JPH05230732A - 高分子量ポリオレフィンの多段延伸方法及び延伸装置 - Google Patents

高分子量ポリオレフィンの多段延伸方法及び延伸装置

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JPH05230732A
JPH05230732A JP2934992A JP2934992A JPH05230732A JP H05230732 A JPH05230732 A JP H05230732A JP 2934992 A JP2934992 A JP 2934992A JP 2934992 A JP2934992 A JP 2934992A JP H05230732 A JPH05230732 A JP H05230732A
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JP
Japan
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stretching
molecular weight
roll
weight polyolefin
tank
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JP2934992A
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Inventor
Hirobumi Harazoe
博文 原添
Kozo Hirano
孝三 平野
Fukuhiro Yoshimura
福浩 好村
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高分子量ポリオレフィンを多段延伸する際、
回転ロールによる延伸ムラを解消し、延伸切れ等のトラ
ブルが少なく、少ない設置面積で、安定な延伸物を得る
ための延伸方法、および延伸装置を提供する。 【構成】 高分子量ポリオレフィンを溶融混練し、溶融
成形後、多段延伸する方法において、該延伸が、繰り出
しロールと巻き取りロールの間に複数の延伸槽を直列に
配置し、かつ、各延伸槽の温度を2℃以上順次に高く構
成した延伸域を通過させることによって行うことを特徴
とする高分子量ポリオレフィンの多段延伸方法。前記延
伸槽の熱源は、熱媒、熱板、オーブン、遠赤外線、およ
びマイクロ波からなる群より選ばれた少なくとも1種の
ものが用いられる。繰り出しロールと巻き取りロールの
間に複数の延伸槽を直列に配置した延伸域を有する高分
子量ポリオレフィンの延伸装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子量ポリオレフィ
ンの多段延伸方法、および延伸装置に関するものであ
り、より詳しくは、延伸安定性に優れ、かつ、延伸倍率
の設定が容易な高分子量ポリオレフィンの多段延伸方
法、およびその延伸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子量ポリオレフィンの延伸物は、機
械的強度、諸物性がとくにすぐれており、その特徴を活
かして、糸、補強用繊維、ひも、ロ−プ、ネット、網な
どの素材として従来から利用されている。このように、
諸特性の優れた高分子量ポリオレフィンの延伸物を製造
する方法として、例えば、特開昭55−107506号
公報、特開昭56−15408号公報あるいは特開昭5
8−5228号公報の如く、高分子量ポリオレフィンを
2ないし10重量%程度の濃度の希薄溶液とし、紡糸後
延伸し、高強度の繊維を得る方法が提案されている。ま
た、特開昭59−130313号公報、特開昭60−1
98220号公報、特開昭60−240432号公報、
特開昭61−8323号公報などに開示されるように、
常温固体で高温において高分子量ポリオレフィンと均一
系を形成し得る物質を用いて溶融押出後、延伸する方法
も種々提案されている。また、溶媒と、上述したよう
な、常温固体の高温にて高分子量ポリオレフィンと均一
系を形成しうる物質の両者を併用して、溶融押出後、延
伸する方法として、特開昭56−50516号公報も知
られている。さらに、高分子量ポリオレフィンのパウダ
ーを融点未満で固相押出し、次いで延伸する方法とし
て、特開昭63−41512号公報が知られている。
【0003】これらの高分子量ポリオレフィンの高強度
配向物は、従来のポリエチレンモノフィラメントと比較
して、工業化レベルでも3ないし5倍程度の強度を持
ち、従来の用途として知られている汎用工業繊維材料分
野に加えて、従来ポリエチレンモノフィラメントでは供
することができなかった過酷な条件・環境下での応用が
期待されている。この高分子量ポリオレフィンの高強度
配向物は、例えば、ガラス繊維や炭素繊維、ボロン繊
維、芳香族ポリアミド繊維、芳香族ポリイミド繊維など
の高性能繊維を用いた成形体より軽量化が図れるため、
各種抗張力材料、動索、トロール用漁網などの素材や、
UD積層板、SMC、BMC等の成形材料に極めて有用
であり、自動車部品、ボートやヨットの構造体、電子回
路用基板等の軽量で高強度の複合材の用途に対応し得る
素材として期待される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、高分子量
ポリオレフィンを延伸する場合、延伸は一段延伸法によ
っても行われるが、よりすぐれた物性の延伸物を得るた
めには通常二段以上の多段延伸法が採用されることが多
い。ところで、高分子量ポリオレフィンを多段延伸しよ
うとすると、延伸ロールの数が増えれば増えるだけ、各
ロールに回転ムラが生じ、正確な延伸が達成されなくな
るという問題が生じる。しかも、多段延伸の場合は、各
延伸ロールごとの延伸倍率を定めてやる必要があり、操
作上の点でも煩雑な工程管理が必要になる。
【0005】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、延伸ロールに
よる回転ムラをなくし、簡単な設備ならびに操作で所望
の延伸倍率の延伸物を安定して製造するための方法を提
供することにある。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明は、前記目的を
達成するために提案されたものであって、高分子量ポリ
オレフィンの延伸物を多段延伸する際に、延伸のために
使用されるロールは、繰り出しロールと巻き取りロール
の2台だけで、そのほかの延伸は、特定の温度条件に設
定した特定構成の延伸槽によって行うようにした点に重
要な技術的特徴を有するものである。
【0007】すなわち、本発明によれば、高分子量ポリ
オレフィンを溶融混練し、溶融成形後、多段延伸する方
法において、該延伸が、繰り出しロールと巻き取りロー
ルの間に複数の延伸槽を直列に配置し、かつ、各延伸槽
の温度を2℃以上順次に高く構成した延伸域を通過させ
ることによって行うことを特徴とする高分子量ポリオレ
フィンの多段延伸方法が提供される。
【0008】また、本発明によれば、前記延伸槽の熱源
が、熱媒、熱板、オーブン、遠赤外線、およびマイクロ
波からなる群より選ばれた少なくとも1種のもの、つま
り、各延伸槽の熱源は、1種類の熱源ばかりでなく、こ
れらを適宜組み合わせて構成された多段延伸方法が提供
される。
【0009】
【発明の具体的な説明】本発明の延伸方法ならびに延伸
装置の好適な一例を工程図で示す、図1において、1は
繰り出しロール、2は巻き取りロールであり、その間に
複数の延伸槽3(a)、3(b)、3(c)・・・が配置される。各延
伸槽には熱源がセットされるようになっており、この例
では、延伸槽内に熱媒6が入れられている。さらに、各
延伸槽内には、延伸物が槽内を通過するのをガイドする
ように、複数のターンロール4が設けられている。この
ターンロールは、ロール表面をセラミックコーティン
グ、鏡面仕上げ、あるいは梨地仕上げにすることがで
き、それぞれがフリーの状態に配置されていてもよい
し、固定された駆動ロールとして配置されていてもよ
い。
【0010】繰り出しロール1を経て第1延伸槽に導か
れた被延伸物5は、延伸槽内をターンロールにガイドさ
れて進むと同時に第1延伸工程を終わり、ニップロール
7を介して第2延伸槽に導かれる。この際、第2延伸槽
内の熱媒の温度は、第1延伸槽内の熱媒の温度より2℃
以上高温に設定されることが重要であり、さらに、その
次の工程である第3延伸槽内の熱媒の温度は、第2延伸
槽内の熱媒の温度よりも更に2℃以上高温に設定される
ことになる。延伸槽が3槽以上の場合には、後段の延伸
槽内の温度が前段の延伸槽内の温度より、同様に順次に
2℃以上高温に構成されることはもちろんである。
【0011】図1に示した延伸方法の例では、各延伸槽
にそれぞれ、熱媒をリサイクルするための熱交換器8が
付設されている。この熱交換器は各槽に1個または2個
以上が任意に設けられ、延伸槽内の熱媒の温度の低下を
防止し、正確な延伸倍率での延伸を可能にする。
【0012】本発明の延伸方法のほかの好適な実施の一
例を工程図で示す図2において、繰り出しロール、巻き
取りロール、延伸槽の配置、およびターンロールの構成
は、図1に示した方法と本質的に変化はないが、この例
の特徴は、熱媒の供給手段が後段の延伸槽の終端部下方
より行われ、同延伸槽の始端部下方より排出されるよう
に構成される点にある。後段の延伸槽より排出された熱
媒は、隣接する前段の延伸槽の終端部下方より供給さ
れ、さらに、同延伸槽の始端部下方より排出され、隣接
する前段の延伸槽に、同様の供給・排出を繰り返す。
【0013】この方法によれば、熱媒が延伸槽間を結ぶ
導管部分9を介して一旦系外空気の温度と接触すること
になるため、前段の延伸槽内の熱媒の温度が、自然に後
段の延伸槽内の熱媒の温度よりも低くなり、その差が2
℃以上に構成することは容易になり、もし、温度差が2
℃以上になっていない場合には、各延伸槽間の導管部分
9を冷却するか、長さを調節することによって、各延伸
槽の温度を前記特定の温度条件に設定することができる
ようになる。
【0014】ちなみに、従来の延伸工程の一例を図3に
示した。この例では、繰り出しロールと巻き取りロール
の間に、延伸浴と延伸ロールが交互にセットされる。延
伸ロールは一段が少なくとも5本のロールによって形成
されており、二段延伸の場合でも、少なくとも10本の
ロールによる延伸が行われることになる。したがって、
ロールの数を多くすればするほど、被延伸物のロールに
よる回転ムラが大きくなり、延伸切れが頻発し、安定な
延伸倍率での延伸物の製造が困難になる。
【0015】なお、本発明では、前記多段延伸の前に、
自体公知の延伸法を適用し、溶融成形物を多段延伸する
前に一定の倍率に延伸させておくことができる。
【0016】本発明に係る高分子量ポリオレフィンは、
135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が、
少なくとも5dl/g、好ましくは7ないし30dl/
gの重合体である。
【0017】高分子量ポリオレフィンとしては、高分子
量ポリエチレンや高分子量ポリプロピレンばかりでな
く、前記の極限粘度を有するエチレンと、炭素数が3個
以上、好ましくは4ないし10個のα−オレフィン、た
とえばプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メ
チルペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オク
テン−1、デセン−1の1種または2種以上との共重合
体が挙げられるが、なかでも、エチレンと、ブテン−
1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン
−1およびデセン−1からなる群より選ばれた1種また
は2種以上のα−オレフィンとの共重合体が、高い強度
を有しており、また耐摩耗性、耐クリープ性にすぐれて
いる。さらに、前記高分子量ポリオレフィンが、エチレ
ンとα−オレフィンとの共重合体である場合には、α−
オレフィンコモノマーは、炭素数1000個あたり平均0.1
ないし20個、好ましくは平均0.5 ないし10個含有されて
いることが望ましい。
【0018】本発明の高分子量ポリオレフィンは、エチ
レン、プロピレン、またはこれらのオレフィンと前記α
−オレフィンコモノマーとを、周期律表第IVb,Vb,
VIb,VIII族の遷移金属化合物及び周期律表第Iないし
III 族の金属水素化物または有機金属よりなる触媒の存
在下に、たとえば有機溶媒中でスラリー重合することに
より得ることができる。
【0019】かくして得られた高分子量ポリオレフィン
は、たとえば、溶融混練、溶融成形や延伸を可能にする
ための稀釈剤を配合したり、常温固体のパラフィン系ワ
ックスを混合することができる。
【0020】稀釈剤としては、高分子量ポリオレフィン
に対する溶剤や、高分子量ポリオレフィンに対して分散
性を有する各種ワックス状物が使用される。
【0021】溶剤は、好ましくは前記重合体の融点以
上、さらに好ましくは融点+20℃以上の沸点を有する
溶剤である。
【0022】かかる溶剤としては、具体的にはn−ノナ
ン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、n−
テトラデカン、n−オクタデカンあるいは流動パラフィ
ン、灯油等の脂肪族炭化水素系溶媒、キシレン、ナフタ
リン、テトラリン、ブチルベンゼン、p−シメン、シク
ロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、ベンチルベン
ゼン、ドデシルベンゼン、ビシクロヘキシル、デカリ
ン、メチルナフタリン、エチルナフタリン等の芳香族炭
化水素系溶媒あるいはその水素化誘導体、1,1,2,2 −テ
トラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロ
エタン、1,2,3 −トリクロロプロパン、ジクロロベンゼ
ン、1,2,4 −トリクロロベンゼン、ブロモベンゼン等の
ハロゲン化炭化水素溶媒、パラフィン系プロセスオイ
ル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイ
ル等の鉱油が挙げられる。
【0023】ワックス類としては、脂肪族炭化水素化合
物あるいはその誘導体が使用される。
【0024】脂肪族炭化水素化合物としては、飽和脂肪
族炭化水素化合物を主体とするもので、通常分子量が20
00以下、好ましくは1000以下、さらに好ましくは800 以
下のパラフィン系ワックスと呼ばれるものである。これ
ら脂肪族炭化水素化合物としては、具体的にはドコサ
ン、トリコサン、テトラコサン、トリアコンタン等の炭
素数22以上のn−アルカンあるいはこれらを主成分と
した低級n−アルカンとの混合物、石油から分離精製さ
れた所謂パラフィンワックス、エチレンあるいはエチレ
ンと他のα−オレフィンとを共重合して得られる低分子
量重合体である中・低圧法ポリエチレンワックス、高圧
法ポリエチレンワックス、エチレン共重合ワックスある
いは中・低圧法ポリエチレン、高圧法ポリエチレン等の
ポリエチレンを熱減成等により分子量を低下させたワッ
クス及びそれらのワックスの酸化物あるいはマレイン酸
変性等の酸化ワックス、マレイン酸変性ワックス等が挙
げられる。
【0025】脂肪族炭化水素化合物誘導体としては、た
とえば、脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル
基)の末端もしくは内部に1個またはそれ以上、好まし
くは1ないし2個、特に好ましくは1個のカルボキシル
基、水酸基、カルバモイル基、エステル基、メルカプト
基、カルボニル基等の官能基を有する化合物である炭素
数8以上、好ましくは炭素数12ないし50、または分
子量130ないし2000、好ましくは200ないし8
00の脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸アミド、脂肪
酸エステル、脂肪族メルカプタン、脂肪族アルデヒド、
脂肪族ケトン等を挙げることができる。具体的には、脂
肪酸としてカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、脂肪族アルコ
ールとしてラウリルアルコール、ミリスチルアルコー
ル、セチルアルコール、ステアリルアルコール、脂肪酸
アミドとしてカプリンアミド、ラウリンアミド、パルミ
チンアミド、ステアリルアミド、脂肪酸エステルとして
ステアリル酢酸エステル等を例示することができる。
【0026】高分子量ポリオレフィンと稀釈剤との比率
は、これらの種類によっても相違するが、一般的にいっ
て3:97ないし80:20、特に15:85ないし6
0:40の重量比で用いるのがよい。稀釈剤の量が上記
範囲よりも低い場合には、溶融粘度が高くなり過ぎ、溶
融混練や溶融成形が困難となると共に、成形物の肌荒れ
が著しい。一方、稀釈剤の量が上記範囲よりも多いと、
やはり溶融混練が困難となり、また成形品の延伸性が劣
るようになる。
【0027】溶融混練は、一般に150ないし300
℃、特に170ないし270℃の温度で行なうのが望ま
しく、上記範囲よりも低い温度では、溶融粘度が高すぎ
て、次工程の溶融成形が困難となり、また上記範囲より
も高い場合には、熱減成により高分子量ポリオレフィン
の分子量が低下して高弾性率及び高強度の成形体を得る
ことが困難となる。なお、配合はヘンシェルミキサー、
V型ブレンダー等による乾式ブレンドで行ってもよい
し、単軸あるいは多軸押出機を用いる溶融混合で行って
もよい。
【0028】溶融成形は、一般に溶融押出成形により行
われる。たとえば、紡糸口金を通して溶融押出すること
により、延伸用フィラメントが得られ、またフラットダ
イあるいはリングダイを通して押出すことにより延伸用
テープが得られる。 この際、紡糸口金より押出された
溶融物にドラフト、すなわち溶融状態での引き伸しを加
えることもできる。溶融樹脂のダイ・オリフィス内での
押出速度VO と冷却固化した未延伸物の巻き取り速度V
との比をドラフト比として次式で定義することができ
る。 ドラフト比=V/VO このようなドラフト比は、混合物の温度および高分子量
エチレン系重合体の分子量等により変化するが、通常は
3以上、好ましくは6以上とすることができる。
【0029】このようにして得られた高分子量ポリオレ
フィンの未延伸成形体を延伸処理する。本発明において
は、延伸操作は二段以上の多段で行う。延伸倍率は、2
ないし10倍、特に3ないし8倍の延伸倍率となるよう
に延伸操作を行なうことが可能である。本発明の方法に
よれば、被延伸物のトータル倍率を決めてしまえば、各
延伸槽での延伸倍率は熱媒などの熱源の温度で決まるた
め、それぞれの延伸槽において延伸倍率を細かく設定す
る必要がない。延伸槽の温度は、通常第1延伸槽の温度
を105ないし140℃とし、隣接する後段の延伸槽の
温度を順次2℃以上、好ましくは3ないし10℃高温に
なるように設定することが望ましい。
【0030】延伸操作は、前述したように、熱媒、オー
ブン内、熱板、遠赤外線、あるいは、マイクロ波の照射
等の熱源を利用して行われるが、とくに、熱媒を用いて
行う方法が温度制御が正確にできる点で好ましく推奨さ
れる。前記熱媒としては、たとえば、n−デカン、トリ
エチレングリコール、パラフィン系プロセスオイル、シ
リコーンオイルなどが例示できる。
【0031】かくして得られる高分子量ポリオレフィン
の延伸物は、所望により拘束条件下に熱処理することが
できる。この熱処理は、一般に140ないし180℃、
特に150ないし175℃の温度で、1ないし20分
間、特に3ないし10分間行うことができる。熱処理に
より、配向結晶部の結晶化が一層進行し、結晶融解温度
の高温側移行、強度および弾性率の向上および高温での
耐クリープ性の向上がもたらされる。
【0032】成形体における分子配向の過程は、X線回
折法、複屈折法、蛍光偏光法等で知ることができる。本
発明の高分子量エチレン系重合体の延伸フィラメントの
場合、たとえば呉祐吉、久保揮一郎:工業化学雑誌第3
9巻、992頁(1939)に詳しく述べられている半値巾
による配向度、すなわち、式 式中、H°は赤道線上最強のパラトロープ面のデバイ環
に沿っての強度分布曲線の半値巾(°)である。で定義
される配向度(F)が0.90以上、特に0.95以上となるよ
うに分子配向されていることが、機械的性質の点で望ま
しい。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、簡単な装置で、高分子
量ポリオレフィンの延伸物が延伸ムラがなく安定して製
造され、かつ、この装置は、被延伸物のトータルの延伸
倍率さえ決めてしまえば、各延伸槽での延伸倍率は延伸
槽の温度で調整できるため、各延伸槽において延伸倍率
をいちいち設定する必要がないという操作面での長所を
併せ持つものである。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこの実施例に限定されないことはいうまでもない
ことである。 実施例1 <紡糸−延伸工程>溶融後、90℃に保ったパラフィン
ワックス(商品名:ルバックス、日本精蝋製、融点=69
℃) 210重量部中に、高分子量ポリエチレン([η]
=8.72dl/g、平均粒径=150μm)粉末90
重量部を投入した後、15分間撹拌混合して高分子量ポ
リエチレンの濃度が30重量%の分散体を調製した。次
いで、該分散体を同方向回転二軸スクリュー式押出機
(プラスチック工学研究所製:スクリュー径=39mm、L/
D =42)を用いて、設定温度を供給部90℃、その他の部
分で180 ℃とし、スクリュー回転数を100r.p.m. 、滞留
時間を5 分として、溶融混練を行なった。引続き、得ら
れた混合溶融物をオリフィス2.0mm、100穴のダイより押
出し紡糸した。紡糸繊維は150cm のエアーギャップで室
温の空気にて冷却固化し、620 デニールの高分子量ポリ
エチレンの紡糸原糸を得た。こうして得られた紡糸原糸
100 本を巻き取ることなく下記の条件で延伸して延伸繊
維を得た。
【0035】すなわち、4台のゴデットロールを用いて
n−デカンを熱媒とした延伸槽にて二段延伸を行った。
第1延伸槽の温度は110℃であり、第2延伸槽の温度
は120℃であった。この時の延伸比は、第1延伸槽で
7.0で、第2延伸槽で1.14倍であり、槽の有効長
は第1延伸槽および第2延伸槽のいずれも4mであっ
た。延伸に際しては、第1ゴデットロールの回転速度を
10m/分として、第2および第3ゴデットロールの回
転速度を適宜変更することにより、所望の延伸比の延伸
繊維を得た。また、第3ゴデットロールと第4ゴデット
ロールの間に、温度110℃、有効長50mの乾燥ゾー
ンを設け、繊維中のn−デカンの量を高分子量ポリエチ
レン繊維に対して1重量%とした後巻き取った。
【0036】<再延伸工程>上記のようにして巻き取ら
れた延伸繊維を2台のゴデットロールを用いて、トリエ
チレングリコールを熱媒として用いた延伸槽にて二段延
伸を行った。この際、給糸速度は40m/分とし、第3
延伸槽の温度は146℃であり、第4延伸槽の温度は1
48.5℃であり、全延伸倍率は3.0倍であった。槽
の有効長は第3延伸槽および第4延伸槽のいずれも10
mであった。延伸の結果、上記延伸条件で安定して延伸
することができた。得られた延伸繊維の引張強度、引張
弾性率および破断点伸をインテスコ万能試験機2005型
(インテスコ社製)を用いて、室温(23℃)にて測定
した。クランプ間の試料長は254mmとし、引張速度
254mm/分とした。ただし、引張弾性率は初期弾性
率である。計算に必要な繊維断面積は、ポリエチレンの
密度を0.96g/cm3 として繊維の重量と長さを測定して求
めた。このようにして得られた延伸高分子量ポリエチレ
ン繊維の物性を表1に示す。
【0037】
【0038】比較例1 <紡糸−延伸工程>実施例1の方法と同様にして、高分
子量ポリエチレン繊維の紡糸・延伸を行った。 <再延伸工程>巻き取られた延伸繊維を3台のゴデット
ロールを用いて、トリエチレングリコールを熱媒として
用いた延伸槽にて二段延伸を行った。実施例1と同じ温
度条件で、全延伸倍率が3.0倍になるようにゴデット
ロール間の回転速度比を変化させたが、糸切れが頻発
し、2.5倍までしか延伸できなかった。得られた糸の
物性を表2に示す。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の延伸方法の一例を示す工程図である。
【図2】本発明の延伸方法のほかの一例を示す工程図で
ある。
【図3】従来の延伸方法の一例を示す工程図である。
【符号の説明】
1 繰り出しロール 2 巻き取りロール 3 延伸槽 4 ターンロール 5 被延伸物 6 熱媒 7 ニップロール 8 熱交換器 9 導管 10 延伸浴 11 延伸ロール

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子量ポリオレフィンを溶融混練し、
    溶融成形後、多段延伸する方法において、該延伸が、繰
    り出しロールと巻き取りロールの間に複数の延伸槽を直
    列に配置し、かつ、各延伸槽の温度を2℃以上順次に高
    く構成した延伸域を通過させることによって行うことを
    特徴とする高分子量ポリオレフィンの多段延伸方法。
  2. 【請求項2】 前記延伸槽の熱源が、熱媒、熱板、オー
    ブン、遠赤外線、およびマイクロ波からなる群より選ば
    れた少なくとも1種のものである請求項1記載の多段延
    伸方法。
  3. 【請求項3】 繰り出しロールと、巻き取りロール間に
    直列に配置された複数の延伸槽が配置されていることを
    特徴とする多段延伸装置。
  4. 【請求項4】 前記延伸槽に、熱媒をリサイクルするた
    めの少なくとも1個の熱交換器が付設されている請求項
    3記載の多段延伸装置。
  5. 【請求項5】 前記延伸槽内に、複数のターンロールが
    付設されている請求項3記載の多段延伸装置。
  6. 【請求項6】 前記延伸槽の出口側に、ニップロールが
    設けられている請求項3記載の多段延伸装置。
JP2934992A 1992-02-17 1992-02-17 高分子量ポリオレフィンの多段延伸方法及び延伸装置 Withdrawn JPH05230732A (ja)

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