JPH05140484A - 導電性ペーストおよび導電性塗膜 - Google Patents

導電性ペーストおよび導電性塗膜

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JPH05140484A
JPH05140484A JP32811891A JP32811891A JPH05140484A JP H05140484 A JPH05140484 A JP H05140484A JP 32811891 A JP32811891 A JP 32811891A JP 32811891 A JP32811891 A JP 32811891A JP H05140484 A JPH05140484 A JP H05140484A
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JP
Japan
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conductive
conductive paste
acid
powder
coating film
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Application number
JP32811891A
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English (en)
Inventor
Hiromitsu Hayashi
宏光 林
Yuzo Yamamoto
裕三 山本
Katsuhiko Asamori
勝彦 朝守
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】導電性粉末、有機バインダー、および溶剤を必
須成分とする導電性ペーストにおいて、該有機バインダ
ーが一般式(1)で示されるアルキルサリチル酸および
/またはその金属塩を含有することを特徴とする導電性
ペースト、および該導電性ペーストを基材上に塗布また
は印刷後、硬化してなることを特徴とする導電性塗膜。 【効果】本発明によりアルキル基の炭素数が6〜28の
アルキルサリチル酸および/またはその金属塩をバイン
ダー成分として用いることにより、導電性を低下させる
ことなく耐湿性、密着性及び印刷性等を大幅に改善し、
総合的に優れた導電性ペーストを提供することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導電性粉末、有機バイン
ダーを含有する導電性ペースト、およびこの導電性ペー
ストを用いた導電性塗膜に関し、より詳しくは、紙・フ
ェノール樹脂基板やガラス・エポキシ樹脂基板などの回
路基板上に、スクリーン印刷等で塗布後、加熱硬化する
ことにより、密着性に優れた導電性塗膜を形成し、回路
基板の電磁波ノイズ対策用もしくは回路基板の配線用の
導体等の用途に適した導電性ペースト、およびこの導電
性ペーストを塗布または印刷後、硬化してなる導電性塗
膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に導電性ペーストは、エポキシ樹
脂、飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノール
樹脂等の有機バインダー(以下、バインダーと略すこと
もある)と導電性粉末及び溶剤とから基本的に構成され
ている。この導電性ペーストは、従来から回路基板用の
導体として用いられている。また最近では、プリント回
路基板の電磁波シールド材料として導電性ペーストを使
用する試みも行われ始めている。即ち、この応用は基板
上にアースパターンを含む回路パターンを有する導電層
を形成してなる印刷配線基板において、この基板の導電
層が設けられた面のアースパターンの部分を除いて基板
上に導電層を覆うように絶縁層が印刷され、さらにこの
基板の絶縁層を覆いアースパターンに接続するように導
電性ペーストを印刷することにより、電磁波シールド層
を形成させ、電磁波ノイズ対策用回路基板の導体として
使用するものである(特開昭63−15497 号公報や実開昭
55−29276 号公報参照) 。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記の導電性ペースト
の中でも、近年特に導電性銅ペーストは、導電性銀ペー
ストに比べ安価である等の理由から導電性銀ペーストに
代わる導体として注目されている。この導電性銅ペース
トは、高導電性、密着性、耐久性、印刷性など種々の物
性が要求されるが、銅が銀よりも本質的に酸化されやす
く、酸化により電気絶縁性の酸化被膜を形成するという
欠点を有しているため、ペースト状態もしくは加熱硬化
膜状態での長期間にわたる導電性の維持という点におい
て実用上大きな問題点を残していた。
【0004】この欠点に対してこれまでに各種の酸化防
止剤、還元剤、金属キレート剤等の添加剤を添加するこ
とが行われている。例えば、導電性銅ペーストに対し酸
化防止剤としてサリチル酸およびその誘導体(低級のア
ルキル基を有するサリチル酸)を加えることが提案され
ている(特開平1−158081号公報)。しかしなが
ら、低級のアルキル基を有するサリチル酸を配合した導
電性銅ペーストでは、導電性の向上または維持という点
では改良されているものの、他の物性、すなわち銅箔表
面との密着性、スクリーン印刷性に乏しく、更なる改良
が必要である。
【0005】具体的に述べると、低級のアルキル基を有
するサリチル酸を用いた場合、酸エッチング等で表面の
酸化被膜を除去した後の金属銅表面(厳密には空気との
接触により数10Åの酸化皮膜を有してはいるが)との
密着性に乏しく、特殊な表面処理が必要であり、実用上
の大きな問題点を残している。また、低級のアルキルサ
リチル酸を用いた場合、印刷性に乏しいという問題点を
残している。一般に良好なスクリーン印刷を行おうとす
る場合、導電性ペーストは高いチキソ性が必要となる。
しかしながら、低級のアルキル基を有するサリチル酸を
導電性銅ペーストに配合すると十分なチキソ性が得られ
ず、スクリーン印刷後の塗膜に気泡が多量に混入する。
この気泡は導電性あるいは密着性等の各種物性に悪影響
を及ぼし、実用上問題となる。
【0006】従って、当業界では導電性、密着性、耐久
性、印刷性等、総合的に優れた性能を有する導電性銅ペ
ーストの開発が期待されている。本発明の目的は、まさ
にこの点にありかかる課題を解決するものとして、導電
性粉末、有機バインダーおよび溶剤を成分とする導電性
ペーストにおいて、特に、酸化され易い金属を導電性粉
末として用いた場合においても導電性、密着性、耐久
性、印刷性等、総合的に優れた性能を有する導電性ペー
ストを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる現状
に鑑みて、導電性ペーストの導電性の維持及び向上、基
板との密着性並びにスクリーン印刷性の改善を鋭意検討
した結果、炭素数6〜28の直鎖もしくは分岐のアルキ
ル基を有するアルキルサリチル酸またはその金属塩をバ
インダー成分として用いることによって上記課題を解決
できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち本発明は、導電性粉末、有機バインダ
ー、および溶剤を必須成分とする導電性ペーストにおい
て、該有機バインダーが次の一般式(1)で示されるア
ルキルサリチル酸および/またはその金属塩を含有する
ことを特徴とする導電性ペーストに関するものであり、
また本発明は、この導電性ペーストを基材上に塗布また
は印刷後、硬化してなることを特徴とする導電性塗膜に
関するものである。
【0009】
【化2】
【0010】(式中、Xは水素原子、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、または遷移金属を示し、R1 、R2
水素原子または炭素数6〜28の直鎖もしくは分岐のア
ルキル基を示す(但し、R1 、R2 が共に水素原子であ
る場合を除く)。)
【0011】本発明における有機バインダーには、前記
の一般式(1)で表されるアルキルサリチル酸および/
またはその金属塩を含有することに特徴があるが、この
アルキルサリチル酸は、例えば芳香環の3および/また
は5位に直鎖もしくは分岐のアルキル基を有するものが
挙げられる。R1 、R2 で表されるアルキル基の炭素数
は通常6〜28であり、好ましくは8〜24である。ア
ルキル基の炭素数が6未満だと例えば金属銅などの導電
性粉末の表面への密着性が低下し、あるいは導電性ペー
ストのチキソ性が低下し、良好な印刷ができなくなる。
また、アルキル基の炭素数が28を越えるとアルキルサ
リチル酸の合成が困難になるか、あるいは導電性ペース
トの保存中に結晶化して析出し、各種物性が低下する。
一般式(1)においてR1 、R2 が共に水素原子である
場合を除かれ、少なくとも一方が前記のようなアルキル
基であればよい。またR1 、R2 が共にアルキル基であ
ってもよい。
【0012】本発明におけるアルキルサリチル酸の具体
例としては、通常ヘキシルサリチル酸、オクチルサリチ
ル酸、ノニルサリチル酸、デシルサリチル酸、ドデシル
サリチル酸、テトラデシルサリチル酸、ヘキサデシルサ
リチル酸、オクタデシルサリチル酸、イコシルサリチル
酸、テトライコシルサリチル酸、オクタコシルサリチル
酸、ジオクチルサリチル酸、ジドデシルサリチル酸、ジ
オクタデシルサリチル酸などが挙げられ、好ましくはオ
クチルサリチル酸、ドデシルサリチル酸、ヘキサデシル
サリチル酸、オクタデシルサリチル酸等である。
【0013】本発明におけるアルキルサリチル酸の金属
塩を構成する金属としては、通常ナトリウム、カリウ
ム、リチウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネ
シウム、バリウムなどのアルカリ土類金属、銅などの遷
移金属などが挙げられ、好ましくはナトリウム、カリウ
ム、銅等である。これらのアルキルサリチル酸および/
またはその金属塩は、単独あるいは2種以上を混合して
用いてもよい。
【0014】本発明において使用されるアルキルサリチ
ル酸およびその金属塩の合成方法は、通常のコルベンシ
ュミット反応に従えばよい。具体的には、アルキルフェ
ノールにナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシ
ウムなどの金属の酸化物および/または水酸化物を加え
て炭酸ガスを吹き込み、アルキルサリチル酸の金属塩を
合成する。このアルキルサリチル酸の金属塩を硫酸など
の酸で処理してアルキルサリチル酸を合成する。
【0015】本発明においては、さらに有機バインダー
成分として、重量平均分子量1,000〜200万のヒ
ドロキシスチレン系重合体および/またはその誘導体を
含有することに特徴を有する。このバインダー成分の添
加によって、高速硬化によっても十分高い導電性をもっ
た塗膜が容易に作られる。このヒドロキシスチレン系重
合体およびその誘導体は、例えば次の一般式 (2)で表
される。
【0016】
【化3】
【0017】〔式中、l,mはl≧0、m≧3で、それ
ぞれ一般式(2)の有機高分子の重量平均分子量が10
00〜200万になるまでの任意の数、k,p,uは重
合体中の平均値を示し、その範囲はそれぞれ、0≦k≦
2,0≦p≦2,0<u≦2、ただしk+p+u>0、
3 〜R5 は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、
Qは重合性のビニル系単量体、Y,Zは同種又は異種で
あり、かつ
【0018】
【化4】
【0019】又は炭素数1〜18のアルキル基もしくはア
リール基から選ばれるものである (式中、Mは水素原
子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアミン類など
の有機カチオン、Y1 ,Y4 はハロゲン、Y2-〜Y3-
ハロゲンイオン、有機酸アニオン、無機酸アニオンなど
の対イオン、WはSまたはO、R6 〜R10は同種又は異
種であって直鎖又は分岐鎖アルキル基あるいはヒドロキ
シアルキル基等のアルキル誘導体、芳香族基又は水素原
子、さらにR8 とR9 はN基とともにで環を形成してい
てもかまわない。R11〜R17は同種又は異種であって直
鎖又は分岐鎖アルキル基、あるいはヒドロキシアルキル
基等のアルキル誘導体、芳香族基、又は水素原子、q,
s,tは0又は1、rは0,1又は2を示す)〕
【0020】上記一般式(2)で表されるヒドロキシス
チレン系共重合体およびその誘導体は、一般式(2)に
おいてYまたはZで表されるような置換基を有するかあ
るいは有しないところの、ヒドロキシスチレン、ヒドロ
キシ−α−メチルスチレン、あるいはヒドロキシ−α−
エチルスチレン等のヒドロキシスチレン系単量体同士の
みの共重合体、あるいはこれらのヒドロキシスチレン系
単量体と他の重合性のビニル系単量体(Q)との共重合
体であり得る。重合単位のヒドロキシスチレン系単量体
は、オルソ体、メタ体、パラ体あるいはこれらの混合物
であってもよいが、パラ体あるいはメタ体が好ましい。
【0021】また共重合体である場合の他のビニル系単
量体(Q)としては、アニオン系、カチオン系等のイオ
ン性単量体やノニオン性単量体、メタクリレート、ビニ
ルエステル、ビニルエーテル、マレート、フマレート、
α−オレフィンなどの公知の化合物を挙げることができ
る。本発明においては、前記のようにヒドロキシスチレ
ン系単量体同士のみの共重合でもよいが、他の重合性の
ビニル系単量体(Q)との共重合とする場合には、ヒド
ロキシスチレン系単量体/他のビニル系単量体(Q)の
割合は、モル比で1/10〜20/1までが適当である。
【0022】ビニル系単量体(Q)の割合がヒドロキシ
スチレン系単量体より10倍量(モル比)を超えるとヒド
ロキシスチレン系単量体の効果が発揮されないので好ま
しくなく、ビニル系単量体(Q)の割合が1/20未満で
は、共重合させる効果が発揮されないので、あえてビニ
ル系単量体(Q)と共重合させる必要はない。従って、
本発明においてはこのようなビニル系単量体(Q)の個
数はm≧0である。これらのヒドロキシスチレン系共重
合体およびその誘導体は、公知の方法により容易に調製
することができる(C.G.Overberger,J.C.Salamone,S.Ya
roslavsky,J.Am.Chem.Soc.,89,6231(1967);D.I.Packha
m,J.Chem.Soc.,2617(1964);M.Kato,J.Polym.Sci.,Part
A-1,7,2175(1969) )。
【0023】本発明の導電性ペーストの有機バインダー
には、さらに熱硬化性樹脂を併用することが好ましい。
本発明に有効に用いられる熱硬化性樹脂は、フェノール
系樹脂、ユリア樹脂、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、ケ
イ素樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル・ポリオー
ル樹脂、アクリル樹脂等の公知の熱硬化性樹脂を用いる
ことができるが、特にフェノール系樹脂、アミノ樹脂が
好ましい。
【0024】フェノール系樹脂としては、フェノール、
クレゾール、キシレノール、p−アルキルフェノール、
クロルフェノール、ビスフェノールA、フェノールスル
ホン酸、レゾルシンなどのフェノール性水酸基を有する
ものにホルマリン、フルフラールなどのアルデヒド類を
付加、縮合した樹脂を挙げることができる。特にレゾー
ル型フェノール系樹脂が好ましい。ノボラック型フェノ
ール系樹脂を用いる場合はヘキサメチレンテトラミンを
併用することが好ましい。
【0025】熱硬化性樹脂として用いられるアミノ樹脂
としては、重量平均分子量が500 以上5万以下の範囲の
ものが好ましい。例えば、尿素、メラミン、グアナミ
ン、アニリン、スルホンアミドなどのアミノ基にホルマ
リンを付加縮合した樹脂、あるいはエポキシ変成メラミ
ン樹脂、フェノール変成メラミン樹脂、アクリル変成メ
ラミン樹脂、ブチル化尿素樹脂、ブチル化尿素メラミン
共縮合樹脂、ブチル化メラミン・グアナミン共縮合樹
脂、アミノ・アルキド共縮合樹脂、アルキルエーテル化
メラミン樹脂等が挙げられる。好ましくはアルキルエー
テル化メラミン樹脂である。アルキルエーテル化メラミ
ン樹脂としては、例えば大日本インキ化学社製スーパー
ベッカミン L-105-60 のメチルメラミン樹脂、スーパー
ベッカミン J-820-60 、J-840 、L-117-60、L-127-60、
L-109-50のn−ブチル化メラミン樹脂、スーパーベッカ
ミン G-821-60 、L-118-60、L-121-60、TD-139-60 、L-
110-60、L-125-60、47-508-60 、L-145-60、L-116-70の
iso−ブチル化メラミン樹脂(いずれも商品名)、ある
いは三井東圧化学社製ユーバン20SB、20SE-60 、20HS、
21R 、22R 、120 、122 、128 、220 、225 のn−ブチ
ル化メラミン樹脂、ユーバン 60R、62、69-1、164 、16
5 などの iso−ブチル化メラミン樹脂など(いずれも商
品名)がある。これらのアルキルエーテル化メラミン樹
脂の中で好ましいものは重量平均分子量(Mw)が50
0〜5万の範囲でかつそのエーテル化度が10〜95%
(100%でトリアジン環1ユニットに対し6個のアル
キルエーテル基が導入される)の範囲、さらに好ましく
はMwが1000〜2.5万の範囲でかつエーテル化度
が20〜80%の範囲、最も好ましくはMwが1000
〜1万の範囲でエーテル化度が30〜60%の範囲のメ
ラミン樹脂である。Mwが500未満では硬化塗膜の可
撓性が不足し、5万を越えると耐密着性、導電性が悪く
なるからである。エーテル化度が10%未満ではメラミ
ンが不安定で、導電性ペーストのポットライフが短くな
り95%を越えると硬化速度が低下して通常の硬化条件
では十分な緻密な塗膜が得られず耐密着性、導電性等が
得られにくくなるからである。
【0026】本発明に用いられる前述の熱硬化性樹脂
は、単独あるいは2種以上混合して使用してもよい。本
発明の導電性ペースト中のバインダーの配合割合は、溶
剤を除く全重量に対して5〜50重量%、好ましくは5
〜40重量%であり、5重量%未満の場合はバインダー
の絶対量が不足して密着性が低下し、さらに得られる組
成物の流動性が悪くなり、印刷性が低下すると共に加熱
硬化時に導電性粉末が酸化されやすくなり、可撓性、導
電性の低下をまねく。バインダーの量が50重量%を超
えるときは逆に導電性粉末の絶対量が不足し、回路を形
成するのに必要な導電性が得られない。
【0027】本発明において、アルキルサリチル酸およ
び/またはその金属塩(A)と熱硬化性樹脂(B)との
配合重量%(A/(A+B)×100)は0.1〜90
重量%の範囲が適当であり、好ましくは0.5〜70重
量%である。配合重量%が0.1重量%未満の場合は、
アルキルサリチル酸および/またはその金属塩の絶対量
が不足して密着性又は印刷性が低下し、90重量%を超
えると導電性粉末をバインドする効果が不足して導電
性、耐久性が低下する。
【0028】本発明に用いる導電性粉末としては、銅粉
末、銀粉末、ニッケル粉末、アルミニウム粉末等の金属
粉末、及び表面に上記金属の被覆層を有する粉末が挙げ
られるが、特に銅粉末が好ましい。導電性粉末の形態は
樹枝状、フレーク状、球状、不定形のいずれの形態であ
っても良いが、好ましくは、電解により生成した樹枝状
の電解銅粉、あるいは球状粉である。平均粒子径は30
μm以下であることが好ましく、高密度、多接触点充填
の点から、1〜10μmの樹枝状粉がより好ましい。た
だしここでいう平均粒子径とは堀場製作所製「LA−5
00型レーザー回析式粒度分布定装置」で求めた体積基
準によるメジアン径を指すものとする。平均粒子径が3
0μmを超えると導電性粉末の高密度充填が難しくな
り、導電性が低下するとともに、印刷性が悪くなるから
である。さらに表面処理が施された銅粉を用いると特に
優れた導電性、耐密着性、可撓性が得られやすい。本発
明の銅ペーストおよびその塗膜は表面にはんだを付着さ
せる必要はないので、有機系の表面処理剤であっても差
し支えない。上記導電性粉末の使用形態としては単独又
は混合系で使用できる。上記金属粉末の純度は高い方が
好ましい。特に銅粉末については、回路基板の導体に用
いられている銅箔又はメッキ銅層の純度と一致するもの
が最も好ましい。
【0029】本発明において、アルキルサリチル酸およ
び/またはその金属塩の作用効果は金属銅粉末を用いた
場合により顕著に発現されるので、本発明は導電性銅ペ
ーストの製造にとって特に重要である。本発明の導電性
ペースト中の導電性粉末の配合量は、溶剤を除く全重量
に対して50〜95重量%の範囲で用いられ、好ましく
は70〜90重量%、さらに好ましくは80〜90重量
%である。配合量が50重量%未満では充分な導電性が
得られず、逆に95重量%を超える時は導電性粉末が十
分バインドされず、得られる塗膜も脆くなり、耐湿性が
低下するとともに導電性も悪くなる。
【0030】本発明の導電性ペーストには、導電性粉末
の酸化防止又は分散性付与あるいは硬化触媒を目的とし
て、飽和或いは不飽和脂肪酸又はその金属塩や高級脂肪
族アミンの中から選ばれる1種又は2種以上の添加剤を
用いてもよい。好ましい飽和脂肪酸としては、例えばパ
ルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸などが挙げら
れ、好ましい不飽和脂肪酸としては、例えばオレイン
酸、リノール酸などが挙げられる。それらの金属塩とし
ては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、銅塩などが挙
げられる。また、不飽和脂肪酸を60%以上含有するよう
な、例えば大豆油、ゴマ油、オリーブ油、サフラワー油
などの植物油を用いることも可能である。
【0031】上述の如き飽和或いは不飽和脂肪酸又はそ
の金属塩の添加量は導電性粉末100重量部に対して添
加剤の総和が0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜
10重量部である。0.1重量部未満の場合は添加効果
がほとんど現れず、20重量部を超える場合は添加量に
見合う分散性の向上が得られないばかりでなく、逆に得
られる塗膜の導電性やその耐久性が低下してしまう。
【0032】また、本発明に用いられる高級脂肪族アミ
ンはアミノ基を有する有機化合物であれば何でも使用可
能であり、他の置換基をもっていてもよい。例えば、α
−オレフィンから導かれるヒドロキシル基をもったアミ
ンであってもよい。しかし、導電性粉末と共に用いるこ
との必要性から、例えば溶剤に溶けない固体のものなど
は使用できない。好ましいものは炭素数8〜22の高級脂
肪族アミンである。
【0033】かかる高級脂肪族アミンとしては、ステア
リルアミン、パルミチルアミン、ベヘニルアミン、セチ
ルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルア
ミンのような飽和モノアミン、オレイルアミンのような
不飽和モノアミン、ステアリルプロピレンジアミン、オ
レイルプロピレンジアミンのようなジアミン等が挙げら
れる。本発明においては高級脂肪族アミンは、導電性粉
末100 重量部に対してその総和が0.1 〜10重量部の
割合で用いられるのが好ましい。
【0034】本発明の導電性ペーストには、導電性粉末
の酸化防止のため、必要に応じて公知の還元剤又はキレ
ート剤を1種又は2種以上用いることができる。好まし
い還元剤としては、例えば亜リン酸、次亜リン酸などの
無機系還元剤、及びヒドロキノン、カテコール類、アス
コルビン類、ヒドラジン化合物、ホルマリン、水素化ホ
ウ素化化合物、還元糖類などの有機系無機系の化合物な
どが挙げられる。
【0035】好ましいキレート剤としては、例えば各種
のアミン類としてo−アミノフェノールなどの環状アミ
ン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジ
アミン、トリエチレンテトラミンなどの脂肪族アミン、
EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、NTA(ニトリ
ロ三酢酸)、CDTA(t−1,2−シクロヘキサンジ
アミン−N,N,N’,N’−四酢酸水和物)、DTP
A(ジエチレントリアミン五酢酸)などのポリアミノカ
ルボン酸類、ジビニルベンゼン/グリシジルメタクリレ
ート/スチレン共重合体のようなグリシジルメタクリレ
ート共重合体、ポリビニルアミンおよびビニルアミン/
ビニルアルコール共重合体等の誘導体、o−ニトロフェ
ノール樹脂、高分子エステルにヒドロキシルアミンを反
応させて得られる高分子ヒドロキサム酸、コハク酸、酢
酸、プロピオン酸、トリカルバリル酸、フミン酸、フミ
ン酸アンモニウム、ニトロフミン酸などのカルボン酸、
クエン酸、乳酸、酒石酸、グリセリン酸、リンゴ酸、グ
ルコン酸、トロパ酸、ベンジル酸、マニデル酸、アトロ
ラクチン酸、グリコール酸、アスコルビン酸などのヒド
ロキシカルボン酸、サリチル酸、サリチルアミド、サリ
チルヒドロキシサム酸、サリチルアルドキシム、サリチ
ルヒドラジド、N,N’−ビスサリチロイルヒドラジン
などのサリチル酸系化合物、フェニルアラニン、チロシ
ン、アントラニル酸、トリプトファン、ヒスチジン、ア
スパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン等の
アミノ酸、プロリン、ヒドロキシプロリン等のイミノ
酸、ニコチン酸等のピリジンカルボン酸、ヒドラジン、
フェニルヒドラジン、ヒドラゾベンゼン等のヒドラジン
類、一塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン等のヒドラジニ
ウム塩、ラウリルメルカプタンなどが挙げられる。
【0036】本発明において還元剤又は金属キレート剤
を用いる場合は、導電性粉末100重量部に対して通常
0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部で
ある。添加量が0.1重量部未満であると添加効果が充
分でなく、20重量部を超えると密着性の低下、耐マイ
グレーション性の低下をまねくので好ましくない。本発
明の導電性ペーストには、密着性又は塗膜の可撓性を更
に向上させる目的で、必要に応じてブチラール樹脂、ア
クリル樹脂、ポリエステル樹脂等の公知の熱可塑性樹脂
を用いることができる。また、スクリーン印刷性を向上
させる目的で、必要に応じて公知のチキソトロピー剤、
レベリング剤を用いることができる。
【0037】本発明の導電性ペーストを製造するには、
例えば、まずアルキルサリチル酸および/またはその金
属塩をまたさらにヒドロキシスチレン系重合体および/
またはその誘導体を溶剤に溶かし、次いで熱硬化性樹脂
等の有機バインダーと導電性粉末とを加え、これをディ
スパーやボールミルや三本ロール等により十分均一に混
練して導電性ペーストを調製する。
【0038】ここで用いることのできる溶剤としては、
ベンゼン、トルエン、ヘキサノン、ブチルカルビトー
ル、ブチルカルビトールアセテート、ブチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブアセテート、メチルイソブチルケ
トン、メチルアミルケトンあるいはプロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロ
ピオネート等のエチレン系もしくはプロピレン系のグリ
コールエーテル類、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジ
メチル、コハク酸ジメチル等の2塩基酸のジエステル塩
等の公知の溶剤が挙げられる。溶剤の配合量は混練機の
種類、混練条件及び溶剤の種類によって異なってくる。
混練終了後のペースト粘度がスクリーン印刷の行なえる
範囲で溶剤量を調製することが好ましい。
【0039】本発明の導電性ペーストを用いて、回路基
板上に電磁波シールド層を設けた電磁波ノイズ対策用回
路基板を作製する方法は、例えば以下の方法がある。即
ち、金属張積層板よりエッチドフォル法によって形成さ
せた導電回路上に加熱硬化型又は紫外線硬化型の有機絶
縁体をアースパターン部を除いて塗布して絶縁層を設
け、絶縁体層上に本発明に係る導電性ペーストを用い
て、スクリーン印刷によってアースパターンに接続する
ように絶縁体層上のほぼ全面に導電性ペーストを塗布
し、これを加熱硬化させることにより、有効な電磁波シ
ールド層を有した電磁波ノイズ対策用回路基板を作製す
ることができる。この回路基板は静電シールド層として
も有効に活用することができる。
【0040】さらに本発明の導電性ペーストを回路基板
の配線用の導体として使用する方法は、従来と同様の方
法が使用できる。塗布する絶縁基板は、ガラス・エポキ
シ樹脂基板、紙・フェノール樹脂基板、セラミック基
板、ポリカーボネート樹脂基板、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂基板、ポリイミド樹脂基板、ポリオレフィン
樹脂基板、塩化ビニル樹脂基板、ポリエステル樹脂基
板、ABS樹脂基板、ポリメチルメタクリレート樹脂基
板、メラミン樹脂基板、フェノール樹脂基板、エポキシ
樹脂基板、ガラス基板などいずれでもよい。配線形成方
法はスクリーン印刷、凹版印刷、スプレー又はハケ塗り
等により塗布する方法を用いることができる。本発明に
おいて導電性塗膜とは、本発明の導電性ペーストを乾燥
硬化させて得られる1×10-2Ω・cm以下の体積固有抵
抗を有する硬化体もしくは硬化塗膜を意味するものとす
る。
【0041】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を
更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限
定されるものではない。実施例及び比較例において
「部」とは「重量部」を意味する。
【0042】実施例1〜22ペースト調製・印刷 表1に示す導電性粉末、表2に示すアルキルサリチル酸
又はその金属塩、表3、4に示す他の有機バインダー、
表5に示すその他の添加剤を表6〜8に示す組成となる
ように配合して、ディスパーや三本ロールにより十分均
一に混練して導電性ペーストを調製する。得られた各導
電性ペーストを用いて180〜250メッシュのテトロ
ン製スクリーンを装着したスクリーン印刷機によって、
予め有機絶縁層(太陽インキ製 S-222, HR-6) が40〜
50μmの厚さに印刷・硬化されたガラス・エポキシ樹
脂基板(CEM-3) 上に幅2mm、全長36cmのパターンを
印刷した。次に140 〜160 ℃で10〜30分間加熱硬化し、
厚さ20〜30μmのペースト硬化膜を得た。上記の過程で
得た導電回路について諸特性を調べた結果を表6〜8に
示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
【表7】
【0050】
【表8】
【0051】導電性の測定 塗膜の導電性とは、加熱硬化された塗膜の体積固有抵抗
をデジタルマルチメーター(アドバンテスト社製 R655
1)を用いて2端子法により測定した値である。なお、
体積固有抵抗の算出式を次式に示す。 体積固有抵抗(Ω・cm)=(R×t×W)/L R:電極間の抵抗値(Ω) t:塗膜の厚さ(cm)
W:塗膜の幅(cm) L:電極間の距離(cm)
【0052】耐湿性試験 塗膜の耐湿性は、60℃、95%相対湿度の環境下で500 時
間の放置試験を行ない、その前後での抵抗値の変化率W
R を次式により求めた。 抵抗変化率WR (%)=(R500 −R0 )/R0 0 :試験前の塗膜の抵抗値(Ω) R500 :500 時間試験後の抵抗値(Ω) WR の値により塗膜の耐湿性を次の如く表示する。 A:WR が30%未満 B:WR が30%以上 100%未満 C:WR が 100%以上
【0053】密着性試験 塗膜の密着性には、硫酸/クエン酸アンモニウム(1:
1)の5%水溶液、40℃にて30秒浸漬して表面酸化
皮膜を溶解後、ジェットエアーで風乾した金属銅表面を
有する銅箔及び有機絶縁層(太陽インキ社製 S-222, HR
-6)上に本発明の導電性ペーストを20〜30μmの厚さに
スクリーン印刷し、硬化後JIS K 5400(1979)の碁盤目試
験方法に準じて、塗膜上に互いに直交する縦横11本ずつ
の平行線を1mmの間隔で引いて、1cm2 中に100 個
のます目ができるように碁盤目状の切り傷を付け、その
上からセロハンテープで塗膜を引き剥がした時に銅箔や
有機絶縁層上に残る塗膜の碁盤目個数を求めた。判定基
準は次の通りである。 A:100/100 B:90/100以上〜100/100 未満 C:50/100以上〜90/100未満 D:0/100 以上〜10/100未満
【0054】印刷性の評価 各導電性ペーストの印刷性を180〜250メッシュの
テトロン製スクリーンを装着したスクリーン印刷機によ
り評価した。判定基準は次の通りである。 ○:良好な印刷性を有するもの △:一応印刷可能なもの ×:印刷不可能なもの
【0055】比較例1〜5 表8に示す組成の導電性ペーストを比較品として調製
し、実施例と同様に基板に導体を形成した後、塗膜の体
積固有抵抗を測定し、耐湿性、密着性、印刷性を調べ
た。結果を表8に併せて示す。
【0056】表6〜表8は本発明に係る導電性ペースト
および導電性塗膜の各種特性を比較例とともに示したも
のである。本発明の導電性ペーストは、実施例1〜22
に示されるように、それぞれ高い密着力を維持したま
ま、優れた耐湿性、印刷性および体積固有抵抗(10-3
〜10-5Ω・cm)を示す。これに対して、アルキル基の
炭素数が6より小さいアルキルサリチル酸を用いた導電
性ペースト(比較例1〜3)では、各種物性(導電性、
耐湿性、密着性及び印刷性)を総合的に満たすことが困
難であり、また、本発明に使用されるアルキルサリチル
酸又はその塩の配合量が適正でない場合(比較例4、
5)にも各種物性を総合的に満たすことが困難である。
【0057】
【発明の効果】本発明において、アルキル基の炭素数が
6〜28のアルキルサリチル酸および/またはその金属
塩をバインダー成分として用いることにより、導電性を
低下させることなく耐湿性、密着性及び印刷性等を大幅
に改善し、総合的に優れた導電性ペーストを提供するこ
とができる。従って、本発明の導電性ペーストを用いれ
ば、回路基板上に極めて信頼性が高く、かつ効果の大き
い電磁波シールド層を容易にかつ安定的に形成すること
ができる。また、回路基板の配線用の導体として用いた
場合においても、信頼性の高い配線を形成することがで
きる。さらに、電子機器部品、回路部品の電極などにも
有効に使用でき、これらの効果は産業上極めて大きいも
のである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性粉末、有機バインダー、および溶
    剤を必須成分とする導電性ペーストにおいて、該有機バ
    インダーが次の一般式(1)で示されるアルキルサリチ
    ル酸および/またはその金属塩を含有することを特徴と
    する導電性ペースト。 【化1】 (式中、Xは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金
    属、または遷移金属を示し、R1 、R2 は水素原子また
    は炭素数6〜28の直鎖もしくは分岐のアルキル基を示
    す(但し、R1 、R2 が共に水素原子である場合を除
    く)。)
  2. 【請求項2】 有機バインダーが一般式(1)で示され
    るアルキルサリチル酸またはその金属塩と重量平均分子
    量1000〜200万のヒドロキシスチレン系重合体お
    よび/またはその誘導体を含有することを特徴とする請
    求項1記載の導電性ペースト。
  3. 【請求項3】 導電性粉末が金属粉末または表面に金属
    層を有する固体粉末である請求項1記載の導電性ペース
    ト。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載の導電性ペー
    ストを基材上に塗布または印刷後、硬化してなることを
    特徴とする導電性塗膜。
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