JPH0558730A - 高強度リブ付き炭素繊維強化炭素複合材料構造体 - Google Patents

高強度リブ付き炭素繊維強化炭素複合材料構造体

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JPH0558730A
JPH0558730A JP3215367A JP21536791A JPH0558730A JP H0558730 A JPH0558730 A JP H0558730A JP 3215367 A JP3215367 A JP 3215367A JP 21536791 A JP21536791 A JP 21536791A JP H0558730 A JPH0558730 A JP H0558730A
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rib
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Hidehiko Mitsuma
秀 彦 三津間
Tomoyuki Kobayashi
林 智 之 小
Tatsuya Yamamoto
本 達 也 山
Akihito Sakai
井 昭 仁 酒
Shoji Maekawa
川 昭 二 前
Hirotoshi Nakayama
山 裕 敏 中
Shigeru Takano
野 茂 高
Tomoyuki Uruno
智 之 宇留野
Osamu Ebato
修 江波戸
Mitsuo Saga
峨 三 男 嵯
Tsuneo Kaneshiro
城 庸 夫 金
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼成炭化においてへこみ、反りなどの変形や
き裂、割れのない良好な形状を有する高強度リブ付きC
/C構造体を提供する。 【構成】 リブを立てた炭素繊維強化炭素複合材料構造
体において、リブの付け根部分の充填材に、残炭率が2
5%以上の熱硬化性樹脂をバインダーとして付着させた
(付着量は10〜50重量%)炭素繊維織布を使用した
リブ付き炭素繊維強化炭素複合材料構造体であって、焼
成時の欠陥発生がなく安定して製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、宇宙往還機のノーズコ
ーンやリーディングエッジおよび機体表面の耐熱パネル
等、比較的板厚が薄く強度を必要とする耐熱性航空宇宙
用材料として使用される高強度リブ付き炭素繊維強化炭
素複合材料構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】航空機などに用いる繊維強化プラスチッ
ク(以下、FRPと略記する)では、全体として剛性が
高く、かつ軽量で強度のある構造とするために、図1に
示すようなリブ1を立てるが、その際、構造体中に欠陥
の原因となる空間を無くすことを目的としてこのリブ1
の付け根部分に充填材2を配置する。FRPの場合、リ
ブの付け根部分の充填材には、表面に熱硬化性樹脂を付
着させた炭素繊維を一方向に引き揃えたプリプレグ(以
下、UDプリプレグと略記する)を使用することが一般
的に行なわれている。
【0003】図1に示した例の場合は、3体の予備成形
体3〜5と充填材2を組み合わせて仕上げ成形を行う。
FRPに用いる充填材には、UDプリプレグ以外に、短
繊維と樹脂類を混練したものなども使用可能であるが、
作業性、繊維充填率、成形性などの点から、UDプリプ
レグが最も有利である。3、4はL字型、5は平板の各
成形体である。
【0004】このUDプリレグを作るには、1000〜
6000本の炭素繊維を1束として巻き取ったボビンよ
り炭素繊維を引き出し樹脂液中を通すことによって繊維
束内部に樹脂を含浸したのち離型紙に巻き取る方法や、
離型紙上に繊維を引き揃えたシートに樹脂を塗布するな
どの方法を用いてプリプレグ化することができる。
【0005】一方、炭素繊維強化炭素複合材料(以下、
C/Cと略記する)は、耐熱性や耐薬品性に優れ、かつ
高強度、軽量であり、例えば、フェノール樹脂、フラン
樹脂等の熱硬化性樹脂を炭素繊維に含浸したシートを作
り、所望の枚数を積層し、加圧・加熱下で樹脂を硬化さ
せ樹脂成形体を作製した後、この樹脂成形体を不活性雰
囲気下、800℃以上の温度で焼成炭化したものが、一
般に知られている。
【0006】しかし、リブ付きC/C構造体の場合に
は、製造方法として、前記したC/Cの製造方法に従
い、リブの付け根部分の充填材に,FRPの場合と同
様、UDプリプレグを配置して製作すると、図1に示す
逆T型構造体では、リブの付け根部分が図2〜4のよう
に、著しく変形したり、リブを立てた面の層間または充
填材2にき裂6や割れ7が発生するという問題があっ
た。また、図5に示すI字型構造体では、リブの付け根
部分が図6、図7のように著しく変形したり、リブを立
てた面の層間または充填材2にき裂6や割れ(図示せ
ず)が発生するという問題があった。8はU字型成形体
である。
【0007】これらの変形、き裂および割れの原因は、
充填材部における樹脂の炭化収縮が大きいためである。
【0008】この現象は、UDプリプレグの繊維軸直角
方向の収縮が大きいほど増大する。また、樹脂成形体を
焼成炭化する際の樹脂類の熱分解によるガスの発生抑制
とガス抜け性の向上、および収縮による板厚の減少など
を改善する目的で、マトリックス前駆体である樹脂類に
炭素質等の微粉末を添加混合する方法がある。この方法
によれば成形体焼成時の発泡および膨れ等による比較的
大きな寸法の欠陥を無くすことにより、品質を安定させ
ることができる。
【0009】しかし、薄板のC/Cの場合には、構造体
全体に微粉末を添加すると炭素繊維の体積分率の低下、
微粉末による繊維の損傷などによる強度の低下が顕著に
現れるため、この方法は高強度のC/C薄板を製造する
には好ましくない。
【0010】リブ付きC/C構造体の場合には、リブの
付け根部分の充填材に,FRPの場合と同様、UDプリ
プレグを配置して作製した後、前記したC/Cの製造方
法に従い焼成炭化すると、リブの付け根部分が図2、図
6のように著しく変形したり、充填材2中に割れ7が発
生する(図4参照)という問題があった。
【0011】また、UDプリプレグを用いた充填材はリ
ブの軸方向に炭素繊維が並んでいるため、き裂がリブ軸
方向に連続して入りやすく、このためばらばらになりや
すいとう問題もあった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術における前記問題点を解決し、焼成炭化においてへ
こみ、反りなどの変形やき裂、割れのない良好な形状を
有する高強度リブ付きC/C構造体を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
を解決するために、鋭意研究した結果、リブの付け根部
分に、炭素繊維織布または炭素繊維織布および微粉末を
主成分にした充填材を配置したリブ付きC/Cは、焼成
炭素化した際の変形、割れの発生がない良好な形状を有
する高強度リブ付きC/C構造体であることを見いだ
し、本発明に至った。変形および割れの原因は、充填材
部における樹脂の炭化収縮が大きいためである。
【0014】すなわち、上記目的を達成するために本発
明の第1の態様によれば、少なくとも一つのリブを立て
た炭素繊維強化炭素複合材料構造体において、前記リブ
の付け根部分の充填材が樹脂に由来する炭素と炭素繊維
織布からなることを特徴とする高強度リブ付き炭素繊維
強化炭素複合材料構造体が提供される。
【0015】ここで、前記充填材に占める炭素繊維織布
の割合が50〜90重量%であるのが好ましい。
【0016】また、本発明の第2の態様によれば、少な
くとも一つのリブを立てた炭素繊維強化炭素複合材料構
造体において、前記リブの付け根部分の充填材が樹脂に
由来する炭素、炭素繊維織布および微粉末からなること
を特徴とする高強度リブ付き炭素繊維強化炭素複合材料
構造体が提供される。
【0017】ここで、前記微粉末は、粒径10nm〜1
0μmの炭素質および/またはセラミックス微粉末であ
り、添加量が焼成炭化後の充填材に対して5〜50重量
%であるのが好ましい。
【0018】前記樹脂は、残炭率が25%以上の熱硬化
性樹脂であるのが好ましい。
【0019】以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0020】まず、本発明の第1の態様においてリブが
1つの場合について図1〜7を参照して説明する。
【0021】リブの付け根部分の充填材となる炭素繊維
織布としては、通常市販されているPAN系、ピッチ系
およびレーヨン系炭素繊維の、平織り、朱子織り、斜文
織り等の織布を挙げることができる。また、織布を織る
炭素繊維ロービングの太さは特に限定されないが、緻密
な充填材としてリブの付け根部分の変形を防ぐために
は、3K、1K、0.5K等できるだけ細いものが好適
である。
【0022】リブの付け根部分以外に使用する炭素繊維
としては、前記したリブの付け根部分の充填材となる炭
素繊維織布および/または炭素繊維ロービングを一方向
に引き揃えたシート状のものを挙げることができる。ま
た、それぞれのロービングの太さは特に限定されない。
【0023】本発明に用いられる樹脂としては、熱硬化
性樹脂が好ましい。特に好ましくはフェノール樹脂であ
るが、その他、フラン樹脂、エポキシ樹脂、ポリベンゾ
イミダゾール樹脂等も使用可能である。フェノール樹脂
が好ましいのは、安価でかつ取り扱い易いこと等によ
る。
【0024】また、残炭率が25%以上の熱硬化性樹脂
が好ましい。25%未満の場合は、焼成炭化後、熱硬化
性樹脂が炭化して生成する炭素のバインダーとしての力
が弱くなり充填材部分にき裂が発生する。
【0025】なお、本発明での残炭率とは、樹脂を不活
性雰囲気下1000℃まで加熱した際に残る炭素重量の
加熱前の樹脂の重量に対する割合(重量%)を示す。
【0026】樹脂を炭素繊維の織布に付着させてリブ付
け根部分の充填材用材料を得る方法としては、樹脂の溶
液に炭素繊維織布を含浸する方法、炭素繊維織布に樹脂
粉末を付着させた後、加熱して樹脂を炭素繊維織布中に
しみこませる方法などがあるが、樹脂を均一に炭素繊維
に付着させる方法であればいずれの方法であっても良
い。
【0027】付着させる樹脂の量は、樹脂を付着させた
炭素繊維織布を不活性雰囲気下、1000℃まで加熱し
た際の全体重量に対し炭素繊維の割合が50〜90重量
%にするのがよい。50重量%未満の場合は、焼成炭化
後のリブ付け根部分の収縮が激しく、変形が生じる。ま
た、90重量%超の場合は樹脂に由来する炭素のバイン
ダー力が不足して、き裂が発生する。
【0028】リブ付け根部以外に用いる炭素繊維シート
を得る方法として、炭素繊維織布に樹脂を付着させたも
のを得る場合は、上記したリブ付け根部に用いる充填材
用炭素繊維シートを得る方法、炭素繊維を一方向に引き
揃えたシートを得る場合は、炭素繊維ロービングを一方
向に引き揃えた後、樹脂溶液を塗布、乾燥して溶媒を除
去しシートにする方法、または炭素繊維ロービングを一
方向に揃えた後、樹脂のフィルムではさみ、加熱および
加圧して樹脂を炭素繊維ロービング中にしみこませてシ
ートにする方法が挙げられる。その際、付着させる樹脂
の量は、30〜50重量%が好ましい。
【0029】つぎに、上記した方法により、各部分に用
いる炭素繊維シートを得た後、リブ付きC/C構造体を
得る方法の一例について説明する。
【0030】平板5、L字型1、U字型8に積層したパ
ーツを充填材2パーツと組み合わせ、成形用オートクレ
ーブ中で加圧および加熱して樹脂を硬化させ、前駆樹脂
成形体を得る。加熱温度、加圧圧力は使用する樹脂の種
類により異なるが、通常100〜200℃、10kg/cm2
以下の条件で行う。
【0031】次に、前記前駆樹脂成形体を不活性雰囲気
下で焼成炭化してリブ付きC/C構造体とすることがで
きる。前駆樹脂成形体を炭化する炭化炉は、窒素、アル
ゴン等の不活性ガス雰囲気炉か、または大気炉が用いら
れ、大気炉の場合は焼成する前駆樹脂成形体をコークス
粉末等の中に埋め込み、酸化を防止する必要がある。
【0032】また昇温速度は、急激なガスの発生による
焼成物の膨れ、割れ等の発生を防ぎ樹脂の残炭率を向上
させるために、1〜10℃/h程度のゆっくりした昇温
速度がよい。
【0033】またさらに、必要に応じて高密度、高強度
とするために、フラン樹脂、ピッチ等を含浸し焼成する
工程をくり返すことにより緻密化させることができる。
【0034】つぎに、本発明の第2の態様について説明
する。この構造体は、リブの付け根部分の充填材が樹脂
に由来する炭素および炭素繊維織布のほかに微粉末を有
するほかは第1の態様と同じである。
【0035】すなわち、焼成炭化時の充填材部の収縮を
抑制するたに、充填材用炭素繊維織布をプリプレグ化す
る際に微粉末をいれる。この場合、充填材部の収縮を抑
制するために添加するのであるから、微粉末は1000
℃程度の熱処理で収縮しないこと、また周囲の炭素繊維
と反応することによってパネル自体の強度を低下させる
ことのない素材であることを考慮して選択しなけれなら
ない。具体的には、粒径10nm〜10μmの炭素質微
粉末、例えば黒鉛粉末、その他の炭素質微粉末(例えば
カーボンブラック)、セラミックス微粉末(SiC,T
iC,WC,ZrC,Hf C等の粉末)などで1000
℃程度の熱処理によって収縮せず炭素繊維とも反応しな
い微粉末である。
【0036】また、充填材部分自体は、強度には関係な
く単に空隙を埋めることによって欠陥の発生を防ぐため
であるから、微粉末の添加による充填材部分のみの強度
劣化も問題とはならない。
【0037】添加量は、焼成炭化後の充填材部分におい
て5重量%未満では収縮を抑制する効果が少なく、50
重量%超では樹脂量が不足しバインダーとしての能力が
無くなることと成形性が低下することから、好ましくは
5〜50重量%、さらに好ましくは10〜40重量%と
なるように添加することが望ましい。
【0038】微粉末を添加するためには、粒径が細かす
ぎると混合し難くなり、粒径が大きすぎると直径およそ
7μmの炭素繊維束の内部に均一に分散しないため、1
0nm〜10μm、好ましくは50nm〜1μmのもの
を使用することが望ましい。
【0039】樹脂および微粉末を炭素繊維の織布に付着
させてリブ付け根部の充填材用プリプレグを得る方法と
しては、樹脂および微粉末の混合溶液に炭素繊維織布を
含浸する方法、炭素繊維織布に樹脂および微粉末を付着
させた後、加熱して樹脂を炭素繊維織布中にしみこませ
る方法などがあるが、樹脂および微粉末を均一に炭素繊
維織布に付着させる方法であればいずれの方法であって
も良い。
【0040】使用する樹脂類が固体もしくは粘度が高く
必要量の微粉末を均一に分散できない場合、または微粉
末を添加することによって粘度が高くなり作業性が悪化
する場合は、加熱または溶媒を加えることにより粘度を
調整することができる。
【0041】付着させる樹脂の量は、樹脂および微粉末
を付着させた炭素繊維織布を不活性雰囲気下、1000
℃まで加熱した際の全体重量に対し樹脂の炭化したこと
による炭素重量の割合が20〜40重量%にするのがよ
い。20重量%未満の場合は樹脂に由来する炭素のバイ
ンダー力が不足して、き裂が発生する。40重量%超の
場合は、焼成炭化後のリブ付け根部分の収縮が激しく、
変形が生じる。
【0042】リブ付け根部分以外に用いる炭素繊維織布
に樹脂を付着させたプリプレグを得る方法としては、樹
脂の溶液に炭素繊維織布を含浸する方法、炭素繊維織布
に樹脂粉末を付着させた後、加熱して樹脂を炭素繊維織
布中にしみこませる方法などがあるが、樹脂を均一に炭
素繊維織布に付着させる方法であればいずれの方法であ
っても良い。炭素繊維を一方向に引き揃えたシートを得
る場合は、1000〜6000本の炭素繊維を1束とし
て巻き取ったボビンより炭素繊維を引き出し樹脂液中を
通すことによって繊維束内部に樹脂を含浸したのち離型
紙に巻き取る方法や、離型紙上に繊維を引き揃えたシー
トに樹脂を塗布するなどの方法を用いてプリプレグ化す
ることができる。その他、炭素繊維ロービングを一方向
に引き揃えたのち、樹脂溶液を塗布、乾燥して溶媒を除
去しシートにする方法、または炭素繊維ロービングを一
方向に引き揃えた後、樹脂のフィルムではさみ、加熱お
よび加圧して樹脂を炭素繊維ロービング中にしみこませ
てシートにする方法等が挙げられる。その際、付着させ
る樹脂の量は、30〜50重量%が好ましい。
【0043】つぎに、上記した方法により、各部分に用
いる炭素繊維シートを得た後、上記第1の態様と同様に
して、前駆樹脂成形体を得、さらに、焼成炭化してリブ
付きC/C構造体とする。
【0044】以上の方法により、充填材部分の割れがな
くなり、かつ収縮による周囲の引き込みもなくなったこ
とで、へこみ、反りもない良好で高強度のC/C薄板パ
ネルを得ることができる。
【0045】次に、リブが複数の場合について図8、9
を参照して簡単に説明する。
【0046】図9は、従来の連続逆T型リブ付きC/C
構造体の一例を示す線図である。この場合は、リブの付
け根部分が著しく変形し、へこみを有する。
【0047】図8は、本発明の連続逆T型リブ付きC/
C構造体の一例を示す線図である。この場合は、焼成炭
化においてへこみ、反りなどの変形やき裂、割れのない
良好な形状を得ることができる。
【0048】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。
【0049】(実施例1)炭素繊維ロービング(トレカ
T300,3K)を8枚朱子織りに織った織布を、フェ
ノール樹脂(レジトップPL2211、残炭率50%:
群栄化学(株)製)の30%アセトン溶液に含浸し、室
温で1日間放置しアセトンを揮発させて、樹脂を付着さ
せた炭素繊維シートを得た。樹脂の付着量は、樹脂の炭
化に由来する炭素と炭素繊維織布の合計重量に対し炭素
繊維の重量が60%になるように調整した。
【0050】このシートを5枚積層して平板のパーツ1
個と、L字型のパーツを2個とを作製した。また上記シ
ートを折り曲げて、断面が三角形で一辺の長さが約4m
mの充填材用パーツを作成した。つぎに、それぞれのパ
ーツを組み合わせ、逆T型にして、オートクレーブ中、
2kg/cm2の圧力下で、150℃、180分間加熱して、
前駆樹脂成形体とした。この成形体を窒素雰囲気下10
℃/hの昇温速度で1000℃まで加熱し焼成炭化し
て、リブ付きC/Cを得た。この焼成炭化後の状態を表
1に示す。
【0051】(実施例2)炭素繊維ロービング(トレカ
M−40,3K)を平織りに織った織布を、フェノール
樹脂(RM3000K、残炭率55%:旭有機材工業
(株)製)の30%メタノール溶液に含浸し、室温で1
日間放置しメタノールを揮発させて、樹脂を付着させた
炭素繊維シートを得た。樹脂の付着量は、樹脂の炭化に
由来する炭素と炭素繊維織布の合計重量に対し炭素繊維
の重量が70%になるよう調整した。
【0052】このシートを5枚積層して平板のパーツ2
個と、U字型のパーツ2個を作製した。また上記シート
を折り曲げて、断面が三角形で一辺の長さが約4mmの
充填材用パーツを作製した。つぎに、それぞれのパーツ
を組み合わせ、I型にして、オートクレーブ中、1kg/c
m2の圧力下で、180℃180分間加熱して、前駆樹脂
成形体とした。この成形体を窒素雰囲気下5℃/hの昇
温速度で1000℃まで加熱し焼成炭化して、リブ付き
C/Cを得た。この焼成炭化後の状態を表1に示す。
【0053】(実施例3)炭素繊維ロービング(トレカ
M−40,1K)を平織りに織った織布を、フェノール
樹脂(レジトップPL2211、残炭率50%:群栄化
学(株)製)の30%アセトン溶液に含浸し、室温で1
日間放置しアセトンを揮発させて、樹脂を付着させた充
填材用の炭素繊維シートを得た。樹脂の付着量は、樹脂
の炭化に由来する炭素と炭素繊維織布の合計重量に対し
炭素繊維の重量が65%になるよう調整した。
【0054】一方、炭素繊維ロービング(トレカM−4
0,6K)を一方向に引き揃えた後、フェノール樹脂
(レジトップPL2211)の30%アセトン溶液をス
プレーで塗布、1日間室温で乾燥して充填材以外の部分
に用いる炭素繊維シートを得た。樹脂の付着量は40重
量%であった。実施例1と同様の方法により、平板、L
字型、充填材のパーツをそれぞれ作製し、成形、焼成炭
化して、リブ付きC/Cを得た。なお、リブの付け根部
分以外に用いた一方向炭素繊維シートの積層構成は、0
度、90度の対象積層で、全積層枚数は8枚で行った。
この焼成炭化後の状態を表1に示す。
【0055】(比較例1)実施例1において、充填材に
使用する炭素繊維シートが、炭素繊維ロービング(トレ
カM−40,6K)を一方向に引き揃えた後、フェノー
ル樹脂(レジトップPL2211)の30%アセトン溶
液をスプレーで塗布、室温で1日間乾燥して得た炭素繊
維シート(UDプリプレグ)を用いる以外は実施例1と
同様に処理して比較対照用のリブ付きC/Cを得た。な
お、上記炭素繊維シートの樹脂付着量は、樹脂の炭化に
由来する炭素と炭素繊維織布の合計量に対し炭素繊維の
重量が65%になるように調整した。この焼成炭化後の
状態を表1に示す。
【0056】(比較例2)実施例1において、充填材に
使用する炭素繊維シートが、炭素繊維ロービング(トレ
カT300,3K)を8枚朱子織りに織った炭素繊維織
布にフェノール樹脂(レジトップPL2211)を、樹
脂の炭化に由来する炭素と炭素繊維織布の合計重量に対
し炭素繊維の重量が5%になるよう付着させたものであ
る以外は実施例1と同様に処理して、比較対照用リブ付
きC/Cを得た。この焼成炭化後の状態を表1に示す。
【0057】(比較例3)実施例3において、充填材に
使用する炭素繊維シートが、炭素繊維ロービング(トレ
カT300,3K)を8枚朱子織りに織った炭素繊維織
布にフェノール樹脂(レジトップPL2211)を、樹
脂の炭化に由来する炭素と炭素繊維織布の合計重量に対
し炭素繊維の重量が40%になるよう付着させたもので
ある以外は実施例3と同様に処理して、比較対照用のリ
ブ付きC/Cを得た。この焼成炭化後の状態を表1に示
す。
【0058】(比較例4)実施例2において、充填材に
使用する炭素繊維織布に付着させる熱硬化性樹脂が残炭
率10%のエポキシ樹脂である以外は実施例2と同様の
条件で処理して、比較対照用のリブ付きC/Cを得た。
この焼成炭化後の状態を表1に示す。
【0059】
【0060】(実施例4)炭素繊維ロービング(トレカ
T300,3K)を8枚朱子織りに織った織布を、フェ
ノール樹脂(レジトップPL2211、残炭率50%:
群栄化学(株)製)の30%アセトン溶液に含浸し、室
温で1日間放置しアセトンを揮発させて、樹脂を付着さ
せた炭素繊維シートを得た。樹脂の付着量は、樹脂の炭
化に由来する炭素と炭素繊維織布の重量に対し炭素繊維
の重量が60%になるように調整した。
【0061】このシートを5枚積層して予備成形体を作
成した。前記希釈樹脂液中に黒鉛粉末を添加混合し充填
材用炭素繊維織布に含浸させ、樹脂と黒鉛粉末を付着さ
せた。樹脂、黒鉛粉末および炭素繊維の割合は、焼成炭
化後の重量比でそれぞれ25%、30%、45%になる
ように調整した。このプリプレグを折り曲げて、断面が
三角形で一辺の長さが約4mmの充填材用パーツを作成
した。つぎに、それぞれのパーツを組み合わせ、逆T型
にして、成形用オートクレーブ中、2kg/cm2の圧力下
で、150℃、180分間加熱して、前駆樹脂成形体と
した。この成形体を窒素雰囲気下10℃/hの昇温速度
で1000℃まで加熱し焼成炭化して、変形や充填部の
割れのない良好なリブ付きC/Cを得た。
【0062】(比較例5)実施例4と同様の方法でリブ
付きC/Cを作成するに当たり、樹脂、黒鉛粉末および
炭素繊維の割合を、焼成炭化後の重量比でそれぞれ43
%、2%、55%になるように調整した。その他はすべ
て実施例4と同一方法で処理した結果、図2に示すよう
な、へこみが生じた。
【0063】(比較例6)実施例4と同様の方法でリブ
付きC/Cを作成するに当たり、樹脂、黒鉛粉末および
炭素繊維の割合を、焼成炭化後の重量比でそれぞれ10
%、55%、35%になるように調整した。その他はす
べて実施例4と同一方法で処理した結果、バインダーと
しての樹脂量が不足し、充填材部とその周囲が接着せ
ず、割れが生じた。
【0064】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、本発明のリブ付きC/C構造体は、焼成炭化
時の変形、層間き裂等の欠陥を有しない構造体であっ
て、特に宇宙航空用材料等比較的板厚が薄く強度を必要
とする耐熱性軽量材料として広い用途が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の逆T型リブ付きC/C構造体の一例
を示す線図である。
【図2】 従来のへこみを有する逆T型リブ付きC/C
構造体の一例を示す線図である。
【図3】 従来のき裂を有する逆T型リブ付きC/C構
造体の一例を示す線図である。
【図4】 従来の割れを有する逆T型リブ付きC/C構
造体の一例を示す説明図である。
【図5】 本発明のI型リブ付きC/C構造体の一例を
示す線図である。
【図6】 従来のへこみを有するI型リブ付きC/C構
造体の一例を示す線図である。
【図7】 従来のき裂を有するI型リブ付きC/C構造
体の一例を示す線図である。
【図8】 本発明の連続逆T型リブ付きC/C構造体の
一例を示す線図である。
【図9】 従来のへこみを有する連続逆T型リブ付きC
/C構造体の一例を示す線図である。
【符号の説明】
1 リブ 2 充填材 3,4 L字型成形体 5 平板成形体 6 き裂 7 割れ 8 U字型成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松 下 正 茨城県つくば市千現2丁目1番1 宇宙開 発事業団筑波宇宙センター内 (72)発明者 三津間 秀 彦 茨城県つくば市千現2丁目1番1 宇宙開 発事業団筑波宇宙センター内 (72)発明者 小 林 智 之 茨城県つくば市千現2丁目1番1 宇宙開 発事業団筑波宇宙センター内 (72)発明者 山 本 達 也 岐阜県各務原市川崎町1番地 川崎重工業 株式会社岐阜工場内 (72)発明者 酒 井 昭 仁 岐阜県各務原市川崎町1番地 川崎重工業 株式会社岐阜工場内 (72)発明者 前 川 昭 二 岐阜県各務原市川崎町1番地 川崎重工業 株式会社岐阜工場内 (72)発明者 中 山 裕 敏 岐阜県各務原市川崎町1番地 川崎重工業 株式会社岐阜工場内 (72)発明者 高 野 茂 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 宇留野 智 之 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 江波戸 修 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 嵯 峨 三 男 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 金 城 庸 夫 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つのリブを立てた炭素繊維
    強化炭素複合材料構造体において、前記リブの付け根部
    分の充填材が樹脂に由来する炭素と炭素繊維織布からな
    ることを特徴とする高強度リブ付き炭素繊維強化炭素複
    合材料構造体。
  2. 【請求項2】 前記充填材に占める炭素繊維織布の割合
    が50〜90重量%である請求項1に記載の高強度リブ
    付き炭素繊維強化炭素複合材料構造体。
  3. 【請求項3】 少なくとも一つのリブを立てた炭素繊維
    強化炭素複合材料構造体において、前記リブの付け根部
    分の充填材が樹脂に由来する炭素、炭素繊維織布および
    微粉末からなることを特徴とする高強度リブ付き炭素繊
    維強化炭素複合材料構造体。
  4. 【請求項4】 前記微粉末は、粒径10nm〜10μm
    の炭素質および/またはセラミックス微粉末であり、添
    加量が焼成炭化後の充填材に対して5〜50重量%であ
    る請求項3に記載の高強度リブ付き炭素繊維強化炭素複
    合材料構造体。
  5. 【請求項5】 前記樹脂は、残炭率が25%以上の熱硬
    化性樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の高強度
    リブ付き炭素繊維強化炭素複合材料構造体。
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