JPH054216B2 - - Google Patents
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- JPH054216B2 JPH054216B2 JP60044735A JP4473585A JPH054216B2 JP H054216 B2 JPH054216 B2 JP H054216B2 JP 60044735 A JP60044735 A JP 60044735A JP 4473585 A JP4473585 A JP 4473585A JP H054216 B2 JPH054216 B2 JP H054216B2
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- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Magnetic Record Carriers (AREA)
- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、塗布層を設けることにより表面特
性、特に滑り性、帯電性の改良された二軸延伸ポ
リエステルフイルムに関する。 〔従来の技術及びその問題点〕 二軸延伸ポリエステルフイルム、特に二軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフイルムは、透明
性、寸法安定性、機械的特性、電気的特性、ガス
バリヤー性、耐熱性、耐薬品性などに優れ、包装
材料、電気絶縁材料、銀塩、ジアゾ化合物、感光
性樹脂などを用いる感光材料、製図材料、電子写
真材料、磁気記録材料などの基材として用いられ
ている。最近では磁気記録媒体の高密度記録化、
コンデンサーの高容量化などに伴ない磁気記録媒
体あるいはコンデンサーに使用されるポリエステ
ルフイルムは、ますます平坦であると共に良好な
滑り性、すなわち平滑性が要求されている。平滑
なフイルムの必要性は、光学用途、電子写真用途
などの多くの用途面でも増大している。 ポリエステルフイルムの滑り性を改良する従来
の方法としては、微細な有機系あるいは無機系の
粒子を添加する方法(添加粒子法)、ポリエステ
ルの重合時にエステル交換触媒残渣などを析出さ
せる方法(析出粒子法)、ポリマーブレンドによ
る方法、有機系の潤滑剤を配合する方法などのポ
リエステルフイルムへの添加物による改良方法が
ある。しかしながら、これらの添加物による方法
は、滑り性と平坦性の一方が向上すれば他の一方
が低下し、両方を共に向上させるのが困難である
のが実情である。また、添加物による方法は、透
明性を要求される光学用途には限界がある場合が
ある。有機系の潤滑剤を配合する方法は、無機系
粒子などを適度に併用することによりある程度の
平滑性を達成できるものの、潤滑剤の転着による
装置あるいは製品の汚染、蒸着工程での高真空度
の達成と維持の困難、積層体とした場合の層間の
接着性の低下など問題が多い。添加物を含有する
層を平坦層と共押出しなどで積層する方法で平滑
化をはかる方法もあるが、先に述べた添加物によ
る問題点と共に添加物含有層の平坦層への形状転
写などの問題がある。溶剤処理、コロナ放電処理
などにより表面処理をしたフイルムを延伸し、表
面に突起を形成させる方法もあるが、突起形状に
種々の制約もあり、滑り性が不充分な場合が多
い。これらの方法に対して、塗布層に微細かつ稠
密な突起を形成させる方法が、フイルムの平滑化
法として注目されている。塗布層の突起形成方法
としては、微細な無機系粒子を含有させる方法が
滑り性や固着性(ブロツキング性)を改良するた
め広く慣用されているが、最近では塗布層を設け
た後にポリエステルフイルムを延伸する方法(以
下塗布延伸法と略称する)の塗布剤として塗布層
中での相分離や塗布延伸時の伸び特性に特徴のあ
る化合物を用いる方法が、新規な平滑フイルムの
製造方法として注目されている。例えば、特開昭
54−43017号公報では、塗布剤としてポリエステ
ルにゼラチンを配合し、塗布延伸によつて滑り性
の良好なポリエステルフイルムを得ている。それ
以後、特開昭56−10455号公報、特開昭57−18254
号公報、特開昭58−62826号公報などで塗布延伸
による平滑フイルムが提案されている。これら
は、縦一軸延伸後のフイルムの塗布剤を塗布後、
横方向に延伸しており、塗布層の突起形状が縦方
向に長いため突起形状の呼称として、「みみず状
突起」、「山脈状突起」などと記載されている(以
下縦長突起と呼称する)。なお、縦長突起の特殊
なものとして、塗布層の破断による基体ポリエス
テルフイルム面が露出した「不連続皮膜状突起」
も提案されている。 本発明者らは、先にアクリル系樹脂、ポリエス
テルおよび特定の水溶性樹脂あるいはこれらとシ
リカゾルからなる塗布剤を用いた塗布延伸法によ
る平滑なフイルムを提案した(特願昭58−170308
号、特願昭58−170929号、特願昭58−170930号)。 特定の水溶性樹脂とは、塗布延伸により縦長突
起を形成する樹脂で、具体的にはゼラチン、セル
ロース誘導体などである。しかしながら、塗布延
伸法により平滑なフイルムが得られるものの、工
業的規模でフイルムの巻き長さを増したり、高速
でフイルムを巻き出したりする場合には、フイル
ムの平坦化による接触面積の増大によるものと推
定されるフイルム巻き出し時の剥離帯電でフイル
ムからの火花の発生やフイルムの帯電密着による
破断などの問題が発生する場合もある。 〔発明の目的〕 本発明は、表面特性、特に滑り性、帯電性の改
良された二軸延伸ポリエステルフイルムを提供す
ることを目的とする。 〔発明の構成〕 本発明者らは、剥離帯電などフイルムの帯電性
を改良する目的で縦長突起形成樹脂を検討してい
たところ、縦長突起形成性を有すると共に導電性
でもあるポリアクリル酸塩類が有効であることを
見出し、本発明をなすに至つた。 すなわち、本発明はポリエステルフイルムの少
なくとも片面にアクリル酸、メタクリル酸または
その塩含有量が30モル%以上のビニル系樹脂を含
有する塗布剤を塗布後延伸した二軸延伸ポリエス
テルフイルムである。 本発明において基体を構成するポリエステルフ
イルムは、その構成成分の80モル%以上がエチレ
ンテレフタレートであるポリエチレンテレフタレ
ートあるいは80モル%以上がエチレンナフタレー
トであるポリエチレンナフタレートフイルムであ
る。エチレンテレフタレート、エチレンナフタレ
ート以外のポリエステル共重合成分としては、例
えばジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、1,4−ブチレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレ
ングリコールなどのジオール成分、イソフタル
酸、5−ソジオスルホイソフタル酸、アジピン
酸、セバシン酸およびそのエステル形成性誘導体
などのジカルボン酸成分、オキシ安息香酸および
そのエステル形成性誘導体などのオキシカルボン
酸などを用いることができるがこれらに限定され
るものではない。 本発明における基体を構成するポリエステルフ
イルムは、フイルムの表面に突起を形成する添加
粒子、析出粒子、基体ポリエステルと特性の異な
るポリエステルあるいはそれ以外の樹脂を含有し
ていてもよいが、蒸着金属を磁性層とする高密度
磁気記録用途などに用いる場合、これらは極力少
なくするのが好ましい。しかし、用途に応じては
従来当業者が常用している範囲の量を含有してい
てもよい。突起形成剤以外の添加物としては、必
要に応じて帯電防止剤、安定剤、潤滑剤、着色
剤、光線遮断剤などを含有していてもよい。 本発明におけるアクリル酸、メタクリル酸また
はその塩を成分とするビニル系樹脂とは、一般式 (ただし、Rは水素またはアルキル基、Mは水
素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニ
ウム(置換アンモニウムも含む)を示す) なる繰返し単位を主要な構成成分とするものであ
る。本発明におけるビニル系樹脂中の(1)式の構成
成分の含有量は、導電性および樹脂の水溶性化と
共に縦長突起形成性からも30モル%〜100モル%、
さらに好ましくは50モル%〜100モル%である。
本発明におけるビニル系樹脂の(1)式以外の構成成
分としては、ビニルカルボン酸およびそれらの
塩、エステル誘導体、無水マレイン酸、スチレン
類、酢酸ビニル、ビニルエーテル、ビニルスルホ
ン酸およびそれらの塩、アクリルアミド類、ハロ
ゲン化ビニル、ビニルピリジン、ビニルピロリド
ン、ビニルトリアルコキシシランなどビニル重合
性の化合物があげられるが、これらに限定される
ものではない。本発明におけるビニル系樹脂の分
子量は、塗布層中での相分離特性、塗布延伸過程
での伸び特性と関連して導電性、縦長突起の形状
に影響を及ぼすが、通常は2000〜100万、好まし
くは5000〜50万である。例えば、本発明における
ビニル系樹脂の分子量が高いほど縦長突起は大き
くなる。本発明におけるアクリル酸、メタクリル
酸またはその塩を成分とするビニル系樹脂の塗布
層中の含有量は、必要とする導電性、縦長突起の
大きさに応じて決める必要があるが、3重量%〜
100重量%、好ましくは5〜25重量%である。25
重量%を超えると縦長突起が大きくなり、磁気記
録用では磁気記録特性の低下を来たし好ましくな
い。 ポリエステルフイルムに塗布剤を塗布する方法
は、原崎勇次著、槙書店1979年発行、「コーテイ
ング方式」に示されるリバースロールコーター、
グラビアコーター、ロツドコーター、エアドクタ
コーターあるいはこれら以外の塗布装置を用いる
ことができる。塗布工程は、逐次二軸延伸前、同
時二軸延伸前、二軸延伸後で再延伸前などに実施
する。すなわち、ポリエステルフイルムに塗布剤
を塗布し、その後適当な乾燥を施し、あるいは乾
燥を施すことなく延伸する方法(塗布延伸法)が
塗布層の表面に突起を形成させるのに必須であ
る。特に好ましくは、ロール延伸法による一軸延
伸ポリエステルフイルムに塗布剤の水分散物ある
いは水溶液を塗布し、適当な乾燥を施し、あるい
は乾燥を施すことなく、ポリエステル一軸延伸フ
イルムをただちに先の延伸方向と直角方向に延伸
し、熱処理する方法が好ましい。本方法によれ
ば、延伸と同時に塗布層の乾燥が可能になると共
に塗布層の厚さを延伸倍率に応じて薄くすること
ができる。 塗布層の表面の突起形状は、延伸方法、延伸倍
率、延伸速度などによつて異なるが逐次二軸延伸
法でいわゆる縦延伸後に塗布したフイルムを横延
伸した場合には、縦方向に長く、横方向に幅の狭
いいわゆる縦長突起が形成される。突起形状の大
小は、縦長突起形成性樹脂の構造、重合度、配合
量、塗布剤に配合される縦長突起形成性樹脂以外
の樹脂の特性、塗布層の厚さなどに影響される。
例えば、縦長突起形成樹脂の重合度が大きいほ
ど、配合量が多いほど、塗布層の厚さが厚いほ
ど、塗布剤に用いられる縦長突起形成性樹脂以外
の樹脂の弾性率が低いほど突起形状が大きくな
る。また、塗布剤の塗布後、延伸前の塗布層の乾
燥速度、乾燥の程度によつても突起形状が異な
る。これは塗布層での縦長突起形成樹脂の相分離
や含水状態での延伸性の差によるものと推定され
る。 本発明の二軸延伸ポリエステルフイルムの塗布
層の厚さは、0.01μから1μの範囲が好ましく、さ
らに好ましくは0.01μから0.1μの範囲である。塗
布層の厚さが0.01μ未満では均一に塗布しにくい
ため製品に塗布むらが生じやすく、1μより厚い
場合は、滑り性がかえつて低下する場合がある。 本発明の二軸延伸ポリエステルフイルムの塗布
層には、本発明におけるビニル系樹脂以外に水溶
性あるいは水分散性のポリエステル、ポリアミ
ド、ポリウレタン、本発明におけるビニル系樹脂
以外のビニル系樹脂、ブタジエン系樹脂、エポキ
シ樹脂、シリコーン樹脂などを併用することがで
きる。塗布層の固着性(プロツキング性)、耐水
性、耐溶剤性、機械的強度の改良のため架橋剤と
してメチロール化あるいはアルキロール化した尿
素系、メラミン系、アクリルアミド系、ポリアミ
ド系などの樹脂、エポキシ化合物、アジリジン化
合物、プロツクポリイソシアネート、ビニル化合
物などの反応性化合物を塗布層に含有せしめても
よい。本発明の塗布層には、必要に応じて消泡
剤、塗布性改良剤、増粘剤、帯電防止剤、有機系
潤滑剤、無機系微粒子、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、発泡剤、染料、顔料などを含有せしめてもよ
い。 塗布剤のフイルムへの塗布性、接着性を改良す
るため、塗布延伸前にフイルムの化学処理や放電
処理を施してもよい。また、本発明の二軸延伸ポ
リエステルフイルムの塗布層の特性を改良するた
め放電処理を施してもよい。 なお、本発明のビニル系樹脂以外の塗布剤とし
て水分散性あるいは水溶性アクリル系樹脂、スル
ホン塩基を有する水分散性あるいは水溶性ポリエ
ステル系樹脂および無機粒子、特にシリカゾルを
併用したものが、透明性、滑り性、接着性、特に
磁気記録媒体の磁性層やバツクコート層との接着
性に優れ、特に好ましい。 前述の水分散性あるいは水溶性アクリル系樹脂
(以下“アクリル系樹脂”と略称する)は、アル
キルアクリレートあるいはアルキルメタクリレー
トを主要な成分とするものが好ましく、該成分30
〜90モル%と、これらと共重合可能でかつ官能基
を有するビニル単量体成分70〜10モル%を含有す
る水溶性あるいは水分散性樹脂が好ましい。 アルキルアクリレートあるいはアルキルメタク
リレートと共重合可能でかつ官能基を有するビニ
ル単量体は、樹脂に親水性を付与して樹脂の水分
散性を良好にしたり、あるいは樹脂とポリエステ
ルフイルムや、下塗り層上に設ける他の塗布層と
の接着性を良好にしたり、あるいは塗布剤として
配合するポリエステル系樹脂との親和性を良好に
する官能基を有するものが好ましく、好ましい官
能基とは、カルボキシル基またはその塩、酸無水
物基、スルホン酸基、またはその塩、アミド基ま
たはアルキロール化されたアミド基、アミノ基
(置換アミノ基を含む)またはアルキロール化さ
れたアミノ基あるいはそれらの塩、水酸基、エポ
キシ基等である。特に好ましいものはカルボキシ
ル基またはその塩、酸無水物基、エポキシ基等で
ある。これらの基は樹脂中に二種以上含有されて
いてもよい。 アクリル系樹脂中のアルキルアクリレートある
いはアルキルメタクリレートが30モル%以上であ
るのが好ましいのは、塗布形成性、塗膜の強度、
耐ブロツキング性が良好になるためである。アク
リル系樹脂中のアルキルアクリレートあるいはア
ルキルメタクリレートが90モル%以下であるのが
好ましいのは、共重合成分として特定の官能基を
有する化合物をアクリル系樹脂に導入することに
より、水溶化、水分散化しやすくすると共にその
状態を長期にわたり安定にするためであり、さら
に塗布層とポリエステルフイルム層との接着性の
改善、塗布層内での反応による塗布層の強度、耐
水性、耐薬品性の改善、さらに本発明のフイルム
と他の材料との接着性の改善などをはかることが
できるからである。 アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリ
レートのアルキル基の例としては、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エ
チルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基、シ
クロヘキシル基などがあげられる。 アルキルアクリレートあるいはアルキルメタク
リレートと共重合する官能基を有するビニル系単
量体は、反応性官能基、自己架橋性官能基、親水
性基などの官能基を有する下記の化合物類が使用
できる。 カルボキシル基またはその塩、あるいは酸無水
物基を有する化合物としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、
クロトン酸、これらのカルボン酸のナトリウムな
どとの金属塩、アンモニウム塩あるいは無水マレ
イン酸などがあげられる。 スルホン酸基またはその塩を有する化合物とし
ては、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、
これらのスルホン酸のナトリウムなどとの金属
塩、アンモニウム塩などがあげられる。 アミド基あるいはアルキロール化されたアミド
基を有する化合物としては、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、
メチロール化アクリルアミド、メチロール化メタ
クリルアミド、ウレイドビニルエーテル、β−ウ
レイドイソブチルビニルエーテル、ウレイドエチ
ルアクリレートなどがあげられる。 アミノ基またはアルキロール化されたアミノ基
あるいはそれらの塩を有する化合物としては、ジ
エチルアミノエチルビニルエーテル、2−アミノ
エチルビニルエーテル、3−アミノプロピルビニ
ルエーテル、2−アミノブチルビニルエーテル、
ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチル
アミノエチルビニルエーテル、それらのアミノ基
をメチロール化したもの、ハロゲン化アルキル、
ジメチル硫酸、サルトンなどにより4級塩化した
ものなどがあげられる。 水酸基を有する化合物としては、β−ヒドロキ
シエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメ
タクリレート、β−ヒドロキシプロピルアクリレ
ート、β−ヒドロキシプロピルメタクリレート、
β−ヒドロキシビニルエーテル、5−ヒドロキシ
ペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシ
ルビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ
アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタ
クリレート、ポリプロピレングリコールモノアク
リレート、ポリプロピレングリコールモノメタク
リレートなどがあげられる。 エポキシ基を有する化合物としては、グリシジ
ルアクリレート、グリシジルメタクリレートなど
があげられる。 さらに上記以外に次に示すような化合物を併用
してもよい。すなわちアクリロニトリル、メタク
リロニトリル、スチレン類、ブチルビニルエーテ
ル、マレイン酸モノあるいはジアルキルエステ
ル、フマル酸モノあるいはジアルキルエステル、
イタコン酸モノあるいはジアルキルエステル、メ
チルビニルケトン、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、酢酸ビニル、ビニルピリジン、ビニルピロリ
ドン、ビニルトリメトキシシランなどがあげられ
るがこれらに限定されるものではない。 アクリル系樹脂は、界面活性剤を含有していて
もよい。しかしながら、ポリエステル系樹脂に対
してアクリル系樹脂の割合が多い場合には、アク
リル系樹脂に含有される低分子量体の界面活性剤
が、造膜過程で濃縮され、粒子と粒子の界面に蓄
積されたり、塗布層の界面に移行するなどして、
塗布層の機械的強度、耐水性、積層体との接着性
に問題を生じる場合がある。このような場合に
は、界面活性剤を含有しないいわゆるソープフリ
ー重合による重合物を利用できる。 界面活性剤を含有しないアクリル系樹脂の製造
方法は、経営開発センター出版部編集、経営開発
センター出版部昭和56年1月発行、「水溶性高分
子・水分散型樹脂総合技術資料集」第309頁ある
いは産業技術研究会主催、「〜最新の研究成果か
ら将来を展望する〜エマルジヨンの新展開と今後
の技術課題」講演会テキスト(昭和56年12月)な
どに示された方法を用いることができる。例え
ば、低分子量体の界面活性剤の代りにオリゴマー
あるいは高分子界面活性剤の利用、過硫酸カリウ
ムや過硫酸アンモニウムなどの重合開始剤の利用
による親水基の重合体中への導入、親水基を有す
るモノマーの共重合、反応性界面活性剤の利用、
分散体粒子の内部層と外部層の組成を変化させた
いわゆるシエル−コア−型重合体などが、いわゆ
る界面活性剤を含有しない水分散性アクリル系樹
脂の製造技術として用いることができる。 前述のスルホン酸塩基を有する水溶性あるいは
水分散性のポリエステル系樹脂(以下“ポリエス
テル系樹脂”と略称する)は、塗布剤のポリエス
テルフイルムへの塗布性、塗布層とポリエステル
フイルムとの層間接着性、塗布層の凝集破壊性や
摩擦摩耗性などの改良に効果を発揮する。ポリエ
ステル系樹脂としては、特公昭47−40873号、特
開昭50−83497号、特開昭50−121336号、特開昭
52−155640号公報などで公知のポリエステルある
いはそれらに準じたポリエステルを用いることが
できる。 例えば、ポリエステルのジカルボン酸成分は、
芳香族ジカルボン酸の例として、テレフタル酸、
イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸
およびそれらのエステル形成性誘導体などが用い
られ、脂肪族ジカルボン酸の例として、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸およびそのエステ
ル形成性誘導体などが用いられ、オキシモノカル
ボン酸の例として、オキシ安息香酸およびそのエ
ステル形成性誘導体などが用いられる。 さらにポリエステルのグリコール成分として
は、脂肪族、脂環族、芳香族ジオール等が使用で
き、その例として、エチレングリコール、1,4
−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、p−キシレンジオールなどが用いら
れ、ポリ(オキシアルキレン)グリコールの例と
していわゆるポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、などが用いられる。 ポリエステルとしては、上述したエステル形成
成分からなる飽和線状ポリエステルのみならず、
3個以上のエステル形成成分を有する化合物から
なるポリエステルあるいは反応性の不飽和基を有
するポリエステルも用いることができる。 スルホン酸塩基を有するポリエステルは、前述
したポリエステル形成成分と共に、ポリエステル
成分となり得るスルホン酸塩基を有する化合物を
用いて製造できる。 スルホン酸塩基を有する化合物の例としては、
スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、スル
ホナフタレン−2,6−ジカルボン酸およびその
エステル形成性誘導体などの金属塩がある。金属
塩の金属としては、リチウム、ナトリウム、カリ
ウム、マグネシウムなどが好適である。これらの
中で非常に好適な化合物としては、5−ソジオス
ルホイソフタル酸または5−ソジオスルホジメチ
ルイソフタレートである。 ポリエステルにスルホン酸塩基を導入する別法
としては、エステル形成性脂肪族不飽和化合物を
共重合成分としたポリエステルの不飽和基を亜硫
酸水素ナトリウムあるいはメタ重亜硫酸ナトリウ
ムなどのスルホン化剤でスルホン化する方法も例
示することができる。 ポリエステル系樹脂のジカルボン酸成分中の芳
香族ジカルボン酸量は、50モル%〜100モル%の
範囲が好ましい。これはポリエステル系樹脂の軟
化点を高め、固着性を良くするためである。 ポリエステル系樹脂中のスルホン酸塩基は、樹
脂を水溶性あるいは水分散性とするに必要な量存
在する必要があり、スルホン酸塩基を有するジカ
ルボン酸をジカルボン酸中の2モル%〜20モル%
の範囲で使用するのが好ましい。 2モル%より少ないスルホン酸塩基量では水溶
性あるいは水分散性が不充分であり、20モル%よ
り多いスルホン酸塩基量では、塗布後の下塗り層
の耐水性が劣つたり、吸湿してフイルムが相互に
固着しやすくなる場合があるからである。 さらにポリエステル系樹脂として、上述したエ
ステル形成性成分からなる飽和線状ポリエステル
のみならず、3価以上のエステル形成性成分を有
する化合物からなるポリエステルあるいは反応性
の不飽和基を有するポリエステルも用いることが
できる。 アクリル系樹脂とポリエステル系樹脂の合計量
に対するポリエステル系樹脂の割合は、固形分重
量として3〜80重量%が好ましく、さらに好まし
くは5〜60重量%である。ポリエステル系樹脂が
3重量%よりも少ない場合は、塗布剤の基体ポリ
エステルフイルムへの塗布性、層間接着性が低下
すると共に塗布層の機械的特性が低下する。ポリ
エステル系樹脂が80重量%よりも多い場合は、滑
り性や固着性が低下する傾向がある。ただし、ポ
リエステル系樹脂の割合が多くなる場合は、無機
粒子の配合量を多くすることにより滑り性、固着
性を向上させることができる。 前述の無機粒子としては、平均粒径1μ以下、
さらに好ましくは0.5μ以下、特に好ましくは0.2μ
以下のもので、具体的にはカオリン、シリカ、シ
リカゾル、炭酸カルシウム、酸化チタン、バリウ
ム塩、アルミナ、硫化モリブデン、カーボンブラ
ツク、ジルコニウム類などがあげられるがこれら
に限定されるものではない。これらの中で特に好
ましい無機粒子はシリカゾルである。このシリカ
ゾルとは、「高分子加工」、1974年発行、第23巻、
第149〜155頁に示されているように一般的にはケ
イ酸ソーダよりアルカリイオンを除くことにより
生成したものである。シリカゾルとしては、不純
物を含有しないものも利用できるが、凝集が起き
やすくコロイド状態が不安定なため、ナトリウム
イオン、アルミニウムイオン、アンモニウムイオ
ン等により表面が安定化されたものが好ましい。
市販品としては、日産化学工業株式会社のスノー
テツクス(商品名)、触媒化成工業株式会社のキ
ヤタロイド(商品名)、du Pont社のLudox(商品
名)、Nalco Chemical社のNalcoag(商品名)、
Monsanto社のSyton(商品名)などが利用でき
る。さらに本発明のシリカゾルとしては、四塩化
ケイ素を気相熱分解して得た粉体を水に分散した
ものでもよく、日本アエロジル株式会社のアエロ
ジル(商品名)などを利用できる。シリカゾルの
粒子径は、0.005〜0.2μの範囲で、塗布層の厚さ、
用途に応じて適宜選択すれがよい。シリカゾルの
塗布層における含有量は、全固形分中の1〜30重
量%が好ましい。シリカゾルが1重量%よりも少
ない場合には、帯電性、滑り性、固着性などの改
良が不充分であり、30重量%よりも多い場合に
は、摩擦摩耗性が悪化して白粉が発生しやすくな
る。 このアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂及び
無機粒子とを併用する場合の本発明のビニル系樹
脂量は、用途によつて異なるが、3重量%以上70
重量%以下が好ましく、さらに好ましくは、5重
量%以上50重量%以下である。 本発明の二軸延伸ポリエステルフイルムは、表
面特性、特に滑り性、導電性に優れ、1μ〜500μ
のフイルムとして包装材料、グラフイツクアート
材料、電子写真材料、磁気記録材料などの基材と
して有用である。特に本発明の二軸延伸ポリエス
テルフイルムは、平滑性の要求される高密度磁気
記録材料の基材として有用である。 以下、実施例をあげて本発明を説明する。な
お、実施例中の評価は、次に述べる方法による。 (1) 作業性 A4版フイルムを約30枚重ね、全体の屈曲性、
フイルム一枚毎の剥離性、引抜性、帯電性を観察
した。 (2) 摩擦係数 ASTM−D−1894−63によりフイルムとフイ
ルムの静止摩擦係数を測定した。静止摩擦係数1
以下のものが作業性もよく、長尺のフイルムロー
ルとしての巻取り性、巻き姿がよい。 (3) 固着性(ブロツキング性) 40℃,80%RH,10Kg/cm2,20時間の条件下で
重ねたフイルムのASTM−D−1893の方法によ
る剥離強度を測定した。 (4) 表面粗さ 小坂研究所製の薄膜段差計ET−10型で触針先
端半径0.5μ、接触荷重1gで測定し、突起の基底
部から頂上部までの距離を表面粗さとした。 (5) 帯電性 春日電機製のスタテイツク・オネストメーター
S4104で10KVの放電電圧でフイルムに帯電後、
電荷減衰を23℃,50%RHの条件で測定した。な
お、上記測定条件で測定中のフイルムに35℃,
100%RHの空気を吹きつけて電荷減衰性を測定
し、帯電特性に差があるかどうかも評価した(強
制加湿効果)。 比較例 1 重合触媒残渣等にもとづく表面突起形成剤をほ
とんど含まない固有粘度0.62のポリエチレンテレ
フタレートを約285℃で溶融し、約60℃の冷却ド
ラム上に静電印加を行ないながら押出した。さら
に83℃で縦方向にロールで3.5倍延伸し、その後
110℃で横方向に延伸、220℃で熱処理を行ない、
厚さ12.1μおよび50μ、表面粗さ50Åの二軸延伸フ
イルムを得た。このフイルムは、巻き取り性が極
めて悪く、長尺のフイルムロールを得ることが困
難であると共に得られたフイルムロールの巻き姿
が悪く、製品としての出荷は不可能であつた。念
のためA4版として切り出して作業性を観察した
がフイルムが相互に密着して全体が一体化してし
まい、フイルムの取扱いが困難であつた。このフ
イルムの摩擦係数は、フイルムが滑らないため測
定できなかつた。すなわち、本フイルムは、滑り
性の不足により実用に供し得なかつた。 実施例 1 25℃,25重量%水溶液の粘度が300cpのポリア
クリル酸ソーダ(ジユリマーAC−10N:日本純
薬(株)製(A型と略称する))、25℃,25重量%水溶
液の粘度が1500cpの共重合ポリアクリル酸ソー
ダ(ジユリマーAC−20N:日本純薬(株)製(B型
と略称する))、25℃、10重量%の粘度が6000cp
のポリメタクリル酸ソーダ(ジユリマーAC−
30N:日本純薬(株)製(C型と略称する))をメチ
ルアクリレート、イソブチルアクリレート、アク
リル酸、メタクリル酸、グリシジルメタクリレー
トを主要成分とし、カルボン酸がアンモニアで中
和され、界面活性剤を含有しない水溶性アクリル
系樹脂(ジユリマーAT−M918:日本純薬(株)
製)、ジカルボン酸中7モル%が5−ソジオスル
ホイソフタル酸であり、他にテレフタル酸、イソ
フタル酸、エチレングリコール、ジエチレングリ
コールからなる界面活性剤を含有しない水分散性
ポリエステル(ポリエスタ−XWR−901:日本
合成化学工業(株)製)およびシリカゾル(スノーテ
ツクス20L:日産化学工業(株)製)と共に表1に示
すように配合した水系塗布剤を比較例1の製膜工
程の縦延伸後に塗布して12.1μの二軸延伸ポリエ
ステルフイルムを得た。塗布量は、塗布剤の固型
分として0.04g/m2である。この二軸延伸ポリエ
ステルフイルムは、表1に示したようにフイルム
の巻取り性が良好であり、ユーザーでの加工性も
良好であつた。また、塗布層には、縦長突起が形
成されていた。
性、特に滑り性、帯電性の改良された二軸延伸ポ
リエステルフイルムに関する。 〔従来の技術及びその問題点〕 二軸延伸ポリエステルフイルム、特に二軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフイルムは、透明
性、寸法安定性、機械的特性、電気的特性、ガス
バリヤー性、耐熱性、耐薬品性などに優れ、包装
材料、電気絶縁材料、銀塩、ジアゾ化合物、感光
性樹脂などを用いる感光材料、製図材料、電子写
真材料、磁気記録材料などの基材として用いられ
ている。最近では磁気記録媒体の高密度記録化、
コンデンサーの高容量化などに伴ない磁気記録媒
体あるいはコンデンサーに使用されるポリエステ
ルフイルムは、ますます平坦であると共に良好な
滑り性、すなわち平滑性が要求されている。平滑
なフイルムの必要性は、光学用途、電子写真用途
などの多くの用途面でも増大している。 ポリエステルフイルムの滑り性を改良する従来
の方法としては、微細な有機系あるいは無機系の
粒子を添加する方法(添加粒子法)、ポリエステ
ルの重合時にエステル交換触媒残渣などを析出さ
せる方法(析出粒子法)、ポリマーブレンドによ
る方法、有機系の潤滑剤を配合する方法などのポ
リエステルフイルムへの添加物による改良方法が
ある。しかしながら、これらの添加物による方法
は、滑り性と平坦性の一方が向上すれば他の一方
が低下し、両方を共に向上させるのが困難である
のが実情である。また、添加物による方法は、透
明性を要求される光学用途には限界がある場合が
ある。有機系の潤滑剤を配合する方法は、無機系
粒子などを適度に併用することによりある程度の
平滑性を達成できるものの、潤滑剤の転着による
装置あるいは製品の汚染、蒸着工程での高真空度
の達成と維持の困難、積層体とした場合の層間の
接着性の低下など問題が多い。添加物を含有する
層を平坦層と共押出しなどで積層する方法で平滑
化をはかる方法もあるが、先に述べた添加物によ
る問題点と共に添加物含有層の平坦層への形状転
写などの問題がある。溶剤処理、コロナ放電処理
などにより表面処理をしたフイルムを延伸し、表
面に突起を形成させる方法もあるが、突起形状に
種々の制約もあり、滑り性が不充分な場合が多
い。これらの方法に対して、塗布層に微細かつ稠
密な突起を形成させる方法が、フイルムの平滑化
法として注目されている。塗布層の突起形成方法
としては、微細な無機系粒子を含有させる方法が
滑り性や固着性(ブロツキング性)を改良するた
め広く慣用されているが、最近では塗布層を設け
た後にポリエステルフイルムを延伸する方法(以
下塗布延伸法と略称する)の塗布剤として塗布層
中での相分離や塗布延伸時の伸び特性に特徴のあ
る化合物を用いる方法が、新規な平滑フイルムの
製造方法として注目されている。例えば、特開昭
54−43017号公報では、塗布剤としてポリエステ
ルにゼラチンを配合し、塗布延伸によつて滑り性
の良好なポリエステルフイルムを得ている。それ
以後、特開昭56−10455号公報、特開昭57−18254
号公報、特開昭58−62826号公報などで塗布延伸
による平滑フイルムが提案されている。これら
は、縦一軸延伸後のフイルムの塗布剤を塗布後、
横方向に延伸しており、塗布層の突起形状が縦方
向に長いため突起形状の呼称として、「みみず状
突起」、「山脈状突起」などと記載されている(以
下縦長突起と呼称する)。なお、縦長突起の特殊
なものとして、塗布層の破断による基体ポリエス
テルフイルム面が露出した「不連続皮膜状突起」
も提案されている。 本発明者らは、先にアクリル系樹脂、ポリエス
テルおよび特定の水溶性樹脂あるいはこれらとシ
リカゾルからなる塗布剤を用いた塗布延伸法によ
る平滑なフイルムを提案した(特願昭58−170308
号、特願昭58−170929号、特願昭58−170930号)。 特定の水溶性樹脂とは、塗布延伸により縦長突
起を形成する樹脂で、具体的にはゼラチン、セル
ロース誘導体などである。しかしながら、塗布延
伸法により平滑なフイルムが得られるものの、工
業的規模でフイルムの巻き長さを増したり、高速
でフイルムを巻き出したりする場合には、フイル
ムの平坦化による接触面積の増大によるものと推
定されるフイルム巻き出し時の剥離帯電でフイル
ムからの火花の発生やフイルムの帯電密着による
破断などの問題が発生する場合もある。 〔発明の目的〕 本発明は、表面特性、特に滑り性、帯電性の改
良された二軸延伸ポリエステルフイルムを提供す
ることを目的とする。 〔発明の構成〕 本発明者らは、剥離帯電などフイルムの帯電性
を改良する目的で縦長突起形成樹脂を検討してい
たところ、縦長突起形成性を有すると共に導電性
でもあるポリアクリル酸塩類が有効であることを
見出し、本発明をなすに至つた。 すなわち、本発明はポリエステルフイルムの少
なくとも片面にアクリル酸、メタクリル酸または
その塩含有量が30モル%以上のビニル系樹脂を含
有する塗布剤を塗布後延伸した二軸延伸ポリエス
テルフイルムである。 本発明において基体を構成するポリエステルフ
イルムは、その構成成分の80モル%以上がエチレ
ンテレフタレートであるポリエチレンテレフタレ
ートあるいは80モル%以上がエチレンナフタレー
トであるポリエチレンナフタレートフイルムであ
る。エチレンテレフタレート、エチレンナフタレ
ート以外のポリエステル共重合成分としては、例
えばジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、1,4−ブチレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレ
ングリコールなどのジオール成分、イソフタル
酸、5−ソジオスルホイソフタル酸、アジピン
酸、セバシン酸およびそのエステル形成性誘導体
などのジカルボン酸成分、オキシ安息香酸および
そのエステル形成性誘導体などのオキシカルボン
酸などを用いることができるがこれらに限定され
るものではない。 本発明における基体を構成するポリエステルフ
イルムは、フイルムの表面に突起を形成する添加
粒子、析出粒子、基体ポリエステルと特性の異な
るポリエステルあるいはそれ以外の樹脂を含有し
ていてもよいが、蒸着金属を磁性層とする高密度
磁気記録用途などに用いる場合、これらは極力少
なくするのが好ましい。しかし、用途に応じては
従来当業者が常用している範囲の量を含有してい
てもよい。突起形成剤以外の添加物としては、必
要に応じて帯電防止剤、安定剤、潤滑剤、着色
剤、光線遮断剤などを含有していてもよい。 本発明におけるアクリル酸、メタクリル酸また
はその塩を成分とするビニル系樹脂とは、一般式 (ただし、Rは水素またはアルキル基、Mは水
素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニ
ウム(置換アンモニウムも含む)を示す) なる繰返し単位を主要な構成成分とするものであ
る。本発明におけるビニル系樹脂中の(1)式の構成
成分の含有量は、導電性および樹脂の水溶性化と
共に縦長突起形成性からも30モル%〜100モル%、
さらに好ましくは50モル%〜100モル%である。
本発明におけるビニル系樹脂の(1)式以外の構成成
分としては、ビニルカルボン酸およびそれらの
塩、エステル誘導体、無水マレイン酸、スチレン
類、酢酸ビニル、ビニルエーテル、ビニルスルホ
ン酸およびそれらの塩、アクリルアミド類、ハロ
ゲン化ビニル、ビニルピリジン、ビニルピロリド
ン、ビニルトリアルコキシシランなどビニル重合
性の化合物があげられるが、これらに限定される
ものではない。本発明におけるビニル系樹脂の分
子量は、塗布層中での相分離特性、塗布延伸過程
での伸び特性と関連して導電性、縦長突起の形状
に影響を及ぼすが、通常は2000〜100万、好まし
くは5000〜50万である。例えば、本発明における
ビニル系樹脂の分子量が高いほど縦長突起は大き
くなる。本発明におけるアクリル酸、メタクリル
酸またはその塩を成分とするビニル系樹脂の塗布
層中の含有量は、必要とする導電性、縦長突起の
大きさに応じて決める必要があるが、3重量%〜
100重量%、好ましくは5〜25重量%である。25
重量%を超えると縦長突起が大きくなり、磁気記
録用では磁気記録特性の低下を来たし好ましくな
い。 ポリエステルフイルムに塗布剤を塗布する方法
は、原崎勇次著、槙書店1979年発行、「コーテイ
ング方式」に示されるリバースロールコーター、
グラビアコーター、ロツドコーター、エアドクタ
コーターあるいはこれら以外の塗布装置を用いる
ことができる。塗布工程は、逐次二軸延伸前、同
時二軸延伸前、二軸延伸後で再延伸前などに実施
する。すなわち、ポリエステルフイルムに塗布剤
を塗布し、その後適当な乾燥を施し、あるいは乾
燥を施すことなく延伸する方法(塗布延伸法)が
塗布層の表面に突起を形成させるのに必須であ
る。特に好ましくは、ロール延伸法による一軸延
伸ポリエステルフイルムに塗布剤の水分散物ある
いは水溶液を塗布し、適当な乾燥を施し、あるい
は乾燥を施すことなく、ポリエステル一軸延伸フ
イルムをただちに先の延伸方向と直角方向に延伸
し、熱処理する方法が好ましい。本方法によれ
ば、延伸と同時に塗布層の乾燥が可能になると共
に塗布層の厚さを延伸倍率に応じて薄くすること
ができる。 塗布層の表面の突起形状は、延伸方法、延伸倍
率、延伸速度などによつて異なるが逐次二軸延伸
法でいわゆる縦延伸後に塗布したフイルムを横延
伸した場合には、縦方向に長く、横方向に幅の狭
いいわゆる縦長突起が形成される。突起形状の大
小は、縦長突起形成性樹脂の構造、重合度、配合
量、塗布剤に配合される縦長突起形成性樹脂以外
の樹脂の特性、塗布層の厚さなどに影響される。
例えば、縦長突起形成樹脂の重合度が大きいほ
ど、配合量が多いほど、塗布層の厚さが厚いほ
ど、塗布剤に用いられる縦長突起形成性樹脂以外
の樹脂の弾性率が低いほど突起形状が大きくな
る。また、塗布剤の塗布後、延伸前の塗布層の乾
燥速度、乾燥の程度によつても突起形状が異な
る。これは塗布層での縦長突起形成樹脂の相分離
や含水状態での延伸性の差によるものと推定され
る。 本発明の二軸延伸ポリエステルフイルムの塗布
層の厚さは、0.01μから1μの範囲が好ましく、さ
らに好ましくは0.01μから0.1μの範囲である。塗
布層の厚さが0.01μ未満では均一に塗布しにくい
ため製品に塗布むらが生じやすく、1μより厚い
場合は、滑り性がかえつて低下する場合がある。 本発明の二軸延伸ポリエステルフイルムの塗布
層には、本発明におけるビニル系樹脂以外に水溶
性あるいは水分散性のポリエステル、ポリアミ
ド、ポリウレタン、本発明におけるビニル系樹脂
以外のビニル系樹脂、ブタジエン系樹脂、エポキ
シ樹脂、シリコーン樹脂などを併用することがで
きる。塗布層の固着性(プロツキング性)、耐水
性、耐溶剤性、機械的強度の改良のため架橋剤と
してメチロール化あるいはアルキロール化した尿
素系、メラミン系、アクリルアミド系、ポリアミ
ド系などの樹脂、エポキシ化合物、アジリジン化
合物、プロツクポリイソシアネート、ビニル化合
物などの反応性化合物を塗布層に含有せしめても
よい。本発明の塗布層には、必要に応じて消泡
剤、塗布性改良剤、増粘剤、帯電防止剤、有機系
潤滑剤、無機系微粒子、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、発泡剤、染料、顔料などを含有せしめてもよ
い。 塗布剤のフイルムへの塗布性、接着性を改良す
るため、塗布延伸前にフイルムの化学処理や放電
処理を施してもよい。また、本発明の二軸延伸ポ
リエステルフイルムの塗布層の特性を改良するた
め放電処理を施してもよい。 なお、本発明のビニル系樹脂以外の塗布剤とし
て水分散性あるいは水溶性アクリル系樹脂、スル
ホン塩基を有する水分散性あるいは水溶性ポリエ
ステル系樹脂および無機粒子、特にシリカゾルを
併用したものが、透明性、滑り性、接着性、特に
磁気記録媒体の磁性層やバツクコート層との接着
性に優れ、特に好ましい。 前述の水分散性あるいは水溶性アクリル系樹脂
(以下“アクリル系樹脂”と略称する)は、アル
キルアクリレートあるいはアルキルメタクリレー
トを主要な成分とするものが好ましく、該成分30
〜90モル%と、これらと共重合可能でかつ官能基
を有するビニル単量体成分70〜10モル%を含有す
る水溶性あるいは水分散性樹脂が好ましい。 アルキルアクリレートあるいはアルキルメタク
リレートと共重合可能でかつ官能基を有するビニ
ル単量体は、樹脂に親水性を付与して樹脂の水分
散性を良好にしたり、あるいは樹脂とポリエステ
ルフイルムや、下塗り層上に設ける他の塗布層と
の接着性を良好にしたり、あるいは塗布剤として
配合するポリエステル系樹脂との親和性を良好に
する官能基を有するものが好ましく、好ましい官
能基とは、カルボキシル基またはその塩、酸無水
物基、スルホン酸基、またはその塩、アミド基ま
たはアルキロール化されたアミド基、アミノ基
(置換アミノ基を含む)またはアルキロール化さ
れたアミノ基あるいはそれらの塩、水酸基、エポ
キシ基等である。特に好ましいものはカルボキシ
ル基またはその塩、酸無水物基、エポキシ基等で
ある。これらの基は樹脂中に二種以上含有されて
いてもよい。 アクリル系樹脂中のアルキルアクリレートある
いはアルキルメタクリレートが30モル%以上であ
るのが好ましいのは、塗布形成性、塗膜の強度、
耐ブロツキング性が良好になるためである。アク
リル系樹脂中のアルキルアクリレートあるいはア
ルキルメタクリレートが90モル%以下であるのが
好ましいのは、共重合成分として特定の官能基を
有する化合物をアクリル系樹脂に導入することに
より、水溶化、水分散化しやすくすると共にその
状態を長期にわたり安定にするためであり、さら
に塗布層とポリエステルフイルム層との接着性の
改善、塗布層内での反応による塗布層の強度、耐
水性、耐薬品性の改善、さらに本発明のフイルム
と他の材料との接着性の改善などをはかることが
できるからである。 アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリ
レートのアルキル基の例としては、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エ
チルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基、シ
クロヘキシル基などがあげられる。 アルキルアクリレートあるいはアルキルメタク
リレートと共重合する官能基を有するビニル系単
量体は、反応性官能基、自己架橋性官能基、親水
性基などの官能基を有する下記の化合物類が使用
できる。 カルボキシル基またはその塩、あるいは酸無水
物基を有する化合物としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、
クロトン酸、これらのカルボン酸のナトリウムな
どとの金属塩、アンモニウム塩あるいは無水マレ
イン酸などがあげられる。 スルホン酸基またはその塩を有する化合物とし
ては、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、
これらのスルホン酸のナトリウムなどとの金属
塩、アンモニウム塩などがあげられる。 アミド基あるいはアルキロール化されたアミド
基を有する化合物としては、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、
メチロール化アクリルアミド、メチロール化メタ
クリルアミド、ウレイドビニルエーテル、β−ウ
レイドイソブチルビニルエーテル、ウレイドエチ
ルアクリレートなどがあげられる。 アミノ基またはアルキロール化されたアミノ基
あるいはそれらの塩を有する化合物としては、ジ
エチルアミノエチルビニルエーテル、2−アミノ
エチルビニルエーテル、3−アミノプロピルビニ
ルエーテル、2−アミノブチルビニルエーテル、
ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチル
アミノエチルビニルエーテル、それらのアミノ基
をメチロール化したもの、ハロゲン化アルキル、
ジメチル硫酸、サルトンなどにより4級塩化した
ものなどがあげられる。 水酸基を有する化合物としては、β−ヒドロキ
シエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメ
タクリレート、β−ヒドロキシプロピルアクリレ
ート、β−ヒドロキシプロピルメタクリレート、
β−ヒドロキシビニルエーテル、5−ヒドロキシ
ペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシ
ルビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ
アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタ
クリレート、ポリプロピレングリコールモノアク
リレート、ポリプロピレングリコールモノメタク
リレートなどがあげられる。 エポキシ基を有する化合物としては、グリシジ
ルアクリレート、グリシジルメタクリレートなど
があげられる。 さらに上記以外に次に示すような化合物を併用
してもよい。すなわちアクリロニトリル、メタク
リロニトリル、スチレン類、ブチルビニルエーテ
ル、マレイン酸モノあるいはジアルキルエステ
ル、フマル酸モノあるいはジアルキルエステル、
イタコン酸モノあるいはジアルキルエステル、メ
チルビニルケトン、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、酢酸ビニル、ビニルピリジン、ビニルピロリ
ドン、ビニルトリメトキシシランなどがあげられ
るがこれらに限定されるものではない。 アクリル系樹脂は、界面活性剤を含有していて
もよい。しかしながら、ポリエステル系樹脂に対
してアクリル系樹脂の割合が多い場合には、アク
リル系樹脂に含有される低分子量体の界面活性剤
が、造膜過程で濃縮され、粒子と粒子の界面に蓄
積されたり、塗布層の界面に移行するなどして、
塗布層の機械的強度、耐水性、積層体との接着性
に問題を生じる場合がある。このような場合に
は、界面活性剤を含有しないいわゆるソープフリ
ー重合による重合物を利用できる。 界面活性剤を含有しないアクリル系樹脂の製造
方法は、経営開発センター出版部編集、経営開発
センター出版部昭和56年1月発行、「水溶性高分
子・水分散型樹脂総合技術資料集」第309頁ある
いは産業技術研究会主催、「〜最新の研究成果か
ら将来を展望する〜エマルジヨンの新展開と今後
の技術課題」講演会テキスト(昭和56年12月)な
どに示された方法を用いることができる。例え
ば、低分子量体の界面活性剤の代りにオリゴマー
あるいは高分子界面活性剤の利用、過硫酸カリウ
ムや過硫酸アンモニウムなどの重合開始剤の利用
による親水基の重合体中への導入、親水基を有す
るモノマーの共重合、反応性界面活性剤の利用、
分散体粒子の内部層と外部層の組成を変化させた
いわゆるシエル−コア−型重合体などが、いわゆ
る界面活性剤を含有しない水分散性アクリル系樹
脂の製造技術として用いることができる。 前述のスルホン酸塩基を有する水溶性あるいは
水分散性のポリエステル系樹脂(以下“ポリエス
テル系樹脂”と略称する)は、塗布剤のポリエス
テルフイルムへの塗布性、塗布層とポリエステル
フイルムとの層間接着性、塗布層の凝集破壊性や
摩擦摩耗性などの改良に効果を発揮する。ポリエ
ステル系樹脂としては、特公昭47−40873号、特
開昭50−83497号、特開昭50−121336号、特開昭
52−155640号公報などで公知のポリエステルある
いはそれらに準じたポリエステルを用いることが
できる。 例えば、ポリエステルのジカルボン酸成分は、
芳香族ジカルボン酸の例として、テレフタル酸、
イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸
およびそれらのエステル形成性誘導体などが用い
られ、脂肪族ジカルボン酸の例として、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸およびそのエステ
ル形成性誘導体などが用いられ、オキシモノカル
ボン酸の例として、オキシ安息香酸およびそのエ
ステル形成性誘導体などが用いられる。 さらにポリエステルのグリコール成分として
は、脂肪族、脂環族、芳香族ジオール等が使用で
き、その例として、エチレングリコール、1,4
−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、p−キシレンジオールなどが用いら
れ、ポリ(オキシアルキレン)グリコールの例と
していわゆるポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、などが用いられる。 ポリエステルとしては、上述したエステル形成
成分からなる飽和線状ポリエステルのみならず、
3個以上のエステル形成成分を有する化合物から
なるポリエステルあるいは反応性の不飽和基を有
するポリエステルも用いることができる。 スルホン酸塩基を有するポリエステルは、前述
したポリエステル形成成分と共に、ポリエステル
成分となり得るスルホン酸塩基を有する化合物を
用いて製造できる。 スルホン酸塩基を有する化合物の例としては、
スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、スル
ホナフタレン−2,6−ジカルボン酸およびその
エステル形成性誘導体などの金属塩がある。金属
塩の金属としては、リチウム、ナトリウム、カリ
ウム、マグネシウムなどが好適である。これらの
中で非常に好適な化合物としては、5−ソジオス
ルホイソフタル酸または5−ソジオスルホジメチ
ルイソフタレートである。 ポリエステルにスルホン酸塩基を導入する別法
としては、エステル形成性脂肪族不飽和化合物を
共重合成分としたポリエステルの不飽和基を亜硫
酸水素ナトリウムあるいはメタ重亜硫酸ナトリウ
ムなどのスルホン化剤でスルホン化する方法も例
示することができる。 ポリエステル系樹脂のジカルボン酸成分中の芳
香族ジカルボン酸量は、50モル%〜100モル%の
範囲が好ましい。これはポリエステル系樹脂の軟
化点を高め、固着性を良くするためである。 ポリエステル系樹脂中のスルホン酸塩基は、樹
脂を水溶性あるいは水分散性とするに必要な量存
在する必要があり、スルホン酸塩基を有するジカ
ルボン酸をジカルボン酸中の2モル%〜20モル%
の範囲で使用するのが好ましい。 2モル%より少ないスルホン酸塩基量では水溶
性あるいは水分散性が不充分であり、20モル%よ
り多いスルホン酸塩基量では、塗布後の下塗り層
の耐水性が劣つたり、吸湿してフイルムが相互に
固着しやすくなる場合があるからである。 さらにポリエステル系樹脂として、上述したエ
ステル形成性成分からなる飽和線状ポリエステル
のみならず、3価以上のエステル形成性成分を有
する化合物からなるポリエステルあるいは反応性
の不飽和基を有するポリエステルも用いることが
できる。 アクリル系樹脂とポリエステル系樹脂の合計量
に対するポリエステル系樹脂の割合は、固形分重
量として3〜80重量%が好ましく、さらに好まし
くは5〜60重量%である。ポリエステル系樹脂が
3重量%よりも少ない場合は、塗布剤の基体ポリ
エステルフイルムへの塗布性、層間接着性が低下
すると共に塗布層の機械的特性が低下する。ポリ
エステル系樹脂が80重量%よりも多い場合は、滑
り性や固着性が低下する傾向がある。ただし、ポ
リエステル系樹脂の割合が多くなる場合は、無機
粒子の配合量を多くすることにより滑り性、固着
性を向上させることができる。 前述の無機粒子としては、平均粒径1μ以下、
さらに好ましくは0.5μ以下、特に好ましくは0.2μ
以下のもので、具体的にはカオリン、シリカ、シ
リカゾル、炭酸カルシウム、酸化チタン、バリウ
ム塩、アルミナ、硫化モリブデン、カーボンブラ
ツク、ジルコニウム類などがあげられるがこれら
に限定されるものではない。これらの中で特に好
ましい無機粒子はシリカゾルである。このシリカ
ゾルとは、「高分子加工」、1974年発行、第23巻、
第149〜155頁に示されているように一般的にはケ
イ酸ソーダよりアルカリイオンを除くことにより
生成したものである。シリカゾルとしては、不純
物を含有しないものも利用できるが、凝集が起き
やすくコロイド状態が不安定なため、ナトリウム
イオン、アルミニウムイオン、アンモニウムイオ
ン等により表面が安定化されたものが好ましい。
市販品としては、日産化学工業株式会社のスノー
テツクス(商品名)、触媒化成工業株式会社のキ
ヤタロイド(商品名)、du Pont社のLudox(商品
名)、Nalco Chemical社のNalcoag(商品名)、
Monsanto社のSyton(商品名)などが利用でき
る。さらに本発明のシリカゾルとしては、四塩化
ケイ素を気相熱分解して得た粉体を水に分散した
ものでもよく、日本アエロジル株式会社のアエロ
ジル(商品名)などを利用できる。シリカゾルの
粒子径は、0.005〜0.2μの範囲で、塗布層の厚さ、
用途に応じて適宜選択すれがよい。シリカゾルの
塗布層における含有量は、全固形分中の1〜30重
量%が好ましい。シリカゾルが1重量%よりも少
ない場合には、帯電性、滑り性、固着性などの改
良が不充分であり、30重量%よりも多い場合に
は、摩擦摩耗性が悪化して白粉が発生しやすくな
る。 このアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂及び
無機粒子とを併用する場合の本発明のビニル系樹
脂量は、用途によつて異なるが、3重量%以上70
重量%以下が好ましく、さらに好ましくは、5重
量%以上50重量%以下である。 本発明の二軸延伸ポリエステルフイルムは、表
面特性、特に滑り性、導電性に優れ、1μ〜500μ
のフイルムとして包装材料、グラフイツクアート
材料、電子写真材料、磁気記録材料などの基材と
して有用である。特に本発明の二軸延伸ポリエス
テルフイルムは、平滑性の要求される高密度磁気
記録材料の基材として有用である。 以下、実施例をあげて本発明を説明する。な
お、実施例中の評価は、次に述べる方法による。 (1) 作業性 A4版フイルムを約30枚重ね、全体の屈曲性、
フイルム一枚毎の剥離性、引抜性、帯電性を観察
した。 (2) 摩擦係数 ASTM−D−1894−63によりフイルムとフイ
ルムの静止摩擦係数を測定した。静止摩擦係数1
以下のものが作業性もよく、長尺のフイルムロー
ルとしての巻取り性、巻き姿がよい。 (3) 固着性(ブロツキング性) 40℃,80%RH,10Kg/cm2,20時間の条件下で
重ねたフイルムのASTM−D−1893の方法によ
る剥離強度を測定した。 (4) 表面粗さ 小坂研究所製の薄膜段差計ET−10型で触針先
端半径0.5μ、接触荷重1gで測定し、突起の基底
部から頂上部までの距離を表面粗さとした。 (5) 帯電性 春日電機製のスタテイツク・オネストメーター
S4104で10KVの放電電圧でフイルムに帯電後、
電荷減衰を23℃,50%RHの条件で測定した。な
お、上記測定条件で測定中のフイルムに35℃,
100%RHの空気を吹きつけて電荷減衰性を測定
し、帯電特性に差があるかどうかも評価した(強
制加湿効果)。 比較例 1 重合触媒残渣等にもとづく表面突起形成剤をほ
とんど含まない固有粘度0.62のポリエチレンテレ
フタレートを約285℃で溶融し、約60℃の冷却ド
ラム上に静電印加を行ないながら押出した。さら
に83℃で縦方向にロールで3.5倍延伸し、その後
110℃で横方向に延伸、220℃で熱処理を行ない、
厚さ12.1μおよび50μ、表面粗さ50Åの二軸延伸フ
イルムを得た。このフイルムは、巻き取り性が極
めて悪く、長尺のフイルムロールを得ることが困
難であると共に得られたフイルムロールの巻き姿
が悪く、製品としての出荷は不可能であつた。念
のためA4版として切り出して作業性を観察した
がフイルムが相互に密着して全体が一体化してし
まい、フイルムの取扱いが困難であつた。このフ
イルムの摩擦係数は、フイルムが滑らないため測
定できなかつた。すなわち、本フイルムは、滑り
性の不足により実用に供し得なかつた。 実施例 1 25℃,25重量%水溶液の粘度が300cpのポリア
クリル酸ソーダ(ジユリマーAC−10N:日本純
薬(株)製(A型と略称する))、25℃,25重量%水溶
液の粘度が1500cpの共重合ポリアクリル酸ソー
ダ(ジユリマーAC−20N:日本純薬(株)製(B型
と略称する))、25℃、10重量%の粘度が6000cp
のポリメタクリル酸ソーダ(ジユリマーAC−
30N:日本純薬(株)製(C型と略称する))をメチ
ルアクリレート、イソブチルアクリレート、アク
リル酸、メタクリル酸、グリシジルメタクリレー
トを主要成分とし、カルボン酸がアンモニアで中
和され、界面活性剤を含有しない水溶性アクリル
系樹脂(ジユリマーAT−M918:日本純薬(株)
製)、ジカルボン酸中7モル%が5−ソジオスル
ホイソフタル酸であり、他にテレフタル酸、イソ
フタル酸、エチレングリコール、ジエチレングリ
コールからなる界面活性剤を含有しない水分散性
ポリエステル(ポリエスタ−XWR−901:日本
合成化学工業(株)製)およびシリカゾル(スノーテ
ツクス20L:日産化学工業(株)製)と共に表1に示
すように配合した水系塗布剤を比較例1の製膜工
程の縦延伸後に塗布して12.1μの二軸延伸ポリエ
ステルフイルムを得た。塗布量は、塗布剤の固型
分として0.04g/m2である。この二軸延伸ポリエ
ステルフイルムは、表1に示したようにフイルム
の巻取り性が良好であり、ユーザーでの加工性も
良好であつた。また、塗布層には、縦長突起が形
成されていた。
【表】
* 塗布層/非塗布層
実施例 2 実施例1で用いたポリメタクリル酸ソーダ7
部、アクリル系樹脂68部、ポリエステル20部、シ
リカゾル5部の水系塗布剤を比較例の製膜工程の
縦延伸後に両面に固型分として0.04g/m2塗布
し、50μの二軸延伸ポリエステルフイルムを得
た。フイルムの巻取り性、作業性は良好であつ
た。なお、このフイルムは摩擦係数0.52、縦長突
起の高さ250Å、固着性4g、強制加湿による電
荷減衰が良好であつた。 実施例 3 25℃、10重量%水溶液の粘度が6000cpのポリ
メタクリル酸アンモニウム(ジユリマーAC−
30A:日本純薬(株)製)10部、アクリル系樹脂65
部、ポリエステル20部、シリカゾル5部を比較例
の製膜工程の縦延伸後に片面に固型分0.04g/m2
塗布し、12.1μの二軸延伸ポリエステルフイルム
を得た。フイルムの巻取り性、作業性は良好であ
つた。なお、このフイルムは、摩擦係数(塗布層
と非塗布層)0.57、縦長突起の高さ300Å、固着
性12g、強制加湿による電荷減衰は良好であつ
た。 以上の実施例で示したように、本願発明のフイ
ルムは、平坦であつても製膜工程内においての巻
取り性、巻姿が良く、優れた表面特性を有し、実
用的に多くの用途において有用である。
実施例 2 実施例1で用いたポリメタクリル酸ソーダ7
部、アクリル系樹脂68部、ポリエステル20部、シ
リカゾル5部の水系塗布剤を比較例の製膜工程の
縦延伸後に両面に固型分として0.04g/m2塗布
し、50μの二軸延伸ポリエステルフイルムを得
た。フイルムの巻取り性、作業性は良好であつ
た。なお、このフイルムは摩擦係数0.52、縦長突
起の高さ250Å、固着性4g、強制加湿による電
荷減衰が良好であつた。 実施例 3 25℃、10重量%水溶液の粘度が6000cpのポリ
メタクリル酸アンモニウム(ジユリマーAC−
30A:日本純薬(株)製)10部、アクリル系樹脂65
部、ポリエステル20部、シリカゾル5部を比較例
の製膜工程の縦延伸後に片面に固型分0.04g/m2
塗布し、12.1μの二軸延伸ポリエステルフイルム
を得た。フイルムの巻取り性、作業性は良好であ
つた。なお、このフイルムは、摩擦係数(塗布層
と非塗布層)0.57、縦長突起の高さ300Å、固着
性12g、強制加湿による電荷減衰は良好であつ
た。 以上の実施例で示したように、本願発明のフイ
ルムは、平坦であつても製膜工程内においての巻
取り性、巻姿が良く、優れた表面特性を有し、実
用的に多くの用途において有用である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ポリエステルフイルムの少なくとも片面にア
クリル酸、メタクリル酸またはその塩含有量が30
モル%以上であるビニル系樹脂を含有する塗布剤
を塗布した後延伸することにより形成された縦長
突起を有する二軸延伸ポリエステルフイルム。 2 ビニル系樹脂を5〜25重量%含有する塗布剤
を塗布後延伸した特許請求の範囲第1項記載の二
軸延伸ポリエステルフイルム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60044735A JPS61204242A (ja) | 1985-03-08 | 1985-03-08 | 塗布層を設けた二軸延伸ポリエステルフイルム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60044735A JPS61204242A (ja) | 1985-03-08 | 1985-03-08 | 塗布層を設けた二軸延伸ポリエステルフイルム |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61204242A JPS61204242A (ja) | 1986-09-10 |
| JPH054216B2 true JPH054216B2 (ja) | 1993-01-19 |
Family
ID=12699705
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60044735A Granted JPS61204242A (ja) | 1985-03-08 | 1985-03-08 | 塗布層を設けた二軸延伸ポリエステルフイルム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61204242A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5547974A (en) * | 1985-12-20 | 1996-08-20 | Rhone-Poulenc Agriculture Ltd. | Derivatives of N-phenylpyrazoles |
Family Cites Families (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS49124166A (ja) * | 1973-02-07 | 1974-11-27 | ||
| GB1503906A (en) * | 1974-05-14 | 1978-03-15 | Agfa Gevaert | Antistatic coating compositions |
| JPS595157B2 (ja) * | 1976-06-17 | 1984-02-02 | 松下電器産業株式会社 | 帯電防止用組成物 |
| JPS6028666B2 (ja) * | 1979-02-14 | 1985-07-05 | 王子製紙株式会社 | 帯電防止された塗被合成紙 |
| JPS58193149A (ja) * | 1982-05-06 | 1983-11-10 | 東レ株式会社 | 複合フイルム |
| JPS5984928A (ja) * | 1982-11-02 | 1984-05-16 | Toray Ind Inc | 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム |
-
1985
- 1985-03-08 JP JP60044735A patent/JPS61204242A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61204242A (ja) | 1986-09-10 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
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