JPS6142559B2 - - Google Patents
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- JPS6142559B2 JPS6142559B2 JP4235982A JP4235982A JPS6142559B2 JP S6142559 B2 JPS6142559 B2 JP S6142559B2 JP 4235982 A JP4235982 A JP 4235982A JP 4235982 A JP4235982 A JP 4235982A JP S6142559 B2 JPS6142559 B2 JP S6142559B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- microorganism
- isobutyric
- hydroxyisobutyric
- substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
本発明は微生物によるD−β−ヒドロキシイソ
酪酸の製法に関する。さらに詳しくは、キヤンデ
イダ属に属し、メタクリル酸またはイソ酪酸をD
−β−ヒドロキシイソ酪酸に変換する能力を有
し、かつβ−ヒドロキシイソ酪酸脱水素酵素活性
の低下した変異株をメタクリル酸またはイソ酪酸
あるいは該微生物がイソ酪酸またはD−β−ヒド
ロキシイソ酪酸に変換しうる基質と接触反応さ
せ、生成するD−β−ヒドロキシイソ酪酸を採取
することを特徴とするD−β−ヒドロキシイソ酪
酸の製造方法に関するものである。 光学活性を有するD−β−ヒドロキシイソ酪酸
は香料あるいは医薬等の重要な原料である。工業
的なD−β−ヒドロキシイソ酪酸の製造法に関し
て、本発明者等はキヤンデイダ属を始めとする
種々の微生物を用いメタクリル酸あるいはイソ酪
酸から〔特開昭54−144252、同54−144253、同55
−103805、同55−17599〕、またさらにイソブチル
アルコール等の容易に該微生物によつてイソ酪酸
に変換される原料から〔特願昭56−178726〕D−
β−ヒドロキシイソ酪酸の安価な製造法について
提案して来た。これらの方法は安価な原料よりD
−β−ヒドロキシイソ酪酸を作る方法において優
れているが、生成されたD−β−ヒドロキシイソ
酪酸が一部代謝されるために収率が50%程度にし
かならないことと、更に代謝産物としてβ−ヒド
ロキシプロピオン酸の副生が認められるという欠
点を有していた。そこで本発明者等は、収率向上
と副生物の少ないD−β−ヒドロキシイソ酪酸の
製造方法の研究を行なつた結果、D−β−ヒドロ
キシイソ酪酸の分解酵素であるβ−ヒドロキシイ
ソ酪酸脱水素酵素活性の低下した変異株を分離
し、それを培養することによりイソ酪酸等の上記
種々の原料より飛躍的に収率が向上し、かつβ−
ヒドロキシプロピオン酸等の不純物の少ないD−
β−ヒドロキシイソ酪酸を製造しうることを見い
出した。変異株を使用する利点としてはD−β−
ヒドロキシイソ酪酸の収率が高く、かつ基質欠乏
時の分解がないこと、あるいは副生β−ヒドロキ
シプロピオン酸等の不純分が極めて少ない点等が
挙げられる。該酵素の活性の低下の度合は、親株
の活性の1/5以下が好ましい。 本発明に用いるキヤンデイダ属の酵母の親株と
してはイソ酪酸、あるいはメタクリル酸等からD
−β−ヒドロキシイソ酪酸を生成する能力のある
菌株、例えばキヤンデイダ・ルゴーザ(Candida
rugosa)IFO 0750、同IFO 0591などのほかに、
キヤンデイダ・パラプシロシス(Candida
parapsilosis)IFO 0708および天然から分離した
キヤンデイダ属に属するD−β−ヒドロキシイソ
酪酸生産株もこれに含まれる。 β−ヒドロキシイソ酪酸脱水素酵素活性の低下
した菌株をうるために変異を利用する。変異には
人工変異と自然変異とがあり、いづれも利用しう
るが、通常は変異効率の良い人工変異が利用され
る。人工変異の方法として、X線照射、紫外線照
射、γ線処理およびN−メチル−N′−ニトロ−
N−ニトロソグアニジン(NTG)などの変異誘
起剤による処理が用いられるが、例えば具体的な
例として、本発明者等がβ−ヒドロキシイソ酪酸
脱水素酵素活性の低い株を得る為に行なつた
NTGによる変異の方法の一例を示すと次のとお
りである。ただし、目的とする性質の変異株が得
られれば良いのであつて、この方法に限定される
ものではない。 保存用スラント(キヤンデイダ・ルゴーザIFO
0750)より1白金耳をグルコース40g、
(NH4)2HPO413g、KH2PO47g、MgSO4・
7H2O0.8g、ZnSO4・7H2O60mg、FeSO4・
7H2O90mg、CuSO4・5H2O5mg、MnSO4・4H2O10
mg、NaCl 0.1g、ビオチン1mg、チアミン2
mg、水1、PH7.2の組成からなるS培地30mlを
500ml容フラスコに入れ接種し、30℃20時間振と
う培養した。その後、培養液1.5mlを0.5Mリン酸
緩衝液(PH7.0)で洗浄後、0.5mg/mlNTG溶液3
mlに懸濁し、4℃60分放置した。その後、同じ緩
衝液で3回洗浄し、次の組成から成る固型平板C
培地(グルコース20g、イーストエキス5g、肉
エキス10g、ペプトン10g、寒天20g、水1、
PH7.0)に塗布し、コロニーを出現させた。この
コロニーをS培地のグルコースの代りにプロピオ
ン酸10g、寒天20gを加えたPH7.0のP培地にレ
プリカした。このP培地上で生育不良な菌株(プ
ロピオン酸非資化性菌)を選んだ。ここでプロピ
オン酸非資化性菌を選んだ理由は次の通りであ
る。 本目的のためには、D−β−ヒドロキシイソ酪
酸を唯一の炭素源とする合成培地において、親株
より生育の劣つている変異株を選ぶのがよい。し
かし同培地においては親株も生育が弱く、目的に
かなつた変異核との生育の強弱を判定することが
困難であつた。ところがプロピオン酸を唯一の炭
素源とするプレート上では、D−β−ヒドロキシ
イソ酪酸の場合と異なり、変異により生育の弱く
なつた株を探索するのは比較的容易であつた。 本菌の代謝経路では、D−β−ヒドロキシイソ
酪酸はプロピオン酸を経由してβ−ヒドロキシプ
ロピオン酸になるとされている。そこでプロピオ
ン酸非資化性変異株の中にはβ−ヒドロキシプロ
ピオン酸脱水素酵素欠損株が見つかるはずであ
り、その中にβ−ヒドロキシイソ酪酸脱水素酵素
活性の低い株も見つかる可能性が高いのではない
かと推定したからである。 上記の如き実験計画の下にプロピオン酸非資化
性菌を誘導し、それらの中から実施例1に示す条
件で、これらの変異株を培養し、中からD−β−
ヒドロキシイソ酪酸生成収率が高く、かつβ−ヒ
ドロキシプロピオン酸副生量の低い菌株を選ん
だ。この様にして選んだ変異株は、いづれも親株
に比べβ−ヒドロキシイソ酪酸脱水素酵素活性が
著しく低下しており、すべて本発明に利用でき
る。上記酵素活性は本発明者の1人である長谷川
がアグリカルチヤル・バイオロジカル・ケミスト
リー誌(Agricultural Biological Chemistry)45
巻2899頁(1981)に報告している方法により容易
に測定することができる。 本発明を実施するため、上記の方法で得た変異
株の例としてキヤンデイダ・ルゴーザKT 8201
株がある。 この変異株の菌学的性質としては表1に示すご
とく親株と殆んど差が認められないが、β−ヒド
ロキシイソ酪酸脱水素酵素活性、プロピオン酸資
化性、およびβ−ヒドロキシプロピオン酸脱水素
酵素活性に著しい差が認められる。但し、本発明
での変異株としての条件でプロピオン酸非資化性
およびβ−ヒドロキシプロピオン酸脱水素酵素活
性の欠損は必須条件ではない。
酪酸の製法に関する。さらに詳しくは、キヤンデ
イダ属に属し、メタクリル酸またはイソ酪酸をD
−β−ヒドロキシイソ酪酸に変換する能力を有
し、かつβ−ヒドロキシイソ酪酸脱水素酵素活性
の低下した変異株をメタクリル酸またはイソ酪酸
あるいは該微生物がイソ酪酸またはD−β−ヒド
ロキシイソ酪酸に変換しうる基質と接触反応さ
せ、生成するD−β−ヒドロキシイソ酪酸を採取
することを特徴とするD−β−ヒドロキシイソ酪
酸の製造方法に関するものである。 光学活性を有するD−β−ヒドロキシイソ酪酸
は香料あるいは医薬等の重要な原料である。工業
的なD−β−ヒドロキシイソ酪酸の製造法に関し
て、本発明者等はキヤンデイダ属を始めとする
種々の微生物を用いメタクリル酸あるいはイソ酪
酸から〔特開昭54−144252、同54−144253、同55
−103805、同55−17599〕、またさらにイソブチル
アルコール等の容易に該微生物によつてイソ酪酸
に変換される原料から〔特願昭56−178726〕D−
β−ヒドロキシイソ酪酸の安価な製造法について
提案して来た。これらの方法は安価な原料よりD
−β−ヒドロキシイソ酪酸を作る方法において優
れているが、生成されたD−β−ヒドロキシイソ
酪酸が一部代謝されるために収率が50%程度にし
かならないことと、更に代謝産物としてβ−ヒド
ロキシプロピオン酸の副生が認められるという欠
点を有していた。そこで本発明者等は、収率向上
と副生物の少ないD−β−ヒドロキシイソ酪酸の
製造方法の研究を行なつた結果、D−β−ヒドロ
キシイソ酪酸の分解酵素であるβ−ヒドロキシイ
ソ酪酸脱水素酵素活性の低下した変異株を分離
し、それを培養することによりイソ酪酸等の上記
種々の原料より飛躍的に収率が向上し、かつβ−
ヒドロキシプロピオン酸等の不純物の少ないD−
β−ヒドロキシイソ酪酸を製造しうることを見い
出した。変異株を使用する利点としてはD−β−
ヒドロキシイソ酪酸の収率が高く、かつ基質欠乏
時の分解がないこと、あるいは副生β−ヒドロキ
シプロピオン酸等の不純分が極めて少ない点等が
挙げられる。該酵素の活性の低下の度合は、親株
の活性の1/5以下が好ましい。 本発明に用いるキヤンデイダ属の酵母の親株と
してはイソ酪酸、あるいはメタクリル酸等からD
−β−ヒドロキシイソ酪酸を生成する能力のある
菌株、例えばキヤンデイダ・ルゴーザ(Candida
rugosa)IFO 0750、同IFO 0591などのほかに、
キヤンデイダ・パラプシロシス(Candida
parapsilosis)IFO 0708および天然から分離した
キヤンデイダ属に属するD−β−ヒドロキシイソ
酪酸生産株もこれに含まれる。 β−ヒドロキシイソ酪酸脱水素酵素活性の低下
した菌株をうるために変異を利用する。変異には
人工変異と自然変異とがあり、いづれも利用しう
るが、通常は変異効率の良い人工変異が利用され
る。人工変異の方法として、X線照射、紫外線照
射、γ線処理およびN−メチル−N′−ニトロ−
N−ニトロソグアニジン(NTG)などの変異誘
起剤による処理が用いられるが、例えば具体的な
例として、本発明者等がβ−ヒドロキシイソ酪酸
脱水素酵素活性の低い株を得る為に行なつた
NTGによる変異の方法の一例を示すと次のとお
りである。ただし、目的とする性質の変異株が得
られれば良いのであつて、この方法に限定される
ものではない。 保存用スラント(キヤンデイダ・ルゴーザIFO
0750)より1白金耳をグルコース40g、
(NH4)2HPO413g、KH2PO47g、MgSO4・
7H2O0.8g、ZnSO4・7H2O60mg、FeSO4・
7H2O90mg、CuSO4・5H2O5mg、MnSO4・4H2O10
mg、NaCl 0.1g、ビオチン1mg、チアミン2
mg、水1、PH7.2の組成からなるS培地30mlを
500ml容フラスコに入れ接種し、30℃20時間振と
う培養した。その後、培養液1.5mlを0.5Mリン酸
緩衝液(PH7.0)で洗浄後、0.5mg/mlNTG溶液3
mlに懸濁し、4℃60分放置した。その後、同じ緩
衝液で3回洗浄し、次の組成から成る固型平板C
培地(グルコース20g、イーストエキス5g、肉
エキス10g、ペプトン10g、寒天20g、水1、
PH7.0)に塗布し、コロニーを出現させた。この
コロニーをS培地のグルコースの代りにプロピオ
ン酸10g、寒天20gを加えたPH7.0のP培地にレ
プリカした。このP培地上で生育不良な菌株(プ
ロピオン酸非資化性菌)を選んだ。ここでプロピ
オン酸非資化性菌を選んだ理由は次の通りであ
る。 本目的のためには、D−β−ヒドロキシイソ酪
酸を唯一の炭素源とする合成培地において、親株
より生育の劣つている変異株を選ぶのがよい。し
かし同培地においては親株も生育が弱く、目的に
かなつた変異核との生育の強弱を判定することが
困難であつた。ところがプロピオン酸を唯一の炭
素源とするプレート上では、D−β−ヒドロキシ
イソ酪酸の場合と異なり、変異により生育の弱く
なつた株を探索するのは比較的容易であつた。 本菌の代謝経路では、D−β−ヒドロキシイソ
酪酸はプロピオン酸を経由してβ−ヒドロキシプ
ロピオン酸になるとされている。そこでプロピオ
ン酸非資化性変異株の中にはβ−ヒドロキシプロ
ピオン酸脱水素酵素欠損株が見つかるはずであ
り、その中にβ−ヒドロキシイソ酪酸脱水素酵素
活性の低い株も見つかる可能性が高いのではない
かと推定したからである。 上記の如き実験計画の下にプロピオン酸非資化
性菌を誘導し、それらの中から実施例1に示す条
件で、これらの変異株を培養し、中からD−β−
ヒドロキシイソ酪酸生成収率が高く、かつβ−ヒ
ドロキシプロピオン酸副生量の低い菌株を選ん
だ。この様にして選んだ変異株は、いづれも親株
に比べβ−ヒドロキシイソ酪酸脱水素酵素活性が
著しく低下しており、すべて本発明に利用でき
る。上記酵素活性は本発明者の1人である長谷川
がアグリカルチヤル・バイオロジカル・ケミスト
リー誌(Agricultural Biological Chemistry)45
巻2899頁(1981)に報告している方法により容易
に測定することができる。 本発明を実施するため、上記の方法で得た変異
株の例としてキヤンデイダ・ルゴーザKT 8201
株がある。 この変異株の菌学的性質としては表1に示すご
とく親株と殆んど差が認められないが、β−ヒド
ロキシイソ酪酸脱水素酵素活性、プロピオン酸資
化性、およびβ−ヒドロキシプロピオン酸脱水素
酵素活性に著しい差が認められる。但し、本発明
での変異株としての条件でプロピオン酸非資化性
およびβ−ヒドロキシプロピオン酸脱水素酵素活
性の欠損は必須条件ではない。
【表】
キヤンデイダ・ルゴーザ(Candida rugosa))
KT 8201株は工業技術院微生物工業研究所へ微
生物保管委託申請書受理番号第110号として寄託
してある。 本発明におけるD−β−ヒドロキシイソ酪酸の
製造は、具体的にはイソ酪酸、メタクリル酸、イ
ソブチルアルコール、イソブチルアルデヒド、無
水イソ酪酸、イソブチルアミン、イソブチルアミ
ド等の中から選ばれた基質と炭素源、窒素源、無
機塩および適当な栄養源を含む培地で上記の微生
物を好気的に培養する方法、または予め適当な培
地で微生物を培養し得た培養液そのまま、あるい
は菌体のみを集め適当な無機塩等を含む液に懸濁
したものに上記イソ酪酸等の基質を添加し、好気
的に接触反応させ、D−β−ヒドロキシイソ酪酸
を蓄積させる方法等がある。また多重にD−β−
ヒドロキシイソ酪酸を蓄積させる為には培養後半
あるいは菌体との接触反応時に該微生物が利用し
うるエネルギー源を補給する意味から、グルコー
スまたはグリセロールまたはエタノールまたは酢
酸等の適当な利用しうる炭素源を添加するのが好
ましい。 本発明に使用する培地はグルコース、グリセリ
ン等の炭素源、アンモニア、尿素、硫安、ペプト
ン、カザミノ酸等の無機、有機の含窒素化合物の
窒素源、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム等の
生育に必要な無機塩類、更にビオチン、チアミン
等のビタミン類その他必要に応じて通常微生物の
培養に用いられる種々の栄養源を適宜配合して用
いることができる。 培養は殺菌した培地に菌を接種し、20〜45℃の
温度でPHを6〜9に保ちつつ1〜10日間、通気撹
拌培養、振とう培養などで好気的に行なう。培養
の初期は菌体の生育が行なわれ、その後D−β−
ヒドロキシイソ酪酸の生産が行なわれる。D−β
−ヒドロキシイソ酪酸生産時に、更にイソ酪酸等
の基質とグルコース等前記のエネルギー源を補給
すれば効率よく、多量にD−β−ヒドロキイソ酪
酸を蓄積させることができる。また目的によつて
は上記微生物の静止菌体、あるいは各種ポリマー
等を用い固定化した菌体を使用することも出来
る。 培養物または静止菌体反応液よりD−β−ヒド
ロキシイソ酪酸を回収するには通常のヒドロキシ
カルボン酸の回収に用いられる手段を用いること
ができる。例えば菌体除去後のD−β−ヒドロキ
シイソ酪酸含有液を濃縮し、硫酸等でPH2に調整
し、エーテル、酢酸エチル等で抽出し、溶剤を除
去することによりD−β−ヒドロキシイソ酪酸を
得ることができる。 以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明は実施例のみに限定されるものではな
い。 実施例 1 グルコース40g、(NH4)2HPO413g、KH2PO47
g、MgSO4・7H2O0.8g、ZnSO4・7H2O60mg、
FeSO4・7H2O90mg、CuSO4・5H2O5mg、
MnSO4・4H2O10mg、NaCl 0.1g、イーストエキ
ス5g、イソ酪酸30g(1当り)からなる培地
をPH7.0にNaOHで合わせ50mlを500ml容フラスコ
に入れ殺菌後、キヤンデイダ・ルゴーザIFO
0750、およびその変異株KT 8201株を接種し、
30℃で振とう培養を4日間行なつた。なお変異株
については培養開始30時間後にグルコース3gを
添加し、各々培養中NaOHで毎日7.0に合わせ
た。培養終了後、イソ酪酸とD−β−ヒドロキシ
イソ酪酸イをガスクロマトグラフイー〔長谷川
等、ジヤーナル・オブ・フアーメンテイシヨン・
テクノロジー(Journal of Fermentation
Technology)、59巻、203頁、(1981)〕で定量
し、β−ヒドロキシプロピオン酸はシリカゲルプ
レートで展開し(展開剤、酢酸エチル:イソプロ
ピルアルコール:水、5:1:1)、0.1%ジニト
ロフエノールインドフエノール−アルコール液を
噴霧し、発色後検出した(D−β−ヒドロキシイ
ソ酪酸 Rf=0.70、β−ヒドロキシプロピオン
酸Rf=0.41)。結果は表2の如くであつた。
KT 8201株は工業技術院微生物工業研究所へ微
生物保管委託申請書受理番号第110号として寄託
してある。 本発明におけるD−β−ヒドロキシイソ酪酸の
製造は、具体的にはイソ酪酸、メタクリル酸、イ
ソブチルアルコール、イソブチルアルデヒド、無
水イソ酪酸、イソブチルアミン、イソブチルアミ
ド等の中から選ばれた基質と炭素源、窒素源、無
機塩および適当な栄養源を含む培地で上記の微生
物を好気的に培養する方法、または予め適当な培
地で微生物を培養し得た培養液そのまま、あるい
は菌体のみを集め適当な無機塩等を含む液に懸濁
したものに上記イソ酪酸等の基質を添加し、好気
的に接触反応させ、D−β−ヒドロキシイソ酪酸
を蓄積させる方法等がある。また多重にD−β−
ヒドロキシイソ酪酸を蓄積させる為には培養後半
あるいは菌体との接触反応時に該微生物が利用し
うるエネルギー源を補給する意味から、グルコー
スまたはグリセロールまたはエタノールまたは酢
酸等の適当な利用しうる炭素源を添加するのが好
ましい。 本発明に使用する培地はグルコース、グリセリ
ン等の炭素源、アンモニア、尿素、硫安、ペプト
ン、カザミノ酸等の無機、有機の含窒素化合物の
窒素源、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム等の
生育に必要な無機塩類、更にビオチン、チアミン
等のビタミン類その他必要に応じて通常微生物の
培養に用いられる種々の栄養源を適宜配合して用
いることができる。 培養は殺菌した培地に菌を接種し、20〜45℃の
温度でPHを6〜9に保ちつつ1〜10日間、通気撹
拌培養、振とう培養などで好気的に行なう。培養
の初期は菌体の生育が行なわれ、その後D−β−
ヒドロキシイソ酪酸の生産が行なわれる。D−β
−ヒドロキシイソ酪酸生産時に、更にイソ酪酸等
の基質とグルコース等前記のエネルギー源を補給
すれば効率よく、多量にD−β−ヒドロキイソ酪
酸を蓄積させることができる。また目的によつて
は上記微生物の静止菌体、あるいは各種ポリマー
等を用い固定化した菌体を使用することも出来
る。 培養物または静止菌体反応液よりD−β−ヒド
ロキシイソ酪酸を回収するには通常のヒドロキシ
カルボン酸の回収に用いられる手段を用いること
ができる。例えば菌体除去後のD−β−ヒドロキ
シイソ酪酸含有液を濃縮し、硫酸等でPH2に調整
し、エーテル、酢酸エチル等で抽出し、溶剤を除
去することによりD−β−ヒドロキシイソ酪酸を
得ることができる。 以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明は実施例のみに限定されるものではな
い。 実施例 1 グルコース40g、(NH4)2HPO413g、KH2PO47
g、MgSO4・7H2O0.8g、ZnSO4・7H2O60mg、
FeSO4・7H2O90mg、CuSO4・5H2O5mg、
MnSO4・4H2O10mg、NaCl 0.1g、イーストエキ
ス5g、イソ酪酸30g(1当り)からなる培地
をPH7.0にNaOHで合わせ50mlを500ml容フラスコ
に入れ殺菌後、キヤンデイダ・ルゴーザIFO
0750、およびその変異株KT 8201株を接種し、
30℃で振とう培養を4日間行なつた。なお変異株
については培養開始30時間後にグルコース3gを
添加し、各々培養中NaOHで毎日7.0に合わせ
た。培養終了後、イソ酪酸とD−β−ヒドロキシ
イソ酪酸イをガスクロマトグラフイー〔長谷川
等、ジヤーナル・オブ・フアーメンテイシヨン・
テクノロジー(Journal of Fermentation
Technology)、59巻、203頁、(1981)〕で定量
し、β−ヒドロキシプロピオン酸はシリカゲルプ
レートで展開し(展開剤、酢酸エチル:イソプロ
ピルアルコール:水、5:1:1)、0.1%ジニト
ロフエノールインドフエノール−アルコール液を
噴霧し、発色後検出した(D−β−ヒドロキシイ
ソ酪酸 Rf=0.70、β−ヒドロキシプロピオン
酸Rf=0.41)。結果は表2の如くであつた。
【表】
実施例 2
実施例1に示した培地よりイソ酪酸を除いた培
地50mlを500ml容フラスコに入れ殺菌後、キヤン
デイダ・ルゴーザIFO 0750および変異株KT
8201を植菌し、30℃で1日間振とう培養した。こ
の各々の培養液に別々にメタクリル酸、イソブチ
ルアルコール、イソブチルアルデヒド、無水イソ
酪酸、イソブチルアミン、イソブチルアミドを
各々10gづつ添加し、PHを7.0に調整した。変異
株については更にグルコース2gを添加した。2
日間好気的に反応を行ない表3に示す結果を得
た。
地50mlを500ml容フラスコに入れ殺菌後、キヤン
デイダ・ルゴーザIFO 0750および変異株KT
8201を植菌し、30℃で1日間振とう培養した。こ
の各々の培養液に別々にメタクリル酸、イソブチ
ルアルコール、イソブチルアルデヒド、無水イソ
酪酸、イソブチルアミン、イソブチルアミドを
各々10gづつ添加し、PHを7.0に調整した。変異
株については更にグルコース2gを添加した。2
日間好気的に反応を行ない表3に示す結果を得
た。
【表】
シリカゲルクロマトグラフイーによりβ−ヒド
ロキシプロピオン酸の蓄積を調べたところ親株は
全て副生が認められたのに対し、変異株ではいづ
れも認められなかつた。 実施例 3 実施例1と同じ培地50mlを500ml容フラスコに
入れ殺菌後、キヤンデイダ・ルゴーザIFO
0750、および変異株KT 8201を植菌後30℃で4
日間培養した。培養開始後30時間目にエネルギー
源としてグルコース、グリセロール、各々別々に
3gを、またエタノールと酢酸は3gを6回に分
け30時間目より10時間毎に添加した。このように
して培養した結果は表4に示す如くであつた。
ロキシプロピオン酸の蓄積を調べたところ親株は
全て副生が認められたのに対し、変異株ではいづ
れも認められなかつた。 実施例 3 実施例1と同じ培地50mlを500ml容フラスコに
入れ殺菌後、キヤンデイダ・ルゴーザIFO
0750、および変異株KT 8201を植菌後30℃で4
日間培養した。培養開始後30時間目にエネルギー
源としてグルコース、グリセロール、各々別々に
3gを、またエタノールと酢酸は3gを6回に分
け30時間目より10時間毎に添加した。このように
して培養した結果は表4に示す如くであつた。
【表】
本培養においても変異株の生産したD−β−ヒ
ドロキシイソ酪酸中にはβ−ヒドロキシプロピオ
ン酸の副生は認められなかつた。
ドロキシイソ酪酸中にはβ−ヒドロキシプロピオ
ン酸の副生は認められなかつた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 キヤンデイダ属に属する微生物で、メタクリ
ル酸またはイソ酪酸をD−β−ヒドロキシイソ酪
酸に変換する能力を有し、且つβ−ヒドロキシイ
ソ酪酸脱水素酵素活性の低下した変異株をメタク
リル酸、またはイソ酪酸あるいは該微生物がイソ
酪酸またはD−β−ヒドロキシイソ酪酸に変換し
うる基質と接触反応させ、生成するD−β−ヒド
ロキシイソ酪酸を採取することを特徴とするD−
β−ヒドロキシイソ酪酸の製造法。 2 変異株がキヤンデイダ・ルゴーザから誘導さ
れた微生物である特許請求の範囲第1項記載の製
造法。 3 変異株の有するβ−ヒドロキシイソ酪酸脱水
素酵素活性が親株に比べ5分の1以下である特許
請求の範囲第1項または第2項記載の製造法。 4 該微生物がイソ酪酸またはD−β−ヒドロキ
シイソ酪酸に変換しうる基質がイソブチルアルコ
ール、またはイソブチルアルデヒドまたは無水イ
ソ酪酸またはイソブチルアミンまたはイソブチル
アミドである特許請求の範囲第1項記載の製造
法。 5 微生物を栄養培地で培養し、得た培養液にイ
ソ酪酸あるいはメタクリル酸、あるいは該微生物
がイソ酪酸またはD−β−ヒドロキシイソ酪酸に
変換しうる基質を作用させる特許請求の範囲第1
項記載の製造法。 6 イソ酪酸、メタクリル酸あるいは該微生物が
イソ酪酸またはD−β−ヒドロキシイソ酪酸に変
換しうる基質を添加した培地で培養することによ
り、微生物をイソ酪酸、メタクリル酸あるいは該
微生物がイソ酪酸またはD−β−ヒドロキシイソ
酪酸に変換しうる基質に作用させる特許請求の範
囲第1項記載の製造法。 7 微生物を栄養培地で培養し、得た培養液から
微生物菌体を分離して菌体懸濁液を調製し、それ
をイソ酪酸、アクリル酸あるいは該微生物がイソ
酪酸またはD−β−ヒドロキシイソ酪酸に変換し
うる基質に作用させる特許請求の範囲第1項記載
の製造法。 8 微生物とイソ酪酸、またはメタクリル酸また
は該微生物がイソ酪酸またはD−β−ヒドロキシ
イソ酪酸に変換しうる基質との接触反応時に、該
微生物が利用しうるエネルギー源を補給する特許
請求の範囲第1項記載の製造法。 9 微生物が利用しうるエネルギー源がグルコー
ス、グリセロール、エタノール、または酢酸であ
る特許請求の範囲第8項記載の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4235982A JPS58158188A (ja) | 1982-03-16 | 1982-03-16 | D−β−ヒドロキシイソ酪酸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4235982A JPS58158188A (ja) | 1982-03-16 | 1982-03-16 | D−β−ヒドロキシイソ酪酸の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58158188A JPS58158188A (ja) | 1983-09-20 |
| JPS6142559B2 true JPS6142559B2 (ja) | 1986-09-22 |
Family
ID=12633833
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4235982A Granted JPS58158188A (ja) | 1982-03-16 | 1982-03-16 | D−β−ヒドロキシイソ酪酸の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS58158188A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH04149584A (ja) * | 1990-10-12 | 1992-05-22 | Tokyo Electric Co Ltd | 定着装置 |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4981794A (en) * | 1984-01-27 | 1991-01-01 | E. R. Squibb & Sons, Inc. | Method of preparing D(-)-β-hydroxyisobutyric acid by fermentation |
-
1982
- 1982-03-16 JP JP4235982A patent/JPS58158188A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH04149584A (ja) * | 1990-10-12 | 1992-05-22 | Tokyo Electric Co Ltd | 定着装置 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58158188A (ja) | 1983-09-20 |
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