JPH0520129B2 - - Google Patents

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JPH0520129B2
JPH0520129B2 JP60038807A JP3880785A JPH0520129B2 JP H0520129 B2 JPH0520129 B2 JP H0520129B2 JP 60038807 A JP60038807 A JP 60038807A JP 3880785 A JP3880785 A JP 3880785A JP H0520129 B2 JPH0520129 B2 JP H0520129B2
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membrane
pervaporation
radius
aqueous solution
hollow fiber
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JP60038807A
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Yoshinari Fujii
Shoji Kigoshi
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Agency of Industrial Science and Technology
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は、比較的極性の弱い有機液体物質の水
溶液から、該非極性有機液体成分を選択的に分離
する技術に関するものである。さらに詳しくは、
特定の疎水性多孔膜からなる非極性成分選択透過
型浸透気化膜と、該膜を用いて非極性有機液体水
溶液から非極性有機液体成分を分離する方法に関
するものである。 [従来の技術] 多孔質でない均一な高分子膜を用いて有機液体
混合物を分離するプロセスは、従来より米国特許
第2953502号明細書などに開示されている。この
分離プロセスは、一般に膜を用いたパーベーパレ
ーシヨンプロセスまたは浸透気化法と呼ばれ、高
分子膜の一次側に処理すべき液体を供給し、透過
し易い物質を二次側(減圧側)に蒸気として選択
的に透過させ、補集する方法である。この膜分離
方法は、従来簡単な方法では分離できなかつた液
体混合物、例えば共沸混合物、沸点が近接した比
揮発度の小さい混合物系、加熱によつて重合や変
性を起す物質を含む混合物を分離または濃縮する
新しい方法として注目されている。 従来、このような分離方法に用いられる高分子
膜としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、セ
ルロース系高分子物質、ポリアクリロニトリル、
ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ
テトラフルオロエチレン、またはこれらの共重合
体からなる膜が知られている。 しかしながら、かかる膜を用いて浸透気化法に
より有機液体水溶液を分離する場合に、ほとんど
すべての膜材料は水が選択的に透過し、分離・濃
縮すべき有機液体成分は膜の一次側の残余成分と
してとり出さざるを得ないという技術上の問題点
がある。特に、低濃度の水溶液から有機液体成分
を分離・濃縮する場合には、過法を基本的原理
とする逆浸透法等の他の膜分離技術と同様に、重
大な欠点といわざるを得ない。このような観点か
ら、分離濃縮すべき対象物質を優先的に選択透過
させる浸透気化膜の公知例を見ると、特開昭52−
68078号公報に開示されているシリコーンゴムお
よびシリコーン系共重合体膜、ポリブタジエン、
ポリエチレンおよびその共重合体の膜、含フツ素
ビニル系重合体およびその共重合体の膜、および
木村氏らによつて開示されているシリコーンゴム
膜によるエタノール選択透過型浸透気化膜の例が
あるに過ぎない。(文献雑誌名「膜」、[6]、
353(1982))。しかし、これらの開示例の場合に
は、有機液体水溶液が高分子膜を1回通過するこ
とによる濃縮の割合(分離係数αEtOH H2O)は1より
大きく、エタノールを濃縮することができるが、
透過量Q (Kgm−2h−1)が非常に小さいために、実
用的技術の水準にあると考えることはできない。
一般に、分離係数αA Bは次のように定義している。
すなわち、 αA B=A2/B2/A1/B1 A1:膜透過前の優先的透過成分の重量 B1:膜透過前の非優先的透過成分重量 A2:膜透過後のAの重量 B2:膜透過後のBの重量 [発明が解決しようとする問題点] したがつて、上述のような従来技術の状況を見
ると、先の公知例以外の膜素材の開発と透過量の
飛躍的改善が非極性成分選択透過型浸透気化法を
実用的技術とするために解決すべき問題点である
ということができる。 すなわち、分離対象となる溶液の多様性に対応
できる膜技術とするためには、様々な操作条件に
於いて、強度等の物理的特性、耐溶剤性等の化学
的特性、あるいは適切な膜形状との関連に於いて
製膜製等を適宜選定しうることが必要である。こ
のためには、多種類の膜素材を、水溶液から相対
的に極性の小さい有機液体成分を優先的に選択透
過させる浸透気化膜として見い出しておくことが
必要である。 他方、該膜分離技術を経済性にすぐれた効率的
分離技術として実用化するには、できる限り高透
過量の浸透気化膜が必要である。 以上のような事情を考慮して、本発明者らは水
溶液から非極性有機液体成分を優先的に選択透過
する、高透過量の浸透気化膜について鋭意検討を
続け本発明に至つたのである。 [問題を解決するための手段] すなわち、本発明は、平均微細孔半径と分離対
象物質のストークス半径との比が9以上であり、
平均微細孔半径が13Å以上500Å以下である疎水
性高分子からなる乾燥状態の多孔性膜を用いた浸
透気化法で構成される、非極性有機液体をその水
溶液から選択的に分離する膜分離技術である。 従来からガス分離膜や逆浸透膜等のいわゆる緻
密膜の物質の選択透過機構は、溶解拡散にもとづ
く説が有力である。他方透析膜や限外過膜の場
合には膜内の網目状に連通した微細孔内を拡散で
透過する機構や、粘性流による透過が考えられて
いる。パーベーパレイシヨン法等でも溶解拡散型
の緻密な活性層で選択分離能が得られているとさ
れている。 本発明者らは、このような従来の透過機構の考
え方に対して、種々の膜素材および膜特性の多孔
性膜について、多種類の溶質の選択透過挙動を比
較検討した。その結果、所定の方法で調整した疎
水性高分子からなる多孔性膜が、含水状態では非
常に高い透水性を有し、同時に低分子の有機溶質
に対して優れた透過性を示すのに対して、乾燥状
態の膜にすると4〜7Kg/cm2圧力差を印加しても
実質的にほとんど全く透水性を示さず、それにも
かかわらず特定の低分子有機溶質に対しては含水
状態の膜と同程度の透過性を示すという新規なか
つ特異な現象を見い出した。そこで、本発明者ら
は、さらにこの現象を詳しく検討して、その透過
機能を考察し、さらに驚くべきことに、透過気化
現象は緻密で均質な膜で起るという従来の知見を
覆えして、所定の条件を満たした多孔性膜でも起
りうることを見い出したのである。 本発明で使用される疎水性高分子からなる乾燥
多孔膜の素材は、分離対象水溶液に対して濡れ性
を示さない高分子であればどのようなものであつ
てもよく、一般的に記述すれば、ハンセンの溶解
性パラメータの水素結合に基づく溶解性パラメー
タ項δHが5Cal1/2,cm-3/2以下でかつ双極子結合
に基づく溶解性パラメータδpが9Cal1/2,cm-3/2
下の範囲にある。しかし、この範囲にあつても、
乾燥膜を調整する過程で、非極性成分に対する優
先的選択透過性が失われる場合があり、素材の一
般的物理化学的特性で完全に限定することは難し
い。 しかし、現実的な方法として、含水膜から後述
する溶媒置換乾燥法で乾燥膜を製膜したとき、初
めの含水膜の平均の細孔半径と体積空孔率に対し
て乾燥膜のそれらの値が、それぞれ50%以上の範
囲の変化の程度であれば、本発明でいう疎水性高
分子と見做すことができる。 このような高分子の例としては、ポリスルホ
ン、ポリフツ化ビニリデン、ポリテトラフルオロ
エチレン、ポリフツ化ビニル、ポリヘキサフルオ
ロプロピレン等の含フツソ系ポリマおよび/また
はその共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリ
ロニトリル等のビニル系ポリマおよび/またはそ
の共重合体および/または共重合体組成物、ポリ
フエニレンオキサイド、ポリ(4−メチルペンテ
ン−1)、等を挙げることができる。膜の微細孔
構造を適宜調整し得て、製膜性の優れていること
から、ポリスルホン、ポリフツ化ビニリデン、ポ
リアクリロニトリル、およびポリフエニレンオキ
サイド等は特に好ましく用いることができる。 本発明で使用される多孔膜として具備すべき条
件は、平均の微細孔半径である。先に述べた種々
の膜透過挙動の検討で、本発明者らは溶媒である
水分子より大きい有機液体分子を選択的に透過さ
せるためには、膜の微細孔半径と分離対象物質の
分子の大きさとの相対的関係が極めて重要である
ことを見い出した。 本発明の方法で得られた、分離係数と微細孔半
径と溶質分子サイズとの相対的関係との例を第1
図に示す。後述する方法で測定した膜の平均微細
孔半径Rp(Å)と溶質分子のストークス半径rs
(Å)との比(Rp/rs)に対して、ポリスルホン
乾燥中空糸膜で得られた水に対するアルコール類
の分離係数αROH H2Oをプロツトしてある。 第1図から明らかに読みとれるように、Rp/rs
の値が、9以上の範囲に於いて、水分子より分子
サイズの大きい、メタノール、エタノール、n−
プロパノール、n−ブタノール等を優先的に透過
させることがわかる。 平均微細孔半径の上限は、分離係数に対しては
特に制限はないが、透水性の観点からは孔径が一
定値以上になると減圧したとき水溶液を透過させ
るようになり、本発明の分離法を実施することが
できない。しかし、平均微細孔半径の上限値はポ
リマの物理化学的性質だけで決まるのではなく、
分離対象とする水溶液に含有される有機液体の性
質と濃度に加えて、共存する他の成分、膜の表面
粗さ、および/または膜表面の汚染等が関与して
操作圧力によつて決まるので、一概に限定しがた
い。分離膜の孔径による一般的分類と典型的実施
条件から強いて制約すると500Åが上限と考える
ことができる。 なお、下限に関しては、前記のように、平均微
細孔半径と分離対象物質のストークス半径との比
が9以上であればよく、分離対象物質により異な
つてくるものであるが、本発明における分離対象
物質でストークス半径が最も最小のメタノールの
場合では、前記比を満たす平均微細孔半径は約13
Åとなるので、本発明の平均微細孔半径の下限を
敢えて設けるとすれば、13Å以上であると考えら
れる。 平均微細孔半径は、実測値Lp,L.Hの実験誤差
を最小2乗法で最適化するために次の(1)式と(2)式
を最小2乗法で解いて(2)式中のRpとして決定す
る。 Pm=D/L・H/ts2 ……(1) Lp=1/L(Rp2/8η)・H ……(2) ここに、D:溶質の拡散係数 L:膜厚 H:含水率 ts:曲路率 Rp:平均微細孔半径 η:水の粘度 曲路率tsは水溶液中の水と溶質との摩擦係数
fswと膜中での水と溶質との摩擦係数fswΓとの
比で与えられ、それぞれ次の各式で定義される。 ts=fSW/fSW fSW=RT/D fsw=[RT/Pm−Vs/Lp]H/L R:気体定数 T:測定時の温度(絶対温度) Vs:溶質の部分モル容積 Lpは水の透過係数(cm2dyn-1 s-1)、Pmはメ
タノール、エタノール、プロパノール等の低分子
溶質の拡散透過係数(cm s-1)で、それぞれ実
測した値を使用する。 膜の分離性能を有利に発現するためには、この
ほかの因子として、膜の体積空孔率がある。体積
空孔率が低いと透過速度が低くなり、効率的分離
が行なわれ難いが、通常20%以上好ましくは40%
以上、膜の構造的、機械的特性を損わぬ範囲で高
い程有利である。 本発明に用いられる多孔性膜の製造法として
は、通常の分離膜の製造方法、すなわち、湿式製
膜法、乾湿式製膜法、乾式製膜法、溶融製膜法、
焼結ないし融着法などで製造することができる。
また膜の形状は平膜、管状膜、または中空糸膜等
のいずれの形状のものでもよく、、これらを適当
な構造および形状の膜モジユールに組み立てるこ
とによつて、本発明に好ましく用いることができ
る。特に膜の自己支持性と機械的・力学的特性か
ら、中空糸膜が最も適当な形状である。 製膜工程で多孔構造を形成するために、溶媒、
可塑剤、あるいは微細孔形成剤を抽出・洗浄する
工程を伴う場合には、膜を乾燥状態に調整するこ
とが必要である。この場合、比較的極性の小さい
溶剤から乾燥する場合に通常の風乾ないし温風に
よる乾燥法で多くの場合とくに支障なく調整しう
るが、極性溶媒もしくはとくに水から乾燥する場
合には、多くの場合微細孔が消滅して多孔構造が
破壊され、膜内の溶質の透過速度が著しく低下す
るか、全く透過性を失うことがある。このような
場合には、非極性溶剤と洗浄置換するべき極性溶
剤もしくは水との双方によく溶解する溶剤に一旦
置換したのち、さらに非極性溶剤に置換して乾燥
することにより、上述のような多孔構造の大きな
変化を避けることができる。この場合、初めに置
換する溶剤の性質を適当に選べば、より非極性の
溶剤にさらに置換する工程を省略して、1回の置
換で乾燥多孔性膜を調整することができる。例え
ばポリスルホン、ポリフツ化ビニリデン、ポリア
クリロニトリル等の例では、メタノールまたはエ
タノールで水を置換したのち、n−ヘキサン等で
置換して乾燥する方法が好ましい態様であるが、
十分に乾燥したメタノールで置換してあればn−
ヘキサン等で置換しなくとも、好適な乾燥多孔膜
が調製できる。 さらに、溶媒置換乾燥法を採用する場合に、膜
素材ポリマの微細孔表面をより疎水化するため
に、最終の置換溶媒中に第3成分を添加すること
ができる。特に、膜素材が、ポリアクリロニトリ
ル及びポリスルホンなどの場合には、対象溶液に
よつて、膜の疎水性が不充分で浸透気化法で非極
性成分を選択的に透過させることができないこと
がある。このような場合には、膜の微細孔表面に
前記の第3成分を極薄くコートして、疎水性を強
化することにより、浸透気化性能を高めることが
できる。このような成分としては、分離対象とし
ている有機液体成分に対して膜微細孔表面により
強い親和性を付与しうる物質で、しかも使用中に
脱離しにくいものが好ましい。このような物質の
例としては、シリコーン系ポリマ、含フツ素系ポ
リマ、分離対象有機液体に親和性を示す官能基を
有するビニル系ポリマ、縮合重合系ポリマ等が挙
げられる。特にシリコーンを、浸漬処理等により
膜微細孔表面にコートする、いわゆるシリコーン
処理により、疎水性に優れた多孔膜が得られ、分
離係数が向上する。 また、処理後膜素材表面で架橋処理を施した
り、重合させたり、あるいは膜素材ヘグラフトさ
せたりすることもできる。溶媒置換乾燥法を経な
い多孔膜の場合にも同様の処理を施すことは勿
論、可能である。さらに、親和性を付与する物質
と膜素材表面との親和性が低く分離対象水溶液に
脱離してしまうような場合には、両者の中間的性
質を有し、両者に親和性を有する物質で処理して
乾燥し、さらに親和性付与物質をその上に処理す
ることも好適な結果をもたらす。 このような処理物質の付着量は非常に少量で効
果を示し、多量に付着させるとむしろ微細孔径を
挟小化して分離係数と透過量ともに低下させるこ
とになる。膜素材の種類と処理物質の種類、微細
孔半径および体積空孔率等によつて変わるが、処
理液濃度としては通例0.001〜10%位の範囲で効
果が認められ、0.1〜5%の範囲で好適な結果が
得られる。 乾燥をしていない極性溶剤もしくは水に濡れた
状態の膜を本発明に使用する場合には、循環・供
給した原液がそのまま透過し本発明の膜分離方法
を実施することができない。 浸透気化法の方式で揮発性有機液体水溶液を分
離する場合には、揮発性有機液体と水とを完全に
分離することは難しく、特に揮発性有機液体を優
先的に透過させる膜の場合には揮発性有機液体と
水との両方が接近した割合で膜を透過する。ま
た、揮発性有機液体成分が2種類以上含まれる場
合に、特定の成分だけを選択的に分離・濃縮した
い場合もあある。従つて、ここでは選択的に分
離・濃縮したい成分であつて、膜を優先的に透過
する成分のことを分離対象物質と定義する。 本発明の方法によつて濃縮分離しうる系につい
て述べると、本発明の分離対象となる比較的濃度
の低い範囲での当該水溶液の気液平衡における気
相中の有機液体物質の組成が、液相中の組成より
大きい物質に対しては、基本的に適用することが
できる。すなわち、低濃度の範囲で気相中の組成
が液相中の組成より低くなる有機液体で比べて相
対的に極性が小さい揮発性有機液体の水溶液に適
用し得るので、分離対象とする水溶液中のかかる
成分を非極性成分と定義する。ハンセンの溶解性
のパラメータで示せば、δp≦6かつδh≦11の範囲
の有機液体が含まれるが、溶解性パラメータで表
現できない因子もあるので、具体的に示せば、こ
の様な物質としてはどのようなものであつてもよ
いが、1例としては、メタノール、エタノール、
n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブ
タノール、t−ブタノール、アセトン、テトラハ
イドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルアミ
ン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルア
ミン、アセトニトリル、アセトアルデヒド、エチ
ルメチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル等があ
る。 本発明を適用しうるこれらの物質の水溶液の濃
度は、本発明の方法の特徴を生かす観点からは比
較的低濃度の領域が好ましく0.5〜20重量%が最
適であり、最大50%以下の濃度で好ましく用いら
れるが、この範囲以外でも使用し得る。水溶液濃
度の上限は、主として分離対象水溶液が膜を濡ら
さない濃度で決まるが、これは膜素材ポリマの物
理化学的性質、膜の微細孔半径、分離対象溶液の
表面張力等が関係し、さらに操作圧の影響もある
ので、一概に限定することができない。例えば、
ポリフツ化ビニリデン膜を使用したエタノール水
溶液の例では50%の濃度で、水溶液で対する透過
性を示さず適用可能であつた。 膜モジユールに循環・供給する分離対象水溶液
の温度は、膜の耐熱性と、分離対象液の耐熱性等
で上限が制限されるが、一般に高温ほど有利であ
る。しかし、分離対象水溶液の温度によつて本発
明が限定されるものでないことは、本発明の構成
と詳細の説明で述べた所から明らかな通りであ
る。 次に、2次側の減圧度は可能な限り低い程有利
であることは水選択透過型浸透気化膜と同様であ
るが、本発明の場合には、分離対象水溶液の表面
張力、膜の微細孔半径、その他の運転状態によつ
ては、1次側供給液がそのままの状態で透過して
しまうこともありうるので、かかる場合には所定
の減圧度に調節して、水溶液の膜透過を避けるこ
とが必要である。 1次側の液の循環量は、循環系の圧力損失ない
しは流動抵抗で発生する静圧に問題がない範囲
で、可能な限り大である方が、分離膜の1次側の
表層に発生する境膜の物質移動抵抗をより小さく
することができるので好ましい。通常は境膜物質
移動抵抗の流速依存性から膜モジユール内の分離
膜近傍の平均流速で表現すれば、0.1〜2.0m/分
の範囲、好ましくは0.5〜1.5m/分程度の流速範
囲が好適である。 [発明の効果] 本発明の方法によれば、シリコーンゴム以外の
物理的特性、化学的特性、および製膜性のすぐれ
た各種の高分子素材から、比較的極性の小さい有
機液体を含有する水溶液から、該非極性有機液体
成分を優先的にしかも高い透過量で選択透過する
非極性成分選択透過型浸透気化膜を提供すること
ができ、該膜を用いて、浸透気化法により比較的
低濃度の水溶液から非極性成分を有利に分離する
ことができる。 また、発明の詳細な説明で述べたところから明
らかなように、基本的には比揮発度に差があり、
溶液が多孔性膜を圧力差で透過することなく、揮
発度の高い物質の多孔膜中での拡散透過速度が相
対的に大きい系に対して適用することができるの
で、このような条件を満足する高分子多孔膜を調
製できれば、極性溶媒と非極性溶媒との混合溶液
系や、あるいは無機の揮発性物質の溶液系にも適
用しうるものである。 本発明の方法によれば、常温に近い低品位の熱
エネルギーを利用して、揮発性有機液体を含有す
る水溶液から、膜分離法の特徴を生かして該有機
液体を濃縮しつつ分離することができる。 実施例 1 ユニオンカーバイド社製ポリスルホン(P−
3500)を35部、ポリエチレングリコール(PEG
−600)を25部、ジメチルスルホキサイドとN−
メチルピロリドンとの等量混合物を40部を混合
し、加温・溶解して中空糸膜紡糸用の原液を調製
した。該原液から中空糸紡糸用環状口金から紡出
し、約25℃の雰囲気中を1.0〜1.5cm通過させて冷
却し、次いで45℃の水中で凝固させ、引き続き室
温で十分水洗して、含水ポリスルホン多孔性中空
糸膜を調製した。中空糸の外形は368μm、内径は
275μmであつた。ポリスルホンの濃度と、製糸条
件を変更して上述と同様に紡糸して、平均微細孔
半径の異なる4種類の中空糸膜を調製した。 これらの中空糸膜をメタノールで水を置換した
のち、風乾して乾燥多孔性中空糸膜を作成した。
乾燥後の中空糸膜をメタノール中に再浸漬したの
ち、水に再置換して、透水性と溶質透過性とを測
定し、先に述べた方法で平均微細孔半径を算出し
た。Rp/rsの値とともに第1表に示した。 これらの中空糸膜を内径8mmのガラスT字管に
約40本捜入し、両端部をエポキシ接着剤で封入し
て浸漬気化実験用膜モジユールを作成した。この
膜モジユールを用いて、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、およびn−ブタノールの
1%の各水溶液を用いて、供給液温度30℃、供給
液循環量100mlh-1、真空度5mmHgで、浸透気化
実験を行ない分離係数と透過量を測定した。結果
を第2表にまとめて示した。 第1表と第2表とから明らかな通り、Rp/rs
9より大である中空糸膜サンプルNo.3とNo.4で
は、4種類のアルコールに対しすべてαは1より
大きく、アルコールが選択的に透過している。し
かもQは0.5〜0.8Kgm-2h-1程度あり、公知のシリ
コーンゴム膜に比べ2桁大きい結果が得られた。 なおNo.3とNo.4の中空糸膜を含水状態のまま、
膜モジユールを作成して浸透気化実験をしたとこ
ろ、膜の1次側に供給した液がそのまま浸み出し
て浸透気化分離が行なわれなかつた。
【表】 実施例 2 ペンウオルト社製ポリフツ化ビニリデン
(PVdF)KYNAR460と740とを混合して、ポリ
マ濃度35%110℃での溶液粘度が1000ポイズにな
るように調製したジメチルスルホキサイドを主溶
媒とする紡糸原液から、中空糸紡糸用環状口金を
用いて、DMSO80%水溶液を中空部への注入液
として注入しつつ紡出し、45℃の水中に凝固さ
せ、しかるのち水洗・熱水処理をして、外形
380μm、内径270μmの含水多孔性中空糸膜を調製
した。口金から凝固浴までの冷却雰囲気部分の通
過時間および他の製糸条件を調節して3種類の平
均微細孔半径の中空糸膜を用意し、実施例1と同
様にエタノール1%水溶液で浸透気化性能を測定
した。結果を第3表に示したように、Rp/rsが9
以上の中空糸膜サンプルはαEtOH H2Oが1を越え、透
過側にエタノールが濃縮分離することがわかる。
【表】 実施例 3 実施例1で用いた中空糸膜サンプルNo.4の膜を
用いて、10-4%のシリコーンRTVヘキサン溶液
中に1夜浸漬し、次いで風乾してシリコーンを室
温で1昼夜キユアリングしてシリコーン処理ポリ
スルホン多孔膜を調整した。この中空糸膜の1%
エタノール水溶液で測定した浸透気化性能は
αEtOH H2O=3.60、Q=0.30Kgm-2h-1で、シリコーン処
理により、多孔膜の疎水性が改善されたので、分
離係数が向上した。シリコーン処理をして浸透気
化法の実験に供試した中空糸膜の一部をとつて平
均孔径を測定した結果、29.0Åで処理前の中空糸
膜と差がなかつた。 実施例 4 実施例2で用いた中空糸膜サンプルNo.3の中空
糸を、実施例3と同様の処理をして浸透気化性能
を測定した。その結果αEtOH H2O=3.98、Q=0.22Kg
m-2h-1で分離係数が顕著に改善され、しかも十
分に大きい透過量を示している。シリコーン処理
をして浸透気化法の実験に供試した中空糸膜の一
部をとつて平均孔径を測定した結果、24.0Åで処
理前の中空糸膜と差がなかつた。 実施例 5 アクリル酸メチルを約6mol%共重合したポリ
アクリロニトリル26.5部と分子量400のポリエチ
レングリコール21部とをジメチルスルホキサイド
52.5部に溶解して紡糸原液を調製した。該原液を
用いて、実施例1と同様の方法で紡糸して、平均
孔径122.7Åの中空糸膜を調製した。該膜をメタ
ノールに置換後風乾して乾燥した多孔性中空糸膜
を調製した。該乾燥膜を実施例3と同様にシリコ
ーンRTVの5%ヘキサン溶液に浸漬処理したの
ち風乾・キユアリングして、1%のエタノールで
浸透気化性能を測定した結果、αEtOH H2O=2.49、Q=
0.96Kgm-2h-1であつた。シリコーン処理をして浸
透気化法の実験に供試した中空糸膜の一部をとつ
て平均孔径を測定した結果、Rp=31.0Å,Rp/rs
=16.0であつた。シリコーン未処理の中空糸膜で
浸透気化実験をしたところ、多孔膜の疎水性が改
善されなかつたので、まつたく選択分離性を示さ
なかつた。 実施例 6 実施例1と同様にして、ポリスルホン25%の紡
糸原液から紡糸して、エタノールに対するRp/rs
=86.2の乾燥多孔性中空糸膜を調製した。該膜を
用いて、エタノール5%の水溶液で浸透気化実験
を行なつたところ、αEtOH H2O=3.0、Q=1.3Kgm-2h-1
で、比較的高い分離係数でしかも非常に高い透過
量が測定された。 実施例 7 アルドリツチ社製ポリフエニレンオキサイド
(PPO)28%を含有するN−メチルピロリドン溶
液から、実施例1に準ずる方法で多孔性中空糸膜
を製糸し、メタノールで置換後風乾して乾燥多孔
性中空糸膜を調製した。エタノールに対する
Rp/rsは39.7であつた。該膜を用いて、エタノー
ル5.9%水溶液で浸透気化実験を実施した結果
αEtOH H2O=1.93、Q=0.74Kgm-2h-1であつた。 実施例 8 ポリマ濃度31%のポリフツ化ビニリデンの紡糸
原液から、実施例2と同様の方法で紡糸し、メタ
ノール置換を経由してn−ヘキサンから溶媒置
換/乾燥して乾燥多孔性中空糸膜を調製した。該
膜を用いて、アセトン、テトラハイドロフラン
(THF)、および酢酸エチルの水溶液で浸透気化
実験をない、分離係数αSolute H2Oと透過量Qを測定し
た。結果を第4表に示す。αおよびQともに十分
に高い値を示している。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は、乾燥疎水性多孔膜の孔径と分離対象
物質の分子サイズとの相対的関係に対し、それぞ
れの分離対象物質として測定したアルコールの浸
透気化性能の分離係数αROH H2Oをプロツトして示した
ものである。孔径と分子サイズとの相対的関係は
平均微細孔半径Rpとストークス半径rsとの比
Rp/rsで表わしてある。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 平均微細孔半径と分離対象物質のストークス
    半径との比が9以上であり、平均微細孔半径が13
    Å以上500Å以下である乾燥疎水性多孔膜からな
    る、非極性有機液体水溶液から非極性成分を選択
    的に浸透気化させる非極性有機液体水溶液分離
    膜。 2 平均微細孔半径と分離対象物質のストークス
    半径との比が9以上であり、平均微細孔半径が13
    Å以上500Å以下である、疎水性高分子からなる
    多孔性膜を用いた浸透気化法により、非極性有機
    液体をその水溶液から選択的に分離する分離方
    法。
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