JPH0531108B2 - - Google Patents
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- JPH0531108B2 JPH0531108B2 JP59260097A JP26009784A JPH0531108B2 JP H0531108 B2 JPH0531108 B2 JP H0531108B2 JP 59260097 A JP59260097 A JP 59260097A JP 26009784 A JP26009784 A JP 26009784A JP H0531108 B2 JPH0531108 B2 JP H0531108B2
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Description
発明の背景
1 発明の分野
この発明は、ポリヌクレオチドの特異的な配列
の検出に用いる核酸ハイブリダイゼーシヨン分析
法、および試薬システムに関する。核酸ハイブリ
ダイゼーシヨン分析の原理は、目的とする特異的
なポリヌクレオチドの塩基配列を決定分離する手
段として、組換えDNAの分野の研究者達によつ
て開発された。DNAやRNAの2本鎖の形状を変
性させて得られるようなDNAやRNAの如き1本
鎖の核酸は、適当な条件下では、相補的な1本鎖
の核酸と交雑または組換えを行うことが分つた。
このような相補的検出用プローブに、何か容易に
検出できる化学基で標識をつけることによつて、
1本鎖の形状をした標本(サンプル)核酸を含む
試験媒体中の対象とするいかなるポリヌクレオチ
ド配列の存在をも検出することが可能となつた。 組換えDNAの分野以外に、この分析用ハイブ
リダイゼーシヨンの技法は、中でも人間医学、獣
医学、農業および食物科学の分野における重要な
ポリヌクレオチドの検出に応用できる。特にこの
技法は、バクテリアやウイルスのような病因とな
るものの検出や確認、耐抗生物質性を目的とした
バクテリアのスクリーニング、鎌状赤血球貧血や
サラセミアのような遺伝性の障害の治療の補佐
役、およびガン細胞の検出に用いることができ
る。この技法並びにその現在および将来の重要性
に関する一般的論評は、Biotechnology(1983年
8月号)のp471〜478に載つている。 2 先行技術の説明 従来の核酸ハイブリダイゼーシヨン分析法は、
標識を付けて検出するために、検出用プローブと
なる核酸、または標本(サンプル)となる核酸を
化学的に修飾する操作を包含している。この方法
は、分析使用者が、標識を付けたサンプル核酸を
合成したり精製したりする複雑で金のかかる操
作、または、その場での合成操作を包含する大規
模な標識プローブを作る必要があるので、核酸を
化学的に修飾する必要上、この方法の実際の使用
は厳しく制約される。特に標識を付した生成ポリ
ヌクレオチドは、その相補的サンプルまたはプロ
ーブ塩基配列と効率的に交雑する能力を保持して
いなければならない。このような要件によつて、
ハイブリダイゼーシヨン分析に用いることを目的
としたポリヌクレオチドの標識修飾に関する有用
な合成法の利用価値が、厳しく制限される。 初期のハイブリダイゼーシヨン技法では、3H,
32P,125Iのような放射性標識の使用を必要として
いた。標識を付したプローブは、ニツクトランス
レーシヨン、末端標識(end labeling)、第2鎖
合成(second strand synthesis)、逆転写および
転写のような方法によつて、放射性標識を付した
ヌクレオチドと一つのポリヌクレオチドから、酵
素作用で合成される。従つてこのような酵素法の
もう一つの要件は、修飾したまたは標識を付した
ヌクレオチドが、標識を付したポリヌクレオチド
のアセンブリに包含されるポリメラーゼ酵素の有
効な基質として役立たねばならぬことである。ポ
リヌクレオチドを直接化学修飾することも可能で
あるが、このような方法は、ポリヌクレオチドに
標識を組み込むについてかなり効率がわるく、ま
たポリヌクレオチドがハイブリダイゼーシヨンを
受ける能力に悪影響を与える。 放射性標識を付した物質の取扱いや貯蔵が不便
なために、有用な非放射性同位体の標識をつける
研究方法を開発すべく、かなりの努力が続けられ
て来た。このような標識としては、ケイ光物質や
化学ルミネセンス物質のような発光分子、および
相補(counterpart)バインダー(こちらの方も
ケイ光物質や酵素のような検出可能の化学基の標
識をつけてある。)と特異的に結合し得る配位子
分子(リガンド)があつた。リガンド標識の例と
しては、抗体と特異的に結合するハプテン、およ
びアビジンと結合するビチオンのように、それに
対して特異的に結合する蛋白が存在するその他の
低分子物質がある。 イギリス特許第2019408号は、シトクロームC
の結合基を介してビオチンで標識を付し、このよ
うにして、酵素標識したアビジンによつて検出で
きるポリヌクレオチドプローブについて述べてい
る。またビチオンのような低分子量のリガンドで
プローブに標識をつける別のやり方が、ヨーロツ
パ特許出願第63879号に記されている。この方法
では、5−アリルアミン−デオキシウリジン三リ
ン酸塩(dUTB)誘導体を所望のリガンド標識と
縮合させ、このようにして修飾されたヌクレオチ
ドは、標準的な酵素法によつて、所望のプローブ
に組みこまれる。発行標識を使用することは、ヨ
ーロツパ特許出願第70685号および第70687号が示
唆している。ハイブリダイゼーシヨン分析に関す
るその他の特許文献の代表的なものは、固相上で
ハイブリダイゼーシヨンを促進するための、ある
種の水溶性多糖類の使用に関するアメリカ特許第
4302204号、臨床標本中の病原体の検出に関する
第4358535号、および合成オリゴヌクレオチドプ
ローブを用いた鎌状赤血球貧血の検出に関する第
4395486号である。 サンプルおよびプローブのポリヌクレオチド間
のハイブリダイゼーシヨン生成物として生じたポ
リヌクレオチド二重鎖構造を直接検出し、これに
よつて一方または他方のポリヌクレオチドの化学
標識を省略しようという方法は、一般に成功しな
かつた。また1本鎖のDNAに優先して2本鎖の
DNA/DNA雑種と選択的に結合するような抗体
を作り出そうという試みは失敗に終つた。
〔ParkerおよびHalloran,“Nucleic Acids in
Immunology”,PlesciaおよびBraun,Springer
−Verlag編集、NY(1969年)p.18以下参照〕一
方RNA/DNAの混合雑種(ハイブリツド)と結
合し、1本鎖のポリヌクレオチドに対する親和性
が小さい抗体を作るのに成功した事例もいくつか
ある。〔Rudkin and Stollar,Nature265:472
(1977);Stuart他、PNAS(USA)78:3751
(1981);ReddyおよびSofor,Biochem.
Biophys,Res.Commun.103:959(1981);およ
びNakazato,Biochem.19:2835(1980)〕。しか
しながら、これらの方法の感度は、臨床上のハイ
ブリダイゼーシヨン試験に必要な水準には達して
おらず、従つて全く不安定なことがよく知られて
いるRNAプローブを用いなければならないであ
ろう。 従つてポリヌクレオチドの化学修飾を必要とし
ない、または比較的簡単な標識方法を包含するハ
イブリダイゼーシヨン検出法に対する確固たる必
要性があつた。その上この方法は種々の標識:特
に非放射性同位体型の標識の使用を可能にしなけ
ればならない。このような利点を有する核酸のハ
イブリダイゼーシヨン分析法および試薬システム
を開発することが本発明の主な目的である。 アメリカ特許第4257774号は、核酸と相互に作
用する種々の化合物、特に、突然変異原または発
ガン物質となり得ると考えられる化合物を、かか
る化合物がアクリジンオレンジのような挿入物
(intercalator)が核酸と結合するのを阻止する
能力を測定することによつて、検出する方法につ
いて述べている。またPoirier,M.C.他〔(1982)
PNAS79:6443〜6447〕は遊離のシス白金化合物
および2本鎖のDNAに優先して、ある種のシス
白金/2本鎖DNA複合体に対して選択的な単ク
ローン抗体の製造について記している。 発明の要約 核酸のハイブリダイゼーシヨン分析において、
標本(サンプル)の核酸とプローブとの間に生ず
るハイブリダイゼーシヨンは、交雑(hybridize)
したプローブと合体して生成する挿入物複合体と
結合し得る抗体またはその適切な結合断片によつ
て、うまい具合いに検出できることが今回見出さ
れた。これは要するに、交雑したプローブおよび
挿入複合体の形で2本鎖核酸と結合した核酸挿入
化合物を含むハイブリダイゼーシヨンの集塊また
は生成物を作ることによつて、1本鎖の核酸を含
む試験媒体中の特定のポリヌクレオチドの塩基配
列が検出される。この抗体またはその断片は、次
にハイブリダイゼーシヨン集塊中の挿入複合体を
検出するのに用いられる。 分析手段として核酸のハイブリダイゼーシヨン
を用いるのは、根本的にはDNAの2本鎖二重構
造に基いている。2本鎖DNAのそれぞれの鎖の
プリンおよびピリミジン塩基間の水素結合は、可
逆的にこわすことができる。このDNAの融解
(melting)または変性によつて生ずるDNAの二
つの相補的1本鎖は、合体(リアニーリングまた
はハイブリダイゼーシヨンともいう。)して再び
二重構造を作る。当業者によく知られているよう
に、第二の1本鎖核酸に対して充分に相補的(即
ち「相同的」)な塩基を含む第一の1本鎖核酸
(DNAまたはRNA)が、適当な溶液状態におい
て第二の1本鎖の核酸に接触すると、それぞれ場
合に応じて、DNA/DNA,RNA/DNA、また
はRNA/RNAの雑種(ハイブリツド)が生ず
る。 本発明は、ハイブリダイゼーシヨンの部位また
は側面(flanking)部位に、2本鎖の核酸の免疫
原的修飾を誘発させることによつて、生成した雑
種の検出を可能にする。できた生成物は、次に、
特異的な抗体が、ハイブリダイゼーシヨン生成物
上に生じたエピトープ(epitope)または抗原決
定子と結合するという事実に基いた在来の分析方
式によつて検出することができる。2本鎖核酸の
必要な免疫原的修飾は、主として一つの分子、通
常低分子量の化合物を二重構造(duplex)に結
合させることによつて行なわれる。このような結
合によつて、1本鎖の核酸および遊離して結合し
ていないモデイフアイアー(modifier)分子から
2本鎖の核酸を区別する抗原決定子が作られる。
好ましくはこの操作は、1本鎖の核酸とは実質的
に結合できず、また二重構造の相補鎖の正常なら
せん状の関係を変える、2本鎖核酸との結合複合
体を作るモデイフアイアー化合物を用いてなされ
る。ここに述べるようなモデイフアイアー分子
は、塩基対間の非共有結合的挿入によつて、正常
の核酸らせん体と優先的に相互に作用する核酸挿
入物である。この好ましい相互作用においては、
そのような挿入のために、らせん体の三次元構造
は、ねじれの戻りおよびらせん軸方向の伸長によ
つて変化する。この好ましい挿入の相互作用の概
要図は第1図(Fig.1)に示してある。生成した
挿入複合体の特長は、挿入されたモデイフアイア
ー化合物、および二重構造の各々の鎖の再配列し
たリン酸ジエステラーゼの背骨を包含していると
考えられる新らしく生成した抗原決定子を有して
いることである。 挿入化合物は、2本鎖の核酸と挿入複合体を形
成することが知られている一般に平らな芳香族有
機分子の一つであることが好ましい。このような
化合物の例としては、後でさらに詳しく述べるよ
うに、アクリジンオレンジのようなアクリジン色
素類、エチジウムのようなフエナンスリジン類、
フエナジン類、フロクマリン類、フエノチアジン
類、キノリン類その他がある。所で本発明は以下
においては特にこのような挿入化合物に関して記
述してあるが、本発明は前述したように、2本鎖
の核酸と結合して、二重構造中に免疫原的変化を
誘発するような同等のモデイフアイアー分子の使
用をも意図していることを明確に理解すべきであ
る。 本発明によれば、挿入物(intercalator)は試
験媒体(被検媒体)と混合することができ、その
ために、別個の遊離化合物として、ハイブリダイ
ゼーシヨン反応混合物中に存在するか及び/又は
形成される2本鎖核酸にさらされ、このような2
本鎖核酸と非共有結合的に結合して挿入複合体を
形成する。また一方で、挿入物は化学結合、好ま
しくは共有結合によつて、検出用プローブと適切
に結合していてもよい。前者の場合は、本発明は
ハイブリダイゼーシヨンを検出するために、サン
プルまたは検出用プローブのヌクレオチドを化学
修飾する必要もなく、ハイブリダイゼーシヨン分
析を行なう方法を提供する。また後者の場合で
は、光反応性の挿入物を用いることによつて、ポ
リヌクレオチドまたはハイブリダイゼーシヨン集
合体に標識をつける簡単で合成上、直接的な手段
が提供される。 すべての実施態様において本発明は、抗体が、
生成した集合体中の挿入複合体と、結合するとい
う事実に基いて、ハイブリダイゼーシヨンを検出
する極めて用途が広くて感度が高く、また特異的
な方法を提供する。勿論後でもつと詳しく述べる
ように、抗体の適当な断片や多官能形態を用いる
ことができ、またこの開示で使用される抗体とい
う用語は、別に特記しない限り、その断片形態お
よび多官能形態をも同様に意味することが理解さ
れるであろう。挿入複合体に対する抗体の結合の
測定は、色々な在来の方法で行なうことができ、
好ましくは酵素活性基、ケイ光物質
(fluorescer)、ルミネセンス化学物質
(luminescer)、特異的結合性配位子(リガン
ド)、または放射性同位体のような検出可能な化
学基で標識を付した抗体を使用することによつて
行われる。 この発明はすべての再来のハイブリダイゼーシ
ヨン分析形式に適用でき、また一般に2本鎖の核
酸からなるハイブリダイゼーシヨン生成物または
集合体の生成を基礎として可能などんな形式にも
適用できる。特に本発明の独特な検出方式は、溶
液および固相のハイブリダイゼーシヨン形式(後
者の場合は、サンプルまたは検出用プローブの核
酸の固定化を伴う形式、およびサンドイツチ形式
を含む。)に用いることができる。 本発明により生成するハイブリダイゼーシヨン
生成物または集合体は、交雑したプローブおよび
挿入複合体(intercalation)の形で2本鎖核酸
と、結合した挿入物を包含している。この挿入複
合体は、サンプルと検出用プローブとのハイブリ
ダイゼーシヨンによつて生じた2本鎖の領域を包
含してもよい。またはその代りに、このような2
本鎖の領域は、検出用プローブ自体に包含されて
もよく、そのような場合は、分析に検出用プロー
ブを用いる前に付加的に挿入してもよい。従つて
検出可能な挿入複合体は、分析中にその場で生ず
るか、または試験媒体に与えられた検出用プロー
ブの試薬中に存在しても構わない。また挿入複合
体は、挿入された二重体の鎖の一方または両方と
化学的に結合してもよい。ハイブリダイゼーシヨ
ン生成物が結局の所、本発明の基底をなす抗体結
合現象によつて検出できる挿入複合体を包含して
いるならば、一般にどんな変法に従つてもよい。 このように、本発明は有利な核酸ハイブリダイ
ゼーシヨンの方法および試薬システムを提供する
ものである。また挿入複合体と、結合し得る新規
な抗体試薬も提供される。さらに本発明は、特定
のポリヌクレオチド配列の検出以外に、挿入物お
よび抗−(挿入複合体)抗体を加え、抗体結合を
測定することによつて、2本鎖の核酸を検出する
一般的方法を提供する。 本発明の長所は多大で、この発明は極めて種々
の非放射性検出法に利用できる。その上核酸の標
識付けは直接的で、また容易に合成される試薬を
用いる。挿入物で標識をつけるには、高価なポリ
メラーゼを必要とせず、また挿入物の標識密度は
容易に調節することができる。ある好適な実施態
様は、それ以外の利点を有する。挿入物−核酸複
合体がその場(in situ)で生ずるような実施態
様では、複合体をあらかじめ合成しておく必要が
ないので、この解決法は、検出用プローブを固体
の担体に固定化し、サンプルの核酸を含む溶液に
浸すような形式に用いることができる。挿入物が
核酸と共有結合している実施態様では、製造過程
中に挿入物が検出用試料と結合し、その結果、飽
和の程度が抑制される。この方法はまた使用者が
挿入剤(その多くは潜在的に危険である。)にさ
らされるのを最小限にくいとめる。 好適な実施態様の説明 挿入物 前述のように、挿入化合物は、通常塩基対の間
に挿入することによつて、例えばDNA/DNA、
DNA/RNA、またはRNA/RNA二重体のよう
な2本鎖核酸と結合し得る好ましくは低分子量で
平らな、普通は芳香族だが、時には多環式の分子
である。その主な結合機構は、通常は非共有結合
であるが挿入物が、挿入された二重鎖の一方また
は両方にある隣り合つた化学基と共有結合を作る
ような反応性に富む、または活性化され得る化学
基を有する場合は、共有結合は第2段階として起
る。挿入を行なつた結果は、隣接する塩基対がそ
の正常の分離距離の約2倍迄伸び、そのために二
重体の分子の長さが増加する。また挿入物を収容
するために、二重らせんは約12〜36度ねじれが戻
らなければならない。一般的論評およびそれ以外
の情報は下記のものから得られる。 Lerman,J.Mol.Biol.3:18(1961); Bloomfield et al,“Physical Chemistry of
Nucleic Acids”,Chapter 7,pp.429−476,
Harper and Rowe,NY(1974);Waring,
Nature 219:1320(1968);Hartmann et al,
Angew.Chem.,Engl.Ed.7:693(1968);
Lippard,Accts.Chem.Res.11:211(1978);
Wilson,Intercalation Chemistry(1982),445;
and Berman et al,Ann.Rev.Biophys.
Bioeng.10:87(1981). 本発明では色々の挿入剤を用いることができ
る。下表に、このような挿入剤のいくつかの分類
と特殊な化合物の例を示す。
の検出に用いる核酸ハイブリダイゼーシヨン分析
法、および試薬システムに関する。核酸ハイブリ
ダイゼーシヨン分析の原理は、目的とする特異的
なポリヌクレオチドの塩基配列を決定分離する手
段として、組換えDNAの分野の研究者達によつ
て開発された。DNAやRNAの2本鎖の形状を変
性させて得られるようなDNAやRNAの如き1本
鎖の核酸は、適当な条件下では、相補的な1本鎖
の核酸と交雑または組換えを行うことが分つた。
このような相補的検出用プローブに、何か容易に
検出できる化学基で標識をつけることによつて、
1本鎖の形状をした標本(サンプル)核酸を含む
試験媒体中の対象とするいかなるポリヌクレオチ
ド配列の存在をも検出することが可能となつた。 組換えDNAの分野以外に、この分析用ハイブ
リダイゼーシヨンの技法は、中でも人間医学、獣
医学、農業および食物科学の分野における重要な
ポリヌクレオチドの検出に応用できる。特にこの
技法は、バクテリアやウイルスのような病因とな
るものの検出や確認、耐抗生物質性を目的とした
バクテリアのスクリーニング、鎌状赤血球貧血や
サラセミアのような遺伝性の障害の治療の補佐
役、およびガン細胞の検出に用いることができ
る。この技法並びにその現在および将来の重要性
に関する一般的論評は、Biotechnology(1983年
8月号)のp471〜478に載つている。 2 先行技術の説明 従来の核酸ハイブリダイゼーシヨン分析法は、
標識を付けて検出するために、検出用プローブと
なる核酸、または標本(サンプル)となる核酸を
化学的に修飾する操作を包含している。この方法
は、分析使用者が、標識を付けたサンプル核酸を
合成したり精製したりする複雑で金のかかる操
作、または、その場での合成操作を包含する大規
模な標識プローブを作る必要があるので、核酸を
化学的に修飾する必要上、この方法の実際の使用
は厳しく制約される。特に標識を付した生成ポリ
ヌクレオチドは、その相補的サンプルまたはプロ
ーブ塩基配列と効率的に交雑する能力を保持して
いなければならない。このような要件によつて、
ハイブリダイゼーシヨン分析に用いることを目的
としたポリヌクレオチドの標識修飾に関する有用
な合成法の利用価値が、厳しく制限される。 初期のハイブリダイゼーシヨン技法では、3H,
32P,125Iのような放射性標識の使用を必要として
いた。標識を付したプローブは、ニツクトランス
レーシヨン、末端標識(end labeling)、第2鎖
合成(second strand synthesis)、逆転写および
転写のような方法によつて、放射性標識を付した
ヌクレオチドと一つのポリヌクレオチドから、酵
素作用で合成される。従つてこのような酵素法の
もう一つの要件は、修飾したまたは標識を付した
ヌクレオチドが、標識を付したポリヌクレオチド
のアセンブリに包含されるポリメラーゼ酵素の有
効な基質として役立たねばならぬことである。ポ
リヌクレオチドを直接化学修飾することも可能で
あるが、このような方法は、ポリヌクレオチドに
標識を組み込むについてかなり効率がわるく、ま
たポリヌクレオチドがハイブリダイゼーシヨンを
受ける能力に悪影響を与える。 放射性標識を付した物質の取扱いや貯蔵が不便
なために、有用な非放射性同位体の標識をつける
研究方法を開発すべく、かなりの努力が続けられ
て来た。このような標識としては、ケイ光物質や
化学ルミネセンス物質のような発光分子、および
相補(counterpart)バインダー(こちらの方も
ケイ光物質や酵素のような検出可能の化学基の標
識をつけてある。)と特異的に結合し得る配位子
分子(リガンド)があつた。リガンド標識の例と
しては、抗体と特異的に結合するハプテン、およ
びアビジンと結合するビチオンのように、それに
対して特異的に結合する蛋白が存在するその他の
低分子物質がある。 イギリス特許第2019408号は、シトクロームC
の結合基を介してビオチンで標識を付し、このよ
うにして、酵素標識したアビジンによつて検出で
きるポリヌクレオチドプローブについて述べてい
る。またビチオンのような低分子量のリガンドで
プローブに標識をつける別のやり方が、ヨーロツ
パ特許出願第63879号に記されている。この方法
では、5−アリルアミン−デオキシウリジン三リ
ン酸塩(dUTB)誘導体を所望のリガンド標識と
縮合させ、このようにして修飾されたヌクレオチ
ドは、標準的な酵素法によつて、所望のプローブ
に組みこまれる。発行標識を使用することは、ヨ
ーロツパ特許出願第70685号および第70687号が示
唆している。ハイブリダイゼーシヨン分析に関す
るその他の特許文献の代表的なものは、固相上で
ハイブリダイゼーシヨンを促進するための、ある
種の水溶性多糖類の使用に関するアメリカ特許第
4302204号、臨床標本中の病原体の検出に関する
第4358535号、および合成オリゴヌクレオチドプ
ローブを用いた鎌状赤血球貧血の検出に関する第
4395486号である。 サンプルおよびプローブのポリヌクレオチド間
のハイブリダイゼーシヨン生成物として生じたポ
リヌクレオチド二重鎖構造を直接検出し、これに
よつて一方または他方のポリヌクレオチドの化学
標識を省略しようという方法は、一般に成功しな
かつた。また1本鎖のDNAに優先して2本鎖の
DNA/DNA雑種と選択的に結合するような抗体
を作り出そうという試みは失敗に終つた。
〔ParkerおよびHalloran,“Nucleic Acids in
Immunology”,PlesciaおよびBraun,Springer
−Verlag編集、NY(1969年)p.18以下参照〕一
方RNA/DNAの混合雑種(ハイブリツド)と結
合し、1本鎖のポリヌクレオチドに対する親和性
が小さい抗体を作るのに成功した事例もいくつか
ある。〔Rudkin and Stollar,Nature265:472
(1977);Stuart他、PNAS(USA)78:3751
(1981);ReddyおよびSofor,Biochem.
Biophys,Res.Commun.103:959(1981);およ
びNakazato,Biochem.19:2835(1980)〕。しか
しながら、これらの方法の感度は、臨床上のハイ
ブリダイゼーシヨン試験に必要な水準には達して
おらず、従つて全く不安定なことがよく知られて
いるRNAプローブを用いなければならないであ
ろう。 従つてポリヌクレオチドの化学修飾を必要とし
ない、または比較的簡単な標識方法を包含するハ
イブリダイゼーシヨン検出法に対する確固たる必
要性があつた。その上この方法は種々の標識:特
に非放射性同位体型の標識の使用を可能にしなけ
ればならない。このような利点を有する核酸のハ
イブリダイゼーシヨン分析法および試薬システム
を開発することが本発明の主な目的である。 アメリカ特許第4257774号は、核酸と相互に作
用する種々の化合物、特に、突然変異原または発
ガン物質となり得ると考えられる化合物を、かか
る化合物がアクリジンオレンジのような挿入物
(intercalator)が核酸と結合するのを阻止する
能力を測定することによつて、検出する方法につ
いて述べている。またPoirier,M.C.他〔(1982)
PNAS79:6443〜6447〕は遊離のシス白金化合物
および2本鎖のDNAに優先して、ある種のシス
白金/2本鎖DNA複合体に対して選択的な単ク
ローン抗体の製造について記している。 発明の要約 核酸のハイブリダイゼーシヨン分析において、
標本(サンプル)の核酸とプローブとの間に生ず
るハイブリダイゼーシヨンは、交雑(hybridize)
したプローブと合体して生成する挿入物複合体と
結合し得る抗体またはその適切な結合断片によつ
て、うまい具合いに検出できることが今回見出さ
れた。これは要するに、交雑したプローブおよび
挿入複合体の形で2本鎖核酸と結合した核酸挿入
化合物を含むハイブリダイゼーシヨンの集塊また
は生成物を作ることによつて、1本鎖の核酸を含
む試験媒体中の特定のポリヌクレオチドの塩基配
列が検出される。この抗体またはその断片は、次
にハイブリダイゼーシヨン集塊中の挿入複合体を
検出するのに用いられる。 分析手段として核酸のハイブリダイゼーシヨン
を用いるのは、根本的にはDNAの2本鎖二重構
造に基いている。2本鎖DNAのそれぞれの鎖の
プリンおよびピリミジン塩基間の水素結合は、可
逆的にこわすことができる。このDNAの融解
(melting)または変性によつて生ずるDNAの二
つの相補的1本鎖は、合体(リアニーリングまた
はハイブリダイゼーシヨンともいう。)して再び
二重構造を作る。当業者によく知られているよう
に、第二の1本鎖核酸に対して充分に相補的(即
ち「相同的」)な塩基を含む第一の1本鎖核酸
(DNAまたはRNA)が、適当な溶液状態におい
て第二の1本鎖の核酸に接触すると、それぞれ場
合に応じて、DNA/DNA,RNA/DNA、また
はRNA/RNAの雑種(ハイブリツド)が生ず
る。 本発明は、ハイブリダイゼーシヨンの部位また
は側面(flanking)部位に、2本鎖の核酸の免疫
原的修飾を誘発させることによつて、生成した雑
種の検出を可能にする。できた生成物は、次に、
特異的な抗体が、ハイブリダイゼーシヨン生成物
上に生じたエピトープ(epitope)または抗原決
定子と結合するという事実に基いた在来の分析方
式によつて検出することができる。2本鎖核酸の
必要な免疫原的修飾は、主として一つの分子、通
常低分子量の化合物を二重構造(duplex)に結
合させることによつて行なわれる。このような結
合によつて、1本鎖の核酸および遊離して結合し
ていないモデイフアイアー(modifier)分子から
2本鎖の核酸を区別する抗原決定子が作られる。
好ましくはこの操作は、1本鎖の核酸とは実質的
に結合できず、また二重構造の相補鎖の正常なら
せん状の関係を変える、2本鎖核酸との結合複合
体を作るモデイフアイアー化合物を用いてなされ
る。ここに述べるようなモデイフアイアー分子
は、塩基対間の非共有結合的挿入によつて、正常
の核酸らせん体と優先的に相互に作用する核酸挿
入物である。この好ましい相互作用においては、
そのような挿入のために、らせん体の三次元構造
は、ねじれの戻りおよびらせん軸方向の伸長によ
つて変化する。この好ましい挿入の相互作用の概
要図は第1図(Fig.1)に示してある。生成した
挿入複合体の特長は、挿入されたモデイフアイア
ー化合物、および二重構造の各々の鎖の再配列し
たリン酸ジエステラーゼの背骨を包含していると
考えられる新らしく生成した抗原決定子を有して
いることである。 挿入化合物は、2本鎖の核酸と挿入複合体を形
成することが知られている一般に平らな芳香族有
機分子の一つであることが好ましい。このような
化合物の例としては、後でさらに詳しく述べるよ
うに、アクリジンオレンジのようなアクリジン色
素類、エチジウムのようなフエナンスリジン類、
フエナジン類、フロクマリン類、フエノチアジン
類、キノリン類その他がある。所で本発明は以下
においては特にこのような挿入化合物に関して記
述してあるが、本発明は前述したように、2本鎖
の核酸と結合して、二重構造中に免疫原的変化を
誘発するような同等のモデイフアイアー分子の使
用をも意図していることを明確に理解すべきであ
る。 本発明によれば、挿入物(intercalator)は試
験媒体(被検媒体)と混合することができ、その
ために、別個の遊離化合物として、ハイブリダイ
ゼーシヨン反応混合物中に存在するか及び/又は
形成される2本鎖核酸にさらされ、このような2
本鎖核酸と非共有結合的に結合して挿入複合体を
形成する。また一方で、挿入物は化学結合、好ま
しくは共有結合によつて、検出用プローブと適切
に結合していてもよい。前者の場合は、本発明は
ハイブリダイゼーシヨンを検出するために、サン
プルまたは検出用プローブのヌクレオチドを化学
修飾する必要もなく、ハイブリダイゼーシヨン分
析を行なう方法を提供する。また後者の場合で
は、光反応性の挿入物を用いることによつて、ポ
リヌクレオチドまたはハイブリダイゼーシヨン集
合体に標識をつける簡単で合成上、直接的な手段
が提供される。 すべての実施態様において本発明は、抗体が、
生成した集合体中の挿入複合体と、結合するとい
う事実に基いて、ハイブリダイゼーシヨンを検出
する極めて用途が広くて感度が高く、また特異的
な方法を提供する。勿論後でもつと詳しく述べる
ように、抗体の適当な断片や多官能形態を用いる
ことができ、またこの開示で使用される抗体とい
う用語は、別に特記しない限り、その断片形態お
よび多官能形態をも同様に意味することが理解さ
れるであろう。挿入複合体に対する抗体の結合の
測定は、色々な在来の方法で行なうことができ、
好ましくは酵素活性基、ケイ光物質
(fluorescer)、ルミネセンス化学物質
(luminescer)、特異的結合性配位子(リガン
ド)、または放射性同位体のような検出可能な化
学基で標識を付した抗体を使用することによつて
行われる。 この発明はすべての再来のハイブリダイゼーシ
ヨン分析形式に適用でき、また一般に2本鎖の核
酸からなるハイブリダイゼーシヨン生成物または
集合体の生成を基礎として可能などんな形式にも
適用できる。特に本発明の独特な検出方式は、溶
液および固相のハイブリダイゼーシヨン形式(後
者の場合は、サンプルまたは検出用プローブの核
酸の固定化を伴う形式、およびサンドイツチ形式
を含む。)に用いることができる。 本発明により生成するハイブリダイゼーシヨン
生成物または集合体は、交雑したプローブおよび
挿入複合体(intercalation)の形で2本鎖核酸
と、結合した挿入物を包含している。この挿入複
合体は、サンプルと検出用プローブとのハイブリ
ダイゼーシヨンによつて生じた2本鎖の領域を包
含してもよい。またはその代りに、このような2
本鎖の領域は、検出用プローブ自体に包含されて
もよく、そのような場合は、分析に検出用プロー
ブを用いる前に付加的に挿入してもよい。従つて
検出可能な挿入複合体は、分析中にその場で生ず
るか、または試験媒体に与えられた検出用プロー
ブの試薬中に存在しても構わない。また挿入複合
体は、挿入された二重体の鎖の一方または両方と
化学的に結合してもよい。ハイブリダイゼーシヨ
ン生成物が結局の所、本発明の基底をなす抗体結
合現象によつて検出できる挿入複合体を包含して
いるならば、一般にどんな変法に従つてもよい。 このように、本発明は有利な核酸ハイブリダイ
ゼーシヨンの方法および試薬システムを提供する
ものである。また挿入複合体と、結合し得る新規
な抗体試薬も提供される。さらに本発明は、特定
のポリヌクレオチド配列の検出以外に、挿入物お
よび抗−(挿入複合体)抗体を加え、抗体結合を
測定することによつて、2本鎖の核酸を検出する
一般的方法を提供する。 本発明の長所は多大で、この発明は極めて種々
の非放射性検出法に利用できる。その上核酸の標
識付けは直接的で、また容易に合成される試薬を
用いる。挿入物で標識をつけるには、高価なポリ
メラーゼを必要とせず、また挿入物の標識密度は
容易に調節することができる。ある好適な実施態
様は、それ以外の利点を有する。挿入物−核酸複
合体がその場(in situ)で生ずるような実施態
様では、複合体をあらかじめ合成しておく必要が
ないので、この解決法は、検出用プローブを固体
の担体に固定化し、サンプルの核酸を含む溶液に
浸すような形式に用いることができる。挿入物が
核酸と共有結合している実施態様では、製造過程
中に挿入物が検出用試料と結合し、その結果、飽
和の程度が抑制される。この方法はまた使用者が
挿入剤(その多くは潜在的に危険である。)にさ
らされるのを最小限にくいとめる。 好適な実施態様の説明 挿入物 前述のように、挿入化合物は、通常塩基対の間
に挿入することによつて、例えばDNA/DNA、
DNA/RNA、またはRNA/RNA二重体のよう
な2本鎖核酸と結合し得る好ましくは低分子量で
平らな、普通は芳香族だが、時には多環式の分子
である。その主な結合機構は、通常は非共有結合
であるが挿入物が、挿入された二重鎖の一方また
は両方にある隣り合つた化学基と共有結合を作る
ような反応性に富む、または活性化され得る化学
基を有する場合は、共有結合は第2段階として起
る。挿入を行なつた結果は、隣接する塩基対がそ
の正常の分離距離の約2倍迄伸び、そのために二
重体の分子の長さが増加する。また挿入物を収容
するために、二重らせんは約12〜36度ねじれが戻
らなければならない。一般的論評およびそれ以外
の情報は下記のものから得られる。 Lerman,J.Mol.Biol.3:18(1961); Bloomfield et al,“Physical Chemistry of
Nucleic Acids”,Chapter 7,pp.429−476,
Harper and Rowe,NY(1974);Waring,
Nature 219:1320(1968);Hartmann et al,
Angew.Chem.,Engl.Ed.7:693(1968);
Lippard,Accts.Chem.Res.11:211(1978);
Wilson,Intercalation Chemistry(1982),445;
and Berman et al,Ann.Rev.Biophys.
Bioeng.10:87(1981). 本発明では色々の挿入剤を用いることができ
る。下表に、このような挿入剤のいくつかの分類
と特殊な化合物の例を示す。
【表】
【表】
【表】
レン
20mMのトリス−(ヒドロキシメチル)アミノ
メタン(トリス−HC)、200mMの塩化ナトリ
ウム(NaC)、PH8.0のような適当な緩衝液中
に、約1mMのDNA塩基対および0.5mMの8−ア
ジドエチジウムを含む溶液の光分解によつて、エ
チジウムはM13−10の2本鎖領域に共有結合的に
結合する。光分解は150ワツトの戸外用スポツト
ライトを用い、光源から5〜20cmはなれた所で攪
拌反応をさせて行なわれる。光分解反応が過熱し
ないように、またすべての短波長(即ち300nm未
満)の放射を防止するために、光分解反応は温度
調節装置を備えた水循環装置に接続したガラスの
水浴で囲う。適当なインキユベーシヨン時間(例
えば60分)後、等容積の水飽和n−ブタノールを
用いた一連の、例えば10回連続の抽出によつて、
DNAに共有結合的に結合しないエチジウム基を
除く。さらに8−アジドエチジウムを加え(最終
濃度は0.4mMの範囲)、光分解と抽出の手順をく
り返す。DNAと合体したエチジウムの量は、光
分解したエチジウムアジドについてはε4904×
103M-1cm-1の消衰係数、光分解してDNAと結合
したエチジウムについてはA260とA490の関係式
〔A260=(A490×3.4)−0.011〕、また標識されてい
る所定のDNAのDNA塩基対の濃度については
ε2601.32×104M-1cm-1の消衰係数を用いて算定
する。試薬の2本鎖領域中のDNAの各2対の塩
基に対して、一つのエチジウム部分が存在するよ
うに、試薬をエチジウムで飽和させることが好ま
しい。希望する標識密度が得られる迄、光分解反
応と抽出をくり返す。 B サンドイツチハイブリダイゼーシヨン形式に
用いるアデノウイルス試料の調製 サンドイツチハイブリダイゼーシヨン形式につ
いては、次の文献に記されている。即ちDunn
and Hassell(1977)Cell 12:23;Dunn and
Sambrook(1980)Methods in Enzymology
65:468,Ranki et al(1983)Gene 21:77;
Ranki et al(1983)Curr.Topics in
Microbiology and Immunol.104:307−310。 この方法は二つの核酸プローブを必要とし、そ
の各々はサンプル中の試験されている核酸の独特
の領域に対して相補的になつている。プローブの
一方は固体担体上に固定化され、他方は何らかの
方法で標識され、また最初はサンプルの核酸と共
に溶液中にある。これらを、それぞれ、固相プロ
ーブおよび溶液相プローブと呼ぶことにする。 固相および溶液相プローブは、Rankiその他
〔(1980)Gene 21:77−85〕が述べているよう
に、アデノウイルス2型(Ad2)から得たDNA
の制限エンドヌクレアーゼ分解物から作る。固体
相のプローブは、pBR322ベクター中に挿入され
たAd2 DNAのBamHIの断片CまたはD〔Tooze
(1980)“The Molecular Biology of Tumor
Viruses”(2nd ed)Part 2:DNA Tumor
Viruses,Cold Spring Harbor Laboratory,
Cold Spring Harbor,NY,pp.933−934〕から
成つている。これらのプローブにはそれぞれ
pkTH1201およびpkTH1202の記号がつけられ
た。溶液相のプローブは、断片がM13mp 7の
BamHI制限エンドヌクレアーゼ部位にシヨツク
ガンクローニングされているpkTH1201の
BamHIおよびBglII制限エンドヌクレアーゼ分解
物から成つている。〔Messingその他(1981)
Nuc.Acids Res.9:309〕挿入物(インサート)
としてAd2Cの断片を含む修飾M13mp7を
mkTH2306と呼ぶ。 溶液プローブmkTH1206は、上の第−A部
に述べたようにして一部2本鎖とし、その2本鎖
領域は、同じく上の第−A部に記したように、
挿入剤(例えばエチジウム)で標識する。 C HCMVプローブの調製 ヒトの唾液腺ウイルス(HCMV)の細胞株
AD169から得たEcoRI制限エンドヌクレアーゼの
O断片〔Tamashiroその他(1982)J.Virol.,
May,547〜556;Chou and Merigan(1983)
New Engl.J.of Med.308:921〕を、Tamashiro
その他が述べたように、E.coli細胞株HB 101を
DNA感染させるのに用いるpBR322の誘導体
pACYC184中にクローニングする。挿入物(イ
ンサート)を有するpACYC184において増殖精
製後、制限エンドヌクレアーゼEcoRIでプラスミ
ドを分解し、標準手順〔Maniatisその他(1982)
“Molecular Cloning”,Cold Spring Harbor
Laboratory,Cold Spring Harbor,NY〕に従
い、0.8%のアガロースゲル中で調製用電気泳動
によつて、HCMVのO断片6.8kbを精製する。 D 挿入物(intercalator)で標識したHCMV試
料の調製 上記I−Cから得た精製2本鎖O断片を、次に
上のI−Aに述べたように、光によた変化するエ
チジウム誘導体8−アジドエチジウムがを用い
て、エチジウムで共有結合的に標識する。 E 挿入複合体免疫原の調製 皮下注射針を繰返し通して、子ウシの胸腺また
は鮭精子のDNAを切り取り、S1ヌクレアーゼで
処理して1本鎖領域を除き〔Maniatis(1982)
“Molecular Cloning”,Cold Spring Harbor
Laboratory,Cold Spring Harbor,NY〕多数
の標準方法の中のどれか一つの方法(例えばエタ
ノール沈澱、ゲル排除クロマトグラフイー、また
はイオン交換クロマトグラフイー)を用いて、生
成するヌクレオチドから分離する。 次に上のI−Aで述べたように、精製した2本
鎖DNAを光分解によつて、光変化性のエチジウ
ム誘導体8−アジドエチジウムに共有的に結合さ
せる。カルボン酸残基をメチル化して担体蛋白質
を作り、次にPoirierその他〔(1982)PNAS79:
6443〕が述べているように、挿入物で標識した
DNAと結合させて、静電気的に合体した核酸−
蛋白質複合体を形成せしめる。 F 挿入複合体に対する多クローン性抗血清の調
製 文献〔Stollar(1980)Methods in
Enzymology 70:70〕に述べてある固定化法お
よび計画を用いて、ウサギの中に挿入物−DNA
複合体に対する多クローン性抗血清を誘発させ
る。例えばLangeその他〔(1976)Clin,Exp.
Immunol.25:191〕;Pisetskyその他〔(1981)J.
Immun.Methods 41:187〕が述べたように、単
クローン性抗体に用いられるのと同じような固相
分析で抗血清をスクリーニングする。最初のスク
リーニング規準は、挿入物−DNA複合体に対す
る結合であろう。 抗体を含む抗血清のIgG部分は、硫酸アンモニ
ウム沈澱、次にDEAEセルロースを用いたクロマ
トグラフイー〔Livingston(1974)Methods in
Enzymology 34:723〕によつて他の血清蛋白質
から単離する。 この抗血清のIgG部分は、さらにDNA−挿入
物複合体を固定化させた樹脂を含むカラムを用い
たアフイニテイークロマトグラフイーによつて精
製する。〔Stollar(1980)Methods in
Enzymology 70:70〕IgG部分をカラムに作用さ
せた後、洗浄によつて非特異的に結合した蛋白質
を除き、冷所で特異抗体を2Mの酢酸で溶離させ
る〔Stollar(1980)同書〕。 ハイブリダイゼー
シヨン分析に使えるかどうかを決定するために、
精製した抗体をさらに充分スクリーニングする。
抗体は高い親和性(好ましくはKA1010M-1)で
挿入物−DNA複合体と結合しなければならない。
遊離の挿入物または1本鎖DNAと交差反応をす
ることは許されないが、分析形式によつては抗体
のある程度の交差反応は許される。 G 挿入複合体に対する単クローン性抗体の調製 上記のようにして調製した挿入物−DNA免疫
原を用い、標準的な手順〔Galfre and Milstein
(1981)Methods in Enzym.73:1〕に従つて挿
入物−DNA複合体に対するマウスの単クローン
性抗体が得られる。文献〔例えばLangeその他
(1976)Clin Exp.Immunol.25:191;Pisctskyそ
の他(1981)J.Immun.Methods 41:187〕に記
されてある方法の変法を用いて、単クローン性抗
体をスクリーニングする。DNA−挿入物複合体
を検出する分析で使用できるようになるために
は、単クローン性抗体は高い親和性(好ましくは
KA1010M-1)でDNA−挿入物複合体と結合し
なければならないが、1本鎖のDNAまたは遊離
の挿入剤とは結合できない。分析の形式によつて
は、2本鎖DNAとの交差反応は許されるであろ
う。 マウスの単クローン性抗体は2段階の手順で精
製される。10mMのトリス−HC、0.15Mの
NaC、PH8.0で平衡にしたAffi−Gel Blue
Resin(Bio−Rad Laboratories,Richmond,
CA)のカラムに、稀釈しない腹水体液を作用さ
せ、同じ緩衝液で溶離させる。この手順によつて
アルブミンは除かれてカラムに保持される。精製
の最後の段階はDEAE−Sepharose(Pharmacia
Fine Chemicals,Piscataway,NJ)による処
理で、10mMのトリス−HC、PH8.0から10mM
のトリス−HC、200mMのNaC迄の線形
(直線)勾配(linear gradient)で溶離させる。
この操作によつて、アルブミンやトランスフエリ
ンのような汚染性の血清蛋白質を含まない、精製
されたマウスの単クローン性抗体が得られる。 H β−ガラクトシダーゼ−抗体接合体の調製 β−ガラクトシダーゼ(30000単位、等級、
Sigma ChemicalCo.,St Louis,MOから市販
されている。)を0.1MのN−2−ヒドロキシエチ
ルピペラジン−N′−2−エタンスルホン酸
(HEPES)、0.09MのNaC、PH7.0から成る緩衝
液2mlに溶解した。これによつて、1.84ml中に
37.7mgの蛋白質(70nmol)を含むβ−ガラクト
シダーゼ溶液が得られた。この溶液にジチオトレ
イトール(DTT)3.5μmol(50倍モル過剰)を加
え、混合物を室温で4時間放置した。 上記のHEPES/NaC緩衝液を溶離液として
用い、この混合物をSepharose 6B・C樹脂
(Pharmacia Fine Chemicals,Piscataway,
NJ)の2.5×80cmカラムを用いたクロマトグラフ
イーによつて、DTTを酵素溶液から除いた。全
体積が15mlになるように、蛋白質を含む画分をプ
ールした。E1%280=20.9〔Worthington Enzyme
Manual(1977),Worthington Biochemical
Corporation,Freehold,NJ,p,195〕を用い
て、β−ガラクトシダーゼの濃度は、9.62mg/ml
と測定された。また酵素上の水硫基の数は、
Ellmanの試薬〔Ellman(1959)Arch.Biochem.
Biophys,82:70〕を用いて、11.0と測定され
た。代表例としてこの報告書はβ−ガラクトシダ
ーゼ1分子について、9〜15個の遊離の水硫基を
与える。 β−ガラクトシダーゼを抗体に結合させるため
に、異種二価性(heterobifunotional)結合試
薬、スクシンイミジル−4−(N−マレイミドメ
チル)シクロヘキサン−1−カルボキシラート
(SMCC,Pierce Chemical Co.,Rockford,IL
から得られる。)を用いた。この結合試薬は、ア
ミノ基と結合するために、水硫基の部分およびN
−ヒドロキシスクシンイミドエステルと選択的に
反応するマレイミド基を含んでいる。結合の手順
は2段階から成つている。即ちSMCCと抗体のア
ミノ基を反応させ、次にマレイミド部分をβ−ガ
ラクトシダーゼの水硫基と反応させることによつ
て、その抗体誘導体をβ−ガラクトシダーゼに結
合させる。 SMCC5.3mgを無水N,N−ジメチルホルムア
ミド(DMF)250μにとかした。この溶液中の
反応性のあるマレイミド基の真の濃度は、既知量
のグルタチオンと反応させ、次にEllmanの試薬
(前記)を用いてグルタチオンの水硫基を定量す
ることによつて測定した。例えばHEPES/
0.015M NaC緩衝液で、40μのDMF溶液を3
mlにうすめ、次にこのSMCC水溶液25μを
HEPES/NaC緩衝液825μおよび1mMグル
タチオン100μと混合した。室温で15分間放置
後、Ellmanの試薬(前記)および適当な標準法
を用いて、反応しないグルタチオンの量を測定し
た。(即ち反応しないグルタチオンおよびグルタ
チオンを加えない対照)各SMCC溶液について数
回測定を行ない、その結果を平均した。この報告
書は、上記のようにして作つたSMCCのDMF溶
液中の反応性のあるマレイミド基は、52mMであ
ることを示している。 マウスの単クローン性抗体6.0mg(40μmol)
を、最終容積が533μのHEPES/0.15M NaC
にとかした400μmolのSMCCと混合し、30℃で1
時間反応させた。次に反応混合物をBio−Gel p
−2樹脂(Bio−Rad Laboratories,
Richmond,CA)の1×24cmカラムに作用させ、
HEPES/0.15M NaCで溶離させた。蛋白質を
含む全画分をプールし、Sedmack and
Grossbergの方法〔Anal.Biochem.79:544
(1977)〕を用いて蛋白質濃度を測定し、また上述
のようにしてマレイミド基の数を測定した。これ
らの測定の結果、抗体の濃度は1.98mg/mlで、1
〜2マレイミド/抗体分子であることが分つた。 抗体−マレイミド接合体28mgをDTTで処理し
たβ−ガラクトシダーゼ10mgと混合し(最終容積
2.45μ)、室温で4時間反応させた。次にこの混
合物をSepharose 6B・C((Pharmacia,
Piscataway,NJ)の2.5×80cmカラムに作用さ
せ、4℃でHEPES/0.15M NaCで溶離させ
た。流量は4ml/時で3mlの画分を集めた。各画
分について、β−ガラクトシダーゼの活性と抗体
結合能力を分析した。画分39〜42は両方の特性を
有しているのでこれをプールした。 J ビオチン標識した抗体の調製 文献〔Oi et al(1982),J.Cell,Biol.93:
981;Heitzmann et al(1974)Proc.Natl.Acad.
Sci.USA 71:3537;Green(1975)Adv.Protein
Chem.29:85〕に記述されている方法を用い、精
製した抗血清をビオチンのN−ヒドロキシスクシ
ンイミドエステル(Sigma Chemical Co.,St.
Louis,MOまたはBiosearch,San Rafael,CA
から市販されている。)で処理する。 K 放射能標識した抗体の調製 文献に示されている手順に従つて、精製した抗
体に放射能標識する。放射性ヨウ素化は、
Bolton and Hunterの報告書〔Biochem.J.133:
529(1973)〕に従つて、抗体と125Iで標識した3
−(4−ヒドロキシフエニル)プロピオン酸N−
ヒドロキシスクシンイミドエステル(New
England Nuclear,Boston,MAから市販され
ている。)と反応させることによつて達成される。
こうする代りに、抗体画分を二価性のキレート試
薬と共有結合的にカツプリングさせ(Yehその他
(1979)Anal.Biochem.100:152〕、次に適当な放
射性金属イオンで標識してもよい。この後者の方
法は、抗体画分の貯蔵寿命が放射性同位元素の半
減期によつて制限されないという利点を有する。 L アルカリホスフアターゼ−ビオチン−アビジ
ン複合体の調製 アルカリ性ホスフアターゼ−ビオチン−アビジ
ン複合体は、Learyその他〔Proc.Natl.Acad.Sci.
USA80:4045(1983)〕が記述しているようにし
て作られる。即ち子ウシの腸のアルカリホスフア
ターゼを先づスベリン酸ジスクシミジルと反応さ
せて架橋させ、次にビオチニル−ε−アミノカプ
ロン酸のヒドロキシスクシンイミドエステルと結
合させる。精製後、アルカリホスフアターゼ−ビ
オチン複合体を少しモル過剰のアビジンと化合さ
せて、アルカリ性ホスフアターゼ−ビオチン複合
体をアビジン(アビジンの1分子について四つの
ビオチン結合部位を有する。)で標識する。この
最後の手順では、アビジンまたはアビジンの細菌
性類似体ステプトアブジン〔Hofmannその他
(1980)Proc.Natl.Acad.Sci.USA77:4666〜
4668;Bathesda Research Laboratories,
Gaithersburg,MDから市販されている。〕を使
用することができる。 アルカリホスフアターゼ−ビオチン−アビジン
複合体に用いられる検出システムは、Learyその
他(前記)が述べているように、ニトロブル−テ
トラゾリウムおよび5−ブロモ−4−クロロ−3
−インドリルリン酸塩から成つている。 方法 A 尿中のグラム陰性細菌の検出−〔タイプ1の
方法〕 共有結合的に挿入された2本鎖領域を有する
tufA試料を用い、酵素標識した抗体で検知す
る固相、固定化サンプルハイブリダイゼーシヨ
ン分析(第2図参照) E.coliから得たtufAの配列は非常に保存性がよ
いので、尿サンプル中のグラム陰性細菌の存在の
検出に用いることができる。臨床用の尿の標本
を、小さな遠心力(例えばSorvall GLC−3遠心
分離機を用いて8000rpm)で短時間(例えば5
分)遠心分離して清澄にする。上清中の細菌細胞
を溶解させ、高温(65℃)で10分間、尿のサンプ
ルを0.5Mにすることにより、細菌のゲノムを変
性させる。こうする代りに尿を90℃に加熱してこ
の温度に10分間保つてもよい。溶解変性後、等容
積の20×SSPE(3.6M NaC,0.2MNa3PO4,
20mM EDTA,PH7.7)で稀釈中和する。次にこ
の尿標本を直ちに軽度の真空でニトロセルロース
膜で過する。この固定化された細菌DNAを、
次に80℃で2時間真空中で焼いてニトロセルロー
ス膜に固定する。固定化されたサンプルDNAを
含むフイルターを、プリハイブリダイゼーシヨン
溶液〔0.1%(W/V)各々5×SSPEに溶かした
Ficell(Pharmacia)、ポリビニルピロリドンおよ
びBSA100〜200μg/ml 変性非対応DNA〕と
65℃で1〜3時間処理する。フイルター1cm2につ
いて、50〜100μのプリハイブリダイゼーシヨ
ン溶液を用いる。プリハイブリダイゼーシヨン処
理後、−Aで述べたようにして作つたエチジウ
ム標識したプローブをプリハイブリダイゼーシヨ
ン溶液に加えて、ハイブリダイゼーシヨンを起さ
せる。(1〜72時間)上記の操作はすべて次の文
献に記されている標準的な方法である。
〔Maniatisその他(1982)“Molecular Cloning”,
Cold Spring Harbor Laboratory,Cold
Spring Harbor,NY〕。 ハイブリダイゼーシヨン後、フイルターを洗つ
て過剰のDNA試料を除く。次に挿入物−DNA複
合体に対するβ−ガラクトシダーゼ標識抗体を含
む溶液にフイルターを浸し、5分〜12時間培養す
る。洗浄によつて過剰の抗体を除き、酵素のケイ
光発生原(fluorogenic)基質(例えば4−メチ
ルウンベリフエロンβ−ガラクトシド)を加え、
暫くしてからケイ光の強度を測定して、フイルタ
ーと合体したβ−ガラクトシダーゼを定量する。
存在する酵素の量は極めて少ない傾向があるの
で、ケイ光発生原基質は、β−ガラクトシダーゼ
のミハエリス定数(Km)よりも高いかまたは等
しい濃度で加える。ハイブリダイゼーシヨンを定
量できるように、一定量のプローブをフイルター
に固定化させた標準試験を、同時に行なうことが
できる。 B アデノウイルスの検出−〔タイプ2の方法〕 共有結合的に挿入された2本鎖領域を有し、
標識されたプローブを用い、酵素標識した抗体
で探知するサンドイツチハイブリダイゼーシヨ
ン分析(第3図参照) この方法は臨床標本中のアデノウイルス2型
(Ad2)DNA検出のために、Rankiその他が述べ
ているサンドイツチハイブリダイゼーシヨン分析
に基いたものである。〔Ranki et al(1983)Gene
21:77;Ranki et al(1983)Current Topics in
Microbiology and Immunology 104,Springer
−Verlag,NY p.307〕。固相試料pKTH1202(上
の第−B部参照)を変性、ニツク(nick)し、
ニトロセルロースのフイルターに固定化させる。
固定(80℃で2時間真空中で焼く。)後、フイル
ターをプリハイブリダイゼーシヨン溶液で1時間
65℃で処理する。臨床サンプルから得たDNA、
および挿入物標識した溶液ハイブリダイゼーシヨ
ンプローブmkTH1206(上の第−B部で述べた
ようにして作る。)をプリハイブリダイゼーシヨ
ン溶液に加え、プローブとサンプルDNAとのハ
イブリダイゼーシヨンを1〜72時間起させる。ハ
イブリダイゼーシヨン後、過剰の溶液プローブ
(mkTH1206)を洗浄して除く。 上の−Bで概設したようにして、挿入物−
DNA複合体に対するβ−ガラクトシダーゼ標識
した抗体を用いて、ハイブリダイゼーシヨンの程
度を定量する。 C 尿中のヒトの唾液腺ウイルス(サイトメガロ
ウイルスの検出(方法タイプ3) 固相で固定化したプローブを用い、ビオチン
標識した抗体おらび酵素標識したアビジンで探
知するハイブリダイゼーシヨン分析(第4図参
照) この方法は臨床用の尿サンプル中のヒトの唾液
腺ウイルス(HCMV)の検出に用いられる。精
製試料(上の−Cで述べたようなHCMV細胞
株AD169のEcoRIのO断片)を90℃で10分間熱し
て変性させ、氷上で急冷(再結合を防ぐため)
し、等容の20×SSPE(3.6MNaC、0.2MNa3
PO4.20mM EDTA,PH7.7)と混合する。次に
標準手順を用い、1本鎖のDNA試料を固定化し、
ニトロセルロース膜に固定する。次にこの膜をプ
リハイブリダイゼーシヨン溶液(異種DNAを含
まないものが好ましい。)と処理する。使用でき
るプリハイブリダイゼーシヨン溶液の1例につい
ては、New England NuclearがそのGene
Screen(商標)膜について述べており、この溶液
は1%のSDS、1MNaC、および10%の硫酸デ
キストランから成つている。この検出方式の最後
の段階における抗体の非特異的結合を防ぐため
に、プリハイブリダイゼーシヨン溶液にBSAを
含ませることが望ましいだろう。 試験に供する臨床用の尿サンプルは、Chouお
よびMerigan〔New Engl.J.Med,308:921
(1983)〕が述べているのと同じような方法で作
る。遠心分離によつてサンプルを清澄にし、
HCMVフアージ粒子を濃縮した後、この粒子を
極めて小容量の0.5MNaOHに再び懸濁させ、15
分間放置する。極めて小容量の20×SSPEで中和
後、1%のSDS、1M NaC、10%の硫酸デキ
ストランおよび100μg/mlの変性した鮭の精子
のDNA中においたフイルターに変性した臨床用
サンプルを加える。65℃で1〜72時間ハイブリダ
イゼーシヨンを行なわせ、次に2×SSPE中でフ
イルターを洗う。 選択された挿入剤(例えばミリモル以下の濃度
の臭化エチジウム)を含む極小容量の溶液にフイ
ルターを浸し、次にDNA−挿入剤複合体に対す
るビオチニル化した抗体(上記の−J)を加え
て結合させる。(1〜24時間)そして過剰の抗体
を洗浄して除く。状況によつては、2本鎖DNA
を飽和状態に保つておくために、挿入剤をこの洗
浄段階にいれておく必要があるだろう。 次にストレプトアビジン−ビオチン−アルカリ
ホスフアターゼ複合体(上の第−L部)を加
え、Wardその他〔Proc.Natl.Acad.Sci.USA
80:4045(1983)〕が述べているように、DNAと
合体したビオチニル化抗体と結合させる。過剰の
アルカリホスフアターゼ接合体を洗い流した後、
Ward(前記)が述べているように、アルカリホ
スフアターゼの比色基質を加えて、フイルターと
合体した接合体の存在を測定する。これは臨床用
尿標本中のHCMV DNAの存在を直接測定する
方法である。 D 尿中のヒトの唾液腺ウイルスの検出(タイプ
4の方法) 固相で、挿入剤で標識し固定した試料を用
い、挿入剤複合体の抗体に対する放射能標識し
たもう一つの抗体で探知するハイブリダイゼー
シヨン分析(第5図参照) この方法は、プローブが既に挿入剤で標識さ
れ、検出方式の最後の段階で、同位元素で標識し
たもう一つの抗体を必要とする点を除いては、上
記−Cの方法と同様である。 上の−Cの方法について述べたように、プロ
ーブ、即ちエチジウムで標識したHCMVの
EcoRI断片O(上の第−D部で記したようにし
て作る。)を変性固定化させ、ニトロセルロース
担体に固定する。上記−Cで記述したように
(但し遊離の挿入剤を加える必要はない。)ウイル
スのDNAを尿のサンプルから単離、変性させ、
固定化したプローブと交雑させる。 交雑したDNAでフイルターを洗つた後、挿入
剤−DNA複合体に対する過剰のマウス単クロー
ン性抗体(上記−G参照)を加え、交雑した
DNA−挿入剤複合体と結合させる。(30分〜6時
間)洗浄して過剰のマウス抗体を除き、放射能標
識した過剰のウサギの抗(マウスIgG)(−K)
を加える。30分〜6時間インキユベート後、洗浄
して再び過剰の抗体を除去する。オートラジオグ
ラフイーまたはガンマー計数によつて、ハイブリ
ダイゼーシヨンを定量する。 挿入複合体の抗原姓の証明 A 共有結合性エチジウム−DNA複合体の調製 約250mgの鮭の精子DNA(Sigma Chemical
Co.,St.Louis,MO)を50mMのNaC40mlに
溶かし、23ゲージの注射針に5回通して切断す
る。切断したDNAを250mlのフラスコにいれ、
160mlの緩衝液を加えて稀釈する。1mlについて
200000単位のS1−ヌクレアーゼ(Pharmacia P
−L Biochemicals,Piscataway,NJ)145μ
を加え、この混合物を37℃で50分インキユベー
トする。 次に反応混合物をフエノール:クロロホルムで
2回、クロロホルムで1回抽出し、エタノールで
2回DNAを沈澱させる。〔Maniatisその他
(1982)“Molecular Cloning”,Cold Spring
Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor
NY〕最後の沈澱物を20mMのトリスHC緩衝
液(PH8.0)70mlに溶かす。 このDNAを次の条件下で8−アジドエチジウ
ムと反応させる。即ち反応混合物は、2.7mg
DNA/mlを33ml、4.95mMの8−アジドエチジ
ウム13.5ml、0.2Mトリス−HC緩衝剤(PH8.0,
0.2M NaC)13.5mlおよび水76mlを用いて調製
する。22℃に保つた水套を有する250mlビーカー
にこの混合物を入れ、攪拌して10cmの距離から
150ワツトのスポツトライトを60分照射する。同
じ反応混合物について、この光分解をくり返す。 光分解した反応混合物を一緒にして、20mMト
リスHC緩衝液(PH8.0,0.2M NaC)で飽和
した等容のn−ブタノールで10回抽出し、抽出し
たDNA溶液を23mlの4.95mM8−アジドエチジウ
ムおよび77mlの20mMトリスHC緩衝液(PH
8.0,0.2M NaC)と混ぜる。この溶液を水套
を備えたビーカー中で攪拌し、90分間光分解す
る。反応生成物を前述のようにして緩衝液で飽和
したブタノールで10回抽出し、エタノールで
DNAを沈澱させる。沈澱物を10mMのトリス−
HC緩衝液(PH8.0,1mM EDTA)に溶かし、
260および490nmにおける吸光度を記録する。上
の実施例1Aで述べたようにして計算した結果、
DNAの4.5塩基対について、一つのエチジウム残
基が組みこまれていることが分つた。 B メチル化チログロブリンの調製 100mgのウシのチログロブリン(Sigma
Chemical Co.,St.Louis MO)を10mlの無水メ
タノール、および2.55MのHCを溶かした400μ
のメタノールと混合する。この混合物を室温で
5日間回転ミキサーで攪拌する。遠心分離して沈
澱物を集め、メタノールで2回、エタノールで2
回洗浄する。次にこれを真空で一夜乾燥すると、
約82mgの乾燥粉末が得られる。 C 共有結合したエチジウム−DNA−メチル化
チログロブリン複合体の調製 55mgのメチル化チログロブリンを10mlの水に溶
かし、これに2.2mg/mlの共有結合したエチジウ
ムDNA溶液11.3mlを加えると、直ちに沈澱が生
ずるのでこの懸濁液を5.0mlの1.5M NaCと24.6
mlの水でうすめる。 D ウサギの免疫感作 2.5mlの共有結合したエチジウム−DNAメチル
化チロブロブリン複合体、2.5mlの0.15M生理的
食塩水および5.0mlの完全フロインドアジユバン
ドから成る混合液2mlを、ニユージーランドシロ
ウサギの4箇所の皮下部位に注射する。3週間
後、不完全フロインドアジユバントを用いて同じ
ように免疫感作を施し、続いて4週間間隔で、さ
らに免疫感作を行う。最初の免疫感作後14週間た
つてから、抗血清を調製するために血液を集め
る。 E エチジウム−DNAに対する抗体の力価測定 共有結合するエチジウム−DNAに対する抗血
清は、酵素標識免疫吸着分析(enzyme label
immunosorbant assay)によつて力価が測定さ
れる。即ちポリスチレンの微量滴定装置
(microtiter)のプレートのウエル(well)にポ
リヌクレオチドを吸着させ、次にウサギの抗体を
結合させる。最後にペルオキシダーゼで標識した
ヤギの抗ウサギIgGで抗体を検出する。 15mMのクエン酸ソーダ(PH7.0,0.15M NaC
)に溶かして、1mlについて5μgのポリヌク
レオチドを含む溶液の50μ分別量を、
mmulon 微量滴定装置のプレート
(Dynatek,Alexandria,VA)のウエルにいれ、
室温で2時間ゆつくり振とうする。次にウエルを
空にし、10mMのリン酸ソーダ緩衝液(PH7.4,
0.15M NaC)、0.5%のウシ血清アルブミン、
および0.5%のTween 20(PBS/BSA/Tween)
で洗浄する。 ウサギの抗血清を10mMのリン酸ソーダ(PH
7.4,0.15MのNaC)、0.5%のBSAにいれてう
すめ、その50μの分別量をウエルにいれて30分
間放置する。PBS/BSA/Tweenで3回ウエル
を洗浄する。ヤギ−抗ウサギIgG(Cappel
Laboratories.Cochranville,PA)と共有結合し
たペルオキシターゼを、10mMのリン酸ソーダ
(PH7.4,0.15M NaC)、0.5%BSAにいれて500
倍にうすめ、各ウエルに50μの分別量を加え
る。この溶液をウエルにいれたまゝ室温で30分間
放置してから、ウエルをPBS/BSA/Tweenで
3回洗浄する。 100μMの臭化エチジウムを非共有結合性のエ
チジウム−DNA複合体を含むウエルの稀釈され
た抗血清、およびエチジウム対照試験のウエルに
いれる。これらのウエルを処理するための上記の
すべての洗浄溶液と試薬は、100μMのエチジウ
ムを含んでいる。 ペルオキシダーゼの基質溶液は下記のもので調
製する。 20mg o−フエニレンジアミン 5ml 0.5MNaHPO4 12ml 0.1Mクエン酸ソーダ 13ml 水 20μ 30%過酸化水素 ウエル毎に75μの基質溶液を加え、室温で10
分間反応させる。2.5Mの硫酸50μを加えて反応
を押さえ、次にArtekのmodel 210マイクロリッ
トルプレート光度計(Dynatek.Alexandria,
VA)で488nmにおける吸光度を記録する。対照
として正常なウサギ血清を用い、ウサギの抗血清
について述べたと同じようにして処理する。 F 結果 A表に結果が示してあるが、これより対照とな
るウサギ血清中の抗体は、被覆(塗布)したまた
は被覆(塗布)しないウエルのどれともかなりの
程度で結合しないことが分る。これは1本鎖
DNAに対する抗体の力価が小さいものと思われ
る。 共有結合性のエチジウム−DNAに対する抗血
清は、共有結合性のエチジウム−DNAに対して
極めて高い力価を有する。これらの抗体の一部
は、恐らくリボースリン酸塩の鎖と共有結合して
いるエチジウム残基と結合しているのであろう。
この結論は、非共有結合性エチジウム−DNA複
合体に対する力価がずつと小さい(A表参照)と
いう観察結果に基いている。 これらの結果は、抗体が生来の1本鎖または2
本鎖の核酸と甚しくは交差反応しないエチジウム
−DNA挿入複合体にまで増大され得ることを証
明している。
メタン(トリス−HC)、200mMの塩化ナトリ
ウム(NaC)、PH8.0のような適当な緩衝液中
に、約1mMのDNA塩基対および0.5mMの8−ア
ジドエチジウムを含む溶液の光分解によつて、エ
チジウムはM13−10の2本鎖領域に共有結合的に
結合する。光分解は150ワツトの戸外用スポツト
ライトを用い、光源から5〜20cmはなれた所で攪
拌反応をさせて行なわれる。光分解反応が過熱し
ないように、またすべての短波長(即ち300nm未
満)の放射を防止するために、光分解反応は温度
調節装置を備えた水循環装置に接続したガラスの
水浴で囲う。適当なインキユベーシヨン時間(例
えば60分)後、等容積の水飽和n−ブタノールを
用いた一連の、例えば10回連続の抽出によつて、
DNAに共有結合的に結合しないエチジウム基を
除く。さらに8−アジドエチジウムを加え(最終
濃度は0.4mMの範囲)、光分解と抽出の手順をく
り返す。DNAと合体したエチジウムの量は、光
分解したエチジウムアジドについてはε4904×
103M-1cm-1の消衰係数、光分解してDNAと結合
したエチジウムについてはA260とA490の関係式
〔A260=(A490×3.4)−0.011〕、また標識されてい
る所定のDNAのDNA塩基対の濃度については
ε2601.32×104M-1cm-1の消衰係数を用いて算定
する。試薬の2本鎖領域中のDNAの各2対の塩
基に対して、一つのエチジウム部分が存在するよ
うに、試薬をエチジウムで飽和させることが好ま
しい。希望する標識密度が得られる迄、光分解反
応と抽出をくり返す。 B サンドイツチハイブリダイゼーシヨン形式に
用いるアデノウイルス試料の調製 サンドイツチハイブリダイゼーシヨン形式につ
いては、次の文献に記されている。即ちDunn
and Hassell(1977)Cell 12:23;Dunn and
Sambrook(1980)Methods in Enzymology
65:468,Ranki et al(1983)Gene 21:77;
Ranki et al(1983)Curr.Topics in
Microbiology and Immunol.104:307−310。 この方法は二つの核酸プローブを必要とし、そ
の各々はサンプル中の試験されている核酸の独特
の領域に対して相補的になつている。プローブの
一方は固体担体上に固定化され、他方は何らかの
方法で標識され、また最初はサンプルの核酸と共
に溶液中にある。これらを、それぞれ、固相プロ
ーブおよび溶液相プローブと呼ぶことにする。 固相および溶液相プローブは、Rankiその他
〔(1980)Gene 21:77−85〕が述べているよう
に、アデノウイルス2型(Ad2)から得たDNA
の制限エンドヌクレアーゼ分解物から作る。固体
相のプローブは、pBR322ベクター中に挿入され
たAd2 DNAのBamHIの断片CまたはD〔Tooze
(1980)“The Molecular Biology of Tumor
Viruses”(2nd ed)Part 2:DNA Tumor
Viruses,Cold Spring Harbor Laboratory,
Cold Spring Harbor,NY,pp.933−934〕から
成つている。これらのプローブにはそれぞれ
pkTH1201およびpkTH1202の記号がつけられ
た。溶液相のプローブは、断片がM13mp 7の
BamHI制限エンドヌクレアーゼ部位にシヨツク
ガンクローニングされているpkTH1201の
BamHIおよびBglII制限エンドヌクレアーゼ分解
物から成つている。〔Messingその他(1981)
Nuc.Acids Res.9:309〕挿入物(インサート)
としてAd2Cの断片を含む修飾M13mp7を
mkTH2306と呼ぶ。 溶液プローブmkTH1206は、上の第−A部
に述べたようにして一部2本鎖とし、その2本鎖
領域は、同じく上の第−A部に記したように、
挿入剤(例えばエチジウム)で標識する。 C HCMVプローブの調製 ヒトの唾液腺ウイルス(HCMV)の細胞株
AD169から得たEcoRI制限エンドヌクレアーゼの
O断片〔Tamashiroその他(1982)J.Virol.,
May,547〜556;Chou and Merigan(1983)
New Engl.J.of Med.308:921〕を、Tamashiro
その他が述べたように、E.coli細胞株HB 101を
DNA感染させるのに用いるpBR322の誘導体
pACYC184中にクローニングする。挿入物(イ
ンサート)を有するpACYC184において増殖精
製後、制限エンドヌクレアーゼEcoRIでプラスミ
ドを分解し、標準手順〔Maniatisその他(1982)
“Molecular Cloning”,Cold Spring Harbor
Laboratory,Cold Spring Harbor,NY〕に従
い、0.8%のアガロースゲル中で調製用電気泳動
によつて、HCMVのO断片6.8kbを精製する。 D 挿入物(intercalator)で標識したHCMV試
料の調製 上記I−Cから得た精製2本鎖O断片を、次に
上のI−Aに述べたように、光によた変化するエ
チジウム誘導体8−アジドエチジウムがを用い
て、エチジウムで共有結合的に標識する。 E 挿入複合体免疫原の調製 皮下注射針を繰返し通して、子ウシの胸腺また
は鮭精子のDNAを切り取り、S1ヌクレアーゼで
処理して1本鎖領域を除き〔Maniatis(1982)
“Molecular Cloning”,Cold Spring Harbor
Laboratory,Cold Spring Harbor,NY〕多数
の標準方法の中のどれか一つの方法(例えばエタ
ノール沈澱、ゲル排除クロマトグラフイー、また
はイオン交換クロマトグラフイー)を用いて、生
成するヌクレオチドから分離する。 次に上のI−Aで述べたように、精製した2本
鎖DNAを光分解によつて、光変化性のエチジウ
ム誘導体8−アジドエチジウムに共有的に結合さ
せる。カルボン酸残基をメチル化して担体蛋白質
を作り、次にPoirierその他〔(1982)PNAS79:
6443〕が述べているように、挿入物で標識した
DNAと結合させて、静電気的に合体した核酸−
蛋白質複合体を形成せしめる。 F 挿入複合体に対する多クローン性抗血清の調
製 文献〔Stollar(1980)Methods in
Enzymology 70:70〕に述べてある固定化法お
よび計画を用いて、ウサギの中に挿入物−DNA
複合体に対する多クローン性抗血清を誘発させ
る。例えばLangeその他〔(1976)Clin,Exp.
Immunol.25:191〕;Pisetskyその他〔(1981)J.
Immun.Methods 41:187〕が述べたように、単
クローン性抗体に用いられるのと同じような固相
分析で抗血清をスクリーニングする。最初のスク
リーニング規準は、挿入物−DNA複合体に対す
る結合であろう。 抗体を含む抗血清のIgG部分は、硫酸アンモニ
ウム沈澱、次にDEAEセルロースを用いたクロマ
トグラフイー〔Livingston(1974)Methods in
Enzymology 34:723〕によつて他の血清蛋白質
から単離する。 この抗血清のIgG部分は、さらにDNA−挿入
物複合体を固定化させた樹脂を含むカラムを用い
たアフイニテイークロマトグラフイーによつて精
製する。〔Stollar(1980)Methods in
Enzymology 70:70〕IgG部分をカラムに作用さ
せた後、洗浄によつて非特異的に結合した蛋白質
を除き、冷所で特異抗体を2Mの酢酸で溶離させ
る〔Stollar(1980)同書〕。 ハイブリダイゼー
シヨン分析に使えるかどうかを決定するために、
精製した抗体をさらに充分スクリーニングする。
抗体は高い親和性(好ましくはKA1010M-1)で
挿入物−DNA複合体と結合しなければならない。
遊離の挿入物または1本鎖DNAと交差反応をす
ることは許されないが、分析形式によつては抗体
のある程度の交差反応は許される。 G 挿入複合体に対する単クローン性抗体の調製 上記のようにして調製した挿入物−DNA免疫
原を用い、標準的な手順〔Galfre and Milstein
(1981)Methods in Enzym.73:1〕に従つて挿
入物−DNA複合体に対するマウスの単クローン
性抗体が得られる。文献〔例えばLangeその他
(1976)Clin Exp.Immunol.25:191;Pisctskyそ
の他(1981)J.Immun.Methods 41:187〕に記
されてある方法の変法を用いて、単クローン性抗
体をスクリーニングする。DNA−挿入物複合体
を検出する分析で使用できるようになるために
は、単クローン性抗体は高い親和性(好ましくは
KA1010M-1)でDNA−挿入物複合体と結合し
なければならないが、1本鎖のDNAまたは遊離
の挿入剤とは結合できない。分析の形式によつて
は、2本鎖DNAとの交差反応は許されるであろ
う。 マウスの単クローン性抗体は2段階の手順で精
製される。10mMのトリス−HC、0.15Mの
NaC、PH8.0で平衡にしたAffi−Gel Blue
Resin(Bio−Rad Laboratories,Richmond,
CA)のカラムに、稀釈しない腹水体液を作用さ
せ、同じ緩衝液で溶離させる。この手順によつて
アルブミンは除かれてカラムに保持される。精製
の最後の段階はDEAE−Sepharose(Pharmacia
Fine Chemicals,Piscataway,NJ)による処
理で、10mMのトリス−HC、PH8.0から10mM
のトリス−HC、200mMのNaC迄の線形
(直線)勾配(linear gradient)で溶離させる。
この操作によつて、アルブミンやトランスフエリ
ンのような汚染性の血清蛋白質を含まない、精製
されたマウスの単クローン性抗体が得られる。 H β−ガラクトシダーゼ−抗体接合体の調製 β−ガラクトシダーゼ(30000単位、等級、
Sigma ChemicalCo.,St Louis,MOから市販
されている。)を0.1MのN−2−ヒドロキシエチ
ルピペラジン−N′−2−エタンスルホン酸
(HEPES)、0.09MのNaC、PH7.0から成る緩衝
液2mlに溶解した。これによつて、1.84ml中に
37.7mgの蛋白質(70nmol)を含むβ−ガラクト
シダーゼ溶液が得られた。この溶液にジチオトレ
イトール(DTT)3.5μmol(50倍モル過剰)を加
え、混合物を室温で4時間放置した。 上記のHEPES/NaC緩衝液を溶離液として
用い、この混合物をSepharose 6B・C樹脂
(Pharmacia Fine Chemicals,Piscataway,
NJ)の2.5×80cmカラムを用いたクロマトグラフ
イーによつて、DTTを酵素溶液から除いた。全
体積が15mlになるように、蛋白質を含む画分をプ
ールした。E1%280=20.9〔Worthington Enzyme
Manual(1977),Worthington Biochemical
Corporation,Freehold,NJ,p,195〕を用い
て、β−ガラクトシダーゼの濃度は、9.62mg/ml
と測定された。また酵素上の水硫基の数は、
Ellmanの試薬〔Ellman(1959)Arch.Biochem.
Biophys,82:70〕を用いて、11.0と測定され
た。代表例としてこの報告書はβ−ガラクトシダ
ーゼ1分子について、9〜15個の遊離の水硫基を
与える。 β−ガラクトシダーゼを抗体に結合させるため
に、異種二価性(heterobifunotional)結合試
薬、スクシンイミジル−4−(N−マレイミドメ
チル)シクロヘキサン−1−カルボキシラート
(SMCC,Pierce Chemical Co.,Rockford,IL
から得られる。)を用いた。この結合試薬は、ア
ミノ基と結合するために、水硫基の部分およびN
−ヒドロキシスクシンイミドエステルと選択的に
反応するマレイミド基を含んでいる。結合の手順
は2段階から成つている。即ちSMCCと抗体のア
ミノ基を反応させ、次にマレイミド部分をβ−ガ
ラクトシダーゼの水硫基と反応させることによつ
て、その抗体誘導体をβ−ガラクトシダーゼに結
合させる。 SMCC5.3mgを無水N,N−ジメチルホルムア
ミド(DMF)250μにとかした。この溶液中の
反応性のあるマレイミド基の真の濃度は、既知量
のグルタチオンと反応させ、次にEllmanの試薬
(前記)を用いてグルタチオンの水硫基を定量す
ることによつて測定した。例えばHEPES/
0.015M NaC緩衝液で、40μのDMF溶液を3
mlにうすめ、次にこのSMCC水溶液25μを
HEPES/NaC緩衝液825μおよび1mMグル
タチオン100μと混合した。室温で15分間放置
後、Ellmanの試薬(前記)および適当な標準法
を用いて、反応しないグルタチオンの量を測定し
た。(即ち反応しないグルタチオンおよびグルタ
チオンを加えない対照)各SMCC溶液について数
回測定を行ない、その結果を平均した。この報告
書は、上記のようにして作つたSMCCのDMF溶
液中の反応性のあるマレイミド基は、52mMであ
ることを示している。 マウスの単クローン性抗体6.0mg(40μmol)
を、最終容積が533μのHEPES/0.15M NaC
にとかした400μmolのSMCCと混合し、30℃で1
時間反応させた。次に反応混合物をBio−Gel p
−2樹脂(Bio−Rad Laboratories,
Richmond,CA)の1×24cmカラムに作用させ、
HEPES/0.15M NaCで溶離させた。蛋白質を
含む全画分をプールし、Sedmack and
Grossbergの方法〔Anal.Biochem.79:544
(1977)〕を用いて蛋白質濃度を測定し、また上述
のようにしてマレイミド基の数を測定した。これ
らの測定の結果、抗体の濃度は1.98mg/mlで、1
〜2マレイミド/抗体分子であることが分つた。 抗体−マレイミド接合体28mgをDTTで処理し
たβ−ガラクトシダーゼ10mgと混合し(最終容積
2.45μ)、室温で4時間反応させた。次にこの混
合物をSepharose 6B・C((Pharmacia,
Piscataway,NJ)の2.5×80cmカラムに作用さ
せ、4℃でHEPES/0.15M NaCで溶離させ
た。流量は4ml/時で3mlの画分を集めた。各画
分について、β−ガラクトシダーゼの活性と抗体
結合能力を分析した。画分39〜42は両方の特性を
有しているのでこれをプールした。 J ビオチン標識した抗体の調製 文献〔Oi et al(1982),J.Cell,Biol.93:
981;Heitzmann et al(1974)Proc.Natl.Acad.
Sci.USA 71:3537;Green(1975)Adv.Protein
Chem.29:85〕に記述されている方法を用い、精
製した抗血清をビオチンのN−ヒドロキシスクシ
ンイミドエステル(Sigma Chemical Co.,St.
Louis,MOまたはBiosearch,San Rafael,CA
から市販されている。)で処理する。 K 放射能標識した抗体の調製 文献に示されている手順に従つて、精製した抗
体に放射能標識する。放射性ヨウ素化は、
Bolton and Hunterの報告書〔Biochem.J.133:
529(1973)〕に従つて、抗体と125Iで標識した3
−(4−ヒドロキシフエニル)プロピオン酸N−
ヒドロキシスクシンイミドエステル(New
England Nuclear,Boston,MAから市販され
ている。)と反応させることによつて達成される。
こうする代りに、抗体画分を二価性のキレート試
薬と共有結合的にカツプリングさせ(Yehその他
(1979)Anal.Biochem.100:152〕、次に適当な放
射性金属イオンで標識してもよい。この後者の方
法は、抗体画分の貯蔵寿命が放射性同位元素の半
減期によつて制限されないという利点を有する。 L アルカリホスフアターゼ−ビオチン−アビジ
ン複合体の調製 アルカリ性ホスフアターゼ−ビオチン−アビジ
ン複合体は、Learyその他〔Proc.Natl.Acad.Sci.
USA80:4045(1983)〕が記述しているようにし
て作られる。即ち子ウシの腸のアルカリホスフア
ターゼを先づスベリン酸ジスクシミジルと反応さ
せて架橋させ、次にビオチニル−ε−アミノカプ
ロン酸のヒドロキシスクシンイミドエステルと結
合させる。精製後、アルカリホスフアターゼ−ビ
オチン複合体を少しモル過剰のアビジンと化合さ
せて、アルカリ性ホスフアターゼ−ビオチン複合
体をアビジン(アビジンの1分子について四つの
ビオチン結合部位を有する。)で標識する。この
最後の手順では、アビジンまたはアビジンの細菌
性類似体ステプトアブジン〔Hofmannその他
(1980)Proc.Natl.Acad.Sci.USA77:4666〜
4668;Bathesda Research Laboratories,
Gaithersburg,MDから市販されている。〕を使
用することができる。 アルカリホスフアターゼ−ビオチン−アビジン
複合体に用いられる検出システムは、Learyその
他(前記)が述べているように、ニトロブル−テ
トラゾリウムおよび5−ブロモ−4−クロロ−3
−インドリルリン酸塩から成つている。 方法 A 尿中のグラム陰性細菌の検出−〔タイプ1の
方法〕 共有結合的に挿入された2本鎖領域を有する
tufA試料を用い、酵素標識した抗体で検知す
る固相、固定化サンプルハイブリダイゼーシヨ
ン分析(第2図参照) E.coliから得たtufAの配列は非常に保存性がよ
いので、尿サンプル中のグラム陰性細菌の存在の
検出に用いることができる。臨床用の尿の標本
を、小さな遠心力(例えばSorvall GLC−3遠心
分離機を用いて8000rpm)で短時間(例えば5
分)遠心分離して清澄にする。上清中の細菌細胞
を溶解させ、高温(65℃)で10分間、尿のサンプ
ルを0.5Mにすることにより、細菌のゲノムを変
性させる。こうする代りに尿を90℃に加熱してこ
の温度に10分間保つてもよい。溶解変性後、等容
積の20×SSPE(3.6M NaC,0.2MNa3PO4,
20mM EDTA,PH7.7)で稀釈中和する。次にこ
の尿標本を直ちに軽度の真空でニトロセルロース
膜で過する。この固定化された細菌DNAを、
次に80℃で2時間真空中で焼いてニトロセルロー
ス膜に固定する。固定化されたサンプルDNAを
含むフイルターを、プリハイブリダイゼーシヨン
溶液〔0.1%(W/V)各々5×SSPEに溶かした
Ficell(Pharmacia)、ポリビニルピロリドンおよ
びBSA100〜200μg/ml 変性非対応DNA〕と
65℃で1〜3時間処理する。フイルター1cm2につ
いて、50〜100μのプリハイブリダイゼーシヨ
ン溶液を用いる。プリハイブリダイゼーシヨン処
理後、−Aで述べたようにして作つたエチジウ
ム標識したプローブをプリハイブリダイゼーシヨ
ン溶液に加えて、ハイブリダイゼーシヨンを起さ
せる。(1〜72時間)上記の操作はすべて次の文
献に記されている標準的な方法である。
〔Maniatisその他(1982)“Molecular Cloning”,
Cold Spring Harbor Laboratory,Cold
Spring Harbor,NY〕。 ハイブリダイゼーシヨン後、フイルターを洗つ
て過剰のDNA試料を除く。次に挿入物−DNA複
合体に対するβ−ガラクトシダーゼ標識抗体を含
む溶液にフイルターを浸し、5分〜12時間培養す
る。洗浄によつて過剰の抗体を除き、酵素のケイ
光発生原(fluorogenic)基質(例えば4−メチ
ルウンベリフエロンβ−ガラクトシド)を加え、
暫くしてからケイ光の強度を測定して、フイルタ
ーと合体したβ−ガラクトシダーゼを定量する。
存在する酵素の量は極めて少ない傾向があるの
で、ケイ光発生原基質は、β−ガラクトシダーゼ
のミハエリス定数(Km)よりも高いかまたは等
しい濃度で加える。ハイブリダイゼーシヨンを定
量できるように、一定量のプローブをフイルター
に固定化させた標準試験を、同時に行なうことが
できる。 B アデノウイルスの検出−〔タイプ2の方法〕 共有結合的に挿入された2本鎖領域を有し、
標識されたプローブを用い、酵素標識した抗体
で探知するサンドイツチハイブリダイゼーシヨ
ン分析(第3図参照) この方法は臨床標本中のアデノウイルス2型
(Ad2)DNA検出のために、Rankiその他が述べ
ているサンドイツチハイブリダイゼーシヨン分析
に基いたものである。〔Ranki et al(1983)Gene
21:77;Ranki et al(1983)Current Topics in
Microbiology and Immunology 104,Springer
−Verlag,NY p.307〕。固相試料pKTH1202(上
の第−B部参照)を変性、ニツク(nick)し、
ニトロセルロースのフイルターに固定化させる。
固定(80℃で2時間真空中で焼く。)後、フイル
ターをプリハイブリダイゼーシヨン溶液で1時間
65℃で処理する。臨床サンプルから得たDNA、
および挿入物標識した溶液ハイブリダイゼーシヨ
ンプローブmkTH1206(上の第−B部で述べた
ようにして作る。)をプリハイブリダイゼーシヨ
ン溶液に加え、プローブとサンプルDNAとのハ
イブリダイゼーシヨンを1〜72時間起させる。ハ
イブリダイゼーシヨン後、過剰の溶液プローブ
(mkTH1206)を洗浄して除く。 上の−Bで概設したようにして、挿入物−
DNA複合体に対するβ−ガラクトシダーゼ標識
した抗体を用いて、ハイブリダイゼーシヨンの程
度を定量する。 C 尿中のヒトの唾液腺ウイルス(サイトメガロ
ウイルスの検出(方法タイプ3) 固相で固定化したプローブを用い、ビオチン
標識した抗体おらび酵素標識したアビジンで探
知するハイブリダイゼーシヨン分析(第4図参
照) この方法は臨床用の尿サンプル中のヒトの唾液
腺ウイルス(HCMV)の検出に用いられる。精
製試料(上の−Cで述べたようなHCMV細胞
株AD169のEcoRIのO断片)を90℃で10分間熱し
て変性させ、氷上で急冷(再結合を防ぐため)
し、等容の20×SSPE(3.6MNaC、0.2MNa3
PO4.20mM EDTA,PH7.7)と混合する。次に
標準手順を用い、1本鎖のDNA試料を固定化し、
ニトロセルロース膜に固定する。次にこの膜をプ
リハイブリダイゼーシヨン溶液(異種DNAを含
まないものが好ましい。)と処理する。使用でき
るプリハイブリダイゼーシヨン溶液の1例につい
ては、New England NuclearがそのGene
Screen(商標)膜について述べており、この溶液
は1%のSDS、1MNaC、および10%の硫酸デ
キストランから成つている。この検出方式の最後
の段階における抗体の非特異的結合を防ぐため
に、プリハイブリダイゼーシヨン溶液にBSAを
含ませることが望ましいだろう。 試験に供する臨床用の尿サンプルは、Chouお
よびMerigan〔New Engl.J.Med,308:921
(1983)〕が述べているのと同じような方法で作
る。遠心分離によつてサンプルを清澄にし、
HCMVフアージ粒子を濃縮した後、この粒子を
極めて小容量の0.5MNaOHに再び懸濁させ、15
分間放置する。極めて小容量の20×SSPEで中和
後、1%のSDS、1M NaC、10%の硫酸デキ
ストランおよび100μg/mlの変性した鮭の精子
のDNA中においたフイルターに変性した臨床用
サンプルを加える。65℃で1〜72時間ハイブリダ
イゼーシヨンを行なわせ、次に2×SSPE中でフ
イルターを洗う。 選択された挿入剤(例えばミリモル以下の濃度
の臭化エチジウム)を含む極小容量の溶液にフイ
ルターを浸し、次にDNA−挿入剤複合体に対す
るビオチニル化した抗体(上記の−J)を加え
て結合させる。(1〜24時間)そして過剰の抗体
を洗浄して除く。状況によつては、2本鎖DNA
を飽和状態に保つておくために、挿入剤をこの洗
浄段階にいれておく必要があるだろう。 次にストレプトアビジン−ビオチン−アルカリ
ホスフアターゼ複合体(上の第−L部)を加
え、Wardその他〔Proc.Natl.Acad.Sci.USA
80:4045(1983)〕が述べているように、DNAと
合体したビオチニル化抗体と結合させる。過剰の
アルカリホスフアターゼ接合体を洗い流した後、
Ward(前記)が述べているように、アルカリホ
スフアターゼの比色基質を加えて、フイルターと
合体した接合体の存在を測定する。これは臨床用
尿標本中のHCMV DNAの存在を直接測定する
方法である。 D 尿中のヒトの唾液腺ウイルスの検出(タイプ
4の方法) 固相で、挿入剤で標識し固定した試料を用
い、挿入剤複合体の抗体に対する放射能標識し
たもう一つの抗体で探知するハイブリダイゼー
シヨン分析(第5図参照) この方法は、プローブが既に挿入剤で標識さ
れ、検出方式の最後の段階で、同位元素で標識し
たもう一つの抗体を必要とする点を除いては、上
記−Cの方法と同様である。 上の−Cの方法について述べたように、プロ
ーブ、即ちエチジウムで標識したHCMVの
EcoRI断片O(上の第−D部で記したようにし
て作る。)を変性固定化させ、ニトロセルロース
担体に固定する。上記−Cで記述したように
(但し遊離の挿入剤を加える必要はない。)ウイル
スのDNAを尿のサンプルから単離、変性させ、
固定化したプローブと交雑させる。 交雑したDNAでフイルターを洗つた後、挿入
剤−DNA複合体に対する過剰のマウス単クロー
ン性抗体(上記−G参照)を加え、交雑した
DNA−挿入剤複合体と結合させる。(30分〜6時
間)洗浄して過剰のマウス抗体を除き、放射能標
識した過剰のウサギの抗(マウスIgG)(−K)
を加える。30分〜6時間インキユベート後、洗浄
して再び過剰の抗体を除去する。オートラジオグ
ラフイーまたはガンマー計数によつて、ハイブリ
ダイゼーシヨンを定量する。 挿入複合体の抗原姓の証明 A 共有結合性エチジウム−DNA複合体の調製 約250mgの鮭の精子DNA(Sigma Chemical
Co.,St.Louis,MO)を50mMのNaC40mlに
溶かし、23ゲージの注射針に5回通して切断す
る。切断したDNAを250mlのフラスコにいれ、
160mlの緩衝液を加えて稀釈する。1mlについて
200000単位のS1−ヌクレアーゼ(Pharmacia P
−L Biochemicals,Piscataway,NJ)145μ
を加え、この混合物を37℃で50分インキユベー
トする。 次に反応混合物をフエノール:クロロホルムで
2回、クロロホルムで1回抽出し、エタノールで
2回DNAを沈澱させる。〔Maniatisその他
(1982)“Molecular Cloning”,Cold Spring
Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor
NY〕最後の沈澱物を20mMのトリスHC緩衝
液(PH8.0)70mlに溶かす。 このDNAを次の条件下で8−アジドエチジウ
ムと反応させる。即ち反応混合物は、2.7mg
DNA/mlを33ml、4.95mMの8−アジドエチジ
ウム13.5ml、0.2Mトリス−HC緩衝剤(PH8.0,
0.2M NaC)13.5mlおよび水76mlを用いて調製
する。22℃に保つた水套を有する250mlビーカー
にこの混合物を入れ、攪拌して10cmの距離から
150ワツトのスポツトライトを60分照射する。同
じ反応混合物について、この光分解をくり返す。 光分解した反応混合物を一緒にして、20mMト
リスHC緩衝液(PH8.0,0.2M NaC)で飽和
した等容のn−ブタノールで10回抽出し、抽出し
たDNA溶液を23mlの4.95mM8−アジドエチジウ
ムおよび77mlの20mMトリスHC緩衝液(PH
8.0,0.2M NaC)と混ぜる。この溶液を水套
を備えたビーカー中で攪拌し、90分間光分解す
る。反応生成物を前述のようにして緩衝液で飽和
したブタノールで10回抽出し、エタノールで
DNAを沈澱させる。沈澱物を10mMのトリス−
HC緩衝液(PH8.0,1mM EDTA)に溶かし、
260および490nmにおける吸光度を記録する。上
の実施例1Aで述べたようにして計算した結果、
DNAの4.5塩基対について、一つのエチジウム残
基が組みこまれていることが分つた。 B メチル化チログロブリンの調製 100mgのウシのチログロブリン(Sigma
Chemical Co.,St.Louis MO)を10mlの無水メ
タノール、および2.55MのHCを溶かした400μ
のメタノールと混合する。この混合物を室温で
5日間回転ミキサーで攪拌する。遠心分離して沈
澱物を集め、メタノールで2回、エタノールで2
回洗浄する。次にこれを真空で一夜乾燥すると、
約82mgの乾燥粉末が得られる。 C 共有結合したエチジウム−DNA−メチル化
チログロブリン複合体の調製 55mgのメチル化チログロブリンを10mlの水に溶
かし、これに2.2mg/mlの共有結合したエチジウ
ムDNA溶液11.3mlを加えると、直ちに沈澱が生
ずるのでこの懸濁液を5.0mlの1.5M NaCと24.6
mlの水でうすめる。 D ウサギの免疫感作 2.5mlの共有結合したエチジウム−DNAメチル
化チロブロブリン複合体、2.5mlの0.15M生理的
食塩水および5.0mlの完全フロインドアジユバン
ドから成る混合液2mlを、ニユージーランドシロ
ウサギの4箇所の皮下部位に注射する。3週間
後、不完全フロインドアジユバントを用いて同じ
ように免疫感作を施し、続いて4週間間隔で、さ
らに免疫感作を行う。最初の免疫感作後14週間た
つてから、抗血清を調製するために血液を集め
る。 E エチジウム−DNAに対する抗体の力価測定 共有結合するエチジウム−DNAに対する抗血
清は、酵素標識免疫吸着分析(enzyme label
immunosorbant assay)によつて力価が測定さ
れる。即ちポリスチレンの微量滴定装置
(microtiter)のプレートのウエル(well)にポ
リヌクレオチドを吸着させ、次にウサギの抗体を
結合させる。最後にペルオキシダーゼで標識した
ヤギの抗ウサギIgGで抗体を検出する。 15mMのクエン酸ソーダ(PH7.0,0.15M NaC
)に溶かして、1mlについて5μgのポリヌク
レオチドを含む溶液の50μ分別量を、
mmulon 微量滴定装置のプレート
(Dynatek,Alexandria,VA)のウエルにいれ、
室温で2時間ゆつくり振とうする。次にウエルを
空にし、10mMのリン酸ソーダ緩衝液(PH7.4,
0.15M NaC)、0.5%のウシ血清アルブミン、
および0.5%のTween 20(PBS/BSA/Tween)
で洗浄する。 ウサギの抗血清を10mMのリン酸ソーダ(PH
7.4,0.15MのNaC)、0.5%のBSAにいれてう
すめ、その50μの分別量をウエルにいれて30分
間放置する。PBS/BSA/Tweenで3回ウエル
を洗浄する。ヤギ−抗ウサギIgG(Cappel
Laboratories.Cochranville,PA)と共有結合し
たペルオキシターゼを、10mMのリン酸ソーダ
(PH7.4,0.15M NaC)、0.5%BSAにいれて500
倍にうすめ、各ウエルに50μの分別量を加え
る。この溶液をウエルにいれたまゝ室温で30分間
放置してから、ウエルをPBS/BSA/Tweenで
3回洗浄する。 100μMの臭化エチジウムを非共有結合性のエ
チジウム−DNA複合体を含むウエルの稀釈され
た抗血清、およびエチジウム対照試験のウエルに
いれる。これらのウエルを処理するための上記の
すべての洗浄溶液と試薬は、100μMのエチジウ
ムを含んでいる。 ペルオキシダーゼの基質溶液は下記のもので調
製する。 20mg o−フエニレンジアミン 5ml 0.5MNaHPO4 12ml 0.1Mクエン酸ソーダ 13ml 水 20μ 30%過酸化水素 ウエル毎に75μの基質溶液を加え、室温で10
分間反応させる。2.5Mの硫酸50μを加えて反応
を押さえ、次にArtekのmodel 210マイクロリッ
トルプレート光度計(Dynatek.Alexandria,
VA)で488nmにおける吸光度を記録する。対照
として正常なウサギ血清を用い、ウサギの抗血清
について述べたと同じようにして処理する。 F 結果 A表に結果が示してあるが、これより対照とな
るウサギ血清中の抗体は、被覆(塗布)したまた
は被覆(塗布)しないウエルのどれともかなりの
程度で結合しないことが分る。これは1本鎖
DNAに対する抗体の力価が小さいものと思われ
る。 共有結合性のエチジウム−DNAに対する抗血
清は、共有結合性のエチジウム−DNAに対して
極めて高い力価を有する。これらの抗体の一部
は、恐らくリボースリン酸塩の鎖と共有結合して
いるエチジウム残基と結合しているのであろう。
この結論は、非共有結合性エチジウム−DNA複
合体に対する力価がずつと小さい(A表参照)と
いう観察結果に基いている。 これらの結果は、抗体が生来の1本鎖または2
本鎖の核酸と甚しくは交差反応しないエチジウム
−DNA挿入複合体にまで増大され得ることを証
明している。
【表】
本発明は上記のように詳細に記述例示したが、
本発明の精神と範囲から逸脱せずに、発明の色々
の他の変形や変更ができることは明らかである。
本発明の精神と範囲から逸脱せずに、発明の色々
の他の変形や変更ができることは明らかである。
前に述べたように、第1図は挿入物と2本鎖核
酸との間の好ましい相互作用(その結果抗体で検
出できる挿入複合体が生ずる。)の概要図である。
第2〜第5図は本発明で用いられる四つの好適な
ハイブリダイゼーシヨン形式の概要図である。
酸との間の好ましい相互作用(その結果抗体で検
出できる挿入複合体が生ずる。)の概要図である。
第2〜第5図は本発明で用いられる四つの好適な
ハイブリダイゼーシヨン形式の概要図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 1本鎖の核酸を含む試験媒体中の特定のポリ
ヌクレオチド塩基配列を検出する方法であつて、
次に示す手順、すなわち、 (a) 試験媒体を、(i)検出すべき塩基配列とプロー
ブ中の相補的配列間のハイブリダイゼーシヨン
に対して、実質的に相補的な1本鎖の塩基配列
を少なくとも一つ含んでいる核酸プローブ、お
よび()挿入複合体の形で2本鎖核酸と結合
し得る核酸挿入剤と混合し、 (b) 手順(a)から生ずるハイブリダイゼーシヨン生
成物中の挿入複合体と特異的に結合するが、実
質的に1本鎖核酸とは結合しない抗体またはそ
の断片を加えることによつて交雑したプローブ
を検出し、この複合体に結合するようになつた
抗体またはその断片を測定する、ことを特徴と
する検出方法。 2 挿入物を(a)別個の遊離の化合物として試験媒
体と混合し、非共有結合的に2本鎖核酸と結合さ
せて挿入複合体を形成せしめるか、 (b) プローブの1本鎖相補領域においてプローブ
と化学的に結合させ、それにより、ハイブリダ
イゼーシヨンが起こつた場合に前記挿入複合体
をこの領域中に生ぜしめる特許請求の範囲第1
項記載の方法。 3 抗体またはその断片が、検出可能な化学基で
標識されている特許請求の範囲第1項記載の方
法。 4 挿入剤が、アクリジン色素類、フエナンスリ
ジン類、フエナジン類、フロクマリン類、フエノ
チアジン類およびキノリン類から選択される特許
請求の範囲第1項記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US56042983A | 1983-12-12 | 1983-12-12 | |
| US560429 | 1983-12-12 | ||
| US645850 | 1984-08-31 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60151559A JPS60151559A (ja) | 1985-08-09 |
| JPH0531108B2 true JPH0531108B2 (ja) | 1993-05-11 |
Family
ID=24237794
Family Applications (4)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26009784A Granted JPS60151559A (ja) | 1983-12-12 | 1984-12-11 | 挿入複合体に対する抗体を使用する核酸ハイブリダイゼーシヨン分析 |
| JP26009884A Pending JPS60201256A (ja) | 1983-12-12 | 1984-12-11 | 特定のポリヌクレオチド配列の検出方法、検出用試薬系及び試験キツト |
| JP26010084A Pending JPS60179657A (ja) | 1983-12-12 | 1984-12-11 | 標識プロ−ブ及び抗−ハイブリツドを用いるハイブリツド形成分析法 |
| JP26009984A Pending JPS60201257A (ja) | 1983-12-12 | 1984-12-11 | 特定のポリヌクレオチド配列順序の検出方法 |
Family Applications After (3)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26009884A Pending JPS60201256A (ja) | 1983-12-12 | 1984-12-11 | 特定のポリヌクレオチド配列の検出方法、検出用試薬系及び試験キツト |
| JP26010084A Pending JPS60179657A (ja) | 1983-12-12 | 1984-12-11 | 標識プロ−ブ及び抗−ハイブリツドを用いるハイブリツド形成分析法 |
| JP26009984A Pending JPS60201257A (ja) | 1983-12-12 | 1984-12-11 | 特定のポリヌクレオチド配列順序の検出方法 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (4) | JPS60151559A (ja) |
| ZA (4) | ZA849594B (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4820630A (en) * | 1984-11-23 | 1989-04-11 | Digene Diagnostics, Incorporated | Assay for nucleic acid sequences, particularly genetic lesions, using interactive labels |
| FI72146C (fi) * | 1985-01-02 | 1987-04-13 | Orion Yhtymae Oy | Foerfarande foer identifiering av nukleinsyror. |
| JPS6446650A (en) * | 1987-08-18 | 1989-02-21 | Tosoh Corp | Nucleic acid hybridization assay method |
| JPH03130098A (ja) * | 1989-06-30 | 1991-06-03 | Sanyo Chem Ind Ltd | 核酸の検出法及びび検出試薬 |
| BRPI0712897A2 (pt) * | 2006-06-15 | 2012-10-09 | Koninkl Philips Electronics Nv | método e sistema para detectar e/ou quantificar um analito em uma amostra |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| AU531777B2 (en) * | 1978-04-05 | 1983-09-08 | Syva Co. | Label/solid conjugate immunoassay system |
| US4233402A (en) * | 1978-04-05 | 1980-11-11 | Syva Company | Reagents and method employing channeling |
| US4299916A (en) * | 1979-12-26 | 1981-11-10 | Syva Company | Preferential signal production on a surface in immunoassays |
-
1984
- 1984-12-10 ZA ZA849594A patent/ZA849594B/xx unknown
- 1984-12-10 ZA ZA849596A patent/ZA849596B/xx unknown
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- 1984-12-10 ZA ZA849595A patent/ZA849595B/xx unknown
- 1984-12-11 JP JP26009784A patent/JPS60151559A/ja active Granted
- 1984-12-11 JP JP26009884A patent/JPS60201256A/ja active Pending
- 1984-12-11 JP JP26010084A patent/JPS60179657A/ja active Pending
- 1984-12-11 JP JP26009984A patent/JPS60201257A/ja active Pending
Non-Patent Citations (5)
| Title |
|---|
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| BIOCHEMISTRY=1978 * |
| BIOCHEMISTRY=1979 * |
| NUCLEIC ACID RESEACH=1982 * |
| PROC.NATL.ACAD.SCI.USA=1982 * |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60151559A (ja) | 1985-08-09 |
| ZA849595B (en) | 1985-07-31 |
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| ZA849593B (en) | 1985-07-31 |
| JPS60201256A (ja) | 1985-10-11 |
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