JPH05175572A - 磁気抵抗効果素子とそれを用いた磁気ヘッドおよび記録再生装置 - Google Patents

磁気抵抗効果素子とそれを用いた磁気ヘッドおよび記録再生装置

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JPH05175572A
JPH05175572A JP3338640A JP33864091A JPH05175572A JP H05175572 A JPH05175572 A JP H05175572A JP 3338640 A JP3338640 A JP 3338640A JP 33864091 A JP33864091 A JP 33864091A JP H05175572 A JPH05175572 A JP H05175572A
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JP
Japan
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magnetic
magnetoresistive effect
multilayer film
layer
magnetic field
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JP3338640A
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English (en)
Inventor
Ryoichi Nakatani
亮一 中谷
Moichi Otomo
茂一 大友
Ken Sugita
愃 杉田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】磁気抵抗効果素子10におけるバルクハウゼン
ノイズを抑止するために、多層構造を有する磁気抵抗効
果膜7の磁化容易方向もしくは磁界検出方向と直角の方
向にバイアス磁界を印加した。バイアス印加する方法と
しては、永久磁石層8を多層膜の端部に積層する方法な
どを採用した。さらに、上記磁気抵抗効果素子10を磁
気センサ、磁気ヘッドおよび磁気記録再生装置に適用し
た。 【効果】本発明の多層膜からなる磁気抵抗効果膜を用い
た磁気抵抗効果素子は、バルクハウゼンノイズが発生す
ることなく、この磁気抵抗効果素子を使用した磁気ヘッ
ドは優れた再生特性を示した。また、上記磁気ヘッドを
磁気記録再生装置に搭載することにより高性能の磁気記
録再生装置が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性層と非磁性層とを
積層して構成した多層膜からなる高い磁気抵抗効果を有
する磁気抵抗効果素子において、特にバルクハウゼンノ
イズを抑止するの好適な構造の磁気抵抗効果素子と、そ
れを用いた磁気ヘッドおよび磁気記録再生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】磁気記録の高密度化に伴い、再生用磁気
ヘッドに用いられる磁気抵抗効果材料として、高い磁気
抵抗効果を示す材料が求められている。現在、多く使用
されているパ−マロイの磁気抵抗変化率は約3%であ
り、新材料としてはこれを上回る磁気抵抗変化率を有す
ることが要望されている。最近、Baibichらによ
る、フィジカル・レビュ−・レタ−ズ(Pysical
Review Letters)、第61巻、第21
号、第2472〜2475頁に記載の「(001)Fe
/(001)Cr磁性超格子の巨大磁気抵抗効果」(G
iant Magnetoresistance of
(001)Fe/(001)Cr Magnetic
Superlattices)のように、多層構造を
持つ磁性膜(Fe/Cr多層膜)において、約50%の
磁気抵抗変化率(4.2Kにおいて)が観測されてい
る。また、新庄らによる、ジャ−ナル・オブ・ザ・フィ
ジカル・ソサイエティー・オブ・ジャパン(Journ
al of ThePhysical Society
of Japan)、第59巻、第9号、第3061
〜3064頁に記載の「磁界誘導した巨大フェリ磁性多
層膜の大きい磁気抵抗効果(LargeMagneto
resistance of Field−Induc
ed Giant Ferrimagnetic Mu
ltilayers)」のように、多層構造を持つ磁性
膜(Co/Cu/Ni−Fe/Co多層膜)において、
9.9%の磁気抵抗変化率が観測されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した多層膜構造を
有する磁気抵抗効果膜を用いても、従来材料であるパー
マロイなどのNi−Fe系合金を磁気抵抗効果膜とした
磁気抵抗効果素子における場合と同様に、バルクハウゼ
ンノイズが発生するという問題があった。
【0004】本発明の目的は、上記従来技術における問
題点を解消するものであって、多層膜構造の磁気抵抗効
果素子において、効果的にバルクハウゼンノイズの発生
を抑止できる構造の磁気抵抗効果素子およびそれを用い
た高性能の磁気ヘッドならびに高い記録密度を有する高
性能の磁気記録再生装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者等は、種々の材料および膜厚を有する磁性
層、非磁性層を積層した多層構造の磁性膜を用いた磁気
抵抗効果素子について、鋭意研究を重ねた結果、磁性層
の磁化容易方向にバイアス磁界を印加することにより、
バルクハウゼンノイズを効果的に抑止することができる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、
磁性層と非磁性層とを積層した多層構造の磁気抵抗効果
膜を用いた磁気抵抗効果素子において、上記磁性層の磁
化容易方向にバイアス磁界を印加することにより、バル
クハウゼンノイズを抑止することができる。この方式
は、保磁力が他の磁性層と異なる磁性層を少なくとも一
層含む多層膜、異方性磁界が他の磁性層と異なる磁性層
を少なくとも一層含む多層膜、外部磁界のない時に磁性
層間の交換相互作用により各磁性層の磁化の向きが反平
行に向いている多層膜、または磁性層の少なくとも1層
が他の磁性層と異なる磁化容易方向を持つ多層膜などか
らなる磁気抵抗効果素子に適用することができる。そし
て、上記のバイアス磁界を印加する方法としては、永久
磁石層を利用する方法または反強磁性層を利用する方法
等が挙げられる。
【0006】また、バルクハウゼンノイズを抑止した磁
気抵抗効果素子は、磁界を検出する磁界センサ、記録情
報の再生を行う磁気ヘッドなどとして好適に用いること
ができる。さらに、磁気抵抗効果素子からなる再生用磁
気ヘッドと情報の記録または消去を行う誘導型の磁気ヘ
ッド等を組み合わせて、磁気記録、消去もしくは再生を
行う磁気記録再生装置に搭載することにより、バルクハ
ウゼンノイズを抑止した高性能の磁気記録再生装置を実
現することができる。そして、本発明の磁気抵抗効果素
子を用いた磁気ヘッドは、狭トラック幅の記録再生にお
いて高い性能を発揮するため、これを磁気記録装置に適
用することにより高い記録密度を有する高性能の磁気デ
ィスク装置等を実現することができる
【0007】。
【作用】本発明の磁性層と非磁性層を積層した多層膜を
用いた磁気抵抗効果素子において、上記多層膜を構成す
る磁性層の磁化容易方向にバイアス磁界を印加すること
により、バルクハウゼンノイズを効果的に抑止すること
ができる。この方式は、保磁力が他の磁性層と異なる磁
性層を少なくとも一層含む多層膜、異方性磁界が他の磁
性層と異なる磁性層を少なくとも一層含む多層膜、外部
磁界のない時に磁性層間の交換相互作用により各磁性層
の磁化の向きが反平行に向いている多層膜、または磁性
層の少なくとも1層が他の磁性層と異なる磁化容易方向
を持つ多層膜構造の磁気抵抗効果素子に適用することが
できる。上記バイアス磁界を印加する方法としては、永
久磁石層を利用する方法または反強磁性層を利用する方
法等がある。また、バルクハウゼンノイズを抑止した磁
気抵抗効果素子は、磁界センサ、再生用磁気ヘッド等と
して狭トラック幅の記録再生において高性能を発揮する
ことができるので、記録または消去用の誘導型磁気ヘッ
ドとを組み合わせることにより、バルクハウゼンノイズ
の生じない高い記録密度を有する高性能の磁気記録再生
装置を実現することが可能となる。
【0008】
【実施例】以下に本発明の一実施例を挙げ、図面を用い
てさらに詳細に説明する。 [実施例1]多層膜の作製には真空蒸着法を用いた。到
達真空度は、1/108Pa、膜形成速度は、0.2〜
0.6nm/sとした。膜形成時には、膜面と平行に2
0kA/m(250エルステッド)の磁界を印加した。
基板には、コ−ニング社製7059ガラスを用いた。形
成した多層膜の断面構造を図2に示す。図において、磁
性層1と磁性層2は保磁力が異なる。本実施例では、ま
ず、従来例として、新庄らによる、ジャ−ナル・オブ・
ザ・フィジカル・ソサイエティ−・オブ・ジャパン(J
ournal of The Physical So
ciety of Japan)、第59巻、第9号、
第3061〜3064頁に記載の「磁界誘導した巨大フ
ェリ磁性多層膜の大きい磁気抵抗効果(Large M
agnetoresistance of Field
−Induced GiantFerrimagnet
ic Multilayers)」のなかで論じられて
いるのと同様の多層膜であるCo(3nm)/Cu(5
nm)/Ni−Fe(3nm)/Cu(5nm)を10
周期積層した。すなわち、磁性層1としてCo、磁性層
2としてNi−Fe系合金、非磁性層3としてCuを用
いた。この多層膜を用いて、図3に示す従来型の磁気抵
抗効果素子を作製した。図に示すごとく、磁気抵抗効果
素子6は、多層膜4の端部に電極5を設けた構造とし
た。この従来の磁気抵抗効果素子6に、磁界を印加し磁
気抵抗効果を測定した。その結果を図4に示す。なお、
磁界の印加方向は多層膜4の電流の流れる方向に対し直
角とした。図4に示すごとく、従来の磁気抵抗効果素子
6では磁性層中の磁壁移動に起因するバルクハウゼンノ
イズが観測された。次に、図2に示す多層膜を用いて、
図1に示す本発明の磁気抵抗効果素子10を作製した。
図に示すごとく、磁気抵抗効果素子10は、多層膜7の
端部に永久磁石層8を積層し、さらに電極9を積層した
構造である。本実施例では、永久磁石層8として、Co
−20at(原子)%Pt合金を用いた。また、多層膜
7の長手方向に800kA/m[10kOe(キロ・エ
ルステッド)]の磁界を印加し、上記永久磁石層8を着
磁させた。この磁気抵抗効果素子10に、永久磁石の保
磁力よりも低い磁界を印加し磁気抵抗効果を測定した。
その結果を図5に示す。なお、磁界の印加方向は、多層
膜7の電流の流れる方向に対し直角とした。図5に示す
ように、本発明の磁気抵抗効果素子10は磁性層中の磁
壁移動に起因するバルクハウゼンノイズは全く生じなか
った。これは、永久磁石層8から発生する磁界が多層膜
7の長手方向(多層膜の磁化容易方向)に常に印加さ
れ、多層膜7に磁壁が発生し難くなったためであると考
えられる。
【0009】以上述べたように、磁気抵抗効果を有する
多層膜の磁化容易方向にバイアス磁界を印加することに
より、多層膜を用いた磁気抵抗効果素子のバルクハウゼ
ンノイズを抑止することができる。また多層膜には、各
磁性層に均一にバイアス磁界を印加することが好ましい
ため、本実施例で示したように、永久磁石層を用いるこ
とが望ましい。また、本実施例では、Ni−Fe系合金
とCoを磁性層材料として用いたが、他の保磁力の異な
る2種の材料を用いても、バイアス磁界の印加によるバ
ルクハウゼンノイズ抑止効果は本実施例と同様に得られ
る。また、非磁性層材料についてCu以外の材料を用い
ても上記と同様の効果が得られる。なお、本実施例では
永久磁石層8として、Co−20at%Pt合金を用い
たが、他の永久磁石材料を用いてもバルクハウゼンノイ
ズ抑止の効果は得られる。また、本実施例では多層膜の
磁化容易方向にのみバイアス磁界を印加する場合につい
て述べたが、磁気ヘッドなどにおいて高感度化のために
磁界検出方向(本実施例の多層膜では、磁化困難方向)
にバイアス磁界を印加する場合が多い。しかし、この場
合においても、本実施例に示したごとく、多層膜の磁化
容易方向にバイアス磁界を印加することによりるバルク
ハウゼンノイズ抑止の効果は同様に得られる。また、本
実施例では多層膜が保磁力の異なる2種の磁性層を有す
る場合について述べたが、異方性磁界の異なる2種の磁
性層を有する場合においても、上記と同様の結果が得ら
れる。さらに、図5に示すように磁気抵抗効果がヒステ
リシスを示す場合には、上記多層膜からなる磁気抵抗効
果型ヘッドを磁気記録再生装置に用いる時に、上記多層
膜に高い磁界を印加し磁化状態をイニシャライズできる
機構を付加することが望ましい。
【0010】[実施例2]多層膜の作製には、高周波ス
パッタリング法を用いた。 到達真空度は1/1
5Pa、膜形成速度は約0.02nm/sである。膜
形成時には、膜面と平行に20kA/m(250Oe)
の磁界を印加した。基板には、コ−ニング社製7059
ガラスを用いた。本実施例における多層膜の断面構成を
図6に示す。図において、磁性層11として膜厚1.5
nmのNi−20at%Fe合金、 非磁性層12と
して膜厚2.1nmのCuを用いた。上記磁性層11と
非磁性層12は、10周期積層した。また、基板14の
上のバッファ層13として膜厚5nmのFe層を用い
た。この多層膜は、Baibichらによる、フィジカ
ル・レビュ−・レタ−ズ(Pysical Revie
wLetters)、第61巻、第21号、第2472
〜2475頁に記載の「(001)Fe/(001)C
r磁性超格子の巨大磁気抵抗効果」(Giant Ma
gnetoresistance of (001)F
e/(001)CrMagnetic Superla
ttices)におけるFe/Cr多層膜と同様に、外
部磁界のない時には磁性層間の交換相互作用により各磁
性層の磁化の向きはほぼ反平行に向いている。上記多層
膜を用いて実施例1と同様にして、図3に示す従来構造
の磁気抵抗効果素子を作製したところ、図7に示すごと
く磁気抵抗効果曲線にバルクハウゼンノイズが生じた。
これに対し、上記多層膜を用い同様にして図1に示す構
造の本発明の磁気抵抗効果素子を作製したところ、図8
に示すごとくバルクハウゼンノイズは観測されなかっ
た。これは、永久磁石層から発生する磁界が多層膜の長
手方向(多層膜の磁化容易方向)に常に印加され、多層
膜に磁壁が発生し難くなったためであると考えられる。
【0011】以上述べたように、磁気抵抗効果を有する
多層膜の磁化容易方向にバイアス磁界を印加することに
より、多層膜を用いた磁気抵抗効果素子のバルクハウゼ
ンノイズを抑止することができる。多層膜においては、
各磁性層に均一にバイアス磁界を印加することが好まし
いため、本実施例に示すように永久磁石層を用いること
が望ましい。また、本実施例ではNi−Fe系合金を磁
性層材料として用いたが、他の磁性材料を用いても、外
部磁界のない時に磁性層間の交換相互作用により各磁性
層の磁化の向きが反平行に向いている多層膜であれば、
バイアス磁界の印加によるバルクハウゼンノイズ抑止効
果は同様に得られる。また、非磁性層材料がCu以外の
材料であっても上記と同様の結果が得られる。なお、本
実施例では永久磁石層8として、Co−20at%Pt
合金を用いたが、他の永久磁石材料を用いてもバルクハ
ウゼンノイズ抑止の効果は同様に得られる。また、本実
施例では、多層膜の磁化容易方向にのみバイアス磁界を
印加する場合について述べたが、磁気ヘッドなどにおい
て高感度化のために磁界検出方向(本実施例の多層膜で
は、磁化困難方向)にバイアスを印加する場合が多い。
この場合においても、本発明のように磁化容易方向にバ
イアス磁界を印加することによりバルクハウゼンノイズ
抑止の効果は同様に得られる。さらに、図8に示すよう
に磁気抵抗効果がヒステリシスを示す場合には、上記多
層膜からなる磁気抵抗効果ヘッドを磁気記録再生装置に
搭載し記録情報の再生を行う時に、上記多層膜に高い磁
界を印加し磁化状態をイニシャライズできる機構を付加
することが望ましい。
【0012】[実施例3]実施例2と同様の方法で多層
膜を形成した。多層膜の断面構成を図9に示す。本実施
例では、磁性層15として膜厚1.5nmのNi−20
at%Fe合金、非磁性層16として膜厚2.0nmの
Agを用いた。上記磁性層15と非磁性層16は、10
周期積層した。また、基板18の上のバッファ層17と
して膜厚5nmのFe層を設けた。また、磁性層15の
スパッタリング時に印加する磁界の方向を変化させるこ
とにより、磁性層15の磁化容易方向を1層毎に直交さ
せた。本実施例の多層膜では、図10に示すように強磁
性層のみを数えた場合、奇数層目と偶数層目とでは磁化
容易方向が直角をなす。したがって、磁界の印加方向の
角度θを45度とした時、例えば、図11のような磁化
過程を示す。ただし、印加磁界の大きさと磁化状態との
関係は強磁性層の保磁力および異方性磁界により異な
る。図11に示すごとく、印加する磁界により強磁性層
の磁化の向きのなす角度が変化することによって磁気抵
抗効果が生じる。電気抵抗が最大となる磁界は、520
A/m(6.5Oe)と低く、また、最大の磁気抵抗変
化率は8.0%と高かった。上記多層膜を用いて、図3
に示す従来の磁気抵抗効果素子を作製したところ磁気抵
抗効果曲線にバルクハウゼンノイズが生じた。これに対
し、上記多層膜を用いて図1に示す構造の本発明の磁気
抵抗効果素子を作製したところ、バルクハウゼンノイズ
は観測されなかった。これは、永久磁石層から発生する
磁界が多層膜の長手方向に常に印加され、多層膜に磁壁
が発生し難くなったためであると考えられる。
【0013】以上述べたように、磁気抵抗効果を有する
多層膜全体の形状における磁化容易方向、すなわち磁界
検出方向と直角の方向にバイアス磁界を印加することに
より、多層膜を用いた磁気抵抗効果素子のバルクハウゼ
ンノイズを抑止することができる。多層膜では、各磁性
層に均一にバイアス磁界を印加することが好ましいた
め、本実施例のように永久磁石層を用いることが望まし
い。また、本実施例ではNi−Fe系合金を磁性層材料
として用いたが、他の磁性材料を用いても、各磁性層の
磁化容易方向が1層毎に直交している多層膜であれば、
バイアス磁界印加によるバルクハウゼンノイズの抑止効
果は同様に得られる。また、非磁性層材料としてAg以
外の材料を用いても上記と同様の結果を得ることができ
る。なお、本実施例では永久磁石層8として、Co−2
0at%Pt合金を用いたが、他の永久磁石材料を用い
てもバルクハウゼンノイズ抑止効果は同様に得られる。
また、本実施例では、多層膜の磁界検出方向と直角の方
向にのみバイアス磁化を印加する場合について述べた
が、磁気ヘッドなどにおいては高感度化のために磁界検
出方向にバイアスを印加する場合が多い。この場合にお
いても、本発明のように磁界検出方向と直角の方向にバ
イアス磁界を印加することにってバルクハウゼンノイズ
抑止の効果は同様に得られる。さらに、磁気抵抗効果が
ヒステリシスを示す場合には、上記多層膜からなる磁気
抵抗効果型ヘッドを磁気記録再生装置に搭載し記録情報
の再生を行う時に、上記多層膜に高い磁界を印加し磁化
状態をイニシャライズできる機構を付加することが望ま
しい。本実施例では多層膜形成に高周波スパッタリング
法を用いたが、他の薄膜形成法を用いても同様の結果が
得られる。また、本実施例では非磁性層の上下の磁性層
の磁化容易方向が直角をなす場合について述べたが、必
ずしも直角である必要はなく、45度以上であれば本実
施例と同様の磁気抵抗効果が得られる。
【0014】[実施例4]磁界検出方向と直角の方向に
バイアス磁界を印加する層として、反強磁性層を用いた
磁気抵抗効果素子を作製した。図12に本実施例で作製
した磁気抵抗効果素子27の構成を示す。磁気抵抗効果
素子27は、多層膜24上に反強磁性層25を積層し、
それらの端部に電極26を形成した構造とた。なお、反
強磁性層材料としては、Fe−50at%Mn合金を用
いた。多層膜として実施例1で述べた、保磁力の異なる
2種の磁性層を有する多層膜、異方性磁界の異なる2種
の磁性層を有する多層膜、および実施例2で述べた、外
部磁界のない時に磁性層間の交換相互作用により各磁性
層の磁化の向きが反平行に向いている多層膜、および実
施例3で述べた、各磁性層の磁化容易方向が1層毎に直
交している多層膜のいずれを用いた場合においても、反
強磁性層からのバイアス磁界によるバルクハウゼンノイ
ズ抑制の効果を確認することができた。しかし、反強磁
性層を用いた場合に、各磁性層に均一にバイアスが印加
されないことからバルクハウゼンノイズを完全に抑制す
ることはできなかった。また、本実施例では、反強磁性
層材料としてFe−50at%Mn合金を用いたが、室
温で反強磁性を示す材料であれば他の材料を用いても同
様の効果が得られる。
【0015】[実施例5]実施例2と同様の方法で多層
膜を形成した。図9における磁性層15として膜厚1.
5nmのNi−20at%Fe合金、非磁性層16とし
て膜厚2.0nmのAgを用いた。上記磁性層15と非
磁性層16は、10周期積層した。また、基板18の上
のバッファ層17として、膜厚5nmのFe層を用い
た。また、磁性層のスパッタリング時に印加する磁界の
方向を変化させることにより、磁性層15の磁化容易方
向を1層毎に直交させた。上記多層膜を用いた磁気抵抗
効果素子として、ヨ−ク型の磁気抵抗効果素子を形成し
た。磁気抵抗効果素子の作製工程を以下に述べる。図1
4(a)に示すように、Al23・TiCを主成分とす
る焼結体からなる非磁性基板28の上に、磁気シ−ルド
層29を形成した。磁気シ−ルド層29にはスパッタリ
ング法で形成した膜厚1μmのNi−Fe系合金(パ−
マロイ)を用いた。また、磁気シ−ルド層29の上に、
スパッタリング法で膜厚0.2μmのAl23からなる
絶縁層30を形成した。さらに、図14(b)に示すよ
うに、2枚のNi−Znフェライト板31、ガラス32
からなる、ギャップ33を有するヨ−ク板34を用意
し、ヨ−ク板34の厚さをトラック幅まで研磨した。図
14(c)のように、ヨ−ク板34の上に、多層膜3
5、永久磁石層36、および膜厚30nmのTi膜から
なるシャント膜37をスパッタリング法で形成し、Cr
/Cu/Crという多層構造を有するリ−ド線38を形
成した。なお、シャント膜37としては、Nbを用いる
と磁気ヘッド形成プロセスにおける耐熱性が向上するの
で、さらに好ましい。このようにして得られた磁気抵抗
効果素子39を、図14(d)のように、絶縁層30の
上に重ねた。そして、さらに、図14(e)のように、
Al23からなる絶縁層40を形成し、平坦化を行った
後に膜厚1μmのNi−Fe系合金からなる磁気シ−ル
ド層41を形成し、磁気抵抗効果素子42を得た。上記
磁気抵抗効果素子42は、トラック幅方向43にもシ−
ルド層を設けた。このため、本発明の磁気抵抗効果素子
を用いた磁気ヘッドは、隣のトラックからの信号磁界の
影響を受け難くなる。また、本実施例のようなヨ−ク型
の磁気抵抗効果素子では、比較的多層膜の形状を自由に
構成することができる。本実施例のごとく、磁性層の磁
化容易方向を1層毎に直交させた多層膜は、形状磁気異
方性の影響を小さくする観点から正方形であることが好
ましい。この点から、ヨ−ク型の磁気抵抗効果素子は磁
性層の磁化容易方向を1層毎に直交させた多層膜に適し
ていると言える。ところで、本実施例では磁気抵抗効果
膜に対するバイアス方式として、シャントバイアス方式
を示したが、その他、永久磁石方式、ソフトバイアス方
式などの他のバイアス方式を用いることもできる。ま
た、上記の磁気抵抗効果素子と記録用の誘導型磁気ヘッ
ドを組み合わせることにより、高性能の複合型磁気ヘッ
ドを構成することができる。さらに、上記本発明の磁気
ヘッドは狭トラック幅の記録・再生において高い性能を
発揮するため、本発明の磁気ヘッドを磁気ディスク装置
に用いることにより、高い記録密度を有する高性能の磁
気ディスク装置を実現することが可能となる。
【0016】[実施例6]実施例3で述べた磁気抵抗効
果素子を用い、磁気ヘッドを作製した。磁気ヘッドの構
造を以下に示す。図14は、記録再生分離型ヘッドの一
部分を切断した場合の斜視図である。多層膜を用いた磁
気抵抗効果膜44を、シ−ルド層45、46で挾んだ部
分が再生ヘッドとして働き、コイル47を挾む2つの記
録磁極48、49の部分が記録ヘッドとして働く。磁気
抵抗効果膜44は、実施例3に記載の多層膜からなる。
また、磁界検出方向と直角の方向のバイアス磁界印加の
ため、多層膜の端部に永久磁石層52を積層した。ま
た、磁界検出方向のバイアス磁界印加のため、多層膜上
にNbからなるシャント膜51を形成した。また、電極
53には、Cr/Cu/Crという多層構造の電極材料
を用いた。以下にこのヘッドの作製方法について説明す
る。Al23・TiCを主成分とする焼結体を、スライ
ダ用の基体50とした。シ−ルド層45、46、記録磁
極48、49には、 スパッタリング法で形成したNi
−Fe合金を用いた。各磁性膜の膜厚は、以下のように
した。上下のシ−ルド層45、46は1.0μm、記録
磁極48、49は3.0μm、多層膜全体の膜厚は40
nmとした。各膜層間のギャップ材としては、スパッタ
リング法で形成したAl23を用いた。ギャップ層の膜
厚は、シ−ルド層と磁気抵抗効果素子間で0.2μm、
記録磁極間では0.4μmとした。さらに再生ヘッドと
記録ヘッドの間隔は約4μmとし、このギャップもAl
23で形成した。コイル47には膜厚3μmのCuを使
用した。以上述べた構造の磁気ヘッドで記録再生を行っ
たところ、高い再生出力を得た。これは、本発明の磁気
ヘッドとして高い磁気抵抗効果を示す多層膜を用い、適
切なバイアス磁界を印加したためであると考えられる。
上記実施例では、バイアス法としてシャントバイアス法
を用いた場合を示したが、電流バイアス法、永久磁石
法、ソフトバイアス法、相互バイアス法など別のバイア
ス法を使用しても同様の効果が得られる。
【0017】ところで、磁気ヘッドが記録および再生能
力を同時に有している場合、基板に近い部分に記録用の
素子を形成すると、記録用素子の上部ではコイル、磁極
などの形成のために大きな段差が生じる。この上に、多
層磁気抵抗効果膜を形成すると、段差の影響で多層構造
が乱れるので好ましくない。これに対し、図14のよう
に、基板に近い部分に再生用の磁気抵抗効果素子を形成
すると、比較的段差の少ない部分に磁気抵抗効果素子が
形成されるため、多層構造の乱れが生じ難くなる。これ
は、パ−マロイ単層膜を用いた磁気抵抗効果素子とは本
質的に異なる現象である。以上の観点から、磁気ヘッド
が記録および再生能力を同時に有している場合、基板に
近い部分に再生用の磁気抵抗効果素子を形成させること
が望ましい。同じ観点から、記録用の素子と再生用の磁
気抵抗効果素子とを同じ基板上の他の場所に形成させる
ことにより、段差の少ない部分に磁気抵抗効果素子を構
成することができる。また、実施例1、2に記載の磁気
抵抗効果素子を用いても、高感度で再生できる磁気ヘッ
ドを得ることができる。さらに、本発明の磁気抵抗効果
素子は、磁気ヘッド以外の磁界検出器にも用いることが
できる。そして、上記磁気ヘッドを磁気記録再生装置に
用いることにより、高い記録密度を有する高性能の磁気
記録再生装置を実現することができる。
【0018】
【発明の効果】上述のように、非磁性層を積層した多層
膜を用いた磁気抵抗効果素子において、上記磁性層の磁
化容易方向にバイアス磁界を印加することにより、バル
クハウゼンノイズを抑止することができる。この方法
は、保磁力が他の磁性層と異なる磁性層を少なくとも一
層含む多層膜、異方性磁界が他の磁性層と異なる磁性層
を少なくとも一層含む多層膜、外部磁界のない時に磁性
層間の交換相互作用により各磁性層の磁化の向きが反平
行に向いている多層膜、または磁性層の少なくとも1層
が他の磁性層と異なる磁化容易方向を持つ多層膜からな
る磁気抵抗効果素子に適用できる。上記バイアス磁界を
印加する方法としては、永久磁石層を利用する方法、反
強磁性層を利用する方法がある。また、バルクハウゼン
ノイズを抑止した磁気抵抗効果素子は、狭トラック幅の
磁気記録再生において高い性能を発揮する磁界センサま
たは磁気ヘッドとして好適に用いられる。また、磁気記
録、消去用の誘導型磁気ヘッドと組み合わせて用いるこ
とにより、高い記録密度で高性能の磁気記録再生装置を
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で例示した磁気抵抗効果素子
の構造を示す斜視図。
【図2】図1に示す磁気抵抗効果素子の多層膜の断面構
成を示す模式図。
【図3】従来の磁気抵抗効果素子の構造を示す斜視図。
【図4】従来の磁気抵抗効果素子の磁気抵抗効果を示す
グラフ。
【図5】本発明の実施例1で例示した磁気抵抗効果素子
の磁気抵抗効果を示すグラフ。
【図6】本発明の実施例2で例示した磁気抵抗効果素子
の多層膜の断面構成を示す模式図。
【図7】従来の磁気抵抗効果素子の磁気抵抗効果を示す
グラフ。
【図8】本発明の実施例2で例示した磁気抵抗効果素子
の磁気抵抗効果を示すグラフ。
【図9】本発明の実施例3で例示した磁気抵抗効果素子
の多層膜の断面構成を示す模式図。
【図10】図9に示す多層膜の磁化容易方向を示す平面
図。
【図11】図9に示す多層膜の磁化過程を示す説明図。
【図12】本発明の実施例4で例示した磁気抵抗効果素
子の構成を示す斜視図。
【図13】本発明の実施例5で例示した磁気抵抗効果素
子の作製プロセスを示す説明図。
【図14】本発明の実施例6で例示した磁気ヘッドの構
造を示す斜視図。
【符号の説明】
1…磁性層 2…磁性層 3…非磁性層 4…多層膜 5…電極 6…磁気抵抗効果素子 7…多層膜 8…永久磁石層 9…電極 10…磁気抵抗効果素子 11…磁性層 12…非磁性層 13…バッファ層 14…基板 15…磁性層 16…非磁性層 17…バッファ層 18…基板 19…奇数層目の磁性層の磁化容易方向 20…偶数層目の磁性層の磁化容易方向 21…磁界印加方向 22…奇数層目の磁性層の磁化の向き 23…偶数層目の磁性層の磁化の向き 24…多層膜 25…反強磁性層 26…電極 27…磁気抵抗効果素子 28…非磁性基板 29…磁気シ−ルド層 30…絶縁層 31…Ni−Znフェライト基板 32…ガラス 33…ギャップ 34…ヨ−ク板 35…多層膜 36…永久磁石層 37…シャント膜 38…リ−ド線 39…磁気抵抗効果素子 40…絶縁層 41…磁気シ−ルド層 42…磁気抵抗効果素子 43…トッラク幅方向 44…磁気抵抗効果膜 45…シ−ルド層 46…シールド層 47…コイル 48…記録磁極 49…記録磁区 50…基体 51…シャント膜 52…永久磁石層 53…電極

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性層と非磁性層とを積層した多層膜から
    なる磁気抵抗効果膜を用いて構成した磁気抵抗効果素子
    において、上記多層膜からなる磁気抵抗効果膜の磁化容
    易方向もしくは磁界検出方向に対して直角の方向に、バ
    イアス磁界を印加する手段を少なくとも設けたことを特
    徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 【請求項2】請求項1記載の多層膜からなる磁気抵抗効
    果膜において、保磁力が他の磁性層とは異なる磁性層を
    少なくとも一層積層してなることを特徴とする磁気抵抗
    効果素子。
  3. 【請求項3】請求項1記載の多層膜からなる磁気抵抗効
    果膜において、異方性磁界が他の磁性層とは異なる磁性
    層を少なくとも一層積層してなるとを特徴とする磁気抵
    抗効果素子。
  4. 【請求項4】請求項1記載の多層膜からなる磁気抵抗効
    果膜において、外部磁界のない時に多層膜を構成する磁
    性層間の交換相互作用により、各磁性層の磁化の向きが
    ほぼ反平行に向いてなることを特徴とする磁気抵抗効果
    素子。
  5. 【請求項5】請求項1記載の多層膜からなる磁気抵抗効
    果膜において、多層膜を構成する磁性層の少なくとも1
    層が、他の磁性層とは異なる磁化容易方向を持つことを
    特徴とする磁気抵抗効果素子。
  6. 【請求項6】請求項1から請求項5のいずれか1項記載
    の多層膜からなる磁気抵抗効果膜において、バイアス磁
    界の印加手段が永久磁石層によることを特徴とする磁気
    抵抗効果素子。
  7. 【請求項7】請求項1から請求項5のいずれか1項記載
    の多層膜からなる磁気抵抗効果膜において、バイアス磁
    界の印加手段が反強磁性層によることを特徴とする磁気
    抵抗効果素子。
  8. 【請求項8】請求項1から請求項7のいずれか1項記載
    の磁気抵抗効果素子を用いて、磁界検出器を構成してな
    ることを特徴とする磁界センサ。
  9. 【請求項9】請求項1から請求項7のいずれか1項記載
    の磁気抵抗効果素子を用いて、記録情報の再生を行う再
    生用磁気ヘッドを構成してなることを特徴とする磁気ヘ
    ッド。
  10. 【請求項10】請求項1から請求項7いずれか1項記載
    の磁気抵抗効果素子を用いた再生用磁気ヘッドと、記録
    もしくは消去を行う誘導型磁気ヘッドとを組み合わせ
    て、磁気記録、消去もしくは再生を行う複合型磁気ヘッ
    ドを構成してなることを特徴とする磁気ヘッド。
  11. 【請求項11】請求項9または請求項10記載の磁気ヘ
    ッドを磁気記録再生装置に搭載し、磁気記録、消去もし
    くは再生を行う手段を少なくとも備えたことを特徴とす
    る磁気記録再生装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0888424A (ja) * 1994-09-20 1996-04-02 Hiroyasu Fujimori 多層膜磁気抵抗効果素子及びその製造方法
JPH0897487A (ja) * 1994-09-21 1996-04-12 Nec Corp 磁気抵抗効果素子およびその再生方法
WO2000025371A1 (en) * 1998-10-26 2000-05-04 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Magnetoresistant device and a magnetic sensor comprising the same
US6714389B1 (en) * 2000-11-01 2004-03-30 Seagate Technology Llc Digital magnetoresistive sensor with bias

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