JPH05281189A - スラブ型電気泳動装置 - Google Patents

スラブ型電気泳動装置

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JPH05281189A
JPH05281189A JP4340967A JP34096792A JPH05281189A JP H05281189 A JPH05281189 A JP H05281189A JP 4340967 A JP4340967 A JP 4340967A JP 34096792 A JP34096792 A JP 34096792A JP H05281189 A JPH05281189 A JP H05281189A
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gel
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Application number
JP4340967A
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English (en)
Inventor
Tomoaki Fukushige
朋昭 福重
Hiroko Toda
博子 戸田
Hirofumi Akano
裕文 赤野
Emiko Ito
恵美子 伊藤
Tomohiko Fukuda
知彦 福田
Masahiro Fujimori
正宏 藤森
Kichiya Kawamura
吉也 川村
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Nakano Vinegar Co Ltd
Original Assignee
Nakano Vinegar Co Ltd
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  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 予め泳動条件を設定しなくとも、自動的に試
料の泳動状態を検知して最適な条件で泳動を自動的に終
了させ、かつ、緩衝液の温度測定を継続して測定する。 【構成】 スラブ型電気泳動装置に、泳動マーカの終点
を光学的に検出する終点識別手段と、この終点識別手段
からの情報に基きゲル泳動手段への電流供給を停止する
手段と、を配設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、縦型のスラブ型電気
泳動装置に係り、特に、試料の電気泳動における正確な
分画を自動的、かつ、高精度に行うことができるスラブ
型電気泳動装置に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】周知のように、電気泳動法は、
微量の試料でも優れた分離能でタンパク分画を行うこと
ができ、この中でも、スラブ型電気泳動法(ゲルを垂直
または縦にして泳動する電気泳動法をいう。以下同
じ。)は、ディスク型電気泳動法に比べ、操作性・解像
力等において優れ、蛋白質や酵素、ペプタイトの大量分
取に特に優れているとともに、一部核酸や熱処理の難し
い生理活性物質の分離に適していることから生化学分野
の各種研究においても汎用されている。
【0003】ところで、このような電気泳動法におい
て、泳動時間は、泳動する試料の種類・量或は泳動条件
によって大きく異なることから、従来では、泳動の様子
を研究者が逐次観察しながら電流の供給・停止を行わな
ければならず、かかる作業が非常に煩雑であると共に、
泳動マーカが試料からはみ出てしまった場合には、試料
中のタンパク質の移動量を算出できなくなるため、上記
電流の供給・停止作業が非常に煩雑であり、熟練性を要
する、という問題を有していた。
【0004】このような問題を解決する手段としては、
泳動用の電源にタイマーを接続し、このタイマーによっ
て電流供給を停止させることが考えられるが、このよう
な解決手段では、既知の試料を同一条件で何回も泳動す
る場合には有効であるが、初めての試料の泳動を行う場
合やゲル組成を変える等、泳動条件を少しでも変更する
場合にはこの方法を用いることができない、という問題
を有していた。
【0005】また、上記泳動条件中、泳動槽内の緩衝液
の温度条件は、酵素機能を失活させない泳動条件を求め
る上で重要な条件であることから、例えば、従来では、
白金製の金属温度センサーによって緩衝液の温度測定を
行うと、該白金は泳動中に電気分解を起して緩衝液中に
溶け易いことから、正確な温度測定を継続して行なうこ
とができない、という問題も有していた。
【0006】さらに、上記従来のスラブ型電気泳動法で
は、厚さが1cmを越えるゲルは、その自重によって落
下し易く、これを防止するためには、ゲルの下端部を、
例えば、網体などで支持するなどの手段が考えられる
が、分子量が数十万単位の蛋白質や核酸を電気泳動する
場合、適切なゲル濃度は、例えば、ゲル調整溶液100
mlに含まれる単体(アクリルアミドとBisアクリル
アミド)の総グラム数(以下、単にT%という。)が、
ポリアクリルアミドの電気泳動では5%以下、アガロー
ス電気泳動では0.4%以下となる。
【0007】しかし、このようなゲル強度が低い軟弱な
ゲルや、SDS(sodium dodecylsulfate )等の界面活
性剤を含む滑り易いゲルの場合には、泳動終了前にゲル
が滑落下して、形状を一定に保持することができなかっ
たり、或は、泳動ゲルにたるみが生じて泳動バンドがス
マイリングしたり、ゲルが上部から剥離して試料が漏れ
て電気泳動ができなくなるため、目的物質の精製・分取
が困難である、という問題を有していた。
【0008】本発明者は、かかる従来の諸問題を解決す
るために種々実験を行なった結果、泳動用ゲルとしてポ
リアクリルアミドゲルを用いて酵素等のタンパク質の電
気泳動を行なう場合、泳動の先行マーカとしてブロモフ
ェノールブルー(Bromophenol Blue。以下、単にBPB
という。) を用いることで、該先行マーカのBPBの移
動を色識別センサーによって容易に検知することができ
ることを発見した。
【0009】この発明は、かかる知見に基づき創案され
たものであって、その目的とするところは、予め泳動条
件を設定しなくとも、自動的に試料の泳動状態を検知し
て、最適な条件で泳動を自動的に終了させることができ
ると共に、酵素機能を失活させない泳動条件を求める上
で重要な緩衝液の温度測定を継続して測定することがで
きるスラブ型電気泳動装置を提供しようとするものであ
る。
【0010】また、この発明にあっては、上記軟弱なゲ
ルや滑り易いゲルであっても、形状を一定に保つことが
できると共に、ゲルのたるみを確実に防止することがで
き、以って、目的物質の精製・分取を極めて容易に行な
うことができるゲル保持体を用いたスラブ型電気泳動装
置を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための構成】上記目的を達成するた
め、この発明にあっては、スラブ型電気泳動装置に、泳
動マーカの終点を光学的に検出する終点識別手段と、こ
の終点識別手段からの情報に基きゲル泳動手段への電流
供給を停止する手段と、を配設して構成したことを特徴
とするものである。
【0012】また、この発明にあっては、緩衝液の温度
を継続して測定するため、スラブ型電気泳動装置に、ゲ
ル保持体が浸漬される泳動槽内の緩衝液の温度を検知
し、この検知された温度推移を自動的に記録する手段を
配設したことを特徴とするものである。尚、本発明にあ
っては、上記温度を検知する温度センサーは、ゲルの上
部が最も高温となる点及び操作が容易な点等を考慮した
場合、ゲルの上部の緩衝液中に浸漬するように配設する
のが望ましい。
【0013】さらに、この発明において、前記ゲルは、
垂直に配置されるゲルの自重落下を防止する見地から、
該ゲルを挟持する板体間に形成されてなるゲル収納部内
の下部に突起体を配設し、該ゲル収納部内に上記ゲルを
収納することで、上記目的を達成しようとするものであ
る。このようなゲル突起体を配設した電気泳動装置とし
ては、例えば、本出願人が先に出願した特願平2ー26
7598号に詳細に示されている。
【0014】またさらに、本発明にあっては、上記軟弱
なゲルや滑り易いゲルであっても、形状を一定に保つこ
とができるように、ゲル収納部内の下部には、複数個の
小孔或は複数条のスリットが開設されたゲル落下防止用
のストッパ板体を着脱自在に装着したことを特徴とする
ものである。
【0015】
【実施例】以下、添付図面に示す一実施例に基き、この
発明を詳細に説明する。
【0016】図1に示すように、この実施例に係るスラ
ブ型電気泳動装置20は、ゲル支持体1このゲル保持体
1を固定支持するストッパ21と、泳動槽22と、この
泳動槽22の上部に形成された上部緩衝液槽23と、上
記泳動槽22の下部に形成された下部緩衝液槽24と、
上記上部緩衝液槽23内に配設されたアノード電極25
と、上記下部緩衝液槽24内に配設されたカソード電極
26と、上記上部緩衝液槽23内に収容された上側泳動
用緩衝液27と、上記下部緩衝液槽24内に収容された
下側泳動用緩衝液28と、泳動用電源29と、上記上部
緩衝液槽23内に配設された温度センサー30と、この
温度センサー30で検知された温度の推移を記録する記
録計31と、上記下部緩衝液槽24に配設された光源3
2と、この光源32から照射された光を受光する色識別
センサー33と、この色識別センサー33に受光された
光量変換電圧の変化或は特定波長を認識して電流の供給
を停止するスイッチ(図示せず)と、から構成されてい
る。尚、図中符号34はシールパッキンを、35は泳動
用ゲルを、36は電流の供給・停止や温度制御などを行
なう制御装置を夫々示している。尚、本発明にあって
は、上記光源32は、通常の照度が確保できる室内では
必ずしも配設する必要はないが、暗室や照度が変化し易
い場所では安定した検知ができないため、配設するのが
望ましい。
【0017】ゲル保持体1は、図2に示すように、一辺
が約19cm程度の寸法を有し、厚さが1.0cm程度
の透明なアクリル樹脂板2と、該アクリル樹脂板2と同
程度の寸法を有し、その上端部にU字状の切り込み4を
有する透明なアクリル樹脂板3と、を備え、アクリル樹
脂板2の両側部には側板6,7を突設して、上記アクリ
ル樹脂板2,3の間に約2.0cmの幅寸法が形成され
るように構成されている。尚、上記アクリル樹脂板2,
3は、図2に示すように、ビスBをアクリル樹脂板2の
側板6,7に形成されたビス孔6a,7aに螺装し、こ
れを緊締することで一体化される。
【0018】また、上記ゲル保持体1のアクリル樹脂板
2,3間に形成されたゲル収納部10の下端部8は、一
側面にパッキンが配設されてなる着脱自在なアクリル製
の底板5で密閉自在に構成されている。
【0019】この底板5には、図2と図3に示すよう
に、公知のコーナーキャッチクリップ等で構成されてな
る係止具11が上下に2個づつ並設されており、各係止
具11は、リング11aを上記アクリル樹脂板2,3の
表面側に突設されたフック2a,3aに係止させた後、
該リング11aに連結された作動体11bを回動するこ
とで、上記係止状態がロックされるように構成されてい
る。尚、フック2a,3aおよびビスBは、セラミック
コーティングされるか、或は、下側泳動用緩衝液28に
浸漬しない位置に配設されている。
【0020】そして、上記両側部6,7の内側下方に
は、ゲルを係止し保持するための突起であるゲルストッ
パ15,16,17,18が形成されている。
【0021】これらの各ゲルストッパ15乃至18は、
図1において断面略三角形状に示しているが、この発明
にあってはこれに限定されるものではなく、ゲルの下方
への落下を防止することができる形状、例えば、断面コ
字状・断面半円形状・連続する波状または網目状その他
適宜の形状を適用することができる。また、これらの各
ゲルストッパ15乃至18の張出寸法は、底板5の幅寸
法で決定される分離用ゲルの総量に応じて適宜設定変更
するのが望ましい。このとき、ゲルストッパの数も分離
用ゲルの総量に応じて適数とすることもできる。
【0022】尚、図2で示したように、このゲル保持体
1によれば1.5cm(最大5cm以上も可能である
が、2cm以上の場合には、ゲル保持体を複数枚重ねて
ユニット化して実施することもできる。)のゲルを調製
することが可能であり、また、使用する緩衝液やゲル溶
液の組成は、所謂Davis法に従って調製されるもの
とする。
【0023】温度センサー30は、泳動時に緩衝液に浸
漬しても電気分解を受けない材質で形成されたものが用
いられ、例えば、温度検知部をガラス等で被覆して形成
するのが望ましい。
【0024】この温度センサー30で検知された温度
は、記録計31に数値或は折れ線グラフ態様で自動的に
記録される。尚、この記録計31は、公知の記録計と同
様に構成されているので、その詳細な説明をここでは省
略する。
【0025】光源32と色識別センサー33は、透光性
材質で形成された前記下部緩衝液槽24の対向する壁面
に取り付けられており、途中で光が遮断されない位置に
対設されている。
【0026】色識別センサー33は、泳動用マーカとし
て用いられる材質に対応する公知の受光素子が用いられ
る。
【0027】上記制御装置36は、公知のマイクロプロ
セッサ装置(MPU)で構成されており、上記色識別セ
ンサー33で受光された光量変換電圧の変化或は特定波
長を認識し、測定値が予め設定された電圧値或は波長値
となったタイミングを検知して電源29からの電流供給
を停止するように構成されている。また、この制御装置
36は、温度センサー30で測定された温度情報に基い
て図示しない加熱手段を自動的に発熱制御させ、泳動を
予め設定された温度で経時行なうように構成することも
できる。この場合、泳動は、酵素の失活を防止するため
に0℃〜4℃の低温で行う。
【0028】尚、上記で説明した以外の各構成について
は、特に言及する場合を除き、各構成の詳細および作用
は公知のスラブ型電気泳動装置を構成する対応の構成部
材と同様であるので、その詳細な説明をここでは省略す
る。
【0029】次に、上記のように構成されてなるゲル保
持体1を用いて、脱水素酵素の分離精製を行う場合に
は、先ず、ゲル製造台に前記ゲル保持体1をセットす
る。このとき、分離用ゲルの保存溶液は所定の割合で混
合される。
【0030】この混合液をアスピレータで脱気した後、
気泡が発生しないようにゲル収納部10に注ぎ込む。こ
のとき、ゲルの高さは約13cmである。水を静かに重
層後(高さ約2mm)、30℃の温水中で約60分浸漬
させてゲル化させる。
【0031】そして、水を除いた後、濃縮ゲル溶液を分
離用ゲルの上に流し込み、完全にゲル化した後、ゲル保
持体1の下側部分の係止具11を緩めて底板5を外し、
図1に示すように泳動槽22にストッパ21を介して取
り付ける。
【0032】次に、泳動用緩衝液27,28を上下部の
緩衝液槽23,24に充填する。酵素試料液に約10%
グリセリンと濃縮ゲル用緩衝液と数滴の泳動マーカであ
るBPBを適量加え混合する。勿論、この発明では、酸
性領域で電気泳動を行なう場合には、泳動マーカとして
メチルグリーン(Methyl Green)等の公知のマーカを適宜
用いることができる。 尚、酸性領域で電気泳動を行なう
場合には、アノード電極25とカソード電極26は逆に
なる。
【0033】このようにして得られた試料液を、ピペッ
ト或は無動脈ポンプを用いて濃縮用ゲル上に静かに重層
する。一度に添加できる試料は30〜120mlで、そ
の試料液槽の高さは約3cmである。試料の量が多いと
きには一定時間泳動させ、試料がある程度濃縮ゲル中に
入ったときに試料液を20〜50mlくり返し追加する
こともできる。
【0034】マーカBPBが分離ゲル内に入るまでには
約50mAの電流で、それ以後は60〜100mAの電
流で数時間泳動する。
【0035】泳動後、マーカBPBが分離用ゲルの下端
から30mmの位置まで達すると、光源32からの波長
が該マーカBPBによって変化し、色識別センサー33
には変化した光が受光される。このときの電圧変化は、
500mV程度であるので、制御装置36は、この変化
状態を明確に判別してアノード電極25とカソード電極
26への電源29からの電流供給を自動的に停止させる
ことができるので、泳動が最適な状態で自動的に止めら
れる。勿論、この発明にあっては、電源29からの電流
供給を停止させる手段として、上記光量変換電圧の量的
な変化を識別するのではなく、例えば、マーカBPBに
よって変化する波長バランスによって電流供給を停止す
るように構成しても同様の効果が得られる。尚、電流の
供給が自動的に停止されたときには、例えば、ランプを
点滅させたりブザーを鳴らすように構成することもでき
る。
【0036】一方、本実施例にかかるスラブ型電気泳動
装置20にあっては、温度センサー30で泳動温度を経
時測定し、この温度センサー30で測定された温度情報
に基いて図示しない加熱手段を自動的に発熱制御させる
こともできる。
【0037】この後、素早くゲル保持体1を、この実施
例に係るスラブ型電気泳動装置20から取り外し、次
に、泳動プレートの片方のアクリル樹脂板3を取り外
し、分離用ゲルの一端を約5mmの幅で切り取る。そし
て、このゲル断片を、ガラストレイに入れた0.1M
トリス塩酸緩衝液(pH8.0)、0.3mM NAD
(Nicotinamido Adenin Dinucleotide)、0.8mM
基質、0.2mM フェナジンメトサルフェート(Phen
azine methosulfate)、0.8mM MTT(Dimethyt
hiazol tetrazolium)を含む反応液50mlに浸し、3
7℃乃至50℃で数分間活性染色を行う。赤紫色の活性
バンドが現われたら、該ゲル片を取り出し、元のゲルの
位置に戻した後、該活性バンドの位置のゲルを水平にバ
ンド幅よりやや広く切り取り、このゲル片を、先程と同
様に活性染色し、現われた直線状の活性バンドの部分の
みを残して他の部分を取り除く。
【0038】次に、活性染色されたゲルを細かく切り
(約5mm幅の長方体状)、緩衝液(pH7.2)とと
もにポッター型テフロンホモジナイザー(容量50m
l)を用いて氷冷しながら磨砕する。そして、このゲル
磨砕液を遠心分離(20,000xg, 10分間,4℃)して上
清みに酵素抽出液を得る。また、沈殿したゲルに少量の
緩衝液を加えて懸濁後、再度遠心分離を行い、2回目の
酵素抽出液を得る。かかる調製法によれば、脱水素酵素
だけでなく、NAD,NADP等、活性染色が可能な他
の多くの酵素の精製に適用することができる。また、活
性染色しなくても同様にRf値を求めて精製に適用する
ことができる。特に、好熱菌の酵素のように熱安定性の
高い酵素の精製には良好な分離手段となる。
【0039】図4と図5は、上記実施例に係るスラブ型
電気泳動装置に用いられるゲル保持体1の他例を示して
いる。尚、本実施例に係るゲル保持体1Aの構成におい
て、図2と図3に示すゲル保持体1と同様の構成部分に
ついては、図2と図3で用いた符合と同一の符号を付し
て、その詳細な説明をここでは省略する。
【0040】即ち、この実施例に係るゲル保持体1A
は、図2と図3に示すゲル保持体1と同様、厚さが1.
0cm程度の透明なアクリル樹脂板2と、その上端部に
U字状の切り込み4を有する透明なアクリル樹脂板3
と、を備え、アクリル樹脂板2の両側部には側板6,7
を突設して、上記アクリル樹脂板2,3の間に約2.0
cmの幅寸法が形成されるように構成されていると共
に、上記アクリル樹脂板2,3間に形成されたゲル収納
部10の下端部8を、一側面にパッキンが配設されてな
る着脱自在なアクリル製の底板5で密閉できるように構
成されており、更には、上記底板5より上方には、複数
個の小孔19aが貫設されたストッパ板体19がビス1
9bを介して着脱自在に取り付けられている。勿論、ス
トッパ板体19の止着手段としては、上記ビス19bで
行なう場合に限定されるものではなく、上記側板6,7
の対向面部にスリットを所要間隔ごとに開設し、該スリ
ットにストッパ板体19を差し込んで止着するように構
成してもよい。
【0041】このストッパ板体19は、例えば、アクリ
ル,テフロン,ジュラコン等で形成されており、ゲルに
電流を流すために、上記底板5に対して空隙を持たせな
ければならないため、該ストッパ板体19の面積は、上
記底板5で閉塞される開口面積の10〜95%以下とす
るのが望ましい。尚、このストッパ板体19には、電気
分解するような金属材は用いることができない。
【0042】また、上記小孔19aの開設数は、図示の
6個に限定されるものではなく、適数開設することがで
き、さらに、その形状も円形に限定されるものではな
く、ゲル厚に対応させて、例えば、図6に示すように、
複数条のスリット19cとしてもよく、或は、ストッパ
板体19の両端部に切り欠きを形成して構成することも
できる。
【0043】このように構成されたストッパ板体19
は、ゲル保持体1Aの下端部から中間高さ位置までの間
にセットするのが望ましい。
【0044】尚、上記実施例では、ゲル収納部10の間
隔を2.0cm以上とした場合を例にとり説明したが、
この発明にあっては、ゲル収納部10の間隔を5mm以
上としても、十分な効果を得ることができる。
【0045】次に、上記構成からなるゲル保持体1及び
1Aを用いて、以下のような実験を行なった。
【0046】
【実験例1】試料としては、ナガセ生化学工業株式会社
製のCatalase(Micrococcus Iysodeikticus) を用いた。
試料酵素液に0.1%BPBを含む60%グリセロール
液を加え、混合したものを、常法に従いスラブ型ポリア
クリルアミドゲル電気泳動に供した。厚さ20mmのゲ
ルで、ゲル落下防止処置を施さないもの(以下、A方法
という。)と、図2と図3に示すゲル保持体1で保持し
たもの(以下、B方法という。)、ゲル保持体1Aで保
持したもの(以下、C方法という。)およびゲル保持体
1Aの替わりに網目サイズ1cmのタコ糸製網を用いて
ゲルを保持したもの(以下、D方法という。)、の4通
りの実験を平行して行なった。このときのゲル濃度は、
分離ゲルがT%=4.8%、使用した単体の総グラム数
に対するBisアクリルアミドのグラム数比であるC%
が2.7%、濃縮ゲルがT%=3.1%でC%=20.
0%とした。泳動は、室温摂氏5度の冷蔵室で、電流3
0mAで2時間、電流35mAで12時間、電流50m
Aで25時間の合計39時間行なった。泳動終了後、ゲ
ルの一部を切り出し、0.1Mりん酸緩衝液(pH7.
0)で抽出し、吸引濾過によりゲルを除去した。得られ
た抽出液について、30%過酸化水素を基質にし、OD
(波長)240nmでの過酸化水素の変化を測定するこ
とにより、酵素活性を測定した。これにより得られた
「泳動時におけるゲル流下状況」を表1に示すと共に、
「ストッパ板体による酵素の回収率」を表2に示す。
【表1】
【表2】 以上の結果からも明らかなように、上記C方法による泳
動の分離パターンは、分析用泳動装置による分離パター
ンと遜色のないものであった。
【0047】
【実験例2】試料としては、オリエンタル酵母社製のAl
cohol Dehydrogenase を用いた。試料酵素液を調整し、
常法に従いスラブ型Nーメチロールアクリルアミドゲル
電気泳動に供した。厚さ20mmのゲルで、ゲル落下防
止処置を施さないもの(以下、E方法という。)と、図
2と図3に示すゲル保持体1で保持したもの(以下、F
方法という。)、ゲル保持体1Aで保持したもの(以
下、G方法という。)およびゲル保持体1Aの替わりに
網目サイズ1cmのナイロン製網を用いてゲルを保持し
たもの(以下、H方法という。)、の4通りの実験を平
行して行なった。このときのゲル濃度は、分離ゲルがT
%=4.5%、使用した単体の総グラム数に対するBi
sアクリルアミドのグラム数比であるC%が2.7%、
濃縮ゲルがT%=3.1%でC%=20.0%とした。
分離ゲルは、表3に示した量のA液135mlと、C液
81mlと、水306mlとポリエチレングリコール
0.54gと、重合剤であるE液18.0mlと、N,N,
N',N'-テトラメチルエチレンアミン(以下、TEMED
と略す)を0.27ml添加して生成した。
【表3】 また、濃縮ゲルは、上記表3に示すB液5.0mlとD
液10.0mlと水24.0mlと、ポリエチレングリ
コール0.04gとE液1.0mlと前記TEMED
0.007mlを添加して生成した。泳動は、室温摂氏
5度の冷蔵室で、電流50mAで1.3時間、電流20
mAで14.8時間、電流30mAで4.7時間の合計
20.8時間行なった。泳動終了後のゲルの一部から、
目的酵素を0.1Mりん酸緩衝液(pH7.0)で抽出
し、NADHの生成速度をOD(波長)340nmで測
定することにより、酵素活性を測定した。これにより得
られた「泳動時におけるゲル流下状況」を表4に示すと
共に、「ストッパ板体による酵素の回収率」を表5に示
す。
【表4】
【表5】 以上の結果からも明らかなように、上記G方法による泳
動の分離パターンは、分析用泳動装置による分離パター
ンと遜色のないものであった。
【0048】それ故、この実施例に係るゲル保持体1A
を用いた場合には、蛋白変性させて電荷を一様化し、蛋
白質の分子量の大きさのみによって易道度を決め、分子
量と易道度との関係から分子量を推定するために、前記
SDS等の界面活性剤を含む滑り易いゲルを用いたり、
或は、前記軟弱なゲルを用いた場合であっても、ゲルの
形状を一定に保つことができるので、目的物質の精製・
分取を容易に行なうことができる。
【0049】また、本実施例によれば、ゲルが脱落する
前の短時間で泳動を終了させるために、電流を上げて泳
動を行なう必要が全くないため、ゲルが発熱して目的物
質が変性する虞れもなく、目的物質の分取に好適であ
る、という効果も得られる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係るス
ラブ型電気泳動装置によれば、予め測定条件を設定しな
くとも、自動的に試料の泳動状態を検知して、最適な条
件で泳動を自動的に終了させることができると共に、酵
素機能を失活させない泳動条件を求める上で重要な緩衝
液の温度測定を継続して測定することができる他、非常
に簡便な操作で酵素等の生理活性物質が一度に大量に分
取・精製することができる。
【0051】また、ゲル保持体にストッパ板体を取り付
けることで、軟弱なゲルや滑り易いゲルであっても、ゲ
ルの形状を一定に保持することができるので、目的物質
を変性させることなく確実に精製・分取することができ
る等、幾多の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るスラブ型電気泳動装
置の構成を概略的に示す断面図である。
【図2】ゲル保持体の構成を示す分解斜視図である。
【図3】同ゲル保持体の側面断面図である。
【図4】ゲル保持体の他の構成例を示す分解斜視図であ
る。
【図5】同ゲル保持体の側面断面図である。
【図6】ストッパ板体の他の構成例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1,1A ゲル保持体 19 ストッパ板体 19a 小孔 20 スラブ型電気泳動装置 30 温度センサー 31 記録計 32 光源 33 色識別センサー 36 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 知彦 愛知県半田市青山町7−90 青山コーポE 号 (72)発明者 藤森 正宏 愛知県半田市堀崎町2−17 コープ野村半 田2−304号 (72)発明者 川村 吉也 愛知県江南市古知野町古渡132

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 泳動マーカの終点を光学的に検出する終
    点識別手段と、この終点識別手段からの情報に基きゲル
    泳動手段への電流供給を停止する手段と、を有して構成
    されてなるスラブ型電気泳動装置。
  2. 【請求項2】 ゲル保持体が浸漬される泳動槽内の緩衝
    液の温度を検知し、この検知された温度推移を自動的に
    記録するように構成されてなるスラブ型電気泳動装置。
  3. 【請求項3】 前記ゲルは、該ゲルを挟持する板体間に
    形成されたゲル収納部に収納され、該ゲル収納部内の下
    部には、上記ゲルの落下を防止する突起体が形成されて
    いることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれ
    かに記載のスラブ型電気泳動装置。
  4. 【請求項4】 前記ゲルは、該ゲルを挟持する板体間に
    形成されたゲル収納部に収納され、該ゲル収納部内の下
    部には、複数個の小孔或は複数条のスリットが開設され
    たゲル落下防止用ストッパ板体が着脱自在に装着されて
    いることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか
    に記載のスラブ型電気泳動装置。
JP4340967A 1992-02-03 1992-11-30 スラブ型電気泳動装置 Pending JPH05281189A (ja)

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US08/012,194 US5340461A (en) 1992-02-03 1993-02-02 Electrophoretic medium for electrophoretic separation, gel holder for holding the same medium, slab type electrophoretic apparatus using the same medium and gel holder, and electrophoretic gel cutter
EP93400269A EP0555145A2 (en) 1992-02-03 1993-02-03 Electrophoretic medium, gel holder, slab type electrophoretic apparatus and electrophoretic gel cutter

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JP4-62781 1992-02-03
JP6278192 1992-02-03

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009522554A (ja) * 2005-12-29 2009-06-11 ライフ テクノロジーズ コーポレーション ポリアクリルアミドゲル上で分離される生体分子の分解能を改善するための組成物および方法
JP2010286273A (ja) * 2009-06-09 2010-12-24 Toppan Printing Co Ltd 電気泳動用カセット及び電気泳動用カセットの製造方法

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