JPH0557324B2 - - Google Patents
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- JPH0557324B2 JPH0557324B2 JP60240875A JP24087585A JPH0557324B2 JP H0557324 B2 JPH0557324 B2 JP H0557324B2 JP 60240875 A JP60240875 A JP 60240875A JP 24087585 A JP24087585 A JP 24087585A JP H0557324 B2 JPH0557324 B2 JP H0557324B2
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- Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
この発明は、湿式法による銅微粉末の製造法に
関し、より詳細には粒度分布幅が小さく、良好な
粒径に制御された銅微粉末を製造する方法に関す
る。 〔従来技術およびその問題点〕 近時、銅微粉末は電子工業分野において、金、
銀、白金、パラジウム等の貴金属に替つて、その
価格の安定性、優れた電気的特性のために厚膜回
路用導電性ペースト材料として実用化されつつあ
る。ペースト材料として銅粉に要求される特性と
しては、適度な粒度分布を持つ微粉(通常〜3μm
以下)であること、分散性に優れていること、相
互接触しやすい形状(粒状が好ましい)であるこ
と、耐酸化性があり高純度であること等である。 銅微粉末を得る従来の方法としては種々の方法
が提案されている。微粉末の定義は確立されてい
る訳ではないが、本発明に関連する粒径範囲であ
る約5μm以下の平均粒径を持つ銅微粉の製造方法
としては、熔融銅を霧化させるアトマイズ法、陰
極上への電解析出法、および銅を機械的に粉砕す
る方法などがある。しかしながら、上記の従来方
法は平均粒径が通常10μm以上と大きく製造後何
らかの分級操作を加えて初めて5μm以上の画分が
得られ、それも粒度分布が広くしかも粒径制御が
困難であるといつたペースト用材料として使用す
るには欠点がある粉末しか製造できない。 また、次のように不活性ガス中で銅を強制蒸発
させるいわゆるガス中蒸発法、プラズマ炎中に銅
粗粉を吹込んで揮発凝集させるプラズマ炎法、水
素富化ガス中でアークプラズマにより製造するい
わゆる水素プラズマ法、および銅イオン溶液に水
素化ホウ素ナトリウムを加えて銅超微粉末を還元
析出させる方法(特開昭58−224103)などの従来
方法は、平均粒径が通常0.1μm以下と小さく、崇
高で、比表面積が大きくて酸化しやすくしかも吸
油量が大きいという欠点がある。また設備が高価
で量産性に乏しいという欠点もある。 さらに、炭酸銅の溶液からヒドラジンにより還
元析出される従来方法(特開昭59−12723)は、
固体炭酸銅を含む銅の溶液に限定されている。と
ころで、銅イオンがヒドラジンあるいはヒドラジ
ン化合物により還元されて金属銅として析出する
ことは公知であるが(新実験化学講座8.「無機化
合物の合成(1)」発行 東京化学同人)、これらの
ヒドラジン(化合物)による銅イオンの還元方法
によると微細な銅粉末も得られるのが粒度分布が
広く、しかも片状の粗大析出物が混入し、崇高
で、形状も不規則であり、しかも粒径の制御が困
難で一定品質の銅粉末が得られにくいという欠点
がある。 最近になつて提案された従来方法には酸化銅粉
末とヒドラジン類との還元反応により銅粉末に析
出させる方法がある(特開昭59−16303号公報)。
しかしながら、反応系内に水溶性高分子化合物の
保護コロイドを初めから共存させておくこと、お
よび均一かつ微細な所望の銅粉末を得るためには
出発原料の酸化銅も均一かつ微細なものを準備す
ることが必要である。 この発明はこれらの従来方法の問題点を解消す
べくなされたものであり、その目的は約3μm以下
の適宜の粒径に容易に制御することができるとと
もに、粒度分布幅の小さい粉末を製造することが
できる方法を提供することである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、種々の研究を重ねた結果、銅イ
オン含有水溶液とアルカリを、PHを3〜7に、液
温を20〜60℃に維持しながら、反応させてえられ
た反応混合物からなる水酸化銅スラリーに、その
スラリーのPHを3〜6に、温度を30〜90℃に維持
しながら、ヒドラジンおよび/またヒドラジン化
合物を、酸化銅を生成するに必要な理論量の1〜
3倍量添加して酸化銅スラリーをつくり、静置後
このスラリーの上澄液を除去し、新たに水を添加
し、更にそのスラリーの温度を30〜80℃に維持し
ながら、ヒドラジンおよび/またはヒドラジン化
合物を、酸化銅を金属銅に還元するに必要な理論
量の1〜3倍量添加して銅粉末に還元折出させる
ことを特徴とする銅粉末の製造法。によつて、こ
の発明の目的を達成しうることを見出してこの発
明を完成するに至つた。 この発明の好ましい態様として、得られた銅粉
末をアルコールで、更に必要に応じて脂肪酸溶液
で後処理することができる。 この発明の好ましい別の態様として、得られた
銅粉末を順次ニカワ液、水、アルコールで、更に
必要に応じて脂肪酸溶液で後処理することができ
る。 以下、この発明をより具体的に説明する。 水酸化銅スラリー この発明により銅粉末の製造法において用いら
れる水酸化銅スラリーは、粉状水酸化銅が水性媒
体中で分散したものである。このスラリーの調整
は、銅イオン含有水溶液にアルカリを添加して水
酸化銅スラリー(反応混合物)を得ることによつ
て行なう。 これは、例えば約10ミクロンの粒径の“栗のい
が”状で粒度の揃つたスラリーが得られるからで
ある。このスラリー中の水酸化銅は、微細であり
かつ粒度の揃つたものが望ましい。 水酸化銅スラリーの調整のために、銅イオン含
有水溶液とアルカリとの反応混合物を用いる場
合、銅イオン含有水溶液としては、銅イオンとし
て含有する溶液であればその種類を特に限定され
ないが、入手容易な硫酸銅、硝酸銅、塩化銅およ
びシアン化銅などの水溶液を用いることができ
る。この発明において銅イオンは1価または2価
であり、溶液中の形態、例えば鎖体などの形態に
限定されない。水酸化物スラリーの調製において
用いるアルカリには、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、アンモニア、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウムなどがあり、好ましくはアンモニアであ
る。水酸化銅スラリーの調製にあたつて液温を20
℃〜60℃に保持することが必要である。20℃未満
では水酸化銅スラリーの生成が不十分であり、他
方60℃を超えると水酸化銅スラリーの再溶解を招
くおそれがあるからである。同様に反応系中にお
けるPHは3〜7であり、より好ましくは4〜6.5
である。これは、PHが3未満の強い酸性領域では
水酸化銅の生成が困難であり、7を超えるPHでは
水酸化銅の再溶解が起るからである。銅イオン含
有水溶液の濃度は、溶液の種類、アルカリの種
類、所望の水酸化銅粉末の粒径などのパラメータ
に応じて適宜変更することが望ましい。 酸化銅スラリー この発明におけるヒドラジンおよびヒドラジン
化合物は、第1に水酸化銅スラリーから酸化銅ス
ラリーを得るのに用いられる。この方法に用いる
ことのできるヒドラジン化合物としては、抱水ヒ
ドラジン、無水ヒドラジン、硫酸ヒドラジンなど
種々の化合物がある。これらヒドラジンおよびヒ
ドラジン化合物はヒドラジン単独、ヒドラジン化
合物単独、もしくはヒドラジンとヒドラジン化合
物の混合物、またこれらと溶媒との混合液として
反応に供される。例えば、抱水ヒドラジンが好ま
しい。酸化銅スラリー生成に用いられるヒドラジ
ンなどの添加量は、その生成に必要な論理量の1
〜3倍量である。これは論理量未満では反応が完
結せず未反応の銅化合物が残留し、3倍量を超え
ると過剰のヒドラジンが浪費されて経済的でない
からである。いずれにしてもヒドラジン(ヒドラ
ジン化合物)の添加量は、ヒドラジン添加反応時
の温度、PHおよび所望の反応完結時間に応じて適
切に決定されることが望ましい。 この発明における銅酸化物スラリーは、水酸化
銅スラリーにヒドラジンおよび/またはヒドラジ
ン化合物を添加して得られたものであり、銅の酸
化状態は、1価および1または2価であり、好ま
しくはこの酸化物は実質的に亜酸化銅である。 水酸化銅粉末をヒドラジン類と反応させること
により水酸化銅粒子の約10分の1の粒径を有する
ものとなると考えられる。したがつて、酸化銅ス
ラリー調製に際して用いられる水酸化銅スラリー
は、所望の銅粉末の粒径を得るために、均一かつ
微細な水酸化銅粒子を含有することが望ましい。
銅イオン含有液とアルカリとの反応混合物をその
ままこの反応の水酸化銅スラリーとして使用する
こどができるが、水酸化銅粒子の粒径および濃度
の制御を行つた後に反応に供にしてもよい。この
制御によつてより良好な粒度および粒径分布を有
する銅粉末を得ることが可能となる。酸化銅スラ
リー調製において、水酸化銅スラリーの液温を30
〜90℃、好ましくは40〜80℃に維持することが必
要である。これは温度が30℃未満であると反応速
度を遅らせて生成する粉末を凝集させ、逆に90℃
を超えると反応が激しく起こつて得られる粉末の
粒度分布が広くなると同時に粒子の粗大化が起こ
るからである。酸化銅スラリー調製において、水
酸化スラリーのPHを3〜6に酸またはアルカリを
添加して調節することが望ましい。これはこのPH
範囲から外れると反応生成物の収率が低下して好
ましくないからである。 銅粉末の析出 この発明において銅粉末は、酸化銅スラリーと
ヒドラジンおよび/またはヒドラジン化合物とを
反応させ、還元析出させて得られる。 この反応において用いられる酸化銅スラリー
は、所望の銅粉末の粒度および粒度分布とするた
めに、均一かつ微細な酸化銅粒子を含有すること
が望ましい。水酸化銅スラリーとヒドラジン類を
反応させて第一段階の還元反応を行なつた後はえ
られた酸化銅スラリーを静置して上澄液を除去し
た後それとほぼ同量の水を新たに加えてからヒド
ラジン類を加えて第二段階の還元反応を行なわせ
る。本発明ではこのように還元反応を二段階で行
ない、第一段階では水酸化銅スラリーにヒドラジ
ン類を添加して還元反応を行なつて酸化銅スラリ
ーを得、次にこの酸化銅スラリーを静置し上澄液
を除去し新たに水を加えてから再度ヒドラジン類
を加えて第二段階の還元反応を行なわせて銅粉末
を製造するのである。このようにすることによつ
て粒度分布幅が小さく分散性の良好な銅微粉末を
得ることができるのである。 この発明においてヒドラジンおよび/またはヒ
ドラジン化合物は、第2に酸化銅スラリー粉末を
得るのに用いられる。この段階で用いられるヒド
ラジン化合物としては、抱水ヒドラジン、硫酸ヒ
ドラジン、無水ヒドラジンなど種々の化合物があ
るが、好ましい化合物は抱水ヒドラジンである。
これらヒドラジン類は単独もしく溶液として反応
に供される。銅粉末の析出に用いられるヒドラジ
ン類の添加量は、その析出に必要な理論量の1〜
3倍量である。これは理論量未満では反応が完結
せず、未反応の銅化合物が残留し、逆に3倍量を
超えるとヒドラジン類が過剰に残留し非経済的だ
からである。いずれにしても、ヒドラジン類の添
加量は、ヒドラジン添加反応時の温度、PHおよび
所望の完結時間に応じて適切に決定される。 銅粉析出において、酸化銅スラリーの温度を30
〜80℃に設定する。これは、30℃未満では反応速
度が遅くて生成粉末の凝集が大きくなり、一方80
℃を超えると反応が激しくて得られる銅粉末の粒
度分布が広くなると同時に粒子が粗大化するため
である。 銅粉末の後処理 この発明において還元析出された銅粉末は、通
常の自然重力ロ過あるいは減速ロ過による固液分
離および水洗浄の後、必要に応じて後処理に施さ
れる。この発明において好ましい後処理として次
の態様を挙げることができ、この処理後に分散状
態の銅粉末を得る。 (a) 銅粉末をアルコールで処理する。 (b) 銅粉末をニカワ、水、アルコールで順次処理
する。 (c) 銅粉末をアルコール、脂肪酸で処理する。 (d) 銅粉末をニカワ、水、アルコール、脂肪酸で
順次処理する。 この後処理で用いられるアルコールは、銅粉末
の表面に付着した水分を置換除去するために使用
され、その目的に反しない限りアルコールの種類
は限定されない。この発明において好ましいアル
コールにはメタノール、エタノールがある。 この後処理で用いられるニカワは、銅粉末の凝
集を抑制して粉末の崇密度を高めるために使用さ
れる。この操作においてニカワ水溶液の濃度は例
えば0.5〜1.0g/であり、その添加量は銅粉末
重量に対して例えば0.1〜0.5重量%である。 この後処理において、アルコールによる水分除
去の後に、必要に応じて銅微粉末に脂肪酸を添加
処理し、銅粉末に耐酸化性を付与することができ
る。 この操作において使用する脂肪酸はステアリン
酸、オレイン酸、リノール酸等、好ましくはオレ
イン酸を濃度0.1〜0.5容量%のアルコール溶液と
して銅微粉末に対し0.005〜0.2重量%添加処理す
る。脂肪酸は単なる表面吸着だけでなく、例えば
オレイン酸銅といつた保護膜を形成し耐酸化性の
機能を付与するものと考える。 この様にして得られた銅微粉末は真空乾燥、凍
結乾燥等の特殊な乾燥法を使用することなく、通
常の乾燥法にて温度60〜90℃で乾燥することによ
つて直径3μm以下の高純度銅微粉末とすることが
できる。 〔発明の作用および効果〕 この発明の製造法によつて次のような作用・効
果を得ることができる。 (a) この発明の製造法によつて、約3μm以下の適
度の粒径および狭い粒度分布幅を有する銅微粉
末を得ることができる。これは、反応の機構は
必ずしも明らかではないが、この発明の製造方
法の各段階における反応が溶液中もしくはスラ
リー中で行なわれることおよび銅粉末の形成反
応が、直接に一段階で行なうのではなく、多段
階的に行なわれるためだと考えられる。 (b) この発明の方法のそれぞれの段階で中間生成
物の粉末物性を制御することにより最終的な銅
微粉末の物性を制御できるので、従来方法(特
開昭59−116303号)で必要とされるような凝集
防止材などの処理剤を反応の初めから添加して
粉末の物性を制御する必要がなく、しかも処理
剤の後工程への影響が起こりえない。 (c) 最終的に銅微粉末が生成した後で酸化防止処
理等の後処理を行えるので、これら後処理を制
御することにより多方面の用途に適した銅粉を
つくることができる。即ち本発明の銅粉の主た
る用途とした厚膜導電ペースト用以外の用途に
おいて本発明の後処理が不要あるいは悪影響を
及ぼす場合には該後処理を省略して膠あるいは
脂肪酸を付着させずに、例えば不活性ガス雰囲
気を保つて酸化させないようにして次の用途に
供することもできる、発明の初めから処理剤を
共存させる従来技術ではこのような多様性が得
られない。 (d) この発明の製造法において、原料はいずれも
入手が容易でありかつ取扱いも容易であり、反
応条件はいずれも穏やかであり、スラリーまた
は溶液中で反応が行なわれるので簡単な設備で
この製造法を実施することができる。 以上のごとく、本発明によると、従来困難とさ
れていた直径3ミクロン以下の銅微粉末を簡単な
設備で大量に高収率で製造できるという効果を有
する。さらに電子部品用ペースト材料として必要
な粒度分布幅の小さい、分散性の良好な、低比表
面積、高タツプで耐酸化性を有する高純度微粉末
であるといつた特性をも有する。 〔実施例〕 以下この説明を実施例に基づいてさらに具体的
に説明する。しかしながら、この例はこの発明の
理解のためであり、この発明の範囲をこの例に限
定しようとするものではない。 実施例 1 硫酸銅80Kgを水に溶解し、温度を40℃に保持し
ながらアンモニア水を添加し、水溶液のPHを4.0
に調製し銅水酸化物スラリーを形成後、水を添加
し全液量を160リツトルとする。 次いで温度を50℃、PH4.0を保持しながら抱水
比6.01Kg(理論量1.5倍)を添加し、60分間反応
させ酸化銅スラリーを生成させる。反応終了後60
分間静置し、上澄液を除去し、水を添加し全液量
を160リツトルとする。 次に温度50℃を保持しながら、抱水ヒドラジン
8.01Kg(理論量の2倍)を添加し、60分間反応さ
せる。これにより酸化銅は還元されて金属銅粉末
となる。 次いでこれを自然重力濾過器により濾過し、水
にて洗浄後、膠濃度0.5g/の膠溶液40リツトル
を通液濾過(水にて通液洗浄濾過、メタノール18
リツトルにて通液濾過、オレイン酸濃度0.2容量
%のメタノール溶液9リツトルにて通液濾過)の
各処理をした後、温度80℃の通常雰囲気で乾燥し
銅微粉末20Kgを得た。この収率は98%であつた。 得られた銅微粉末は分散性の良好な粒度分布幅
の小さい、粒径1.25ミクロン(最大粒子径2ミク
ロン以下)、比表面積0.73m2/gr、タツプ密度
3.68g/c.c.、酸素品位0.26%の不純物を殆んど含
まない高純度銅微粉末であつた。 この粉末を大気中に4ケ月間放置後の酸素品位
には殆んど変化はみられず、耐酸化性の優れた粉
末であることがわかる。 また、この粉末をガラスフリツト、有機バイン
ダー、有機溶剤とともに混練し銅ペーストとした
ものをアルミナ基板にスクリーン印刷し窒素雰囲
気中で焼成したものは優れたハンダ付け性、接着
強度、電気伝導性を有し、経時変化も少なく厚膜
回路として充分に特性を満足するものであつた。 本実施例において、酸化銅スラリーの上澄液除
去、新しい水の添加とその繰返しにより生成した
銅粉末の物性を測定したところ次のような結果が
えられた。これにより各種物性を制御しうること
が明らかである。
関し、より詳細には粒度分布幅が小さく、良好な
粒径に制御された銅微粉末を製造する方法に関す
る。 〔従来技術およびその問題点〕 近時、銅微粉末は電子工業分野において、金、
銀、白金、パラジウム等の貴金属に替つて、その
価格の安定性、優れた電気的特性のために厚膜回
路用導電性ペースト材料として実用化されつつあ
る。ペースト材料として銅粉に要求される特性と
しては、適度な粒度分布を持つ微粉(通常〜3μm
以下)であること、分散性に優れていること、相
互接触しやすい形状(粒状が好ましい)であるこ
と、耐酸化性があり高純度であること等である。 銅微粉末を得る従来の方法としては種々の方法
が提案されている。微粉末の定義は確立されてい
る訳ではないが、本発明に関連する粒径範囲であ
る約5μm以下の平均粒径を持つ銅微粉の製造方法
としては、熔融銅を霧化させるアトマイズ法、陰
極上への電解析出法、および銅を機械的に粉砕す
る方法などがある。しかしながら、上記の従来方
法は平均粒径が通常10μm以上と大きく製造後何
らかの分級操作を加えて初めて5μm以上の画分が
得られ、それも粒度分布が広くしかも粒径制御が
困難であるといつたペースト用材料として使用す
るには欠点がある粉末しか製造できない。 また、次のように不活性ガス中で銅を強制蒸発
させるいわゆるガス中蒸発法、プラズマ炎中に銅
粗粉を吹込んで揮発凝集させるプラズマ炎法、水
素富化ガス中でアークプラズマにより製造するい
わゆる水素プラズマ法、および銅イオン溶液に水
素化ホウ素ナトリウムを加えて銅超微粉末を還元
析出させる方法(特開昭58−224103)などの従来
方法は、平均粒径が通常0.1μm以下と小さく、崇
高で、比表面積が大きくて酸化しやすくしかも吸
油量が大きいという欠点がある。また設備が高価
で量産性に乏しいという欠点もある。 さらに、炭酸銅の溶液からヒドラジンにより還
元析出される従来方法(特開昭59−12723)は、
固体炭酸銅を含む銅の溶液に限定されている。と
ころで、銅イオンがヒドラジンあるいはヒドラジ
ン化合物により還元されて金属銅として析出する
ことは公知であるが(新実験化学講座8.「無機化
合物の合成(1)」発行 東京化学同人)、これらの
ヒドラジン(化合物)による銅イオンの還元方法
によると微細な銅粉末も得られるのが粒度分布が
広く、しかも片状の粗大析出物が混入し、崇高
で、形状も不規則であり、しかも粒径の制御が困
難で一定品質の銅粉末が得られにくいという欠点
がある。 最近になつて提案された従来方法には酸化銅粉
末とヒドラジン類との還元反応により銅粉末に析
出させる方法がある(特開昭59−16303号公報)。
しかしながら、反応系内に水溶性高分子化合物の
保護コロイドを初めから共存させておくこと、お
よび均一かつ微細な所望の銅粉末を得るためには
出発原料の酸化銅も均一かつ微細なものを準備す
ることが必要である。 この発明はこれらの従来方法の問題点を解消す
べくなされたものであり、その目的は約3μm以下
の適宜の粒径に容易に制御することができるとと
もに、粒度分布幅の小さい粉末を製造することが
できる方法を提供することである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、種々の研究を重ねた結果、銅イ
オン含有水溶液とアルカリを、PHを3〜7に、液
温を20〜60℃に維持しながら、反応させてえられ
た反応混合物からなる水酸化銅スラリーに、その
スラリーのPHを3〜6に、温度を30〜90℃に維持
しながら、ヒドラジンおよび/またヒドラジン化
合物を、酸化銅を生成するに必要な理論量の1〜
3倍量添加して酸化銅スラリーをつくり、静置後
このスラリーの上澄液を除去し、新たに水を添加
し、更にそのスラリーの温度を30〜80℃に維持し
ながら、ヒドラジンおよび/またはヒドラジン化
合物を、酸化銅を金属銅に還元するに必要な理論
量の1〜3倍量添加して銅粉末に還元折出させる
ことを特徴とする銅粉末の製造法。によつて、こ
の発明の目的を達成しうることを見出してこの発
明を完成するに至つた。 この発明の好ましい態様として、得られた銅粉
末をアルコールで、更に必要に応じて脂肪酸溶液
で後処理することができる。 この発明の好ましい別の態様として、得られた
銅粉末を順次ニカワ液、水、アルコールで、更に
必要に応じて脂肪酸溶液で後処理することができ
る。 以下、この発明をより具体的に説明する。 水酸化銅スラリー この発明により銅粉末の製造法において用いら
れる水酸化銅スラリーは、粉状水酸化銅が水性媒
体中で分散したものである。このスラリーの調整
は、銅イオン含有水溶液にアルカリを添加して水
酸化銅スラリー(反応混合物)を得ることによつ
て行なう。 これは、例えば約10ミクロンの粒径の“栗のい
が”状で粒度の揃つたスラリーが得られるからで
ある。このスラリー中の水酸化銅は、微細であり
かつ粒度の揃つたものが望ましい。 水酸化銅スラリーの調整のために、銅イオン含
有水溶液とアルカリとの反応混合物を用いる場
合、銅イオン含有水溶液としては、銅イオンとし
て含有する溶液であればその種類を特に限定され
ないが、入手容易な硫酸銅、硝酸銅、塩化銅およ
びシアン化銅などの水溶液を用いることができ
る。この発明において銅イオンは1価または2価
であり、溶液中の形態、例えば鎖体などの形態に
限定されない。水酸化物スラリーの調製において
用いるアルカリには、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、アンモニア、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウムなどがあり、好ましくはアンモニアであ
る。水酸化銅スラリーの調製にあたつて液温を20
℃〜60℃に保持することが必要である。20℃未満
では水酸化銅スラリーの生成が不十分であり、他
方60℃を超えると水酸化銅スラリーの再溶解を招
くおそれがあるからである。同様に反応系中にお
けるPHは3〜7であり、より好ましくは4〜6.5
である。これは、PHが3未満の強い酸性領域では
水酸化銅の生成が困難であり、7を超えるPHでは
水酸化銅の再溶解が起るからである。銅イオン含
有水溶液の濃度は、溶液の種類、アルカリの種
類、所望の水酸化銅粉末の粒径などのパラメータ
に応じて適宜変更することが望ましい。 酸化銅スラリー この発明におけるヒドラジンおよびヒドラジン
化合物は、第1に水酸化銅スラリーから酸化銅ス
ラリーを得るのに用いられる。この方法に用いる
ことのできるヒドラジン化合物としては、抱水ヒ
ドラジン、無水ヒドラジン、硫酸ヒドラジンなど
種々の化合物がある。これらヒドラジンおよびヒ
ドラジン化合物はヒドラジン単独、ヒドラジン化
合物単独、もしくはヒドラジンとヒドラジン化合
物の混合物、またこれらと溶媒との混合液として
反応に供される。例えば、抱水ヒドラジンが好ま
しい。酸化銅スラリー生成に用いられるヒドラジ
ンなどの添加量は、その生成に必要な論理量の1
〜3倍量である。これは論理量未満では反応が完
結せず未反応の銅化合物が残留し、3倍量を超え
ると過剰のヒドラジンが浪費されて経済的でない
からである。いずれにしてもヒドラジン(ヒドラ
ジン化合物)の添加量は、ヒドラジン添加反応時
の温度、PHおよび所望の反応完結時間に応じて適
切に決定されることが望ましい。 この発明における銅酸化物スラリーは、水酸化
銅スラリーにヒドラジンおよび/またはヒドラジ
ン化合物を添加して得られたものであり、銅の酸
化状態は、1価および1または2価であり、好ま
しくはこの酸化物は実質的に亜酸化銅である。 水酸化銅粉末をヒドラジン類と反応させること
により水酸化銅粒子の約10分の1の粒径を有する
ものとなると考えられる。したがつて、酸化銅ス
ラリー調製に際して用いられる水酸化銅スラリー
は、所望の銅粉末の粒径を得るために、均一かつ
微細な水酸化銅粒子を含有することが望ましい。
銅イオン含有液とアルカリとの反応混合物をその
ままこの反応の水酸化銅スラリーとして使用する
こどができるが、水酸化銅粒子の粒径および濃度
の制御を行つた後に反応に供にしてもよい。この
制御によつてより良好な粒度および粒径分布を有
する銅粉末を得ることが可能となる。酸化銅スラ
リー調製において、水酸化銅スラリーの液温を30
〜90℃、好ましくは40〜80℃に維持することが必
要である。これは温度が30℃未満であると反応速
度を遅らせて生成する粉末を凝集させ、逆に90℃
を超えると反応が激しく起こつて得られる粉末の
粒度分布が広くなると同時に粒子の粗大化が起こ
るからである。酸化銅スラリー調製において、水
酸化スラリーのPHを3〜6に酸またはアルカリを
添加して調節することが望ましい。これはこのPH
範囲から外れると反応生成物の収率が低下して好
ましくないからである。 銅粉末の析出 この発明において銅粉末は、酸化銅スラリーと
ヒドラジンおよび/またはヒドラジン化合物とを
反応させ、還元析出させて得られる。 この反応において用いられる酸化銅スラリー
は、所望の銅粉末の粒度および粒度分布とするた
めに、均一かつ微細な酸化銅粒子を含有すること
が望ましい。水酸化銅スラリーとヒドラジン類を
反応させて第一段階の還元反応を行なつた後はえ
られた酸化銅スラリーを静置して上澄液を除去し
た後それとほぼ同量の水を新たに加えてからヒド
ラジン類を加えて第二段階の還元反応を行なわせ
る。本発明ではこのように還元反応を二段階で行
ない、第一段階では水酸化銅スラリーにヒドラジ
ン類を添加して還元反応を行なつて酸化銅スラリ
ーを得、次にこの酸化銅スラリーを静置し上澄液
を除去し新たに水を加えてから再度ヒドラジン類
を加えて第二段階の還元反応を行なわせて銅粉末
を製造するのである。このようにすることによつ
て粒度分布幅が小さく分散性の良好な銅微粉末を
得ることができるのである。 この発明においてヒドラジンおよび/またはヒ
ドラジン化合物は、第2に酸化銅スラリー粉末を
得るのに用いられる。この段階で用いられるヒド
ラジン化合物としては、抱水ヒドラジン、硫酸ヒ
ドラジン、無水ヒドラジンなど種々の化合物があ
るが、好ましい化合物は抱水ヒドラジンである。
これらヒドラジン類は単独もしく溶液として反応
に供される。銅粉末の析出に用いられるヒドラジ
ン類の添加量は、その析出に必要な理論量の1〜
3倍量である。これは理論量未満では反応が完結
せず、未反応の銅化合物が残留し、逆に3倍量を
超えるとヒドラジン類が過剰に残留し非経済的だ
からである。いずれにしても、ヒドラジン類の添
加量は、ヒドラジン添加反応時の温度、PHおよび
所望の完結時間に応じて適切に決定される。 銅粉析出において、酸化銅スラリーの温度を30
〜80℃に設定する。これは、30℃未満では反応速
度が遅くて生成粉末の凝集が大きくなり、一方80
℃を超えると反応が激しくて得られる銅粉末の粒
度分布が広くなると同時に粒子が粗大化するため
である。 銅粉末の後処理 この発明において還元析出された銅粉末は、通
常の自然重力ロ過あるいは減速ロ過による固液分
離および水洗浄の後、必要に応じて後処理に施さ
れる。この発明において好ましい後処理として次
の態様を挙げることができ、この処理後に分散状
態の銅粉末を得る。 (a) 銅粉末をアルコールで処理する。 (b) 銅粉末をニカワ、水、アルコールで順次処理
する。 (c) 銅粉末をアルコール、脂肪酸で処理する。 (d) 銅粉末をニカワ、水、アルコール、脂肪酸で
順次処理する。 この後処理で用いられるアルコールは、銅粉末
の表面に付着した水分を置換除去するために使用
され、その目的に反しない限りアルコールの種類
は限定されない。この発明において好ましいアル
コールにはメタノール、エタノールがある。 この後処理で用いられるニカワは、銅粉末の凝
集を抑制して粉末の崇密度を高めるために使用さ
れる。この操作においてニカワ水溶液の濃度は例
えば0.5〜1.0g/であり、その添加量は銅粉末
重量に対して例えば0.1〜0.5重量%である。 この後処理において、アルコールによる水分除
去の後に、必要に応じて銅微粉末に脂肪酸を添加
処理し、銅粉末に耐酸化性を付与することができ
る。 この操作において使用する脂肪酸はステアリン
酸、オレイン酸、リノール酸等、好ましくはオレ
イン酸を濃度0.1〜0.5容量%のアルコール溶液と
して銅微粉末に対し0.005〜0.2重量%添加処理す
る。脂肪酸は単なる表面吸着だけでなく、例えば
オレイン酸銅といつた保護膜を形成し耐酸化性の
機能を付与するものと考える。 この様にして得られた銅微粉末は真空乾燥、凍
結乾燥等の特殊な乾燥法を使用することなく、通
常の乾燥法にて温度60〜90℃で乾燥することによ
つて直径3μm以下の高純度銅微粉末とすることが
できる。 〔発明の作用および効果〕 この発明の製造法によつて次のような作用・効
果を得ることができる。 (a) この発明の製造法によつて、約3μm以下の適
度の粒径および狭い粒度分布幅を有する銅微粉
末を得ることができる。これは、反応の機構は
必ずしも明らかではないが、この発明の製造方
法の各段階における反応が溶液中もしくはスラ
リー中で行なわれることおよび銅粉末の形成反
応が、直接に一段階で行なうのではなく、多段
階的に行なわれるためだと考えられる。 (b) この発明の方法のそれぞれの段階で中間生成
物の粉末物性を制御することにより最終的な銅
微粉末の物性を制御できるので、従来方法(特
開昭59−116303号)で必要とされるような凝集
防止材などの処理剤を反応の初めから添加して
粉末の物性を制御する必要がなく、しかも処理
剤の後工程への影響が起こりえない。 (c) 最終的に銅微粉末が生成した後で酸化防止処
理等の後処理を行えるので、これら後処理を制
御することにより多方面の用途に適した銅粉を
つくることができる。即ち本発明の銅粉の主た
る用途とした厚膜導電ペースト用以外の用途に
おいて本発明の後処理が不要あるいは悪影響を
及ぼす場合には該後処理を省略して膠あるいは
脂肪酸を付着させずに、例えば不活性ガス雰囲
気を保つて酸化させないようにして次の用途に
供することもできる、発明の初めから処理剤を
共存させる従来技術ではこのような多様性が得
られない。 (d) この発明の製造法において、原料はいずれも
入手が容易でありかつ取扱いも容易であり、反
応条件はいずれも穏やかであり、スラリーまた
は溶液中で反応が行なわれるので簡単な設備で
この製造法を実施することができる。 以上のごとく、本発明によると、従来困難とさ
れていた直径3ミクロン以下の銅微粉末を簡単な
設備で大量に高収率で製造できるという効果を有
する。さらに電子部品用ペースト材料として必要
な粒度分布幅の小さい、分散性の良好な、低比表
面積、高タツプで耐酸化性を有する高純度微粉末
であるといつた特性をも有する。 〔実施例〕 以下この説明を実施例に基づいてさらに具体的
に説明する。しかしながら、この例はこの発明の
理解のためであり、この発明の範囲をこの例に限
定しようとするものではない。 実施例 1 硫酸銅80Kgを水に溶解し、温度を40℃に保持し
ながらアンモニア水を添加し、水溶液のPHを4.0
に調製し銅水酸化物スラリーを形成後、水を添加
し全液量を160リツトルとする。 次いで温度を50℃、PH4.0を保持しながら抱水
比6.01Kg(理論量1.5倍)を添加し、60分間反応
させ酸化銅スラリーを生成させる。反応終了後60
分間静置し、上澄液を除去し、水を添加し全液量
を160リツトルとする。 次に温度50℃を保持しながら、抱水ヒドラジン
8.01Kg(理論量の2倍)を添加し、60分間反応さ
せる。これにより酸化銅は還元されて金属銅粉末
となる。 次いでこれを自然重力濾過器により濾過し、水
にて洗浄後、膠濃度0.5g/の膠溶液40リツトル
を通液濾過(水にて通液洗浄濾過、メタノール18
リツトルにて通液濾過、オレイン酸濃度0.2容量
%のメタノール溶液9リツトルにて通液濾過)の
各処理をした後、温度80℃の通常雰囲気で乾燥し
銅微粉末20Kgを得た。この収率は98%であつた。 得られた銅微粉末は分散性の良好な粒度分布幅
の小さい、粒径1.25ミクロン(最大粒子径2ミク
ロン以下)、比表面積0.73m2/gr、タツプ密度
3.68g/c.c.、酸素品位0.26%の不純物を殆んど含
まない高純度銅微粉末であつた。 この粉末を大気中に4ケ月間放置後の酸素品位
には殆んど変化はみられず、耐酸化性の優れた粉
末であることがわかる。 また、この粉末をガラスフリツト、有機バイン
ダー、有機溶剤とともに混練し銅ペーストとした
ものをアルミナ基板にスクリーン印刷し窒素雰囲
気中で焼成したものは優れたハンダ付け性、接着
強度、電気伝導性を有し、経時変化も少なく厚膜
回路として充分に特性を満足するものであつた。 本実施例において、酸化銅スラリーの上澄液除
去、新しい水の添加とその繰返しにより生成した
銅粉末の物性を測定したところ次のような結果が
えられた。これにより各種物性を制御しうること
が明らかである。
【表】
実施例 2
硫酸銅80Kgを水212リツトルに溶解し、温度40
℃に保持しながらアンモニア水31リツトルを添加
し、水溶液のPHを6.5に調整し銅水酸化物スラリ
ーを形成後、水を添加し全液量を320リツトルと
する。 次いで温度40℃、PH4.0を保持しながら抱水ヒ
ドラジン6.01Kgを添加し、60分間反応させ酸化銅
スラリーを生成させる。反応終了後60分間静置
し、上澄液を除去し水を添加し全液量を320リツ
トルとする。 次に温度50℃を保持しながら抱水ヒドラジン
8.01Kgを添加し、60分間反応させる。これにより
金属銅微粉末が還元析出する。 次いで実施例1と同じ処理を行つて銅微粉末
19.8Kgを得た。この収率は97%である。 得られた銅粉末は分散性良好な粒径0.36ミクロ
ン(最大粒子径0.6ミクロン以下)、比表面積1.80
m2/gr、タツプ密度3.28g/c.c.、酸素品位0.43%
の不純物を殆ど含まない高純度銅微粉末であつ
た。 また、この粉末も実施例1で得られた粉末と同
様に優れた耐酸化性を有し、厚膜回路として十分
な特性を示すものであつた。 比較例 1 アラビアゴム2gを3000c.c.の水に溶解した25℃
の溶液を撹拌しながら酸化第二銅125gを添加し
分散懸濁させた。 次いで25℃の80%抱水ヒドラジン水溶液360c.c.
を撹拌しながら添加し、3時間で60℃まで昇温
し、60℃で2時間保持した。その後室温まで冷却
し、濾過、水洗浄、アルコール洗浄後、40℃で乾
燥した。 得られた粉末は平均粒径1.2ミクロン、比表面
積0.55m2/c.c.、酸素品位4.46%の粒度分布幅の広
いものであつた。 また、この粉末は耐酸化安定性に劣り、大気中
1ケ月放置で殆んど酸化し凝集塊となつた。 比較例 2 アラビアゴム2gを3000c.c.の水に溶解した35℃
の溶液を撹拌しながら酸化第一銅110gを添加し
分散懸濁させた。 次いで35℃の80%抱水ヒドラジン水溶液160c.c.
を撹拌しながら添加し、3時間で60℃まで昇温
し、60℃で2時間保持した。その後室温まで冷却
し、濾過、水洗浄、アルコール洗浄後、40℃で乾
燥した。 得られた粉末は平均粒径0.18ミクロン、比表面
積3.83m2/c.c.、酸素品位3.97%の粒度分布幅の広
いものであつた。また、この粉末も比較例1と同
様に耐酸化安定性に劣るものであつた。 比較例 3 炭酸銅100gを水2000c.c.に溶解し、80%抱水ヒ
ドラジン水溶液300c.c.を撹拌しながら添加し、100
℃で8時間反応させた。その後室温まで冷却し、
濾過、水洗浄、アルコール洗浄処理して40℃で乾
燥した。 得られた粉末は平均粒径0.4ミクロン、比表面
積1.67m2/gr、酸素品位1.94%の凝集の激しい、
箔の混入したものであつた。 比較例 4(一段還元法) 硫酸銅80Kgを水に溶解し、温度40℃に保持しな
がらアンモニア水を添加し、水溶液のPHを4.0に
調整し銅水酸化物スラリーを形成後、水を添加し
全液量を160リツトルとする。次いで温度50℃、
PHを4.0に保持しながら抱水ヒドラジン15Kg(理
論量の3.74倍)を添加し、90分間反応させ、反応
終了後、実施例1と同様に処理して、銅粉末20.5
Kgを得た。 得られた銅粉末は崇高で分散性に乏しく、比表
面積3.8m2/g、タツプ密度2.5g/c.c.であり、こ
のものを実施例1と同様にペースト化したが吸油
量が大きくペースト化困難であると同時に、スク
リーン印刷性も不良であつた。 次に前記実施例1、実施例2と比較例4で得ら
れた銅粉末の粒度分布を測定した結果を順に表
1、表2と表3に示す。またこの結果をグラフで
示せば順に第1図、第2図と第3図のとおりであ
る。 これによれば、実施例1,2のとおり本発明の
二段還元反応により得られる銅粉末の粒度分布幅
は小さく、シヤープであり分散性に優れている
が、比較例4のように一段還元反応によりえられ
た銅粉末では凝集が激しく分散性に劣り粒度分布
幅の広いものになつていることが明らかである。
℃に保持しながらアンモニア水31リツトルを添加
し、水溶液のPHを6.5に調整し銅水酸化物スラリ
ーを形成後、水を添加し全液量を320リツトルと
する。 次いで温度40℃、PH4.0を保持しながら抱水ヒ
ドラジン6.01Kgを添加し、60分間反応させ酸化銅
スラリーを生成させる。反応終了後60分間静置
し、上澄液を除去し水を添加し全液量を320リツ
トルとする。 次に温度50℃を保持しながら抱水ヒドラジン
8.01Kgを添加し、60分間反応させる。これにより
金属銅微粉末が還元析出する。 次いで実施例1と同じ処理を行つて銅微粉末
19.8Kgを得た。この収率は97%である。 得られた銅粉末は分散性良好な粒径0.36ミクロ
ン(最大粒子径0.6ミクロン以下)、比表面積1.80
m2/gr、タツプ密度3.28g/c.c.、酸素品位0.43%
の不純物を殆ど含まない高純度銅微粉末であつ
た。 また、この粉末も実施例1で得られた粉末と同
様に優れた耐酸化性を有し、厚膜回路として十分
な特性を示すものであつた。 比較例 1 アラビアゴム2gを3000c.c.の水に溶解した25℃
の溶液を撹拌しながら酸化第二銅125gを添加し
分散懸濁させた。 次いで25℃の80%抱水ヒドラジン水溶液360c.c.
を撹拌しながら添加し、3時間で60℃まで昇温
し、60℃で2時間保持した。その後室温まで冷却
し、濾過、水洗浄、アルコール洗浄後、40℃で乾
燥した。 得られた粉末は平均粒径1.2ミクロン、比表面
積0.55m2/c.c.、酸素品位4.46%の粒度分布幅の広
いものであつた。 また、この粉末は耐酸化安定性に劣り、大気中
1ケ月放置で殆んど酸化し凝集塊となつた。 比較例 2 アラビアゴム2gを3000c.c.の水に溶解した35℃
の溶液を撹拌しながら酸化第一銅110gを添加し
分散懸濁させた。 次いで35℃の80%抱水ヒドラジン水溶液160c.c.
を撹拌しながら添加し、3時間で60℃まで昇温
し、60℃で2時間保持した。その後室温まで冷却
し、濾過、水洗浄、アルコール洗浄後、40℃で乾
燥した。 得られた粉末は平均粒径0.18ミクロン、比表面
積3.83m2/c.c.、酸素品位3.97%の粒度分布幅の広
いものであつた。また、この粉末も比較例1と同
様に耐酸化安定性に劣るものであつた。 比較例 3 炭酸銅100gを水2000c.c.に溶解し、80%抱水ヒ
ドラジン水溶液300c.c.を撹拌しながら添加し、100
℃で8時間反応させた。その後室温まで冷却し、
濾過、水洗浄、アルコール洗浄処理して40℃で乾
燥した。 得られた粉末は平均粒径0.4ミクロン、比表面
積1.67m2/gr、酸素品位1.94%の凝集の激しい、
箔の混入したものであつた。 比較例 4(一段還元法) 硫酸銅80Kgを水に溶解し、温度40℃に保持しな
がらアンモニア水を添加し、水溶液のPHを4.0に
調整し銅水酸化物スラリーを形成後、水を添加し
全液量を160リツトルとする。次いで温度50℃、
PHを4.0に保持しながら抱水ヒドラジン15Kg(理
論量の3.74倍)を添加し、90分間反応させ、反応
終了後、実施例1と同様に処理して、銅粉末20.5
Kgを得た。 得られた銅粉末は崇高で分散性に乏しく、比表
面積3.8m2/g、タツプ密度2.5g/c.c.であり、こ
のものを実施例1と同様にペースト化したが吸油
量が大きくペースト化困難であると同時に、スク
リーン印刷性も不良であつた。 次に前記実施例1、実施例2と比較例4で得ら
れた銅粉末の粒度分布を測定した結果を順に表
1、表2と表3に示す。またこの結果をグラフで
示せば順に第1図、第2図と第3図のとおりであ
る。 これによれば、実施例1,2のとおり本発明の
二段還元反応により得られる銅粉末の粒度分布幅
は小さく、シヤープであり分散性に優れている
が、比較例4のように一段還元反応によりえられ
た銅粉末では凝集が激しく分散性に劣り粒度分布
幅の広いものになつていることが明らかである。
【表】
【表】
【表】
【表】
叙上の実施例に明らかなごとく、本発明による
銅微粉末の製造法は従来の方法によつて得られる
銅粉末よりその特性において優れ、かつ簡便な設
備を用いて大量に高収率で製造しうるもので甚だ
有用な発明である。
銅微粉末の製造法は従来の方法によつて得られる
銅粉末よりその特性において優れ、かつ簡便な設
備を用いて大量に高収率で製造しうるもので甚だ
有用な発明である。
第1図、第2図と第3図は順に明細書の実施例
1、実施例2と比較例4によりえられた銅粉末の
粒度分布を示すグラフである。
1、実施例2と比較例4によりえられた銅粉末の
粒度分布を示すグラフである。
Claims (1)
- 1 銅イオン含有水溶液とアルカリを、PHを3〜
7に、液温を20〜60℃に維持しながら、反応させ
てえられた反応混合物からなる水酸化銅スラリー
に、そのスラリーのPHを3〜6に、温度を30〜90
℃に維持しながら、ヒドラジンおよび/またはヒ
ドラジン化合物を、酸化銅を生成するに必要な理
論量の1〜3倍量添加して酸化銅スラリーをつく
り、静置後このスラリーの上澄液を除去し、新た
に水を添加し、更にそのスラリーの温度を30〜80
℃に維持しながら、ヒドラジンおよび/またはヒ
ドラジン化合物を、酸化銅を金属銅に還元するに
必要な理論量の1〜3倍量添加して銅粉末に還元
析出させることを特徴とする銅粉末の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24087585A JPS6299406A (ja) | 1985-10-28 | 1985-10-28 | 銅粉末の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24087585A JPS6299406A (ja) | 1985-10-28 | 1985-10-28 | 銅粉末の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6299406A JPS6299406A (ja) | 1987-05-08 |
| JPH0557324B2 true JPH0557324B2 (ja) | 1993-08-23 |
Family
ID=17065993
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24087585A Granted JPS6299406A (ja) | 1985-10-28 | 1985-10-28 | 銅粉末の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6299406A (ja) |
Families Citing this family (12)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2638271B2 (ja) * | 1990-09-06 | 1997-08-06 | 住友金属工業株式会社 | 銅微粉末の製造方法 |
| US6620344B2 (en) | 1999-05-28 | 2003-09-16 | Dowa Mining Co., Ltd. | Copper particle clusters and powder containing the same suitable as conductive filler of conductive paste |
| KR100743844B1 (ko) | 1999-12-01 | 2007-08-02 | 도와 마이닝 가부시끼가이샤 | 구리 분말 및 구리 분말의 제조 방법 |
| US6881240B2 (en) | 2000-09-18 | 2005-04-19 | Dowa Mining Co., Ltd. | Copper powder for electrically conductive paste |
| KR100405970B1 (ko) * | 2001-09-18 | 2003-11-14 | 한국과학기술연구원 | 유기용매를 이용한 카파 미분말의 합성방법 |
| KR100486604B1 (ko) * | 2002-10-30 | 2005-05-03 | (주)창성 | 습식환원법에 의한 극미세 구리분말의 제조방법 |
| JP5144022B2 (ja) * | 2006-03-24 | 2013-02-13 | 三井金属鉱業株式会社 | 銅粉の製造方法及びその製造方法で得られた銅粉 |
| JP5392884B2 (ja) * | 2007-09-21 | 2014-01-22 | 三井金属鉱業株式会社 | 銅粉の製造方法 |
| WO2014080662A1 (ja) | 2012-11-26 | 2014-05-30 | 三井金属鉱業株式会社 | 銅粉及びその製造方法 |
| JP6004034B1 (ja) * | 2015-04-21 | 2016-10-05 | 住友金属鉱山株式会社 | 銅粉末 |
| JP6908398B2 (ja) | 2017-03-08 | 2021-07-28 | 株式会社Adeka | 樹脂組成物、硬化物を形成する方法および硬化物 |
| CN113549948B (zh) * | 2021-07-28 | 2022-12-30 | 中国科学技术大学 | 一种表面氨基修饰的Cu@NH2纳米催化剂、其制备方法及应用 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5896802A (ja) * | 1981-12-04 | 1983-06-09 | Tadaharu Ogawa | 湿式還元による金属微粉末の製造方法 |
| JPS58224103A (ja) * | 1982-06-21 | 1983-12-26 | Mitsui Mining & Smelting Co Ltd | 銅微粉の製造法 |
-
1985
- 1985-10-28 JP JP24087585A patent/JPS6299406A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6299406A (ja) | 1987-05-08 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |