JPH056587B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH056587B2 JPH056587B2 JP21109784A JP21109784A JPH056587B2 JP H056587 B2 JPH056587 B2 JP H056587B2 JP 21109784 A JP21109784 A JP 21109784A JP 21109784 A JP21109784 A JP 21109784A JP H056587 B2 JPH056587 B2 JP H056587B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- carbon black
- thermoplastic resin
- resin
- weight
- polar thermoplastic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
発明の背景
〔技術分野〕
本発明は、極性基を有する熱可塑性樹脂に感度
な導電性能(帯電半減期、体積固有抵抗)及び優
れた成形性能(成形加工性等)を発現させる為
の、導電材料の製造法に関する。 〔先行技術〕 従来、有極性熱可塑性樹脂に導電性を与える方
法は数多くの公知報文が提案されている。 一般には、各種の樹脂に導電物質(多くは、カ
ーボンブラツク)を添加したものが知られてい
る。中でも比表面積が極めて高いケツチエンEC
(商品名)を練り込んだものは、良好な導電性を
有することが知られている。 しかしながら、有極性熱可塑性樹脂に、高度な
導電性を付与させるには、カーボンブラツクを極
めて高濃度に添加する必要がある。 この理由は、高分子−カーボンブラツク複合材
料の電気伝導度に及ぼすカーボンブラツクストラ
クチヤー効果が高分子の極性によつて異なり、極
性の高い高分子はカーボンブラツクとの極性効果
による相溶性が大きいために均一に分散する結
果、電気伝導性回路を形成するためには極めて高
濃度のカーボンブラツクの配合を必要とするため
と考えられている。具体的には、電気的に絶縁体
である高分子に導体であるカーボンブラツク粒子
を充てんした複合材において、カーボンブラツク
粒子の充てん量を増していくと、ある充てん量で
電気伝導度が転移的に増大するという現象がみら
れるが、この転移的増大を示す充てん量(臨界体
積分率(Vfc))はマトリツクス高分子の極性によ
り異なつている。例えば、無極性ポリマー(ポリ
エチレンなど)のVfc値は0.1付近、有極性ポリマ
ー(ポリアミドなど)のVfc値は0.3付近であるこ
とが知られている(住田雅夫ら「高分子論文集」、
Vol.40、No.4、PP.203−210(Apr.1983))。 このような理由から、有極性ポリマーをもちい
て高度な導電性組成物を得るためには、カーボン
ブラツクを極めて高濃度に充てんしなければなら
ず、その結果、成形加工性が著しく低下したり、
得られる製品の外観が極めて悪化する問題点があ
る。 発明の概要 〔要旨〕 本発明者らは、このような問題点を解決する為
鋭意検討をを行なつた結果、カーボンブラツクに
対してγcpが1以下を示す有極性熱可塑性樹脂と、
カーボンブラツクに対してγcpが2以上を示す無
極性熱可塑性樹脂にカーボンブラツクを予め所定
濃度混練したものとを、混練機または成形機に於
いて混練することにより、高度な導電性能と優れ
た成形性能を合せ持つた製品が得られることを見
出し本発明を完成した。 すなわち、本発明による導電性樹脂組成物の製
造法は、(A)有極性熱可塑性樹脂90〜30重量部と、
(B)無極性熱可塑性樹脂50〜90重量%とBET法比
表面積が850m2/g以上の導電性カーボンブラツ
ク50〜10重量%とを混練して得られるカーボンブ
ラツク組成物10〜70重量部(ただし、(A)と(B)との
合計は100重量部)と、を混練してなり、前記有
極性熱可塑性樹脂のγcpが1以下、前記無極性熱
可塑性樹脂のγcpが2以上であること、を特徴と
するものである(ただし、γcpは、樹脂とカーボ
ンブラツクとの界面張力の低下に対応する表面張
力の分散力成分であつて、次式で表されるもので
ある。 γcp=(√c−√p)2 ここで、γcはカーボンブラツクの臨界表面張力
であり、γpは樹脂の臨界表面張力である)。 〔効果〕 このように、本発明は有極性熱可塑性樹脂にカ
ーボンブラツクを配合するに当り、カーボンブラ
ツクを予めカーボンブラツクに対するγcpの大き
い無極性熱可塑性樹脂と混練し、これを有極性熱
可塑性樹脂に混練することによつて、組成物中の
カーボンブラツクは有極性熱可塑性樹脂には殆ど
分散されず、γcpの大きい無極性熱可塑性樹脂中
に選択的に分散する結果、無極性熱可塑性樹脂に
よつて電気伝導性回路が形成され、比較的少量の
カーボンブラツクの配合によつても有極性熱可塑
性樹脂に良好な導電性能を与えることに成功した
ものである。 すなわち、このような特別な製造法によつて得
られたものは、具体的には下記のような利点を有
する。 (1) 有極性熱可塑性樹脂に同一最終濃度のカーボ
ンブラツクを直接混練したものに比べて、導電
性能が著しく秀れている。 (2) 有極性熱可塑性樹脂と無極性熱可塑性樹脂と
同一最終濃度のカーボンブラツクとを同時に混
練したものと比べても導電性能が極めて秀れて
いる。 (3) 熱安定性が悪い有極性熱可塑性樹脂に於いて
も、樹脂の熱分解を生じることなく、高度な導
電性能を発現する製品を得ることができる。 (4) また、一方の樹脂相はカーボンブラツクによ
る強度低下を生じさせないから機械的強度の優
れた組成物を得ることができる。 以上のところから、本発明製造法によつて、導
電性能の、また成形加工性、強度、外観などの、
極めて優れた有極性熱可塑性樹脂製品を得ること
が可能となつた。得られた製品は、電気機器ハウ
ジング、精密電子部品などの用途に極めて適して
いる。 発明の具体的説明 〔組成物〕 本発明による方法によつて製造される導電性樹
脂組成物は、有極性熱可塑性樹脂、無極性熱可塑
性樹脂および導電性カーボンブラツクを必須成分
とするものである。 〔有極性熱可塑性樹脂(A)〕 本発明で「有極性」ということは、当該樹脂が
O、S、N、ハロゲン等の元素および(または)
フエニル基等のアリール基を有する重合体からな
るものであることを意味する。そして、本発明で
は、この有極性樹脂は熱可塑性のものである。樹
脂が熱可塑性であるところより、当該重合体は実
質的に架橋構造を持たないものといえようが、そ
の軟化点ないし融点は混練操作が可能な限り任意
のものでありうる。 そして、本発明によれば、この有極性熱可塑性
樹脂は、γcpが1以下のものでなければならない。
γcpが1を越えるとカーボンブラツクの選択的分
散が難しくなる。 ここで、γcpとは樹脂とカーボンブラツクとの
界面張力の低下に対応する表面張力の分散力成分
であつて、次式で表される値である。 γcp=(√c−√p)2 γc:カーボンブラツクの臨界表面張力 γp:樹脂の臨界表面張力 本発明で有極性熱可塑性樹脂が持つべき好まし
いγcp値は、0.1〜0.5程度である。所与の樹脂(お
よびカーボンブラツク)の表面張力は、各種の文
献(たとえば、1978年講談社発行、J.B.ドネおよ
びA.ボエツト共著「カーボンブラツク」第102
頁)に記載されている。 本発明で使用するのに好ましい有極性熱可塑性
樹脂の具体例を挙げれば、ナイロン6、ナイロン
66、ナイロン12、ポリスチレン、ポリアセター
ル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリメチルメタアクリレート、
ポリカーボネート、ポリフエニレンスルフイド、
ポリフツ化ビニリデン、ポリフエニレンオキシド
などがこれに該当する。これらの2種を組み合せ
て用いることもできる。 〔無極性熱可塑性樹脂(B−1)〕 本発明で使用する無極性熱可塑性樹脂は、上記
のような意味での有極性ではないものである。 そして、本発明によれば、この無極性熱可塑性
樹脂はγcpが2以上のものでなければならない。
好ましいγcp値は、2〜4程度である。γcpが2よ
り小さいとカーボンブラツクの選択的分散が難し
くなる。 本発明で使用するのに好ましい無極性熱可塑性
樹脂の代表例はα−オレフイン(エチレンを含
む)の単独重合体および相互の共重合体であり、
具体例を挙げれば、(イ)低密度ポリエチレン、中密
度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低
密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリα
−オレフイン、(ロ)プロピレン−エチレンブロツク
共重合体、エチレン−ブテン−1ランダム共重合
体、エチレン−ヘキセン−1ランダム共重合体、
などのαオレフイン共重合体などがこれに該当す
る。これを2種以上組み合せて用いることもでき
る。 〔カーボンブラツク(B−2)〕 本発明樹脂組成物を導電性のものとするために
使用するカーボンブラツクは、N2吸着による
BET式比表面積が850m2/g以上のものである。
ケツチエンブラツクEC(AKZO社の商品名)など
がこれに該当する。 〔組成〕 上記必須三成分の量比は、下記の通りである。 先ず、有極性熱可塑性樹脂(A)と無極性熱可塑性
樹脂と導電性カーボンブラツクとからなるカーボ
ンブラツク組成物(B)とは、両者の合計を100重量
部として前者が90〜30重量部、好ましくは60〜40
重量部、後者が10〜70重量部、好ましくは40〜60
重量部、である。 そして、カーボンブラツク組成物(B)中の無極性
熱可塑性樹脂(B−1)とカーボンブラツク(B
−2)との組成は、前者が50〜90重量%、好まし
くは60〜80重量%、後者が50〜10重量%、好まし
くは40〜20重量%である。 本発明は有極性熱可塑性樹脂をカーボンブラツ
ク配合によつて導電性組成物とする場合の問題を
解決したものであるから、本発明での好ましい組
成物は無極性熱可塑性樹脂に対して有極性熱可塑
性樹脂を少なくとも同量、好ましくは優位量、含
むものである。 〔補助成分〕 本発明による組成物は熱可塑性樹脂組成物であ
るから、本発明の趣旨を損なわない限り、前記必
須三成分に加えてこの種組成物に添加しあるいは
添加しうる各種の補助成分を含むことができる。 このような補助成分の具体例を挙げれば、例え
ば、(1)2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフエ
ノール、1,1,3−トリ−(2−メチル−4−
ヒドロキシ−5−t−ブチルフエニル)ブタン、
テトラキス〔メチレン(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシヒドロケイ皮酸エステル)〕メ
タン、n−オクタデシル−β−(4′−ヒドロキシ
−3′,5′−ジ−t−ブチルフエニル)プロピオン
酸エステルなどのフエノール系酸化防止剤、(2)ジ
ラウリル−チオ−ジプロピオン酸エステル、ジス
テアリル−チオ−ジプロピオン酸エステル、ラウ
リルステアリル−チオ−ジプロピオン酸エステ
ル、テトラキス(メチレン−3−ドテシル−チオ
プロピオン酸エステル)メタンなどのイオウ系酸
化防止剤、(3)ジ(ジノニルフエニル)−モノ−(p
−ノニルフエニル)フオスフアイトなどのリン系
酸化防止剤、(4)ステアリン酸カルシウム、ステア
リン酸マグネシウム、オレイン酸亜鉛などの高級
脂肪酸金属塩、ステアリン酸アミドなどの高級脂
肪酸アミドなどの滑剤、(5)紫外線吸収剤、帯電防
止剤、銅害防止剤、難燃剤、などがある。 これらの添加は物性バランスや成形品表面特性
(耐表面受傷性、光沢、ウエルド外観、シルバー
ストリーク、フローマーク等)、印刷性、塗装性、
接着性、メツキ性、成形加工性、耐久性等の向上
に有効である。これらの付加的成分は併用して添
加することもできる。 組成物の製造 前記の組成物を製造するには、組成物、まず一
軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロ
ール、ブラベンダープラストグラフ、ニーダー等
の通常の混練機を用いて、無極性熱可塑性樹脂に
カーボンブラツクを所定量配合したものを混練し
て、カーボンブラツク組成物(B)を得る。次に、上
記したような通常の混練機または成形機を用い
て、有極性熱可塑性樹脂(A)とカーボンブラツク組
成物(B)とを所定量配合したものを混練する。 カーボンブラツク組成物を別途つくるというこ
とを除けば、本発明による製造法は通常の熱可塑
性樹脂組成物の製造法と本質的には変らない。従
つて、前記のような補助成分を配合することをも
含めて、本発明製造法は具体的な操作法ないし条
件に関して慣用されているところに基いて当業者
は容易に実施することができる。 実験例 〔実施例〕 メルトフローレートが20g/10分のナイロン6
(BASF社製ウルトラミツドB3L)およびメルト
フローレートが8g/10分、密度が0.963g/cm3
の高密度ポリエチレン(三菱油化製ユカロンハー
ドPY20)80重量部に比表面積1000m2/gのケツ
チエンブラツク20重量部を二軸押出機にて混練し
たものとを、各種割合にて二軸押出機をもちいて
混練造粒した。 得られたペレツトをインライン射出成形機で成
形して試験片を作成し、導電性能を測定した。 比較例 1 比較のために、実施例で用いた同一のカーボン
ブラツクを、実施例に添加されている同一最終カ
ーボンブラツク濃度となるように各種、有極性熱
可塑性樹脂に直接混練造粒し、実施例と同様な実
験を行つた。 比較例 2 比較のため、実施例においてカーボンブラツク
を先ず有極性樹脂と混練し、次いでこれを無極性
樹脂と混練して、実施例と同様な実験を行つた。 〔結果〕 得られた結果は、下表に示す通りである。 表から明らかなように、実施例のものは、同じ
樹脂を用いた同じ最終カーボン濃度の比較例1、
2に比べて、帯電半減期、体積固有抵抗値がいず
れも小さく、導電性能が極めて優れている。 また、同レベルの体積固有抵抗値を有するもの
でも、実施例のものは、比較例1、2のものと比
べて、帯電半減期が、著しく改良され、特異な特
徴を有していた。 さらに、実施例のものは、ポリアセタールのよ
うな熱安定性が悪い有極性熱可塑性樹脂を用いて
も、混練機内での剪断作用による樹脂の熱分解を
発生することなく、良好な導電性能を持つ組成物
が得られるという特徴を有していた。 なお、帯電半減期はスタチツクオネストメータ
ーにより、電量減衰法で測定した。すなわち試料
に電荷の分布が定常状態になるまで電荷を与え、
このときの試料の電位をE0とすると、このとき
から、その後の漏れ電流により電位が1/2E0にな
るまでの時間を測定した。 また体積固有抵抗は、日本ゴム協会−SRIS−
2301−1969ホイートストンブリツジ法により測定
した。
な導電性能(帯電半減期、体積固有抵抗)及び優
れた成形性能(成形加工性等)を発現させる為
の、導電材料の製造法に関する。 〔先行技術〕 従来、有極性熱可塑性樹脂に導電性を与える方
法は数多くの公知報文が提案されている。 一般には、各種の樹脂に導電物質(多くは、カ
ーボンブラツク)を添加したものが知られてい
る。中でも比表面積が極めて高いケツチエンEC
(商品名)を練り込んだものは、良好な導電性を
有することが知られている。 しかしながら、有極性熱可塑性樹脂に、高度な
導電性を付与させるには、カーボンブラツクを極
めて高濃度に添加する必要がある。 この理由は、高分子−カーボンブラツク複合材
料の電気伝導度に及ぼすカーボンブラツクストラ
クチヤー効果が高分子の極性によつて異なり、極
性の高い高分子はカーボンブラツクとの極性効果
による相溶性が大きいために均一に分散する結
果、電気伝導性回路を形成するためには極めて高
濃度のカーボンブラツクの配合を必要とするため
と考えられている。具体的には、電気的に絶縁体
である高分子に導体であるカーボンブラツク粒子
を充てんした複合材において、カーボンブラツク
粒子の充てん量を増していくと、ある充てん量で
電気伝導度が転移的に増大するという現象がみら
れるが、この転移的増大を示す充てん量(臨界体
積分率(Vfc))はマトリツクス高分子の極性によ
り異なつている。例えば、無極性ポリマー(ポリ
エチレンなど)のVfc値は0.1付近、有極性ポリマ
ー(ポリアミドなど)のVfc値は0.3付近であるこ
とが知られている(住田雅夫ら「高分子論文集」、
Vol.40、No.4、PP.203−210(Apr.1983))。 このような理由から、有極性ポリマーをもちい
て高度な導電性組成物を得るためには、カーボン
ブラツクを極めて高濃度に充てんしなければなら
ず、その結果、成形加工性が著しく低下したり、
得られる製品の外観が極めて悪化する問題点があ
る。 発明の概要 〔要旨〕 本発明者らは、このような問題点を解決する為
鋭意検討をを行なつた結果、カーボンブラツクに
対してγcpが1以下を示す有極性熱可塑性樹脂と、
カーボンブラツクに対してγcpが2以上を示す無
極性熱可塑性樹脂にカーボンブラツクを予め所定
濃度混練したものとを、混練機または成形機に於
いて混練することにより、高度な導電性能と優れ
た成形性能を合せ持つた製品が得られることを見
出し本発明を完成した。 すなわち、本発明による導電性樹脂組成物の製
造法は、(A)有極性熱可塑性樹脂90〜30重量部と、
(B)無極性熱可塑性樹脂50〜90重量%とBET法比
表面積が850m2/g以上の導電性カーボンブラツ
ク50〜10重量%とを混練して得られるカーボンブ
ラツク組成物10〜70重量部(ただし、(A)と(B)との
合計は100重量部)と、を混練してなり、前記有
極性熱可塑性樹脂のγcpが1以下、前記無極性熱
可塑性樹脂のγcpが2以上であること、を特徴と
するものである(ただし、γcpは、樹脂とカーボ
ンブラツクとの界面張力の低下に対応する表面張
力の分散力成分であつて、次式で表されるもので
ある。 γcp=(√c−√p)2 ここで、γcはカーボンブラツクの臨界表面張力
であり、γpは樹脂の臨界表面張力である)。 〔効果〕 このように、本発明は有極性熱可塑性樹脂にカ
ーボンブラツクを配合するに当り、カーボンブラ
ツクを予めカーボンブラツクに対するγcpの大き
い無極性熱可塑性樹脂と混練し、これを有極性熱
可塑性樹脂に混練することによつて、組成物中の
カーボンブラツクは有極性熱可塑性樹脂には殆ど
分散されず、γcpの大きい無極性熱可塑性樹脂中
に選択的に分散する結果、無極性熱可塑性樹脂に
よつて電気伝導性回路が形成され、比較的少量の
カーボンブラツクの配合によつても有極性熱可塑
性樹脂に良好な導電性能を与えることに成功した
ものである。 すなわち、このような特別な製造法によつて得
られたものは、具体的には下記のような利点を有
する。 (1) 有極性熱可塑性樹脂に同一最終濃度のカーボ
ンブラツクを直接混練したものに比べて、導電
性能が著しく秀れている。 (2) 有極性熱可塑性樹脂と無極性熱可塑性樹脂と
同一最終濃度のカーボンブラツクとを同時に混
練したものと比べても導電性能が極めて秀れて
いる。 (3) 熱安定性が悪い有極性熱可塑性樹脂に於いて
も、樹脂の熱分解を生じることなく、高度な導
電性能を発現する製品を得ることができる。 (4) また、一方の樹脂相はカーボンブラツクによ
る強度低下を生じさせないから機械的強度の優
れた組成物を得ることができる。 以上のところから、本発明製造法によつて、導
電性能の、また成形加工性、強度、外観などの、
極めて優れた有極性熱可塑性樹脂製品を得ること
が可能となつた。得られた製品は、電気機器ハウ
ジング、精密電子部品などの用途に極めて適して
いる。 発明の具体的説明 〔組成物〕 本発明による方法によつて製造される導電性樹
脂組成物は、有極性熱可塑性樹脂、無極性熱可塑
性樹脂および導電性カーボンブラツクを必須成分
とするものである。 〔有極性熱可塑性樹脂(A)〕 本発明で「有極性」ということは、当該樹脂が
O、S、N、ハロゲン等の元素および(または)
フエニル基等のアリール基を有する重合体からな
るものであることを意味する。そして、本発明で
は、この有極性樹脂は熱可塑性のものである。樹
脂が熱可塑性であるところより、当該重合体は実
質的に架橋構造を持たないものといえようが、そ
の軟化点ないし融点は混練操作が可能な限り任意
のものでありうる。 そして、本発明によれば、この有極性熱可塑性
樹脂は、γcpが1以下のものでなければならない。
γcpが1を越えるとカーボンブラツクの選択的分
散が難しくなる。 ここで、γcpとは樹脂とカーボンブラツクとの
界面張力の低下に対応する表面張力の分散力成分
であつて、次式で表される値である。 γcp=(√c−√p)2 γc:カーボンブラツクの臨界表面張力 γp:樹脂の臨界表面張力 本発明で有極性熱可塑性樹脂が持つべき好まし
いγcp値は、0.1〜0.5程度である。所与の樹脂(お
よびカーボンブラツク)の表面張力は、各種の文
献(たとえば、1978年講談社発行、J.B.ドネおよ
びA.ボエツト共著「カーボンブラツク」第102
頁)に記載されている。 本発明で使用するのに好ましい有極性熱可塑性
樹脂の具体例を挙げれば、ナイロン6、ナイロン
66、ナイロン12、ポリスチレン、ポリアセター
ル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリメチルメタアクリレート、
ポリカーボネート、ポリフエニレンスルフイド、
ポリフツ化ビニリデン、ポリフエニレンオキシド
などがこれに該当する。これらの2種を組み合せ
て用いることもできる。 〔無極性熱可塑性樹脂(B−1)〕 本発明で使用する無極性熱可塑性樹脂は、上記
のような意味での有極性ではないものである。 そして、本発明によれば、この無極性熱可塑性
樹脂はγcpが2以上のものでなければならない。
好ましいγcp値は、2〜4程度である。γcpが2よ
り小さいとカーボンブラツクの選択的分散が難し
くなる。 本発明で使用するのに好ましい無極性熱可塑性
樹脂の代表例はα−オレフイン(エチレンを含
む)の単独重合体および相互の共重合体であり、
具体例を挙げれば、(イ)低密度ポリエチレン、中密
度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低
密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリα
−オレフイン、(ロ)プロピレン−エチレンブロツク
共重合体、エチレン−ブテン−1ランダム共重合
体、エチレン−ヘキセン−1ランダム共重合体、
などのαオレフイン共重合体などがこれに該当す
る。これを2種以上組み合せて用いることもでき
る。 〔カーボンブラツク(B−2)〕 本発明樹脂組成物を導電性のものとするために
使用するカーボンブラツクは、N2吸着による
BET式比表面積が850m2/g以上のものである。
ケツチエンブラツクEC(AKZO社の商品名)など
がこれに該当する。 〔組成〕 上記必須三成分の量比は、下記の通りである。 先ず、有極性熱可塑性樹脂(A)と無極性熱可塑性
樹脂と導電性カーボンブラツクとからなるカーボ
ンブラツク組成物(B)とは、両者の合計を100重量
部として前者が90〜30重量部、好ましくは60〜40
重量部、後者が10〜70重量部、好ましくは40〜60
重量部、である。 そして、カーボンブラツク組成物(B)中の無極性
熱可塑性樹脂(B−1)とカーボンブラツク(B
−2)との組成は、前者が50〜90重量%、好まし
くは60〜80重量%、後者が50〜10重量%、好まし
くは40〜20重量%である。 本発明は有極性熱可塑性樹脂をカーボンブラツ
ク配合によつて導電性組成物とする場合の問題を
解決したものであるから、本発明での好ましい組
成物は無極性熱可塑性樹脂に対して有極性熱可塑
性樹脂を少なくとも同量、好ましくは優位量、含
むものである。 〔補助成分〕 本発明による組成物は熱可塑性樹脂組成物であ
るから、本発明の趣旨を損なわない限り、前記必
須三成分に加えてこの種組成物に添加しあるいは
添加しうる各種の補助成分を含むことができる。 このような補助成分の具体例を挙げれば、例え
ば、(1)2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフエ
ノール、1,1,3−トリ−(2−メチル−4−
ヒドロキシ−5−t−ブチルフエニル)ブタン、
テトラキス〔メチレン(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシヒドロケイ皮酸エステル)〕メ
タン、n−オクタデシル−β−(4′−ヒドロキシ
−3′,5′−ジ−t−ブチルフエニル)プロピオン
酸エステルなどのフエノール系酸化防止剤、(2)ジ
ラウリル−チオ−ジプロピオン酸エステル、ジス
テアリル−チオ−ジプロピオン酸エステル、ラウ
リルステアリル−チオ−ジプロピオン酸エステ
ル、テトラキス(メチレン−3−ドテシル−チオ
プロピオン酸エステル)メタンなどのイオウ系酸
化防止剤、(3)ジ(ジノニルフエニル)−モノ−(p
−ノニルフエニル)フオスフアイトなどのリン系
酸化防止剤、(4)ステアリン酸カルシウム、ステア
リン酸マグネシウム、オレイン酸亜鉛などの高級
脂肪酸金属塩、ステアリン酸アミドなどの高級脂
肪酸アミドなどの滑剤、(5)紫外線吸収剤、帯電防
止剤、銅害防止剤、難燃剤、などがある。 これらの添加は物性バランスや成形品表面特性
(耐表面受傷性、光沢、ウエルド外観、シルバー
ストリーク、フローマーク等)、印刷性、塗装性、
接着性、メツキ性、成形加工性、耐久性等の向上
に有効である。これらの付加的成分は併用して添
加することもできる。 組成物の製造 前記の組成物を製造するには、組成物、まず一
軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロ
ール、ブラベンダープラストグラフ、ニーダー等
の通常の混練機を用いて、無極性熱可塑性樹脂に
カーボンブラツクを所定量配合したものを混練し
て、カーボンブラツク組成物(B)を得る。次に、上
記したような通常の混練機または成形機を用い
て、有極性熱可塑性樹脂(A)とカーボンブラツク組
成物(B)とを所定量配合したものを混練する。 カーボンブラツク組成物を別途つくるというこ
とを除けば、本発明による製造法は通常の熱可塑
性樹脂組成物の製造法と本質的には変らない。従
つて、前記のような補助成分を配合することをも
含めて、本発明製造法は具体的な操作法ないし条
件に関して慣用されているところに基いて当業者
は容易に実施することができる。 実験例 〔実施例〕 メルトフローレートが20g/10分のナイロン6
(BASF社製ウルトラミツドB3L)およびメルト
フローレートが8g/10分、密度が0.963g/cm3
の高密度ポリエチレン(三菱油化製ユカロンハー
ドPY20)80重量部に比表面積1000m2/gのケツ
チエンブラツク20重量部を二軸押出機にて混練し
たものとを、各種割合にて二軸押出機をもちいて
混練造粒した。 得られたペレツトをインライン射出成形機で成
形して試験片を作成し、導電性能を測定した。 比較例 1 比較のために、実施例で用いた同一のカーボン
ブラツクを、実施例に添加されている同一最終カ
ーボンブラツク濃度となるように各種、有極性熱
可塑性樹脂に直接混練造粒し、実施例と同様な実
験を行つた。 比較例 2 比較のため、実施例においてカーボンブラツク
を先ず有極性樹脂と混練し、次いでこれを無極性
樹脂と混練して、実施例と同様な実験を行つた。 〔結果〕 得られた結果は、下表に示す通りである。 表から明らかなように、実施例のものは、同じ
樹脂を用いた同じ最終カーボン濃度の比較例1、
2に比べて、帯電半減期、体積固有抵抗値がいず
れも小さく、導電性能が極めて優れている。 また、同レベルの体積固有抵抗値を有するもの
でも、実施例のものは、比較例1、2のものと比
べて、帯電半減期が、著しく改良され、特異な特
徴を有していた。 さらに、実施例のものは、ポリアセタールのよ
うな熱安定性が悪い有極性熱可塑性樹脂を用いて
も、混練機内での剪断作用による樹脂の熱分解を
発生することなく、良好な導電性能を持つ組成物
が得られるという特徴を有していた。 なお、帯電半減期はスタチツクオネストメータ
ーにより、電量減衰法で測定した。すなわち試料
に電荷の分布が定常状態になるまで電荷を与え、
このときの試料の電位をE0とすると、このとき
から、その後の漏れ電流により電位が1/2E0にな
るまでの時間を測定した。 また体積固有抵抗は、日本ゴム協会−SRIS−
2301−1969ホイートストンブリツジ法により測定
した。
【表】
【表】
なお、使用した樹脂およびカーボンブラツクの
臨界表面張力およびγcpは、次の通りであつた。
臨界表面張力およびγcpは、次の通りであつた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 (A)有極性熱可塑性樹脂90〜30重量部と、(B)無
極性熱可塑性樹脂50〜90重量%とBET法比表面
積が850m2/g以上の導電性カーボンブラツク50
〜10重量%とを混練して得られるカーボンブラツ
ク組成物10〜70重量部(ただし、(A)と(B)との合計
は100重量部)と、を混練してなり、前記有極性
熱可塑性樹脂のγcpが1以下、前記無極性熱可塑
性樹脂のγcpが2以上であることを特徴とする、
導電性樹脂組成物の製造法(ただし、γcpは、樹
脂とカーボンブラツクとの界面張力の低下に対応
する表面張力の分散力成分であつて、次式で表さ
れるものである。 γcp=(√c−√p)2 ここで、γcはカーボンブラツクの臨界表面張力
であり、γpは樹脂の臨界表面張力である)。 2 無極性熱可塑性樹脂に対して有極性熱可塑性
樹脂を少なくとも同量存在させる、特許請求の範
囲第1項記載の導電性樹脂組成物の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21109784A JPS6189258A (ja) | 1984-10-08 | 1984-10-08 | 導電性樹脂組成物の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21109784A JPS6189258A (ja) | 1984-10-08 | 1984-10-08 | 導電性樹脂組成物の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6189258A JPS6189258A (ja) | 1986-05-07 |
| JPH056587B2 true JPH056587B2 (ja) | 1993-01-26 |
Family
ID=16600358
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21109784A Granted JPS6189258A (ja) | 1984-10-08 | 1984-10-08 | 導電性樹脂組成物の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6189258A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS62119272A (ja) * | 1985-11-19 | 1987-05-30 | Mitsubishi Petrochem Co Ltd | 樹脂抵抗体 |
| JP2603511B2 (ja) * | 1988-04-15 | 1997-04-23 | 昭和電工株式会社 | 導電性プラスチック |
| JPH02113068A (ja) * | 1988-10-21 | 1990-04-25 | Nkk Corp | 導電性熱可塑性樹脂組成物 |
-
1984
- 1984-10-08 JP JP21109784A patent/JPS6189258A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6189258A (ja) | 1986-05-07 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US5958303A (en) | Electrically conductive compositions and methods for producing same | |
| US5256335A (en) | Conductive polyketone polymers | |
| US6409942B1 (en) | Electrically conductive compositions and methods for producing same | |
| EP0337487A1 (en) | Electroconductive polymer composition | |
| CN111087739A (zh) | 一种永久抗静电高韧性滑石粉填充聚丙烯材料及制备方法 | |
| CN112778762A (zh) | 一种导电pps复合材料及其制备方法 | |
| US5213736A (en) | Process for making an electroconductive polymer composition | |
| JP3450897B2 (ja) | 導電性樹脂マスターバッチペレット及び導電性熱可塑性樹脂製品 | |
| JPS60124654A (ja) | 導電性樹脂組成物 | |
| JPH056587B2 (ja) | ||
| KR20200130397A (ko) | 도전성 수지 조성물 및 그의 제조 방법 | |
| KR100213892B1 (ko) | 난연성 폴리올레핀 수지 조성물 | |
| US20050261411A1 (en) | Polymer blend and method of preparing same | |
| JP3755161B2 (ja) | 導電性樹脂組成物およびその製造方法 | |
| JP3313459B2 (ja) | 導電性ポリオレフィンマスターバッチ | |
| JP3313458B2 (ja) | 導電性ポリオレフィンマスターバッチ | |
| JP2001261975A (ja) | 導電性熱可塑性樹脂組成物 | |
| JPS63297459A (ja) | 導電性樹脂混和物 | |
| JPS58117239A (ja) | 高導電率の難燃性熱可塑性成形用組成物 | |
| JPH01278554A (ja) | 高導電性樹脂組成物及びこれを基材とする導電性フィルム | |
| JP2005171198A (ja) | 導電性熱可塑性樹脂組成物 | |
| JPS61294702A (ja) | ポリオレフィン系導電性樹脂組成物の製造法 | |
| JPH06184332A (ja) | ポリカーボネート樹脂製導電性フィルム及びシート | |
| JPH039956A (ja) | 高導電性樹脂組成物 | |
| JPS5847044A (ja) | タルク含有プロピレン共重合体組成物 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |