JPH05170548A - 窒化珪素高密度焼結体の製造方法 - Google Patents

窒化珪素高密度焼結体の製造方法

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JPH05170548A
JPH05170548A JP3344871A JP34487191A JPH05170548A JP H05170548 A JPH05170548 A JP H05170548A JP 3344871 A JP3344871 A JP 3344871A JP 34487191 A JP34487191 A JP 34487191A JP H05170548 A JPH05170548 A JP H05170548A
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JP
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silicon nitride
powder
weight
outer layer
silicon
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JP3344871A
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English (en)
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Michitaka Satou
道貴 佐藤
Keiji Watanabe
圭児 渡辺
Hiroaki Nishio
浩明 西尾
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】窒化珪素焼結体を生成する原料粉よりなる成形
体の表面に、焼結時に窒化珪素と接合しない金属もしく
はセラミックの粉末またはセラミック前駆体からなる内
層と30重量%以上96重量%以下の金属珪素と焼結助剤を
含む外層を形成し、これを窒素雰囲気で加熱して外層の
金属珪素を窒化珪素に転化させ、熱間等方加圧処理して
焼結体を得、その後内層および外層を除去することによ
る窒化珪素焼結体の製造方法。 【効果】本発明の不透過膜形成は、基本的に金属珪素の
直接窒化反応を利用しているので、金属珪素の窒化に伴
う体積膨張が利用でき、従来法のように粉末を塗布する
場合に比べて、膜の密度を実質的に高めることが可能に
なる。これにより、不透過膜形成時の収縮量を減少させ
ることができるので、従来法で問題となっていた収縮量
が大きいために多孔質成形体を破損する問題や溶け落ち
等の問題点を解消することができる。従って、この発明
に係わる不透過膜形成法によれば、信頼性の高い不透過
膜形成が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、窒化珪素の高密度焼
結体の製造方法に関し、さらに詳しくはHIP処理によ
り、窒化珪素の多孔体より高密度焼結体を得る新規な製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスの粉末を所定形状に成形し
て得られる成形体、またはこの成形体を予備焼成して得
られる予備焼結体等の多孔体にアルゴンガス、窒素ガス
等のガスを加圧媒体として作用させつつ加熱して高密度
焼結体に転化させるHIP法が知られている。すなわ
ち、HIP法は多孔体に高温、高圧を加えることが可能
な圧力容器に入れ、500〜3000気圧のガス圧と、600から
2500℃の温度を作用させて高圧、高温の作用で多孔体を
等方的に加圧し、高密度化を達成するものである。かか
るHIP法は、加圧媒体としてガスを使用するため、ガ
スの多孔体内への侵入を防止する手段を講じる必要があ
る。従って、(1) 予備焼結体の密度を真空密度の93%以
上、好ましくは95%以上とし、ガス不透過性とする、
(2) 40〜75%の密度であって透過性であることが避けら
れない成形体及び密度が93%以下の予備焼結体の場合に
は、ガス不透過性のカプセルに封入し、このカプセルの
外部からガス圧を作用させて加熱し、高密度化させる、
等の公知の方法がある。前記(2)項のカプセルとして、
あらかじめ製造したカプセルを使用し、これに多孔体を
装入し、封止する方法が知られている。この方法は、複
雑形状の多孔体には適用が難しく、簡単形状に限定され
る。前記(2)項のもう1つの適用方法は、多孔体の表面
に粉末の層を形成し、この表面層を加熱軟化させ、気密
なカプセルとする方法である。この方法は、多孔体の形
状に対する制約が少ないので特に複雑形状への適用に有
利である。
【0003】特開昭54−146205号公報は表面に形成した
粉末層を不透過膜に変換する時の加圧ガスの条件につい
て開示しており、特開昭54−144412号公報は窒化珪素多
孔体について、同様の加圧ガスの条件について開示して
いる。この粉末層の材質については種々検討されてお
り、特開昭59−35870号公報は窒化珪素多孔体を対象と
して、表面に形成する粉末層を2層構造とし、内側を高
融点ガラス、高融点ガラス形成物質または高融点金属物
質とし、外側を内側の物質より低い温度で不透過膜に転
化し得る低融点ガラス、または低融点ガラス形成物質に
より構成する方法を開示している。特開昭59−116178号
公報は、セラミック多孔体を対象として、表面に形成す
る粉末層に高ケイ酸多孔性ガラスまたはその窒化物ガラ
スを使用する方法を開示している。また、西ドイツ特許
DE3403917C1は、表面の粉末層を2層構造とする
が、内側を焼結助剤を含まない物質とし、外側を焼結助
剤を含む物質とし、外側の層に不透過膜に転化する機能
を、内側の層には不透過膜をHIP処理後除去するのを
容易にするための焼結しにくい分離層としての機能を持
たせるものである。
【0004】以上述べてきた粉末層の形成手段として
は、粉末を溶媒に分散させてスラリーとなし、このスラ
リーを多孔体に刷毛塗り、浸漬、吹き付け等の手段によ
り塗布するのが一般的である。粉末層の厚さの調整は、
塗布と乾燥を繰り返す方法で行われる。この方法は、前
述の特開昭54−146205号公報、特開昭54−144412号公
報、特開昭59−35870号公報、特開昭59−116178号公
報、西ドイツ特許DE3403917C1に記述されている。
具体的な手順に触れると、例えば西ドイツ特許DE3403
917C1においては、焼結助剤として4〜0重量%のY2
3を含み、気孔率約20%の反応焼結窒化珪素多孔体
を、Si34 50重量%、イソプロピルアルコール50重量
%からなるスラリーに浸漬している。この結果、多孔体
の吸液作用により、表面に厚さ約1mmの窒化珪素の粉末
層が形成される。乾燥機中で110℃で乾燥し、アルコー
ルを除去する。こうして第1層が形成された多孔体をS
i34 80重量%、Y23 15重量%、Al23 5重量%
の組成の粉末を含むスラリーに浸漬し、多孔体の吸液作
用により第1層の上に第2層を形成する。再び乾燥機中
で110℃で乾燥し、アルコールを除去する。こうして、
焼結助剤を含まない窒化珪素の第1層とY23、Al2
3の焼結助剤を含む窒化珪素の第2層を持つ多孔体を182
0℃、10分間窒素雰囲気中で加熱し、表面粉体層をガス
を透過しない膜に転化する。引き続きこの多孔体をアル
ゴン雰囲気で1750℃、2000barの圧力でHIP処理す
る。こうして、高密度化した処理物をサンドブラストに
かけ、表面の不透過膜を除去する。この結果、高密度焼
結体が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】HIP処理時、不透過
膜にかかる加圧媒体としてのガスの圧力は500〜3000気
圧と極めて高い。従って、このような高圧に対して不透
過性を維持し得る信頼性の高い膜形成が要求される。
【0006】粉を溶媒中に分散してスラリーとなし、こ
れを多孔体に塗布する従来法は信頼性の点で問題があ
る。すなわち、粉は通常凝集しているので、このまま単
純にスラリー製造に供すると形成した粉体層に10μmの
巨大な気孔が生ずる。これが残留して不透過膜化を阻害
する。溶媒の選択が不適切だと粉は沈降して均一な密度
および厚さの膜形成を阻害する。また、塗布後の乾燥中
に収縮が起き、亀裂を生じ易い。収縮を少なくするため
に、スラリー中の粉の濃度を上昇させると、多孔体との
密着性が不十分となり剥離し易くなるだけでなく、層厚
が不均一となる。収縮亀裂を回避するために、有機バイ
ンダーを添加することは有効であるが、加熱して分解除
去する時に欠陥を生じ易い。
【0007】また、特開昭59−35870号公報のように窒
化珪素多孔体の表面に内側を高融点ガラス、高融点ガラ
ス形成物質または高融点金属物質とし、外側を低融点ガ
ラス、または低融点ガラス形成物質により2層構造の膜
を塗布する方法では、ガラスを溶融してガスの不透過性
膜に変える際、ガラスの溶け落ちやピンホール発生など
の問題点を生じる。
【0008】また、西ドイツ特許DE3403917C1のよ
うに、内側を焼結助剤を含まない物質(Si34)、外側
を焼結助剤を含む物質(Si34)とし、外側の層を不透
過膜に転化する場合、大きな収縮を伴うため、内部の多
孔質成形体を破壊する原因となる。
【0009】以上のような種々の困難のため、再現性が
悪く、従来法は信頼性を得るに至っていない。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成した窒化珪素焼結体の製造方法を提供するものであ
り、この方法は、窒化珪素焼結体を生成する原料粉より
なる成形体の表面に、焼結時に窒化珪素と接合しない金
属もしくはセラミックの粉末またはセラミック前駆体か
らなる内層と30重量%以上96重量%以下の金属珪素と焼
結助剤を含む外層を形成し、これを窒素雰囲気で加熱し
て外層の金属珪素を窒化珪素に転化させ、熱間等方加圧
処理して焼結体を得、その後内層および外層を除去する
ことを特徴としている。
【0011】原料粉の主成分は、窒化珪素粉、金属珪素
粉またはその混合物である。金属珪素粉は、その後の窒
化処理によって窒化珪素に変わる。焼結助剤も通常必要
である。焼結助剤はY23、Al23、MgO、La
23、AlN、BeAl24などの粉末が使用される。そ
の他、窒化を促進するためのCo粉、CaOやCoOなど
の粉末、あるいは炭化珪素やタングステンのようなセラ
ミックまたは金属粉末などを必要に応じて適宜含有させ
ることができる。各成分の割合としては、窒化珪素及び
/又は金属珪素よりなる主成分が70〜100重量%、焼結
助剤が0.5〜15重量%、その他の成分が0〜30重量%程
度である。成形体の成形方法は限定されるものではない
が、金型成形、ラバープレス成形、押し出し成形、射出
成形などが利用できる。これをホットプレス、常圧焼
結、雰囲気加圧焼結によって予備焼結して密度を上げた
多孔体でも良い。
【0012】これらの成形法によって得られる成形体は
通常、理論密度の40〜75%の密度を持っている。本発明
に用いられる多孔体の密度は93%以下の場合に極めて有
効である。なぜなら、これ以上の密度は本発明を適用し
なくてもそのままHIP処理することが可能である。し
かし、密度が93%以上の多孔体であっても、本発明を適
用することはもちろん可能である。
【0013】内層は、焼結時には成形体と外層との間の
反応防止層となり、焼結後には剥離層としての機能を発
揮するものであり、焼結時に成形体と窒化珪素と接合し
ない金属もしくはセラミックの粉末またはセラミック前
駆体からなる。金属はタングステン等の焼結温度で融け
ない高融点金属が適当であり、セラミックは窒化ボロ
ン、焼結助剤を含まない窒化珪素、炭化珪素等の非酸化
物セラミックスが適している。金属およびセラミック粉
末の粒径は、一般に0.1〜20μm程度のものが使用され
る。
【0014】セラミック前駆体の例としては、コロイダ
ルシリカ、各種金属のアルコキシド、ポリシラザン、ポ
リカルボシラン、アルキルアルミニウム誘導ポリマー等
が挙げられる。
【0015】ポリシラザンはH2SiCl2、H3SiCl、
RSiHCl2、R2SiCl2等のシラン化合物から製造す
ることができる。上記の有機シラン化合物のRはメチル
基、エチル基、ビニル基、フェニル基等である。上記の
シラン化合物を単独であるいは混合物としてベンゼン、
ジエチルエーテル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラ
ン、ピリジン等の溶媒に希釈して、この溶液を液体また
は気体のアンモニアと接触させることによりポリシラザ
ンが生成する。副生成物の塩化アンモニウムを濾別し、
溶媒を留去することによって液状または固体状のポリシ
ラザンが得られる。
【0016】このようにして合成されるポリシラザンに
は多種あり、出発物質が同一であっても溶媒、反応温
度、アンモニアの圧力等によって生成される物質が異な
る。代表的なポリシラザンとして、〔H2SiNH〕x
〔(H2Si)1.5N〕y、〔CH3(CH3NH)Si(CH3
N)〕x〔(CH3Si(CH3N)1.5〕y、〔CH3SiHN
H〕x〔(CH3SiHNCH3〕y(CH3SiN)zなどが挙
げられる。このうち、〔H2SiNH〕x〔(H2Si)1.5
N〕yは常温付近でオイル状であり、〔CH3SiHN
H〕x〔(CH3SiHNCH3〕y(CH3SiN)zや〔CH
3(CH3NH)Si(CH3N)〕x〔(CH3Si(CH3N)
1.5〕yは常温付近では粉末状であるが、前者は65℃で軟
化、後者も軟化点を持つことが知られており、有機溶媒
にも可溶である。これらはアンモニアや窒素中で熱分解
することにより、Si34からSiCまでの広い組成を取
り得る。
【0017】アルキルアルミニウム誘導ポリマーは、一
般式RnAlX3-n(n=1,2,3;R:メチル基、エチル基、ブ
チル基、ビニル基、フェニル基等;X:塩素、臭素等)
で表される有機アルミニウム化合物から製造することが
できる。具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエ
チルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメ
チルアルミニウムハイドライド、モノメチルアルミニウ
ムジハイドライド等の有機アルミニウム化合物を原料と
して用いる。
【0018】これらを水と重合反応させると、粘調な液
体であるポリアルミノキサン(−(RAl−O)n−)が
生成し、これを大気中で焼成するとAl23が得られ
る。
【0019】また、これらの有機アルミニウム化合物を
単独であるいは混合物としてヘキサン、ベンゼン、ジエ
チルエーテル、ジクロロメタン等の溶媒に希釈して、こ
の溶液を液体または気体のアンモニアと接触させること
により、まず有機アルミニウム化合物とアンモニアのア
ダクトを得、これを適正な温度範囲で熱処理することに
より液体または固体状のアルキルアルミニウムアミドが
得られる。副生成物の塩化アンモニウムは濾過または加
熱分解により除去し、溶媒は加熱や真空吸引等により留
去する。この反応の一例として、出発原料にトリエチル
アルミニウムを用いた場合の反応式を下記に示す。
【0020】
【化1】
【0021】このようにして、合成されるアルキルアル
ミニウムアミドはR基の種類、溶媒、反応温度等によっ
て生成される物質の性状が異なり、常温付近でオイル状
のものから固体状のものまで種々のものが得られる。固
体状のものを分散媒として用いるためには、融点を持つ
か有機溶媒に可溶であることが必要である。これらのア
ミドは窒素中で熱分解すると、AlNとCの混合物をア
ンモニア中で行うとAlNが生成する。
【0022】金属粉およびセラミック粉の場合には、分
散媒に分散させてスラリー状態にする。分散媒として
は、これらの粉末を分散できるものであれば特に制限は
なく、水または各種有機溶媒を単独で、あるいは混合し
て使用することができる。有機溶媒としては、メチルア
ルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなど
のアルコール類、アセトンなどのケトン類、オレイン
酸、ステアリン酸などのカルボン酸類、ヘキサン、ベン
ゼン、パラフィンなどの炭化水素類等が挙げられる。ス
ラリーに適正な流動性を与えるために、市販品の各種分
散剤や滑剤、あるいは増粘剤としてのポリビニルアルコ
ール、ポリビニルブチラール、メチルセルロース、エチ
ルセルロース、フェノール類、アミン類、流動パラフィ
ン等を組み合わせて流動性や粘性を調整することができ
る。スラリーの作成方法にも制約はなく、粉体および分
散媒を所定量秤量し、場合によっては分散剤、可塑剤、
滑剤等の有機物を加えて超音波分散、ボールミル、アト
ライター、混練機などにより攪拌・混合すればよい。
【0023】セラミック前駆体の場合には、必要により
溶媒で希釈して使用する。
【0024】塗布方法としては、刷毛塗り、浸漬、吹き
付け等のいずれの方法でもよい。塗布すべき厚さとして
は0.05mm以上、5mm以下が望ましい。0.05mm以下では厚
さのバラツキがあるために、外層を塗布する際に一部剥
離する可能性があり、一方、5mm以上の厚さは乾燥また
は熱分解時に亀裂発生の原因になる。好ましい厚さは1
mm以上3mm以下である。この厚さは、スラリー濃度の調
整及び塗布回数の増減によって達成できる。各塗布後に
は乾燥させるが、この乾燥は自然乾燥、赤外線ヒーター
など塗布層を破壊しない如何なる方法で行なってもよ
い。
【0025】外層はガス不透過膜を形成してHIPの際
に圧力媒体であるガスの侵入を阻止するとともに、成形
体を外界から遮断して窒化珪素を分解しないよう保護す
るものであり、金属珪素と焼結助剤からなる。金属珪素
の粒径は1〜50μm程度のものでよい。焼結助剤として
は、MgO、Y23、Al23、AlNなど公知のものを
用いればよい。但し、焼結助剤の量は窒化珪素多孔体中
の窒化珪素に対する量よりは多めにしておく必要があ
る。なぜなら、外層は後工程の窒化および焼成によって
窒化珪素多孔体が焼結するよりも低温または短時間でガ
ス不透過膜を形成できる必要があるからである。この外
層には、さらに金属またはセラミック粉末を含有させる
ことが好ましい。金属またはセラミックス粉末として
は、窒化を促進させるためのFe粉、Co粉、CaOやCo
Oなどの酸化物粉、金属珪素粉体層の充填材としての窒
化珪素粉、炭化珪素粉、タングステン粉等が挙げられ
る。もちろん、これらの混合物でもよい。窒化珪素粉は
このような充填材としての働き以外に金属珪素の結晶化
を進行させるための種結晶としての役割も持つので特に
好ましい。
【0026】外層には、金属珪素が30重量%以上96重量
%以下含まれていることが必要である。30重量%以下で
あると、金属珪素の窒化反応に伴う体積膨張(Si→Si
34;+27vol%)による密度向上の効果が減少するた
め、結果的に密度の低い膜となって、ガス不透過膜に変
えるための温度が上昇する、あるいは収縮率が大きくな
って成形体を破損する等の問題点を生じる。一方、96重
量%を越えると焼結助剤の量が不足するため、ガス不透
過膜に変えるための温度が上昇する、あるいはガス不透
過膜に変えるのが困難になる。金属珪素の好ましい含有
量は50重量%以上90重量%以下である。焼結助剤の含有
量は1重量%以上30重量%以下であり、好ましい含有量
は5重量%以上15重量%以下である。金属およびセラミ
ック粉末の含有量は45重量%以下であり、好ましい含有
量は10重量%以上40重量%以下である。
【0027】外層は、金属珪素および焼結助剤と必要に
より添加される金属またはセラミックス粉末を分散媒に
分散させたスラリーを塗布して形成される。スラリーの
作成法および塗布方法は、内層の場合と同様な方法で行
うことができる。
【0028】こうして、内層および外層を積層させた成
形体は、まずそこに含まれている分散媒を除去する。分
散媒としてヘキサン、アルコールなどの低沸点の溶媒を
用いた場合は、沸点以下の温度でゆっくり蒸発除去す
る。沸点以上で急速に除去すると、膜に亀裂が入るなど
の問題が生じる。パラフィンやオレイン酸等の高沸点の
有機物を用いた場合は1000℃以下、通常400℃以上600℃
以下で、常圧または加圧下でN2または空気中で熱分解
して除去する。
【0029】〔H2SiNH〕x〔(H2Si)1.5N〕y、
〔CH3(CH3NH)Si(CH3N)〕x〔(CH3Si(C
3N)1.5〕y、〔CH3SiHNH〕x〔(CH3SiHN
CH3〕y(CH3SiN)zなどのポリシラザンやポリカル
ボシランなどのSiを含む有機または無機化合物は、不
活性雰囲気下、400℃以上1000℃以下の温度で加熱する
とSi34、SiC、Siなどの形で残留する。これらは
外層中の金属珪素の空隙を充填して、密度を上げる働き
があるため、外層形成のためのスラリーに含まれている
ことが望ましい。この工程が終了した時点で、膜の付い
た成形体をCIP処理して外層の密度を上げることもで
きる。
【0030】分散媒除去後は、成形体の外層に含まれて
いる金属珪素を窒化して窒化珪素に変える。温度は1000
℃以上1500℃以下である必要がある。1000℃以下だと窒
化速度が極めて遅く、非常に長時間の窒化反応が必要な
ためであり、1500℃以上の温度は、金属珪素が溶融して
しまうため望ましくない。好ましくは1300℃以上、1450
℃以下の温度で行うべきである。雰囲気は窒素を含むガ
スであれば良く、一般的にN2またはNH3がよく用いら
れる。金属珪素の窒化反応は発熱反応であるため、窒化
速度が早すぎると局部的に温度が上昇して金属珪素が溶
融することも考えられるため、窒化速度の制御は重要で
ある。そのため、窒化ガス(N2、NH3等)を不活性ガ
スであるArやHe等で希釈して用いても良い。また、窒
化時の真空度を制御して窒化速度を制御することも可能
である。この工程における窒化率は高い程望ましいが、
おおむね90%以上であれば次工程に移行することができ
る。
【0031】次いで、窒化処理を施した成形体を焼成す
る。焼成条件は外層の配合条件や密度によっても異なる
が、1500℃以上2000℃以下の温度、窒素圧0.1気圧以
上、10気圧以下の圧力が必要である。1500℃以下の温度
は長時間の焼成が必要となり、一方、2000℃以上の温度
は窒素圧を10気圧まで上げても窒化珪素の熱分解を抑え
ることが困難になり、表面変質層の原因となるので好ま
しくない。従って、より好ましい条件は、1700℃以上20
00℃以下の温度範囲である。この工程を経ることによ
り、外層は信頼性の高いガス不透過膜に変わり、HIP
処理ができる。状態となる。
【0032】HIP処理の温度、圧力は窒化珪素の緻密
化に有効な条件であれば良く、温度はおおむね1300℃以
上とするが、外層および成形体の熱分解を回避するため
2200℃以下とするのが望ましい。
【0033】得られた焼結体の内層および外層はサンド
ブラスト等により除去し、高密度焼結体を得る。
【0034】金属珪素の窒化からHIP処理までの工程
は同一の炉を用いても、それぞれ別の炉で行っても加熱
および加圧の条件が満たされる限りいっこうにかまわな
い。但し、ガス不透過膜形成後は、内部の気孔を占める
ガス圧力が外圧以上にならないようにしなければならな
い。これが仮に守れない場合は、内部からガスが吹き出
してガス不透過膜を破壊する恐れがある。
【0035】
【作用】外層に多量の金属珪素を含有させ、これを窒化
珪素に転化させることによって、その際の体積膨張で外
層を緻密化させ、焼結助剤の働きで外層をガス不透過膜
に変えてHIPを可能にしている。窒化珪素と接合しな
い内層を成形体と外層の間に介在させることによって、
外層の焼結体への固着を防ぎHIP後の外層の除去を容
易にしている。
【0036】
【実施例】
実施例1 Si34 96重量%、Y23 4重量%の配合の粉末をメ
タノール中でボールミールで24時間混合後、乾燥し、10
0メッシュの篩を通して除去した。この粉末を金型に充
填して300kg/cm2の圧力で一軸プレス成形して60mm×10m
m×12mmの成形体を得た。この成形体を薄ゴムに包ん
で、3t/cm2の圧力でラバープレス成形した。これによっ
て得られた10個の成形体の密度は理論値の52%であっ
た。
【0037】次に、エチルセルロース5重量部、イソプ
ロピルアルコール75重量部よりなる分散媒にBN粉20重
量部を投入して、超音波分散機で分散してスラリーとし
た。このスラリーに上記の成形体を浸漬し取り出したと
ころ、成形体表面にスラリーの薄い膜が形成された。こ
れを室温で乾燥してイソプロピルアルコールを除去し
た。この操作を3回繰り返して厚さ約1.5mmの内層を形
成した。
【0038】次いで、金属Si 65重量部、Si34 15重
量部、Y23 14重量部、Al23 6重量部の混合粉35
重量部を市販有機物分散剤0.7重量部、ステアリン酸0.7
重量部を含むトルエン63.6重量部に投入し、ボールミル
で24時間混合してスラリーを作った。内層と同様に浸漬
と乾燥を繰り返して、厚さ約2mmの外層を形成した。
【0039】こうしてできた膜付き成形体を脱脂炉に装
入し、4kg/cm2の加圧N2中、1℃/minで400℃まで昇温
し、5時間保持して有機物を熱分解して除去してから5
℃/minで降温した。次に、成形体を真空炉に装入し、室
温で真空吸引して0.1torr以下にした後、N2ガスを300t
orrになるまで導入し、1100℃まで2℃/minで昇温し
た。1100℃に到達したところで、N2ガスを600torrにな
るまで導入し、この圧力を保持しながら1400℃まで0.2
℃/minで昇温し、10時間保持した後放冷して取り出し
た。成形体の1本の外層を剥がし、外層の粉末X線回折
を行ったところ、Free−Siのピークは認められず、全
て窒化珪素に変化していることが分かった。また、膜の
密度を測定した結果、理論密度の75%であった。
【0040】次に、残りの成形体9本を焼結炉にセット
し、1350℃まで0.1torr以下の真空中で昇温し、2時間
保持した後、N2ガスを9.0気圧(以下、ゲージ圧)まで
供給し、1750℃まで昇温し、30分間保持して降温した。
成形体の1本の外層を剥がし密度を測定したところ、理
論密度の94%まで向上していた。この膜は、ガス不透過
膜とみなすことができる。膜を剥がした後の成形体の密
度も同時に測定したところ、理論密度の70%であった。
【0041】残りの成形体をHIP装置に装入し、図1
に示すHIP処理条件でHIP処理を実施した。まず、
真空吸引しながら1000℃まで加熱し、3時間保持した。
最終的に真空度は0.1torr以下となった。次いで、1気
圧のN2ガスを供給し、1700℃まで加熱、1時間保持
し、120気圧のN2ガスを供給し、1750℃まで加熱し、20
00気圧まで昇圧し、1時間保持後放冷した。放冷後、試
料をサンドブラストにかけ表面の不透過膜を除去したと
ころ、8個の成形体は全て緻密化が進行しており、理論
密度の99.4±0.2%に達していることが分かった。
【0042】実施例2 窒化珪素の成形体は、実施例1の場合と同一の配合のも
のを10本用いた。また、内層を形成するスラリーも実施
例1と同一の配合のものを用いた。
【0043】外層のスラリーは次のような手順で作成し
た。すなわち、金属Si 80重量部、Si34 10重量部、
23 10重量部、Al23 5重量部の混合粉50重量部
をポリシラザン35重量部とTHF15重量部を含む混合溶
液に投入し、アトライターで2時間混合してスラリーを
作った。
【0044】ここでポリシラザンは次のような手順で合
成した。すなわち、SiH2Cl2をジクロロメタンに希釈
し、0℃に保持しながらNH3を気体で導入し、所定時
間反応させ。反応終了後、副生成物のNH4Clを真空吸
引濾過により除去した後、ジクロロメタンを真空除去す
ると、透明なオイル状の物質が得られた。このオイルの
比重は1.2g/cm3であった。分子量をGPCで測定したと
ころ500〜2000であった。構造は、 (H2SiNH)x〔(H2Si)1.5N〕y であると推測された。予備実験により、このポリシラザ
ンをNH3中、1000℃で熱分解すると、収率80%で茶褐
色の粉末が得られた。化学分析の結果、Si:58%、N:
36%、O:4%であることがわかった。この粉末は、X
線的には非晶質で比重は2.7g/cm3であった。
【0045】内層を形成するスラリーは、実施例1と同
一の手順で塗布した。また、外層は刷毛塗りと乾燥を2
回繰り返すことによって厚さ約3mmの膜を形成した。こ
れを100℃に保持して有機溶媒を蒸発除去した後、管状
炉に装入した。まず、N2中で200℃まで昇温して5時間
保持してポリシラザンのゲル化を進行させ、次いでガス
をNH3に切り換えて1000℃まで2℃/minで昇温して2
時間保持し、ポリシラザンの熱分解を行った。引き続
き、今度は雰囲気ガスを再びN2 50vol%+He 50vol%
の混合ガスに切り換え1400℃まで1℃/minで昇温し、10
時間保持した後、放冷した。取り出した成形体のうち1
本の外層を剥がし、膜の密度を測定した結果、理論密度
の85%であった。
【0046】次に、残りの成形体を焼結炉にセットし、
1350℃まで0.1torr以下の真空中で昇温した。この温度
で2時間保持した後、N2ガスを9.0気圧(以下、ゲージ
圧)まで供給し、1700℃まで昇温し10分保持して降温し
た。成形体の1本の外層を剥がし、密度を測定したとこ
ろ、理論密度の95%まで向上していた。従って、この膜
はガス不透過膜とみなすことができる。膜を剥がした後
の成形体の密度も同時に測定したところ、理論密度の65
%であった。
【0047】残りの成形体を実施例1と同じ方法でHI
P処理を行った。HIP処理後の試料をサンドブラスト
にかけ、表面の不透過膜を除去した。成形体は全て緻密
化が進行しており、理論密度の99.6±0.2%に達してい
ることが分かった。
【0048】比較例 実施例1と同一の条件によって、窒化珪素の成形体を10
個を作成した。一方、SiO2 96.7重量%、B23 2.9
重量%、Al23 0.4重量%の組成のガラス粉20重量部
をイソプロピルアルコール80重量部と混合し、超音波分
散機を使用して分散させスラリーとした。このスラリー
に前記成形体を浸漬し、熱風乾燥機で200℃、1時間乾
燥し、ガラス粉の付着した多孔体を得た。この多孔体に
実施例1と同一の条件によりHIP処理を施したとこ
ろ、10個のうち6個はは緻密化がすすんでおらず、この
うち4個はガラスカプセルと焼結体との間に空隙部があ
る状態であり、2個はガラスが溶け落ち、多孔体の一部
が剥き出しになっていた。4個は緻密化したが、ガラス
膜が焼結体に強固に接合されており、ガラス膜のサンド
ブラストによる完全な除去は困難であった。
【0049】
【発明の効果】本発明の不透過膜形成は、基本的に金属
珪素の直接窒化反応を利用しているので、金属珪素の窒
化に伴う体積膨張が利用でき、従来法のように粉末を塗
布する場合に比べて、膜の密度を実質的に高めることが
可能になる。さらに高めるために、金属やセラミックス
の粉と混合して塗布後の密度が高くなるように配合条件
を選んだり、熱分解後にセラミックとして残るポリシラ
ザンやポリカルボシランなどの有機または無機金属化合
物を配合しても良い。
【0050】これにより、不透過膜形成のための焼成温
度を低くするか、焼成時間を短くすることができる。ま
た、不透過膜形成時の収縮量を減少させることができる
ので、従来法で問題となっていた収縮量が大きいために
多孔質成形体を破損する問題や溶け落ち等の問題点を解
消することができる。
【0051】従って、この発明に係わる不透過膜形成法
によれば、信頼性の高い不透過膜形成が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるHIP処理条件を示す
グラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化珪素焼結体を生成する原料粉よりな
    る成形体の表面に、焼結時に窒化珪素と接合しない金属
    もしくはセラミックの粉末またはセラミック前駆体から
    なる内層と30重量%以上96重量%以下の金属珪素と焼結
    助剤を含む外層を形成し、これを窒素雰囲気で加熱して
    外層の金属珪素を窒化珪素に転化させ、熱間等方加圧処
    理して焼結体を得、その後内層および外層を除去するこ
    とを特徴とする窒化珪素焼結体の製造方法
JP3344871A 1991-12-26 1991-12-26 窒化珪素高密度焼結体の製造方法 Pending JPH05170548A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2024503523A (ja) * 2021-01-20 2024-01-25 中国科学院上海硅酸塩研究所 高熱伝導・ネットサイズ窒化珪素セラミックス基板の製造方法
JP2025157614A (ja) * 2021-03-30 2025-10-15 株式会社プロテリアル 窒化ケイ素焼結体の製造方法

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