JPH05170831A - 有芯多層構造エマルション粒子の製造方法 - Google Patents

有芯多層構造エマルション粒子の製造方法

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JPH05170831A
JPH05170831A JP34078391A JP34078391A JPH05170831A JP H05170831 A JPH05170831 A JP H05170831A JP 34078391 A JP34078391 A JP 34078391A JP 34078391 A JP34078391 A JP 34078391A JP H05170831 A JPH05170831 A JP H05170831A
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野 誠 中
Futoshi Hoshino
野 太 星
Takeshi Yanagihara
原 壯 柳
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Abstract

(57)【要約】 【目的】膨潤処理を塩基性ビニル単量体で行い、全く無
臭な有芯多層構造エマルション粒子を製造する。 【構成】芳香族ビニル単量体50〜99重量%、架橋性
ビニル単量体1〜10重量%を含有するビニル単量体
(a)、アクリル酸、メタクリル酸、などの不飽和カル
ボン酸5〜80重量%を含有するビニル単量体(b)、
ビニル単量体(c)を順次乳化重合し、次いで塩基性ビ
ニル単量体をカルボン酸の0.1〜3倍当量添加、膨潤
処理、重合し、あるいはさらにビニル単量体(d)を乳
化重合する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般の塗工紙、板紙、
軽量塗工紙、超軽量塗工紙、アート紙、キャストコート
紙などに用いられる紙塗工剤、木材、外壁、内壁などに
用いられる塗料、ファクシミリ用紙や感熱ラベルその他
の感熱記録紙などの感熱記録材料に用いられるコーティ
ング剤の添加剤として有用な、異屈折率層を形成した有
芯多層構造エマルション粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コーティング剤の添加剤として種
々の粒子状高分子重合体が検討されている。最も一般的
に使用されているものは、粒子径が0.2〜0.5μの
均一な密実型の乳化重合ポリスチレン粒子である。例え
ば、特開昭59−59741号公報によればアニオン性
界面活性剤および/またはノニオン性界面活性剤の存在
下に不飽和カルボン酸およびビニル単量体を共重合さ
せ、粒子の90%以上が0.20〜0.28μの範囲内
にある共重合体エマルションを得てこのエマルション粒
子を有機顔料として紙塗工、塗料または感熱記録材料な
どの用途に使用されている。しかしながらこの密実型エ
マルション粒子を有機顔料として用いる場合の共通の問
題点は、隠蔽性、白色度および光沢が不充分なため、多
量に用いなければ事実上の利点が認められないことにあ
る。近年、上記密実型エマルション粒子の隠蔽性、白色
度、および光沢を向上させる目的から、乾燥後の形態が
均一、密実型に代り粒子内に小孔を有する有機材料が提
案されている。代表例として米国特許第4、427、8
36号および特開昭61−62510号がある。前者
は、芯物質として不飽和カルボン酸を少なくとも5%共
重合させたポリマー分散液に、鞘ポリマーを形成するモ
ノエチレン的不飽和鞘単量体の少なくとも1種類を添加
し、乳化重合して得られるエマルション粒子中の芯ポリ
マーを水性揮発性塩基により中和膨潤させることによっ
て、乾燥した際に粒子中に微小空隙を形成する水性分散
液の製造方法に関するものである。また、後者は重合時
における異種重合体間の相分離および重合に伴う体積収
縮を利用した、粒子内部に小穴を有する合成樹脂エマル
ション粒子を製造する方法である。
【0003】以上各種の方法により製造される中空孔を
有する粒子の特徴は、従来の密実型粒子に比べて隠蔽
性、白色度および光沢性には、それなりの効果が認めら
れるが、これを以下のような用途に用いた場合、次のよ
うな問題がある。 (1)中空孔を有する粒子を紙塗工用の有機顔料として
用いる場合:従来の密実型粒子に比較して、同一添加容
量では、隠蔽性、白色度および光沢性のいずれにおいて
も優れているが、紙塗工用の性能向上への要請が一段と
増大しているため、密実型粒子の使用重量とおなじ範囲
まで使用されるのが一般的になっている。これにより隠
蔽性、白色度、光沢性については、ある程度の効果が認
められているものの、反面塗工層の強度が低下し、印刷
適正などの点で問題を生じている。さらに塗工液を塗布
した後に光沢を上げる目的で行われるキャレンダー処理
において、温度および圧力のいずれかまたは両方を上げ
て塗工表面の平滑性を増大させることが一般に行われて
いる。しかしながら、従来の粒子内部に中空孔のみを有
する粒子では、その単一構造のために粒子が潰れやす
く、隠蔽性および白色度が著しく低下してしまう。また
上述の塗工層強度の不足、および粒子の熱ならびに圧力
による変形は、キャレンダーロールへのブロッキングや
汚れ付着といった問題も引き起こし実用上の大きな難点
となる。上記欠点を改良するためには、粒子の粒子径を
変化させる、中空孔を有する粒子内の粒子内部の空隙率
を変化させる、などの手段をとりうる。前者の粒子径に
ついては隠蔽性、白色度、光沢を最大限に発揮させるた
めには、粒子径が約0.22μであること(USP4,
427,836号)、さらに粒子内部の空隙率を変化さ
せても、キャレンダー処理におけるブロッキングの発生
を防ぐことおよび塗工層の強度を向上させる目的などに
は効果がない。
【0004】以上のように中空孔を有する粒子を用い
て、優れた紙塗工用の有機顔料を得ることは困難であっ
た。 (2)塗料に用いる場合:従来の密実型粒子を用いる場
合に比べて、優れた隠蔽性や白色度を有するものの、実
際の塗工作業において隠蔽性や白色度の発現が遅いとい
う欠点が指摘されており、作業者は所望する白さが塗布
直後には得られないため、誤って過度に重ね塗りをして
しまい、目的とする塗膜厚みよりも厚く塗布されたり、
場合によっては不均一になったりする。この現象も紙塗
工用の場合と同じく粒子径または粒子内の空隙率を変化
させても解決することはできない問題である。 (3)感熱記録材料に用いる場合:感熱記録材料は最近
情報機器の多様化が進み、用いられる感熱記録材料にも
高速記録化及び熱ヘッドならびに熱ペンの低エネルギー
化などに対応できるように発色感度、印字鮮明性、白色
度、ヘッドへのカス付着およびスティッキングなごの点
における改良が要求される。
【0005】特開昭55−86789号公報には、基材
と感熱発色層の間に合成樹脂の微粒子を含む中間層を形
成し高密度でかつ鮮明な画像を得る方法が開示されてい
る。しかしながらこの方法では要求される高速記録性に
耐えうる充分な感度を得るのは困難である。特開昭59
−143683号公報には、カスの付着、スティッキン
グおよびひっかきによる圧力発色を防止する目的で、ス
チレン系の架橋微粒子を感熱発色層中に含有させる方法
が開示されている。しかしながらこの方法でも高濃度で
かつ鮮明な画像を得ることは不可能であり、実用性はな
い。
【0006】熱ヘッドの熱を有効に感熱発色層に作用さ
せる目的から、基材と感熱発色層の間に熱可塑性の粒子
内部に単一の中空孔を有する粒子を含む断熱性の中間層
を導入し、高密度でかつ鮮明な画像を得る方法が開示さ
れている(たとえば特開昭62−117787号公報お
よび特開昭63−21180号公報など)。しかしなが
らこれらの方法で用いられる粒子では、中間層の乾燥速
度が遅くなるために、さらに引き続いて感熱発色層を塗
布する際の塗工作業性などに問題が生ずる。またこの方
法ではヘッドへのカス付着やスティッキングの問題は解
決されていない。さらに感熱記録材料自体の隠蔽性や白
色度についても不足しており、高級化の要求を満足させ
るには到っていない。
【0007】以上の問題も塗料に使用する場合と同様、
中空孔を有する粒子の径または空隙層を変化させても解
決することはできない問題である。これらの問題点を解
決する新規な構造を有する微粒子として、先に本発明者
らは有芯多層構造エマルション粒子を見出すに到った
(特願平3−026678)。 しかしながら、塩基性
物質による処理を行うために、特にアンモニアを使用し
たときに製造されるエマルションの臭気が用途によって
は非常に問題となっていた。この問題は塩基性物質とし
て水酸化ナトリウムなどの無機物質を使用すれば解決で
きるが、製造時間が非常に長くなり、製造コストが高く
なるという問題が発生し、その製造方法には改善の余地
が残されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、紙塗
工剤、塗料、感熱記録材料に用いられるコーティング剤
の添加剤として有用な臭気の低減された有芯多層構造エ
マルション粒子の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく鋭
意検討を重ねた結果、塩基性ビニル単量体で膨潤処理を
行ったあとに該塩基性ビニル単量体を重合させることに
より、臭気が低減できることを見出し、本発明の製造方
法を完成するに到った。即ち、本発明は、芳香族ビニル
単量体を50〜99重量%、分子中に重合可能なビニル
基を2つ以上有する架橋性ビニル単量体を1〜10重量
%およびその他のビニル単量体を0〜49重量%含有す
るビニル単量体(a)を乳化重合して調製した、屈折率
が1.50以上の重合体(A)を芯粒子とし、次に不飽
和カルボン酸を5〜80重量%有するビニル単量体およ
びその他のビニル単量体を20〜95重量%含有するビ
ニル単量体(b)をビニル単量体(a)に対して重量で
1〜10倍となるように添加、重合して重合体(B)を
その外層部に形成させ、さらに上記不飽和カルボン酸を
0.5〜10重量%有するビニル単量体およびその他の
ビニル単量体を90〜99.5重量%含有するビニル単
量体(c)をビニル単量体(b)に対して重量で2〜1
0倍となるように添加、重合して、そのガラス転移点が
50℃以上である重合体(C)をさらにその外層部に形
成させたエマルション粒子に、塩基性ビニル単量体を重
合体(A)、(B)、(C)に含有されるカルボン酸の
0.1〜3倍当量添加し、処理、重合することにより重
合体(B)を膨潤させ、該膨潤粒子を乾燥させるか、或
いは重合体(B)を膨潤させた後、さらにビニル単量体
(d)をビニル単量体(c)に対して重量で0.5〜7
倍となるように添加、重合して、屈折率が1.50以上
の重合体(D)を最外層部に形成させ、乾燥時の粒子直
径Dが0.3〜5.0μであり、粒子内部に芯粒子を有
し、さらにその芯粒子外層部に空隙層を有する粒子であ
って、芯粒子の直径φおよび空隙層の直径dとDの比
が、それぞれ、 φ/D=0.1〜0.6(但しd>φ) d/D=0.2〜0.8 の範囲にある異屈折率層を形成した有芯多層構造エマル
ション粒子を製造する方法である。重合体(A)からな
る芯粒子の調製に用いられるビニル単量体(a)は、芳
香族ビニル単量体を50〜99重量%、分子中に重合可
能なビニル基を2つ以上有する架橋性ビニル単量体を1
〜10重量%、およびその他のビニル単量体の組み合わ
せからなる。
【0010】上記芳香族ビニル単量体としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどが挙げら
れ、中でもスチレンが好ましく用いられる。これらの芳
香族ビニル単量体は、ビニル単量体(a)中50〜99
重量%、好ましくは60〜97重量%、より好ましくは
70〜95重量%含有される。さらに上記の架橋性ビニ
ル単量体としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリメタクリレートなどが挙げられ、中でもジビニルベ
ンゼンが好ましく用いられる。これらの架橋性ビニル単
量体は、ビニル単量体(a)中1〜10重量%、好まし
くは2〜8重量%、より好ましくは3〜6重量%含有さ
れる。
【0011】ここで、重合体(A)からなる芯粒子は、
光学的には空隙(または低密度)部分を通過して進入し
てきた光を散乱、反射して粒子の隠蔽性、白色度、およ
び光沢を増大させる散乱部位として重要な役割を果た
す。この目的から、重合体(A)の屈折率は1.50以
上が必要であり、好ましく1.55以上である。また、
形状としては球状が好ましい。ここで、その屈折率が
1.50未満では芯粒子による光の散乱、反射が弱く、
目的とする隠蔽性や白色度および光沢が得られない。さ
らに、重合体(A)のガラス転移点については特に限定
はされないが、特に紙塗工用樹脂組成物として用いる場
合には、そのガラス転移点は50℃以上が好ましく、8
0℃以上がより好ましい。重合体(A)のガラス転移点
が低いと、耐熱性が低くなり、例えば紙塗工におけるカ
レンダー処理により、該有芯多層構造エマルション粒子
が熱および圧力を受け変形する際に、変芯粒子も変形し
易くなるために、粒子全体の変形を内部から芯粒子によ
り抑制することが困難となり、隠蔽性や白色度が低下し
てしまう。以上の様に、耐熱性即ちガラス転移点を向上
させる目的でビニル単量体(a)中には芳香族ビニル単
量体および架橋性単量体が使用される。さらに、ビニル
単量体(a)中に架橋性単量体を使用することにより、
芯部を形成する重合体(A)の分子量を増大させ、引き
続き形成させる重合体(B)鎖の重合体(A)内部への
拡散を制御させ、重合体(B)による外層部の形成を容
易にする。また、ビニル単量体(a)中に芳香族ビニル
単量体を含有させることにより、重合体(A)のガラス
転移点が高くなると同時に、その屈折率も高くなる。
【0012】ここで、芳香族ビニル単量体の使用量は5
0〜99重量%であり、好ましくは60〜97重量%、
より好ましくは70〜95重量%である。芳香族ビニル
単量体の使用量が50重量%未満では、上述の屈折率、
耐熱性を同時に満足することが困難となる。尚、99重
量%を越えて使用することは、架橋性ビニル単量体の添
加量が1重量%未満となり、上述の耐熱性、重合体
(B)による外層部の形成性の面において架橋性ビニル
単量体の添加効果が認められなくなる。また架橋性ビニ
ル単量体の使用量は、ビニル単量体(a)中に1〜10
重量%であり、好ましくは2〜8重量%、より好ましく
は3から6重量%である。架橋性ビニル単量体の使用量
が1重量%未満では、上述の理由により架橋性ビニル単
量体の添加効果が認められなくなる。また10重量%を
越えて使用すると、凝集物が発生し、重合が安定に進行
しなくなる場合がある。
【0013】芳香族ビニル単量体および架橋性ビニル単
量体の他に使用できるビニル単量体としては、特に、エ
マルション粒子に安定性を付与する目的からアクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸
類、スチレンスルホン酸ナトリウムなどの不飽和スルホ
ン酸塩類、(メタ)アクリル酸2ヒドロキシなどの(メ
タ)アクリル酸エステル類、もしくは(メタ)アクリル
アミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどの
アクリルアミド類などの官能性ビニル単量体を使用され
る。この官能性ビニル単量体の使用量は通常0〜5重量
%であるが、好ましくは0.1〜5重量%である。5重
量%を越えて使用すると、塩基性ビニル単量体を添加、
重合した際に、重合体(A)が膨潤、変形しやすくな
り、目的とする構造の粒子が生成しがたくなる。また、
0.1重量%未満では、芯粒子のエマルションへの安定
化効果は不十分である。さらにビニル単量体(a)中に
用いられるその他のビニル単量体としては、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルな
どのメタクリル酸エステル類、アクリル酸メチル、アク
リル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシルなどのアク
リル酸エステル類、酢酸ビニルなどのビニルエステル系
単量体、(メタ)アクリロニトリルなどのビニルシアン
系単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン
化ビニル単量体およびブタジエンなどのジエン系単量体
などが挙げられるが、その組合わせについては特に限定
されるものではない。
【0014】上記重合体(A)からなる芯粒子の外層部
に重合体(B)を形成させるビニル単量体(B)は、ア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマール酸、イ
タコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエ
ステル、フマール酸モノアルキルエステルなどの不飽和
カルボン酸5〜80重量%、その他のビニル単量体20
〜95重量%の組合せからなる。ここで上記の不飽和カ
ルボン酸の含有量は10〜50重量%が好ましく、また
アクリル酸および/またはメタクリル酸の使用が好まし
い。この不飽和カルボン酸を80重量%を越えて使用す
ると、重合体(C)をその外層部に形成させることが非
常に困難となり、得られる粒子が多層構造体とならず、
密実型の粒子になってしまう。また、5重量%未満の使
用では、その添加効果が低く、やはり目的とする粒子が
得られない。
【0015】上記の不飽和カルボン酸と組み合わせる他
のビニル単量体としては、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸
エステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸2エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル
類、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族
ビニル単量体、(メタ)アクリロニトリルなどのビニル
シアン系単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハ
ロゲン化ビニル単量体およびブタジエンなどのジエン系
単量体およびジビニルベンゼン、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメ
タクリレートなどの架橋性ビニル単量体の中から1種ま
たは2種以上組み合わされたものが使用される。
【0016】上記のようにして選択されたビニル単量体
(b)は、先のビニル単量体(a)に対して重量で1〜
10倍となるように添加、重合されるが、このましく
は、1〜5倍である。1倍未満では、量的に少なすぎる
ため、密実型の粒子が生成してしまう。また、10倍以
上添加すると、凝集物が発生し、重合が安定に進行しな
くなる。上記の重合体(A)からなる芯粒子の外層部に
重合体(B)を形成させた後、さらにビニル単量体
(c)を添加、重合させることにより、該粒子のさらに
外層部に重合体(C)を形成させる。ここで、使用され
るビニル単量体(c)は、アクリル酸、メタクリル酸、
クロトン酸、フマール酸、イタコン酸、無水マレイン
酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマール酸モノ
アルキルエステルなどの不飽和カルボン酸0.5〜10
重量%、その他のビニル単量体90〜99.5重量%の
組み合わせからなり不飽和カルボン酸の含有量は1〜8
重量%が好ましく、またアクリル酸および/またはメタ
クリル酸の使用が好ましい。この不飽和カルボン酸を1
0重量%を越えて使用すると、得られる粒子の耐水性が
低下し、さらには明確な芯粒子および空隙層の発現が妨
げられてしまい、目的とする有芯多層構造エマルション
粒子が得られない。また、0.5重量%未満では、粒子
の安定性が不足するとともに、重合体(C)を重合体
(B)の外層部に形成させるのが困難となり、やはり目
的とする粒子が得られない。
【0017】上記の不飽和カルボン酸と組合わる他のビ
ニル単量体としては、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸エス
テル類、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリ
ル酸2エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル類、酢
酸ビニルなどのビニルエステル系単量体、スチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル
化合物、(メタ)アクリロニトリルなどのビニルシアン
系単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン
化ビニル化合物およびブタジエンなどのジエン化合物、
およびジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメタク
リレートなどの架橋性単量体の中から1種または2種以
上を組合わせたものが使用される。
【0018】ここで、形成される重合体(C)のガラス
転移点は50℃以上であり、好ましくは70℃以上であ
る。50℃未満では、粒子間での融着や粒子自体の変形
が起こりやすくなり、目的とする隠蔽性、白色度、光沢
などの性能が低下してしまい、さらに低くなると、目的
とする粒子自体が得られなくなる。また、重合体(C)
の屈折率は、その外層部に重合体(D)を形成させる場
合とさせない場合で好ましい条件がことなる。即ち、前
者の場合には、光の散乱強度を各層間で増すために、重
合体(A)および重合体(D)の屈折率よりも低いこと
が好ましい。この場合には、その他のビニル単量体、即
ちビニル単量体(c)中に、特にメタクリル酸メチルを
含有することが好ましい。一方、後者の場合には、内部
の空隙層との屈折率の差を大きくすることが好ましく、
1.50以上が好ましい。上記のようにして選択された
ビニル単量体(c)は、先のビニル単量体(b)に対し
て重量で2〜10倍となるように添加、重合されるが、
好ましくは、3〜9倍である。2倍未満では生成する重
合体(C)が重合体(B)の外層部を完全には被覆出来
ないために、目的とする粒子が得られない。また、10
倍を越えて添加すると、重合体(C)からなる外層部が
厚く成り過ぎるために目的とする性能が低下してしま
う。
【0019】上記の重合体(A)からなる芯粒子の外層
部に順次重合体(B)、重合体(C)を形成させたエマ
ルション粒子に、塩基性ビニル単量体を添加、処理、重
合させることにより、本発明の有芯多層構造エマルショ
ン粒子を得る。ここで使用される塩基性ビニル単量体と
しては、アクリル酸ジメチルアミノメチル、メタクリル
酸ジメチルアミノメチル、アクリル酸ジメチルアミノエ
チル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸
ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエ
チル、アクリル酸t−ブチルアミノエチル、メタクリル
酸t−ブチルアミノエチルなどおよびこれらの4級化物
が使用される。
【0020】以上に例示した塩基性ビニル単量体は1種
または2種以上を組み合わせたものが使用されるが、そ
の添加量は重合体(A)、重合体(B)、重合体(C)
に含有されるカルボン酸の0.1〜3倍当量であり、好
ましくは0.3〜2倍当量である。添加量が0.1倍当
量未満では重合体(B)の膨潤が起こらず、充分な空隙
層を有する有芯多層構造エマルション粒子が得られな
い。また、添加量が3倍当量を越えると処理時における
エマルションの安定性が大きく損なわれ、処理を円滑に
行うことができない。
【0021】上記の有芯多層構造エマルション粒子の調
製は、通常の乳化重合法により行われる。この乳化重合
を行う場合は通常、界面活性剤を添加するが、本発明に
用いられる界面活性剤としては、アルキルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ジアルキ
ルスルホコハク酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ホ
ルマリン縮合物などのアニオン系界面活性剤;ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェノールエーテル、エチレンオキサイド−プロピ
レンオキサイドブロック共重合体、ソルビタン脂肪酸エ
ステルなどのノニオン系界面活性剤が、単独にまたは組
み合せて使用されるが、エマルション粒子を感熱記録材
料に用いる場合には、界面活性剤としては、発色層にお
ける発色を阻害することなく、また発色部の褪色を防ぐ
ために、アニオン系界面活性剤の使用が好ましい。
【0022】界面活性剤の使用量は特に限定されない
が、通常、各層間の単量体使用量に対して0.1〜10
重量%程度である。重合開始剤としては、通常の乳化重
合に使用されているものであれば良く、例えば、過硫酸
カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、な
どの過硫酸塩類;ベンゾイルハイドロパーオキサイドな
どの有機過酸化物類;アゾビスイソブチロニトリルなど
のアゾ化合物などである。必要に応じて還元剤と組み合
わせて、レドックス系開始剤として使用することもでき
る。重合体(A)から成る芯粒子エマルションを調製す
るために、上記の界面活性剤および重合開始剤、さらに
緩衝剤の存在下に、各種の単量体を一括、分割、或い
は、連続的に滴下して重合が行われる。その際、重合は
窒素パージ下に重合温度20〜90℃で行われる。この
ようにして生成された重合体(A)から成る芯粒子エマ
ルションを種粒子として、引き続いてビニル単量体
(b)、ビニル単量体(c)および塩基性ビニル単量体
を一括、分割、或いは、連続的に滴下する方法で重合が
行われる。また、別工程として重合体(A)から成る芯
粒子エマルションを前もって製造し、この芯粒子エマル
ションを種粒子として、新たに重合槽内に仕込み、ビニ
ル単量体(b)、ビニル単量体(c)および塩基性ビニ
ル単量体を上記のように添加して重合、処理を行っても
よい。このような重合体(A)、重合体(B)、重合体
(C)の調製および塩基性ビニル単量体による処理、重
合は、引き続いて1段の工程で行ってもよく、それぞれ
別工程、或いは組み合わせた工程で行ってもよく、特に
制限はされない。上記のようにして、乾燥させた時に、
粒子内部に芯粒子を有し、さらにその芯粒子外層部に空
隙層を有するエマルション粒子が得られ、その構造は粒
子自体、さらには粒子の断面を電子顕微鏡で観察するこ
とにより、容易に確認できる。
【0023】以上のようにして目的とする有芯多層構造
エマルション粒子を得た後に、さらにビニル単量体
(d)を加え乳化重合することにより、該粒子のさらに
外層部に異屈折率層となる重合体(D)を形成させるこ
ともできる。ここで使用されるビニル単量体(d)とし
ては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン
などの芳香族ビニル単量体、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステ
ル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチルなどのメタクリル酸エステル類、(メ
タ)アクリロニトリルなどのビニルシアン系単量体、酢
酸ビニルなどのビニルエステル系単量体、塩化ビニル、
塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル単量体、ブタジ
エンなどのジエン系単量体、およびジビニルベンゼン、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリメタクリレートなどの架橋性単量
体、またエマルションの安定性付与のため、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸
類、スチレンスルホン酸ナトリウムなどの不飽和スルホ
ン酸塩類、(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチルなど
の(メタ)アクリル酸エステル類、もしくは(メタ)ア
クリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド
などのアクリルアミド類などの官能性ビニル単量体が1
種または2種以上組合せて用いられる。
【0024】ビニル単量体(d)中で使用される官能性
ビニル単量体は必要に応じて0〜10重量%の範囲で使
用されるが10重量%以上使用すると粒子の耐水性に問
題を生じることがある。またジビニルベンゼンなどの架
橋性単量体は耐熱性、耐溶剤性などを向上させる目的か
ら、通常0〜20重量%使用されるが、20重量%を越
えて使用すると、凝集物が大量に発生し、重合が進行し
なくなる。さらに、ブタジエンなどのジエン系単量体
は、粒子表面に接着性を付与し、特に紙塗工用樹脂組成
物に使用する場合に塗工層強度を増大させたり、粒子表
面にゴム弾性を付与する目的から使用される。
【0025】以上のようにして選択されたビニル単量体
(d)から得られる重合体(D)の屈折率は1.50以
上、好ましくは1.55以上であり、その屈折率が1.
50未満では光の散乱および反射能が低く、目的とする
性能が得られない。ここで、重合体(D)のガラス転移
点は特に限定されるものではなく、屈折率が1.50以
上であれば、上記に挙げたビニル単量体の組合せも特に
限定されるものではない。尚、単量体(d)がビニル単
量体(c)に対して重量で0.5〜7倍となるように添
加され、前述の乳化重合法により重合が行われる。ここ
で、7倍を越えて使用されると、重合体(D)からなる
最外層部が厚くなりすぎるために目的とする性能が発現
できなくなる。一方、0.5倍未満では、その重合体
(D)の存在意義が、低下してしまう。
【0026】本発明において得られる有芯多層構造エマ
ルション粒子の粒子直径Dの範囲は0.3〜5.0μで
あるが、好ましくは0.4〜3.0μである。さらに用
途により、顔料として塗料や紙塗工に使用する場合には
0.5〜2.0μ、感熱記録材料に使用する場合には
0.5〜3.0μの範囲がより好ましい。粒子の外径が
0.3μでは目的とする有芯多層構造エマルション粒子
はえられず、密実型の粒子が生成してしまう。また、外
径が5.0μを越える粒子については安定に調製するこ
とができない。芯粒子の直径φおよび空隙層の直径dと
粒子直径Dの比は、それぞれ、 φ/D=0.1〜0.6(但しd>φ) d/D=0.2〜0.8 であるが、好ましくは、それぞれ、 φ/D=0.2〜0.4(但しd>φ) d/D=0.4〜0.8 である。d/Dが0.2未満では空隙層の系が小さすぎ
るために、目的とする隠蔽性、白色度、光沢および発色
感度が得られない。また、d/Dが0.8を越えると外
層部が非常に薄くなるために安定に空隙層を持った有芯
多層構造エマルション粒子を得ることが困難である。ま
た、φ/Dが0.1未満では芯粒子が小さすぎるため
に、芯粒子部分による光の散乱強度が低下し、目的とす
る隠蔽性、白色度、および光沢が得られない。一方、φ
/Dが0.6を越えると芯粒子の占有体積が大きくなり
すぎるために、密実型の粒子と比較して、隠蔽性、白色
度、光沢および発色感度の点で優位性が認められなくな
る。ここでさらに芯粒子の直径φ、空隙層の直径dを上
記の粒子直径Dとの比から直接その大きさで表すと以下
のようになる。すなわちφは0.01〜3.0μであ
り、好ましくは0.02〜2.0μの範囲にある。ここ
で、特に顔料として塗料や紙塗工に使用する場合には、
光の散乱効果から、0.1〜1.0μの範囲にあること
が好ましく、さらには0.1〜0.5μの範囲にあるこ
とがより好ましい。
【0027】一方、dは0.02〜4.0μであり、好
ましくは0.06〜3.2μの範囲にある。ここで、顔
料として塗料や紙塗工に使用する場合には、やはり上記
のφ同様に光の散乱から0.2〜2.0μの範囲にある
ことが好ましく、さらには0.3〜1.2μの範囲にあ
ることがより好ましい。また、感熱記録材料に使用する
場合には、0.3〜2.5μの範囲にあることが好まし
く、さらには0.5〜2.0μの範囲にあることが発色
感度、白色度、およびヘッドカスの付着防止の点からよ
り好ましい。
【0028】なお、本発明の粒子は粒子内部に単一孔の
中空孔を有するエマルション粒子より、更に優れた隠蔽
性、白色度、および光沢を有するが、これは単一孔の中
空粒子における光の散乱、反射が粒子の外表面および中
空孔内表面で起こるのに対して、本発明の粒子は、更に
中空層内内側の芯粒子表面でさらに散乱、反射を受ける
ためであると思われる。芯粒子と外層部粒子との間に介
在する空隙層は、芯粒子の位置と外層部粒子の位置より
相対的に決まる。例えば図−1に示す例は芯粒子が外層
部粒子の中央部に位置する場合であるが、芯粒子が中央
部からずれていてもかまわない。ここで、空隙層中には
重合体(B)および塩基性モノマーの重合体が非常に低
密度で存在していると考えられる。芯粒子を構成してい
る重合体(A)には、重合体(B)が重合中に一部グラ
フト化していると推論されることから、芯粒子が外層粒
子の内壁に完全に接することはなく、ある程度空隙層の
内側に固定された状態で存在していると思われる。ま
た、粒子は実際の使用においては加熱処理等によりその
形状が球から変形する可能性もあるがその場合も上記同
様に図−1に何ら限定されるものではない。
【0029】
【実施例】以下に本発明の具体的な実施例について説明
するが、本発明はこれらのみに限定されるものではな
い。尚、以下の部および%については全て重量部および
重量%を示す。 (芯粒子の調製) 芯粒子エマルション−1 攪拌機、温度計、還流コンデンサー付のセパラブルフラ
スコに水365部を仕込み、攪拌下に窒素置換しながら
70℃迄昇温する。内温を70℃に保ち、重合開始剤と
して過硫酸カリウム0.4部を添加し、溶解後、予め水
40部、ラウリル硫酸ナトリウム0.05部にスチレン
92部、メタクリル酸2部、アクリルアミド1部、ジビ
ニルベンゼン5部を攪拌下に加えて予め調製しておいた
乳化物の全量の5%をセパラブルフラスコ内に仕込み、
1時間重合した後、残りの乳化物を約2時間かけて添
加、反応させ、添加終了後約2時間の熟成を行い、芯粒
子エマルションを調製した。この芯粒子エマルションの
不揮発分は20%、粒子径φは0.19μであった(芯
粒子No.1)。同様な方法でビニル単量体(a)の組
成を変化させて調製した結果を表−1に示す。
【0030】
【表1】 ここで、重合体の屈折率nおよびガラス転移点Tgは、
成書(POLYMERHANDBOOK 2nd Ed., ed. by J. BRANDRUP
and E. H. IMMERGUT, JOHN WILLEY &SONS, 1975) に記
載されている各単独重合体の屈折率niおよびガラス転
移点Tgiと重合の際に添加した各単独重合体の重量分
率xiから下式に従って算出した。 n = Σxi・ni (1/Tg) = Σ(xi/Tgi) (有芯多層構造エマルション粒子の調製〔1〕)
【0031】実施例1 芯粒子調製の際と同様なセパラブルフラスコに上記の芯
粒子エマルション1を250部、水1154部を仕込
み、攪拌下に窒素置換しながら80℃迄昇温する。内温
を80℃に保ち、重合開始剤として過硫酸アンモニウム
2部を添加し、溶解後、予め水50部、ラウリル硫酸ナ
トリウム0.4部にメタクリル酸メチル55部、アクリ
ル酸ブチル15部、メタクリル酸30部を攪拌下に加え
て調製した乳化物を連続的に3時間かけて添加して反応
させ、添加終了後2時間の熟成を行う。続いて予め水2
50部、ラウリル硫酸ナトリウム1.0部にメタクリル
酸メチル400部、スチレン75部、メタクリル酸20
部、メタクリル酸2ヒドロキシエチル5部を攪拌下に加
えて調製した乳化物を連続的に4時間かけて添加して反
応させ、添加終了後2時間の熟成を行う。続いて、メタ
クリル酸ジエチルアミノエチル55部を連続的に30分
かけて添加し、更に30分保持して膨潤処理を行い、そ
の後t−ブチルハイドロパーオキサイド0.5部を添加
して反応させ2時間の熟成を行う。得られたエマルショ
ンは、不揮発分30%、粒子直径Dが0.56μ、粒子
内の芯粒子直径φが、0.20μ、空隙層の直径dが
0.39μであった。尚、重合体(C)の計算上のガラ
ス転移点および屈折率は、各々、108℃、1.51で
ある。
【0032】実施例2〜3 実施例1と同様に芯粒子エマルション1を使用し、ビニ
ル単量体(b)の組成および添加量を変化させて調製し
た結果を実施例2〜3として表−2に示す。尚、最終的
な不揮発分を30%程度に統一するために、添加量の変
化に伴い、最初にフラスコ内に仕込む水の量を調整して
重合を行った。
【0033】実施例4 実施例1において芯粒子エマルションをNo.2に変更
して調製した結果を実施例4として表−2に示す。 比較例1〜4 実施例1においてビニル単量体(b)の組成をメタクリ
ル酸メチル94部、アクリル酸ブチル3部、メタクリル
酸3部として調製した結果を比較例1、実施例4におい
てビニル単量体(b)の組成をメタクリル酸メチル7
部、アクリル酸ブチル3部、メタクリル酸90部として
調製した結果を比較例2、実施例1においてビニル単量
体(b)の添加量を減らし、単量体(a)と単量体
(b)の重量比を1/0.3にして調製した結果を比較
例3、さらに、実施例2においてビニル単量体(b)の
添加量を増やし、単量体(a)と単量体(b)の重量比
を1/15にして調製した結果を比較例4として、それ
ぞれ表−2に示す。 比較例5 実施例1において芯粒子エマルションをNo.3に変更
して調製した結果を比較例5として、表−2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】 実施例5〜7 実施例1および3においてビニル単量体(c)の組成お
よび添加量を変化させて調製した結果を実施例5、6お
よび7として表−3に示す。 比較例6〜7 実施例1においてビニル単量体(c)の添加量を減ら
し、単量体(b)と単量体(c)の重量比を1/0.8
にして調製した結果を比較例6、さらに、実施例1にお
いてビニル単量体(c)の組成を変更し、重合体(C)
のガラス転移点を低下させた結果を比較例7として、そ
れぞれ表−3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】実施例8〜10 実施例1において塩基性ビニル単量体の種類および添加
量を変化させて調製した結果を実施例8、9および10
として表−4に示す。 比較例8、9 実施例1において塩基性ビニル単量体の添加量を減ら
し、0.05倍当量添加して調製した結果を比較例8、
さらに、実施例1において塩基性ビニル単量体の添加量
を増加、5倍当量添加して調製した結果を比較例9とし
て、それぞれ表−4に示す。 比較例10 実施例1において塩基性ビニル単量体の代わりに28%
アンモニア水を使用して調製した結果を比較例10とし
て表−4に示す。
【0038】
【表4】
【0039】(有芯多層構造エマルション粒子の調製
〔2〕) 実施例11 実施例1の際と同様なセパラブルフラスコに実施例1で
調製したエマルション500部、水175部を仕込み、
攪拌下に窒素置換しながら80℃迄昇温する。内温を8
0℃に保ち、重合開始剤として過硫酸アンモニウム1.
5部を添加し、溶解後、予め水150部、ラウリル硫酸
ナトリウム1.2部にスチレン291部、メタクリル酸
2ヒドロキシエチル9部を攪拌下に加えて調製した乳化
物を連続的に3時間かけて添加して反応させ、添加終了
後2時間の熟成を行う。得られたエマルションは、不揮
発分40%、粒子直径Dが0.68μ、粒子内の芯粒子
直径φが、0.19μ、空隙層の直径dが0.50μで
あった。
【0040】実施例12、13 実施例11において、添加する単量体(d)の量、組成
および初期に仕込むエマルションの種類を変更して調製
した結果を実施例12、13として表−5に示す。
【0041】
【表5】
【0042】
【発明の効果】本発明により、塗料組成物、紙塗工組成
物および感熱記録材料の添加剤として非常に優れた性能
を発揮し、且つ全く無臭である、乾燥時に粒子内部に芯
粒子を有しさらにその芯粒子の外層部に空隙層を有する
有芯多層構造エマルション粒子を簡便に作製することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の有芯多層構造エマルション粒子の内
部構造を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
D: 粒子直径 d: 内部空隙層の直径 φ: 芯粒子の直径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 220/10 MLY 7242−4J D21H 19/66 19/20 (72)発明者 星 野 太 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 柳 原 壯 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ビニル単量体を50〜99重量
    %、分子中に重合可能なビニル基を2つ以上有する架橋
    性ビニル単量体を1〜10重量%およびその他のビニル
    単量体を0〜49重量%含有するビニル単量体(a)を
    乳化重合して調製した、屈折率が1.50以上の重合体
    (A)を芯粒子とし、次に不飽和カルボン酸を5〜80
    重量%有するビニル単量体およびその他のビニル単量体
    を20〜95重量%含有するビニル単量体(b)をビニ
    ル単量体(a)に対して重量で1〜10倍となるように
    添加、重合して重合体(B)をその外層部に形成させ、
    さらに上記不飽和カルボン酸を0.5〜10重量%有す
    るビニル単量体およびその他のビニル単量体を90〜9
    9.5重量%含有するビニル単量体(c)をビニル単量
    体(b)に対して重量で2〜10倍となるように添加、
    重合して、そのガラス転移点が50℃以上である重合体
    (C)をさらにその外層部に形成させたエマルション粒
    子に、塩基性ビニル単量体を重合体(A)、(B)、
    (C)に含有されるカルボン酸の0.1〜3倍当量添加
    し、処理、重合することにより重合体(B)を膨潤さ
    せ、該膨潤粒子を乾燥させるか、或いは重合体(B)を
    膨潤させた後、さらにビニル単量体(d)をビニル単量
    体(c)に対して重量で0.5〜7倍となるように添
    加、重合して、屈折率が1.50以上の重合体(D)を
    最外層部に形成させ、乾燥時の粒子直径Dが0.3〜
    5.0μであり、粒子内部に芯粒子を有し、さらにその
    芯粒子外層部に空隙層を有する粒子であって、芯粒子の
    直径φおよび空隙層の直径dとDの比が、それぞれ、 φ/D=0.1〜0.6(但しd>φ) d/D=0.2〜0.8 の範囲にある異屈折率層を形成した有芯多層構造エマル
    ション粒子を製造する方法。
  2. 【請求項2】 重合体(A)の屈折率が1.55以上で
    ある請求項1記載の有芯多層構造エマルション粒子の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 重合体(A)のガラス転移点が50℃以
    上である請求項1記載の有芯多層構造エマルション粒子
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 重合体(A)を構成するビニル単量体
    (a)中に含まれる不飽和カルボン酸が5重量%以下で
    ある請求項1記載の有芯多層構造エマルション粒子の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 重合体(A)からなる芯粒子の粒子径が
    0.1〜1.0μである請求項1記載の有芯多層構造エ
    マルション粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 ビニル単量体(a)中に含有される芳香
    族ビニル単量体がスチレンである請求項1記載の有芯多
    層構造エマルション粒子の製造方法。
  7. 【請求項7】 ビニル単量体(a)中に含有される架橋
    性単量体がジビニルベンゼンである請求項1記載の有芯
    多層構造エマルション粒子の製造方法。
  8. 【請求項8】 ビニル単量体(b)中に含まれる不飽和
    カルボン酸が、メタクリル酸および/またはアクリル酸
    である請求項1記載の有芯多層構造エマルション粒子の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 重合体(C)が最外層部となる場合に、
    その屈折率が1.50以上である請求項1記載の有芯多
    層構造エマルション粒子の製造方法。
  10. 【請求項10】重合体(C)の屈折率が重合体(A)お
    よび重合体(D)のそれぞれの屈折率よりも低いもので
    ある請求項1記載の有芯多層構造エマルション粒子の製
    造方法。
  11. 【請求項11】ビニル単量体(c)中にメタクリル酸メ
    チルを含有する請求項1記載の有芯多層構造エマルショ
    ン粒子の製造方法。
  12. 【請求項12】重合体(D)を構成するビニル単量体
    (d)中に芳香族ビニル単量体を含有する請求項1記載
    の有芯多層構造エマルション粒子の製造方法。
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