JPH0582339B2 - - Google Patents
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、焼成中のセラミツク酸化物の収縮を
制御する方法に関するものである。 〔従来技術〕 比較的最近の電子パツケージングの技術革新に
多層セラミツク(以下MLCと称する)モジユー
ルの開発がある。この技術では、セラミツクの粉
末を有機物の一時的バインダにより粘結させた
“グリーン”シート(未燃結シート)に、貴金属
または高融点金属を通常、スクリーン印刷によつ
て(他の方法を使用することもできる)被覆す
る。金属を被覆させたシートを積重ね、積属させ
て焼成し、モノリシツクなセラミツク/金属パツ
ケージを作製する。MLC技術の詳細は、Keiser
らのSolid State Technology、May 1972、
Vol.15、No.5の35〜40頁に示されている。 Eddyらの米国特許第4052538号明細書には、分
散可能なアルフア・アルミナの一水和物の酸性水
性コロイド(ゾル)を生成させ、このゾルに、無
機の酸化含有ナトリウム塩の水溶液を添加してチ
クソトロピー性のゲルを生成させ、墳霧乾燥して
流動し易しい粉末とし、圧縮して成形品とし、加
熱して揮発分を除去した後、焼結してち密なベー
タ・アルミナ・ナトリウムの構造を作成する方法
が開示されている。 Starlingらの米国特許第4265669号明細書には、
硬質の強度の大きいセラミツク、セラミツクの原
料バツチおよび製造法が開示されている。このセ
ラミツクは、原料バツチさから作成した後、焼成
工程中に収縮することなく、モノリシツク構造と
なる。この原料バツチには酸化アルミニウム、酸
化マグネシウム、ガラス・フリツトおよびシリコ
ン樹脂を含んでいる。 小田らの米国特許第4316965号明細書には、膨
張の少ないセラミツクおよびその製造法が開示さ
れている。このセラミツクは、一定比率のMgO、
Al2O3、TiO2、SiO2、およびFe2O3からなるもの
である。結晶相の主成分は、酸化マグネシウム、
酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化シリコン、
酸化鉄の固溶体である。構造方法はバツチの作
成、必要があればバツチの可塑化、成形、乾燥お
よび所定の温度での焼成からなる。製品はハニカ
ム構造をしている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明の目的は、適切に制御された量のイオン
性ドープ材を添加することにより、セラミツク酸
化物、セラミツク酸化物を含むグリーン・シー
ト、およびセラミツク酸化物を含むグリーン・シ
ートを積み上げたものの、焼結による収縮を制御
する方法を提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 セラミツク酸化物の焼成後の収縮は、酸化物中
のイオン性不純物の量を測定することにより、予
知することができる。 イオン性不純物濃度が、セラミツク酸化物の収
縮が許容できない程度になるような場合は、イオ
ン性のドープ材を添加して、焼成中の収縮を適切
に制御することができる。 〔実施例〕 セラミツク酸化物の焼結中の収縮を制御する方
法について述べる前に、本発明の背景について述
べる。本発明の背景には従来技術があり、セラミ
ツク酸化物の焼結中の収縮を制御する方法が本発
明の新しい点であることを理解されたい。したが
つて本発明の背景は制限的であると見なされるべ
きではない。 セラミツク酸化物 本発明の用いるセラミツク酸化物は、はなはだ
しく限定されるものでなく、焼結によりち密な構
造を得るため従来技術に、通常グリーン・シート
の形で用いられるセラミツク酸化物材料から自由
に選択することができる。本発明は、焼結中の収
縮に影響を与える種々のイオン性不純物の性質を
示すあらゆる材料を応用したものである。 しかし、最も典型的には、セラミツク酸化物は
従来から使用されているαアルミナ(Al2O3)
で、一般的にαアルミナは、少量のケイ酸塩フリ
ツト、と共に用いられ、通常セラミツク酸化物お
よびケイ酸塩フリツトの合計の約10重量%までの
比率のケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムお
よびケイ酸アルミニウムとの組合わせで用いられ
る。フリツト粒子の比率は通常非常に小さく、ほ
とんど常にAl2O3粒子の10重量%台以下であるた
め、本発明の方法に与える影響は過度に重量では
なく、実用上、フリツト粒子の影響は、存在する
場合でも無視できる。従来の方法で用いられたフ
リツト粒子の大きさは、実質的にAl2O3粒子の大
きさと同じである。 本発明は特にセラミツク酸化物がAl2O3である
場合に適用されるので、下記の説明もAl2O3につ
いても行なう。 本発明に用いるAl2O3粒子の大きさは過度に重
要ではなく、従来の方法に用いられる大きさから
選択することができる。一般にこれは、約2μm
から8μmであるが、この範囲は必要であれば、
ボールミルや振動ミル等の従来の方法で自由に調
節することができる。 本発明は一般に焼結中に起きるセラミツク酸化
物の収縮を予知し、制御するために用いることが
できるが、本発明は、セラミツク酸化物を含むグ
リーン・シートの焼結中に収縮、特に上記の
Solid State Technologyに記載されたMLCを生
成するセラミツク酸化物を含むグリーン・シート
を積み上げたものの焼成中の収縮を予知し、制御
するために特に適用され、以下の説明ではこのよ
うなセラミツク酸化物を含むグリーン・シート、
特に、Al2O3を含むグリーン・シートについて述
べる。 重合物バインダ 従来技術で良く知られているように、Al2O3グ
リーン・シートは必須の成分としてAl2O3と重合
物バインダを組合わせて作製する。使用する重合
物バインダは、従来技術で使用されるものから自
由に選択することができる。 重合物バインダが示す主な性質は、熱可塑性
(温度を上げると軟化する)で柔軟性があり(通
常可塑剤を含有する)、グリーン・シートを作成
するために枠に注型するために用いる揮発性の溶
剤に可溶性で、グリーン・シート焼結サイクル中
に、実質的に残渣を残さず除去できることであ
る。 この方法で用いる主な重合物バインダは、ジオ
クチルフタルレートまたはジブチルフタレートを
可塑性として含有するポリビニリブチラール等の
アセタール類、主にグリセリンを可塑剤とするグ
アーゴム等の多糖類、ポリアミド、ポリビニルア
ルコール、ポリアセテート、ポリ塩化ビニル等で
ある。 現在好まれる重合物バインダニついては後述す
る。 周知のごとく、セラミツク酸化物を含むグリー
ン・シートの作製に用いる従来の添加物は、本発
明の方法に用いることができる。 溶 剤 セラミツク酸化物を含有するグリーン・シート
(以下単にグリーン・シートと称する)を作製す
るにの用いるスラリーは、主として1種類または
それ以上の溶剤を用いて作製する。この溶剤は従
来技術に用いられる比較的純粋な形、または好ま
しくは既知の不純物を含有する溶剤から自由に選
択することができる。必要があれば、沸点60℃〜
160℃の範囲の異種の混合物を使用することもで
きる。有用な溶剤には、脂肪族アルコール類、ケ
ント類、芳香族溶剤、これらの混合物等、たとえ
ばメタノール、シクロヘキサノン、トルエン等が
ある。現在好ましい溶剤システムについては後述
する。 〔スラリーの成分〕 本発明のグリーン・シートを作製するために用
いるスラリーは、従来技術のように必要な成分を
含有するものである。 スラリーの成分は全く限定されるものではない
が、典型的なスラリーは、約55〜70重量%の
Al2O3粒子、約5〜8重量%の重合物バインダ、
および約25〜30重量%の1種またはそれ以上の溶
剤からなるものである。 素地シートの作製 本発明の方法によるセラミツク酸化物は、従来
の方法でグリーン・シートを作製するのに用い
る。これについては、前述のSolid State
Technologyおよび、丹羽らの米国特許第4237606
号明細書に開示されている。 従来技術の説明は以上のとおりである。次に、
本発明の方法につき詳述に述べる。 グリーン・シートを焼成する多くの応用分野
で、グリーン・シートの焼成による収縮を制御す
る必要がある。しかし、これは特に、たとえば
17.2±0.3%というような厳密な制御を必要とす
るMLCの製造には重要である。最も好ましい収
縮率(X−Y)%は、16.86〜17.54%である。こ
のようなMLCを製造するのに一般に用いられる
Al2O3は、ボーキサイト鉱石を工業用水酸化ナト
リウムで分解し、濾過して不溶性の不純物を除去
した後、ロータリー・キルンで標準のBayer法に
より単斜晶系のアルミナ三水和物を仮焼して製造
する。ボーキサイト鉱石は各種のものが用いられ
るため、メーカーより受け入れたAl2O3には、ロ
ツトによつて異なる量のNa2O、CaO、BaO、
MgO等の不純物、特にNa2Oを含有する。これら
の不純物は、重合物バインダ中の不純物と共に、
溶剤により浸出させる。 本発明者らはデータによれば、イオン性不純物
もバインダ、溶剤およびフリツトに含まれるが、
電導度測定および化学分析データによれば、イオ
ン性不純物による汚染はロツトによつて変化せ
ず、したがつてこれらの成分からのイオン性不純
物は、素地の焼成による収縮に影響に影響を与え
る重要な変数とはならないと考えられる。 本発明者らは、不純物の量によつて、通常水分
を含む水素雰囲気等で、約1350〜1650℃で約16〜
24時間(最高温度で約1時間)焼結した場合の、
グリーン・シートの収縮度に大きな影響のあるこ
とを見出した。たとえば、イオン性不純物の量が
多いと、収縮は大きく、イオン性不純物の量が少
ないと、収縮は小さくなる。 イオン性不純物の濃度の測定値は、焼結中のグ
リーン・シートの収縮と高い相関性があり、焼結
前にかかるイオン性不純物を測定することによ
り、収縮の度合を正確に予知することができるこ
とを見出した。 さらに、イオン性不術物濃度により、焼成中の
収縮が制御できるので、焼結中の収縮が少な過ぎ
るAl2O3は、適量のイオン性ドープ材料を添加す
ることにより、必要な収縮を示すように変性する
ことができることを見出した。たとえば、“ドー
プしない”Al2O3中のイオン性不純物量を、本明
細書に述べる方法のひとつにより測定した後、適
当のNaOH(または水)をスラリー分散中に添加
して、電荷密度または不純物濃度を必要量にす
る。 必要があれば、このNaOHは少量の重合量バ
インダまたはエタノールに溶解してスラリーに添
加して、確実に混合させることができるのはもち
ろんである。 イオン性不純物が、焼結中の収縮(X−Y)%
および抵抗率に与える影響を示すため、第4図お
よび第5図に、それぞれイオン性不純物濃度
(ppm)と焼成による収縮(X−Y)%、および
スラリーの抵抗率(kΩ−cm)との関係を示す。 イオン性不純物濃度の測定は以下に述べるよう
な各種の方法で行うことができる。 本発明は特に、Al2O3・フリツト・重合物バイ
ンダ・溶剤によるスラリーに適用されるので、以
下の説明はかかるスラリーについて述べる。しか
し上述のように、本発明はかかるスラリーに限定
されるものではない。 さらに、本発明の詳細を説明し、すべてのデー
タが同種類のスラリーを基準とするよう基準点を
定める目的で、下記の詳細説明および実施例は、
α−Al2O358.56%、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マ
グネシウム、ケイ酸アルミニウムのフリツト7.24
%、ならびに、ジプロピレン・グリコール・ベン
ゾエート、約80モル%のポリビニルアセタール、
18〜20モル%のポリビニルアルコール、0〜2.5
モル%のポリビニルアセテートからなるポリビニ
ル・ブチラール樹脂である市販の重合物バインダ
Butvar(B−98)、およびメタノールからなる有
機混合物34.2%からなるスラリーを基準とする。
上述のように、有機物はすべて従来技術で使用さ
れる量を用いている。かかるスラリーのイオン性
不純物濃度測定は、化学分析、抵抗率測定、また
は以下に述べるような従来技法により行うことが
できる。 かかるイオン性不純物濃度は従来の装置により
定量することができる。以下の説明では、
Micromeritics Instrument Corporation,
Norcross,GeorgiaのElectrophoretic Mass
Transport Analyzer(Model 1202)にオーム・
メータのリセプタクル付のものを使用した。この
装置はBeckmann Inc.製の標準プラチナ電導
度・抵抗率セルが取付けられている。このセルは
ガラス円筒に封入した2本のプラチナ電極からな
り、電極の2つの端部は分析するスラリーと接触
するよう露出している。セルの他の端部には
Mass Transport Analyzerに接続するための端
子が設けられている。 最初にKCl標準容液(0.01N)を用い、下記の
式によりセル定数を算出する。 Kc=(Rc)(λkcl)=(ohm) (ohm-1−cm-1)=cm-1 ここに Rc=kcl溶液の抵抗の測定値 λkcl=文献による特定コンダクタンス このように、スラリーの抵抗を特定温度におけ
るセル定数で割つたものがスラリーの抵抗率であ
る。すなわち、 スラリーの抵抗率=抵抗(ohm)/セル定数(cm-1) =ohm−cm 各スラリーの抵抗およびこれにより求められる
抵抗率を室温で測定した直後に、Mass
Transport Analyzerを用いてスラリー試料の粒
子易動度を測定した。結果は下式を用いて試料の
電気泳動易動度およびゼータ電位を算出するのに
用いた。 (A) φ=(分散した固体成分の重量/
ρp)/(分散した固体成分の重量/ρp)+(液体成分
の重量/ρ1) ここに ρp=α−Al2O3・フリツト混合物の密度 ρ1=全有機物の密度 φ=固体成分の容積 (B) V〓=(ΔW)(Kc)/(Rc)(τ
)()(φ)(1−φ)(ρp−ρ1)=10-7cm2sec-1
volt-1 ここに ΔW=試料セル(テフロン)の重量変化 τ=試験時間 I=電流 Rc=スラリー試料の抵抗 Kc=導電率セル定数 V〓=電気泳動易動度 (C) ζ=(−)(36×104)(π)(V〓)(η)/D
=volt ここに、 η=全有機物の粘度 D=全有機物の誘電率 ζ=ゼータ電位 全有機物の誘電率Dは、構成する個々の成分の
誘電率により決まる。これは通常文献により、ま
たは従来法により求めることができる。室温にお
ける有機物の誘電率の計算に、下記の対数式を用
いた。 (D) logD=〓iViloDi=無次元 ここに、 Vi=相iの容積 Di=相iの誘電率 上記のどの方法でも、種々のロツトのAl2O3を
含有するスラリーのイオン性不純物濃度が求めら
れ、後で詳細に述べるように、イオン性不純物濃
度と、焼成中のグリーン・シートの収縮に相関性
のあるデータが得られる。 上述により明らかなように、不純物含有量の極
めて低いAl2O3を用いたスラリーは、極めて低い
収縮を示す。本発明の他の実施例は、イオン性不
純物濃度を増大させるため、イオン性電解質をス
ラリーにドープしたものである。この既知のイオ
ン性不純物濃度により、前述のグラフ化したデー
タを用いて、変性スラリーの焼結中の収率の度合
を予知することができる。 専門家の認めるように、イオン性電解質は通常
Al2O3中に存在する不純物の陽イオン成分である
Na、Ca、Ba、Mg等のひとつに基づくものであ
るが、Naが焼成中のスラリーの収縮に最大の影
響を示す不純物と考えられるので、通常用いられ
るイオン性電解質はNaOHである。水も後述の
ように用いることができる。 最も一般的にAl2O3中に存在するイオン性不純
物は、約0.06ppmから約130ppm程度の量である
から、通常いかなるイオン性電解質でも、スラリ
ー中のイオン性不純物の全濃度がこの範囲になる
ような量を添加する。ただし、これは収縮の必要
条件に適合すればこの限りではない。 周知のごとく、本発明の方法はアルミナのロツ
トの合否を選別するにも用いることができる。か
かる分析のためには、すべての成分を約15分間混
合し、スラリーの泡を消滅させ、スラリーを室温
に冷却して“モデル”スラリーを作製し、上記の
ゼータ電位または抵抗率測定、好ましくは抵抗率
測定を行い、これにより焼結時の収縮を予知す
る。 本発明は上に述べたとおりであるが、次に本発
明の実施例を、図を参照して説明する。 実施例 1 本実施例は、焼結によるグリーン・シートの収
縮を予知するためのゼータ電位測定を説明するも
のである。スラリーの成分比率は前記のとおりで
ある。このスラリーは、単にすべての成分を混合
し、ボールミルで16時間従来の方法で粉砕して平
均粒径を約3ミクロンとして作製した。 その後、電気泳動易動度およびゼータ電位を、
前述のElectrophoretic Mass Transport
Analyzerを用いて測定した。測定したスラリー
の電気泳動易動度と、グリーン・シートの焼結に
よる収縮(X−Y)%の関係は第1図に示すとお
りである。 これによつてわかるように、スラリー中の
Al2O3およびフリツト粒子の電気泳動易動度およ
びゼータ電位が上昇するほど、相当する基板の収
縮が増大した。 30のスラリーを分析した結果を第2図に示す。
第2図ではボールミルにかけたスラリーの負のゼ
ータ電位(ボルト)が低いほどイオン性の不純物
の濃度が低く、負のデータ電位が高いほどイオン
性不純物の濃度が高いことを示している。容易に
理解されるように、ゼータ電位、したがつてイオ
ン性不純物の濃度は、焼結によるグリーン・シー
トの収縮と極めて高い相関を示す。 実際の分析方法は、十分にボールミルにかけた
スラリーを少量(約150cm3)サンプリングし、脱
気、再分散後室温に冷却してからElectrophretic
Mass Transport Analyzerで(気泡が電極に付
着していないことを確認して)電気泳動易動度を
測定し、この結果から前述の式を用いてスラリー
粒子の電荷密度またはゼータ電位をボルト単位で
算出する。 電導度セルは使用後、スラリーの残渣が除去さ
れるまでメチルアルコール等の適切な溶剤で洗滌
した後、乾燥した窒素ガスを吹付けて乾燥させ
る。 グリーン・シートを作製した後、ゲリーン・シ
ートはすべて1350〜1650℃で24時間、最高温度で
約1時間、水蒸気を含む水素雰囲気中、1気圧で
従来方法により焼結した。特に示さない限り、以
下の実施例では収縮率(%)は同じ条件で測定し
た。 データからわかるように、相関係数(Rフアク
タ)は電気泳動易動度、データ電位と収縮には、
高い相関関係があることを示している。 実施例 2 本実施例は、焼結によるグリーン・シートの収
縮を予知するためにスラリーの抵抗率の測定を使
用することを示すものである。 本発明者らは、スラリーの抵抗率測定値は、他
の測定値よりも正確に収縮を示すことを見出し
た。これは、スラリーの抵抗率は、スラリー中の
イオン性成分の電気的な寄与を正確に示す測定値
であると考えたことによる。さらに、スラリーの
抵抗率測定は極めて容易に行うことができる。 本実施例に用いたスラリーは、実施例1で説明
したものと同様の方法で作製した。 スラリーの抵抗率は下記の方法で測定した。 前述のElectrophoretic Mass Transport
Analyzerを用いて、スラリー試料を脱気し、各
試料を約150cm3ずつサンプリングした。試料は室
温で冷却し、数分間撹拌して再分散させた後、抵
抗率を測定した。スラリー試料の抵抗率は、導電
率・抵抗率セルをスラリー中に約1インチ浸漬
し、2本のプラチナ電極が確実にスラリー中に浸
漬されていることを確認した後、セルを前後に動
かして、セルに付着した気泡を除去した。これ
は、セルに気泡が付着すると抵抗率の値に影響を
与えるためである。 抵抗率の測定は、ポテンシヨメータを正しい方
向に、電計のふれが最小になるまで、すなわち平
衡に達するまで回転することにより行つた。この
時点でスラリーの抵抗が求められ、抵抗率は前述
の式により、スラリーの抵抗を導電率セル定数で
割つて算出する。 得られた結果を第3図に示す。図からわかるよ
うに、抵抗率とグリーン・シートの焼結による収
縮との間に高い相関がある。すなわち、イオン性
不純物濃度とグリーン・シートの焼結による収縮
との間に高い相関がある。 第3図のRフアクタは非常に良好で、スラリー
の抵抗率測定値は他の測定値よりも収縮との相関
が高いという本発明者らの説が裏付けられた。 上記と実質的に同じ方法により測定すると、
Na量が104ppmと高い試料101は、収率が、
17.2%と大きく、Na量が22ppmと低い試料82
は、収縮が16.78%と小さかつた。Na量は誘電結
合したアルゴン・プラズマ分光光度計により確認
した。これらのスラリーを作製するのに使用した
2種類のAl2O3の表面積には実質的な差はなく、
試料101は0.976m2/g、試料82は0.932m2/
gであつた。さらに別のスラリーを上記の方法で
作製した。試料82に類似の試料16はスラリー
の抵抗率が186KΩ−cmであり、これに対して試
料101に類似の試料98のスラリーの抵抗率は
88KΩ−cmであつた。これら2つのスラリーのゼ
ータ電位はそれぞれ−0.08Vおよび−0.28Vであ
つた。試料16は収縮率が16.76%、試料98は
収縮率が17.20%であつた。 上記の2試料、および他の試料の抵抗率、
Al2O3の表面積、焼結によるグリーン・シートの
収縮率およびナトリウム含有量を測定した結果は
下表のとおりであつた。ナトリウム含有量と、焼
成による収縮率との間に、測定誤差の範囲内で、
高い相関性のあることが容易に理解できる。
制御する方法に関するものである。 〔従来技術〕 比較的最近の電子パツケージングの技術革新に
多層セラミツク(以下MLCと称する)モジユー
ルの開発がある。この技術では、セラミツクの粉
末を有機物の一時的バインダにより粘結させた
“グリーン”シート(未燃結シート)に、貴金属
または高融点金属を通常、スクリーン印刷によつ
て(他の方法を使用することもできる)被覆す
る。金属を被覆させたシートを積重ね、積属させ
て焼成し、モノリシツクなセラミツク/金属パツ
ケージを作製する。MLC技術の詳細は、Keiser
らのSolid State Technology、May 1972、
Vol.15、No.5の35〜40頁に示されている。 Eddyらの米国特許第4052538号明細書には、分
散可能なアルフア・アルミナの一水和物の酸性水
性コロイド(ゾル)を生成させ、このゾルに、無
機の酸化含有ナトリウム塩の水溶液を添加してチ
クソトロピー性のゲルを生成させ、墳霧乾燥して
流動し易しい粉末とし、圧縮して成形品とし、加
熱して揮発分を除去した後、焼結してち密なベー
タ・アルミナ・ナトリウムの構造を作成する方法
が開示されている。 Starlingらの米国特許第4265669号明細書には、
硬質の強度の大きいセラミツク、セラミツクの原
料バツチおよび製造法が開示されている。このセ
ラミツクは、原料バツチさから作成した後、焼成
工程中に収縮することなく、モノリシツク構造と
なる。この原料バツチには酸化アルミニウム、酸
化マグネシウム、ガラス・フリツトおよびシリコ
ン樹脂を含んでいる。 小田らの米国特許第4316965号明細書には、膨
張の少ないセラミツクおよびその製造法が開示さ
れている。このセラミツクは、一定比率のMgO、
Al2O3、TiO2、SiO2、およびFe2O3からなるもの
である。結晶相の主成分は、酸化マグネシウム、
酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化シリコン、
酸化鉄の固溶体である。構造方法はバツチの作
成、必要があればバツチの可塑化、成形、乾燥お
よび所定の温度での焼成からなる。製品はハニカ
ム構造をしている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明の目的は、適切に制御された量のイオン
性ドープ材を添加することにより、セラミツク酸
化物、セラミツク酸化物を含むグリーン・シー
ト、およびセラミツク酸化物を含むグリーン・シ
ートを積み上げたものの、焼結による収縮を制御
する方法を提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 セラミツク酸化物の焼成後の収縮は、酸化物中
のイオン性不純物の量を測定することにより、予
知することができる。 イオン性不純物濃度が、セラミツク酸化物の収
縮が許容できない程度になるような場合は、イオ
ン性のドープ材を添加して、焼成中の収縮を適切
に制御することができる。 〔実施例〕 セラミツク酸化物の焼結中の収縮を制御する方
法について述べる前に、本発明の背景について述
べる。本発明の背景には従来技術があり、セラミ
ツク酸化物の焼結中の収縮を制御する方法が本発
明の新しい点であることを理解されたい。したが
つて本発明の背景は制限的であると見なされるべ
きではない。 セラミツク酸化物 本発明の用いるセラミツク酸化物は、はなはだ
しく限定されるものでなく、焼結によりち密な構
造を得るため従来技術に、通常グリーン・シート
の形で用いられるセラミツク酸化物材料から自由
に選択することができる。本発明は、焼結中の収
縮に影響を与える種々のイオン性不純物の性質を
示すあらゆる材料を応用したものである。 しかし、最も典型的には、セラミツク酸化物は
従来から使用されているαアルミナ(Al2O3)
で、一般的にαアルミナは、少量のケイ酸塩フリ
ツト、と共に用いられ、通常セラミツク酸化物お
よびケイ酸塩フリツトの合計の約10重量%までの
比率のケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムお
よびケイ酸アルミニウムとの組合わせで用いられ
る。フリツト粒子の比率は通常非常に小さく、ほ
とんど常にAl2O3粒子の10重量%台以下であるた
め、本発明の方法に与える影響は過度に重量では
なく、実用上、フリツト粒子の影響は、存在する
場合でも無視できる。従来の方法で用いられたフ
リツト粒子の大きさは、実質的にAl2O3粒子の大
きさと同じである。 本発明は特にセラミツク酸化物がAl2O3である
場合に適用されるので、下記の説明もAl2O3につ
いても行なう。 本発明に用いるAl2O3粒子の大きさは過度に重
要ではなく、従来の方法に用いられる大きさから
選択することができる。一般にこれは、約2μm
から8μmであるが、この範囲は必要であれば、
ボールミルや振動ミル等の従来の方法で自由に調
節することができる。 本発明は一般に焼結中に起きるセラミツク酸化
物の収縮を予知し、制御するために用いることが
できるが、本発明は、セラミツク酸化物を含むグ
リーン・シートの焼結中に収縮、特に上記の
Solid State Technologyに記載されたMLCを生
成するセラミツク酸化物を含むグリーン・シート
を積み上げたものの焼成中の収縮を予知し、制御
するために特に適用され、以下の説明ではこのよ
うなセラミツク酸化物を含むグリーン・シート、
特に、Al2O3を含むグリーン・シートについて述
べる。 重合物バインダ 従来技術で良く知られているように、Al2O3グ
リーン・シートは必須の成分としてAl2O3と重合
物バインダを組合わせて作製する。使用する重合
物バインダは、従来技術で使用されるものから自
由に選択することができる。 重合物バインダが示す主な性質は、熱可塑性
(温度を上げると軟化する)で柔軟性があり(通
常可塑剤を含有する)、グリーン・シートを作成
するために枠に注型するために用いる揮発性の溶
剤に可溶性で、グリーン・シート焼結サイクル中
に、実質的に残渣を残さず除去できることであ
る。 この方法で用いる主な重合物バインダは、ジオ
クチルフタルレートまたはジブチルフタレートを
可塑性として含有するポリビニリブチラール等の
アセタール類、主にグリセリンを可塑剤とするグ
アーゴム等の多糖類、ポリアミド、ポリビニルア
ルコール、ポリアセテート、ポリ塩化ビニル等で
ある。 現在好まれる重合物バインダニついては後述す
る。 周知のごとく、セラミツク酸化物を含むグリー
ン・シートの作製に用いる従来の添加物は、本発
明の方法に用いることができる。 溶 剤 セラミツク酸化物を含有するグリーン・シート
(以下単にグリーン・シートと称する)を作製す
るにの用いるスラリーは、主として1種類または
それ以上の溶剤を用いて作製する。この溶剤は従
来技術に用いられる比較的純粋な形、または好ま
しくは既知の不純物を含有する溶剤から自由に選
択することができる。必要があれば、沸点60℃〜
160℃の範囲の異種の混合物を使用することもで
きる。有用な溶剤には、脂肪族アルコール類、ケ
ント類、芳香族溶剤、これらの混合物等、たとえ
ばメタノール、シクロヘキサノン、トルエン等が
ある。現在好ましい溶剤システムについては後述
する。 〔スラリーの成分〕 本発明のグリーン・シートを作製するために用
いるスラリーは、従来技術のように必要な成分を
含有するものである。 スラリーの成分は全く限定されるものではない
が、典型的なスラリーは、約55〜70重量%の
Al2O3粒子、約5〜8重量%の重合物バインダ、
および約25〜30重量%の1種またはそれ以上の溶
剤からなるものである。 素地シートの作製 本発明の方法によるセラミツク酸化物は、従来
の方法でグリーン・シートを作製するのに用い
る。これについては、前述のSolid State
Technologyおよび、丹羽らの米国特許第4237606
号明細書に開示されている。 従来技術の説明は以上のとおりである。次に、
本発明の方法につき詳述に述べる。 グリーン・シートを焼成する多くの応用分野
で、グリーン・シートの焼成による収縮を制御す
る必要がある。しかし、これは特に、たとえば
17.2±0.3%というような厳密な制御を必要とす
るMLCの製造には重要である。最も好ましい収
縮率(X−Y)%は、16.86〜17.54%である。こ
のようなMLCを製造するのに一般に用いられる
Al2O3は、ボーキサイト鉱石を工業用水酸化ナト
リウムで分解し、濾過して不溶性の不純物を除去
した後、ロータリー・キルンで標準のBayer法に
より単斜晶系のアルミナ三水和物を仮焼して製造
する。ボーキサイト鉱石は各種のものが用いられ
るため、メーカーより受け入れたAl2O3には、ロ
ツトによつて異なる量のNa2O、CaO、BaO、
MgO等の不純物、特にNa2Oを含有する。これら
の不純物は、重合物バインダ中の不純物と共に、
溶剤により浸出させる。 本発明者らはデータによれば、イオン性不純物
もバインダ、溶剤およびフリツトに含まれるが、
電導度測定および化学分析データによれば、イオ
ン性不純物による汚染はロツトによつて変化せ
ず、したがつてこれらの成分からのイオン性不純
物は、素地の焼成による収縮に影響に影響を与え
る重要な変数とはならないと考えられる。 本発明者らは、不純物の量によつて、通常水分
を含む水素雰囲気等で、約1350〜1650℃で約16〜
24時間(最高温度で約1時間)焼結した場合の、
グリーン・シートの収縮度に大きな影響のあるこ
とを見出した。たとえば、イオン性不純物の量が
多いと、収縮は大きく、イオン性不純物の量が少
ないと、収縮は小さくなる。 イオン性不純物の濃度の測定値は、焼結中のグ
リーン・シートの収縮と高い相関性があり、焼結
前にかかるイオン性不純物を測定することによ
り、収縮の度合を正確に予知することができるこ
とを見出した。 さらに、イオン性不術物濃度により、焼成中の
収縮が制御できるので、焼結中の収縮が少な過ぎ
るAl2O3は、適量のイオン性ドープ材料を添加す
ることにより、必要な収縮を示すように変性する
ことができることを見出した。たとえば、“ドー
プしない”Al2O3中のイオン性不純物量を、本明
細書に述べる方法のひとつにより測定した後、適
当のNaOH(または水)をスラリー分散中に添加
して、電荷密度または不純物濃度を必要量にす
る。 必要があれば、このNaOHは少量の重合量バ
インダまたはエタノールに溶解してスラリーに添
加して、確実に混合させることができるのはもち
ろんである。 イオン性不純物が、焼結中の収縮(X−Y)%
および抵抗率に与える影響を示すため、第4図お
よび第5図に、それぞれイオン性不純物濃度
(ppm)と焼成による収縮(X−Y)%、および
スラリーの抵抗率(kΩ−cm)との関係を示す。 イオン性不純物濃度の測定は以下に述べるよう
な各種の方法で行うことができる。 本発明は特に、Al2O3・フリツト・重合物バイ
ンダ・溶剤によるスラリーに適用されるので、以
下の説明はかかるスラリーについて述べる。しか
し上述のように、本発明はかかるスラリーに限定
されるものではない。 さらに、本発明の詳細を説明し、すべてのデー
タが同種類のスラリーを基準とするよう基準点を
定める目的で、下記の詳細説明および実施例は、
α−Al2O358.56%、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マ
グネシウム、ケイ酸アルミニウムのフリツト7.24
%、ならびに、ジプロピレン・グリコール・ベン
ゾエート、約80モル%のポリビニルアセタール、
18〜20モル%のポリビニルアルコール、0〜2.5
モル%のポリビニルアセテートからなるポリビニ
ル・ブチラール樹脂である市販の重合物バインダ
Butvar(B−98)、およびメタノールからなる有
機混合物34.2%からなるスラリーを基準とする。
上述のように、有機物はすべて従来技術で使用さ
れる量を用いている。かかるスラリーのイオン性
不純物濃度測定は、化学分析、抵抗率測定、また
は以下に述べるような従来技法により行うことが
できる。 かかるイオン性不純物濃度は従来の装置により
定量することができる。以下の説明では、
Micromeritics Instrument Corporation,
Norcross,GeorgiaのElectrophoretic Mass
Transport Analyzer(Model 1202)にオーム・
メータのリセプタクル付のものを使用した。この
装置はBeckmann Inc.製の標準プラチナ電導
度・抵抗率セルが取付けられている。このセルは
ガラス円筒に封入した2本のプラチナ電極からな
り、電極の2つの端部は分析するスラリーと接触
するよう露出している。セルの他の端部には
Mass Transport Analyzerに接続するための端
子が設けられている。 最初にKCl標準容液(0.01N)を用い、下記の
式によりセル定数を算出する。 Kc=(Rc)(λkcl)=(ohm) (ohm-1−cm-1)=cm-1 ここに Rc=kcl溶液の抵抗の測定値 λkcl=文献による特定コンダクタンス このように、スラリーの抵抗を特定温度におけ
るセル定数で割つたものがスラリーの抵抗率であ
る。すなわち、 スラリーの抵抗率=抵抗(ohm)/セル定数(cm-1) =ohm−cm 各スラリーの抵抗およびこれにより求められる
抵抗率を室温で測定した直後に、Mass
Transport Analyzerを用いてスラリー試料の粒
子易動度を測定した。結果は下式を用いて試料の
電気泳動易動度およびゼータ電位を算出するのに
用いた。 (A) φ=(分散した固体成分の重量/
ρp)/(分散した固体成分の重量/ρp)+(液体成分
の重量/ρ1) ここに ρp=α−Al2O3・フリツト混合物の密度 ρ1=全有機物の密度 φ=固体成分の容積 (B) V〓=(ΔW)(Kc)/(Rc)(τ
)()(φ)(1−φ)(ρp−ρ1)=10-7cm2sec-1
volt-1 ここに ΔW=試料セル(テフロン)の重量変化 τ=試験時間 I=電流 Rc=スラリー試料の抵抗 Kc=導電率セル定数 V〓=電気泳動易動度 (C) ζ=(−)(36×104)(π)(V〓)(η)/D
=volt ここに、 η=全有機物の粘度 D=全有機物の誘電率 ζ=ゼータ電位 全有機物の誘電率Dは、構成する個々の成分の
誘電率により決まる。これは通常文献により、ま
たは従来法により求めることができる。室温にお
ける有機物の誘電率の計算に、下記の対数式を用
いた。 (D) logD=〓iViloDi=無次元 ここに、 Vi=相iの容積 Di=相iの誘電率 上記のどの方法でも、種々のロツトのAl2O3を
含有するスラリーのイオン性不純物濃度が求めら
れ、後で詳細に述べるように、イオン性不純物濃
度と、焼成中のグリーン・シートの収縮に相関性
のあるデータが得られる。 上述により明らかなように、不純物含有量の極
めて低いAl2O3を用いたスラリーは、極めて低い
収縮を示す。本発明の他の実施例は、イオン性不
純物濃度を増大させるため、イオン性電解質をス
ラリーにドープしたものである。この既知のイオ
ン性不純物濃度により、前述のグラフ化したデー
タを用いて、変性スラリーの焼結中の収率の度合
を予知することができる。 専門家の認めるように、イオン性電解質は通常
Al2O3中に存在する不純物の陽イオン成分である
Na、Ca、Ba、Mg等のひとつに基づくものであ
るが、Naが焼成中のスラリーの収縮に最大の影
響を示す不純物と考えられるので、通常用いられ
るイオン性電解質はNaOHである。水も後述の
ように用いることができる。 最も一般的にAl2O3中に存在するイオン性不純
物は、約0.06ppmから約130ppm程度の量である
から、通常いかなるイオン性電解質でも、スラリ
ー中のイオン性不純物の全濃度がこの範囲になる
ような量を添加する。ただし、これは収縮の必要
条件に適合すればこの限りではない。 周知のごとく、本発明の方法はアルミナのロツ
トの合否を選別するにも用いることができる。か
かる分析のためには、すべての成分を約15分間混
合し、スラリーの泡を消滅させ、スラリーを室温
に冷却して“モデル”スラリーを作製し、上記の
ゼータ電位または抵抗率測定、好ましくは抵抗率
測定を行い、これにより焼結時の収縮を予知す
る。 本発明は上に述べたとおりであるが、次に本発
明の実施例を、図を参照して説明する。 実施例 1 本実施例は、焼結によるグリーン・シートの収
縮を予知するためのゼータ電位測定を説明するも
のである。スラリーの成分比率は前記のとおりで
ある。このスラリーは、単にすべての成分を混合
し、ボールミルで16時間従来の方法で粉砕して平
均粒径を約3ミクロンとして作製した。 その後、電気泳動易動度およびゼータ電位を、
前述のElectrophoretic Mass Transport
Analyzerを用いて測定した。測定したスラリー
の電気泳動易動度と、グリーン・シートの焼結に
よる収縮(X−Y)%の関係は第1図に示すとお
りである。 これによつてわかるように、スラリー中の
Al2O3およびフリツト粒子の電気泳動易動度およ
びゼータ電位が上昇するほど、相当する基板の収
縮が増大した。 30のスラリーを分析した結果を第2図に示す。
第2図ではボールミルにかけたスラリーの負のゼ
ータ電位(ボルト)が低いほどイオン性の不純物
の濃度が低く、負のデータ電位が高いほどイオン
性不純物の濃度が高いことを示している。容易に
理解されるように、ゼータ電位、したがつてイオ
ン性不純物の濃度は、焼結によるグリーン・シー
トの収縮と極めて高い相関を示す。 実際の分析方法は、十分にボールミルにかけた
スラリーを少量(約150cm3)サンプリングし、脱
気、再分散後室温に冷却してからElectrophretic
Mass Transport Analyzerで(気泡が電極に付
着していないことを確認して)電気泳動易動度を
測定し、この結果から前述の式を用いてスラリー
粒子の電荷密度またはゼータ電位をボルト単位で
算出する。 電導度セルは使用後、スラリーの残渣が除去さ
れるまでメチルアルコール等の適切な溶剤で洗滌
した後、乾燥した窒素ガスを吹付けて乾燥させ
る。 グリーン・シートを作製した後、ゲリーン・シ
ートはすべて1350〜1650℃で24時間、最高温度で
約1時間、水蒸気を含む水素雰囲気中、1気圧で
従来方法により焼結した。特に示さない限り、以
下の実施例では収縮率(%)は同じ条件で測定し
た。 データからわかるように、相関係数(Rフアク
タ)は電気泳動易動度、データ電位と収縮には、
高い相関関係があることを示している。 実施例 2 本実施例は、焼結によるグリーン・シートの収
縮を予知するためにスラリーの抵抗率の測定を使
用することを示すものである。 本発明者らは、スラリーの抵抗率測定値は、他
の測定値よりも正確に収縮を示すことを見出し
た。これは、スラリーの抵抗率は、スラリー中の
イオン性成分の電気的な寄与を正確に示す測定値
であると考えたことによる。さらに、スラリーの
抵抗率測定は極めて容易に行うことができる。 本実施例に用いたスラリーは、実施例1で説明
したものと同様の方法で作製した。 スラリーの抵抗率は下記の方法で測定した。 前述のElectrophoretic Mass Transport
Analyzerを用いて、スラリー試料を脱気し、各
試料を約150cm3ずつサンプリングした。試料は室
温で冷却し、数分間撹拌して再分散させた後、抵
抗率を測定した。スラリー試料の抵抗率は、導電
率・抵抗率セルをスラリー中に約1インチ浸漬
し、2本のプラチナ電極が確実にスラリー中に浸
漬されていることを確認した後、セルを前後に動
かして、セルに付着した気泡を除去した。これ
は、セルに気泡が付着すると抵抗率の値に影響を
与えるためである。 抵抗率の測定は、ポテンシヨメータを正しい方
向に、電計のふれが最小になるまで、すなわち平
衡に達するまで回転することにより行つた。この
時点でスラリーの抵抗が求められ、抵抗率は前述
の式により、スラリーの抵抗を導電率セル定数で
割つて算出する。 得られた結果を第3図に示す。図からわかるよ
うに、抵抗率とグリーン・シートの焼結による収
縮との間に高い相関がある。すなわち、イオン性
不純物濃度とグリーン・シートの焼結による収縮
との間に高い相関がある。 第3図のRフアクタは非常に良好で、スラリー
の抵抗率測定値は他の測定値よりも収縮との相関
が高いという本発明者らの説が裏付けられた。 上記と実質的に同じ方法により測定すると、
Na量が104ppmと高い試料101は、収率が、
17.2%と大きく、Na量が22ppmと低い試料82
は、収縮が16.78%と小さかつた。Na量は誘電結
合したアルゴン・プラズマ分光光度計により確認
した。これらのスラリーを作製するのに使用した
2種類のAl2O3の表面積には実質的な差はなく、
試料101は0.976m2/g、試料82は0.932m2/
gであつた。さらに別のスラリーを上記の方法で
作製した。試料82に類似の試料16はスラリー
の抵抗率が186KΩ−cmであり、これに対して試
料101に類似の試料98のスラリーの抵抗率は
88KΩ−cmであつた。これら2つのスラリーのゼ
ータ電位はそれぞれ−0.08Vおよび−0.28Vであ
つた。試料16は収縮率が16.76%、試料98は
収縮率が17.20%であつた。 上記の2試料、および他の試料の抵抗率、
Al2O3の表面積、焼結によるグリーン・シートの
収縮率およびナトリウム含有量を測定した結果は
下表のとおりであつた。ナトリウム含有量と、焼
成による収縮率との間に、測定誤差の範囲内で、
高い相関性のあることが容易に理解できる。
この発明によれば、焼成中のセラミツク酸化物
の収縮を制御することができる。この結果、電子
パツケージの製造を改良することができる。
の収縮を制御することができる。この結果、電子
パツケージの製造を改良することができる。
第1図は、実施例1における電気泳動易動度
(10-7cm2V-1Sec-1)と、グリーン・シートの焼成
による収縮率(X−Y)%の関係を示す図であ
る。第2図は、実施例1におけるゼータ電位
(V)と、グリーン・シートの焼成による収縮率
(X−Y)%の関係を示す図である。第3図は、
実施例2におけるスラリーの抵抗率(KΩ−cm)
と、グリーン・シートの焼成による収縮率(X−
Y)%の関係を示す図である。第4図は、不純物
濃度(ppm)と、グリーン・シートの焼成による
収縮率(X−Y)%の関係を示す図である。第5
図は不純物濃度(ppm)と、スラリー抵抗率
(KΩ−cm)と関係を示す図である。第6図は、
実施例3におけるNaOH濃度(ppm)と、グリ
ーン・シートの焼成による収縮率(X−Y)%の
関係を示す図である。第7図は、実施例4におけ
るH2O濃度(×103ppm)と、グリーン・シート
焼成による収縮率(X−Y)%の関係を示す図で
ある。第8図は、スラリー粘度(cps)と、
NaOH濃度(ppm)の関係を示す図である。第
9図は、グリーン・シートの密度(g/cm3)と、
NaOH濃度(ppm)の関係を示す図である。
(10-7cm2V-1Sec-1)と、グリーン・シートの焼成
による収縮率(X−Y)%の関係を示す図であ
る。第2図は、実施例1におけるゼータ電位
(V)と、グリーン・シートの焼成による収縮率
(X−Y)%の関係を示す図である。第3図は、
実施例2におけるスラリーの抵抗率(KΩ−cm)
と、グリーン・シートの焼成による収縮率(X−
Y)%の関係を示す図である。第4図は、不純物
濃度(ppm)と、グリーン・シートの焼成による
収縮率(X−Y)%の関係を示す図である。第5
図は不純物濃度(ppm)と、スラリー抵抗率
(KΩ−cm)と関係を示す図である。第6図は、
実施例3におけるNaOH濃度(ppm)と、グリ
ーン・シートの焼成による収縮率(X−Y)%の
関係を示す図である。第7図は、実施例4におけ
るH2O濃度(×103ppm)と、グリーン・シート
焼成による収縮率(X−Y)%の関係を示す図で
ある。第8図は、スラリー粘度(cps)と、
NaOH濃度(ppm)の関係を示す図である。第
9図は、グリーン・シートの密度(g/cm3)と、
NaOH濃度(ppm)の関係を示す図である。
Claims (1)
- 1 セラミツク酸化物スラリー中に少なくとも1
つのイオン性不純物を所定量添加することによ
る、セラミツク酸化物スラリーの焼成による収縮
を制御する方法。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US52146383A | 1983-08-08 | 1983-08-08 | |
| US521463 | 1983-08-08 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59095786A Division JPS6044868A (ja) | 1983-08-08 | 1984-05-15 | 焼結中のセラミック酸化物の収縮を予知する方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0297456A JPH0297456A (ja) | 1990-04-10 |
| JPH0582339B2 true JPH0582339B2 (ja) | 1993-11-18 |
Family
ID=24076837
Family Applications (2)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59095786A Granted JPS6044868A (ja) | 1983-08-08 | 1984-05-15 | 焼結中のセラミック酸化物の収縮を予知する方法 |
| JP1124563A Granted JPH0297456A (ja) | 1983-08-08 | 1989-05-19 | 焼結中のセラミック酸化物の収縮を制御する方法 |
Family Applications Before (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59095786A Granted JPS6044868A (ja) | 1983-08-08 | 1984-05-15 | 焼結中のセラミック酸化物の収縮を予知する方法 |
Country Status (3)
| Country | Link |
|---|---|
| EP (1) | EP0133509B1 (ja) |
| JP (2) | JPS6044868A (ja) |
| DE (1) | DE3485146D1 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0708068A1 (en) | 1994-10-19 | 1996-04-24 | Ngk Insulators, Ltd. | Method for controlling firing shrinkage of ceramic green body |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP2943129B2 (ja) * | 1992-12-29 | 1999-08-30 | インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション | セラミック組成物、セラミック・グリーン・シートおよび製造方法 |
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|---|---|---|---|---|
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| JPS539249A (en) * | 1976-07-15 | 1978-01-27 | Mitsubishi Atomic Power Ind | Weld structure for vacuum sealing |
-
1984
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- 1984-07-24 EP EP84108712A patent/EP0133509B1/en not_active Expired - Lifetime
-
1989
- 1989-05-19 JP JP1124563A patent/JPH0297456A/ja active Granted
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0708068A1 (en) | 1994-10-19 | 1996-04-24 | Ngk Insulators, Ltd. | Method for controlling firing shrinkage of ceramic green body |
| US6051171A (en) * | 1994-10-19 | 2000-04-18 | Ngk Insulators, Ltd. | Method for controlling firing shrinkage of ceramic green body |
Also Published As
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| EP0133509A3 (en) | 1986-11-20 |
| EP0133509B1 (en) | 1991-10-09 |
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| EP0133509A2 (en) | 1985-02-27 |
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| JPS6044868A (ja) | 1985-03-11 |
| DE3485146D1 (de) | 1991-11-14 |
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