JPH05293977A - 液体噴射記録ヘッド及び液体噴射記録方法 - Google Patents

液体噴射記録ヘッド及び液体噴射記録方法

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JPH05293977A
JPH05293977A JP634693A JP634693A JPH05293977A JP H05293977 A JPH05293977 A JP H05293977A JP 634693 A JP634693 A JP 634693A JP 634693 A JP634693 A JP 634693A JP H05293977 A JPH05293977 A JP H05293977A
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JP
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ink
jet recording
liquid jet
orifice
black
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JP634693A
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English (en)
Inventor
Takuro Sekiya
卓朗 関谷
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カラー印写を行なう際に、特定の色を強調し
てメリハリのある文書を作成するようにし、さらに、階
調記録を行なうようにする。 【構成】 色の異なる複数種類のインクを各インクごと
に導入する複数個の流路8と、流路8内に設けられると
共にこの流路8内のインクに吐出エネルギーを与えるエ
ネルギー作用部6と、流路8に連絡されると共に吐出エ
ネルギーを与えられたインクの一部をインク滴として吐
出させるオリフィス11とを有する液体噴射記録ヘッド
において、流路8に導入されるインクの色に応じてオリ
フィス11から吐出されるインク滴の大きさを変えるイ
ンク滴大きさ変更処理をオリフィス11とエネルギー作
用部6とオリフィス11又はエネルギー作用部6の近傍
との少なくともいずれかに施した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー印写を行なう液
体噴射記録装置において使用される液体噴射記録ヘッド
及び液体噴射記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ノンインパクト記録法は、記録時におけ
る騒音の発生が無視できる程度に極めて小さいという点
で、オフィス用等として注目されている。その中で、高
速記録が可能であり、しかも、普通紙に特別の定着処理
を必要とせずに記録を行なうことができる液体噴射記録
法は極めて有力な記録法であって、これまでにも、様々
な方式が提案され、又は、既に製品化されて実用されて
いる。
【0003】このような液体噴射記録法は、所謂インク
と称される記録液体の小滴(インク滴)を飛翔させ、こ
のインク滴を被記録体に付着させることによって記録を
行うもので、このインク滴の発生法及び発生したインク
滴の飛翔方向を制御するための制御方法により幾つかの
方式に大別されているが、いずれの方式においてもカラ
ー印写が容易に実現できるというメリットを活かし、従
来よりカラー印写装置に適用する方法が数多く提案され
ている。
【0004】それらの中で、特公平1−51346号公
報に開示されたものがあり、これは、複数個のオリフィ
スから異なった2色以上のインク滴を吐出するようにし
た液体噴射記録装置(カラーインクジェット記録装置)
において、少なくとも1色のインクを加熱又は冷却して
液粘度を調整することにより、異なるインクの粘性抵抗
をそろえ、均一なインク滴吐出を行なわせ、ドットずれ
や色ムラの少ない良質なカラーインクジェット記録画像
を得るというものである。
【0005】また、特公平1−51347号公報に開示
されたものは、複数個のオリフィスから異なった2色以
上のインク滴を吐出するカラーインクジェット記録装置
において、液室(インクを貯留する共通インク室からオ
リフィスまでの流路部分)が各インクによって異なる液
室長さを持つ場合、各インクに加える印加エネルギーを
調整することにより、ドットずれや色ムラの少ない良質
なカラーインクジェット記録画像を得るというものであ
る。
【0006】さらに、特公昭63−33459号公報に
開示されたものは、複数の液室を持ち、異なった2色以
上のインク滴を吐出するカラーインクジェット記録装置
において、液室が各インクによって異なる液室長さを持
つ場合、各インクの液粘度を調整することにより、各イ
ンクごとのドットずれや色ムラが無くなり、良質なカラ
ーインクジェット記録画像を得るというものである。
【0007】なお近年では、オフィスのカラー文書も従
来のビジネスグラフィックスのように単なる複数色のカ
ラー文書ではなく、階調性が豊かで写真のように表現さ
れたものが望まれている。例えば、白黒の文字部と、部
分的に挿入されたカラー写真のような階調性を有するカ
ラーイメージ部とが混在するようなカラー文書である。
【0008】ここで、階調性を有する記録を行なうため
にはインク滴が被記録体上に付着することによって形成
される画素の大きさを変えるという概念が従来より知ら
れており、例えば、特開昭59−207265号公報に
開示された発明がある。この発明は、一つのヒーターに
一群の電流パルスを加えて一個のインク滴を吐出させる
ものであり、加える電流パルスの数に応じて吐出するイ
ンク滴の数が変化するが、これらのインク滴は互いに結
合した状態で飛翔し、被記録体上の同一箇所に付着す
る。
【0009】また、特開昭63−53052号公報に開
示された発明が知られており、この発明は、被記録体の
湿潤時間内に被記録体上で融合する一連のインク滴を吐
出させることによって階調記録を行なう方法である。な
お、各インク滴は互いに結合しない状態で高速飛翔し、
被記録体に到着したインク滴が被記録体の湿潤時間内に
融合する。そして、被記録体の湿潤時間内に融合するイ
ンク滴の数を増やすことにより、被記録体上の画素の直
径が大きくなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】階調記録に関する考慮
をしていない上記の各発明においては、いずれもカラー
印写を行なう際にインクの色ごとにその飛翔特性等が微
妙に異なることによる被記録体上でのドットずれ等を補
償し、各インクのドットが一定になるようにして高画質
を達成しようというものであり、その点に関してはほぼ
初期の目的が達成されている。
【0011】しかし、近年のコンピューターグラフィッ
クス、デスクトップパブリッシング、デスクトッププレ
ゼンテーション等の発展,普及により、カラーの文書、
あるいは、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ)等が
一般のオフィスで頻繁に使われるようになると共に、文
書作成上の要求として、特定の文字、画像、あるいは、
色を強調して印写したいという声があがっている。
【0012】つぎに、特開昭59−207265号公報
に開示された階調記録を行なう発明においては、複数個
のインク滴を結合させた状態で飛翔させるためには飛翔
速度を低速にしなければならない。そして、低速度で飛
翔するインク滴は軌跡が悪く、プリントの信頼性が悪
い。また、このインク滴の軌跡は液体噴射記録ヘッドの
欠陥や移動速度の変化を受け易く、液体噴射記録ヘッド
の移動速度が速ければ低速度で飛翔する一群のインク滴
は被記録体上に付着した際に円形の画素を形成せず、得
られる画像が不鮮明になる。
【0013】また、特開昭63−53052号公報に開
示された階調記録を行なう発明においては、インク滴を
吐出させる際に発生する気泡の完全崩壊と次のインク滴
を吐出させるために抵抗素子を加熱するまでの時間が、
0.1μs〜1.0msの範囲内にあるという記載がな
されているのみで、具体的にはどのような条件でインク
滴を吐出させたら良いか、或いは、どのような構造の液
体噴射記録ヘッドを用いたら良いかが記載されておら
ず、実現が不可能であった。
【0014】従って、写真のような階調性豊かなカラー
イメージを表現でき、あるいは、そのようなカラーイメ
ージ部と白黒の文字部とが混在するような文書を効率良
く作成することができる液体噴射記録ヘッドや記録方法
は存在しない。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
色の異なる複数種類のインクを各インクごとに導入する
複数個の流路と、前記流路内に設けられると共にこの流
路内の前記インクに吐出エネルギーを与えるエネルギー
作用部と、前記流路に連絡されると共に前記吐出エネル
ギーを与えられた前記インクの一部をインク滴として吐
出させるオリフィスとを有する液体噴射記録ヘッドにお
いて、前記流路に導入される前記インクの色に応じて前
記オリフィスから吐出されるインク滴の大きさを変える
インク滴大きさ変更処理を前記オリフィスと前記エネル
ギー作用部と前記オリフィス又は前記エネルギー作用部
の近傍との少なくともいずれかに施した。
【0016】請求項2記載の発明は、色の異なる複数種
類のインクを各インクごとに導入する複数個の流路と、
前記流路内に設けられると共にこの流路内の前記インク
に吐出エネルギーを与えるエネルギー作用部と、前記流
路に連絡されたオリフィスとを設け、前記エネルギー作
用部から与えられた吐出エネルギーにより前記インクの
一部をインク滴として前記オリフィスから吐出させるよ
うにした液体噴射記録方法において、前記エネルギー作
用部から前記インクに与える吐出エネルギーを前記イン
クの色に応じて異ならせると共に吐出するインク滴の大
きさを異ならせるようにした。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、複数種類のインクはイエロー,マゼンタ,
シアン,ブラックであり、ブラックのインクを吐出させ
るためのオリフィスとエネルギー作用部との少なくとも
一方を他の色のインクを吐出するためのオリフィス又は
エネルギー作用部より大きくした。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項2記載の発
明において、複数種類のインクはイエロー,マゼンタ,
シアン,ブラックであり、ブラックのインクのインク滴
を他の色のインクのインク滴よりも大きくした。
【0019】請求項5記載の発明は、請求項2記載の発
明において、複数種類のインクはイエロー,マゼンタ,
シアン,ブラックであり、イエローとマゼンタとシアン
のインクのインク滴の大きさをブラックのインクのイン
ク滴よりも小さくすると共にイエローとマゼンタとシア
ンのインクのインク滴形成頻度をブラックのインクのイ
ンク滴形成頻度より高くした。
【0020】請求項6記載の発明は、イエロー,マゼン
タ,シアン,ブラックの4色のインクを吐出させる液体
噴射記録ヘッドを使用して記録を行なう液体噴射記録方
法において、イエローとマゼンタとシアンのインクに吐
出エネルギーを与えるエネルギー作用部へ入力する駆動
パルスの数を画像濃度情報に応じて変化させ、それによ
って吐出するインク滴の数を変えると共に被記録体上の
略同一箇所へ打ち込むインク滴の数を変えると共にこの
被記録体上に形成される画素の画素径を変えるようにし
た。
【0021】
【作用】請求項1記載の発明では、各インクに応じてイ
ンク滴の大きさを変えるインク滴大きさ変更処理を施し
ているため、吐出するインク滴の大きさをインクの色に
よって変えることができ、インク滴を大きくした特定の
インクの色を強調したメリハリのあるカラー画像が得ら
れる。
【0022】請求項2記載の発明では、エネルギー作用
部からインクに与える吐出エネルギーをインクの色に応
じて異ならせることにより吐出するインク滴の大きさを
異ならせるため、電気的な制御のみで特定のインクの色
を強調したメリハリのあるカラー画像が得られる。
【0023】請求項3記載の発明では、ブラックのイン
クのインク滴が他の色のインクのインク滴より大きくな
り、カラーイメージ部と白黒の文字部とが混在する文書
において、黒文字を強調したメリハリのある文書が得ら
れる。
【0024】請求項4記載の発明では、ブラックのイン
クのインク滴を他の色のインクのインク滴より大きくな
るようにしたため、カラーイメージ部と白黒の文字部と
が混在する文書において、黒文字を強調したメリハリの
ある文書が得られる。
【0025】請求項5記載の発明では、イエローとマゼ
ンタとシアンのインクのインク滴をブラックのインクの
インク滴より小さくすることにより、イエローとマゼン
タとシアンのインクのインク滴形成頻度をブラックのイ
ンクのインク滴形成頻度より高くすることができる。
【0026】請求項6記載の発明では、イエローとマゼ
ンタとシアンのインクについては、被記録体上の同一箇
所へ打ち込まれるインク滴の数が画像濃度情報に応じて
変化すると共に被記録体上に形成される画素の画素径が
変化し、カラーイメージ部について階調記録が行なわれ
る。
【0027】
【実施例】まず、本発明の実施例の説明に入る前に本発
明が適用される液体噴射記録ヘッドの基本的構造につい
て図8乃至図12に基づいて説明する。この液体噴射記
録ヘッドは、発熱体基板1と蓋基板2とを接合させるこ
とにより形成されており、発熱体基板1は、シリコン基
板3上にウエハプロセスによって個別電極4と共通電極
5と発熱体(エネルギー作用部)6とを形成することに
より構成されている。一方、蓋基板2には、インク7が
導入される流路8を形成するための溝9と、流路8に導
入されるインク7を収容する共通インク室(図示せず)
を形成するための凹部領域10とが形成されており、こ
れらの発熱体基板1と蓋基板2とを図8に示すように接
合させることにより、前記流路8及び前記共通インク室
が形成される。なお、発熱体基板1と蓋基板2とを接合
させた状態においては、前記流路8の底面部に前記発熱
体6が配設され、流路8の端部には流路8に導入された
インク7の一部をインク滴として吐出させるためのオリ
フィス11が形成される。また、前記蓋基板2には、供
給手段(図示せず)によって前記共通インク室内にイン
ク7を供給するためのインク流入口12が形成されてい
る。
【0028】つぎに、前記発熱体6、オリフィス11及
びその周辺部の構造について図11及び図12に基づい
て説明する。前記シリコン基板3の上面には蓄熱層13
が形成され、この蓄熱層13上に発熱体層14が形成さ
れ、発熱体層14上に前記個別電極4と共通電極5とが
形成されている。そして、前記発熱体層14のうち前記
個別電極4と共通電極5とに挾まれた部分が前記発熱体
6とされている。さらに、前記個別電極4、共通電極5
及び発熱体6上には保護層15が形成されている。
【0029】ここで、前記発熱体層14を構成する材料
として有用なものには、例えば、タンタル−SiO2
混合物、窒化タンタル、ニクロム、銀−パラジウム合
金、シリコン半導体、あるいはハフニウム、ランタン、
ジルコニウム、チタン、タンタル、タングステン、モリ
ブデン、ニオブ、クロム、パラジウム等の金属の硼化物
があげられる。これらの発熱体層14を構成する材料の
中で、特に金属硼化物が優れたものとしてあげることが
でき、その中でも最も特性の優れているのが硼化ハフニ
ウムであり、次いで、硼化ジルコニウム、硼化ランタ
ン、硼化タンタル、硼化バナジウム、硼化ニオブの順と
なっている。
【0030】前記発熱体層14は、上記の材料を用いて
電子ビーム蒸着やスパッタリング等の手法を用いて形成
することができる。そして、この発熱体層14のうち前
記個別電極4と共通電極5とに挾まれた部分である前記
発熱体6の膜厚は、単位時間当たりの発熱量が所望通り
となるように、その面積、材質及び形状、更には実際面
での消費電力等に従って決定されるものであるが、通常
の場合、0.001〜5μm、好適には0.01〜1μ
mとされる。
【0031】前記個別電極4及び共通電極5を構成する
材料としては、通常使用されている電極材料の多くのも
のが有効に使用され、具体的には、例えば、Al、A
g、Au、Pt、Cu等があげられる。これらを使用し
て蒸着等の手法で所定位置に、所定の大きさ、形状、厚
さで設けられている。
【0032】前記保護層15に要求される特性は、前記
発熱体6で発生した熱をインク7に効果的に伝達するこ
とを妨げず、かつ、インク7から発熱体6や電極4,5
を化学的、物理的に保護すると共に、インク7を通じて
電極4,5間がショートしたり隣接する電極4,5間が
電気的にリークしたりすることを防止することである。
保護層15を構成する材料として有用なものには、例え
ば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化マグネシウム、
酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム等
があげられ、これらは、電子ビーム蒸着やスパッタリン
グ等の手法を用いて形成することができる。また、保護
層15の膜厚は、通常は0.01〜10μm、好適には
0.1〜5μm、最適には0.1〜3μmである。
【0033】つぎに、上述した液体噴射記録ヘッドにお
けるインク滴16の吐出原理を図13に基づいて説明す
る。同図(a)は定常状態であり、オリフィス面でイン
ク7の表面張力と外圧とが平衡状態に保たれている。同
図(b)は発熱体6が加熱されて発熱体6の表面温度が
急上昇し、隣接インク層に沸騰現象が起こると共に発熱
体6の表面に微小な気泡17が点在している状態であ
る。同図(c)は発熱体6の全面で急激に加熱された隣
接インク層が瞬時に気化して沸騰膜を作り、気泡17が
成長した状態である。この時、流路8内の圧力は気泡1
7の成長した分だけ上昇し、オリフィス面での外圧との
バランスがくずれ、オリフィス11からインク柱が成長
し始める。同図(d)は気泡17が最大に成長した状態
であり、オリフィス面から気泡17の体積に相当する分
のインク7が押し出される。この時、発熱体6は既に電
流が流れていない状態となっており、発熱体6の表面温
度は降下しつつある。なお、気泡17の体積が最大値と
なるタイミングは、電極4,5に対する駆動パルスの印
加タイミングからやや遅れたものとなる。同図(e)は
気泡17がインク7等により冷却されて収縮を開始した
状態を示す。なお、インク柱の先端部では押し出された
速度を保ちつつ前進し、インク柱の後端部では気泡17
の収縮に伴う流路8内の圧力減少により流路8内のイン
ク7が逆流してインク柱にくびれが生ずる。同図(f)
は、更に気泡17が収縮し、発熱体6の上面にインク7
が接することにより発熱体6の上面が更に急激に冷却さ
れた状態である。オリフィス面では外圧が流路8内の圧
力より高い状態となるためにメニスカスが大きく流路8
内に入り込んでいる。一方、インク柱の先端部はインク
滴16となり、記録紙(図示せず)の方向へ5〜10m
/sの速度で吐出する。同図(g)はインク滴16の吐
出が終了した後に流路8内にインク7が毛管現象によっ
て再び供給され、同図(a)と同じ状態に戻った状態で
あり、気泡17は完全に消滅している。
【0034】つぎに、本発明が適用される他の形式の液
体噴射記録ヘッドの基本的構造及びインク滴16の吐出
原理について図14及び図15に基づいて説明する。こ
の液体噴射記録ヘッドは、インク7が導入される流路8
内にエネルギー作用部としてピエゾ素子18を設けたも
のである。ピエゾ素子18にパルス状の信号電圧を印加
して同図(a)に示すようにピエゾ素子18を歪ませる
と、流路8の容積が減少すると共に圧力波が発生し、そ
の圧力波によってオリフィス11からインク滴16が吐
出する。同図(b)はピエゾ素子18の歪がなくなって
流路8の容積が増大した状態である。
【0035】また、本発明が適用される他の形式の液体
噴射記録ヘッドとしては、米国特許第3060429号
明細書に開示された方式(Tele type方式)のものもあ
る。この方式は、インク滴の発生を静電吸引的に行な
い、発生したインク滴を記録信号に応じて電界制御し、
記録紙上にインク滴を選択的に付着させて記録を行なう
ものである。
【0036】また、本発明が適用される他の形式の液体
噴射記録ヘッドとしては、米国特許第3596275号
明細書、米国特許第3298030号明細書等に開示さ
れた方式(Sweet方式)のものもある。この方式は、連
続振動発生法によって帯電量を制御されたインク滴を発
生させ、この帯電量を制御されたインク滴を一様の電界
がかけられている偏向電極間を飛翔させ、記録紙上に付
着させることによって記録を行なうものである。
【0037】ここで、図16は、図8乃至図12におい
て説明した液体噴射記録ヘッドを4個並べてユニット化
し、かつ、各液体噴射記録ヘッドごとに異なる色のイン
ク(イエロー“Y”、マゼンタ“M”、シアン“C”、
ブラック“B”)7を吐出させることによりカラー印写
を行なうようにした従来例の液体噴射記録ヘッド(カラ
ーヘッドユニット)を示したものである。また、図17
は同様の4個の液体噴射記録ヘッドを積層してユニット
化した他の従来例のカラーヘッドユニットである。
【0038】つぎに、本発明の第一の実施例を図1に基
づいて説明する。なお、図8乃至図17において説明し
た部分と同一部分は同一符号で示し、説明も省略する
(以下、同様)。本実施例は、図8乃至図12において
説明した液体噴射記録ヘッドを4個並べてユニット化す
ることによりカラー印写用の液体噴射記録ヘッド(カラ
ーヘッドユニット)を形成したものであり、図16に示
したカラーヘッドユニットの構造と略同一である。但
し、各液体噴射記録ヘッドにおけるオリフィス11から
吐出されるインク滴16の大きさを変えるインク滴大き
さ変更処理として、各液体噴射記録ヘッドにおける流路
8中に設けられたエネルギー作用部である発熱体6の大
きさを変えたものであり、ブラックのインク7を吐出す
る液体噴射記録ヘッドの発熱体6が、イエロー、マゼン
タ、シアンの各インク7を吐出する液体噴射記録ヘッド
の発熱体6より大きく形成されている。
【0039】このような構成において、発熱体6の大き
さを大きくしたブラックのインクのインク滴16が他の
色(イエロー,マゼンタ,シアン)のインク7のインク
滴16より大きくなる。そして、カラーイメージ部と白
黒の文字部とが混在した文書を印写した場合において、
ブラックの文字が強調されたメリハリのある文書が得ら
れる。
【0040】ついで、本発明の第二の実施例を図2に基
づいて説明する。本実施例は、図8乃至図12において
説明した液体噴射記録ヘッドを4個積層することにより
カラー印写用の液体噴射記録ヘッド(カラーヘッドユニ
ット)を形成したものであり、図17に示したカラーヘ
ッドユニットの構造と略同一である。但し、各液体噴射
記録ヘッドにおけるオリフィス11から吐出されるイン
ク滴16の大きさを変えるインク滴大きさ変更処理とし
て、各液体噴射記録ヘッドにおけるオリフィス11の大
きさを変えたものであり、ブラックのインク7を吐出す
る液体噴射記録ヘッドのオリフィス11の開口面積が他
の色のインク7を吐出する液体噴射記録ヘッドのオリフ
ィス11の開口面積より大きく設定されている。
【0041】このような構成において、開口面積を大き
くしたオリフィス11から吐出されるブラックのインク
7のインク滴16が他の色のインク7のインク滴16よ
り大きくなる。そして、カラーイメージ部と白黒の文字
部とが混在した文書を印写した場合において、ブラック
の文字が強調されたメリハリのある文書が得られる。
【0042】ついで、本発明の第三の実施例を図3に基
づいて説明する。本実施例は、図8乃至図12において
説明した液体噴射記録ヘッドを4個並べてユニット化す
ることによりカラーヘッドユニットを形成したものであ
り、図16に示したカラーヘッドユニットの構造と略同
一である。但し、各液体噴射記録ヘッドにおけるオリフ
ィス11から吐出されるインク滴16の大きさを変える
インク滴大きさ変更処理として、各液体噴射記録ヘッド
における流路8の寸法を変えたものであり、ブラックの
インク7を吐出する液体噴射記録ヘッドにおける流路8
の寸法が他の色のインク7を吐出する液体噴射記録ヘッ
ドにおける流路8の寸法より大きく設定されている。
【0043】このような構成において、寸法の大きい流
路8から吐出されるブラックのインク7のインク滴16
が寸法の小さい流路8から吐出される他の色のインク滴
16より大きくなる。そして、カラーイメージ部と白黒
の文字部とが混在した文書を印写した場合において、ブ
ラックの文字が強調されたメリハリのある文書が得られ
る。
【0044】ついで、本発明の第四の実施例を図4に基
づいて説明する。本実施例は、図8乃至図12において
説明した液体噴射記録ヘッドを4個並べてユニット化す
ることによりカラーヘッドユニットを形成したものであ
り、図16に示したカラーヘッドユニットの構造と略同
一である。但し、各液体噴射記録ヘッドにおけるオリフ
ィス11から吐出されるインク滴16の大きさを変える
インク滴大きさ変更処理として、各液体噴射記録ヘッド
における流路8中に設けられた発熱体6の寸法及びその
位置、さらに、流路8の寸法、オリフィス11の開口面
積を変えたものであり、ブラックのインク7を吐出する
液体噴射記録ヘッドは他の色のインク7を吐出する液体
噴射記録ヘッドに比べて、発熱体6が大きく、オリフィ
ス11から発熱体6までの距離が長く、流路8の寸法及
びオリフィス11の開口面積が大きく設定されている。
【0045】このような構成において、ブラックのイン
ク7のインク滴16が他の色のインク滴16より大きく
なる。そして、カラーイメージ部と白黒の文字部とが混
在した文書を印写した場合において、ブラックの文字が
強調されたメリハリのある文書が得られる。
【0046】ここで、図1乃至図4に示した各実施例に
おいては、図8乃至図12において説明した液体噴射記
録ヘッドを用いてカラーヘッドユニットを形成した液体
噴射記録装置について説明したが、本発明はこのような
バブルジェット方式の液体噴射記録ヘッドを用いた液体
噴射記録装置にのみ適用されるものではなく、図14及
び図15において説明したようにピエゾ素子18をイン
ク吐出の駆動源とするドロップオンデマンド方式の液体
噴射記録ヘッドや、前述したTele type方式やSweet方
式の液体噴射記録ヘッドを用いた液体噴射記録装置にお
いても適用することができる。
【0047】また、図2に示した実施例においては、イ
ンク滴大きさ変更処理としてオリフィス11の開口面積
を各インク7の色に応じて変更したものを例に挙げて説
明したが、他のインク滴大きさ変更処理としては、オリ
フィス11の厚さ(開口面に対する垂直方向の長さ)を
変えることや、オリフィス部の材質あるいは表面粗さを
変えることが考えられる。
【0048】つぎに、具体的にカラーヘッドユニットを
構成してカラー印写を行なった場合の実験結果について
以下に説明する。第一の具体例は、図1に示したような
カラーヘッドユニットの構成としたもので、ブラックの
インク7を吐出させる液体噴射記録ヘッドにおける発熱
体6の大きさを130×28μm(抵抗値108Ω)と
し、他の色(イエロー、マゼンタ、シアン)のインク7
を吐出させる液体噴射記録ヘッドにおける発熱体6の大
きさを110×26μm(抵抗値118Ω)とした。そ
して、他の条件についてブラックのインク7を吐出する
液体噴射記録ヘッドと他の色のインク7を吐出する液体
噴射記録ヘッドとにおいて、以下に示すように全て同一
とした。 発熱体6からオリフィス11までの距離 120μm オリフィス11の寸法 25×25μ
m オリフィス11の配列密度 400 dpi 発熱体6の駆動電圧 26V 発熱体6の駆動パルス幅 6μs 発熱体6の駆動パルス周波数 6.2kHz 以上の条件下でカラーヘッドユニットを使用してカラー
イメージ部及び白黒の文字部が混在する文書を印写した
ところ、ブラックのインク7により印写された文字は、
黒く、太く、鮮明で、非常に見やすい文書が得られた。
一方、図16に示したように、発熱体6の大きさを全て
同一にしたカラーヘッドユニットにより同様の文書を印
写して第一の具体例による印写で得られた文書と比較す
る感応テストを行なったところ、10人の被検者の全て
が、第一の具体例による印写で得られた文書の方が見易
いという回答をした。
【0049】第二の具体例としては、図2に示したよう
なカラーヘッドユニットの構成としたものであり、ブラ
ックのインク7を吐出させる液体噴射記録ヘッドにおけ
るオリフィス11の寸法を27×27μmとし、他の色
のインク7を吐出させる液体噴射記録ヘッドにおけるオ
リフィス11の寸法を25×25μmとしたものであ
る。そして、各液体噴射記録ヘッドにおける他の条件は
以下に示すように全て同一とした。 発熱体6からオリフィス11までの距離 120μm 発熱体6の大きさ 110×26
μm 発熱体6の抵抗値 118Ω オリフィス11の配列密度 400 dpi 発熱体6の駆動電圧 26V 発熱体6の駆動パルス幅 6μs 発熱体6の駆動パルス周波数 6.2kHz 以上の条件下でカラーヘッドユニットを使用してカラー
イメージ部及び白黒の文字部が混在する文書を印写した
ところ、ブラックのインク7により印写された文字は、
黒く、太く、鮮明で、非常に見やすい文書が得られた。
一方、図17に示したように、各オリフィス11の寸法
を全て同一にしたカラーヘッドユニットにより同様の文
書を印写して第二の具体例による印写で得られた文書と
比較する感応テストを行なったところ、10人の被検者
の全てが、第二の具体例による印写で得られた文書の方
が見易いという回答をした。
【0050】第三の具体例としては、図14及び図15
に示したようなピエゾ素子18をエネルギー作用部とす
る液体噴射記録ヘッドを図17に示すように4層に積層
したカラーヘッドユニットを構成した。各液体噴射記録
ヘッドの構成上の諸条件は以下のように全て同一とし
た。 オリフィス11の寸法 50×50μm オリフィス11の配列密度 50 dpi ピエゾ素子18のサイズ 2.5×12mm そして、このようにカラーヘッドユニットを使用し、ブ
ラックのインク7を吐出させる液体噴射記録ヘッドにお
けるピエゾ素子18の駆動電圧を65Vとし、他の色の
インク7を吐出させる液体噴射記録ヘッドにおけるピエ
ゾ素子18の駆動電圧を50Vとした。なお、この駆動
電圧を大きくすることによりピエゾ素子18の変形量が
大きくなり、オリフィス11から吐出されるインク滴1
6の大きさも大きくなる。
【0051】以上の条件下でカラーイメージ部及び白黒
の文字部が混在する文書を印写したところ、ブラックの
インク7により印写された文字は、太く、見易い、迫力
のある文書が得られた。一方、ブラックのインク7を吐
出させる液体噴射記録ヘッドにおけるピエゾ素子18の
駆動電圧を、他の色のインク7を吐出させる液体噴射記
録ヘッドにおけるピエゾ素子18の駆動電圧と同様に5
0Vにして文書の印写を行なって第三の具体例による印
写で得られた文書と比較する感応テストを行なったとこ
ろ、10人の被検者の全てが、第三の具体例による印写
で得られた文書の方が迫力があって説得力のある文書で
あるという回答をした。
【0052】第四の具体例としては、上述した第一の具
体例と同様のカラーヘッドユニットを使用し、発熱体6
の駆動電圧を、ブラックのインク7を吐出させる液体噴
射記録ヘッドにおいて28Vに上げ、他の色のインク7
を吐出させる液体噴射記録ヘッドにおいては26Vのま
まとした。
【0053】そして、この第四の具体例による印写で得
られた文書と第一の具体例による印写で得られた文書と
を比較する感応テストを行なったところ、10人の被検
者中の9人が、第四の具体例による印写で得られた文書
の方が、文字が黒く、太く、鮮明で見易いという回答を
した。
【0054】第五の具体例としては、上述した第三の具
体例で説明したようなピエゾ素子18を使用したカラー
ヘッドユニットにおいて、ブラックのインク7を吐出さ
せる液体噴射記録ヘッドのピエゾ素子18(2.5×2
5mm)を他の色を吐出させる液体噴射記録ヘッドのピ
エゾ素子18(2.5×12mm)よりも大きくし、か
つ、駆動電圧も高くしたものである(70Vと50
V)。
【0055】そして、この第五の具体例による印写で得
られた文書と第三の具体例による印写で得られた文書と
を比較する感応テストを行なったところ、10人の被検
者の全てが、第五の具体例による印写で得られた文書の
方が、文字が黒く、太く、迫力がある文書であるという
回答をした。
【0056】第六の具体例としては、上述した第二の具
体例と同様のカラーヘッドユニットを使用し、発熱体6
の駆動電圧を、ブラックのインク7を吐出させる液体噴
射記録ヘッドにおいて28.5Vに上げ、他の色のイン
ク7を吐出させる液体噴射記録ヘッドにおいては26V
のままとした。
【0057】そして、この第六の具体例による印写で得
られた文書と第二の具体例による印写で得られた文書と
を比較する感応テストを行なったところ、10人の被検
者中の9人が、第六の具体例による印写で得られた文書
の方が、文字が黒く、太く、鮮明で見易いという回答を
した。
【0058】第七の具体例としては、上述した第一の具
体例と同様のカラーヘッドユニットを使用し、ブラック
のインク7を吐出させる液体噴射記録ヘットにおいて
は、発熱体6の大きさを130×28μm(抵抗値10
8Ω)、発熱体6からオリフィス11までの距離を14
0μm、オリフィス11に至る流路8の幅を35μm、
オリフィス11の寸法を26×26μmとし、他の色の
インク7を吐出させる液体噴射記録ヘッドにおいては、
発熱体6の大きさを110×26μm(抵抗値118
Ω)、発熱体6からオリフィス11までの距離を120
μm、オリフィス11に至る流路8の幅を30μm、オ
リフィス11の寸法を25×25μmとした。一方、発
熱体8の駆動条件等は、全ての液体噴射記録ヘッドにお
いて第一の具体例と同一にした。
【0059】以上の条件下でカラーイメージ部及び白黒
の文字部が混在する文書を印写したところ、ブラックの
インク7により印写された文字は、黒く、太く、鮮明
で、非常に見易く、第一の具体例で得られた文書よりも
見易いものが得られた。
【0060】第八の具体例としては、図8乃至図12に
示したような液体噴射記録ヘッドを3個積層し、イエロ
ー、マゼンタ、シアンの3色のインク7を吐出させるカ
ラーヘッドユニットを構成した。その際、マゼンタのイ
ンク7を吐出させる液体噴射記録ヘッドのオリフィス1
1の寸法を26×26μmとし、イエロー、シアンのイ
ンク7を吐出させる液体噴射記録ヘッドのオリフィス1
1の寸法を25×25μmとした。一方、発熱体6の大
きさ(110×26μm)や抵抗値(118Ω)、発熱
体6からオリフィス11までの距離(120μm)、オ
リフィス11の配列密度(400 dpi)、発熱体6の駆
動条件等は全ての液体噴射記録ヘッドにおいて同一であ
る。
【0061】このようなカラーヘッドユニットで夕暮れ
の風景のポスター用カラー画像を印写したところ、全体
に赤みがかかり、夕暮れの雰囲気が良く出た画像が得ら
れ、夕暮れのイメージを強調できるということが確認で
きた。
【0062】以上の例は、階調記録を行なわず、単にカ
ラー文書において特定の色を強調して印写する例であ
る。従って、インク滴16の大きさ、あるいは、それを
変化させるための各種の手段(発熱体6やオリフィス1
1等)のディメンション等の変更は、比較的小さい値を
とる。
【0063】つぎに、本発明の階調記録を考慮した特徴
について説明する。基本的には、上記の階調記録を行な
わない場合と同様に、特定の色のインク7のインク滴1
6の大きさを他の色のインク7のインク滴16の大きさ
と変える、或いは、その手段のディメンション等を変え
るという手法をとるが、上記の例よりも、そのディメン
ションを大きく変える点が異なっている。具体的には、
例えば、イエロー、マゼンタ、シアンの各インク7のイ
ンク滴16は800dpi相当の印写を行なうような大
きさとし、ブラックのインク7のインク滴16は400
dpi相当の印写を行なうような大きさとする。そし
て、そのような大きさのインク滴16を吐出するために
は、各液体噴射記録ヘッドの発熱体6、オリフィス11
等のディメンションもそれに対応した大きさとする。
【0064】このようにすると、イエロー、マゼンタ、
シアンの各インク7のインク滴16は質量が小さくなる
ために吐出頻度を高くすることができる。図5はイエロ
ー、マゼンタ、シアンの各インク7を高い吐出頻度で連
続的に吐出させ、それらのインク滴16を被記録体19
上の同一箇所に打ち込むことによって一つの画素20を
形成する様子を示したものである。ここで重要な点は、
各インク滴16が分離、独立して吐出及び飛翔して被記
録体19に付着する点である(特開昭59−20726
5号公報に開示された発明では、各インク滴がつながっ
た状態で吐出、飛翔する)。また、各インク滴16が細
長い柱状となって飛翔する点である(特開昭63−53
052号公報に開示された発明では、各インク滴が球状
となって飛翔する)。なお、細長い柱状となって飛翔す
るインク滴16の大きさは、直径寸法に対して長さ寸法
が3〜10倍となっている。
【0065】ここで、インク滴16が細長い柱状となっ
て飛翔するための条件は、飛翔速度が速く、外乱(例え
ば、周囲の空気の流れ)の影響を受けにくいということ
である。そこで、インク滴16の形状と飛翔速度との関
係、及び、インク滴16の形状と被記録体19上におけ
る狙った位置からのずれ量(画素位置精度)との関係を
調べ表1に示した。
【0066】
【表1】
【0067】なお、ここで使用した液体噴射記録ヘッド
は、 オリフィス11のサイズ 17×17μm 発熱体6のサイズ 14×84μm 発熱体6の抵抗値 75Ω である。また、インク滴16の形状及び飛翔速度の測定
に際しては、インクに代えて以下に示した成分のビーク
ル(インクから染料成分を除去した透明液体)を使用し
た。
【0068】グリセリン 18.0% エチルアルコール 4.8% 水 77.2% 一方、画素位置精度の測定には以下に示した成分のイン
クを使用した。
【0069】グリセリン 18.0% エチルアルコール 4.8% 水 75.0% C.I.アシッドブルー29 2.2% なお、インク滴16を付着させる被記録体19として
は、(株)リコー製のPPC用紙6200を使用し、発
熱体6に入力する駆動パルスの周波数は20kHzとし
た。
【0070】表1より、IL /ID 、つまり、インク滴
16の直径寸法“ID ”に対するインク滴16の長さ寸
法“IL ”の比が2.8以下のものは、インク滴16の
飛翔速度が遅く(5.0m/sに達しない)、被記録体
19上の狙った位置へインク滴16を打ち込むことがで
きず、少なくとも1ドット以上ずれるものは画質が悪く
なるために実用的でないことがわかる。つまり、飛翔す
るインク滴16は、柱状(IL /ID が3以上)となる
ような条件で吐出させなければならないことがわかる。
【0071】つぎに、図6はインク滴16の形状をより
詳細に示したものである。同図(a)に示したインク滴
16が最も理想とする形状であるが、同図(b)に示し
たようにサテライト16aと称するミスト状の極微小の
インク滴を伴って飛翔したり、同図(c)や(d)に示
したようにインク滴16が二つ(場合によっては三つ)
に分離して飛翔する場合もある。これらの違いは、オリ
フィス11の寸法、インクの物性(粘度,表面張力)、
駆動パルスの形状等によるが、いずれの場合も発熱体6
に入力される駆動パルスは一つである。従って、ここで
は、同図(c)や(d)に示したように本来一つのイン
ク滴16であるべきものが分離して飛翔する場合も、一
つの駆動パルスに対して一つのインク滴16が形成され
たものとして取り扱う。なお、このように分離したりサ
テライト16aを伴って飛翔しても、上述のようにその
飛翔速度が5〜10m/s或いはそれ以上であれば、こ
れらのサテライト16aや分離したインク滴16は被記
録体19上の略同一位置に付着するため、形成される画
素20は真円に近く、画質が低下するという問題は生じ
ない。
【0072】つぎに、図7は発熱体6へ連続的に入力す
る駆動パルスの数を変えることにより一つの画素20を
形成するインク滴16の数を変え、それによって形成さ
れる画素20の大きさが変わる様子を示したものであ
る。同図(a)では、1個の駆動パルスが発熱体6へ入
力されると共にオリフィス11からは1個のインク滴1
6が吐出され、1個のインク滴16が被記録体19上に
付着して1個の画素20が形成されている。同図(b)
では、3個の駆動パルスが入力されると共に3個のイン
ク滴16が吐出され、3個のインク滴16が被記録体1
9上の同一箇所へ打ち込まれることによって1個の画素
20が形成されている。同図(c)では、5個の駆動パ
ルスが入力されると共に5個のインク滴16が吐出さ
れ、5個のインク滴16が被記録体19上の同一箇所へ
打ち込まれることによって1個の画素20が形成されて
いる。同図(d)では、8個の駆動パルスが入力される
と共に8個のインク滴16が吐出され、8個のインク滴
16が被記録体19上の同一箇所へ打ち込まれることに
よって1個の画素20が形成されている。なお、同一箇
所へ打ち込まれるインク滴16の数が増加するに伴って
形成される画素20が大きくなる。
【0073】ここで、本発明では、大きな画素20を得
ることは、駆動パルスの数を増やして連続的に吐出され
るインク滴16の数を増やすことにより実現できるが、
駆動パルスの数を増やせば必然的に1画素20を形成す
るために要する時間が長くなる。従って、吐出されたイ
ンク滴16は特開昭59−207265号公報に開示さ
れたように互いにつながると、上述したようにインク滴
16の飛翔軌跡が悪くなりプリントの信頼性が悪くなる
等の支障があるため、各インク滴16が互いにつながら
ない範囲においてできるだけ高い頻度でインク滴16を
発生させることが記録スピードを上げるうえで重要なポ
イントとなる。
【0074】つぎに、第九の具体例として図4に示した
ようなカラーヘッドユニットを形成した。このカラーヘ
ッドユニットは、発熱体6からオリフィス11までの寸
法と、オリフィス11のサイズと、発熱体6のサイズ
と、発熱体6の抵抗値とを、ブラックのインク7を吐出
させる液体噴射記録ヘッドと他の色のインク7を吐出さ
せる液体噴射記録ヘッドとにおいて以下に示したように
異ならせたもので、オリフィス11の配列密度に関して
は128個のオリフィス11を400dpiで配列した
点で共通である。
【0075】
【表2】
【0076】また、使用したインク7は以下の組成のも
のである。
【0077】
【表3】
【0078】このようなカラーヘッドユニットを用いて
インク滴16の形成条件を調べたところ、イエロー、マ
ゼンタ、シアンのインク7を吐出させる液体噴射記録ヘ
ッドでは、最大51kHzの駆動パルス周波数まで応答
してインク滴16を吐出させることができ、インク滴1
6の飛翔速度(Vi)は11.3m/sであった。な
お、この時の駆動条件は、駆動電圧が5.9V、駆動パ
ルス幅(Pw)が4μsである。一方、ブラックのイン
ク7を吐出させる液体噴射記録ヘッドでは、最大9kH
zの駆動パルス周波数まで応答してインク滴16を吐出
させることができ、インク滴16の飛翔速度(Vi)は
10.1m/sであった。また、駆動条件は、駆動電圧
が27V、駆動パルス幅(Pw)が7μsである。
【0079】つぎに、マゼンタのインク7を吐出させる
液体噴射記録ヘッドを用いて、紙面(三菱製紙製マッコ
ート紙NM)上の同一箇所へ1個〜複数個のインク滴1
6を打ち込み、1画素とした場合の画素径を測定したと
ころ、1個のインク滴16により形成された画素20の
画素径はφ31.3μm、2個のインク滴16により形
成された画素20の画素径はφ64.6μm、4個のイ
ンク滴16により形成された画素20の画素径はφ8
3.5μm、6個のインク滴16により形成された画素
20の画素径はφ97.8μmの大きさの丸い画素が得
られた。なお、この時の駆動パルス周波数は48kHz
で行ない、画素形成の周波数は8kHzとした。
【0080】一方、ブラックのインク7の1個のインク
滴16により形成された画素20の画素径はφ95.6
μmであった。
【0081】上記基礎データより、イエロー、マゼン
タ、シアンの各インク7を吐出させる液体噴射記録ヘッ
ドは、発熱体6に入力する駆動パルスの数を変えること
により吐出するインク滴16の数を変えることができ、
それによって1画素の大きさを変えられることがわかっ
たので、このカラーヘッドユニットを用いて写真と文字
との混在文書を印写させたところ、写真のイメージ部は
オリジナル原稿のカラー写真と遜色のない高画質、高階
調の画像が得られ、また、文字部も、活字タイプライタ
ーで打ったものと同等の美しい印字品質を得ることがで
きた。なお、この時のイエロー、マゼンタ、シアンのイ
ンク7を吐出させる各液体噴射記録ヘッドは、インク滴
16の発生頻度(駆動パルス周波数)は48kHzと
し、画素径を変えるために同一箇所へ打ち込むインク滴
16の個数を1個〜6個まで画像濃度情報に応じて変化
させた。従って、画素形成頻度は8kHzとした。一
方、ブラックのインク7を吐出させる液体噴射記録ヘッ
ドの駆動パルス周波数は6kHzとした。
【0082】
【発明の効果】請求項1記載の発明は上述のように、色
の異なる複数種類のインクを各インクごとに導入する複
数個の流路と、前記流路内に設けられると共にこの流路
内の前記インクに吐出エネルギーを与えるエネルギー作
用部と、前記流路に連絡されると共に前記吐出エネルギ
ーを与えられた前記インクの一部をインク滴として吐出
させるオリフィスとを有する液体噴射記録ヘッドにおい
て、前記流路に導入される前記インクの色に応じて前記
オリフィスから吐出されるインク滴の大きさを変えるイ
ンク滴大きさ変更処理を前記オリフィスと前記エネルギ
ー作用部と前記オリフィス又は前記エネルギー作用部の
近傍との少なくともいずれかに施したので、オリフィス
から吐出するインク滴の大きさをインクの色に応じて変
えることができ、従って、インク滴を大きくした特定の
インクの色を強調したメリハリのあるカラー画像を得る
ことができる等の効果を有する。
【0083】請求項2記載の発明は上述のように、色の
異なる複数種類のインクを各インクごとに導入する複数
個の流路と、前記流路内に設けられると共にこの流路内
の前記インクに吐出エネルギーを与えるエネルギー作用
部と、前記流路に連絡されたオリフィスとを設け、前記
エネルギー作用部から与えられた吐出エネルギーにより
前記インクの一部をインク滴として前記オリフィスから
吐出させるようにした液体噴射記録方法において、前記
エネルギー作用部から前記インクに与える吐出エネルギ
ーを前記インクの色に応じて異ならせると共に吐出する
インク滴の大きさを異ならせるようにしたので、エネル
ギー作用部からインクに与える吐出エネルギーをインク
の色に応じて異ならせることによって吐出するインク滴
の大きさを異ならせることができ、従って、電気的な制
御のみで特定のインクの色を強調したメリハリのあるカ
ラー画像を得ることができる等の効果を有する。
【0084】請求項3記載の発明は上述のように、請求
項1記載の発明において、複数種類のインクはイエロ
ー,マゼンタ,シアン,ブラックであり、ブラックのイ
ンクを吐出させるためのオリフィスとエネルギー作用部
との少なくとも一方を他の色のインクを吐出するための
オリフィス又はエネルギー作用部より大きくしたので、
大きなオリフィスから吐出し又は大きなエネルギー作用
部から吐出エネルギーを与えられるブラックのインクの
インク滴を他の色のインクのインク滴より大きくするこ
とができ、カラーイメージ部と白黒の文字部とが混在す
る文書を印写した場合に黒文字を強調したメリハリのあ
る文書を得ることができる等の効果を有する。
【0085】請求項4記載の発明は上述のように、請求
項2記載の発明において、複数種類のインクはイエロ
ー,マゼンタ,シアン,ブラックであり、ブラックのイ
ンクのインク滴を他の色のインクのインク滴よりも大き
くしたので、カラーイメージ部と白黒の文字部とが混在
する文書を印写した場合に黒文字を強調したメリハリの
ある文書を得ることができる等の効果を有する。
【0086】請求項5記載の発明は上述のように、請求
項2記載の発明において、複数種類のインクはイエロ
ー,マゼンタ,シアン,ブラックであり、イエローとマ
ゼンタとシアンのインクのインク滴の大きさをブラック
のインクのインク滴よりも小さくすると共にイエローと
マゼンタとシアンのインクのインク滴形成頻度をブラッ
クのインクのインク滴形成頻度より高くしたので、微小
なインク滴となって質量が小さくなったイエローとマゼ
ンタとシアンのインクのインク滴はインク滴形成頻度を
高くすることが容易になり、被記録体上の同一箇所へ1
個から複数個のインク滴を打ち込むと共にその打ち込み
数を調節することによりカラーイメージ部について階調
記録を行なうことができ、階調記録を行なうインク滴の
形成頻度が高いために被記録体上の同一箇所へ複数個の
インク滴を打ち込むような印写を行なっても印写速度の
低下を防止することができる等の効果を有する。
【0087】請求項6記載の発明は上述のように、イエ
ロー,マゼンタ,シアン,ブラックの4色のインクを吐
出させる液体噴射記録ヘッドを使用して記録を行なう液
体噴射記録方法において、イエローとマゼンタとシアン
のインクに吐出エネルギーを与えるエネルギー作用部へ
入力する駆動パルスの数を画像濃度情報に応じて変化さ
せ、それによって吐出するインク滴の数を変えると共に
被記録体上の略同一箇所へ打ち込むインク滴の数を変え
ると共にこの被記録体上に形成される画素の画素径を変
えるようにしたので、イエローとマゼンタとシアンのイ
ンクについては、被記録体上の同一箇所へ打ち込まれる
インク滴の数が画像濃度情報に応じて変化させることが
できると共に被記録体上に形成される画素の画素径を変
化させることができ、従って、カラーイメージ部につい
て階調記録を行なうことができる等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を示した平面図である。
【図2】本発明の第二の実施例を示した斜視図である。
【図3】本発明の第三の実施例を示した平面図である。
【図4】本発明の第四の実施例を示した平面図である。
【図5】インク滴の飛翔状態を示した説明図である。
【図6】飛翔インク滴の形状を詳細に示した説明図であ
る。
【図7】駆動パルスの数と吐出するインク滴の数と形成
される画素の大きさとの関係を示した説明図である。
【図8】従来例における単色のインクを吐出させる液体
噴射記録ヘッドを示した斜視図である。
【図9】従来例の液体噴射記録ヘッドを発熱体基板と蓋
基板とに分離した状態を示した斜視図である。
【図10】蓋基板を裏面側から見た状態を示した斜視図
である。
【図11】オリフィスとその周辺部とを拡大して示した
正面図である。
【図12】発熱体とその周辺部とを拡大して示した縦断
側面図である。
【図13】液体噴射記録ヘッドにおけるインク滴の吐出
原理を示した説明図である。
【図14】ピエゾ素子を用いた従来例の液体噴射記録ヘ
ッドの一部を示した縦断側面図である。
【図15】ピエゾ素子を用いた従来例の液体噴射記録ヘ
ッドの全体を示した平面図である。
【図16】従来例のカラーヘッドユニットを示した平面
図である。
【図17】他の従来例のカラーヘッドユニットを示した
斜視図である。
【符号の説明】
6 エネルギー作用部 7 インク 8 流路 11 オリフィス 16 インク滴

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色の異なる複数種類のインクを各インク
    ごとに導入する複数個の流路と、前記流路内に設けられ
    ると共にこの流路内の前記インクに吐出エネルギーを与
    えるエネルギー作用部と、前記流路に連絡されると共に
    前記吐出エネルギーを与えられた前記インクの一部をイ
    ンク滴として吐出させるオリフィスとを有する液体噴射
    記録ヘッドにおいて、前記流路に導入される前記インク
    の色に応じて前記オリフィスから吐出されるインク滴の
    大きさを変えるインク滴大きさ変更処理を前記オリフィ
    スと前記エネルギー作用部と前記オリフィス又は前記エ
    ネルギー作用部の近傍との少なくともいずれかに施した
    ことを特徴とする液体噴射記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 色の異なる複数種類のインクを各インク
    ごとに導入する複数個の流路と、前記流路内に設けられ
    ると共にこの流路内の前記インクに吐出エネルギーを与
    えるエネルギー作用部と、前記流路に連絡されたオリフ
    ィスとを設け、前記エネルギー作用部から与えられた吐
    出エネルギーにより前記インクの一部をインク滴として
    前記オリフィスから吐出させるようにした液体噴射記録
    方法において、前記エネルギー作用部から前記インクに
    与える吐出エネルギーを前記インクの色に応じて異なら
    せると共に吐出するインク滴の大きさを異ならせるよう
    にしたことを特徴とする液体噴射記録方法。
  3. 【請求項3】 複数種類のインクはイエロー,マゼン
    タ,シアン,ブラックであり、ブラックのインクを吐出
    させるためのオリフィスとエネルギー作用部との少なく
    とも一方を他の色のインクを吐出するためのオリフィス
    又はエネルギー作用部より大きくしたことを特徴とする
    請求項1記載の液体噴射記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 複数種類のインクはイエロー,マゼン
    タ,シアン,ブラックであり、ブラックのインクのイン
    ク滴を他の色のインクのインク滴よりも大きくしたこと
    を特徴とする請求項2記載の液体噴射記録方法。
  5. 【請求項5】 複数種類のインクはイエロー,マゼン
    タ,シアン,ブラックであり、イエローとマゼンタとシ
    アンのインクのインク滴の大きさをブラックのインクの
    インク滴よりも小さくすると共にイエローとマゼンタと
    シアンのインクのインク滴形成頻度をブラックのインク
    のインク滴形成頻度より高くしたことを特徴とする請求
    項2記載の液体噴射記録方法。
  6. 【請求項6】 イエロー,マゼンタ,シアン,ブラック
    の4色のインクを吐出させる液体噴射記録ヘッドを使用
    して記録を行なう液体噴射記録方法において、イエロー
    とマゼンタとシアンのインクに吐出エネルギーを与える
    エネルギー作用部へ入力する駆動パルスの数を画像濃度
    情報に応じて変化させ、それによって吐出するインク滴
    の数を変えると共に被記録体上の略同一箇所へ打ち込む
    インク滴の数を変えると共にこの被記録体上に形成され
    る画素の画素径を変えるようにしたことを特徴とする液
    体噴射記録方法。
JP634693A 1992-02-20 1993-01-19 液体噴射記録ヘッド及び液体噴射記録方法 Pending JPH05293977A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003257616A (ja) * 2002-02-27 2003-09-12 Ricoh Co Ltd 機能性素子基板および該機能性素子基板を用いた画像表示装置
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JP2008119840A (ja) * 2006-11-08 2008-05-29 Seiko Epson Corp 液体噴射装置、及び、その制御方法
JP2008520474A (ja) * 2004-11-18 2008-06-19 イーストマン コダック カンパニー 流体噴射装置のノズルアレイ構成
CN119098296A (zh) * 2024-09-06 2024-12-10 杭州宏华数码科技股份有限公司 用于目标对象喷涂的喷头

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