JPH0544946B2 - - Google Patents
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- JPH0544946B2 JPH0544946B2 JP60500579A JP50057985A JPH0544946B2 JP H0544946 B2 JPH0544946 B2 JP H0544946B2 JP 60500579 A JP60500579 A JP 60500579A JP 50057985 A JP50057985 A JP 50057985A JP H0544946 B2 JPH0544946 B2 JP H0544946B2
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07F—ACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
- C07F7/00—Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic Table
- C07F7/02—Silicon compounds
- C07F7/08—Compounds having one or more C—Si linkages
- C07F7/0834—Compounds having one or more O-Si linkage
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- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P35/00—Antineoplastic agents
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P35/00—Antineoplastic agents
- A61P35/02—Antineoplastic agents specific for leukemia
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C309/00—Sulfonic acids; Halides, esters, or anhydrides thereof
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07D—HETEROCYCLIC COMPOUNDS
- C07D327/00—Heterocyclic compounds containing rings having oxygen and sulfur atoms as the only ring hetero atoms
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Description
請求の範囲
1 式:
[式中、RはH、CH3、またはCH2CH3であり、
nは、RがHの時、2〜5であり、RがCH3また
はCH2CH3の時、2である] で示される環式ジスルホン酸エステル化合物。 2 RがHである第1項に記載の化合物。 3 nが2または5である第2項に記載の化合
物。 4 式: [式中、RはH、CH3、またはCH2CH3であり、
nは、RがHの時、2〜5であり、RがCH3また
はCH2CH3の時、2である] で示される環式ジスルホン酸エステル化合物の製
造方法であつて、 式: [式中、RはH、CH3、またはCH2CH3である] で示されるアルカンジスルホニルクロリドを炭酸
銀と反応させて相当するアルカンジスルホン酸銀
を生成させ、そのジスルホン酸銀を式: X−(CH2)n−X [式中、XはBrまたはI、nは2〜5である] で示されるジハロアルカンと反応させることを特
徴とする方法。 5 式: [式中、RはH、CH3、またはCH2CH3であり、
nは、RがHの時、2〜5であり、RがCH3また
はCH2CH3の時、2である] で示される環式ジスルホン酸エステル化合物の製
造方法であつて、 式: [式中、RはH、CH3、またはCH2CH3である] で示されるアルカンジスルホニルクロリドを式: HO−(CH2)n−OH [式中、nは2〜5である] で示されるアルカンジオールと、テトラヒドロフ
ランまたはグライムおよび脂肪族第3級アミンま
たは芳香族第3級アミンの存在下、−20℃以下の
反応温度で反応させることを特徴とする方法。 1 発明の分野 本発明は二官能性アルキル化化合物に関し、更
に詳しくは、環式ジスルホン酸エステルアルキル
化化合物に関する。 2 背景 アルキル化剤は、癌の主要な化学療法化合物で
ある。臨床的に使用されている大部分のアルキル
化剤は、2本鎖DNAの相対する鎖、即ちDNAお
よびそれに関連するタンパク質などの生体分子と
反応し、これをフラグメント化するか、または架
橋結合させ得る2個の化学反応中心を持つた二官
能性化合物である。このアルキル化剤を使用して
生体分子をアルキル化すると、細胞内代謝、特に
核酸の複製および/または転写に於いて種々の欠
損が生じるが、これは、正常な体細胞よりも急速
に増殖する癌細胞にとつて、より致命的なことで
ある。 二官能性アルキル化剤の1種に、通常白血病の
治療に使用される線状の非電荷ジスルホネートが
あり、その一例としてブサルフアン(Busulfan)
〔ミレラン(Myleran)、ブロー・ウエルカム
(Burroughs Wellcome)〕が挙げられる〔ガイ
ド・ツー・セラピユーチツク・オンコロジー
(Guide to Therapeutic Oncology)、バーゲビ
ン(Bergevin),P.R.ら、編者:ウイリアムス
(Williams)およびウイルキンス(Wilkins)、バ
ルチモア/ロンドン(1979)、p110〕。この種の
化合物は、標的となる生体分子、例えばDNA塩
基と求核反応することにより作用を開始し、この
標的をアルキル化し、遊離の、荷電したスルホン
酸基を分離させる。次ぎに非荷電スルホン酸エス
テルアルキル化基が第2の求核反応を起こし、も
との標的分子と第2の標的とを架橋し、第2のス
ルホン酸基を分離させる。即ち、この二官能性反
応系には、非荷電中間体アルキル化基が関与す
る。この1,4−ブタンジオールスルホネート
〔ブルサルフアン(Bulsulfan)〕は、これよりア
ルキル鎖の短い、あるいは長い線状スルホネート
類よりも治療効果が高い。 3 本発明の要約 本発明は一般構造式: 〔式中、m=0または1、n=1〜5、R=H、
CH3、CH3CH2またはCl〕 で示される環式ジスルホン酸エステルに関するも
のである。本発明の化合物は、DNAの如き生体
分子をフラグメント化したり、あるいは核酸類や
その関連タンパク質の様な各種の求核性含有生体
分子を架橋結合させるための二官能性薬剤として
有用である。m=0、n=2、そしてR=Hであ
る環式ジスルホン酸エステルは、哺乳動物のリン
パ球性白血病、リンパ球様白血病、黒色癌、ヒト
の乳癌多植腫瘍(ヒトの乳癌をマウスの腎臓に移
植して作成した腫瘍)および卵巣癌を含む種々の
動物の癌の治療に有効である。m=0、n=3ま
たは4、R=Hである環式ジスルホン酸エステル
類も抗白血病活性があることがわかつた。 線状ジスルホン酸エステル類とは違つて(この
場合はブタンジオール化合物が最も治療活性が高
い)、本発明の環式化合物の中では、エタンジオ
ール(n=2)およびペンタンジオール(n=
5)のジスルホン酸エステルが白血病動物を治療
するのに最も有効である。本発明の環式エステル
類は、本明細書に示した様に、白血病以外の癌、
特に黒色癌、乳癌移植腫瘍(ブレスト・キセノグ
ラフト)および卵巣癌の治療にも有効である。 ブサルフアンの様な非荷電線状アルカンジスル
ホネート類と違つて、ジエステル環が開き、本発
明の環式ジエステル化合物への、初めの求核的攻
撃によつて、荷電スルホン酸末端基を持つた中間
体線状スルホネートが生じる。従つて、本発明
は、より一般的には、最初のヌクレオフアイル−
N1と反応して式: 〔式中、n、mおよびRは前記と同意義である〕 で示されるヌクレオフアイル−反応性中間体を生
成することができる二官能性架橋結合剤を包含す
るものである。この結合剤は前記の環式化合物の
タイプであつてもよいし式: で示される線状化合物であつてもよい。 本発明はまた、前記の環式ジスルホン酸エステ
ル化合物の合成法を提供するものである。前記の
構造に於いてn=1である環式ジスルホン酸エス
テルを合成するための特に有用な1つの方法は、
アルカンジスルホニルクロリドを銀塩と反応させ
て相当すを銀ジスルホネートを生成させ、これを
ジブロモエタンまたはジヨードメタンの様なジハ
ロアルカンと反応させる。n=2〜5である化合
物を製造するのに有用な第2の方法は、脂肪族ま
たは芳香族第3級アミン、例えばトリエチルアミ
ンまたはコリジンの存在下でアルカンジスルホニ
ルクロリドを直接アルカンジオールと反応させる
ことである。生成したエステルによるアミンのア
ルキル化を避けるために、第3級アミンを、その
他の反応体に、低温で滴下する。 本発明のもう1つの目的は、治療有効量の環式
ジスルホン酸化合物で癌にかかつている哺乳動物
を処置することからなる、哺乳動物の癌、特にリ
ンパ球性およびリンパ球様白血病、黒色癌、ヒト
の乳癌移植腫瘍および卵巣癌を治療する方法を提
供するものである。 本発明の総体的な目的は、種々のタイプの癌の
治療に有効な新しい系列の架橋結合化合物を提供
することにある。 本発明のもう1つの目的は、第1番目のヌクレ
オフアイルと反応して荷電したスルホン酸末端基
を持つたヌクレオフアイル−反応性中間体を生成
し得るジスルホン酸エステル二官能性架橋結合剤
を提供することにある。 更に、本発明のもう1つの目的は、薬物試験お
よび製造にみあう収率で容易に製造される環式二
官能性アルキル化化合物群を提供することにあ
る。 本発明のこれらの目的や特徴、およびその他の
目的や特徴は、以下の本発明の詳細な説明および
実施例から、より明らかとなろう。
nは、RがHの時、2〜5であり、RがCH3また
はCH2CH3の時、2である] で示される環式ジスルホン酸エステル化合物。 2 RがHである第1項に記載の化合物。 3 nが2または5である第2項に記載の化合
物。 4 式: [式中、RはH、CH3、またはCH2CH3であり、
nは、RがHの時、2〜5であり、RがCH3また
はCH2CH3の時、2である] で示される環式ジスルホン酸エステル化合物の製
造方法であつて、 式: [式中、RはH、CH3、またはCH2CH3である] で示されるアルカンジスルホニルクロリドを炭酸
銀と反応させて相当するアルカンジスルホン酸銀
を生成させ、そのジスルホン酸銀を式: X−(CH2)n−X [式中、XはBrまたはI、nは2〜5である] で示されるジハロアルカンと反応させることを特
徴とする方法。 5 式: [式中、RはH、CH3、またはCH2CH3であり、
nは、RがHの時、2〜5であり、RがCH3また
はCH2CH3の時、2である] で示される環式ジスルホン酸エステル化合物の製
造方法であつて、 式: [式中、RはH、CH3、またはCH2CH3である] で示されるアルカンジスルホニルクロリドを式: HO−(CH2)n−OH [式中、nは2〜5である] で示されるアルカンジオールと、テトラヒドロフ
ランまたはグライムおよび脂肪族第3級アミンま
たは芳香族第3級アミンの存在下、−20℃以下の
反応温度で反応させることを特徴とする方法。 1 発明の分野 本発明は二官能性アルキル化化合物に関し、更
に詳しくは、環式ジスルホン酸エステルアルキル
化化合物に関する。 2 背景 アルキル化剤は、癌の主要な化学療法化合物で
ある。臨床的に使用されている大部分のアルキル
化剤は、2本鎖DNAの相対する鎖、即ちDNAお
よびそれに関連するタンパク質などの生体分子と
反応し、これをフラグメント化するか、または架
橋結合させ得る2個の化学反応中心を持つた二官
能性化合物である。このアルキル化剤を使用して
生体分子をアルキル化すると、細胞内代謝、特に
核酸の複製および/または転写に於いて種々の欠
損が生じるが、これは、正常な体細胞よりも急速
に増殖する癌細胞にとつて、より致命的なことで
ある。 二官能性アルキル化剤の1種に、通常白血病の
治療に使用される線状の非電荷ジスルホネートが
あり、その一例としてブサルフアン(Busulfan)
〔ミレラン(Myleran)、ブロー・ウエルカム
(Burroughs Wellcome)〕が挙げられる〔ガイ
ド・ツー・セラピユーチツク・オンコロジー
(Guide to Therapeutic Oncology)、バーゲビ
ン(Bergevin),P.R.ら、編者:ウイリアムス
(Williams)およびウイルキンス(Wilkins)、バ
ルチモア/ロンドン(1979)、p110〕。この種の
化合物は、標的となる生体分子、例えばDNA塩
基と求核反応することにより作用を開始し、この
標的をアルキル化し、遊離の、荷電したスルホン
酸基を分離させる。次ぎに非荷電スルホン酸エス
テルアルキル化基が第2の求核反応を起こし、も
との標的分子と第2の標的とを架橋し、第2のス
ルホン酸基を分離させる。即ち、この二官能性反
応系には、非荷電中間体アルキル化基が関与す
る。この1,4−ブタンジオールスルホネート
〔ブルサルフアン(Bulsulfan)〕は、これよりア
ルキル鎖の短い、あるいは長い線状スルホネート
類よりも治療効果が高い。 3 本発明の要約 本発明は一般構造式: 〔式中、m=0または1、n=1〜5、R=H、
CH3、CH3CH2またはCl〕 で示される環式ジスルホン酸エステルに関するも
のである。本発明の化合物は、DNAの如き生体
分子をフラグメント化したり、あるいは核酸類や
その関連タンパク質の様な各種の求核性含有生体
分子を架橋結合させるための二官能性薬剤として
有用である。m=0、n=2、そしてR=Hであ
る環式ジスルホン酸エステルは、哺乳動物のリン
パ球性白血病、リンパ球様白血病、黒色癌、ヒト
の乳癌多植腫瘍(ヒトの乳癌をマウスの腎臓に移
植して作成した腫瘍)および卵巣癌を含む種々の
動物の癌の治療に有効である。m=0、n=3ま
たは4、R=Hである環式ジスルホン酸エステル
類も抗白血病活性があることがわかつた。 線状ジスルホン酸エステル類とは違つて(この
場合はブタンジオール化合物が最も治療活性が高
い)、本発明の環式化合物の中では、エタンジオ
ール(n=2)およびペンタンジオール(n=
5)のジスルホン酸エステルが白血病動物を治療
するのに最も有効である。本発明の環式エステル
類は、本明細書に示した様に、白血病以外の癌、
特に黒色癌、乳癌移植腫瘍(ブレスト・キセノグ
ラフト)および卵巣癌の治療にも有効である。 ブサルフアンの様な非荷電線状アルカンジスル
ホネート類と違つて、ジエステル環が開き、本発
明の環式ジエステル化合物への、初めの求核的攻
撃によつて、荷電スルホン酸末端基を持つた中間
体線状スルホネートが生じる。従つて、本発明
は、より一般的には、最初のヌクレオフアイル−
N1と反応して式: 〔式中、n、mおよびRは前記と同意義である〕 で示されるヌクレオフアイル−反応性中間体を生
成することができる二官能性架橋結合剤を包含す
るものである。この結合剤は前記の環式化合物の
タイプであつてもよいし式: で示される線状化合物であつてもよい。 本発明はまた、前記の環式ジスルホン酸エステ
ル化合物の合成法を提供するものである。前記の
構造に於いてn=1である環式ジスルホン酸エス
テルを合成するための特に有用な1つの方法は、
アルカンジスルホニルクロリドを銀塩と反応させ
て相当すを銀ジスルホネートを生成させ、これを
ジブロモエタンまたはジヨードメタンの様なジハ
ロアルカンと反応させる。n=2〜5である化合
物を製造するのに有用な第2の方法は、脂肪族ま
たは芳香族第3級アミン、例えばトリエチルアミ
ンまたはコリジンの存在下でアルカンジスルホニ
ルクロリドを直接アルカンジオールと反応させる
ことである。生成したエステルによるアミンのア
ルキル化を避けるために、第3級アミンを、その
他の反応体に、低温で滴下する。 本発明のもう1つの目的は、治療有効量の環式
ジスルホン酸化合物で癌にかかつている哺乳動物
を処置することからなる、哺乳動物の癌、特にリ
ンパ球性およびリンパ球様白血病、黒色癌、ヒト
の乳癌移植腫瘍および卵巣癌を治療する方法を提
供するものである。 本発明の総体的な目的は、種々のタイプの癌の
治療に有効な新しい系列の架橋結合化合物を提供
することにある。 本発明のもう1つの目的は、第1番目のヌクレ
オフアイルと反応して荷電したスルホン酸末端基
を持つたヌクレオフアイル−反応性中間体を生成
し得るジスルホン酸エステル二官能性架橋結合剤
を提供することにある。 更に、本発明のもう1つの目的は、薬物試験お
よび製造にみあう収率で容易に製造される環式二
官能性アルキル化化合物群を提供することにあ
る。 本発明のこれらの目的や特徴、およびその他の
目的や特徴は、以下の本発明の詳細な説明および
実施例から、より明らかとなろう。
本発明の環式ジスルホン酸エステルは、以下の
第1節に述べる新規な方法により合成される。第
2節では、DNA鎖の破壊および関連タンパク質
へのDNAの架橋結合を生じる環式ジスルホン酸
エステルとDNAとの反応について述べる。この
節では、荷電したスルホン酸末端基を持つた線状
ジスルホン酸エステルについても考察する。この
化合物は、環式化合物の場合と同様に2本鎖
DNAと反応する。この線状の荷電架橋結合剤の
合成法についても記載する。5つの異なつたタイ
プの哺乳動物の癌の治療に選択された環式ジスル
ホン酸エステル化合物を使用する各種の薬物治療
法については第3節で概説する。 ジスルホン酸エステル架橋結合剤の合成 本発明は一般構造式: 〔式中、m=0または1、n=1〜5、R=H、
CH3、CH3CH2またはClである〕 で示される環式ジスルホン酸エステルを提供する
ものである。 第1番目の合成法は、n=1であるこのタイプ
の化合物の合成に特に適している。この方法は一
般に、式: 〔式中、mおよびRは前記と同意義である〕 で示されるアルカンジスルホニルクロリドを、相
当する銀ジスルホネートが得られる条件下で、銀
塩、好ましくは炭酸銀と反応させることからな
る。実験の結果、この反応は完全に無水の条件下
で暗所で行なうのが好ましいことがわかつた。メ
タンジスルホニルクロリドの様なアルカンジスル
ホニルクロリドを、アセトニトリルの様な適当な
溶媒に溶かし、この溶液に、ジスルホニルクロリ
ド1モル当たり2モルよりやや過剰の銀の割合
で、炭酸銀の様な銀塩を添加する。この混合物の
初期の発熱反応の間40℃以下に保ち、次いで室温
で24時間撹拌する。生成した塩化銀の粉末を去
する。以下の実施例1で述べる方法により、理論
量の約88.5%に当たるメタンジスルホン酸銀が得
られる。 この合成法の第2段階では、生成したてのアル
カンジスルホン酸銀を式: X−(CH2)o−X 〔式中、n=1〜4、Xは臭素または沃素であ
る〕 で示されるジハライドと反応させる。例えば、適
当な溶媒、例えばアセトニトリルに溶解したメタ
ンジスルホン酸銀を、約1:1のモル比でジハラ
イドに加え、この混合物を室温で数週間放置する
か、あるいは光の存在下で数日間加熱還流する。
沈殿した銀塩を過し、液を減圧下で蒸発させ
ると通常淡褐色の油状残留物が得られ、これに所
望の生成物が含まれている。この残留物を塩化メ
チレンの様な適当な溶媒に溶かし、これを脱色炭
の様な精製剤をその溶媒に加えて処理してもよ
い。この生成物を結晶化させるため、シクロヘキ
サンの様な2番目の溶媒を、上澄が濁るまで添加
する。シクロヘキサン:塩化メチレン(2:1)
の溶媒系で再結晶して所望の純度にしてもよい。
生成物の確認は、例えばCH2およびSO2伸縮振動
の様な赤外(IR)特性値、および、例えばCH2
−SO2プロトン、末端−CH2−Oプロトンおよび
中央のCH2プロトンなどのプロトン核磁気共鳴
(NMR)特性値によつて行なうことができる。
更に、生成物の元素分析実測値を理論値と比較す
ることによつて、生成物を確認することができ
る。 実施例は、1−4ジブロモブタンおよびメタ
ンジスルホン酸銀からのテトラメチレンメタンジ
スルホネート(m=0、n=4、R=H)、別名
1,5,2,4−ジオキサジチオカン−2,2,
4,4−テトロキシドの製造について記載してい
る。この方法で、再結晶後に小さい白色針状晶が
得られ、その最終重量によると通算収率は約3.79
%であつた。実施例には、メタンジスルホン酸
銀と1,3−ジブロモプロパンからトリメチレン
メタンジスルホネート(m=0、n=3、R=
H、別名1,5,2,4−ジオキサジチオカン−
2,2,4,4−テトロキシドを製造する方法が
記載されている。トリメチレンメタンジスルホネ
ートと同定された小さい白色結晶が約11%の収率
で得られた。実施例はエチレンメタンジスルホ
ネートの合成について記載している。この実施例
に記載されている別法の収率は、シクロヘキサン
−塩化メチレン混合物からの再結晶後、2.18%お
よび2.78%であつた。メチレンメタンジスルホネ
ート(m=0、n=1、R=H)、別名1,5,
2,4−ジオキサジチアン−2,2,4,4−テ
トロキシドの合成法は、実施例に記載されてお
り、ここではメタンジスルホン酸銀を、アセトニ
トリル中、略当モル量のジヨードメタンと反応さ
せている。全生成物の収率は約2.22%であつた。 本発明の新規な環式ジスルホネートエステル類
を合成するための第2の一般的方法は、m=0、
n=2〜5、R=HまたはCH3である構造の化合
物に特に好適である。この方法は、一般的に、
式: OH−(CH2)o−OH 〔式中、n=2〜5である〕 で示されるジオールをテトラヒドロフランまたは
エチレングリコールのジメチルエーテル(グライ
ム)などの溶媒に添加し、この溶液に、同じ溶媒
に入れた式: 〔式中、R=HまたはCH3である〕 で示される約当モル量のアルカンジスルホニルク
ロリドを加える。この混合物を少なくとも約−20
℃に冷却し、脂肪族または芳香族第3級アミンを
滴加する。好ましい第3級アミンにはトリエチル
アミンおよびコリジン、第3級芳香族アミン、が
含まれる。この反応混合物を0℃またはそれより
僅かに高い温度まで温め、生成した塩酸塩を去
する。液を減圧下で蒸発させ、通常、淡黄色油
を含んでいる残留物を適当な溶媒、例えば塩化メ
チレンに溶解する。塩化メチレン:シクロヘキサ
ンなどの適当な溶媒から再結晶すると、所望の再
結晶生成物である軽い結晶性粉末が得られる。生
成物は、前記した様なIRおよびNMR特性値およ
び元素分析により確認することができる。 実施例は、上に記載した方法でペンタメチレ
ンメタンジスルホネート(m=0、n=5、R=
H)、別各1,5,2,4−ジオキサジチオカン
−2,4,4−テトロキシドを製造する方法を記
載している。グライム中の1−5−ペンタンジオ
ール溶液を、同一溶媒に入れたメタンジスルホニ
ルクロリドと混合し、この混合物に、無水条件下
でトリエチルアミンを滴加した。アミンの塩酸塩
残渣を除いて溶媒を蒸発させた後、油状残留物を
塩化メチレンに再溶解し、水性洗液で3回洗浄
し、塩化メチレン:シクロヘキサン溶媒系から結
晶化させた。この方法により約6.75%の収率で純
生成物を得た。実施例およびは、コリジンを
滴下しながらテトラヒドロフラン中でエチレング
リコールとメタンジスルホニルクロリドからエチ
レンメタンジスルホネート(m=0、n=2、R
=H)を合成する同様の反応について記載してい
る。再結晶した生成物を25%の収率で得た。実施
例およびは、それぞれトリメチレンおよびテ
トラメチレンメタンジスルホネートを製造するた
めの同様の反応について記載している。 実施例XI−は、n=5(実施例XI)、n=4
(実施例XII)、n=3(実施例)およびn=2
(実施例)の1,1−エタンジスルホネート
(m=0、R=CH3)の合成について記載してい
る。n=1である環式ジスルホネート化合物はこ
の合成法では製造することができないことに注意
すべきである。実施例XIでは、ペンタメチレン
1,1−エタンジスルホネートが2%の収率で得
られた。実施例XIIでは、精製したテトラメチレン
1,1−エタンジスルホネートが0.2%の収率で
得られた。実施例の方法により、トリメチレ
ン1,1−エタンジスルホネートが約36%の収率
で得られ、実施例XNでは精製したエチレン1,
1−エタンジスルホネートが25%の収率で得られ
た。 ここに記載した一般的な合成法に於いて、特に
アルカンジスルホニルクロリド出発物質について
変更を加えることにより、提示した各種のR基お
よびm値の化合物を製造し得ることは実施例から
明らかであろう。 環式ジスルホネートエステルアルキル化反応 本発明の環式ジスルホン酸エステル化合物は、
ヌクレオフアイル含有生体内分子と反応すること
ができる化学反応中心を各CH2−O基炭素に持つ
ている。1番目のヌクレオフアイル(−N1と呼
ぶ)と環式ジスルホン酸エステルとの初期アルキ
ル化反応の結果、式: で示される負に荷電したSO3 -で末端基を持つた
線状の中間体が生成する。この線状化したアルキ
ル化中間体は、環式化合物とは著しく異なつた溶
解性および荷電特性を持つていることは理解され
るはずである。これらの荷電および溶解特性が、
この化合物が、アルキル化された生体内分子に対
してとる立体配置に影響を与えると期待される。
具体的にいうと、この荷電した末端基は、2本鎖
DNAに関連している正に荷電したヒストンと相
互作用する。本発明を支持するために行なわれた
予備実験の結果、環式エチレンジスルホン酸エス
テル(n=2)は、ヒト胎児肺線維芽細胞、
IMR−90セルラインおよびそのSV−40−形質転
換対応物、VA−13セルライン(これは、グアニ
ンの06位に於ける小アルキル障害を修復する能力
を欠いている)の両者に於いて、DNAとDNA関
連タンパク質を架橋結合させる活性を有すること
が判明した。興味あることは、n=2の化合物で
処理された両細胞に於いて、両方のフランク鎖の
ハイレベルな破壊およびアルカリ−不安定障害
(PH12.6)が観察されたが、n=2の化合物で処
理された細胞中ではDNA/DNA架橋がほとん
ど、あるいは全く観察されなかつたことである。
検出された鎖の破壊がハイレベルであつたこと、
およびIMR−90セルライン(これはグアニンの
06位に於ける小さいアルキル障害を除去すること
ができる)に於いて毒性が低かつたことは、観察
された鎖の破壊は薬物によつて惹起されるのでは
なく、酵素の修復活性によつて惹起されることを
示唆している。 初期のアルキル化に続いて、線状化した荷電コ
ンプレツクスが、第2のヌクレオフアイルN2と、
2番目の求核反応に関与することができ、架橋結
合した−N1−(CH2)o−N2コンプレツクスを形成
し、第2の荷電スルホン酸を放出する。 本発明は、もつと一般的に言えば、初期アルキ
ル化反応の後のスルホン酸末端基により特徴づけ
られるジスルホン酸エステルを目的物質とするも
のである。この性質を持つた線状ジスルホン酸エ
ステルは、一般構造式: 〔式中、m=0、n=1〜5、R=H、CH3、
CH3CH2またはCl〕 で示される。この構造をみると、O−CH2炭素に
於ける、ヌクレオフアイルN1による初期の求核
攻撃により、相当する環式ジスルホン酸エステル
が関与する初期求核反応の結果生じるコンプレツ
クスと同じN1−アルキル化剤コンプレツクスが
生じることがわかる。 実施例は、1,2−ビス(オキシスルホニ
ルメタンスルホン酸)エタン(m=0、R=H、
n=2)の合成法を示している。この方法では、
メタンジスルホニルクロリドを、ジエチルエーテ
ルの存在下で水と反応させ、相当するクロロスル
ホニルメタンスルホン酸を生成させる。この化学
中間体のスルホン酸基を、既知の方法に従い、ト
リメチルシリルクロリドまたはt−ブチルジメチ
ルシリルクロリドと反応させて保護する。次いで
この化合物をグライムの様な適当な溶媒中、芳香
族または脂肪族の第3級アミン、例えばトリエチ
ルアミンを−20℃で滴加しながら、エチレングリ
コールと反応させる。その生成物をH2Oおよび
重炭酸塩で処理して化合物中のシリルエステルを
加水分解し、この生成物の所望の塩を生成せしめ
る。 環式メタンジスルホネートエステルの抗癌活
性 種々のタイプの哺乳動物の癌に対する環式メタ
ンジスルホネートの有効性を調べた。この実験で
は、以下のタイプの癌のいずれか1つを持つてい
ると確認されたマウスの個々の個体を使用した:
リンパ球性白血病、リンパ球様白血病、黒色癌、
ヒトの乳癌移植腫瘍および卵巣癌。それぞれのタ
イプの癌につき、ほおぼ同じサイズおよび体重の
一群の動物を、被験薬物の量が増加していく各種
投与レベルの1つで処置して最適投与量を決めた
(これは、最大の存在期間または腫瘍増殖阻止に
よつて判定した)。 各試験に於いて、動物を等しい動物数の2群に
わけた。対照群には薬物の担体のみを与え、処置
群には担体に入れた最適投与量の薬物を与えた。
リンパ球性白血病、リンパ球様白血病、黒色癌お
よび卵巣癌に関する実験では、対照動物の生存日
数の中央値(C)に対する処置動物の生存日数の中央
値(T)の割合、即ちT/C比、で薬物の有効性を表
わした。ヒトン乳癌移植腫瘍に対する薬物の有効
性は、対照動物の腫瘍サイズ(C)に対する処置動物
の腫瘍サイズの比で表わした。 エチレンメタンスルホネート薬物処置の処置プ
ロトコールおよび得られた結果を実施例に記
載した。そのデータによると、エチレンメタンス
ルホネートは、実施例に記載された全てのタイプ
の癌について、生存期間を延長し、または腫瘍の
増殖を阻止する。 更に、n=2〜4の架橋結合鎖長を持つた環式
ジスルホン酸エステルの治療効果を比較する目的
で、リンパ球性白血病のマウス2群を、トリメチ
レンメタンジスルホネート(n=3)およびテト
ラメチレンメタンジスルホネート(n=4)のい
ずれかで処置した。試験条件およびプロトコール
は実施例の試験の場合と実質的で同じであ
り、n=3およびn=4の化合物について、それ
ぞれ実施例およびに記載した。トリメチ
レンおよびテトラメチレンメタンジスルホネート
化合物は共に、T/C比で測定した結果、有意な
抗−白血病活性を示した。しかし、白血病動物の
生存期間を延長させる点では、両者とも、環式エ
チレンメタンジスルホネートエステルより明らか
に有効性が劣つていた。 以上のことから、本発明の各種の目的が理解さ
れよう。本明細書に記載の環式ジスルホン酸エス
テルは、その構造および反応性が非荷電線状ジス
ルホン酸エステルと全く異なる新しい系列の架橋
結合剤である。本発明に係る新規化合物群の内の
1つは、白血病、卵巣癌、黒色癌およびヒトの乳
癌移植腫瘍を含む種々の癌の治療に有効であるこ
とが判明した。 本発明の化合物は、本明細書で詳述した方法の
いずれか1つ、または両方の方法で容易に製造さ
れ、その化合物の内の数種のものは、約25%以上
の収率で得ることができる。 以下に各種の合成法および処置プロトコールに
ついて実施例を挙げるが、これは本発明の範囲を
限定することを意図したものではない。 実施例 無水メタンジスルホン酸銀の製造 全製造工程を、完全に無水な暗条件下で実施し
た。ガラス器具はすべて、乾燥機中、110℃で少
くとも1時間半加熱した。メタンジスルホニルク
ロリドは、既知の方法で合成した〔例えばシユロ
ーター、G.アナーレン・デア・ケミー
(Schroeter、G.,Ann Chem)(1919)161−257
参照〕。再蒸留したメタンジスルホニルクロリド
(2.00g、0.009モル)を、バーデイツク・アン
ド・ジヤクソン研究所(マスキーゴン、ミシガ
ン)〔Burdick and Jackson Laboratories
(Muskegon MI)〕から入手したアセトニトリル
15mlに入れて平衡滴下ロートに移した。アセトニ
トリルは、P2O5を入れて蒸留した。J.T.ベーカ
ー・ケミカル社(フイリツプスバーグ、ニユージ
ヤージー)〔J.T.Baker Chemical Co.
(Phillipsburg.NJ)〕より入手した分析等級の炭
酸銀(99.8%)を量り(5.22g、0.019モル)、平
衡ロート、乾燥管付きの還流冷却器および温度計
を備えた三口フラスコに入れた。撹拌バーを入れ
た後、ジスルホニルクロリド溶液を徐々に滴下し
た。混合物は発熱し、気体が発生した。氷水浴に
入れて温度を40℃以下に保つた。撹拌バーをなる
べく早く始動させ、混合物を室温で約24時間撹拌
した。反応混合物を過して、塩化銀および未反
応の炭酸銀を含有する淡紫色の粉末を得た。乾燥
した後の粉末の重量は2.99gであり、炭酸銀が完
全に反応した場合の塩化銀の理論重量を0.29g上
回つた。この数値に基くと、液中のメタンジス
ルホン酸銀の収率は約88.5%であつた。 実施例 テトラメチレンメタンジスルホネートの製造 アルドリツチ・ケミカル社(ミルウオーキー、
ウイスコンシン)〔Aldrich Chemical Co.
(Milwaukee.WI)〕より入手した純粋な1,4−
ジブロモブタン(2.03g、0.009モル)を、新し
く調製した実施例のアセトニトリル中のメタン
ジスルホン酸銀溶液100mlを入れたフラスコに加
えた。フラスコに栓をして暗所に室温で8週間置
くと、その間に黄緑色の沈殿が生成し、フラスコ
の底に沈んだ。この懸濁液を過し、液を乾燥
アセトニトリルで洗滌すると、臭化銀懸濁した。
この懸濁液を過し、液を実施例に従つて乾
燥した。過物の乾燥重量は2.34グラムであり、
ジブロモブタンとメタンジスルホン酸銀が完全に
反応した場合に生じる臭化銀の理論重量の67.7%
であつた。 もとの液を減圧下で乾燥すると、淡茶色の油
状物質が得られた。この油状物質を塩化メチレン
で洗滌すると、茶色のゴム状物質および濁つた上
清が得られた。上清をデカントして脱色炭で処理
した。過して脱色炭を除去すると無色透明な溶
液が得られた。減圧下で溶媒を除去すると微小な
白色の立方体結晶が得られた。この結晶をシクロ
ヘキサン−塩化メチレン(2/1)混液より再結
晶した。微小な白色の針状結晶が得られ、乾燥し
た後秤量した。その重さは、0.082gであり、こ
れは収率3.79%に相当する。生成物の融点は、
143−144℃であつた。生成物のNMRおよびIRス
ペクトル分析は、テトラメチルメタンジスルホネ
ートと思われるスペクトル特性を示した。生成物
の元素分析(C5H10O6S2として)は理論値がC、
26.08;H、4.38;S、27.85であり、実測値はC、
26.08;H、4.77;S、27.66であつた。 実施例 トリメチレンメタンジスルホネートの製造 新しく調製した実施例の乾燥アセトニトリル
100ml中のメタンジスルホン酸銀溶液に、アルド
リツチ・ケミカル社より入手した純粋な1,3−
ジブロモプロパン(4.76g、0.024モル)を加え
た。この混合物を82°で3日間加熱還流すると、
黄緑色の粉末が生成した。この粉末を過し、乾
燥アセトニトリルで洗滌した後、過し、乾燥
し、次いで重さを量つた。乾燥重量5.92グラム
は、ジブロモプロパンとメチレンメタンジスルホ
ン酸銀の完全な反応に基く臭化銀の期待重量の
65.5%に相当する。還流反応物の溶媒を減圧下で
除去し、残留した由状物質を実施例におけるテ
トラメタンジスルホネートの精製に記載した方法
で処理した。得られた微小な白色結晶は0.563グ
ラムであつて、これは収率11%に相当し、融点
156〜157.5℃および185.5〜186.5℃を示す。2回
再結晶した化合物のNMRおよびIRスペクトル
は、トリメチレンメタンジスルホネートに特有の
特徴を示した。元素分析(C4H8O6S2として)は
理論値がC、22.22;H、3.72;およびS、29.66
であり、実測値はC、22.31;H、3.69;および
S、28.91であつた。 実施例 エチレンメタンジスルホネートの製造 新しく調製した、実施例に従つて得られたア
セトニトリル約100ml中のメタンジスルホン酸銀
溶液に、アルドリツチ・ケミカル社より入手した
純粋な1,2−ジブロモエタン(4.42g、0.024
モル)を加えた。82℃で4日間加熱還流した後、
反応混合物を冷却して過した。こうして得られ
た黄緑色の粉末をアセトニトリルで洗滌し、乾燥
して重量を測定した。この乾燥粉末4.01グラム
は、反応が完全に行なわれた場合に生じる臭化銀
の重量の44.5%に相当する。還流反応物より得た
液を減圧下で除去すると淡茶色の粘性の油状物
質が得られた。この油状物質を、実施例と同様
に塩化メチレンで処理すると、濁つた白色の上清
および不透明な茶色のゴム状物質が生成した。上
清をデカントして脱色炭およびケイソウ土で処理
した。これを過した後の溶液は無色透明であつ
た。減圧下で溶媒を除去すると微小な白色結晶が
得られた。これをシクロヘキサン一塩化メチレン
混液より再結晶し、真空乾燥した。乾燥後の重量
は0.113gであつて理論収量の2.18%に相当し、
融点は約170℃であつた。再結晶した生成物のIR
およびNMRスペクトルはエチレンメタンジスル
ホネートに特有な特徴を示した。元素分析は
C3H6O6S2の計算値に一致した。 純粋な1,2−ジブロモエタン5.09g(0.028
モル)およびメタンジスルホン酸銀溶液100mlを
使用して、上記と同じ操作を行なつた。反応は82
℃で1日加熱還流して行なつた。黄緑色の粉末は
3.55gあり、AgBrの期待重量より0.75g少なか
つた。総重量0.162g、収率2.78%の微小な白色
針状結晶を得た。 実施例 メチレンメタンジスルホネートの製造メタンジ
スルホン酸銀溶液約100mlを入れたフラスコに、
還流冷却器および乾燥管を付けた。アルドリツ
チ・ケミカル社より入手した純粋なジヨードメタ
ン(5.09g、0.019モル)を加え、溶液を2日間
加熱還流した。生成した淡黄色の粉末を実施例
と同様にして、過し、洗滌し、次いで乾燥し
た。乾燥した沈殿の重量は5.79gであり、期待さ
れるAgIの重量の72.0%に相当した。液を実施
例に記載した方法で処理すると、総重量0.081
グラム、収率2.22%、融点146℃〜146.5℃の微小
な白色針状結晶が得られた。さらに再結晶を行つ
た後の白色針状結晶のIRおよびNMRスペクトル
分析は、メチレンメタンジスルホネートに特有な
特徴を示した。元素分析(C2H4O6S2として);理
論値:C、12.76;H、2.14;S、34.09、実測
値:C、12.91;H、2.14;S、34.16 実施例 ペンタメチレンメタンジスルホネートの製造 本実施例および以下の実施例XII−は、アルカ
ンジスルホニルクロリドと、HO−(CH2)o−OH
〔式中、n=2、3、4または5である〕で示さ
れる型のジオールの反応による環式アルカンジス
ルホン酸エステルの合成を説明するものである。
バーデイツク・アンド・ジヤクソン研究所より入
手したエチレングリコールのジメチルエーテル
(グライム)をナトリウムおよびベンゾフエノン
を入れて蒸留し、精製した。精製したグライム
350ml中に入れた、アルドリツチ・ケミカル社よ
り入手した1,5−ペンタンジオール(12.5g、
0.12モル)溶液を、スターラーおよび温度計を備
えた1の三口丸底フラスコ中で撹拌した。反応
フラスコはドワール−ドライアイス浴で−20℃の
温度に保つた。フイールド・M.およびリーク・
H.P.(Fild,M.and Rieck,H.P.)のケム・ツア
イツング(Chem Zeitung)(1976)109(9)9):
391に記載された方法によつて調製したメタンジ
スルホニルクロリド(25.6g、0.12モル)をグラ
イム25mlに溶解したものを60mlの滴下ロートより
徐々に加えた。イーストマン・オーガニツク・ケ
ミカルズ(Eastman Organic Chemicals)(ロ
チエスター、ニユーヨーク(Rochester、NY))
より入手したトリエチルアミン(24.3g、0.24モ
ル)をグライム125mlに入れた溶液を、1時間で
溶器に滴下した。CaCl2を入れた乾燥管を滴下ロ
ートに付けて水との接触を避けるように注意し
た。滴下が完了した後、反応混合物を室温に戻し
て2時間撹拌した。 反応混合物を減圧過して固形のトリエチルア
ミンヒドロクロリドを除去した。固状のアミン塩
酸塩残留物質をグライムで洗滌し、次いで乾燥す
ると重さは37.0gであつて、これは理論上の収量
の104%に相当した。液をロータリーエバポレ
ーターを使用して37℃以下で蒸留し、グライムを
除去した。残留物を塩化メチレン100mlに再溶解
した後、以下の一連の冷却した水性洗液で洗滌し
た:(a)5%の重炭酸ナトリウム30mlで3回、(b)蒸
留水30mlで1回、および(c)5%の塩酸30mlで3
回。これらの洗液は4℃に冷却して生成物の加水
分解を最小限にした。最終的に得られた有機層を
MgSO4で乾燥した後、ロータリーエバポレータ
ーを使用して塩化メチレンを留去した。粗生成物
を最小量の塩化メチレンに再溶解した。シクロヘ
キサンを加えて混合物を1か月間冷蔵庫に置き、
混合物が透明になつたら周期的にシクロヘキサン
を追加し、生成物の結晶化を促進した。生成した
白色の粉末を過し、次いで乾燥した。総量0.22
グラム、収率6.75%の結晶化した生成物を得た。
この生成物は102℃〜105℃で分解する。この化合
物は、特有のCH2、SO2のIR特性およびCH2−
(SO2)2、CH2−O、−CH2−のプロトンNMR特
性によつて同定した。 実施例 エチレンメタンジスルホネートの製造−方法2 バーデイツク・アンド・ジヤクソン研究所より
入手したテトラヒドロフランを、常法に従い、ナ
トリウムベンゾフエノンを入れて新たに蒸留し
た。アルドリツチ・ケミカル社より入手したエチ
レングリコール(1.24グラム)をテトラヒドロフ
ラン200mlに入れた溶液を、乾燥管に連結した50
mlの圧平衡滴下ロート、撹拌機および低温温度計
を備えた500mlの三口フラスコに入れた。この溶
液を−20℃に冷却し、テトラヒドロフラン50ml中
のメタンジスルホニルクロリド4.26グラム(0.02
モル)を15分間で滴下ロートより加えた。次い
で、テトラヒドロフラン120ml中のイーストマ
ン・オーガニツク・ケミカルズより入手したコリ
ジン(4.85g、0.04モル)を、約1時間で徐々に
フラスコに加えた。反応混合物を10℃まで温めた
後、生成したコリジン塩酸塩を去した。液を
20mm圧のロータリーエバポレーターで濃縮した。
残留物を高真空(1−2mm)下に約15分間置き、
次いで5%の冷HCl50mlを加えてこの混合物を冷
蔵庫で一夜放置した。過し、次に真空乾燥して
メタンジスルホン酸のエチレングリコールエステ
ル1.02gを得たが、これは収率25%に相当し、m.
p.165−169℃であつた。生成物は、IRおよびプロ
トンNMRスペクトルで確認した。 実施例 エチレンメタンジスルホネートの製造−方法3 実施例に記載の方法を一部変更して、テトラ
ヒドロフランの代わりにグライムを、コリジンの
代わりにトリエチルアミンを使用した。トリエチ
ルアミンの塩酸塩の過を行わず、最後の反応溶
液を減圧蒸留した後に残留物を氷水に取つて過
すると、メタンジスルホニルクロリド0.04モルよ
りエチレンメタンジスルホネート4.67g(57%収
率)が得られた。生成物を、95℃−102℃に加熱
した浴中、0.5−1.0mmHgの真空下で昇華させて更
に精製した。昇華によつて、NMRスペクトルに
よつて検出された不純物の1つが除かれ昭た。昇
華した物質を生物試験にかけた。 実施例 トリメチレンメタンジスルホネートの製造−方
法2 エチレングリコールの代わりに1,3−プロパ
ンジオールを使用し、実施例に記載の操作を、
溶媒としてグライムを使用し、塩基としてトリエ
チルアミンを使用して行なつた。グライムを蒸留
した後の残留物を塩化メチレンに取り、続いて重
炭酸ナトリウム、水、次いで5%の塩酸で洗滌し
た。無水硫酸マグネシウムで塩化メチレンを乾燥
した後、シクロヘキサンを加えて結晶化をうなが
した。1,3−プロパンジオール25.6g(0.12モ
ル)およびトリエチルアミン24.3g(0.24モル)
より、トリメチレンメタンジスルホネート2.6g
(10%収率)を得た。この化合物は139℃−142℃
の融点(分解)、およびIR並びにNMRスペクト
ルで確認した。 実施例 テトラメチレンメタンジスルホネートの製造−
方法2 エチレングリコールの代わりに1,4−ブタン
ジオールを使用して実施例に記載の操作と同じ
操作を行ない、等モル量の試薬より7%収率のエ
ステルを得、これをm.p.135℃−136℃(分解)お
よびIR、NMRスペクトルによつて確認した。 実施例 XI ペンタメチレン1,1−エタンジスルホネート
の製造 1,5−ペンタンジオール(4.17g、0.04モ
ル)を1リツトルの丸底フラスコ中のグライム
350mlに溶解し、この溶液を−20℃に冷却した。
メタンジスルホニルクロリド(実施例)と同じ
操作で合成した1,1−エタンジスルホニルクロ
リドをグライム25mlに溶解し、この溶液をフラス
コ中の溶液に滴下した。トリエチルアミン(8.08
g、0.08モル)をグライム125mlに溶解し、この
溶液を1時間でペンタンジオール/エタンジスル
ホニルクロリド溶液に加えた。添加完了後、この
混合物を水浴中、45分間かけて25℃にした。混合
物を35℃以下の温度で減圧回転蒸発させた。残留
物を5%の重炭酸ナトリウム20mlで3回洗滌し、
得られたエマルジヨンを遠心分離した。この洗浄
操作で最終的に得られた油状物質より水をデカン
トし、塩化メチレンを加えた。この溶媒は、明ら
かにすべての、あるいはほとんどの不純物を溶解
したが、本生成物は溶液中に懸濁したままであつ
た。この生成物は、溶液をワツトマン#5
(Whatman#5)定性ろ紙で減圧過することに
よつて得られた。 乾燥した生成物は0.22グラム、収率約2%であ
つた。生成物は、特有のIRおよびプロトンNMR
スペクトルで確認した。生成物の分解は、141℃
〜142℃で起こつた。化合物の溶解度が低いこと
は、乾燥した生成物0.03グラムをアセトニトリル
1mlおよび塩化メチレン1mlに溶解して確認し
た。どちらの場合も不溶性の固形物よりデカント
した上清を蒸発させた結果、生成物、ペンタメチ
レンエタンジスルホネートが各溶媒に0.01グラム
以下しか溶解しないことがわかつた。 実施例 XII テトラメチレン1,1−エタンジスルホネート
の製造 アルドリツチ・ケミカル社より入手した1,4
−ブタンジオール(3.6g、0.04モル)を1リツ
トルの丸底フラスコ中のグライム75mlに溶解し
た。グライム25mlに溶解した1,1−エタンジス
ルホニルクロリド(9.1g、0.04モル)溶液を滴
下ロートよりフラスコに加えた。反応混合物をダ
ウアノール−ドライアイス浴で−20℃以下に保つ
た。グライム100mlに溶解したトリエチルアミン
(8.08g、0.08モル)を、125mlの滴下ロートより
1時間で混合物に加えた。CaCl2を入れた乾燥管
を滴下ロートに付け、無水条件を維持するように
した。反応混合物を冷水浴で25℃にした。グライ
ムは、37℃以下の温度で回転蒸発させて除去し
た。グライムを除去した後に得られた油質の黄色
残留物質を5%の重炭酸ナトリウム100mlで1回、
および冷蒸留水50mlで1回洗滌し、生成したエマ
ルジヨンを直ちに遠心して生成物を分離し、水性
の物質をデカントした。残留した沈殿を真空下で
乾燥させた。得られた白色の粉末状固形物は0.90
g、収率9.2%であつた。生成物は、特有のIRお
よびプロトンNMRスペクトル特性によつて確認
した。生成物は115〜138℃で分解した。生成物は
塩化メチレンあるいはアセトニトリル1mlに約
0.01グラム以下しか溶解しなかつた。 実施例 トリメチレン1,1−エタンジスルホネート アルドリツチ・ケミカル社より入手した1,3
−プロパンジオール(6.1g、0.08モル)を、ス
ターラーおよび温度計を備えた1の三口丸底フ
ラスコ中の蒸留グライム350mlに溶解した。フラ
スコの下に置いたダウアノール−ドライアイス
で、溶液を−20℃に保つた。グライム25mlに溶解
した1,1−エタンジスルホニルクロリド(18.2
g、0.08モル)を60mlの滴下ロートより徐々に加
えた。次いで、この容器にグライム125mlに溶解
したトリエチルアミン(16.2g、0.16モル)混合
物を1時間で滴下した。滴下ロートにCaCl2を入
れた乾燥管を付け、水との接触を避けるようにし
た。すべての添加が終つた後、反応混合物を室温
にして3時間撹拌した。 混合物を減圧過し、固体のトリエチルアミン
塩酸塩を除去した。液を37℃以下の温度で回転
蒸発させてグライムを除去した。7.95gの粗生成
物を最小量の塩化メチレンに再溶解し、混合物に
濁りが生じるまでシクロヘキサンを加えた。生成
した最初の結晶を、減圧過して溶液より除去
し、更にシクロヘキサンを加えて2番目の結晶群
を生成させ、これも過して除去した。両者の結
晶を冷蒸留水で洗滌して表面の油膜を除いた。得
られた固形物の最終重量は収率36%に相当した。
この化合物を予め加熱された融点測定装置に入れ
ると、151℃〜155℃で分解した。CH3CHおよび
SO2のIRスペクトル特性により、およびCH、
CH2O、−CH2−および−CH3のプロトンNMR特
性によつて生成物を確認した。 実施例 エチレン1,1−エタンジスルホネートの製造 実施例に記載のトリメチレン1,1−エタ
ンジスルホネートを製造する反応燥作を採用し、
実施例で使用した1,3−プロパンジオール
の代わりにエチレングリコール(5.0グラム、
0.008モル)を用いて行なつた。反応混合物を室
温で3時間撹拌して固体の残留物、アミン塩酸塩
を除去した後、液を回転蒸発させてグライムを
除いた。得られた粗生成物を最小量の塩化メチレ
ンに溶解し、次いでミクロヘキサンを加えると直
ちに白色結晶が生成した。さらにシクロヘキサン
を加えて遠心分離すると、総量5.84グラムとなる
数群の結晶が得られた。この物質をさらに再結晶
させて合計4.37グラムの生成物を得た。これは収
率25.2%に相当した。生成物の融点は、92℃〜93
℃であつた。CH3CHおよびSO2についてのIRス
ペクトル特性およびCH、CH2、CH3についての
プロトンNMR特性によつて生成物を確認した。 実施例 ナトリウム1,2−ビス(オキシスルホニルメ
タンスルホネート)エタンの製造 メタンジスルホニルクロリド25.0g(0.117モ
ル)を、無水エーテル200mlを入れた500mlの丸底
フラスコに加えた。この溶液を予め撹拌してお
き、氷浴で冷却しながら徐々に水2.1g(0.117モ
ル)を加えた。水を加え終えた後、氷浴をはずし
て溶液を4時間撹拌した。回転蒸発してエーテル
を除去し、PCR・リサーチ・ケミカルズ社
(PCR Research Chemicals,Inc.)(ゲインズビ
ル、フロリダ(Gainesville,FL))より入手し、
新たに蒸留したトリメチルシリルクロリド37g
(0.35モル)を気体の発生を制御するためのバブ
ラーを使用しながら徐々に加えた。トリメチルシ
リルクロリドを加えた後、気体の発生が終わるま
で、溶液を数時間加熱還流した。過剰量のトリメ
チルシリルクロリドを留去し、次いで残留物を精
留すると、bp102℃−104℃、0.2mm圧で、あるい
は110℃−11℃、0.4mm圧でトリメチルシリルクロ
ロスルホニルメタンスルホネート24g(77%)が
得られた。生成物は、滴定およびNMRスペクト
ルにより確認した。 ナトリウムおよびベンゾフエノンより新たに蒸
留して−20℃に冷却したグライム25ml中のトリメ
チルシリルクロロスルホニルメタンスルホネート
5.52g(0.0207モル)溶液に、グライム25ml中の
エチレングリコール0.62g(0.01モル)およびト
リエチルアミン1.75g(0.02モル)溶液を滴下し
た。次いで、この溶液を室温に戻して過し、グ
ライムを蒸発除去した。水中の2当量の重炭酸ナ
トリウムを加え、気体の発生が終わつた後に水性
溶液を塩化メチレンで洗滌し、次いで蒸発させて
1,2−ビス(オキシスルホニルメタンスルホン
酸)エタンのナトリウム塩を含有する白色の泡状
残留物質を得た。 実施例 エチレンメタンジスルホネートの抗癌活性 この実験では、以下のタイプの癌のいずれか1
つを持つていると確認されたマウスの個々の個体
を使用した:リンパ球性白血病(PS)、リンパ球
様白血病(LE)、黒色癌(B1)、ヒトの乳癌移植
腫瘍(MB)および卵巣癌(M5)。表1の左欄に
は、実施した6種類の実験系が記載されており、
これには2つの異なつたリンパ球様白血病、
LE31およびLE37が含まれている。各実験系にお
いて6〜10匹の動物が使用され、表の投与量載囲
の欄に示した1日量のエチレンメタンジスルホネ
ートが投与された。表の左から第3番目の欄に
は、腹腔内(IP)、脳内(IC)または皮下(SC)
のいずれかの注入経路を示した。投与量範囲は、
表示した注入経路による場合、特定の癌に対して
最も治療効果が高いことがわかつた量である。同
じ数の動物に、薬物を投与するのに使用した媒質
のみを毎日投与した(対照)。 対照群および薬物処置群共に、全動物が死亡す
るまでこの投与を行なつた。ただし、生存期間が
対照群の3倍以上になつた少数の実験系では、試
験動物は治癒したものとみなした。表1の右欄に
示したT/C比は、処置動物の生存日数の中央値
(T)を対照動物の生存日数(C)の中央値で割つたもの
である。例えば、PS31実験系に於いてT/C270
という値は、処置動物の生存日数の中央値が、非
処置動物の生存日数の中央値の270%、即ち2.7倍
であることを示している。ヒトの乳癌移植腫瘍の
実験系(MBG5)では、処置動物の腫瘍サイズ
対非処置動物の腫瘍サイズの値を示している。7
という値は、処置動物の腫瘍の平均が非処置動物
の増殖の約7%であることを意味している。
第1節に述べる新規な方法により合成される。第
2節では、DNA鎖の破壊および関連タンパク質
へのDNAの架橋結合を生じる環式ジスルホン酸
エステルとDNAとの反応について述べる。この
節では、荷電したスルホン酸末端基を持つた線状
ジスルホン酸エステルについても考察する。この
化合物は、環式化合物の場合と同様に2本鎖
DNAと反応する。この線状の荷電架橋結合剤の
合成法についても記載する。5つの異なつたタイ
プの哺乳動物の癌の治療に選択された環式ジスル
ホン酸エステル化合物を使用する各種の薬物治療
法については第3節で概説する。 ジスルホン酸エステル架橋結合剤の合成 本発明は一般構造式: 〔式中、m=0または1、n=1〜5、R=H、
CH3、CH3CH2またはClである〕 で示される環式ジスルホン酸エステルを提供する
ものである。 第1番目の合成法は、n=1であるこのタイプ
の化合物の合成に特に適している。この方法は一
般に、式: 〔式中、mおよびRは前記と同意義である〕 で示されるアルカンジスルホニルクロリドを、相
当する銀ジスルホネートが得られる条件下で、銀
塩、好ましくは炭酸銀と反応させることからな
る。実験の結果、この反応は完全に無水の条件下
で暗所で行なうのが好ましいことがわかつた。メ
タンジスルホニルクロリドの様なアルカンジスル
ホニルクロリドを、アセトニトリルの様な適当な
溶媒に溶かし、この溶液に、ジスルホニルクロリ
ド1モル当たり2モルよりやや過剰の銀の割合
で、炭酸銀の様な銀塩を添加する。この混合物の
初期の発熱反応の間40℃以下に保ち、次いで室温
で24時間撹拌する。生成した塩化銀の粉末を去
する。以下の実施例1で述べる方法により、理論
量の約88.5%に当たるメタンジスルホン酸銀が得
られる。 この合成法の第2段階では、生成したてのアル
カンジスルホン酸銀を式: X−(CH2)o−X 〔式中、n=1〜4、Xは臭素または沃素であ
る〕 で示されるジハライドと反応させる。例えば、適
当な溶媒、例えばアセトニトリルに溶解したメタ
ンジスルホン酸銀を、約1:1のモル比でジハラ
イドに加え、この混合物を室温で数週間放置する
か、あるいは光の存在下で数日間加熱還流する。
沈殿した銀塩を過し、液を減圧下で蒸発させ
ると通常淡褐色の油状残留物が得られ、これに所
望の生成物が含まれている。この残留物を塩化メ
チレンの様な適当な溶媒に溶かし、これを脱色炭
の様な精製剤をその溶媒に加えて処理してもよ
い。この生成物を結晶化させるため、シクロヘキ
サンの様な2番目の溶媒を、上澄が濁るまで添加
する。シクロヘキサン:塩化メチレン(2:1)
の溶媒系で再結晶して所望の純度にしてもよい。
生成物の確認は、例えばCH2およびSO2伸縮振動
の様な赤外(IR)特性値、および、例えばCH2
−SO2プロトン、末端−CH2−Oプロトンおよび
中央のCH2プロトンなどのプロトン核磁気共鳴
(NMR)特性値によつて行なうことができる。
更に、生成物の元素分析実測値を理論値と比較す
ることによつて、生成物を確認することができ
る。 実施例は、1−4ジブロモブタンおよびメタ
ンジスルホン酸銀からのテトラメチレンメタンジ
スルホネート(m=0、n=4、R=H)、別名
1,5,2,4−ジオキサジチオカン−2,2,
4,4−テトロキシドの製造について記載してい
る。この方法で、再結晶後に小さい白色針状晶が
得られ、その最終重量によると通算収率は約3.79
%であつた。実施例には、メタンジスルホン酸
銀と1,3−ジブロモプロパンからトリメチレン
メタンジスルホネート(m=0、n=3、R=
H、別名1,5,2,4−ジオキサジチオカン−
2,2,4,4−テトロキシドを製造する方法が
記載されている。トリメチレンメタンジスルホネ
ートと同定された小さい白色結晶が約11%の収率
で得られた。実施例はエチレンメタンジスルホ
ネートの合成について記載している。この実施例
に記載されている別法の収率は、シクロヘキサン
−塩化メチレン混合物からの再結晶後、2.18%お
よび2.78%であつた。メチレンメタンジスルホネ
ート(m=0、n=1、R=H)、別名1,5,
2,4−ジオキサジチアン−2,2,4,4−テ
トロキシドの合成法は、実施例に記載されてお
り、ここではメタンジスルホン酸銀を、アセトニ
トリル中、略当モル量のジヨードメタンと反応さ
せている。全生成物の収率は約2.22%であつた。 本発明の新規な環式ジスルホネートエステル類
を合成するための第2の一般的方法は、m=0、
n=2〜5、R=HまたはCH3である構造の化合
物に特に好適である。この方法は、一般的に、
式: OH−(CH2)o−OH 〔式中、n=2〜5である〕 で示されるジオールをテトラヒドロフランまたは
エチレングリコールのジメチルエーテル(グライ
ム)などの溶媒に添加し、この溶液に、同じ溶媒
に入れた式: 〔式中、R=HまたはCH3である〕 で示される約当モル量のアルカンジスルホニルク
ロリドを加える。この混合物を少なくとも約−20
℃に冷却し、脂肪族または芳香族第3級アミンを
滴加する。好ましい第3級アミンにはトリエチル
アミンおよびコリジン、第3級芳香族アミン、が
含まれる。この反応混合物を0℃またはそれより
僅かに高い温度まで温め、生成した塩酸塩を去
する。液を減圧下で蒸発させ、通常、淡黄色油
を含んでいる残留物を適当な溶媒、例えば塩化メ
チレンに溶解する。塩化メチレン:シクロヘキサ
ンなどの適当な溶媒から再結晶すると、所望の再
結晶生成物である軽い結晶性粉末が得られる。生
成物は、前記した様なIRおよびNMR特性値およ
び元素分析により確認することができる。 実施例は、上に記載した方法でペンタメチレ
ンメタンジスルホネート(m=0、n=5、R=
H)、別各1,5,2,4−ジオキサジチオカン
−2,4,4−テトロキシドを製造する方法を記
載している。グライム中の1−5−ペンタンジオ
ール溶液を、同一溶媒に入れたメタンジスルホニ
ルクロリドと混合し、この混合物に、無水条件下
でトリエチルアミンを滴加した。アミンの塩酸塩
残渣を除いて溶媒を蒸発させた後、油状残留物を
塩化メチレンに再溶解し、水性洗液で3回洗浄
し、塩化メチレン:シクロヘキサン溶媒系から結
晶化させた。この方法により約6.75%の収率で純
生成物を得た。実施例およびは、コリジンを
滴下しながらテトラヒドロフラン中でエチレング
リコールとメタンジスルホニルクロリドからエチ
レンメタンジスルホネート(m=0、n=2、R
=H)を合成する同様の反応について記載してい
る。再結晶した生成物を25%の収率で得た。実施
例およびは、それぞれトリメチレンおよびテ
トラメチレンメタンジスルホネートを製造するた
めの同様の反応について記載している。 実施例XI−は、n=5(実施例XI)、n=4
(実施例XII)、n=3(実施例)およびn=2
(実施例)の1,1−エタンジスルホネート
(m=0、R=CH3)の合成について記載してい
る。n=1である環式ジスルホネート化合物はこ
の合成法では製造することができないことに注意
すべきである。実施例XIでは、ペンタメチレン
1,1−エタンジスルホネートが2%の収率で得
られた。実施例XIIでは、精製したテトラメチレン
1,1−エタンジスルホネートが0.2%の収率で
得られた。実施例の方法により、トリメチレ
ン1,1−エタンジスルホネートが約36%の収率
で得られ、実施例XNでは精製したエチレン1,
1−エタンジスルホネートが25%の収率で得られ
た。 ここに記載した一般的な合成法に於いて、特に
アルカンジスルホニルクロリド出発物質について
変更を加えることにより、提示した各種のR基お
よびm値の化合物を製造し得ることは実施例から
明らかであろう。 環式ジスルホネートエステルアルキル化反応 本発明の環式ジスルホン酸エステル化合物は、
ヌクレオフアイル含有生体内分子と反応すること
ができる化学反応中心を各CH2−O基炭素に持つ
ている。1番目のヌクレオフアイル(−N1と呼
ぶ)と環式ジスルホン酸エステルとの初期アルキ
ル化反応の結果、式: で示される負に荷電したSO3 -で末端基を持つた
線状の中間体が生成する。この線状化したアルキ
ル化中間体は、環式化合物とは著しく異なつた溶
解性および荷電特性を持つていることは理解され
るはずである。これらの荷電および溶解特性が、
この化合物が、アルキル化された生体内分子に対
してとる立体配置に影響を与えると期待される。
具体的にいうと、この荷電した末端基は、2本鎖
DNAに関連している正に荷電したヒストンと相
互作用する。本発明を支持するために行なわれた
予備実験の結果、環式エチレンジスルホン酸エス
テル(n=2)は、ヒト胎児肺線維芽細胞、
IMR−90セルラインおよびそのSV−40−形質転
換対応物、VA−13セルライン(これは、グアニ
ンの06位に於ける小アルキル障害を修復する能力
を欠いている)の両者に於いて、DNAとDNA関
連タンパク質を架橋結合させる活性を有すること
が判明した。興味あることは、n=2の化合物で
処理された両細胞に於いて、両方のフランク鎖の
ハイレベルな破壊およびアルカリ−不安定障害
(PH12.6)が観察されたが、n=2の化合物で処
理された細胞中ではDNA/DNA架橋がほとん
ど、あるいは全く観察されなかつたことである。
検出された鎖の破壊がハイレベルであつたこと、
およびIMR−90セルライン(これはグアニンの
06位に於ける小さいアルキル障害を除去すること
ができる)に於いて毒性が低かつたことは、観察
された鎖の破壊は薬物によつて惹起されるのでは
なく、酵素の修復活性によつて惹起されることを
示唆している。 初期のアルキル化に続いて、線状化した荷電コ
ンプレツクスが、第2のヌクレオフアイルN2と、
2番目の求核反応に関与することができ、架橋結
合した−N1−(CH2)o−N2コンプレツクスを形成
し、第2の荷電スルホン酸を放出する。 本発明は、もつと一般的に言えば、初期アルキ
ル化反応の後のスルホン酸末端基により特徴づけ
られるジスルホン酸エステルを目的物質とするも
のである。この性質を持つた線状ジスルホン酸エ
ステルは、一般構造式: 〔式中、m=0、n=1〜5、R=H、CH3、
CH3CH2またはCl〕 で示される。この構造をみると、O−CH2炭素に
於ける、ヌクレオフアイルN1による初期の求核
攻撃により、相当する環式ジスルホン酸エステル
が関与する初期求核反応の結果生じるコンプレツ
クスと同じN1−アルキル化剤コンプレツクスが
生じることがわかる。 実施例は、1,2−ビス(オキシスルホニ
ルメタンスルホン酸)エタン(m=0、R=H、
n=2)の合成法を示している。この方法では、
メタンジスルホニルクロリドを、ジエチルエーテ
ルの存在下で水と反応させ、相当するクロロスル
ホニルメタンスルホン酸を生成させる。この化学
中間体のスルホン酸基を、既知の方法に従い、ト
リメチルシリルクロリドまたはt−ブチルジメチ
ルシリルクロリドと反応させて保護する。次いで
この化合物をグライムの様な適当な溶媒中、芳香
族または脂肪族の第3級アミン、例えばトリエチ
ルアミンを−20℃で滴加しながら、エチレングリ
コールと反応させる。その生成物をH2Oおよび
重炭酸塩で処理して化合物中のシリルエステルを
加水分解し、この生成物の所望の塩を生成せしめ
る。 環式メタンジスルホネートエステルの抗癌活
性 種々のタイプの哺乳動物の癌に対する環式メタ
ンジスルホネートの有効性を調べた。この実験で
は、以下のタイプの癌のいずれか1つを持つてい
ると確認されたマウスの個々の個体を使用した:
リンパ球性白血病、リンパ球様白血病、黒色癌、
ヒトの乳癌移植腫瘍および卵巣癌。それぞれのタ
イプの癌につき、ほおぼ同じサイズおよび体重の
一群の動物を、被験薬物の量が増加していく各種
投与レベルの1つで処置して最適投与量を決めた
(これは、最大の存在期間または腫瘍増殖阻止に
よつて判定した)。 各試験に於いて、動物を等しい動物数の2群に
わけた。対照群には薬物の担体のみを与え、処置
群には担体に入れた最適投与量の薬物を与えた。
リンパ球性白血病、リンパ球様白血病、黒色癌お
よび卵巣癌に関する実験では、対照動物の生存日
数の中央値(C)に対する処置動物の生存日数の中央
値(T)の割合、即ちT/C比、で薬物の有効性を表
わした。ヒトン乳癌移植腫瘍に対する薬物の有効
性は、対照動物の腫瘍サイズ(C)に対する処置動物
の腫瘍サイズの比で表わした。 エチレンメタンスルホネート薬物処置の処置プ
ロトコールおよび得られた結果を実施例に記
載した。そのデータによると、エチレンメタンス
ルホネートは、実施例に記載された全てのタイプ
の癌について、生存期間を延長し、または腫瘍の
増殖を阻止する。 更に、n=2〜4の架橋結合鎖長を持つた環式
ジスルホン酸エステルの治療効果を比較する目的
で、リンパ球性白血病のマウス2群を、トリメチ
レンメタンジスルホネート(n=3)およびテト
ラメチレンメタンジスルホネート(n=4)のい
ずれかで処置した。試験条件およびプロトコール
は実施例の試験の場合と実質的で同じであ
り、n=3およびn=4の化合物について、それ
ぞれ実施例およびに記載した。トリメチ
レンおよびテトラメチレンメタンジスルホネート
化合物は共に、T/C比で測定した結果、有意な
抗−白血病活性を示した。しかし、白血病動物の
生存期間を延長させる点では、両者とも、環式エ
チレンメタンジスルホネートエステルより明らか
に有効性が劣つていた。 以上のことから、本発明の各種の目的が理解さ
れよう。本明細書に記載の環式ジスルホン酸エス
テルは、その構造および反応性が非荷電線状ジス
ルホン酸エステルと全く異なる新しい系列の架橋
結合剤である。本発明に係る新規化合物群の内の
1つは、白血病、卵巣癌、黒色癌およびヒトの乳
癌移植腫瘍を含む種々の癌の治療に有効であるこ
とが判明した。 本発明の化合物は、本明細書で詳述した方法の
いずれか1つ、または両方の方法で容易に製造さ
れ、その化合物の内の数種のものは、約25%以上
の収率で得ることができる。 以下に各種の合成法および処置プロトコールに
ついて実施例を挙げるが、これは本発明の範囲を
限定することを意図したものではない。 実施例 無水メタンジスルホン酸銀の製造 全製造工程を、完全に無水な暗条件下で実施し
た。ガラス器具はすべて、乾燥機中、110℃で少
くとも1時間半加熱した。メタンジスルホニルク
ロリドは、既知の方法で合成した〔例えばシユロ
ーター、G.アナーレン・デア・ケミー
(Schroeter、G.,Ann Chem)(1919)161−257
参照〕。再蒸留したメタンジスルホニルクロリド
(2.00g、0.009モル)を、バーデイツク・アン
ド・ジヤクソン研究所(マスキーゴン、ミシガ
ン)〔Burdick and Jackson Laboratories
(Muskegon MI)〕から入手したアセトニトリル
15mlに入れて平衡滴下ロートに移した。アセトニ
トリルは、P2O5を入れて蒸留した。J.T.ベーカ
ー・ケミカル社(フイリツプスバーグ、ニユージ
ヤージー)〔J.T.Baker Chemical Co.
(Phillipsburg.NJ)〕より入手した分析等級の炭
酸銀(99.8%)を量り(5.22g、0.019モル)、平
衡ロート、乾燥管付きの還流冷却器および温度計
を備えた三口フラスコに入れた。撹拌バーを入れ
た後、ジスルホニルクロリド溶液を徐々に滴下し
た。混合物は発熱し、気体が発生した。氷水浴に
入れて温度を40℃以下に保つた。撹拌バーをなる
べく早く始動させ、混合物を室温で約24時間撹拌
した。反応混合物を過して、塩化銀および未反
応の炭酸銀を含有する淡紫色の粉末を得た。乾燥
した後の粉末の重量は2.99gであり、炭酸銀が完
全に反応した場合の塩化銀の理論重量を0.29g上
回つた。この数値に基くと、液中のメタンジス
ルホン酸銀の収率は約88.5%であつた。 実施例 テトラメチレンメタンジスルホネートの製造 アルドリツチ・ケミカル社(ミルウオーキー、
ウイスコンシン)〔Aldrich Chemical Co.
(Milwaukee.WI)〕より入手した純粋な1,4−
ジブロモブタン(2.03g、0.009モル)を、新し
く調製した実施例のアセトニトリル中のメタン
ジスルホン酸銀溶液100mlを入れたフラスコに加
えた。フラスコに栓をして暗所に室温で8週間置
くと、その間に黄緑色の沈殿が生成し、フラスコ
の底に沈んだ。この懸濁液を過し、液を乾燥
アセトニトリルで洗滌すると、臭化銀懸濁した。
この懸濁液を過し、液を実施例に従つて乾
燥した。過物の乾燥重量は2.34グラムであり、
ジブロモブタンとメタンジスルホン酸銀が完全に
反応した場合に生じる臭化銀の理論重量の67.7%
であつた。 もとの液を減圧下で乾燥すると、淡茶色の油
状物質が得られた。この油状物質を塩化メチレン
で洗滌すると、茶色のゴム状物質および濁つた上
清が得られた。上清をデカントして脱色炭で処理
した。過して脱色炭を除去すると無色透明な溶
液が得られた。減圧下で溶媒を除去すると微小な
白色の立方体結晶が得られた。この結晶をシクロ
ヘキサン−塩化メチレン(2/1)混液より再結
晶した。微小な白色の針状結晶が得られ、乾燥し
た後秤量した。その重さは、0.082gであり、こ
れは収率3.79%に相当する。生成物の融点は、
143−144℃であつた。生成物のNMRおよびIRス
ペクトル分析は、テトラメチルメタンジスルホネ
ートと思われるスペクトル特性を示した。生成物
の元素分析(C5H10O6S2として)は理論値がC、
26.08;H、4.38;S、27.85であり、実測値はC、
26.08;H、4.77;S、27.66であつた。 実施例 トリメチレンメタンジスルホネートの製造 新しく調製した実施例の乾燥アセトニトリル
100ml中のメタンジスルホン酸銀溶液に、アルド
リツチ・ケミカル社より入手した純粋な1,3−
ジブロモプロパン(4.76g、0.024モル)を加え
た。この混合物を82°で3日間加熱還流すると、
黄緑色の粉末が生成した。この粉末を過し、乾
燥アセトニトリルで洗滌した後、過し、乾燥
し、次いで重さを量つた。乾燥重量5.92グラム
は、ジブロモプロパンとメチレンメタンジスルホ
ン酸銀の完全な反応に基く臭化銀の期待重量の
65.5%に相当する。還流反応物の溶媒を減圧下で
除去し、残留した由状物質を実施例におけるテ
トラメタンジスルホネートの精製に記載した方法
で処理した。得られた微小な白色結晶は0.563グ
ラムであつて、これは収率11%に相当し、融点
156〜157.5℃および185.5〜186.5℃を示す。2回
再結晶した化合物のNMRおよびIRスペクトル
は、トリメチレンメタンジスルホネートに特有の
特徴を示した。元素分析(C4H8O6S2として)は
理論値がC、22.22;H、3.72;およびS、29.66
であり、実測値はC、22.31;H、3.69;および
S、28.91であつた。 実施例 エチレンメタンジスルホネートの製造 新しく調製した、実施例に従つて得られたア
セトニトリル約100ml中のメタンジスルホン酸銀
溶液に、アルドリツチ・ケミカル社より入手した
純粋な1,2−ジブロモエタン(4.42g、0.024
モル)を加えた。82℃で4日間加熱還流した後、
反応混合物を冷却して過した。こうして得られ
た黄緑色の粉末をアセトニトリルで洗滌し、乾燥
して重量を測定した。この乾燥粉末4.01グラム
は、反応が完全に行なわれた場合に生じる臭化銀
の重量の44.5%に相当する。還流反応物より得た
液を減圧下で除去すると淡茶色の粘性の油状物
質が得られた。この油状物質を、実施例と同様
に塩化メチレンで処理すると、濁つた白色の上清
および不透明な茶色のゴム状物質が生成した。上
清をデカントして脱色炭およびケイソウ土で処理
した。これを過した後の溶液は無色透明であつ
た。減圧下で溶媒を除去すると微小な白色結晶が
得られた。これをシクロヘキサン一塩化メチレン
混液より再結晶し、真空乾燥した。乾燥後の重量
は0.113gであつて理論収量の2.18%に相当し、
融点は約170℃であつた。再結晶した生成物のIR
およびNMRスペクトルはエチレンメタンジスル
ホネートに特有な特徴を示した。元素分析は
C3H6O6S2の計算値に一致した。 純粋な1,2−ジブロモエタン5.09g(0.028
モル)およびメタンジスルホン酸銀溶液100mlを
使用して、上記と同じ操作を行なつた。反応は82
℃で1日加熱還流して行なつた。黄緑色の粉末は
3.55gあり、AgBrの期待重量より0.75g少なか
つた。総重量0.162g、収率2.78%の微小な白色
針状結晶を得た。 実施例 メチレンメタンジスルホネートの製造メタンジ
スルホン酸銀溶液約100mlを入れたフラスコに、
還流冷却器および乾燥管を付けた。アルドリツ
チ・ケミカル社より入手した純粋なジヨードメタ
ン(5.09g、0.019モル)を加え、溶液を2日間
加熱還流した。生成した淡黄色の粉末を実施例
と同様にして、過し、洗滌し、次いで乾燥し
た。乾燥した沈殿の重量は5.79gであり、期待さ
れるAgIの重量の72.0%に相当した。液を実施
例に記載した方法で処理すると、総重量0.081
グラム、収率2.22%、融点146℃〜146.5℃の微小
な白色針状結晶が得られた。さらに再結晶を行つ
た後の白色針状結晶のIRおよびNMRスペクトル
分析は、メチレンメタンジスルホネートに特有な
特徴を示した。元素分析(C2H4O6S2として);理
論値:C、12.76;H、2.14;S、34.09、実測
値:C、12.91;H、2.14;S、34.16 実施例 ペンタメチレンメタンジスルホネートの製造 本実施例および以下の実施例XII−は、アルカ
ンジスルホニルクロリドと、HO−(CH2)o−OH
〔式中、n=2、3、4または5である〕で示さ
れる型のジオールの反応による環式アルカンジス
ルホン酸エステルの合成を説明するものである。
バーデイツク・アンド・ジヤクソン研究所より入
手したエチレングリコールのジメチルエーテル
(グライム)をナトリウムおよびベンゾフエノン
を入れて蒸留し、精製した。精製したグライム
350ml中に入れた、アルドリツチ・ケミカル社よ
り入手した1,5−ペンタンジオール(12.5g、
0.12モル)溶液を、スターラーおよび温度計を備
えた1の三口丸底フラスコ中で撹拌した。反応
フラスコはドワール−ドライアイス浴で−20℃の
温度に保つた。フイールド・M.およびリーク・
H.P.(Fild,M.and Rieck,H.P.)のケム・ツア
イツング(Chem Zeitung)(1976)109(9)9):
391に記載された方法によつて調製したメタンジ
スルホニルクロリド(25.6g、0.12モル)をグラ
イム25mlに溶解したものを60mlの滴下ロートより
徐々に加えた。イーストマン・オーガニツク・ケ
ミカルズ(Eastman Organic Chemicals)(ロ
チエスター、ニユーヨーク(Rochester、NY))
より入手したトリエチルアミン(24.3g、0.24モ
ル)をグライム125mlに入れた溶液を、1時間で
溶器に滴下した。CaCl2を入れた乾燥管を滴下ロ
ートに付けて水との接触を避けるように注意し
た。滴下が完了した後、反応混合物を室温に戻し
て2時間撹拌した。 反応混合物を減圧過して固形のトリエチルア
ミンヒドロクロリドを除去した。固状のアミン塩
酸塩残留物質をグライムで洗滌し、次いで乾燥す
ると重さは37.0gであつて、これは理論上の収量
の104%に相当した。液をロータリーエバポレ
ーターを使用して37℃以下で蒸留し、グライムを
除去した。残留物を塩化メチレン100mlに再溶解
した後、以下の一連の冷却した水性洗液で洗滌し
た:(a)5%の重炭酸ナトリウム30mlで3回、(b)蒸
留水30mlで1回、および(c)5%の塩酸30mlで3
回。これらの洗液は4℃に冷却して生成物の加水
分解を最小限にした。最終的に得られた有機層を
MgSO4で乾燥した後、ロータリーエバポレータ
ーを使用して塩化メチレンを留去した。粗生成物
を最小量の塩化メチレンに再溶解した。シクロヘ
キサンを加えて混合物を1か月間冷蔵庫に置き、
混合物が透明になつたら周期的にシクロヘキサン
を追加し、生成物の結晶化を促進した。生成した
白色の粉末を過し、次いで乾燥した。総量0.22
グラム、収率6.75%の結晶化した生成物を得た。
この生成物は102℃〜105℃で分解する。この化合
物は、特有のCH2、SO2のIR特性およびCH2−
(SO2)2、CH2−O、−CH2−のプロトンNMR特
性によつて同定した。 実施例 エチレンメタンジスルホネートの製造−方法2 バーデイツク・アンド・ジヤクソン研究所より
入手したテトラヒドロフランを、常法に従い、ナ
トリウムベンゾフエノンを入れて新たに蒸留し
た。アルドリツチ・ケミカル社より入手したエチ
レングリコール(1.24グラム)をテトラヒドロフ
ラン200mlに入れた溶液を、乾燥管に連結した50
mlの圧平衡滴下ロート、撹拌機および低温温度計
を備えた500mlの三口フラスコに入れた。この溶
液を−20℃に冷却し、テトラヒドロフラン50ml中
のメタンジスルホニルクロリド4.26グラム(0.02
モル)を15分間で滴下ロートより加えた。次い
で、テトラヒドロフラン120ml中のイーストマ
ン・オーガニツク・ケミカルズより入手したコリ
ジン(4.85g、0.04モル)を、約1時間で徐々に
フラスコに加えた。反応混合物を10℃まで温めた
後、生成したコリジン塩酸塩を去した。液を
20mm圧のロータリーエバポレーターで濃縮した。
残留物を高真空(1−2mm)下に約15分間置き、
次いで5%の冷HCl50mlを加えてこの混合物を冷
蔵庫で一夜放置した。過し、次に真空乾燥して
メタンジスルホン酸のエチレングリコールエステ
ル1.02gを得たが、これは収率25%に相当し、m.
p.165−169℃であつた。生成物は、IRおよびプロ
トンNMRスペクトルで確認した。 実施例 エチレンメタンジスルホネートの製造−方法3 実施例に記載の方法を一部変更して、テトラ
ヒドロフランの代わりにグライムを、コリジンの
代わりにトリエチルアミンを使用した。トリエチ
ルアミンの塩酸塩の過を行わず、最後の反応溶
液を減圧蒸留した後に残留物を氷水に取つて過
すると、メタンジスルホニルクロリド0.04モルよ
りエチレンメタンジスルホネート4.67g(57%収
率)が得られた。生成物を、95℃−102℃に加熱
した浴中、0.5−1.0mmHgの真空下で昇華させて更
に精製した。昇華によつて、NMRスペクトルに
よつて検出された不純物の1つが除かれ昭た。昇
華した物質を生物試験にかけた。 実施例 トリメチレンメタンジスルホネートの製造−方
法2 エチレングリコールの代わりに1,3−プロパ
ンジオールを使用し、実施例に記載の操作を、
溶媒としてグライムを使用し、塩基としてトリエ
チルアミンを使用して行なつた。グライムを蒸留
した後の残留物を塩化メチレンに取り、続いて重
炭酸ナトリウム、水、次いで5%の塩酸で洗滌し
た。無水硫酸マグネシウムで塩化メチレンを乾燥
した後、シクロヘキサンを加えて結晶化をうなが
した。1,3−プロパンジオール25.6g(0.12モ
ル)およびトリエチルアミン24.3g(0.24モル)
より、トリメチレンメタンジスルホネート2.6g
(10%収率)を得た。この化合物は139℃−142℃
の融点(分解)、およびIR並びにNMRスペクト
ルで確認した。 実施例 テトラメチレンメタンジスルホネートの製造−
方法2 エチレングリコールの代わりに1,4−ブタン
ジオールを使用して実施例に記載の操作と同じ
操作を行ない、等モル量の試薬より7%収率のエ
ステルを得、これをm.p.135℃−136℃(分解)お
よびIR、NMRスペクトルによつて確認した。 実施例 XI ペンタメチレン1,1−エタンジスルホネート
の製造 1,5−ペンタンジオール(4.17g、0.04モ
ル)を1リツトルの丸底フラスコ中のグライム
350mlに溶解し、この溶液を−20℃に冷却した。
メタンジスルホニルクロリド(実施例)と同じ
操作で合成した1,1−エタンジスルホニルクロ
リドをグライム25mlに溶解し、この溶液をフラス
コ中の溶液に滴下した。トリエチルアミン(8.08
g、0.08モル)をグライム125mlに溶解し、この
溶液を1時間でペンタンジオール/エタンジスル
ホニルクロリド溶液に加えた。添加完了後、この
混合物を水浴中、45分間かけて25℃にした。混合
物を35℃以下の温度で減圧回転蒸発させた。残留
物を5%の重炭酸ナトリウム20mlで3回洗滌し、
得られたエマルジヨンを遠心分離した。この洗浄
操作で最終的に得られた油状物質より水をデカン
トし、塩化メチレンを加えた。この溶媒は、明ら
かにすべての、あるいはほとんどの不純物を溶解
したが、本生成物は溶液中に懸濁したままであつ
た。この生成物は、溶液をワツトマン#5
(Whatman#5)定性ろ紙で減圧過することに
よつて得られた。 乾燥した生成物は0.22グラム、収率約2%であ
つた。生成物は、特有のIRおよびプロトンNMR
スペクトルで確認した。生成物の分解は、141℃
〜142℃で起こつた。化合物の溶解度が低いこと
は、乾燥した生成物0.03グラムをアセトニトリル
1mlおよび塩化メチレン1mlに溶解して確認し
た。どちらの場合も不溶性の固形物よりデカント
した上清を蒸発させた結果、生成物、ペンタメチ
レンエタンジスルホネートが各溶媒に0.01グラム
以下しか溶解しないことがわかつた。 実施例 XII テトラメチレン1,1−エタンジスルホネート
の製造 アルドリツチ・ケミカル社より入手した1,4
−ブタンジオール(3.6g、0.04モル)を1リツ
トルの丸底フラスコ中のグライム75mlに溶解し
た。グライム25mlに溶解した1,1−エタンジス
ルホニルクロリド(9.1g、0.04モル)溶液を滴
下ロートよりフラスコに加えた。反応混合物をダ
ウアノール−ドライアイス浴で−20℃以下に保つ
た。グライム100mlに溶解したトリエチルアミン
(8.08g、0.08モル)を、125mlの滴下ロートより
1時間で混合物に加えた。CaCl2を入れた乾燥管
を滴下ロートに付け、無水条件を維持するように
した。反応混合物を冷水浴で25℃にした。グライ
ムは、37℃以下の温度で回転蒸発させて除去し
た。グライムを除去した後に得られた油質の黄色
残留物質を5%の重炭酸ナトリウム100mlで1回、
および冷蒸留水50mlで1回洗滌し、生成したエマ
ルジヨンを直ちに遠心して生成物を分離し、水性
の物質をデカントした。残留した沈殿を真空下で
乾燥させた。得られた白色の粉末状固形物は0.90
g、収率9.2%であつた。生成物は、特有のIRお
よびプロトンNMRスペクトル特性によつて確認
した。生成物は115〜138℃で分解した。生成物は
塩化メチレンあるいはアセトニトリル1mlに約
0.01グラム以下しか溶解しなかつた。 実施例 トリメチレン1,1−エタンジスルホネート アルドリツチ・ケミカル社より入手した1,3
−プロパンジオール(6.1g、0.08モル)を、ス
ターラーおよび温度計を備えた1の三口丸底フ
ラスコ中の蒸留グライム350mlに溶解した。フラ
スコの下に置いたダウアノール−ドライアイス
で、溶液を−20℃に保つた。グライム25mlに溶解
した1,1−エタンジスルホニルクロリド(18.2
g、0.08モル)を60mlの滴下ロートより徐々に加
えた。次いで、この容器にグライム125mlに溶解
したトリエチルアミン(16.2g、0.16モル)混合
物を1時間で滴下した。滴下ロートにCaCl2を入
れた乾燥管を付け、水との接触を避けるようにし
た。すべての添加が終つた後、反応混合物を室温
にして3時間撹拌した。 混合物を減圧過し、固体のトリエチルアミン
塩酸塩を除去した。液を37℃以下の温度で回転
蒸発させてグライムを除去した。7.95gの粗生成
物を最小量の塩化メチレンに再溶解し、混合物に
濁りが生じるまでシクロヘキサンを加えた。生成
した最初の結晶を、減圧過して溶液より除去
し、更にシクロヘキサンを加えて2番目の結晶群
を生成させ、これも過して除去した。両者の結
晶を冷蒸留水で洗滌して表面の油膜を除いた。得
られた固形物の最終重量は収率36%に相当した。
この化合物を予め加熱された融点測定装置に入れ
ると、151℃〜155℃で分解した。CH3CHおよび
SO2のIRスペクトル特性により、およびCH、
CH2O、−CH2−および−CH3のプロトンNMR特
性によつて生成物を確認した。 実施例 エチレン1,1−エタンジスルホネートの製造 実施例に記載のトリメチレン1,1−エタ
ンジスルホネートを製造する反応燥作を採用し、
実施例で使用した1,3−プロパンジオール
の代わりにエチレングリコール(5.0グラム、
0.008モル)を用いて行なつた。反応混合物を室
温で3時間撹拌して固体の残留物、アミン塩酸塩
を除去した後、液を回転蒸発させてグライムを
除いた。得られた粗生成物を最小量の塩化メチレ
ンに溶解し、次いでミクロヘキサンを加えると直
ちに白色結晶が生成した。さらにシクロヘキサン
を加えて遠心分離すると、総量5.84グラムとなる
数群の結晶が得られた。この物質をさらに再結晶
させて合計4.37グラムの生成物を得た。これは収
率25.2%に相当した。生成物の融点は、92℃〜93
℃であつた。CH3CHおよびSO2についてのIRス
ペクトル特性およびCH、CH2、CH3についての
プロトンNMR特性によつて生成物を確認した。 実施例 ナトリウム1,2−ビス(オキシスルホニルメ
タンスルホネート)エタンの製造 メタンジスルホニルクロリド25.0g(0.117モ
ル)を、無水エーテル200mlを入れた500mlの丸底
フラスコに加えた。この溶液を予め撹拌してお
き、氷浴で冷却しながら徐々に水2.1g(0.117モ
ル)を加えた。水を加え終えた後、氷浴をはずし
て溶液を4時間撹拌した。回転蒸発してエーテル
を除去し、PCR・リサーチ・ケミカルズ社
(PCR Research Chemicals,Inc.)(ゲインズビ
ル、フロリダ(Gainesville,FL))より入手し、
新たに蒸留したトリメチルシリルクロリド37g
(0.35モル)を気体の発生を制御するためのバブ
ラーを使用しながら徐々に加えた。トリメチルシ
リルクロリドを加えた後、気体の発生が終わるま
で、溶液を数時間加熱還流した。過剰量のトリメ
チルシリルクロリドを留去し、次いで残留物を精
留すると、bp102℃−104℃、0.2mm圧で、あるい
は110℃−11℃、0.4mm圧でトリメチルシリルクロ
ロスルホニルメタンスルホネート24g(77%)が
得られた。生成物は、滴定およびNMRスペクト
ルにより確認した。 ナトリウムおよびベンゾフエノンより新たに蒸
留して−20℃に冷却したグライム25ml中のトリメ
チルシリルクロロスルホニルメタンスルホネート
5.52g(0.0207モル)溶液に、グライム25ml中の
エチレングリコール0.62g(0.01モル)およびト
リエチルアミン1.75g(0.02モル)溶液を滴下し
た。次いで、この溶液を室温に戻して過し、グ
ライムを蒸発除去した。水中の2当量の重炭酸ナ
トリウムを加え、気体の発生が終わつた後に水性
溶液を塩化メチレンで洗滌し、次いで蒸発させて
1,2−ビス(オキシスルホニルメタンスルホン
酸)エタンのナトリウム塩を含有する白色の泡状
残留物質を得た。 実施例 エチレンメタンジスルホネートの抗癌活性 この実験では、以下のタイプの癌のいずれか1
つを持つていると確認されたマウスの個々の個体
を使用した:リンパ球性白血病(PS)、リンパ球
様白血病(LE)、黒色癌(B1)、ヒトの乳癌移植
腫瘍(MB)および卵巣癌(M5)。表1の左欄に
は、実施した6種類の実験系が記載されており、
これには2つの異なつたリンパ球様白血病、
LE31およびLE37が含まれている。各実験系にお
いて6〜10匹の動物が使用され、表の投与量載囲
の欄に示した1日量のエチレンメタンジスルホネ
ートが投与された。表の左から第3番目の欄に
は、腹腔内(IP)、脳内(IC)または皮下(SC)
のいずれかの注入経路を示した。投与量範囲は、
表示した注入経路による場合、特定の癌に対して
最も治療効果が高いことがわかつた量である。同
じ数の動物に、薬物を投与するのに使用した媒質
のみを毎日投与した(対照)。 対照群および薬物処置群共に、全動物が死亡す
るまでこの投与を行なつた。ただし、生存期間が
対照群の3倍以上になつた少数の実験系では、試
験動物は治癒したものとみなした。表1の右欄に
示したT/C比は、処置動物の生存日数の中央値
(T)を対照動物の生存日数(C)の中央値で割つたもの
である。例えば、PS31実験系に於いてT/C270
という値は、処置動物の生存日数の中央値が、非
処置動物の生存日数の中央値の270%、即ち2.7倍
であることを示している。ヒトの乳癌移植腫瘍の
実験系(MBG5)では、処置動物の腫瘍サイズ
対非処置動物の腫瘍サイズの値を示している。7
という値は、処置動物の腫瘍の平均が非処置動物
の増殖の約7%であることを意味している。
【表】
表1のデータは、エチレンメタンジスルホネー
トが、実験した5つのタイプの癌の全てを治療す
るのに、種々の投与用範囲で有効であること、お
よび薬物投与は、種々の注入経路で行ない得るこ
とを示している。 実施例 トリメチレンメタンジスルホネートの抗白血病
活性 リンパ球性白血病に対するトリメチレン
メタンジスルホネートの有効性を調べるために、
表のPS31に相当する実験を行なつた。実験の
プロトコールは実施例のPS31実験系のもの
と同じであつた。ただし、最適投与量範囲、6.5
〜12.5mg薬物/体重Kgで行なつた。処置および非
処置動物の生存日数の中央値に基いて計算した
T/C比は160であり、これは、この薬物はリン
パ球性白血病の治療に有効であるが、エチレンメ
タンジスルホネートより実質的に劣ることを示し
ている。 実施例 テトラメチレンメタンジスルホネートの抗白血
病活性 実施例のPS31実験系と同様の実験系で、
リンパ球性白血病の治療に於けるテトラメチレン
メタンジスルホネート化合物の有効性を調べた。
実施例のPS31実験系に記載したものと同じ
数の動物数および注入経路を含む同じ一般的プロ
トコールを使用した。ただし、テトラメチレンメ
タンジスルホネート化合物の最適投与量範囲、
12.5〜25mg/体重Kgで行なつた。処置および非処
置動物の生存日数の中央値に基いて計算したT/
C比は188であり、トリメチレンメタンジスルホ
ネートの場合の結果と同様であつた。 以上、本発明の好ましい態様および特定の例に
ついて述べたが、本発明の思想を逸脱することな
く種々の変更および改良を行なうことが可能であ
ることは容易に理解されよう。
トが、実験した5つのタイプの癌の全てを治療す
るのに、種々の投与用範囲で有効であること、お
よび薬物投与は、種々の注入経路で行ない得るこ
とを示している。 実施例 トリメチレンメタンジスルホネートの抗白血病
活性 リンパ球性白血病に対するトリメチレン
メタンジスルホネートの有効性を調べるために、
表のPS31に相当する実験を行なつた。実験の
プロトコールは実施例のPS31実験系のもの
と同じであつた。ただし、最適投与量範囲、6.5
〜12.5mg薬物/体重Kgで行なつた。処置および非
処置動物の生存日数の中央値に基いて計算した
T/C比は160であり、これは、この薬物はリン
パ球性白血病の治療に有効であるが、エチレンメ
タンジスルホネートより実質的に劣ることを示し
ている。 実施例 テトラメチレンメタンジスルホネートの抗白血
病活性 実施例のPS31実験系と同様の実験系で、
リンパ球性白血病の治療に於けるテトラメチレン
メタンジスルホネート化合物の有効性を調べた。
実施例のPS31実験系に記載したものと同じ
数の動物数および注入経路を含む同じ一般的プロ
トコールを使用した。ただし、テトラメチレンメ
タンジスルホネート化合物の最適投与量範囲、
12.5〜25mg/体重Kgで行なつた。処置および非処
置動物の生存日数の中央値に基いて計算したT/
C比は188であり、トリメチレンメタンジスルホ
ネートの場合の結果と同様であつた。 以上、本発明の好ましい態様および特定の例に
ついて述べたが、本発明の思想を逸脱することな
く種々の変更および改良を行なうことが可能であ
ることは容易に理解されよう。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US06/570,786 US4950768A (en) | 1984-01-16 | 1984-01-16 | Cyclic disulfonic ester cross-linking compounds |
| US570,786 | 1984-01-16 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61501089A JPS61501089A (ja) | 1986-05-29 |
| JPH0544946B2 true JPH0544946B2 (ja) | 1993-07-07 |
Family
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60500579A Granted JPS61501089A (ja) | 1984-01-16 | 1985-01-14 | 環式ジスルホン酸エステル化合物 |
Country Status (6)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US4950768A (ja) |
| EP (1) | EP0168478B1 (ja) |
| JP (1) | JPS61501089A (ja) |
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| DE (1) | DE3569237D1 (ja) |
| WO (1) | WO1985003075A1 (ja) |
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