JPH0581553B2 - - Google Patents

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JPH0581553B2
JPH0581553B2 JP1287708A JP28770889A JPH0581553B2 JP H0581553 B2 JPH0581553 B2 JP H0581553B2 JP 1287708 A JP1287708 A JP 1287708A JP 28770889 A JP28770889 A JP 28770889A JP H0581553 B2 JPH0581553 B2 JP H0581553B2
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meth
acrylic resin
injection molding
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Takamasa Ootani
Kazuyuki Hagino
Hiromitsu Kinoshita
Akira Yanai
Norimasa Uesugi
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DKS Co Ltd
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Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、無機粉末と特定の有機バインダーと
からなる射出成形用組成物およびそれからの焼結
体に関する。さらに詳しくは、射出成形性、脱バ
インダー性に優れ、かつソリ、クラツクなどの欠
陥のない焼結体を歩留まりよく提供しうる射出成
形用組成物およびそれからの焼結体に関する。
〔従来の技術・発明が解決しようとする課題〕
近年、セラミツクス粉末に有機バインダーを混
合し、可塑性を付与し、射出成形することにより
グリーン成形体をえ、引き続き脱バインダーし、
焼成することにより、セラミツクス製品としたも
のが自動車のエンジン部品などに採用されはじめ
ている。その特徴は、複雑形状の部品が工業的に
量産性よく、製造できる点にある。
ここで使用される有機バインダーは、セラミツ
クス粉末の均一な分散性、混合性の流動特性、グ
リーン成形体の強度、グリーン成形体からのバイ
ンダーの除去の容易さ(脱バインダー性)などに
かかわるものであり、有機バインダー成分の選択
や使用量を誤まると、良好な焼結体がえられな
い。たとえばセラミツクス粉末が有機バインダー
中に充分均一に分散していないと、成形体または
焼結体にソリ、クラツクなどの欠陥が生じやす
く、成形体の強度も低くなる。また、有機バイン
ダー成分の熱安定性がわるいばあいには、射出成
形体にシリンダー内で劣化が生じ、流動性が安定
せず、射出成形不良が発生したり、ときにはセラ
ミツクス粉末と有機バインダーとが分離してしま
うことさえある。さらに、有機バインダーの使用
量が多すぎるばあい、脱バインダー工程中、成形
体内部から発生する多量のガスのため、フクレ、
クラツクなどの発生を押さえることができない。
前記セラミツクス粉末の成形に使用する有機バ
インダーとしては、たとえばエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレ
ート共重合体(EEA)、ポリスチレン、アタクチ
ツクポリプロピレン(APP)、ポリエチレン、
(メタ)アクリル系樹脂、ワツクス類などが提案
されているが、成形性(流動特性、成形安定性、
離型性など)、グリーン成形体強度、脱バインダ
ー性、焼結後の残留カーボン量など、諸特性の面
から見ると、各バインダーには一長一短がある。
たとえばEVAは、セラミツクス粉末と混合し
たばあい、流動性を損うことなく、高い強度と適
度な弾性を有するグリーン成形体を提供しうる
が、加熱時、200℃付近から発生する酢酸ガスの
影響で成形体にフクレ、クラツクなどが発生しや
すい。
EEAもEVAと同様に、セラミツクス粉末や金
属粉末などと混合したばあい、混合物の流動性を
損なうことなく、成形体に高い強度、適度な弾性
を付与しうるが、使用量が多すぎると、加熱分解
によつて脱バインダーさせるばあい、成形体にフ
クレ、クラツクなどが著しく発生し、成形体を損
うことなく、脱バインダーすることが困難であ
る。
また、ポリスチレンや(メタ)アクリル系樹脂
(たとえばポリイソブチルメタクリレート)は、
セラミツクス粉末や金属粉末などに対して優れた
バインダー効果を示し、グリーン成形体に高い強
度を付与し、とくに肉薄部の破損防止などに有効
であり、グリーン成形体に優れた保形性を付与す
る他、加熱分解性に優れ、脱バインダーを容易に
するが、使用量が多すぎると、セラミツクス粉末
や金属粉末などとの混合物の流動性が充分でな
く、充填不足、ウエルドラインなどの射出成形不
良を招きやすい。
さらに、アタクチツクポリプロピレンは、セラ
ミツクス粉末と混合したばあい、良好な流動性を
示し、射出成形が容易で、ハンドリングに必要な
充分な強度を有するグリーン成形体を製造できる
ことが示されているが(特公昭51−29170号公
報)、脱バインダー性に劣るという欠点を有して
いる。
また、パラフインなどのワツクス類は、一般の
高分子化合物に比べて脱バインダー性には優れる
ものの、高圧力下で流動性が安定しないため射出
成形性に劣り、また比較的低分子量体であること
からグリーン成形体の強度も小さい。
したがつて、それぞれ性能の異なるものをバラ
ンスよく組合わせて使用することが必要である
が、各樹脂は、形態軟化点異なる他、相溶姓が充
分でないため均一混合が非常に難しく、長時間の
混合を要するばあいが多い。一般的に、充分な混
合ができていないばあいには流動性が安定せず、
成形条件の割り出しに多くの時間を必要とし、成
形体の均質性が損われて成形体の寸法安定性に影
響する他、焼結体のクラツクなどの発生の原因と
なる。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は前記のような実状に鑑み、射出成形法
によりセラミツクス粉末や金属粉末などの焼結体
を製造する際に、射出成形性、グリーン成形体の
強度、脱バインダー性などの必要な諸特性を有す
るバランスのとれた射出成形用組成物をえ、それ
からソリ、クラツクなどの欠陥のない良好な焼結
体を高い歩留りでうるためになされたものであ
り、 無機粉末と有機バインダーとからなる射出成形
用組成物であつて、有機バインダーが (a) エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチレ
ン−エチルアクリレート共重合体、 (b) (メタ)アクリル酸エステル単量体単独また
は(メタ)アクリル酸エステル単量体およびス
チレン系単量体の混合物および (c) 重合開始剤 からなる溶液を、分散剤を含む水系媒体中に分散
させて懸濁重合させた複合アクリル系樹脂45〜80
%(重量%、以下同様)と、融点100℃以下の前
記複合アクリル系樹脂と相溶性を有するワツクス
10〜50%との少なくとも2成分を含むバインダー
からなり、無機粉末/有機バインダーの割合が体
積比で0.65/0.35〜0.25/0.75となるように調製
した射出成形用組成物および前記射出成形用組成
物を成形したものを焼結してえられた焼結体 に関する。
〔実施例〕
本発明の射出成形用組成物は、無機粉末と有機
バインダーとから調製されている。
前記無機粉末は、従来から有機バインダーとと
もに成形体が成形され、焼結体とされる用途に使
用されている無機粉末であるかぎりとくに限定は
ないが、粉末粒子形状が球形に近く、かつ平均粒
径0.1〜50μm程度のものであるのが無機粉末の充
填密度、射出成形時の流動性などの点から好まし
く、0.1〜20μm程度のものであるのがさらに好ま
しい。
前記無機粉末の例としては、前記のごとき平均
粒径の金属粉末やセラミツクス粉末などがあげら
れ、その具体例としては、たとえば純鉄、鉄−ニ
ツケル、鉄−コバルト、ステンレススチールなど
の鉄合金、タングステン、アルミニウム合金、銅
合金などの金属粉末、アルミナ、ジルコニア、ム
ライト、チタン酸塩、フエライトなどの酸化物系
セラミツクス粉末、チツ化ケイ素、チツ化アルミ
ニウム、チツ化ホウ素などのチツ化物系セラミツ
クス粉末、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化タング
ステンなどの炭化物系セラミツクス粉末などのほ
か、チタンアルミニウム合金などの金属間化合物
粉末、アパタイトなどのリン酸塩類の粉末など、
さらに1〜50体積%の範囲で金属または金属以外
の無機質の繊維、ウイスカなどを含有する粉末な
どもあげられる。
前記金属の繊維やウイスカの例としては、たと
えば鋼、ステンレス、アルミニウム、マグネシウ
ム、ニツケル、チタン、ベリリウム、タングステ
ン、モリブデン、ボロンなどからの繊維やウイス
カが、また前記金属以外の無機質の繊維やウイス
カの例としては、たとえばアルミナ、ジルコニ
ア、炭化ケイ素、炭化ホウ素、チツ化ケイ素、チ
ツ化ホウ素、チツ化アルミニウムなどからの繊維
やウイスカがあげられる。
本発明に用いる前記有機バインダーは、(a)成分
であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
またはエチレン−エチルアクリレート共重合体
(EEA)、(b)成分である(メタ)アクリル酸エス
テル単量体単独または(メタ)アクリル酸エステ
ル単量体およびスチレン系単量体の混合物および
(c)成分である重合開始剤からなる溶液を、分散剤
を含む水系媒体中に分散させて懸濁重合させた複
合アクリル系樹脂45〜80%、融点100℃以下の前
記複合アクリル系樹脂と相溶性を有するワツクス
10〜50%、好ましくは15〜40%とを含み、要すれ
ばフタル酸エステル類などの可塑剤、高級脂肪酸
などの滑剤や離型剤成分のほか、無機粉末表面の
ヌレ性を改善するため界面活性剤、表面処理剤
(カツプリング剤)などを0〜40%、好ましくは
0〜25%を含むものである。
前記複合アクリル系樹脂は、無機粉末と混合し
たばあい、混合物に充分な流動性を付与し、無機
粉末に対して優れたバインダー効果を示し、粒子
同士を強く結合させ、グリーン成形体に充分な強
度、弾性を与えるための成分であり、脱バインダ
ー特性にも優れるものである。
複合アクリル系樹脂がEVAまたはEEAをあら
かじめ(メタ)アクリル酸エステル単量体単独ま
たは(メタ)アクリル酸エステル単量体およびス
チレン系単量体に溶解させ、これを水系媒体に分
散させ懸濁重合させてえられるため、複合アクリ
ル系樹脂はミクロ的にみて非常に均一に混合した
(第1図および第3図参照)一種のポリマーアロ
イのようなものとなり、単に重合体同士をブレン
ドしたもの(第2図および第4図参照)に比べて
無機粉末との混合物の成形条件の割り出しが容易
になり、流動性が安定し、バラツキの少ない歩留
りの高い良好な焼結体をうることができる。
前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
にはとくに限定はなく、一般にエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体とよばれているものであれば使用し
うるが、エチレン/酢酸ビニルが重量比で85/15
〜50/50の共重合体であるのが好ましく、さらに
80/20〜60/40であるのが好ましい。該比率が
85/15をこえるとエチレン−酢酸ビニル共重合体
を(メタ)アクリル酸エステル単量体または(メ
タ)アクリル酸エステル単量体およびスチレン系
単量体の混合物に溶解させるのが難しくなり、
50/50未満になるとエチレン−酢酸ビニル共重合
体を入手するのが難しく、またグリーン成形体強
度も低下する傾向にある。
また、該エチレン−酢酸ビニル共重合体のメル
トインデツクス(MI値)としては、10〜500程度
のものが、とくに溶解させて用いるばあいの粘性
などの点から好ましく、また成形時の流動性、グ
リーン成形体の強度などの点から20〜400程度の
ものがさらに好ましい。
前記エチレン−エチルアクリレート共重合体
(EEA)にもとくに限定はなく、一般にエチレン
−エチルアクリレート共重合体とよばれているも
のであれば使用しうるが、エチレン−エチルアク
リレートが重量比で85/15〜50/50の共重合体で
あるのが好ましく、80/20〜60/40の共重合体で
あるのがさらに好ましい。該比率が85/15をこえ
るとエチレン−エチルアクリレート共重合体を
(メタ)アクリル酸エステル単量体または(メタ)
アクリル酸エステル単量体およびスチレン系単量
体の混合物に溶解させるのが難しくなり、50/50
未満になるとエチレン−エチルアクリレート共重
合体を入手するのが難しく、またグリーン成形体
強度も傾向にある。
また、該エチレン−エチルアクリレート共重合
体のメルトインデツクス(MI値)としては、10
〜2000程度のものが、とくに溶解させて用いるば
あいの粘性などの点から好ましく、また成形時の
流動性、グリーン成形体の強度などの点から100
〜1500程度のものがさらに好ましい。
前記(メタ)アクリル酸エステル単量体にもと
くに限定はないが、成形時の流動性、グリーン成
形体の強度、脱バインダー性などの点から炭素数
が1〜8のアルコールと(メタ)アクリル酸とか
らエステルであるのが好ましい。このような(メ
タ)アクリル酸エステル単量体の具体例として
は、たとえばアルキル基の炭素数が1〜8のn−
アルキル(メタ)アクリレート、イソプロピル
(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アク
リレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2
−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−メ
トキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキ
シエチル(メタ)アクリレートなどがあげられ
る。これらのうちではとくにn−ブチル(メタ)
アクリレートのようなアルキル基の炭素数が1〜
4のn−アルキル(メタ)アクリレート、イソプ
ロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレ
ートが好ましい。これらは単独で用いてもよく、
2種以上併用してもよい。
前記スチレン系単量体の具体例としては、たと
えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、ビニルスチレンなどがあげられる。
前記(メタ)アクリル酸スチレン単量体とスチ
レン系単量体とを混合して用いるばあいには、混
合物中にしめるスチレン系単量体の割合が80%以
下であるのが好ましい。混合物中にしめるスチレ
ン系単量体の割合が高くなるにしたがつてえられ
る有機バインダーの流動性がわるくなり、成形が
困難になる傾向がある。
また、本発明に用いる複合アクリル系樹脂の本
質をそこなわない限りにおいては、他のモノマ
ー、たとえば(メタ)アクリル酸、酢酸ビニル、
塩化ビニルなどのモノマーを少量併用してもよ
い。
(a)成分と(b)成分との使用割合としては、(a)成
分/(b)成分が重量割合で5/95〜80/20程度であ
るのが好ましく、20/80〜70/30程度であるのが
さらに好ましい。前記割合が5/95未満のばあい
には、えられる有機バインダーを用いて調製した
無機粉末との混合物の流動性が充分でなくなりや
すく、成形不良をおこしやすくなる。また80/20
をこえるばあいには、加熱分解で脱バインダーす
るときに生じる成形体のフクレ現象が顕著になり
やすく、成形体強度の低下がおこりやすく、また
脱バインダーや取扱いが困難になりやすくなる。
前記重合開始剤の好ましい具体例としては、た
とえばベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサネートなどの有機過酸化物、アゾビスイ
ソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニト
リルなどのアゾ化合物などの油溶性の重合開始剤
などがあげられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上併用してもよい。
重合開始剤の使用量としては、(b)成分100部
(重量部、以下同様)に対して反応速度や分子量
の調節などの点から0.05〜1.5部であるのが好ま
しく、0.1〜0.6部であるのがさらに好ましい。
前記重合に際し、要すれば分子量の調節などの
ために連鎖移動剤を使用してもよく、このような
連鎖移動剤の好ましい具体例としては、たとえば
n−ドデシルメルカプタン、t−オクチルメルカ
プタンのようなメルカプト化合物や、α−メチル
スチレン二重体などがあげられる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
連鎖移動剤を使用するばあいの使用量として
は、(b)成分100部に対して分子量の調節などの点
から0.01〜1.0部であるのが好ましく、0.03〜0.5
部であるのがさらに好ましい。
本発明においては混合系有機バインダーの特性
がそれぞれの有機バインダーの特性の単なるよせ
集めとして発現し、混合系有機バインダーとして
1つになつた特性が発現しないことを改善するた
めのものであるから、(a)成分の溶解が充分おこつ
た状態で(b)成分が重合し、基体となる(a)成分と均
一な重合体が生成するのが好ましい。それゆえ、
(b)成分が(a)成分と均一になるのみならず、均一に
なつた状態で全体が均一に重合するように油溶性
重合開始剤を使用するのが好ましい。
(a)成分、(b)成分、(c)成分および要すれば使用さ
れる連鎖移動剤などから溶液を調製する方法など
にはとくに限定はなく、(c)成分が分解しないよう
な温度であればどのような方法で調製してもよ
い。
調製された溶液は、分散剤を含む水系媒体中に
分散せしめられ、懸濁重合せしめられる。
前記分散剤の具体例としては、たとえばポリビ
ニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、
ポリビニルピロリドンなどの水溶性有機高分子化
合物や、ヒドロキシアパタイト、ピロリン酸マグ
ネシウムなどの水難溶性の微粒子を、アニオン界
面活性剤と併用したものなどがあげられる。これ
ら分散剤の使用量は、使用する水100部に対して
0.1〜1部であるのが好ましく、0.2〜0.5部である
のがさらに好ましい。
前記分散剤を含む水系媒体に対する前記(a)〜(c)
成分ならびに要すれば使用される連鎖移動剤など
からなる溶液の割合としては、水系媒体100部に
対して該溶液30〜120部が分散懸濁液の安定性お
よび生産性などの点から好ましく、50〜100部が
さらに好ましい。
懸濁重合を行なう際の条件などにはとくに限定
はなく、通常行なわれている方法によればよい。
たとえば重合反応温度は、使用する重合開始剤の
分解温度によつて適切な温度が決められるが、通
常50〜130℃の範囲である。
このようにしてたとえば第1図に示すように(a)
成分に(b)成分が均一にミクロ分散した有機バイン
ダーに用いる複合アクリル系樹脂がえられる。こ
の複合アクリル系樹脂は無機粉末を成形して焼結
体をうるのに好適に使用されうる。
なお、第1図は、本発明の組成物に用いる複合
アクリル系樹脂を溶媒でエツチングしたのちの状
態を走査電子顕微鏡(5000倍)で観察し、複合ア
クリル系樹脂の粒子の内部構造をあらわすように
した電子顕微鏡写真である。
また前記ワツクスは、無機粉末と複合アクリル
系樹脂との混練を容易にし、無機粉末を複合アク
リル系樹脂中に均一に分散させ、混合物に可塑性
を付与し、流動性を向上させるための成分であ
り、前記複合アクリル系樹脂と併用することによ
り有機バインダーの使用量を減少させることが可
能となる。
前記ワツクスの融点が100℃をこえると、有機
バインダーの混融点が高く、流動性が不充分と有
機バインダーの使用量を減少させることが難しく
なる。一方、常温以下の融点を有するオイルでは
成形体強度、離型性の面で成形不良を起こしやす
く、また複合アクリル系樹脂と相溶性を有さない
ワツクスのばあいには無機粉末を有機バインダー
中に均一に分散させるのが困難となり、いずれも
前記効果がえられなくなる。
前記ワツクスの有機バインダー中に占める割合
は前記のように10〜50%、好ましくは15〜35%で
あるが、ワツクスの使用量が10%未満のばあいに
は、前記の効果が充分でなく、50%をこえて使用
したばあいには、ワツクスの大きな欠点である強
度不足が顕著にあらわれ、金型からの離型時、グ
リーン成形体にクラツク、割れなどが生じ、実質
上、通常のハンドリングに耐えられるような強度
を有するグリーン成形体がえられなくなる。
前記ワツクスは合成系、天然系ワツクスのいず
れも使用でき、その具体例としては、たとえばパ
ラフインワツクス、マイクロクリスタリンワツク
ス、ポリエチレンワツクス、ミツロウ、カルナウ
バワツクス、モンタンワツクスなどがあげられ
る。
本発明の射出成形用組成物は、前記無機粉末
と、複合アクリル系樹脂およびワツクスを必須成
分とする前記有機バインダーとの割合が、体積比
で0.65/0.35〜0.25/0.75となるように調製した
組成物である。なお、本明細書にいう体積比と
は、Wpを無機粉末の重量、dpを無機粉末の真比
重、WBを有機バインダーの重量、dBを有機バイ
ンダーの真比重としたばあい、次式により表わさ
れるものをいう。
体積比=Wp/dp/Wp/dp+WB/dB/WB/dB/Wp
dp+WB/dB 前記割合が、0.65/0.35をこえるばあいには、
射出成形用材料としての混合物の流動性が不足
し、所望の形状に成形することが困難となり、一
方、0.25/0.75未満のばあい、成形品の密度が上
がらず、焼成時における収縮が大きくなり、寸法
精度をおとすばかりか加熱分解により脱バインダ
ーを行なうばあい、多量のガスの発生のため、成
形体にクラツク、フクレなどの欠陥の生じ方が著
しくなる。
本発明にかかわる射出成形用組成物を用いたセ
ラミツクスや金属などの焼結部材の製造は、通
常、以下のようにして行なわれるが、このような
方法に限定されるものではない。
まず、セラミツクス粉末や金属粉末などの無機
粉末と有機バインダーとを加圧ニーダーのような
混練機で充分加熱混練し、有機バインダー中に無
機粉末を均一に分散させたのち、適当な形状、た
とえば粗粉砕物またはペレツト状にし、射出成形
用材料とする。
つぎにこの材料を通常プラスチツク成形で使用
されている公知の装置および方法により、射出成
形用し、所望の形状の成形体とする。
そののち、成形体より加熱分解などの方法で有
機バインダーを除去し、適宜最適の温度および雰
囲気で焼成することにより、所望の形状の無機焼
結体がえられる。
つぎに本発明を実施例に基づき説明する。
製造例 1 5の反応器にn−ブチルメタクリレート
(BMA)600gおよびn−ドデシルメルカプタン
0.3gを加えて攪拌しながら75℃に昇温したのち、
EVA(ウルトラセン722、東ソ−(株)製)900gと重
合開始剤であるベンゾイルパーオキサイド2.4g
とを加えて溶解させた。これに予め別に調合して
おいたイオン交換水1840mlとポリビニルアルコー
ル(PVA)の3%水溶液160mlとからなる分解剤
水溶液を加えて攪拌し、EVA−BMA溶液を懸濁
させた。ついでチツ素置換したのち、80℃で3時
間、100℃で2時間反応させて重合させたのち、
冷却して取り出し、洗浄し、乾燥させた。
えられたポリマーは粒径0.3〜1mmの範囲にあ
る球状粒子で、トルエン溶液、30℃での固有粘度
[η]は0.85であつた。えられたポリマーを複合
アクリル系樹脂Aという。
製造例 2 5の反応器にBMA700g、スチレン500gお
よびn−ドデシルメルカプタン0.35gを加えて溶
解させたのち、攪拌しながらEVA(ウルトラセン
722、東ソ−(株)製)300gを加えて75℃に昇温して
溶解させ、さらにベンゾイルパーオキサイド4.8
g、t−ブチルパーオキシベンゾエート0.25gを
加えて溶解させた。これに予め別に調合しておい
たイオン交換水1840mlとPVAの3%水溶液160ml
とからなる80℃の分散剤水溶液を加えて攪拌し、
懸濁せしめた。ついで空間をチツ素置換したの
ち、80℃で5時間、110℃で2時間反応させて重
合を完結させた。そののち冷却し、水洗し、乾燥
させて、粒径0.3〜1.0mmの範囲にある白色球状粒
子をえた。この重合体粒子のトルエン溶液、30℃
での固有粘度[η]は0.70であつた。えられたポ
リマーを複合アクリル系樹脂Bという。
比較製造例 1 製造例1で用いたEVA(ウルトラセン722、東
ソ−(株)製)、ポリブチルメタクリレート(分子量
30万)をほぼ同じ組成、固有粘度[η]を有する
ようにロールを用いて140℃で30分間よく混練し、
混合物(混合アクリル系樹脂A)をえた。
比較製造例 2 製造例2で用いたEVA(ウルトラセン722、東
ソ−(株)製)、ポリブチルメタクリレート(分子量
30万)およびポリスチレンをほぼ同じ組成、固有
粘度[η]を有するようにロールを用いて150℃
で30分間よく混練し、混合物(混合アクリル系樹
脂B)をえた。
参考例 1 製造例1および2でえられた懸濁重合体と比較
製造例1および2でえられた単純混合品とについ
て溶媒エツチング法(ヘキサンに2分間浸漬)に
より処理したものを走査型電子顕微鏡(5000倍)
により観察し、エツチングされたものの状態を観
察することにより内部構造を観察した。その結果
をそれぞれの観察写真である第1図および第3図
ならびに第2図および第4図に示す。
第1図と第2図との比較からわかるように、
EVA−BMA懸濁重合体(製造例1)では微細粒
子が均一に分散しており、単純混合品(比較製造
例1)における分散状態とは顕著な差が認められ
る。
また、第3図と第4図との比較から、EVA−
BMA−スチレン懸濁重合体(製造例2)と単純
混合品(比較例2)とについても同様の差異の認
められることがわかる。
実施例 1 アルミナ粉末(AES−11、住友化学工業(株)製)
100部に複合アクリル系樹脂A12.35部、マイクロ
クリスタリンワツクス(融点84℃)4.75部、ステ
アリン酸1.90部を加え、加圧式ニーダーで140℃
で60分間、充分に混練し、2〜4mmのペレツト状
にカツトしてアルミナ粉末/有機バインダーが体
積比で0.59/0.41の射出成形用セラミツクス組成
物を調製した。これを用いて成形温度120〜160
℃、射出圧力500〜1300Kg/cm2の条件で高さ50mm、
最大肉厚5mmのJISB−1176に定められたボルト
を成形し、20〜140℃を昇温速度30℃/h、140〜
350℃を昇温速度4℃/h、350〜450℃を昇温速
度10℃/h、450〜600℃を昇温速度30℃/hの条
件でアルミナ粉末中に埋め込んで加熱することに
より脱バインダーし、ついで焼成炉にいれ1620℃
に達してから1時間保持して焼結させることによ
り、何ら欠陥のない良好な焼結体がえられた。
実施例 2 部分安定化ジルコニア(HSY−3.0、第一稀元
素工業(株)製、比表面積6m2/g)100部に複合ア
クリル系樹脂A10.4部、パラフインワツクス(融
点58℃)4.0部、ステアリン酸1.6部を加え、140
℃で60分間、充分混練し、2〜4mmのペレツト状
にカツトして部分安定化ジルコニア/有機バイン
ダーが体積比で0.51/0.49の射出成形用セラミツ
クス組成物を調製した。これを用いて実施例1と
同様にしてボルトを成形し、脱バインダーしたの
ち焼成炉にいれ1500℃に達してから2時間保持し
て焼結させたところ、ソリ、クラツクなどの欠陥
のない良好な焼結体がえられた。
実施例 3 実施例2と同じ部分安定化ジルコニア100部に
複合アクリル系樹脂B9.5部、パラフインワツク
ス(融点58℃)5.0部、ジブチルフタレート1.3部
を加え、150℃で60分間、充分混練し、2〜4mm
のペレツト状にカツトして部分安定化ジルコニ
ア/有機バインダーが体積比で0.51/0.49の射出
成形用セラミツクス組成物を調製した。これを用
いて実施例1と同様にしてボルトを成形し、脱バ
インダーしたのち、1500℃で2時間保持して焼結
させたところ、ソリ、クラツクなどのない良好な
焼結体がえられた。
実施例 4 平均粒系8.9μmを有するステンレス粉末、
(SUS304L、三菱製鋼(株)製)100部に、複合アク
リル系樹脂B6.6部、パラフインワツクス(融点
69℃)1.8部、ジブチルフタレート2.6部を加えて
150℃で60分間、充分混練し、ステンレス粉末/
有機バインダーが体積比で0.53/0.47の射出成形
用金属組成物を調製した。これを用いて実施例1
と同様にしてボルトを成形した。えられた成形物
をアルミナ粉体中に埋没させN2雰囲気中、昇温
速度を室温から120℃までを3℃/hで昇温し、
120℃以降は6℃/hで450℃まで昇温し、同温度
で2時間保持して有機バインダーを除去したの
ち、真空焼結炉にいれ1350℃に達してから1時間
保持して焼結したところ、クラツクなどのない焼
結密度98%を有する良好な焼結体がえられた。
実施例 5および6 あらかじめ複合アクリル系樹脂A70部、パラフ
インワツクス(融点47℃)20部およびステアリン
酸10部を均一に混合した有機バインダーを調製し
た。
Y2O5およびAl2O3をそれぞれ5%、合計10%含
むチツ化ケイ素(SN−ESP、宇部興産(株)製、粒
子径0.1〜0.6μm)100部に対して前記有機バイン
ダー18部、Mn−Zn系ソフトフエライト(戸田工
業(株)製、平均粒径約1.5μm)100部に対して前記
有機バインダー12部をそれぞれ加え、実施例1と
同様にして混練、成形、脱バインダーを行なつ
た。なお、チツ化ケイ素/有機バインダー、Mn
−Zn系ソフトフエライト/有機バインダーの体
積比は、それぞれ0.63/0.37、0.62/0.38であつ
た。
ついで従来の焼結技術でそれぞれ焼結して、ソ
リ、クラツクなどのない良好な焼結体をえた。
実施例 7および8 あらかじめ複合アクリル系樹脂B45部、パラフ
インワツクス(融点69℃)40部およびジオクチル
フタレート15部を均一に混合した有機バインダー
を調製した。
タングステンカーバイド(平均粒系1.0μm)
100部に対して前記有機バインダー7部、カルボ
ニル鉄粉(粒子径2〜5μm)100部に対して前記
有機バインダー9部をそれぞれ加え、実施例4と
同様にして混練、成形、脱バインダーを行なつ
た。なお、タングステンカーバイド/有機バイン
ダー、カルボニル鉄粉/有機バインダーの体積比
はそれぞれ0.50/0.50、0.58/0.42であつた。
ついで従来の焼結技術でそれぞれ焼結して、何
ら欠陥のない焼結密度98%を有する良好な焼結体
をえた。
比較例 1 混合アクリル系樹脂Aを複合アクリル系樹脂A
の代わりに使用した以外は実施例1と同様な方法
でボルトを成形し、脱バインダー、焼結を行なつ
たが、射出成形の段階でスプルーが折れるなどの
成形不良が発生し、実施例1に比べて歩留りが約
12%低下した。
比較例 2 混合アクリル系樹脂Bを複合アクリル系樹脂B
の代わりに使用した以外は実施例3と同様な方法
でボルトを成形し、脱バインダー、焼結を行なつ
たが、射出成形時にクラツクなどの成形不良が発
生した。また、外観の良好な成形体を脱バインダ
ーした際にもクラツクなどが発生した。最終的な
製品の歩留りとしては実施例3に比べて約22%低
下した。
比較例 3 実施例1と同じアルミナ粉末100部に対し、パ
ラフインワツクス(融点58℃)14部、EVA2部お
よびジブチルフタレート1部を使用した以外は実
施例1と同様にして射出成形したところ、成形体
強度が著しく低いため、離型の際に破損し、良好
な成形体はえられなかつた。
比較例 4 実施例1で使用したアルミナ粉末に対し、複合
アクリル系樹脂Aのみを実施例1で使用した有機
バインダー量と同じ体積比(0.59/0.41)になる
ように配合した以外は実施例1と同様にして混練
し、射出成形したが、流動性不足のため、満足な
グリーン成形体はえられなかつた。
[発明の効果] 本発明の射出成形用組成物を使用すれば、従来
と異なり射出成形法によつて所望の形状を有する
ソリ、クラツクなどのない良好な焼結体を歩留り
よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図はそれぞれ製造例1、比較製造
例1、製造例2、比較製造例2でえられたアクリ
ル系樹脂を溶媒でエツチングしたのちの状態を走
査型電子顕微鏡(5000倍)で観察し、アクリル系
樹脂の粒子の内部構造をあらわすようにした電子
顕微鏡写真である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 無機粉末と有機バインダーとからなる射出成
    形用組成物であつて、有機バインダーが (a) エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチレ
    ン−エチルアクリレート共重合体、 (b) (メタ)アクリル酸エステル単量体単独また
    は(メタ)アクリル酸エステル単量体およびス
    チレン系単量体の混合物および (c) 重合開始剤 からなる溶液を、分散剤を含む水系媒体中に分散
    させて懸濁重合させた複合アクリル系樹脂45〜80
    重量%と、融点100℃以下の前記複合アクリル系
    樹脂と相溶性を有するワツクス10〜50重量%との
    少なくとも2成分を含むバインダーからなり、無
    機粉末/有機バインダーの割合が体積比で0.65/
    0.35〜0.25/0.75となるように調製した射出成形
    用組成物。 2 請求項1記載の射出成形用組成物を成形した
    ものを焼結してえられた焼結体。
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