JPH05229972A - フェノール及びメチルエチルケトンの製造方法 - Google Patents

フェノール及びメチルエチルケトンの製造方法

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JPH05229972A
JPH05229972A JP4180768A JP18076892A JPH05229972A JP H05229972 A JPH05229972 A JP H05229972A JP 4180768 A JP4180768 A JP 4180768A JP 18076892 A JP18076892 A JP 18076892A JP H05229972 A JPH05229972 A JP H05229972A
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JP
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hydroperoxide
phenol
butylbenzene
sec
ethyl
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JP4180768A
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Seiji Iwanaga
清司 岩永
Mitsuhisa Tamura
光久 田村
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 sec−ブチルベンゼンを酸化後、分解して
フェノール及びメチルエチルケトンを得る方法におい
て、酸化反応後に発生する回収反応液を酸化反応域へリ
サイクルするにあたって、該回収反応液をアルカリ水溶
液で洗浄した後に酸化反応域へリサイクルする。 【効果】 酸化反応速度を高水準に維持して、回収反応
液を有効に再利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフェノール及びメチルエ
チルケトンの製造方法に関するものである。更に詳しく
は、本発明はsec−ブチルベンゼンを出発原料とする
フェノール及びメチルエチルケトンの製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】sec−ブチルベンゼンを酸化してse
c−ブチルベンゼンハイドロパーオキサイドとし、次に
sec−ブチルベンゼンハイドロパーオキサイドを分解
してフェノール及びメチルエチルケトンを得る方法は公
知である(特開昭48−80524号公報)。しかしな
がら、従来の方法においては、sec−ブチルベンゼン
を酸化してsec−ブチルベンゼンハイドロパーオキサ
イドを得る酸化工程において副生するエチルハイドロパ
ーオキサイドなどの副生物が系内に蓄積し、該蓄積した
副生物は酸化反応の反応速度を低下させ、かつ爆発とい
った安全上の観点からも好ましくないという問題を有し
ていた。酸化反応で生じる副生物の除去に関しては、ク
メンからクメンハイドロパーオキサイドを得る酸化反応
において、酸化反応系内にアルカリを添加することによ
り、好ましくない副生脂肪酸類の生成を抑制する技術が
知られている(特公昭63−42619号公報)。しか
しながら、この技術をsec−ブチルベンゼンからse
c−ブチルベンゼンハイドロパーオキサイドを得る酸化
反応系に適用した場合、酸化反応の選択率が低下すると
いう問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明が解決しようとする課題は、上記の従来の技術の問
題点を解消し、sec−ブチルベンゼンを出発原料とす
るフェノール及びメチルエチルケトンの製造方法であっ
て、好ましくない副生物の製造系内への蓄積を防止し、
よってsec−ブチルベンゼンの酸化反応速度を高水準
に維持することができるフェノール及びメチルエチルケ
トンの製造方法を提供する点に存するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討の結果、本発明に到達した。す
なわち、本発明は、sec−ブチルベンゼンを出発原料
としてフェノール及びメチルエチルケトンを製造する方
法であって、下記の工程を含むことを特徴とするフェノ
ール及びメチルエチルケトンの製造方法に係るものであ
る。 酸化工程:sec−ブチルベンゼンを酸化してsec−
ブチルベンゼンハイドロパーオキサイドを主成分とする
酸化反応液を得る工程 凝縮工程:酸化工程で発生する酸化排ガスを冷却するこ
とにより、sec−ブチルベンゼン、エチルハイドロパ
ーオキサイド、脂肪酸類及びフェノールを含有する凝縮
液を得る工程 濃縮工程:酸化反応液を蒸留により濃縮し、塔底部から
sec−ブチルベンゼンハイドロパーオキサイドを主成
分とする塔底液を得、塔頂部からsec−ブチルベンゼ
ン、エチルハイドロパーオキサイド、脂肪酸類及びフェ
ノールを含む留出液を得る工程 アルカリ洗浄工程:凝縮工程で得られた凝縮液及び濃縮
工程で得られた留出液をアルカリ水溶液により洗浄し、
油層と水層に分離した後、油層を酸化工程にリサイクル
する工程であって、用いるアルカリ水溶液のアルカリ量
は、凝縮液及び留出液中のエチルハイドロパーオキサイ
ド、脂肪酸類及びフェノールの合計1モルあたり1〜1
0モルであり、かつ脂肪酸類及びフェノールの合計1モ
ルあたり10〜100モルである工程
【0005】以下、詳細に説明する。本発明の酸化工程
とは、sec−ブチルベンゼンを酸化してsec−ブチ
ルベンゼンハイドロパーオキサイドを主成分とする酸化
反応液を得る工程であり、たとえば次のとおり行われ
る。すなわち、液体のsec−ブチルベンゼンを、90
〜150℃の温度、1〜10kg/cm2 Gの圧力下、
酸素含有ガスと接触させることによりsec−ブチルベ
ンゼンハイドロパーオキサイドとする。
【0006】本発明の凝縮工程とは、酸化工程で発生す
る酸化排ガスを冷却することにより、sec−ブチルベ
ンゼン、エチルハイドロパーオキサイド、脂肪酸類及び
フェノールを含有する凝縮液を得る工程であり、通常の
冷却凝縮器を用い得る。
【0007】本発明の濃縮工程とは、酸化反応液を蒸留
により濃縮し、塔底部からsec−ブチルベンゼンハイ
ドロパーオキサイドを主成分とする塔底液を得、塔頂部
からsec−ブチルベンゼン、エチルハイドロパーオキ
サイド、カルボン酸類及びフェノールを含む留出液を得
る工程である。ここで、留出液中にはsec−ブチルベ
ンゼン及びエチルハイドロパーオキサイドの他、脂肪酸
類及び少量のフェノールが含まれる。濃縮工程における
蒸留の条件は、要するにsec−ブチルベンゼンハイド
ロパーオキサイドを主成分とする塔底液とsec−ブチ
ルベンゼン、エチルハイドロパーオキサイド、脂肪酸類
及びフェノールを含む留出液が得られるように設定すれ
ばよく、たとえば塔底温度50〜150℃、塔頂圧力1
〜200torrがあげられる。
【0008】ところで、酸化工程においては、目的物で
あるsec−ブチルベンゼンハイドロパーオキサイドの
他、エチルハイドロパーオキサイド、脂肪酸類及びフェ
ノールといった副生物が生成する。これら副生物のうち
一部は未反応のsec−ブチルベンゼンと共に、酸化排
ガスに伴われて酸化反応器より留出し、凝縮工程におい
て凝縮液中に回収される。更に、濃縮工程で得られる留
出液中にも、sec−ブチルベンゼンの他、エチルハイ
ドロパーオキサイド、脂肪酸類及びフェノールといった
副生物が含まれる。これら凝縮液及び留出液中のsec
−ブチルベンゼンは、酸化工程へリサイクルさせて酸化
反応の原料として再利用する必要があるが、副生物であ
るエチルハイドロパーオキサイド、脂肪酸類及びフェノ
ールを含む凝縮液及び留出液をそのまま酸化工程へリサ
イクルさせた場合には、系内に該副生物が蓄積し、酸化
工程の反応速度を低下させ、反応器の容積効率を低下さ
せ、爆発といった安全上の問題を生起せしめるのであ
る。本発明は、かかる問題を解決したものである。すな
わち、本発明者らは、かかる問題を発生させる原因とな
る副生物であるエチルハイドロパーオキサイド、脂肪酸
類及びフェノールは、下記の本発明の特徴的なアルカリ
洗浄工程により、一挙に除去し得ることを見いだしたの
である。
【0009】本発明のアルカリ洗浄工程とは、凝縮工程
で得られた凝縮液及び濃縮工程で得られた留出液をアル
カリ水溶液により洗浄し、油層と水層に分離した後、油
層を酸化工程にリサイクルする工程であって、用いるア
ルカリ水溶液のアルカリ量は、凝縮液及び留出液中のエ
チルハイドロパーオキサイド、脂肪酸類及びフェノール
の合計1モルあたり1〜10モルであり、かつ脂肪酸類
及びフェノールの合計1モルあたり10〜100モルで
ある工程である。なお、アルカリ洗浄に供せられる液中
の各副生物の含有量は、前工程の運転条件に左右される
が、通常、エチルハイドロパーオキサイド0.1〜5w
t%、脂肪酸類0.01〜1wt%、フェノール0.0
01〜0.1wt%程度である。アルカリ洗浄の条件
は、次のとおりである。
【0010】アルカリとしては、アルカリ金属水酸化物
又はアルカリ金属炭酸塩の水溶液が用いられ、なかでも
水酸化ナトリウムの水溶液が好ましい。用いられるアル
カリの量は、エチルハイドロパーオキサイド、脂肪酸類
及びフェノールの合計1モルあたり1〜10モル、好ま
しくは2〜7モルであり、かつ脂肪酸類及びフェノール
の合計1モルあたり10〜100モル、好ましくは10
〜60モルである。アルカリの量が過少な場合は副生物
を除去する効果が不十分となり、一方該量が過多な場合
はアルカリの損失となる。用いられるアルカリ水溶液の
アルカリ濃度は、通常1〜30wt%、好ましくは3〜
15wt%である。該濃度が過少な場合は排水量が増加
することがあり、一方該量が過多な場合は洗浄後の分液
性に劣ることがあり、好ましくない。アルカリ洗浄工程
の温度は、通常常温〜80℃である。該温度が低すぎる
場合は分液性に劣ることがあり、一方該温度が高すぎる
場合はハイドロパーオキサイドの分解反応が進行するこ
とがあり、好ましくない。アルカリ洗浄を行う具体的な
方法としては、要するに、洗浄されるべき液とアルカリ
水溶液とを十分に接触させ、その後油層と水層とを分離
すればよく、たとえば攪拌器付の槽、ラインミキサー、
パイプミキサーなどが用いられる。かかるアルカリ洗浄
工程により、好ましくない副生物は極めて効率的に油層
から分離され、油層中の副生物濃度は、通常エチルハイ
ドロパーオキサイド0.01〜0.5wt%、脂肪酸
0.01wt%以下及びフェノール0.001wt%以
下に維持され得る。
【0011】なお、最終目的物であるフェノール及びメ
チルエチルケトンを得るには、たとえば濃縮工程の塔底
部から得られるsec−ブチルベンゼンハイドロパーオ
キサイドを主成分とする塔底液を酸性触媒により分解す
ることによりフェノール及びメチルエチルケトンに変換
し、次にフェノールとメチルエチルケトンを各々分離、
精製すればよい。
【0012】本発明の好ましい態様のひとつとして、ア
ルカリ洗浄工程の後に、下記の水素添加工程及び蒸留工
程を置くことがあげられる。
【0013】水素添加工程とは、アルカリ洗浄工程で得
られた水層を、直接又は中和後、水素添加反応に付し、
エチルハイドロパーオキサイドをエチルアルコールに変
換する工程である。水素添加反応の条件は、たとえば次
のとおりである。触媒としては、パラジウム、白金、ル
テニウム、ロジウムなど、通常の水素化触媒のうちから
選ぶことができる。また、上記の金属触媒を、活性炭、
シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、活性白土などの担
体に担持させたものを用いてもよい。反応温度は通常常
温〜150℃、好ましくは40〜100℃である。該温
度が高すぎる場合は反応の制御が困難となることがあ
り、一方該温度が低すぎる場合は反応の進行が遅くなる
ことがあり、好ましくない。圧力は通常1〜30kg/
cm2 G、好ましくは1〜15kg/cm2 Gである。
該圧力が高すぎる場合は反応の制御が困難となることが
あり、一方該圧力が低すぎる場合は反応の進行が遅くな
ることがあり、好ましくない。水素の供給量はエチルハ
イドロパーオキサイド1モルあたり1モルでよいが、水
素添加反応の反応速度を早くするために過剰に加えるこ
とができる。この場合の水素の供給量は、エチルハイド
ロパーオキサイド1モルあたり、通常1〜10モル、好
ましくは1〜5モルである。なお、過剰な水素は循環し
て再利用することができる。水素の供給量が過少の場合
は水素添加反応の進行が不十分となることがあり、一方
該供給量が過多な場合は循環する水素の量が過大とな
り、好ましくない。かくして、エタノール、脂肪酸類及
びフェノールを含有する水素添加反応液が得られる。
【0014】蒸留工程とは、水素添加工程で得られた水
素添加反応液を蒸留し、塔頂部からエタノールを回収す
る工程である。蒸留の条件としては、エタノールを主成
分とする留出液とカルボン酸類及びフェノールを含む塔
底液が得られるように設定すればよく、たとえば塔底温
度50〜150℃、塔頂圧力0.2〜5kg/cm2
があげられる。
【0015】かかる水素添加工程及び蒸留工程を置くこ
とにより、エタノールが回収され、該エタノールは各種
用途に有用な化合物として有効利用される。一方、脂肪
酸類及び少量のフェノールは蒸留塔底液として回収さ
れ、排水処理工程などを経た後、廃棄される。なお、排
水量を減少させ、過剰に添加されたアルカリの損失を防
止するため、一部の排水をアルカリ洗浄工程へリサイク
ルすることもできる。
【0016】本発明の好ましい他の態様のひとつとし
て、アルカリ洗浄工程の後に、下記の熱分解工程を置く
ことがあげられる。熱分解工程とは、アルカリ洗浄工程
で得られた水層を、直接又は中和後、熱分解反応に付
し、エチルハイドロパーオキサイドを熱分解する工程で
ある。熱分解反応は、80〜200℃、好ましくは10
0〜160℃の温度範囲で実施される。反応温度が高す
ぎる場合は、反応の制御が困難になり、一方反応温度が
低すぎる場合は、反応の進行が遅くなる。反応時の圧力
は、エチルハイドロパーオキサイドが液相(水溶液)を
維持できる範囲であればよい。なお、熱分解反応によ
り、エチルハイドロパーオキサイドはエタノール、アセ
トアルヒド及び酢酸に分解される。このことにより、危
険でかつ排水処理用活性汚泥中の微生物を死滅させ、該
汚泥の活性を低下させるハイドロパーオキサイド類(特
公昭63−42619号参照)が除去される。また、熱
分解により発生する分解熱を通常の熱交換器などを用い
て回収し、スチームなどを発生させる方法も好ましい態
様のひとつである。
【0017】
【実施例】次に、実施例により本発明を説明する。 実施例1 100lのSUS304製反応器に、sec−ブチルベ
ンゼン及びsec−ブチルベンゼンハイドロパーオキサ
イド溶液を合計47.6kg仕込んだ。なお、sec−
ブチルベンゼンハイドロパーオキサイドの濃度が1.1
wt%となるように調整した。次いで、該溶液に、攪拌
下、酸素濃度10vol%を含有するように窒素ガスで
希釈した空気を80Nl/hで導入し、圧力1.5kg
/cm2G、温度120℃の条件にて6時間酸化反応を
行った。酸化反応終了後、反応器内の反応液を分析した
結果、そのハイドロパーオキサイド濃度は10.7wt
%であった。また、酸化排ガスを凝縮させることにより
7.2kgの凝縮液を得た。凝縮液を分析した結果、主
成分であるsec−ブチルベンゼンの他、ハイドロパー
オキサイド0.54wt%(ただし、エチルハイドロパ
ーオキサイド換算での値である。以下同じ。)、フェノ
ール259ppm及び酸量7.2mmol/kg(蟻酸
76wtppm、酢酸339wtppm)を得た。
【0018】次に、100mlのガラス製フラスコに、
上記の凝縮液60g及び1Nの水酸化ナトリウム水溶液
12gを仕込み、温浴で40℃に加熱しながら、攪拌器
で30分攪拌・混合した。その後、30分間静置し、油
層と水層に分離した。油層について分析した結果、パー
オキサイド0.1wt%、フェノール5ppm、脂肪酸
不検出を得た。また、水層中のパーオキサイドは1.
9wt%であった。上記の結果を整理すると以下のとお
りとなる。 用いたアルカリ量 NaOH/(エチルハイドロパーオキサイド+脂肪酸+
フェノール)=2.1(モル比) NaOH/(脂肪酸+フェノール)=20(モル比) アルカリ洗浄による凝縮液中の副生物の除去率 エチルハイドロパーオキサイド:(1−0.1/0.5
4)×100=81% フェノール:(1−5/259)×100=98% すなわち、エチルハイドロパーオキサイド及びフェノー
ルが極めて効率的に除去されていることがわかる。な
お、エチルハイドロパーオキサイドはヨードメトリー
で、脂肪酸はイオンクロマトクラフィー(横河製作所製
IC500型器使用、カラム SCS5−252)で、
フェノールは液体クロマトグラフィー(カラム SUM
IPAX ODS A−212 6mmφ×15cm
L)で分析した。更に、上記の油層に開始剤としての少
量のsec−ブチルベンゼンハイドロパーオキサイドを
添加し、ハイドロパーオキサイド濃度を1.6wt%に
調整した後、前記と同様の方法により酸化反応を実施し
た。その結果、反応開始〜2時間経過における酸化反応
速度は、前記の酸化反応速度とほぼ同程度であり、酸化
反応速度の低下はみられなかった。
【0019】比較例1 実施例1の酸化反応で得た10.7wt%のsec−ブ
チルベンゼンハイドロパーオキサイドを含有する溶液
を、圧力10torr、塔底温度60〜70℃にて濃縮
し、ハイドロパーオキサイド濃度67wt%の塔底液及
びsec−ブチルベンゼンを主成分とする留出液を得
た。留出液を分析した結果、ハイドロパーオキサイド
0.12wt%、フェノール55ppm、酸量2.8m
mol/kg(蟻酸55wtppm、酢酸95wtpp
m)であった。次に、ガラスライニングされた槽に、実
施例1の凝縮液7kg、上記の留出液7kg及び1Nの
水酸化ナトリウム水溶液0.466kgを仕込み、40
℃で30分間攪拌・混合し、その後30分間静置するこ
とにより、油層と水層を分離した。油層について分析し
た結果、パーオキサイド0.15wt%、フェノール4
0ppm、酸量は0.1mmol/kg以上であった。
上記の結果を整理すると以下のとおりとなる。 用いたアルカリ量 NaOH/(エチルハイドロパーオキサイド+脂肪酸+
フェノール)=0.57(モル比) NaOH/(脂肪酸+フェノール)=5.0(モル比) アルカリ洗浄による凝縮液中の副生物の除去率 エチルハイドロパーオキサイド=(1−0.15/
(0.54+0.12)/2)×100=55% フェノール=(1−40/(229+55)/2)×1
00=72% 本比較例は、アルカリ洗浄に用いたアルカリの量が過少
な例であり、エチルハイドロパーオキサイド、フェノー
ル及び脂肪酸が十分に除去されなかった。更に、上記の
油層に開始剤としての少量のsec−ブチルベンゼンハ
イドロパーオキサイドを添加し、ハイドロパーオキサイ
ド濃度を1.6wt%に調整した後、実施例1と同様の
方法により酸化反応を実施した。その結果、反応開始〜
2時間経過における酸化反応速度は、実施例1の酸化反
応速度を100%とした場合の66%に過ぎなかった。
すなわち、本発明によるアルカリ洗浄を実施しなかった
場合は、酸化反応速度が著しく低下していることがわか
る。
【0020】実施例2 実施例1の水酸化ナトリウム水溶液で処理した後の水層
100g及び5wt%Pd/Al2 3 触媒(日本エン
ゲルハルト社製)0.1gを容積200mlのステンレ
ス(SUS316)製オートクレーブに仕込み、水素圧
力10kg/cm2 G、温度60℃で3時間水素添加反
応を実施した。その結果、エチルハイドロパーオキサイ
ド転化率(反応したエチルハイドロパーオキサイド/仕
込んだエチルハイドロパーオキサイド×100)は10
0%であり、エタノール選択率(生成したエタノール
(モル)/反応したエチルハイドロパーオキサイド(モ
ル)×100)は67%であった。
【0021】実施例3 実施例1の水酸化ナトリウム水溶液で処理した後の水層
を硫酸水溶液で中和した後用いたこと、反応温度を10
0℃としたこと及び反応時間を2時間としたこと以外
は、実施例2と同様に行った。その結果、エチルハイド
ロパーオキサイド転化率は99%であり、エタノール選
択率は54%であった。
【0022】実施例4 実施例1の水酸化ナトリウム水溶液で処理した後の水層
100g及び5wt%Pd/Al2 3 触媒(日本エン
ゲルハルト社製)0.1gを容積200mlのステンレ
ス(SUS316)製オートクレーブに仕込み、窒素圧
力10kg/cm2 G、温度150℃で1時間熱分解反
応を実施した。その結果、エチルハイドロパーオキサイ
ド転化率は100%であった。
【0023】実施例5 実施例1の水酸化ナトリウム水溶液で処理した後の水層
を硫酸水溶液で中和した後用いたこと及び反応時間を4
時間としたこと以外は、実施例4と同様に行った。その
結果、エチルハイドロパーオキサイド転化率は97%で
あった。
【0024】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、s
ec−ブチルベンゼンを出発原料とするフェノール及び
メチルエチルケトンの製造方法であって、好ましくない
副生物の製造系内への蓄積を防止し、よってsec−ブ
チルベンゼンの酸化反応速度を高水準に維持することが
できるフェノール及びメチルエチルケトンの製造方法を
提供することができた。
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】
【実施例】次に、実施例により本発明を説明する。 実施例1 100lのSUS304製反応器に、sec−ブチルベ
ンゼン及びsec−ブチルベンゼンハイドロパーオキサ
イド溶液を合計47.6kg仕込んだ。なお、sec−
ブチルベンゼンハイドロパーオキサイドの濃度が1.1
wt%となるように調整した。次いで、該溶液に、攪拌
下、酸素濃度10vol%を含有するように窒素ガスで
希釈した空気を80Nl/minで導入し、圧力1.5
kg/cm2 G、温度120℃の条件にて6時間酸化反
応を行った。酸化反応終了後、反応器内の反応液を分析
した結果、そのハイドロパーオキサイド濃度は10.7
wt%であった。また、酸化排ガスを凝縮させることに
より7.2kgの凝縮液を得た。凝縮液を分析した結
果、主成分であるsec−ブチルベンゼンの他、ハイド
ロパーオキサイド0.54wt%(ただし、エチルハイ
ドロパーオキサイド換算での値である。以下同じ。)、
フェノール259ppm及び酸量7.2mmol/kg
(蟻酸76wtppm、酢酸339wtppm)を得
た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】実施例4 実施例1の水酸化ナトリウム水溶液で処理した後の水層
100gを容積200mlのステンレス(SUS31
6)製オートクレーブに仕込み、窒素圧力10kg/c
2 G、温度150℃で1時間熱分解反応を実施した。
その結果、エチルハイドロパーオキサイド転化率は10
0%であった。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】実施例5 実施例1の水酸化ナトリウム水溶液で処理した後の水層
を硫酸水溶液で中和した後用いたこと、反応温度を10
0℃としたこと及び反応時間を4時間としたこと以外
は、実施例4と同様に行った。その結果、エチルハイド
ロパーオキサイド転化率は97%であった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 sec−ブチルベンゼンを出発原料とし
    てフェノール及びメチルエチルケトンを製造する方法で
    あって、下記の工程を含むことを特徴とするフェノール
    及びメチルエチルケトンの製造方法。 酸化工程:sec−ブチルベンゼンを酸化してsec−
    ブチルベンゼンハイドロパーオキサイドを主成分とする
    酸化反応液を得る工程 凝縮工程:酸化工程で発生する酸化排ガスを冷却するこ
    とにより、sec−ブチルベンゼン、エチルハイドロパ
    ーオキサイド、脂肪酸類及びフェノールを含有する凝縮
    液を得る工程 濃縮工程:酸化反応液を蒸留により濃縮し、塔底部から
    sec−ブチルベンゼンハイドロパーオキサイドを主成
    分とする塔底液を得、塔頂部からsec−ブチルベンゼ
    ン、エチルハイドロパーオキサイド、脂肪酸類及びフェ
    ノールを含む留出液を得る工程 アルカリ洗浄工程:凝縮工程で得られた凝縮液及び濃縮
    工程で得られた留出液をアルカリ水溶液により洗浄し、
    油層と水層に分離した後、油層を酸化工程にリサイクル
    する工程であって、用いるアルカリ水溶液のアルカリ量
    は、凝縮液及び留出液中のエチルハイドロパーオキサイ
    ド、脂肪酸類及びフェノールの合計1モルあたり1〜1
    0モルであり、かつ脂肪酸類及びフェノールの合計1モ
    ルあたり10〜100モルである工程
  2. 【請求項2】 請求項1記載の工程に加え、下記の工程
    を含むフェノール及びメチルエチルケトンの製造方法。 水素添加工程:アルカリ洗浄工程で得られた水層を、直
    接又は中和後、水素添加反応に付し、エチルハイドロパ
    ーオキサイドをエチルアルコールに変換する工程 蒸留工程:水素添加工程で得られた水素添加反応液を蒸
    留し、塔頂部からエタノールを回収する工程
  3. 【請求項3】 請求項1記載の工程に加え、下記の工程
    を含むフェノール及びメチルエチルケトンの製造方法。 熱分解工程:アルカリ洗浄工程で得られた水層を、直接
    又は中和後、熱分解反応に付し、エチルハイドロパーオ
    キサイドを熱分解する工程
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008509178A (ja) * 2004-08-13 2008-03-27 エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク フェノール及びメチルエチルケトンの製造方法
JP2009526789A (ja) * 2006-02-14 2009-07-23 エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク フェノールとメチルエチルケトンの製造方法
JP2009526791A (ja) * 2006-02-14 2009-07-23 エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク フェノール及びメチルエチルケトンの生成プロセス

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