JPH0549878A - 大孔径多孔質ポリエチレン中空糸膜、その製造方法及び親水化多孔質ポリエチレン中空糸膜 - Google Patents

大孔径多孔質ポリエチレン中空糸膜、その製造方法及び親水化多孔質ポリエチレン中空糸膜

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JPH0549878A
JPH0549878A JP3297729A JP29772991A JPH0549878A JP H0549878 A JPH0549878 A JP H0549878A JP 3297729 A JP3297729 A JP 3297729A JP 29772991 A JP29772991 A JP 29772991A JP H0549878 A JPH0549878 A JP H0549878A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 短冊状微小空孔が積層した構造で高空孔率、
大孔径でかつ大きな空気透過量が達成できる多孔質ポリ
エチレン中空糸膜および恒久親水性を有する高空孔率、
大孔径の多孔質ポリエチレン中空糸膜を提供する。 【構成】 繊維長方向に配列したミクロフィブリルと、
スタックドラメラからなる結節部とに囲まれて形成され
る短冊状微小空孔が、中空糸内壁面より外壁面へ相互に
連通した積層構造を有し、水銀ポロシメーターで測定し
た微小空孔の平均孔径が2μmを超え10μm以下、空
孔率が75%〜95%、空気透過量が8×105リット
ル/m2・hr・0.5atm以上である大孔径多孔質ポ
リエチレン中空糸膜。この中空糸膜は、ポリエチレンを
溶融紡糸し、得られた未延伸糸を特定条件下でアニール
処理、冷延伸および熱延伸することで得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は精密濾過および空気の浄
化等極めて高い濾過流束が要求される分野に適する、微
小空孔の孔径が大きくかつ高空孔率の多孔質ポリエチレ
ン中空糸膜、その製造方法及び親水化多孔質ポリエチレ
ン中空糸膜に関する。
【0002】
【従来の技術】短冊状微小空孔が積層したポリエチレン
よりなる多孔質中空糸膜は従来より知られており、その
詳細は例えば特公昭63−35726号公報や特公昭6
3−42006号公報に開示されている。前者にはメル
トインデックス値が1〜15で密度が0.960g/cm
3以上の高密度ポリエチレンを用いて、紡糸ドラフトが
1000〜10000の範囲で溶融紡糸した後に、1秒
につき50%以上の延伸速度で冷延伸し、次いで80〜
125℃の温度領域において熱延伸して総延伸量を40
0%〜700%として得られる多孔質中空糸膜は、特徴
的な短冊状微小空孔を有し、水銀ポロシメーターで測定
される微小空孔の平均孔径が0.5μm〜2μm、空孔
率が30〜90vol%、ブルーデキストランに対する
阻止率が90%未満であることが開示されている。しか
し、その実施例で開示された多孔質中空糸膜の微小空孔
の平均孔径は高々0.82μmでしかない。また、特公
昭63−42006号公報には、紡糸直下に5cm〜30
cmの紡糸筒を設置した状態で2000を越える紡糸ドラ
フトで溶融紡糸し、総延伸量を100%〜400%とし
て得られる多孔質中空糸が、100〜2000リットル
/m2・hr・760mmHgの透水量と、30%以上の人血
清アルブミンに対する透過率、90%以上のブルーデキ
ストランに対する阻止率を有することが開示されてい
る。すなわち、後者は前者よりも小さな孔径の微小空孔
を有する中空糸膜を提供するものである。
【0003】また、特開昭61−86902号公報に
は、延伸開孔法により得られる孔径が0.1〜1.0μ
mの多孔性中空糸膜が開示されている。この多孔性中空
糸膜の特徴は、繊維長方向に配列したミクロフィブリル
が実質的に切断されていることである。すなわちミクロ
フィブリルが切断され、短冊状の微小空孔が横幅が拡大
され大孔径化されているにもかかわらず、実質的には
1.0μmまでの孔径のものしか得られていないのが実
状である。
【0004】更に特開昭61−271003号公報に
は、ポリオレフィンからなる多孔質構造マトリックス
と、エチレン−ビニルアルコール系共重合体被覆層とか
らなる親水性複合多孔質膜が開示されており、特許請求
の範囲にはその微小空孔の平均孔径が0.02〜4.0
μmであるとの記載がある。しかしながらこの親水性複
合多孔質膜で開示されている技術は、孔径に関しては前
述の特公昭63−35726号公報および特開昭61−
86902号公報の技術水準を何ら越えるものではな
く、その実施例で得られた中空糸における平均孔径は
0.25〜0.70μmである。
【0005】このように、従来技術では平均孔径が1.
0μmを超える短冊状の微小空孔を有するポリエチレン
製多孔質中空糸膜は得られていなかった。
【0006】一般に、多孔質膜はその素材の特性により
親水性膜と疎水性膜に大別される。親水性多孔質膜の例
としては、セルロース、セルロース誘導体、ポリビニル
アルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体など
が知られている。親水性多孔質膜の特徴は膜の細孔表面
が親水性であるため水に濡れやすく、水系溶液の濾過が
特別の前処理なしに可能な点にある。
【0007】しかしながら、親水性膜は湿潤時の機械的
強度の低下、水による膨潤などが大きいという欠点を有
し、さらに湿潤状態から乾燥させると膜性能が低下し、
劣化しやすいという欠点を有する。
【0008】一方、疎水性多孔質膜は疎水性であるの
で、そのままでは水を透過させることが難しく、水を始
めとする親水性液体を透過させるためには親水化処理が
必要である。特にポリオレフィンの表面改質による親水
化法について種々の方法が検討されているが、表面形状
が複雑な多孔質膜の親水化に対して、表面が滑らかなフ
ィルム状物等の親水化法を単純に適用することはできな
い。
【0009】ポリオレフィン多孔質膜の親水化法として
は、水との相溶性が良好なアルコールやケトン等の有機
溶剤によってポリオレフィン多孔質膜の微細孔部分を含
めた表面全体を湿潤処理した後、この有機溶剤を水で置
換する有機溶剤湿潤・水置換法、ポリエチレングリコー
ルや界面活性剤等の親水性物質の多孔質膜の表面に吸着
させて多孔質膜に親水性を付与する物理的吸着法(特開
昭54−153872号公報、特開昭59−24732
号公報)、あるいは親水性単量体を多孔質フィルムの表
面に保持させた状態で放射線を照射する方法(特開昭5
6−38333号公報)や疎水性樹脂の多孔質構造物を
プラズマ処理する方法(特開昭56−157437号公
報)等の化学的表面変性法が知られている。
【0010】しかし、有機溶剤湿潤・水置換法では、保
存中や使用中に一旦細孔内の水が抜けるとその部分は疎
水性に戻り水を透過できなくなるので、多孔質膜の周囲
に常時水を満たしておくことが必要であり、取り扱いが
煩雑である。物理的吸着法は操作は簡単であるが、長時
間にわたって使用しているうちに親水性物質が脱離する
ので必ずしも充分な親水化法であるとは言えない。ま
た、従来の化学的表面変性法では、放射線を照射する方
法およびプラズマ処理する方法のいずれの場合も、膜厚
方向の均一な親水化が難しく、膜が厚い場合や膜が中空
糸状である場合に膜厚方向の全体にほぼ均一に親水化処
理しようとすると、多孔質膜基質の損傷、機械的強度の
低下が避けられない点等が問題であった。
【0011】また、疎水性多孔質膜をエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体のケン化物、すなわちエチレン−ビニルア
ルコール系共重合体で予め親水化処理することが提案さ
れている(特開昭61−125408号公報、特開昭6
1−271003号公報)。また、2種の異なるポリマ
ーをブレンドして溶融紡糸した後、延伸処理して異種ポ
リマーの界面を開裂させて微孔性多孔質中空繊維を形成
し、構成ポリマー中に存在する側鎖基の加水分解、スル
ホン化等の後処理によって、細孔の表面が親水化された
親水性多孔質中空繊維を製造することが提案されている
(特開昭55−137208号公報)。
【0012】更に、ポリオレフィン多孔質膜の細孔表面
上に親水性の重合体が強固に保持されてなる多孔質膜お
よびその製造方法が提案されている(特開昭63−19
0602号公報)。その技術の詳細は、ジアセトンアク
リルアミドと架橋性モノマーとを含むモノマー類からな
る親水性架橋重合体を、ポリオレフィン多孔質膜の少な
くとも一部の細孔表面上に保持させてなる親水性多孔質
膜であり、また、ジアセトンアクリルアミドと架橋性モ
ノマーとを含むモノマー類をポリオレフィン多孔質膜の
少なくとも一部の細孔表面上に保持させた状態で加熱重
合させる製造方法である。
【0013】しかし、いずれの方法も従来公知のポリオ
レフィン多孔質膜を出発原料として用いているため、高
透過流量が要求される用途には性能不足であった。すな
わち高透過流量の親水化多孔質膜を得るためには、疎水
性多孔質膜の微小空孔の大孔径化、高空孔率化を含めた
親水化を考える必要があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】精密濾過や空気の浄化
分野では、極めて高い濾過流束が要求されており、ミク
ロンオーダーの細孔が高い空孔率で開いている膜や不織
布が使用されている。短冊状微小空孔を有する多孔質中
空糸は、特公昭63−35726号公報にも記載されて
いるように、ガス透過量や液体透過量が大きく、短冊状
微小空孔が積層した構造のために、目詰りが生じにくい
といった特徴を有している。しかし、このような短冊状
微小空孔を有する中空糸は、極めて高い濾過流束と低い
圧力損失が要求される無菌無塵エアーフィルター、各種
ガスの除塵フィルター、無菌水用フィルター等には未だ
性能が不充分である。その理由は、このような分野に応
用するには未だ孔径が小さくかつ空孔率が低いからであ
る。
【0015】一方、アルコールや界面活性剤による親水
化処理は一時的な親水化であって、しかも、親水化処理
剤を多孔質膜に付着させたままで濾過等に使用するとア
ルコールや界面活性剤が精製水に移行してこれを汚染す
るので、濾過前にこれらの親水化剤を充分洗浄除去する
必要がある。また、このような状態で乾燥すると膜表面
は疎水性に戻るので一旦親水化処理した後は親水化剤を
水で置換しておき、多孔質膜の細孔表面は常に水に接触
させておかねばならないという問題を有している。
【0016】また、特開昭56−38333号公報に記
載された方法では親水性を発現する基が多孔質膜に化学
的に固定されているため恒久的な親水化が達成される
が、電離放射線で照射する必要があることから大掛かり
な設備を必要とし、工程の安定性も充分とは言い難く、
膜素材を傷めたりする虞もあり、処理工程の操作・管理
が難しいという問題がある。
【0017】また、特開昭55−137208号公報に
記載された異種ポリマーのブレンド物を溶融紡糸、延伸
して多孔質化した繊維は概して空孔率が小さいものであ
る。さらに、親水化のための加水分解やスルホン化等の
後処理が必要であり、工程が煩雑になるという問題をも
有している。
【0018】更に特開昭56−38333号公報の技術
を特公昭63−35726号公報の中空糸膜に応用して
も、サブミクロンの孔径の親水化中空糸膜しか得られな
い。
【0019】また、特開昭61−125408号公報や
特開昭61−271003号公報の親水性複合多孔質膜
で開示されている技術は、孔径に関しては前述の特公昭
63−35726号公報等の技術水準を何ら越えるもの
ではなく、その実施例で得られた中空糸における平均孔
径は0.25〜0.70μmである。
【0020】更に、ポリオレフィン多孔質膜の細孔表面
上に、ジアセトンアクリルアミドと架橋性モノマーとを
含むモノマー類からなる親水性架橋重合体を保持させた
のが特開昭63−190602号公報に開示された親水
性多孔質中空糸膜である。
【0021】しかしながら、このような短冊状微小空孔
の細孔表面上に架橋性重合体を保持させた多孔質膜は、
極めて高い濾過流束と低い圧力損失が要求される水系溶
液や水系懸濁液の濾過、電子工業用等の疎水の製造、医
薬品製造用原水の除菌等には未だ性能が不充分である。
その理由はこのような分野に応用するには未だ孔径が小
さくかつ空孔率が低いからである。膜の構造が濾過の効
率に優れる短冊状微小空孔の積層構造からなり、しかも
大孔径でかつ高空孔率である多孔質中空糸に、恒久親水
性を付与することができれば、省エネルギーや超クリー
ンな環境の創造等最先端の産業分野に資するところは極
めて大である。
【0022】このような状況から、本発明者らは短冊状
微小空孔が積層した構造で高空孔率、大孔径でかつ大き
な空気透過量が達成できる多孔質ポリエチレン中空糸膜
及び恒久親水性を有する高空孔率、大孔径の多孔質ポリ
エチレン中空糸膜を得るべく鋭意検討した結果本発明に
達成した。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、ポリエ
チレンよりなる多孔質中空糸膜であって、繊維長方向に
配列したミクロフィブリルと、スタックドラメラからな
る結節部とに囲まれて形成される短冊状微小空孔が、中
空糸膜内壁面より外壁面へ相互に連通した積層構造を有
し、水銀ポロシメーターで測定した微小空孔の平均孔径
が2μmを超え10μm以下、空孔率が75%〜95
%、空気透過量が8×105 リットル/m2・hr・0.
5atm以上であることを特徴とする大孔径多孔質ポリ
エチレン中空糸膜にある。
【0024】また本発明は、中空糸製造用ノズルを用い
てポリエチレンを溶融紡糸し、得られた未延伸糸をアニ
ール処理した後に冷延伸し、次いで熱延伸することによ
り多孔質化する多孔質中空糸膜の製造方法において、未
延伸糸のアニール処理を100〜130℃の温度で30
分以上実施し、熱延伸時の変形速度を1秒につき10%
以下とし、総延伸量を750%〜2500%とすること
を特徴とする上記特性を有する大孔径多孔質ポリエチレ
ン中空糸膜を製造することにある。
【0025】更に、本発明は前記記載の大孔径多孔質ポ
リエチレン中空糸膜の微小空孔表面の少なくとも一部
に、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物を保持さ
せてなる親水化多孔質ポリエチレン中空糸膜にある。
【0026】また更には、本発明は前記記載の大孔径多
孔質ポリエチレン中空糸膜の微小空孔表面の少なくとも
一部に、ジアセトンアクリルアミドと架橋性モノマーと
を含むモノマー類を重合させてなる親水性架橋重合体を
保持させてなる親水化多孔質ポリエチレン中空糸膜にあ
る。
【0027】以下本発明を更に詳しく説明する。
【0028】本発明において用いるポリエチレンは、分
岐の少ない高密度ポリエチレンであることが好ましく、
ASTMD−1505によって示された測定法による密
度が少なくとも0.960g/cm3 以上であることが好
ましく、0.965g/cm3以上であることがより好ま
しい。このポリエチレンを特定の条件下で溶融賦型し、
さらに特定の条件下で延伸することにより、微小空孔が
中空糸内壁面より外壁面にかけて相互につながった大孔
径の多孔質中空糸膜が得られる。
【0029】本発明に用いるポリエチレンのMI値は
0.05〜6.0の範囲にあることが好ましい。MI値
はASTMD−1238によって測定される値であり、
より好ましくは0.1〜5.5の範囲である。MI値が
6.0を越えるポリエチレンを用いた場合には、750
%以上の総延伸倍率まで延伸することが困難であり、本
発明の細孔孔径が大でかつ高空孔率の多孔質中空糸膜を
得にくい。またMI値が0.05未満のポリエチレンで
は溶融粘度が高過ぎ、安定した紡糸が困難である。安定
した紡糸が可能な範囲で高分子量のポリエチレンを採用
するのが本発明の重要な点の一つである。
【0030】本発明においては、かかる特定の高密度ポ
リエチレンを中空糸製造用ノズルを用いて溶融紡糸し、
高配向結晶性の未延伸中空糸を製造する。ノズルは二重
管構造を有するものが偏肉が少なく望ましいが、馬蹄
型、その他の構造を有するものでも差し支えない。二重
管構造のノズルにおいては中空糸内部へ中空形態を保持
すべく供給する気体の供給は自然吸入であってもまた強
制吸入であっても差し支えない。
【0031】本発明の多孔質中空糸膜を安定して得るた
めには、紡糸温度はポリマーの融点より20〜150℃
高い範囲の温度に設定するのが望ましい。この温度範囲
より低温領域で紡糸した場合は、ポリマーの溶融が不完
全となりメルトフラクチャーが起こりやすく、延伸工程
での安定性が低下する。また逆にこの温度範囲より高い
温度領域で紡糸を行なう場合は、多孔質中空糸膜の細孔
孔径を大きくしかつ空孔率を高くすることが困難とな
る。
【0032】適当な紡糸温度で吐出されたポリマーは、
紡糸ドラフ5〜5000の範囲で引き取るのが望まし
い。紡糸ドラフが5000を越えると750%以上の総
延伸が可能な未延伸中空糸が得られない。紡糸ドラフが
5未満では高配向の未延伸中空糸が得られず延伸多孔化
が不可能である。
【0033】かくして得られた未延伸中空糸は、繊維軸
方向に高度に配向した未延伸中空糸であり、内径は10
0〜2000μm、膜厚は15〜800μm程度であ
る。この未延伸中空糸は100〜130℃、より好まし
くは115〜130℃の温度条件下で熱処理し延伸に供
される。必要な熱処理(アニール処理)時間は30分以
上である。このアニール処理により結晶構造はより完全
なものとなり、50%伸長時の弾性回復率は50%以上
が達成される。
【0034】本発明の製造方法においては、延伸は冷延
伸に引き続いて熱延伸を行なう二段延伸を実施する。冷
延伸では結晶構造を破壊させ均一にミクロクレーズを発
生させるために延伸点を固定させることが好ましく、ま
た変形速度が1秒につき40%以上の高延伸速度で冷延
伸を行なうことが望ましい。さらに結晶構造を緩和させ
ることなく破壊させ、ミクロクレーズを発生させるため
には冷延伸温度は40℃以下とするのが望ましい。
【0035】このようにして5〜150%程度の冷延伸
を行なった後、100〜130℃の温度領域において熱
延伸を行なう。熱延伸温度がこの範囲を超えると中空糸
膜が透明化し、望ましい多孔質構造は得られ難く、また
100℃を下回ると多孔質構造が細かくなって空孔率が
低下し、目的とする大きな細孔孔径を有するものが得ら
れない。更に、熱延伸時の変形速度を1秒につき10%
以下とすることが本発明の極めて重要なポイントであ
る。10%を超える変形速度では、750%以上の総延
伸量をとることが実質的に不可能である。総延伸量は7
50%〜2500%とする必要がある。2500%を超
える延伸においては延伸時の糸切れが多発し、工程安定
性が低下し望ましくない。750%未満の総延伸量では
多孔質構造は形成されているが、本発明の大きな細孔孔
径でかつ高空孔率の中空糸膜は得られない。空孔率を7
5%以上とするためにも750%以上、好ましくは10
00%を超え、より好ましくは1200%以上の総延伸
量が必要である。
【0036】なお本発明にいう変形速度とは、延伸区間
における延伸量(%)を、糸が該延伸区間を通過する時
間(秒)で除して求めた値をいう。
【0037】得られた多孔質中空糸膜は熱延伸によって
ほぼ形態の安定性が確保されており、必ずしも多孔質構
造の固定を目的とした熱セット工程を必要としない。し
かし前述の熱延伸温度と同じ温度領域で必要に応じて緊
張下に定長でまたは収縮させつつ熱セットを行なっても
よい。
【0038】かくして得られる大孔径多孔質ポリエチレ
ン中空糸膜は、水銀ポロシメーターで測定した微小空孔
の平均孔径が2μmを超え10μm以下で、空孔率が7
5%〜95%、空気透過量が8×105 リットル/m2
hr・0.5atm以上であるという特性を有する。ま
た、繊維長方向に配列したミクロフィブリルと、スタッ
クドラメラからなる結節部とに囲まれて形成され特徴的
な短冊状微小空孔を有し、この微小空孔は中空糸内壁面
より該壁面へ相互に連通し、これら微小空孔が積層され
た構造を有している。ミクロフィブリルの平均的長さは
3μmを超え15μm以下である。
【0039】図1は後述する実施例1で得られた本発明
の大孔径多孔質ポリエチレン中空糸膜の走査型電子顕微
鏡写真である。水銀ポロシメーターで測定した平均孔径
が2.7μmであった。図2は比較例2で得られた従来
技術のポリエチレン中空糸膜の走査型電子顕微鏡写真で
あり、平均孔径が0.5μmで、図1の大孔径多孔質ポ
リエチレン中空糸膜よりも孔径が極めて小さいものであ
る。図3は図1の写真を判りやすくするために描いた細
孔構造の模式図である。この図において1はミクロフィ
ブリル、2はスタックドラメラからなる結節部、3は短
冊状微小空孔である。
【0040】本発明の親水化多孔質中空糸膜に用いられ
るエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物(エチレン
−ビニルアルコール系共重合体)は、ランダム、ブロッ
ク、グラフト等いずれのタイプの共重合体であってもよ
いが、該共重合体エチレン含量は20〜70モル%の範
囲にあることが好ましい。エチレン含量が20モル%未
満では、該重合体のポリエチレンに対する接着性が低
く、多孔質膜の微小空孔表面と薄膜層の剥離が起こり好
ましくない。また70モル%を超えると薄膜層の親水性
が失われ好ましくない。特に25〜50モル%のものが
接着性と親水性のバランスが良く好ましい。エチレン−
ビニルアルコール系共重合体は構成成分としてマトリッ
クスとなるポリエチレンと共通の構造を有するエチレン
を含有しているために良好な接着性が得られると考えら
れる。
【0041】本発明の親水化多孔質膜において親水性共
重合体が保持される多孔質膜の少なくとも一部の表面と
は、細孔表面及び外表面の一部あるいは全部をいう。す
なわち実質的に親水性が向上されるように重合体が保持
されていればよく、必ずしも全ての表面に重合体が保持
されている必要はない。
【0042】保持させてなるとは、保存中や使用中に容
易に脱離しない程度に該重合体が該細孔表面に強固に結
合ないし物理的に密着されていることをいう。したがっ
て、該重合体が該細孔表面に化学的に結合していてもよ
いし、該重合体がアンカー効果によって密着されていて
もよいし、短冊状の微小空孔を形成するミクロフィブリ
ルや結節部等を包むようにして重合体が密着架橋されて
いてもよいし、またこれらの保持状態が混存していても
よい。
【0043】このように、原料中空糸の微小空孔を形成
している壁面への親水性架橋重合体の保持状態として
は、上記の任意の状態をとり得る。しかし重合体を化学
結合させることなくアンカー効果や密着架橋等のように
物理的に壁面上に保持させた親水性多孔質膜は、基材で
ある原料中空糸と比較して機械的強度の劣化や微小空孔
構造の変化が殆どないので特に好ましいものである。
【0044】本発明の親水化多孔質中空糸膜において
は、短冊状微小空孔を形成するミクロフィブリルを包み
こむように親水性共重合体が強固に保持される。
【0045】本発明の大孔径でかつ高空孔率の親水化ポ
リエチレン多孔質中空糸膜は、ポリエチレン多孔質中空
糸膜の微小空孔を、水混和性有機溶剤単独または該溶剤
と水との混合溶剤に溶解したエチレン−ビニルアルコー
ル系共重合体溶液で処理することにより得られる。
【0046】エチレン−ビニルアルコール系共重合体溶
液による処理には、前記ポリエチレン多孔質中空糸膜の
微小空孔に該共重合体溶液を浸漬または塗布せしめる工
程と前記工程に引き続き該共重合体溶液の溶剤を蒸発除
去させる乾燥工程が含まれる。
【0047】エチレン−ビニルアルコール系共重合体を
溶解させる有機溶剤は水混和性の有機溶剤であり。好ま
しい有機溶剤の例としては、メタノール、エタノール、
n−プロパノール、イソプロパノール、sec −ブタノー
ル、t−ブタノール、シクロヘキサノール等のアルコー
ル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グ
リセリン等の多価アルコール類、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、ジメチルアセトアミド、ホルムアミド、エチレン
クロルヒドリンなどが挙げられる。これらの中でもエタ
ノール及びジメチルスルホキシドはエチレン−ビニルア
ルコール系共重合体の溶解性もよく、低毒性であること
から特に好ましい。
【0048】これらの有機溶剤は単独でも混合溶剤系で
も用いることができ、特に水との混合溶剤系は好まし
い。エチレン−ビニルアルコール系共重合体は非極性で
疎水性を示すエチレン部分と極性で親水性のビニルアル
コール部分とにより構成されているが、極性の強い溶剤
系に溶解させ非極性のポリエチレンにコーティングした
場合、非極性のエチレン部分がポリエチレン側に局在
し、極性のビニルアルコール部分が表面に局在しやすい
と考えられる。この現象は薄膜層と微小空孔表面の接着
性が向上し、かつ薄膜層表面の親水性が向上することか
ら好ましい現象である。上記の有機溶剤に水を加え混合
溶剤系とすることは溶剤の極性をより強くすることにな
り、上記現象が促進されるので好ましい。混合する水の
割合はエチレン−ビニルアルコール系共重合体の溶解性
を阻害しない範囲内で大きい方が好ましく、該共重合体
のエチレン含量、溶剤の温度等によりその割合は異なる
が、例えば5〜60重量%が好ましい範囲として挙げら
れる。用いる該共重合体濃度は微小空孔表面に薄膜を形
成するのに適した任意の濃度とすることができ、例えば
0.1〜5重量%程度の濃度が適している。親水化処理
は一回の処理で完結してもよいが、比較的低濃度で数回
の処理を繰り返すこともできる。
【0049】該共重合体溶液の温度は特に限定されるも
のではないが、一般に高温の方が該共重合体の溶解性が
良く、溶液の粘度も低下するので好ましく、室温から1
00℃までの範囲が好ましい。親水化処理時間は数秒か
ら数十分の範囲が好ましい。多孔質膜の細孔内部に保持
された溶剤の除去は真空乾燥、熱風乾燥等によって行う
ことができる。乾燥の程度は親水化多孔質膜が熱により
変形を受けない温度であればよく、130℃以下が好ま
しい。
【0050】本発明の親水化ポリエチレン多孔質中空糸
膜は、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する
溶剤をポリエチレン多孔質中空糸膜の微小空孔を形成し
ている壁面の少なくとも一部に付着させた後、乾燥して
溶剤を除去するか、あるいは該エチレン−酢酸ビニル共
重合体の凝固溶剤溶液に浸漬し、急速凝固処理を行うこ
とによって水不溶性有機高分子の薄膜を形成し、その後
該エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化し、これを乾
燥することによっても得ることができる。
【0051】該エチレン−酢酸ビニル共重合体のエチレ
ン鎖はポリエチレン多孔質中空糸膜に対し優れた親和性
を示すため、エチレン−酢酸ビニル共重合体薄膜はポリ
エチレン多孔質中空糸膜の微小空孔表面に強固に付着す
る。但し、エチレン−酢酸ビニル共重合体のエチレン含
有率が多くなると接着性は向上するが親水性が低下する
のでエチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニルの含有
率は20モル%以上であることが好ましい。エチレン−
酢酸ビニル共重合体を含有する溶液のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体濃度は1〜5重量%であることが好まし
い。1重量%未満ではエチレン−酢酸ビニル共重合体を
ケン化処理後の親水性が十分得られないので好ましくな
い。一方、5重量%を超えるとポリエチレン多孔質中空
糸膜の微小空孔が小さくなり、濾過性能が低下するので
好ましくない。
【0052】これらの水不溶性有機高分子薄膜は多孔質
中空糸膜の微小空孔を形成している壁面にできるだけ均
一に、しかもその付着量を最小限度に留め、付着処理に
よる多孔質中空糸膜の微小空孔の閉塞をできるだけ少な
くすることが好ましい。
【0053】ケン化処理は例えば水酸化ナトリウム等の
アルカリ水溶液中で一定時間加熱処理し、ビニルアセテ
ート部分のアセチル基を水酸基に転化することによって
行うことができる。
【0054】更に本発明のジアセトンアクリルアミドと
架橋性モノマーとを含むモノマー類を重合してなる親水
性架橋重合体を保持してなる親水性多孔質中空糸膜にお
いて、親水性架橋重合体が保持される原料中空糸の微小
空孔を形成している壁面の少なくとも一部とは、微小空
孔を形成している壁面の一部あるいは全部をいう。即
ち、通常使用される膜間差圧によって多孔質膜の微小空
孔を水を通過させて使用するのに支障がない程度の透過
流量が得られる程度に、重合体が微小空孔の壁面に保持
されていればよく、必ずしも微小空孔を形成している壁
面の全部が重合体で被覆されている必要はない。また多
孔質膜の外表面には重合体は保持されていてもいなくて
もよい。
【0055】本発明においては、大孔径でかつ高空孔率
のポリエチレン多孔質中空糸膜の微小空孔を形成してい
る壁面上に、ジアセトンアクリルアミドと架橋性モノマ
ーを含むモノマー類からなる親水性架橋重合体を保持さ
せるが、これらは他の重合体と比較してこの重合体が、
(1)ポリエチレンに対して強固に保持できること、
(2)ポリエチレン多孔質中空糸膜の微小空孔を形成す
る壁面のほぼ全体にわたってほぼ均一に保持できるこ
と、(3)適度な親水性を有していることおよび(4)
実質的に水不溶性であることによる。
【0056】ジアセトンアクリルアミドと架橋性モノマ
ーとを含むモノマー類を重合させてなる親水性架橋重合
体とは、モノマー成分としてのジアセトンアクリルアミ
ドを50重量%以上含有し、かつ架橋性モノマーを含有
する系からなる架橋重合体であって、モノマー成分とし
てはこれらの他に非架橋性モノマーが含まれていてもよ
い。
【0057】架橋性モノマーとしては、ジアセトンアク
リルアミドと共重合可能なビニル結合やアリル結合等の
重合性不飽和結合を2個以上有するモノマー、あるいは
前記重合性不飽和結合を1個有し、かつ縮合反応等によ
って化学結合を生成可能な官能基を少なくとも1個有す
るモノマーであってジアセトンアクリルアミドと共通の
良溶媒を有するモノマーが挙げられる。その例としては
N,N−メチレンビスアクリルアミド、N−ヒドロキシ
メチル(メタ)アクリルアミド、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼン、
2,2−ビス(4−メタクリロイロキシポリエトキシフ
ェニル)プロパン、エチレンジ(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチ
ルロールエタントリ(メタ)アクリレート、ブタンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ジアリルフタレート、1,3,5−
トリアクリロイルヘキサンヒドロキシ−s−トリアジン
等が挙げられる。
【0058】また、非架橋性モノマーとしては、ジアセ
トンアクリルアミドと共重合可能なビニル結合やアリル
結合等の重合性不飽和結合を1個有するモノマーであっ
て、ジアセトンアクリルアミドと共通の良溶媒を有する
モノマーが挙げられる。その例としては、ジメチルアク
リルアミド、ビニルピロリドン、アクリル酸、メタクリ
ル酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、スチレンスル
ホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウム、スルホエチル
メタクリル酸ナトリウム、ビニルピリジン、ビニルメチ
ルエーテル等が挙げられる。
【0059】以下、ジアセトンアクリルアミドと併用さ
れるこのような架橋性モノマーと非架橋性モノマーを合
わせて共重合性モノマーと総称する。
【0060】親水性架橋重合体を生成するジアセトンア
クリルアミドと架橋性モノマーとの組成比としては、ジ
アセトンアクリルアミド100重量部に対し架橋性モノ
マーが0.3〜100重量部であることが好ましく、
0.5〜80重量部であることがより好ましい。また、
共重合性モノマーとの組成比は、ジアセトンアクリルア
ミド100重量部に対し共重合性モノマー0.3〜11
0重量部であることが好ましく、0.5〜100重量部
であることがより好ましい。
【0061】本発明においては、大孔径でかつ高空孔率
のポリエチレン多孔質中空糸膜の微小空孔を形成してい
る壁面の少なくとも一部に保持される重合体が架橋重合
体であるために、この重合体は水中での膨潤の程度が小
さくて微小空孔を閉塞する虞がなく、また重合体の安定
性が良好であって水中での溶出成分の量が著しく少ない
という利点がある。したがって本発明の親水化多孔質膜
は、微量の溶出成分が問題となる水処理分野や血液処理
分野等において有効である。これに対し架橋構造を有し
ていないジアセトンアクリルアミド系重合体は、水中に
おいて膨潤して微小空孔を閉塞し、また微量ではあるが
水に溶解して溶出成分となるので、このような重合体を
保持させた多孔質膜は使用時において種々の問題を生じ
させる虞がある。
【0062】また、重合体の親水性の程度が大きい程、
親水化多孔質膜の透水性能が良好であり、使用開始時に
おいて短時間で膜面全体から水が均一に透過するので、
親水性架橋重合体を生成する架橋性モノマーとしては、
親水性の程度が充分な水溶性の架橋性モノマーであるこ
とが好ましい。
【0063】このような水溶性の架橋性モノマーとは、
30℃の水に対する溶解度が1.0g/dl以上である
架橋性モノマーであり、その例としてはN−ヒドロキシ
メチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリ
ルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド等を
挙げることができる。
【0064】本発明のポリエチレン多孔質中空糸膜の微
小空孔を形成している壁面の少なくとも一部に保持され
る親水性架橋重合体の量は、ポリエチレン多孔質中空糸
膜の空孔率や細孔径にも依存するが、ポリエチレン多孔
質中空糸膜の重量に対しておよそ0.5〜100重量%
程度であることが好ましい。重合体の保持量がこの範囲
より少ないと多孔質中空糸膜に充分な親水性を付与する
ことができず、また、この範囲を超えても多孔質中空糸
膜の親水性はさらに大きく向上せず、むしろ細孔容積が
減少して透水性能が低下する場合がある。重合体の保持
量は0.5〜50重量%程度であることがより好まし
く、1〜30重量%程度であることが特に好ましい。
【0065】親水性架橋重合体をポリエチレン多孔質中
空糸膜の微小空孔を形成している壁面の少なくとも一部
に保持させる方法としては、有機溶剤または水等の適当
な溶媒にジアセトンアクリルアミドおよび前述の共重合
性モノマー(以下これらを「モノマー類」という)や重
合開始剤を溶解させた溶液を調製し、原料中空糸をその
溶液中に浸漬する方法、あるいは原料中空糸で膜モジュ
ールを製作した後この溶液を原料中空糸内に圧入する方
法等によりモノマー類の溶液を原料中空糸に含浸させた
後、溶媒を揮発除去させる方法が採用できる。溶媒で希
釈したモノマー類の溶液を用いることによって多孔質中
空糸膜の微小空孔を塞ぐことなく多孔質中空糸膜の全体
にわたってモノマー類をほぼ均一に付着させることがで
きる。また、溶液のモノマー類の濃度や溶液の含浸時間
を変化させることによりモノマー類の付着量が調製でき
る。
【0066】このようにして原料中空糸の微小空孔を形
成している壁面の少なくとも一部にこれらのモノマー類
を保持させた状態で溶媒を除去し、次いで重合させるこ
とにより、ポリエチレン多孔質中空糸膜の微小空孔を形
成してなる壁面の少なくとも一部に親水性架橋重合体を
保持させることができる。
【0067】上記の溶液を調製する場合の溶媒として
は、モノマー類よりも沸点が低くかつモノマー類を溶解
することが可能な水または有機溶剤が用いられるが、重
合開始剤を添加する場合は、重合開始剤をも溶解できる
溶媒を用いることが好ましい。このような有機溶媒とし
てはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル等
を挙げることができる。有機溶媒の沸点は特に限定され
ないが、重合工程前の溶媒除去が容易であることを考慮
すると、100℃以下であることが好ましく、80℃以
下であることがより好ましい。
【0068】ポリエチレン多孔質中空糸膜の表面は疎水
性であるので、特に溶媒として水を用いる場合は、モノ
マー類を含む水溶液が細孔内に浸透する際にモノマー類
が細孔表面においてその親水性基を外側に向けて配向吸
着されやすいので、重合によってこの状態を固定すれば
極めて効率的に親水性を付与することができる。溶媒と
して水を用いる場合は、多孔質中空糸膜を直接溶液に接
触させることもできるが、予めアルコール類やケトン類
等で多孔質中空糸膜の微小空孔を形成している壁面を湿
潤処理した後前記溶液を接触させることもできる。
【0069】また溶媒として有機溶剤を用いる場合は、
溶液が短時間で原料中空糸の微小空孔内に浸透すること
およびこの微小空孔内からの溶媒除去が容易である等の
利点がある。
【0070】なお前記配向吸着を利用しないでモノマー
類が細孔表面において無秩序に配向した状態で重合が行
なわれた場合においても、形成された親水性架橋重合体
はポリエチレンと比較すると親水性の程度が大きいの
で、重合体が保持されている微小空孔を形成している壁
面は、重合体が保持されていない微小空孔を形成してい
る壁面と比較すると相対的に親水性を有しており、親水
性が付与されたポリエチレン多孔質中空糸膜を得ること
ができる。
【0071】重合開始剤の要否は重合方法に依存し、熱
重合法や光重合法の場合は重合開始剤が用いられるが、
放射線重合法の場合は重合開始剤を必要としない。
【0072】熱重合法の場合は、ラジカル重合開始剤と
して知られている種々の過酸化物、アゾ系化合物、レド
ックス系開始剤を用いることができる。その例として、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−ア
ゾビスシクロプロピルプロピオニトリル、2,2’−ア
ゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−
アゾビス−2,3,3−トリメチルブチロニトリル等の
アゾ系化合物;アセチルパーオキサイド、プロピオニル
パーオキサイド、ブチリルパーオキサイド、イソブチリ
ルパーオキサイド、サクシニルパーオキサイド、ベンゾ
イルパーオキサイド、ベンゾイルイソブチリルパーオキ
サイド、β−アリロキシプロピオニルパーオキサイド、
ヘキサノイルパーオキサイド、3−ブロモベンゾイルパ
ーオキサイド、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシ
ル)パーオキシジカーボネート等の過酸化物;過硫酸カ
リウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩等を挙げるこ
とができる。
【0073】特に溶媒に水を用いた場合には、水溶性の
重合開始剤、例えばアゾビスイソブチラミジン、4,
4’−アゾビス−4−ジアノペンタノイックアシドが好
ましいが、モノマー類自体が界面活性を有するため水不
溶性の重合開始剤であっても水中に分散できるので、前
記の水不溶性重合開始剤を用いることができる。
【0074】光重合法の場合の重合開始剤としては、ベ
ンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンジルジ
メチルケタール、フルオレノン、4−ブロモベンゾフェ
ノン、4−クロロベンゾフェノン、メチルO−ベンゾイ
ンベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、アントラ
キノン、ビアセチル、硝酸ウラニル等を挙げることがで
きる。まらこれらを適当に組み合わせて使用することも
可能である。
【0075】溶液中におけるモノマー類と溶媒との組成
は、溶媒の種類や目標とする重合体の保持量等を考慮し
て適宜選択すればよく、モノマー類100重量部に対し
て溶媒は50〜10000重量部が好ましく、200〜
5000重量部であることがより好ましい。
【0076】重合開始剤の使用量は、モノマー類100
重量部に対して0.001〜100重量部が好ましく、
0.01〜30重量部であることがより好ましく、0.
1〜20重量部であることが特に好ましい。
【0077】モノマー類に対して溶媒の量が前記範囲を
超えると、多孔質中空糸膜の微小空孔を形成している壁
面に保持されるモノマー類の量が少なすぎて充分な量の
重合体を保持させることができず、また前記範囲より少
ないと、重合体の保持量のコントロールが難しく、また
微小空孔を形成している壁面や微小空孔内部に保持され
る重合体の量が多くなり過ぎて微小空孔の閉塞を招くこ
とがあるので好ましくない。
【0078】これらの溶液を用いて原料中空糸に対して
浸漬処理または圧入処理する際の浸漬時間または圧入時
間は、0.5秒〜30分程度であり、原料中空糸に対す
る濡れ特性が良好な溶液を用いた場合程、より短時間で
実施することができる。
【0079】このようにして、所望により重合開始剤を
含有するモノマー類を、少なくとも一部の微小空孔を形
成している壁面上に保持させたポリエチレン多孔質中空
糸膜は周囲の余分な液を除去され、さらに必要に応じて
微小空孔内部の溶媒を蒸発除去された後、次の重合工程
に移される。
【0080】溶媒の蒸発除去時の温度が高過ぎると溶媒
が残留している間に重合が部分的に進行し、多孔質中空
糸膜の微小空孔を形成している壁面でない微小空孔内部
で重合が起こり、その結果一部の微小空孔が閉塞される
ことがあるので好ましくなく、これを考慮すると溶媒除
去時の温度は10〜40℃であることが好ましい。
【0081】本発明の親水化多孔質膜を製造するに際し
ては、熱重合法、光重合法、放射線重合法、プラズマ重
合法等の重合方法が採用することができる。
【0082】熱重合法の場合、重合温度は前記重合触媒
の分解温度以上であり、またポリエチレン多孔質中空糸
膜の膜構造を変化させることなく、かつ膜基質を損傷し
ない程度以下の温度とすることが望ましく、通常は30
〜100℃の温度を採用することができる。また加熱時
間は重合開始剤の種類と加熱温度に依存するがバッチ法
では通常は1分〜5時間、より好ましくは15分〜3時
間である。また、連続法では熱伝達効率が高いためによ
り短時間で重合でき、加熱時間は通常10秒〜60分、
好ましくは20秒〜10分である。
【0083】光重合法の場合、光照射の光源としては紫
外線や可視光線を用いることができ、紫外線源としては
低圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノン灯、アーク灯等を用
いることができる。
【0084】光照射条件としては、例えば水銀灯を光源
として用いる場合は、入力を10〜300W/cmとして
10〜50cmの距離から0.5〜300秒照射すること
によって、0.001〜10joule /cm2 、好ましくは
0.05〜1joule /cm2 のエネルギーを照射する条件
が採用される。
【0085】低照射強度では充分な親水化を達成するこ
とが困難であり、また高照射強度ではポリエチレン多孔
質中空糸膜の損傷が大きいので膜厚等を考慮して適当な
光照射条件を慎重に選定することが好ましい。
【0086】放射線重合の場合は、例えば電子線照射装
置を用い、120℃以下、好ましくは100℃以下の温
度にて、電子線を10〜50Mrad程度照射すること
によって実施することができる。
【0087】なおこれらの重合の際、雰囲気内に酸素が
存在すると重合反応は著しく阻害されるので、窒素雰囲
気等の不活性ガス雰囲気あるいは真空等の実質的に酸素
が存在しない状態にて重合させることが望ましい。
【0088】親水性架橋重合体を生成させるに際して
は、架橋反応は重合反応と同時に行なわれてもよく、一
旦共重合体を生成させた後に架橋させてもよい。また縮
合による架橋反応は、重合反応熱を利用して行なっても
よく、加熱によって行なってもよい。
【0089】特に縮合による架橋反応を利用する場合
は、予め調製したジアセトンアクリルアミドと架橋性モ
ノマーとの未架橋の共重合体を溶液に溶解し、次いでポ
リエチレン多孔質中空糸膜の微小空孔を形成している壁
面上に保持させ、その状態で架橋反応させる方法を用い
てもよい。この場合、未架橋の共重合体の分子量は1〜
50万であることが好ましく、分子量が大きすぎると共
重合体をポリエチレン多孔質中空糸膜の微小空孔内部に
侵入させることが困難であり好ましくない。分子量は5
〜30万であることがより好ましい。
【0090】本発明の親水化多孔質中空糸膜を製造する
に際しては、上述のように種々の重合法を採用できる
が、熱エネルギーによる方法が最も好ましい。熱エネル
ギーを利用する場合は多孔質中空糸膜の微小空孔部分ま
で均一温度に加熱することができるのでモノマー類が保
持されている全ての微小空孔を形成している壁面上にお
いて均一に重合することができ、かつ重合温度を適度に
設定することによって膜の構造を変化させることなく、
かつ膜基質を劣化させることなく重合することができる
利点がある。一方、光エネルギーを利用する場合は光の
散乱によって多孔質中空糸膜の微小空孔部分まで光が充
分に到達しにくいという問題および光の照射強度を挙げ
ると膜基質の劣化が進行しやすいという問題があり、ま
た放射線エネルギーを利用する場合も膜基質の劣化が進
行しやすいという問題がある。したがってこれらの重合
方法を利用する場合は膜基質の劣化させないような重合
条件を慎重に選定することが必要である。
【0091】原料中空糸の微小空孔を形成している壁面
上に保持されたモノマー類や前記の未架橋の共重合体
は、これらの重合手法によって多孔質膜表面上において
重合・架橋または架橋するので、多孔質中空糸膜の微小
空孔を形成している壁面の少なくともその一部にはこれ
らの重合体によって被覆される。
【0092】親水性架橋重合体が生成された後は、適当
な溶媒を用い浸漬法や圧入法によって多孔質中空糸膜の
微小空孔を形成している壁面周囲に存在する未反応モノ
マーや遊離したポリマー等の不要成分を除去することが
望ましい。溶媒としては、水、有機溶剤、あるいはそれ
らの混合溶媒を単独または併用して用いることができ
る。
【0093】本発明の親水化多孔質中空糸膜はこのよう
にして製造することができるが、特に好ましい方法とし
て、ジアセトンアクリルアミドと水溶性の架橋性モノマ
ーとを含むモノマー類および重合開始剤を、ポリエチレ
ン多孔質中空糸膜の少なくとも一部の微小空孔を形成し
ている壁面上に保持させた状態で加熱重合させる方法を
挙げることができる。
【0094】共重合性モノマーとして水溶性の架橋性モ
ノマーを用いると、重合体の水中での膨潤が抑制され、
溶出部分の量を一段と減少させることができると共に親
水化多孔質中空糸膜は優れた透水性能を発揮する。
【0095】また、加熱重合法によって製造される親水
化多孔質中空糸膜は、膜厚方向における重合体の保持状
態に斑がなく、膜基質の損傷が殆どないという特徴を有
している。
【0096】以上、各工程について別々に説明してきた
が、本発明の親水化多孔質中空糸膜を製造するに際して
は、ポリエチレン多孔質中空糸膜の微小空孔を形成して
いる壁面上へのモノマー類等の保持、溶媒除去、重合、
重合後の洗浄等をほぼ連続的に行なうこともできる。
【0097】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明す
る。測定方法は以下に示した方法によった。 1.中空糸膜の測定 (1)空気透過量:多孔質中空糸50本をU字型に束ね
て中空開口部分をウレタン樹脂で固め、モジュールを製
作した。樹脂包埋部の長さは2.5cm、中空糸有効長は
5cmとした。このモジュールの中空糸内部に空気を0.
5atmの圧力を25℃で加え、中空糸の壁面を通過し
て外部にでる空気の透過量を求めた。膜面積は内径ベー
スとした。 (2)弾性回復率:東洋ボールドウイン社製テンシロン
UTM−II型を用いて糸長2cm、試験速度1cm/min で
測定し、次式により求めた。
【0098】
【数1】 (3)ミクロフィブリルの平均長さ:電子顕微鏡写真か
ら測定した。 2.親水化多孔質中空糸膜の測定 「透水圧」、「アルコール親水化法での水透過率」およ
び「重合体保持後の水透過率」はそれぞれ有効膜面積が
163cm2 の試験膜モジュールを用い次の方法によって
測定した。実施例に用いたN−ヒドロキシメチルアクリ
ルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミドおよ
びトリアリルイソシアヌレートの30℃の水に対する溶
解度はそれぞれ197g/dl、3g/dlおよび0.
1g/dlである。 (1)透水圧:試験膜モジュールの一方(中空糸膜の場
合は中空糸の内側)から1分毎に0.1kg/cm2 の割合
で水圧を上げながら25℃の水を供給し、積算透過水量
が30mlと50mlになるときの水圧を測定する。続いて
横軸に水圧または縦軸に透過水量をプロットし、プロッ
トした2点を結ぶ直線が横軸と交わる点の圧力値を求め
その値を透水圧とした。 (2)アルコール親水化法での水透過率:親水化処理し
ていない試験膜モジュールの一方(中空糸膜の場合は中
空糸膜の内側)からエタノールを25ml/min の流量で
15分間圧入して多孔質膜の細孔内部まで充分にエタノ
ールで湿潤させた後、水を100ml/min の流量で15
分間流し、細孔内部に存在するエタノールを水で置換す
る。続いて試験膜モジュールの一方(中空糸膜の場合は
中空糸の内側)から25℃の水を流して膜間差圧が50
mmHgにおける透過水量を測定し、その値から水透過率
(リットル/m2・hr・mmHg)を求めた。 (3)重合体の保持量:元素分析法によって窒素含有量
を測定し、この窒素が重合体のみに由来し、モノマー組
成比と同一組成比の重合体が形成されているものと仮定
し、ポリエチレン多孔質中空糸膜の単位重量に対して保
持されている親水性架橋重合体の重量%を算出した。 (4)細孔表面の被覆状態の評価:JISK6768
(1971)に記載の表面張力54dyn/cmの濡れ試
験用標準液(青色)中に多孔質膜を1分間浸漬した後風
乾し、該多孔質膜の横切断面を光学顕微鏡によって観察
し着色された重合体の分布状態を調べた。 (5)積算溶出率:多孔質中空糸膜をその重量の10倍
量の65℃の温水中に浸漬し、一定時間毎にその温水中
の全有機炭素量を測定する。この全有機炭素量が前記
(3)で仮定された組成比の親水性架橋重合体のみに由
来するものと仮定して積算溶出量を算出し、溶出処理前
の重合体保持量に対する積算溶出率(重量%)を求め
た。 (6)重合体保持後の水透過率:重合体を保持させた多
孔質中空糸膜で製作した試験膜モジュールの一方(中空
糸膜の場合は中空糸膜の内側)から圧力2kg/cm2 の水
を3時間圧入した後、該試験膜のモジュールの一方から
25℃の水を流して膜間差圧が50mmHgにおける透過水
量を測定し、その値から水透過率(リットル/m2・hr・
mmHg)を求めた。
【0099】実施例1 密度0.968g/cm3 、メルトインデックス0.7の
高密度ポリエチレン(三菱化成株式会社製NOVATE
C BU 007U)を吐出口径16mm、円環スリット
幅が2.5mm、吐出断面積が1.06cm2 の中空糸賦型
用紡糸口金を用い、紡糸温度180℃、吐出速度32.
1cm/min で紡糸し、温度が25℃、速度が4.0m/
sec の向流冷却風で冷却し、巻取速度75m/min 、紡
糸ドラフト234で巻取った。得られた未延伸中空糸の
寸法は内径が570μm、膜厚が173μmであった。
【0100】この未延伸中空糸を125℃で24時間、
定長で熱処理した。この未延伸中空糸の弾性回復率は7
2%であった。つづいて室温で1秒につき160%の変
形速度で110%延伸した後、118℃に加熱した加熱
函中で総延伸量が1350%(すなわち、総延伸倍率が
14.5倍)になる迄変形速度が1秒につき3.5%と
なるようにローラー内延伸を行ない、連続的に多孔質中
空糸膜の製造を行なった。得られた多孔質ポリエチレン
中空糸膜は未延伸糸に対して14.5倍に延伸されてお
り、内径は500μm、膜厚は150μmであり空孔率
は86%であった。水銀ポロシメーターで測定した平均
孔径は2.7μmで空気透過量は140×104 リット
ル/m2・hr・0.5atmであった。
【0101】走査型電子顕微鏡で観察したところ、特徴
的な短冊状微小空孔が無数存在し、ミクロフィブリルの
平均的長さは7.5μmであった。図1は、この多孔質
ポリエチレン中空糸膜外表面の典型的な多孔質構造を示
す走査型電子顕微鏡写真である。
【0102】実施例2 密度0.968g/cm3 、メルトインデックス5.5の
高密度ポリエチレン(三井石油化学工業株式会社製HI
ZEX 2200J)を吐出口径が25mm、円環スリッ
ト幅が1.5mmの二重管構造を有し、吐出断面積が0.
754cm2 の中空糸賦型用紡糸口金を用い、紡糸温度1
65℃、吐出線速度10.5cm/min で紡糸し、温度が
25℃、速度が3.0m/sec の向流冷却風で冷却し、
巻取速度300m/min 、紡糸ドラフト2860で巻取
った。得られた未延伸中空糸の寸法は、内径が250μ
m、膜厚が35μmであった。
【0103】この未延伸中空糸を120℃で24時間、
定長で熱処理した。この未延伸中空糸の弾性回復率は7
3%であった。つづいて室温で1秒につき160%の変
形速度で80%延伸した後、125℃に加熱した加熱函
中で総延伸量が800%になる迄変形速度が1秒につき
7.0%となるようにローラー内延伸を行ない、さらに
125℃に加熱した加熱函中で40秒間熱セットを行な
い、連続的に多孔質中空糸膜の製造を行なった。得られ
た多孔質ポリエチレン中空糸膜は、未延伸糸に対して
9.0倍に延伸されており、内径は240μm、膜厚は
30μmであり、空孔率は82%であった。水銀ポロシ
メーターで測定した平均孔径は2.1μmで、空気透過
量は91×104 リットル/m2・hr・0.5atmで
あった。走査型電子顕微鏡で観察したところ、特徴的な
微小空孔が無数存在し、ミクロフィブリルの平均的な長
さは3.8μmであった。
【0104】実施例3 密度0.969g/cm3 、メルトインデックス0.35
の高密度ポリエチレン(三菱化成株式会社製NOVAT
EC BU 004U)を吐出口径16mm、円環スリッ
ト幅が2.5mm、吐出断面積が1.06cm2 の中空糸賦
型用紡糸口金を用い、紡糸温度230℃、吐出速度2
8.0cm/min で紡糸し、温度が25℃、速度が4.0
m/sec の向流冷却風で冷却し、巻取速度50m/min
、紡糸ドラフト179で巻取った。得られた未延伸中
空糸の寸法は内径が583μm、膜厚が168μmであ
った。
【0105】この未延伸中空糸を125℃で24時間、
定長で熱処理した。この未延伸中空糸の弾性回復率は7
0%であった。つづいて室温で1秒につき160%の変
形速度で120%延伸した後、120℃に加熱した加熱
函中で総延伸量が1900%になる迄変形速度が1秒に
つき2.8%となるようにローラー内延伸を行ない、連
続的に多孔質中空糸膜の製造を行なった。得られた多孔
質ポリエチレン中空糸膜は未延伸糸に対して20倍に延
伸されており、内径は475μm、膜厚は130μmで
あり空孔率は89%であった。水銀ポロシメーターで測
定した平均孔径は5.1μmで空気透過量は290×1
4 リットル/m2・hr・0.5atmであった。
【0106】走査型電子顕微鏡で観察したところ、特徴
的な短冊状微小空孔が無数存在し、ミクロフィブリルの
平均的長さは11.5μmであった。
【0107】比較例1 密度0.968g/cm3 、メルトインデックス6.7の
高密度ポリエチレン(三菱化成株式会社製NOVATE
C JV 070S)を用いたことを除き、実施例2と
全く同一の条件で中空糸を紡糸した。得られた未延伸中
空糸の寸法は内径が240μm、膜厚が32μmであっ
た。
【0108】この未延伸中空糸を実施例2と同一の条件
で熱処理し、延伸したが、熱延伸で糸切れが多発し、総
延伸量が750%の均一な延伸が不可能であった。
【0109】比較例2 比較例1と同一の未延伸糸を実施例2と同一の条件で熱
処理し、総延伸量が400%になるように延伸した。得
られた多孔質ポリエチレン中空糸膜は、内径が205μ
m、膜厚が25μmであった。空孔率は69%で、水銀
圧入ポロシメーターで測定した平均孔径は0.5μmで
空気透過量は24×104 リットル/m2・hr・0.5
atmであった。
【0110】図2は、この多孔質ポリエチレン中空糸膜
外表面の典型的な多孔質構造を示す走査型電子顕微鏡写
真である。
【0111】実施例4 密度0.970g/cm3 、メルトインデックス0.7の
高密度ポリエチレン(三菱化成株式会社製NOVATE
C BU007U)を吐出口径16mm、円環スリット幅
2.5mm、吐出断面積1.45cm2 の中空糸賦型用紡糸
口金を用い、紡糸温度180℃、吐出速度12.2cm/
min で紡糸し、温度が25℃、速度が3.0m/sec の
向流冷却風で冷却し、巻取速度40m/min 、紡糸ドラ
フト328で巻取った。得られた未延伸中空糸の寸法は
内径が580μm、膜厚が178μmであった。
【0112】この未延伸中空糸を125℃で24時間、
定長で熱処理した。この未延伸中空糸の弾性回復率は7
3%であった。続いて室温で1秒につき200%の延伸
速度で120%延伸した後、118℃に加熱した加熱炉
中で変形速度を1秒につき2.5%として総延伸量が1
400%になるまでローラー内延伸を行ない、連続的に
多孔質中空糸膜を製造した。
【0113】得られた多孔質ポリエチレン中空糸膜は未
延伸糸に対して15.0倍に延伸されており、内径は5
05μm、膜厚は155μmであり空孔率は87%であ
った。水銀ポロシメーターで測定した平均孔径は2.7
μmで、空気透過量は140×104 リットル/m2・h
r・0.5atmであった。走査型電子顕微鏡で観察し
たところ、特徴的な短冊状微小空孔が無数存在し、ミク
ロフィブリルの平均的長さは7.5μmであった。
【0114】一方、エチレン含量33モル%のエチレン
−ビニルアルコール共重合体(日本合成化学工業株式会
社社製 ソアノールE)を75容量%のエタノール水溶
液に加熱溶解させ1重量%溶液とした。この溶液の温度
を50℃に維持し、前記ポリエチレン多孔質中空糸膜を
溶液中に浸漬し5分間放置した。続いて過剰の共重合体
溶液を除いた後、50℃の熱風乾燥機中で2時間乾燥し
た。
【0115】得られた大孔径でかつ高空孔率の親水化多
孔質中空糸膜は水濡れ性が良く、水に漬けると容易に濡
れ、特別の処理をすることなしに透水性を示した。この
多孔質中空糸膜50本をU字型に束ねてハウジング内に
収納し、中空糸膜端部を樹脂でハウジングに固定し、透
水量を測定したところ透水量は55リットル/m2・hr
・mmHgであり、優れた透水性を示した。また、乾燥と湿
潤を10回繰り返したが、透水性の低下、機械的特性の
変化は認められなかった。
【0116】実施例5 エチレン−酢酸ビニル共重合体(組成比55:45)3
重量部をトルエン97重量部に溶解して得た25℃の溶
液中に、実施例4と同様にして得られた大孔径で且つ高
空孔率のポリエチレン多孔質中空糸膜を30秒浸漬した
後、真空乾燥機により50℃で3時間乾燥して溶剤の除
去を行なった。
【0117】次に水酸化ナトリウム10gを1リットル
の水に溶解したアルカリ水溶液中に浸漬し、70℃で1
時間ケン化処理を行なった後水洗、乾燥して親水性ポリ
エチレン多孔質中空糸膜を得た。
【0118】この中空糸膜50本をU字型に束ね、中空
糸膜の端部を樹脂でハウジングに固定して透水量を測定
したところ、透水量は50リットル/m2・hr・mmHgで
あり、優れた透水性を示した。又乾燥と湿潤を10回繰
り返したが、透水性の低下、機械的特性の変化は認めら
れなかった。
【0119】実施例6 密度0.970g/cm3 、メルトインデックス0.7の
高密度ポリエチレン(三菱化成株式会社製NOVATE
C BU 007U)を、吐出口径16mm、円環スリッ
ト幅が2.5mm、吐出断面積が1.45cm2 の中空糸賦
型用紡糸口金を用い、紡糸温度180℃、吐出速度1
2.2cm/min で紡糸し、温度が25℃、速度が3.0
/sec の向流冷却風で冷却し、巻取速度40m/min 、
紡糸ドラフト328で巻取った。得られた未延伸中空糸
の寸法は内径が580μm、膜厚が178μmであっ
た。
【0120】この未延伸中空糸を125℃で24時間、
定長で熱処理した。この未延伸中空糸の弾性回復率は7
3%であった。続いて温室で1秒につき、200%の変
形速度で100%延伸した後、118℃に加熱した加熱
炉中で総延伸量が1400%(すなわち、総延伸倍率が
15.0倍)になる迄変形速度が1秒につき2.5%に
なるようローラー内延伸を行ない、連続的に多孔質中空
糸膜の製造を行なった。得られた多孔質ポリエチレン中
空糸膜は未延伸中空糸に対して15.0倍に延伸されて
おり、内径は505μm、膜厚は155μmであった。
水銀ポロシメーターで測定した平均孔径は3.2μm
で、空気透過量は190×104 リットル/m2・hr・
0.5atm、空孔率は87%であった。走査型電子顕
微鏡で観察したところ、特徴的な短冊状微小空孔が無数
存在し、ミクロフィブリルの平均的長さは7.5μmで
あった。また、透水圧は3.2kg/cm2 で、アルコール
親水化法による水透過率は55リットル/m2・hr・mm
Hgであった。
【0121】得られた大孔径で、かつ高空孔率のポリエ
チレン多孔質中空糸膜を、ジアセトンアクリルアミド1
00部、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド5部、ベ
ンゾイルパーオキサイド1部およびアセトン1000部
からなる処理溶液に10秒間浸漬した後、窒素中にとり
出し5分間風乾した。続いてこの多孔質膜を窒素雰囲気
中において65℃で60分加熱処理し、次いで水/エタ
ノール=50/50(部)混合溶媒に10分間浸漬し、
さらに温水中で2分間超音波洗浄することにより不要成
分を洗浄除去した。次に熱風乾燥により溶媒を除去し、
重合体が保持されたポリエチレン多孔質中空糸膜を得
た。この多孔質中空糸膜の透水圧、水透過率、重合体の
保持量、積算溶出率等を測定してその結果を表1に示し
た。
【0122】得られた親水化ポリエチレン多孔質中空糸
膜の透水性能は良好であり、走査型電子顕微鏡で観察し
たところ、ポリエチレン多孔質中空糸膜の微小空孔を形
成している壁面のほぼ全面にわたってほぼ平均に重合体
が保持されていた。また、積算溶出率の測定から、24
時間以降は実質的に溶出成分がないことがわかった。
【0123】実施例7〜9 架橋性モノマーとして表1に示す量のN−ヒドロキシメ
チルアクリルアミドをそれぞれ使用し、その他の条件は
実施例6と同様にしてポリエチレン多孔質中空糸膜に重
合体を保持させた。
【0124】このようにして得られた親水化ポリエチレ
ン多孔質中空糸膜の性能を評価し、表1の結果を得た。
【0125】実施例10 実施例6と同様にして得られたポリエチレン多孔質中空
糸膜を、処理溶液としてジアセトンアクリルアミド10
0部、N,N´−メチレンビスアクリルアミド5部およ
び2,2´−アゾビスイソブチロニトリル5部およびア
セトン800部からなる溶液を用い、また熱処理条件を
65℃で60分とし、その他は実施例6と同様にして重
合体を保持させたポリエチレン多孔質中空糸膜を得、そ
の性能を評価し、表1の結果を得た。
【0126】親水性架橋重合体の被覆状態について観察
したところ、微小空孔を形成している壁面のほぼ全面に
わたってほぼ均一に重合体が保持されていた。また、積
算溶出率の測定から24時間以降は実質的に溶出成分が
ないことがわかった。
【0127】実施例11 密度0.968g/cm3 、メルトインデックス5.5の
高密度ポリエチレン(三井石油化学工業株式会社製HI
ZEX2200J)を吐出口径が25mm、円環スリット
幅が1.5mm、吐出断面積が1.11cm2 の中空糸賦型
用紡糸口金を用い、紡糸温度165℃、吐出線速度1
0.5cm/min で紡糸し、温度が25℃、速度が3.0
/sec の向流冷却風で冷却し、巻取速度280m/min
、紡糸ドラフト2667で巻取った。得られた未延伸
中空糸の寸法は、内径が250μm、膜厚が35μmで
あった。
【0128】この未延伸中空糸を、125℃で25時
間、定長で熱処理した。この未延伸中空糸の弾性回復率
は72%であった。続いて室温で1秒につき160%の
変形速度で80%延伸した後、120℃に加熱した加熱
炉中で総延伸量が800%になる迄、変形速度が1秒に
つき2.0%になるようローラー間延伸を行ない、さら
に加熱した加熱炉中で40秒間熱セットを行ない、連続
的に多孔質中空糸膜の製造を行なった。得られた多孔質
ポリエチレン中空糸膜は、未延伸中空糸に対して9.0
倍に延伸されており、内径は240μm、膜厚は30μ
mであった。水銀ポロシメーターで測定した平均孔径は
2.1μmで、空気透過量は92×104リットル/m2
・hr・0.5atm、空孔率は80%であった。走査
型電子顕微鏡で観察したところ、特徴的な微小空孔が無
数存在し、ミクロフィブリルの平均的な長さは3.8μ
mであった。また、透水圧は3.7Kg/cm2 で、アル
コール親水化法による水透過率は36リットル/m2・h
r・mmHgであった。
【0129】得られた大孔径で、かつ高空孔率のポリエ
チレン多孔質中空糸膜を、処理溶液として、ジアセトン
アクリルアミド100部、N−ヒドロキシメチルアクリ
ルアミド5部、ベンゾイルパーオキサイド10部および
メチルエチルケトン330部からなる溶液を用い、また
熱処理条件を60℃で60分間とし、その他の条件は実
施例6と全く同様にして、重合体が保持されたポリエチ
レン多孔質中空糸膜を得、その性能を評価した結果を表
1に示した。
【0130】親水性架橋重合体の被覆状態について観察
したところ、微小空孔を形成している壁面のほぼ全面に
わたってほぼ均一に重合体が保持されていた。また、積
算溶出率の測定から、24時間以降は実質的に溶出成分
がないことがわかった。
【0131】実施例12〜14 架橋性モノマーとして、表1に示す量のN−ヒドロキシ
メチルアクリルアミドをそれぞれ使用し、その他の条件
は実施例11と同様にしてポリエチレン多孔質中空糸膜
に重合体を保持させた。
【0132】このようにして得られた親水化ポリエチレ
ン多孔質中空糸膜の性能を評価し、表1の結果を得た。
【0133】実施例15 架橋性モノマーとしてトリアリルイソシアヌレート5部
を使用し、その他の条件は実施例6と同様にしてポリエ
チレン多孔質中空糸膜に重合体を保持させた。このよう
にして得られた親水化ポリエチレン多孔質中空糸膜の性
能を評価し、表1の結果を得た。親水性架橋重合体の被
覆状態について観察したところ、重合体は微小空孔を形
成している壁面のほぼ全面にわたってほぼ均一に保持さ
れていた。
【0134】実施例16 ジアセトンアクリルアミド100部、ジビニルベンゼン
1部、ベンゾイルパーオキサイド0.3部、メチルエチ
ルケトン450部からなる溶液を用いて浸漬時間を3秒
間、熱重合条件で70℃で60分とし、その他の条件は
実施例6と全く同様にして重合体をポリエチレン多孔質
中空糸膜に保持させた。
【0135】このポリエチレン多孔質中空糸膜の性能を
評価し、表1の結果を得た。親水性架橋重合体の被覆状
態について観察したところ、ポリエチレン多孔質中空糸
膜の微小空孔を形成している壁面にはほぼ全面にわたっ
てほぼ均一に保持されていた。積算溶出率の測定から、
24時間以降は実質的に溶出成分がないことがわかっ
た。
【0136】実施例17〜20 密度0.969g/cm3 、メルトインデックス0.35
の高密度ポリエチレン(三菱化成株式会社製NOVAT
EC BU 004U)を、吐出口径16mm、円環スリ
ット幅が2.5mm、吐出断面積が1.06cm2 の中空糸
賦型用紡糸口金を用い、紡糸温度230℃、吐出速度2
8.0cm/min で紡糸し、温度が25℃、速度が4.0
/sec の向流冷却風で冷却し、巻取速度50m/min 、
紡糸ドラフト179で巻取った。得られた未延伸中空糸
の寸法は内径が585μm、膜厚が168μmであっ
た。
【0137】この未延伸中空糸を125℃で24時間、
定長で熱処理した。この未延伸中空糸の弾性回復率は7
4%であった。続いて温室で1秒につき180%の変形
速度で140%延伸した後、120℃に加熱した加熱炉
中で変形速度が1秒につき2.6%になるようローラー
内延伸を行ない、総延伸が1900%になるように11
8℃の加熱炉中で緩和セットし、連続的に多孔質中空糸
膜の製造を行なった。得られた多孔質ポリエチレン中空
糸膜は未延伸中空糸に対して20倍に延伸されており、
内径は475μm、膜厚は130μmであった。水銀ポ
ロシメーターで測定した平均孔径は5.1μmで、空気
透過量は290×104 リットル/m2・hr・0.5a
tm、空孔率は89%であった。走査型電子顕微鏡で観
察したところ、特徴的な短冊状微小空孔が無数存在し、
ミクロフィブリルの平均的長さは11.5μmであっ
た。
【0138】得られた大孔径で、かつ高空孔率のポリエ
チレン多孔質中空糸膜を、速度2m/min で連続的に供
給し、長さ10cmの溶液槽中で浸漬処理し、直径2cm、
長さ4mのパイプ1の中で付着液の除去および乾燥を行
ない、次いで直径2cm、長さ3mのパイプ2の中で加熱
しモノマー類を重合させた。
【0139】溶液の組成は、それぞれジアセトンアクリ
ルアミド100部、表1に示す量のN−ヒドロキシメチ
ルアクリルアミド、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキ
シル)パーオキシジカーボネート0.5部およびアセト
ン660部とした。パイプ1には常温の窒素を、バイプ
2の中には80℃の加熱窒素をそれぞれ3リットル/mi
n で流した。
【0140】続いてこのポリエチレン多孔質中空糸膜を
水/エタノール=50/50(部)の混合溶媒を入れた
長さ50cmの槽および60℃の温水をオーバーフローさ
せている長さ1.5mの水槽を通過させて洗浄し、さら
に熱風雰囲気中で乾燥することによって本発明の親水化
ポリエチレン多孔質中空糸膜を得た。
【0141】得られた親水化多孔質中空糸膜の性能を評
価し、表1の結果を得た。親水性架橋重合体の被覆状態
について観察したところ、ポリエチレン中空糸膜を形成
している壁面にはほぼ全面にわたってほぼ均一に重合体
が保持されていた。
【0142】
【表1】
【0143】
【発明の効果】本発明の大孔径多孔質ポリエチレン中空
糸膜は、微小空孔の孔径が大きくかつ高空孔率であるた
め、液体の精密濾過用途や空気洗浄化用途等に好適であ
り、極めてコンパクトなモジュールおよびシステムの設
計を可能にするものである。のた、また溶剤等を一切使
用しない溶融紡糸法で製造されるので、極めてクリーン
な材料であり、濾過媒体を汚染することは全くない。
【0144】更に、本発明の親水化ポリエチレン中空糸
膜は優れた親水性を有しており、エタノール等による親
水化前処理を行わずとも良好な透水性を示し、濾過性能
の低下はほとんど認められない。また、微小空孔表面に
親水性物質が強固に保持されているので、溶出成分の量
が極めて少ない。したがって、本発明の親水化ポリエチ
レン多孔質中空糸膜は、高温処理をはじめとする水処理
分野等にも使用することができ、その実用的効果は極め
て大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の大孔径多孔質ポリエチレン中空
糸膜の外表面の繊維構造を示す図面代用走査型電子顕微
鏡写真である。
【図2】図2は従来技術の多孔質ポリエチレン中空糸膜
の外表面の繊維構造を示す図面代用走査型電子顕微鏡写
真である。
【図3】図3は本発明の大孔径多孔質ポリエチレン中空
糸膜のミクロフィブリルとスタックドラメラからなる結
節部とに囲まれて形成される短冊状微小空孔が中空糸内
壁面より外壁面へ相互に連通した積層構造を示した模式
図である。
【符号の説明】
1 ミクロフィブリル 2 結節部 3 短冊状微小空孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 健司 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンよりなる多孔質中空糸膜で
    あって、繊維長方向に配列したミクロフィブリルと、ス
    タックドラメラからなる結節部とに囲まれて形成される
    短冊状微小空孔が、中空糸内壁面より外壁面へ相互に連
    通した積層構造を有し、水銀ポロシメーターで測定した
    微小空孔の平均孔径が2μmを超え10μm以下、空孔
    率が75%〜95%、空気透過量が8×105 リットル
    /m2・hr・0.5atm以上であることを特徴とする
    大孔径多孔質ポリエチレン中空糸膜。
  2. 【請求項2】 ミクロフィブリルの平均的長さが3.0
    μmを超え15μm以下である請求項1記載の大孔径多
    孔質ポリエチレン中空糸膜。
  3. 【請求項3】 中空糸製造用ノズルを用いてポリエチレ
    ンを溶融紡糸し、得られた未延伸糸をアニール処理した
    後に冷延伸し、次いで熱延伸することにより多孔質化す
    る多孔質中空糸膜の製造方法において、未延伸糸のアニ
    ール処理を100〜130℃の温度で30分以上実施
    し、熱延伸時の変形速度を1秒につき10%以下とし、
    総延伸量を750%〜2500%とすることを特徴とす
    る請求項1記載の大孔径多孔質ポリエチレン中空糸膜の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の大孔径多孔質ポリエチレ
    ン中空糸膜の微小空孔表面の少なくとも一部にエチレン
    −酢酸ビニル共重合体のケン化物を保持させてなる親水
    化多孔質ポリエチレン中空糸膜。
  5. 【請求項5】 エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化
    物が、物理的に保持されてなる請求項4記載の親水化多
    孔質ポリエチレン中空糸膜。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の大孔径多孔質ポリエチレ
    ン中空糸膜の微小空孔表面の少なくとも一部に、ジアセ
    トンアクリルアミドと架橋性モノマーとを含むモノマー
    類を重合させてなる親水性架橋重合体を保持させてなる
    親水化多孔質ポリエチレン中空糸膜。
  7. 【請求項7】 親水性架橋重合体が、物理的に保持され
    てなる請求項6記載の親水化多孔質ポリエチレン中空糸
    膜。
  8. 【請求項8】 架橋性モノマーが、水溶性の架橋性モノ
    マーである請求項6記載の親水化多孔質ポリエチレン中
    空糸膜。
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