JPH0517292B2 - - Google Patents
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- JPH0517292B2 JPH0517292B2 JP60072918A JP7291885A JPH0517292B2 JP H0517292 B2 JPH0517292 B2 JP H0517292B2 JP 60072918 A JP60072918 A JP 60072918A JP 7291885 A JP7291885 A JP 7291885A JP H0517292 B2 JPH0517292 B2 JP H0517292B2
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- Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
- Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
- Fuel-Injection Apparatus (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は、給水・給湯用配管材等として優れた
耐食性(殊に耐孔食性および耐潰食性)と耐Cu
イオン溶出性を備えた銅合金管に関するものであ
る。 [従来の技術] 給水・給湯用等の配管材料としては耐食性及び
加工性の優れた脱酸銅が汎用されている。しかし
ながら脱酸銅にしても十分に要求特性を満たして
いるとは言え、水質によつては徐々にCuイオン
が溶出し青水発生の問題を生ずることがある。即
ち配管からのCuイオン溶出量が多くなつて上水
の水質基準値(Cu:1.0ppm)を超えると、Cuイ
オンにより洗濯物等が青く着色するといつた問題
が生じてくる。但し使用期間が経過するにつれて
表面に酸化皮膜が形成されCuイオンの溶出が無
くなることが知られている。しかしながら給水・
給湯用管の内面にその様な酸化銅皮膜が形成され
るまでには1〜2年といつた長期間を要し、その
間のCuイオンの溶出の問題は回避できない。一
方、また別の条件では局部的に腐食によつて孔が
あく現象即ち孔食現象が現われることがあり、こ
の場合には、短期間のうちに管壁が貫通されて水
洩れ事故を招来する。殊に孔食は酸留塩素濃度の
高い軟水の温水中において発生し易く解決が急が
れている。 本発明者等はこうした状況のもとでCuイオン
の溶出及び孔食を確実に阻止する技術について検
討し、先に特許出願を行なつた(特願昭59−
258303号)。 即ちこの先願発明は、合金元素として適量の
Al及びSnを含有させることによつて耐孔食性を
改善し、また銅合金管の内面にシリケート皮膜を
形成することによつて耐Cuイオン溶出性を高め
たものである。 即ち水中、殊に温水中で銅管の内面に最初に形
成される酸化皮膜はCu2Oであり、このCu2O皮膜
が内面に万遍なく形成されている限りCuイオン
の溶出及び孔食は生じ難い。しかし酸化剤(残留
塩素)濃度の高い温水中においては、Cu2Oは短
期間のうちにCuOにまで酸化され該酸化皮膜の大
部分はCuOに変換してしまう。 CuO皮膜は自然電位が高くて孔食発生電位を容
易に越えるので孔食発生に至る。従つて孔食を無
くす為には銅管の内面を常にCu2O皮膜で被つて
おけばよいのであるが、Cu2Oは前述の様に短期
間でCuOに変換してしまう。従つて銅表面に形成
される酸化銅皮膜の構成々分をCu2O>CuOの状
態で安定に維持させる方策が要望される。この点
上記先願発明では、合金元素としてAl:0.01〜
1.5%及びSn:0.03〜2.5%[但し(Al+Sn)≧0.1
%]を含有させることによりかなりの達成度で
Cu2O皮膜を安定化し、耐孔食性を改善している。
但しAl及Snの添加だけでは耐孔食性が完全とい
えないので、更に銅合金中に含まれる酸素量を
100ppm以下に規制し、これにより高レベルの耐
孔食性を得ることに成功している。またCuイオ
ンの溶出をより完全に防止する為に上記構成に加
えて銅合金管の内面に10〜100000Åの厚さでシリ
ケート皮膜を形成する方法も提案している。尚シ
リケート皮膜の厚さが10Å未満の場合にはCuイ
オンの溶出を1ppm以下に抑えることができず、
一方100000Åを超えると皮膜が厚くなり過ぎる為
に管にたわみ等の外力が作用したときに皮膜に亀
裂乃至剥離が生じ易くなるところから、シリケー
ト皮膜の厚さは10Å以上100000Å以下が好ましい
としている。ところが本発明者等がその後更に研
究を進めるうち、前記先願発明に係る銅合金管に
おいては、管内に流体を高流速で流すと、脱酸銅
の場合と同様に潰食と呼ばれる一種のエロージヨ
ン現象が発生するという新たな問題を残している
ことが明らかになつてきた。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明はこうした事情に着目してなされたもの
であつて耐孔食性および耐Cuイオン発生性が改
善されるだけでなく、耐潰食性にも優れた耐食性
銅合金管を提供しようとするものである。 [問題点を解決するための手段] 上記目的を達成した本発明は、下記の元素を必
須成分として含む他、 Al:0.01〜1.5% Sn:0.03〜2.5% 但し(Al+Sn)≧0.1% Zn、Fe、Ni、Co、Cr、Caからなる群から選
択される1種又は2種以上を下記条件を満足する
様に含有し、且つ酸素含有量が100ppm以下に規
制され、残部がCu及び不可避不純物からなる銅
合金を管状に成形してなるところに第1発明の要
旨があり、さらに上記に加えて、銅合金管の内面
に厚さ10〜100000Åのシリケート皮膜を形成して
なるところに第2発明の要旨が存在する。 Zn:0.1〜10% Fe、Ni、Co、、Cr、、Caの内1種又は2種以
上:夫々0.005〜1.0%で合計2%以下。 [作 用] Al及びSnを含有させる理由は前述の通りであ
り、これによつて銅合金管内面のCu2O皮膜を安
定化させることができ、耐孔食性および耐Cuイ
オン溶出性を相当に改善することができる。 また酸素含有量を100ppm以下に規定すること
により前述した如く高レベルの耐孔食性を得るこ
とができる。尚本発明を実施するに当たつては、
酸素含有量を100ppm以下に規制することを目的
として溶製段階でP、Mg、B等の脱酸剤を使用
することが多いが、これら脱酸性元素の一部は不
純物として合金中に歩留り、加工性を阻害する恐
れがある。従つて材料の加工性を考慮するとこれ
ら脱酸剤の添加は多くても0.5%、好ましくは0.1
%以下に抑えることが望ましい。 次に本発明においては、Zn、Fe、Ni、Co、、
Cr、、Caからなる群から選択される1種または2
種以上を適正量添加する必要がある。即ちZnは、
銅合金管内に液体を高流速で流した際に発生する
潰食現象を抑制する作用があり、こうしたZnの
作用は銅合金中に0.1〜10%含有させることによ
つて有効に発揮される。しかして添加量が0.1%
未満では耐潰食性改善効果が十分に発揮されず、
一方添加量が10%を超えると当該合金管の応力腐
食割れ感受性が高くなる。またZnと同様の耐潰
食性改善効果を有する元素としてFe、Ni、Co、、
Cr、、Caを挙げることができ、これらから選択さ
れる1種又は2種以上の元素を夫々0.005〜1.0%
含有させることによつても耐潰食性を改善するこ
とができる。但しこれらの元素が夫々単独で1.0
%を超え、或は合計で2.0%を超えると、材料の
加工性が著しく阻害される。尚一般に銅合金の機
械的性質は脱酸銅と略同等であり、加工し易いと
いう利点がある反面機械的強度がやや不足する
為、より高い機械的強度が求められる用途に適用
する場合は脱酸銅と同様厚肉とする必要がある。
この点上述のFe、Ni、Co、、Cr、、Caの各成分を
上記規定量配合すると、機械的性質を飛躍的に向
上させるという効果を併せて享受することができ
る。 上記の構成要件を充足する銅合金管は前述の様
な作用を有しており、従来の耐食性銅合金管に比
べて卓越した耐孔食性並びに耐潰食性を発揮す
る。しかしながら使用開始初期の酸化銅皮膜(以
下特記しない限りCu2O>CuOの酸化銅皮膜を意
味する)が形成が不完全である時期においては、
若干量のCuイオンが溶出することは否めない。
そこで使用開始期からCuイオンの溶出を実用上
問題にならない程度まで軽減する為には、前述の
如く上記銅合金管の内面に適当な厚さのシリケー
ト皮膜を形成しておくのがよい。 シリケート皮膜を形成させる化合物の具体例と
してはリチウムシリケート、ナトリウムシリケー
ト、カリウムシリケート、アミンシリケート、エ
チルシリケート、コロイダルシリカ等が挙げられ
るが、本発明で特にシリケート系を選択した理由
は次の通りである。 ろう付け時等の加熱によつて皮膜が劣化する
ことがなく、且つ有害ガスを生じない。 使用中に皮膜が剥離する場合、極めて微細
(100μm以下)な破片となつて溶出していくの
で管やバルブ等を閉塞する恐れがなく、且つ人
体に全く無害である。 シリケート皮膜は親水性で且つ多孔質である
為、該皮膜の下部(即ち銅合金素材の表面)で
は酸化銅皮膜が徐々に成長していく。しかもシ
リケート皮膜自体は水に可溶性であり、人体に
無害なSiO2となつて徐々に水中に溶出してい
くが、シリケート皮膜による表面皮覆効果が失
なわれた時点(シリケート皮膜が溶出してしま
つた時点)ではすでに耐食性の酸化銅皮膜の形
成が完了している為、使用の初期からCuイオ
ンの溶出を実用上問題にならない程度に軽減す
ることができる。 そして上記の様なシリケート皮膜の効果を有効
に発揮させ、殊に使用開始期におけるCuイオン
の溶出量を1ppm未満に抑える為には、膜厚を10
〜100000Åとしなければならない。その理由は前
述の通りである。尚シリケート皮膜の形成法は特
に限定されないが、最も一般的なのは製管工程で
銅合金管内面に付着した潤滑油を脱脂剤により除
去した後、前記シリケート系化合物の単独若しく
は2種以上を水に希釈して管内面に塗布し、加熱
炉或は熱風乾燥炉等で100〜200℃に数分乃至数十
分加熱し脱水する方法である。 ところで通常の脱酸銅管の場合、上記の様な方
法でシリケート皮膜を形成しても該皮膜を強固に
密着させることができず、3か月程度の通水で皮
膜の約5割が剥離して表面保護効果が有効に発揮
されない。しかしながら前述の如く適量のAlを
添加した銅合金管を使用するとシリケート皮膜の
密着性は飛躍的に向上し、シリケート皮膜の表面
保護効果が最大限有効に発揮される。この理由
は、銅合金中のAlとシリケート皮膜中のSiが接
合界面で共有結合を起こす為と考えられる。即ち
本明細書に開示する第2の発明(内面にシリケー
ト皮膜を形成した耐食性銅合金管)において管素
材中に配合されるAlは、前述の如くSnとの共存
による酸化銅皮膜組成の安定化(Cu2O>CuO)
に加えて、シリケート皮膜の密着性向上という重
要な機能を発揮するものである。 [実施例] 実施例 1 第1表に示す化学成分の合金を高周波溶解炉を
用いて溶製し、得られた5Kgの鋳塊を熱間圧延に
よつて厚さ8mmの板材とした。この板材を500℃
×30分の焼鈍に付した後冷間圧延することによ
り、厚さが0.6mmの銅合金板を得た。 これらの試料について、回転円板式潰食促進試
験により耐潰食性を、又浸漬試験により耐孔食性
を夫々調べた。結果を第2表に示す。尚試験条件
は第3表に示す通りとした。
耐食性(殊に耐孔食性および耐潰食性)と耐Cu
イオン溶出性を備えた銅合金管に関するものであ
る。 [従来の技術] 給水・給湯用等の配管材料としては耐食性及び
加工性の優れた脱酸銅が汎用されている。しかし
ながら脱酸銅にしても十分に要求特性を満たして
いるとは言え、水質によつては徐々にCuイオン
が溶出し青水発生の問題を生ずることがある。即
ち配管からのCuイオン溶出量が多くなつて上水
の水質基準値(Cu:1.0ppm)を超えると、Cuイ
オンにより洗濯物等が青く着色するといつた問題
が生じてくる。但し使用期間が経過するにつれて
表面に酸化皮膜が形成されCuイオンの溶出が無
くなることが知られている。しかしながら給水・
給湯用管の内面にその様な酸化銅皮膜が形成され
るまでには1〜2年といつた長期間を要し、その
間のCuイオンの溶出の問題は回避できない。一
方、また別の条件では局部的に腐食によつて孔が
あく現象即ち孔食現象が現われることがあり、こ
の場合には、短期間のうちに管壁が貫通されて水
洩れ事故を招来する。殊に孔食は酸留塩素濃度の
高い軟水の温水中において発生し易く解決が急が
れている。 本発明者等はこうした状況のもとでCuイオン
の溶出及び孔食を確実に阻止する技術について検
討し、先に特許出願を行なつた(特願昭59−
258303号)。 即ちこの先願発明は、合金元素として適量の
Al及びSnを含有させることによつて耐孔食性を
改善し、また銅合金管の内面にシリケート皮膜を
形成することによつて耐Cuイオン溶出性を高め
たものである。 即ち水中、殊に温水中で銅管の内面に最初に形
成される酸化皮膜はCu2Oであり、このCu2O皮膜
が内面に万遍なく形成されている限りCuイオン
の溶出及び孔食は生じ難い。しかし酸化剤(残留
塩素)濃度の高い温水中においては、Cu2Oは短
期間のうちにCuOにまで酸化され該酸化皮膜の大
部分はCuOに変換してしまう。 CuO皮膜は自然電位が高くて孔食発生電位を容
易に越えるので孔食発生に至る。従つて孔食を無
くす為には銅管の内面を常にCu2O皮膜で被つて
おけばよいのであるが、Cu2Oは前述の様に短期
間でCuOに変換してしまう。従つて銅表面に形成
される酸化銅皮膜の構成々分をCu2O>CuOの状
態で安定に維持させる方策が要望される。この点
上記先願発明では、合金元素としてAl:0.01〜
1.5%及びSn:0.03〜2.5%[但し(Al+Sn)≧0.1
%]を含有させることによりかなりの達成度で
Cu2O皮膜を安定化し、耐孔食性を改善している。
但しAl及Snの添加だけでは耐孔食性が完全とい
えないので、更に銅合金中に含まれる酸素量を
100ppm以下に規制し、これにより高レベルの耐
孔食性を得ることに成功している。またCuイオ
ンの溶出をより完全に防止する為に上記構成に加
えて銅合金管の内面に10〜100000Åの厚さでシリ
ケート皮膜を形成する方法も提案している。尚シ
リケート皮膜の厚さが10Å未満の場合にはCuイ
オンの溶出を1ppm以下に抑えることができず、
一方100000Åを超えると皮膜が厚くなり過ぎる為
に管にたわみ等の外力が作用したときに皮膜に亀
裂乃至剥離が生じ易くなるところから、シリケー
ト皮膜の厚さは10Å以上100000Å以下が好ましい
としている。ところが本発明者等がその後更に研
究を進めるうち、前記先願発明に係る銅合金管に
おいては、管内に流体を高流速で流すと、脱酸銅
の場合と同様に潰食と呼ばれる一種のエロージヨ
ン現象が発生するという新たな問題を残している
ことが明らかになつてきた。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明はこうした事情に着目してなされたもの
であつて耐孔食性および耐Cuイオン発生性が改
善されるだけでなく、耐潰食性にも優れた耐食性
銅合金管を提供しようとするものである。 [問題点を解決するための手段] 上記目的を達成した本発明は、下記の元素を必
須成分として含む他、 Al:0.01〜1.5% Sn:0.03〜2.5% 但し(Al+Sn)≧0.1% Zn、Fe、Ni、Co、Cr、Caからなる群から選
択される1種又は2種以上を下記条件を満足する
様に含有し、且つ酸素含有量が100ppm以下に規
制され、残部がCu及び不可避不純物からなる銅
合金を管状に成形してなるところに第1発明の要
旨があり、さらに上記に加えて、銅合金管の内面
に厚さ10〜100000Åのシリケート皮膜を形成して
なるところに第2発明の要旨が存在する。 Zn:0.1〜10% Fe、Ni、Co、、Cr、、Caの内1種又は2種以
上:夫々0.005〜1.0%で合計2%以下。 [作 用] Al及びSnを含有させる理由は前述の通りであ
り、これによつて銅合金管内面のCu2O皮膜を安
定化させることができ、耐孔食性および耐Cuイ
オン溶出性を相当に改善することができる。 また酸素含有量を100ppm以下に規定すること
により前述した如く高レベルの耐孔食性を得るこ
とができる。尚本発明を実施するに当たつては、
酸素含有量を100ppm以下に規制することを目的
として溶製段階でP、Mg、B等の脱酸剤を使用
することが多いが、これら脱酸性元素の一部は不
純物として合金中に歩留り、加工性を阻害する恐
れがある。従つて材料の加工性を考慮するとこれ
ら脱酸剤の添加は多くても0.5%、好ましくは0.1
%以下に抑えることが望ましい。 次に本発明においては、Zn、Fe、Ni、Co、、
Cr、、Caからなる群から選択される1種または2
種以上を適正量添加する必要がある。即ちZnは、
銅合金管内に液体を高流速で流した際に発生する
潰食現象を抑制する作用があり、こうしたZnの
作用は銅合金中に0.1〜10%含有させることによ
つて有効に発揮される。しかして添加量が0.1%
未満では耐潰食性改善効果が十分に発揮されず、
一方添加量が10%を超えると当該合金管の応力腐
食割れ感受性が高くなる。またZnと同様の耐潰
食性改善効果を有する元素としてFe、Ni、Co、、
Cr、、Caを挙げることができ、これらから選択さ
れる1種又は2種以上の元素を夫々0.005〜1.0%
含有させることによつても耐潰食性を改善するこ
とができる。但しこれらの元素が夫々単独で1.0
%を超え、或は合計で2.0%を超えると、材料の
加工性が著しく阻害される。尚一般に銅合金の機
械的性質は脱酸銅と略同等であり、加工し易いと
いう利点がある反面機械的強度がやや不足する
為、より高い機械的強度が求められる用途に適用
する場合は脱酸銅と同様厚肉とする必要がある。
この点上述のFe、Ni、Co、、Cr、、Caの各成分を
上記規定量配合すると、機械的性質を飛躍的に向
上させるという効果を併せて享受することができ
る。 上記の構成要件を充足する銅合金管は前述の様
な作用を有しており、従来の耐食性銅合金管に比
べて卓越した耐孔食性並びに耐潰食性を発揮す
る。しかしながら使用開始初期の酸化銅皮膜(以
下特記しない限りCu2O>CuOの酸化銅皮膜を意
味する)が形成が不完全である時期においては、
若干量のCuイオンが溶出することは否めない。
そこで使用開始期からCuイオンの溶出を実用上
問題にならない程度まで軽減する為には、前述の
如く上記銅合金管の内面に適当な厚さのシリケー
ト皮膜を形成しておくのがよい。 シリケート皮膜を形成させる化合物の具体例と
してはリチウムシリケート、ナトリウムシリケー
ト、カリウムシリケート、アミンシリケート、エ
チルシリケート、コロイダルシリカ等が挙げられ
るが、本発明で特にシリケート系を選択した理由
は次の通りである。 ろう付け時等の加熱によつて皮膜が劣化する
ことがなく、且つ有害ガスを生じない。 使用中に皮膜が剥離する場合、極めて微細
(100μm以下)な破片となつて溶出していくの
で管やバルブ等を閉塞する恐れがなく、且つ人
体に全く無害である。 シリケート皮膜は親水性で且つ多孔質である
為、該皮膜の下部(即ち銅合金素材の表面)で
は酸化銅皮膜が徐々に成長していく。しかもシ
リケート皮膜自体は水に可溶性であり、人体に
無害なSiO2となつて徐々に水中に溶出してい
くが、シリケート皮膜による表面皮覆効果が失
なわれた時点(シリケート皮膜が溶出してしま
つた時点)ではすでに耐食性の酸化銅皮膜の形
成が完了している為、使用の初期からCuイオ
ンの溶出を実用上問題にならない程度に軽減す
ることができる。 そして上記の様なシリケート皮膜の効果を有効
に発揮させ、殊に使用開始期におけるCuイオン
の溶出量を1ppm未満に抑える為には、膜厚を10
〜100000Åとしなければならない。その理由は前
述の通りである。尚シリケート皮膜の形成法は特
に限定されないが、最も一般的なのは製管工程で
銅合金管内面に付着した潤滑油を脱脂剤により除
去した後、前記シリケート系化合物の単独若しく
は2種以上を水に希釈して管内面に塗布し、加熱
炉或は熱風乾燥炉等で100〜200℃に数分乃至数十
分加熱し脱水する方法である。 ところで通常の脱酸銅管の場合、上記の様な方
法でシリケート皮膜を形成しても該皮膜を強固に
密着させることができず、3か月程度の通水で皮
膜の約5割が剥離して表面保護効果が有効に発揮
されない。しかしながら前述の如く適量のAlを
添加した銅合金管を使用するとシリケート皮膜の
密着性は飛躍的に向上し、シリケート皮膜の表面
保護効果が最大限有効に発揮される。この理由
は、銅合金中のAlとシリケート皮膜中のSiが接
合界面で共有結合を起こす為と考えられる。即ち
本明細書に開示する第2の発明(内面にシリケー
ト皮膜を形成した耐食性銅合金管)において管素
材中に配合されるAlは、前述の如くSnとの共存
による酸化銅皮膜組成の安定化(Cu2O>CuO)
に加えて、シリケート皮膜の密着性向上という重
要な機能を発揮するものである。 [実施例] 実施例 1 第1表に示す化学成分の合金を高周波溶解炉を
用いて溶製し、得られた5Kgの鋳塊を熱間圧延に
よつて厚さ8mmの板材とした。この板材を500℃
×30分の焼鈍に付した後冷間圧延することによ
り、厚さが0.6mmの銅合金板を得た。 これらの試料について、回転円板式潰食促進試
験により耐潰食性を、又浸漬試験により耐孔食性
を夫々調べた。結果を第2表に示す。尚試験条件
は第3表に示す通りとした。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
第1表に示す様に、No.1〜5は耐潰食性向上成
分としてZnを適正量添加した実施例であり、優
れた耐孔食性を有するばかりでなく、耐潰食性に
ついても優れた値を示している。No.6〜13は耐潰
食性向上成分としてFe、Ni、Co、、Cr、、Caのい
ずれか1種又は2種以上を適正量添加した実施例
であり、耐孔食性および耐潰食性共に優れた値が
得られた。No.14〜20は耐潰食性向上成分として
Fe、Ni、Co、、Cr、、Caのいずれか1種又は2種
以上並びにZnを適正量添加した実施例で、耐孔
食性が優れると共に、前記実施例より一層優れた
耐潰食性を示している。またNo.6〜20については
Fe、Ni、Co、、Cr、、Caを適正量添加したことの
副次効果として機械的性質が顕著に改善されてい
る。 実施例 2 第4表に示す化学成分の銅合金を用いて22.2mm
φ×0.81mmt×1000mmの供試管を製造し、実施
例1の耐孔食性試験に用いたものと同じ水質のモ
デル給湯水を使用して流速2m/secで通水実験を
行ない、通水開始からのCuイオン溶出量の変化
を求めた。但しCuイオン溶出量は所定の測定期
に各供試管内にモデル給湯水を充満して24時間放
置し、この間に該給湯水中に溶出したCuイオン
を定量することによつて求めた。
分としてZnを適正量添加した実施例であり、優
れた耐孔食性を有するばかりでなく、耐潰食性に
ついても優れた値を示している。No.6〜13は耐潰
食性向上成分としてFe、Ni、Co、、Cr、、Caのい
ずれか1種又は2種以上を適正量添加した実施例
であり、耐孔食性および耐潰食性共に優れた値が
得られた。No.14〜20は耐潰食性向上成分として
Fe、Ni、Co、、Cr、、Caのいずれか1種又は2種
以上並びにZnを適正量添加した実施例で、耐孔
食性が優れると共に、前記実施例より一層優れた
耐潰食性を示している。またNo.6〜20については
Fe、Ni、Co、、Cr、、Caを適正量添加したことの
副次効果として機械的性質が顕著に改善されてい
る。 実施例 2 第4表に示す化学成分の銅合金を用いて22.2mm
φ×0.81mmt×1000mmの供試管を製造し、実施
例1の耐孔食性試験に用いたものと同じ水質のモ
デル給湯水を使用して流速2m/secで通水実験を
行ない、通水開始からのCuイオン溶出量の変化
を求めた。但しCuイオン溶出量は所定の測定期
に各供試管内にモデル給湯水を充満して24時間放
置し、この間に該給湯水中に溶出したCuイオン
を定量することによつて求めた。
【表】
結果は第1図に示す通りであり、合金成分が適
正である管の内面に適当な厚さのシリケート皮膜
を形成したもの(符号:A,C)では、通水開始
からCuイオンの溶出量を極めて低レベルに抑え
ることができた。しかしシリケート皮膜を形成し
なかつたもの(符号:B,D,F)については、
合金成分の如何を問わず通水初期には高いレベル
のCuイオンが溶出した。またシリケート皮膜を
形成した場合でも、合金成分が適正でないもの
(符号:E)ではシリケート皮膜の密着性が低く
皮膜の寿命が短いので、Cuイオンの溶出抑制効
果が不十分であつた。 [発明の効果] 本発明は以上の様に構成されており、適正量の
Al及びSnを含有させると共に酸素量を制限する
ことによつて卓越した耐孔食性を得ることができ
る。またZn、Fe、Co、、Cr、、Caよりなる群から
選択される成分を適正量含有させることによつて
優れた耐潰食性を得ることができる。特にFe、
Co、、Cr、、Caのいずれかを選択した場合には、
耐潰食性改善効果に加えて機械的性質を大幅に改
善することができ、高い機械的性質が要求される
用途においても管を薄肉化することができる。し
かも銅合金管の内面にシリケート皮膜を形成する
ことにより通水初期におけるCuイオンの溶出量
を大幅に低減することができ、青水発生等の水質
劣化を確実に防止することができる。
正である管の内面に適当な厚さのシリケート皮膜
を形成したもの(符号:A,C)では、通水開始
からCuイオンの溶出量を極めて低レベルに抑え
ることができた。しかしシリケート皮膜を形成し
なかつたもの(符号:B,D,F)については、
合金成分の如何を問わず通水初期には高いレベル
のCuイオンが溶出した。またシリケート皮膜を
形成した場合でも、合金成分が適正でないもの
(符号:E)ではシリケート皮膜の密着性が低く
皮膜の寿命が短いので、Cuイオンの溶出抑制効
果が不十分であつた。 [発明の効果] 本発明は以上の様に構成されており、適正量の
Al及びSnを含有させると共に酸素量を制限する
ことによつて卓越した耐孔食性を得ることができ
る。またZn、Fe、Co、、Cr、、Caよりなる群から
選択される成分を適正量含有させることによつて
優れた耐潰食性を得ることができる。特にFe、
Co、、Cr、、Caのいずれかを選択した場合には、
耐潰食性改善効果に加えて機械的性質を大幅に改
善することができ、高い機械的性質が要求される
用途においても管を薄肉化することができる。し
かも銅合金管の内面にシリケート皮膜を形成する
ことにより通水初期におけるCuイオンの溶出量
を大幅に低減することができ、青水発生等の水質
劣化を確実に防止することができる。
第1図は通水期間とCuイオン溶出量の関係を
示すグラフである。
示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 下記の元素を必須成分として含む他、 Al:0.01〜1.5%(重量%:以下同じ) Sn:0.03〜2.5% 但し(Al+Sn)≧0.1% Zn、Fe、Ni、Co、Cr、Caからなる群から選
択される1種又は2種以上を下記条件を満足する
様に含有し、且つ酸素含有量が100ppm以下に規
制され、残部がCi及び不可避不純物からなる銅合
金を管状に成形してなることを特徴とする耐食性
銅合金管。 Zn:0.1〜10% Fe、Ni、Co、Cr、Caの内1種又は2種以
上:夫々0.005〜1.0%で合計2%以下。 2 下記の元素を必須成分として含む他、 Al:0.01〜1.5% Sn:0.03〜2.5% 但し(Al+Sn)≧0.1% Zn、Fe、Ni、Co、Cr、Caからなる群から選択
される1種又は2種以上を下記条件を満足する様
に含有し、且つ酸素含有量が100ppm以下に規制
され、残部がCu及び不可避不純物からなる銅合
金管の内面に、厚さ10〜100000Åのシリケート被
膜を形成してなることを特徴とする耐食性銅合金
管。 Zn:0.1〜10% Fe、Ni、Co、Cr、Caの内1種又は2種以
上:夫々0.005〜1.0%で合計2%以下。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7291885A JPS61231131A (ja) | 1985-04-05 | 1985-04-05 | 耐食性銅合金管 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7291885A JPS61231131A (ja) | 1985-04-05 | 1985-04-05 | 耐食性銅合金管 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61231131A JPS61231131A (ja) | 1986-10-15 |
| JPH0517292B2 true JPH0517292B2 (ja) | 1993-03-08 |
Family
ID=13503211
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7291885A Granted JPS61231131A (ja) | 1985-04-05 | 1985-04-05 | 耐食性銅合金管 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61231131A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| JP4794802B2 (ja) | 2002-11-21 | 2011-10-19 | Jx日鉱日石金属株式会社 | 銅合金スパッタリングターゲット及び半導体素子配線 |
| CN100439558C (zh) | 2003-03-17 | 2008-12-03 | 日矿金属株式会社 | 铜合金溅射靶、其制造方法以及半导体元件布线 |
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| US4519980A (en) * | 1983-05-31 | 1985-05-28 | Hitachi Cable, Ltd. | Fin materials for automobile radiators |
| JPS59226142A (ja) * | 1983-06-06 | 1984-12-19 | Nippon Mining Co Ltd | 耐食性に優れた銅合金 |
| JPS59229450A (ja) * | 1983-06-10 | 1984-12-22 | Nippon Mining Co Ltd | 耐食性に優れた銅合金 |
-
1985
- 1985-04-05 JP JP7291885A patent/JPS61231131A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61231131A (ja) | 1986-10-15 |
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