JPH0528245B2 - - Google Patents
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- JPH0528245B2 JPH0528245B2 JP14665085A JP14665085A JPH0528245B2 JP H0528245 B2 JPH0528245 B2 JP H0528245B2 JP 14665085 A JP14665085 A JP 14665085A JP 14665085 A JP14665085 A JP 14665085A JP H0528245 B2 JPH0528245 B2 JP H0528245B2
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産業上の利用分野
本発明は結晶性芳香族ポリエーテルケトンの改
良された製造法に関するものである。さらに詳し
くいえば、本発明は、特定の反応溶媒を用いて耐
熱性、耐薬品性、機械的強度などに優れた、高分
子量の高結晶性芳香族ポリエーテルケトンを工業
的有利に製造する方法に関するものである。 従来の技術 近年、エーテル基及びケトン基を介してフエニ
レン基が連結された結晶性芳香族ポリエーテルケ
トンは、優れた耐熱性、耐薬品性、機械的強度な
どを有することから、各種分野における成形材料
として注目されている。 この芳香族ポリエーテルケトンの製造方法とし
ては、これまで例えばケトン基を含むビスフエノ
ールのジアルカリ金属塩とケトン基を含むジハロ
ゲノ化合物とを芳香族スルホンの存在下で250〜
400℃の温度に加熱する方法(特公昭57−22938号
公報)、ケトン基を含むハロフエノールをアルカ
リ金属炭酸塩とともに、N−メチルピロリドン、
脂肪族スルホン又は芳香族スルホン化物中で200
〜400℃の温度に加熱する方法(米特許第4113699
号明細書)などが知られている。 ところで、一般に高分子量の重合体を生成させ
るには、生成した重合体が溶解するような重合媒
質中で反応を進行させることが必要であるが、結
晶性芳香族ポリエーテルケトンの場合は、このよ
うな重合媒質中に低温下では不溶なため、300℃
以上という高温下で重合を行わなければならな
い。したがつて、高分子量の結晶性芳香族ポリエ
ーテルケトンの製造方法においては、高温におい
ても安定であり、しかも適度の極性をもつ重合用
溶媒を選択することが重要な要件となつている。 従来、このような重合用溶媒としては、前記し
たように、脂肪族スルホン、芳香族スルホン、N
−メチルピロリドンなどが用いられているが、芳
香族スルホンを用いても、特に高結晶性、高融点
の重合体を目的とする場合には、高温下で長時間
の反応が必要であるため、ゲル化や着色など好ま
しくない現象を伴うという欠点があるし、N−メ
チルピロリドンや、スルホランのような脂肪族ス
ルホンは、熱的に不安定で、その重合用溶媒とし
ての能力が芳香族スルホンに比べ劣るため、これ
らを用いても高分子量の高結晶性芳香族ポリエー
テルケトンを得ることが困難であつた。 発明が解決しようとする問題点 本発明の第1の目的は、耐熱性、耐薬品性、機
械的強度などが優れた高分子量の高結晶性芳香族
ポリエーテルケトンを得るための改良された製造
方法を提供することである。 本発明の第2の目的は、高温下において安定で
あり、かつ適度の極性をもつ特定の重合用溶媒を
用いることにより、高分子量の高結晶性芳香族ポ
リエーテルケトンを容易に製造しうる方法を提供
することである。 問題点を解決するための手段 本発明者らは前記目的を達成すべく鋭意研究を
重ねた結果、結晶性芳香族ポリエーテルケトンを
製造する際の重合溶媒として、ある種の芳香族ケ
トン化合物を用いることより、その目的を達成し
うることを見出し、その知見に基づいて本発明を
完成するに至つた。 すなわち、本発明は、溶媒中において、芳香族
ジヒドロキシ化合物成分の少なくとも1種とジハ
ロゲノ芳香族ケトン成分の少なくとも1種とを縮
合重合させるか、あるいはモノヒドロキシモノハ
ロゲノ芳香族ケトン成分の少なくとも1種を縮合
重合させて結晶性芳香族ポリエーテルケトンを製
造するに当り、溶媒として、一般式 (式中のXは酸素原子又はケトン基、R、R′、
R″及びRはそれぞれ水素原子、炭素数1〜3
のアルキル基又はフエニル基であつて、これらは
たがいに同じでも異なつていてもよく、m及びn
のいずれか一方は1であり、他は0又は1であ
る) で表わされる芳香族ケトン化合物を用いることを
特徴とする、還元粘度0.6以上の結晶性芳香族ポ
リエーテルケトンの製造法を提供するものであ
る。 本発明方法における縮合重合反応は、例えば遊
離状のヒドロキシル基をもつ芳香族ジヒドロキシ
化合物成分として遊離状のヒドロキシル基をもつ
ものを用い、これとジハロゲノ芳香族ケトン成分
との実質的等モル混合物を、所定の溶媒中、アル
カリの存在下で加熱するか、又は芳香族ジヒドロ
キシ化合物成分としてそのアルカリ金属塩を用
い、これとジハロゲノ芳香族ケトンとの実質的等
モル混合物を、所定の溶媒中で加熱することによ
り、あるいは、モノヒドロキシモノハロゲノ芳香
族ケトン成分として遊離状のヒドロキシル基をも
つものを用い、これを所定の溶媒中、アルカリの
存在下で加熱するか、又はモノヒドロキシモノハ
ロゲノ芳香族ケトンのアルカリ塩を用い、これを
所定の溶媒中で加熱することにより行うことがで
きる。 これらの方法の中で、アルカリとしてアルカリ
金属の炭酸塩又は重炭酸塩を用い、その存在下
で、芳香族ジヒドロキシ化合物とジハロゲノ芳香
族ケトンとを加熱重合するか、あるいはモノヒド
ロキシモノハロゲノ芳香族ケトンを加熱重合する
方法が特に有利である。 本発明方法において原料として用いる芳香族ジ
ヒドロキシ化合物成分には、一般式 HO−Ar−OH ……() (式中のArは芳香族残基である) で表わされる二価フエノール及びそのアルカリ塩
があり、このようなものとしては、例えばヒドロ
キノンなどの単核二価フエノール、4,4′−ジヒ
ドロキシビフエニルなどのジヒドロキシポリフエ
ニル、1,1′−ビス(4−ヒドロキシフエニル)
プロパン、ビス(4−ヒドロキシフエニル)メタ
ン、4,4′−ジヒドロキシベンゾフエノン、4,
4′−ジヒドロキシジフエニルエーテル、4,4′−
ジヒドロキシジフエニルスルフイド、4,4′−ジ
ヒドロキシテレフタロフエノン、4,4′−ジヒド
ロキシイソフタロフエノンなどのビスフエノール
類及びこれらの核置換体など並びにそのアルカリ
塩を挙げることができる。このアルカリ塩は、常
法に従い、前記一般式()の二価フエノールと
アルカリ金属水酸化物のようなアルカリとを反応
させて得られるものである。このような芳香族ジ
ヒドロキシ化合物成分の中で特に好適なものは、
ヒドロキノン、4,4′−ジヒドロキシベンゾフエ
ノンである。 これらの二価フエノール又はそのアルカリ塩
は、それぞれ単独で用いてもよいし、また2種以
上の混合物として用いてもよい。 次に、この芳香族ジヒドロキシ化合物成分と縮
合させるジハロゲノ芳香族ケトン成分としては、
例えば一般式 X−Ar′−X ……() (式中のAr′は少なくとも1個のベンゾフエノン
単位を含む芳香族残基、Xは末端芳香族環のケト
ン基に対しオルト位置又はパラ位置に結合したハ
ロゲン原子である) で表わされるジハロゲノベンゼノイド化合物が用
いられる。 このようなジハロベンゼノイド化合物の中で、
好適なものとしては、一般式 (Xは前記と同じ意味をもち、Zはエーテル基、
チオエーテル基、カルボニル基、スルホン基又は
二価アルキレン基、xおよびyは1〜3の整数で
ある) で表わされる化合物を挙げることができる。 このような化合物としては、例えば4,4′−ジ
フルオロベンゾフエノン、2,4′−ジフルオロベ
ンゾフエノン、4,4′−ジクロロベンゾフエノ
ン、ビス−1,4−(4−フルオロベンゾイル)
ベンゼン、ビス−1,3−(4−クロロベンゾイ
ル)ベンゼン、ビス−1,4−(4−クロロベン
ゾイル)ベンゼン、ビス−4,4′−(4−クロロ
ベンゾイル)ビフエニル、ビス−4,4′−(4−
クロロベンゾイル)ジフエニルエーテルなどがあ
る。これらのジハロゲノ芳香族ケトンは単独で用
いてもよいし、また2種以上混合して用いてもよ
い。 前記一般式()のジハロベンゼノイド化合物
の中で、ハロゲン原子がケトン基の結合位置に対
してパラ位置に結合しているものが高融点、高結
晶性の重合体を得るために特に有利である。 また、ハロゲン原子としてはフツ素を用いる方
が塩素の場合よりも反応性が高く、高分子量体を
得やすいこと、重合体の着色や架橋などの副反応
が起こりにくいことなどの点で有利である。 特に好適なものは、4,4′−ジフルオロベンゾ
フエノン及びビス−1,4′−(4−フルオロベン
ゾイル)ベンゼン(4,4′−ジフルオロテレフタ
ロフエノン)である。 次に別法の原料として用いるモノヒドロキシモ
ノハロゲノ芳香族ケトン成分は、一般式 X−Ar′−OH ……() (式中のAr′及びXは前記と同じ意味をもつ) で示される、少なくとも1個のベンゾフエノン単
位を含むハロフエノール及びそのアルカリ塩があ
り、このようなものの例としては、4−フルオロ
−4′−ヒドロキシベンゾフエノン、4−クロロ−
4′−ヒドロキシベンゾフエノン、4−(4−フル
オロベンゾイル)−4′−ヒドロキシビフエニル、
4−(4−フルオロベンゾイル)−4′−ヒドロキシ
ジフエニルエーテル及びこれらのアルカリ金属塩
などを挙げることができる。 また、本発明で用いるハロフエノールのアルカ
リ塩は、公知の方法、例えば前記のハロフエノー
ルとアルカリ金属水酸化物とを反応させる方法な
どによつて得ることができる。 これらのハロフエノール又はそのアルカリ塩
は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上混
合して用いてもよい。 これらのハロフエノール又はそのアルカリ塩の
ハロゲン原子も、前記ジハロベンゼノイド化合物
の場合と同様にフツ素である方が有利であり、特
に好適なものとして、4−フルオロ−4′−ヒドロ
キシベンゾフエノン又はそのアルカリ金属塩が用
いられる。 本発明方法においては、重合用溶媒として、一
般式 (式中のX、R、R′、R″、R、m又はnは前
記と同じ意味をもつ) で表わされる芳香族ケトン化合物を用いることが
必要である。 このような化合物としては、例えば1,3−ジ
ベンゾイルベンゼン(イソフタロフエノン)、1,
4−ジベンゾイルベンゼン(テレフタロフエノ
ン)、4−ベンゾイルジフエニルエーテル、4,
4′−ジベンゾイルジフエニルエーテル、4,4′−
ジベンゾイルベンゾフエノンなどが挙げられる。
これらの中で1,3−ジベンゾイルベンゼン及び
1,4−ジベンゾイルベンゼンが好適である。 これらの溶媒はそれぞれ単独で用いてもよい
し、2種以上混合して用いてもよい。さらに所望
に応じて本発明の目的を損わない範囲で、他の溶
媒、例えばジフエニルスルホン、キサントンなど
と併用することもできる。 本発明方法において、芳香族ジヒドロキシ化合
物成分として、前記一般式()の二価フエノー
ルを用いる場合や、モノヒドロキシモノハロゲノ
芳香族ケトン成分としては、一般式()のハロ
フエノールを用いる場合には、アルカリの存在下
で反応を行わせることが必要である。このアルカ
リとしては、例えばアルカリ金属の水酸化物、炭
酸塩、重炭酸塩、フツ化物、水素化物、アルコキ
シド、アルキル化物などが用いられる。これらの
中でアルカリ金属の炭酸塩及び重炭酸塩が好適で
あり、またアルカリ金属としてはカリウム、ナト
リウム及びそれらの混合物が好ましい。 本発明方法に従つて、前記一般式()の二価
フエノールと一般式()のジハロゲノベンゼノ
イドとを縮合させる場合には、前記一般式()
で表わされる芳香族ケトン化合物中に、所定量の
二価フエノールとジハロベンゼノイドとアルカリ
とを加え、200〜400℃に加熱し、反応させる。こ
の際の二価フエノールとジハロベンゼノイドとは
実質的に等モルずつ用い、一方の過剰量が5モル
%を越えないようにするのが望ましい。 また、この際のアルカリの使用量としては、そ
のアルカリ金属原子の量がヒドロキシル基1モル
当り0.3〜2グラム原子になるような範囲が選ば
れる。 この方法においては、原料の二価フエノールと
ジハロベンゼノイドのほかに、所望に応じ、さら
に生成する重合体の特性が損われない範囲で、前
記一般式()のハロフエノールや、4,4′−ジ
クロロジフエニルスルホン、4,4′−ジヒドロキ
シシジフエニルスルホンなどを併用することもで
きる。この場合、反応系における全ヒドロキシル
基とハロゲン原子とのモル比が1:0.95ないし
1:1.05の範囲内になるような割合を選ぶのが望
ましい。 他方、前記一般式()の二価フエノールをア
ルカリ塩の形で用いる場合は、反応系に特にアル
カリを添加する必要はない。この場合は、一般式
()のハロフエノールや、4,4′−ジヒドロキ
シジフエニルスルホンを併用する際に、これらも
アルカリ塩の形で用いることが必要である。 次に一般式()のハロフエノールを用いる本
発明の実施態様においては、一般式()の芳香
族ケトン化合物中に、所定のハロフエノールとア
ルカリを加えて加熱するか、あるいはハロフエノ
ールのアルカリ塩を加えて加熱する。 この際、ハロフエノールを用いる場合は、所望
に応じ、少量の二価フエノール又はジハロベンゼ
ノイド化合物を、ハロフエノールのアルカリ金属
塩を用いる場合は、少量の二価フエノールのアル
カリ金属塩又はジハロベンゼノイド化合物を分子
量調節剤として添加することもできる。ただし、
いずれの場合も、反応系におけるヒドロキシル基
とハロゲン原子のモル比が1:0.95ないし1:
1.05の範囲内になるように添加することが望まし
い。 本発明方法においては、いずれの実施態様にお
いても、200〜400℃の温度で5分間ないし25時間
加熱することによつて、所望の重合体を得ること
ができる。200℃未満の反応温度では、生成した
重合体が低重合度のままで析出してくるため、目
的とする高分子量の結晶性重合体を得ることがで
きないし、また、400℃よりも高い反応温度を用
いるとゲル化のような望ましくない副反応が著し
くなる。 本発明方法において重合溶媒として用いる前記
一般式()で表わされる芳香族ケトン化合物の
使用量については特に制限はなく、従来の結晶性
芳香族ポリエーテルケトンの製造に際して通常用
いられる重合用溶媒の使用量の範囲の中から任意
に選ぶことができる。通常、この範囲は、原料の
合計量に対し、重量比で1:0.8ないし1:5の
範囲である。 このようにして得られた結晶性芳香族ポリエー
テルケトンは、還元粘度0.6以上の高重合体であ
るが、これは還元粘度が0.6未満のものがフイル
ム化が困難であつたり、あるいは得られたフイル
ムが強度が弱くもろいものになるという欠点を有
するのに対し、種々のすぐれた性質を示す。 従来の芳香族ポリエーテルケトンの製造に際し
ては、ベンゾフエノンやジベンゾチオフエンのよ
うなケトン基やチオエーテル基のような基をもつ
溶媒を用いた場合には、高分子量のものが得られ
ず、芳香族スルホン系溶媒のような極性の大きい
溶媒を用いた場合にはじめて高分子量のものが得
られていたにもかかわらず(例えば特公昭57−
22938号公報、実施例2参照)、ケトン基又はケト
ン基とエーテル基しか有しない本発明の溶媒を用
いて、高分子量の高結晶性芳香族ポリエーテルケ
トンが得られたことは、全く予想外のことであつ
た。 これは溶媒の構造が生成する重合体の構造に類
似しているため、重合体における生成重合体鎖の
分散状態が良く、反応が起こりやすいためである
と思われる。 発明の効果 本発明で用いる溶媒は、その構造から明らかな
ように酸化性が無いため、モノマーのフエノール
類を酸化するおそれがなく、また、それ自体熱的
に安定であつて、繰り返し使用が可能である上
に、生成する重合体に分枝などの異種構造や着色
を生じさせにくいなどの利点を有している。 本発明方法で得られた高分子量の高結晶性芳香
族ポリエーテルケトンは、耐熱性、耐薬品性、機
械的強度などに優れており、単独で構造材、フイ
ルム、繊維、フイブリル、被覆材なとに用いるこ
とができ、さらには他のポリマーとのブレンド物
として、あるいはガラス繊維、炭素繊維、アラミ
ド繊維、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウムなど
の強化材又は充てん剤を混合した複合材料として
も用いられる。 実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明す
るが、本発明はこれらの例によつてなんら限定さ
れるものではない。 実施例 1 窒素導入口、窒素排出口、温度計及びかきまぜ
器を装着した100mlのセパラブルフラスコに、4,
4′−ジフルオロベンゾフエノン10.91g(0.05モ
ル)、4,4′−ヒドロキシベンゾフエノン10.71g
(0.05モル)、炭酸カリウム7.19g(0.052モル)及
びイソフタロフエノン40gを入れ、窒素置換し
た。これをときどき窒素を通しながら、窒素シー
ルで1時間を要して室温から300℃まで昇温した
のち、300℃で5時間反応させた。次いで、ジク
ロロジフエニルスルホン4gを加えて末端安定化
させ、得られた反応物を冷却後、水中で粉砕した
のち、温アセトンで2度、温水で2度、さらに温
アセトンで1度洗浄して白色の重合体粉末19.2g
を得た。収率は98%で、得られた重合体の構造は
良された製造法に関するものである。さらに詳し
くいえば、本発明は、特定の反応溶媒を用いて耐
熱性、耐薬品性、機械的強度などに優れた、高分
子量の高結晶性芳香族ポリエーテルケトンを工業
的有利に製造する方法に関するものである。 従来の技術 近年、エーテル基及びケトン基を介してフエニ
レン基が連結された結晶性芳香族ポリエーテルケ
トンは、優れた耐熱性、耐薬品性、機械的強度な
どを有することから、各種分野における成形材料
として注目されている。 この芳香族ポリエーテルケトンの製造方法とし
ては、これまで例えばケトン基を含むビスフエノ
ールのジアルカリ金属塩とケトン基を含むジハロ
ゲノ化合物とを芳香族スルホンの存在下で250〜
400℃の温度に加熱する方法(特公昭57−22938号
公報)、ケトン基を含むハロフエノールをアルカ
リ金属炭酸塩とともに、N−メチルピロリドン、
脂肪族スルホン又は芳香族スルホン化物中で200
〜400℃の温度に加熱する方法(米特許第4113699
号明細書)などが知られている。 ところで、一般に高分子量の重合体を生成させ
るには、生成した重合体が溶解するような重合媒
質中で反応を進行させることが必要であるが、結
晶性芳香族ポリエーテルケトンの場合は、このよ
うな重合媒質中に低温下では不溶なため、300℃
以上という高温下で重合を行わなければならな
い。したがつて、高分子量の結晶性芳香族ポリエ
ーテルケトンの製造方法においては、高温におい
ても安定であり、しかも適度の極性をもつ重合用
溶媒を選択することが重要な要件となつている。 従来、このような重合用溶媒としては、前記し
たように、脂肪族スルホン、芳香族スルホン、N
−メチルピロリドンなどが用いられているが、芳
香族スルホンを用いても、特に高結晶性、高融点
の重合体を目的とする場合には、高温下で長時間
の反応が必要であるため、ゲル化や着色など好ま
しくない現象を伴うという欠点があるし、N−メ
チルピロリドンや、スルホランのような脂肪族ス
ルホンは、熱的に不安定で、その重合用溶媒とし
ての能力が芳香族スルホンに比べ劣るため、これ
らを用いても高分子量の高結晶性芳香族ポリエー
テルケトンを得ることが困難であつた。 発明が解決しようとする問題点 本発明の第1の目的は、耐熱性、耐薬品性、機
械的強度などが優れた高分子量の高結晶性芳香族
ポリエーテルケトンを得るための改良された製造
方法を提供することである。 本発明の第2の目的は、高温下において安定で
あり、かつ適度の極性をもつ特定の重合用溶媒を
用いることにより、高分子量の高結晶性芳香族ポ
リエーテルケトンを容易に製造しうる方法を提供
することである。 問題点を解決するための手段 本発明者らは前記目的を達成すべく鋭意研究を
重ねた結果、結晶性芳香族ポリエーテルケトンを
製造する際の重合溶媒として、ある種の芳香族ケ
トン化合物を用いることより、その目的を達成し
うることを見出し、その知見に基づいて本発明を
完成するに至つた。 すなわち、本発明は、溶媒中において、芳香族
ジヒドロキシ化合物成分の少なくとも1種とジハ
ロゲノ芳香族ケトン成分の少なくとも1種とを縮
合重合させるか、あるいはモノヒドロキシモノハ
ロゲノ芳香族ケトン成分の少なくとも1種を縮合
重合させて結晶性芳香族ポリエーテルケトンを製
造するに当り、溶媒として、一般式 (式中のXは酸素原子又はケトン基、R、R′、
R″及びRはそれぞれ水素原子、炭素数1〜3
のアルキル基又はフエニル基であつて、これらは
たがいに同じでも異なつていてもよく、m及びn
のいずれか一方は1であり、他は0又は1であ
る) で表わされる芳香族ケトン化合物を用いることを
特徴とする、還元粘度0.6以上の結晶性芳香族ポ
リエーテルケトンの製造法を提供するものであ
る。 本発明方法における縮合重合反応は、例えば遊
離状のヒドロキシル基をもつ芳香族ジヒドロキシ
化合物成分として遊離状のヒドロキシル基をもつ
ものを用い、これとジハロゲノ芳香族ケトン成分
との実質的等モル混合物を、所定の溶媒中、アル
カリの存在下で加熱するか、又は芳香族ジヒドロ
キシ化合物成分としてそのアルカリ金属塩を用
い、これとジハロゲノ芳香族ケトンとの実質的等
モル混合物を、所定の溶媒中で加熱することによ
り、あるいは、モノヒドロキシモノハロゲノ芳香
族ケトン成分として遊離状のヒドロキシル基をも
つものを用い、これを所定の溶媒中、アルカリの
存在下で加熱するか、又はモノヒドロキシモノハ
ロゲノ芳香族ケトンのアルカリ塩を用い、これを
所定の溶媒中で加熱することにより行うことがで
きる。 これらの方法の中で、アルカリとしてアルカリ
金属の炭酸塩又は重炭酸塩を用い、その存在下
で、芳香族ジヒドロキシ化合物とジハロゲノ芳香
族ケトンとを加熱重合するか、あるいはモノヒド
ロキシモノハロゲノ芳香族ケトンを加熱重合する
方法が特に有利である。 本発明方法において原料として用いる芳香族ジ
ヒドロキシ化合物成分には、一般式 HO−Ar−OH ……() (式中のArは芳香族残基である) で表わされる二価フエノール及びそのアルカリ塩
があり、このようなものとしては、例えばヒドロ
キノンなどの単核二価フエノール、4,4′−ジヒ
ドロキシビフエニルなどのジヒドロキシポリフエ
ニル、1,1′−ビス(4−ヒドロキシフエニル)
プロパン、ビス(4−ヒドロキシフエニル)メタ
ン、4,4′−ジヒドロキシベンゾフエノン、4,
4′−ジヒドロキシジフエニルエーテル、4,4′−
ジヒドロキシジフエニルスルフイド、4,4′−ジ
ヒドロキシテレフタロフエノン、4,4′−ジヒド
ロキシイソフタロフエノンなどのビスフエノール
類及びこれらの核置換体など並びにそのアルカリ
塩を挙げることができる。このアルカリ塩は、常
法に従い、前記一般式()の二価フエノールと
アルカリ金属水酸化物のようなアルカリとを反応
させて得られるものである。このような芳香族ジ
ヒドロキシ化合物成分の中で特に好適なものは、
ヒドロキノン、4,4′−ジヒドロキシベンゾフエ
ノンである。 これらの二価フエノール又はそのアルカリ塩
は、それぞれ単独で用いてもよいし、また2種以
上の混合物として用いてもよい。 次に、この芳香族ジヒドロキシ化合物成分と縮
合させるジハロゲノ芳香族ケトン成分としては、
例えば一般式 X−Ar′−X ……() (式中のAr′は少なくとも1個のベンゾフエノン
単位を含む芳香族残基、Xは末端芳香族環のケト
ン基に対しオルト位置又はパラ位置に結合したハ
ロゲン原子である) で表わされるジハロゲノベンゼノイド化合物が用
いられる。 このようなジハロベンゼノイド化合物の中で、
好適なものとしては、一般式 (Xは前記と同じ意味をもち、Zはエーテル基、
チオエーテル基、カルボニル基、スルホン基又は
二価アルキレン基、xおよびyは1〜3の整数で
ある) で表わされる化合物を挙げることができる。 このような化合物としては、例えば4,4′−ジ
フルオロベンゾフエノン、2,4′−ジフルオロベ
ンゾフエノン、4,4′−ジクロロベンゾフエノ
ン、ビス−1,4−(4−フルオロベンゾイル)
ベンゼン、ビス−1,3−(4−クロロベンゾイ
ル)ベンゼン、ビス−1,4−(4−クロロベン
ゾイル)ベンゼン、ビス−4,4′−(4−クロロ
ベンゾイル)ビフエニル、ビス−4,4′−(4−
クロロベンゾイル)ジフエニルエーテルなどがあ
る。これらのジハロゲノ芳香族ケトンは単独で用
いてもよいし、また2種以上混合して用いてもよ
い。 前記一般式()のジハロベンゼノイド化合物
の中で、ハロゲン原子がケトン基の結合位置に対
してパラ位置に結合しているものが高融点、高結
晶性の重合体を得るために特に有利である。 また、ハロゲン原子としてはフツ素を用いる方
が塩素の場合よりも反応性が高く、高分子量体を
得やすいこと、重合体の着色や架橋などの副反応
が起こりにくいことなどの点で有利である。 特に好適なものは、4,4′−ジフルオロベンゾ
フエノン及びビス−1,4′−(4−フルオロベン
ゾイル)ベンゼン(4,4′−ジフルオロテレフタ
ロフエノン)である。 次に別法の原料として用いるモノヒドロキシモ
ノハロゲノ芳香族ケトン成分は、一般式 X−Ar′−OH ……() (式中のAr′及びXは前記と同じ意味をもつ) で示される、少なくとも1個のベンゾフエノン単
位を含むハロフエノール及びそのアルカリ塩があ
り、このようなものの例としては、4−フルオロ
−4′−ヒドロキシベンゾフエノン、4−クロロ−
4′−ヒドロキシベンゾフエノン、4−(4−フル
オロベンゾイル)−4′−ヒドロキシビフエニル、
4−(4−フルオロベンゾイル)−4′−ヒドロキシ
ジフエニルエーテル及びこれらのアルカリ金属塩
などを挙げることができる。 また、本発明で用いるハロフエノールのアルカ
リ塩は、公知の方法、例えば前記のハロフエノー
ルとアルカリ金属水酸化物とを反応させる方法な
どによつて得ることができる。 これらのハロフエノール又はそのアルカリ塩
は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上混
合して用いてもよい。 これらのハロフエノール又はそのアルカリ塩の
ハロゲン原子も、前記ジハロベンゼノイド化合物
の場合と同様にフツ素である方が有利であり、特
に好適なものとして、4−フルオロ−4′−ヒドロ
キシベンゾフエノン又はそのアルカリ金属塩が用
いられる。 本発明方法においては、重合用溶媒として、一
般式 (式中のX、R、R′、R″、R、m又はnは前
記と同じ意味をもつ) で表わされる芳香族ケトン化合物を用いることが
必要である。 このような化合物としては、例えば1,3−ジ
ベンゾイルベンゼン(イソフタロフエノン)、1,
4−ジベンゾイルベンゼン(テレフタロフエノ
ン)、4−ベンゾイルジフエニルエーテル、4,
4′−ジベンゾイルジフエニルエーテル、4,4′−
ジベンゾイルベンゾフエノンなどが挙げられる。
これらの中で1,3−ジベンゾイルベンゼン及び
1,4−ジベンゾイルベンゼンが好適である。 これらの溶媒はそれぞれ単独で用いてもよい
し、2種以上混合して用いてもよい。さらに所望
に応じて本発明の目的を損わない範囲で、他の溶
媒、例えばジフエニルスルホン、キサントンなど
と併用することもできる。 本発明方法において、芳香族ジヒドロキシ化合
物成分として、前記一般式()の二価フエノー
ルを用いる場合や、モノヒドロキシモノハロゲノ
芳香族ケトン成分としては、一般式()のハロ
フエノールを用いる場合には、アルカリの存在下
で反応を行わせることが必要である。このアルカ
リとしては、例えばアルカリ金属の水酸化物、炭
酸塩、重炭酸塩、フツ化物、水素化物、アルコキ
シド、アルキル化物などが用いられる。これらの
中でアルカリ金属の炭酸塩及び重炭酸塩が好適で
あり、またアルカリ金属としてはカリウム、ナト
リウム及びそれらの混合物が好ましい。 本発明方法に従つて、前記一般式()の二価
フエノールと一般式()のジハロゲノベンゼノ
イドとを縮合させる場合には、前記一般式()
で表わされる芳香族ケトン化合物中に、所定量の
二価フエノールとジハロベンゼノイドとアルカリ
とを加え、200〜400℃に加熱し、反応させる。こ
の際の二価フエノールとジハロベンゼノイドとは
実質的に等モルずつ用い、一方の過剰量が5モル
%を越えないようにするのが望ましい。 また、この際のアルカリの使用量としては、そ
のアルカリ金属原子の量がヒドロキシル基1モル
当り0.3〜2グラム原子になるような範囲が選ば
れる。 この方法においては、原料の二価フエノールと
ジハロベンゼノイドのほかに、所望に応じ、さら
に生成する重合体の特性が損われない範囲で、前
記一般式()のハロフエノールや、4,4′−ジ
クロロジフエニルスルホン、4,4′−ジヒドロキ
シシジフエニルスルホンなどを併用することもで
きる。この場合、反応系における全ヒドロキシル
基とハロゲン原子とのモル比が1:0.95ないし
1:1.05の範囲内になるような割合を選ぶのが望
ましい。 他方、前記一般式()の二価フエノールをア
ルカリ塩の形で用いる場合は、反応系に特にアル
カリを添加する必要はない。この場合は、一般式
()のハロフエノールや、4,4′−ジヒドロキ
シジフエニルスルホンを併用する際に、これらも
アルカリ塩の形で用いることが必要である。 次に一般式()のハロフエノールを用いる本
発明の実施態様においては、一般式()の芳香
族ケトン化合物中に、所定のハロフエノールとア
ルカリを加えて加熱するか、あるいはハロフエノ
ールのアルカリ塩を加えて加熱する。 この際、ハロフエノールを用いる場合は、所望
に応じ、少量の二価フエノール又はジハロベンゼ
ノイド化合物を、ハロフエノールのアルカリ金属
塩を用いる場合は、少量の二価フエノールのアル
カリ金属塩又はジハロベンゼノイド化合物を分子
量調節剤として添加することもできる。ただし、
いずれの場合も、反応系におけるヒドロキシル基
とハロゲン原子のモル比が1:0.95ないし1:
1.05の範囲内になるように添加することが望まし
い。 本発明方法においては、いずれの実施態様にお
いても、200〜400℃の温度で5分間ないし25時間
加熱することによつて、所望の重合体を得ること
ができる。200℃未満の反応温度では、生成した
重合体が低重合度のままで析出してくるため、目
的とする高分子量の結晶性重合体を得ることがで
きないし、また、400℃よりも高い反応温度を用
いるとゲル化のような望ましくない副反応が著し
くなる。 本発明方法において重合溶媒として用いる前記
一般式()で表わされる芳香族ケトン化合物の
使用量については特に制限はなく、従来の結晶性
芳香族ポリエーテルケトンの製造に際して通常用
いられる重合用溶媒の使用量の範囲の中から任意
に選ぶことができる。通常、この範囲は、原料の
合計量に対し、重量比で1:0.8ないし1:5の
範囲である。 このようにして得られた結晶性芳香族ポリエー
テルケトンは、還元粘度0.6以上の高重合体であ
るが、これは還元粘度が0.6未満のものがフイル
ム化が困難であつたり、あるいは得られたフイル
ムが強度が弱くもろいものになるという欠点を有
するのに対し、種々のすぐれた性質を示す。 従来の芳香族ポリエーテルケトンの製造に際し
ては、ベンゾフエノンやジベンゾチオフエンのよ
うなケトン基やチオエーテル基のような基をもつ
溶媒を用いた場合には、高分子量のものが得られ
ず、芳香族スルホン系溶媒のような極性の大きい
溶媒を用いた場合にはじめて高分子量のものが得
られていたにもかかわらず(例えば特公昭57−
22938号公報、実施例2参照)、ケトン基又はケト
ン基とエーテル基しか有しない本発明の溶媒を用
いて、高分子量の高結晶性芳香族ポリエーテルケ
トンが得られたことは、全く予想外のことであつ
た。 これは溶媒の構造が生成する重合体の構造に類
似しているため、重合体における生成重合体鎖の
分散状態が良く、反応が起こりやすいためである
と思われる。 発明の効果 本発明で用いる溶媒は、その構造から明らかな
ように酸化性が無いため、モノマーのフエノール
類を酸化するおそれがなく、また、それ自体熱的
に安定であつて、繰り返し使用が可能である上
に、生成する重合体に分枝などの異種構造や着色
を生じさせにくいなどの利点を有している。 本発明方法で得られた高分子量の高結晶性芳香
族ポリエーテルケトンは、耐熱性、耐薬品性、機
械的強度などに優れており、単独で構造材、フイ
ルム、繊維、フイブリル、被覆材なとに用いるこ
とができ、さらには他のポリマーとのブレンド物
として、あるいはガラス繊維、炭素繊維、アラミ
ド繊維、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウムなど
の強化材又は充てん剤を混合した複合材料として
も用いられる。 実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明す
るが、本発明はこれらの例によつてなんら限定さ
れるものではない。 実施例 1 窒素導入口、窒素排出口、温度計及びかきまぜ
器を装着した100mlのセパラブルフラスコに、4,
4′−ジフルオロベンゾフエノン10.91g(0.05モ
ル)、4,4′−ヒドロキシベンゾフエノン10.71g
(0.05モル)、炭酸カリウム7.19g(0.052モル)及
びイソフタロフエノン40gを入れ、窒素置換し
た。これをときどき窒素を通しながら、窒素シー
ルで1時間を要して室温から300℃まで昇温した
のち、300℃で5時間反応させた。次いで、ジク
ロロジフエニルスルホン4gを加えて末端安定化
させ、得られた反応物を冷却後、水中で粉砕した
のち、温アセトンで2度、温水で2度、さらに温
アセトンで1度洗浄して白色の重合体粉末19.2g
を得た。収率は98%で、得られた重合体の構造は
【式】である。
この重合体は濃硫酸に完全に溶解し、濃硫酸
(比重1.85)中、25℃における還元粘度(ηsp/
C)は0.80dl/g、DSC(昇温速度(10℃/分)
より求めた融点は367℃であつた。 また、この重合体を400℃で熱プレスしたのち、
急冷することにより、淡黄色の丈夫なフイルムが
得られた。 実施例 2 実施例1において、4,4′−ジフルオロベンゾ
フエノン(0.05モル)及び4,4′−ジヒドロキシ
ベンゾフエノン(0.05モル)の代りに、4−フル
オロ−4′−ヒドロキシベンゾフエノン21.62g
(0.1モル)を用いる以外は、実施例1と全く同様
にして、白色重合体粉末19.6gを得た。収率99% この重合体は濃硫酸に完全に溶解し、濃硫酸中
25℃におけるηsp/Cは1.45dl/g、DSCより求
めた融点は367℃であつた。 この重合体の構造は
(比重1.85)中、25℃における還元粘度(ηsp/
C)は0.80dl/g、DSC(昇温速度(10℃/分)
より求めた融点は367℃であつた。 また、この重合体を400℃で熱プレスしたのち、
急冷することにより、淡黄色の丈夫なフイルムが
得られた。 実施例 2 実施例1において、4,4′−ジフルオロベンゾ
フエノン(0.05モル)及び4,4′−ジヒドロキシ
ベンゾフエノン(0.05モル)の代りに、4−フル
オロ−4′−ヒドロキシベンゾフエノン21.62g
(0.1モル)を用いる以外は、実施例1と全く同様
にして、白色重合体粉末19.6gを得た。収率99% この重合体は濃硫酸に完全に溶解し、濃硫酸中
25℃におけるηsp/Cは1.45dl/g、DSCより求
めた融点は367℃であつた。 この重合体の構造は
【式】である。
実施例 3
実施例2において、イソフタロフエノン40gの
代りに、4,4′−ジベンゾイルジフエニルエーテ
ル40gを用い、300℃での反応時間を7時間にし
た以外は、実施例2と全く同様にして白色重合体
19.5gを得た。収率99% この重合体は濃硫酸に完全に溶解し、25℃にお
けるηsp/Cは1.20dl/g、DSCより求めた融点
は367℃であつた。 実施例 4 実施例2においてイソフタロフエノン40gの代
りに4−ベンゾイルジフエニルエーテル40gを用
い、300℃での反応時間を8時間にした以外は、
実施例2と全く同様にして白色重合体18.9gを得
た。収率96% この重合体も濃硫酸に完全に溶解し、濃硫酸中
25℃におけるηsp/Cは0.63dl/g、DSCより求
めた融点は366℃であつた。 実施例 5 実施例2において4−フルオロ−4′−ヒドロキ
シベンゾフエノン0.1モルの代りに4−クロロ−
4′−ヒドロキシベンゾフエノン23.27g(0.1モル)
を用い、300℃での反応時間を8時間にした以外
は、実施例2と全く同様にして淡黄色重合体粉末
18.9gを得た。収率96% この重合体は濃硫酸に完全に溶解し、濃硫酸中
25℃におけるηsp/Cは0.67dl/g、DSCより求
めた融点は363℃であつた。 実施例 6 4,4′−ジヒドロキシベンゾフエノン43.016g
(0.201モル)、4規定の水酸化カリウム溶液(f
=1.0041)100ml及び100mlの蒸留水を、500mlの
ナスフラスコに入れ、窒素下で均一に溶解するま
でかきまぜた。次いで、ロータリーエバポレータ
ーで水を留去したのち、得られた黄かつ色の粘ち
ような液体を160℃のオイルバス上で8時間真空
乾燥して、黄色固形物を得、この固形物を窒素ボ
ツクス中で粉砕して55gの黄色粉末を得た。この
粉末の一部を蒸留水に溶解し、メチルレツドを指
示薬として、0.1Nの塩酸で滴定したところ、水
分が完全に除去された、純粋な4,4′−ジヒドロ
キシベンゾフエノンのジカリウム塩であることが
分つた。 次に、このようにして得られた4,4′−ジヒド
ロキシベンゾフエノンのジカリウム塩14.52g
(0.05モル)、4,4′−ジフルオロテレフタロフエ
イン16.10g(0.05モル)及びイソフタロフエノ
ン40gを100mlセパラブルフラスコに入れ、実施
例1と同様な実験を行つたところ、白色粉末23.5
gが得られた。 この重合体の構造は である。 このものは、濃硫酸中25℃におけるηsp/Cが
1.02dl/g、であつた。この重合体中にもゲルの
生成は認められなかつた。 実施例 7 実施例1において、4,4′−ジフルオロベンゾ
フエノン0.05モルの代りにビス(4−フルオロベ
ンゾイル)ベンゼン16.12g(0.05モル)を、4,
4′−ジヒドロキシベンゾフエノン0.05モルの代り
にヒドロキノン5.506g(0.05モル)を用いる以
外は、実施例1と全く同様にして、白色重合体粉
末19.0gを得た。収率97% この重合体は、濃硫酸中25℃におけるηsp/C
が0.78dl/g、DSCより求めた融点が366℃であ
つた。また、この重合体中にもゲルの生成は認め
られなかつた。 この重合体の構造は である。 実施例 8 実施例1における、4,4′−ジヒドロキシベン
ゾフエノン0.05モルの代りに、ヒドロキノン
5.506g(0.05モル)を用いる以外は、実施例1
と全く同様にして、白色重合体粉末14.1gを得
た。収率98% この重合体は、濃硫酸中、25℃におけるηsp/
Cが1.3dl/g、DSCより求めた融点が340℃であ
つた。またこの重合体中にもゲルの生成は認めら
れなかつた。 この重合体の構造は である。
代りに、4,4′−ジベンゾイルジフエニルエーテ
ル40gを用い、300℃での反応時間を7時間にし
た以外は、実施例2と全く同様にして白色重合体
19.5gを得た。収率99% この重合体は濃硫酸に完全に溶解し、25℃にお
けるηsp/Cは1.20dl/g、DSCより求めた融点
は367℃であつた。 実施例 4 実施例2においてイソフタロフエノン40gの代
りに4−ベンゾイルジフエニルエーテル40gを用
い、300℃での反応時間を8時間にした以外は、
実施例2と全く同様にして白色重合体18.9gを得
た。収率96% この重合体も濃硫酸に完全に溶解し、濃硫酸中
25℃におけるηsp/Cは0.63dl/g、DSCより求
めた融点は366℃であつた。 実施例 5 実施例2において4−フルオロ−4′−ヒドロキ
シベンゾフエノン0.1モルの代りに4−クロロ−
4′−ヒドロキシベンゾフエノン23.27g(0.1モル)
を用い、300℃での反応時間を8時間にした以外
は、実施例2と全く同様にして淡黄色重合体粉末
18.9gを得た。収率96% この重合体は濃硫酸に完全に溶解し、濃硫酸中
25℃におけるηsp/Cは0.67dl/g、DSCより求
めた融点は363℃であつた。 実施例 6 4,4′−ジヒドロキシベンゾフエノン43.016g
(0.201モル)、4規定の水酸化カリウム溶液(f
=1.0041)100ml及び100mlの蒸留水を、500mlの
ナスフラスコに入れ、窒素下で均一に溶解するま
でかきまぜた。次いで、ロータリーエバポレータ
ーで水を留去したのち、得られた黄かつ色の粘ち
ような液体を160℃のオイルバス上で8時間真空
乾燥して、黄色固形物を得、この固形物を窒素ボ
ツクス中で粉砕して55gの黄色粉末を得た。この
粉末の一部を蒸留水に溶解し、メチルレツドを指
示薬として、0.1Nの塩酸で滴定したところ、水
分が完全に除去された、純粋な4,4′−ジヒドロ
キシベンゾフエノンのジカリウム塩であることが
分つた。 次に、このようにして得られた4,4′−ジヒド
ロキシベンゾフエノンのジカリウム塩14.52g
(0.05モル)、4,4′−ジフルオロテレフタロフエ
イン16.10g(0.05モル)及びイソフタロフエノ
ン40gを100mlセパラブルフラスコに入れ、実施
例1と同様な実験を行つたところ、白色粉末23.5
gが得られた。 この重合体の構造は である。 このものは、濃硫酸中25℃におけるηsp/Cが
1.02dl/g、であつた。この重合体中にもゲルの
生成は認められなかつた。 実施例 7 実施例1において、4,4′−ジフルオロベンゾ
フエノン0.05モルの代りにビス(4−フルオロベ
ンゾイル)ベンゼン16.12g(0.05モル)を、4,
4′−ジヒドロキシベンゾフエノン0.05モルの代り
にヒドロキノン5.506g(0.05モル)を用いる以
外は、実施例1と全く同様にして、白色重合体粉
末19.0gを得た。収率97% この重合体は、濃硫酸中25℃におけるηsp/C
が0.78dl/g、DSCより求めた融点が366℃であ
つた。また、この重合体中にもゲルの生成は認め
られなかつた。 この重合体の構造は である。 実施例 8 実施例1における、4,4′−ジヒドロキシベン
ゾフエノン0.05モルの代りに、ヒドロキノン
5.506g(0.05モル)を用いる以外は、実施例1
と全く同様にして、白色重合体粉末14.1gを得
た。収率98% この重合体は、濃硫酸中、25℃におけるηsp/
Cが1.3dl/g、DSCより求めた融点が340℃であ
つた。またこの重合体中にもゲルの生成は認めら
れなかつた。 この重合体の構造は である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 溶媒中において、芳香族ジヒドロキシ化合物
成分の少なくとも1種と、ジハロゲノ芳香族ケト
ン成分の少なくとも1種とを縮合重合させて結晶
性芳香族ポリエーテルケトンを製造するに当り、
溶媒として、一般式 (式中のXは酸素原子又はケトン基、R、R′、
R″及びRはそれぞれ水素原子、炭素数1〜3
のアルキル基又はフエニル基であつて、これらは
たがいに同じでも又は異なつていてもよく、m及
びnのうちのいずれか一方は1であり他は0又は
1である) で表わされる芳香族ケトン化合物を用いることを
特徴とする、還元粘度0.6以上の結晶性芳香族ポ
リエーテルケトンの製造法。 2 溶媒中において、モノヒドロキシモノハロゲ
ノ芳香族ケトン成分の少なくとも1種を縮合重合
させて結晶性芳香族ポリエーテルケトンを製造す
るに当り、溶媒として、一般式 (式中のXは酸素原子又はケトン基、R、R′、
R″及びRはそれぞれ水素原子、炭素数1〜3
のアルキル基又はフエニル基であつて、これらは
たがいに同じでも又は異なつていてもよく、m及
びnのうちのいずれか一方は1であり他は0又は
1である) で表わされる芳香族ケトン化合物を用いることを
特徴とする、還元粘度0.6以上の結晶性芳香族ポ
リエーテルケトンの製造法。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14665085A JPS627729A (ja) | 1985-07-05 | 1985-07-05 | 結晶性芳香族ポリエ−テルケトンの製造法 |
| CA000502380A CA1262000A (en) | 1985-02-27 | 1986-02-21 | Process for preparing crystalline aromatic polyetherketones |
| US06/833,076 US4757126A (en) | 1985-02-27 | 1986-02-26 | Process for preparing crystalline aromatic polyetherketone |
| EP86102516A EP0193187B1 (en) | 1985-02-27 | 1986-02-26 | Process for preparing crystalline aromatic polyetherketones |
| DE8686102516T DE3671905D1 (de) | 1985-02-27 | 1986-02-26 | Verfahren zur herstellung von kristallinen aromatischen polyetherketonen. |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14665085A JPS627729A (ja) | 1985-07-05 | 1985-07-05 | 結晶性芳香族ポリエ−テルケトンの製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS627729A JPS627729A (ja) | 1987-01-14 |
| JPH0528245B2 true JPH0528245B2 (ja) | 1993-04-23 |
Family
ID=15412526
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14665085A Granted JPS627729A (ja) | 1985-02-27 | 1985-07-05 | 結晶性芳香族ポリエ−テルケトンの製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS627729A (ja) |
-
1985
- 1985-07-05 JP JP14665085A patent/JPS627729A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS627729A (ja) | 1987-01-14 |
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