JPH051018A - 対称n,n’−置換芳香族ウレアの製造法 - Google Patents

対称n,n’−置換芳香族ウレアの製造法

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JPH051018A
JPH051018A JP3346183A JP34618391A JPH051018A JP H051018 A JPH051018 A JP H051018A JP 3346183 A JP3346183 A JP 3346183A JP 34618391 A JP34618391 A JP 34618391A JP H051018 A JPH051018 A JP H051018A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 対称N,N'−置換芳香族ウレアの製造方法を
提供するものである。 【構成】 式(I): 【化1】 [式中、Arは所望によりハロゲン、アルキルまたはア
ルコキシ基で置換された芳香族基を示す]を有するN,
N’−置換ウレアの製造方法であって、芳香族モノニト
ロ化合物、芳香族第1級アミンおよび合成ガスを、実質
的に主触媒成分として2価パラジウム化合物および共触
媒成分としてハロゲン元素を含むアンモニウム塩または
ホスホニウム塩からなる触媒の存在下、溶媒を不使用ま
たは使用して反応させることを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】農薬の原料物質であるカルバメー
トを合成または製造するのに重要な中間体であるN,
N’−置換ウレアの製造方法に関する。
【0002】本発明は対称N,N’−置換芳香族ウレア
を製造する方法に関するもので、より詳しくは、式
(I):
【化2】 [式中、Arは非置換の芳香族基、またはハロゲン、ア
ルキルまたはアルコキシ基で置換された芳香族基を示
す]を有するN,N’−置換ウレアの製造方法であっ
て、芳香族モノニトロ化合物、芳香族第1級アミンおよ
び合成ガスを、実質的に主触媒成分として2価パラジウ
ム化合物および共触媒成分としてハロゲン元素を含むア
ンモニウム塩またはホスホニウム塩からなる触媒の存在
下、溶媒を不使用または使用して反応させることを特徴
とする方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術および発明が解決すべき課題】N,N’−
置換ウレアの製造法は一般的にアミン類と一酸化炭素と
反応の際、触媒として第3級脂肪族アミン(ジャーナル
・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Che
m.)26,3309(1961))またはセレン(ジャーナ
ル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.
Am.Chem.Soc.)93,6344(1971))のような
非金属触媒およびコバルトカルボニル(カナディアン・
ジャーナル・オブ・ケミストリー(Can.J.Chem.)
,1718(1962)),酢酸銀ジャーナル・オブ・
オーガニック・ケミストリー((J.Org.Chem.)
,2670(1972))のような金属触媒を用いる技
術が開発されている。第3級アミンを触媒として用いる
ことによってウレアを合成する方法はジャーナル・オブ
・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)
,3309(1961)に開示されている。この反応は
触媒として第3級脂肪族アミンを使用し、この時、共に
過剰量の硫黄を使用することによって副生物である硫化
水素が生成され、これを処理するのに費用が追加され非
経済的であるという短所がある。
【0004】触媒としてセレンを用いる方法はジャーナ
ル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.
Am.Chem.Soc.)93,6344(1971)に開示さ
れている。この方法には公知のセレン触媒の毒性が問題
になり、またセレン触媒を沈澱させるために酸素を使用
すべきであるので爆発の危険性があって、これを防止す
るために酸素を継続的に流入しなければならないのでコ
ストが高くなる。米国特許第4,052,454号にもセ
レンまたは硫黄を用いて置換ウレアを製造する方法が開
示されている。セレン触媒を用いる場合最大収率が6
7.3%に開示されており、実際に硫黄化合物触媒を使
用した場合、実際に得られたウレア収率はかろうじて
3.4〜7.7%であり、この方法は非実用的である。こ
の方法でアミンをニトロ化合物より多いモル数で使用す
ることを提案しているが、これは非対称ウレアの製造に
限定され、対称ウレア製造の場合、水の使用を提案して
いる。
【0005】N,N’−置換ウレアの製造において、白
金族以外の金属触媒を使用する方法はその反応の収率お
よび選択度が低く実用的ではなかった。白金族の触媒を
用いる方法は欧州特許公報第0,319,111号と日本
特公昭53−41123号、日本特開昭58−1443
63および62−59253号およびジャーナル・オブ
・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)
,2819(1975)号に開示されている。この中
で、欧州特許公報第0,319,111号ではパラジウム
化合物以外のCu,Fe,Mn,V,Cr,Zn,Sn,Uま
たはCe塩を用いた。これらの塩はワッカ(Wacker)法と
称されるPd(O)から活性Pd(II)への再酸化剤として作
用する金属塩を用いたPd(II)とPd(O)との間の酸化還
元サイクルによって反応を促すことが知られている。こ
のため再酸化剤の存在はこのような類型の反応に必須で
ある。そうでなければ触媒はO価金属に分解されて反応
の効率が劣る。過剰量のアミンを用いる場合、この方法
では非対称ウレアが主に得られる。この方法による最上
の例は20時間の反応時間で1、1−ジメチル−3−
(4−クロロベンゼン)ウレアの製造の場合であり、その
収率は73%であった。
【0006】日本特公昭53−4112号および日本特
開昭58−144363号は、高温高圧下でアミンを一
酸化炭素および酸素と反応させてN,N’−置換ウレア
を製造する方法を開示しており、二つの気体反応物(一
酸化炭素と酸素)が使用されるので連続反応においてそ
の二つの気体の分圧調節が困難で、また酸素を用いるの
で爆発の危険性が伴う短所がある。さらに、ジャーナル
・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Che
m.)40,2819(1975)に開示されている方法は
1気圧90℃の条件下でアミン/ニトロ化合物のモル比
を1以下としてN,N’−ジアリルウレアを製造するも
のである。この方法は溶媒とともにトリ−n−ブチルア
ミンを50%まで使用するときのみ触媒活性が維持さ
れ、そうでなければ触媒の活性が急に劣るという短所が
ある。芳香族第1級アミンを少量用いるので触媒の分解
を効果的に抑制できず、触媒が再活用および再循環する
ことができなくなり、従って触媒活性は反応が1回くり
かえされる毎に50%ずつ減少することになる。この反
応は芳香族第1級アミンにパラジウム触媒を完全に溶解
させるには理想的ではあるが、アミンが反応混合物中に
低濃度で溶解しているので実際には行われ難い。さらに
効果的なカルボニル化反応を行うには反応圧が低過ぎ
る。その結果、この方法による芳香族ウレアの収率が比
較的低かった。
【0007】日本特開昭62−59253号は比較的収
率および選択度は高いが、触媒として用いるロジウム
(Rh)およびルテニウム(Ru)などの化合物が高価であ
り、生成されるN,N’−置換ウレアの性状がきれいで
なく、触媒が熱に不安定で反応温度付近で分解するとい
う問題点があった。このような方法はすべて原料として
純粋な一酸化炭素を用いる。この一酸化炭素は合成ガス
(CO+H2)から高冷却蒸留法や溶媒吸収法などにより
分離しなければならないので高価な余分の分離設備が必
要で商業的な規模の連続工程の場合は経済性が問題にな
る。
【0008】一方、一酸化炭素と水素を主成分とする合
成ガスは石炭のガス化、天然ガスおよび油分の部分酸化
または水蒸気分解など多様な方法によって低廉に製造す
ることができるが、もしウレア合成の原料として純粋な
一酸化炭素の代わりにこのような合成ガス自体を用いる
ことができれば公知のいかなる工程より原料の経済面か
らはるかに有利である。さらに上記の一般式(I)の対称
ウレアの合成反応過程のうち、合成ガス中の水素が芳香
族モノニトロ化合物を水素化することによって芳香族第
1級アミンを生成させることができればニトロ化合物よ
り高いアミンの使用量を減らすことができたので、工程
の経済性が大きくなる。これによって、インオーガニッ
ク・ケミストリー(Inorg.Chem.),342(197
0)にはニトロベンゼンを合成ガスの下で反応させて
N,N’−置換ウレアを合成する方法が開示された。し
かしながらこの方法は高圧の一酸化炭素が必要でウレア
収率が非常に低かった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記のよう
な課題を解決するために鋭意研究の結果、芳香族モノニ
トロ化合物、芳香族第1級アミンおよび合成ガスを、主
触媒成分のパラジウム化合物と共触媒成分のハロゲン元
素を含むアンモニウムまたはホスホニウムとからなる触
媒の存在下に溶媒を使用したりまたは使用せず反応さ
せ、この時芳香族第1級アミン/モノニトロ化合物のモ
ル比率を2以上にすると、上記の一般式(I)の対称N,
N’−ウレアがとても高い収率で得られ、反応中触媒の
分解が抑制されさらに別の処理をしなくても初期の活性
を維持する触媒を回収できるという知見を得て本発明を
完成するに至った。
【0010】以下、本発明を詳しく説明する。本発明に
用いる芳香族モノニトロ化合物にはニトロベンゼン類、
ニトロナフタレン類、ニトロアントラセン類、ニトロビ
フェニル類などがあり、具体的な化合物ではニトロベン
ゼン、o−、m−、p−ニトロトルエン、o−ニトロ−p−
キシレン、2−メチル−1−ニトロナフタレン、o−、m
−、p−クロロニトロベンゼン、1−ブロモ−4−ニト
ロベンゼン、2−クロロ−6−ニトロトルエン、4−ク
ロロ−3−ニトロトルエン、1、4−ジクロロ−2−ニ
トロベンゼン、3、4−ジクロロ−1−ニトロベンゼ
ン、α−クロロ−m−ニトロトルエン、1、2、4−ト
リクロロ−5−ニトロベンゼンなどがある。
【0011】さらに本発明に用いられる芳香族第1級ア
ミンには、芳香族モノニトロ化合物に相応するアミン類
として、アニリン類、アミノナフタレン類、アミノアン
トラセン類、アミノビフェニル類などがあり、具体的な
例としてはアニリン、o−、m−、p−トルイジン、o−、
m−、p−クロロアニリン、α−またはβ−ナフチルアミ
ン、2−メチル−1−アミノナフタレン、アミノトルエ
ンなどがある。本発明に用いられる芳香族第1級アミン
は反応物としてのみならず触媒成分を溶解する溶媒とし
ても用いられるように通常芳香族第1級アミン/芳香族
モノニトロ化合物のモル比が2以上になるように用い
る。このようにすることによって触媒の分解を防止し反
応後に生成された固形物を第1級アミンで洗うだけでと
いう簡単な方法で触媒を回収することができる。
【0012】本発明者らの研究によると、上記のような
一般式(I)のN,N’−置換ウレアの生成反応は下記の
反応式(1)および(2)の反応が競争的に同時に行われる
ものと考えられる。
【化3】 [式中、Arは前記の定義と同じあるが、原料によりAr
1とAr2の場合がある]
【0013】N,N’−置換ウレアの生成量は芳香族モ
ノニトロ化合物と芳香族第1級アミンとのモル比によっ
て大きく異なる。前記の反応式(1)および(2)に示され
たように芳香族モノニトロ化合物の量が一定な場合、芳
香族第1級アミンの量が多くなることによって対称N,
N’−置換ウレアの生成量が増える。これは芳香族アミ
ンの濃度が大きくなると反応式(1)の反応に比べて反応
式(2)の反応が相対的に早く行われてN,N’−置換ウ
レアの生成量が多くなるためである。
【0014】本発明に用いられる合成ガスは原料または
製造の工程において特別な制限はなく、一般の硫黄化合
物、二酸化炭素、アンモニアなど触媒を汚染させる不純
物などを取除くための一般の精製工程(バイサーメル、
クラウスおよびハンス−ユルゲン、アルペ、インダスト
リアル・オーガニック・ケミストリー(IndustrialOr
ganic Chemistry)第 20−22頁、フェアラーク・
ヘミー、バインハイム、ニューヨーク、1978年)に
よって精製されたものなら十分である。特に合成ガス中
に存在し得る窒素は反応に参加しないので全然問題にな
らないし、また別に分離する必要がない。本発明に用い
られる合成ガスはそのH2/COのモル比が5以下、望
ましくは2以下の範囲のものを用いられる。
【0015】本発明らの研究によるとN,N’−置換ウ
レアの合成時に合成ガスを用いると次の反応式(3)によ
り芳香族モノニトロ化合物の一部が水素と反応して芳香
族第1級アミンに転換されるので、純粋な一酸化炭素の
みを用いる場合より芳香族第1級アミンの消耗量を減少
させるのみならず安い合成ガスを用いることによって経
済性が向上できる。
【化4】
【0016】本発明で主触媒成分として用いられるパラ
ジウム化合物は2価パラジウム元素を含む化合物であ
る。これらは一般式PdX22で示されるリガンドとし
て、Xはハロゲン元素、NO3、OCOCH3、OCOC
3などを示し、LはリガンドでPR3(式中Rはメチ
ル、エチル、プロピル、ブチルまたはフェニルであ
る)、C65NH2、CH3CN、p−ClC64NH2、p
−CH364NH2などを示す。これらの主触媒成分は
芳香族モノニトロ化合物1モル当り1/3000−1/
10モルの量を用いることが望ましい。PdX2形態の主
触媒を用いる場合、上記のリガンドを反応物に混合して
触媒の不活性を防止すべきである。リガンドは主触媒1
モル当り2モル以上の量で用いることが望ましい。
【0017】さらに、本発明の方法で共触媒成分として
用いられるハロゲン元素を含む化合物には一般式(R'4
N)+X'-で示されるアンモニウム塩と一般式(R'4P)+
X'-で示されるホスホニウム塩がある(ここでR'は、水
素、脂肪族基、脂環族基および芳香族基中で選ばれた基
を示し、X'はハロゲン元素を示す)。具体的な化合物で
は、アンモニウム塩として、塩化テトラメチルアンモニ
ウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラプロ
ピルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭
化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモ
ニウム、臭化テトラプロピルアンモニウム、臭化テトラ
ブチルアンモニウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウ
ム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラプ
ロピルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム
などがあり、ホスホニウム塩としては、塩化テトラメチ
ルホスホニウム、塩化テトラエチルホスホニウム、塩化
テトラプロピルホスホニウム、塩化テトラブチルホスホ
ニウム、臭化テトラメチルホスホニウム、臭化テトラエ
チルホスホニウム、臭化テトラプロピルホスホニウム、
臭化テトラブチルホスホニウム、ヨウ化テトラメチルホ
スホニウム、ヨウ化テトラエチルホスホニウム、ヨウ化
テトラプロピルホスホニウム、ヨウ化テトラブチルホス
ホニウムなどがある。
【0018】共触媒として用いられる上記化合物は、パ
ラジウム化合物1モル当り1−20モルの量で用いる。
これ以下の量を用いると十分に反応が行われず、これ以
上の量を用いると経済的に不利である。主触媒およびリ
ガンドの量は、各成分が反応時に完全に溶解して液状で
存在するように反応温度、反応圧、芳香族第1級アミン
の使用量、溶媒の使用量などの反応条件によって各成分
の溶解度を考慮しながら調節するのが望ましい。
【0019】本発明の工程は溶媒を使用しなくても、溶
媒を使用してもよい。溶媒としてはN,N’−置換ウレ
アの溶解度が高くない非極性溶媒が適し、ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどが特に望ましい。上記の反応は5
0−200℃の温度範囲で、望ましくは80−140℃
の範囲で行なう。反応温度が上記の範囲のうち下限値よ
り低いと未反応のモノニトロ化合物の量が多くなり、反
応温度が上記のうち上限値より高いと触媒が不活性化し
たりまたは触媒が分解する。上記の反応は1気圧以上の
圧力で行われるものの、通常は5−100気圧で反応
し、望ましくは5−40気圧で反応させるのが良い。5
気圧以下の圧力では反応が早く行われず、100気圧以
上の圧力では高圧装置の設置の費用が高すぎるので経済
性が問題になる。
【0020】反応時間は用いられる反応物の種類、使用
量、反応圧力、反応温度、触媒の種類および使用量によ
って異なるが一般には10分〜10時間とする。反応完
了後、反応混合物を濾過または遠心分離し、洗浄して最
終生成物の固形のN,N’−置換ウレアを回収する。主
触媒と共触媒、未反応物質および溶媒は液相で残るので
上記の生成した固形物のみを濾過することによって混合
物から主触媒および共触媒をほぼ完全に回収することが
できる。得られたウレア誘導体は減圧または昇圧下で洗
浄および分離する通常の方法によって高純度で得られ
る。この時固形生成物に混在している触媒をほぼ完全に
回収できる。上記の洗浄剤としては芳香族第1級アミン
を用いるのが望ましく、特に反応で用いられたものと同
一の芳香族第1級アミンを用いるとこれ以上の処理をし
なくても次の反応に用いることができるのでもっと望ま
しい。
【0021】本発明は図1に示すように連続工程でもで
きる。即ち、反応器(1)に原料物質を投入し反応させ
て、反応が完了すれば、ガス分離器(2)によって一酸化
炭素、水素、二酸化炭素などのガスと水蒸気とを反応混
合物から分離の後、得られたスラリを第1遠心分離器
(3)で固形物質と液状物質に分ける。固形物質を触媒回
収のための溶媒が投入されているスラリドラム(4)に運
んで、その混合物をよく撹拌の後、第2遠心分離器(5)
で分離する。その固形物を乾燥器(6)で乾燥することに
よって目的とするN,N’−置換ウレアが得られる。一
方、第1および第2遠心分離器(3、5)から未反応物
質、溶媒、主触媒および共触媒を収納ドラム(6)に溜
め、この収納ドラム(7)中の液体を反応器(1)へ再び流
れ込むようにする。このような工程は連続工程またはバ
ッチ(batch)工程で可能である。
【0022】このように、本発明の特徴は、反応および
触媒活性を最適とする反応圧を維持するための触媒を溶
解するのに十分量の芳香族第1級アミンを利用するもの
であり、触媒回収のための溶媒として反応物として用い
られた芳香族第1級アミンと同一のものを使用すること
によって目的とする生成物の収率および純度を確実に向
上でき、生成した固形物を簡単に濾過および洗浄するこ
とによって触媒の損失がなく再利用することができるも
のである。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例に基いてより具体的に
説明する。次の実施例は本発明を例示するものであり実
施例に限定されるものではない。全ての実施例に記載さ
れた反応は全部300mlオートクレーブでバッチ(batc
h)で行われたものである。反応物の加熱は反応器の外部
に設置された加熱器で行われ、反応の後、反応器の内部
に設置された冷却コイルを通って流れる冷却水によって
冷却した。反応物はt−ブチルベンゼンを内部標準物質
で用いてガスクロマトグラフィと高速液体クロマトグラ
フィで分析した。N,N’−置換ウレアの収率は次の公
式により計算した。
【数1】
【0024】
【実施例1】300mlオートクレーブにニトロベンゼン
6.15g(50ミリモル)アニリン27.9g(300ミリ
モル)、パラジウムアセテート (Pd(CH3COO2)0.15g、トリフェニルホスフィン
(PPh3)1g、塩化テトラエチルアンモニウム(Et4NC
l)2g、t−ブチルベンゼン(ガスクロマトグラフィ分析
のための内部標準物質)とキシレン60gとを投入した。
2/COモル比が0.5の合成ガスを10気圧まで加圧
して反応器の内部の気状部分を3回の置換の後、常温で
加圧して反応器の内部圧力が60気圧になるようにし
た。反応器を撹拌しながら温度を高めて120℃で2.
5時間反応の後、サンプル弁を通ってサンプルを取って
ガスクロマトグラフイで分析した。反応の終了の後、反
応器を常温まで冷却した後ガスを排出した。反応物を減
圧濾過の後、アニリン(18.6g、200ミリモル)とキ
シレン(50g)とで洗浄し、乾燥して白色の固形物18.
5gが得られた。残存溶液を分析した結果、ニトロベン
ゼンの転換率は99.1%であって、N,N’−ジフェ
ニルウレア(DPU)の収率は97.1%であった。
【0025】
【実施例2】H2/COモル比が1である合成ガスを4
0気圧の圧力で反応させた以外は実施例1と同一の条件
で実験した。その結果ニトロベンゼン転換率は98.8
%であってDPUの収率は97.0%であった。
【0026】
【実施例3】H2/COモル比が2である合成ガスを6
0気圧の圧力で反応させた以外は実施例1と同一の条件
で実施した。その結果ニトロベンゼン転換率は98.3
%であってDPUの収率は96.8%であった。
【0027】
【実施例4】
【反応A】合成ガスの代わりに一酸化炭素だけを用いて
40気圧の圧力で1.5時間反応した以外は実施例1と
同一の条件で実施した。反応混合物は減圧下で濾過の後
(この時濾過は上澄液Aと称する)沈澱物をアニリン1
8.6g(200ミリモル)で洗浄して濾過し(この時濾液
は上澄液Bと称する)、さらにキシレン50gで洗浄した
後乾燥した。その結果18.4gの白色沈澱物が得られ
た。残存溶液を分析した結果ニトロベンゼン転換率は1
00%であってDPUの収率は97.3%であった。誘
導結合フラズマ(ICP:Inductively CoupledPlasm
a)による分析の結果によると、生成された固形物には触
媒のパラジウム成分が混在しないことが認められた。言
換えれば、全ての触媒は濾液に存在した。
【反応B】300mlオートクレーブに前記の反応Aから
得られた上澄液AおよびBとニトロベンゼン6.15g
(50ミリモル)を投入した後、反応Aの手順を繰返し
た。反応混合物を濾過の後(この時濾液は上澄液Cと称
する)、沈澱物をアニリン18.6g(200ミリモル)で
洗浄して濾過し(この時濾液は上澄液Dと称する)、さら
にキシレン50gで洗浄した後、乾燥した。その結果1
8.5gの白色沈澱物が得られた。残存溶液を分析した結
果ニトロベンゼンの転換率は100%であってDPUの
収率は98.0%として、触媒活性が全然劣っていない
ことが認められた。
【反応C】300mlオートクレーブに前記の反応Bから
得られた上澄液CおよびDとニトロベンゼン6.15g
(50ミリモル)を投入した後、反応Aの手順を繰返し
た。反応混合物を濾過の後(この時濾液は上澄液Eと称
する)、沈澱物をアニリン18.6g(200ミリモル)で
洗浄して濾過し(この時濾液は上澄液Fと称する)、さら
にキシレン50gで洗浄した後、乾燥した。残存溶液を
分析した結果ニトロベンゼンの転換率は100%であっ
てDPUの収率は98.0%として、触媒活性が全然劣
ってないことが認められた。ICPの分析の結果による
と、生成された固形物には触媒のパラジウム成分が混在
しないことが認められた。
【反応D】300mlオートクレーブに前記の反応Cから
得られた上澄液EおよびFとニトロベンゼン6.15g
(50ミリモル)を投入した後、反応Aの手順を繰返し
た。その結果18.5gの白色沈澱物が得られた。残存溶
液を分析した結果ニトロベンゼンの転換率は100%で
あってDPUの収率は98.0%として、触媒活性が全
然劣ってないことが認められた。ICPの分析の結果に
よると、生成された固形物に触媒のパラジウム成分が全
然混在しないことが認められた。
【0028】
【実施例5】キシレンの代わりに60gのトルエンを用
いて53気圧、100℃で6時間反応した以外は実施例
4の反応Aと同一の条件で実施した。残存溶液を分析し
た結果ニトロベンゼン転換率は95.2%であってDP
Uの収率は92.4%であった。
【0029】
【実施例6】
【反応A】塩化テトラエチルアンモニウム(Et4NCl)
の代わりに臭化テトラブチルホスホニウム(Bu4PBr)
を用いて4時間反応した以外は実施例4の反応Aと同一
の条件で実施した。反応混合物を減圧下で濾過の後(こ
の時濾液は上澄液Gと称する)、沈澱物をアニリン18.
6g(200ミリモル)で洗浄して濾過し(この時濾液は上
澄液Hと称する)、さらにキシレン50gで洗浄した後乾
燥した。残存溶液を分析した結果ニトロベンゼン転換率
は97.8%であってDPUの収率は96.4%であっ
た。ICPによる分析の結果によると、生成された固形
物には触媒のパラジウム成分が混在しないことが認めら
れた。
【反応B】300mlオートクレーブに前記の反応Aから
得られた上澄液GおよびHとニトロベンゼン6.15g
(50ミリモル)を投入した後、反応Aの手順を繰返し
た。ニトロベンゼンの転換率は98.4%であってDP
Uの収率は97.1%であった。
【0030】
【実施例7】
【反応A】パラジウムアセテート(Pd(CH3COO)2)
の代わりに塩化パラジウム(PdCl2)を用いて6時間反
応した以外は実施例4の反応Aと同一の条件で実施し
た。反応混合物を減圧下で濾過の後(この時濾液は上澄
液Iと称する)、沈澱物をアニリン18.6g(200ミリ
モル)で洗浄して濾過し(この時濾液は上澄液Jと称す
る)、さらにキシレン50gで洗浄した後乾燥した。残存
溶液を分析した結果ニトロベンゼン転換率は88.9%
であってDPUの収率は86.1%であった。ICPに
よる分析の結果によると、生成された固形物には触媒の
パラジウム成分が混在しないことが認められた。
【反応B】300mlオートクレーブに前記の反応Aから
得られた上澄液IおよびJとニトロベンゼン6.15g
(50ミリモル)を投入した後、反応Aの手順を繰返し
た。ニトロベンゼンの転換率は89.0%であってDP
Uの収率は84.0%であった。
【0031】
【実施例8】
【反応A】パラジウムアセテート(Pd(CH3COO)2)
の代わりにパラジウムトリフルオロアセテート(Pd(C
3COO)2)を用いて62気圧の圧力で反応した以外は
実施例4の反応と同一の条件で実施した。反応混合物を
減圧下で濾過の後(この時濾液は上澄液Kと称する)、沈
澱物をアニリン18.6g(200ミリモル)で洗浄して
濾過し(この時濾液は上澄液Lと称する)、さらにキシレ
ン50gで洗浄した後乾燥した。残存溶液を分析した結
果ニトロベンゼン転換率は96.2%であってDPUの
収率は93.4%であった。ICPによる分析の結果に
よると、生成された固形物には触媒のパラジウム成分が
混在しないことが認められた。言換えれば、全ての触媒
は濾液の中に存在した。
【反応B】300mlオートクレーブに前記の反応Aから
得られた上澄液KおよびLとニトロベンゼン6.15g
(50ミリモル)を投入した後、反応Aの手順を繰返し
た。ニトロベンゼンの転換率は97.0%であってDP
Uの収率は94.0%であった。
【0032】
【比較例1】アニリンを除いて実施した以外は実施例4
の反応Aと同一の条件で実施した。その結果アニリン生
成は行われず、反応も行われなかった。
【比較例2】ニトロベンゼンを除いて実施した以外は実
施例4の反応Aと同一の条件で実施した。その結果、反
応は行われなかった。
【比較例3】塩化テトラエチルアンモニウム(Et4NC
l)を除いて実施した以外は実施例4の反応Aと同一の条
件で実施した。ニトロベンゼンの転換率は11.4%で
あってDPUの収率は11.5%であった。
【比較例4】パラジウムアセテート(Pd(CH3CO
O)2)の代わりに0.15gのパラジウム金属を用いて5
0気圧、100℃で4.5時間反応させた以外は実施例
4の反応Aと同一の条件で実施した。その結果、反応は
行われなかった。
【比較例5】塩化テトラエチルアンモニウム(Et4NC
l)の代わりに2gのKClを用いて実施した以外は実施例
4の反応Aと同一の条件で実施した。ニトロベンゼンの
転換率は55.5%であってDPUの収率は55.1%で
あった。
【比較例6】塩化テトラエチルアンモニウム(Et4NC
l)の代わりに2gの塩化銅(CuCl2)を用いて55気圧で
5時間反応した以外は実施例4の反応Aと同一の条件で
実施した。その結果、反応は行われなかった。
【比較例7】キシレンの代わりに70mlのアセトンを用
いた以外は実施例1の反応Aと同一の条件で実施した。
ニトロベンゼンの転換率は25.4%であってDPUの
収率は25.1%であった。
【0033】
【比較例8】
【反応A】300mlオートクレーブにニトロベンゼン
6.15g(50ミリモル)、アニリン9.3g(100ミリ
モル)、パラジウムアセテート(Pd(CH3COO)2)0.
5g、トリフェニルホスフィン(PPh3)1g、テトラエチ
ルアンモニウムクロライド(EtN4Cl)2g、トリ−n−
ブチルアミン5g、t−ブチルベンゼン(ガスクロマトグ
ラフィ分析のための内部標準物質)とキシレン60gを投
入し、100℃で6時間反応した以外は実施例4の反応
Aと同一の条件で実施した。反応の完了の後、反応混合
物を減圧下で濾過の後(この時濾液は上澄液Mと称す
る)、50gのキシレンで洗浄し乾燥した。残存溶液を分
析した結果ニトロベンゼンの転換率は92.0%であっ
てDPUの収率は90.0%であった。
【反応B】300mlオートクレーブに前記反応Aから得
られた上澄液Mとニトロベンゼン6.15g(50ミリモ
ル)およびアニリン9.3g(100ミリモル)を投入した
後、反応Aの手順を繰返した。ニトロベンゼンの転換率
は28.0%であってDPUの収率は26.0%であり、
触媒活性が全然劣っていないことが認められた。
【0034】
【発明の効果】以上で説明した通り本発明は純粋な一酸
化炭素の代わりに安い合成ガスを用いても高い収率でウ
レアを製造でき、かえって合成ガス中のH2が芳香族ニ
トロ化合物をこれに対応する芳香族第1級アミンに転換
して高価なアミン化合物の使用を減らすことができ、ま
た本発明では反応の間触媒が分解したりその活性が劣ら
ず触媒回収溶媒として反応物と同一の芳香族第1級アミ
ンを用いると触媒の損失が殆どない程度に回収および再
活用することができるので非常に経済的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による対称N,N’−置換ウレアの製
造方法を連続工程に適用して示したものである。
【符号の説明】
1 反応器 2 ガス分離器 3、5 遠心分離器 4 スラリドラム 6 乾燥器 7 収納ドラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 [式中、Arは非置換の芳香族基、またはハロゲン、ア
    ルキルまたはアルコキシ基で置換された芳香族基を示
    す]を有するN,N’−置換ウレアの製造方法であっ
    て、芳香族モノニトロ化合物、芳香族第1級アミンおよ
    び合成ガスを、主触媒成分として2価パラジウム化合物
    および共触媒成分としてハロゲン元素を含むアンモニウ
    ム塩またはホスホニウム塩からなる触媒の存在下、溶媒
    を不使用または使用して反応させることを特徴とする方
    法。
  2. 【請求項2】 上記反応が、50〜200℃の温度で行
    われる、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記反応が、5〜100気圧の圧力で行
    われる、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 上記の芳香族第1級アミンを芳香族モノ
    ニトロ化合物1モル当り2モル以上の量で反応系に加え
    る、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 上記の合成ガスが、水素/一酸化炭素の
    モル比が5以下のものである、請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 上記のパラジウム化合物が、PdX2
    2[式中、Xは、ハロゲン元素、NO3、OCOCH3また
    はOCOCF3を示し、Lは、リガンドとしてPR3(式
    中、Rはメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはフェ
    ニルを示す)、C65NH2、CH3CN、p−ClC64
    NH2またはp−CH364NH2を示す]である、請求
    項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 上記の共触媒をパラジウム化合物1モル
    当り1〜20モルの量で反応系に加える、請求項1記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 上記のハロゲン元素を含むアンモニウム
    塩が、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチ
    ルアンモニウム、塩化テトラプロピルアンモニウム、塩
    化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモ
    ニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラプ
    ロピルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、
    ヨウ化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチル
    アンモニウム、ヨウ化テトラプロピルアンモニウムおよ
    びヨウ化テトラブチルアンモニウムから選ばれるもので
    ある、請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 上記のハロゲン元素を含むホスホニウム
    塩が、塩化テトラメチルホスホニウム、塩化テトラエチ
    ルホスホニウム、塩化テトラプロピルホスホニウム、塩
    化テトラブチルホスホニウム、臭化テトラメチルホスホ
    ニウム、臭化テトラエチルホスホニウム、臭化テトラプ
    ロピルホスホニウム、臭化テトラブチルホスホニウム、
    ヨウ化テトラメチルホスホニウム、ヨウ化テトラエチル
    ホスホニウム、ヨウ化テトラプロピルホスホニウムおよ
    びヨウ化テトラブチルホスホニウムから選ばれるもので
    ある、請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 上記の反応が、非極性溶媒中で行われ
    るものである、請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 上記の非極性溶媒が、ベンゼン、トル
    エンおよびキシレンから選ばれるものである、請求項1
    0記載の方法。
  12. 【請求項12】 反応混合物を濾過し、生成した濾過ケ
    ーキを上記の芳香族第1級アミンで洗浄することを特徴
    とする上記の主触媒および共触媒の回収段階をも含む、
    請求項1記載の方法。
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