JPH0521860B2 - - Google Patents
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- JPH0521860B2 JPH0521860B2 JP2194979A JP19497990A JPH0521860B2 JP H0521860 B2 JPH0521860 B2 JP H0521860B2 JP 2194979 A JP2194979 A JP 2194979A JP 19497990 A JP19497990 A JP 19497990A JP H0521860 B2 JPH0521860 B2 JP H0521860B2
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- chromium slag
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明はスピネル系セラミツクス焼結体、更に
詳しく言えば特にクロム酸ソーダ製造の際に廃出
するクロム鉱滓に粘土を含むアルミニウムシリケ
ート粉末を添加、焼成してなるスピネル系セラミ
ツクス焼結体に関するものであり、該焼結体は熱
伝導性、電気伝導性、強度および磁気特性等に優
れた特徴を有するものであるため、例えば機能性
タイルなどに利用できる。 [従来の技術] 一般的にクロム酸ソーダの工業的な製造法はク
ロム鉱石にソーダ灰、苛性ソーダなどのアルカリ
剤を配合し、さらに必要に応じて石灰や不活性充
填剤などを添加した混合物を高温で酸化焙焼し、
次いで焙焼物を水で浸出することによつてクロム
酸ソーダ水溶液として得る方法が採られるが、こ
の際多量の含クロム鉱滓(以下クロム鉱滓とい
う)が副生する。 該クロム鉱滓には有害な六価クロムが含有され
ているので、そのまま廃棄すると土壌や水質を汚
染し、公害の原因となる為、クロム鉱滓を無害化
する処理方法としてクロム鉱滓に直接還元剤を添
加して六価クロムを三価に還元する方法、珪酸塩
物質及び還元剤を添加して高温で還元処理する方
法が行なわれているが、いずれの方法を用いても
処理生成物は単に廃棄するか、埋立材、或いは骨
材として利用されているのが現状である。 他方、本出願人は、クロム鉱滓の有効利用の一
つとしてセラミツクスへの分野において、クロム
鉱滓が適用できることを開発し既に特許出願した
(特開昭51−41009号、特開昭51−81806号、特開
昭59−92968号)。 [発明が解決しようとする課題] しかしてクロム鉱滓は、その性質上、化学組成
はもちろんのこと他の物性も非常に多様性を有
し、工業的に有効利用するには製造工程は勿論、
セラミツクスの諸物性についても著しく再現性に
欠ける問題があつた。 通常クロム鉱滓中にはカルシウム成分を含有す
るが、これが多量にあるクロム鉱滓を用いたセラ
ミツクスは機能的にも耐久性に劣り、問題がある
ことがわかつた。 本発明者らは上記の事実に鑑み、クロム鉱滓の
積極的有効利用を図るべく、クロム鉱滓を主原料
とするセラミツクス焼結体の物性と製法とを改良
すべく鋭意研究したところ、クロムを含有する特
定組成のクロム鉱滓にあつては、セラミツクス原
料として特徴ある性質が発現することを知見し、
本発明を完成した。 なお、スピネル(MgO、Al2O3)とSiO2を主
組成とする磁器およびスピネル中にFe、Crが固
溶すること自体は、例えば吉木文平著「鉱物工
学」(p523〜524、p502)に記載されてはいるが、
クロム鉱滓を用いて本発明の目的とするような品
質の優れたセラミツクス焼結体を得ることについ
ては全く示唆されてはいない。 [課題を解決するための手段] 本発明は、クロム鉱滓粉末と粘土との緻密な反
応焼結体であつて、該焼結体は化学組成およびX
線回折に基づく分析からみて、Al、FeおよびCr
が相互に固溶している固溶スピネルと石英とを主
成分とし、かつ熱伝導率:1.3〜2.5kcal/mh℃お
よび比抵抗:102〜107Ωcmの範囲の物性を有する
ことを特徴とするスピネル系セラミツクス焼結体
にかかるものである。 本発明にかかる焼結体は、上記のように固溶ス
ピネルと石英とを主組成とするものであるが、石
英は容易にX線回折で確認でき、また固溶スピネ
ルも純粋スピネル(MgO、Al2O3)の結晶が示す
回折線のずれにより固溶体があることがその焼結
体の化学組成と相俟つて確認できるものである。 本発明における焼結体は上記2つの結晶相の外
にX線回折上他の結晶相も若干存在しうることが
ありうるが、明確に確認できるのは上記2成分で
あることから、これらを主組成とするセラミツク
スであるということができる。 しかして、上記固溶スピネルは、X線回折およ
び化学組成の分析上、次の一般式; (Mgl・Fen)O・(Alo・Fep・Crp)2O3 [式中、l=0.4〜1.0、m=0〜0.6、但しl+m
=1、n=0.5〜0.5、o=0.2〜0.6、p=0.2〜
0.6、但しn+o+p=1の値で示される原子比
を表わす] で示されるスピネルとなつている。 このような特徴的なスピネル組成にある理由
は、後述するようなクロム鉱滓粉末および粘土を
含むアルミニウムシリケートの特徴的原料とその
配合組成に起因するが、それ故に本発明にかかる
焼結体は上記のような熱伝導性と比抵抗の値を示
す特徴的な緻密な反応焼結体となつているものと
云うことができ、また、組成の如何では磁性も有
する。 このことは即ち、耐圧強度500〜2000Kg/cm2、
曲げ強度200〜500Kg/cm2の範囲にある機械的強度
特性を有し、また気孔率および吸水率がそれぞれ
2%以下のセラミツクス焼結体となつている。 さらに本発明にかかる焼結体は黒色系の色調を
有し、組成変化により濃淡があり、またアルミニ
ウムシリケートの原料選択によつては黒みかげ石
の如き格調のある色調を有している。 このようなスピネル系セラミツクス焼結体は次
の方法で再現性よく、工業的に有利に製造するこ
とができる。 すなわち、クロム鉱滓粉末と少なくとも粘土を
含むアルミニウムシリケート粉末とを次の組成; モル比:R2O3/MgO=0.9〜2.0 [式中RはAl、FeおよびCrの合量を表わす] モル比:SiO2/MgO=1〜6 となるように配合および混練してセラミツクス素
地を調製する工程、該素地を成形および乾燥して
セラミツクス素地の成形体を調製する工程、次い
で該成形体を最高温度1150〜1300℃の熱雰囲気で
反応焼結させる焼成工程からなることを特徴とす
るものである。 上記において、クロム鉱滓粉末および粘土粉末
とを出発原料とする。クロム鉱滓というのは、そ
の性質上化学組成が極めて多様であるけれども、
本発明においては次の組成;Cr2O3:2〜18wt
%、CaO:0〜15wt%、Fe2O3:10〜45wt%、
Al2O3=5〜20wt%、MgO:5〜20wt%、その
他:2〜10wt%の範囲のものでなければならな
い。 上記から明らかなように、通常クロム鉱滓には
CaO成分が多量に含有されているものであるが、
本発明ではこれが多くとも15wt%というできる
だけ少ないものであることが必要である。 この理由は、本発明者らの数多くの実験に基づ
いて判明したもので、CaO成分は焼結体に鉱化剤
として作用し、スピネル相の生成を促進する為、
有効な成分であるが、約15wt%を越えるほどの
多量に過ぎると急激な融点降下をきたし、焼成工
程において制御が困難となると共に、セラミツク
ス焼結体の物性も著しく変化して前記の如きスピ
ネル系セラミツクス焼結体の特徴的なものとはな
らないことによる。 次に、かかるクロム鉱滓粉末は80メツシユ篩全
通、かつ200メツシユ篩を50%以上通過する微粉
末として粒度調整したものを用いる。通常、セラ
ミツクス原料として微細な粒度が性質上望まれる
が、本発明においてはクロム鉱滓中の六価クロム
を実質的に還元するための条件の1つとしても上
記粒度調整は重要である。 他方、アルミニウムシリケートは少なくとも粘
土を使用するが、この他に必要に応じてフライア
ツシユ、Al2O3およびSiO3を含有する入手可能な
物質を用いることができ、また粘土は一般的な粘
土類、陶石、長石、ろう石等、その組成および産
地は特に限定はなく適宜選択に用いればよい。 本発明は上記の出発原料の性質上、多成分を有
するため、製造条件や製品の物性に変動が生じ易
く、それらの特定性に非常な困難性があるけれど
も本発明者らの数多くの実験によれば次の組成; モル比:R2O3/MgO=0.9〜2.0 [式中RはAl、FeおよびCrの合量を表わす] モル比:SiO2/MgO=1〜6 となるように配合し、次いで混練してセラミツク
ス素地を調製する工程が本発明にかかる焼結体の
再現性のために特に重要なところである。上記モ
ル比SiO2/MgOが1未満では六価クロムが焼成
の際に還元されないのみならず、三価クロムが六
価クロムへと酸化する傾向となり易く、完全に無
害化されないからである。他方SiO2/MgOが6
を越える場合および、モル比R2O3/MgOが前記
範囲外では焼結性が悪かつたり、焼結体中のスピ
ネル成分量が少なくなつたりして、前記した特徴
的物性が得られないなど、本発明における緻密な
セラミツクス焼結体の目的とする意図に添わなく
なる。 従つて、多くの場合、モル比R2O3/MgOは1.0
〜1.5、SiO2/MgOは1〜5が実用的で好まし
い。 次に上記のセラミツクス素地を形成および乾燥
して成形体を調製する工程は、従来採られている
操作と手順にて行えばよく、特に限定する必要は
ない。 従つて、セラミツクス素地の形成においては、
必要に応じ水又は有機又は無機系の所望の結合剤
を少量添加することは成形操作を容易にするため
に望ましいことである。 なお、成形は乾式又は湿式のいずれの方式を用
いてもよいが通常は乾式成形の方が工業的かつ物
性上好ましい場合が多く、その場合、成形圧は少
なくとも300Kg/cm2であることが望ましい。また
例えば押し出し成形の場合は所謂ペフアーコーン
法により測定した可塑性以下の条件で成形するこ
とが望ましい。 更に、成形体の乾燥処理は、その含水量を制御
する必要上湿式成形においては勿論のこと、乾式
成形においても行う。 このように、それぞれの目的に応じて素地の成
形体を得、次いで該成形体を焼成するが、この工
程では最高温度1150〜1300℃の熱雰囲気で行う。
焼成炉としては電気炉、ガス炉、灯油、重油焚き
炉等一般的な窯業用焼成炉で焼成すれば良いが、
この場合、原料の種類と調合割によつて素地の融
点は大幅に変化するが、可能な限り高温でしかも
長時間焼成することが望ましく、通常素地が焼結
する温度で焼成する場合、素地中の成分は反応に
よりスピネル鉱物組成に変化し、緻密で吸水率が
低くしかも強度のある焼結体が得られる。 加熱雰囲気としては一般に云う酸化、中性およ
び還元各雰囲気に於て目的の焼結体は得られる
が、本発明者の検討結果では加熱ガス(燃焼ガ
ス)の酸素濃度が低い程、又一酸化炭素濃度が高
い程、素地中の成分のスピネル化反応、及び焼結
化反応が早いことを認めた。 ところで、MgO−Al2O3系スピネルは天然に存
在せず合成する場合は、電融法で1800℃以上の高
温が必要であり、SiO2を添加しても磁器化温度
は1300℃以上である。 また天然に存在するクロム鉱もスピネルである
が、従来その用途は耐火物が主でその製造も1500
℃以上で行なわれている。 しかるに、本発明に係る方法では、焼成温度が
従来のスピネル系セラミツクスの焼成に比して著
しく低温で緻密な反応焼結するところに特徴があ
る。 この理由の詳細な機構は不明であるが、多様な
成分で構成されるクロム鉱滓を主原料としている
ため、特に、少量の六価クロムおよびアルカリ成
分が焼結剤として作用すると考えられる。 また、この焼成工程において、出発原料の一つ
であるクロム鉱滓は、通常六価クロムがCrO3と
して0.5〜1.5重量%程度含有しているが、これに
適量の珪酸分が存在すると、加熱焼成の際、例え
ば次の式に示すように六価のクロムは実質的に還
元される。 2CaO・CrC3+2SiO2→2CaO・SiO2 +Cr2O3+3/2O2 2Na2O・CrC3+2SiO2→2Na2O・SiO2 +Cr2O3+3/2O2 又、アルミナ含有物も上記と同様な効果を示
し、結局一般的にセラミツクス原料として使用さ
れるアルミナシリケート含有物質は、本発明にお
いては単なる原料として止まらず、クロム鉱滓の
アルカリ成分を中和し、かつ六価クロムの還元剤
として作用する。従つてクロム鉱滓中の六価クロ
ムは本発明において実質的に検出されず問題とな
ることはない。 かくして製造されるスピネル系セラミツクス焼
結体は上記のように熱伝導率が1.3〜2.5kcal/mh
℃および比抵抗が102〜107Ωcmという物性を有す
るが、これは例えば、一般のスピネル磁器
(MgO・Al2O3)、長石質磁器(SiO2・Al2O3)、
アルミナ磁器(Al2O3)ステアタイト磁器
(MgO・SiO2)、フオルステライト磁器あるいは
コージセライト(MgO・Al2O3・SiO2)等のセ
ラミツクス絶縁物と比較すると、それぞれ0.5〜
0.8kal/mh℃および1010Ωcm以上であつて、実に
数倍以上の伝熱特性および導電特性を有する特徴
的なものである。 かかる特性のゆえに伝熱特性を生かした用途と
しては、工業用熱交換器等の伝熱機器材としては
もちろん一般建築用材料における省エネ材として
の伝熱性を必要とする屋根材、床材、壁材等への
用途が期待できる。 又導電特性を生かした用途として帯電防止材、
電磁波シールド材として十分供せられるものであ
る。 実施例 1 表1に示す組成のクロム鉱滓粉末(粒径200メ
ツシユ篩全通)100重量部に対し粘土(粒径200メ
ツシユ篩全通)を次の組成のモル比になるよう配
合した。 R2O3/MgO=1.1 SiO2/MgO=1.3 この配合物に乾量基準6重量%の水を加え均一
に混合したのち、10cmの成形用金型に入れ400
Kg/cm2の圧力で加圧成形し10cm×10cm×2cmの成
形体を作る。次いで100℃で8時間乾燥したのち、
該成形体をブタンガス燃焼ガス炉で表2に示すス
ケジユールにより加熱焼成した。 得られたセラミツクス焼結体の物性を測定した
ところ表3に示す結果が得られた。
詳しく言えば特にクロム酸ソーダ製造の際に廃出
するクロム鉱滓に粘土を含むアルミニウムシリケ
ート粉末を添加、焼成してなるスピネル系セラミ
ツクス焼結体に関するものであり、該焼結体は熱
伝導性、電気伝導性、強度および磁気特性等に優
れた特徴を有するものであるため、例えば機能性
タイルなどに利用できる。 [従来の技術] 一般的にクロム酸ソーダの工業的な製造法はク
ロム鉱石にソーダ灰、苛性ソーダなどのアルカリ
剤を配合し、さらに必要に応じて石灰や不活性充
填剤などを添加した混合物を高温で酸化焙焼し、
次いで焙焼物を水で浸出することによつてクロム
酸ソーダ水溶液として得る方法が採られるが、こ
の際多量の含クロム鉱滓(以下クロム鉱滓とい
う)が副生する。 該クロム鉱滓には有害な六価クロムが含有され
ているので、そのまま廃棄すると土壌や水質を汚
染し、公害の原因となる為、クロム鉱滓を無害化
する処理方法としてクロム鉱滓に直接還元剤を添
加して六価クロムを三価に還元する方法、珪酸塩
物質及び還元剤を添加して高温で還元処理する方
法が行なわれているが、いずれの方法を用いても
処理生成物は単に廃棄するか、埋立材、或いは骨
材として利用されているのが現状である。 他方、本出願人は、クロム鉱滓の有効利用の一
つとしてセラミツクスへの分野において、クロム
鉱滓が適用できることを開発し既に特許出願した
(特開昭51−41009号、特開昭51−81806号、特開
昭59−92968号)。 [発明が解決しようとする課題] しかしてクロム鉱滓は、その性質上、化学組成
はもちろんのこと他の物性も非常に多様性を有
し、工業的に有効利用するには製造工程は勿論、
セラミツクスの諸物性についても著しく再現性に
欠ける問題があつた。 通常クロム鉱滓中にはカルシウム成分を含有す
るが、これが多量にあるクロム鉱滓を用いたセラ
ミツクスは機能的にも耐久性に劣り、問題がある
ことがわかつた。 本発明者らは上記の事実に鑑み、クロム鉱滓の
積極的有効利用を図るべく、クロム鉱滓を主原料
とするセラミツクス焼結体の物性と製法とを改良
すべく鋭意研究したところ、クロムを含有する特
定組成のクロム鉱滓にあつては、セラミツクス原
料として特徴ある性質が発現することを知見し、
本発明を完成した。 なお、スピネル(MgO、Al2O3)とSiO2を主
組成とする磁器およびスピネル中にFe、Crが固
溶すること自体は、例えば吉木文平著「鉱物工
学」(p523〜524、p502)に記載されてはいるが、
クロム鉱滓を用いて本発明の目的とするような品
質の優れたセラミツクス焼結体を得ることについ
ては全く示唆されてはいない。 [課題を解決するための手段] 本発明は、クロム鉱滓粉末と粘土との緻密な反
応焼結体であつて、該焼結体は化学組成およびX
線回折に基づく分析からみて、Al、FeおよびCr
が相互に固溶している固溶スピネルと石英とを主
成分とし、かつ熱伝導率:1.3〜2.5kcal/mh℃お
よび比抵抗:102〜107Ωcmの範囲の物性を有する
ことを特徴とするスピネル系セラミツクス焼結体
にかかるものである。 本発明にかかる焼結体は、上記のように固溶ス
ピネルと石英とを主組成とするものであるが、石
英は容易にX線回折で確認でき、また固溶スピネ
ルも純粋スピネル(MgO、Al2O3)の結晶が示す
回折線のずれにより固溶体があることがその焼結
体の化学組成と相俟つて確認できるものである。 本発明における焼結体は上記2つの結晶相の外
にX線回折上他の結晶相も若干存在しうることが
ありうるが、明確に確認できるのは上記2成分で
あることから、これらを主組成とするセラミツク
スであるということができる。 しかして、上記固溶スピネルは、X線回折およ
び化学組成の分析上、次の一般式; (Mgl・Fen)O・(Alo・Fep・Crp)2O3 [式中、l=0.4〜1.0、m=0〜0.6、但しl+m
=1、n=0.5〜0.5、o=0.2〜0.6、p=0.2〜
0.6、但しn+o+p=1の値で示される原子比
を表わす] で示されるスピネルとなつている。 このような特徴的なスピネル組成にある理由
は、後述するようなクロム鉱滓粉末および粘土を
含むアルミニウムシリケートの特徴的原料とその
配合組成に起因するが、それ故に本発明にかかる
焼結体は上記のような熱伝導性と比抵抗の値を示
す特徴的な緻密な反応焼結体となつているものと
云うことができ、また、組成の如何では磁性も有
する。 このことは即ち、耐圧強度500〜2000Kg/cm2、
曲げ強度200〜500Kg/cm2の範囲にある機械的強度
特性を有し、また気孔率および吸水率がそれぞれ
2%以下のセラミツクス焼結体となつている。 さらに本発明にかかる焼結体は黒色系の色調を
有し、組成変化により濃淡があり、またアルミニ
ウムシリケートの原料選択によつては黒みかげ石
の如き格調のある色調を有している。 このようなスピネル系セラミツクス焼結体は次
の方法で再現性よく、工業的に有利に製造するこ
とができる。 すなわち、クロム鉱滓粉末と少なくとも粘土を
含むアルミニウムシリケート粉末とを次の組成; モル比:R2O3/MgO=0.9〜2.0 [式中RはAl、FeおよびCrの合量を表わす] モル比:SiO2/MgO=1〜6 となるように配合および混練してセラミツクス素
地を調製する工程、該素地を成形および乾燥して
セラミツクス素地の成形体を調製する工程、次い
で該成形体を最高温度1150〜1300℃の熱雰囲気で
反応焼結させる焼成工程からなることを特徴とす
るものである。 上記において、クロム鉱滓粉末および粘土粉末
とを出発原料とする。クロム鉱滓というのは、そ
の性質上化学組成が極めて多様であるけれども、
本発明においては次の組成;Cr2O3:2〜18wt
%、CaO:0〜15wt%、Fe2O3:10〜45wt%、
Al2O3=5〜20wt%、MgO:5〜20wt%、その
他:2〜10wt%の範囲のものでなければならな
い。 上記から明らかなように、通常クロム鉱滓には
CaO成分が多量に含有されているものであるが、
本発明ではこれが多くとも15wt%というできる
だけ少ないものであることが必要である。 この理由は、本発明者らの数多くの実験に基づ
いて判明したもので、CaO成分は焼結体に鉱化剤
として作用し、スピネル相の生成を促進する為、
有効な成分であるが、約15wt%を越えるほどの
多量に過ぎると急激な融点降下をきたし、焼成工
程において制御が困難となると共に、セラミツク
ス焼結体の物性も著しく変化して前記の如きスピ
ネル系セラミツクス焼結体の特徴的なものとはな
らないことによる。 次に、かかるクロム鉱滓粉末は80メツシユ篩全
通、かつ200メツシユ篩を50%以上通過する微粉
末として粒度調整したものを用いる。通常、セラ
ミツクス原料として微細な粒度が性質上望まれる
が、本発明においてはクロム鉱滓中の六価クロム
を実質的に還元するための条件の1つとしても上
記粒度調整は重要である。 他方、アルミニウムシリケートは少なくとも粘
土を使用するが、この他に必要に応じてフライア
ツシユ、Al2O3およびSiO3を含有する入手可能な
物質を用いることができ、また粘土は一般的な粘
土類、陶石、長石、ろう石等、その組成および産
地は特に限定はなく適宜選択に用いればよい。 本発明は上記の出発原料の性質上、多成分を有
するため、製造条件や製品の物性に変動が生じ易
く、それらの特定性に非常な困難性があるけれど
も本発明者らの数多くの実験によれば次の組成; モル比:R2O3/MgO=0.9〜2.0 [式中RはAl、FeおよびCrの合量を表わす] モル比:SiO2/MgO=1〜6 となるように配合し、次いで混練してセラミツク
ス素地を調製する工程が本発明にかかる焼結体の
再現性のために特に重要なところである。上記モ
ル比SiO2/MgOが1未満では六価クロムが焼成
の際に還元されないのみならず、三価クロムが六
価クロムへと酸化する傾向となり易く、完全に無
害化されないからである。他方SiO2/MgOが6
を越える場合および、モル比R2O3/MgOが前記
範囲外では焼結性が悪かつたり、焼結体中のスピ
ネル成分量が少なくなつたりして、前記した特徴
的物性が得られないなど、本発明における緻密な
セラミツクス焼結体の目的とする意図に添わなく
なる。 従つて、多くの場合、モル比R2O3/MgOは1.0
〜1.5、SiO2/MgOは1〜5が実用的で好まし
い。 次に上記のセラミツクス素地を形成および乾燥
して成形体を調製する工程は、従来採られている
操作と手順にて行えばよく、特に限定する必要は
ない。 従つて、セラミツクス素地の形成においては、
必要に応じ水又は有機又は無機系の所望の結合剤
を少量添加することは成形操作を容易にするため
に望ましいことである。 なお、成形は乾式又は湿式のいずれの方式を用
いてもよいが通常は乾式成形の方が工業的かつ物
性上好ましい場合が多く、その場合、成形圧は少
なくとも300Kg/cm2であることが望ましい。また
例えば押し出し成形の場合は所謂ペフアーコーン
法により測定した可塑性以下の条件で成形するこ
とが望ましい。 更に、成形体の乾燥処理は、その含水量を制御
する必要上湿式成形においては勿論のこと、乾式
成形においても行う。 このように、それぞれの目的に応じて素地の成
形体を得、次いで該成形体を焼成するが、この工
程では最高温度1150〜1300℃の熱雰囲気で行う。
焼成炉としては電気炉、ガス炉、灯油、重油焚き
炉等一般的な窯業用焼成炉で焼成すれば良いが、
この場合、原料の種類と調合割によつて素地の融
点は大幅に変化するが、可能な限り高温でしかも
長時間焼成することが望ましく、通常素地が焼結
する温度で焼成する場合、素地中の成分は反応に
よりスピネル鉱物組成に変化し、緻密で吸水率が
低くしかも強度のある焼結体が得られる。 加熱雰囲気としては一般に云う酸化、中性およ
び還元各雰囲気に於て目的の焼結体は得られる
が、本発明者の検討結果では加熱ガス(燃焼ガ
ス)の酸素濃度が低い程、又一酸化炭素濃度が高
い程、素地中の成分のスピネル化反応、及び焼結
化反応が早いことを認めた。 ところで、MgO−Al2O3系スピネルは天然に存
在せず合成する場合は、電融法で1800℃以上の高
温が必要であり、SiO2を添加しても磁器化温度
は1300℃以上である。 また天然に存在するクロム鉱もスピネルである
が、従来その用途は耐火物が主でその製造も1500
℃以上で行なわれている。 しかるに、本発明に係る方法では、焼成温度が
従来のスピネル系セラミツクスの焼成に比して著
しく低温で緻密な反応焼結するところに特徴があ
る。 この理由の詳細な機構は不明であるが、多様な
成分で構成されるクロム鉱滓を主原料としている
ため、特に、少量の六価クロムおよびアルカリ成
分が焼結剤として作用すると考えられる。 また、この焼成工程において、出発原料の一つ
であるクロム鉱滓は、通常六価クロムがCrO3と
して0.5〜1.5重量%程度含有しているが、これに
適量の珪酸分が存在すると、加熱焼成の際、例え
ば次の式に示すように六価のクロムは実質的に還
元される。 2CaO・CrC3+2SiO2→2CaO・SiO2 +Cr2O3+3/2O2 2Na2O・CrC3+2SiO2→2Na2O・SiO2 +Cr2O3+3/2O2 又、アルミナ含有物も上記と同様な効果を示
し、結局一般的にセラミツクス原料として使用さ
れるアルミナシリケート含有物質は、本発明にお
いては単なる原料として止まらず、クロム鉱滓の
アルカリ成分を中和し、かつ六価クロムの還元剤
として作用する。従つてクロム鉱滓中の六価クロ
ムは本発明において実質的に検出されず問題とな
ることはない。 かくして製造されるスピネル系セラミツクス焼
結体は上記のように熱伝導率が1.3〜2.5kcal/mh
℃および比抵抗が102〜107Ωcmという物性を有す
るが、これは例えば、一般のスピネル磁器
(MgO・Al2O3)、長石質磁器(SiO2・Al2O3)、
アルミナ磁器(Al2O3)ステアタイト磁器
(MgO・SiO2)、フオルステライト磁器あるいは
コージセライト(MgO・Al2O3・SiO2)等のセ
ラミツクス絶縁物と比較すると、それぞれ0.5〜
0.8kal/mh℃および1010Ωcm以上であつて、実に
数倍以上の伝熱特性および導電特性を有する特徴
的なものである。 かかる特性のゆえに伝熱特性を生かした用途と
しては、工業用熱交換器等の伝熱機器材としては
もちろん一般建築用材料における省エネ材として
の伝熱性を必要とする屋根材、床材、壁材等への
用途が期待できる。 又導電特性を生かした用途として帯電防止材、
電磁波シールド材として十分供せられるものであ
る。 実施例 1 表1に示す組成のクロム鉱滓粉末(粒径200メ
ツシユ篩全通)100重量部に対し粘土(粒径200メ
ツシユ篩全通)を次の組成のモル比になるよう配
合した。 R2O3/MgO=1.1 SiO2/MgO=1.3 この配合物に乾量基準6重量%の水を加え均一
に混合したのち、10cmの成形用金型に入れ400
Kg/cm2の圧力で加圧成形し10cm×10cm×2cmの成
形体を作る。次いで100℃で8時間乾燥したのち、
該成形体をブタンガス燃焼ガス炉で表2に示すス
ケジユールにより加熱焼成した。 得られたセラミツクス焼結体の物性を測定した
ところ表3に示す結果が得られた。
【表】
【表】
【表】
実施例 2
実施例1に示した組成及び粒度のクロム鉱滓に
対して粘土(粒径200メツシユ篩全通)を次の組
成のモル比になるよう配合した。 R2O3/MgO+FeO=1.4 [RはAl、FeおよびCrの合量を表す] SiO2/MgO=4.5 この配合物にペフアーコーン法による可塑性値
17.5になるように水を加え混練後、真空土練成形
機で押し出し形成し10cm×10cm×2cmの成形体を
作る。次いで実施例1と同様に乾燥、焼成した
(最高焼成温度は1200℃とした)。得られた焼結体
の物性値を表4に示す。
対して粘土(粒径200メツシユ篩全通)を次の組
成のモル比になるよう配合した。 R2O3/MgO+FeO=1.4 [RはAl、FeおよびCrの合量を表す] SiO2/MgO=4.5 この配合物にペフアーコーン法による可塑性値
17.5になるように水を加え混練後、真空土練成形
機で押し出し形成し10cm×10cm×2cmの成形体を
作る。次いで実施例1と同様に乾燥、焼成した
(最高焼成温度は1200℃とした)。得られた焼結体
の物性値を表4に示す。
【表】
【表】
[発明の効果]
本発明にかかるスピネル系セラミツクス焼結体
は、クロム鉱滓と粘土との反応焼結体であつて、
前記のように緻密で熱伝導性電気伝導性、強度お
よび色調において特徴があり、機能的セラミツク
スとして応用できるものである。 とりわけ、従来利用価値がないばかりでなく、
むしろ公害の問題として対策に困難を極めていた
クロム鉱滓を単に無公害化するに止まらず、その
クロム化合物を含有する特徴を積極的に利用する
ことにより特異な性質のセラミツクスの製造を可
能にしたことは工業的に意義が大きいのである。
は、クロム鉱滓と粘土との反応焼結体であつて、
前記のように緻密で熱伝導性電気伝導性、強度お
よび色調において特徴があり、機能的セラミツク
スとして応用できるものである。 とりわけ、従来利用価値がないばかりでなく、
むしろ公害の問題として対策に困難を極めていた
クロム鉱滓を単に無公害化するに止まらず、その
クロム化合物を含有する特徴を積極的に利用する
ことにより特異な性質のセラミツクスの製造を可
能にしたことは工業的に意義が大きいのである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 クロム鉱滓粉末と粘土との緻密な反応焼結体
であつて、該焼結体は化学組成およびX線回折に
基づく分析からみて、Al、FeおよびCrが相互に
固溶している固溶スピネルと石英とを主組成と
し、かつ熱伝導率:1.3〜2.5kcal/mh℃および比
抵抗:102〜107Ωcmの範囲の物性を有することを
特徴とするスピネル系セラミツクス焼結体。 2 クロム鉱滓粉末は、カルシウム成分がCaOと
して15wt%以下である特許請求の範囲第1項に
記載のスピネル系セラミツクス焼結体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2194979A JPH03205357A (ja) | 1985-07-10 | 1990-07-25 | スピネル系セラミックス焼結体 |
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60149993A JPS6212661A (ja) | 1985-07-10 | 1985-07-10 | スピネル系セラミックス焼結体の製造方法 |
| JP2194979A JPH03205357A (ja) | 1985-07-10 | 1990-07-25 | スピネル系セラミックス焼結体 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60149993A Division JPS6212661A (ja) | 1985-07-10 | 1985-07-10 | スピネル系セラミックス焼結体の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH03205357A JPH03205357A (ja) | 1991-09-06 |
| JPH0521860B2 true JPH0521860B2 (ja) | 1993-03-25 |
Family
ID=26479721
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2194979A Granted JPH03205357A (ja) | 1985-07-10 | 1990-07-25 | スピネル系セラミックス焼結体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH03205357A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100405063B1 (ko) * | 2000-11-17 | 2003-11-07 | 주식회사 삼한 씨원 | 건축용 유색벽돌의 제조방법 |
| JP4100562B2 (ja) * | 2003-06-13 | 2008-06-11 | 日本化学工業株式会社 | スピネル系複合酸化物焼成体およびその製造方法 |
-
1990
- 1990-07-25 JP JP2194979A patent/JPH03205357A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH03205357A (ja) | 1991-09-06 |
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