【発明の詳細な説明】
脂質からのステロールの分離
分野
本発明は、脂質すなわち天然に存在する脂肪または油からのステロール(特にコ
レステロール)の分離に関する。それは、他にもあるか、とりわけ低コレステロ
ールまたは無コレステロールのバターもしくは獣脂の製造に応用される。
背景
一層塗りやすいバターを製造するためにトリグリセリド類を分別しようとして、
そして/またバターに含まれるコレステロールを取り除こうとして、バターを改
質する試みがなされている。しかしながら、これらの従来技術は満足のゆく程度
にコレステロールを取り除けず、またコレステロールを除く際にバターの風味を
そこねたり、さもなければその物理的性質や保存特性を変化させたりしてバター
を劣化させるので、それらはどれも満足のゆ(ものでないことが判明した。
次第に、食品中のコレステロール含有量に関心が示されつつある。我々の食事に
含まれる飽和脂肪の存在への関心に加えて、一部の国では、食品を販売するとき
、他の栄養価と共にコレステロール含有量を表示する必要のある法律を制定する
動きがある。
食品中の主なコレステロール源は赤身または白身の肉、貝類、バターやチーズな
との乳製品のような脂質含有食品である。
興味のある脂質成分は中性脂質として知られるものである。このクラスの脂質に
は、総称的に脂肪として知られるモノ−、ジーおよびトリーアシルグリセリド:
遊離またはエステル化コレステロール、および他のステロール:遊離脂肪酸、脂
肪アルコールおよびワックスエステルが含まれる。最も興味をそそるものは脂肪
およびコレステロール成分であり、バターの場合は、いずれにしても脂肪成分を
劣化させずに、バターからコレステロールを取り除くことが望ましい。
従来の技術
一−ニーシーラント酪農研究所(New Zealand DairyRese
arch In5titute)の名義による欧州特許第0174848(A2
)号は、70−90°Cの温度で無水乳脂肪からコレステロールを除く方法を教
示しており、この方法は微粉砕活性炭を加えて加熱脂肪中で1時間攪拌し、濾過
により活性炭を取り去り、その後乳脂肪がコレステロールを含まないか、少なく
とも実質的に含まなくなるまで、加熱脂肪を再び微粉砕活性炭で数時間処理する
ことから成っている。しかしながら、このような処理は加熱によって乳脂肪を劣
化させ、酸化や不快なにおいをもたらすため、脱臭剤と酸化防止剤の使用を必要
とし、さらに乳脂肪の風味成分と着色成分を劣化したり、取り去ってしまう。従
って、この乳脂肪はそのもとの色や風味をまねようとするために追加の処理およ
び添加物の使用を必要とする。
レバーブラザーズ社(Lever Brothers Company)に譲渡
された米国特許第4504503号に別の方法か記載されている。この特許には
、脂肪を液化ガスまたは超臨界条件下の気体により分別してバタ一様の性質を示
すトリグリセリド混合物を製造する方法が開示されている。好適な気体は超臨界
CO8であり、これを使って乳脂肪または硬化乳脂肪を60−100°Cの温度
で処理し、その機種々のトリグリセリドを優先的に分離するためにCOlの圧力
と温度を変えて分別濃縮することにより分離する。これはマーガリンの製造で使
用するのに適した炭素数24−42のトリグリセリドの混合物の優先分離をもた
らす。この特許にはコレステロールの除去について何も書かれていない。
5hishikuraらによる日本国特許第134042号および「超臨界CO
□での抽出による乳脂肪の改質」(Agric、Biol、Chem、、 50
(5)、 1209−1215.1986)と題する関連文献において、A、
5hishikuraらは、超臨界C02での単純な抽出による低コレステロー
ル乳脂肪の製造が実用的でないと結論をくだした。この文献には、乳脂肪を40
°C1300−350バールで超臨界CO。
に溶解し、この超臨界流体をケイ酸のカラムに通すことにより乳脂肪を改質しよ
うとする試みか記載されている。
A、 5hishikuraらは、存意な(90%以上の)コレステロールの低
下がきわめて高い収量損失(最高50%)を犠牲にしたときのみ達成できたと報
じた。収量損失が妥当(15−20%)である条件下では、コレステロールの収
量は70−80%に落ちた。実験はまた活性炭とケイ酸の混合物を使って行われ
た。これは75%以上のコレステロールの除去をもたらしたが、風味成分と着色
成分の両方がほとんど完全に失われた。
目的
本発明の目的は、脂質からステロールを分離する改良方法、特にバターからコレ
ステロールを分離する改良方法を提供することである。
発明の要約
意外にも、本発明者らは、コレステロール/脂肪混合物を高圧液体または臨界未
満(subcritical )もしくは超臨界気体(例、CO,)に溶解し、
この高圧流体混合物を塩基性金属の酸素含有塩(例、酸化物、水酸化物、炭酸塩
、硫酸塩など)から作られた、またはそれを含む吸着剤と接触させることにより
、溶解した脂肪混合物からコレステロールを選択的に吸着させることができるこ
とを見いだした。
本発明者らは、高圧流体混合物を塩基性吸着材料のベッドまたはカラムに通して
、コレステロールをこの材料に選択的に吸着させることを開発し、その結果、ベ
ッドを去る高圧流体はコレステロールか実質的に除かれた脂肪生成物を含む。
従って、−面において、本発明は: (a)ステロール/脂質混合物を高圧の生
理学的に許容しつる流体(高圧液体または高圧臨界未満もしくは超臨界気体)に
溶解し、(b)この高圧流体混合物を塩基性金属の酸素含有塩(例、酸化物、水
酸化物、炭酸塩、硫酸塩なと)から作られた、またはそれを含む吸着材料と接触
させて、ステロールを吸着材料に選択的に吸着させ、そして(C)この高圧流体
から実質的にステロールを含まない脂質を取り出す、ことを含む脂質からのステ
ロールの分離方法を提供する。
好ましくは、コレステロールまたは他のステロールは、同一のまたは別の高圧流
体を使って、あるいは例えばプロパン−2−オールやクロロホルム/メタノール
混合物のような有機溶剤を使って吸着材料をストリッピングすることにより、吸
着材料から選択的に取り出される。この手段により、医薬もしくは他の用途のた
めにコレステロールまたは他のステロールを精製することが可能である。
盈里
9 上の記載は本発明の詳細な説明を与えるものである。
) 以下に、本発明の好適な形態を添付の図面を参照しながら単に例として詳述
する。
1 図1は、高圧流体を使って肉、粉末卵または扮ミルクのようなコレステロー
ル合音供給材料から脂肪とコレステロールを抽出し、吸着材料へのコレステロー
ルの選択的吸着によってコレステロール/脂肪混合物かt らコレステロールを
分離することを示すフローチャートである。
し 図2は、供給材料がバター、植物油または魚油のよt うな脂肪もしくは油
であり、これを高圧流体に溶解し、そこからコレステロールを吸着材料への吸着
によって選択的に取り除き、そして実質的にコレステロールを含まない脂肪また
は油を高圧流体から濃縮する類似方法を示すフローチャートである。
これらの2つの方法では、供給原料がバターまたは動物性もしくは植物性の油で
ある場合、高圧流体はその脂肪または油を溶解するために使用される;供給原料
か脂肪とコレステロールを含むマトリックス、例えば肉、チーズ、乳脂肪、粉末
卵などである場合は、脂肪およびコレステロールが高圧流体を使って抽出される
。
適切な抽出流体には: Co、 、N、O,CF、CI、CF、Cl 2、CH
,CF、 、SF、 、CHF、 、CHF、CI、CF、CI、CF、CF(
、、C3F、 、エタン、エチレン、またはこれらの混合物、および健康上の観
点から問題がなくかつ食品の加工に適する温度および圧力範囲で臨界未満または
超臨界でありうる他の気体が含まれる。エントレイナー(entrainer
)(以下で説明する)も高圧流体と共に使用することができる。高圧流体は液体
であっても、臨界未満または超臨界気体であってもよい。
高圧流体抽出法では、圧力と温度が制御パラメーターである。物質はそれがその
臨界温度Tcおよび圧力Pc以上であるとき超臨界状態となる。この状態では、
どんな圧力をかけてもそれはもはや液体に圧縮することができない。
CO2の場合、Tcは31,3°Cであり、Pcは72.8バールである。臨界
未満流体はPcより上の圧力をもつがTcより下の温度をもつ流体である。臨界
未満および超臨界流体は両方とも抽出のために使用することができる。
適当な抽出圧力ニ50−400バール(好ましくは200−250バール)。
適当な抽出温度=30−60°C(好ましくは35℃)。
利用可能なオブシタンのうち、抽出剤としてCO3を用いるとき、好適な抽出圧
力は200−300バールの範囲であり、そして温度は30−50’Cの範囲で
ある。好ましくは、蛋白を変性させないように蛋白合音源からコレステロールを
抽出する場合は、60″C以上の温度を使用すべきでない。Co2は生理学的に
不活性であり、静菌/殺菌作用を育し、比較的低い臨界温度および圧力の必要条
件を備え、とりわけ食品を処理するのに適しており、さらに我々の好適な吸着材
料と適合するので、CO7が我々の好適な抽出剤として選ばれた。
我々の好適な方法は、高圧流体に溶解したときのコレステロールおよび他のステ
ロールへの吸着技術の適用に関係がある。コレステロールまたは他のステロール
は天然由来の、すなわち動物、植物、酵母などの、中性脂質混合物(主にトリア
ジルグリセリド)からの選択的吸着により分離される。供給混合物は次の方法に
より得ることかできる:
(1)肉、粉末卵、粉ミルク、および一定量のコレステロール含有脂肪を含む他
の動物性産物のような固形マトリックスからの抽出による;
(2)ラード、バター、魚油、羊毛脂、植物油のような液体または固体の動物脂
肪の抽出による。
脂質混合物は高圧(液体または臨界未満もしくは超臨界)流体に抽出されるか、
または溶解される。
溶解した脂質混合物からのコレステロールまたは他のステロール(以下に記載す
る)の分離は、高圧流体混合物を塩基性金属の酸素含有塩(例、酸化物、水酸化
物、炭酸塩、硫酸塩など)から作られた、またはそれを含む吸着剤と接触させる
ことにより達成される。
酸素含有塩には酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩またはカ
ルボン酸塩が含まれる(しかし、これらに限定されない)。広範囲の塩基性金属
酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩および他の酸素含有塩が使用され、これらに
は酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸
化カドミウム(II)、酸化コバルト(II) 、酸化マンガン、酸化ニッケル
、酸化亜鉛、およびこれらの金属の水酸化物、炭酸塩、硫酸塩および他の酸素含
有塩が含まれる。
我々の好適な吸着剤はコレステロールと他のステロールを優先的に吸着するが、
他の脂質の吸着は最小限に抑える。その結果、高圧流体か吸着剤を去るとき、あ
るいは吸着剤から分離されるとき、実質的にコレステロールを含まない脂質混合
物がその高圧流体から得られる。
たいていの場合、これは高圧流体を吸着材料のカラムまたはベッドに通すことを
包含するけれども、例えばタンク中で攪拌した高圧流体に微粉末の形状の吸着材
料を加え、その後濾過、湿式サイクロン、遠心、または他の固/液分離技術を使
って流体から粉末を分離することが可能である。
分離の程度は使用する高圧流体の量に左右されるであろう。例えば、吸着材料の
ベッドまたはカラムを使う場合、その吸着材料のベッドまたはカラムは、それを
多量の同じ高圧流体と接触させることにより再生することかできる。また、再生
のために、コレステロールや他のステロールをより迅速に取り除く別の流体を使
用してもよい。この方法の最終段階は精製された脂質混合物を高圧流体から分離
することを包含する。これを達成するためのオプションには次のものが含まれる
:
(1)肉、粉ミルク、粉末卵のような固形マトリックスへの再添加;
(2)例えばバターの、不溶性残留物への再添加およびそれとの混合:
(3)例えばラードやバターの場合のような、収集。
方法1−(図1)固形マトリックスからのコレステロールの分離
脂質は、高圧流体で抽出することにより、微細にスライスしかつ少なくとも部分
乾燥した肉のような供給材料から抽出される。好適な流体は好適な温度範囲30
−60°Cに維持した、好適な圧力範囲150−300バールの臨界未満または
超臨界二酸化炭素である。
高圧流体に溶解・抽出された脂質(主に脂肪とコレステロール)はその後、好ま
しくは粒状化またはペレット化した吸着材料の密充填カラムに通す(この際、粒
度はカラムを通り抜ける良好な流路を与え、同時に吸着材料の表面積を最大とす
るように選ばれる)。
実施例から分かるように、様々な塩基性酸化物、水酸化物、炭酸塩、および他の
酸素含有塩が吸着材料として使用される。カラムはコレステロールを吸着するた
めにベッドの別々の部分をそれぞれ異なった時間に使用しつるように、複数の入
口と出口をもつことか好適である。ベッドの個々の部分を適当に区切ることによ
り、ベッドの別の部分がコレステロールを取り除かれつつあるのに対して、ベッ
ドのある部分を使用することが可能である。
高圧流体の流速、およびその流体に溶解される脂肪/コレステロール混合物の量
は、好ましくは、実質的に全部のコレステロールがベッドに選択的に吸着され(
この際、トリグリセリドの制御された分離を必要とする場合を除いて、脂肪の吸
着は最小限度である)、かつたいていの場合にベッドを去る高圧流体が実質的に
全部の脂肪から成る(この際、存在するコレステロールは完全にまたはほぼ完全
に除かれる)ように制御される。
ベッドを去る高圧流体はその後高圧流体から脂肪を分離するように処理され、こ
れはいろいろな方法で、例えば温度上昇、または圧力低下、もしくはこれらの組
合わせにより達成される。
好適な方法は、高圧流体中の脂肪の溶解度が低下するか又はごくわずかになるレ
ベルにまで温度を上げて、高圧流体から脂肪を抜き取ることを包含する。これは
CO2の抽出温度よりも10−30°C高い温度範囲である。この流体は高圧の
ままで再循環される。
別法として、脂肪は流体の圧力を下げることによりその流体から取り出すことが
できる。これは、所望により、温度変化と組み合わせてもよい。圧力は大気圧へ
下げることができ、この場合流体は再循環されない;また、高圧流体はその圧力
を50−100バールへ低下させて、その後再循環させてもよい。いくつかの場
合には、両方の方法を併用することが最も経済的であるかもしれない。
この場合の脂肪は食肉、例えば牛肉から取り出されたので、得られた牛脂は食肉
の再構築の際にその肉に加えることができる。生成する食肉製品に必要とされる
脂肪レベルに応じて、脂肪の一部または全部がこのように戻される。例えば、低
脂肪(コレステロール不含)食肉製品を製造することが望ましい場合には、牛脂
の一部を取り除き、その残りを食肉製品へ再添加することができる。
方法2−(図2)−無コレスチロールバターこの方法は図1の方法と類似してい
るが、ただし供給材料は乳脂肪であり、臨界未満または超臨界二酸化炭素のよう
な高圧流体に溶解される。その後、これは先に記載したような吸着材料のカラム
に通し、この材料にコレステロールを選択的に吸着させ、これによりカラムを去
る高圧流体が大部分の脂肪を含むか、実質的にコレステロールを含まないように
する。
このコレステロール不含脂肪は、好ましくは先に述べたように温度の上昇により
、高圧流体から分離されるか、圧力の低下によってそれを分離することも同様に
可能である。高圧流体は好ましくは再循環して別の乳脂肪を溶解するために使用
し、その後吸着材料に通し、そしてフローチャートに示すようにこのプロセスを
続ける。
コレステロールは好ましくは実質的に純粋なコレステロールを得るために、上記
のように吸着材料から取り出される。
図1および2に関して説明した方法において、吸着材料は、実質的に全部のコレ
ステロールかベッドに吸着され、得られたコレステロール不含脂肪が食品として
の使用に適するように選ばれることか理解されるであろう。これを達成するため
に、吸着材料は生理学的に許容され、比較的安価であり、さらにトリアジルグリ
セリド、脂肪酸または他の天然に存在する食品感覚物質(例えば、風味物質、臭
覚物質、着色物質など)と優先的に結合しないことが好適である。
試験した塩基性酸化物、水酸化物、炭酸塩、および他の酸素含有塩のうち、マグ
ネシウムおよびカルシウムの酸化物、水酸化物、および炭酸塩を使用することか
好ましい。しかし、高圧流体か二酸化炭素以外のものである場合は、対応する炭
酸塩を用いる方がむしろ好ましい。
実際、我々は、超臨界二酸化炭素と共に塩基性酸化物または水酸化物を使用する
ことにより、それらか吸着カラム内で対応する炭酸塩に変換されることを見いだ
したので、高圧二酸化炭素と共に使用するのに適した材料は炭酸カルシウムであ
る。炭酸カルシウムは不活性な、低コストの、自然界に存在する無機物であるた
めに、それはこのコレステロール/ステロール吸着法で使用するのに適した材料
である。
本発明方法において使用しつる多くの変法が存在し、そのうちのいくつかを以下
で説明する。
プロセスのオプション
吸着剤: 塩基性金属酸化物、並びにそれらの水酸化物、炭酸塩、硫酸塩および
他の酸素含有塩が好適な吸着材料である。自然界に存在する吸着材料のうちで、
炭酸カルシウム、酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、およ
び水酸化マグネシウムか最適である。他の適当な吸着剤にはマグネシウム、カル
シウム、ストロンチウム、バリウム、カドミウム、コノくルト、マンガン、ニッ
ケル、および亜鉛の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩および他の酸素含有塩か
含まれ、これらに限定されない。それらは単独でまたは混合物として使用され、
好ましくはそれらの自然界に存在する形態で使用される。
これらの一部は食品級の産物に適さない。しかし、ステロールの分離において得
られるステロール不含脂肪は食品級の産物を目的としたものではないかもしれず
、そのような場合はこれらの材料の一部または全部が使用されるであろう。
吸着材料の性質は結晶構造(それ故に表面構造)および極性(酸性または塩基性
)に影響される。吸着材料の選択はプラントのデザイン、材料の吸着強度、材料
の粒度および強度に左右され、(ベッドやカラムの場合には)高圧流体が吸着な
しにカラムを通過するチャンネリングを避けることが重要であり、またカラムの
目詰まりという相反する作用を有する微粉末への材料の破壊を避けることが望ま
しい。従って、吸着剤はペレットまたは顆粒形態で、あるいは天然に存在する無
機物として提供されるか、ガラスピーズやリングのような適当な基材に付着され
るであろう。
最適な材料は塩基性金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩および他の酸素含
有塩であることが判明したので、吸着材料はその相対的吸着強度の点から選ぶこ
とかできる。所定のアニオンの場合、塩基性金属の酸素含有塩によるステロール
の最大吸着はマグネシウムによって示され、これはニッケル、カドミウム、コバ
ルト、亜鉛、カルシウム、ストロンチウムを経てバリウムまで減少し、バリウム
はこのグループの最も少ない吸着を示す。
我々は、酸性酸化物が高圧流体と共に使用するには不適当であることを見いだし
た。それらはあらゆる脂質をあまりに強く吸着しすぎるので、吸着剤の過剰負荷
なしには分離が困難である。このような酸性酸化物にはケイ酸、フロリシル(F
lorisil)およびアルミナが含まれ、これらは本発明方法から排除される
べきである。
高圧で(液体として、あるいは臨界未満または超臨界気体として)溶剤特性を示
す流体はどれも本発明において使用することができる。
次の気体は明確な範囲の臨界特性を有し、健康上の見地から問題がない二二酸化
炭素、エタン、プロパン、エチレン、No、 、SF、 、CF、CI、CF、
CL、、CH2CF2 、C,F、 、CHF、およびこれらの混合物、並びに
健康上 の見地から問題がなくかつ食品加工に適する温度・圧力範囲で臨界未満
または超臨界気体である他の気体。
エントレイナー二 脂質またはコレステロールの溶解度を高めることが判明した
臨界未満添加剤には、プロパン−2−オール、エタノール、アセトン、メタノー
ル、エーテル、二塩化エチレン、および酢酸エチルか含まれる。また、当分野で
知られた他のエントレイナーも脂質の溶解度、特に高圧流体中のコレステロール
または他のステロールの溶解度を上げるために使用される。
プロセス条件(好適な溶剤CO□および好適な吸着剤MgCCh 、MgO1C
aCOs 、CaOを使用): 圧力ニ100−400バールの範囲を使用でき
るか、好適な範囲は150−300バールである。
温度: 20−80°Cの範囲を使用できるか、好適な温度は30−60°Cで
ある。
脂肪/吸着剤比:O,001g脂肪/g吸着剤−0,11g脂肪/g吸着剤 吸
着材料の含水率:0.2− 5.0w/w%、好適な含水率はできる限り低い。
同様に、高圧二酸化炭素はできる限り乾燥状態にしておく。
流体と吸着剤との接触方法= 2相を接触させる方法はどれも使用でき、これは
高圧流体か吸着材料の静止カラムまたはベッドを通過することに必ずしも限定さ
れない。例えば、高圧流体は微細に粉砕した吸着剤か通過するジェットの中を通
すことかでき、また微粉末状の吸着材料は高圧流体中に導入して反応容器内で攪
拌するか、あるいは高圧流体中に導入し、ポンプを使って流体と一緒に溶媒/溶
質分離段階に集め、その後コレステロールを吸着した吸着材料の”スラッジ”を
濾過のような適当な物理的手法により、湿式サイクロンを使って、または恐らく
遠心により分離することができるだろう。それにもかかわらず、プラントを通過
する微粒子材料と高圧二酸化炭素との磨耗反応を避けるために、粒状または顆粒
状吸着材料の固定床を使用することか好適である。
実施例
本発明は今や実施例に関して説明されるだろう。実施例Aでは、水酸化カルシウ
ム吸着剤を使ってバターからコレステロールが分離され、実験誤差の範囲内で、
100%のコレステロールが吸着材料のベッドに保持され、80%のトリグリセ
リドか回収された。バターの色およびヨウ素価(これはバターの不飽和度を調べ
るために通常用いられるテストである)には何ら変化がなかった。
実施例BおよびCは、添加ラードサンプル(すなわち、コレステロールレベルを
人工的に増したラードのサンプル)からのコレステロールの分離を示す。実施例
りては、乳脂肪からコレステロールを取り除きかっ低分子量トリグリセリドの濃
度を高めて他の食品関連特性を変えずに一層塗りやすい無コレステロールバター
を得るために本発明を使用することができることを示す目的で、バターからのコ
レステロールの分離とトリグリセリドの部分分別とが組み合わされた。
実施例A、BおよびDにおいては、水酸化マグネシウムおよびカルシウムが吸着
材料として使われたか、実施例Cては炭酸カルシウムか使われた。他の実施例に
おいて、我々はカルシウムおよびマグネシウムの酸化物、並びに上で挙げた種々
の塩基性金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、および他の酸素含有塩を使
用した。
実施例A
水酸化カルシウム吸着剤を用いたバターからのコレステロールの分離
実験番号197.1
吸着剤の細部:
質量=45g
粒度分布=45−125ミクロン
種類=水酸化カルシウム
実験条件:
圧力=220バール
温度=45℃
動物性脂肪サンプル:
サンプルの種類=無塩バター
サンプルの重量=0. 50g
組成= 242m g / 100 gコレステロール(星型基準)水分16%
脂質 ベッド保持率 回収率
トリアジルグリセリド 20.0% aO,O%コレステロール 100.0%
0.0%比較
供給物 回収脂肪
色 黄色 黄色
ヨウ素価 33.0 32.1
実験終了時点での実施例Aで用いた水酸化カルシウムのX線分析は、かなりの割
合のベッドが方解石に変換されたことを示し、炭酸カルシウムを用いたその後の
実験(実施例C)はそれが二酸化炭素と共に使用するのに適した、実際に好適な
、吸着材料であることを明らかにした。
実施例B
吸着剤として水酸化カルシウムを用いた添加ラードサンプルからのコレステロー
ルの分離
実験番号193−1
吸着剤の細部:
質量=40g
粒度分布=45−125mm
種類=水酸化カルシウム
実験条件:
圧力=220バール
温度=35°C
動物性脂肪サンプル:
サンプルの重量=0.50g
サンプルの種類=料理用ラード(牛脂)組成= 990.7mg/ 100g(
=10x正常値)残部トリグリセリド
脂質 ベッド保持率 回収率
トリ了ノルグリセリド 2.3% 97.7%コレステロール 100.0%
0.0%実施例C
吸着剤として炭酸カルシウムを用いた添加ラードサンプルからのコレステロール
の分離
実験番号204.1
吸着剤の細部:
質量=40g
粒度分布=45−125mm
種類=炭酸カルシウム
実験条件:
圧力=220バール
温度=45°C
動物性脂肪サンプル:
実験193.1(実施例日)と同じ
脂質 ベッド保持率 回収率
トリ了ノルグリセリド 0.0% 100%コレステロール 99.7% 0.
3%実施例り
水酸化マグネシウム吸着剤を用いたバターからのコレステロールの分離、および
(分子量による)トリグリセリドの部分分別
実験番号189.1
吸着剤の細部:
質量=45g
粒度分布=45−125mm
種類=酸化マグネシウム
実験条件:
圧力=220バール
温度=35’C
動物性脂肪サンプル:
サンプルの種類=無塩バター
サンプルの重量=2.04g
組成=242mg/IOQgコレステσ−ル (星型 基準)水分16%
脂質 ベッド保持率 回収率
トリ了ノルグリセリド 40.3% 59.7%コレステロール 100.0%
0
次の濃度(質量基準)のトリグリセリドが得られた(炭素数Cはグリセリン鎖中
の炭素を除外しである)。
トリグリセリド組成:
炭素数 供給物 ベッド 回収
トリグリセリド トリグリセリド トリグリセリドC343,962,904,
64
C3611,604,4616,22
C3817,466,7124,35
C4011,874,1316,83
C448,935,7410,96
C469,0910,038,49
C4812,7116,69IQ、17C5011,4521,085,29
C5212,8928,243,06
回収された乳脂肪は低分子1トリグリセリドの濃度がかなり増加し、高分子量ト
リグリセリドの濃度が低下し、さらにコレステロールを全く含んでいなかった。
また、回収乳脂肪は比較的低い融点をもち、低い貯蔵温度で塗りやすかった。
得られた乳脂肪は黄色であり、飽和対不飽和脂肪の比に変化はなかった。
変法
上記実施例はバターまたはラードからのコレステロールの分離に集中しているが
、本発明は脂質を豊富に含む原料から広範な他のステロールを分離するために使
用できることか理解されるであろう。従って、本発明方法は医薬用途、例えばホ
ルモン、ステロイドおよびビタミンD系列の製造に適したステロールを優先的に
濃縮するために使用されるだろう。
本発明方法により抽出しつる他のステロールの例を以下に示す:
スチグマステロール、
β−シトステロール、
ブラシカステロール、
海藻類および海洋無を椎動物に存在する種々のステロール類、
ステロールの自動酸化生成物、特にコレステロールの自動酸化生成物、
ラノステロール、
エルゴステロール、
ビタミンD、(カルシフェロール)、
ビタミンD、(コレカルシフェロール)。
関連ステロイドおよびホルモンもまた本発明方法を使って精製・濃縮されるだろ
う。このために、一般的記載“脂質からのステロールの分離”は関連した構造の
ステロイドおよびホルモンの分離をも包含するものであることを理解すべきであ
る。
最後に、前述のものに対しているいろな変更および修飾が、本発明の精神または
範囲から逸脱することなく、可能であることが理解されるであろう。
国際調査報告
−−m −〜1^神匂111e* N@ ρCT/G11l B8100739
国際調査報告
S^ 24185