JPH05186884A - 金属製導体箔または金属合金製導体箔およびその製造方法 - Google Patents

金属製導体箔または金属合金製導体箔およびその製造方法

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JPH05186884A
JPH05186884A JP28691891A JP28691891A JPH05186884A JP H05186884 A JPH05186884 A JP H05186884A JP 28691891 A JP28691891 A JP 28691891A JP 28691891 A JP28691891 A JP 28691891A JP H05186884 A JPH05186884 A JP H05186884A
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metal
foil
conductor foil
thickness
solder
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Application number
JP28691891A
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English (en)
Inventor
Akira Mori
暁 森
Shigeru Yamamoto
山本  茂
Junichi Oda
淳一 小田
Naoki Uchiyama
直樹 内山
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本願の金属製導体箔または金属合金製導体箔
は、金属または当該金属を主成分とする合金からなる箔
本体10の表面21に、複数の鉛層31,32および錫
層41,42を交互に積層してなる厚みが1μm以上5
0μm以下のはんだ膜50が形成されている。前記金属
が金、銀、白金及びパラジウムから選択された1種で
は、はんだ膜の厚みが3μm以上50μm以下であり、
前記金属が鉛では、はんだ膜の厚みが1μm以上30μ
m以下、かつ、隣接する1つの鉛層と錫層からなる層の
厚みが8μm以下である。また、上記の導体箔は真空蒸
着法により製造される。 【効果】 はんだ接合部分の接合強度が高く、しかもは
んだボールが発生することがない導体箔を提供すること
ができる。したがって、はんだ付けされる素子にダメー
ジを与えることがなく、素子の信頼性を低下させる惧れ
もなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばトランジスタ等
の素子のための導体として用いて好適な金属製導体箔ま
たは金属合金製導体箔およびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、比較的大きな電流の流れ
るパワートランジスタや光電変換素子において使用さ
れ、かつ、振動を受けやすい環境下で使用される導体と
しては、比抵抗を低下させると共に可撓性を持たせるた
めに、メッシュや導体の途中に曲げ加工を入れた構造と
された金属または金属合金製の導体箔(以下「導体箔」
と略称する。)がある。
【0003】この導体箔の一面側には、通常、鉛ー錫系
合金からなるはんだ膜が形成されており、該導体箔を素
子にはんだ付けする場合、このはんだ膜を素子に当接さ
せた状態ではんだ膜の他面側からヒートブロックを押し
当てることにより、はんだ膜を溶解させて接続すること
ができるようになっている。
【0004】ところで、前記導体箔にはんだ膜を形成す
る方法としては、溶融はんだ浴中にはんだ付けする部分
を侵漬してはんだ膜を形成する侵漬法や、導体箔にマス
キングしてはんだ膜を付着させる部分のみを露出させた
後にはんだをメッキし、その後マスクを除去するメッキ
法や、スパッタリングによってはんだ膜を形成するスパ
ッタ法などがある。
【0005】しかしながら、前記侵漬法では、製品間に
おけるはんだ膜厚のバラツキが大きいために、膜厚不足
によるはんだ付け不良や、過剰に塗布されたはんだによ
る他の接合部とのショートや、箔材の断線が発生し易い
という不都合がある。また、特に、導体箔の材質が鉛ま
たは鉛合金の場合には、導体箔が溶融はんだ中に溶解し
てしまうという不都合も生じる。
【0006】また、前記メッキ法では、製品間における
はんだの厚みや組成のバラツキが大きいために、はんだ
不足によるはんだ付け不良や、はんだ過多による箔材の
断線が発生し易いという不具合がある。また、例えば、
メッシュにはんだをメッキした導体箔においては、はん
だメッキ終了後にマスクを除去すると該導体箔に形成さ
れたメッシュ内にマスクの残渣が残り、この残渣が、は
んだの濡れ広がりを阻害するためにはんだ付け不良の原
因となるという不都合がある。
【0007】また、スパッタ法では、成膜速度が遅いた
めに実用上必要とされる1μm以上のはんだ膜を形成す
るには極めて長時間を必要とし、実用として用いるには
不適当である。そこで、真空蒸着装置を用い、鉛ー錫系
合金からなるはんだ合金を蒸発源として導体箔の表面に
はんだ膜を形成する方法が提案され実用に供されてい
る。この真空蒸着法によれば、上述した不都合等を解消
することができるという利点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
真空蒸着法においては、同一の温度では錫よりも鉛の蒸
気圧の方が遥に高い(例えば、1000℃の下では、鉛
の方が錫より約10000倍も高い)ために、図2に示
す様に、この方法により得られるはんだ膜1は、箔本体
2側に形成された極めて鉛に富んだ鉛基合金層3と、こ
の層3の表面側に形成された極めて錫に富んだ錫基合金
層4とから構成されることになる。このため、はんだ付
けの際には、鉛基合金層3および錫基合金層4の双方を
同時に溶融して均一な合金相とする必要がある。
【0009】前記はんだ膜1の場合、鉛および錫単体の
それぞれの融点は、はんだ合金の融点よりも高温である
ために、はんだ合金のみからはんだ膜を構成した場合に
比較して、はんだ付け温度を高くしなければならず、は
んだ付けされる素子にダメージを与え、素子の信頼性を
低下させてしまうという不都合がある。特に、導体箔に
鉛または鉛を主成分とする合金を用いた場合、はんだ付
けのために該導体箔が高温に長時間さらされることにな
り、該導体箔の機械的強度が低下するという不都合もあ
る。
【0010】そこで、本発明者等が、これらの不都合を
解決するために種々研究した結果、複数の鉛層および錫
層を交互に積層することにより、鉛層と錫層との相互拡
散が容易となり、層全体の融点をはんだ合金の融点に近
づけることができ、したがって、はんだ付け温度を低下
させることができることが判明した。
【0011】また、複数の鉛層および錫層の各層の厚み
を一定の厚み以下に制御すれば、層全体の融点をはんだ
合金の融点にさらに近づけることができ、したがって、
はんだ付け温度をさらに低下させることができることも
判明した。
【0012】また、真空蒸着法において、複数の蒸発源
を順次蒸発させることにより、複数の鉛層および錫層が
交互に積層されたはんだ膜を形成することができること
も判明した。
【0013】本発明は、上記の知見に基づいてなされた
もので、真空蒸着法による利点を保ちつつ、はんだ付け
温度を低くすることのできる金属製導体箔または金属合
金製導体箔およびその製造方法を提供することを目的と
するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次の様な金属製導体箔または金属合金製導
体箔およびその製造方法を採用した。
【0015】すなわち、請求項1記載の金属製導体箔ま
たは金属合金製導体箔は、金属または当該金属を主成分
とする合金からなる箔本体の表面に、複数の鉛層および
錫層を交互に積層してなるはんだ膜が形成され、このは
んだ膜の厚みが1μm以上50μm以下とされているこ
とを特徴とする。
【0016】ここで、はんだ膜の厚みを1μm以上50
μm以下に限定した理由は、はんだ膜の厚みが1μm以
下であると、はんだ不足のために素子と導体箔との接合
不良が発生するおそれがあり、また、はんだ膜の厚みが
50μmを超えると、余分なはんだが隣接する電極に流
れ込んでショートしたり、接合部からはみ出たはんだが
ボール状となって他の電極等に接触し、ショートの原因
になるという不都合があるためである。
【0017】また、請求項2記載の金属製導体箔または
金属合金製導体箔は、請求項1記載の金属製導体箔また
は金属合金製導体箔において、前記金属は、金(A
u)、銀(Ag)、白金(Pt)及びパラジウム(P
d)から選択された1種からなり、前記はんだ膜の厚み
が3μm以上50μm以下とされていることを特徴とす
る。
【0018】ここで、はんだ膜の厚みを3μm以上50
μm以下に限定した理由は、箔本体の主成分が金(A
u)、銀(Ag)、白金(Pt)及びパラジウム(P
d)から選択された1種である場合に、はんだ膜の厚み
が3μm以下であると、はんだ不足のために素子と導体
箔との接合不良が発生するおそれがあり、また、はんだ
膜の厚みが50μmを超えると、余分なはんだが隣接す
る電極に流れ込んでショートしたり、接合部からはみ出
たはんだがボール状となって他の電極等に接触し、ショ
ートの原因になるという不都合があるためである。
【0019】また、請求項3記載の金属製導体箔または
金属合金製導体箔は、請求項1記載の金属製導体箔また
は金属合金製導体箔において、前記金属は、鉛(Pb)
からなり、前記はんだ膜の厚みが1μm以上30μm以
下、かつ、隣接する1つの鉛層と錫層からなる層の厚み
が8μm以下とされていることを特徴とする。
【0020】ここで、鉛合金とは、例えば、錫(S
n)、インジウム(In)、銀(Ag)等の元素を副成
分として含み、融点が蒸着により形成されるはんだ膜よ
り高い合金をいうものである。
【0021】また、はんだ膜の厚みを1μm以上30μ
m以下に限定した理由は、箔本体の主成分が鉛(Pb)
である場合に、はんだ膜の厚みが1μm以下であると、
はんだ不足のために素子と前記金属からなる導体箔との
接合不良が発生するおそれがあり、また、はんだ膜の厚
みが30μmを超えると、余分なはんだが隣接する電極
に流れ込んでショートしたり、接合部からはみ出たはん
だがボール状となって他の電極等に接触し、ショートの
原因になるという不都合があり、さらに、該導体箔が断
線したり、接合部の機械的強度が低下したり等の不具合
が生じるためである。
【0022】また、隣接する1つの鉛層と錫層からなる
層の厚みを8μm以下に限定した理由は、層の厚みが8
μm以上であると、当該層を溶融して均一なはんだ膜と
するには、加熱温度を更に高くしたり、または加熱時間
を延長したりする必要が生じ、ひいてはPbを主成分と
する導体箔の機械的強度が低下したり、はんだ付けされ
る素子の機能が劣化したり等の不具合が生じるためであ
る。
【0023】また、請求項4記載の金属製導体箔または
金属合金製導体箔の製造方法は、真空蒸着法により、金
属または当該金属を主成分とする合金からなる箔本体の
表面に鉛−錫系のはんだ膜を形成するようにした金属製
導体箔または金属合金製導体箔の製造方法であって、複
数の蒸発源を順次蒸発させることにより、複数の鉛層お
よび錫層を交互に積層したはんだ膜を形成することを特
徴とする。
【0024】また、請求項5記載の金属製導体箔または
金属合金製導体箔の製造方法は、請求項4記載の金属製
導体箔または金属合金製導体箔の製造方法において、前
記金属は、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)及び
パラジウム(Pd)から選択された1種からなることを
特徴とする。
【0025】また、請求項6記載の金属製導体箔または
金属合金製導体箔の製造方法は、請求項4記載の金属製
導体箔または金属合金製導体箔の製造方法において、前
記金属は、鉛(Pb)からなることを特徴とする。
【0026】
【実施例】本発明に係る導体箔の各実施例を図面に基づ
いて説明する。
【0027】〔第1実施例〕図1は、本発明の第1実施
例である金属製導体箔または金属合金製導体箔(以下、
単に導体箔と略称する)10の部分拡大断面図である。
【0028】この導体箔10は、シート状に形成された
箔本体20の表面21に、はんだ膜50が形成され、該
はんだ膜50は、2層の鉛層31,32および錫層4
1,42が交互に積層されている。そして、このはんだ
膜50の厚みDは、3μm以上50μm以下である。
【0029】箔本体20は、金(Au)、銀(Ag)、
白金(Pt)及びパラジウム(Pd)から選択された1
種からなる貴金属または当該貴金属を主成分とする貴金
属合金からなるものである。また、前記鉛層および錫層
の数は2層以上であればよく、要は、交互に積層されて
おり、かつ、全体の厚みが3μm以上50μm以下であ
ればよい。
【0030】次に、本実施例に係る導体箔10の製造方
法について説明する。まず、2つの蒸発源を備えた真空
蒸着装置を用意する。次いで、これらの蒸発源のうち1
つの蒸発源を加熱し、箔本体20の表面21に鉛層31
および錫層41を順次積層させる。ついで、もう一方の
蒸発源を加熱し、箔本体20の錫層41の表面に鉛層3
2および錫層42を順次積層させる。このようにして、
2層の鉛層31,32および錫層41,42を交互に積
層したはんだ膜50を形成することができる。
【0031】なお、3層以上の鉛層および錫層を形成す
る場合には、3つ以上の蒸発源を順次加熱することによ
りそれぞれの層を順次積層させればよい。
【0032】表1は、上記実施例の導体箔及び比較例と
して作成された導体箔それぞれの構造を比較したもので
ある。
【0033】
【表1】
【0034】また、表2は、上記実施例及び比較例のそ
れぞれの導体箔の機械的強度の評価結果を示したもので
ある。
【0035】
【表2】
【0036】ここでは、上記実施例及び比較例のそれぞ
れの導体箔及び評価用サンプルは下記の様にして作成し
た。 (実施例1〜6)まず、図3に示す様に、幅(W)5m
m、長さ(L1)10mm、厚み(t)30μmのシー
ト状の全面に内径0.5mmの多数の貫通穴22が形成
された箔本体20を用意した。この箔本体20の材質は
銀(Ag)と白金(Pt)の2種類とした。
【0037】ついで、上記実施例の方法に従って、この
箔本体20の一面側端部に、長さ(L2)1mmにわた
って、はんだ膜50を形成した。このはんだ膜50は、
組成がSn60重量%ーPb40重量%となるように鉛
層31,32および錫層41,42のそれぞれの厚みを
設定し、これら鉛層31,32および錫層41,42を
交互に積層した。この様にして、導体箔10を作成し
た。
【0038】一方、図4に示す様に、1辺が20mm、
厚みが0.5mmの正方形のシリコン(Si)板60の
表面に、通常のスパッタ法により、厚み0.1μmのチ
タン(Ti)層、厚み1μmのパラジウム(Pd)層、
厚み1μmの銀(Ag)層を順次積層した。
【0039】ついで、このシリコン板60の表面に導体
箔10のはんだ膜50を当接させ、ついで、210〜2
50℃に加熱したヒートブロックを大気中において導体
箔10に押し付け、はんだ膜50を溶融させてはんだ付
けを行った。この様にして、評価用サンプルを作成し
た。
【0040】破断強度および破断場所の評価について
は、導体箔10の自由端11に、シリコン板60に対し
て垂直方向(図4中上方)に静かに引張り力を加え、破
断強度および破断場所を調べることにより行った。ま
た、はんだ付けの際にボールが形成されたか否かについ
ても調査した。なお、サンプル数は各実施例についてそ
れぞれ100個とした。
【0041】(比較例1〜9)従来の浸漬法、メッキ
法、真空蒸着法により作成した1層のはんだ膜を有する
導体箔を比較例とした。また、上記実施例に係る真空蒸
着法において、はんだ膜の厚みが3μm未満であるも
の、及び50μmを超えるものをそれぞれ作成し、比較
例とした。これらの導体箔においては、上述した以外の
他の構成要素については、前記実施例1〜6と同様であ
るので、詳細についての説明を省略する。
【0042】前記比較例1〜9のそれぞれの導体箔につ
いて、実施例1〜6と同様にして、破断強度、破断場
所、はんだボールの発生の有無についての評価を行っ
た。また、サンプル数は、前記各実施例と同様に、各比
較例についてそれぞれ100個とした。
【0043】表1及び表2より、本実施例の導体箔で
は、はんだ付けした部分から破断したものは皆無であり
接合強度が高いことが判る。また、はんだボールの発生
したものは皆無であり、他の接点に対してショートを引
き起こす惧れがないことは明らかである。
【0044】これらの実施例に対して、比較例1・2に
係る導体箔では、はんだ膜の膜厚にバラつきがあるた
め、はんだ接合部分で破断するものとはんだボールが発
生するものとが混在していることが判る。また、比較例
3・4に係る導体箔では、メッキの残渣の影響のために
はんだの接合強度が不十分であることが判る。また、比
較例5〜7に係る導体箔では、はんだ層を十分に溶融す
ることができず、はんだ部分の接合強度が不十分である
ことが判る。さらに、比較例8に係る導体箔では、はん
だ膜の厚さが不十分であるために、はんだ部分の接合強
度が不足し、比較例9に係る導体箔では、破断強度は十
分であるものの、はんだボールが発生してしまい、ショ
ート等を引き起こすという不都合が発生することが判
る。
【0045】以上、詳細に説明した様に、上記実施例の
導体箔10によれば、銀(Ag)、白金(Pt)等から
なる貴金属または該貴金属を主成分とする合金からなる
箔本体20の表面21に、複数の鉛層31,32および
錫層41,42を交互に積層してなるはんだ膜50が形
成され、このはんだ膜50の厚みが3μm以上50μm
以下とされていることとしたので、該導体箔のはんだ付
け温度を低下させることができ、はんだ接合部分の接合
強度が高く、しかもはんだボールが発生することがない
導体箔を提供することができる。したがって、はんだ付
けされる素子にダメージを与えることがなく、素子の信
頼性を低下させる惧れもなくなる。
【0046】また、本上記実施例の導体箔の製造方法に
よれば、複数の蒸発源を順次蒸発させることにより、箔
本体20の表面21に複数の鉛層31,32および錫層
41,42を交互に積層することとしたので、箔本体2
0の表面21に、はんだ膜50を構成する複数の鉛層3
1,32および錫層41,42の厚みを精度よく制御す
ることができるはんだ膜50を形成することができる。
したがって、接合強度が高く、かつ、はんだボールの発
生のない導体箔を製造することができる。
【0047】〔第2実施例〕図5は、本発明の第2実施
例である導体箔70の部分拡大断面図である。
【0048】この導体箔70は、シート状に形成された
箔本体71の表面72に、はんだ膜73が形成され、該
はんだ膜73は、3層の鉛層81〜83および錫層91
〜93が交互に積層されている。そして、このはんだ膜
73の厚みDは、1μm以上30μm以下であり、か
つ、隣接する鉛層81(82,83)と錫層91(9
2,93)からなる層の厚みが7μm以下である。
【0049】箔本体71は、鉛(Pb)単体、または鉛
(Pb)を主成分とし、錫(Sn)、インジウム(I
n)、銀(Ag)等の元素を副成分として含み、融点が
蒸着により形成されるはんだ膜73より高い合金であ
る。また、前記鉛層および錫層の数は2層以上であれば
よく、要は、交互に積層されており、全体の厚みが1μ
m以上30μm以下、かつ、隣接する鉛層と錫層からな
る層の厚みが8μm以下であればよい。
【0050】次に、本実施例に係る導体箔70の製造方
法について説明する。まず、3つの蒸発源を備えた真空
蒸着装置を用意する。次いで、これらの蒸発源のうち1
つの蒸発源を加熱し、箔本体71の表面72に鉛層81
および錫層91を順次積層させる。次いで、残る2つの
蒸発源のうち一方の蒸発源を加熱し、錫層91の表面に
鉛層82および錫層92を順次積層させる。次いで、も
う一方の蒸発源を加熱し、錫層92の表面に鉛層83お
よび錫層93を順次積層させる。このようにして、3層
の鉛層81〜83および錫層91〜93を交互に積層し
たはんだ膜73を形成することができる。
【0051】なお、4層以上の鉛層および錫層を形成す
る場合には、4つ以上の蒸発源を順次加熱することによ
りそれぞれの層を順次積層させればよい。
【0052】表3は、上記実施例の導体箔及び比較例と
して作成された導体箔それぞれの構造を比較したもので
ある。
【0053】
【表3】
【0054】また、表4は、上記実施例及び比較例のそ
れぞれの導体箔の機械的強度の評価結果を示したもので
ある。
【0055】
【表4】
【0056】ここでは、上記実施例及び比較例のそれぞ
れの導体箔及び評価用サンプルは下記の様にして作成し
た。 (実施例1〜6)まず、図3に示す様に、幅(W)5m
m、長さ(L1)10mm、厚み(t)30μmのシー
ト状の全面に内径0.5mmの多数の貫通穴22が形成
された箔本体71を用意した。この箔本体71の材質は
Pb、Pbー1重量%Sn、Pbー5重量%Snの3種
類とした。また、同一形状で貫通穴22の無い箔本体も
同じ数の種類だけ用意した。
【0057】ついで、上記実施例の方法に従って、この
箔本体71の一面側端部に、長さ(L2)1mmにわた
って、はんだ膜73を形成した。このはんだ膜73は、
組成がSn60重量%ーPb40重量%となるように鉛
層81(82,83)および錫層91(92,93)の
それぞれの厚みを設定し、これら鉛層81(82,8
3)および錫層91(92,93)を交互に積層した。
この様にして、導体箔70を作成した。
【0058】一方、図4に示す様に、1辺が20mm、
厚みが0.5mmの正方形のシリコン(Si)板60の
表面に、通常のスパッタ法により、厚み0.1μmのチ
タン(Ti)層、厚み1μmのパラジウム(Pd)層、
厚み1μmの銀(Ag)層を順次積層した。
【0059】ついで、このシリコン板60の表面に導体
箔70のはんだ膜73を当接させ、ついで、210〜2
50℃に加熱したヒートブロックを大気中において導体
箔70に押し付け、はんだ膜73を溶融させてはんだ付
けを行った。この様にして、評価用サンプルを作成し
た。
【0060】破断強度および破断場所の評価について
は、導体箔70の自由端75に、シリコン板60に対し
て垂直方向(図4中上方)に静かに引張り力を加え、破
断強度および破断場所を調べることにより行った。ま
た、はんだ付けの際にボールが形成されたか否かについ
ても調査した。なお、サンプル数は各実施例についてそ
れぞれ100個とした。
【0061】(比較例1〜7)従来の浸漬法、メッキ
法、真空蒸着法により作成した1層のはんだ膜を有する
導体箔を比較例とした。また、上記実施例に係る真空蒸
着法において、はんだ膜の厚みが1μm未満であるも
の、及び30μmを超えるもの、さらに隣接する鉛層と
錫層からなる層の厚みが8μmを越えるものをそれぞれ
作成し、比較例とした。これらの導体箔においては、上
述した以外の他の構成要素については、前記実施例1〜
6と同様であるので、詳細についての説明を省略する。
【0062】前記比較例1〜7のそれぞれの導体箔につ
いて、実施例1〜6と同様にして、破断強度、破断場
所、はんだボールの発生の有無についての評価を行っ
た。また、サンプル数は、前記各実施例と同様に、各比
較例についてそれぞれ100個とした。
【0063】表3及び表4より、本実施例の導体箔では
比較例と比べて、はんだ膜と箔本体の界面、及びはんだ
付けした部分から破断したものは皆無であり接合強度が
高いことが判る。また、はんだボールの発生したものは
皆無であり、他の接点に対してショートを引き起こす惧
れがないことは明らかである。
【0064】以上、詳細に説明した様に、上記実施例の
導体箔70によれば、鉛(Pb)単体または該鉛を主成
分とする合金からなる箔本体71の表面72に、複数の
鉛層81(82,83)および錫層91(92,93)
を交互に積層してなるはんだ膜73が形成され、このは
んだ膜73の全体の厚みが1μm以上30μm以下、か
つ、隣接する鉛層と錫層からなる層の厚みが8μm以下
とされていることとしたので、該導体箔のはんだ付け温
度を低下させることができ、はんだ接合部分の接合強度
が高く、しかもはんだボールが発生することがない導体
箔を提供することができる。したがって、はんだ付けさ
れる素子にダメージを与えることがなく、素子の信頼性
を低下させる惧れもなくなる。
【0065】また、本上記実施例の導体箔の製造方法に
よれば、複数の蒸発源を順次蒸発させることにより、箔
本体71の表面72に複数の鉛層81(82,83)お
よび錫層91(92,93)を交互に積層することとし
たので、箔本体71の表面72に、はんだ膜73を構成
する複数の鉛層81(82,83)および錫層91(9
2,93)の厚みを精度よく制御することができるはん
だ膜73を形成することができる。したがって、接合強
度が高く、かつ、はんだボールの発生のない導体箔を製
造することができる。
【0066】
【発明の効果】以上、詳細に説明した様に、本発明の請
求項1記載の金属製導体箔または金属合金製導体箔によ
れば、金属または当該金属を主成分とする合金からなる
箔本体の表面に、複数の鉛層および錫層を交互に積層し
てなるはんだ膜が形成され、このはんだ膜の厚みが1μ
m以上50μm以下とされていることとしたので、はん
だ接合部分の接合強度が高く、しかもはんだボールが発
生することがない導体箔を提供することができる。
【0067】また、請求項2記載の金属製導体箔または
金属合金製導体箔によれば、請求項1記載の金属製導体
箔または金属合金製導体箔において、前記金属は、金
(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)及びパラジウム
(Pd)から選択された1種からなり、前記はんだ膜の
厚みが3μm以上50μm以下とされていることとした
ので、該導体箔のはんだ付け温度を低下させることがで
き、はんだ接合部分の接合強度が高く、しかもはんだボ
ールが発生することがない導体箔を提供することができ
る。したがって、はんだ付けされる素子にダメージを与
えることがなく、素子の信頼性を低下させる惧れもなく
なる。
【0068】また、請求項3記載の金属製導体箔または
金属合金製導体箔によれば、請求項1記載の金属製導体
箔または金属合金製導体箔において、前記金属は、鉛
(Pb)からなり、前記はんだ膜の厚みが1μm以上3
0μm以下、かつ、隣接する1つの鉛層と錫層からなる
層の厚みが8μm以下とされていることとしたので、該
導体箔のはんだ付け温度を低下させることができ、はん
だ接合部分の接合強度が高く、しかもはんだボールが発
生することがない導体箔を提供することができる。した
がって、はんだ付けされる素子にダメージを与えること
がなく、素子の信頼性を低下させる惧れもなくなる。
【0069】また、請求項4記載の金属製導体箔または
金属合金製導体箔の製造方法によれば、真空蒸着法によ
り、金属または当該金属を主成分とする合金からなる箔
本体の表面に鉛−錫系のはんだ膜を形成するようにした
金属製導体箔または金属合金製導体箔の製造方法であっ
て、複数の蒸発源を順次蒸発させることにより、複数の
鉛層および錫層を交互に積層したはんだ膜を形成するこ
ととしたので、箔本体の表面に、複数の鉛層および錫層
を交互に積層してなるはんだ膜を形成することができ
る。したがって、はんだ膜の厚さを制御して形成するこ
とにより、接合強度が高くてはんだボールの発生がない
導体箔を製造することができる。
【0070】また、請求項5記載の金属製導体箔または
金属合金製導体箔の製造方法によれば、請求項4記載の
金属製導体箔または金属合金製導体箔の製造方法におい
て、前記金属は、金(Au)、銀(Ag)、白金(P
t)及びパラジウム(Pd)から選択された1種からな
ることとしたので、箔本体の表面に、はんだ膜を構成す
る複数の鉛層および錫層の厚みを精度よく制御すること
ができるはんだ膜を形成することができる。したがっ
て、接合強度が高く、かつ、はんだボールの発生のない
導体箔を製造することができる。
【0071】また、請求項6記載の金属製導体箔または
金属合金製導体箔の製造方法によれば、請求項4記載の
金属製導体箔または金属合金製導体箔の製造方法におい
て、前記金属は、鉛(Pb)からなることとしたので、
箔本体の表面に、はんだ膜を構成する複数の鉛層および
錫層の厚みを精度よく制御することができるはんだ膜を
形成することができる。したがって、接合強度が高く、
かつ、はんだボールの発生のない導体箔を製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る導体箔を示す部分拡
大断面図である。
【図2】従来の導体箔を示す部分拡大断面図である。
【図3】本発明の第1及び第2実施例に係る導体箔の斜
視図である。
【図4】本発明の第1及び第2実施例に係る導体箔をシ
リコン板にはんだ付けした状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る導体箔を示す部分拡
大断面図である。
【符号の説明】
10 導体箔 20 箔本体 21 箔本体の表面 31,32 鉛層 41,42 錫層 50 はんだ膜 D はんだ膜の厚み 70 導体箔 71 箔本体 72 箔本体の表面 73 はんだ膜 81〜83 鉛層 91〜93 錫層
フロントページの続き (72)発明者 内山 直樹 兵庫県三田市テクノパーク十二番の六 三 菱マテリアル株式会社三田工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属または当該金属を主成分とする合金
    からなる箔本体の表面に、複数の鉛層および錫層を交互
    に積層してなるはんだ膜が形成され、このはんだ膜の厚
    みが1μm以上50μm以下とされていることを特徴と
    する金属製導体箔または金属合金製導体箔。
  2. 【請求項2】 前記金属は、金(Au)、銀(Ag)、
    白金(Pt)及びパラジウム(Pd)から選択された1
    種からなり、 前記はんだ膜の厚みが3μm以上50μm以下とされて
    いることを特徴とする請求項1記載の金属製導体箔また
    は金属合金製導体箔。
  3. 【請求項3】 前記金属は、鉛(Pb)からなり、 前記はんだ膜の厚みが1μm以上30μm以下、かつ、
    隣接する1つの鉛層と錫層からなる層の厚みが8μm以
    下とされていることを特徴とする請求項1記載の金属製
    導体箔または金属合金製導体箔。
  4. 【請求項4】 真空蒸着法により、金属または当該金属
    を主成分とする合金からなる箔本体の表面に鉛−錫系の
    はんだ膜を形成するようにした金属製導体箔または金属
    合金製導体箔の製造方法であって、複数の蒸発源を順次
    蒸発させることにより、複数の鉛層および錫層を交互に
    積層したはんだ膜を形成することを特徴とする金属製導
    体箔または金属合金製導体箔の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記金属は、金(Au)、銀(Ag)、
    白金(Pt)及びパラジウム(Pd)から選択された1
    種からなることを特徴とする請求項4記載の金属製導体
    箔または金属合金製導体箔の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記金属は、鉛(Pb)からなることを
    特徴とする請求項4記載の金属製導体箔または金属合金
    製導体箔の製造方法。
JP28691891A 1991-03-19 1991-10-31 金属製導体箔または金属合金製導体箔およびその製造方法 Pending JPH05186884A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7459794B2 (en) 2003-08-26 2008-12-02 Tokuyama Corporation Substrate for device bonding, device bonded substrate, and method for producing same
US7626264B2 (en) 2004-03-24 2009-12-01 Tokuyama Corporation Substrate for device bonding and method for manufacturing same

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