JPH05293620A - 静磁場を使用した連続鋳造方法 - Google Patents

静磁場を使用した連続鋳造方法

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JPH05293620A
JPH05293620A JP4127938A JP12793892A JPH05293620A JP H05293620 A JPH05293620 A JP H05293620A JP 4127938 A JP4127938 A JP 4127938A JP 12793892 A JP12793892 A JP 12793892A JP H05293620 A JPH05293620 A JP H05293620A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 連続鋳造によって得られる鋼スラブの表面及
び内部品質を大幅に改善すると共に高速鋳造を達成す
る。 【構成】 ストレート浸漬ノズル2の吐出口4近傍部に
対応する長辺壁1bの背面に静磁場発生器3を配置する
と共に、さらに間隙5を設けて下方に静磁場発生器6を
配置する。ストレート浸漬ノズル2から鋳型1内へ供給
される溶鋼に対して静磁場発生器3の磁極領域で制動を
加えて湯面を沈静化し、かつ間隙5で溶鋼の下降流を均
一化し、さらに下方の静磁場発生器3によって制動を加
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続鋳造によって得ら
れる鋼スラブの表面及び内部品質を大幅に改善するとと
もに高速鋳造をも可能とする静磁場を使用した連続鋳造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、幅広鋼板の製造に用いられるスラ
ブの如き鋼片の連続鋳造においては、溶鋼を収容したタ
ンディッシュと連続鋳造鋳型との間の溶鋼流路として、
通常耐火物製の浸漬ノズルが使用されている。この浸漬
ノズルは、特にアルミキルド鋼の連続鋳造時にノズル内
面にアルミナが付着し易いため、鋳造時間の経過に伴い
溶鋼流路が狭められ、所望の溶鋼流量を得ることができ
ないという問題が存在した。
【0003】このため、通常は溶鋼の供給する間中、ノ
ズル内にアルゴンなどの不活性ガスを供給してこれに対
処していたが、高スループットになり溶鋼の吐出流速が
大きい場合には、該ガスが流速の大きい溶鋼流に巻き込
まれ鋳型内の湯面上に浮上できずに凝固シェルにトラッ
プされるため、冷延後該ガス起因の膨れ欠陥が発生する
ことがあった。
【0004】また不活性ガスを単に吹き込むだけでは、
ノズル詰まりの回避効果は十分ではなく、ノズル交換の
頻繁な取り替え作業を必要とし、とくに、図9 (a)、
(b)、(c) に示すようにノズルの先端部に左右対称なノ
ズル吐出口7を備えた2孔式浸漬ノズル8においては、
ノズル吐出口7の左右の非対称な閉塞により品質低下を
招く問題があった。ノズル閉塞によって発生する品質低
下の問題としては単にガストラップの問題だけではな
く、ノズル吐出口7の閉塞によって発生する偏流による
介在物の巻き込み及びモールドパウダーの巻き込みも存
在している。
【0005】このような問題を解決する試みとしては、
アルミナと低融点の化合物を作るCaO を含有する浸漬ノ
ズルを用いる試みもあるが、まだ十分な効果は得られて
いない。この他に特開昭60-92064号公報には、浸漬ノズ
ル内の溶融金属流に直流磁場を作用させて溶融金属流を
層流化することによりノズル閉塞を抑制する溶融金属の
注入方法が開示されているが、溶融金属流が鋳型内の溶
融金属クレータの奥深くまで流下するので、随伴する介
在物が浮上できずに凝固シェルにトラップされる恐れが
ある。またストレートノズルの溶鋼吐出流形成領域に静
磁場発生器を設けるものが特開昭62−3857号公報に開示
されているが、静磁場の効果が十分得られておらず、従
来の多孔ノズル程度の品質を有するスラブを得られるに
過ぎずまだ改善の余地が十分にある。また2孔ノズルと
2段式の静磁場を組み合わせたものが特開平2−284750
号公報に開示されているがやはり品質の面でまだ改善の
余地があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】連続鋳造における上述
した様な問題を解消し、表面及び内部品質の良好な鋼ス
ラブを得ることができる静磁場を使用した連続鋳造方法
を提案することが本発明の目的である。特に上記目的を
達成するためにはノズルから吐出した溶鋼が鋳型内で早
期に均一下降流にすることが必要であり、本発明では吐
出口近傍の溶鋼流れの制御と鋳型内での溶鋼の均一流れ
の制御とを可能とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】炭素濃度が500ppm以下に
なる、主にAlで脱酸したアルミキルド鋼を用いて連続鋳
造の際におけるノズル詰まりについて種々調査、検討を
重ねた結果、溶鋼中の酸素濃度を 30ppm以下、より好ま
しくは 20ppm以下に調整し、浸漬ノズルのノズル本体の
先端を解放して溶鋼の吐出口としたストレートノズルを
用いると、ノズル詰まりがほとんどないことが明らかと
なった。さらに吐出流がすべて下方に向かうことによっ
て湯面の乱れが非常に小さくなることも明らかとなっ
た。但し、このようなストレートノズルにおいては、溶
鋼の吐出流速が鋳型の出側(下方)に向かうため、溶鋼
中の介在物や気泡などがクレータの奥深くまで侵入する
恐れが存在する。この問題を解決するために研究開発を
行った結果、ストレートノズルからの吐出流によって搬
送される介在物や気泡などの侵入を防止する方法とし
て、吐出口の近傍を含みかつ鋳型短辺に平行な静磁場を
用いることが非常に有効であることが判明した。鋳造条
件によって該静磁場を以下のようにすることでさらに清
浄度の高いスラブを得られることが判明し、本発明を達
成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、タンディッシュから溶
鋼を、一対の短辺壁と長辺壁の組み合わせからなる連続
鋳造鋳型内に、該タンディッシュとつながるノズル先端
を解放したストレート浸漬ノズルを通して供給しつつ鋼
スラブを連続鋳造するにあたり、ストレート浸漬ノズル
吐出口近傍部に対応する上記鋳型長辺壁背面に静磁場発
生器を配置し、ノズル吐出口からの吐出流速v(m/sec)
〔溶鋼流量(m3/sec)/ノズル断面積(m2)〕により吐出口
鉛直下の磁束密度B(T) 及び磁場印加高さ範囲L(mm)を
以下のように設定して、一方の長辺壁から他方の長辺壁
に向かう静磁場を常に発生させながら鋳造することを特
徴とする静磁場を使用した連続鋳造方法。
【0009】吐出流速vに応じて磁束密度B及び磁場印
加範囲Lの関係を、 v≦0.9(m/sec)でB×L≧25、但しB≧0.07T 、L≧80mm。 v≦1.5(m/sec)でB×L≧27、但しB≧0.08T 、L≧90mm。 v≦2.0(m/sec)でB×L≧30、但しB≧0.09T 、L≧100mm 。 v≦2.5(m/sec)でB×L≧33、但しB≧0.09T 、L≧110mm 。 v≦3.0(m/sec)でB×L≧35、但しB≧0.1T、L≧110mm 。 v≦3.8(m/sec)でB×L≧36、但しB≧0.11T 、L≧120mm 。 v≦4.8(m/sec)でB×L≧38、但しB≧0.12T 、L≧120mm 。 v≦5.5(m/sec)でB×L≧40、但しB≧0.13T 、L≧130mm 。
【0010】さらにノズル近傍をも含む静磁場にまず吐
出流速を減速させ、ノズル近傍を含んだ静磁場下方に間
隙を設けてからまた静磁場を印加することによって、下
方に向かう吐出流をより効果的に均一下降流に制御する
ことが可能であることを確認できた。磁極が多段になっ
ており磁極間に間隙が存在する場合においてそれぞれの
磁極における印加磁場をすべて加えた印加磁場範囲と単
に一段だけの磁極による印加磁場範囲が等しければ、単
に磁場で溶鋼流が減速されるだけでなく、間隙部が存在
することによって溶鋼流が下磁場である程度反射されて
流れが拡散され、より早く下降流が均一化する。
【0011】よって従来の諸問題を解決する方法として
得た本発明は、ストレート浸漬ノズル吐出口近傍部に上
記鋳型長辺壁背面に静磁場発生器を配置し、さらに間隙
を設けて下方に少なくとも1段以上の静磁場発生器を配
置して、ノズル吐出口からの最大吐出速度v(m/sec) に
より吐出口鉛直下の磁束密度B(T) 及び磁場印加範囲L
(mm)を以下のように設定して、一方の長辺壁から他方の
長辺壁に向かう静磁場を常に発生させながら鋳造するこ
とを特徴とする連続鋳造方法である。
【0012】吐出流速vに応じて磁束密度B及び磁場印
加高さ範囲L(印加磁極の総高さ)の関係が、 v≦0.9(m/sec)でB×L≧16、但しB≧0.05T 、L≧50mm。 v≦1.5(m/sec)でB×L≧18、但しB≧0.07T 、L≧60mm。 v≦2.0(m/sec)でB×L≧19、但しB≧0.08T 、L≧70mm。 v≦2.5(m/sec)でB×L≧20、但しB≧0.09T 、L≧80mm。 v≦3.0(m/sec)でB×L≧21、但しB≧0.1T、L≧90mm。 v≦4.0(m/sec)でB×L≧22、但しB≧0.11T 、L≧100mm 。 v≦5.0(m/sec)でB×L≧24、但しB≧0.12T 、L≧100mm 。 v≦6.0(m/sec)でB×L≧26、但しB≧0.13T 、L≧110mm 。
【0013】また、さらに高い効果を得るための本発明
は上記鋳造条件に加えて静磁場発生器を鋳型長辺壁の幅
方向全域を覆う構造として静磁場を常に発生させながら
鋳造することによって品質の良いスラブを作製可能とす
る連続鋳造方法である。また同時に上記鋳造条件に加え
てノズル吐出口近傍部を含む上部の静磁場発生域を湯面
をも含む位置とすることを特徴とした連続鋳造方法とす
ることによっても高い効果を得ることができる。
【0014】これまでの鋳造条件において浸漬ノズル内
に不活性ガスを吹き込まないで静磁場を常に発生させな
がら鋳造することを特徴とする連続鋳造方法でも高い効
果が得られる。以上を鋳造条件とする事によって非常に
優れたスラブを得ることが可能となる。
【0015】
【作用】図1 (a)、 (b)に本発明の実施に用いて好適な
連続鋳造装置の要部の構成例を示し、図における番号1
は一対の短辺壁1aと長辺壁1bからなる連鋳鋳型、2
はタンディッシュとつながるストレート浸漬ノズルであ
って、このストレート浸漬ノズル2はノズル本体の先端
部を解放して溶鋼のストレート吐出口4とした構造にな
っている。また、3は連鋳鋳型1の長辺壁1bの背面に
て配置されストレート浸漬ノズル2近傍及びメニスカス
をも含み、長辺壁1bから他の長辺壁1bへ短辺壁1a
と平行な静磁場発生器である。これによってストレート
浸漬ノズル2から吐出した溶鋼が減速されると同時に湯
面の変動を抑え、パウダーの巻き込みを防止する。
【0016】5は減速された溶鋼の流れをさらに均一化
させる無磁場に近い間隙部である。この間隙部5と下方
にある静磁場発生器6によって発生した長辺壁1bから
他の長辺壁1bに向かって短辺壁1aに平行に走る静磁
場により、静磁場発生器3によって減速した溶鋼は短辺
壁1a方向に進行しながら、下降することになる。この
結果十分減速され、均一化した溶鋼の下降流を得ること
ができる。
【0017】溶鋼の吐出口7が左右対称になる図9
(a)、 (b)、 (c)に示すような2孔式浸漬ノズル8は、
特に吐出口近傍においてアルミナ等が付着し易く、ノズ
ル詰まりを起こし易いが、本発明においては、図1
(a)、 (b)に示したように、ノズル本体の先端が解放さ
れたストレート浸漬ノズル2を用い、連鋳鋳型1内へ供
給する溶鋼に対して、連鋳鋳型1に配置した静磁場発生
器3の磁極領域で制動を加えつつ湯面を沈静化するよう
にし、且つ間隙5で溶鋼の下降流を均一化して鋳造を行
うことにより、アルミナ付着に起因するノズル詰まりを
起こすような不具合がなく、したがって所望の速度で溶
鋼を鋳型内に注入しても介在物が溶鋼の奥深くまで侵入
したり、溶鋼の上昇流が浴面のパウダーを巻き込むよう
なこともない。
【0018】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を説明する。 実施例−1:2ストランド連鋳機を用いて、酸素濃度28
〜34ppm の低炭アルミキルド鋼を本発明のストレート浸
漬ノズルを用いて3チャージの連続鋳造実験を行った。
このときの鋳造条件を以下に示した。このときノズル詰
まり防止のガス吹き込み量を12Nl/minとした。
【0019】 鋳造鋳型のサイズ : 厚み方向 2
20mm、幅方向1600mm、高さ方向 800mm タンディッシュでの溶鋼のスーパーヒート:29〜34℃ スループット : 1.5ton/min 一方のストランドでは、本発明のストレートノズルを使
用しながら一段のみの静磁場を印加して鋳造を行い、他
方のストランドでは無磁場で鋳造を行った。図4 (a)、
(b)に一段静磁場印加の概略図を示した。以下に静磁場
発生器3の仕様を示した。
【0020】一段式静磁場発生器 : 幅方向 1700mm
高さ方向 50〜 650mm(L) 最大磁束密度 0.05〜0.5T スループットを変化させることによって溶鋼の吐出流速
vを変化させながら、さらに印加磁場強度と印加磁場範
囲Lを変化させて、そのときに冷延材に発生する欠陥を
観察することによって無磁場における鋳造法と比較し
た。ノズル吐出口からの流速を 0.9m/sec までに限定し
たときの印加磁場範囲L(mm)と磁束密度B(T) との関係
についての実験結果を図2に示した。磁束密度と印加磁
場範囲を変化させて得られた冷延材の磁気探傷法により
得られた欠陥発生率が無磁場の鋳造法における欠陥発生
率と1として、0.45未満は○印で、0.45以上〜 0.7未満
はΔ印で、 0.7以上を×印で示した。
【0021】図2の結果より、欠陥発生率が無磁場鋳造
法に比較して磁束密度B(x座標)と磁場印加範囲L
(y座標)によって得られる係数k=B・Lが25以上で
且つ印加距離Lが80mm以上で磁束密度Bが0.07T 以上で
ある領域で欠陥発生率が0.45以下と非常に良くなってい
ることが明白である。また吐出流速を0.9m/sec以上とし
た場合においても表1と同様の結果が得られた。
【0022】
【表1】
【0023】実施例−2:次に一方のストランドにスト
レート浸漬ノズルを用いると共に上、下に静磁場発生器
3、6を配置(図1参照)し、これによって上下二段に
静磁場をかけて鋳造実験を行い、他方のストランドには
比較として従来の2孔式浸漬ノズルを用いて鋳造実験を
行った。静磁場を印加したストランド及び従来の浸漬ノ
ズルを使用したストランドの双方にノズル詰まり防止用
ガスを10Nl/min吹き込みながら鋳造を行った。他の鋳造
条件は実施例−1と同様である。
【0024】上下二段の静磁場強度及びその発生器は以
下の通りである。 上静磁場発生器:幅方向 1700mm 高さ方向 50〜320m
m (L1) 最大磁束密度 0.05〜0.6T 磁極間隔 :上静磁場下端から下静磁場発生器の上
端まで300mm 下静磁場発生器:幅方向 1700mm 高さ方向 50〜320m
m (L2) 最大磁束密度 0.05〜0.5T すべての磁極範囲:L1 +L2 = 100〜 640mm 吐出流速vを変化させて磁束密度Bと印加磁極範囲Lを
変化させた結果を得るために、まず吐出流速が 0.9m/se
c までについての結果を図3に実験結果を示した。無磁
場における鋳造法で得られた冷延材の欠陥発生率を1と
して、比較を行い、0.45未満を○印とし、0.45以上〜
0.7未満をΔ印、それ以上を×印で示した。図3より明
らかなように磁束密度Bと印加磁場範囲Lによって得ら
れる係数k=B・Lが16以上で欠陥発生率が0.45未満と
なっている。この結果印加磁極範囲が一段磁場に比較し
ても良いことも明らかとなった。
【0025】吐出流速が0.9m/secより大きくても同様に
二段静磁場を印加することによって溶鋼の流れが制御で
き、表2の結果を得ることが可能となった。これより二
段静磁場を印加することによって、印加磁場範囲及び印
加磁場強度が小さくとも無磁場鋳造より格段に品質の向
上が図られることが明らかとなった。
【0026】
【表2】
【0027】実施例−3:実施例−1と同等の条件で連
続鋳造実験を行った。磁場の印加方法はこれまでと同じ
図1に示した方法と図5に示した幅方向の一部分に印加
する方法で比較した。このときそれぞれの比較のため、
従来法による鋳造をも行い、その結果をもとに磁場の印
加方法による違いを確認した。また、2ストランド連鋳
機を用いて、酸素濃度20〜24ppm の低炭アルミキルド鋼
を用いた。双方とも10Nl/minのノズル詰まり防止用ガス
吹きを行った。このときの鋳造条件を以下に示した。
【0028】 鋳造鋳型のサイズ :厚み方向 2
20mm、幅方向1600mm 高さ方向 800mm タンディッシュでの溶鋼のスーパーヒート:28〜33℃ 鋳造速度 :3.0m/min 部分静磁場発生器の仕様は以下の通りである。
【0029】 上静磁場発生器 : 幅方向 800mm 高さ方向 300mm 最大磁束密度 0.31T 磁極間隔 : 上静磁場下端から下静磁場発生器
の上端まで300mm 下静磁場発生器 : 幅方向 800mm 高さ方向 300mm 最大磁束密度 0.31T また全幅静磁場発生器の仕様は以下の通りである。
【0030】 上静磁場発生器 : 幅方向 1700mm 高さ方向 300mm 最大磁束密度 0.31T 磁極間隔 : 上静磁場下端から下静磁場発生器
の上端まで300mm 下静磁場発生器 : 幅方向 1700mm 高さ方向 300mm 最大磁束密度 0.31T
【0031】この結果を図6に示した。図6の結果より
1700mmの幅に印加した方が欠陥発生率が非常に小さくな
ることが明らかとなった。そのため全幅磁場印加が品質
向上により効果があることが判明した。但し、このとき
に部分的に静磁場を印加した場合でも、無磁場における
鋳造法よりは良いことが明白である。
【0032】実施例−4:本発明のストレートノズルを
使用し、間隙を含めて多段に静磁場を印加する鋳造方法
で上段において湯面を含み吐出口近傍をも含む場合と単
に吐出口のみを含む場合による鋳造について比較実験を
行った。実験は2ストランド連鋳機を用いて行い、その
ときの実験条件を下記に示した。またそれぞれの比較の
ため従来法で鋳造を行い、そのときの欠陥発生率を1と
して他を規格化した。
【0033】 鋳造鋳型のサイズ :厚み方向 2
20mm、幅方向1600mm 高さ方向 800mm タンディッシュでの溶鋼のスーパーヒート:24〜30℃ 鋳造速度 :1.9m/min このとき溶鋼は酸素濃度 28ppmの低炭アルミキルド鋼を
用い、連続3チャージの実験を行った。ノズル詰まり防
止用ガスは12Nl/min吹き込んだ。
【0034】多段式静磁場発生器の仕様を示した。 上静磁場発生器:幅方向 1700mm 高さ方向 250mm 最大磁束密度 0.27T 磁極間隔 :上静磁場下端から下静磁場発生器の上
端まで300mm 下静磁場発生器:幅方向 1700mm 高さ方向 250mm 最大磁束密度 0.27T このときの上段の磁場発生器が湯面にかかるようにした
場合とかからないようにした比較を図7に示した。図7
より本発明においては湯面を含んだ場合の欠陥発生率が
より小さいことが明かである。但し、無磁場における鋳
造法に比較すると湯面を含まなくても欠陥の発生率が十
分に小さくなっていることが明らかである。
【0035】実施例−5:さらに本発明で、ノズル詰ま
り防止用のガスを吹くことなく製造した場合の詰まり方
を確認するため、以下の条件で実験を行った。このとき
の溶鋼は予め取鍋精錬を行うことによって溶鋼中の酸素
濃度を15〜 20ppmに落とした低炭アルミキルド鋼を用い
た。
【0036】 鋳造鋳型のサイズ :厚み方向 2
20mm、幅方向1600mm 高さ方向 800mm タンディッシュでの溶鋼のスーパーヒート:28〜33℃ 鋳造速度 :2.2m/min 従来法及び磁場印加でもガス吹きを行った実験において
ノズル詰まり防止用ガスは12Nl/min吹き込んだ。
【0037】多段式静磁場発生器の仕様を示した。 上静磁場発生器:幅方向 1700mm 高さ方向 270mm 最大磁束密度 0.29T 磁極間隔 :上静磁場下端から下静磁場発生器の上
端まで300mm 下静磁場発生器:幅方向 1700mm 高さ方向 270mm 最大磁束密度 0.29T
【0038】本発明ではノズルからのガス吹きを行わな
い場合でも、3チャージ連続でノズルを引き上げた時に
はノズルに付着した介在物は1mm程度であり、ガス吹き
した結果とほぼ変わりなかった。また欠陥発生率の結果
を図8に示した。図8より明らかにガス吹きを行わない
場合の欠陥発生率が低減している。これよりガス吹きを
行わず鋳造を行うことにより非常に清浄の良い品質の板
を得ることが可能である。但しガス吹きを行った場合の
欠陥発生でも十分欠陥は低減している。
【0039】よってこれらの実験結果より次のことがい
える。ストレートノズルと静磁場を用いることによって
ノズル詰まりがなく連続鋳造が達成可能となり、そのこ
とによって生産性が向上され、加えて重要なことにはノ
ズル詰まりがないことによって溶鋼流れの偏流を抑える
ことが可能となり、清浄なスラブを製造することが可能
となった。特に磁束密度及び印加磁場範囲を規定するこ
とにより非常に欠陥発生率の少ない冷延材を得ることが
可能となった。
【0040】また連続鋳造鋳型内の湯面を含む位置に静
磁場を加えることによって湯面の変動を抑えることがで
き、またノズル吐出口近傍に静磁場を加え、且つ間隙を
設けて下方向に静磁場を加えることによって均一な溶鋼
の下降流を得ることができ、よってモールドパウダーの
巻き込みのないさらに清浄な鋼スラブを製造可能とし
た。特にメニスカス近傍では湯面全面を覆うように静磁
場を発生させる事が重要である。例えば溶鋼の湯面に静
磁場が加わらずに単に湯面下部にのみ磁場を発生させた
場合には、湯面下の流れを制動する事は可能でも溶鋼の
湯面の振動は抑えることはできないため、湯面振動によ
る湯面のモールドパウダー巻き込みが発生してしまう。
【0041】尚、本発明で磁場が重要な役割を果たして
いるが、この磁場の領域においては以下のようにするこ
とが肝要である。まず静磁場に関して、それはノズルの
先端部を含み、これよりも下方に適用することである。
特にノズル先端部の吐出口部が磁場内に存在した場合、
溶鋼吐出流が、磁場によって十分減速された緩やかな下
降流となる。次に減速された吐出流は間隙及び下方の磁
場によって、さらに均一な下降流となり、内部及び表面
品質の良い鋳片を鋳造する事が可能となる。さらにノズ
ル吐出口から溶鋼の噴出している下部には連鋳鋳型を全
面にわたって覆うように静磁場を発生させる方が部分的
に静磁場を発生させ鋳造するよりも良いことがわかる。
【0042】
【発明の効果】かくして以上述べたように、本発明に従
えば、安定して連続鋳造が可能となり、品質及び生産性
の向上を図ることが可能となる。好ましくは静磁場を間
隙を含んで多段とする事により従来では得られなかった
良質の連鋳スラブを得ることが可能となる。また、溶鋼
の酸素濃度が低い場合には、ノズル詰まり防止用のガス
吹きをする事無しに連続鋳造することが可能であること
が確認でき、同時にガスによる欠陥をなくすことが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法で使用する二段静磁場発生器を備えた
連続鋳造装置の要部構成を示す概略断面図である。
【図2】一段静磁場発生器を用いた場合の欠陥発生率を
示すグラフである。
【図3】二段静磁場発生器を用いた場合の欠陥発生率を
示すグラフである。
【図4】本発明法で使用する一段静磁場発生器を備えた
連続鋳造装置の要部構成を示す概略断面図である。
【図5】本発明で使用する二段部分磁場発生器を備えた
連続鋳造装置の要部構成を示す概略断面図である。
【図6】部分静磁場発生器と全幅静磁場発生器と無磁場
との実験結果を比較して示す棒グラフである。
【図7】静磁場発生部に湯面を含む場合と含まない場合
と無磁場の場合との実験結果を比較して示す棒グラフで
ある。
【図8】ガス吹きありの場合とガス吹きなしの場合と無
磁場の場合との実験結果を比較して示す棒グラフであ
る。
【図9】2孔式浸漬ノズルの概略図である。
【符号の説明】
1 連鋳鋳型 1a 短辺壁 1b 長辺壁 2 ストレート浸漬ノズル 3 静磁場発生器 4 ストレートノズル吐出口 5 間隙 6 静磁場発生器 7 ノズル吐出口 8 2孔浸漬ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 整司 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 山崎 久生 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 藤井 徹也 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンディッシュから溶鋼を、一対の短辺
    壁と長辺壁の組み合わせからなる連続鋳造鋳型内に、該
    タンディッシュとつながるノズル先端を解放したストレ
    ート浸漬ノズルを通して供給しつつ鋼スラブを連続鋳造
    するにあたり、ストレート浸漬ノズル吐出口近傍部に対
    応する上記鋳型長辺壁背面に静磁場発生器を配置し、ノ
    ズル吐出口からの吐出流速v(m/sec)〔溶鋼流量(m3/sec)
    / ノズル断面積(m2)〕により吐出口鉛直下の磁束密度B
    (T) 及び磁場印加高さ範囲L(mm)を以下のように設定し
    て、一方の長辺壁から他方の長辺壁に向かう静磁場を常
    に発生させながら鋳造することを特徴とする静磁場を使
    用した連続鋳造方法。吐出流速vに応じて磁束密度B及
    び磁場印加範囲Lの関係を、 v≦0.9(m/sec)でB×L≧25、但しB≧0.07T 、L≧80mm。 v≦1.5(m/sec)でB×L≧27、但しB≧0.08T 、L≧90mm。 v≦2.0(m/sec)でB×L≧30、但しB≧0.09T 、L≧100mm 。 v≦2.5(m/sec)でB×L≧33、但しB≧0.09T 、L≧110mm 。 v≦3.0(m/sec)でB×L≧35、但しB≧0.1T、L≧110mm 。 v≦3.8(m/sec)でB×L≧36、但しB≧0.11T 、L≧120mm 。 v≦4.8(m/sec)でB×L≧38、但しB≧0.12T 、L≧120mm 。 v≦5.5(m/sec)でB×L≧40、但しB≧0.13T 、L≧130mm 。
  2. 【請求項2】 タンディッシュから溶鋼を、一対の短辺
    壁と長辺壁の組み合わせからなる連続鋳造鋳型内に、該
    タンディッシュとつながるノズル先端を解放したストレ
    ート浸漬ノズルを通して供給しつつ鋼スラブを連続鋳造
    するにあたり、ストレート浸漬ノズル吐出口近傍部に対
    応する上記鋳型長辺壁背面に静磁場発生器を配置し、さ
    らに間隙を設けて下方に少なくとも1段以上の静磁場発
    生器を配置して、ノズル吐出口からの最大吐出速度v(m
    /sec) により吐出口鉛直下の磁束密度B(T) 及び磁場印
    加範囲L(mm)を以下のように設定して、一方の長辺壁か
    ら他方の長辺壁に向かう静磁場を常に発生させながら鋳
    造することを特徴とする静磁場を使用した連続鋳造方
    法。吐出流速vに応じて磁束密度B及び磁場印加高さ範
    囲L(印加磁極の総高さ)の関係が、 v≦0.9(m/sec)でB×L≧16、但しB≧0.05T 、L≧50mm。 v≦1.5(m/sec)でB×L≧18、但しB≧0.07T 、L≧60mm。 v≦2.0(m/sec)でB×L≧19、但しB≧0.08T 、L≧70mm。 v≦2.5(m/sec)でB×L≧20、但しB≧0.09T 、L≧80mm。 v≦3.0(m/sec)でB×L≧21、但しB≧0.1T、L≧90mm。 v≦4.0(m/sec)でB×L≧22、但しB≧0.11T 、L≧100mm 。 v≦5.0(m/sec)でB×L≧24、但しB≧0.12T 、L≧100mm 。 v≦6.0(m/sec)でB×L≧26、但しB≧0.13T 、L≧110mm 。
  3. 【請求項3】 静磁場発生器を鋳型長辺壁の幅方向全域
    を覆う構造として静磁場を常に発生させながら鋳造する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の静磁場
    を使用した連続鋳造方法。
  4. 【請求項4】 ノズル吐出口近傍部を含む上部の静磁場
    発生域を湯面をも含む位置とすることを特徴とする請求
    項1、請求項2または請求項3の静磁場を使用した連続
    鋳造方法。
  5. 【請求項5】 浸漬ノズル内に不活性ガスを吹き込まな
    いで静磁場を常に発生させながら鋳造することを特徴と
    する請求項1、請求項2、請求項3または請求項4記載
    の静磁場を使用した連続鋳造方法。
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JPS623857A (ja) * 1985-06-28 1987-01-09 Kawasaki Steel Corp 単孔式浸漬ノズルを使用した連続鋳造方法

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