまたは吉草酸10
ml(1当り)の組成からなる培地をNaOHで
PH7.2となし、この3を5容ミニジヤーフア
ーメンターに入れ殺菌後、キヤンデイダ・パラル
ゴーザ(Candida pararugosa)IFO 0966あるい
はその変異株KT 84015、またはデバリオマイセ
ス・ハンセンニ(Debaryomyces hansenii)IFO
0032あるいはその変異株KT 84016を植え、通気
1vvm、撹拌500rpm、30℃で4日間培養した。培
養中PHは7.0に保ち、かつ毎日グルコースを60gず
つ添加した。培養終了後、生成したL(+)−β−
ヒドロキシ酪酸あるいはL(+)−β−ヒドロキシ
吉草酸を測定した結果、表−3の如くの蓄積が認
められた。
【表】
【表】
尚、基質無添加の場合、いずれの株においても
L(+)−β−ヒドロキシ酪酸あるいはL(+)−β
−ヒドロキシ吉草酸の蓄積は認められなかつた。 上記培養条件で得た培養液を除菌後、上清液を
減圧下50mlまで濃縮し、次に硫酸でPH2.0とした。
これを酢酸エチル700mlで3回抽出し、溶剤除去
後、各々L(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸を黄色油
状で得た。これを減圧蒸留により精製し、表−4
の如く無色油状のL(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸
を得た。これらはNMR、ガスクロ分析、および
メチルエステルにしたのちの比旋光度測定によ
り、酪酸からはL(+)−β−ヒドロキシ酪酸、吉
草酸からはL(+)−β−ヒドロキシ吉草酸が得ら
れることが確認された。
L(+)−β−ヒドロキシ酪酸あるいはL(+)−β
−ヒドロキシ吉草酸の蓄積は認められなかつた。 上記培養条件で得た培養液を除菌後、上清液を
減圧下50mlまで濃縮し、次に硫酸でPH2.0とした。
これを酢酸エチル700mlで3回抽出し、溶剤除去
後、各々L(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸を黄色油
状で得た。これを減圧蒸留により精製し、表−4
の如く無色油状のL(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸
を得た。これらはNMR、ガスクロ分析、および
メチルエステルにしたのちの比旋光度測定によ
り、酪酸からはL(+)−β−ヒドロキシ酪酸、吉
草酸からはL(+)−β−ヒドロキシ吉草酸が得ら
れることが確認された。
【表】
実施例 2
実施例1に示した培地から脂肪酸を除去した培
地3を5容ミニジヤーフアメンターに入れ殺
菌後、キヤンデイダ・パラルゴーザKT 84015あ
るいはデバリオマイセス・ハンセンニKT 84016
を植菌し、通気1vvm、撹拌500rpm、30℃で24時
間培養した。 この培養液各々に、クロトン酸、n−ブチルア
ルコール、2−ペンテン酸あるいはn−アミルア
ルコールを15gずつ添加し、PHを7.0に保ちつつグ
ルコースを毎日60gずつ添加し、更に3日間反応
させた。反応終了後、生成したL(+)−β−ヒド
ロキシ脂肪酸をガスクロマトグラフイーで測定し
た結果、表−5の如くの各L(+)−β−ヒドロキ
シ脂肪酸の蓄積が認められた。
地3を5容ミニジヤーフアメンターに入れ殺
菌後、キヤンデイダ・パラルゴーザKT 84015あ
るいはデバリオマイセス・ハンセンニKT 84016
を植菌し、通気1vvm、撹拌500rpm、30℃で24時
間培養した。 この培養液各々に、クロトン酸、n−ブチルア
ルコール、2−ペンテン酸あるいはn−アミルア
ルコールを15gずつ添加し、PHを7.0に保ちつつグ
ルコースを毎日60gずつ添加し、更に3日間反応
させた。反応終了後、生成したL(+)−β−ヒド
ロキシ脂肪酸をガスクロマトグラフイーで測定し
た結果、表−5の如くの各L(+)−β−ヒドロキ
シ脂肪酸の蓄積が認められた。
【表】
実施例 3
実施例1と同様にキヤンデイダ・パラルゴーザ
KT 84015あるいはデバリオマイセス・ハンセン
ニ KT 84016を培養し、培養開始後、24、48、
72時間目にグルコース60gまたはグリセロール
60gずつ添加し、かつPHを7.0に保ちつつ96時間培
養した。培養終了後の培養液中のL(+)−β−ヒ
ドロキシ脂肪酸の生成量は表−6の如くであつ
た。
KT 84015あるいはデバリオマイセス・ハンセン
ニ KT 84016を培養し、培養開始後、24、48、
72時間目にグルコース60gまたはグリセロール
60gずつ添加し、かつPHを7.0に保ちつつ96時間培
養した。培養終了後の培養液中のL(+)−β−ヒ
ドロキシ脂肪酸の生成量は表−6の如くであつ
た。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 キヤンデイダ(Candida)属またはデバリオ
マイセス(Debaryomyces)属に属し、酪酸をL
(+)−β−ヒドロキシ酪酸に変換する能力を有す
る微生物から誘導された、L(+)−β−ヒドロキ
シ酪酸を単一炭素源とする栄養培地に生育しない
か、もしくは生育の弱い変異株を炭素数4あるい
は5の飽和脂肪酸、α,β−不飽和脂肪酸または
アルコールに作用させ、生成する炭素数4あるい
は5のL(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸を採取する
ことを特徴とするL(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸
の製造法。 2 微生物が、キヤンデイダ・パラルゴーザ
(Candida pararugosa)あるいはデバリオマイ
セス・ハンセンニ(Debaryomyces hansenii)
から誘導された変異株である特許請求の範囲第1
項記載の製造法。 3 基質として用いる飽和脂肪酸が酪酸あるいは
吉草酸、α,β−不飽和脂肪酸がクロトン酸ある
いは2−ペンテン酸、アルコールがn−ブチルア
ルコールあるいはn−アミルアルコールであり、
製造目的物がそれぞれ対応するL(+)−β−ヒド
ロキシ酪酸、あるいはL(+)−β−ヒドロキシ吉
草酸である特許請求の範囲第1項あるいは第2項
記載の製造法。 4 微生物を栄養培地で培養し、得た培養液に基
質を作用させる特許請求の範囲第1項、第2項あ
るいは第3項記載の製造法。 5 基質を添加した培地で培養し、基質と微生物
を作用させる特許請求の範囲第1項、第2項ある
いは第3項記載の製造法。 6 微生物を栄養培地で培養し、得られた培養液
から微生物菌体を分離して菌体懸濁液を調製し、
それに基質を作用させる特許請求の範囲第1項、
第2項あるいは第3項記載の製造法。 7 微生物と基質を作用させる際に、該微生物が
利用しうるエネルギー源を補給する特許請求の範
囲第1項乃至第6項の何れかの項記載の製造法。 8 微生物が利用しうるエネルギー源がグルコー
スまたはグリセロールである特許請求の範囲第7
項記載の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2584285A JPS61185193A (ja) | 1985-02-13 | 1985-02-13 | L(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2584285A JPS61185193A (ja) | 1985-02-13 | 1985-02-13 | L(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61185193A JPS61185193A (ja) | 1986-08-18 |
| JPH048036B1 true JPH048036B1 (ja) | 1992-02-13 |
Family
ID=12177100
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2584285A Pending JPS61185193A (ja) | 1985-02-13 | 1985-02-13 | L(+)−β−ヒドロキシ脂肪酸の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61185193A (ja) |
-
1985
- 1985-02-13 JP JP2584285A patent/JPS61185193A/ja active Pending
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61185193A (ja) | 1986-08-18 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JPH04365494A (ja) | ヒドロキシル化されたピラジン誘導体を製造するための微生物学的方法 | |
| JPS6257313B2 (ja) | ||
| JP3193412B2 (ja) | ヒドロキシル化した複素環式化合物を製造するための微生物学的方法 | |
| US4540665A (en) | Process for producing D-β-hydroxyalkanoic acid | |
| CZ283141B6 (cs) | Způsob výroby převážně jednoho z enanciomerů opticky aktivních arylalkanových kyselin | |
| EP2115152A1 (en) | Fermentation process for preparing pravastatin | |
| JPH048036B1 (ja) | ||
| EP0435551B1 (en) | Process for preparation S-(+)-3 halogeno-1,2-propanediol by treatment with microorganism | |
| EP0434393A2 (en) | Process for preparation of R-(-)-3-halogeno-1,2-propanediol by treatment with microorganism | |
| JPH048035B2 (ja) | ||
| JPH0714355B2 (ja) | L−カルニチンの調製方法 | |
| JPS6142560B2 (ja) | ||
| JPS6319153B2 (ja) | ||
| JPS6142559B2 (ja) | ||
| JP2005000072A (ja) | (−)−2−デオキシ−シロ−イノソースの製造方法 | |
| JPS6254474B2 (ja) | ||
| JP2003180391A (ja) | ε−ポリ−L−リジンの製造法 | |
| JP2670130B2 (ja) | ロドコッカス属細菌の培養方法及び該微生物を用いた2―ケト酪酸の製造方法 | |
| JP3718572B2 (ja) | マロン酸誘導体の製造法 | |
| JP2001120296A (ja) | 微生物による光学活性4−ハロゲノ−1,3−ブタンジオール及びその誘導体の製法 | |
| JP4042557B2 (ja) | 光学活性テトラヒドロフラン−2−カルボン酸及びそのエステルの製法 | |
| JPH02257874A (ja) | ロドコッカス属細菌及びそれを用いる2―ヒドロキシ酪酸の製造法 | |
| JPH03103185A (ja) | イソオレフィン化合物の製造方法 | |
| JPS61239893A (ja) | 光学活性(s)−2−ハロ−1−フエニルエタノ−ルの製造法 | |
| JPH07206886A (ja) | ファルネシルトランスフェラーゼ阻害物質fo−3929物質及びその製造法 |