JPH0532999U - 金属粉末成形体の脱脂焼結用トレー - Google Patents
金属粉末成形体の脱脂焼結用トレーInfo
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 脱脂・焼結中の脱脂焼結用トレーの成分の蒸
発、分解による金属粉末成形体、及び炉内構成物への不
純物の蒸着による汚染を防止でき、脱脂効率を高めるこ
とができるとともに、焼結を行うための熱効率の向上を
図り加工費用を低減させることができる脱脂焼結用トレ
ーを提供することを目的とする。 【構成】 脱脂焼結用トレーは、成形体の焼結温度での
蒸気圧が1×10-4Torr 以下であり、かつ主材質の純
度が95%以上の材料で構成され、更に気孔率が10%
以上になるように形成されていることを特徴とする。
発、分解による金属粉末成形体、及び炉内構成物への不
純物の蒸着による汚染を防止でき、脱脂効率を高めるこ
とができるとともに、焼結を行うための熱効率の向上を
図り加工費用を低減させることができる脱脂焼結用トレ
ーを提供することを目的とする。 【構成】 脱脂焼結用トレーは、成形体の焼結温度での
蒸気圧が1×10-4Torr 以下であり、かつ主材質の純
度が95%以上の材料で構成され、更に気孔率が10%
以上になるように形成されていることを特徴とする。
Description
【0001】
この考案は、例えばFe-Co(-Ni) 合金の金属粉末をバインダで混練し所望 形状に成形してなる金属粉末成形体を載せて脱脂し、更に真空焼結してプリンタ ヘッドの磁性材料焼成品を得るのに用いられる脱脂焼結用トレーに関するもので ある。
【0002】
従来、粉末治金法に基づき金属粉末成形体より焼結体を得るには、金属粉末成 形体を形成させる目的で該成形体中に含有させてある有機バインダを脱脂炉内に おいて不活性ガス或いは還元性ガス雰囲気中または減圧下で加熱分解させて取り 除いて脱脂を行い、その後金属粉末のみで形成している該成形体を焼結炉内にお いて不活性ガス或いは還元性ガス雰囲気中または減圧下で加熱、焼結させるとい う方法が用いられている。
【0003】 この方法において脱脂炉内、或いは焼結炉内に該成形体を載置、保持するトレ ーが必要となり、主としてセラミックス製の台板或いは粉末が用いられる。 ところがセラミックス製の粉末の使用は、そのセラミック製粉末が金属粉末成 形体に付着する等の問題点があり、取り扱いが困難である。したがって取り扱い が容易であるセラミックス製台板をトレーとして使用するのが一般的である。
【0004】
しかしながら、セラミックス製台板の組成或いはその純度によっては、脱脂、 焼結において不活性ガス或いは還元性ガス雰囲気中または減圧下で加熱中という 環境のもとで台板を構成する成分の蒸発、分解が生じる。その結果脱脂、焼結中 の成形体及び炉壁に蒸発、分解した成分の蒸着する汚染が発生し、不良品が多数 発生することになると同時に炉の性能を著しく低下させることになる。
【0005】 また脱脂は金属粉末成形体を形成するために含有された有機バインダを加熱分 解して該成形体表面より取り除くことを目的とするが、脱脂用トレーと該成形体 の接触している部分では脱脂用トレーが障害となり分解したバインダの飛翔を妨 げる。このため脱脂効率が著しく低下し、場合によっては有機バインダの局部的 な分解により該成形体にクラック等を発生させる原因となる。
【0006】 さらに焼結においては焼結用トレーとしてセラミック製の緻密質な台板を用い ると、該トレーの比重が大きいために焼結炉への投入数が抑えられる。該トレー の熱容量が大きいために焼結処理のための電力消費が大きい。該トレーの熱衝撃 性が弱いために室温から焼結温度までの昇降温スピードを抑えざるを得ず、処理 に長時間を要するなどの問題点があった。
【0007】 この考案は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、脱脂・焼 結中の脱脂焼結用トレーの成分の蒸発、分解による金属粉末成形体、及び炉内構 成物への不純物の蒸着による汚染を防止することを第1の目的とし、該トレーの 気孔率を10%以上とすることで該成形体に含有されている有機バインダを脱脂 炉内において加熱分解させて取り除く際に該成形体と該トレーとの接触部分から も有機バインダを取り除いて脱脂効率を高めることを第2の目的とする。 また、気孔率10%以上であるトレーを用いることで焼結を行うための熱効率 の向上を図り加工費用を低減させることを第3の目的とする。
【0008】
この目的を達成するためにこの考案の金属粉末成形体の脱脂焼結用トレーは、 金属粉末をバインダで混練し所望形状に成形してなる金属粉末成形体を載せて脱 脂し、更に真空焼結して焼成品を得るのに用いられる脱脂焼結用トレーであって 、前記成形体の焼結温度での蒸気圧が1×10-4Torr 以下であり、かつ主材質 の純度が95%以上の材料で構成され、更に気孔率が10%以上になるように形 成されていることを特徴とする。 ここで蒸気圧が1×10-4Torr 以下としたのは、真空度1×10-4Torr 以 下の真空装置は経済性から割りが合わず、この真空度に耐える材質であれば足り ると考えたからである。 トレーの材質、純度、気孔率などについては実施例の中で詳細に説明する。
【0009】
上記の構成を有するこの考案の金属粉末成形体の脱脂焼結用トレーによれば、 脱脂処理時にはトレーの気孔率が10%以上とポーラス性が付与されているため に成形体のトレーとの接触面からもバインダの分解除去が進み、脱バインダ効率 が高められ、脱脂に要する時間も短縮される。
【0010】 また焼結処理時においては、該トレーは炉内条件に対して化学的に安定であり 、トレーを構成する成分の蒸発、分解を防止でき、また蒸発、分解による金属粉 末成形体及び炉内構成物へ不純物が蒸着することなく、健全な脱脂体、焼結体が 得られる。
【0011】 さらにトレーの熱容量が小さく熱衝撃性に強く軽量となるために、トレー自体 の昇温に要するエネルギーは小さく消費電力が少なくてすみ、また短時間で大量 に処理を行えるので運転費用が大幅に低減される。さらにトレー自体の損傷は回 避され、繰り返しの使用に耐えられる。
【0012】
以下、この考案を具体化した一実施例を図面を参照して説明する。
【0013】 (実施例1) 金属粉末成形体としてFe-Co(-Ni) 合金粉末と有機バインダを混練し、射 出成形機により成形されたものを使用した。有機バインダの配合比率は射出成形 性を考慮し、40%とした。また脱脂焼結用トレーとしては、表1の通り3種類 を用意して、それぞれ図1に示す通り、トレーに成形体を並べて脱脂並びに焼結 を行った。
【0014】
【表1】
【0015】 図1は焼結炉を示すものである。焼結炉3内には炉床4が設けられ、該炉床4 上に段積みで設けられた脱脂焼結用トレー1a、1b上にそれぞれ成形体2a、 2bが裁置される。図中、成形体2aと2bの違いは成形体上方が脱脂焼結トレ ーにより遮蔽されているかいないかである。脱脂は図示しないが、脱脂炉により 450゜Cまで10゜C/hで昇温し、1時間保持して冷却を行い、この間N2 ガスを 20l/min の流量で流した。脱脂後炉内よりトレーと成形体を取り出し、そのま まの状態で焼結炉へ移し、1400゜Cまで400゜C/hで昇温し、2時間保持して 室温まで3時間で冷却を行い、この間炉内をAr ガスにより5Torr の圧力を保 持した。 結果を表2に示す。
【0016】
【表2】
【0017】 本実施例の脱脂条件のもとではトレーA、B、Cのいずれの上に裁置した成形 体も脱脂後異常は認められなかったが、焼結後の焼結体の表面をEPMAにより 分析した結果、SiO2を多量に含むトレーB上に裁置したもののみSi が検出さ れた。また成形体2aと2bではその量に差が認められ、成形体の上方が他のト レーで遮蔽されているものの方が少ない。これらはトレー中のSiO2が分解、蒸 発して炉内に飛散し、その結果として成形体表面に蒸着したものである。そのた めに成形体2b、つまり上方が他のトレーで遮蔽されているものの方が蒸着する 割合が減少するために成形体2aに比べ2bの方が表面付着物が多くなっている 。
【0018】 (実施例2) 実施例1と同様に金属粉末成形体を準備し、脱脂、焼結用トレーは表1中のA とCを用いて、脱脂効率に関する調査を行った。 脱脂処理における450゜Cまでの昇温スピードを10゜C/h、20゜C/h、30゜C /hと3通り行い、脱脂後の外観検査による不良状態を調べた。脱脂後の不良数の 結果を表3に示す。
【0019】
【表3】
【0020】 昇温スピード10゜C/hではトレーA、Cともに不良は無かったが、20゜C/hに なるとトレーC上の成形体にクラックが認められる。トレーAの方は30゜C/hに おいて不良が認められた。これはトレーAの方がトレーCに比べポーラス性が高 いために、脱脂において分解した有機バインダが成形体よりトレーの気孔を通っ てスムーズな脱脂が行われたためである。 これによりポーラス性の高いトレーを用いると脱脂における昇温率を上げるこ とが可能となり、短時間で効率良く脱脂できることが判る。そして経済的には2 0゜C以上の昇温スピードが必要であるため、少なくとも10%以上の気孔率が必 要である。
【0021】 (実施例3) 実施例1と同様に金属粉末成形体を準備し、脱脂、焼結用トレーを表1中のA とCを用いて熱衝撃性に関する調査を行った。 焼結条件を表4に示すように3通りとし、それぞれのトレー上に成形体を裁置 したものを4段積み重ねた。
【0022】
【表4】
【0023】 炉内圧力は全工程ともAr ガス5Torr で行った。焼結後の脱脂、焼結用トレ ーの破損枚数の結果を表5に示す。
【0024】
【表5】
【0025】 ポーラス性の高いトレーAは、条件3、すなわち1400゜Cまでの昇温スピー ド800゜C/hr.、冷却時間3hr. の条件において部分的にクラックが入るものが 2枚認められたが、焼結体に異常は認められなかった。これに対しポーラス性の 低いトレーCにおいては、条件2、すなわち1400゜Cまでの昇温スピード60 0゜C/hr.、冷却時間5hr. の条件において完全に複数枚が分断、破損してしまい 、裁置されていた焼結体も異常変形を起こしてしまっていた。これによりトレー のポーラス性が低いと耐熱衝撃性が弱くなり、急激な温度変化に対する強度が低 下し、トレーにクラックが発生して破損したと思われる。ポーラス性の高いトレ ーの使用により条件として急速な昇温スピードで焼結を行うことが可能となり、 短時間で処理できることが判る。
【0026】 なお、上記実施例ではトレー材質としてアルミナAl2O3を挙げたが、これに とらわれるものではなく、例えば窒化ボロンBNなども勿論適用可能である。 そしてまた焼結時の雰囲気ガスも上記実施例で示したAr ガスのような不活性 ガスのみならず、還元性ガス、酸化性ガス等の雰囲気下でも適用できることは言 うまでもない。
【0027】
以上説明したことから明かなように、この考案の脱脂焼結用トレーによれば、 金属粉末成形体の脱脂、焼結において、脱脂、焼結用トレーを構成する成分の蒸 発、分解によって該成形体及び炉内構成物への不純物蒸着による汚染が全く無く 、健全な脱脂体、焼結体を得ることができる。 またトレーにポーラス性を付与することで、脱脂において有機バインダを取り 除く際、成形体内の有機バインダは他物体と接触していない表面からのみでなく トレーと接触している表面からもトレー内の気孔を通じて加熱、分解され、成形 体内部より排出されるため脱脂効率を高めることができ、短時間で成形体より排 出されるため脱脂効率を高めることができ、短時間で成形体にクラック等の欠陥 を生じさせることなく脱脂できる。 さらに緻密質なトレーに比べ器具の熱容量が小さくなり、熱衝撃性に強く軽量 であるために焼結炉の消費電力が少なくすることができ、短時間で大量に処理を 行えるために運転費用が大幅に低減できる。 しかもトレー自体、脱脂焼結の各処理で取り換える必要がないため、作業性向 上にも寄与し、さらには繰り返しの使用に耐えるためその経済的効率は極めて大 きい。 したがって上記実施例のように、これをプリンタヘッドの磁性材料などの製造 に適用することは、高品質の製品が得られ、各種情報機器製品の性能アップに寄 与するものである。
【図1】本考案に使用される焼結炉とそこに使用される
脱脂焼結用トレーの概略構成図である。
脱脂焼結用トレーの概略構成図である。
1a、1b 脱脂焼結用トレー 2a、2b 金属粉末成形体 3 焼結炉
Claims (1)
- 【請求項1】 金属粉末をバインダで混練し所望形状に
成形してなる金属粉末成形体を載せて脱脂し、更に真空
焼結して焼成品を得るのに用いられる脱脂焼結用トレー
であって、 前記成形体の焼結温度での蒸気圧が1×10-4Torr 以
下であり、かつ主材質の純度が95%以上の材料で構成
され、更に気孔率が10%以上になるように形成されて
いることを特徴とする金属粉末成形体の脱脂焼結用トレ
ー。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8849891U JPH0532999U (ja) | 1991-10-02 | 1991-10-02 | 金属粉末成形体の脱脂焼結用トレー |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8849891U JPH0532999U (ja) | 1991-10-02 | 1991-10-02 | 金属粉末成形体の脱脂焼結用トレー |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0532999U true JPH0532999U (ja) | 1993-04-30 |
Family
ID=13944488
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8849891U Pending JPH0532999U (ja) | 1991-10-02 | 1991-10-02 | 金属粉末成形体の脱脂焼結用トレー |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0532999U (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2024512431A (ja) * | 2021-03-16 | 2024-03-19 | ディーエスビー テクノロジーズ, エルエルシー | 連続焼結炉で使用するためのラッキングシステム |
Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH01226772A (ja) * | 1988-03-04 | 1989-09-11 | Showa Denko Kk | 脱脂・焼結用支持体 |
| JPH0257617A (ja) * | 1988-08-20 | 1990-02-27 | Kawasaki Steel Corp | 真空焼結用器具 |
| JPH029799B2 (ja) * | 1980-09-02 | 1990-03-05 | Searle & Co | |
| JPH031090A (ja) * | 1989-05-26 | 1991-01-07 | Kanebo Ltd | 焼成用治具及びその製造方法 |
-
1991
- 1991-10-02 JP JP8849891U patent/JPH0532999U/ja active Pending
Patent Citations (4)
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|---|---|---|---|---|
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