JPH05326412A - 化合物薄膜形成方法 - Google Patents
化合物薄膜形成方法Info
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- JPH05326412A JPH05326412A JP13254892A JP13254892A JPH05326412A JP H05326412 A JPH05326412 A JP H05326412A JP 13254892 A JP13254892 A JP 13254892A JP 13254892 A JP13254892 A JP 13254892A JP H05326412 A JPH05326412 A JP H05326412A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 薄膜中の炭素成分濃度が低減化し、結晶欠陥
のない品質が向上した化合物薄膜の形成方法を提供する
こと。 【構成】 基板上に一分子層飽和吸着が起こる約500
℃でトリメチルガリウム(TMG)を1秒間供給し、基
板表面に飽和吸着させる。そして、1秒間のTMG2の
パージ時間を置いて光ビームを1秒間照射して、基板の
表面温度を650℃程度まで上昇させる。このとき基板
表面に吸着されたTMG2から生成する炭素化合物は脱
離し、また、結晶表面の原子の動きが促進され結晶欠陥
の生成が減少する。光ビームの照射開始と同時にアルシ
ンを2秒間供給する。次いで、1秒間のアルシンのパー
ジ時間を置き、この間に基板表面の温度を500℃まで
下降させる。この様にして一サイクルのGaAsの一分
子層の結晶成長が終了する。この操作をn回繰り返すこ
とによってn層のGaAs層を形成させる。
のない品質が向上した化合物薄膜の形成方法を提供する
こと。 【構成】 基板上に一分子層飽和吸着が起こる約500
℃でトリメチルガリウム(TMG)を1秒間供給し、基
板表面に飽和吸着させる。そして、1秒間のTMG2の
パージ時間を置いて光ビームを1秒間照射して、基板の
表面温度を650℃程度まで上昇させる。このとき基板
表面に吸着されたTMG2から生成する炭素化合物は脱
離し、また、結晶表面の原子の動きが促進され結晶欠陥
の生成が減少する。光ビームの照射開始と同時にアルシ
ンを2秒間供給する。次いで、1秒間のアルシンのパー
ジ時間を置き、この間に基板表面の温度を500℃まで
下降させる。この様にして一サイクルのGaAsの一分
子層の結晶成長が終了する。この操作をn回繰り返すこ
とによってn層のGaAs層を形成させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、化合物薄膜形成方法
に関し、特に原子層単位での膜厚制御が可能で、短時間
の基板温度上昇によって高品質な化合物薄膜が得られる
化合物薄膜形成方法に関するものである。
に関し、特に原子層単位での膜厚制御が可能で、短時間
の基板温度上昇によって高品質な化合物薄膜が得られる
化合物薄膜形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、気相法による化合物半導体薄膜単
結晶成長方法においては、通常、二種類以上の原料を同
時に基板に供給し、反応させる方法が用いられてきた。
例えば、有機金属化合物を原料に用いた気相成長法(M
OVPE)によるGaAs薄膜の結晶成長方法におい
て、ガリウム(Ga)の原料であるトルメチルガリウム
(TMG)とヒ素(As)の原料であるアルシン(As
H3)とを同時に基板上に供給して結晶成長を行う方法
が用いられている。この場合、原料の供給量および供給
時間を厳密に制御することによって、基板上の結晶の成
長膜厚の精密な制御が可能になってきた。
結晶成長方法においては、通常、二種類以上の原料を同
時に基板に供給し、反応させる方法が用いられてきた。
例えば、有機金属化合物を原料に用いた気相成長法(M
OVPE)によるGaAs薄膜の結晶成長方法におい
て、ガリウム(Ga)の原料であるトルメチルガリウム
(TMG)とヒ素(As)の原料であるアルシン(As
H3)とを同時に基板上に供給して結晶成長を行う方法
が用いられている。この場合、原料の供給量および供給
時間を厳密に制御することによって、基板上の結晶の成
長膜厚の精密な制御が可能になってきた。
【0003】なかでも、近年原子層オーダーの膜厚の制
御性を持つ成長方法が研究されており、その方法として
単原子層制御結晶成長法(ALE法)がある。ALE法
は薄膜を構成する原子を含む原料ガスを交互に基板上に
供給することが特徴である。例えば、GaAsの結晶成
長方法においては、TMGとアルシンを交互に供給す
る。適当な結晶成長条件の下では、TMGの供給によっ
て基板面上にモノメチルガリウム(MMG)などの一分
子層吸着が実現され、続いて供給されるアルシンとの反
応によってGaAsの一分子層が形成される。この場
合、原料の供給量によらず原料ガス供給の一サイクル毎
に一分子層の薄膜されるために、結晶の格子定数が分か
っていれば、薄膜の膜厚は成長サイクル数によって精密
に制御できる。
御性を持つ成長方法が研究されており、その方法として
単原子層制御結晶成長法(ALE法)がある。ALE法
は薄膜を構成する原子を含む原料ガスを交互に基板上に
供給することが特徴である。例えば、GaAsの結晶成
長方法においては、TMGとアルシンを交互に供給す
る。適当な結晶成長条件の下では、TMGの供給によっ
て基板面上にモノメチルガリウム(MMG)などの一分
子層吸着が実現され、続いて供給されるアルシンとの反
応によってGaAsの一分子層が形成される。この場
合、原料の供給量によらず原料ガス供給の一サイクル毎
に一分子層の薄膜されるために、結晶の格子定数が分か
っていれば、薄膜の膜厚は成長サイクル数によって精密
に制御できる。
【0004】前記ALE法では、原料分子の一分子層の
飽和吸着の性質等を利用した自動堆積停止機構が必要で
ある。この自動堆積停止機構とは原料分子が基板上に一
分子層からなる吸着層を形成した後は、続いて供給され
る原料分子は吸着分子により反発される性質等を利用し
て自動的に原料分子の堆積が一分子層で停止されるもの
である。
飽和吸着の性質等を利用した自動堆積停止機構が必要で
ある。この自動堆積停止機構とは原料分子が基板上に一
分子層からなる吸着層を形成した後は、続いて供給され
る原料分子は吸着分子により反発される性質等を利用し
て自動的に原料分子の堆積が一分子層で停止されるもの
である。
【0005】従って、この自動堆積停止機構が実現され
るためには基板温度などの結晶成長条件の設定が重要で
ある。例えば、TMG一分子層のみの飽和吸着は基板の
表面温度が約500℃である時に形成され、それ以上の
温度になると多分子層が形成される度合が高くなる。従
来の有機金属化合物を原料に用いたALE法では、結晶
成長温度が低いために原料の分解によって生じる炭素成
分が不純物として結晶中に取り込まれる量が多く、高濃
度の正孔を持つP型半導体になり易い。そのために他の
不純物の導入によるN型半導体の作製及びキャリアー濃
度の制御が困難であるのが大きな欠点となっており、半
導体素子の作製等に対する障害になっている。
るためには基板温度などの結晶成長条件の設定が重要で
ある。例えば、TMG一分子層のみの飽和吸着は基板の
表面温度が約500℃である時に形成され、それ以上の
温度になると多分子層が形成される度合が高くなる。従
来の有機金属化合物を原料に用いたALE法では、結晶
成長温度が低いために原料の分解によって生じる炭素成
分が不純物として結晶中に取り込まれる量が多く、高濃
度の正孔を持つP型半導体になり易い。そのために他の
不純物の導入によるN型半導体の作製及びキャリアー濃
度の制御が困難であるのが大きな欠点となっており、半
導体素子の作製等に対する障害になっている。
【0006】結晶中に不純物として取り込まれる炭素成
分量を少なくする方法として、結晶成長時に基板全体の
温度を700℃程度まで定常的に上げておく方法がある
(Appl.Phys.Lett.,Vol.59,No.19,P2397 4 November 19
91)。しかし、この方法では結晶中の炭素は脱離しやす
くなるが、基板温度が高過ぎるため多分子層からなる結
晶が形成しやすくなり一分子層からなる薄膜形成のため
には非常に厳密な原料の供給時間のコントロールが必要
である。
分量を少なくする方法として、結晶成長時に基板全体の
温度を700℃程度まで定常的に上げておく方法がある
(Appl.Phys.Lett.,Vol.59,No.19,P2397 4 November 19
91)。しかし、この方法では結晶中の炭素は脱離しやす
くなるが、基板温度が高過ぎるため多分子層からなる結
晶が形成しやすくなり一分子層からなる薄膜形成のため
には非常に厳密な原料の供給時間のコントロールが必要
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のように有機金属
化合物を原料に用いるALE法においては、原料分子を
基板表面に吸着させ、表面での原料分子の反応を利用す
るために、分解反応で生じる炭素化合物が結晶表面に多
く存在する。ALE法では一分子層飽和吸着を達成する
ための温度が通常の結晶成長温度に比較して低いため
に、炭素化合物の脱離速度が遅くて基板表面に滞在する
時間が長い。従って、ALE法で作られる結晶は、通常
のMOVPE法で作られる結晶と比較して炭素濃度が大
きいために、他の不純物を導入して電子あるいは正孔濃
度の制御を行うことが困難である。
化合物を原料に用いるALE法においては、原料分子を
基板表面に吸着させ、表面での原料分子の反応を利用す
るために、分解反応で生じる炭素化合物が結晶表面に多
く存在する。ALE法では一分子層飽和吸着を達成する
ための温度が通常の結晶成長温度に比較して低いため
に、炭素化合物の脱離速度が遅くて基板表面に滞在する
時間が長い。従って、ALE法で作られる結晶は、通常
のMOVPE法で作られる結晶と比較して炭素濃度が大
きいために、他の不純物を導入して電子あるいは正孔濃
度の制御を行うことが困難である。
【0008】また、前記不具合をなくすために結晶成長
温度を高くすると、多分子層ができ易くなる欠点があ
る。そこで、本発明の目的は、従来の単原子層制御結晶
成長方法を改良して、結晶等の化合物薄膜中の炭素成分
濃度が低減化し、結晶欠陥のない品質が向上した化合物
薄膜の形成方法を提供することである。
温度を高くすると、多分子層ができ易くなる欠点があ
る。そこで、本発明の目的は、従来の単原子層制御結晶
成長方法を改良して、結晶等の化合物薄膜中の炭素成分
濃度が低減化し、結晶欠陥のない品質が向上した化合物
薄膜の形成方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は次の
構成によって達成される。すなわち、下記の工程(a)
〜(e)を含む化合物薄膜形成方法である。 (a)定常温度に加熱した基板上に第一原料化合物をパ
ルス状にして供給し、第一原料化合物あるいはその分解
物を一分子層で基板表面に飽和吸着させる工程、(b)
前記第一原料化合物を供給停止後、基板表面の温度を一
定温度上昇させる工程、(c)次に、前記第一原料化合
物とは異なる第二原料化合物を基板上にパルス状にして
供給し、飽和吸着している第一原料化合物あるいはその
分解物からなる分子と反応させて一分子層の化合物薄膜
を形成させる工程、(d)基板の温度を初期の定常温度
まで下降させる工程、(e)前記(a)、(b)、
(c)および(d)の工程を複数回繰り返して、所要の
厚みの化合物薄膜を形成させる工程。
構成によって達成される。すなわち、下記の工程(a)
〜(e)を含む化合物薄膜形成方法である。 (a)定常温度に加熱した基板上に第一原料化合物をパ
ルス状にして供給し、第一原料化合物あるいはその分解
物を一分子層で基板表面に飽和吸着させる工程、(b)
前記第一原料化合物を供給停止後、基板表面の温度を一
定温度上昇させる工程、(c)次に、前記第一原料化合
物とは異なる第二原料化合物を基板上にパルス状にして
供給し、飽和吸着している第一原料化合物あるいはその
分解物からなる分子と反応させて一分子層の化合物薄膜
を形成させる工程、(d)基板の温度を初期の定常温度
まで下降させる工程、(e)前記(a)、(b)、
(c)および(d)の工程を複数回繰り返して、所要の
厚みの化合物薄膜を形成させる工程。
【0010】ここで、前記(b)工程の基板表面の温度
を一定温度上昇させる手段として、パルス状の光ビーム
の照射あるいはヒーターによる照射によって行うことが
できる。ヒーターを使用する場合は、基板の表面の近傍
にオンオフ制御可能な電熱ヒーターを配置することもで
きる。
を一定温度上昇させる手段として、パルス状の光ビーム
の照射あるいはヒーターによる照射によって行うことが
できる。ヒーターを使用する場合は、基板の表面の近傍
にオンオフ制御可能な電熱ヒーターを配置することもで
きる。
【0011】本発明の第一原料化合物としては、例え
ば、TMG(トリメチルガリウム)、TEG(トリエチ
ルガリウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、T
MI(トリチメルインジウム)などの第3族原子を含む
原料を用い、第二原料化合物としては、AsH3(アル
シン)、PH3(ホスフィン)等の第5族原子を含む原
料を用いることができる。
ば、TMG(トリメチルガリウム)、TEG(トリエチ
ルガリウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、T
MI(トリチメルインジウム)などの第3族原子を含む
原料を用い、第二原料化合物としては、AsH3(アル
シン)、PH3(ホスフィン)等の第5族原子を含む原
料を用いることができる。
【0012】また、本発明の化合物薄膜形成方法によ
り、第一原料化合物の一分子層の飽和吸着が達成される
定常温度は第一原料化合物により多少の差異はあり、そ
れぞれ次の温度付近である。 TMG:約500℃、 TEG:約350℃、 TMA:約500℃、TMI:約360℃
り、第一原料化合物の一分子層の飽和吸着が達成される
定常温度は第一原料化合物により多少の差異はあり、そ
れぞれ次の温度付近である。 TMG:約500℃、 TEG:約350℃、 TMA:約500℃、TMI:約360℃
【0013】また、パルス状光ビームあるいはヒーター
による加熱による基板表面の温度上昇の例示としては約
100℃〜200℃の範囲である。この例示に限定され
るものではない。なお、この基板表面の温度上昇は数秒
間内で行うことが望ましい。なぜなら、本発明の方法を
半導体デバイスに適用する場合に、例えばGaAs基板
上に半導体層を形成する場合、GaAs基板表面の温度
上昇期間が長すぎると基板中のAs成分が脱離する場合
があるからである。
による加熱による基板表面の温度上昇の例示としては約
100℃〜200℃の範囲である。この例示に限定され
るものではない。なお、この基板表面の温度上昇は数秒
間内で行うことが望ましい。なぜなら、本発明の方法を
半導体デバイスに適用する場合に、例えばGaAs基板
上に半導体層を形成する場合、GaAs基板表面の温度
上昇期間が長すぎると基板中のAs成分が脱離する場合
があるからである。
【0014】パルス状の光ビームまたはヒーター等によ
る基板の表面の加熱と同時に、または該加熱より少し遅
れて第二原料化合物を供給して基板表面に吸着された第
一原料化合物分子と反応させる。第二原料化合物は前記
定常温度より100〜200℃上昇した温度範囲では一
分子層より多くは堆積しないために、第一原料化合物と
第二原料化合物から得られる一分子層薄膜、例えばGa
As等の第3族−第5族化合物の一分子層薄膜が形成さ
れる。
る基板の表面の加熱と同時に、または該加熱より少し遅
れて第二原料化合物を供給して基板表面に吸着された第
一原料化合物分子と反応させる。第二原料化合物は前記
定常温度より100〜200℃上昇した温度範囲では一
分子層より多くは堆積しないために、第一原料化合物と
第二原料化合物から得られる一分子層薄膜、例えばGa
As等の第3族−第5族化合物の一分子層薄膜が形成さ
れる。
【0015】本発明で用いられるパルス状の光ビームま
たはヒーターとしては、特に限定はないが、効率良く基
板の表面を加熱できる近赤外線、長波長側の可視光線が
好ましい。本発明の化合物薄膜形成方法は半導体レーザ
の量子井戸活性層の膜厚制御等の半導体デバイスの膜厚
制御に利用できる。また、本発明は結晶性を問題にしな
い材料、例えば、X線導波路材料に一分子層単位で薄膜
を形成する場合に適用できる。
たはヒーターとしては、特に限定はないが、効率良く基
板の表面を加熱できる近赤外線、長波長側の可視光線が
好ましい。本発明の化合物薄膜形成方法は半導体レーザ
の量子井戸活性層の膜厚制御等の半導体デバイスの膜厚
制御に利用できる。また、本発明は結晶性を問題にしな
い材料、例えば、X線導波路材料に一分子層単位で薄膜
を形成する場合に適用できる。
【0016】
【作用】本発明によれば、基板上に一分子層飽和吸着が
起こる定常温度領域で第一原料化合物を基板上に供給す
ると一分子層飽和吸着が形成される。その後、基板表面
の温度を一定温度上昇させ、前記基板の表面の加熱と同
時に、または該加熱より遅れて第二原料化合物を供給し
て基板表面に吸着された第一原料化合物分子と反応させ
ると、第一原料化合物と第二原料化合物との反応は促進
され、また、第一原料化合物に由来する化合物薄膜形成
に不要な分子または反応によって生じる化合物薄膜形成
に不要な分子である炭素化合物等の脱離を促進させるこ
とができる。
起こる定常温度領域で第一原料化合物を基板上に供給す
ると一分子層飽和吸着が形成される。その後、基板表面
の温度を一定温度上昇させ、前記基板の表面の加熱と同
時に、または該加熱より遅れて第二原料化合物を供給し
て基板表面に吸着された第一原料化合物分子と反応させ
ると、第一原料化合物と第二原料化合物との反応は促進
され、また、第一原料化合物に由来する化合物薄膜形成
に不要な分子または反応によって生じる化合物薄膜形成
に不要な分子である炭素化合物等の脱離を促進させるこ
とができる。
【0017】こうして、化合物薄膜中に取り込まれる炭
素成分濃度を大きく減少させることが可能となる。さら
に、化合物薄膜が結晶の場合は基板表面の前記温度上昇
によって結晶表面の原子の動きを促進させることがで
き、結晶欠陥の生成を減少させることもできる。
素成分濃度を大きく減少させることが可能となる。さら
に、化合物薄膜が結晶の場合は基板表面の前記温度上昇
によって結晶表面の原子の動きを促進させることがで
き、結晶欠陥の生成を減少させることもできる。
【0018】また、パルス状の光ビームのパルス幅を短
くすることによって、温度上昇が基板表面の極めて浅い
領域のみに制限されるので、光ビームの照射を停止した
後の基板表面の温度は、基板表面から基板内部への熱拡
散によって定常温度まで急速に下降する。その後、再び
第一原料化合物を供給する。このように基板表面の温度
を急上昇および急冷却させ、第一原料化合物の供給時の
温度を一定にして結晶成長等の化合物薄膜形成を繰り返
すことによって、不純物としての炭素濃度および結晶欠
陥が減少した高品質な化合物薄膜が形成される。
くすることによって、温度上昇が基板表面の極めて浅い
領域のみに制限されるので、光ビームの照射を停止した
後の基板表面の温度は、基板表面から基板内部への熱拡
散によって定常温度まで急速に下降する。その後、再び
第一原料化合物を供給する。このように基板表面の温度
を急上昇および急冷却させ、第一原料化合物の供給時の
温度を一定にして結晶成長等の化合物薄膜形成を繰り返
すことによって、不純物としての炭素濃度および結晶欠
陥が減少した高品質な化合物薄膜が形成される。
【0019】
【実施例】本発明の実施例を図面とともに説明する。本
実施例は図4の装置を用いて、GaAsの化合物薄膜を
形成する方法である。図4の装置において、キャリアー
ガスとしての水素ガス1、第一原料化合物としてのトリ
メチルガリウム(TMG)2、第二原料化合物としての
アルシン(AsH3)3はそれぞれガスバルブ4を介し
て反応炉5内に供給され、排気口6を通して排気され
る。反応炉5はGaAs基板7の表面を光ビーム(本実
施例では波長500〜2000nmの近赤外線等を用い
た)8で照射するための平坦で透明な石英ガラスからな
る窓9を備え、かつGaAs基板7を一分子層形成のた
めの定常温度(約500℃)に加熱するためのヒーター
10を設けている。反応炉の窓9の外部には、光ビーム
8の照射時間を制御したパルス状の光ビームとするため
のシャッター11を備えている。
実施例は図4の装置を用いて、GaAsの化合物薄膜を
形成する方法である。図4の装置において、キャリアー
ガスとしての水素ガス1、第一原料化合物としてのトリ
メチルガリウム(TMG)2、第二原料化合物としての
アルシン(AsH3)3はそれぞれガスバルブ4を介し
て反応炉5内に供給され、排気口6を通して排気され
る。反応炉5はGaAs基板7の表面を光ビーム(本実
施例では波長500〜2000nmの近赤外線等を用い
た)8で照射するための平坦で透明な石英ガラスからな
る窓9を備え、かつGaAs基板7を一分子層形成のた
めの定常温度(約500℃)に加熱するためのヒーター
10を設けている。反応炉の窓9の外部には、光ビーム
8の照射時間を制御したパルス状の光ビームとするため
のシャッター11を備えている。
【0020】この製造装置において、まず反応炉5内の
ヒーター10の上にGaAs基板7を置き、約500℃
の温度に加熱する。水素ガス1を3リットル/分の流量
で流し、反応炉5内を100mbalの一定圧力に保
つ。一サイクル当たり2×10-7モルのTMG2を反応
炉5内に供給する。TMG2の供給後、反応炉5内の基
板7に吸着されないTMG2を水素気流で取り去るため
のパージ時間(1秒)をおく。次いで、シャッター11
の開閉制御によりGaAs基板7表面をパルス状の光ビ
ーム8で照射して、基板7の表面温度を約650℃に上
昇させる。光ビーム8の照射と同時に、一サイクル当た
り3×10-5モルのAsH33をガスバルブ4でパルス
状にして反応炉内に供給する。ついで、再び過剰なAs
H3を水素気流で取り去るためのパージ時間(1秒)を
おく。
ヒーター10の上にGaAs基板7を置き、約500℃
の温度に加熱する。水素ガス1を3リットル/分の流量
で流し、反応炉5内を100mbalの一定圧力に保
つ。一サイクル当たり2×10-7モルのTMG2を反応
炉5内に供給する。TMG2の供給後、反応炉5内の基
板7に吸着されないTMG2を水素気流で取り去るため
のパージ時間(1秒)をおく。次いで、シャッター11
の開閉制御によりGaAs基板7表面をパルス状の光ビ
ーム8で照射して、基板7の表面温度を約650℃に上
昇させる。光ビーム8の照射と同時に、一サイクル当た
り3×10-5モルのAsH33をガスバルブ4でパルス
状にして反応炉内に供給する。ついで、再び過剰なAs
H3を水素気流で取り去るためのパージ時間(1秒)を
おく。
【0021】このように、TMG2とAsH3を交互に
反応炉5内に供給する。光ビーム8による加熱停止後は
基板表面温度が定常温度まで減少した後で、再びTMG
2を供給する。このサイクルを繰り返すことでGaAs
の薄膜を基板7上に製造することができる。なお、この
基板7の加熱温度やTMG2、AsH33のガスなどの
供給量については適宜に変更することができる。
反応炉5内に供給する。光ビーム8による加熱停止後は
基板表面温度が定常温度まで減少した後で、再びTMG
2を供給する。このサイクルを繰り返すことでGaAs
の薄膜を基板7上に製造することができる。なお、この
基板7の加熱温度やTMG2、AsH33のガスなどの
供給量については適宜に変更することができる。
【0022】図1は、これらの原料化合物2、3のガス
の供給および光パルスについての時系列を示す。TMG
2を1秒間供給し、基板7表面に飽和吸着させる。そし
て、1秒間のTMG2のパージ時間を置いて光パルス8
を1秒間照射する。この時の基板7の表面温度は、定常
温度(T0:500℃)から(T0+△T:500+15
0℃)まで上昇する。このとき基板7表面に飽和吸着さ
れたTMG2から生成する炭素成分は基板7の表面から
脱離する。
の供給および光パルスについての時系列を示す。TMG
2を1秒間供給し、基板7表面に飽和吸着させる。そし
て、1秒間のTMG2のパージ時間を置いて光パルス8
を1秒間照射する。この時の基板7の表面温度は、定常
温度(T0:500℃)から(T0+△T:500+15
0℃)まで上昇する。このとき基板7表面に飽和吸着さ
れたTMG2から生成する炭素成分は基板7の表面から
脱離する。
【0023】このことを図5で説明する。化合物薄膜の
発光スペクトルの測定から結晶品質の評価を行った。図
5に示したように、光パルスを照射しないで350℃で
作製した薄膜からの発光スペクトルのピークは1.47
8eVに現れた。これは炭素不純物による発光ピークに
対応しており炭素濃度が高いことを示す。一方、光パル
スを照射して作製した薄膜からの発光スペクトルのピー
クは高エネルギー領域の1.497eVに現れた。これ
は炭素不純物濃度の低い純度の良い薄膜からの発光に対
応している。従って、光パルス照射によって薄膜中の炭
素成分濃度が著しく減少したことを示している。
発光スペクトルの測定から結晶品質の評価を行った。図
5に示したように、光パルスを照射しないで350℃で
作製した薄膜からの発光スペクトルのピークは1.47
8eVに現れた。これは炭素不純物による発光ピークに
対応しており炭素濃度が高いことを示す。一方、光パル
スを照射して作製した薄膜からの発光スペクトルのピー
クは高エネルギー領域の1.497eVに現れた。これ
は炭素不純物濃度の低い純度の良い薄膜からの発光に対
応している。従って、光パルス照射によって薄膜中の炭
素成分濃度が著しく減少したことを示している。
【0024】光ビーム8の照射開始と同時にAsH33
を2秒間供給する。次いで、1秒間のAsH3ガスのパ
ージ時間を置き、この間に基板7表面の温度を定常温度
(T0:500℃)まで下降させる。この様にして一サ
イクルのGaAsの一分子層の結晶成長が終了する。こ
の操作をn回繰り返すことによってn層のGaAs層を
形成させる。
を2秒間供給する。次いで、1秒間のAsH3ガスのパ
ージ時間を置き、この間に基板7表面の温度を定常温度
(T0:500℃)まで下降させる。この様にして一サ
イクルのGaAsの一分子層の結晶成長が終了する。こ
の操作をn回繰り返すことによってn層のGaAs層を
形成させる。
【0025】また、As成分が供給される前にTMG2
により形成される膜から不要成分を脱離させるためには
光ビーム8の照射開始より遅れてAsH3を供給する方
法も採用できる。図2には光ビーム8の照射開始タイミ
ングより少し遅れてAsH33を供給する場合の例を示
し、図3には光ビーム8の照射後、基板7の表面温度が
定常温度に戻ってから、AsH33を供給する例を示
す。なお、その他の条件は図1の場合と同様である。
により形成される膜から不要成分を脱離させるためには
光ビーム8の照射開始より遅れてAsH3を供給する方
法も採用できる。図2には光ビーム8の照射開始タイミ
ングより少し遅れてAsH33を供給する場合の例を示
し、図3には光ビーム8の照射後、基板7の表面温度が
定常温度に戻ってから、AsH33を供給する例を示
す。なお、その他の条件は図1の場合と同様である。
【0026】この様に、光ビームの照射によって基板7
表面の温度が上昇しても、TMG2の供給時はGaAs
基板7温度を定常温度(T0:約500℃)に保つこと
によって一分子層飽和吸着の条件を維持し、単原子層制
御結晶成長が可能である。このとき、TMG2供給後の
短時間の温度上昇によって結晶の欠陥がなくなり、品質
が向上する。また、発光強度が50倍程に大きくなる結
果が得られた。このことは、結晶品質が向上したことを
示す。なお、本実施例において基板温度の定常温度を約
500℃としたが、これは反応装置の大きさ等の影響で
適宜最適温度を選択することができる。
表面の温度が上昇しても、TMG2の供給時はGaAs
基板7温度を定常温度(T0:約500℃)に保つこと
によって一分子層飽和吸着の条件を維持し、単原子層制
御結晶成長が可能である。このとき、TMG2供給後の
短時間の温度上昇によって結晶の欠陥がなくなり、品質
が向上する。また、発光強度が50倍程に大きくなる結
果が得られた。このことは、結晶品質が向上したことを
示す。なお、本実施例において基板温度の定常温度を約
500℃としたが、これは反応装置の大きさ等の影響で
適宜最適温度を選択することができる。
【0027】
【発明の効果】以上説明した通り、この発明によって優
れた品質を持ち、一分子層オーダーの膜厚制御性を有す
る化合物薄膜の形成が可能になり、さらに次のような効
果がある。 (1)膜厚の制御が一分子層単位で精密にできる。 (2)化合物薄膜が結晶の場合は、その品質が大きく改
善され、例えば量子井戸活性層の膜厚制御が容易にな
り、高性能の半導体レーザ等の半導体デバイスの作製が
容易になる。 (3)本発明によるALE方法は前記半導体素子製造ま
たはX線導波路材料製造等への適用が可能である。
れた品質を持ち、一分子層オーダーの膜厚制御性を有す
る化合物薄膜の形成が可能になり、さらに次のような効
果がある。 (1)膜厚の制御が一分子層単位で精密にできる。 (2)化合物薄膜が結晶の場合は、その品質が大きく改
善され、例えば量子井戸活性層の膜厚制御が容易にな
り、高性能の半導体レーザ等の半導体デバイスの作製が
容易になる。 (3)本発明によるALE方法は前記半導体素子製造ま
たはX線導波路材料製造等への適用が可能である。
【図1】 本発明の一実施例の原料ガス供給、光パル
ス、および基板温度を時系列で示した概念図である。
ス、および基板温度を時系列で示した概念図である。
【図2】 本発明の一実施例の原料ガス供給、光パル
ス、および基板温度を時系列で示した概念図である。
ス、および基板温度を時系列で示した概念図である。
【図3】 本発明の一実施例の原料ガス供給、光パル
ス、および基板温度を時系列で示した概念図である。
ス、および基板温度を時系列で示した概念図である。
【図4】 この発明の方法に用いる製造装置の一例を示
した構成図である。
した構成図である。
【図5】 光パルス照射割合に対する発光スペクトルピ
ーク位置を示した図である。
ーク位置を示した図である。
1…キャリヤーガス(水素ガス)、2…第一原料化合物
(トリメチルガリウム)、3…第二原料化合物(アルシ
ン)、4…ガスバルブ、5…反応炉、6…排気口、7…
GaAs基板、8…光ビーム、9…窓、10…ヒータ
ー、11…シャッター
(トリメチルガリウム)、3…第二原料化合物(アルシ
ン)、4…ガスバルブ、5…反応炉、6…排気口、7…
GaAs基板、8…光ビーム、9…窓、10…ヒータ
ー、11…シャッター
Claims (6)
- 【請求項1】 下記の工程を含むことを特徴とする化合
物薄膜形成方法。 (a)定常温度に加熱した基板上に第一原料化合物をパ
ルス状にして供給し、第一原料化合物あるいはその分解
物を一分子層で基板表面に飽和吸着させる工程、(b)
前記第一原料化合物を供給停止後、基板表面の温度を一
定温度上昇させる工程、(c)次に、前記第一原料化合
物とは異なる第二原料化合物を基板上にパルス状にして
供給し、飽和吸着している第一原料化合物あるいはその
分解物からなる分子と反応させて一分子層の化合物薄膜
を形成させる工程、(d)基板の温度を初期の定常温度
まで下降させる工程、(e)前記(a)、(b)、
(c)および(d)の工程を複数回繰り返して、所要の
厚みの化合物薄膜を形成させる工程。 - 【請求項2】 パルス状の光ビームの照射によって前記
(b)工程の基板表面の温度を一定温度上昇させること
を特徴とする請求項1記載の化合物薄膜形成方法。 - 【請求項3】 ヒーターによる照射によって前記(b)
工程の基板表面の温度を一定温度上昇させることを特徴
とする請求項1記載の化合物薄膜形成方法。 - 【請求項4】 第一原料化合物の供給による一分子層飽
和吸着が形成された後で、基板表面の温度上昇によって
化合物薄膜形成に不要な分子の脱離を促進させることを
特徴とする請求項1記載の化合物薄膜形成方法。 - 【請求項5】 基板表面の温度上昇によって第二原子化
合物との反応を促進させ、化合物薄膜形成に不要な分子
の脱離を促進させることを特徴とする請求項1記載の化
合物薄膜形成方法。 - 【請求項6】 基板表面の温度上昇によって基板表面で
の原子の移動を促進させ、化合物薄膜形成時の結晶欠陥
を減少させることを特徴とする請求項1記載の化合物薄
膜形成方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13254892A JP3182584B2 (ja) | 1992-05-25 | 1992-05-25 | 化合物薄膜形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13254892A JP3182584B2 (ja) | 1992-05-25 | 1992-05-25 | 化合物薄膜形成方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05326412A true JPH05326412A (ja) | 1993-12-10 |
| JP3182584B2 JP3182584B2 (ja) | 2001-07-03 |
Family
ID=15083864
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13254892A Expired - Fee Related JP3182584B2 (ja) | 1992-05-25 | 1992-05-25 | 化合物薄膜形成方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3182584B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7368014B2 (en) | 2001-08-09 | 2008-05-06 | Micron Technology, Inc. | Variable temperature deposition methods |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1090972B1 (en) | 1999-10-08 | 2005-05-04 | Mitsui Takeda Chemicals, Inc. | Solvent-free two-component curable adhesive composition |
-
1992
- 1992-05-25 JP JP13254892A patent/JP3182584B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7368014B2 (en) | 2001-08-09 | 2008-05-06 | Micron Technology, Inc. | Variable temperature deposition methods |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3182584B2 (ja) | 2001-07-03 |
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